マーガレット・ハウエル(Margaret Howell)が16-17AWメンズコレクションのルックを公開した。ブリティッシュウールやコットンツイルと言ったイギリスならではの素材を用いながら、深く繊細な素材の表情が際立つブラックを基調に製作した同コレクション。ヘヴィーフランネルやコットンウールドリル素材などを用い、肩パッドを外したアンコンストラクテッドな仕立てで仕上げたダブル仕立てのジャケット「SOFT DOUBLE JACKET」(6万3,000円から7万3,000円)や、ヴィンテージのチノトラウザーズをベースにマーガレット・ハウエルらしいテーラードファブリックを用いて作り上げたワイドトラウザーズ「50’s CHINO TROUSERS」(3万3,000円から4万2,000円)などのアイテムを展開する。熟練した職人が1枚のシャツすべての縫製工程を手掛けるロンドン北部のエドモントンにある自社のシャツ工場で製作されたシャツ「EDMONTON SHIRT」(4万4,000円から4万8,000円)も登場。その他、上品な光沢を纏ったシルクツイルのタッセルスカーフやトリッカーズ社のチェルシーブーツなどがマーガレット・ハウエルらしいモダンなブリティッシュスタイルを表現している。さらに、07年のスタート以来、幾度となくコレクションランウェイにも登場した吉田カバンとのコラボレーションシリーズが今シーズンも登場。10年目を迎えるこの協業にふさわしく、最初期に製作されたアイテムをモダンにアップデートした4型が復刻展開される。ラインアップは、旅行に適したボストンタイプの「HOLDALL」(5万6,000円)、トートとしても使える2WAYタイプの「SHOULDEER」(3万4,000円)、ショルダーとても使える2WAYタイプの「TOTE」(4万3,000円)、コンパートメントとしても機能するメッシュウォレットの「MESHED WALLET」(3,000円から5,000円)の4種。なお、価格はすべて予定価格となっている。
2016年05月21日少女まんが誌『マーガレット』『別冊マーガレット』の半世紀にわたる足跡を辿る展覧会「わたしのマーガレット展 ~マーガレット・別冊マーガレット 少女まんがの半世紀~」が、愛知・名古屋の松坂屋美術館で開催される。会期は、2016年4月29日(金・祝)から5月28日(土)まで。1963年の創刊以来、恋愛をテーマに掲げすべての時代の少女たちに愛されてきた『マーガレット』と『別冊マーガレット』。会場では2つの少女まんが誌の誌面を飾った名作の貴重な原画を一挙公開するほか、『ベルサイユのばら』のオスカルとアンドレの精緻な等身大立像などを展示する。本展の構成は、両誌の創刊から現在に至るまでを時代とテーマで複数の章に分割。社会や流行の影響を受けながらも、その時々の少女たちの内面に深く寄り添うかたちで、作家たちが描き出した様々なストーリーを体感できる。例えば、第2章では、「スポ根」の時代を象徴するような『アタックNo.1』(浦野千賀子)や『エースをねらえ!』(山本鈴美香)にフォーカス。一方第9章では、青春時代を映し出す学園モノ、『花より男子』(神尾葉子)や『アオハライド』(咲坂伊緒)が、教室をイメージした展示室で輝きを放つ。また、展示会に合わせ限定アイテムも発売。公式図録やクリアファイル、コミックスプリントポーチなど、様々な商品が展開される。【概要】わたしのマーガレット展 ~マーガレット・別冊マーガレット 少女まんがの半世紀~会期:2016年4月29日(金・祝)〜5月28日(土)会場:松坂屋名古屋店 南館7階 松坂屋美術館住所:名古屋市中区栄3-16-1開館時間:10:00〜19:30 (入館は閉館30分前まで)※5月28日(土)は、18:00閉館※会期中無休料金:一般(中学生以上) 1,000円(税込)、小学生 700円(税込)※前売は200円引き。※未就学児は無料※障害者手帳(身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、小児慢性疾患手帳、被爆者健康手帳)、特定疾患医療受給者証の提示者、およびその介添えのための同伴者1名様まで無料。チケット販売店舗:主要プレイガイド、松坂屋美術館、愛知県芸術文化センターなど※巡回展の展示構成は、東京での開催時と同一でないため、あらかじめ要確認。※展示室の名称・内容・順序等が一部変更になる場合有り。※展示原画には複製原画を含む。(原画の保護のため、特にカラー原画について、複製原画での展示となる場合有り。)※展覧会の内容は、2014年9月~10月、東京で開催された際の情報。第5章の映画「ホットロード」連動インスタレーション、展示予定無し。■グッズ情報(一部)・わたしのマーガレット展 公式図録「LOVE and...」 1,600円+税・A4 シングル クリアファイル (全8種類) 各300円+税など※販売するグッズの価格や内容が変更になる場合が有り。(一部の商品表示はイメージのため、実際の商品とは仕様が異なる場合有り。)※好評につき品切れとなる場合有り。※発売中止、発売延期となる場合有り。※巡回展の開催中に会場で販売される以外に、販売予定なし。【問い合わせ先】東海テレビ放送 事業部TEL:052-954-1107 (平日10:00~18:00)
2016年04月18日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週水曜日は、京都に店舗を構える、本と本にまつわるあれこれをセレクトしたショップ、恵文社一乗寺店(京都市左京区一乗寺払殿町10)がオススメする書籍を紹介します。■「ercol」レスリー・ジャクソン(Lesley Jackson)、マーガレット・ハウエル(Margaret Howell)1920年に創業され、今なお愛され続けるイギリスの老舗家具メーカー、アーコール。ミッドセンチュリー期も時代の波に流されることなく、職人たちの手に よって、質実剛健で、素朴なフォルムを追求し続けた。本書は、アーコールの家具はもちろん、創業当時の工房の様子や、広告、カタログなどの図版を大量に掲載した、ファンにはたまらないビジュアルブック。序文を同社の熱烈なファンでもあるというマーガレット・ハウエルが寄せている。時代を超越する普遍的で美しいフォルムを楽しむことの出来る1冊だ。【書籍情報】「ercol」著者:Lesley Jackson、Margaret Howell(端書)出版社:DENNIS PUBLICATION言語:英語ハードカバー/192ページ/252x18x 291mm発刊:2014年価格:5,800円
2015年04月08日どの国へ旅行に出かけても、ガールズトークの定番が恋愛ネタなのと同じように、私たちはどんなに年齢を重ねたとて、いつの時代も“青春”の詰まったラブストーリーに弱いものです。そこで今日は、大人になったいま改めて読んで欲しいおすすめのコミック3選をご紹介! 恋愛ライターとして数多くのコラムを執筆する筆者が、雑誌『マーガレット』の中から選んだとっておきの作品をピックアップしていきましょう。■『恋愛カタログ』/永田正実まさに現在のアラサー世代が高校生の頃の等身大! 胸キュン必須、代表的な恋愛模様を描いてくれた本作。恋愛に臆病な主人公・花本実果は、意を決して出かけた合コンで一目惚れをした相手・高田修司に思い切って告白。見事付き合うことになったふたりでしたが、純粋無垢な性格が響き、お互いどのようにして恋愛を進めたら良いのかわからないでいました。そんなふたりのほのぼのとした恋愛を軸に、実果の妹・種や高田の弟・隆司らを巻き込んで展開していくザ・青春恋模様は必見です。大人になって読み直すからこそ、「あの頃は私もこんな風に真っ直ぐだったけ…」とほっこりさせられる一作となっていますよ。■『キッシ~ズ』/山田也また、思春期ならではのちょっぴりエッチな展開といえば、この作品も忘れてはなりません。こっそり“一人読みしたい”漫画『キッシ~ズ』です。主人公の女子高生・果歩は父親の海外赴任を機に家族と離れ、日本に残って親友のみよ志、ユメとともに女三人で共同生活を始めることに。そんななか、隣の家に学校のアイドル的存在である民人たち5人が引っ越してくるという理想の展開(笑)。彼らはなんと、実際にアイドルグループ・ジャンプとしてデビューすることが決定していたのでした…。思春期真っ只中な彼らは、恋愛への関心度が非常に高く、読み手の「なるほど」「あるある」感情を代弁してくれる存在となりました。果たして、芸能人と一般女子の恋はいったいどうなるのか? 懐かしい視点で見届けてみてはいかがでしょうか。■『花より男子』/神尾葉子学校一のアイドルと言えば、最後にF4もご紹介しておきましょう。嵐・松本潤さんのドラマ化でも話題を博した『花男』です。お金持ち家系が多く入学する英徳学園高校に、娘の玉の輿を願う母親の勧めで入学した主人公・一般庶民代表の牧野つくし。学校は、道明寺財閥の御曹司・司をはじめ、花沢類、西門総二郎、美作あきららFlower 4に牛耳られ、教師さえも頭の上がらない状態となっていました。――そんな中、彼らの執拗なイジメに対し、正義感の強いつくしが立ち上がります。いつしか彼女に好意を抱くようになった司でしたが、身分の差は常に恋の壁として立ちはだかり…。年齢を重ねて読み返す度、F4の中でもタイプの男性が変わっていくのがこの作品の面白いところ。連載当時、花沢類の人気が大変高かったですが、今のあなたなら誰がお好みですか? ぜひ、同世代のご友人と女子会のお供に、語り合ってみてくださいね。(なんと『花より男子』新シリーズの連載が、2月15日に少年ジャンプ+にてスタートのニュースも!)いかがでしたか? 女子会の会話ネタにすれば、「懐かしい」「読み返したい」と盛り上がること間違いなしですよ!
2015年02月20日ロンドンファッションウィーク3日目の9月14日、各ブランドが15SSウィメンズコレクションを発表した。英国的なメンズウエアをインスピレーションとすることの多い「マーガレット・ハウエル(Margaret Howell)」と「ポール・スミス(Paul Smith)」はともに、ディナージャケット、ディナーシャツといったフォーマルなアイテムを優しい雰囲気のリラックスピースに仕上げた。リネンのショールカラージャケットにスリムなパンツのコンビネーションでスタートしたマーガレット・ハウエルは、インナーにブラトップを合わせたり、オーバーサイズのカフスが手の甲まで届くシャツドレスにアレンジしたりと、マニッシュな中に品のいいセクシーさを盛り込んだ。一方ポール・スミスは、ディナーシャツを肩がゆるやかに落ちるロールネックの半袖トップに変身させ、ディナージャケットは袖なしのアシメトリーなロングジャケットとなった。ローウエストで切り替えてスカート部分をプリーツにしたドレスは幅広のストライプ地で作られ、光沢のあるサテンや透けるオーガンザが1着の中でマニッシュとフェミニンの微妙なバランスを取っていた。ミニ丈のプリーツスカートとスポーティなトップでレトロなテニスウエアの雰囲気を見せたのは、トップショップのコレクションライン「トップショップ・ユニーク(TOPSHOP UNIQUE)」と、ニットウエアの老舗ブランド「プリングル・オブ・スコットランド(Pringle of Scotland)」。シェープやアイテムに共通するものはありつつも、2ブランドのアイデアは大きく異なる。英国シーサイドでの若い女の子たちの休日をインスピレーションとしたユニークは、真っ赤なプリーツスカートやアブストラクトな花柄のアイテムでガーリーに。ショー後半にはナイトライフ編として、スポーツマインドを残しつつクリスタルとラッフルで飾ったミニドレスがたっぷり登場した。プリングル・オブ・スコットランドは、ジョン・エヴァレット・ミレーとピカソという、異質なふたりの画家の作品を出発点に、1着の服の中にコントラストを描き出した。シェープだけ見ればテニスウエア風のミニワンピースは、ニットをはぎ合わせる際に使用するステッチを模した刺繍がスカート部分にみっしりと施され、ブランドのアイデンティティを示すとともに、コントラストをくっきりと見せる。イギリス発フィットネスウエア「スウェッティ・ベティ(Sweaty Betty)」とのコラボレーションによるアクティブスポーツウエアも登場した「リチャード・ニコル(Richard Nicoll)」のコレクションは、フェミニンなドレスにレザー製のフードトップを合わせたり、ウエストバッグを斜め掛けしてみたりと、これもまたコントラストを1着の中に見せるものだった。微妙な位置を細い紐で吊り上げてアシメトリーなシェープを作ったドレス、胸元や腰のあたりにファスナーを入れ、あえて開くことで立体感を強調したドレスなど、バランスがキーワードとなりそうなアイテムも見られた。地球上のすべての大陸がひとつになった古代の超大陸パンゲアと、その時代のひとつになった超大洋パンタラサのイメージから出発して、大地と海、生命の誕生と進化、その後大陸が現在の配置に至るまでの長い年月といったものをドレスの上に表現したのは「メアリー・カトランズ(Mary Katrantzou)」。シードビーズを敷き詰めたピースが透けるシルクに乗せられ、陸と水を表現、古生物の巨大なうろこのようなレースが綴られてドレスやトップとなる。ジャカードや刺繍で表現されたパターンは、生命の象徴としてのヘビや海藻が描くオーガニックな曲線。黒、ベージュ、カーキといったベーシックな色から次第にカラフルさを増して行くことで、地球の進化、生命の花開く様を表現している。
2014年11月27日本田翼&東出昌大を主演に迎え、別冊マーガレットにて連載中の人気少女コミックを実写化する、映画『アオハライド』。10月13日(月)、本田さんが六本木ヒルズ森タワーで開催中の展覧会「わたしのマーガレット展 ~マーガレット・別冊マーガレット 少女まんがの半世紀」に来場。胸キュンの世界観をたっぷりと堪能した。本作の主人公は、中学の頃、お互いに淡い想いを抱きつつ、離ればなれになってしまった双葉(本田翼)と洸(東出昌大)。2人は高2で再会するも、どこか変わってしまった洸に双葉は戸惑う。だが、そっけない言動に隠された洸のやさしさは昔のまま。双葉は再び、洸に惹かれていくのだが――。劇中では、恋や友情にストレートにぶつかっていくヒロインを演じている本田さん。この日は「自分も双葉になりきって、せっかくだからこの世界に溶け込みたい!」という、本人たっての希望により劇中衣裳の制服姿で登場。見学中には「ベルサイユのばら」のオスカルとアンドレの等身大立像の前でポーズをとり、三浦春馬&多部未華子で映画化もされた「君に届け」の風早翔太が描かれたパネルに顔を近づけてうっとりするなど、終止ご機嫌の様子だった。自他ともに認める“マンガ好き”の本田さんは、「『アオハライド』はもちろん、『ストロボ・エッジ』や『君に届け』『日々蝶々』とか読んだことのあるマンガは沢山あったんですけど、イチからその歴史を見ることが出来てとても感動しています!」と興奮冷めやらぬ様子で感想を語っていた。さらに「高校生の時は読んでてずっとキュンキュンしてました!こんなカッコいい人なんか現れないよなー、なんて思いながら(笑)」と学生時代の思いも告白。一番好きな男子キャラクターについては「今までは『君に届け』の風早くんがトップでしたけど、今は空手にひたむきな姿が素敵な『日々蝶々』の川澄くんがトップですね」と語るも、本作の主人公・馬渕洸のことも「好きですよ!励ましたくなっちゃう。ほっとけない感じとか!」と映画についてもしっかりとフォローしていた。最後に、「アオハライド」の原作者・咲坂伊緒の原画を見た本田さん。生で見るのは初めてだといい「キラキラしているのに繊細で綺麗。改めて、双葉ちゃんの真っ直ぐな感じに、演じている自分も前向きなれました」と撮影をふり返っていた。映画『アオハライド』は12月13日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アオハライド 2014年12月13日より全国東宝系にて公開(C) 2014映画「アオハライド」製作委員会(C) 坂伊緒/集英社
2014年10月14日メリル・ストリープが英国初の女性首相を演じ、本年度米アカデミー賞主演女優賞に輝いた映画『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』が公開されている。本作を手がけたのは『マンマ・ミーア!』でもストリープとタッグを組んだフィリダ・ロイド監督。「この映画を決して伝記映画にしたくなかった」というロイド監督は、サッチャーの半生をどのように映画化したのだろうか? 来日した際に話を聞いた。その他の写真『マーガレット・サッチャー…』は、現段階において英国史唯一の女性首相であり、その強い信念から“鉄の女”と称されたサッチャーの生涯を描いた作品で、米アカデミー賞だけでなく多くの映画賞で高い評価を集めている。しかし、ロイド監督は「最初にこの映画の話が来たときは少し不安に感じた」という。「もし、彼女の政治的な足跡をたどる映画をつくれば12時間ほどの映画になったでしょう。それに私は政治的な映画は撮りたくなかったんです」。そんな監督の不安は、女性脚本家アビ・モーガンの書いた脚本を読んで一気に解消したそうだ。「彼女の書いた脚本を読み、この映画は普遍的なシェイクスピア劇のような要素をもった物語だと思いました。権力と喪失の物語であり、権力を手にするためにはらう犠牲の物語です」。映画だけでなく、舞台劇の演出も手がけるロイド監督は、この物語に一瞬にして魅了され、主演女優に再びストリープを指名した。「この映画の中では、セリフのない場面が重要な役割を果たします。サッチャーを表現するエッセンス、それは“彼女の孤独”だからです。もし、メリルほどの才能やキャリアをもたない女優が演じていれば、サッチャーがジッと座っている場面や、ひとりで何かを書いている場面はあそこまでの感動を呼ばなかったでしょう。この映画では、メリルが体や仕草で表現するエッセンスが重要な役割を果たしますし、本作の“ハート”の部分だと言ってよいと思います」。逆境に立ち向かい、決して己を曲げず、信念を貫き通してきたサッチャー。その功績は現在もなお賛否をもって取り上げられるが、ロイド監督はそこに“普遍的な人間ドラマ”を見出したという。「サッチャーの意志や確信の強さは、彼女の長所でした。しかし、それがときに横柄さや頑固さにもつながりました。権力を手にした人間の強みは、時に欠点になる。私はそこに普遍的なドラマを感じたのです」。日本では現代英国史やサッチャー首相の功績に明るい人は多くはないだろう。しかし、映画『マーガレット・サッチャー…』は、どんな時代のどんな国の観客にも通じるドラマをじっくりと描いている。『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』公開中
2012年03月21日いよいよ本日より公開!『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』の主演、第84回アカデミー賞主演女優賞のメリル・ストリープのオフィシャルインタビューをご紹介!●フィリダ・ロイド監督からマーガレット・サッチャー役のオファーを受けた際、どのように感じましたか?フィリダからマーガレット・サッチャーの人生と女性指導者をめぐる問題を描いた映画を作ると聞いて、すぐに関心を持ちました。女性指導者は数少なく、女性指導者であることの意味について興味を抱く映画監督も少ないですからね。英国の首相になるためにマーガレット・サッチャーがどのような障壁を打ち破ってきたか。それを想像するためには、彼女が保守党の党首として頭角を現し始めた1970年代後半に生きる女性になったつもりで考える必要がありました。娘たちにはいつも言っているのですが、当時の世界は現在と大きく異なるものの、実際のところ、物事はあまり変わっていないのです。戦時中に育ち、物資不足で復興途上の戦後の英国をじかに体験した女性が、自らの哲学を打ち出し、国の経済を立て直すために弱点と思われる要素を排除し、現実的な解決策を実行していく姿を追うのは興味深い作業でした。世界的な大問題を解決したその人物はたまたま女性でしたが、女性にそのようなことができるとは期待されていなかったのです。●彼女は“男のクラブ”、しかも上流階級の世界に足を踏み入れ、その襟首をしっかりとつかんだわけです。政策はどうあれ、それだけで重大な成果ですね?私は役者ですが、リハーサルの初日から本当に圧倒されるような気分でした。そこには英国が誇る名優たちが恐らく40~45人ほどいましたが、私は部屋の中で唯一の女性だったんです。保守党の会合に参加した時にマーガレット・サッチャーが感じたであろう気持ちを私も味わった気がしました。議会での撮影、あるいは議会を再現するのはとても面白かったです。その場を支配し、政策か何かについて聴衆を引き込み、説得するということは人として誰もが苦闘を強いられることだからです。●愛を手に入れ失う、そして権力を手に入れ失う、作品ではこの二つのテーマが浮かび上がりますが、あなたにとってはどちらのテーマがより重要でしたか?この作品が成功するとすれば、それは重圧と重大性と緊張感に満ちた彼女の政治家人生と、人間としての彼女に多大な影響を与えた私生活の両方が同等に扱われているからだと思います。つまり私たちは、ある人物を丸ごとすべて描いた映画を作ろうとしているんです。マーガレットははっきり言いました。厳しい決断を下せば、その時には人々は自分を嫌うだろう、しかし彼らは代々にわたって自分に感謝することになるだろうと。指導者は常にそういう考え方をしなければなりませんが、それは母親も同じなんです。そう、今はあれこれ禁止する自分を子供が嫌うのでつらい、でも長い目で見れば子供は自分に感謝するようになるだろうとね。どちらも似たような問題だと思います。短期的な視点に立って人気を集める政治家もいるでしょう。しかし本当は長期的な展望を持たねばならないのです。●作品は驚くほど政治的ではありません。そのことに観客は驚くと思いますか?マーガレット・サッチャーの政治について何らかの考えがあって作品に出演したわけではありません。正直言って、彼女の政策については話にならないほど何も知らなかったんです。レーガン大統領の政策にはなじみがありますから、それらと一致するものが多かったことは知っています。しかし彼女は彼のすべての政策に沿っていたわけではありません。ですから彼女の政策そのものよりも、その政治的決断のせいで一人の人間として彼女がどのような犠牲を払ったかに興味を引かれました。なぜ彼女が政策のせいで人々に嫌われたのか、その一方で彼女の政治的選択を称賛する人が多いのはなぜか、私たちはそれをできるだけ正確に描こうとしたんです。しかし私たちがそれ以上に描きたかったのは、政策を決定する立場にいることによって、人はどのような犠牲を強いられるかという点です。指導者であり責任を取らねばならない立場にある時、それは人にどのような影響を与えるのか。そして強くあり続けるためには、どれだけのスタミナが必要なのかという点です。●マーガレット役として40年分の人生を演じているわけですが、それは大きな挑戦だったでしょう。すばらしい体験でしたよ。通常の作品では一つの特定の時代が設定されますが、この作品では彼女の人生を丸ごと振り返るので、本当にワクワクしました。一言加えておくと、J.ロイ(・へランド)とマリース(・ランガン)の見事なヘア&メイクはもちろん、年老いたマーガレットを表現できたのはマーク・クーリエが補綴技術を駆使して見事に変身させてくれたおかげです。●この作品に出演できて最も良かった点は何ですか?この作品に出演できて最も良かった点は、一人の人物の人生を丸ごと見ることができたことですね。この年齢になると、自分の人生を最初から振り返ってみることが実際にあるんです。その膨大さに圧倒されることもあります。当時は重大だと思っていた出来事がぎっしり詰まっているから。その一方で、重要なのはこの日、この瞬間だと気付くんです。今ここにいることがね。唯一重要なことは自分の人生を生き、まさに今この瞬間を生きることだと言えますが、実際にはこれほど難しいことはありません。つまり禅ですね、今この瞬間を生きる。感じて、ただそこに在れ。作品情報『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』大ヒット公開中!(c)2011 Pathe’ Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute
2012年03月16日メリル・ストリープが英国初の女性首相を演じ、本年度米アカデミー賞主演女優賞に輝いた映画『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』が16日(金)から日本公開される。これまで幾度となくオスカーにノミネートされ、世界最高の女優のひとりとして活動するストリープは本作にどう向き合ったのか? 先ごろ来日した際に話を聞いた。その他の写真『マーガレット・サッチャー…』は、現段階において英国史唯一の女性首相であり、その強い信念から“鉄の女”と称されたサッチャーの生涯を描いた作品だ。ストリープは本作のためにリサーチを重ね、サッチャーの口調やブリティッシュ・アクセントを完璧に再現した。しかし、この役の見どころは、彼女が“沈黙”する場面にある。セリフのある場面は、過去の記録映像を参考に口調を真似することができるが、セリフのない場面では俳優がその人物に成りきらなければシーンが成立しないからだ。ストリープも「女優として台本をもらうと『私のセリフはどこかしら?』と、そこばかり読んでしまうけど、セリフのない場面がどのように描かれているかが大事だし、そういう場面で観客は想像力を働かせて人物の内面に入り込もうとします」といい、「セリフのない場面を演じきれたのは、監督が私の思うように演じる自由をくれたから。彼女の“自由を認める精神”が、あのような場面を生んだのだと思います」と振り返る。本作の監督を務めたのは、舞台演出なども手がけるフィリダ・ロイド。ストリープとは『マンマ・ミーア!』でもタッグを組んだ。「彼女はとても静かだけれど、リーダーシップのある人です。『マンマ・ミーア!』は本当に大変な映画でした。私たちはプロのダンサーやシンガーではないですし、エキストラも多く、ロケ撮影も困難が多かった。でも本作はセットでの撮影が多く、じっくりと人物表現を深めていく作品。彼女はどちらの作品でもキャストやスタッフをまとめあげてくれました」。信頼のおける演出家の下で、実在の人物の“再現”ではなく、英国史に名を残すひとりの女性の人生を“生きた”ストリープ。本作で彼女は、自身が年齢を重ねることで見つけた“日常の中の美”を役作りに活かしたという。「年齢を重ねると、食器を洗ったり、小鳥の声を聴くことだけで生きていることの確信になります。若い人にこんな話をしても理解してもらえないでしょう。でも私もサッチャーも同じで、歳を重ねることで独断的にならずに、日常の中に“美”を見出せるようになったのです」。どんな時も信念を曲げず、男性優位の議会の中で粘り強く自説を主張し、権力を手にしたサッチャーは年齢を重ね、沈黙の中で何を思うのか? ストリープが渾身の演技で見せるサッチャーの“沈黙”こそが、本作の最大の見どころなのではないだろうか。『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』3月16日(金) TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー
2012年03月15日メリル・ストリープが、英国初の女性首相マーガレット・サッチャーを演じ、本年度米アカデミー賞主演女優賞に輝いた映画『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』の特別動画がこのほど公開された。本動画では、サッチャーの夫・デニスを演じたジム・ブロードベントが本作の魅力と、共演者ストリープについて語っている。『マーガレット・サッチャー』特別動画『マーガレット・サッチャー…』は、現段階において英国史唯一の女性首相であり、その強い信念から“鉄の女”と称されたマーガレットの姿を、政治家だけでなく妻であり、母であり、何よりひとりの女性として描いた作品。自身も『アイリス』の演技でアカデミー助演男優賞に輝き、名優として映画ファンから大きな信頼を集めているブロードベントが本作で演じたのは実業家で、 “鉄の女”を夫として支えた実在の人物、デニス・サッチャーだ。しかしブロードベントは本作を「決して一直線な伝記映画ではない」と語る。「とても複雑で、たくさんの次元があるから、その分とても興味深くて(脚本を)読むのが難しい。刺激的な脚本だ。なんというか、たくさんの光と陰があるから、その複雑さがとても魅力的だね」。本作は登場人物それぞれの多面的な魅力をじっくりと掘り下げ、それを名優たちが見事に演じきっている作品だが、ブロードベントはストリープがサッチャーという人物を完璧に捉えていることに驚いたという。「メリルと昼食を食べているとき、ふたりでサッチャーについて大まかに語っていたんだ。すると、メリルが自分の言っていることをしめすために突如マーガレット・サッチャーの喋り方を演じた。その地点で、ほんの少し喋っただけなのに、彼女が『もしかしたら演じられないかも』という私のほんの少しの疑いをすべて消し去ったよ」。特別動画ではブロードベントが、ストリープが食事の席で演じてみせたサッチャーがいかに素晴らしいものだったかについてじっくりとコメントしている。『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』3月16日(金) TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー(C)2011 Pathe Productions Limited Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.
2012年02月28日メリル・ストリープが圧倒的な演技力で演じ切る<鉄の女>マーガレット・サッチャーの栄光と挫折を描く人間ドラマ『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』。本日発表の米国アカデミー賞にて、主演メリル・ストリープが実に29年ぶりの自身オスカー3度目の受賞となる主演女優賞を受賞し、メイクアップ賞とW受賞となった。第69回ゴールデン・グローブ賞主演女優賞、第65回英国アカデミー賞主演女優賞、第62回ベルリン国際映画祭名誉金熊賞、そしてこの度の受賞で益々勢いを増すメリル・ストリープ、3月上旬にはメリル&フィリダ・ロイド監督が来日してのプレミア試写会舞台挨拶+来日記者会見も予定している。作品情報『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』監督:フィリダ・ロイド『マンマ・ミーア!』出演:メリル・ストリープ、ジム・ブロードベント配給:GAGA(c)2011 Pathé Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.
2012年02月27日英国初の女性首相で、世界史のその名を残す女性マーガレット・サッチャー女史の半生を描いた映画『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』の予告編がこのほど公開された。映画『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』予告編『マーガレット・サッチャー…』は、現段階において英国史唯一の女性首相であり、その強い信念から“鉄の女”と称されたマーガレットの栄光と、それまでにたどった苦しみと挫折、最愛の夫の存在など、政治家だけでなく妻であり、母であり、何よりひとりの女性としてのサッチャーの姿を描いた作品。幾度もオスカーを受賞してきた名女優メリル・ストリープがマーガレットを演じるほか、『アイリス』で米アカデミー助演男優賞を受賞したジム・ブロードベントらが出演する。このほど公開された予告編では、圧倒的に男性優位だった議会に女性としての乗り込んだマーガレットが“サッチャー首相”へとのぼりつめていく過程が紹介された後、政治家として活動するために支払った家庭での犠牲や軋轢、議会での対立など彼女を追いつめる困難の数々が描かれる。さらに、1982年に起こったフォークランド紛争や、労働組合制度の改革など、常に決断を迫られ、戦いを余儀なくされてきた彼女の“鉄の女”としての側面と、愛する夫と子どもたちと暮らす中で迷い、立ち止まる“ひとりの女性”としての側面が交互に登場している。これまでも『英国王のスピーチ』や『クィーン』など実在の英国人のエピソードを重厚なタッチで描いた作品は、対象とする人物の有名/無名を問わず、そのドラマ性が高い評価を受けており、本作も第69回ゴールデン・グローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートされたのを始め、ニューヨーク映画批評家協会賞、ニューヨーク・オンライン映画批評家協会賞で女優賞を受賞するなど、早くも注目が集まっている。『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』2012年3月16日(金) TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー(C)2011 Pathe Productions Limited Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.
2011年12月16日