展覧会「笠間日動美術館 珠玉のコレクション 近代西洋美術の巨匠たち ―モネ、ルノワールからゴッホ、ピカソまで」が、東広島市立美術館にて2023年2月14日(火)から3月26日(日)まで開催される。近代西洋美術の作品約70点を展示19世紀から20世紀にかけて、ヨーロッパの作家たちは新しい表現を模索し、生み出していった。クロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールによる印象派や、燃えるような色彩と力強い筆致の画風を確立したフィンセント・ファン・ゴッホ、パリに世界中から集まった藤田嗣治やマルク・シャガールら“エコール・ド・パリ”の画家たち、そして20世紀を代表する芸術家パブロ・ピカソはその象徴的な作家といえる。展覧会「近代西洋美術の巨匠たち」では、フランス美術コレクションを常設展示する“フランス館”などの施設を擁する、茨城県笠間市の笠間日動美術館によるコレクションの中から、ファン・ゴッホの《サン=レミの道》や、ルノワールの《泉のそばの少女》、ポール・セザンヌの《聖アントニウスの誘惑》などを展示。近代西洋美術の巨匠たちによる珠玉の作品約70点を紹介する。大津絵とジョアン・ミロまた、本展では江戸時代に近江の大津(現在の滋賀県大津市)周辺で旅人の土産用に売られた民衆絵画「大津絵」の展示も行われる。ここでは、笠間日動日動美術館が所蔵する大津絵の逸品《鬼の念仏》や《藤娘》を紹介。東広島市立美術館所蔵の、大津絵などの日本文化に関心を寄せていたことで知られるスペインの画家ジョアン・ミロの版画を交えて取り上げる。詳細笠間日動美術館 珠玉のコレクション 近代西洋美術の巨匠たち ―モネ、ルノワールからゴッホ、ピカソまで会期:2023年2月14日(火)~3月26日(日)休館日:月曜日時間:9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)※ただし2月14日(火)は10:00開館、2月24日(金)・3月24日(金)は19:00まで開館会場:東広島市立美術館 3階展示室、2階展示室住所:広島県東広島市西条栄町9-1前売券販売所:セブンチケット(セブンコード:098-511)※販売期間:2022年12月17日(土)~2023年2月13日(月)/東広島市立美術館での販売は休館日を除く観覧料:・前売券 一般 960円、大学生 640円・当日券 一般 1,200円、大学生 800円、高校生以下無料※当日券に限り20名以上の団体2割引、高校生以下のこどもを同伴する保護者(2名まで)は3割引(要割引引換券/他の割引券と併用不可)※学生料金は学生証の提示が必要※後期高齢者医療被保険者証・身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付対象者は提示により、観覧無料。【問い合わせ先】東広島市立美術館TEL:082‐430-7117
2023年02月12日NBC創立70周年記念「イスラエル博物館所蔵ピカソ─ひらめきの原点─」が、長崎県美術館にて、2022年11月11日(金)から2023年1月9日(月・祝)まで開催される。東京や滋賀でも開催された巡回展だ。版画を中心にピカソの創作の展開をたどる20世紀美術の巨匠パブロ・ピカソは、古今の芸術との対話を通して、新たな造形を生みだすことを試み続けた芸術家であった。ピカソの活動領域は、絵画や彫刻、陶器、舞台装置など多岐にわたっており、版画においても豊かな創造性を発揮した。1881年、スペイン南部の町マラガに生まれたピカソは、パリに出た初期の頃から版画に取り組んでいた。以後、生涯にわたってエッチングやリトグラフ、リノカットといったさまざまな版画技法に挑戦し、膨大な数の作品を手がけてゆくことになる。NBC創立70周年記念「イスラエル博物館所蔵ピカソ─ひらめきの原点─」では、世界有数の規模で知られるイスラエル博物館(エルサレム)のコレクションから、ピカソの版画を中心とする130点の作品を紹介。初期の「青の時代」における傑作銅版画《貧しい食事》を含む「サルタンバンク・シリーズ」から、キュビスムの絵画と密接に結びつくドローイングや銅版画、ピカソの新古典主義とシュルレアリスムの時代を体現する版画シリーズ「ヴォラール連作」、代表作《ゲルニカ》を予示する戦時期の銅版画《フランコの夢と嘘 I、II》、そして晩年に取り組んだ「347 シリーズ」まで、各時代の作品からピカソの創作の軌跡をたどってゆく。展覧会概要NBC創立70周年記念「イスラエル博物館所蔵ピカソ─ひらめきの原点─」会期:2022年11月11日(金)〜2023年1月9日(月・祝)会場:長崎県美術館 企画展示室住所:長崎県長崎市出島町2-1開館時間:10:00〜20:00※1月2日(月・振替休日)・3日(火)は18:00まで※最終入場はいずれも閉館30分前まで休館日:11月14日(月)・28日(月)、12月12日(月)・26日(月)、12月29日(木)〜1月1日(日・祝)観覧料:一般 1,300円(1,100円)、大学生・70歳以上 1,100円(900円)、高校生 800円(600円)、中学生以下 無料※( )内は前売および15名以上の団体割引料金※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、障害福祉サービス受給者証、地域相談支援受給者証、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)医療受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者および介護者1名は5割減額※前売券は、10月8日(土)から11月10日(木)まで販売※会期中、本展観覧券でコレクション展にも入場可【問い合わせ先】長崎県美術館TEL:095-833-2110
2022年10月29日東京・上野の国立西洋美術館で『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』が開催中です。ベルリン出身のコレクターが選び抜いた究極の20世紀美術コレクションがドイツから来日。そのうち、半数以上が日本初公開作品という今秋必見の展覧会をご紹介します!超豪華!世界遺産でピカソを満喫!【女子的アートナビ】vol. 266『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』では、ピカソやクレー、マティス、ジャコメッティという4巨匠の作品を中心に、ベルクグリューン美術館が所蔵する20世紀美術の作品群を展示。同館コレクション97点に、日本の国立美術館が所蔵する作品を加えた合計108点が紹介されます。特にピカソは、有名な「青の時代」をはじめ、各時代を代表する名作が集結。なんと40点以上ものピカソ作品をひとつの展覧会で見ることができます。この展覧会は、ベルクグリューン美術館が大規模改修を行うなかで企画された世界巡回展。その最初の地として、日本が選ばれました。プレス内覧会に登壇した本展キュレーターのヨアヒム・イェーガー博士は、「ヨーロッパの近代芸術は、日本から大きな影響を受けている」とコメント。さらに、「世界遺産にも認定されている国立西洋美術館で、最初の世界巡回展をスタートできることをうれしく思う」と語っていました。ベルクグリューンって?『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』展示風景作品を見る前に、コレクターのベルクグリューンをご紹介。ベルリンのユダヤ人家庭に生まれたハインツ・ベルクグリューン(1914-2007)は、ナチス政権時代に政治的事情でドイツを追われてアメリカへ移住。そこで美術館勤務などをしていましたが、戦後はパリに渡り画廊を経営。ピカソやマティスなどの芸術家や作家、詩人と交流を深め、自らのコレクションを築き上げました。ベルクグリューンが集めた作品は、1996年に故郷ベルリンのシャルロッテンブルク宮殿に面した由緒ある建物「シュテーラー館」で公開され、その後ドイツが彼の所蔵品をまとめて購入。2004年、コレクターの90歳の誕生日を記念して、彼のコレクションを展示していたシュテーラー館が「ベルクグリューン美術館」と改名されました。見たことないピカソがいっぱい!『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』展示風景本展の見どころは、何といってもピカソ。コレクターのベルクグリューンがピカソに心酔し、また画家本人と親交も深かったので、かなり質の高い作品が揃っています。しかも、展示されているピカソ作品のうち35点が日本初公開です。特に圧巻なのは、女性をモデルにした作品が集まる展示室。展覧会のメインヴィジュアルに使われている《緑色のマニキュアをつけたドラ・マール》をはじめ、ベルクグリューン美術館の顔ともいえる作品《黄色のセーター》、2メートル近くある大作《大きな横たわる裸婦》など、素晴らしい作品が並んでいます。著作権の関係でアップの写真は載せられませんが、名コレクターが厳選して購入したピカソの絵はどれも見ごたえ抜群。しかも、ベルクグリューンは絵を入れる「額」にもこだわり、自分で絵に合った額を選んでいました。あえて、アンティークの額をピカソの斬新な絵に合わせており、例えば《黄色のセーター》には、17世紀前半につくられた金塗りのスペイン製額が使われています。会場では、作品と一緒にぜひ額もご覧になってみてください。クレーやマティスも充実!『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』展示風景ベルクグリューンは、画商としてさまざまな画家の作品を扱っていましたが、コレクターとして自分のために購入したのは敬愛する少数のアーティストたちの作品でした。ピカソのほか、クレー、マティス、ジャコメッティの作品を多く収集。本展でも、彼らの作品が多数展示されています。『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』展示風景ピカソやマティスらは、伝統的な表現形式を壊してから作品を創造する革新的なアーティストでした。そのため、古典的な美術様式を好むヒトラーから嫌われ、ナチス政権時代、彼らの作品は「退廃芸術」として迫害されていました。特に、占領下のパリにいたピカソは要注意人物としてゲシュタポ(ナチスドイツの秘密国家警察)から監視を受け、当時は作品発表も禁じられていました。そんな芸術家たちの作品が、過酷な時代を乗り越えたユダヤ人の名コレクターによって集められ、今ではドイツを代表する20世紀美術コレクションのひとつになっています。ベルクグリューンや芸術家たちの軌跡に思いをはせながら作品を見ると、また違う味わいを感じられるかもしれません。本展は、2023年1月22日まで開催。その後、大阪に巡回します。Information会期:~2023年1月22日(日)休館日:月曜日、12月30日(金)~2023年1月1日(日)、1月10日(火)※ただし、2023年1月2日(月・休)、1月9日(月・祝)は開館会場:国立西洋美術館開館時間:午前9時30分~午後5時30分(金・土曜日は午後8時まで)※入館は閉館の30分前まで※最新情報などの詳細は展覧会公式HPをご覧ください観覧料:一般 ¥2,100、大学生 ¥1,500、高校生¥1,100※日時指定予約制
2022年10月26日ベルリン国立ベルクグリューン美術館が所蔵する20世紀美術の名品が紹介される展覧会『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』が、国立西洋美術館で10月8日(土)に開幕した。ドイツからやってきた97点の作品のうち、76点が日本初公開となる注目の展覧会だ。ドイツ生まれの美術商、ハインツ・ベルクグリューン(1914〜2007)は、パリで画廊を経営する傍ら、自分の気にいった作品を集め、世界有数の個人コレクションを作り上げていた。彼のコレクションを収蔵・展示しているのがベルリン国立ベルクグリューン美術館だ。同展はベルクグリューンが重点的に収集していたピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティを中心に、国立美術館所蔵の作品や資料も合わせて展示するものだ。見どころは、なんといっても第一級のピカソコレクションが鑑賞できる点だ。ベルクグリューンは画家本人とも交流を深め、コレクションを拡大させてきた。同展出品作も約半数がピカソの作品で、日本初公開の作品は35点に及ぶ。また、展覧会を構成する全7章のうち、3つの章がピカソを紹介する内容となっている。ベルググリューン画廊展覧会カタログ国立西洋美術館研究資料センター蔵1章「セザンヌ──近代芸術家たちの師」では、ポール・セザンヌに着目する。ベルクグリューンは、1990年代までセザンヌをはじめとするポスト印象派の画家たちの作品をコレクションしていた。晩年、コレクションの対象を20世紀美術に特化するために売却されたものの、20世紀美術の祖となるセザンヌの数点の作品は最後まで留められていたという。《セザンヌ夫人の肖像》もベルクグリューンが手放さなかった作品の一つ。実は、この作品をジャコメッティはかつて模写していた。同展では2つの作品を並べることで、画家同士の個性に着目することができる。セザンヌ夫人の顔立ちは若干面長になっているところにジャコメッティの特長が現れている。左:ポール・セザンヌ《セザンヌ夫人の肖像》1885〜86年頃油彩・キャンヴァスベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵、ベルクグリューン家より寄託右 アルベルト・ジャコメッティ《左:セザンヌの模写―セザンヌ夫人の肖像、右:レンブラントの模写ー窓辺で描く自画像》1956年国立西洋美術館蔵(皆川清彦氏より寄贈)続く2章から4章まではピカソにスポットを当てた章となる。2章「ピカソとブラック──新しい造形言語の創造」では、青の時代に描いた親友の肖像画《ジャウメ・サバルテスの肖像》や、バラ色の時代に好んで描いたアルルカンを描いた《座るアルルカン》など、ピカソのその当時の特徴がよくわかる作品を揃え、キュビスムに向かうピカソを追っていく。2章「ピカソとブラック──新しい造形言語の創造」展示風景続く3章「両大戦間のピカソ― 古典主義とその破壊」では、第一次世界大戦末期から1920年代初頭にかけて古典主義に回帰していったピカソが、シュルレアリストたちの刺激を受け、画風をさらに変化していく過程について、素描を中心にたどっていく。3章「両大戦間のピカソ― 古典主義とその破壊」展示風景4章「両大戦間のピカソ──女性のイメージ」では、1936年に描かれた《緑色のマニキュアをつけたドラ・マール》、1939年に作られた《黄色のセーター》、1942年制作の《大きな横たわる裸婦》と、2つの世界大戦の間で激しく変遷を重ねたピカソの女性像について着目していく。4章「両大戦間のピカソ──女性のイメージ」展示風景5章、6章ではクレーとマティスを紹介展覧会の後半は、クレーやマティスの作品を紹介していく。5章「クレーの宇宙」では、ベルクグリューン美術館が所蔵する約70点のパウル・クレーの作品のうち34点を展示する。作品ごとにタッチやモチーフを大きく変えるクレーの作品は、ピカソからも大きく影響を受けているという。5章「クレーの宇宙」展示風景左:パウル・クレー《植物と窓のある静物》1927年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵、ベルクグリューン家より寄託右:パウル・クレー《ネクロポリス》1929年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵左:パウル・クレー《暗い扉のある部屋の透視図法》1921年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵右:パウル・クレー《夢の都市》1921年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵ベルクグリューンはマティスの蒐集も非常に重要視した。6章「マティス──安息と活力」では躍動感や生命力に満ち溢れたマティスの作品を見ていく。デッサンや油絵、晩年の切り絵など、その展示作品はバラエティ豊かだ。6章「マティス──安息と活力」展示風景左:アンリ・マティス《レースの襟の絵馬》1915年国立西洋美術館蔵右:アンリ・マティス《家に住まう沈黙》1947年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵左:アンリ・マティス《雑誌『ヴェルヴ』第4巻13号の表紙図案》1943年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵、ベルクグリューン家より寄託中央:アンリ・マティス《植物的要素》1947年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵右:アンリ・マティス《ドラゴン》1943-44年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵、ベルクグリューン家より寄託最終章となる7章「空間の中の人物像―第二次大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ」では、第二次世界大戦後に評価を確立したピカソとマティス、そしてこの時代に円熟期を迎えることとなったジャコメッティの作品で空間を構成する。ベルクグリューンが直接交流を持った3人の作品が一堂に会する空間を体験することで、彼の追求した美がどのようなものかを感じ取れるはずだ。7章「空間の中の人物像 ― 第二次大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ」展示風景より左:アンリ・マティス《ロンドン、テートギャラリ−の展覧会(1953年)のためのポスター図案》1952年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵 右:アンリ・マティス《縄跳びをする青い裸婦》1952年ベルリン国立ベルクグリューン美術館蔵ベルクグリューンの審美眼で選びぬかれた良作ばかりが並ぶ同展は、日本初公開の作品も多く、新しい発見と感動に満ちている。芸術の秋にぜひ訪れてみよう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『ピカソとその時代ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』2022年10月8日(土)~2023年1月22日(日)、国立西洋美術館にて開催()
2022年10月12日20世紀を代表する芸術家、パブロ・ピカソの原点である「青の時代」から晩年までの画業を展観する『ピカソ青の時代を超えて』が、ポーラ美術館にて9月17日(土)より開催される。ピカソは20歳から23歳の頃、青を主調色に貧しい人々の姿を描き、生や死、貧困といったテーマに向き合った。「青の時代」と呼ばれるこの時期は、自身も生活に困窮していたため、制作された絵画の多くは、同じカンバスに何度も書き直しがされている。同展では、ピカソが初めてオリジナリティを確立した「青の時代」を画業の原点として捉え、さらに「青の時代」を超えた晩年までを国内外の選りすぐりの名作約70 点で展観。また、「青の時代」の最重要作である《浜辺の母子像》などの作品の光学調査によって明らかになった絵画の下層に描かれたイメージなどから、ピカソの制作の軌跡を特別な映像で紹介する。いまなお世界中で愛され続けるピカソの魅力に改めて向き合ってみたい。【開催概要】『ピカソ青の時代を超えて』会期:2022年9月17日(土)~2023年1月15日(日)※会期中無休会場:ポーラ美術館開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)休館日:水曜日、8月12日~17日入館料:一般1,800円、65歳以上1,600円、大高1,300円美術館公式サイト:
2022年07月22日箱根のポーラ美術館では、開館20周年記念展「ピカソ青の時代を超えて」を、2022年9月17日(土)から2023年1月15日(日)まで開催する。同展はその後、2023年2月4日(土)から5月28日(日)まで、ひろしま美術館に巡回する。ピカソの画業を捉えなおすパブロ・ピカソは20世紀を代表する芸術家として知られるが、しかし巨匠となる以前においては、自分なりの表現を模索する駆け出しの画家のひとりであった。そうした20歳のピカソが、青を主調色に、悲しみを抱えた貧しい人びとの姿を描いたのが「青の時代」である。その後ピカソは、実験的なキュビスムの探究、そして円熟期を経て晩年に至るまで、旺盛な制作を展開してゆくことになる。「ピカソ青の時代を超えて」は、「青の時代」を初期のいち様式としてではなく、キュビスムをはじめ革新的な表現を生み出していったピカソの原点と捉え、その画業を再考する展覧会。ポーラ美術館とひろしま美術館が誇る国内屈指のピカソ・コレクションをはじめ国内外の作品約70点を選りすぐり、ピカソの創造の軌跡に迫る。本展の特徴のひとつが、最新の科学技術を用いた調査や研究を活かした展示だ。20歳から23歳まで、「青の時代」のピカソは、作品がほとんど売れることがなく、旺盛な制作意欲を満たしつつ制作を行うため、一度描いたカンヴァスを再利用してほかの絵画に描きかえていた。会場では、「青の時代」を代表する《海辺の母子像》をはじめ、絵画作品の光学調査から明らかになったピカソの制作の軌跡を特別な映像を通して紹介する。展覧会概要ポーラ美術館開館20周年記念展「ピカソ青の時代を超えて」会期:2022年9月17日(土)〜2023年1月15日(日) 会期中無休会場:ポーラ美術館 展示室1・3住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)入館料:一般 1,800円(1,500円)、シニア(65歳以上) 1,600円(1,500円)、大学・高校生 1,300円(1,100円)、中学生以下 無料、障害者手帳の所持者および付添者(1名まで) 1,000円(1,000円)※( )内は15名以上の団体料金(要予約)※9月17日(土)〜9月30日(金)の期間中、15〜24歳は入館無料(入館時に年齢の確認できる身分証明書などを提示)※臨時休館の場合あり■巡回情報・ひろしま美術館会期:2023年2月4日(土)〜5月28日(日)住所:広島県広島市中区基町3-2【問い合わせ先】ポーラ美術館TEL:0460-84-2111
2022年07月04日20世紀最大の画家と言われるパブロ・ピカソ。想像力と感受性の富んだピカソは、常に新しい表現を探求し、その画風を変遷させていった。その過程をイスラエル博物館が所蔵する作品で紐解いていく展覧会『イスラエル博物館所蔵ピカソ―ひらめきの原点―』が、4月9日(土)から6月19日(日)までパナソニック汐留ミュージアムで開催されている。世界屈指と言われるイスラエル博物館のピカソ・コレクションがまとまって紹介されるのは、日本初のこととなる。エルサレムにあるイスラエル博物館は、グラフィック作品を中心に800点あまりのピカソの作品を所蔵しており、世界屈指のコレクションとも言われている。同展では、このピカソ・コレクションより版画作品を中心に紹介。ピカソがパリに出た1900年頃から、亡くなる3年前の1970年まで、約70年の作品を年代順に5章に分けて展示し、その作風の変遷を追っていく。第1章「1900-1906年」は、スペインからパリに出てきたピカソの作品からスタートする。親友の自殺をきっかけに突入した「青の時代」、恋人・フェルナンド・オリヴィエとの出会いから生まれた「バラ色の時代」など、ピカソは人々との出会いと別れによって作風を大きく変えていく。旅回りのサーカス芸人の様子を描いた連作「サルタンバンク・シリーズ」は当時のピカソの作風を色濃く伝えている第2章「1910-1920年」は、ピカソとジョルジュ・ブラックが生み出した表現方法「キュビスム」に焦点を当てる。対象を複数の視点から観察し画面上に再構成する「分析的キュビスム」、その「分析的キュビスム」から発展した「総合的キュビスム」は、20世紀美術の流れを大きく変えた。しかし、美術の歴史を大きく変えたピカソであるが、1917年のイタリア旅行をきっかけに、ルネサンス美術や古典美術に関心を寄せ、また大きく画風を変化させる。第3章「1920-1937年」では、新古典主義とシュルレアリスムの時代のピカソについて取り上げる。1930年から7年間にわたって制作されていた版画シリーズ「ヴォラール連作」は、当時のピカソの変容が如実に表されている。「ヴォラール連作」は、エッチングやドライポイント、アクアチントなどさまざまな版画技法で制作されており、版画という表現技法を重要視していたことも伺える。ちなみに、ヴォラールとはピカソが初期に所属していた画商アンブロワーズ・ヴォラールの名前を冠したものだ。第4章「1937-1953年」は、ピカソの故郷であるスペインで起こった内戦時の作品を紹介する。1936年に勃発したスペイン内戦はピカソに大きな影響を与え、代表作である《ゲルニカ》が描かれた。同展で展示されている銅版画《フランコの夢と嘘I、II》は、ゲルニカが描かれる前に制作された、ピカソ初の政治的メッセージが込められた作品だ。また、当時ピカソのミューズであったドラ・マールの存在もまた、ピカソの制作意欲を強く刺激していたという。そして、第5章「1953-1970年」は、老いてますます創作意欲が盛んになった晩年のピカソの作品を取り上げる。86歳で取り組んだ347点からなる版画連作〈347シリーズ〉や、当時の伴侶ジャクリーヌ・ロックの肖像などを展示する。巨匠であるピカソの姿はさまざまな写真家たちが捉えている。ピカソという強い求心力を持つ天才の姿を、彼の生涯に渡る作品を見てから眺めるとさらに魅力的に映る。ピカソの歩んだ、長い道のりをじっくりと捉えてみよう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『イスラエル博物館所蔵ピカソ―ひらめきの原点―』2022年4月9日(土)- 6月19日(日)、パナソニック汐留美術館にて開催※日時指定予約制美術館公式サイトは
2022年04月15日ユニフォーム及びカジュアルアパレルメーカーであるアイトス株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:伊藤 崇行)は、現代のピカソとも評される世界的なポップ・アーティスト、ロメロ・ブリット氏のアートデザインを用いた新ブランド「BRITTO」を2022年4月6日(水)~8日(金)に東京ビッグサイトで開催される「ファッション ワールド 東京」にて発表、5月中旬頃からの発売を致します。BRITTO 1■「ロメロ・ブリット」とは?ロメロ・ブリット氏は、1963年にブラジルのレシフェに生まれ、幼いころから新聞紙などをキャンパスに独学で絵を学びました。20歳の時に訪れたフランス、パリでマティスやピカソの作品に影響を受け、キュービズムとポップを融合させた、鮮やかでアイコニックな独自のスタイルを生み出しました。他に類を見ない画期的なアプローチを特徴とし、各国のアートメディアでは、その斬新なスタイルの類似点から、現代のピカソとも評されています。■商品に込められた思い「希望」や「幸せ」を表現したロメロ・ブリット氏の作品をプリントデザインとして用いた洋服を着ていただき、日常シーンをさらに楽しく元気づけたいとの思いから、「BRITTO」は誕生しました。アートを気軽に日常に取り入れることで、たくさんの人々が笑顔と幸せに包まれる世界、平和な世界が広がってほしいという願いが込められ、世界的に暗いムードが続く今こそ、普段から着用される服がアートの力で明るく元気に、笑顔になるお手伝いをします。■商品発表及び発売発表 :2022年4月6日(水)~8日(金)10:00~17:00イベント名:第9回ファッション ワールド 東京(春)場所 :東京ビッグサイト 西展示棟ブースNo.S7-52発売 :2022年5月中旬頃から順次■商品情報(一部)商品イメージ Tシャツ(ハート)商品イメージ Tシャツ(クマ)商品イメージ Tシャツ(犬・猫)商品イメージ ポロシャツ商品イメージ パーカー商品イメージ ウィンドブレーカー商品イメージ スクラブ商品イメージ エプロン商品イメージ マスク商品イメージ トート■商品一覧商品一覧【会社概要】称号 : アイトス株式会社設立 : 昭和25年代表者 : 代表取締役社長 伊藤 崇行事業内容: ユニフォーム及びカジュアルウエアの企画、製造、販売本社 : 東京都台東区浅草橋4丁目19番7号HP : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月28日世界有数の博物館のひとつ、エルサレムのイスラエル博物館より、選りすぐりのピカソ作品が初来日する『イスラエル博物館所蔵 ピカソ ― ひらめきの原点 ―』が、4月9日(土)より、パナソニック汐留美術館にて開催される。同展では、イスラエル博物館が所蔵にする800点以上のピカソ・コレクションから、版画作品を中心に、油彩、素描から写真までの作品を通して、長く、豊饒な創作の軌跡を展観。世紀の変わり目の1900年頃の絵画から、亡くなる3年前の1970年の作品までを年代順に紹介していく。青の時代の傑作銅版画《貧しい食事》を含む〈サルタンバンク・シリーズ〉、1930年代の〈ヴォラール連作〉、戦時期の《フランコの夢と嘘 I、II》、86歳で制作した〈347シリーズ〉など、画風の移り変わりと技術的な実験の軌跡、そしてモチーフの変容を紹介し、ピカソのインスピレーションの源に迫る。【開催概要】『イスラエル博物館所蔵 ピカソ ― ひらめきの原点 ―』会期:2022年4月9日(土)~6月19日(日)会場:パナソニック汐留美術館時間:10:00~18:00、5月6日(金)、6月3日(金)は20:00(入館は閉館30分前まで)休館日:水曜(5月4日と5月18日は開館)料金:一般1,200円、65歳以上1,100円、大学700円、高校500円※予約サイトでの日時指定予約が必要▪美術館公式サイト:
2022年03月23日一般社団法人YMハウスは、ヨックモックミュージアム限定のミニャルディーズ「ヴァローリス」を開館当日の2020年10月25日より館内カフェ ヴァローリスで発売開始いたします。ピカソがセラミック制作に没頭した南仏の町ヴァローリス周辺で有名な地方菓子“カリソン”をモチーフに、ハーブや柑橘類などを使ってコート・ダジュールに思いを馳せるミニャルディーズです。カフェ内でご用意しているその他のミニャルディーズも含めると選べるプティガトーは全8種で、すべてヨックモックグループのハイエンドブランド「アン グラン」のシェフ パティシエである昆布智成が監修。単品でもお召し上がりいただけますが、ドリンクとのセットで1,100円(税込)というメニューもご用意しております。ミュージアムをお楽しみいただいた後にご利用いただけば、ピカソが精力的に創作活動を続けたコート・ダジュールの余韻に浸りながら、再び五感で南仏の魅力を感じていただけます。*カフェだけでもご利用可能です。*当館の新型コロナウィルス感染拡大防止策にご協力いただければ幸いです。■ヨックモックミュージアム限定ミニャルディーズ商品名 ヴァローリス価格 550円(税込)販売開始 2020年10月25日(日)~販売場所 ヨックモックミュージアム 1階 カフェ ヴァローリスピカソが精力的にセラミックを制作した南仏の町“ヴァローリス”にちなんで名付けたミュージアム限定のミニャルディーズ。香ばしいアーモンドのジョコンド生地を土台とし、果実味が凝縮されたドライフルーツをちりばめたヌガームースの上に、ローズマリーやピンクペッパーをきかせた白ワインでコンポートしたアンズを乗せ、爽やかな酸味のレモンムースで包みました。表面はキャンバスに見立て、アンズや赤すぐり、カシスなどで1つ1つ丁寧に色付けをし、美しい佇まいに仕上げています。南仏のパティスリー「リエデレ」でMOF(国家最優秀職人章)に師事した昆布シェフ パティシエが、ミュージアムのためにプロヴァンス地方の伝統菓子を再構築しました。アートを感じる見た目のみならず、南仏を感じる様々な素材の香りや食感も楽しむことができ、ピカソが過ごした“ヴァローリス”に時空を超えてショートトリップできる逸品です。■ミニャルディーズ セット 1,100円(税込)コーヒー(HOT、ICE)、紅茶(HOT、ICE)、ジュースからドリンクをお選びいただけます。■ヨックモックミュージアム ミニャルディーズ8種・タルト フリュイ:季節ごとのフルーツタルト 470円・タルトアグリュウム:季節の柑橘類のタルト 450円・エリタージュ:高知県産ベルガモットの魅力を追求したケーキ 520円・ティト ショコラ:様々な素材を緻密に重ねて奥行きを出した大人のチョコレートケーキ 520円・ヴァローリス:上記参照 550円・フルーレット:赤いフルーツを使用したムースとコンポ―トに、レモンクリームとライチの香りを加えました。 520円・マカロン アブリコ:ピンクペッパーを効かせたアプリコットクリームのココナッツマカロン 380円・エコセ:ショコラ生地でアーモンド生地を包み込んだ伝統菓子 400円*テイクアウト不可(税込)■美術館について『シガール』を代表商品とする洋菓子製造販売の株式会社ヨックモックの創業者である藤縄則一(ふじなわ のりいち)の「菓子は創造するもの」という想いを受け継ぎ、株式会社ヨックモックホールディングス取締役会長であり当美術館の館長でもある藤縄利康(ふじなわ としやす)が精選し、ヨックモックグループとして30年以上かけて集めたピカソのセラミック作品などのヨックモック・コレクションを中心に美術品を展示する美術館です。ピカソの豊かで自由な発想が投影された作品を通じて、誰しもが驚きと発見に出会える場を提供し、アートによるすべての人と人とのつながりを創造します。■ヨックモック・コレクションについてヨックモック・コレクションは、ピカソのセラミック作品のエディション※を数多く包括的に収集した、世界で有数のコレクションのひとつです。ピカソのエディションにおいて最も特筆すべき点は、職人が型やろくろによって形態を忠実に複製し、ピカソがときに型破りな方法で生み出した形態あや効果をも再現したことです。セラミック制作に初めて本格的に着手した、第二次世界大戦後の1947年から1973年に死去するまで、ピカソはフランス南部のヴァローリスにあるマドゥラ工房でラミエ夫妻と緊密に協力しながら、数千点にものぼる作品を制作しました。ピカソのセラミック作品を数多く所蔵するヨックモック ・コレクションには、お椀、水差し、食器、大皿といったエディションとして生産された多岐にわたる容器や優れた大型の作品のすべてが含まれており、ピカソの粘土を通じた創造の比類なき記録を示すものとなっています。※「エディション」とは、南仏の町ヴァローリスにあるマドゥラ工房で、ピカソが熟練した職人たちと協働し創り出した作品のこと。■ヨックモックミュージアム住所:〒107-0062 東京都港区南青山6丁目15-1アクセス:東京メトロ表参道駅から徒歩12分、渋谷駅より都営バス「新橋駅前」行乗車「青山学院中等部前」下車徒歩1分 ※駐車場はございません休館日:月曜日・年末年始・展示替期間*ただし月曜日が祝日の場合、翌火曜日*10月26日(月)は臨時営業いたします。開館時間:10時~17時*入館は閉館の30分前まで*カフェL.O.は閉店の1時間前まで*新型コロナウイルス感染拡大防止のため変更となる可能性がございます。ウェブサイト:yokumokumuseum.comお客様からのお問い合わせ:TEL03-3486-8000企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年10月26日スナイデル(SNIDEL)2020年春コレクションから新作ウェアをピックアップして紹介。「パブロ・ピカソ」から着想した20年春のスナイデルスナイデル2020年春は「レディ ピカソ(LADY Picasso)」がテーマ。その名の通り、数々の芸術作品を世に送り出した、芸術家パブロ・ピカソからインスピレーションを得ている。とりわけ、パブロ・ピカソの「アヴィニョンの娘たち」にフューチャー。キュビズム革命の原点ともいわれる名作から得たエッセンスを洋服に落とし込む。立体的なパターンは、コートやドレスに色濃く取り入れられ、空気をはらんだような複雑なフォルムが印象的だ。プレイフルな配色のレースドレスドラマティックなレースドレスは、パブロ・ピカソ作品のような遊び心あふれる配色。ベージュとブラックのレースを複雑に組み合わせ、エレガントなスタイルを演出している。春色イエローのセットアップ春の訪れを楽しむように、ボタニカルのモチーフやブライトカラーは積極的に起用した。小花柄のドレスは、パフスリーブのような立体感のあるアームで女性らしさを強調。ショートパンツとジャケットのセットアップは、爽やかなレモンイエローカラーとなっている。また、スナイデルは女優・モデルの新木優子をイメージモデルとして起用。2020年春の新作をまとう新木優子の姿が公開された。なおこのルックは、2020年2月6日(木)よりスナイデル全国店舗で配布されるブランドリーフレットでチェックすることができる。【詳細】スナイデル2020年春コレクション<アイテム例>・ジャケット 13,500円+税/パンツ 9,500円+税・ドレス 24,000円+税・コート 19,000円+税■2020年春コレクションのブランドリーフレット配布日:2020年2月6日(木)対象店舗:スナイデル全国店舗※購入者対象。無くなり次第配布終了。
2020年02月09日箱根の彫刻の森美術館が、開館50周年を記念してピカソ館を全面リニューアルオープン。2021年3月頃まで、テーマ展示「ピカソの挑戦〜かたちの変貌〜」を開催している。ピカソ館内観©2019 - Succession Pablo Picasso - BCF(JAPAN)ピカソ館は、20世紀を代表するスペインの芸術家パブロ・ピカソの作品を専門に紹介するために、1984年に開館。以来、陶芸を中心とした319点のピカソ・コレクションを順次公開している。開館から35年を経て、初めてのリニューアルとなる今回は内装と設備を一新。内装は床、壁、天井をすべて変え、自然豊かな箱根にあうようにナチュラルで明るいイメージに。また空調も新設し、風除室を設けて気密性を高めた。さらに、作品保護ケースには高透過ガラスを使用し、ガラスの存在を感じさせないよう配慮。照明は紫外線や熱を出さない最新型のLED照明を採用し、作品への影響を最小限にとどめている。よりピカソを身近に感じられる展示空間を創るため、展示作品は技法毎に3つに分類。第1室は大型作品や油彩画、ジェマイユ専用エリア、ピカソの紹介映像、記録写真を展示。第2室にはセラミック、第3室には絵画の小品を年代順にし、金銀オブジェを展示し、ピカソ作品の多様性と変容性、万能な芸術家であったピカソの人物像を残された言葉とともに紹介する。《猫のいる静物》10月23日−11月1日 油彩、キャンヴァス©2019 - Succession Pablo Picasso - BCF(JAPAN)7月27日から2021年3月頃まで開催するテーマ展示「ピカソの挑戦〜かたちの変貌〜」では、ピカソ作品103点、ピカソポートレート写真20点、パブロ・ガルガリョによるピカソの肖像1点の計124点を展示。「ピカソの挑戦」と題した展示室1では、油絵具で描いた絵をもとにして、ジェマイユ(ステンドグラス)やタピスリー(織物)などの素材に変えることで新しい魅力を作り出すなど、様々に変化したピカソの画風を作品を通して紹介する。展示室2は「さて、またやってみよう!」がテーマ。65歳をすぎてから陶芸に興味を持ったピカソの、ユーモアと子供に帰ったような感性が満ちた皿や、花びん、壺などの作品を中心に展示。展示室3は「かたちの変貌」として、ピカソがブロンズや金、銀などの金属を使ってイメージをかたちにした作品を展示。1枚の原版に様々な修正を加えながらイメージを変形させていく過程そのものが重要であった版画作品も紹介する。新しくなった展示室で、ピカソ・コレクションの数々を堪能してみては。【施設情報】彫刻の森美術館住所:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)入館料:大人1,600円、高大生1,200円、小中生800円【展覧会情報】ピカソの挑戦〜かたちの変貌〜会期:7月27日~2021年3月(予定)会場:彫刻の森美術館 ピカソ館
2019年08月02日展覧会「奇蹟の芸術都市バルセロナ展 ーガウディからピカソ、ミロ、ダリまでー」が、2019年9月14日(土)から11月4日(月)までの期間、札幌芸術の森美術館にて開催される。古代に遡る豊かな歴史と、19世紀に産業革命を経験したことによる経済的・文化的な先進性をあわせ持つスペイン、カタルーニャ自治州の州都バルセロナ。芸術、グルメ、スポーツなど、今もなお、あらゆる面で人々を魅了する世界有数の国際都市だ。「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」では、そんなバルセロナという都市の近代化が進んだ19世紀後半、イルダフォンス・サルダーの都市計画から、1888年のバルセロナ万国博覧会開催、1936年から1939年にかけてのスペイン内戦に至るまでの約80年間にフォーカスを当てる。会場では、現在のバルセロナの景観を形作った建築家アントニ・ガウディをはじめ、パブロ・ピカソ、ジュアン・ミロ、サルバドール・ダリらによる絵画、彫刻、家具、宝飾品、図面、映像資料、写真などの作品約150点を展示。当時のカタルーニャに花開いた芸術の精華を紹介していく。また、チケットでは、2020年冬に札幌芸術の森美術館で開催される、アルフォンス・ミュシャの展覧会「みんなのミュシャ」とのセット券も用意。是非この貴重な機会に、世界的な芸術家たちの作品をまとめて楽しんでみてはいかがだろうか。【詳細】奇蹟の芸術都市バルセロナ展 ーガウディからピカソ、ミロ、ダリまでー会期:2019年9月14日(土)~11月4日(月)開館時間:9:45~17:00(最終入館16:30)会場:札幌芸術の森美術館住所:北海道札幌市南区芸術の森2-75<観覧料>・当日券一般 1,300円/高校・大学生 800円/小・中学生 500円・前売り券一般 1,200円/高校・大学生 700円/小・中学生 400円・図録付きチケット 4,440円販売期間:6月15日(土)10:00~8月20日(火)23:59販売場所:※ローソンチケットのみ(Lコード:92484)・「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」×「みんなのミュシャ」セット券 2,200円販売期間:6月15日(土)10:00~9月13日(金)23:59販売場所:ローソンチケットのみ(Lコード:11514)※価格は全て税込み。※小学生未満無料。※前売り券はローソンチケット(Lコード:11514)、チケットぴあ(Pコード:769-797)、セブンチケット、道新プレイガイド、札幌市民交流プラザチケットセンター、教文プレイガイド、札幌芸術の森美術館で購入可能。※図録は9月1日(日)以降、ローソン購入店店頭にて受け取り可能。【問い合わせ先】札幌芸術の森美術館TEL:011-591-0090
2019年06月20日こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。10連休はいかがお過ごしですか?面白いアートや映画に触れて五感をリフレッシュするのもいいですね!【シネマの時間】第64回は、“ヒトラーの秘宝、闇の美術史” 名画ミステリー映画『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』をお送りします。アドルフ・ヒトラー(1889年4月20日〜1945年4月30日)が若い頃、画家を志していた逸話はよく知られていますが(ウィーン美術アカデミーを2度受験するが不合格)、政権掌握後も美術に関心の強かったヒトラーは、右腕的存在のゲーリング国家元帥や息のかかった画商を通じて、ユダヤ人富裕層が所有する美術品の略奪に躍起になります。なぜ、ナチス・ドイツは、いやヒトラーは、これほどまでに美術品略奪に執着したのでしょうか?ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、戦後70年以上経った今でも10万点が行方不明と言われます。彼らは、ピカソ、ゴッホ、フェルメール、マティス、ルノワール、ブリューゲル、モネらの傑作に「退廃芸術」の烙印を押し、一方で純粋なアーリア人による写実的で古典主義な作品を擁護。同時に故郷近くのオーストリア・リンツに“総統美術館”を建設する野望を抱きました。本作は、欧米で活躍する歴史家、美術研究家をはじめ、略奪された美術品の相続人や奪還運動に携わる関係者の証言を元に、ヒトラーの思想の背景と略奪された美術品が辿った闇の美術史に迫ります。ちなみにフランスの皇帝ナポレオン(1769年8月15日 〜1821年5月5日)もヨーロッパを制覇する過程で各地の城や邸宅から膨大な数の美術品を略奪したのだとか。それらには、資産価値があり政治的にも権威を高める影響力の大きさを知っていたからでした。「壁を飾るために絵を描くのではない。絵は敵に対する盾にも矛にもなる、戦うための手段だ」―パブロ・ピカソナチスに弾圧され奪われた美術品と、それに関わる人々の数奇な運命に迫る名画ミステリー!ぜひこの機会にお楽しみいただければ幸いです。■映画『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』あらすじーナチスに弾圧され奪われた美術品とそれに関わる人々の運命を追った名画ミステリー!ナチス・ドイツはふたつの手段で芸術を支配しました。ひとつはピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、シャガール、クレーらの傑作に「退廃芸術」の烙印を押しそれらを貶め、一方で、純粋なアーリア人による写実的で古典主義的な作品を擁護。同時に、青年時代に画家志望だったヒトラーは、故郷近くのリンツに“総統美術館”を建設する野望を抱き、右腕的存在のゲーリング国家元帥や息のかかった画商を通じてユダヤ人富裕層が所有する古典美術の名品を次々と没収。オランダ、フランスなど周辺国を占領するとその勢いと大胆さは加速し、かのルーブル美術館やパリ在住のユダヤ人美術収集家から問答無用で憧れの名品や価値ある退廃美術の略奪を繰り返しました。権力は芸術をも支配できると妄信するナチスが行った歴史上最悪の美術品強奪と破壊。今なお続く奪還をめぐる戦いを、歴史家や美術研究家、関係者らの証言をもとに描き、ヒトラーの思想の背景と略奪品が辿った闇の美術史を浮かび上がらせていきます。ヒトラーの秘宝たちが語る知られざる真実とは……?■『グレート・ビューティー追憶のローマ』などで知られるイタリアの名優トニ・セルビッロが案内人!ナチス・ドイツによる美術史上最悪の美術品略奪やそれらのヒトラーの秘宝が辿った知られざる真実を案内するのは、『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(14)や『修道士は沈黙する』(18)など、イタリア映画界が誇る名優トニ・セルヴィッロ。監督は、ヴェネチア・ビエンナーレやイタリア国立21世紀美術館などのドキュメンタリーを手掛けた新鋭クラウディオ・ポリが務めています。ベストセラー「怖い絵」シリーズの著者・中野京子が、日本語字幕監修を担当。作中では、約100点にも及ぶ退廃芸術やヒトラーが偏愛した名品が紹介されます。■映画『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』作品紹介映画『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』2019年4月19日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー!公式サイト:hitlervspicasso-movie.com原題Hitler contro Picasso e gli altri監督:クラウディオ・ポリ製作総指揮:ベロニカ・ボッタネッリ原案脚本:ディディ・ニョッキ編集:クラウディオ・ポリ音楽:レモ・アンツォビーノ字幕監修:中野京子(作家/『怖い絵シリーズ』)日本語字幕:吉川美奈子製作年:2018年製作国:イタリア・フランス・ドイツ合作配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム上映時間:97分映倫区分:G©︎2018 - 3D Produzioni and Nexo Digital - All rights reserved案内人:トニ・セルヴィッロ(『グレート・ビューティー/追憶のローマ』『修道士は沈黙する』)【シネマの時間】アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美©︎YUMIMOROTO
2019年04月29日ナチスに弾圧され奪われた美術品と、それに関わる人々の運命に迫る名画ミステリー『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』から、ゴッホの名画がナチス・ドイツによって没収され、売り飛ばされていた衝撃の事実を紹介する本編映像が到着した。ピカソ、ゴッホ、フェルメール、マティス、ムンク、モネ…いまもなお多くの名画たちが行方不明――。1933年から45年にかけて、ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、戦後70年以上経った現在でもなんと10万点が行方不明と言われる。彼らはピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、シャガール、クレーらの傑作に“退廃芸術”の烙印を押し、それらを貶め、一方で純粋なアーリア人による写実的で古典主義的な作品を擁護。同時に、ヒトラーは故郷リンツに“総統美術館”設立の野望を抱き、右腕的存在のゲーリング国家元帥と張り合うかのうように、ユダヤ人富裕層やルーブル美術館からも問答無用で美術品の略奪を繰り返したという。フィンセント・ファン・ゴッホの誕生日である3月30日、今回解禁された本編映像では、晩年ゴッホが診察を受けていたパリ・近郊に住む医師ガシェがモデルで、ゴッホが死の1か月余り前に描いたと言われている彼の傑作「医師ガシェの肖像」(1890)が、ナチス・ドイツから堕落とみなされ、ゲーリングの命でフランクフルトの美術館から没収されていた事実を紹介。また、ゴッホの自画像「Self-Portrait Dedicated to Paul Gauguin」もスイスのオークションにかけられていたと説明している。権力は芸術をも支配できると妄信するナチスが行った歴史上最悪の美術品強奪によって、不遇な運命を辿っていた名画たち。本作を観れば、今後、きっと美術鑑賞でも見方が変わってくることだろう。『ヒトラーVS.ピカソ奪われた名画のゆくえ』は4月19日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年03月30日今週末、9月8日、9日に楽しめるニューなトピックスをまとめてチェック!ギャラリー ミュベールで開催の二人のアーティストによる展示、“デニム”をキーワードにしたイベント「デニムアクトナイト」第2弾が開催、ピカソの版画作品を集めた展覧会etc...今週末のお出かけ情報をピックアップしてお届け!今週末開催されるイベント◆デニムとカルチャーを楽しむ「デニムアクトナイト」第2弾開催! クードスなど気鋭デザイナーとデニムブランドがコラボ(9/9)◆片岡メリヤスの人形劇にブラスバンドがコラボ! 神戸で「メリヤス管打団 !!」が開催(9/8)生活に豊かな時間を取り入れる◆無印良品 有楽町にて茶の新しい嗜み方を提案するイベントを開催、丸若裕俊によるワークショップやトークも(〜10/7)◆イデーより、陶芸家・竹村良訓と料理家・冷水希三子がつくる“四季”がテーマの器の第1弾となる秋冬の器が登場(〜9/24)陶芸家の竹村良訓と料理家の冷水希三子による器「4 Seasons dish」の第1弾「Autumn-Winter」が登場 / 写真:江原隆司巨匠から現代アーティストまでさまざまな作品に触れる◆ピカソの版画作品が並ぶ展覧会が「えき」KYOTOで開催! 影響を受けた巨匠たちの作品と合わせて約100点を展示(〜10/8)パブロ・ピカソ《槍》1959年 リノカット / ©2018-Succession Pablo Picasso-BCF(JAPAN) ©Bibliothèque nationale de France◆ミナ ペルホネンとのコラボアイテムも登場! 作家の石牟礼道子と染織家の志村ふくみが創作した新作能の世界に触れるイベント(〜9/11)「沖宮」記念の額装(各3万2,400円)◆ミュベールの秋冬コレクションをテーマにキム・ソンヘ × 空間デザイナーの外山翔が二人展を開催(9/8〜30)
2018年09月07日「フランス国立図書館版画コレクション ピカソ」展が、京都・新潟・山梨で開催される。20世紀最大の芸術家として知られるパブロ・ピカソ。絵画、彫刻、陶芸など様々なジャンルで功績を残した彼は、美術史上まれにみる多作家としても知られており、91年の長い生涯において版画だけでも2,000点以上を制作している。本展では、ピカソが見つめた西洋美術の伝統に着目し、彼の全時代を網羅したフランス国立図書館の珠玉の版画コレクションより厳選した89点を展示する。“ピカソの版画史”を辿る89点10代の頃から最晩年の1972年まで、およそ70年以上の全生涯にわたって作品を制作し続けたピカソ。その彼の作品のうち、本展では版画から油彩画まで彼の創作を多角的に紹介していく。なかでも、目を向けるのは彼が積極的に取り組んだとされる“主題”。恋多きピカソが描いたモデルたちと、彼が愛しモチーフとした動物を描いた作品の数々を展示するほか、ギリシャ・ローマ神話を着想とした「バッカス祭」「牧神」、さらに彼が長年追いかけた主題でもあり、故郷スペインの闘牛への情熱を込めた作品「ミノタウロスの物語」も展開する。“いい芸術家は模倣する”ピカソが賛辞する過去の巨匠たちのとともに展示彼が残した言葉の中に「いい芸術家は模倣する、偉大な芸術家は盗む」というものがある。自由自在に画風を変えて、革新的な美術表現をみせてきたピカソも時に、過去の巨匠たちの傑作から構図やモチーフを模倣し、自らの作品へと転用していたという。そこで、本展ではゴヤやレンブラントといった17世紀から19世紀にかけての過去の巨匠たちの作品も同時に展示し、版画や作品のカラー参考図版のパネル、セクションごとに設置された充実の作品解説パネルとともに、ひとつの作品に対してピカソが行った実験的な構図を考察。ピカソの挑戦の軌跡を垣間見ることができる。【詳細】「フランス国立図書館版画コレクション ピカソ」展■京都会場会期:2018年9月7日(金)~10月8日(月・祝) 会期中無休開館時間:10:00~20:00(入館締切:閉館30分前)※但し、百貨店の営業時間に準じ、変更になる場合あり。会場:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区 烏丸通塩小路下ル東塩小路町入館料(税込):一般 1,000円(800円)、高・大学生 800円(600円)、小・中学生 600円(400円)※( )内は前売および「障害者手帳」を提示者と同伴1名の料金。前売販売期間:2018年7月5日(木)~9月6日(木)※購入は美術館「えき」KYOTOチケット窓口(休館日を除く)、チケットぴあ(Pコード769-016)、ローソンチケット(Lコード53844)、など。■新潟会場会期:2018年11月3日(土)~12月16日(日)休館日:月曜日時間:9:30~18:00(観覧券の販売は17:30まで)会場:新潟市美術館企画展示室住所:新潟市中央区西大畑町5191-9観覧料:一般 1,000(800)円、大学生・高校生 800(600)円、中学生以下無料※()内は前売・団体(20名以上)、リピーター割引料金。※前売は一般のみ。※前売券の販売は11月2日(金)まで。セブン-イレブン(セブンチケット)にて取り扱いあり。■山梨会場会期:2019年1月12日(土)〜2月11日(月・祝)会場:南アルプス市立美術館住所:山梨県南アルプス市小笠原376
2018年08月31日ジェイアール京都伊勢丹7階にある美術館「えき」KYOTOでは、「フランス国立図書館版画コレクション ピカソ 版画をめぐる冒険」を9月7日から10月8日まで開催する。パブロ・ピカソ《草上の昼食(マネによる)》1962年 リノカット ©2018-Succession Pablo Picasso-BCF(JAPAN) ©Bibliothèque nationale de France20世紀最大の巨匠パブロ・ピカソは、その並はずれた創造力で膨大な数の作品を制作した。時代によって自由自在に変化していく表現は、ピカソ芸術の魅力の一つに挙げられる。彼は版画制作においても豊かな才能を発揮し、70年以上に及ぶ創作活動において、2,000点近くの版画作品を制作。銅版画、リトグラフ、リノリウム、木版画など技法や素材も多岐にわたる。パブロ・ピカソ《槍》1959年 リノカット©2018-Succession Pablo Picasso-BCF(JAPAN) ©Bibliothèque nationale de France同展では、フランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France, BnF)所蔵のコレクションから、ピカソの様々な版画作品に光をあて、彼が影響を受けた巨匠たちの作品を合わせた約100点を展示。第1章では、肖像画や静物画、神話などの様々なモチーフを扱った作品を紹介する。また第2章ではピカソだけでなく、ピカソ以前に活躍した巨匠たちの作品も展示。レンブラントやゴヤ、プッサン、マネなどを始めとする先人たちの作品から、ピカソがどのような影響を受けたか、表現の違いを比較しながら楽しめる。9月7日には、11時と14時から、「版画家としてのピカソ―巨匠たちとの対話」と題したギャラリートークも開催。同展の監修を務める村上哲が、マイクを使用し、会場内を移動しながら解説を行う。事前申込みは不要、入館券があれば無料で参加できる。版画作品を通して、ピカソの挑戦心あふれる独創的な表現の世界を堪能してみては。【展覧会情報】フランス国立図書館版画コレクション ピカソ 版画をめぐる冒険会期:9月7日~10月8日会場:ジェイアール京都伊勢丹7階隣接 美術館「えき」KYOTO住所:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町時間:10:00~20:00(入館は閉館30分前まで)料金:一般1,000円(800円) 高・大学生800円(600円) 小・中学生600円(400円)※( )内は前売及び障がい者手帳を提示の本人と同伴者1名の料金会期中無休
2018年08月08日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。■『The Vogue Years』ロベルト・ドアノー(Robert Doisneau)「パリ市庁舎前のキス」で有名な写真家ロベルト・ドアノーがファッション雑誌『ヴォーグ』のために撮った写真。1949年から1952年までヴォーグ誌と独占契約しパリのアート界や社交界を独占的に撮っていたドワノーは、ヴォーグ誌との契約終了後も1960年代まで、友人で編集長だったシャルル-ルー・エドモンド(Edmonde Charles-Roux)のために撮影を続けた。華やかな衣装で舞踏会に集うカフェ・ソサエのメンバーやブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)のモデルデビュー当時の写真、モード写真の修正をするパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)など、これまで明かされることのなかった膨大な数の写真が明かされる。今年の春、グランパレ写真月間の一環として、ヴェルサイユ宮殿のエスパス・リショー(Espace Richaud)で開催された写真展カタログ。【書籍情報】『The Vogue Years』写真:Robert Doisneau出版社:Flammarion言語:英語ハードカバー/360ページ/310×240mm発刊:2017年価格:8,380円■Shelfオフィシャルサイト『The Vogue Years』購入ページ
2017年09月16日2017年8月11日(金)から8月20日(日)の夏休み期間中、ポーラ美術館でピカソにフォーカスしたイベント、「情熱のピカソ・ウィーク」が開催されます。美術鑑賞会、ギャラリートークやデコパージュ体験のほか、箱根ならではの自然観察も楽しめる盛りだくさんなイベントです。「情熱のピカソ・ウィーク」期間中、小中学生の入館が無料に!「情熱のピカソ・ウィーク」は、8月11日(金)〜20日(日)までの開催です。期間中は、小中学生の入館が無料になります。対照的な画家ピカソとシャガールに光を当てる世界初の美術展、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。さまざまなイベントが用意されています。●夏休み子ども美術鑑賞会学芸員と子どもたちが同じ目線で対話をしながら作品を鑑賞し、自由な発想を引き出す「対話型ギャラリートーク」です。「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」展の会場をめぐります。実物の作品に楽しく触れる絶好の機会ですね。日時:8月11日(金)10:00〜12:00会場:ポーラ美術館講堂および展示室対象:小学校3年生から6年生定員:児童30名( 定員になり次第締切。)参加費:無料 参加する児童は入館料無料、保護者は1名まで無料、追加1名につき1,500円。※駐車料金は別途500円)参加方法:電話またはHP(問い合わせフォーム)より事前申込。参加者氏名(ふりがな)・学年・保護者氏名(ふりがな)・住所・電話番号(またはメールアドレス)を明記してください。締切:8月7日(月)●開館15周年記念特別講演会 「30年代のピカソ ― 愛と怒りの造形とルーツ」ファシズムの台頭とスペイン内戦の勃発。ヨーロッパが迫りくる第二次世界大戦の不安に覆われた1930年代、パブロ・ピカソはいかにして、その波に立ち向かったのでしょうか。《ゲルニカ》制作の経緯やシャガールとの知られざる交流について、ピカソ研究の第一人者である大髙先生を招いての講演会が開かれます。日時:8月12日(土)14:00〜15:30(開場13:50)講師:大髙保二郎(早稲田大学名誉教授)会場:ポーラ美術館講堂定員:先着100名参 加 費:無料 ※要当日入館券●箱根彫刻の森美術館×ポーラ美術館学芸員によるクロストーク「ここがすごいぞ!ピカソトーク!」日本最大のピカソ・コレクションを有する2つの美術館、彫刻の森美術館とポーラ美術館の学芸員が、ピカソ作品の魅力について語り合うクロストーク。彫刻の森美術館とポーラ美術館の両館にて計2回開催されます。日時:8月13日(日)14:00〜15:00(受付13:50~)ポーラ美術館 講堂および展示室8月20日(日)13:30〜14:30(受付13:20~)彫刻の森美術館ピカソ館講師:黒河内卓郎(彫刻の森美術館 学芸員)東海林洋(ポーラ美術館 学芸員)定員:各回先着30名参 加 費:無料 ※要当日入館券●夏休み子ども自然観察会夏の木漏れ日につつまれた遊歩道を、植物や動物などの豊富な知識をもつネイチャーガイドスタッフと散策します。日時:8月15日(火)・16日(水)11:00〜12:0014:00〜15:00会場:遊歩道(荒天中止)定員:各回先着20名様大人の方も参加可参 加 費:無料 ※要当日入館券協力:箱根ビジターセンター●夏休みクラフト体験「デコパージュで作るオリジナルフレーム」ピカソの絵画をイメージしながら、フレームを好きな模様に装飾するワークショップ。出来上がったフレームに、好きなピカソのポストカードを飾って持ち帰ることができます。日時:8月17日(木)・18日(金)11:00〜15:00 随時受付会場:1階 ミュージアムショップ参 加 費:600円(材料費・ポストカード代含む)●スパニッシュ・コネクション・コンサートフラメンコ・ギター、ヴァイオリン、タブラといった楽器と共に、音楽で旅をするというコンセプトのもと、2000年に結成されたスパニッシュ・コネクション。スペイン/フラメンコ音楽を中心に、情熱的なライブを開催します。日時:8月19日(土)17:00〜18:00出演:スパニッシュ・コネクション伊藤芳輝(Yoshiteru Ito) - Guitar/ 平松加奈(Kana Hiramatsu) - Violin /吉見征樹(Masaki Yoshimi) - tabla会場:地下1階カフェ チューン定員:100名参 加 費:無料※要当日入館券参加方法:事前申込制HPより申し込み●香水作りワークショップ「香りの教室」香りの専門家を講師に招き、香りのメカニズムや香料について学びながら、オリジナル香水作りを体験できます。日時:2017年8月20日(日)14:00〜15:30講師:山本めぐみ(ポーラ化成工業株式会社横浜研究所研究員)会場:ポーラ美術館講堂定員:先着20名参 加 費:1,500円 (アトマイザー付)参加方法:事前申込制HP(お問い合わせフォーム )より申し込み●特別クイズシート「ピカソとシャガールからの挑戦状」期間中、ピカソとシャガールにまつわるクイズシートを受け付けカウンターで配布されます(小中学生対象)。イラスト化された絵の一部をヒントに、展覧会場で本物の作品を探し、楽しみながらじっくりと鑑賞しましょう。●「ピカソとシャガール愛と平和の讃歌」について絵画の革新に挑み続け、力強い線描により対象を激しくデフォルメする「破壊と創造の画家」として知られるパブロ・ピカソ。そして、あざやかな色彩により絵画を光で満たし、生涯にわたって自身の人生の物語や故郷の風景を主題に取り組んだ、「物語と色彩の画家」シャガール。ポーラ美術館開館15周年記念展「ピカソとシャガール愛と平和の讃歌」では、20世紀の芸術を牽引した対照的な二人による約80点の作品を展覧し、二人の芸術の本質に迫ります。会期:2017年3月18日(土)~9月24日(日)※会期中無休開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)会場:ポーラ美術館所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285電話:0460-84-2111公式サイト:
2017年07月12日箱根、仙石原にあるポーラ美術館が開館15周年展「ピカソとシャガール~愛と平和の賛歌~」を、2017年3月18日(土)から9月24日(日)まで開催する。【概要】ポーラ美術館開館15周年展「ピカソとシャガール~愛と平和の賛歌~」会期:2017年3月18日(土)~9月24日(日)※会期中無休、ただし展示替のため、5月12日(金)は一部閉室。6月21日(水)は休室(常設展示のみ)開館時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)出品点数:絵画(油彩画、水彩画、版画他:約80点)、タペストリー(3点)、合計約80点「破壊する画家」ピカソと「語る画家」シャガール。世界初の二人展パブロ・ピカソ(1881-1973)とマルク・シャガール(1887-1985)は、ともに20世紀を代表する芸術家と言っても過言ではない。ポーラ美術館開館15周年を記念する展覧会「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」では、二人のライバル関係に光を当て、彼らの初期から晩年までの作品をたどることで、それぞれの新たな芸術家像を浮かび上がらせていく。一見、対照的な芸術家に見える二人だが、これまでの作品を比べ合わせたとき、絵画における対象の変形や色彩といった二人が追究した課題において、また「愛」や「平和」という主題において、共通する取り組みも見られる。約80点の作品を通して、ときに近づき、あるいは相反して独自性を際立たせる二人の芸術の本質に迫る。展示される作品は、パリ国立ピカソ美術館から、近年評価が高まっている晩年における代表作「画家と子ども」ほか、「習作:アルルカン、ギヨーム・アポリネールとアンリ・ドロルメルの戯画的肖像画」等の版画を含む計6点を借用。更に、シャガールの円熟期の作品、「青い顔の婚約者」をはじめ、「サン=ポールの上の恋人たち」、「パエトーン」を貴重な個人コレクションより借用して展示を行う。シャガールが戦後に南フランスにアトリエを構え、豊かな自然のなかで色彩表現を一層成熟させたころの作品だ。また、幅6mを超える2点の巨大タペストリーにも注目。二人は、戦争、そして平和への願いを大型作品込めている。ピカソは、1937年にスペインの都市ゲルニカへ無差別の空爆を壁画《ゲルニカ》に、シャガールは第二次大戦後、記念碑的な壁画やステンドグラスを手がけた。戦後のフランスでは、人間性の復権を求めて伝統ある職人の仕事を見直す機運が高まり、芸術家たちと職人との協働が盛んに行われ、ピカソとシャガールの原画をもとに、卓越した技術を誇る織師の手によってタペストリーが制作された。本展覧会では、2人の画家の巨大タペストリーによって、それぞれの芸術家の格闘と、織り込まれた深遠なるメッセージを体感できる。※作品ごとに展示期間が異なる。【本展に出品されるタペストリーの展示期間】《ゲルニカ(タピスリ)》原画:パブロ・ピカソ期間:3月18日~5月11日《ミノトーロマシー》原画:パブロ・ピカソ期間:5月13日~9月24日《平和》原画:マルク・シャガール期間:全会期「愛のシャガール・ウィーク」で香水作りやトーク&コンサートを楽しむ2017年4月29日(土)から5月7日(日)のゴールデンウィーク中にシャガールにフォーカスをあてた「愛のシャガール・ウィーク」を開催。この期間、小・中学生は無料で入館できるので、家族には嬉しい企画だ。さらに、展覧会に関連した、ポーラ美術館館長による講演会やシャガールが愛したクレズマー音楽のコンサート、人気の香水作りワークショップ、箱根の自然を楽しめる自然観察会などイベント盛りだくさん。ぜひ、ゴールデンウィーク期間にあわせて足を運んでみて。【イベント概要】■4月29日(土) 館長による講演会「ピカソとシャガールの生涯ー20世紀最大の劇芸術」内容:開催中の企画展「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」展の開催を記念して、本展の監修者である当館館長木島俊介による講演会を開催。講師:木島俊介(ポーラ美術館館長)日時:2017年4月29日(土)14:00~15:00会場:地下1階講堂定員:先着100名様参加費:無料 ※当日入館券が必要■4月30日(日)香水作りワークショップ「香りの教室」人気講座、失敗しない香水作りワークショップ「香りの教室」香水は、ただ香料をまぜればできる、というものではなく、「いい香り」にするには、知識や経験が必要。初めての人でも失敗しない香水を作る法則で特許を取得しているポーラ化成工業から講師を招き、香水の香りのメカニズムや香料について学びながらその法則にそって、オリジナル香水作りを楽しめる。日程:2017年4月30日(日)14:00-15:30会場:ポーラ美術館地下1階講堂参加費:1,500円 (アトマイザー付)定員:先着20名参加方法:事前申込制。※お問い合わせフォームより申し込み。協力:ポーラ化成工業株式会社■5月3日(水)シャガールが描いた音楽 トーク&コンサート「シャガールの故郷で愛されたクレズマー音楽に触れる」オルケステル・ドレイデルが奏でる、シャガールが聴いていた東欧ユダヤ音楽・クレズマーの演奏に加え、音楽の魅力や絵画との関わりについて、演奏者と当館学芸員とのクロストークを楽しめます。出演:オルケステル・ドレイデル日程:2017年5月3日(水・祝)・トークイベント15:30~16:30・コンサート17:10~18:00※コンサート終了後、「強羅駅」「仙石案内所」行きの臨時バスを発車(無料)会場:地下1階講堂/カフェチューン定員:70名参加費:無料 ※当日入館券が必要URL:
2017年04月29日ピカソがデザインした陶器作品に焦点を当てた展覧会「Picasso Ceramics 不変の色彩を求めて」が、大阪・NUKAGA GALLERY OSAKAと東京・NUKAGA GALLERYの2会場で開催される。期間はそれぞれ2017年5月10日(水)から5月31日(水)、2017年6月8日(木)から6月29日(木)まで。20世紀を代表する芸術家として誰もがその名を知るパブロ・ピカソ。その絵画作品で広く知られるピカソだが、平面の絵画のみならず立体的な彫刻の分野にも関心を寄せており、1937年の大作ゲルニカで世界的な芸術家としての地位を確立したのち、60歳代のピカソは、南フランスのヴァロリスで陶芸の魅力に出会う。そこでは、油絵具とは全く異なる焼成の加減や釉薬の発色など、初めて扱う素材に苦心しながら、ヴァロリス・マドゥーラ窯の陶工の技術とピカソの大胆な発想によって独自の作品群が生み出された。そしてそれらは、絵画や彫刻といったジャンルを超越したひとつの芸術として確立され、同時代の日本の陶芸家たちにも注目されたという。本展では、1940年から60年代のピカソの陶器など立体作品を中心に、油彩や版画作品を展示。没後40年以上を経た今なお、世界で愛され一層の注目をあつめるピカソの陶器作品を一堂に紹介する。【開催概要】Picasso Ceramics 不変の色彩を求めて会期:2017年5月10日(水)~5月31日(水)/NUKAGA GALLERY OSAKA(大阪)2017年6月8日(木)~6月29日(木)/NUKAGA GALLERY(東京)開廊時間:10:00~18:00 ※日曜のみ休廊入場料:無料<会場詳細>■NUKAGA GALLERY OSAKA住所:大阪市北区西天満5-8-8 2FTEL:06-6362-1038アクセス:JR 大阪天満宮駅 徒歩5分、地下鉄谷町線 南森町駅(1番出口) 徒歩3分■NUKAGA GALLERY住所:東京都中央区銀座2-3-2 3FTEL:03-5524-5544アクセス:JR 有楽町駅(中央口) 徒歩5分、東京駅(八重洲南口) 徒歩10分、東京メトロ 有楽町線 銀座1丁目駅(3番出口)徒歩1分、丸の内線・銀座線・日比谷線 銀座駅(C6・C8・C9出口)徒歩4分、銀座線 京橋駅(2・3番出口)徒歩5分
2017年04月09日日本初上陸の作品15点を含んだ選りすぐりの作品たち1885年に創立されたデトロイト美術館はアメリカの公共美術館として初めてゴッホ、マティスの作品を取り入れた美術館で、コレクションは約6万5千点、年間の70万人以上の来訪客を誇る、アメリカを代表する美術館の1つです。今回はその中から選び抜かれた52点が展示されています。また、今回の展覧会の大きな特徴がカメラ撮影OKということ(月曜火曜のみ。フラッシュは禁止、一部SNS投稿禁止作品もあります)。美術展は撮影禁止のことが多いので、この機会に巨匠の名作をカメラに収めちゃいましょう!目玉作品のゴッホの「自画像」は一生に一度は見ておきたい!麦わら帽子をかぶり明るい色彩で描かれたゴッホの自画像は一番人気の作品だけあって撮影可能日と週末は特に混雑するそう。それもそのはず、この「自画像」はなんと100億円の価値があると言われている作品! 並んででも間近で写真をおきたくなります。他にも息子をモデルにしたルノワールの「白い服の道化師」やモネが妻カミーユを描いた「グラジオラス」など、有名作品が目白押しです。ヨーロッパ近代絵画の顔とも言える珠玉の作品を間近で見られて、カメラ撮影までできちゃう今回の展覧会。年末年始も開館しているのでお休み中にぜひ立ち寄って「奇跡のコレクション」に触れてみては?取材・文/藤井ちひろ店舗情報店名:デトロイト美術館展~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~TEL・予約:03-5777-8600(ハローダイヤル)住所:東京都台東区上野公園1-2上野の森美術館アクセス:JR上野駅公園口より徒歩3分営業時間:9:30~16:30(但し、毎週金曜日9:30-20:00)※入館は閉館の30分前まで)2016年10月7日(金)~1月21日(土)
2016年12月29日9月22日(木・祝)まで、東京都美術館にて「ポンピドゥー・センター傑作展―ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで―」が開催中だ。ポンピドゥー・センターは、フランスを代表する近現代美術の殿堂。世界屈指のコレクションより、今回ピカソの代表作「ミューズ」が初来日するほか、マティス、デュシャンなど、誰もが知る巨匠の傑作など、絵画、彫刻、写真、映像、デザインなど、多彩なジャンルから合わせて約70点が一堂に会する。展示内容は、20世紀に登場した様々な“イズム”など従来の枠組みにとらわれず、1906~1977年に時間軸を設定し、フランス20世紀美術を1年1作家1作品でたどる。展示デザインは、パリを拠点に活躍している気鋭の建築家・田根剛氏が手がけた独創的な空間。20世紀フランスの傑出した作品を巡りながら、アートな時間を過ごしてみては?(text:cinemacafe.net)
2016年06月17日横浜みなとみらいにある「横浜美術館」では、横浜の地元企業である富士ゼロックスと横浜美術館のコラボによる企画展「複製技術と美術家たち-ピカソからウォーホルまで」が6月5日(日)まで開催中だ。本展では、1988年以来「版画もしくはそれに類する手段で複数制作されたもので、その時代の精神や文化を表徴する作品」を指針として、欧米と日本の重要な作家による版画、写真、コピー・アート(ゼログラフィーによる作品)、アーティストブックなどを収集した富士ゼロックス版画コレクションが展示される。その数は現在約950点を擁し、その中の約350点がまとまって展示されるのは本展が初めて。さらに、版画コレクションに加えて、横浜美術館が擁する150点が合わせて展示され、約500点の作品展示を通して、写真印刷や映像などの「複製技術」が発達・普及し、誰もが複製を通して美術を楽しむことができる時代に、ピカソをはじめ20世紀の欧米を中心とする美術家たちが、どのような芸術のビジョンをもって作品をつくっていったのかを検証する。中でも、ドイツの文芸批評家ヴァルター・ベンヤミン(1892年ー1940年)の写真や美術に関する考察や発言に注目し、彼が著作中で言及した写真や美術の作品を展示している。ベンヤミンの論文「複製技術時代の芸術作品」は、その後の美術、写真、映画の評論だけでなく、メディア論や社会学、思想研究に大きなインパクトを与えたが、ベンヤミンの著述に登場する代表的な写真家や美術家たちの実作品を、美術史の流れの中で鑑賞することができる貴重な機会となる。さらに、この企画展では、富士ゼロックスのクラウド発信型音声ガイドサービス「SkyDesk Media Trek(スカイデスク・メディアトレック)」を提供しており、自分のスマートフォンやタブレットに、専用アプリをダウンロードして、無料で音声による展示作品の解説を楽しむことができる。解説は担当学芸員が書き下ろし、作品を目の前にしながら、制作の背景や他の作品とのつながりを知ることができるので、美術史に疎くても安心して作品を鑑賞することができる。気持ちの良い初夏の週末、横浜みなとみらいにお出かけのついでに、ぜひ立ち寄ってみてはいかがだろう。(text:cinemacafe.net)
2016年05月28日横浜美術館で企画展「複製技術と美術家たち-ピカソからウォーホルまで」が開催される。会期は、2016年4月23日(土)から6月5日(日)まで。富士ゼロックスと横浜美術館のコラボレーションで実現した企画展「複製技術と美術家たち-ピカソからウォーホルまで」。富士ゼロックスは、1988年以来版画コレクションとして、欧米と日本の重要な作家による版画、写真、コピー・アートなどを収集しており、現在は約950点を所有している。今回の展覧会では、版画コレクションからの約300点に加え、横浜美術館が擁する100点を加えた約400点が集結。写真印刷や映像などの「複製技術」が発達・普及し、誰もが複製を通して美術を楽しむことができる時代に、ピカソをはじめ20世紀の欧米を中心とする美術家たちが、どのような芸術のビジョンをもって作品をつくっていったのかを検証する。またドイツの哲学者、ヴァルター・ベンヤミンが言及した美術や写真の実作品を展示。特にベンヤミンの写真や美術に関する考察や発言に注目し、彼が著作中で言及した写真や美術の作例を紹介する。鑑賞できるのは、ベンヤミンが終生愛好したクレー、パリの古い町並みを写真に残したアジェ、さらにピカソ、ブラック、アルプ、マックス・エルンストなどの作品、ポール・エリュアールがマン・レイと共作した詩画集などだ。展内では、富士ゼロックスのクラウド発信型音声ガイドサービス「スカイデスク・メディアトレック」を活用し、来場者が持つスマートフォンやタブレット端末に音声ガイドを配信するサービスが提供される。解説を聞きながら、作品の美しさに酔いしれてみては。【概要】複製技術と美術家たち-ピカソからウォーホルまで会期:2016年4月23日(土)~6月5日(日)開館時間:10:00~18:00(夜間開館 5月27日(金)は20:30まで)休館日:木曜日 ※5月6日(金)、ただし5月5日(木・祝)は無料開館入場料:一般1,300円、大学・高校生700円、中学生400円、小学生以下無料、65歳以上1,200円(要証明書)
2016年04月25日20世紀の近代彫刻に大きな足跡を残したスペインの彫刻家、フリオ・ゴンザレス(1876~1942)。その作品を集めた回顧展『スペインの彫刻家フリオ・ゴンザレス―ピカソに鉄彫刻を教えた男』が11月28日から世田谷美術館ではじまります。バルセロナ生まれのゴンザレスは、鍛冶職人の家で育ち、金属加工の技を身につけます。21歳のとき、画家を目指してパリへ移住。金工作品や宝飾品をつくって生計を立てながら、画家として活動を始めます。50歳を過ぎたころから、彫刻家として作品の制作を開始。旧友ピカソに鉄の溶接技術を教え、ふたりでコラボレーションしたことで彫刻の新たな可能性に目覚め、その後は斬新な鉄彫刻の作品を次々と発表。国際的にも注目を集めますが、スペイン内戦、さらには第二次世界大戦がはじまり、混乱のなかで生涯を閉じます。本展では、彫刻を中心に金工作品やドローイングなど計94点を体系的に紹介。パリ時代に手がけたネックレスなどの宝飾品から、抽象的でのびやかな鉄の彫刻作品まで、繊細かつダイナミックな作品を楽しめます。特にオススメの作品は、展覧会のチラシにも使われている名品《ダフネ》。まるで空間に絵を描いたように見えるしなやかな作品で、その独特なフォルムには遊び心も感じられます。固い金属素材を自由自在に扱えるゴンザレスならではの傑作です。戦後の彫刻家たちにも大きな影響を与えたゴンザレス。その足跡をたどる展覧会に、ぜひ足を運んでみて。イベントデータ:『スペインの彫刻家フリオ・ゴンザレス』会期:2015年11月28日(土)~2016年1月31日(日)※休館日は毎週月曜日。ただし、2016年1月11日は開館、翌12日は休館。年末年始(12月28日~2016年1月4日)は休館。時間:10:00 ~ 18:00 ※入館は閉館の30分前まで会場:世田谷美術館料金:一般 1,000円/65歳以上 800円/大学・高校生 800円/中・小学生500円※画像無断転載禁止
2015年12月11日パブロ・ピカソといえば、世界で最も有名なアーティストのひとり。誰もが知っている現代美術の巨匠です。しかし、そのピカソがじつにキュートな陶芸作品を大量に残していることは、彼の絵画作品ほどには知られていないのではないのでしょうか。『ピカソの陶芸』(パイ・インターナショナル刊)はその名のとおり、陶芸だけを200点以上収録したピカソの作品集。知らなかったピカソがいっぱいで新鮮です。監修者の岡村多佳夫先生にお話を伺いました。岡村多佳夫(おかむら・たかお)美術評論家。早稲田大学大学院博士課程修了。専門はスペイン美術史、近・現代美術史。「生誕100年記念ダリ回顧展」など美術展の監修を多く手がける。著書に『ピカソ──巨匠の作品と生涯』(角川文庫)など多数。2014年、長年勤めた大学を退任。現在、個人で美術史の寺子屋を開講すべく準備中。「陶器では、君は何もできない」──当然、ピカソの絵画は有名ですが、陶芸作品は意外に知られていませんね。「絵画って、いちいち細かい決まりがあって、わけわかんないところがあるでしょう」──えっ、わけわかんないって、どういうことでしょう!?「絵画というのは描くにあたって、構図であるとか、主題であるとか、考えないとならないことがいろいろあるわけです。陶芸は、そういう難しいことは考えないで済むから。割れ物だから壊れていくことが前提で、次から次へと自分が描きたいものを描いている。形がある程度でき上がっているところに、好き勝手にどんどん描けるわけです」──形ができ上がっている、というのは?「ピカソは南フランスのマドゥーラ工房で陶芸をやっていたんだけれど、基本はその窯元にある焼き物に絵付けをしていたんです。だから、共同制作ですね」──半分、他人の手が介入しているし、焼き上がってくるまでどうなるかわからない、コントロールしきれないところがあったんですね。「ガラスも同様、火を使う芸術ってそうで、自分が手出しできない部分があるんですね。リトグラフなんかの版画も、刷り師によって変わってしまうけれども」──本のなかにも、「陶器は版画のような機能を持つ。焼くことは刷ることだ。そのときに君が表現したものが何かを知る。刷り上がったとき、それはもはや彫ったものではない。陶器では、君は何もできない」というピカソの言葉が紹介されていました。陶器制作には、自分の想像を超えるおもしろさがあったんでしょうね。「落書きのようなものだよね。息抜きでもあったんだと思いますよ」──息抜きでさえ、制作なんですねえ。「なんか描いてないとダメなんですよ、あの人は。マラソンランナーなんかでもよく、走ってないと体調が悪くなるなんていうけど、それと同じじゃないかな? それに、制作が娯楽、趣味だったんだと思います。だから描き続け、つくり続ける。ピカソは多作で知られてるけれど、数があるのも不思議ではないんです」陶芸は自由に描くためのツール──本では、作品の合間にピカソの言葉が時折挟まれているのが印象的です。本全体のリズムもつくる役割も果していますが、そのなかのひとつに「ラファエロのように描くには4年かかった。子どものように描くのは一生かかった」という言葉があります。「ただ描くだけではなく、アートに昇華する訓練を幼少時からやっているから。ピカソは、絵画とは何かということをずっと探求していました。絵でも陶芸でも、そこに精神性は求めていない。だから彼は抽象画を描かなかったんです。絵画という平面のなかで三次元のものを描くにあたり、どうやって本物らしく見せるか、つまり、表現の方法を追求していた。それが、あるときはキュビスムになったわけです。あれは形と、そのまわりの空気をどう表現するかという命題だから。だからこそ、デヴィッド・ホックニー然り、フランシス・ベーコン然り、横尾忠則然り、画家の連中はピカソを特別視していった。絵画とは何であるかを見せつけているという意味で、ピカソは特別な存在なんです」──ゴッホのような精神性の特異さによる表現ではなく、あくまでも表現のうえでのバリエーションが評価されているんですね。「子どもは、たとえば人間を描くとき、顔から描き始めますよね。画用紙いっぱいに顔から描くから、頭でっかちで、体はおまけでくっついてるみたいになる。大人から見るとそれは変なバランスだけれども、子どもにとっては普通のこと。いちばん見えてくるものは顔であって、そう見えてるから、そう描いているだけなんです。けれど、絵画としてそれをやろうとすると、難しい。それで苦労してるわけ」──だって、すでに大人の見方や考え方をもっちゃってるわけですもんね。「そう。彼は美術学校で学んでもいたわけだから。だから、わかる・わかんないは、どうでもいいんです。ガラクタでもなんでも、くっつけちゃえば新しいものになる。そういうものを考えていくのが好きだったんですね。でも、絵画の場合はいろんな取り決めがあるから。どうしてもフレームという制限があって、そのなかで構図を考えていくものだから、その時点で子どものように無邪気には描けないわけです。陶芸はその点で、自由気ままに制作できるツールだったんでしょう」──なるほど。ピカソが陶芸に没頭していった理由がわかった気がします!国内でピカソの陶芸作品を所蔵しているのは、箱根の彫刻の森美術館。また、洋菓子店ヨックモックはコレクションをもっているので、青山本店の店内に飾ってあるのが見られます。子どものように無邪気に、感性のまま描いたピカソの陶芸。本で、実物で、解放的なピカソにふれてみてください。『ピカソの陶芸』監修・解説 岡村多佳夫発行 パイ・インターナショナル価格 ¥2,300(税別)ピカソが没頭した陶芸の作品を201点収録。ピカソの陶芸の世界をポップで楽しく、テンポよく眺められるのは中島基文氏のブックデザインによる。時折挟まれている生前のピカソの写真や言葉が内容に厚みを加えている。
2015年09月03日約5年という長い改修期間を経て、昨年10月にリニューアルオープンしたピカソ美術館。もともと3年の工事計画だったそうですが、さまざまな事情が複雑にからみ、長引いたそうです。この待ちに待ったピカソ美術館の再開は当然ながら“いつ行っても混んでいる”というウワサでしたが、居ても立っても居られなくなり、1月の初旬に行ってまいりました! 11時にピカソ美術館到着。開館は11時30分でしたが、ご覧の通りの長蛇の列! ネットで予約していなかった人々は、並ぶしかありません。しかしパリの1月は底冷えするほどの寒さです。指定された時間に行かなければなりませんが、事前に予約しておけば優先入場できるのでおすすめです。約1時間後にやっと入場できました。リーフレットと入場券もカッコいいいですね。1660年に建てられたこの館、最初の所有者が塩税の徴収官だったため「Hotel Sale(塩の館)」と呼ばれています。内装もゴージャスで、晩餐会という言葉が浮かんできます。館内は36の小部屋に分かれています。窓もそのままの状態で残り、自然光が差し込む部屋で作品をゆっくりと鑑賞することができます。素敵だったのは、あちこちに置かれたこの椅子! なんとも洗練されたデザインです。 日本でもピカソの作品は観られますが、創作活動をしたパリで作品が観られる喜びはひとしお。美術館というと、有名な作品の前には常に人だかり…、というイメージがありますよね。ただ、ある意味ここはほとんどが有名作品なので、人が多くて鑑賞しづらいということがありません。どれもこれも素晴らしかったのですが、特に印象的だったのは女性を描いた次の2点です。『物思いのオルガ』(Olga pensive 1923)彼の妻だったオルガ。赤い首巻きの柔らかい手触りまで感じられ、それが憂いを含んだ寂しげな表情を一層際立たせています。『セレスティーナ』(La Celestine 1904)青の時代を代表する、隻眼の女性を描いた作品。空気がはりつめたような緊張感が漂います。画集などでよく目にしますが、実物を見ると迫力に圧倒され、しばらく立ち去ることができませんでした。絵画にとどまらず、版画、彫刻、陶器など多くの作品を残したピカソ。その彼の創作活動を物語るかのように、リニューアル後の展示スペースは以前の2倍、所蔵数は約5000点だそう。最上階にはルノアール、セザンヌやマティスなど、ピカソが個人で所有していた巨匠の作品もあります。最上階の4階まで見終えると、達成感でうっかり地下1階を見逃してしまいそうになりますが、銅版画など貴重な展示がありますのでぜひ地下も鑑賞しましょう。最後にミュージアムショップへ。ピカソの代名詞といえば、ボーダーのシャツですよね。ちゃんと売られていました。そのほかポストカードもたくさんあったので、気に入った作品のポストカードを購入すれば、いい思い出になるはず。この美術館の周りにはアート系の本が充実したブックストアや、自然食を扱うおしゃれなショップもあって散策も楽しめます。ぜひパリを訪れたら、そちらも立ち寄ってみてくださいね。Bon Voyage!
2015年03月21日――ノーアベニューは、21世紀の今だから出来る「文化を開放するプラットフォーム」という感じなのでしょうか。インスピレーションはパリにある1887年創業のカフェ「カフェ・ド・フロール」なんです。かつては、ピカソやダリ、ジャン・コクトーが集ったお店です。でも、その当時でもアーティストもいれば近所のおじさんや子供もいたと思います。もしかしたら、近所のおじさんがワインを飲み過ぎて酔っぱらって言った言葉がピカソ達に影響を与えていたりしたのでは、と想像すると愉快ですよね。三島由紀夫、寺山修司などが通った昔の新宿ゴールデン街も同じですね。そういえばピカソは「良い芸術家は真似をし、偉大な芸術家は盗む」と言ったりもしていますね。――ノーアベニューのファッションにおける役割とはそもそもファッションの仕事は“modality(様相)”を作る仕事だと思っています。新しい装いという意味での“様相”を提案したり、新しい動きを作り出したりすることで社会や洋服の有様を変えていく行為です。そういう大局的な視点を忘れず考えていきたいです。折口信夫の言葉で「客人(まれびと)」というものがあります。異なった文化圏からやってきて、祭りや新しい文化をもたらす異邦人のことです。そういう人を呼び込みたい。また、我々自体がファッションにおいて客人のようなものでありたいという思いがあります。――ファッションにおいての客人とはどういうイメージですかファッションにおける客人はハッカーのような存在かもしれませんね。振り返ってみたとき、時代を作ったクリエーターは、社会へのハッキングを行っていたと思います。例えば、コレクションという概念を作ってみたり、それが定式化すると今度は、古着や黒やぼろ切れを出すのはありえないという一般常識と、そこに厳密なルールが存在しないことを逆手にとって、あえて出してみることでみんなハッとする。こういった一般常識や価値観のぎりぎりのせめぎ合いから文化を解放してきたところには「客人」の影がちらつきます。一般的な意味でファッションの客人というと難しいですが、例えばジュリアン・アサンジ(ウィキリークス創始者)はそのビジュアルだけでなく行動も新しいですし、今話題のピーター・ティール、あるいは神学研究から外交官を経て文筆家になった佐藤優のような人も非常に興味深いですよね。デザイナーはファッションの外にいる人をアイコンにしたり、新しい感覚を求めてきた風潮もありますから、潜在的には客人を求めているのだとおもいます。今は一般的にはファッションからほど遠そうな、中曽根康弘とか渡辺恒雄のようなキャラクターが“ファッションアイコン”になったりするかもしれませんね。その時々の相対的な空気感、ウィットや自由な発送、人間のその人らしさの追求というのがファッションの面白いところですから。――今後の展望について教えてくださいノーアベニューには、まだ歴史や過去のコンテクストがないので、既に確立していて過去の分脈がある組織や企業にはリスクがあってできないような事を積極的に試みて十何に動かしていきたいと思っています。また、そういったコンテクストのある組織や企業とも何かできればとも思っています。ノーアベニューはバーチャルからリアルを自由につなげていくものなので。ターゲットを整理しつつ、マネタイズの方法も含め柔軟にポビットやチューニングをする必要はありますし、今は独自のテクノロジーの開発も進めています。1/2に戻る。
2015年01月25日