助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが秋冬に流行しやすいノロウイルスについて教えてくれました。ノロウイルスは感染してからの対処法が重要です。間違った対処法をしてしまうと、家庭内感染など感染が広がってしまうことも……。ぜひ確認しておきましょう!秋や冬になると流行するものとして、ノロウイルスなどの胃腸炎があります。お子さんがかかったときに慌ててしまって、実はNG な対応をしている場合があるかもしれません。そこで今回は、ノロウイルスにかかったときの対処法についてお話ししていきます。 ノロウイルスとは?ノロウイルス感染症は、赤ちゃんだけではなく高齢者までの幅広い年齢層に急性胃腸炎を引き起こす、ウイルス性の感染症です。1度かかっても免疫がつきにくいので、何度もかかることがあります。 冬に多く発生して、11月ごろから流行がはじまり12〜2月にピークを迎えますが、年間を通して発生することもあります。 原因ウイルスであるノロウイルスは、人の腸管内のみで増えますが、乾燥や熱にも強く長期に生存ができ、感染力が非常に強く、少量のウイルス(10〜100個)でも感染・発症します。 どんな症状?ノロウイルスは体内に入った後、主に「腹痛・下痢・吐き気・嘔吐」の症状を引き起こします。潜伏期間は12〜48時間です。赤ちゃんの場合は食品からというより、家族から感染したり、支援センターなどの公共施設の物品に触れたり空気感染することが考えられます。 ノロウイルスは吐き気が突然、強烈に起きるのが特徴で、勢いよく吐くことが多いです。 発症後、通常であれば1〜2日程度で症状は治まります。下痢は水様性で、重症例では1日に十数回も見られますが、通常は2〜3回で治まります。 その他の症状としては、発熱のほか、筋肉痛、頭痛などが見られますが、後遺症が残ることもなく、いずれも軽症です。赤ちゃんの場合、吐き気や腹痛を言葉で表現できないため不機嫌になったり泣き続けることがあります。 嘔吐したときは、感染予防対策に気をつけて赤ちゃんが勢いよく吐いて機嫌が悪い場合、他のウイルスの可能性もありますが、ノロウイルスの感染を疑って、念のため感染対策をするようにしましょう。下痢は嘔吐してから遅れて見られることが多く、対策が不十分だとお世話をするママや家族に家庭内感染してしまいます。早めに対応するようにしましょう。 ノロウイルスは、アルコール消毒剤や熱に強いのが特徴です。嘔吐物の処理をするときに感染予防としてアルコールで除菌される方もいると思います。しかしノロウイルスの場合、熱やアルコールに強いのが特徴のため、それだけではウイルスは除去できないので注意しましょう。 嘔吐物の処理を適切に行うことで、家庭内感染も防ぐことができます。嘔吐物の基本的な処理方法は下記の通りです。参考にしてみてください。 1. 処理は最小限の人数で、直接触らないように行う嘔吐するとウイルスを含んだ水滴が1~2m程度の範囲に飛散するので、処理をする人以外は近づかないようにしましょう。そして処理をする人は、使い捨ての手袋やマスク、エプロンなどを着用し、ペーパータオルを使ってできる限り嘔吐物に直接触れないようにします。使用したものは、袋にまとめて口をしっかり縛って破棄しましょう。処理後は、手袋をしていたとしても流水で石鹸を使ってしっかり手洗いをしましょう。 2. 嘔吐物をすばやく取り除くしっかり洗浄・消毒できずに取り残された嘔吐物は、乾燥すると空気中を漂ってしまいます。それを吸い込むことで感染が広がる恐れがあるため、嘔吐物周辺の壁や床などの広範囲をすばやく洗浄・消毒しましょう。 3. 感染している人と嘔吐物を処理した人の衣類を適切に洗う嘔吐物が飛び散った衣類は下洗いをした後、塩素系漂白剤を水で薄めた液で消毒し、十分にすすぎます。高温の乾燥機を使用するか、85℃以上のお湯に1分間以上浸すと殺菌効果が高まります。すぐに洗えないときは衣類をビニール袋に入れて密封し、周囲にウイルスが付着しないように気をつけましょう。 水分補給や食べ物はどうする?嘔吐や下痢で水分が失われるので、水分補給が必要です。しかし、水分をとりすぎてしまうことで、余計に嘔吐を誘発してしまい悪化してしまうことがあります。 胃腸炎のときの水分は、赤ちゃんにとっては母乳が適しています。混合栄養の場合も、分泌量に関わらず母乳をメインにあげるようにしましょう。育児用ミルクやそれ以外の水分補給は、様子をみながら少量ずつこまめにあげるようにします。飲めなかったり、飲んでもそれ以上に吐いてしまう場合は、点滴治療が必要になる場合もあるので受診するようにしましょう。 ノロウイルスには、治療薬がなく対症療法となります。ウイルスを体外に出すことが大切なので、下痢止めなどは使えません。症状が落ち着くまで、お世話をするママにとってはつらいかと思います。症状が安定してきて、本人が水分や食事を欲しがる場合でも、小さなお子さんは一気にとりすぎてしまうこともあるので、少量ずつからにするよう大人が調整してあげましょう。 まとめ赤ちゃんはいろいろなものを触ったり、口に入れてしまいます。感染を予防するのは難しいかもしれません。周りの大人からの感染を予防するためにも、家族みんなで手洗いをしっかりしていきましょう。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀
2023年10月18日助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが秋冬に流行しやすいノロウイルスについて教えてくれました。ノロウイルスは感染してからの対処法が重要です。間違った対処法をしてしまうと、家庭内感染など感染が広がってしまうことも……。ぜひ確認しておきましょう!秋や冬になると流行するものとして、ノロウイルスなどの胃腸炎があります。お子さんがかかったときに慌ててしまって、実はNG な対応をしている場合があるかもしれません。そこで今回は、ノロウイルスにかかったときの対処法についてお話ししていきます。 ノロウイルスとは?ノロウイルス感染症は、赤ちゃんだけではなく高齢者までの幅広い年齢層に急性胃腸炎を引き起こす、ウイルス性の感染症です。1度かかっても免疫がつきにくいので、何度もかかることがあります。 冬に多く発生して、11月ごろから流行がはじまり12〜2月にピークを迎えますが、年間を通して発生することもあります。 原因ウイルスであるノロウイルスは、人の腸管内のみで増えますが、乾燥や熱にも強く長期に生存ができ、感染力が非常に強く、少量のウイルス(10〜100個)でも感染・発症します。 どんな症状?ノロウイルスは体内に入った後、主に「腹痛・下痢・吐き気・嘔吐」の症状を引き起こします。潜伏期間は12〜48時間です。赤ちゃんの場合は食品からというより、家族から感染したり、支援センターなどの公共施設の物品に触れたり空気感染することが考えられます。 ノロウイルスは吐き気が突然、強烈に起きるのが特徴で、勢いよく吐くことが多いです。 発症後、通常であれば1〜2日程度で症状は治まります。下痢は水様性で、重症例では1日に十数回も見られますが、通常は2〜3回で治まります。 その他の症状としては、発熱のほか、筋肉痛、頭痛などが見られますが、後遺症が残ることもなく、いずれも軽症です。赤ちゃんの場合、吐き気や腹痛を言葉で表現できないため不機嫌になったり泣き続けることがあります。 嘔吐したときは、感染予防対策に気をつけて赤ちゃんが勢いよく吐いて機嫌が悪い場合、他のウイルスの可能性もありますが、ノロウイルスの感染を疑って、念のため感染対策をするようにしましょう。下痢は嘔吐してから遅れて見られることが多く、対策が不十分だとお世話をするママや家族に家庭内感染してしまいます。早めに対応するようにしましょう。 ノロウイルスは、アルコール消毒剤や熱に強いのが特徴です。嘔吐物の処理をするときに感染予防としてアルコールで除菌される方もいると思います。しかしノロウイルスの場合、熱やアルコールに強いのが特徴のため、それだけではウイルスは除去できないので注意しましょう。 嘔吐物の処理を適切に行うことで、家庭内感染も防ぐことができます。嘔吐物の基本的な処理方法は下記の通りです。参考にしてみてください。 1. 処理は最小限の人数で、直接触らないように行う嘔吐するとウイルスを含んだ水滴が1~2m程度の範囲に飛散するので、処理をする人以外は近づかないようにしましょう。そして処理をする人は、使い捨ての手袋やマスク、エプロンなどを着用し、ペーパータオルを使ってできる限り嘔吐物に直接触れないようにします。使用したものは、袋にまとめて口をしっかり縛って破棄しましょう。処理後は、手袋をしていたとしても流水で石鹸を使ってしっかり手洗いをしましょう。 2. 嘔吐物をすばやく取り除くしっかり洗浄・消毒できずに取り残された嘔吐物は、乾燥すると空気中を漂ってしまいます。それを吸い込むことで感染が広がる恐れがあるため、嘔吐物周辺の壁や床などの広範囲をすばやく洗浄・消毒しましょう。 3. 感染している人と嘔吐物を処理した人の衣類を適切に洗う嘔吐物が飛び散った衣類は下洗いをした後、塩素系漂白剤を水で薄めた液で消毒し、十分にすすぎます。高温の乾燥機を使用するか、85℃以上のお湯に1分間以上浸すと殺菌効果が高まります。すぐに洗えないときは衣類をビニール袋に入れて密封し、周囲にウイルスが付着しないように気をつけましょう。 水分補給や食べ物はどうする?嘔吐や下痢で水分が失われるので、水分補給が必要です。しかし、水分をとりすぎてしまうことで、余計に嘔吐を誘発してしまい悪化してしまうことがあります。 胃腸炎のときの水分は、赤ちゃんにとっては母乳が適しています。混合栄養の場合も、分泌量に関わらず母乳をメインにあげるようにしましょう。育児用ミルクやそれ以外の水分補給は、様子をみながら少量ずつこまめにあげるようにします。飲めなかったり、飲んでもそれ以上に吐いてしまう場合は、点滴治療が必要になる場合もあるので受診するようにしましょう。 ノロウイルスには、治療薬がなく対処療法となります。ウイルスを体外に出すことが大切なので、下痢止めなどは使えません。症状が落ち着くまで、お世話をするママにとってはつらいかと思います。症状が安定してきて、本人が水分や食事を欲しがる場合でも、小さなお子さんは一気にとりすぎてしまうこともあるので、少量ずつからにするよう大人が調整してあげましょう。 まとめ赤ちゃんはいろいろなものを触ったり、口に入れてしまいます。感染を予防するのは難しいかもしれません。周りの大人からの感染を予防するためにも、家族みんなで手洗いをしっかりしていきましょう。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀
2022年10月13日季節はもう12月、寒さが本格的になると同時にいろいろな感染症も流行り出しますよね。今はまだ我が家は平和なままですが、いつ感染症との戦いが始まるのかとハラハラしています…!次男がはじめて保育園に通いだした年は、保育園の洗礼を浴びまくり、しょっちゅう体調不良で園から連絡があったりお休みしたりしていました。そしてあの強力なノロウィルスもその年にもらってくること…。■次男がノロウィルスに感染! 腕の中でまさかの…当時次男はまだ1歳児。仕事中、担任の先生から「次男が嘔吐したので迎えに来て欲しい」と電話が入り、慌てて迎えに行きました。保育園の玄関で次男を抱っこしながら担任の先生にその日の様子を聞いているとき、突然私の腕の中で嘔吐してしまったのです!!かなりビックリしましたが、床などに嘔吐物を撒き散らすと、先生たちがそこらじゅうを消毒しまくるという大変なお仕事を増やしてしまうため、自分の服でキャッチできてよかった…と、その時は同じ職業柄そう思ってしまいました(笑)。すぐに着替えて病院を受診すると、園でもノロウィルスが流行っていたことから次男もそれに感染してしまったのだろうと診断されました。「私もうつらないように気をつけてないとだめですね~、さっき抱っこしてる時に目の前で吐かれてしまってビックリしたんですよ~(笑)」と何気なく話をすると…ノロは嘔吐物から空気中に大量にウィルスが出てしまうみたいで「目の前で吐かれたなら確実にウィルスは体に侵入していると思う。後は発症するかはお母さんの免疫力次第かなー」と言われてしまいました…。■吐く→消毒 がエンドレスに…家に帰ってからは1日ずーっと消毒に追われる事になりました。やっと一通り消毒し終わったと思ったのもつかの間…消毒が終わる→次男がまた吐く→また消毒するの無限ループをしばらく繰り返すことに…。保育士をしているとたまにこういった状況に遭遇するので、ある程度の対処には慣れているはずなのですが、自分の子どもがいざ感染するとやっぱり慌ててしまいますし、消毒に追われてヘトヘトになってしまいました。2日ほどで次男はすっかり元気に。しかし、入れ替わりのように今度は私に猛烈な腹痛が襲いかかり…。予告通りやっぱり感染していたようで、しばらく猛烈なお腹の痛みと戦うことになってしまったのでした…。でも念入りに消毒したおかげか、長男と旦那への感染はなんとか防ぐことかできました!今からの季節また消毒に追われる日々が来ないよう、みんなで手洗いうがいをしっかりして体調を崩さないように気をつけたいと思います。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2019年12月10日ウーマンエキサイト読者のみなさま、こんにちは! まつざきしおりです。しんしんと冷えた、ある静かな冬の出来事。いつもと変わらない日常。そんな穏やかで平和な時が、娘のひと声(ひと吐き)を皮切りに、激しい嵐(下痢)を巻き起こし、戦場へと化したのだった…。前触れもなく突然やってきたノロウイルス!私はこの時まだ、ヤツに対する知識も浅く、ひたすら吐き続ける娘に慌てふためき、急いで娘の洋服を洗ったり掃除したり、病院に連絡を入れたりしたのですが、その無知と無防備さが仇となり、ものの数時間後にちゃっかり自分もノロに体をむしばまれるという失態をおかしました。ノロの感染力にあがらう術などなく、さらに、旦那と義実家にもそれは広まり…。当時の様子を表すならば、まさに「地獄」!!!!嘔吐下痢を繰り返す娘に、自らも嘔吐下痢をしながら対処するという惨劇。ノロからくる腹痛もすさまじいもので、冗談抜きで、人生の中で味わった痛みの中でトップ2に君臨するレベルのものでした。(ちなみに1番は陣痛です。)数日間のノロ戦線を必死に乗り越え、なんとか家族みな回復しましたが。ノロにかかってからというもの、完全なるノロ恐怖症にかかった私は、ちょっと娘の様子がおかしいと思ったら、除菌スプレーで家中を除菌しまくっていました。周りの友人に聞いても、「あいつ(ノロ)はヤバい…」「あいつを前にしたら、私たち人間なぞ無力な存在だ」と、わが家と同じように過去体験したであろう悲劇に胸を痛めながら、ぽつりとつぶやくばかり。なかなかノロとの初戦に打ち勝った体験をきくことはありませんが、まずはノロにかからないように手洗いうがいを徹底する。そして、何かしら不穏な空気を察知したら、マスクとゴム手袋を着用し、すぐさま除菌するということを徹底すれば、未然に防げるような気が!…しなくもないです……。(いや弱気!!)なにはともあれ、ノロはなめてかかったらどえらいことになるので、みなさん、ぜひ気を付けていきましょう!ちなみにこれからの時期は食中毒が心配なので、なるべく怪しい食べ物には手を出さないように、うちも気を付けたいと思います。
2019年07月12日これから空気が乾燥して寒くなるこの時期、小さな子どもをもつ親が一番恐れているのはズバリ「感染症」ですよね!!実は私は小さい頃から病気に強くて滅多に病院へ行くことはなかったし、感染症で一家全員がダウンすることも記憶の限りではありませんでした。インフルエンザもノロウィルスも、いまだに未経験です。旦那も同じく丈夫な体の持ち主で、感染症に関してはあまり知識がありません。だからこそ怖い!!知らない分めっっちゃ怖い!!私達が病気に強いからってほぺこが感染症にかからないとは限らないし、私自身歳のせいかどんどん抵抗力がなくなって、最近では子どもからの病気は大抵うつされています…。汗ほぺこが感染症にかからないように今わが家で気をつけていることは…1.なるべく外で遊ぶ人が集まる場所…子ども同士で遊ぶ場所などは、どうしてもウィルスが蔓延しやすい気がするので、冬の時期はなるべく避けるようにしています。その代わり、公園などの外遊びが中心です。しかし、親は寒くて逆に風邪をひきそうです。ただでさえ冷え性には辛い季節なのに……冬なんか大嫌いだーっ!!泣それでも親から子どもへ感染するパターンは今までないので、まだ自分だけが犠牲になった方がマシかと。笑2.部屋を暖かくする私は昔から冷え性のくせに暖房をケチる癖がありました。だって冬の電気代ってすごく高いんだもん…。特に1人の時は限界ギリギリまでエアコンをつけずに厚着でしのいでました。しかし体が冷え、免疫力が低下していたタイミングで急性胃腸炎に感染し、慌ただしい年末に救急車で運ばれた事があります…。結局点滴や薬代でエアコンつけるより高くついたという…残念な過去を持つ私。汗今はほぺこもいるので暖房はしっかりとしています。そしてエアコンをつけると部屋が乾燥するので、加湿器代わりに洗濯物を部屋干ししています。加湿もできて服も乾いて一石二鳥!!どうにかして得した気分に浸りたいセコい主婦なのでした。笑3.手洗いの徹底結局一番の感染予防ってこれしかないんじゃないかって思います。外遊びからの帰りとトイレの後は、特に徹底して手洗いさせます。ほぺこにも小さい頃から手洗いの方法を事細かく指導したので、今では「こちらがもういいよ」って思うくらい念入りに洗ってくれます。笑ちなみに手洗いと同じくらい大切と言われているうがいについては、最近「先に口の中をよくゆすいでから、喉でガラガラする」といううがいの方法を知り、ほぺこにも口の中のすすぎから重点的に教えています。こんな感じでわが家なりの感染症予防を心がけています。幸いほぺこはまだ大きな感染症にかかることなく過ごしていますが、来年から毎日幼稚園へ通う予定。色々な病気をもらって帰ることでしょう。汗その時に家族総崩れにならないよう、まずは自分の免疫力をもっと上げる努力をしたいと思います!!
2019年01月04日冬になるとノロウイルス胃腸炎が流行して、下痢やおう吐で小児科を受診する子が増えます。今回は、下痢やおう吐の対策、ノロウイルス胃腸炎を中心に解説していきます。ノロウイルス胃腸炎の症状は? 診断、治療は??ノロウイルス胃腸炎とは、どんな病気なのでしょうか? その症状や合併症、診断のポイント、治療についてご紹介します。ノロウイルス胃腸炎、その症状は?ノロウイルスはおう吐を主な症状として下痢、腹痛、発熱を認め、冬に流行しやすい胃腸炎です。子どもが感染すると、そこから大人にも感染することが多く、家族内で流行することも珍しくありません。数日間の症状ですが激しいおう吐などから脱水になってぐったりしてきたり、おしっこが出なくなったりします。この合併症に注意ノロウイルス胃腸炎の合併症として、けいれんを起こす「胃腸炎関連けいれん」があげられます。これは、ノロウイルス以外の胃腸炎でも起きるものですが、熱性けいれんとは異なり、熱がなくても起こる症状で、数秒~数分の短いけいれんを反復するという特徴があります。熱性けいれんとは治療薬が異なるので、けいれんが見られた時には医師に胃腸炎症状があるかないかを伝えることはとても重要です。ノロ、それとも? 医師の診断ポイントおう吐にはじまり、下痢症状をともない、数日の胃腸症状ののち改善し、周囲でも流行しているようならノロウイルス胃腸炎の可能性が高いと医師は診断します。ノロウイルス胃腸炎の場合、おう吐から始まることが多いですが、おう吐=ノロとは限りません。実は、おう吐=ノロと考えるとほかの疾患を見逃すことになり、思わぬ落とし穴があります。例えば、髄膜炎や心筋炎などでもおう吐の症状があります。ノロウイルス胃腸炎かどうかの診断については、便の検査はあるものの必須ではなく、保険診療での検査も3歳以下や65歳以上の高齢者のみと制限があります(子どもと高齢者は悪化しやすいため)。そのため、便の検査は補助的に用いて、基本的には診察や経過で総合的に医師が判断します。特効薬はなし! ノロウイルス胃腸炎の治療特効薬はありません。下痢としてウイルスが体内から出ていけばだんだんと改善しますので、症状のある数日間、脱水にならないようにしのぐことが最も重要です。薬としては、症状を緩和させるために整腸剤や、漢方薬の五苓散などが使用されます。オーエスワン/OS-1(大塚製薬)など経口補水液による脱水対策が大切ですが、飲めない場合は点滴を考慮します。これらはノロウイルスに特別な治療ではなくて、ほかの胃腸炎でも同じ対症療法です。つまり検査でノロウイルスを確認しなくても治療は可能で、おおまかに胃腸炎ということがわかればそのあとの治療は一緒です。そのため、ノロウイルス胃腸炎かどうか検査するためだけの受診は必要ないといえます。どちらかというと、そのおう吐がほかの病気ではないこと、胃腸炎であることを確認することを一番の目的としたほうがいいでしょう。受診するか、しないか…その目安は?受診するかしないか迷った時は、脱水傾向があるかどうかが目安になります。つまり、水分がとれずぐったりしている、尿が少ない、口がかわいている、などの症状です。脱水の症状があれば、点滴が必要になる可能性があるからです。逆に言えば、脱水の心配がなく水分がとれているようであれば、無理をして受診をしなくても家でしばらく様子をみてもかまわないでしょう(注:医師により判断は異なります)。もちろん不安だったり、ほかの病気の心配があれば受診したほうがベター。ただ、ある程度元気で、脱水の症状が出ていなければ、ホームケアで自然と治っていく病気であるといえます。一番こわい脱水症状を防ぐ「吐き気がある時の水分摂取」ポイントは症状が強い数日間、ここをいかに経口補水でしのぐかです。よく、おう吐するから飲ませないと考える場合があるかもしれませんが、おう吐して水分が少ない状態でさらに経口摂取を絞れば、すぐに脱水になってしまいます。飲ませ方には、ちょっとしたコツがあるので、以下の手順ですすめてみてください。脱水症状を防ぐ水分の取り方1.おう吐直後はすぐまたもどしてしまうので、水分は飲ませないほうがいいでしょう。30分くらい時間をあけます。2.吐き気がおさまったタイミングで、水分を一度口に含ませてみてください。スプーン1さじでかまいません。3.1さじ飲めたら、2さじ、3さじと段階的に様子をみながら水分量を増やしていきます。吐かない程度に少量づつ体に水分をいれていけば、脱水を予防できます。※もし、1さじも受けつけない、数さじでもおう吐するようであれば、病院での点滴を考えたほうがいいでしょう。飲ませる水分は、アクアライト(アサヒグループ食品)など乳児用イオン飲料や、オーエスワン/OS-1などの経口補水液がいいでしょう。ナトリウム(電解質)や糖分が入っていないと、血液中のナトリウムが少なくなったり、低血糖によって倦怠感(けんたいかん)を感じたり、時にけいれんを起こす可能性があります。飲み物はできる限り、電解質や糖分を含むものにしてください。経口補水液が飲みにくいという場合、軽症であればりんごジュースなどと半々で割って飲みやすくしてから与える方法もあります(※)。家族への感染を食い止める! 予防法とホームケア親が感染すると看病を含め2倍、3倍のしんどさになります。下痢、おう吐の処理は手袋をして、可能であればビニールエプロンを使って感染対策をしてください。寝具におう吐すると後片付けが大変なので、ペットシーツなどをしいておくのも一つの方法です(我が家も一度ひどい目にあいました…泣)。子どもがおう吐しそうになったときすぐに受けることができるよう、洗面器やボウルにビニールをかぶせておくと便利です。もし出かける場合はおう吐に備えて、紙袋+ビニール袋や、着替え(親の分も)、手をふくウェットティッシュなど用意しておくことをおすすめします。予防には、手洗いが基本です。できるだけ流水でウイルスを洗い流しましょう。ノロウイルスは飛びやすいので、いろいろなところに付着しているため、ほかの人がさわる可能性のあるところは極力さわらず、どこかさわったあとは手を洗うようにしてください。アルコール消毒は効果が乏しいので、ハイター(花王)といった次亜塩素酸ナトリウム配合の商品で除菌するのがおすすめです。ドラッグストアにはノロウイルス対策と書いていても、成分がアルコールという場合があります。買う時の参考にしてくださいね。参考資料※ Effect of Dilute Apple Juice and Preferred Fluids vs Electrolyte Maintenance Solution on Treatment Failure Among Children With Mild Gastroenteritis: A Randomized Clinical Trial.
2018年12月31日冬はインフルエンザやノロウイルスなど感染症が流行する季節。子どもがいつ体調を崩さないか、ママもヒヤヒヤしますよね。書籍『図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい』の著者で、病気と掃除のプロである松本忠男さんによれば、ホコリは細菌やカビが繁殖するのに最適な環境。ところが、間違った掃除で家の中のホコリをまき散らしてしまい、病気のリスクを高めている人も多いのだとか。松本忠男さんプロフィール東京ディズニーランドの開園時の正社員、ダスキンヘルスケアを経て、亀田総合病院のグループ会社に転職。清掃管理者として約10年間、現場のマネジメントや営業に従事。1997年、医療関連サービスのトータルマネジメントを事業目的として、株式会社プラナを設立。日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事。亀田総合病院では100人近く、横浜市立市民病院では約40人のスタッフを指導し、現場で体得したコツやノウハウを、医療、介護施設、清掃会社に提供している。今はまさに大掃除シーズンですが、「健康には、大掃除よりも日々の積み重ねが大切。毎日数分でも、家の中を少しずつ小分けに掃除するほうが、手間や時間を何倍も抑えられます」と松本さん。本の中から子育てママにおすすめの掃除メソッドをいくつかご紹介します。■家に潜む、「のど痛病原体」と「はら痛病原体」イラスト/林けいか具体的な掃除メソッドの前に、まずは家の中にいる病原体について。松本さんは代表的な病原体を大きく2つにわけて説明しています。●のど痛(いた)病原体喘息や肺炎など、のどや呼吸器系の不調を引き起こす病原体。カビ・ダニ・インフルエンザウイルス・花粉・PM2.5など。●はら痛(いた)病原体おう吐や腹痛といった胃腸系の不調の原因になる病原体。大腸菌・ノロウイルス・黄色ブドウ球菌・緑膿菌など。こうした病原体はホコリの中や水回りなど、家の中のいろいろな場所に存在します。それらを取り除く具体的な掃除方法を紹介していきましょう。■インフルエンザウイルスはどこに!? 寝室の正しい掃除方法イラスト/林けいか寝室は、布団や衣類など綿ボコリを発生させるものが多く、家の中でもホコリが多い場所です。ベッドまわりにはインフルエンザウイルスやダニなどの病原体が数多く存在。これらはとくにホコリと一緒に部屋の高い場所や床の隅に集まる傾向があるそうです。毎日の掃除としては、ペットボトルと組み合わせてホコリの飛散を防止した化繊ハタキでホコリを除去。このとき、高いところから低いところの順に掃除すると効率的。またホコリを舞い上げないよう、化繊ハタキは一方向に向かって動かすのがポイントだそうです。【作り方】ペットボトルの側面を幅5cmほど切り、化繊ハタキをセット。使用済みの面を回転させれば、ペットボトルがハタキについたホコリの飛散を防いでくれます。さらに、週に1度は布団の天日干しをして湿気取りを。このとき布団をたたくのはNG。布団をいためるだけでなく、ダニのフンが飛び出してアレルゲン量が2~3割も増加するとか。布団を干したままハンディ掃除機で吸うか、手でなでるように布団表面のホコリを払うとよいそうです。このほか寝具カバーのこまめな交換も効果的。といっても頻繁に洗うのは大変なので、バスタオルでシーツの一部や枕をカバーし、そのバスタオルを毎日交換するのが簡単かつ衛生的な方法です。■浴室はカビと細菌の宝庫! 子どものおもちゃも要注意イラスト/林けいか湿度が高く、皮脂や石けんカスがたまりやすい浴室は、カビや細菌が増えやすい場所。カビは肺炎の原因にもなるし、水回りは“はら痛病原体”が繁殖しやすいスポットでもあります。浴槽や床はこまめに掃除をする人も、見逃しがちなのが、シャワーヘッドや蛇口ハンドル。ここは毎日の浴槽掃除のタイミングに、キレート剤入りの中性洗剤とスポンジで、ささっと洗っておくとよいでしょう。さらに週に2回は消毒用エタノールをスプレーでさっとひと吹き。シャワーヘッドにカビが生えていたら、0.02%の台所用漂白剤(希釈方法は後述)を付け、ラップで包み、3~60分放置してから洗い流します。シャンプーボトルや子どものおもちゃも、黒カビが繁殖しやすいので注意。週2回程度は、ボトル類や石けん皿もキレート剤入りの中性洗剤で洗い、消毒用エタノールをスプレーしておくと安心です。おもちゃは使い終わったら必ず浴槽から出して、キッチンペーパーの上に並べて乾燥させ、最後に消毒用エタノールをスプレーしておくと清潔に保てます。また入浴後は、浴室の椅子やボトル類、おけなどの水滴をタオルで拭きとっておくと、より完璧とのことです。■家族がノロウイルスに! 感染を防ぐトイレ掃除とはイラスト/林けいか家族みんなで利用するトイレは、病気への感染リスクも高い場所。もし、家族のだれかがノロウイルスになったらトイレのドアノブやペーパーホルダー、手すり、フタと便座のフチ、水洗レバーなどは徹底的な消毒が必要です。消毒液は台所用漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)で簡単に作ることができます。消毒液の作り方と消毒の仕方をご紹介しましょう。<消毒液の作り方>ペットボトルキャップ半量(2ml)の台所用漂白剤(原液濃度5%の場合)を500mlの水で薄めて、0.02%消毒液を作る。※作り置きができないので希釈は使用する直前に行う。<消毒の仕方>1.消毒液に浸したマイクロファイバークロスで、一方向に拭く。2.ぬれた状態で1分間以上キープ。3.別の乾いたマイクロファイバークロスで、一方向に拭く。■感染力が強いノロウィルス、カーペットに嘔吐してしまったら書籍では、ノロウイルスに感染した家族が、トイレ以外の場所で嘔吐してしまったときの処理方法も紹介しています。いずれも作業は手袋とマスク、あれば使い捨てエプロンを身につけてから行います。ここでは、カーペットに嘔吐してしまった場合の消毒の仕方をご紹介しましょう。色落ちを防ぐため消毒液は使わず、アイロンと重曹水を使います。<重曹水の作り方>重曹水は、500mlペットボトル1本分の水に大さじ1杯の重曹を入れ、フタをしてシェイクします。<カーペットの消毒の仕方>(1)嘔吐物全体が隠れるようにキッチンペーパーで覆い、嘔吐物を外側から中心に向かってキッチンペーパーごと集めて、ゴミ袋に入れる。(2)アイロンを浮かせながら、85℃以上のスチームを約1分間当てる。(3)嘔吐した場所に重曹水をかけ、新しいキッチンペーパーでスタンプを押すように吸い上げ、ゴミ袋に捨てる。(4)ゴミ袋に消毒液(0.1%の次亜塩素酸ナトリウム)を注ぎ、口を結んで廃棄する。布団や衣類に嘔吐してしまった場合も、消毒するまでは洗濯機で洗ってはいけないそうです。書籍では、フローリングの消毒の仕方についても詳細が載っています。ぜひご確認を。■毎日の掃除、もっと「時短」にするには?病気のモトとなる汚れをピンポイントで攻めることは、掃除の「時短」にもつながります。もっと時短を図りたい場合は、ホコリが集まるものや家具を減らしたり、ホコリがたまる隙間がないくらい家具を壁際にぴったりと寄せて置いたりするのも一案だそう。たとえば棚やベッドなら、脚付きタイプより床との隙間がない直置きタイプのほうが掃除はラクです。書籍ではこのほかにも、さまざまな病原体から家族を守る30のテクニックを紹介。病原体別・部屋別に、病気を予防する掃除道具や掃除法も詳しく載っています。家族の健康と時短を同時に叶える、松本式の掃除。さっそく今日からはじめてみませんか。 『図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい』 松本忠男 著 (扶桑社) 1200円(税別) 私たちが毎日何気なく行っている、毎日のお掃除も、「正しい方法」で行わなければ、身体の不調を引き起こす原因に。本書ではイラストと写真をふんだんに用いて「健康になれる正しいお掃除」を部屋別にわかりやすく解説。お掃除スケジュール例やチェックシートなど図表も充実しています。
2018年12月17日前半で、帰省から自宅に帰る車内でインフルエンザを発症したイチコについて書きました。 「まさかのタイミングで子どもが熱!? それは長い闘いの序章に過ぎなかった」 その後のことです。また子どもの風邪がうつった親2人…。何とかみんな完治しましたが、まだ続きます。以上、2015年1月のわが家のハイライトでした。…そう、1ヶ月の間で、わが家は、インフルエンザ→風邪→ノロのすべてにかかったのです!すべて娘がもらい、それを親がもらう流れ。ワンパターンにも程がある。4コマには描いてませんが、マスクしたり消毒したり、うつらないよう最大限努力はしていたんです!…なのにこれ。旦那、年始の休みもあり、1月の出社は5日ほどでした☆休みすぎ!こんな経験もあり、わが家には、葛根湯、マスク、除菌スプレー、OS1を常備しています。全力で予防をしつつ、それでもうつってしまったときに買い物に行かなくてもいいように…。笑感染症に気をつけて、今年こそ元気に冬を越せますように!(無理な気しかしない)※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年12月03日今回は冬の感染症としてノロウイルスの思い出を描かせていただきます。■長女がノロウイルス発症!まだ次女が小さなころ、長女がノロウイルスに感染しました。マスクをしても、除菌をしても、念入りに感染予防をしても、わが家ではほぼ必ず二次感染を引き起こす、憎き感染病です。洗濯も冬場だとなかなか乾かないので本当に困ります。思い出深いのは小さな次女を抱えながらの長女の看病はとても大変だったこと。家の中はぐちゃぐちゃに散らかり、つらそうな長女の看病に、泣いている次女のお世話と、まさに地獄絵図のような光景でした。主人に「早く帰ってきてほしい」とメールをしたのを覚えています。■ノロウイルスが重症化したことも…毎年のように感染するノロウイルスですが、点滴を打つまでひどくなったことがあります。水分も受け付けない状態で、顔色も悪くぐったりしていました。点滴も嫌がり大変だったのですが、顔色も良くなり心から安堵(あんど)したのを覚えています。二次感染で感染しやすく、重症化することもあるノロウイルス。なるべく感染しないように手洗いうがいを徹底して、今年こそは予防していきたいと思います!
2018年11月21日冬が近づくと心配になるのが、ノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎。保育園などで次々と感染したり、一家全員かかって散々な目にあったり……。インフルエンザ同様にママたちを震え上がらせる怖い感染症です。ノロウイルスとロタウイルス。どちらも感染性胃腸炎で、その症状から俗に“おなかにくる風邪”“胃腸風邪”と呼ばれて一緒くたにされることが多い感染症ですが、違いはあるのでしょうか? 感染するとどのような症状? 感染を防ぐためにはどうすれば? くわしく見ていきましょう。■ノロウイルス・ロタウイルス「流行時期は?」ノロウイルスとロタウイルス、どちらも感染性胃腸炎の一つですが、何が違うのでしょうか? 流行時期から見ていきます。国立感染症研究所の近年の患者報告数によると、年によって異なりますが、ノロウイルスは晩秋から流行り始め、12月から1月ごろにピークを迎えることが多いようです。子どもも大人も関係なくかかり、再感染することもあります。一方で、ロタウイルスはノロウイルスやインフルエンザの流行が落ち着いてくる冬の終わりごろから流行り始め、3月から4月にかけてピークを迎えることが多いようです。乳幼児がかかりやすいのが特徴です。ちなみに、感染性胃腸炎は一年中かかることがあります。■ノロウイルス・ロタウイルス「症状、潜伏期間、感染経路は?」ノロウイルスとロタウイルスでは症状にどのような違いがあるのでしょうか? また、見極め方や検査方法はあるのでしょうか?【ノロウイルス】【症状】主な症状は嘔吐と下痢。急に激しい嘔吐に見舞われることが多いようです。1日から3日で治るケースが多いですが、脱水症状を招くことがあるので注意が必要です。【潜伏期間と感染期間】潜伏期間は12時間から48時間と短いのが特徴です。急性期にもっとも感染力が高まりますが、治った後も便の中にウイルスが3週間以上排出されることがあります。【感染経路】経口感染、接触感染、飛まつ感染によって広まります。二枚貝、氷、サラダ、パンなどの食品を介して感染することもあります。便の中に大量のウイルスが排出されています。また、吐しゃ物の感染力も強いのが特徴です。保育園などでの集団生活により、流行することが多くあります。【ロタウイルス】【症状】主な症状はノロウイルス同様に嘔吐と下痢です。下痢便が白くなるケースが多いのが特徴です。2日から7日で治りますが、脱水やまれにけいれんや脳症などの合併症を引き起こすことがあります。【潜伏期間と感染期間】潜伏期間は1日から3日とノロウイルスよりはやや長いのが特徴です。急性期にもっとも感染力が強く、治った後も便の中にウイルスが3週間以上排出されることがあります。【感染経路】経口感染、接触感染、飛まつ感染。【ノロウイルス・ロタウイルスの検査方法】厚生労働省によると、ノロウイルス・ロタウイルスともに便の中のウイルスを検出できる検査キットを用いて、一般病院などで調べることができます。3歳未満、65歳以上には健康保険が適用されます。結果が早く出るのはいい点ですが、感染していても陽性とならない場合があります。調べたい場合は、かかりつけの小児科医などに相談してみましょう。検査をしていなくても、流行状況から臨床診断する場合もあるようです。■ノロウイルス・ロタウイルス「ワクチン接種で予防できる?」ノロウイルスやロタウイルスを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?共通していえるのは、手洗いやうがいなど一般的な予防法を行うことが大切です。アルコール消毒はノロウイルスには効かず、ロタウイルスにも効きにくいため、きちんと流水で石けんを使って手洗いをするようにしましょう。ウイルスは、付着した水や食べ物、手を介したり、周辺に飛び散って感染します。そのため、感染した子どものおむつ替え後もしっかり手洗いをしましょう。嘔吐物や下痢便のついた衣服は破棄するか、0.1%次亜塩酸ナトリウム(家庭用漂白剤を薄めたものなど)で消毒をします。【ノロウイルスの予防法】殺菌には、食品の場合、85℃から90℃で90秒以上の加熱。食器類は85℃で1分以上の加熱が有効です。【ロタウイルスの予防法】予防接種により、防ぐことができます。2011年から経口ワクチンの接種(任意)が始まりました。2回接種と3回接種、2種類のワクチンがあります。2回接種の場合、1回目の接種の推奨期間は生後2~4カ月。2回目の接種は生後24週までにすませます。3回接種の場合、1回目の接種は生後2~5カ月の間に、3回目の接種は生後32週までにすませます。生ワクチンのため、接種の間隔は27日以上あけます。【ノロウイルス・ロタウイルスの登校(登園)基準】ノロウイルス・ロタウイルスともに嘔吐や下痢症状が良くなり、全身状態がよければ登校(登園)していいことになっています。保育園によっては登園許可書が必要となるところもあるので、事前に確認しておくと安心です。症状がおさまってからも、引き続き手洗いをしっかり行いましょう。大人がかかってもつらいノロウイルス。一日に何度も嘔吐や下痢になってしまっては、小さい子どもにとってはかなりつらい感染症といえそうです。ロタウイルスは予防接種により防ぐことができます。任意接種のため、費用の負担はありますが、わが子をつらい目にあわせないためにも、また周囲に感染を広げないためにも、決められた期間のワクチン接種をぜひ検討しましょう。また、日頃から親子で手洗いやうがいをしっかり習慣づけておきたいですね。参考サイト: ・国立感染症研究所「ノロウイルス等検出状況」 ・日本小児科学会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」 ・日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」 ・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
2018年11月20日長男がまだ1歳の時のことです。“それ”は突然やってきました。■長男をおそった嘔吐と下痢夜なかなか寝ない長男を抱っこしていたら急に嘔吐したのです。私も長男も汚れてしまったのでシャワーで洗い流してまた寝かしつけました。次の日、再び嘔吐。そして下痢。胃腸の風邪かな? と思って小児科へ行くと「ノロウイルス」と診断されました。まだ保育園にも行っていないころだったし、寒い時期だったので比較的自宅にいたのでまさかノロウイルスだとは思いませんでした。感染力の強さは耳にしていましたが、昨日嘔吐したとき私にかかったということは、もうこれアウトじゃん!!…と覚悟を決めました。でも私の前に旦那のほうに症状が出ていました。ノロウイルスで家族全滅という話は聞いたことありますが、本当にあっという間に感染してしまうんですね。長男の繰り返す嘔吐に下痢。服ももちろん何着も汚れてしまったし、掃除に消毒にトイレにと私は大忙しでした…!■わが家のノロウイルス消毒法消毒方法は熱湯消毒やハイターつけ置き、使い捨てのビニール手袋を徹底しました。オムツはビニールに二重にしてベランダにゴミ箱を用意して捨てました。ネットで見ると消毒液をかけるなど書いてありましたがそこまでできませんでした…やることも多かったし完全にダウンしていたら…と思うとゾッとします。■感染症シーズンを乗りきるためにこれから寒くなり感染力の強い病気が増えてくる季節ですね。感染してしまうと同じ屋根の下にいる以上、完全隔離は難しいと思います。なので手洗いうがいなどでしっかり予防したいですね!わが家は帰宅したら手洗いうがいを! と子どもたちに言ってますが、なかなか習慣化されません(涙)【お知らせ】第8話 「火にかけていたフライパンがない! おんぶで料理中に何が起こった!?」 の記事下アンケート「Q1. 子どもの思いがけない行動でヒヤッとしたことはありますか?」のアンケート結果はこちら↓≫ 「まさか! 子どもが包丁を握っている。98%の家庭で起こるヒヤッと行動」 =========================================本記事に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。=========================================
2018年11月08日ノロウィルスの季節。子どもがノロに感染すると、家事や仕事にも影響が出ることから、恐怖におびえるママは多いはず。ノロのもっとも怖いところは、家庭内感染。とくに看病疲れで免疫力がさがると、今度はママがぶっ倒れてしまうことも。そこで予防法に加えて実際に家族が感染した場合、少しでも家事と看病をラクに乗り切る方法をご紹介します。■まずは自身の感染を防止しよう突然のおう吐! しかもマーライオン並み! それがノロの幕開け。ギャーッと慌てふためき、何から手をつけていいかわからなくなったら、それはノロとの戦いに負けを認めたことに。「備えあれば憂いなし!」、いまこそママは冷静に動きましょう。そして子どもを看病するためにもママが倒れるわけにはいきません。まずは自分の感染を防止するようにしましょう。<ノロウイルスによる感染性胃腸炎のまん延を防止する方法は?>家庭内や集団で生活している施設においてノロウイルスが発生した場合、そのまん延を防ぐためには、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛沫感染を予防する必要があります。厚生労働省「食中毒の原因(細菌以外)」「ノロウイルに関するQ&A」: 厚生労働省 吐しゃ物やオムツを素手で触るのは厳禁です。処理の際は手袋をしましょう。薄手の使い捨て手袋が便利です。そして、ノロウィルスは空気感染するといわれていますので、家の中でもマスクを着用。手洗いは泡でしっかりと。吐いた場所の消毒はもちろん、忘れがちなドアノブの消毒も早めに済ませましょう。なお消毒は、「塩素消毒液」を使用します。これらは市販でも売っていますし、また自宅にある次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。■看病疲れを防ぐポイントは「洗濯対策」ノロはまさに洗濯地獄。塩素系漂白剤を使って消毒するのもよいですが、色落ちして使えなくなることもあります。このためあらかじめ「ノロ用の古着」を用意し、どんどん捨ててしまうという方法もアリです。捨てるときには、ビニール袋に密閉を。ソファや布団の上に直接吐かれると処理が大変なので、古いバスタオルも一緒に用意しておきましょう。古着同様、捨てても惜しくないものをあらかじめ敷いておきます。洗濯での体力・精神ダメージは意外と大きいので、家族全員で共倒れしないためにもこの対策はおすすめです。■ノロの季節に常備しておきたいグッズ●食事対策料理は最低限の労力で済ませるのが得策です。レンチンできる白飯とレトルトのカレー、パスタの麺とレトルトのソースを家族分用意しておきましょう。これで最悪でも2食はしのげます。それから水分補給用のスポーツドリンク、エネルギー補給用のゼリーなどもあるとベストです。ノロウィルスにかかった子どもの食事は、医者の指示にしたがいましょう。●消毒対策ノロウイルスには、塩素系消毒剤である次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効とされています。このため家庭内感染を防ぐために、塩素系消毒剤(塩素系漂白剤で代用可能)を常備しておきましょう。実際に使用するときには、原液を薄めて使うため、100均などで購入できる携帯用スプレーボトルをあらかじめ用意しておくと便利です。この消毒剤を汚れ物やオムツ、ごみ袋などにも念のためスプレーしておくと二次感染の防止につながるといわれています。なお塩素系消毒剤を使用する際には、よく使用上の注意を確認のうえ、使用ください。ノロは突然襲ってきます。平穏なうちに対策を打ち、万一に備えてくださいね!<参考サイト>・厚生労働省「 ノロウィルスに関するQ&A 」・厚生労働省「 ノロウイルス食中毒予防対策リーフレット (PDF[3,260KB])」
2017年01月09日いよいよ冬本番が近づいてきました。インフルエンザやノロウイルスなど感染症が流行するこのシーズンは、小さなお子さんがいるママは何かと心配がつきませんね。しかも今年は「ノロウイルスの“新型”が大流行する恐れがある」と国立感染症研究所が発表していますから、例年以上に警戒したほうがよさそうです。ウイルス界のフェラーリ!? 新型ノロウイルスが大流行の兆しノロウイルスは、感染性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種です。激しい嘔吐や下痢、発熱などを引き起こし、その感染力の高さから「ウイルス界のフェラーリ」なんて呼ばれることも。小さなお子さんは、脱水など重症化しやすいので、とくに注意が必要です。今年は年明けから、これまで主流だった「G2・4」という遺伝子型ではなく、 「G2・17」変異株という新型ノロウイルスの感染が広がっています。ですから、「1度かかっているから免疫がある」と安心はできません。そもそもノロウイルスは免疫システムがほとんど効かず、再び感染するおそれが高いといわれているのです。※「G2・4」と「G2・17」の2は正式にはローマ数字。ノロウイルスは、かかったお子さんが辛いのはもちろんですが、ケアをするママの負担も大きいですよね。感染力が高いので家族にうつらないかヒヤヒヤしますし、嘔吐で汚れた衣類やシーツの処理もとても大変。できれば、感染せずに乗り切りたいものです。ノロウイルス予防のための3カ条ノロウイルスの感染経路は大きく分けて、「食べ物」と「人」の2つ。そのため、体の内側と外側の両方から対策することが必要です。(1)手洗いは流水で30秒以上ノロウイルスは口から感染するので、予防の基本は「手洗い」です。液体せっけんで、手首から指先まで丁寧にこすり洗いし、30秒以上水道水で洗い流します。ノロウイルスは石鹸だけでは殺せないので、しっかり洗い流すことが大切です。(2)食材の加熱でノロウイルス撃退食材の中心の温度を85度以上に保ち、1分以上加熱するとノロウイルスの活動を止めることができます。またウイルスに汚染されやすいカキやアサリなどの二枚貝は85~90度で90秒以上加熱するのが望ましいとされています。ちなみに嘔吐で汚れたものを片づける際は、エプロンやマスク、手袋で完全防備をして、汚染されたものをビニール袋へ。そのまま捨てるのがベストですが、捨てられないものは熱湯をかけたり、大きい鍋で煮洗いしたりするなど85度以上を1分以上保てばOKです。(3)ノロウイルスの感染を抑える食品を摂る体の中から感染を予防するには、ノロウイルスの感染を抑制する食品を摂るのも効果的です。最近では「ラクトフェリン」が注目を集めています。1年中摂りたい! 注目成分「ラクトフェリン」とはノロウイルスの感染を抑える成分として注目を集めている「ラクトフェリン」。夏には食中毒菌対策としても話題になったので、覚えている方もいるのではないでしょうか。ラクトフェリンとは、母乳に含まれているタンパク質の一種。出産直後の初乳にとくに多く含まれており、赤ちゃんをさまざまな細菌やウイルスから守ってくれます。もともと人間の体内にあるものですから、副作用もなく、とても安全なものです。ラクトフェリンには、ノロウイウルスの体内への侵入を防ぐ効果があります。また、腸内環境を整え、免疫力を高める働きもあります。そのため、万が一ノロウイルスが体内に入っても、ある程度その発症をおさえたり、発症しても症状が軽くすんだりする可能性があると考えられています。また、前述のとおり、食中毒菌にも効果があるとされ、サルモネラなど食中毒菌の増殖を抑える力も確認されています。夏は食中毒対策、冬はノロウイルス対策と一年中大活躍してくれるラクトフェリン。最近ではさらに風邪やインフルエンザなどのウイルスの抑制にも力を発揮するとして、研究が進められています。体を強くし、健康を保つために、年間を通して摂取したい成分なのです。ラクトフェリンはどんな食品に含まれている?ラクトフェリンは母乳だけでなく、加熱殺菌前の牛乳やナチュラルチーズなど非加熱の乳製品にも含まれています。ただ残念ながら、熱に弱いという特性があるため、高温で殺菌される一般的な牛乳やその他の乳製品にはほとんど含まれていません。効率的に摂取できるのは、ラクトフェリンを配合したヨーグルトなどの食品やサプリメントです。なお、ラクトフェリンは一度に大量に摂取するよりも、継続的に摂るのがよいとされています。最近では、5歳未満の保育園児を対象に行った調査で、ラクトフェリンを継続的に摂取したところ、ノロウイルス感染の予防に効果があったことを示す結果も報告されています。毎日賢くラクトフェリンを摂って、ノロウイルスから上手に身を守りたいですね。取材協力:森永乳業
2015年12月16日薬用せっけん「ミューズ」を販売するレキットベンキーザー・ジャパンはこのほど、インフルエンザやノロウィルスなどの感染症が流行しやすくなるシーズンに突入したことを受け、2次感染のリスクを減らす「ノータッチ手洗い」を提唱するリリースを発表した。感染症は、皮膚や粘膜の直接的な接触や、ドアノブ・手すり・便座などの表面を介しての接触によって病原体が付着することによる「接触感染」が約70%を占めるという。しかし、「感染症の最たる感染経路は、飛沫(まつ)感染である」と思い込んでいる人が約70%も存在しているとのこと(「ミューズ」調べ)。手から手を介して拡散する感染症を防ぐためには、せっけんを使った手洗いが大切といわれている。しかし、消費者庁の調べによると、家庭での食事前に手を必ず洗う人は52.6%。また、15.4%の人はトイレの後に手を洗わないという結果が出るなど、手洗いがきちんとできていない人が多くいる実情が明らかになっている。そこで「ミューズ」では、できるだけ汚れた場所を触らない手洗い、「ノータッチ手洗い」を提唱。それによると、他の人と共有で使用するタイプのせっけん、前に洗った人の手に付着していた汚れや、バイ菌・ウイルスが、せっけんやせっけんを入れてある網袋に付着している可能性があり、実は衛生的ではないことがある。そのため、せっけんを触らずに手を洗うことができるポンプ式や自動で泡が出るタイプのハンドソープなどが理想的だとしている。また、手を拭くタオルを共有で使っていたり、使い回していたりすると、タオル自体がバイ菌に汚染されている可能性があり、手洗い後に、汚れやバイ菌を再び手に付着させていることも考えられると警告。手洗い後に手を拭く際は、ペーパータオルなどを使うか、毎回タオルを交換するのが理想的とのこと。さらに、手の洗いの残しを防ぐための「徹底! 手洗い6つのステップ」も紹介。その内容は、「手のひらを合わせてよくこする」「手の甲を伸ばすようにこする」「指先やつめの間も念入りにこする」「指の間も十分に洗う」「親指と親指のつけ根を洗う」「手首を軽く握りながら洗う」となっている。その他に、「手を洗う前は、腕時計やアクセサリーは外す」「タオルはひとりずつ個人用に、清潔なものを用意する」「子どもが手を洗うときには、大人が付き添い、確認をすることが重要」との注意ポイントも付け加えている。
2015年12月07日国立感染症研究所は11月24日、11月9~15日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、ノロウイルス感染由来とみられる感染性胃腸炎およびRSウイルス感染症の患者が全国的に増加していることが明らかになった。食品などを通じて感染するノロウイルスによって引き起こされる症状は、おう吐や下痢、腹痛などがある。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は通年で発生しているが、特に冬季に流行する傾向がある。同研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月9~15日(第46週)の期間中に報告があった感染性胃腸炎の患者数は2万1,696人。第42週(10月12~18日)は1万393人だったため、約1カ月の間に1週間あたりの患者数が約2.1倍に増加していることになる。第46週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは東京都(1,871人)だった。以下、大阪府(1,680人)、福岡県(1,561人)、神奈川県(1,323人)、兵庫県(1,235人)と続き、前週と同じ地域が上位5つに入っている。一方のRSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。風邪のように発熱や鼻水などを伴う症状が出るが、重度の場合は肺炎や気管支炎になるケースもある。同研究所は、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高いとしている。同じく、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月9~15日(第46週)の期間中に報告があった全国の感染者数は5,465人。第42週(10月12~18日)は3,861人だったため、1カ月間で1週間あたりの患者数は約1.4倍になっている。第46週に都道府県別での感染者が最も多かったのは、536人を記録した大阪府。以下、北海道(423人)、東京都(310人)、愛知県(258人)、埼玉県(250人)となっており、東京都はどちらも患者が多く報告されている。周囲でも感染者が増加していることを受けてか、Twitter上では「ノロウイルスは防げねえがな…」「ノロウイルスほんまにこわいよ~」「RSウイルスがこわい」などの不安な気持ちをつづったコメントが多数見られている(コメントは原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年11月24日「教えて!『かくれ脱水』委員会」はこのほど、ノロウイルスとインフルエンザに関するセミナーを東京都内で開催。感染症の有識者が登壇し、2015-2016シーズンの傾向や感染した際の対処法などについて講演した。○医療機関あたりの患者数はノロの方が多い首都大学東京の矢野一好客員教授は「ノロウイルス感染症とインフルエンザに関する今シーズンの特徴」との題で講演した。ノロウイルスは冬季の感染性胃腸炎や食中毒の原因となるウイルスで、感染すると下痢やおう吐、吐き気などの症状を引き起こす。冬に流行するウイルスといえばインフルエンザを真っ先に思い浮かべる人も少なくないだろうが、ノロウイルスの感染力も相当な驚異だ。矢野客員教授はその証拠として、全国に数千カ所ある定点医療機関からの患者報告数を挙げる。2000年から2011年までの12年間においては、1つの医療機関から感染性胃腸炎の患者が年間平均で321.17人報告された。一方で、インフルエンザの患者は255.52人と、感染性胃腸炎の約8割にとどまっている。○今冬は「新型ノロウイルス」が流行か多くの患者をうみだすノロウイルスだが、今シーズンはウイルスの遺伝子型がこれまでと微妙に異なる「新型ノロウイルス」が流行しそうだと矢野客員教授は懸念している。「2006年、2012年、昨年に主に流行していた遺伝子型は『GII.4』です。今年は今まで流行していなかったウイルスの『GII.17』が、少し変異して流行しそうということで注意喚起をしているところです」。「新型ノロウイルス」の症状や感染経路は従来と変わりはない。ただ、これまで日本で流行したことがない遺伝子型がやや変異しているため、私たちの体に免疫がなく、今冬に一気に感染が広まる恐れがある。例年以上に予防や感染防止対策に努めたほうがよいだろう。矢野客員教授はインフルエンザに関しても言及。今年は11月初旬の時点において、AH3亜型やB型など複数のウイルスが検出されており、どれが流行するか予測しづらいという。ただ、検出されているすべてのウイルスは今年のワクチン株に含まれているとのことなので、予防接種の効果は見込めそうだ。○ウイルスに感染した際は脱水に注意だが、どれだけ予防をしていたとしても、ノロとインフルエンザという2つの強力なウイルスから体を100%守りきることは不可能だ。そのため、有事に備えて発病してしまった際のケア方法について、済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科の十河剛医師が解説してくれた。十河医師はウイルスに感染した際、「自分の免疫で体からウイルスを排除するまでの期間をどのように過ごすかが重要」としたうえで、特に大事な取り組みとして「脱水予防」を挙げた。脱水は、体に入ってくる水分より出て行く水分が多くなるために起きる。ノロウイルスやロタウイルスなどの消化管感染症は下痢やおう吐、食事摂取量低下などが、インフルエンザやRSウイルスなどの気道感染症では、食事摂取量低下や発汗などが脱水の主な原因となる。○経口補水療法の効果特に感染性胃腸炎に由来する下痢・おう吐では、体内の水分と共にナトリウムやカリウムなどといった電解質も失われてしまう。電解質は筋肉細胞や神経細胞の働きなどに関わっているため、これらの症状に悩まされた際は水分と一緒に電解質も摂取することが重要だ。市販されているスポーツドリンクにもナトリウムやカリウムが含まれているが、含有量が十分ではない。そこで、十河医師は手軽に失われた電解質を補うためには、電解質と糖質の配合バランスが考慮されている「経口補水液」が有効だと話す。実際、患者に経口補水液を摂取させる「経口補水療法」は、点滴と同等の効果が得られるそうで、「ほとんどの人が経口補水療法だけで大丈夫だと示唆するデータも出ています」。経口補水療法で重要なのは「1回5ccを、1~5分ごとに飲ませる」ことだ。5ccはティースプーン1杯分に相当し、「おう吐があっても少しずつ飲ませましょう」と十河医師は力を込める。感染性胃腸炎のおう吐のピークは半日から1日程度のため、吐き気が止まれば少しずつ一度に飲ませる量を増やしていくとよい。○水分と一緒に電解質の補給をノロウイルスもインフルエンザウイルスも、感染拡大を防ぐためには「手洗い」や「マスク」が基本となるのは共通している。そして、原因は違えど脱水症状につながる恐れがある点も共通している。今冬はできる限りの予防をしたうえで万一、感染してしまった場合は水分と一緒に電解質もしっかりと補給するようにしよう。
2015年11月21日おう吐や下痢などの症状に悩まされるノロウイルス。自分が苦しいのはもちろんだが、恐ろしいのが「もしかしたら……感染させてしまったのではないか」と思う瞬間だ。周囲にも自分と同じつらさを経験させてしまった罪悪感は、計り知れないものがあるのではないだろうか。今回はノロウイルスの感染経験があるマイナビニュース会員300人に、「ノロウイルスを周囲に感染させた、もしくは感染させてしまったのではないかと思ったことがあるか」尋ねた。Q.ノロウイルスを周囲に感染させた、もしくは感染させてしまったのではないかと思ったことがありますか?はい: 11.3%いいえ: 88.7%Q.「はい」と回答した人にお聞きします。そのときの状況を具体的に教えてください■看病してくれた人が感染・「看病してくれていた奥さんの具合が悪くなったとき」(33歳男性/電機/技術職)・「子どもの看病にお手伝いに来てもらった私の母にもうつり、母から父にもうつり、大変だったらしい」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「看病に来た母親と彼氏にうつった」(27歳女性/その他/その他)■友人や職場の人に感染・「旅館の宴会の時に感染したっぽい」(30歳男性/学校・教育関連/専門職)・「親友と前日もいっしょにいて、翌日いっしょにノロにかかったとき」(24歳女性/商社・卸/事務系専門職)■家族が感染・「家族の前でマスクを外している時に大きなくしゃみをしてしまった」(26歳男性/農林水産/技術職)・「最初は普通の腹痛だと思い、家族のお弁当や食事を作っていて、家族にうつった」(33歳女性/建設・土木/事務系専門職)・「家族でタオルなどを共有していたので」(30歳女性/人材派遣・人材紹介/秘書・アシスタント職)■その他・「ブラック企業勤務だった当時にノロウイルスに感染し症状もあったが出社した。結局帰宅中に倒れて病院に担ぎ込まれたがブラック企業ゆえ会社を休むと叱責(しっせき)されるため、そのまま会社をトンズラした。トンズラしたので後のことはどうなったか分からない」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)Q.「いいえ」と回答した人にお聞きします。感染を防げたと思う理由について具体的に教えてください■消毒を徹底・「トイレの消毒を徹底した」(36歳女性/医療・福祉/専門職)・「つらい中、家族に感染させたくなったので、トイレ使用後自分で除菌作業しました」(50歳以上女性/その他/その他)・「母が私の行くところへアルコールを持ってついてきていたからだと思う」(24歳女性/生保・損保/事務系専門職)■隔離された・「部屋に隔離されていたから」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「自分だけ別の部屋でひたすらこもっていたから」(38歳女性/生保・損保/事務系専門職)■その他・「トイレが2カ所あったので片方だけをつかった」(47歳女性/医療・福祉/専門職)・「理由はわからない。特に対策はしていなかった。運が良かっただけかもしれない」(24歳女性/食品・飲料/専門職)・「子ども→主人→自分と、自分(の感染)が最後だった」(32歳女性/自動車関連/事務系専門職)・「空気清浄機をつかっていたから」(29歳男性/建設・土木/事務系専門職)■総評結果としては、「感染させてしまった(感染させたかもしれない)」と回答した人は約1割にとどまった。症状が発症する前に気づかず感染させてしまったケースや、看病してくれた人や家族など、身近な人への感染が防げなかったケースが主だった。およそ9割の人が感染の拡大を防げたのはなぜだろうか。理由としては「徹底して消毒を行った」という対策をとっていた人が多かったことがあるだろう。「徹底的に効果があると書いてあったアルコール剤で除菌していたから(母が)」(26歳男性/マスコミ・広告/営業職)など周囲が気をつけていたり、自らトイレを消毒したりしていたという回答もあった厚生労働省はノロウイルスの感染について、「ふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛まつ感染を予防する必要があります」と指摘。「吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに速やかに処理し、十分に換気を行う」「感染者が使用した食器は次亜塩素酸ナトリウム液で消毒する」などの対策が必要としている。自らの感染を防ぐことももちろんだが、症状の苦しみを周囲の人に広げないためにも、感染してしまった場合には対策の徹底をお願いしたい。※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月20日国立感染症研究所は11月17日、11月2~8日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、ノロウイルス感染由来とみられる感染性胃腸炎の全国患者が、直近1カ月で1.8倍に増加していることが明らかになった。食品などを介して感染するノロウイルスはおう吐や下痢、腹痛などの症状を引き起こす。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は通年で発生しているが、特に冬季に流行する傾向がある。厚生労働省によると、ウイルスの潜伏期間は24~48時間で、吐き気や下痢などの症状が1~2日続いた後、症状は回復に向かうという。ただ、症状が治まってからも長いときで4週間程度、ウイルスは体内から排出され続けるため、二次感染に注意が必要となる。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月2~8日(第45週)の期間中に報告があった感染性胃腸炎の患者数は1万8,010人。第42週(10月12~18日)は1万393人だったが、そこから1万3,628人(第43週)、1万5,919人(第44週)と患者は増加の一途をたどっている。第41週(10月05~10月11日: 1万224人)から第45週の約1カ月の間で、1週間あたりの患者数は約1.8倍となっている。第45週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは東京都(1,394人)だった。以下、大阪府(1,350人)、福岡県(1,215人)、神奈川県(988人)、兵庫県(953人)と続き、大都市圏での感染者が増えている。東京都だけに限ってみると第41週の患者は911人で、約1カ月の間に1週間あたりの患者数が約1.5倍へと増えている。ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、治療は対症療法に限られるため、予防が肝心となる。予防に関しては手洗いや食品の加熱調理が有効とされており、厚労省は「子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要」と注意を呼びかけている。※写真と本文は関係ありません
2015年11月17日数ある感染症の中でも、おう吐や下痢など複数の重い症状に苦しめられるノロウイルス。寒さも厳しくなってくるこれからの季節、注意しなければならないウイルスの1つだ。感染予防への意識を高めるためにも、今回はノロウイルスに感染したことのあるマイナビニュース会員300人に具体的な症状や、症状が続いた期間について聞いてみた。感染中につらかったときのエピソードもあわせてご紹介する。Q.ノロウイルスにかかったときの症状を教えてください(複数回答可)1位: 下痢(69.0%)2位: おう吐(68.3%)3位: 吐き気(67.0%)4位: 腹痛(40.3%)5位: 発熱(27.0%)6位: 頭痛(12.0%)7位: 筋肉痛(4.7%)Q.ノロウイルスの症状が続いた期間を教えてください1位: 2日以上~4日未満(41.0%)2位: 1日以上~2日未満(31.7%)3位: 4日以上~1週間未満(14.7%)4位: 1日未満(9.3%)5位: 1週間以上(3.3%)Q.ノロウイルスに感染し、つらかったときのエピソードを具体的に教えてください■トイレから離れられない・「トイレと友達だと言えるくらいずっとトイレにいた」(33歳女性/建設・土木/技術職)・「下痢が止まらず、ずっとトイレにいて、そこで寝ていた」(33歳男性/電機/技術職)・「下痢とおう吐が止まらなくてトイレに張り付きっぱなしだった。両方のにおいでさらに吐き気が増した」(28歳女性/ソフトウエア/技術職)■水分が十分にとれない・「脱水状態になり倒れた」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「下痢が続いて脱水症になりかけたこと。身体からどんどん水分が抜けていくのが分かった」(24歳女性/食品・飲料/専門職)■家族で感染・「下痢が止まらないのと、おう吐がひどいなか、同じ症状の子どもの看病をしなくてはならなかったこと」(36歳女性/団体・公益法人・官公庁/技術職)・「子どものノロウイルスが家族全員にうつってしまい、みんなトイレの順番待ち。つらいのに子どもが吐きまくるから、洗濯物がたまるし、乾かない地獄になりました」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)■旅行中に発症・「台湾でウイルスにかかった。ずっとトイレとベッドの往復。せっかくの旅行が台無しだった」(28歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「旅行中で電車の中でもよおすなど最低でした」(30歳男性/運輸・倉庫/技術職)■複数の症状を発症・「おう吐しながら下痢をしていた」(37歳女性/商社・卸/事務系専門職)・「下痢と吐き気が同時に来て、どちらを優先するか悩んだ」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)■その他・「デートした次の日からかかったので彼氏にうつしたのではないかと自分の体以上に心配でつらかった」(34歳女性/その他/その他)・「1人暮らしの時だったので非常につらかったです。ご飯が食べられないし動けなかったので本当に死ぬかと思いました」(39歳/食品・飲料/販売職・サービス系)・「ブラック企業勤務だったので症状があったが休めず会社に行き失神しそうになった。帰り道の駅で失神し救急車で運ばれた」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)■総評具体的な症状については、6割以上の人が「下痢」「おう吐」「吐き気」を訴えた。ほかにも、約4割が「腹痛」と回答。少数ではあるが、頭痛や筋肉痛をあげる人もいた。症状が続いた期間としては、「2日以上~4日未満」と答えた人が最も多かった一方で、「4日以上~1週間未満」(14.7%)、「1週間以上」(3.3%)など、長期間苦しめられた人も少なからずみられた。さらに、ノロウイルスに感染してつらかったことについて自由回答で答えてもらったところ、「トイレから離れられない」という内容の回答が目立った。「胃の中に何もなくなっても吐き気が止まらずトイレから離れられなかった」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)など、離れられない事情から症状の重さがうかがい知れる結果となった。また、「家族全員でおう吐下痢の症状があり、きつかった」(31歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)という回答があった一方、1人暮らしで症状に対処する大変さを訴える人もいた。これらのエピソードに加えて、やはり多かったのが「症状自体のつらさ」に関する回答だ。複数の症状が同時に発症したり、これらの症状が派生して痔(じ)や脱水症状になったりする人もいた。厚生労働省によれば、現在ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、発症した場合、水分と栄養の補給を十分に行って回復を待つしかないとのこと。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になるという。苦しい症状に悩まされることのないよう、手洗いや食品の加熱処理などを徹底し、事前の予防をぜひとも徹底してほしい※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月17日朝晩が寒くなり、乾燥が気になってきました。これから冬にかけて流行してくる感染症として、インフルエンザやノロウイルスなどがあります。東京都感染症情報センターによると、すでにインフルエンザとみられる症状で学級閉鎖になった都内の小学校もあるとのことで、これからの季節、流行が心配されます。また、ひどい吐き気や下痢といった、つらい症状を引き起こす、ノロウイルス。家族間で感染しやすく、肉体的ダメージが多いこともあり、私のママ友の間でも「子どもにかかってほしくない感染症」で上位にランクインしています。免疫力の弱い小さいお子さんを持つママは、特に心配ですよね。そんな感染症の予防法はというと、まずは「手洗い・うがい」です。しかし、ちゃんとした手洗い・うがいってできていますか?親指も忘れずに! 正しい手洗いの方法まずは正しい手洗いの仕方から。1.水で簡単に汚れを落とした後、石けんをつけます。2.泡立てた石けんで、手のひら・手の甲・指の間を洗います。3.次は爪を洗いましょう。手のひらに爪を立てるようにしてこすり洗います。ここで、ポイント! 手のひらのしわや溝の部分にこすりつけ、汚れをかき落とすようにすると、さらに効果的です。4.忘れがちなのが、親指です。特に、親指と人差し指の間には汚れやばい菌がたまりやすいので、しっかり汚れを落としましょう。親指を握るようにして洗うときれいになります。指しゃぶりなどが多い小さなお子さんは、特に気をつけて洗ってあげてくださいね。5.最後に手首まで洗っておしまい。水で流しましょう。 実はこのようにしっかり洗おうとすると20~30秒くらいかかります。お子さんが飽きてしまわないように、横についてあげて、一緒に歌を歌いながら洗うと、時間が経つのも早くておすすめですよ! たとえば「チューリップ」の歌の1番を歌うと、20秒ちょっとかかります。そのほか、幼稚園や保育園では、正しい手洗いを歌で教えているところもあります。楽しく歌うことで、正しい手洗いが習慣になるといいですね。小さな子供は「ぶくぶくぺっ」の練習から、正しいうがいの方法まずは、口をゆすぎます。そして口の中をきれいにしてからうがいをするのが、正しい方法です。小さいお子さんも、まずは「クチュクチュうがい」から始めてみましょう。水を口に含んで、「ぶくぶくぺっ」の練習です。それに慣れてきたら、水を口に含んだまま顔を少し上に向けて「あー」と声を出す練習をしてみましょう。これで「ガラガラうがい」ができるようになります。横で数を数えてあげたりすると、「何秒できた!」という達成感があってお子さんも嬉しいかもしれませんね。感染症を防ぐには、とにかく「手洗い・うがい」が大切です。しっかりした手洗い・うがいでこれからの季節を元気に過ごしましょう。(あい)
2015年11月01日ライオンはこのほど、ノロウイルスによる食中毒が気になる時期に向け、「正しい手の洗い方」と「適切な手洗いのタイミング」についての情報を公開した。秋から冬にかけてはノロウイルスによる食中毒に注意が必要な時期で、特に今年は新型のノロウイルスが流行する恐れがあるとも言われているという。そこで同社は、ウイルスを体の中に入れないために、普段より丁寧に手を洗うことが重要であるとしている。今回は、同社のヘルスケアマイスター・山岸 理恵子さんが手の汚れについて行った実験の結果を公開した。手を洗った後に残った汚れについて、どの部分に汚れが残りやすいか実験したところ、「指先」「指と指の間」「手首」に汚れが残っていることがわかった。手洗い時間(自己申告)について聞くと、30秒以上かけて手を洗っている人は、小学生が28.4%、中学生が14.9%、保護者(大人)が10.6%だった。山岸さんによると、手洗いを正しく行うと、泡を立てた後から洗い流す前までの工程だけで最低でも30秒はかかるという。「洗い残しを防ぐためにも、正しい手の洗い方を覚えて実践することが大切です」。正しい手洗いのポイントは「こすること」「ねじること」だという。まず、時計や指輪を外してから手をぬらし、石けんやハンドソープをあわ立て、手のひらをこすって洗う。続いて手の甲もこすって洗い、指の間は両手を組むようにこすり合わせて洗っていく。親指は反対の手で、手首も同様に反対の手でねじるようにして洗う。指先や爪の間は、手のひらの上で指先をこするようにするのがコツとのこと。そして、流水で石けんやハンドソープの汚れを十分に落とし、乾いた清潔なタオルで拭き取る。続いて、通勤後の手を水だけで洗ったときとハンドソープで洗ったときの汚れを比較した。その結果、水だけでは十分に汚れが落ちていないことがわかった。「石けんやハンドソープの洗浄成分である界面活性剤には、汚れを包みこんで手から引き離す働きがあります。界面活性剤自体にはノロウイルスを直接失活する効果はありませんが、ウイルスを手指から洗い流して体の中への侵入を防ぐ効果が期待できます」。泡と泡のすき間には汚れを吸い寄せる作用があるため、ソープはよく泡立てることが大切とのこと。また、ノロウイルス対策として重要な手洗いのタイミングについても解説した。適切なタイミングは「調理を行う前後」「食事の前」「トイレに行った後」「下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後」。さらに「外出から帰った後」「動物に触った後」「咳・くしゃみを手でおさえた後」の手洗いも大切であるとアドバイスしている。
2015年10月13日シャボン玉石けんはこのほど、ノロウイルス予防に関する調査の結果を発表した。同調査は2014年12月9日~15日、全国の20~60代の女性1,000人を対象にインターネットで実施したもの。「ノロウイルス対策に有効だと思うこと」を聞くと、92.5%の人が「手洗い」と回答した。また、ノロウイルスの感染が広がることが予想されるこれからの時期、意識して手洗いの回数を増やそうとしている人も76.9%と、4人に3人以上の人が予防を心がけていることがわかった。また、厚生労働省もホームページ内で「ノロウイルスに関するQ&A」を公開しており、「手の脂肪などの汚れを落とすことにより、ウイルスを手指からはがれやすくする効果がある」として、石けんを使った手洗いを紹介している。「実際に手洗いの際にどこまで意識的に洗っているか」を聞くと、指先や手首を常に意識して洗えている人は少なく、中でも「手首」を常に意識して洗えている人は17.1%にとどまった。「ノロウイルス対策について家族と話したことがあるか」を聞くと、56.3%の人が家族と話し合ったことがないことがわかった。感染力の高いノロウイルスは、嘔吐(おうと)物の処理や、感染者が調理した食事などで身近な人に感染することがあり、身近な人を感染から守るためにも家族で予防法などを確認することが大切だという。調査結果を受け、しんどう小児科・院長の進藤静生氏は、「ノロウイルスの予防方法は、嘔吐物の処理を慎重に行うことや、感染者が触れる可能性のある部分を次亜鉛酸ナトリウム溶液でふき取ることが大切です。一般家庭で普段からできる予防では、石けんによる手洗いなどが重要です。時計や指輪を外し、手首の付け根から5センチメートルくらいまで流水でぬらし、十分に泡を立てた石けんで、指先、指の間、手のひら、手の甲、親指の全体などを洗いましょう。すすぎは流水の下で十分に行います」とコメント。
2015年01月06日嘔吐(おうと)や下痢などのつらい症状が現れるノロウイルス。寒い冬の季節になるとよく耳にするウイルスのひとつだが、どのような特徴があるのだろうか。ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんに話を伺った。○ノロウイルスの発生時期は近年、ニュースに取り上げられることも多いノロウイルスだが、感染しやすい時期や流行時期はあるのだろうか。「ノロウイルスは、2002年に命名されたウイルスで、それまで一般の人にとっては、単に『おなかの風邪』として認識されることが多かったようです。1年を通じて発生していますが、秋ごろから感染報告が多くなり11月~1月ごろがピークとなります。ノロウイルスは自然界での抵抗力が強く、空気中で長く生きることができます。気温が低くなるとさらに長く生存できるようになるため、冬場に感染した患者が多くなります」。自然界での抵抗力の強さからか、ノロウイルスは集団食中毒の原因となることも多い。気温が低くなってきた時期が、感染に注意したい季節となる。○10~100個のウイルスで感染では、ノロウイルスにはどのような特徴があるのだろうか。「ノロウイルスはウイルスの中でも比較的小さく、空気中に浮遊しやすいです。また、手のシワなどにも入り込みやすいので、丁寧に手洗いしないと残留してしまいます。たった10個から100個のウイルスで感染するとされており、発症後、症状が治まった後も2週間から4週間ほどはウイルスを排出し続けるため、感染が広まりやすいと考えられます」。感染しても症状の出ない場合(不顕性感染)もあり、本人の自覚が無いままウイルスを排出しているケースもあるという。「ノロウイルスは、宿主であるヒトの小腸上皮細胞でのみ増殖します。つまり、増えるのはヒトの体内のみで、食べ物の中などでは増えません。そのため培養して特性をつかむことも難しく、類似の代替えウイルスによる研究がされています」。培養が難しいウイルスの場合、ウイルスを分離して特定することも困難となるため、食品中のノロウイルスを検出することが難しい。そのことが、食中毒の感染経路や原因の究明をより難しくしているという。○感染はほとんどが経口感染自然界での強い抵抗力をもつノロウイルスだが、ヒトへの感染経路は限られるという。「ノロウイルスはほとんどが経口感染で、予防には口からウイルスを入れないことが大切です。『手洗いをきちんとする』『加熱された食材を摂(と)る』などを心がけることで、感染のリスクは減らすことができます。また、体力のある人は軽症で済む場合も多いので、普段から免疫力の高い、健康的な生活を心がけておくことも大切です」。万一感染しても、より軽症で済ませるためには普段の生活で免疫力や体力をつけておくことが肝要。栄養のある食事、適度な運動などでノロウイルスに負けない体作りもしておきたい。写真と本文は関係ありません○取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。
2014年12月10日森永乳業はこのほど、ノロウイルスに関する実態調査の結果を発表した。同調査は11月8日、内科・小児科に勤務している医療従事者100名を対象にインターネットを通じて行ったもの。過去にノロウイルスと思われる感染性胃腸炎に感染した経験の有無について尋ねたところ、感染したことがある人は37.0%だった。そのうち二次感染と疑われることがある人は59.5%となり、医療従事者の5人に1人(22.0%)が二次感染と疑われる感染性胃腸炎にかかった経験があるということがわかった。家庭でのノロウイルス対策の実態について尋ねたところ、「ノロウイルス対策をしている」と回答したのは42.0%だった。さらに、家庭で実践しているノロウイルス対策について尋ねたところ、「毎日の石けんを使った手洗い」が95.2%で最多。以下は「バランスの取れた食事」(59.5%)「食品の十分な加熱」(57.1%)「十分な睡眠」(52.4%)「次亜塩素酸の常備」(50.0%)の順に多い結果となった。ノロウイルスやインフルエンザなどの感染症について「手洗い」や「マスク」などの外部からの対策以外に、身体の中からの対策を行うことへの興味度合いを尋ねたところ、既に「身体の中からの対策」を取り入れている人は14.0%だったものの、78.0%が「興味がある」と回答した。ノロウイルスやインフルエンザなどの感染症対策として、身体の中からの対策が有効だと思うかどうかについて尋ねたところ「有効だと思う」が23.0%、「ある程度有効だと思う」が69.0%という結果となった。ノロウイルス対策として注目を集めている「ラクトフェリン」に対する興味度合いを尋ねたところ、「非常に興味がある」が13.0% 、「興味がある」が62.0% となった。これについて同社は、「腸内環境を整えるなど身体の免疫力を高めると、ノロウイルスの予防に効果的だといわれています。中でも、ラクトフェリンは腸内で免疫を高める作用に加え、ノロウイルスが細胞へ付着することを防ぎ、ウイルス自体の増殖も抑制するため、予防効果が見られるということが当社の研究から分かっています」とコメントした。
2014年11月28日プロテクティアは9月24日、独自技術「CateProtect」に基づくカテキン誘導体が、ノロ類縁ウイルスであるネコカリシウイルスを効果的に無力化することを見出した公表し、「日本防菌防黴学会 第41回年次大会」で詳細を発表した。同社は、大阪大学産業科学研究所の開發邦宏 特任准教授が研究してきた天然カテキン(EGCG)の誘導体に着目し、同大学発の産学連携ベンチャーとして、その実用化技術「CateProtect」の研究開発に取り組んできた。「CateProtect」は、天然カテキンの中で、最も抗ウイルス機能が高いエピガロカテキンガレート(ECCG)をベースに、EGCGを膜親和性にすることで、ウイルスや細菌の膜を捕えることを可能にする技術。これまで同技術を応用した部材がインフルエンザウイルスや細菌に対して優れた効果を示すことが確認されている。同社は非膜ウイルスであるノロウイルスにも同技術が応用できないかと考え、研究を進めた結果、カテキン誘導体がノロ試験用代替ウイルスであるネコカリシウイルスを最大99.9%以上無力化することを確認した。また、EGCGはタンパク質を含む汚れた環境で効果を発揮できないが、同技術を施したカテキン誘導体は、同環境においてもウイルスを効果的に無力化することもわかったという。今回の研究成果について同社は「従来のカテキンでは効果が現れにくい、嘔吐物や糞便などで汚れた環境下でも機能する、優れた消毒部材への応用が期待される」と説明。今後、「CateProtect」技術を用いて、食中毒対策も可能とするカテキン由来の新しい感染症対策部材の開発を進めていくとのこと。
2014年09月26日毎年、12月頃に猛威をふるう「ノロウイルス」。下痢や嘔吐(おうと)を引き起こし、8人に1人が感染しているという推計もある恐怖のウイルスだ。予防方法はいくつかあるが、先ごろノロウイルス対策商品としてにわかに脚光を浴びた商品がある。その正体とは―。○ウイルス界のフェラーリノロウイルスは主に腸管で増殖し、腸管の粘膜上皮のポンプ機能を破壊することで腹痛、嘔吐(おうと)、水溶性の下痢などの症状を引き起こす。インフルエンザウイルスの3分の1ほどの大きさで、口から10~100個ほど入っただけで感染が成立するとされており、その感染スピードの速さから「ウイルス界のフェラーリ」とも呼ばれている。感染症に詳しい、東京医科大学の松本哲哉微生物学講座主任教授は「ノロウイルスの感染経路としては、食中毒よりもむしろ人から人へとうつるケースが多いことがわかっています。ただし周囲に感染者がおらず、どこで感染したかわからない場合もあります。また、インフルエンザと違って、ノロウイルスの場合はワクチンも治療薬もありません。以前、ノロウイルスに感染した人でも繰り返し感染を起こすので、毎年ノロウイルスへの備えをしておかないといけません」と話す。○救世主の名はラクトフェリン30秒以上の手洗い、食品や調理器具などの加熱といった対策手段がある中、注目されているのが「ラクトフェリン」という成分だ。ラクトフェリンはたんぱく質の一種で、母乳、特に初乳に多く含まれており、赤ちゃんを感染症から守る役目を果たしている。「ラクトフェリンはヒトの免疫力を高める作用と病原体を弱める作用の2つの側面を持っています。その相乗効果がノロウイルスの感染を防ぐと考えられています」。○棚から消えた「森永ラクトフェリンヨーグルト」そのラクトフェリンを配合した商品の中で今最もホットなのは、森永乳業が販売している「森永ラクトフェリンヨーグルト」だろう。今月9日にNHKの番組でノロウイルス対策としてラクトフェリンが紹介された途端、スーパーなどの小売店に消費者が殺到。一部店舗では売り切れ状態になったり、買い占めを防ぐための購入数制限が設けられたりするなどの現象が起こった。森永乳業によると、「今年ならではのノロウイルス対策法」として紹介されたことにより、放送直後(12月9~15日)の森永ラクトフェリンヨーグルトの売り上げは、前年同期間比で770%となっているという。森永乳業は、ラクトフェリンの有効性を科学的にも分析しており、今年9月に461人(平均年齢59.3歳)を対象にした調査結果を発表した。試験では100mgのラクトフェリン含有食品の摂取頻度ごとに6つのグループに分けて、ノロウイルス感染性胃腸炎と思われる症状(腹痛、吐きけ・嘔吐(おうと)、下痢)での医療機関の受診者割合や医師の診断結果などについて調査した。その結果、ノロウイルス感染性胃腸炎と思われる症状で医師の診断を受けた人の割合は、摂取頻度が「ほぼ毎日」の人は「週1回程度」の人に比べて7.1%も減少しており、有意な差が見られた。また、医師からノロウイルスの疑い、または検査でノロウイルス確定と診断された人の割合に関しても有意な差が見られた。摂取頻度が「週1回程度」の人に比べて、「週4~5回」の人で6.1%、「ほぼ毎日」の人で6.5%の減少が確認された。○チーズ200gかラクトフェリン強化商品か松本主任教授は、ラクトフェリンはノロウイルスだけでなく風邪やインフルエンザにも有効かもしれないと話す。「実際、冬の流行期に行われた調査で、ラクトフェリンを摂取していたグループは、ラクトフェリンを摂取していなかったグループと比べて、発熱や鼻水など感染症の症状の発症率が有意に低かったという結果が認められています」。ラクトフェリンは冬場に摂取しておいて損はない成分なのだ。ラクトフェリンは、生乳やナチュラルチーズなどからでも摂取可能だが、有効量の目安となる100mgを摂取しようとなると「チーズでは100gとか200gの単位で食べる必要があり、毎日食べるのは現実的ではないと思います」。基本的には、ラクトフェリンが重点的に配合されている製品を食べた方が継続もしやすいという。チーズ200gかラクトフェリン強化食品か―。どんな方法にせよ、きちんと毎日ラクトフェリンを摂取することが、寒い冬を健康に過ごすためのコツとなりそうだ。
2013年12月24日大幸薬品は12月21日、同社商品「正露丸」「セイロガン糖衣A」についての効能をあらためて発表した。また、毎年冬季に流行するノロウイルス感染症に関する情報も同社サイトで公開している。同社によると、同商品の主成分は”木クレオソート”で、腸の動きを止めずに腸内の水分バランスを調整し、おなかに作用する働きがある。特に食あたり、水あたり、消化不良といった食べ物、飲み物が原因で起こる軟便、下痢およびストレス、かぜなどの原因で起こる軟便、下痢にすぐれた効き目を発揮する。2012年はノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者が、過去10年で第2位という流行を見せている(厚生労働省発表)。同社によると、ノロウイルス予防のワクチン、治療のための抗ウイルス剤はなく、ノロウイルスによる感染性胃腸炎にかかった時の治療は、痛み止めや整腸剤、腸の動きを止めない下痢止め薬の投与などの対症治療になるという。同社は日ごろの感染対策として、ウイルスを口に入れないことが最も重要なこととし、「手洗い・うがい」「十分に過熱した食品の摂取(85℃、1分間以上)」、「調理場や調理器具、家族で共用する箇所でのウイルス除去」をあげている。詳しくは同社サイトで情報を公開している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月26日内閣広報室は13日、首相官邸ホームページに「インフルエンザ&ノロウイルス特集ページ」を新設した。同特集ページは、冬に流行のピークを迎えるノロウイルスとインフルエンザへの注意喚起を目的として、家庭や職場でできる予防対策や政府の取り組みなどをまとめたもの。「インフルエンザにかからないためには」「政府が取り組むインフルエンザ対策」「ノロウイルスによる感染を防ぐには」などを閲覧できる。「インフルエンザにかからないためには」では、感染経路を断つこと、予防接種を受けること、免疫力を高めることなどを推奨。「正しい手の洗い方」など、インフルエンザから身を守るために気をつけるポイントを紹介する。ノロウイルスについても、家庭でできる予防対策の3つのポイント、「手洗い」「人からの感染を防ぐ」「食品からの感染を防ぐ」について、具体的な方法を示すなど、感染の拡大防止を呼びかけている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月17日