WOWOWの連続ドラマW「罪と罰 A Falsified Romance」の制作発表会見が4月11日(水)、東京・銀座の時事通信ホールで行われ、主演の高良健吾と共演の水川あさみが出席した。文豪・ドストエフスキーの名作をモチーフに、現代社会の闇に切り込む硬派な題材に「大変だった」と口を揃えるが、それでも「この2人だからこその“ぶつかり合い”ができた」(高良さん)、「現場を引っ張ってくれた。私より年下ですが、すごく尊敬している」(水川さん)。深い信頼関係があったからこそ、苦難を乗り越えたと誇らしげな様子だった。ロシア文学の古典を現代の日本に置き換え翻案したコミック「罪と罰 A Falsified Romance」(双葉社刊)を今回、実写ドラマ化した本作。高良さん演じる引きこもりの青年・裁弥勒(たちみろく)が独自の思想にかられ、女子高生殺害を決行するが、事態は思わぬ展開を見せ、弥勒本人も窮地に立たされる。水川さんが事件後、追い詰められる弥勒と出会い、その運命を大きく変える悲運のヒロイン・飴屋英知香を演じる。高良さんにとっては、今回が初の連続ドラマ主演。「こんなに濃い撮影期間はなかった。役柄と同じくらい追い込まれたが、現場が一緒に悩んでくれたし、『これはすごいドラマになるんじゃないか』といういままでにない異様な雰囲気だった」とふり返り、「これが(連ドラ)初主演で本当に良かった」と手応えは十分だ。一方、水川さんは“不幸中毒”とも言える英知香役に「何を考えているか本当に理解できない。決して素敵な女性とは言いがたい」と役づくりに苦心した様子。「体当たりと言えば聞こえはいいですけど(笑)、もう『やるしかないな』って。とにかく、むき出しの感情でしか成立しないと思った」と女優魂をぶつけた。2人はすでに共演経験があり、プライベートでも「何回か仲間内で飲みに行ったことがある」のだとか。撮影前には、高良さんが「これ、どうなるかな」、「不安でしょうがない」といった相談メールを水川さんに送っていたそうで、劇中さながらの“支えあう”関係性が構築されていたことを明かした。いざ撮影が始まると「高良くんの演技に対するエネルギーが、現場に満ち溢れていた」(水川さん)。追い込まれたからこそ、俳優としての本領を発揮した高良さんと水川さんの“新境地”が、「罪と罰 A Falsified Romance」の大きな見せ場となりそうだ。連続ドラマW「罪と罰 A Falsified Romance」は、WOWOWプライムで4月29日(日)より毎週日曜22:00~放送(全6話/第1話は無料放送)。■関連作品:苦役列車 2012年7月14日より全国にて公開© 2012「苦役列車」製作委員会横道世之介 2013年、全国にて公開■関連記事:吉田修一×沖田修一『横道世之介』、綾野剛ら注目俳優の出演決定!『蛇にピアス』コンビ復活!高良健吾&吉高由里子で吉田修一の青春小説を映画化岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表麻里子さま、前田敦子と大島優子を馬に例えると…?AKB48・前田敦子、芥川賞受賞の文学映画にヒロイン役で参加決定!
2012年04月11日今年は"墓ブーム"が来るのだろうか。先日、インターネットサービスプロバイダのニフティ株式会社が運営するイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」にて、『お墓日和 vol.1~墓マイラーたちと美墓デザインの世界~』というイベントが開催された。その後、TVや新聞でも取り上げられ、"墓"および"墓マイラー"が注目されはじめている。"墓マイラー"とは、世界各地の著名人のお墓を巡る人たちのことを指す。今回、このお墓イベントには、こだわりのデザイン墓石を集めた本・『美墓』(幻冬舎)のスタッフが集めたえりすぐりの墓マイラーたちが出演した。それぞれが熱い墓トークを繰り広げたイベントの後、一部の出演者の方々に、なぜ今お墓なのか・お墓の何に引かれるのか等、思いの丈を語っていただいた。■お話を伺った墓マイラー・チェコから来た墓マイラーのホリー・ペトルさん(駐日チェコ共和国大使館一等書記官・チェコセンター東京所長)・あきやま みみこさん(『著名人のお墓を歩く』著者)・カジポン・マルコ・残月さん(WEB『文芸ジャンキー・パラダイス』管理人)――まず、皆さんはどのようなきっかけで墓マイラーになったのでしょうか?ホリー・ペトルさん(以下、ホリー)「昔からの習慣ですね。ヨーロッパでは、親族以外の有名人のお墓にお参りするのは普通のことなんです。ヨーロッパの女性の中には、有名人の墓参りをして、墓石にキスをする人もいますよ」あきやまみみこさん(以下、あきやま)「私は、人に誘われて雑司ヶ谷霊園に行ったのが最初です。もともとカメラが趣味で、雑司ヶ谷霊園に行ってからは、散歩しながらお墓の写真を撮るようになって……200~300くらいは行きましたね」カジポン・マルコ・残月さん(以下、カジポン)「僕はですね……長くなりますよ?(笑)19歳のときに、10代で一番お世話になった人にお礼を言いに行こうと思って。当時の僕にとって、最大の恩人はドストエフスキーでした。将来にも片思いにもすべてに行き詰まって泥沼状態だったのですが、『罪と罰』を読んで救われたんです。なんとか一言でもスパシーバ(ありがとう)と言いたい。そしてお墓に行ったら……心にアート・サンダーが落ちたんですよ!全身が感電したんです!分かります!?今まで教科書や本でしか見たことのないドストエフスキーが、実際に生きていたからこそ、今ここに墓があるんだ!って。それなら、シェイクスピア、バッハ、ゴッホ、手塚先生、恩人全員にお礼を伝えなきゃ、と。もうそこからが僕のお墓人生の始まりで……稼いだお金、全部墓参りに消えましたよ!(笑)」――……ハイテンションなカジポンさんですが、今までに1,316名もの著名人のお墓を参られたそうですね?カジポン「もう、行かないと、人生が前に進まないんですよ!例えば、こんなにチャップリンの映画に感動したのに、お墓に行かないでいいの!?って。『こんなにすてきな作品をありがとうございます』って感謝を伝えに行くんです」――で、19歳から今までずっと、芸術作品への感動を伝えに、墓参りを続けているわけですね。カジポン「ええ、もう19~42歳まで、かれこれ23年間です。23年前にドストエフスキーのお墓の前で頭がショートしてから治ってないんですよ。もう出家したようなもんです(笑)」――ショートですか(笑)皆さん、今までに頭がショートするくらいこれは良かった!というお墓はありますか?ホリー「高尾霊園にある寺山修司さんのお墓ですね。行ったのが天気の悪い日で、みぞれだったんです。その天気の悪さが、寺山さんの雰囲気とバッチリ合っていてとてもすてきでした。竹久夢二さんのも好きですね。小さくてかわいらしいお墓で」あきやま「私は、衝撃だったのは岡本太郎さんですかね。岡本さんの代表的な作品の形をしているお墓で。見つけた瞬間思わず、ワーッって駆け寄っちゃいました(笑)」カジポン「僕は断然、ダニー・ケイです。なんと墓石の形が長椅子!座ってくれと!そして背もたれに、彼が好きだったものがいっぱい彫ってあるんです。サイッコーですよ!」――(ダニー・ケイのお墓を見ながら)ほー、確かにこれはあまり見たことはない墓です。――ところで、お墓、そして墓参りのよさってなんでしょうか?ホリー「すでに亡くなった方のことを知ることができる。故人の研究をするときに、お墓はその人のことを知る資料として優れているんですよ。著名人であれば、墓石の裏にその人の歴史が書かれていることもありますからね」あきやま「私も、時を越えてその人と会える点が魅力だと思います。同じ時代に生きた人ではなくても、その人と会うことができる……いえ、実際に会えるわけではないですが、墓石の前に立つと、気持ちが対面しますから」カジポン「僕は先ほども言ったようにお礼を言いに行くわけですが、芸術家などの墓参りをすると、墓石が言うわけですよ、『おれの作品に感動したんだろ?じゃあ、生きてる人間ともコミュニケーションとれるじゃないか』と。そこが魅力です」――最後に、墓ブーム来ると思いますか?ホリー「ぜひ来てほしいですね。ブームになったら『なんでお墓なんか見に行くの?』って周りにけげんな顔をされなくなりますし(笑)」あきやま「墓参りをする人(=墓マイラー)が増えるかどうかは分かりませんが、お墓に興味を持つ人は増えると思います。自分のお墓をどういうものにしよう、と真剣に考える人が多くなるかと」カジポン「うーん、墓ブームが来る来ると10年前から言われてるんですが、今度こそ来てほしいですね!」墓マイラーの皆さんの、お墓への真剣な思いに頭が下がりっぱなしだった今回の取材。今まで、墓地の前を通るときは、何かに取りつかれそうな気がしてそそくさと通りすぎていた自分の低俗さときたら。「お墓は怖いものじゃないんです」(ホリーさん)というように、もっと身近な存在として考えてもいいのかもしれない。手始めに、近所の墓地に親しみを持つことからはじめてみようと思う。(朝井麻由美/プレスラボ)【関連リンク】占い、ユーレイ、それとも宇宙人? あなたがひそかに信じてるものは?お墓にユーレイいないといいなぁ……。霊感ゼロだけど仏道に入りたいのですが、どうしたらいいですか?出家への道は厳しいです心霊研究家に聞く、心霊スポットで絶対にやってはいけない三つのこと霊が眠る場所へ行く際には慎重に行動してください
2010年04月10日前回「読書の秋だけど……。あなたが読めなかった分厚い本は?」で、惜しくも途中で挫折してしまった名作エピソードをご紹介しました。『罪と罰』(フョードル・ドストエフスキー)や『雪国』(川端康成)などなど……、20代読者たちからたくさんのエピソードが集まり、大いに盛り上がりました。(たぶん)。今回は調子に乗って「読めなかった本」シリーズ第2弾「マンガ本」編をお送りします!「たかがマンガ」と侮るなかれ。集まったコメントを読んで、あなたも「これ、途中で挫折してた!」と思い出すことになるかも……?■『X(エックス)』(CLAMP)「CLAMP(=女性4人からなる創作集団)作品が好きで、世紀末というテーマにドキドキしながら読んでいました。ところが、月刊誌だった関係上、連載スピードが遅く、最終回より先に、現代が世紀末を無事に迎えてしまうという結果に。ラストを知ってしまったような気がして、読むのをやめました」(26歳/出版)こちらは映画にもなった、人気作品。『X』だけに、テーマソングをX JAPANが担当していたことをよく覚えています。そういえばこの作品、現在休載中なんだそうですよ。読み直すなら、今?■『ベルセルク』(三浦建太郎)「当時、つき合っていた彼氏が夢中で読んでいて、『彼氏の好きな物を知りたい!』という気持ちからチャレンジ。ですが、彼氏と別れたタイミングで読むのをやめました。正直、話が前後しすぎてわかりづらい!」(25歳/webデザイナー)私の友人はこの作品について「最終回を迎えるには、惜しい作品」と賞しておりました。とはいえ、最終回までの道のりはまだまだあるようですが。■『デスノート』(大場つぐみ、小畑健)「ちょうど友だちが『すごくおもしろい!』と騒いでいた時期に読み始めたものの……。なかなかみんなが騒いでいる段階に追いつかず、挫折。心もいっしょに折れた感じがしました」(24歳/税理士)「デスノート」というと、映画化・アニメ化され、いっときブームにまでなったマンガ。はやりから一歩遅れてスタートするのって、勇気がいるんですよね。あと、根気も。■『天使禁猟区』(由貴香織里)「キレイな絵が好きで読んでいましたが、あまりにも話がややこしすぎるのと登場人物が多すぎることに疲れ、ドロップアウト。マンガって、絵がキレイなだけじゃだめなんですね……」(29歳/公務員)いくら絵がキレイでも、ストーリーがよくなければ台無し!?厳しいです、マンガの世界。■『ブラックジャック』(手塚治虫)「オムニバス形式で読みやすく、毎回『おもしろい!』と思って読んでいました。ところが『どうせおもしろいんでしょ……』と思うようになり、読まなくなってしまいました。だって、どうせどこから読んでもおもしろいし、患者は助かるし」(28歳/ライター)あの手塚治虫作品を途中で挫折してしまうだなんて!おもしろすぎるのも、ときとして挫折の原因になってしまうのですね。マンガで挫折するということは、てっきりストーリー展開が遅すぎるとか、話が長く続きすぎているという理由が多いとばかり思っていましたが、そうでもない様子。あなたが途中で挫折してしまったマンガは、いくつある?(吉住夏樹/プレスラボ)【関連リンク】読書の秋だけど……。あなたが読めなかった分厚い本は?「読めなかった」シリーズ第1弾が、こちら!モテたい男子必見!モテワザ満載の少女漫画3冊!このなかに、最後まで読めなかったマンガは入っていますか?大人になっても"We Love漫画!"COBS世代のバイブルコミックとは?さすがに……このなかにはないですよねぇ?
2009年10月03日秋といえば、読書の秋。「ちょっと、名作と呼ばれる本でも読もうかなぁ」なんて考えている読者も居るかもしれません。「そんな読者たちのために名作をご紹介」といきたいところですが…、そこはコブス横丁。そうは問屋が卸しません!ここではあえて20代の世代たちが果敢に挑戦し、惜しくも途中で挫折してしまった名作エピソードをご紹介と思います。■「罪と罰」(フョードル・ドストエフスキー)「主人公を含め登場人物たちの名前を覚えられず、ギブアップ。ストーリーも、誰が誰なんだかわからないままで、よく覚えていません」(26歳/webデザイナー)主人公の名前は「ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ」、ヒロインの名前は「ソーフィヤ・セミョーノヴナ・マルメラードワ」。しかも、名前が長いだけでなく、呼び方が途中で変わるらしいですよ。そりゃ大変。■「万延元年のフットボール」(大江健三郎)「読み始めて、3~4ページくらいで本を閉じました。内容も文章も非常に難解で…、たぶん、もう読まないと思います」(28歳/編集)この人は、「大江健三郎の何が面白いのか1 mmも分からない」とさんざんなことを言っておられました。ノーベル賞は、その難解さ故のもの!?■「モモ」(ミヒャエル・エンデ)「小学生のころ、友だちみんなが『おもしろかった!』というのでトライ。『読みたい!』というテンションがどうも続かず。第1章まで読み、やめました」(25歳/薬剤師)ありますよね、本を読むために必要なテンションて。もしかすると、今なら読破できるかも?■「ソフィーの世界」(ヨースタイン・ゴルデル)「読みすすめている途中でテレビかなにかで結末を知ってしまい、読むのをやめてしまいました。結末、本で知りたかったなぁ」(28歳/ライター)『あなたはだれ?』、『世界はどこからきた?』の答えを、本以外で知ってしまうという結末。■「雪国」(川端康成)「かの有名な『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった』という一文を読んで勝手に満足してしまい、そこから先は読みすすめていません。じつをいうと、いまだにストーリーを知りません」それって、書き出しの一文じゃないですか!もしかして、1ページから先へ読みすすめていない…?いくら心に響くといわれる名作といえど、「読みづらい」、「わからない」となると、ただの苦行に。上記の意見を参考に、今年の秋は何とか読破できそうな名作を選びたいと思います!(吉住夏樹/プレスラボ)【関連リンク】実はビジネスマン必須スポット?最先端の図書館事情!図書館へ行って、名作たちへリベンジだ!今一番売れている!?『間違いやすい漢字』著者に聞いた!活字にはこんな間違い、ございます大人になっても“We Love漫画!”COBS世代のバイブルコミックとは?今度、マンガ挫折エピソードについても聞いてみたい
2009年08月14日