カメラが捉えた母子の姿から溢れるさまざまな愛のカタチUpload By 発達ナビニュースUpload By 発達ナビニュースUpload By 発達ナビニュース「ダウン症のある子とその母」に焦点を当てた写真展が、5月8日より東京メトロ表参道駅のコンコースにて開催されています。写真家で、パラリンピックの選手や日本で暮らす難民の写真で知られる宮本直孝さんと、ダウン症児の親たちでつくるNPO法人「アクセプションズ」が企画を行いました。母と子の写真は特大パネルで表参道駅内に飾られており、見る人たちにメッセージを伝えています。Upload By 発達ナビニュース共催であるアクセプションズ代表で、長男の裕起さんと共にモデルにもなった古市理代さんにお話をお伺いしました。アクセプションズ代表で今回モデルにもなった古市さんにインタビューUpload By 発達ナビニュース―写真展がはじまってみて、反響はいかがですか。予想以上に反響を頂いています。私は初日から毎日開場に足を運んでいるのですが、当事者やそのご家族、お友達に加えて、オープンスペースでの展示なのでダウン症を全く知らない方も多く見てくださっており、頑張ってくださいなどといったお声をかけて頂いております。告知用のウェブサイトにはあえて一部の作品しか掲載しなかったため、現場に足を運んで頂いた方からは想定以上にインパクトがある作品数と展示方法で驚いたと言われます。眼力の強いモノクロ写真の羅列は印象的で、とはいえ温かみも感じられるとのお声も頂きました。―撮影はどういった様子で行われましたか。3月下旬から4月頭にかけて、21組の親子を何回かに分けて撮影を行いました。PR用の素材として私が最初に撮影を行ったのですが、フォトグラファーの宮本さんは「作り笑顔ではない、素の写真を撮りたい」とおっしゃったんですね。だけど子供と一緒にカメラを向けられると、つい親は良い顔をつくってしまうんです。そこで親と子は別々に写真を撮るという、今回の撮影・展示方法がとられました。―撮影された写真を見て、どのような感想を持ちましたか。自分の中の今の気持ちがよく表れているなと感じました。というのも最初は宮本さんに、もっと強い表情を、葛藤の中で乗り越えてきた表情を出してほしいと言われたので、口をきゅっと結んでみたりしたんですね。だけど宮本さんには「何か違うんだよな」と言われまして。そして宮本さんに、「古市さん、今あまり辛くないんじゃない?」と言われ、その通りだったんです。撮影の時はちょうど、息子は中学に入ったばかり。彼は新しい生活をスタートさせて、新たに色々な経験を積み重ねており彼の成長を感じていた時期でした。悩みがないわけではないですが、これからの希望や楽しみの方が大きかったんです。そんな私の思いが引き出された写真だなと感じました。―アクセプションズの活動について、メッセージがあれば。ダウン症のある人たちへの理解や啓発を行う私たちアクセプションズは6年目を迎えます。その活動の中で、ダウン症というのはひとつの個性であり特性であること、多くの人にダウン症についてもっと知ってほしいと思って活動しています。ダウン症を知って頂き、ふれあって頂き、ダウン症の人とそうでない人がお互い理解を深めてほしいと考えています。ですから私たちの活動に当事者でなくてもどんどん参加して頂けるとうれしいです。写真展の開催概要写真展「母の日 – I’m a mother of a child with down syndrome」は、表参道駅構内B1出口付近にて、5月14日(日)まで。Upload By 発達ナビニュース写真展「母の日 – I’m a mother of a child with down syndrome」
2017年05月10日全米のダウン症啓発活動から生まれた、「バディウォーク」ってどんなイベント?Upload By 発達ナビニュース4月22日に一般社団法人ヨコハマプロジェクトが主催するイベント「バディウォーク」が行われます。バディウォークとは、ダウン症を理解・受容(acceptance)し、共に生きる(inclusion)ことを促進するイベントで、全米ダウン症協会により1995年に「ダウン症啓発月間」の一環としてニューヨークで始められました。1マイルを歩きながら、ダウン症のある子ども達同士、親同士、一般市民が触れ合うチャリティイベントです。世界各地で開催されており、日本でも各地でそれぞれに特色のあるバディウォークが開催され、多くの方が参加しています。バディウォーク in ヨコハマが開催!Upload By 発達ナビニュース港都市として異文化交流の歴史を持ち、多様性の文化を育んできた横浜で、一緒に歩くことを通じ、相手の存在や能力を認め合えるような機会を作ってみたい。横浜のチャリティウォーク、バディウォークは、そうした思いから誕生したそうです。バディウォークのコンセプトは、「当日ウォークに参加したい人、気持ちで応援したい人などそれぞれの方が関わりたいと思うやり方で、気軽に、互いがつながれるイベント」とのことです。ウォーキングイベント以外にもお楽しみがもりだくさん!Upload By 発達ナビニュースまた、さわやかな潮風をあびながら山下公園内の歩道約1.2kmを歩くウォーキングイベント以外にも、当日はアクティビティやステージイベントも行われるとのこと。アクティビティでは、和太鼓体験・アート体験・ジャグリング体験・チアダンス体験・セラピードッグなど体験型・工作型のワークショップや、みんなで行う写真撮影、家族の思い出を写すファミリーフォト、その他にも多彩なアクティビティが楽しめます。ステージイベントでは、ジャズバンドや和太鼓・チアダンスなど様々なパフォーマンスが披露されます。みんなで盛り上がりましょう!主催者メッセージ主催者の方からは以下のコメントを頂いています。「『バディウォークinヨコハマ』には、全国各地から、多くのご家族がご参加されます。ともに楽しい時間をすごせるよう、メンバー一同、みなさまのご参加をお待ちしています。」(ヨコハマプロジェクト代表近藤寛子さん)赤ちゃんから大人まで、障害のある方もない方も一緒に歩き、一緒にワークショップを体験し、さまざまな方々とのふれあいをお楽しみ頂くのはいかがでしょうか。バディウォーク in ヨコハマ 開催概要Upload By 発達ナビニュース2017年4月22日(土)12:00~15:00(開場 11:30~)小雨決行山下公園(集合場所:おまつり広場)無料詳細は以下のウェブページをご覧ください。バディウォークinヨコハマ2017
2017年04月18日ボク、普通のお父さんですけど、一緒に話をしてもいいですか?出典 : 姫路まさのりさんは、「ダウン症は不幸ですか?」という番組(ABCラジオ)の制作に携わり、ラジオ放送番組部門最優秀賞を受賞された放送作家・ライターです。今回のコラムでは、姫路さんの書籍・処女作となる『ダウン症って不幸ですか?』をご紹介します。姫路さんはライフワークとしてダウン症のあるひとたちと向き合い、社会に発信しています。しかし姫路さん自身は福祉や教育に携わる支援者でもなく、ご自身にダウン症があるお子さんがおられるというわけでもありません。また私も同じく、ダウン症があるわけでも、ダウン症がある家族がいるわけではありません。いわゆる「当事者」ではないという共通点を持つ人による書籍という点で、同じ距離感に立って読み進めることができました。ダウン症の子どもを持つ家族、それぞれの真実出典 : 『ダウン症って不幸ですか?』では、5つのご家族の物語がインタビュー形式で掲載されています。姫路さんの筆致は柔和でくすっと笑える部分も多く、取り上げているご家族の情景はとても暖かです。私にとっても、感動し共感を覚えるシーンというのは、ありふれた日常的なエピソードの部分でした。第2章に書かれている2つ目のご家族、梶原さんの娘さん・文乃ちゃんとそのクラスメイトとのラブラブ仲良しシーンは、自分自身の小学校時代を思い出して「ふふふ」と笑いがこみ上げてきたほどです。私にとってダウン症がある子との原体験は、同じ学校でお昼休みに一緒に遊んだA子ちゃんです。普通に喋ったりトランポリンで遊んで…というほのぼのとありふれた日常の記憶です。お昼休みが終わっちゃうのが惜しく、後ろ髪惹かれ、特別支援の教室を後にする前にぎゅーっとみんなでハグをする…そのぬくもりを思い出しました。ひとと触れ合った暖かさというのはいつまでも心に残り、そのことが物事を考え行動する起点にもなります。世代にもよると思いますが、このように日常にダウン症がある子がいる生活を経験している人は少なからずいらっしゃると思います。しかし、それがどんな感じだったか話してシェアしたり、この本のように当事者やご家族以外がまとめた経験談を読む機会というのは、あまり多くはないかもしれません。私も自分の原体験を思い出すきっかけを得て、引き込まれるように読み進めましたが、特に姫路さんが文中で「ダウン症のある子どもはまるでコタツの様な存在。温かくひとなつっこさに引きつけられ子どもたちが自然に寄ってきてしまう」と言っていたのはとてもうなづけました。それは一般的な「ダウン症がある子どもは天使のような存在」と恣意的に美化する文脈とは違います。"普通のお父さん"として等身大でダウン症のある子どもたちと向き合った姫路さんならではのユーモアとやさしさに溢れた表現だと思います。ありふれた日常の情景なのに、どうして胸が熱くなるのか出典 : この本を読まれた方は、ダウン症がある子と関わった自分の原体験をふと思い出すような、優しい気持ちになるエピソードにたくさん出会えることでしょう。もちろんその原体験が特にない方にとっても、胸を熱くさせる部分がとても多いと思います。たとえば、第2章のおおとりを飾る喜井さんご家族のエピソード。ダウン症がある娘・晶子さんの仕事帰りを待っている、定年退職されたお父様。晶子さんから毎日かかってくる「帰るコール」。そして時間ぴったりに始まる二人の晩酌、冗談を飛ばし合いながら楽しむ様子は、ありふれた日常の情景です。それなのに、毎日がそうして巡っていること自体になぜか目頭が熱くなりました。私が流すこの涙は一体何でしょうか。ありていにいえば「やっぱりどこかで偏見があった、ごめんなさい」という、社会を構成するひとりとしての懺悔の涙、なのかもしれません。書籍の冒頭、姫路さんが引いている新出生前診断の示すショッキングな数字とその分析が端的に示すように、実際のダウン症のあるひととの生活像と、妊婦の立場でイメージするそれとのギャップは、決して小さくはないのが現状です。新出生前診断をめぐっては、賛否両論含め様々な見解が混在する昨今ですが、新出生前診断を受けるか受けないかの選択をする前に、姫路さんのこの書籍を読んでもらいたい。いまここ・現在の日本で、こんなに幸せを分かち合いながら暮らす家族がいるという事実こそ知ってほしい、そう願ってやみません。「ダウン症って不幸ですか?」大規模調査が示す当事者の答え。そして私たち読者は…出典 : 厚生労働省は2015年、日本ダウン症協会の全面的な協力のもと,予算を投じ全国的なアンケート調査を行いました。このアンケートはDown症候群がある人の家族からの調査と, Down症候群を持つ本人の自己認識に関する調査の二つを行った。本調査の結果, Down症候群がある人では,多くの人が高校を卒業して働いているが,就労においては収入の問題が存在した.一方,Down症候群がある人は,幸福感を持ち,周囲との人間関係にも満足している状況が認められた.DSのある人の多数が自己肯定感を有していることが明らかになったのは,社会において重要な情報になったと考える.---出生前診断における遺伝カウンセリングの実施体制及び支援体制のあり方に関する研究つまり、姫路さんの書籍タイトル「ダウン症って不幸ですか?」に対する答え、厚生労働省は「NO」と明言しています。さて、わたしたちはどのようにこの結果を受け止めるべきでしょうか。答えのヒントは姫路さんの書籍の中にちりばめられています。インタビューをしたご家族の力強い言葉に触れてみてください。「ダウン症って不幸ですか?」その答えはこの本を読み終わったのちに読者の皆さんの心の中にみつかるでしょう。それを楽しみに、ぜひ読んでいただきたいです。Upload By 平澤晴花(発達ナビ編集部)書籍名:『ダウン症って不幸ですか?』著者:姫路まさのり発行:宝島社価格:本体1300円+税『ダウン症って不幸ですか?』(著) 姫路 まさのり
2017年03月26日東京大学は9月16日、ダウン症脳でアストロサイトという細胞の数が多くなる異常が起こる仕組みを発見したと発表した。同成果は同大学大学院理学系研究科附属遺伝子実験施設の倉林伸博 助教と眞田佳門 准教授らの研究グループによるもの。9月15日に欧州分子生物学機構の学術誌「EMBO reports」オンライン版で発表された。ダウン症脳では神経細胞の数が少なくなると同時に、アストロサイトの数が多くなることが知られている。これは21番染色体の数が2つではなく3つあることで、21番染色体上にある遺伝子の発現量が1.5倍になることが原因とされる。しかし、どの遺伝子の発現量が多くなることでアストロサイトが増加するのかはわかっていなかった。同研究グループは、ヒト21番染色体上の約88遺伝子に相当する遺伝子が3つに増えているマウス(ダウン症モデルマウス)においては、神経前駆細胞からアストロサイトが誕生しやすくなっていることを発見。アストロサイト分化におけるヒトの21番染色体上の遺伝子の影響を調べた結果、DYRK1Aというタンパク質リン酸化酵素を見出した。そこで、DYRK1A遺伝子をマウス胎児脳の神経前駆細胞に導入したところ、DYRK1Aが通常の1.5倍程度に過剰発現された場合に、神経前駆細胞の働きが改変され、アストロサイトが生み出されやすくなった。反対に、同遺伝子の発現量を減少させるとアストロサイトが生み出されやすいという現象が緩和されたという。さらに、ダウン症モデルマウスの脳では、アストロサイト分化に重要な役割を持つ転写因子STAT3の働きが異常に活性化しており、それにDYRK1Aの過剰発現が影響していることがわかった。これらの結果から、21番染色体上に存在するDYRK1A遺伝子が神経前駆細胞の働きにとって重要な役割を担っており、ダウン症ではこの遺伝子の量が増え、STAT3の働きが異常に亢進することによって、神経前駆細胞が正常に働かなくなることが示された。今後、脳の正常な形成や発達に重要な役割を果たす21番染色体上の遺伝子の正体を明らかにすることで、ダウン症の発症の仕組みが解き明かされ、症状を緩和する治療法の確立につながることが期待される。
2015年09月17日日本ダウン症協会(JDS)は3月21日、国連の国際デーである「世界ダウン症の日」にちなんだイベント「STEP FORWARD TOGETHER みんなで一緒に前へ進んでいこう2015」を、かめありリリオホール(東京都葛飾区)で開催する。「世界ダウン症の日」は、2011年12月の国連総会で承認され、正式に国連の国際デーの一つとして制定された。同イベントは、「世界ダウン症の日」である3月21日に実施。ダウン症のある人たちの姿を多くの人々に実際に見て知ってもらい、人間の多様性について考えるきっかけを作ることを目的に、同イベントを開催する。大人から小さな子どもまで楽しめるイベントを開き、ダウン症そのものやダウン症のある人について伝えることで、社会へ向けて広く啓発を図っていくという。イベントは、ダウン症のある人とその家族、支援者だけではなく、ダウン症に関わる専門家、医療・福祉・教育等の関係者とそれらを学ぶ学生、一般の方を含め、誰でも参加できる。クロストークショーでは、ダウン症の子供を持つ、奥山佳恵さん(女優、タレント)、たちばなかおるさん(マンガ家)、玉井邦夫JDS代表理事が登場する。そのほか、韓国から参加するダウン症がある人と日本のダウン症がある人による合同演奏を行う「ゲストステージパフォーマンス」、フラメンコダンスやエレクトーン演奏、コントなど公募によるダウン症がある人々のステージパフォーマンスも実施。また、JDSからのアピール、ダウン症のある人からのメッセージも聞くことができる。時間は、13:00~16:00(予定)。会場は、かめありリリオホール。
2015年02月02日目黒雅叙園は11月21日~12月28日、園内に現存する東京都指定有形文化財「百段階段」にて、個展「ダウン症の天才書家 金澤翔子×百段階段 ~共に生きる~」を開催する。○目黒で生まれた金澤翔子氏の作品を文化財に展示同展は、NHK大河ドラマ「平清盛」のタイトル題字のほか、鎌倉建長寺での「建長寺展」、京都建仁寺での「建仁寺展」など、精力的に活動をしている金澤翔子氏の作品展。金澤翔子氏は1985年、東京都目黒区に生まれ、5歳の時に母の師事で書を始める。2005年銀座書廊で個展を開催。2009年鎌倉建長寺、京都建仁寺で個展を開催(以後毎年開催)。2011年奈良東大寺で個展を開催した。福島に「金澤翔子美術館」開設。2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」揮毫。熊野大社で奉納の揮毫。2013年銀座に「銀座金澤翔子美術館」を開設。平泉中尊寺で個展を実施。厳島神社で奉納の揮毫。東京国体の開会式で揮毫。天皇の御製の揮毫を行なった。同展では「共に生きる」をテーマに、母・泰子氏の当時の日記を元にした「ことば」と娘・翔子氏の「書」、合わせて約40作品を4つの章に分けて構成し展示する。ダウン症として生を受けた娘と母との軌跡を辿る。多くの感動を与えた書と絢爛豪華な昭和の美空間との共演を体現する機会になるという。開催日時は、11月21日~12月28日 10時~18時(17時30分最終入館)。会期中無休。会場は、目黒雅叙園「百段階段」(東京都目黒区下目黒1-8-1)。入場料(税込)は、当日1,200円。前売り1,000円/学生600円で、小学生以下は無料。
2014年11月07日