「レジ袋有料化によって、万引き取り締まりに関する我々の悩みが増えたんですよ…」(某大手スーパーに勤める警備員)7月1日より、全国でレジ袋(プラスチック製買物袋)の有料化がスタートした。本施策は、資源制約や海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの問題を受けたもので、プラスチックの過剰な使用を抑制すると共に、エコ意識を高める狙いがある。有料化にともなって、レジ袋の代わりとして、マイバッグを携行して買い物に来る人が増えてきた。ただ、マイバックを用いた万引き例はあまり顕著ではないという。「勤務しているスーパーに限っていえば、実は未会計の商品を袋に入れず、そのまま店外へ持ち出すという手口が目立つようになりましたね」(前出の警備員)マイバッグを携行する人は増える一方で、会計を済ませた商品を袋に詰めずに持ち歩く人もいる。そうしたなか、むしろ堂々と未会計の所品を持ち歩くほうが、万引きか否か判断がつきにくいそうだ。対策として、会計済の商品を袋につめない場合、シールを貼ることが考えられる。だが、それも思わぬトラブルにつながることあるという。「マイバッグを持っていない、レジ袋がいらない、というような人に対して、店員が勝手にシールを貼って、クレームにつながったというケースがあります。もちろん何の断りもなく勝手に貼るのはダメですけどね。店としてはシールが会計済の証明になるので徹底したいところじゃないでしょうか」(前出・警備員)レジ袋有料化を悪用する手口は、決して許されるものではないではないがーー。
2020年09月19日『正義』や『正解』は1つではないからこそ、多くの人が時に悩み、時に意見がぶつかり合うことも。占術家の岩波れいみんさんは、息子さんのエピソードをブログに投稿。反響が寄せられています。漫画を万引きしようして見つかったおじいさんある日、もうすぐ20歳になる息子さんから「お母さん、今、ちょっといい?」と神妙な面持ちでいわれた岩波さん。息子さんから話を聞くと、帰宅途中に寄ったコンビニで、なんと万引きの瞬間を目撃してしまったといいます。漫画の立ち読みをしていた人が、そのまま商品をスッとカバンに入れたため、息子さんは「それお金払ってないですよね?」と声を掛けたとのこと。すると、その人はカバンから漫画を取り出し、レジで会計をして去っていきました。立ち去るまで見届けた息子さんは、念のためコンビニの店員に「あの人、最初お金を払わずに漫画をカバンに入れて、僕が声をかけたら会計しました。また来たら気を付けたほうがいいですよ」と伝えたそうです。息子さんが悩む理由話を聞いて、「完璧な対応ではないか」と思った岩波さん。しかし、逆上される危険もあったため、息子さんを心配して次のように尋ねました。「でも、相手が逆ギレしなくてよかったね。どんな人だったの?怖い感じの人じゃなかった?」息子さんの返答は…。「かわいそうな感じのおじいちゃん」※写真はイメージ詳しく尋ねると、おじいさんは漫画の『ドラえもん』を万引きしようとしていた様子。それを聞いた岩波さんは、息子さんが父方の祖父のことが大好きだったことを思い出しました。息子さんのことをとてもかわいがっていた祖父は、息子さんが中学生の時に風邪をこじらせて肺炎に。病院のベッドで、80歳あまりで息を引き取りました。そんな祖父との温かな思い出もあって、今回のおじいさんの万引きは、息子さんにとってよほどショックな出来事だったのでしょう。岩波さんから「君が声をかけてあげたおかげで悪いことをせずに済んだのだから、そのおじいちゃんを救ってあげたことになるんじゃない?」といわれても、ネットに書いてあった「絶対警察に突き出すべき」という言葉に心揺れた息子さん。自身の対応を『正解』と思えず、「僕の対応、あれでよかったのかなあ?」と悩んでしまったのでした。貧困や困窮や転売目的で行われる万引きのほか、万引きを止められない病気である『窃盗症』などもあり、人が万引きをしてしまう理由はさまざま。おじいさんが万引きをした背景にも、何か事情があったのかもしれません。おじいさんのことを思うからこそ、息子さんは自分の対処に問題はなかったかと考え続けたのではないでしょうか。岩波さんは、ブログで改めて次のようにつづっています。これからはますます、大人として自分で判断していかなくてはならないことが、たくさん出てくると思います。そして今回のような場合は、『正義』とか『正解』を求めるのは難しい気がします。まだ人生経験が少ない息子には、いろいろな経験を通じて自分で考えたり悩んだりしながら答えを見つけていってほしいと思っています。店側からしたら万引きは迷惑千万。罪を犯したら、裁かれるべきなのかもしれません。しかし、視点を変えると、簡単に『正義』や『正解』は決められないことだと分かってきます。自分の認識を疑い、「本当にこれで合っているのか」と問い続けるのは大切なこと。きっと、息子さんは自分の頭で考えられる大人へと成長していくことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年04月23日「万引きは100円でも逮捕されるのに、詐欺は大金でも逮捕されない」なんだか「かしこいヤツだけ得をする」みたいな感じで腹立たしいですよね。テレビでは万引きGメンが菓子パンひとつを盗んだ人を極悪人のようにつかまえているのに、振り込め詐欺は数千万円をだましとってもなかなか逮捕されない…「この差はなんなの?」今回は「元警察官ライター」である鷹橋さんにその理由を聞いてみました。この記事の監修者鷹橋公宣(たかはし きみのり)振り込め詐欺や銀行員の巨額横領事件などの捜査を担当してきた元知能犯刑事。警察署勤務時代は幅広い事件を担当。現在は退職し、法律事務所などのコンテンツを中心に執筆活動を続けるWEBライターとして活動中。noteでは警察のウラ話やお役立情報を発信。【元刑事ライターきみぽんのnote】万引きはすぐ逮捕されるのに詐欺はすぐ逮捕されない理由理由その1:窃盗の発生件数がケタ違いに多いからどんな犯罪がどのくらい起きているのか、どのくらいの犯人が捕まっているのかをまとめた「犯罪白書」という資料があります。平成30年版「犯罪白書」のデータをみてみましょう。全体の犯罪件数→約90万件窃盗…約65万件詐欺…約4万件なんと、発生件数を比べると窃盗は詐欺の16倍以上!あまりにも窃盗の発生件数が多すぎるので「万引きばかり捕まっている」という印象があるのです。 理由その2:詐欺を証明するのが難しすぎるから→万引きは「お金を支払わずに店外に持ち出した」だけで成立します。現に盗んだ商品を持っていれば、言い逃れなんてムダでしょう。→でも、詐欺は「ウソだった」ことを証明しなくてはいけません。そもそも詐欺なんてウソつきの犯罪ですから、容疑者が「だますつもりだった」と正直に白状するわけありませんよね。「返すつもりだった」「もらったものだと思っていた」という言い訳を叩きつぶさないといけませんが、その証拠をみつける作業があまりにも難しすぎるのです。 意外?詐欺の方が逮捕率は高い犯罪白書には「何人が逮捕されたか?」のデータも掲載されています。もちろん、みなさんのイメージでは「窃盗のほうが逮捕されやすい」はずですよね。では、窃盗と詐欺の逮捕率を比べてみましょう。 詐欺の逮捕率は万引きの2倍窃盗の逮捕率…約30%詐欺の逮捕率…約60%なんと、詐欺のほうが2倍も逮捕されやすいという驚きの事実がわかります。「なんで?」と不思議になりますよね。 万引きはその場で許してもらえることが多い万引きでは、その場で代金を支払って許してもらうケースが大半です。許してもらえなくても、逮捕されずに自由の身のままで取調べをうける「任意事件」がほとんど。 詐欺犯はそう簡単には逃がさないところが、詐欺事件は容疑者の口から「ウソでした」と言わせるために、専門の刑事がとことん取調べをします。「今日の取調べは終わったから家に帰っていいよ」なんて甘い対応はしてあげません。みっちり取調べをするためには、逃げられないように逮捕したほうがいいわけです。 つまり「詐欺も逮捕される」ということ単純に発生件数が多いから「万引きばかり逮捕される」というイメージがありますが、実は詐欺もしっかり逮捕されて罰を受けています。むしろ詐欺のほうが高確率で逮捕されていて、しかも刑罰が重たいというオマケまでついているのだから、ドロボーよりも詐欺師のほうが大変ですね。【元警察官が教える】万引きはすぐ逮捕されるのに詐欺はすぐ逮捕されないのはなぜ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【元警察官が教える】万引きはすぐ逮捕されるのに詐欺はすぐ逮捕されないのはなぜ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2020年01月31日『万引き家族』で注目を集めた城桧吏が大ベストセラー児童小説「都会(まち)のトム&ソーヤ」の実写映画化で映画初主演、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の河合勇人が監督、『劇場版 おっさんずラブ』の徳尾浩司が脚本をつとめる。原作は、シリーズ累計180万部を超え、“マチトム”と呼ばれて愛読されている大人気の推理小説シリーズ。今年デビュー30周年を迎えた、「名探偵夢水清志郎」シリーズや「怪盗クイーン」シリーズなどで知られるジュブナイルミステリの旗手・はやみねかおるの代表作。“究極のゲーム”を作るため、都会の様々な場所を舞台にデコボコ中学生コンビが推理と冒険を繰り広げていく。どこにでもいそうな中学2年生だが、どんな状況も切り抜けられるサバイバル能力を持つ内藤内人(ないとう・ないと)と、学校始まって以来の天才といわれ、一大財閥“竜王グループ”の御曹司である竜王創也(りゅうおう・そうや)の対照的なタイプの2人が活躍するバディもの。2003年の刊行開始からほぼ年1巻のペースで発売され、現在はシリーズ16巻に加え、ゲームブック2巻とファンブック1巻も出版。「小・中学生で知らない子はいない」といわれるほどの絶大な人気を誇り、15年にも渡って“子どものバイブル”の座を占め、いまや大人になった世代にも思い出の1冊として愛され続けている。主演:城桧吏×監督:河合勇人×脚本:徳尾浩司、最旬トリオで実写映画化主人公の内藤内人役には、第71回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドール(最高賞)を受賞した是枝裕和監督の『万引き家族』で大注目を浴びた城桧吏(じょう・かいり)が映画初主演。監督は、『俺物語!!』『チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』『ニセコイ』など話題の青春映画を多数手掛け、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』『初恋ロスタイム』なども続々控える、河合勇人。また、脚本を担当するのは、2018年を代表するドラマとして社会現象にもなり、現在劇場版が公開中の「おっさんずラブ」の徳尾浩司。“おっさん”同士の純愛を切なくもコミカルに描きつつ、ドラマ版「チア☆ダン」や『走れ!T校バスケット部』など学園ドラマなども手掛けてきた徳尾氏が中学生バディの冒険をどのように描くのか期待が高まる。主演:城桧吏「内人になりきりたい」「都会のトム&ソーヤ」は小学校の時に図書室で借りて、読んだ事がありました。まさか、この本の主人公、内藤内人役に自分がなれるなんて思ってもいなかったので、出演させて頂く事が決まって、とても驚き、とても嬉しく思っています。初めて主演をさせて頂くので、少し不安でドキドキですが、皆様の期待に応えられる様に頑張ります!今までやったことのない役なので今からすごく楽しみです!明るくサバイバル能力に優れている内人になりきりたいと思います!!監督:河合勇人「自分の中に眠っていたトム&ソーヤを縦横無尽に暴れさせて」はやみねかおる先生の「都会のトム&ソーヤ」は放課後、友だちと川っぺりをどこまで行けるか歩いたり秘密基地を作って宝物を隠したりして遊んだ少年時代の幸福な時間を思い出させてくれました。今回映画を監督させて頂くにあたり自分の中に眠っていたトム&ソーヤを縦横無尽に暴れさせて現代の子どもたちを巻き込んで新たな冒険に出てみたいと思います。さあみんな、スマホを捨て都会に出よう!(あ、でもスマホは持って行った方がいいか?)脚本:徳尾浩司「躍動感の溢れる内人と創也の冒険を」はやみね先生の描かれる「都会のトム&ソーヤ」には、次々とページをめくりたくなるワクワク感が詰まっています。映画でもその世界観を大切にして、ぐいぐいとスクリーンに吸い込まれるような、躍動感の溢れる内人と創也の冒険をお届けできたらと思います。「都会のトム&ソーヤ」で育ったお父さんお母さん、今「都会のトム&ソーヤ」が大好きな少年少女、皆さんで楽しめる映画にしたいです。原作:はやみねかおる「今からワクワクしています」「都会のトム&ソーヤ」の実写映画化が決まりました。これも、読者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。河合勇人監督に徳尾浩司脚本と来れば、ぼくにとっては「スリル!~赤の章・黒の章~」(小松菜奈・山本耕史主演)。内藤内人役は『万引き家族』の城桧吏さん。そして、多くのスタッフのみなさん。いったい、どんな『都会のトム&ソーヤ』を見せてくださるのか?今からワクワクしています。(ポップコーンとコーラは、すでに用意できてます)『都会のトム&ソーヤ』は2020年春に撮影予定、2020年夏、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年09月06日『そして父になる』『海街diary』『三度目の殺人』などの是枝裕和監督作、昨年のカンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した『万引き家族』が、7月20日(土)今夜のフジテレビ系「土曜プレミアム」枠で本編ノーカット地上波初放送される。“家族”をテーマにして多くの作品を描いてきた是枝監督が、貧困と幸せ、血縁と心の絆など社会に抱いた違和感も織り交ぜて描き出した本作。昨年6月に公開されると第42回日本アカデミー賞では作品賞をはじめ最優秀監督賞、最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞、最優秀脚本賞など、最多計8部門で最優秀賞を受賞。さらに第71回カンヌ国際映画祭最高賞(パルムドール)受賞のほか、第91回アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされるなど世界中で大絶賛の嵐を巻き起こした。再開発が進むなかポツンと残された古い住宅街で、家主である老女・初枝の年金を目当てに暮らす柴田家は、足りない生活費を万引きなどで稼いでいたが、冬の日、親から虐待を受ける少女・ゆりを拾い一緒に暮らし始める。しかし、ある事件をきっかけに家族の隠された秘密が明らかになっていく――という物語。息子に教えられることといえば万引きくらいしかないという、甲斐性なしの父・治を是枝作品には常連のリリー・フランキーが演じ、家族が転がり込んだ平屋の家主である祖母・初枝には故・樹木希林。母・信代には朝ドラ「まんぷく」『DESTINY 鎌倉ものがたり』などの安藤サクラ、風俗のバイトをしている信代の妹・亜紀には『ちはやふる』『勝手にふるえてろ』の松岡茉優。そのほか亜紀が勤務する風俗の常連客役で『町田くんの世界』の池松壮亮、亜紀の本当の父親役で『散り椿』などの緒形直人、ゆりの父を朝ドラ「なつぞら」も話題の山田裕貴、ゆりの母には「科捜研の女」などの片山萌美。警察官役で『止められるか、俺たちを』などの高良健吾、同じく警察官役で「ごめん、愛してる」などの池脇千鶴、駄菓子屋の店主役で『空飛ぶタイヤ』など数々の作品で知られる柄本明といった俳優陣が出演する。なお今夜の放送では是枝監督最新作となる全編フランス撮影、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークらの出演で今秋公開が予定されている『真実』の紹介と、監督からのコメントも併せて放送。注目の次回作の片鱗をチェックできる。土曜プレミアム『万引き家族』は7月20日(土)今夜21時~フジテレビ系で本編ノーカット地上波初放送。(笠緒)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年07月20日「第42回日本アカデミー賞授賞式」が3月1日(金)に開催され、『万引き家族』が最優秀作品賞を受賞した。12部門において優秀賞を受賞している『万引き家族』だが、作品賞以外にも、最優秀監督賞、最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞、最優秀脚本賞など、最多計8部門で最優秀賞を受賞した。なお、最優秀主演男優賞は『孤狼の血』の役所広司、最優秀助演男優賞は『孤狼の血』の松坂桃李が受賞した。『万引き家族』は、是枝裕和監督が、貧困と幸せ、血縁と心の絆など社会に抱いたある違和感に、10年間描いてきた家族に関するテーマを投入した渾身作。下町の一軒家で、家主である老女(樹木希林)の年金を目当てに暮らす柴田家。足りない生活費を万引きなどで稼いでいた彼らは、冬の日、親から虐待を受ける少女を拾い一緒に暮らし始める。しかし、ある事件をきっかけに家族の秘密は白日の下にさらされる。日本映画の頂点に立ち、抱き合って喜び合った是枝監督、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優などの“家族”たち。是枝監督は「撮影からちょうど1年、長い旅をこの作品と続けてきました。本当にいいラストを迎えることができました」と簡潔ながら気持ちのこもったコメント。優秀主演男優賞を受賞したリリーさんは、「すごく小さく始まった映画でしたけど、知らないうちにお祭りが続いて、1年間いろいろなところに行かせていただきました。つらいこと、人のおわかれもいっぱいありましたが、この映画の魔法にかかって楽しく過ごさせていただきました」と、リリーさんらしい詩的な言葉に思いを乗せた。リリーさんの妻役となった安藤さんは「素敵な時間をありがとうございます!本当にたった1年と思えない1年間でした。(城)桧吏、(佐々木)みゆ、やったね!」とステージの向こうにいるであろう子役たちにも笑顔を投げかける。終始涙をこらえられない様子の松岡さんは、「ものが浮かぶタイプですけど、本当に浮かばない…」とマイクを返す仕草をしたものの「ありがとうございます」と伝え、この日何度目かの涙を流していた。(cinamacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年03月01日1月22日、第91回アカデミー賞のノミネート作品が発表された。日本からは外国語映画賞に是枝裕和監督(56)の『万引き家族』と、長編アニメーション映画賞には細田守監督(51)の『未来のミライ』の2作品がノミネートを果たした。長編アニメーション映画賞に日本からスタジオジブリ作品以外がノミネートするのは史上初。さらに『万引き家族』が外国語映画賞を受賞した場合、09年に受賞した滝田洋二郎監督(63)の『おくりびと』以来10年ぶりの快挙となる。早くも日本では2作の結果に大きな期待が高まっている。だが、『万引き家族』の前に立ちはだかる強力なライバルの存在が――。それは現在動画配信サービス・Netflixで配信中の『ROMA/ローマ』。本作は無重力空間を圧倒的な映像美で見せた宇宙映画『ゼロ・グラヴィティ』でアカデミー監督賞を受賞したアルフォンソ・キュアロンが監督を務めるなど、強力な布陣。また同時に作品賞にもノミネートを果たしており、動画配信サービスの映画では史上初の快挙。さらにスペイン語制作の映画として初めて作品賞にノミネートするなど、まさに映画史を更新し続けている作品だ。アカデミー賞の前哨戦ともいわれるゴールデングローブ賞でも外国語映画賞を受賞。同じく同賞にノミネートされていた『万引き家族』を一歩リードした形だ。さらに、ライバルはまだいるという。「今年の外国語映画賞は近年稀に見る激戦です。『ROMA/ローマ』以外にも、昨年のベネチア国際映画祭でも高い評価を受けたドイツの『Never Look Away』が。さらに、昨年のカンヌ映画祭で監督賞を受賞したポーランドの『COLD WARあの歌、2つの心』も要注意でしょう。ただ、カンヌでパルムドールを受賞した『万引き家族』の前評判はアカデミー会員にも好印象を与えると思います。『万引き家族』が受賞する可能性も決してゼロではないと思います」(映画会社関係者)授賞式は2月24日(現地時間)にロサンゼルスで開催される。栄光は一体誰の手に――。
2019年01月23日第91回アカデミー賞のノミネート作品が1月22日(現地)に発表され、是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞に、細田守監督の『未来のミライ』が長編アニメーション部門にそれぞれノミネートされた。日本映画のダブルノミネートは、オスカー史上初!日本人にとっては“平成最後”の米アカデミー賞となる今回だが、まず、同じ年に日本映画2作品が、外国語映画賞と長編アニメーション部門の候補にあがるのは、アカデミー賞史上初めてのこと。映画界最大の祭典において、日本映画の躍進を感じさせるノミネーションは、素直に喜ばしい結果だ。どちらの作品も、現代日本が抱える問題を背景に、“家族”のあり方を作家性あふれるアプローチで描き切っており、それが海外で評価を得た点も見逃せない。ちなみに、外国語映画賞が正式に設置された第29回以来、同賞に輝いた日本映画は滝田洋二郎監督の『おくりびと』(第81回)のみ。長編アニメーション部門は2001年の第74回から設置され、翌年の第75回に宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が受賞。以降、5度にわたって、スタジオジブリ作品がノミネートされるも受賞は逃している。外国語映画賞は『万引き家族』と『ROMA/ローマ』の一騎打ち昨年5月、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞して以来、各国の映画賞で旋風を巻き起こしている『万引き家族』。第76回ゴールデングローブ賞では、惜しくも外国語映画賞を逃したが、その後に発表された第44回LA映画批評家協会では外国語映画賞に輝いており、賞レースでの勢いに衰えは見えない。是枝組の常連であり、本作でも圧倒的な存在感を放った樹木希林さんが昨年この世を去ったのは残念だが、今回の朗報を喜んでいるのは間違いない。きっと天国から強力なエールを送ってくれるはずだ。最大のライバルは、アルフォンソ・キュアロン監督のメキシコ映画『ROMA/ローマ』。こちらはヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞し、その後は各映画賞の外国語映画賞を次々と手にしている。ゴールデングローブ賞でもこちらに軍配があがった。なお、『ROMA/ローマ』は作品賞候補にもあがっており、これはNetflix配給の作品としては初の快挙。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』に続いて、「メキシコ出身のキュアロン監督に作品賞をあげたい!」という思いから、外国語映画賞は『万引き家族』に…という可能性は少なからずあるのではないだろうか。もちろん、これは“棚ぼた”では決してなく、実質的に今年の外国語映画賞は『万引き家族』と『ROMA/ローマ』の一騎打ちなのだ。ジブリ以外の作品が初ノミネート!真価を問われる『未来のミライ』昨年夏に公開され、国内では、批評的にも興行的にも正当な評価を得たとは言い難かった『未来のミライ』。しかし、海外での評判は上々で、第76回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞にノミネートされた。同賞候補に日本の作品が挙がるのは、意外にも初めてのこと。そして、第91回アカデミー賞では、ジブリ作品以外で初めて長編アニメーション部門にノミネートされ、まさに真価を問われることになった。長編アニメーション部門の候補は『未来のミライ』に加えて、『インクレディブル・ファミリー』『犬ヶ島』『シュガー・ラッシュ:オンライン』『スパイダーマン:スパイダーバース』の計5作品。アニメ界のアカデミー賞と言われる第46回アニー賞(2月発表)では、『インクレディブル・ファミリー』『シュガー・ラッシュ:オンライン』がそれぞれ11部門、10部門にノミネートされ、強さを発揮しているが、第76回ゴールデングローブ賞では下馬評を覆し『スパイダーマン:スパイダーバース』が最優秀長編アニメーション映画賞を受賞したばかり(『未来のミライ』も候補だった)。その上で過去6年間、ディズニーアニメーション作品が栄冠に輝き続けた同賞が、そろそろ安定したブランド力から離れ、より革新的でユニークな映像表現にスポットをあてるべき転機を迎えているのは事実。確かに『未来のミライ』は最有力候補ではないが、『犬ヶ島』同様にそのオリジナリティは評価に値するはずである。第91回アカデミー賞授賞式は2月25日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される。(text:Ryo Uchida)■関連作品:未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年01月23日是枝裕和監督作『万引き家族』がアメリカで2018年、最も興行収入を上げた外国語映画の1本として記録を伸ばしている。「Variety」誌によれば、『万引き家族』はアメリカ国内で木曜日に興行収入200万ドル(約2.2億円)を突破。アメリカでは昨年11月23日からニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコの3都市5館で上映をスタートした『万引き家族』。現在は100館で上映されており、配給会社の「マグノリア・ピクチャーズ」はゆくゆくは150館まで拡大するとみている。それは、来週22日に発表されるアカデミー賞のノミネーションにおいて、外国語映画賞のノミネート作品5本に入るかどうかが大きなポイントとなるようだ。同作は、メキシコの『ROMA/ローマ』(アルフォンソ・キュアロン監督)、韓国の『バーニング 劇場版』(村上春樹原作、イ・チャンドン監督)などとともに、ノミネート作品を選ぶためのショートリストに選出されている。(Hiromi Kaku)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年01月18日アカデミー賞の行方を占う前哨戦の1つ、第76回ゴールデン・グローブ賞のノミネート作品が現地時間12月6日に発表され、外国語映画賞に是枝裕和監督の『万引き家族』、アニメーション映画賞に細田守監督の『未来のミライ』がノミネートされた。■日本映画から2作品がノミネート!ハリウッドの外国人映画記者協会(HFPA)によって選ばれるゴールデン・グローブ賞は、アカデミー賞の前哨戦としても知られる栄誉ある賞。外国語映画賞には、今年カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを獲得した『万引き家族』が選出。日本映画では2013年宮崎駿監督の『風立ちぬ』以来のノミネート。なお、実写映画としてノミネートされるのは第48回(1990年度)の『夢』(黒澤明監督)以来、28年ぶり。もし、受賞すれば第17回(1959年度)で外国語映画賞を受賞した市川崑監督の『鍵』以来、実に半世紀以上ぶりのゴールデン・グローブ賞獲得となる(日米合作作品としてはクリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』が第64回外国語映画賞を受賞)。同作は、第91回アカデミー賞外国語映画賞部門の“日本代表作品”としても出品されている。そのほか、同賞には『ゼロ・グラビティ』などのアルフォンソ・キュアロン監督が手がけ、東京国際映画祭でも上映された『ROMA/ローマ』も選ばれた。また、アニメーション映画賞には『インクレディブル・ファミリー』『シュガー・ラッシュ:オンライン』『スパイダーマン・スパイダーバース』とともに、日本の架空都市を舞台にしたストップモーションアニメ『犬ヶ島』、そして『未来のミライ』がノミネート。同作は“アニメ界のアカデミー賞”と呼ばれるアニー賞にもノミネートされており、アカデミー賞長編アニメ部門のエントリー作品にも選ばれている。■『アリー』5部門ノミネート!最多はクリスチャン・ベールの『バイス』映画の部・ドラマ部門にはクリスチャン・ベールが約20キロ体重を増やす大変身をし、ジョージ・W・ブッシュ政権下の副大統領、ディック・チェイニーを演じた『バイス』(VICE)が作品賞・監督賞・主演男優賞ほか最多6部門にノミネート。レディー・ガガが主演女優賞にノミネートされた『アリー/ スター誕生』は計5部門、『グリーンブック』が5部門、『女王陛下のお気に入り』が4部門5ノミネートとなっている。また、日本でも驚異的ヒット中の『ボヘミアン・ラプソディ』がドラマ部門作品賞・主演男優賞(ラミ・マレック)に、マーベル映画『ブラックパンサー』も作品賞候補に入った。授賞式は現地時間2019年1月6日、日本時間1月7日に開催。なお、ゴールデングローブ・アンバサダーは俳優イドリス・エルバの娘イサン・エルバが務め、司会は「グレイズ・アナトミー」「キリング・イヴ」の女優サンドラ・オーと「ブルックリン・ナイン-ナイン」の俳優アンディ・サムバーグが務める。【第76回ゴールデン・グローブ賞主要ノミネート作品】映画の部<ドラマ部門>■作品賞『ブラック・クランズマン』『ブラックパンサー』『ボヘミアン・ラプソディ』『ビール・ストリートの恋人たち』『アリー/ スター誕生』■主演女優賞グレン・クローズ『天才作家の妻-40年目の真実-』レディー・ガガ『アリー/スター誕生』ニコール・キッドマン『Destroyer』(原題)メリッサ・マッカーシー『Can You Ever Forgive Me?』(原題)ロザムンド・パイク『A Private War』(原題)■主演男優賞ブラッドリー・クーパー『アリー/ スター誕生』ウィレム・デフォー『永遠の門ゴッホの見た未来』ルーカス・ヘッジズ『Boy Erased』(原題)ラミ・マレック『ボヘミアン・ラプソディ』ジョン・デヴィッド・ワシントン『ブラック・クランズマン』<ミュージカル/コメディ部門>■作品賞『クレイジー・リッチ!』『女王陛下のお気に入り』『グリーンブック』『メリー・ポピンズリターンズ』『バイス』■主演女優賞エミリー・ブラント『メリー・ポピンズリターンズ』オリヴィア・コールマン『女王陛下のお気に入り』エルシー・フィッシャー『Eighth Grade』(原題)シャーリーズ・セロン『タリーと私の秘密の時間』コンスタンス・ウー『クレイジー・リッチ!』■主演男優賞クリスチャン・ベイル『バイス』リン=マヌエル・ミランダ『メリー・ポピンズリターンズ』ヴィゴ・モーテンセン『グリーンブック』ロバート・レッドフォード『THE OLD MAN & THE GUN』(原題)ジョン・C・ライリー『Stan & Ollie』(原題)■助演女優賞エイミー・アダムス『バイス』クレア・フォイ『ファースト・マン』レジーナ・キング『ビール・ストリートの恋人たち』エマ・ストーン『女王陛下のお気に入り』レイチェル・ワイズ『女王陛下のお気に入り』■助演男優賞マハーシャラ・アリ『グリーンブック』ティモシー・シャラメ『Beautiful Boy』(原題)アダム・ドライバー『ブラック・クランズマン』リチャード・E・グラント『Can You Ever Forgive Me?』(原題)サム・ロックウェル『バイス』■監督賞ブラッドリー・クーパー『アリー/ スター誕生』アルフォンソ・キュアロン『ROMA/ローマ』ピーター・ファレリー『グリーンブック』スパイク・リー『ブラック・クランズマン』アダム・マッケイ『バイス』■歌曲賞「オール・ザ・スターズ」『ブラックパンサー』「Revelation」『Boy Erased』(原題「Girl in the Movies」『Dumplin’』(原題)「Shallow」『アリー/ スター誕生』「Requiem For A Private War」『A Private War』(原題)■外国語映画賞『Capernaum』(原題)レバノン『Girl』(原題)ベルギー『Never Look Away』(英題)ドイツ『ROMA/ローマ』メキシコ『万引き家族』日本■アニメーション映画賞『インクレディブル・ファミリー』『犬ヶ島』『未来のミライ』『シュガー・ラッシュ:オンライン』『スパイダーマン:スパイダーバース』テレビの部<ドラマ部門>■作品賞「ジ・アメリカンズ」「ボディガードー守るべきものー」「Homecoming」(原題)「KILLING EVE(キリング・イヴ)」「POSE」(原題)■主演女優賞カトリーナ・バルフ「アウトランダー」エリザベス・モス「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」サンドラ・オー 「KILLING EVE(キリング・イヴ)」ジュリア・ロバーツ「Homecoming」(原題)ケリー・ラッセル「ジ・アメリカンズ」■主演男優賞ジェイソン・ベイトマン「オザークへようこそ」ステファン・ジェームズ「Homecoming」(原題)リチャード・マッデン「ボディガード -守るべきもの- 」ビリー・ポーター「POSE」(原題)マシュー・リス「ジ・アメリカンズ」<ミュージカル/コメディ部門>■作品賞「バリー」「グッド・プレイス」「KIDDING」(原題)「コミンスキー・メソッド」「マーベラス・ミセス・メイゼル」■主演女優賞クリステン・ベル「グッド・プレイス」キャンディス・バーゲン「TVキャスター マーフィー・ブラウン」アリソン・ブリー「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」レイチェル・ブロズナハン「マーベラス・ミセス・メイゼル」デブラ・メッシング「ふたりは友達? ウィル&グレイス」■主演男優賞サシャ・バロン・コーエン「WHO IS AMERICA」(原題)ジム・キャリー「KIDDING」(原題)マイケル・ダグラス「コミンスキー・メソッド」ドナルド・グローヴァー「アトランタ」ビル・ヘイダー「バリー」<リミテッドシリーズ/テレビ映画部門>■作品賞「エイリアニスト」「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」「Escape at Dannemora」(原題)「KIZU-傷-」「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」■主演女優賞エイミー・アダムス「KIZU-傷-」パトリシア・アークエット「Escape at Dannemora」(原題)コニー・ブリットン「Dirty John」(原題)ローラ・ダーン「ジェニーの記憶」レジーナ・キング「運命の7秒/Seven Seconds」■主演男優賞アントニオ・バンデラス「ジーニアス:ピカソ」ダニエル・ブリュール「エイリアニスト」ダレン・クリス「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」ベネディクト・カンバーバッチ「パトリック・メルローズ」ヒュー・グラント「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」■助演女優賞アレックス・ボースタイン「マーベラス・ミセス・メイゼル」パトリシア・クラークソン「KIZU-傷-」ペネロペ・クルス「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」タンディ・ニュートン「ウエストワールド」イヴォンヌ・ストラホフスキー「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」■助演男優賞アラン・アーキン「コミンスキー・メソッド」キーラン・カルキン「キング・オブ・メディア」エドガー・ラミレス「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」ベン・ウィショー「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」ヘンリー・ウィンクラー「バリー」(text:Reiko Uehara)■関連作品:未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図アリー/ スター誕生 2018年12月21日より全国にて公開© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年12月06日第10回TAMA映画賞 受賞作品・受賞者が4日、明らかになった。最優秀作品賞には『万引き家族』『寝ても覚めても』が選出された。同映画祭は国内映画賞のトップバッターとして注目を集め、多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から表彰する。最優秀作品賞には、「人は寄り添わなければ生きていけない。この作品は家族という集合体がどのような結びつきなのか、観客に問いかけ、胸に迫る」として、是枝裕和監督の『万引き家族』、及び「理性の影に潜む愛の奥深さを炙り出し、観客に味わわせた」と、濱口竜介監督の『寝ても覚めても』が選ばれた。『万引き家族』出演の安藤サクラ、松岡茉優は最優秀女優賞に選出され、『寝ても覚めても』主演の東出昌大は、『孤狼の血』『娼年』など好演した松坂桃李とともに最優秀男優賞に。また、異例のヒットとなった『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同が、特別賞に選ばれている。最優秀新進男優賞には、吉村界人と吉沢亮が並ぶ。『リバーズ・エッジ』をはじめとした、7本の映画に出演した吉沢は「多彩な表情で心の奥に闇を抱えた役から相手を包み込む優しさをもつ役まで幅広く演じ、その奥深い眼差しは観る者を虜にした」と評価され、同賞に。また、最優秀新進女優賞には深川麻衣、伊藤沙莉が選出された。■最優秀作品賞『万引き家族』 (是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞沖田修一監督、及び山﨑努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同 (『モリのいる場所』)上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『カメラを止めるな!』)■最優秀男優賞東出昌大 (『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)松坂桃李 (『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)■最優秀女優賞安藤サクラ (『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)松岡茉優 (『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)■最優秀新進監督賞今泉力哉監督 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)三宅唱監督 (『きみの鳥はうたえる』)■最優秀新進男優賞吉村界人 (『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)吉沢亮 (『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)■最優秀新進女優賞深川麻衣 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)伊藤沙莉 (『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)
2018年10月04日是枝裕和監督の『万引き家族』などに出演し、ドラマ、CMでも活躍した女優・樹木希林(きき・きりん/本名・内田啓子)さんが9月15日、亡くなっていたことがわかった。享年・75歳。5年前に全身のがんであることを明かしていた樹木さん。8月13日には知人宅で左大腿骨を骨折し入院、15日に手術を受けて成功したが、一時は危篤状態であったことが伝えられていた。最期は自宅で家族に見守れながら息を引き取ったという。長年別居中ながら“絶対に離婚しない”と公言していた夫はロックミュージシャンの内田裕也、娘・也哉子の夫は俳優の本木雅弘。本木さんと也哉子さんの長男・雅楽(うた)はこの夏、パリコレデビューしたことが話題となり、長女・伽羅(きゃら)は映画『奇跡』『あん』で“祖母”の樹木さんと共演したことがあった。ネットには、この訃報に「信じられない…」という声が相次ぎ、「復帰されると信じていました」「樹木希林さんのお芝居が好きでした」「また一人、日本の大事な何かを失いました」といった悼む声が後を絶たない。1943年1月15日、東京都生まれの樹木さん。1961年に文学座研究生となり、当初は悠木千帆という芸名で活動。73年に内田さんと結婚する。1970~75年までシリーズ化された「時間ですよ」や、74~75年の「寺内貫太郎一家」でジュリー(沢田研二)ファンのおばあちゃん役がお茶の間で人気に。77年に樹木希林に改名する。77年放送の「ムー」、そして1978年から翌年にかけて放送された「ムー一族」の挿入歌として誕生した「お化けのロック」と「林檎殺人事件」で当時のトップアイドル・郷ひろみとまさかのデュエット。「林檎殺人事件」は音楽番組「ザ・ベストテン」でも12週連続ランクイン&4週連続1位を獲得するなど、大ヒットに。2015年の「音楽の日」では、36年ぶりに一夜限りのコンビ復活が実現していた。映画では、『鶴-つる-』『転校生』『夢千代日記』から『下妻物語』などまで多数の作品に出演し、『借りぐらしのアリエッティ』では声の出演も。『東京タワーオカンとボクと、時々、オトン』(07)、『わが母の記』(12)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、『半落ち』(04)、『悪人』(10)で同・最優秀助演女優賞を受賞。ハンセン病患者を演じた2015年の『あん』(河瀬直美監督)では、日本人女優として初めてアジア太平洋スクリーンアワードの女優賞を受賞、「一番の年上ということでこの度(賞を)頂戴させていただきます。どうもありがとうございました」とコメントを寄せていた。近年は『歩いても 歩いても』(08)、『奇跡』(11)、『そして父になる』(13)、『海街diary』(15)、『海よりもまだ深く』(16)と是枝監督作品でも知られた。カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『万引き家族』では“疑似家族”を求心した家主である柴田初枝を好演。今年は、山崎努と夫婦役で初共演した『モリのいる場所』(沖田修一監督)も公開され、黒木華と多部未華子の茶道の先生役を演じた『日日是好日』(大森立嗣監督)が10月13日(土)に公開を控えていた。歯に衣着せぬ発言でもおなじみで、今年5月16日放送の「徹子の部屋」に出演した際には、 “終活”について語り、この放送の映像を「『徹子の部屋であの方、今年お亡くなりになりましたわね』っていうときに出して頂いて…」と樹木さんが話すと、黒柳徹子が「私は先になったらあなたがね(笑)でもあなた何言うかわからない、あなたにやっていただくのは嫌だわ。私はちゃんとやるわよあなたのお葬式はね」と返答、それに対して樹木さんも「そうだわね。私も保証できない」などと切り返すなど、2人の味のあるトークが繰り広げられていたところだった。心よりご冥福をお祈りいたします。(text:cinemacafe.net)
2018年09月16日現在放送中の大河ドラマ「西郷どん」に出演する新たな出演者がこのほど決定。映画『万引き家族』で注目を集めた城桧吏のほか、上白石萌音、忍成修吾、渋川清彦などが発表された。主演の鈴木亮平が西郷吉之助(隆盛)を演じる本作。10月21日の第39回放送から“明治時代”に突入するが、今回新たに発表されたのは、そんな激動の時代に生きるキャストたち。「西郷家ゆかりの人々」として、西郷吉之助と愛加那(二階堂ふみ)の長子、西郷菊次郎役には、『万引き家族』や先日「グッド・ドクター」への出演も話題となった城桧吏と、「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」などにも出演していた今井悠貴に決定。城くんは9歳~12歳の菊次郎を、今井さんは14歳~の菊次郎を演じていく。今回大河ドラマ初出演となった城くんは、「いつか時代劇に出演したいと思っていたので、今回出演が決まってとても嬉しかったです」と喜びを語り、「明治時代を生きた西郷菊次郎さんになりきって頑張りますので、是非みなさんに観て頂きたいです!」と意気込み。今井さんは「激動の時代を生きた人々の心意気に負けぬよう、覚悟を持って演じたいと思います」とコメントしている。また、錦戸亮演じる吉之助の弟・従道の妻・清役には『君の名は。』『ちはやふる』の上白石萌音。西南戦争後、糸や隆盛の子・寅太郎たちを支援するという役どころだ。鹿児島出身の上白石さんは、「大切な地元が舞台の物語の一部となれること、大好きな方言を台詞として話せること、噛み締めて参加させていただきます」と出演の喜びを語っている。ほかにも、「薩摩ゆかりの人々」として元薩摩藩士・篠原国幹役に榊英雄、別府晋介役に篠原悠伸、辺見十郎太役に持永雄恵。市来家に嫁いだ琴の長男・市来宗介役に前川優希。「新政府」の面々として、明治天皇役に野村万之丞、元長州藩士・井上馨役に忍成修吾、山県有朋役に村上新悟、板垣退助役に渋川清彦、大隈重信役に尾上寛之、三条実美役に野村万蔵が決定した。なお、「西郷どん紀行」のテーマ曲が竹原ピストルが歌う「この道 この船」に変わることも明らかになった。大河ドラマ「西郷どん」は毎週日曜日20時~NHK総合、18時~BSプレミアムにて放送。※再放送はNHK総合で毎週土曜13時5分~放送(cinemacafe.net)
2018年09月10日今年6月開催の「第71回カンヌ国際映画祭」で最高賞のパルムドールに輝いた是枝裕和監督(56)の「万引き家族」が、第91回米アカデミー賞外国語映画賞部門の日本代表に決定したと各スポーツ紙が報じた。各紙によると、日本映画製作者連盟が24日に発表。日本代表作品は申請のあった12作品から映画プロデューサーら7人の選考委員が選出にあたり、「万引き家族」に決まったという。今後は世界各国の出品作からノミネート作品が選ばれ、来年2月に受賞作が決定する。「アカデミー賞の本番で同部門にノミネートされるのは世界各国の映画の中からわずか5本の狭き門。日本の作品では08年にノミネートされ日本作品で初の栄冠を獲得した『おくりびと』(滝田洋二郎監督)以来、本番5枠にノミネートされた作品はありません」(映画ライター)さらに「アカデミー賞」のノミネート枠に残った場合、「万引き家族」には「おくりびと」以上の快挙が期待されているというのだ。「日本映画でパルムドールを獲得したのは5作品あります。そのうちアカデミー賞の外国映画賞部門を受賞したのは、1954年に『名誉賞』の1つとして外国映画が表彰された『地獄門』(衣笠貞之助)のみ。『外国映画賞』という単独の賞になってからのパルムドールとの二冠獲得となれば、史上初の快挙です」(映画担当記者)歴史的な快挙を達成した場合、日本中でフィーバーが巻き起こりそうだ。
2018年08月27日映画『万引き家族』に生活費を補うために万引きをする一家の長男役で出演し、注目を集めている城桧吏。このたび山崎賢人主演の連続ドラマ「グッド・ドクター」の5話にゲストとして出演することが決定した。城さんにとって地上波ドラマ初出演となる。「グッド・ドクター」の5話で城さんが演じるのは、天才ボーイソプラノ歌手の羽山響(はやま・ひびき)。海外からも高い評価を得ている響は、ドイツでのリサイタルを控え、より一層力を入れてレッスンに励んでいた。ところが、突然咳が止まらなくなり、父親と東郷記念病院を受診することに。その結果、難病を抱えていることが判明し、手術をしなければ病状が悪化していくことが分かった。しかし、手術の際に声帯を傷つける可能性があり、高音の声が出せなくなる可能性があるという。初挑戦となるオペラのコンサートのシーンもあり、発生や姿勢、動作の指導を受けて練習を重ねたそうだ。城さんは「TVドラマは初めてなので、出られることはとてもうれしいです。撮影に入るときは少し緊張してしまったのですが、とてもにぎやかな現場で、撮影スタッフの方が緊張をほぐそうとしてくださって、一緒に歌ってくれたりして、撮影はすごく楽しいです」と撮影現場にも馴染めたそう。主演の山崎さんとは今回が初共演となる。城さんは山崎さんに対して「テレビで見ていて、かっこいいな、と思っていたのですが、実際にお会いすると、もっとかっこよかったです(笑)」と印象を語った。さらにお芝居については「湊先生はしゃべり方に特徴があるので、とても難しい役だと思うのですが、カメラが回ると、すぐに役に入って、とても自然に演じられていたので、すごいなと思いました」と驚いた様子。『万引き家族』で高い評価を得ている城さんの演技が、今回新たにどんな印象を与えてくれるだろうか。山崎さんとの共演にも期待が高まる。ドラマ「グッド・ドクター」はフジテレビ系列にて毎週木曜日よる10時から放送中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年08月02日ベストセラー小説や少女漫画、少年漫画の人気作が相次いで映画化されている日本映画界。そんな中、第71回カンヌ国際映画祭にてパルムドールを受賞した『万引き家族』は是枝裕和監督の集大成ともいえるオリジナル脚本であり、映画ランキングで3週連続1位を獲得、興収は30億円を突破する大ヒットとなっている。また、毎年、新世代クリエイターを世に送り出す「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」にて観客賞にあたる「ゆうばりファンタランド大賞」を受賞したホラーコメディ『カメラを止めるな!』は、劇場公開されるや、連日満席が続いているという。かつて同賞を受賞した松居大悟監督の渾身の最新作『君が君で君だ』をはじめ、これからの猛暑を前に、日本映画のオリジナル作品がいまヒートアップを続けている!■現在公開中!監督の熱い思いが観客に伝播する2作品6月9日(土)より公開されている『榎田貿易堂』は、『虹色デイズ』が公開される飯塚健監督と、バイプレイヤー・渋川清彦の同郷タッグによるヒューマン・コメディ。「扱う品はゴミ以外。何でも来い」を信条にした群馬県渋川市にある開業4年目のリサイクルショップ・榎田貿易堂は、高校卒業後に上京したもののパッとせず、39歳で故郷に戻ってきた榎田洋二郎(渋川さん)が開いた店。ここに集う人間模様をユーモラスに映し出し、それぞれの再出発を描写、人生の悩みをシュールな笑いで包み、話題を呼んでいる。6月23日(土)より公開中の『カメラを止めるな!』は、新人監督・上田慎一郎のもと無名俳優により製作されたスーパーエンターテインメント作。斬新な構造と緻密な脚本、そしてキャスト・スタッフの熱い魂のこもった渾身の37分間におよぶ“ワンカット・ゾンビサバイバル”により、連日満席となっている。■人気俳優が参加!異色の恋愛物語も熱いこの2作のように、立て続けに監督の熱い思いが込められた作品が劇場を盛り上げている中、7月7日(土)からは新たなオリジナル作品が公開される。松居大悟監督が「最後の意地を込めた」と発言し、主演の池松壮亮が「やばい人たちのテラスハウス」と表現する『君が君で君だ』。「尾崎豊」や「ブラッド・ピット」、「坂本龍馬」という、好きな女の子(キム・コッピ)の好きな男になりきり、10年間見守り続けた男たち(池松さん&満島真之介&大倉孝二)を描いた、異常か純情か判断しかねる愛を描いた衝撃の完全オリジナルラブストーリー。“2人が付き合う、付き合わないといっただけではない愛のあり方もある”という持論をユーモラスかつ、熱烈な表現で描き、完成披露試写会などでは「心が八つ裂きにされそう」「この感情は言葉でうまく説明できないが、すごい」と評され、観客たちに衝撃と熱を伝播させている!いずれも独特の視点を持つ作品ばかり。それぞれに込められた熱を、劇場で確かめてみて。『君が君で君だ』は7月7日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:君が君で君だ 2018年7⽉7⽇より全国にて公開ⓒ2018「君が君で君だ」製作委員会
2018年07月07日映画『万引き家族』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が14日に都内で行われ、リリー・フランキー、高良健吾、山田裕貴、城桧吏、佐々木みゆ、是枝裕和監督が登場した。同作は是枝裕和監督によるオリジナル作で、第71回カンヌ国際映画祭にて、最高賞 パルムドールを受賞した。生活品を万引きで賄う"万引き家族"が、近隣の団地の廊下で震えていた幼女・ゆりを娘として育てることに。しかし、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく。子役に台本を渡さず、口伝えでセリフを伝えていくことで知られている是枝監督。パルムドールをとった同作品では、城桧吏、佐々木みゆといった子役の自然な演技にも注目が集まっていた。6歳の佐々木は、舞台挨拶でも自由に振舞う大物っぷりを見せている。今回の舞台挨拶でも、共演した高良の印象を聞かれて「怖〜い怖〜い幽霊みたいでした」と答え、高良がショックを受ける一幕も。また、リリーが耳元で囁き、MCの質問に「別に」と言わせようとすると、手を振って否定する。さらにリリーが「みゆちゃんに質問があります。女子一人だからキャバクラみたいな質問でしょうがないんだけど」と言った時も、佐々木は「やめてください!」とキッパリ拒否する。一方で「僕と、高良くんと、山田くんと、お父さんだったら誰がいいですか?」と聞かれると、「万引き家族!」と、リリーが一番良かった様子。実際に、舞台挨拶中もリリーからしかマイクを受け取らないなど、まるで本当の親子のような姿を見せていた。しかしリリーが「目標は、樹木希林みたいな不動産をたくさん持ってる女優さんになりたいんだよね?」と尋ねると、「やーめーてください!」と制しており、山田も「できあがってますね」と感心していた。他の人が話している時も、かなり自由に動いている佐々木。いわゆる「子役」という行儀の良さではない等身大のかわいらしさに、周囲の人たちや観客も目が離せない様子で、佐々木の動き一つ一つに微笑ましい笑いが生まれる。しかし自由すぎて舞台から去ってしまうようなことはもちろんなく、マイクを向けられればしっかりとした受け答えをする様子は、未来の大物女優の片鱗を覗かせるようだった。
2018年06月15日映画『万引き家族』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が14日に都内で行われ、リリー・フランキー、高良健吾、山田裕貴、城桧吏、佐々木みゆ、是枝裕和監督が登場した。同作は是枝裕和監督によるオリジナル作で、第71回カンヌ国際映画祭にて、最高賞 パルムドールを受賞した。生活品を万引きで賄う"万引き家族"が、近隣の団地の廊下で震えていた幼女・ゆりを娘として育てることに。しかし、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく。公開から7日間で興行収入は12億、動員は100万人を突破し、まさに「大ヒット」中の同作。父の日に合わせて、作中で父親を演じる3人の俳優と、子役の2人が集まった。是枝監督は、俳優陣の役について「みんなそれぞれ違う父性と向き合いながら、うまくいってる人といってない人がいる。高良さんの父親は理想的といってもいいけど、カギカッコ付きの『父性』。そんな2人の中、リリーさんが演じている父親がまあダメな父親だけど、父親になりたいと思っていて、三者三様」と語った。城からは、サプライズでリリーへ手紙が読み上げられる。「もう一人の優しいお父さんができたみたいで、いつも現場に行くのが楽しみでした」「リリーお父さん、大好きです」という手紙に、リリーは「ジーンとしましたね」と”父親”の顔。しかし「俺がお年玉50万円あげたことが書いてない」とジョークを飛ばすと、城から「えー、その件ですが、もらってません」とキッパリ否定されていた。一方、佐々木は「家族のみんなの似顔絵です。一昨日リリーさんにもらったペンで描いた」と一枚の絵をリリーに手渡す。リリーが「俺が仕事で使っているペンをあげたけど、俺よりも使いこなしてる」と喜ぶと、佐々木は「この漢字はみゆが書きました! まだ漢字習ってません!!」と強く主張。リリーは「本当に上手」と佐々木の絵を褒めていた。また、リリーから最後の挨拶を任された城だが、リリーが耳元で話すことを誘導。城はリリーに囁かれるままに「え〜、宴もたけなわプリンスホテルでございますが、人生には大事な袋が3つあります。1つ目が池袋です。2つ目は沼袋です。3つ目は東池袋です」と言った後、「映画を楽しんでください!」メッセージを送った。○城桧吏 手紙全文リリーお父さんへ。リリーお父さん、撮影でもカンヌでも、会うたびにいつも優しくしてくれて、ありがとうございます。撮影中、寒い時にカイロで温めてくれたり、僕のことを笑わせてくれたり、いつも気にかけてくれたり、とても嬉しかったです。もう一人の優しいお父さんができたみたいで、いつも現場に行くのが楽しみでした。大好きな家族がいたあの家に戻りたいと、いつも思っています。リリーさんのようなおしゃれで優しくて、面白くて、演技の上手な俳優さんになることが、僕の夢です。これからも宜しくお願いします。リリーお父さん、大好きです。桧吏より
2018年06月14日映画『万引き家族』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が14日に都内で行われ、リリー・フランキー、高良健吾、山田裕貴、城桧吏、佐々木みゆ、是枝裕和監督が登場した。同作は是枝裕和監督によるオリジナル作で、第71回カンヌ国際映画祭にて、最高賞 パルムドールを受賞した。生活品を万引きで賄う"万引き家族"が、近隣の団地の廊下で震えていた幼女・ゆりを娘として育てることに。しかし、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく。公開から7日間で興行収入は12億、動員は100万人を突破し、まさに「大ヒット」中の同作。高良は「友達から聞いて知って、携わったのもあるけど、日本映画がカンヌという歴史ある映画祭でパルムドールをとったことが嬉しかったです」と喜びつつ、「めちゃくちゃ嬉しかったのに、どこか自分の中でちょっとした悔しさがあった」と心境を吐露する。山田も「SNSのニュースで知ったんですけど、びっくりで。本当にとても嬉しいんですけど、多分高良さんと一緒で、もうちょっとがっつり是枝さんとやらせてもらってたら、素直にイエイ! ってできたのかな」と明かした。山田のシーンが切られていたことも多かったというが「結構スパって行かれてるところもあって、でもそっちの方が伝わるなというのを感じて、是枝さんの愛を感じました。切られても愛を感じる」と笑顔を見せた。是枝組初参加となる2人について、是枝監督は「高良さんは共通の友人である井浦新くん経由で、11〜12年前に出会った」と振り返る。「その時の印象と変わらない。まっすぐなところが好きで、チャンスがあればいつかと思いながら活躍を見ていました。大きなスクリーンの似合う役者だと思っているので、ご一緒できてよかった」と語った。また、山田については「いろんな信頼しているスタッフが、現場をご一緒して『山田くんがいい』ってみんな言うんだよね」と説明。「作品とか役にまっすぐに向き合う姿勢が、どんな役をやっていても感じられた」と理解し、「今回はちょっと切ったとこもあるんですけど、これをご縁にという感じで、来てもらえてありがたいです」と今後に希望を持たせた。高良と一緒のシーンがあった城は「優しかったです。キャップのマジックをカメラ回してない時にやってくれた」とエピソードを披露する。一方で佐々木は「怖い怖〜い幽霊みたいでした」と衝撃の一言。「演技の時が、夜に出てくるゾンビみたいだった!」と言い表し、高良も「そんなふうに思われてたのか……」と驚いていた。
2018年06月14日女優の安藤サクラが9日、都内で行われた映画『万引き家族』の公開記念舞台あいさつに、共演のリリー・フランキー、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ(子役)、樹木希林、メガホンを撮った是枝裕和監督とともに登壇した。先日開催された第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で最高賞パルムドールを受賞した同作が、いよいよ日本で公開された感想を聞かれた是枝監督は「もう少し小さく産んで、小さな声で届けていくような作品を作ろうと動き出したんですけど、結果的にはこんなに広く、遠くまで届くことができたのは、スタッフとキャストがとてもいい形でこの作品を支えてくれたおかげだと思っております」と感謝し、「すごくうれしいです」と笑顔を見せた。そしてリリーは「是枝さんみたいな奥ゆかしい方は賞をもらうことに照れがありますけど、賞が決まったことで映画館の(上映)館数が増えたり、たくさんの方に見ていただく機会が増えたことはいいことですよねと(監督と)話したりしました」と告白。イベントでは、みゆちゃんがテレビ画面に映るパルムドール像を見ながら段ボールで作ったという手作りトロフィーを是枝監督へプレゼントする一幕もあり、それを受け取った是枝監督は「本物はプロデューサーにあげて、僕はこっちをいただきます」と目尻を下げた。また、周りを見渡した安藤は「ここにいる皆さん、ものすごい方なのに、納豆ご飯みたいな感じなんです(笑)。キャビアを食べているような感じなのに、いつも納豆ご飯のようでした」と独特の表現をして笑いを誘い、「監督の器の大きさと深さを見ていると本当に恐ろしくなるくらいなんですけど、その器は納豆ご飯を食べるように、心地よく受け止めてくださるので、すごく不思議な時間を過ごしています。ものすごく日常的で落ち着く時間の中で、突然、爆発が起こるので、ちょっと混乱をしております」と吐露。「初日を迎えて、この家族とひとつ区切りがつくと思うと、さっきからさみしくてしょうがないです」と目に涙を浮かべた。さらに、締めのあいさつを求められた是枝監督は「納豆ご飯のような映画です」とコメントして会場を沸かせ、「なので、毎日食べられると思いますし、見るたびに味わいかたも変わる映画になったのではないかと思います。今日見て気に入っていただけたら、また劇場に足をお運びください」とお願いした。東京の下町で質素に暮らす、一見ありふれた家族。しかし、彼らは生計を立てるため、家族ぐるみで万引きなどを重ねていた。犯罪でしかつながれなかった家族の"許されない絆"が、ある事件をきっかけに衝撃の展開を迎える。人と人との関係が希薄な今の時代に、真の"つながり"とは何かを問う、心揺さぶる感動作となっている。
2018年06月10日これまで家族をテーマにした作品を撮り続け、国内外の映画祭にて賞を獲得してきた是枝裕和監督。最新作『万引き家族』ではあのカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した。本作が海外でも高い評価を得たのはなぜか。今回はそんな本作の魅力についてまとめてみた。■あらすじ再開発が進むなか、ポツンと残された古い住宅街。日雇い仕事の父・治と息子の祥太“親子”ならではの連携プレーで万引きに精を出している。その帰り道、団地の廊下で凍えている幼い女の子を目にした治は思わず家に連れて帰ってしまう。突然、子どもを連れてきた夫に腹をたてる信代だったが、体じゅう傷だらけのゆりの境遇を察し、面倒をみることにした。祖母・初枝の年金を頼りに暮らすその一家は、風俗のバイトをしている信代の妹・亜紀、そして新しい家族のゆりも加わり、貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかし、ある事件をきっかけに家族の隠された秘密が明らかになっていく――。■是枝監督常連キャストから、ニューフェイスまで揃った豪華な布陣これまで多くの作品でオリジナルの脚本を自身で書き、監督を行ってきた是枝監督。本作ではこれまでの作品に出演した常連キャストと、初めて参加したキャストのアンサンブルも大きな見どころの一つになっている。リリー・フランキー/柴田治役『そして父になる』で庶民的な父親を好演したリリーさんが、本作には息子と共に万引きで生計を立てる柴田治役として出演。是枝監督とは本作で4度目のタッグとなり、「純粋に嬉しいです。是枝組独特の穏やかで澄んだ空気感の中、本作は社会や人にとって、とても重大なのに、ほんの1日で黙殺されてしまうような出来事にフォーカスを当てていく。是枝監督らしい、いい作品になると感じています」とコメントしていた。安藤サクラ/柴田信代役是枝監督作には初参加となる安藤さん。リリーさん演じる柴田治の妻・信代を演じるにあたり、「いまこのタイミングでこの作品に出演できることをとても嬉しく思っています」と感動をあらわにしていた。本作での高い演技力は、監督・共演者の度肝を抜くほど。監督は、いま安藤さん以上の女優はいないのではないかと思うほどだったそう。松岡茉優/柴田亜紀役こちらも安藤さんと同じく、本作で初めて是枝監督作に出演した松岡さん。オファーを受けた際は「あの本を読んだ、あの映画を見た。産まれて、育ててもらって、生きてきたすべてのことが正しかったんだと肯定されたような気持ちでした。夢のような顔合わせは現実には思えなかったです」と心境を明かした。樹木希林/柴田初枝リリーさん同様、いくつもの是枝監督作に出演してきた大御所・樹木さん。本作でもその存在感は健在だが、「是枝作品の中に居るのは これで おしまいちょいと ブラブラしすぎる台本は読みちがえるわ 口は出すわ悪口は言うわ 都合悪けりゃボケたふりするわ困ったもんだ」と是枝作品内での引退をほのめかすようなコメントも。小さくても、作中で大きな存在感を放つ子役たち治と信代の息子・祥太と、治が家に招いた少女・ゆりは是枝監督のオーディションによって選ばれた2人。祥太役を演じた城桧吏はNetflixオリジナルドラマ「僕だけがいない街」に出演しており、ゆりを演じた佐々木みゆは、なんと本作が映画初出演だ。監督はキャスティング理由ついて、桧吏くんは「オーディションで部屋に入ってきたときにこの子だってピンときた。いつまでも見てられると思った」と語り、みゆちゃんについては「オーディションで部屋の隅でポテトチップスを食べるシーンを演じてもらったんですが、そのポテトチップスの食べ方がよかった(笑)」と明かした。ほかにも脇を固めるキャストには、池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴ら実力派俳優が揃っており、圧倒的キャスト陣で本作は挑まれているのだ。■あのケイト・ブランシェットが大絶賛! パルムドール受賞の理由とは?第71回カンヌ国際映画祭にて上映された際にはスタンディングオベーションが起こり、なんと9分間も続いた。辛口で知られる海外メディアからも高評価を得て、授賞式では最高賞であるパルムドールを獲得!日本作品では、今村昌平監督の『うなぎ』(’97)以来、実に21年ぶりという快挙を成し遂げた。この受賞理由について、審査員長のケイト・ブランシェットは「演技、監督、撮影などトータルで素晴らしかった」と述べるだけでなく、安藤さんの芝居についても熱を帯びた口調で絶賛。彼女の泣くシーンについて、「今後、私も含め今回の審査員を務めた俳優の中で、今後あの泣き方をしたら、彼女の真似をしたと思って」とコメントするほどだった。■ポスターを『海街Diary』と比較してみた本作には、クランクインに先駆けて昨年の夏に2日間だけ海で撮ったオフショットが存在する。台本も完成していない中、“家族”6人で撮ったそうで、リリーさんはその写真を「なんか劣化版の『海街diary』みたいだな」とボソリ。すると、安藤さんまでもが「そうそう、ポスタービジュアルの縁側の写真も劣化版の『海街diary』みたいなね…」と同調。続けてリリーさんが「あのポスタービジュアルの家族の笑顔と『万引き家族』ってタイトルみると、ソフトバンクの新しい家族割りみたいだよな」と話すと笑いに包まれた。お茶目なリリーさんに現場はさぞ和んだことだろう。■安藤さん、パルムドール受賞について語るも…?実は、パルムドール受賞発表前から撮影で大阪にいたという安藤さん。「この“家族たち”と夜中だけどYouTubeで中継をみようとやりとりをしていて」と準備万端で授賞式の中継を見ていたものの、「いつの間にか眠ってしまいまして…」とまさかの寝落ちをしてしまったことを告白。「そしたら、リリーさんから『サクラ起きろ!』とメールがすごい来ていて、マネージャーさんには、真っ暗にして寝ていた部屋で『パルムドールです!』と言われて…それですぐにTVをつけてニュースが流れているをみて、これは残さなきゃとフィルムのカメラでその画面を撮りました(笑)」と、受賞の瞬間をふり返った。■本作に向けられる意見に、監督はどう向き合ったのか?是枝監督は、パルムドール受賞を受けて行われた外国人特派員協会での記者会見で「社会的、政治的問題を喚起する映画を作ったわけではない」と断った上で、「2000年代に海外の映画祭で一番言われたのが『日本映画には社会と政治がない。なぜだ?』ということ。それは、そういう作品は、興行として成立しにくいという判断を、日本の大きな興行会社をしてきたから。それは日本の映画の幅を狭くしていると自覚はしていました」と語った。しかし、パルムドール受賞という最大級の結果に、様々な反響が寄せられるようになり、是枝監督は「21年ぶりの(日本映画の)パルムドールということで、思った以上に取り上げられて、普段、映画について語らない人たちもこの映画について語る状況になって、一部で、僕と僕の映画が物議を醸しているかのような状況になっていますが」と、是枝監督を取り巻く状況が一変したことを明かしつつも、「それはこの映画が、通常の枠を超えて多くの人のところに届いているのだなと個人的には前向きに捉えています」とコメントしてみせた。海外でも非常に高い評価を得た本作。今回の受賞によって、日本と海外の距離が縮まったようにも感じる。なにより映画好きの人は、カンヌの舞台裏などを監督のコメントからも知ることができ、作品以外にも注目したい点は盛りだくさんだ。そんな魅力満載の『万引き家族』をぜひ劇場で。『万引き家族』は6月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年06月09日◼︎日本人21年ぶりのパルムドール!読者のみなさん、こんにちは。今回みなさんにご紹介したいのは、日本人監督作品としては、1997年の今村昌平(いまむら・しょうへい)監督『うなぎ』以来、21年ぶりにカンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールを獲得した是枝裕和(これえだ・ひろかず)監督の『万引き家族』です。1995年『幻の光』でデビューした是枝監督は、2004年、事件報道で断罪された家族の内側を描いた『誰も知らない』で、主演の柳楽優弥に史上最年少および、日本人として初めてのカンヌ国際映画祭・最優秀主演男優賞をもたらしました。2013年の『そして父になる』で子どもを取り違えられた夫婦を、2015年の『海街diary』では腹違いの姉妹を、2016年の『海よりもまだ深く』では離婚した夫婦とその子どもなど……さまざまな家族の形を描き続けてきた是枝監督。本作で描くのは、祖母の年金を頼りに、足りない生活品は万引きで賄う、とある家族の姿です。◼︎『万引き家族』のストーリー高層マンションの谷間にポツンと取り残された平屋で暮らす5人の家族。祖母の初枝(樹木希林)、父の治(リリー・フランキー)、妻の信代(安藤サクラ)、息子の祥太(城桧吏)、そして信代の妹の亜紀(松岡茉優)は身を寄せ合って暮らしていた。ある日、街角のスーパーで、鮮やかな連携プレーで万引きをした治と祥太は、帰り道にある団地で凍えている小さな女の子(佐々木みゆ)を見つける。母親に部屋から締め出されたらしいその様子を以前にも見かけていた治は、その女の子を家に連れて帰ることにするのだった。その日の深夜。自分の名前を「ゆり」と答えたその女の子を、団地まで送り届けようとした治と信代だったが、ゆりの両親が罵り合う声を聞いてしまう。「産みたくて産んだわけじゃない」という言葉を聞いたふたりは、ゆりを残して帰ることができなかった。季節は流れ、春。「荒川区で5歳の女の子が行方不明」というニュースが流れ、行方不明の「じゅり」ちゃんが、「ゆり」だと知った家族は、彼女の呼び名を「りん」に変える。「りん」として生きることを選んだ少女を加え、ゆっくりと、確かな絆で結ばれていく家族だったが、ある事件をきっかけにそれぞれに抱えてきた秘密が暴かれることとなり……。◼︎是枝作品の常連キャスト×新キャスト『そして父になる』以来、これまで三度是枝作品に出演してきたリリー・フランキーはもちろん、6作目の是枝作品出演となったベテラン女優・樹木希林の深みのある演技は必見です。祖母・初枝を演じるにあたり、「その方が気持ちが悪い」という理由で、普段よりも髪を伸ばし、入れ歯を外すという役作りを行っています。また、初の是枝作品参加となった母の信代に扮した安藤サクラ、信代の妹・亜紀に扮した松岡茉優、そしてオーディションによって選ばれた子役のふたりが、絶妙なバランスで「犯罪でしかつながれなかった」家族にリアリティを与えています。◼︎「犯罪でしかつながれなかった」すでに死亡している親の年金を、家族が不正に受給していた事件を知ったことが、本作を作るきっかけになったという是枝監督。まずはじめに思いついたのは、「犯罪でしかつながれなかった」というキャッチコピーだったそうです。家族のつながりに根底にあるものは、果たして”血”なのかどうか。2013年の『そして父になる』、2015年の『海街diary』などの作品で、家族のつながりに大切なのは血なのか?一緒に過ごした時間なのか?という問いかけを提示した監督が、血ではなく犯罪でつながった家族の姿を描き、あらためて絆とは何かを問い直します。これまで是枝作品を観たことがない方にとっても、是枝作品のエッセンスがすべて詰まっている本作。パルムドールを受賞し話題となっている『万引き家族』は是枝作品の最初の一本としてもオススメです。震災以降、家族の絆が叫ばれ続けている中、あらためて家族のつながりについて考えてみませんか?『万引き家族』は6月8日より全国で公開されています。◼︎『万引き家族』公開情報『万引き家族』6月8日TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー監督・脚本:是枝裕和出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林配給:ギャガ上映時間:121分公式サイト:©2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年06月08日是枝裕和監督が6日、都内の日本外国特派員協会で映画『万引き家族』(6月8日公開)の記者会見を行い、本作について一部で批判の声が上がっていることのほか、一人の少女に感銘を受けたエピソードを明かした。同作で原案・脚本・編集を担当した是枝監督は、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞。日本人監督作品としては、1997年の今村昌平監督「うなぎ」以来21年ぶりの快挙となった。物語の主役は、祖母の年金で足りない生活品を万引きで賄う"万引き家族"。近隣の団地の廊下で震えていた幼女・ゆりを娘として育てることになり、それまでの笑いの絶えない家庭がある事件をきっかけに崩壊し、それぞれが抱える秘密が明らかになっていく。カンヌで日本の貧困問題に質問が集中したことについて外国人記者から感想を求められた是枝監督は、「この映画は社会的、政治的な問題を喚起するような目的で作ってはいないので、そのようなリアクションが起きるとは思ってなかった」と意外だった様子。パルムドール受賞によって世間の注目度が増し、「普段映画について語らない人たちもこの映画について語るような状況がいま起きている。一部で僕と僕の映画が物議を醸しているような状況になっているんですけども」「通常の枠を超えて多くの人のところに届いているんだなと個人的にはすごく前向きに捉えています」と冷静に語る。撮影前には、児童虐待の保護施設を訪れたこともあったという。学校から帰って来た女の子に「今、何勉強してるの?」と尋ねると、女の子はランドセルから国語の教科書を取り出し、レオ・レオニの「スイミー」を朗読しはじめた。施設職員から「みんな忙しいんだから」とやんわり注意されても気にも留めず、結局は最後まで読み切ってしまう。「僕たちがみんなで拍手をしたら、すごくうれしそうに笑った。この子はきっと、今は離れて暮らしている親に聞かせたいんじゃないか。その子の朗読をしている顔が頭から離れなくて、今回の映画の中で少年が教科書を読むシーンを書きました」と秘話を明かす。その後、別の記者からの「社会問題をテーマに選んだ関係上、観衆の対象として監督の頭の中に政治を生業にする人、あるいは官僚、そういった人たちがイメージの中にあったのか」には、「ありませんでした」と即答。「テレビをやっている時代から先輩に言われていたことが、『誰か一人に向かって作れ』『一人の顔を思い浮かべながら作れ』でした」と回顧した。「それは母親でもいいし、田舎のおばあちゃんでもいいし、友人でもいい。結果的にそれが多くの人に伝わる。僕が20代の頃に言われて、ずっとそうしています」と自身のこだわりを語る是枝監督。「今回は……」と一呼吸置き、「今言われて、はっきり分かりました。僕は『スイミー』を読んでくれた女の子に向かって作っていると思います」と自身の本心とあらためて向き合っていた。
2018年06月07日映画『万引き家族』(6月8日公開)の親子三世代試写会舞台挨拶が3日に都内で行われ、リリー・フランキー、城桧吏、佐々木みゆ、是枝裕和監督が登場した。是枝監督は5月20日(現地時間19日)、映画『万引き家族』(6月8日)で最高賞のパルムドールを受賞。日本映画の同賞は、1997年の第50回カンヌ国際映画祭にて今村昌平監督作品『うなぎ』が受賞して以来21年振り、カンヌのコンペで日本映画が受賞するのは是枝監督の『そして父になる』以来5年振りとなる。11歳の城は「自分が映ってることをとても不思議に思って。良い作品に出来上がったなと思って、すごく嬉しかった。良かったです」と大御所発言。是枝監督はかしこまって「ありがとうございます」と頭を下げる。佐々木は「海で遊んだことがすごく楽しくて、オーディションに受かって良かったなと思いました」と語った。リリーから「2人とも台本をもらってないですけど、出来上がった時に、リリーさんこんなにお尻出してるとは思わなかったでしょう?」と聞かれると、城は「はい」と苦笑。城はパルムドールの反響について、「学校の人からは『おめでとう』とか、『一番すごい賞でしょ』って聞かれたり。すごいねっていう人が多かったです。生活には変化はないですね」と明かした。また、6歳の佐々木は「『佐々木みゆちゃんだよね』と言われた。こないだは学校で4年生が飛び出してきてました。『めっちゃかわいい』って言われました」とはにかんだ笑顔を見せた。パルムドール受賞後初の監督との対面となり、パルムドール像とも初対面。家では段ボールでパルムドール像を工作していたという佐々木は「ダイヤモンドでできているの? プラスチックかな?」と率直に疑問を表し、周囲を笑わせる。パルムドール像を触った城は「この手は洗いません」と宣言し、佐々木は「ここ(腕)が痛い。マイクより重たい」と訴えていた。同作について是枝監督は、「いろんな目線で見られるようには作っていて。リリーさん安藤さんから親の目線で見るとちょっと切ない。子供の目線でこのラストを見ていくと、親を超えて成長していく、彼らの目線の先にはちょっとだけ希望が感じられるような映画にしたいなと思って作った」と振り返る。「リリーさんからも、自分の出番がない時にも『今日のみゆはどうでしたか』と寂しそうなラインが来るので、2人の写真を撮って送ったり。カメラが回ってないところでもあたたかいつながりがみんなで作れた」と明かした。本作の主役は、祖母の年金で足りない生活品を万引きで賄う"万引き家族"。社会の底辺でありながら笑いの絶えない生活を送る中、近隣の団地の廊下で震えていた幼女・ゆりを娘として育てることに。ところが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく。リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林らが出演する。
2018年06月03日フジテレビジョン 映画事業局 松崎薫プロデューサーが28日、同局で行われた『万引き家族』(6月8日公開)第71回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞取材会に登場した。『そして父になる』『海街diary』『海よりもまだ深く』『三度目の殺人』、そして『万引き家族』と、5作連続で是枝裕和監督作品を手がけてきた松崎プロデューサー。今回のパルムドール受賞のポイントについては、「審査員との相性が良かったんじゃないか。女性が多かったことが幸いしたかもしれない」と分析する。実はカンヌには「行かないつもりだったんですよ。手応えはあったんですけど」と苦笑しつつ、「(発表)前夜に同僚から『絶対行くべきだ』」と背中を押され、急遽当日朝の便で現地入り、「5分前に滑り込みました」と明かした。「なかなかあの体験はできない。是枝監督の隣の隣におりました。ちょっと映り込んじゃって」と振り返った。『万引き家族』については「『誰も知らない』みたいな社会派の匂いがするものをやってみたらどうか」と話していたことで具体化していったというが、松崎プロデューサーは「理想的な、作品だなと思いました」と思いを表す。「是枝監督も、今回の作品は『感動作!』とか言ってほしくない、そっと見たい人に提供したい作品だとおっしゃってて、そこのバランスが難しい」と思案する一方で、当初およそ150館だった上映館数は、受賞後325館に増えるなど、注目度の高さをうかがわせる結果となった。同局の作品と、是枝監督の作品はイメージが真逆では? という指摘には、「個人的に、カンヌに出品してるような作品が好きだった」と理由を語る。『踊る大捜査線』『コード・ブルー』のような、ドラマからの大型映画というイメージも強いが「矢口(史靖)さんとか、周防(正行)さんとか、三谷(幸喜)さんとか、作家性の土壌はあるし、2本柱でやってきた」と説明。是枝監督はもともと同局のドキュメンタリー番組も手がけていただけに、「せっかく歴史があるし、ご縁があればいいなと機会を探していた」という。5作連続のタッグとなったのは「一緒にいる時間が長かったから」と謙遜していた。松崎プロデューサーは、是枝監督と仕事を共にする時の喜びはやはり、監督の「才能」を目の当たりにすることだと語る。「脚本から編集終わりのところまでの変化がすごくある。『是枝マジック』と呼んでるんですけど、たくさん撮って、大胆に編集をなさる。その編集の緻密さや過程がやっぱり凄いなと思います」と感嘆。今回も「リリー・フランキーさんもすっごい走ってすっごい号泣させられてるんですけど、全部カット(笑)。『三度目の殺人』でも、福山雅治さんが前日に渡されて、何ページにもわたるセリフがあったのですが、バッサリでしたしね」と明かし、「そこは純粋に作品に向かって仕上げられる方です」と分析した。同作の主役は、祖母の年金で足りない生活品を万引きで賄う"万引き家族"。社会の底辺でありながら笑いの絶えない生活を送る中、近隣の団地の廊下で震えていた幼女・ゆりを娘として育てることに。ところが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく。リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林らが出演する。
2018年05月29日是枝裕和監督の最新作『万引き家族』が、第71回カンヌ国際映画祭にて最高賞のパルムドールに輝いたことを受け、リリー・フランキー、安藤サクラらキャスト陣からも喜びのコメントが到着した。受賞後の公式記者会見で是枝監督は、今回受賞した『万引き家族』で描いた“家族像”について、「『そして父になる』は、“家族は時間なのか血なのか”ということを問いながら作った映画だったんですけど、その先に、産まないと親になれないのだろうかという問いを立ててみようと思いました。今回の物語の中心にいるのは、自分の子どもではない子どもを育てながら父親に、母親になりたいと思う、そういう人たちの話をやろうと思ったのが最初でした」とコメント。「彼らをどういう状況に置こうかというのを考えたときに、ここ数年日本で起きているいくつかの家族をめぐる出来事を、新聞とかニュースで目にしたとき、経済的にかなり追い込まれた状況で、万引きとか年金を不正に受給することでかろうじて生活を成り立たせている家族というものの中に、そういうテーマ、モチーフを持ち込んでみようかなと思ったのが今回の映画になりました」とその経緯を明かしていた。また、審査員長を務めたケイト・ブランシェットが閉会式で「invisible people(見えない人々)」が今回の大きなテーマと語っていたことについて、「『誰も知らない』のときにも、社会から見えなくなっている子どもたちをどう可視化するかということを考えながら撮った」と触れながら、「今回もスタンスとしては同じなので、やはりそれを見過ごしてしまう、もしくは目をそむけてしまいがちの人々をどう可視化するかということ」が監督自身のスタンスと語り、「今回はかなりストレートに反映された映画だったというのは間違いなく思っています。(だからこそ)ブランシェットさんの言葉はすごく嬉しく聞きました」とも現地の囲み取材で語っている。■“万引き家族”からも歓喜のコメント到着!「リリーさんとかサクラさんと子どもたちも含め、トロフィーを持って会えるといいなと思っています」という是枝監督に、キャスト陣からも喜びのコメントが到着している。リリー・フランキー監督、本当に本当におめでとうございます!獲ると信じていましたが、現実になると驚きと感動でじんましんが出ました(実話)。監督、めちゃくちゃカッコいいです!安藤サクラやったー!本当におめでとうございます!!こんな特別な瞬間を共有できること、こころから嬉しく思います!万歳!松岡茉優あの家族はいたのだと肯定してもらったようで嬉しいです。思い出をいつまでも愛しています。樹木希林往きの飛行機の避雷針が雷を受けました。異様な響きと共に私の座席の天井が破け、酸素マスクや破片やゴミや、バラバラッと落ちて来ました。「是枝さんもうくす玉が割れちゃったから賞はおしまい」-----の筈がめでたいことです。子役・城桧吏是枝監督、関係者のみなさま「パルムドール」受賞、本当におめでとうございます!『万引き家族』という作品に出演できて、改めてとても嬉しい気持ちです。監督と家族6人でカンヌへ行けて、一生の思い出になりました。本当にありがとうございました。子役・佐々木みゆやったーーー!!!!!!!!かんとくおめでとうございます!みんなでさつえいがんばったから 、とってもうれしいです。はやくかぞくのみんなにあいたいです!■審査員の公式記者会見コメントケイト・ブランシェットこの作品は演技、監督、撮影、など総合的に素晴らしかった。選ぶにあたって気に入っていた作品を落とさないといけないのはつらかったし、難しかったけど最終的に私たちは意見が合致したの。『万引き家族』はとにかく素晴らしかったわ。ドゥニ・ヴィルヌーブ監督この作品は私たちに深い感動を与えてくれました。とにかく恋に落ちてしまった。上品で素晴らしくとても深い。魂をわし掴みにされた。『万引き家族』は6月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年05月21日第71回カンヌ国際映画祭の授賞式が日本時間5月20日(日)(5月19日夜)に行われ、是枝裕和監督の『万引き家族』が最高賞であるパルムドールを受賞した。日本時間5月14日(月)に行われた公式上映では、約9分に渡るスタンディングオベーションがおこり、辛口で知られる海外メディアから高評価を得ていた本作。授賞式では、今回の審査員長のケイト・ブランシェットをはじめ、エイヴァ・デュヴァーネイ監督、クリステン・スチュワート、レア・セドゥ、『ブレードランナー2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督ら審査員により発表された。■是枝監督「分かち合いたい」とスピーチ壇上に上がり、ブランシェットから賞を受け取った是枝監督は「さすがに足が震えています。この場にいられることが本当に幸せです」とその喜びを表現。「そしてこの映画祭に参加するといつも思いますが、映画をつくり続けていく勇気をもらいます。そして、対立している人と人を、隔てられている世界と世界を映画が繋ぐ力をもつのではないかという希望を感じます」とコメント。「今回みなさんにいただいた勇気と希望をまず一足早く戻ったスタッフとキャストに分かち合いたいですし、作品が選ばれたにも関わらず、ここに参加できなかったふたりの監督たちとも分かち合いたいですし、これから映画をつくり、ここを目指す若い映画の作り手たちとも分かち合いたいと思います。ありがとうございます」と語った。カンヌ国際映画祭において最高賞にあたるパルムドールの日本映画の受賞は、 1997年・第50回カンヌ国際映画祭にて故・今村昌平監督作品『うなぎ』以来21年振り。コンペティション部門での受賞は、是枝監督『そして父になる』の審査員賞以来5年振り。『誰も知らない』では主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞しているが、今回のパルムドールは監督自身初めて。『万引き家族』は6月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年05月20日是枝裕和監督の映画『万引き家族』(6月8日公開)が第71回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞したことを受け、同作に出演している俳優・山田裕貴が20日、ツイッターを通じて心境を伝えた。山田裕貴山田は、「少しでもこの作品に携われたこと、大変光栄です。本当に本当におめでとうございます!」と、歓喜と祝福。「この嬉しいニュースでまた新たに映画に興味を持つ人が増えるといいな。もっと、もっと、どんなジャンルであれ見てもらえる魅力ある人間、俳優になりたい」と俳優としての意気込みもつづった。同作は、祖母の年金で足りない生活品を万引きで賄う"万引き家族"の物語。社会の底辺でありながら笑いの絶えない生活を送る中、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく。北条保役で出演している山田。今年2月のツイッターでも、「ものすごいご縁で、人のご縁でオーディションに呼んで頂き参加させて頂くことになり、嬉しくて飛び上がりました。中でも、監督から頂いた言葉に感動」とファンに向けて報告していた。
2018年05月20日第71回カンヌ国際映画祭の授賞式が20日(現地時間19日)に行われ、是枝裕和監督の映画『万引き家族』(6月8日公開)が最高賞となるパルムドールを受賞した。日本映画の同賞は、1997年の第50回カンヌ国際映画祭にて今村昌平監督作品『うなぎ』が受賞して以来21年振り、カンヌのコンペで日本映画が受賞するのは是枝監督の『そして父になる』以来5年振りとなる。是枝裕和監督日本時間5月14日に行われた公式上映では、約9分にわたるスタンディングオベーションが起こり、辛口で知られる海外メディアからも賛辞が飛び交うなど、受賞への期待が高まっていた本作。授賞式でパルムドールが発表されると、是枝監督は壇上で「さすがに足が震えています」と信じられないといった様子。「この場にいられることが本当に幸せです」と喜びを口にし、「そしてこの映画祭に参加するといつも思いますが、映画をつくり続けていく勇気をもらいます。そして、対立している人と人を、隔てられている世界と世界を映画が繋ぐ力をもつのではないかという希望を感じます」と映画の可能性を噛み締める。そして、「今回みなさんにいただいた勇気と希望をまず一足早く戻ったスタッフとキャストに分かち合いたいですし、作品が選ばれたにも関わらず、ここに参加できなかったふたりの監督たちとも分かち合いたいですし、これから映画をつくり、ここを目指す若い映画の作り手たちとも分かち合いたいと思います」とコメント。「ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えた。本作の主役は、祖母の年金で足りない生活品を万引きで賄う"万引き家族"。社会の底辺でありながら笑いの絶えない生活を送る中、近隣の団地の廊下で震えていた幼女・ゆりを娘として育てることに。ところが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく。リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林らが出演する。
2018年05月20日現在開催中の第71回カンヌ国際映画祭にて、「コンペティション」部門に正式出品された是枝裕和監督作 『万引き家族』。本作に出演する、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林、城桧吏、佐々木みゆ、そして是枝監督がカンヌ入りし、公式上映に出席。上映後は約9分間ものスタンディングオベーションが起こった。公式上映前のレッドカーペットには、「ジョン・ローレンス・サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)」のタキシードにハットを合わせクラシカルに着こなしたリリーさんや「アルマーニ(ARMANI)」を着用した是枝監督と桧吏くんをはじめ、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のローズピンクのロングドレスを身に着けた安藤さん、「エトロ(ETRO)」の白いレースドレス姿の松岡さんらが仲良く手をつないで登場。緊張した様子を見せるみゆちゃんに安藤さんが優しく声をかけるなど、まるで本当の“家族”のような雰囲気だった。そして始まった公式上映では、2200席の会場が満席に。エンドクレジットから拍手が始まり、会場が明るくなると全観客総立ちの拍手喝采。なかには感動で涙を浮かべる人の姿もあり、そんな観客の様子に是枝監督とキャストの目にも思わず光るものが浮かび、リリーさんが眼鏡をとり涙を拭う姿も見られた。そして、まったく鳴り止みそうもない拍手を切り上げようと是枝監督が移動するもスタンディングオベーションは約9分間にわたって続き、大好評のうちに公式イベントは幕を閉じた。是枝監督作品のカンヌ国際映画祭への出品は今回で7回目。上映後、是枝監督は「終わった後の拍手が夜中にも関わらずあんな風に温かくそして長く頂けたので本当によかったと思います」とホッとした様子。リリーさんも「最後頂いた拍手とか、お付き合いでしているのではなく、みなさんの表情から本当に想いの入った拍手だと感じたので、すごい良い経験をさせていただきました」と手ごたえを実感したようだ。カンヌ初参加となった安藤さんと松岡さんは、「自分が出ていることも考えずにいち観客として映画に集中して観てました。カンヌの大きなスクリーンで、隣で監督と一緒に観ることにちょっと緊張しつつ、上映後は大きな拍手を頂いて、あの盛り上がり方を受けて、なんという作品に参加させてもらえたんだろうとまだその興奮が冷めていない状態です」(安藤さん)、「観客のみなさん正装で劇場もとても大きく、大人数の中で一緒に映画を観るという体験がすごく新鮮でした。そういう空間だからか一体感もあり、この大人数の方々が同じ時間でこの作品について色々なこと考えているんだろうなと思うと、素敵な時間でした」(松岡さん)とそれぞれ感想を述べた。なお、『誰も知らない』では柳楽優弥が最優秀男優賞を、『そして父になる』では審査員賞を受賞し海外からも注目を集める是枝監督作品。今回も賞の行方に大きな注目が集まっているが、是枝監督に賞への手ごたえを聞いてみると、「意気込みとか手ごたえという質問が一番答えにくいので、いつもなるべくはぐらかしていたんですけど…それ以上言えないんですけど(笑)、でも、客席との一体感もある良い上映だったと思います」とコメント。また「母の兼ねてからの夢がいつか誰かにカンヌに連れていってもらうことだと小さいときから聞いていて」と安藤さん。この日は“母の日”ということもあり、安藤さんは母・安藤和津を連れてきたと言い、「まさか末っ子の私が、やっと母の夢を叶えてあげることができてよかったなと思います」と親孝行も。最後に是枝監督は、「自分が関わっている『映画』という仕事を、もう一度背筋を伸ばして見つめなおす場所」と“カンヌ映画祭”への思いを明かし、松岡さんは「わたしみたいに、飛びぬけて華やかなルックスじゃなかったりとか秀でたものがないひとも、チャンスとかラッキーとか奇跡ってあるんだなって思って。でもそれがチャンスとかラッキーじゃなくて、わたしが頑張りましたって胸を張って、ここにまた戻ってきたいなと思ったので、これからも頑張ります」と決意を新たにしていた。『万引き家族』は6月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年05月14日