「中村ゆり」について知りたいことや今話題の「中村ゆり」についての記事をチェック! (8/10)
藤原竜也、山本裕典が栗山民也演出のもと、韓国現代戯曲に挑む舞台『鱈々』。韓国演劇界の重鎮、劇作家・李康白の代表作のひとつで、藤原と山本、そして中村ゆり、木場勝己の4人のみで展開する濃厚な会話劇だ。物語の舞台となるのは、時代も、国も定かではないある場所。ジャーン(藤原)とキーム(山本)はともに倉庫で暮らしながら、日々箱を積み下ろすだけの作業を長年続けている。几帳面に作業を全うすることを生き甲斐とするジャーンと、変わらない毎日にいらだち、脱出を願うキーム。彼らの前に妖艶な女ミス・ダーリン(中村)と女の父親(木場)が現れて、男ふたりの平坦な日常が揺らぎ始める。10月7日の開幕に向けて、連日高い集中度で稽古に臨む藤原、山本のふたりに、稽古の手応え、本作への思いを聞いた。舞台『鱈々』チケット情報「栗山さんは稽古のスピードが速いんですね。作品に対するイメージが出来上がっていて、演出家として初日に向けて計算をしながら、日々、僕らに的確な指示をくれる。僕らは必死についていきながら、栗山さんの一つ一つの言葉を大事にキャッチして、自分の内側に埋めていく作業を今、やっています。短いけれど、とても深い、いい時間を与えてもらっているなと。必死でやっているうちに、あっという間に初日になっちゃうのかなという緊張もありますね」(藤原)「僕はいまだに緊張していて、稽古場に来るのがつらいです(笑)!栗山さんに何か言われると、ああ~、そうだった!って毎日思って、オロオロしちゃってます。4人のキャラクターが確立しているので、自分の役割を果たす、そのプレッシャーは半端じゃないんですよね。でも、自分なりにこんな感じに積み上げていけばいいんだな、と思えた時は、今日は頑張ったな!って達成感があって、すごく気持ちいいです」(山本)ふたりの口調から漂う雰囲気が、すでにジャーンとキームのよう。自身との共通項を問うと、藤原が「ありますよ」と即答した。「キームみたいに外の世界に飛び出して、違う自分を見てみたい思いは、若い人なら誰でもあるはず。またジャーンみたいに『この仕事そのものが僕の存在証明なんだ』と思ってしまう人間性も理解できます。対照的なふたりが非常にうまく書かれた、優れた戯曲だと思いますね。裕典、キームに合ってるよね?楽しそうにやってる(笑)」(藤原)「はい。稽古で栗山さんに『ちょっと動物的にやって』と言われたんですが、僕自身、動物的な部分があるなと(笑)。竜也くんも本当にしっかりした方なので、普段のまんまのような気がします」(山本)対照的なふたりの男の人生の選択が、どんな衝撃を生むことになるのか。韓国演劇の妙を味わう体験が間近に迫っている。「栗山さんと4人の役者で立ち向かう、シンプルで深い作品。濃密ないい時間、いい芝居になればと思っています」(藤原)公演は10月7日(金)から30日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。その後、大阪ほか、全国を巡演。取材・文上野紀子
2016年10月06日藤原竜也、山本裕典の競演舞台『鱈々』が10月7日(金)、天王洲銀河劇場にて開幕する。韓国を代表する劇作家のひとり、李康白による四人芝居で、藤原、山本のほかに中村ゆり、木場勝己が出演。時代も、国もわからないとある場所を舞台に物語は展開する。長い年月を倉庫で暮らし、箱を積み下ろすだけの作業を日々続けているジャーン(藤原)とキーム(山本)。彼らの前に妖艶な女ミス・ダーリン(中村)と女の父親(木場)が現れて、男ふたりの平坦な日常が揺らぎ始める。演出家・栗山民也が、際立つ個性と実力を併せ持つ俳優陣とともに、さまざまな示唆を感じさせる巧妙な韓国現代戯曲をどう立ち上げるのか。四人だけの濃密な対話劇、その稽古場を覗いた。舞台『鱈々』チケット情報張り出し舞台の形をとった舞台面には、二台のベッドが上手と下手に分かれて、簡素に置かれていた。一方はきれいに整頓され、もう一方は乱雑なまま。几帳面なジャーンと自由奔放なキーム、それぞれの性格が寝床にも表れていて面白い。舞台奥の壁面には、ふたつのベッドを見下ろすように箱が高々と積み上げられ、不気味な圧迫感を醸し出している。異様な雰囲気の中、これもまた簡素な卓を前に山本と木場が向き合って、ある場面の立ち稽古がスタートした。花札をめくりながら、ふたりは賭け事に集中している。感情が顔にすぐ出てしまう真っ直ぐな気性の山本キームを、木場は獲物をじっくりと仕留めるように翻弄。狡猾さがにじむ声のトーンに惹きつけられる。まんまと騙されて金を巻き上げられたキームは、落胆の大絶叫だ。倉庫中を駆け回り、悔しさを全身で表わす山本の演技に、栗山を始めとするスタッフ陣から笑いが沸き起こった。続いてジャーンとミス・ダーリンのシーンへ。意味ありげな視線でジャーンを誘惑するミス・ダーリン。中村の力みのない口調、浮遊感のあるたたずまいには、確かに魔性の匂いが漂って非常に魅力的だ。顔を真っ赤にして応対する藤原ジャーンは、セリフのひと言、ひと言に不器用な生真面目さが表れて、やはり周囲の失笑を誘っていた。箱を開ける、開けないで言い争うジャーンとミス・ダーリンのやりとりでは、爆笑が響き渡るほど。謎めいた印象の濃いこの戯曲が、これほど笑いの種を含んでいたことに驚いた。しかし、続いてのジャーンとキームの素朴な会話のシーンは、ふたりのあいだに流れる微妙な空気が緊張を呼び、思わず息を詰めて見つめることになる。変わりばえのしない毎日にいらだち、倉庫を飛び出そうとしているキームに対して、ジャーンが静かに訴える。「行かないでくれよ。俺と一緒にここにいようよ」。藤原の感情を抑えた表現が、寂しい余韻となって胸を刺す。最終場の稽古は、栗山の意向により見学は許されなかった。ジャーンとキーム、ふたりの示す生きざまは観る者に何を語るのか。それぞれが選択した未来とは…。謎の結末は劇場で確かめるしかない。公演は10月7日(金)から30日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。その後、大阪ほか、全国を巡演。取材・文:上野紀子
2016年09月29日9月6日。初日を1か月後に控えた舞台『鱈々』の顔合わせが行われた。舞台『鱈々』チケット情報韓国の戯曲が、6都市ツアーを含むこれほどの規模で上演されるのは日本ではほぼ初めて。稽古を始める前に劇作家・李康白氏から、この日のために届いたというメッセージが読み上げられる。「戯曲は紙に書かれた文字です。その文字を、舞台の上で生き生きと動き回る生命体にするには、皆さんに体を与えてもらい、魂を吹き込んでもらわなければなりません」と始まる文章には、演出:栗山民也への敬意や、康白氏の令嬢がキャストの藤原竜也ファンだということも記され、カンパニーを大いに激励する内容だった。続いて挨拶を求められた栗山も「最近の日本は、何もかもを“わかりやすさ”で括ろうとする危険な状態にあります。だからこそ他者や種々の出来事に対し、自分の視点からきちんと問い掛けることが、混迷する現代日本を生き伸びるためには不可欠。この戯曲には、そんな、今の日本から失われたものが多々含まれている。目に見えぬ大切なものを見つけるために最適の戯曲を、皆さんと共に舞台に立ち上げたいと思っています」と、康白氏の言葉を引き継ぐように檄を飛ばした。戯曲は冒頭から真面目で几帳面なジャーン=藤原竜也と、やや投げやりで粗暴なキーム=山本裕典、ふたりのやりとりが延々と続き、稽古場はあっという間にふたりが暮らす薄暗い倉庫、その息苦しいような雰囲気へと塗り替えられていく。同じ仕事、意味も理由もあいまいな作業を繰り返す日々にうんざりし、イラつくキームを穏やかに誠実になだめるジャーン。初回とは思えぬほど藤原&山本のコンビネーションが良く、時に周囲に笑いも巻き起こしながら、会話はどんどんテンポアップしていく。場が変わって中村ゆり演じるミス・ダーリンが登場。男たちとは別の角度から、自身の人生をなんとか変えようと足掻くダーリンを、中村は繊細にしなやかに表現する。彼女の父親でトラック運転手役の木場勝己は、その登場から倉庫にそれまであった、退屈な平穏をぶち破る衝撃。圧倒的な声量と迫力が、場の空気を震わせる。閉塞した劇中の状況とは裏腹に、本読みはスピーディに進み、一度の休憩を挟んだものの100分程度でラストまで駆け抜けた。「面白いホンだよね。平凡な日常を描いているようで実は、人物や倉庫から出し入れされる大量の箱の存在など、非常に象徴的かつ寓話的で、観る者に多くを想像させる。稽古では、観客がさらなる想像を膨らませられるよう、色々なことを仕込んでいこうと思う」と、栗山。4人の俳優たちも、それぞれ思うところのある表情で席を立っていった。秘密や謎の多い戯曲に、エネルギッシュな4人の俳優と演出家が挑む。その先にどんな舞台が生まれるかはまだわからないが、多くの観客が“未知”の演劇に触れられる。そんな予感を強くした一日だった。公演は10月7日(金)から30日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。その後、長野、大阪、鹿児島、福岡、静岡を巡演。取材・文:SORA ONOE
2016年09月09日世界的人気ドラマ「コールドケース」の日本版である「コールドケース~真実の扉~」。ついに放送が来月へと迫ってきた本作だが、この度各話のエピソードを飾るゲストの豪華俳優陣が発表された。2003年から2010年まで、全7シーズンにわたってアメリカ・CBSで放送されていた刑事ドラマシリーズが原作の本ドラマ。オリジナル版ではフィラデルフィアが舞台だったが、本作では舞台を神奈川に移し、主人公の刑事とそのチームのメンバーが毎話異なる未解決事件の真相をたどり、事件を解決していくストーリーとなっている。主演の吉田羊が捜査一課の警部・石川百合役を演じるほか、捜査一課のメンバーに永山絢斗、滝藤賢一、光石研、三浦友和ら豪華メンバーが集結。また、準レギュラーキャストとして宮沢和史、藤澤恵麻、平田薫ら追加キャストも出演する。そして今回、新たに各話に登場するゲストに、「仮面ライダーフォーゼ」の吉沢亮、『高校デビュー』の大野いと、映画にドラマ、舞台、CMと多方面活躍する仲里依紗、「踊る大捜査」シリーズやバラエティ番組でも活躍するユースケ・サンタマリア、現在放送中のドラマ「仰げば尊し」に出演中の村上虹郎、『愛の渦』『二重生活』の門脇麦、そして名優・仲代達矢、江波杏子(登場順)と、いま注目を集める若手俳優から日本を代表する実力派俳優まで多彩な顔触れのキャストが発表。精神が不安定ながらも、1人の女性に魅了されていく順一という役どころの吉沢さんは、「難しい役どころでしたが、監督と話し合いながら役を作っていく撮影はとても楽しかったです。また、先輩方のお芝居がとても刺激的で、学ばせて頂くことが多い充実した現場でした」とふり返り、6歳の子どもを持つ母親役を演じた仲さんは「少し不安がありましたが、自分なりに演じることができました。辛い過去がある役だったので演じていて苦しい時もありましたが、娘役の安藤結埜ちゃんの明るさに助けられました」とコメント。本作の監督波多野貴文とは今回が2回目だという門脇さんは「またご一緒出来ることがまず何より嬉しく幸せでした。回想シーンで登場する役ということもあり、断片的に描かれた役をどう消化して埋めていくか不安もありましたが、衣装、ヘアメイク、セットにも助けられながら、台本と現場の空気と世界観にひたすら身を委ね続けた濃密な時間でした」と語った。また、ユースケさんは「とても奇妙で、異常な体験をしました。ものすごく楽しかったです!(視聴者の皆様へ)なるべく僕のことを嫌いにならないで下さい…」とどんな役どころなのか気になるコメントを残した。またそのほか、田口トモロヲ、吹越満、渋川清彦、筒井道隆、野間口徹、中村倫也、健太郎、福士誠治、酒井美紀、MEGUMI、中村ゆり、菜葉菜、徳永えり、須藤理彩、奥菜恵ら総勢45名の参加も発表されている。吉田さんを始めとする神奈川県警・捜査一課のメンバーとゲストたちがどのように関わっていくのか、放送が楽しみだ。連続ドラマW「コールドケース ~真実の扉~」は10月22日(土)22時~WOWOWにて放送開始(第1話無料放送)。(cinemacafe.net)
2016年09月02日佐々木蔵之介と横山裕がW主演する映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』。先日、北川景子、橋本マナミらの出演が発表されたが、この度、新たに「ジャニーズWEST」の濱田崇裕の出演が8月17日(水)放送の「関ジャニ∞のジャニ勉」にて発表された。舞台は大阪。弁は立つがぐーたらビンボーな建設コンサルタントの二宮啓之(横山裕)はサバキと呼ばれる建設現場での暴力団対策の仕事を主な収入としていた。この仕事を通じて二蝶会のイケイケやくざの桑原保彦(佐々木蔵之介)と知り合ったのが運のつき。以来、何かとトラブルに巻き込まれっぱなしの、いわば、桑原は二宮の”疫病神”である。縁を切りたいのに、いまやコンビとみまごう2人に、何かと二宮を手伝ってくれるいとこの悠紀(北川景子)からは、本当は桑原のことが好きなんじゃないの?と言われる始末。そんなある日、二宮は映画プロデューサーの小清水(橋爪功)が持ち込んだ映画企画を、桑原のいる二蝶会若頭の嶋田(國村隼)に紹介してしまい、二蝶会が出資をすることに。しかし小清水は金を持ったまま、愛人の玲美(橋本マナミ)とドロン。出資詐欺か?詐欺師・小清水を追いかけるため、桑原は二宮を巻き込んで奔走するが、見つかってはするりと逃げる小清水にふたりは翻弄され続ける。遂にキレた桑原のハチャメチャな追走劇は、さらに大きなトラブルへと発展。追っている筈が何者かに追われてる!? この絶体絶命に、ふたりは生き残りをかけて大勝負に挑むが――。キャストには、すぐにキレるイケイケやくざの桑原を佐々木さん、口だけは達者なぐーたら貧乏の建設コンサルタントの二宮を横山さんがW主演で凸凹コンビを好演するほか、二宮が想いを寄せる美女・悠紀役に北川さん、凸凹コンビを翻弄する小ズルい詐欺師、映画プロデューサーの小清水隆夫役に橋爪功、小清水の愛人・玲美役に橋本さん。さらに國村隼、木下ほうか、キムラ緑子、宇崎竜童、中村ゆり、矢本悠馬らが出演している。今月より放送スタートしたドラマ「ノンママ白書」にも出演する濱田さん。今回、この豪華キャストたちの中で濱田さんが演じるのは、佐々木さん演じる桑原の弟分、木下役。昨年11月に本人のクランクインを迎え、激しいアクションシーンにも挑んでいるという。先輩・横山さんとの共演に濱田さんは「横山くんは初めての映画出演で緊張している僕に、撮影の合間に何度も話かけて下さったり、僕がクランクインのときも記念に写真を撮って下さったり、何かと気にかけて下さいました」とふり返り、「大乱闘のアクションシーンもあって、そこは普段の僕ではない、“男、木下”っていう感じです(笑)。笑いもある映画なので、多くの人たちに見て頂きたいと思っています」とメッセージを寄せた。『破門 ふたりのヤクビョーガミ』は2017年1月28日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年08月18日アイドルグループ・ジャニーズWESTの濱田崇裕が、佐々木蔵之介&横山裕(関ジャニ∞)W主演の映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』(2017年1月28日公開)に出演することが18日、わかった。同作は、黒川博行による第151回直木賞受賞作『破門』を映画化。横山演じる建設コンサルタントの二宮啓之と、佐々木演じるやくざ・桑原保彦の2人がコンビとなり、儲け話に乗っかったことからトラブルに発展する。映画初出演となる濱田は、佐々木演じるやくざの弟分・木下役を演じる。17日深夜に放送した関西テレビ放送のバラエティ番組『関ジャニ∞のジャニ勉』(毎週水曜24:25~)にゲスト出演し、主演の横山と2ショットで映画出演を発表した。濱田は「まさか『ジャニ勉』で発表させていただけるとは思っていませんでした」と驚きつつ、「横山くんと一緒に発表、というのもとても嬉しいです」と喜びを表した。先輩の横山については「初めての映画出演で緊張している僕に、撮影の合間に何度も話しかけてくださったり、僕がクランクインの時にも記念に写真を撮ってくださったり、何かと気にかけてくださいました」と感謝。2015年11月1日にクランクインし、アクションシーンにも挑んだが「普段の僕ではない、『男、木下』っていう感じです(笑)」と自信を見せ、「笑いもある映画なので、多くの人たちに見ていただきたいと思っています」とアピールした。メガホンをとった小林聖太郎監督は、初対面で「めっちゃ緊張してます」と話す濱田の姿が新鮮に映ったと語り、「常に全力で吸収しようとする姿は好感がもてるとともに、木下という役にダブって見えました」と称賛。同作は他に北川景子、橋爪功、國村隼、矢本悠馬、橋本マナミ、中村ゆり、木下ほうか、キムラ緑子、宇崎竜童の出演が発表されている。
2016年08月18日中村勘九郎、中村七之助の兄弟を中心とする中村屋一門が、時期に応じて「新緑」「錦秋」と銘打ち、2005年以来、毎年行っている巡業公演が今秋も開催。今回の上演は、「歌舞伎塾」、七之助『汐汲』、勘九郎『女伊達』の3演目。「歌舞伎塾」は新たな試みで、立役と女方ができるまでの化粧の様子や実演を、勘九郎と七之助の解説と共に見せていくもの。全国14か所を巡る今年の「錦秋特別公演」を前に、七之助が抱負を語った。【チケット情報はこちら】「歌舞伎塾では、『草摺引』の曽我五郎役の中村いてう、舞鶴役の中村鶴松が化粧をする過程をスクリーンも使ってリアルタイムでお見せし、その後『草摺引』の一部を実際に上演します。これは、鎧を持って出かけようとする曽我五郎を舞鶴が引き止めようとして草摺(鎧の一部)を引っぱる、という単純な舞踊劇。派手だし、むきみ(隈どりの一種)だし、台詞もあるし、歌舞伎らしさを楽しんでもらえると思います」七之助が踊る『汐汲』は、須磨に暮らす海女の姉妹、松風と村雨が、在原行平から寵愛を受けたという伝説に基づく能『松風』の趣向を取り入れた、長唄の舞踊だ。「『汐汲』は、日本舞踊で初めのころに教わる、基礎中の基礎。お能の格式を表現したかと思えば、行平が残した烏帽子と狩衣を着て、恋しい人への切ない思いを表すなど、様々な要素が詰まった踊りです。僕自身もかなり前に習いましたが、舞台で踊ったのは(坂東)玉三郎のおじさまと共演した『村松風二人汐汲』(2014年)が初めて。おじさまには“型と型の間こそが踊りになる”ということを丁寧に教えていただきました。型と型の間というのは、呼吸や間合い、目線、動きなど、ちょっとしたことで変わります。今回はひとりなので、玉三郎のおじさまの踊りを思いながら、最初は格式高く、やがて情愛たっぷりに踊りたいですね」最後は勘九郎の『女伊達』。桜が満開の新吉原を舞台に、尺八を差した美しい女伊達(女侠客)が、男伊達たちを相手に踊る作品だ。「男伊達ふたりとの立ち廻りもある華やかな踊りです。兄の女方は久しぶりですが、もともとは女方だったんですよ。きびきびとしてすっきりとした、江戸っ子の女方になるのではないでしょうか」多忙の中、10年以上欠かさず続けて来た巡業公演への思いは強い。「とにかく、色々な人に観てほしいです。歌舞伎というと難しいイメージがあるけれど、本当はそんなことないですから。僕たちが地方を回ることで、普段は歌舞伎をご覧にならない方にも気軽に来ていただき、“意外と面白いな”と思ってもらえたら嬉しいし、つまらなくても、それは人それぞれ。まずはふらっと歌舞伎を観に来てもらえるようにしたい。錦秋公演は、歌舞伎が好きな方はもちろん、初心者の方にもわくわくしてもらえるよう、敷居を一生懸命削ってお届けする公演です」11月7日(月)の東京・オリンパスホール八王子での公演を皮切りに各地を巡る。チケットは発売中。取材・文:高橋彩子
2016年08月17日黒川博行の直木賞受賞作「破門」を原作に、佐々木蔵之介と「関ジャニ∞」横山裕のW主演で贈る映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』。この度、本作の新たなキャストとして、北川景子、國村隼、木下ほうか、橋本マナミらの出演が明らかになった。舞台は大阪。弁は立つがぐーたらビンボーな建設コンサルタントの二宮啓之(横山裕)はサバキと呼ばれる建設現場での暴力団対策の仕事を主な収入としていた。この仕事を通じて二蝶会のイケイケやくざの桑原保彦(佐々木蔵之介)と知り合ったのが運のつき。以来、何かとトラブルに巻き込まれっぱなしの、いわば、桑原は二宮の”疫病神”である。縁を切りたいのに、いまやコンビとみまごう2人に、何かと二宮を手伝ってくれるいとこの悠紀(北川景子)からは、本当は桑原のことが好きなんじゃないの? と言われる始末。そんなある日、二宮は映画プロデューサーの小清水(橋爪功)が持ち込んだ映画企画を、桑原のいる二蝶会若頭の嶋田(國村隼)に紹介してしまい、二蝶会が出資をすることに。しかし小清水は金を持ったまま、愛人の玲美(橋本マナミ)とドロン。出資詐欺か?詐欺師・小清水を追いかけるため、桑原は二宮を巻き込んで奔走するが、見つかってはするりと逃げる小清水にふたりは翻弄され続ける。遂にキレた桑原のハチャメチャな追走劇は、さらに大きなトラブルへと発展。追っている筈が何者かに追われてる!?この絶体絶命に、ふたりは生き残りをかけて大勝負に挑むが――。原作は、黒川氏の大人気「疫病神シリーズ」第5作目で直木賞を受賞した「破門」。監督には『マエストロ!』の小林聖太郎がメガホンを取り、すぐにキレるイケイケやくざの桑原を佐々木さん、口だけは達者なぐーたら貧乏の建設コンサルタントの二宮を横山さんと、W主演で凸凹コンビを演じる。大阪を舞台に関西弁での会話がテンポよく繰り広げられる本作に、日本を代表する関西出身の俳優たちの参戦がこのほど決定!兵庫県出身の北川さんは、映画では初となる全篇関西弁を披露し、横山さん演じる二宮が「いとこじゃなかったら…」と思いを寄せる美女・悠紀役を演じる。北川さんは撮影について、「私はアクション部分に絡まない、お見合いばかりしているお気楽な女性の役柄ということで、平和な撮影でした」とふり返り、「大阪弁の役をいただいたことも非常に貴重な経験でした。関西を離れてから長いので、不安な方言は方言指導の先生の音源を何度も聞いて撮影に臨みました」と語った。そして凸凹コンビを翻弄する小ズルい詐欺師、映画プロデューサーの小清水隆夫役には、大阪府出身で日本を代表する実力派俳優・橋爪功、桑原が属する組織の若頭・嶋田勝次役に同じく大阪府出身で国際的に活躍する國村さん。また唯一関西出身ではないものの、「日本で一番愛人にしたい女」と誉れ高い橋本さんが、小清水の愛人・玲美役として初めて愛人役でキャスティング。橋爪さんは「昔から、大悪党よりは小悪党、あたまに”小”が付く人物にやたらと魅かれる性癖は年をとっても相変わらずで、『小利口』『小生意気』『小賢しい』『小煩い』『小汚い』などなど、些か食えない奴に目が無いというか…。だからこの役、一読して即はまってしまった」と語っており、小林監督も「いやぁ、こんなに楽しんで演じてる橋爪さんをあんまり見たことない、っていうぐらい弾けていただけました。ホンマにエエカゲンな大阪のジジイです」とハマり役だと話した。また、橋爪さんと一緒のシーンが多かったという橋本さんは「橋爪さんのチャーミングでダンディな魅力に酔いしれながら現場をご一緒できたことはとても貴重な時間でした」と語り、役を習得する中でも関西弁は難しかったという橋本さんは「私以外のキャストは全員関西出身という環境の中でちょっとのアクセントも狂いがないように練習しました。秘密を持つ役ながらも関西弁を披露しているところもぜひみていただきたいです」とアピールした。そのほか、滝沢の補佐役、桑原を付け狙う初見に大阪府出身の木下さん、二宮の母役に兵庫県出身のキムラ緑子、敵対する組織、滝沢組組長・滝沢役に京都府出身の宇崎竜童、桑原の女、多田真由美役に大阪府出身の中村ゆり、桑原の弟分・セツオ役に京都府出身の矢本悠馬ら話題の関西出身俳優が総出演している。『破門 ふたりのヤクビョーガミ』は2017年1月28日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年08月16日全19作品がそろった2016年の春ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、全作品の初回放送をウォッチ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視!」したガチンコでオススメ作品を探っていく。別記事(「2016年夏ドラマ、傾向分析&オススメ5作発表! - リオ五輪を控える「逆境の夏」にイチかバチかの大勝負」)において、夏ドラマの主な傾向を [1]逆境に燃えるドラマ班[2]「イチかバチか」の大勝負[3]演技派主演vs二世俳優の3つと分析。おすすめドラマとして、『仰げば尊し』(TBS系 日曜21時)、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ系 日曜21時)、『時をかける少女』(日本テレビ系 土曜21時)、『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』(テレビ朝日系 金曜23時15分)、『そして、誰もいなくなった』(日本テレビ系 日曜22時30分)の5本を選んだ。本記事では、それらの作品を含む、今クール全作品のひと言コメントと採点(3点満点)を紹介していく。○『好きな人がいること』月曜21時~フジテレビ系出演者:桐谷美玲、山崎賢人、三浦翔平、野村周平ほか寸評:キャスト、脚本、演出ともに、少女マンガの実写版映画をそのまま連ドラに直輸入。若年層の支持を集めるなど一定の効果を収めている反面、アレルギー反応を示す人も多い。月9の恋愛ドラマは老若男女が夢中になれるものだったが、昨年の『恋仲』以上に割り切ったか。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆】○『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』火曜22時~フジテレビ系出演者:波瑠、横山裕、渡部篤郎、林遣都ほか寸評:出演を重ねるたびにオーラを増す波瑠に、異常犯罪者をぶつけることで、鮮やかなコントラストを映し出している。犯人探しや謎解きはほとんどなく、ヒロインが異常犯罪者のもとへ単独で乗り込むハラハラのサスペンスと、グロテスクな死体などのホラーがメイン。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『せいせいするほど、愛してる』火曜22時~TBS系出演者:武井咲、滝沢秀明、中村蒼ほか寸評:不倫がテーマと思いきや、胸キュン狙いなのか、笑い狙いなのか、ビックリ演出を連発。いずれにしても話題を呼んでいるのだから、それなりの成功を収めているのかもしれない。謎のエアギターを押し出していることも含め、“お笑い恋愛ドラマ”という新ジャンル誕生か。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆】○『刑事7人』水曜21時~テレビ朝日系出演者:東山紀之、高嶋政宏、北大路欣也ほか寸評:シリーズ第2弾。前シリーズは、個性重視のキャラ演出でゆるいムードだったが、今作はシリアスに一変。いまだ豪華キャストが機能しているとは言い難いが、同枠の刑事ドラマファンは温かく安泰か。初回は幸か不幸か、現実世界とリンクするような殺人事件だった。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『家売るオンナ』水曜22時~日本テレビ系出演者:北川景子、千葉雄大、仲村トオルほか寸評:変人のヒロインは同枠の定番だけに、すんなりフィット。明快な一話完結フォーマットも、効果音や風を吹かせるポップな演出も、五輪の影響を受ける今年の夏には合いそう。気軽に見られ、安定感もあるが、変人の要素を除くと「家を買うお金持ちのエピソード集」という感も。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆】○『死幣―DEATH CASH―』水曜24時10分~TBS系出演者:松井珠理奈、戸次重幸、清原果耶ほか寸評:「アイドル×ホラー」の王道コンセプトに忠実な作りで、恐怖におののき、友人の死に悲しむ松井の姿が見どころとなっている。若手の期待株を集めたが、川栄李奈、吉岡里帆、中村ゆりからの見せ場が少ないのが何とも残念。中盤でマンネリを避ける大きな衝撃がほしい。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『女たちの特捜最前線』木曜20時~テレビ朝日系出演者:高島礼子、宮崎美子、高畑淳子ほか寸評:放送前の思わぬ逆風も何のその、2時間ドラマ時代のテイストを守ったまま無事に放送。井戸端会議から事件を解決する脱力感が、20時代にハマっているし、活劇要素こそないがテイストは『三匹のおっさん』と同じ。週替わりで出演する同年代の熟女優ゲストも楽しみ。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『はじめまして、愛しています。』木曜21時~テレビ朝日系出演者:尾野真千子、江口洋介、速水もこみちほか寸評:脚本が遊川和彦だけに「一筋縄ではいかない」と思いきや、特別養子縁組というテーマがオーソドックスに描かれている。ただそこは遊川脚本、「いつどこで破壊の美学が働くのか」油断はできない。ヒロインのピアノに反応する子役との関係性に秘めたものがありそう。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『営業部長 吉良奈津子』木曜22時~フジテレビ系出演者:松嶋菜々子、松田龍平、DAIGOほか寸評:ひさびさのヒロインとなる松嶋菜々子は、華やかさや凛々しさこそ健在だが、「産後復帰」「仕事と家庭の両立」というテーマは既視感が強い。松田のピリリとした空気感と、「女の敵をやらせたら天下一品」の伊藤歩がいいアクセントになれば、松嶋の輝きがさらに増しそう。採点:【脚本☆☆演出☆キャスト☆☆☆期待度☆☆】○『遺産相続弁護士 柿崎真一』木曜23時59分~日本テレビ系出演者:三上博史、森川葵、酒井若菜ほか寸評:お金をめぐる展開を軸に、ドタバタやセクシーを盛り込んだ深夜枠らしい1話完結ドラマ。悪人ばかりだが、同時期放送の『闇金ウシジマくん』のような怖さはなく、三上と森川のコメディ+人情がメイン。演技のディテールや美術の色彩にも、お金の臭いがプンプン漂う。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿』金曜20時~ テレビ東京系出演者:伊原剛志、柄本佑、里見浩太朗ほか寸評:「まさにテレ東」のグルメ+事件モノ。美食あり、人情あり、勧善懲悪ありで、家族でほっこり見られる。「宿なし、職なし、無一文」の主人公と弟子の凸凹コンビは初回から好相性で、週替わりのマドンナも楽しみ。市場移転を控えた今だからこそ、放送する価値がある。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『神の舌を持つ男』金曜22時~TBS系出演者:向井理、木村文乃、佐藤二郎ほか寸評:題材、カメラワーク、各所ロケ、小ネタなど、堤幸彦らしさ全開だが、ここ数年の苦戦を象徴するようなスタートに。向井と木村が変わり者で、佐藤が普通という図式は新しいが、遊び方がハジけ切れず、こじんまりとしている感がある。謎解きや伏線が視聴者にバレバレか。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆☆期待度☆】○『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』金曜23時15分~テレビ朝日系出演者:剛力彩芽、滝藤賢一、小日向文世ほか寸評:普通のグルメドラマではなく、総理官邸ならではの思惑が飛び交う見応えたっぷりの作品。焼き石のアイディアこそ凡庸だったが、メッセージを込めた料理は美しい。繊細なカット割りやカメラワーク、エンディングの爽快なダンスなど、細部に渡る創意工夫がうかがえる。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆期待度☆☆☆】○『侠飯~おとこめし~』金曜24時12分~テレビ東京系出演者:生瀬勝久、柄本時生、内田理央ほか寸評:ヤクザが淡々と料理する姿が何ともシュールで、ひさびさに生瀬の顔と声のカッコよさが堪能できる。残り物や缶詰を使った「地味でも美味い料理」が深夜に映える。脚本・演出・演技を徹底的に引き算した『孤独のグルメ』よりも、好き嫌いの差が出るのは仕方なし。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『時をかける少女』土曜21時~日本テレビ系出演者:黒島結菜、菊池風磨、竹内涼真ほか寸評:ひと夏の恋を描いた甘酸っぱさと切なさは健在。現代風の描写は抑えめだが、タイムリープを増やし、未来人の視点を入れるなど、若年層に飽きさせない作りに。日本のスタンダードと言える作品だけに受け継ぐことに意義があり、黒島が見せる自然体の演技がまぶしい。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆☆】○『徳山大五郎を誰が殺したか』土曜0時20分~テレビ東京系出演者:欅坂46、江口のりこ、嶋田久作ほか寸評:テレビ東京とAKBグループのつながりは深いとは言え、デビュー1年に満たない欅坂46の抜てきには驚かされた。ただ、メンバーの大量出演は、「熱心なファン以外、顔の区別がつかない」現時点では苦しい。物語も遅々として進まず、深夜だけにわかりやすい衝撃が必要。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆期待度☆】○『仰げば尊し』日曜21時~TBS系出演者:寺尾聰、多部未華子、石坂浩二ほか寸評:まずほとんど見かけなくなった学園モノに挑む心意気に拍手。69歳の名優・寺尾に、可能性あふれる逸材をぶつけたキャスティングも、連ドラとして成長が追いやすい吹奏楽というテーマ選びも素晴らしい。過剰な暴力シーンこそ気になるが、クライマックスの感動は鉄板。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆☆】○『HOPE~期待ゼロの新入社員~』日曜21時~フジテレビ系出演者:中島裕翔、遠藤憲一、山本美月ほか寸評:ビジネスシーンのリアルティがあまりないが、若者の人間描写は丁寧かつ繊細。上司や同期との何気ないやり取りやセリフの1つ1つに、共感と応援をうながす要素が詰まっている。韓国ドラマのプロットが良質なだけに、鍵を握るのはどれだけ脚本・演出を詰められるか。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆☆】○『そして、誰もいなくなった』日曜22時30分~日本テレビ系出演者:藤原竜也、玉山鉄二、二階堂ふみほか寸評:「登場人物が全員敵!?」の設定で、序盤からエンジン全開。追い詰められる主人公は藤原のハマリ役であり、絶体絶命の危機が迫るサスペンスは、映画『カイジ』『インシテミル』と似ているが、ミステリーは連ドラの分だけ難解に。どこまで飽きさせずに引っ張れるか。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】■木村隆志コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。
2016年07月29日韓国の劇作家・李康白(イ・ガンペク)が1993年に発表した傑作4人芝居『鱈々(だらだら)』が、10月に開幕する。出演は藤原竜也、山本裕典、中村ゆり、木場勝己。演出を手掛けるのは、栗山民也。秋から始まる稽古に先がけ、都内スタジオで行われた藤原と山本のビジュアル撮影現場に潜入した。【チケット情報はこちら】塗装がはがれコンクリートがむき出しになった壁に、武骨な鉄骨を立てたスタジオは、藤原演じるジャーンと山本演じるキームが長年働き暮らす、倉庫のような趣。同じつなぎを着た藤原と山本だが、藤原は“几帳面で世話好き”な役柄のジャーンらしくきちんと着こなし、山本は“本能のまま”なキームらしく半分脱いで腰に巻いたタンクトップ姿。ツーショット撮影でただ並んで立つだけでも、ふたりのコントラストを感じさせられる。鍋を囲むショットの撮影準備中には、体勢を崩してニコニコとお喋りするふたり。そこに運ばれてきたのは、干した鱈の頭がのぞく鍋。実はこの鱈の頭は、本作の韓国原題である「プコテガリ」という食材で、舞台中でも重要な役割を果たすアイテム。具材をよそった器を手に撮影開始するも、スープを匂って微妙な表情をする藤原にスタッフは思わず笑ってしまう。撮影後は、ふたりでオフィシャルの動画撮影に。山本が「竜也くんといつか共演したいなと思って11年経った」と告白し藤原を驚かせるなど、和やかな雰囲気でお互いの印象などを語り合った。撮影後、山本は念願だった藤原との共演について「ずっと思ってたことなので叶ってよかったです。4人芝居で密にお芝居できるというのも“ラッキー!”って」と笑顔を見せつつも「負けないように食らいついていきたい」と気合を見せた。「2016年を締めくくる舞台になると思いますし、自分なりに気合を入れて、終わったときに『こいつ変わったな』とか『成長したな』とか、ファンの人や観に来てくれたお客さんに思ってもらえるようなものを見せたい」藤原は、本作の出演について「栗山さんとは1、2年に1本やらせてもらう機会があって。最近も何か一緒にできたらいいなと思ってたのですごく嬉しい」。作品については「今回、鱈の煮込んだ鍋が出てくるけど、そのグツグツ煮立った血のような熱いものがある本。それを栗山さんの演出でやらせてもらうのは、今の僕にとっていいことなんじゃないかと思っています」と語った。「個性的な役者4人で、栗山さんのもとでやらせてもらえるっていうのは楽しみ。しっかりと皆さんに恥ずかしくないような芝居をつくれたらと思います」舞台『鱈々』は、10月7日(金)から30日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて公演後、全国6都市を巡回。取材・文:中川實穗
2016年06月28日瀬々敬久、黒沢清、石井裕也など名だたる映画監督の下で助監督を務めた菊地健雄が、晴れて長編監督デビューを果たした『ディアーディアー』。このほど、ブルーレイ・DVDが発売になり、本作の主演・中村ゆりがインタビューに応じた。借金苦の兄、虚言癖の弟、依存症の妹――幻の“シカ”をめぐる三兄妹の軌跡を描いたヒューマン・コメディーで、観る人によって感動の種類が違ってくるだろう快作について想いを聞いた。ある山あいの長閑な町にはかつて、“リョウモウシカ”という幻のシカがいたとされ、そのシカを発見したという三兄妹は一躍、時の人となる。しかし、ほどなく目撃は虚偽とされ、三兄妹はうそつきというレッテルを貼られてしまう。二十数年後、別々の人生を送っていた三人だったが、父の危篤がきっかけで久々に再会。シカ事件で人生が狂ったと思っている三人はまた、山の中へと入っていく――。“リョウモウシカ”という幻のシカに振り回され、思うように人生を操縦できないダメな人間たちのドラマ。ファンタジックな世界観ではあるが、脚本の印象について中村さんはこう明かす。「鹿がモチーフになっているという意味ではファンタジックなストーリーですが、キャラクターの個々の掘り下げ方が家族の関係性を含めて丁寧だったので、最近では出会うことも少なくなったテイストの素敵な物語だと思いました」。主要登場人物は、中村さん演じる末娘の顕子をはじめ、老朽化した工場と莫大な借金を背負う長男の冨士夫(桐生コウジ)と、シカ事件で精神を病み、病院で暮らす次男の義夫(斉藤陽一郎)。およそハッピーな人生を送っているとは言い難いが、人間味がある三兄妹ではある。「自分自身も含めて、立派な大人になれたと実感できている人なんて少ないような気がして、そういう意味でこの映画って、全然皆ダメでどうしようもないけれど(笑)、そこに人間の愛しさがある気がします。そういう映画になればいいなと思いながら、撮影していましたね」。中村さん演じる末娘の顕子も実に人間臭く、リアリティーの強い女性だ。駆け落ちの果てに酒浸りの生活を送っていて、シカ事件を機に町を捨て、同時に何かも失ってしまったような感もある。顕子を演じるにあたって中村さん自らの提案が反映されたシーンの一つが、ラブシーンだった。「ラブシーンは男性の場合、遠慮がちになることがありますが、私があれくらいやりたいって言ったんです(笑)」。「結局、顕子は文句を言っているようで、ブツブツは言っているけれど、実際はあまり弱音を吐いていないんです。でも、彼女がアルコールに走っていることは、拠り所であることは間違いない。ぐでんぐでんに酔うことは弱さであり、流されて欲情するような人間らしさを作りたかったんです」。それが奏功して顕子が本音を言うシーンとして、彼女の人間性を一段階掘り下げることに成功している。そしてどこか、愛おしくも映る。「意外と、周りに甘えているんですよ。でもそれは、男性目線ですよね。私はあまり関わりたくない。(笑)ただ、顕子は、知能的な悪い人じゃないんです。立派な人でもないですが」。そして、鹿。“リョウモウシカ”という得体の知れない存在。もちろんこれは何かの象徴ではあるが、その正体は「観る人が決めること」と中村さんは語る。「観ている人が決めていいと思うんです。お父さんの象徴とか神の使いとか、いろいろな意見を伺って、私もびっくりしました。私の解釈としては、過去から何かのせいにして成長できていない、ただのダメな大人の象徴みたいなもの(笑)。何かのせいにして生きてきた大人たちの物語なので、私はそういう風に受け取っていますね」。確かに、シカのせいにして生きていれば楽なのだ。「そうなんですよね。でも、周りからしたら『何それ?』と思われることでも、意外と本人にしてはこだわってしまって、そこから抜けられないこともあるでしょう。だから、そういう象徴なのかなって思いました。観る人それぞれ、いろいろな意見があって面白いです。人が生きるって、頑張っていないと続かないことなんですよね。恵まれていても貧しくても、それぞれが何かを抱えているものじゃないですか。だから、こんなどうしようもない人達でも映画の主人公として描かれていいと思うんです」。この映画、出てくる人皆、聖人君主は一人もいない。ボンクラとまではいかないまでも、そういう人間のおかしみ哀しみなどを観ていると、自分も含めて優しく認めてあげたい想いが自然とあふれてくる。「この映画に出てくる人たちはダメな大人なんですけど、オフビートのなかでクスッと笑える瞬間もあると思うので、そういうところも楽しんでもらえればいいなって思います」。ヘアメイク・衣装クレジットニット¥27,000(JOHN SMEDLEY)パンツ¥23,760(muller of yoshiokubo)スタイリング:阪上秀平ヘアメイク:藤田響子(text/photo:Takashi Tokita)
2016年05月18日歌舞伎役者の市川染五郎、中村勘九郎、中村七之助が17日、都内で行われたシネマ歌舞伎『阿弖流為<アテルイ>』(6月25日公開)の完成披露上映会に登場した。劇団☆新感線・いのうえひでのりが演出、中島かずきが脚本を担当し、2015年に新橋演舞場で行われた、歌舞伎NEXT『阿弖流爲<アテルイ>』を映像として編集、全国公開する。舞台挨拶では、18日に33歳の誕生日を迎える七之助に、サプライズでバースデーケーキが贈られた。観客に祝われた七之助は「どんどん衰えていくものなので、次の歌舞伎NEXTの時は動けるように、日々精進していきたいと思います」と33歳の抱負を語った。染五郎が七之助の口にケーキの装飾の熊を「あ~ん」と食べさせると、七之助は「甘いです」と苦笑。また、勘九郎は「いい1年にしてください」とメッセージを送った。『阿弖流爲<アテルイ>』について、染五郎は「すごいもの、びっくりするものを作ろうじゃないかと、思いだけで作り上げた感じ」と説明し、「同じ方向を向いて一気に作り上げた」と感慨深げに振り返った。七之助は「劇団☆新感線は見るもんで、出るもんじゃないと言われていたけど、まあ、地獄でした(笑)」と舞台の激しさを語り、「養老院みたいな人たちが走らされて、けが人続出で大変でしたね」としみじみ。また七之助は、舞台上の動きがほとんどいのうえの演出指示通りであることを明かし「型が決まっている中で、自分の感情を表現するのは歌舞伎と同じ」と表現した。劇団員である俳優・古田新太や橋本じゅんについて、「自由にやってるなと思ってたんですけど、毎回そういう演出を受けてたんですよ。ああ恐ろしい人達だと思いました」とすごさに触れた。
2016年05月18日俳優のディーン・フジオカが、NHKドラマ「喧騒の街、静かな海」で主演を務めることが31日(木)、分かった。同ドラマは、写真家の藤原新也氏の短編を原案にオールロケで製作される人間ドラマ。行き場のない子どもたちに声掛けのボランティアを続ける“地回り先生”と呼ばれる初老の精神科医の男性と、その男性と幼い頃に生き別れた息子でありながら、素性を隠して男性に取材を申し入れた若いカメラマンが、人生を生き直そうとする姿を描く。NHK連続テレビ小説「あさが来た」の“五代様”こと五代友厚役で一躍脚光を浴びたフジオカさん。今年1月よりTBS系で放送されたドラマ「ダメな私に恋してください」では、五代様のイメージとは打って変わったドSの元上司役を演じて好評だったが、今回のドラマでは新たにどのような一面を見せるのか、注目される。出演はほかに寺尾聡、和田正人、石川由依、久保田紗友、中村ゆり、水橋研二、三倉茉奈、キムラ緑子など。放送は2016年度内の予定としている。(花)
2016年03月31日岩井俊二監督が、史上2人目の日本アカデミー賞「最優秀助演女優賞」2年連続受賞を果たした女優・黒木華を主演に迎えて贈る『リップヴァンウィンクルの花嫁』。このほど、日本公開に先駆け、香港、台湾でも公開されるなど注目を集める本作に、ハリウッドで『ラスト・ナイツ』を監督した紀里谷和明と、『トイレのピエタ』で日本アカデミー賞「新人俳優賞」を受賞した「RADWIMPS」の野田洋次郎がカメオ出演していることが判明。その貴重な場面写真が、シネマカフェにて解禁となった。派遣教員の皆川七海(黒木華)はSNSで知り合った鉄也と結婚するが、結婚式の代理出席を“なんでも屋”の安室(綾野剛)に依頼する。新婚早々、鉄也の浮気が発覚すると、義母・カヤ子から逆に浮気の罪をかぶせられ、家を追い出されることに。苦境に立たされた七海に、安室は奇妙なバイトを次々と斡旋する。最初は、あの結婚氏の代理出席。次は、月100万円も稼げる住み込みのメイドだった。七海は、破天荒で自由なメイド仲間の里中真白(Cocco)に好感を持つ。真白は体調が優れず、日に日に痩せていくが、仕事への情熱と浪費癖は衰えない。ある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出し…。本作は、中山美穂、蒼井優、北乃きいといった女優たちの新たな魅力を、次々とスクリーンへと昇華させてきた岩井監督が、『小さいおうち』『母と暮せば』で日本アカデミー賞「最優秀助演女優賞」を2年連続で受賞した黒木さんを主演に、『64-ロクヨン-』『日本で一番悪い奴ら』など、いま最も多忙な俳優といわれる綾野剛を共演に迎えた意欲作。そんな本作に、『CASSHERN』『GOEMON』、最近ではモーガン・フリーマンやクライヴ・オーウェンといったハリウッドスターを迎えた『ラスト・ナイツ』を手がけた紀里谷監督と、ロックバンド「RADWIMPS」のカリスマティックなフロントマンであり、昨年『トイレのピエタ』で映画デビューを果たした野田さんがカメオ出演を果たしている。岩井監督は2005年よりアメリカに拠点を移しており、紀里谷監督とはロサンゼルスに在住していたころからの友人。日本に帰って来てからも親交が深く、今回の出演が実現した。劇中では、黒木さん演じる七海が代理出席のバイトで参加した結婚式で、新郎役として登場!新婦役は映画・ドラマなどに幅広く活躍する女優の中村ゆりが務めている。撮影現場の紀里谷監督は、“友人”岩井監督がどんなふうに撮影しているのかを興味深げに見守るとともに、慣れない俳優として参加したことで、俳優部の大変さを実感していたという。また、野田さんには岩井監督が直接オファー。かねてより岩井作品のファンでもあった野田さんが出演を快諾し、実現した。劇中では、七海とCoccoさん演じる真白が出逢った直後に2人で訪れるお店のピアニスト役として登場。七海と真白が歌を歌うシーンの伴奏として、あの名作ドラマ「高校教師」の主題歌だった森田童子「ぼくたちの失敗」と、ユーミンこと荒井由実が亡き愛犬を思って作った「何もなかったように」を野田さんが自らピアノで奏で、シーンに花を添えている。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は3月26日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月10日俳優・中村雅俊の娘でモデル・タレントとして活動する中村里砂が主演を務める、世界的カルト漫画の実写映画化『少女椿』。このほど、中村さん演じるヒロインのみどりをはじめ、カナブンや紅悦など、原作の世界観を表現する強烈なキャラクター写真の数々が解禁となった。ある時代の東京。14歳のみどり(中村里砂)は、病気の母親を置いて家を出て行った父親の代わりに家計を助けるため、花売りをしていたが、ある日、家に帰ると母親(鳥居みゆき)は病死していた。一人ぼっちになったみどりは、赤猫サーカス団の団長である嵐鯉治郎(中谷彰宏)に拾われる。地方巡業に回るサーカス団には、怪力自慢の赤座(深水元基)、美少年のカナブン(武瑠)、蛇使いの紅悦(森野美咲)、足芸の鞭棄(佐伯大地)ら、個性的で怪しげな連中が顔を揃えていた。その中で下働きするみどりは、いじめにあいながらも健気に毎日を送り、走る列車を見ながら東京の我が家のことを思うのだった。そんなある日、サーカス団にワンダー正光(風間俊介)という超能力を持った男が加入する。いじめにあうみどりを見たワンダー正光は、彼女のことを気にかけ、彼自身が持つ超能力で不思議な光景を見せる。彼の優しさにみどりは次第に心を寄せていく。ワンダー正光の評判は瞬く間に広まり、サーカス団は連日大入りとなった。だが、団員たちは彼の人気に嫉妬し、さらにみどりをいじめる。それを見たワンダー正光は怒り、超能力で団員たちを従わせる。彼はみどりのことを愛していたのだった。それに嫉妬した鞭棄も、みどりを力づくで振り向かせようとするが、それを見たワンダー正光は激怒、超能力で鞭棄を殺害してしまう――。1984年の発刊以来、アニメ化や舞台化がされてきた、丸尾末広によるカルト漫画を原作とする本作。これまで実写映画化は何度も試みられながら、その世界観を描くことが難しく、幾度も企画が立ち消えになってきたが、このほど短編映画『ミガカガミ』でモントリオール国際映画祭ほか、国内外の映画祭で数々の賞を受賞した監督TORICOによってついに実現。本作の公開決定がニュースとして流れるや、Twitter上などSNSでは大きな盛り上がりを見せ、翌日のTwitterでは話題度1位となったほど。先に発表となった、主人公でヒロインのみどりを演じる中村さんのほか、ワンダー正光には『猫なんかよんでもこない』の風間俊介、カナブンにはビジュアル系ロッカーの武瑠(SuG)、紅悦にはグラビアでも話題となった女優『花鳥籠』の森野美咲、鞭棄には若手俳優の注目株『アキラNo.2』の佐伯大地、赤座には『新宿スワン』の個性派俳優・深水元基、そしてサーカス団団長の嵐鯉治郎には作家としても活躍する中谷彰宏といった、超個性的な面々が登場。見事なまでに、美しくも奇妙でエログロな世界観を再現した本作を、これらの写真から覗いてみて。『少女椿』はシネマート新宿ほか5月21日(土)より全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月05日戦後日本が復興、高度経済成長を遂げていく陰で、差別や故郷を離れた寂しさの中、たくましく生きる在日コリアンたちを描いた鄭義信の三部作が新国立劇場にて一挙再演される。第1弾として、万博開催前後の関西で、焼肉屋を営む一家の悲哀をつづった『焼肉ドラゴン』が3月7日(月)に開幕する。初日まで3週間を切った稽古場は日韓の俳優たちの熱気に包まれていた――。舞台『焼肉ドラゴン』チケット情報稽古場には本番と同じセットが組まれているが、細部に至るまでリアリティが追求されており圧巻!錆びかけた看板、シミで汚れた壁、手前の道は見るからに水はけが悪そうで泥っぽく、湿気やドブ川のニオイまで伝わってきそう。精緻に作りこまれているが、リアルであるがゆえになおさらもの哀しい…。アボジ(=父)役のハ・ソングァン、オモニ(=母)を演じるナム・ミジョンをはじめ、キャストの約3分の1が韓国人俳優であり、通訳を介して日本語、韓国語が飛び交う。ちなみに自ら演出を務める鄭は、韓国人俳優であろうと一切の容赦なく、日本語のセリフの言い回しや間について細かく指導をし、何度も同じシーンを繰り返す。これこそ、俳優たちが制作会見時から口にしていた鄭の「しつこく粘着質の演出」である。狭い空間、近い人間関係の中で展開していくドラマは嫌でも濃厚にならざるを得ない。長女・静花(馬渕英里何)は韓国から日本へ来た青年(キム・ウヌ)と婚約するが、次女・梨花(中村ゆり)の夫の哲男(高橋努)は静花に今でも恋心を抱いており、それを知る梨花は常連客の日白(ユウ・ヨンウク)と関係を持つ。三女の美花(チョン・ヘソン)の恋人は妻ある日本人……。「ないものねだりや!」と怒りを込めて叫ぶ母。「結局、男なんか似たり寄ったり」 と嘆息する三女。それでも身を寄せ合い生きる彼女たちは誰かを求めずにいられない。そんな激しい感情のぶつかり合いの中で、ひときわ強い存在感を放つのは、母を演じるナム・ミジョンと父を演じるハ・ソングァンのふたり。ナムが「お母ちゃん、絶対に許さん!」と“肝っ玉母さん”という表現がぴったりの“熱”を見せる一方で、父は、静かにそこにいるだけで一家の大黒柱としてのぶれることのない強さを見せつける。「古い話をしてえぇですか… ?」。三女との結婚の挨拶に来た男を前に、静かに自身の半生を語り始める父。「働いた、働いた…また働いた――」 。片言の日本語に哀愁がにじむ。明るく楽しい人生が描かれているわけではないのに、全力で生きる彼らのエネルギーゆえか、登場人物たちの姿は滑稽で、全体を通して笑いであふれている。そして、心に深く突き刺さる。この圧倒的なエネルギーをぜひ舞台で感じてほしい。公演は3月7日(月)から27日(日)まで東京・新国立劇場 小劇場にて。兵庫公演あり。チケットは発売中。取材・文・撮影:黒豆直樹
2016年02月26日2015年10月より放送されたTVアニメ『ゆるゆり さん☆ハイ!』のメインキャスト陣で結成する「七森中☆ごらく部」によるイベント「七森中♪がくえんさい」が、2016年1月24日、アイア 2.5 シアタートーキョーにて開催された。イベントではおなじみとなった放課後のはじまりを告げるチャイムが鳴り、「七森中☆ごらく部」の三上枝織(赤座あかり役)、大坪由佳(歳納京子役)、津田美波(船見結衣役)、大久保瑠美(吉川ちなつ役)がステージに登場。まずは第3期のオープニングテーマ「ちょちょちょ! ゆるゆり☆かぷりっちょ!!!」でイベントが幕を開ける。今回のイベントは、「七森中♪がくえんさい」というタイトルどおり、学園祭っぽいこととして、ごらく部の歴史を歌と劇で振り返る「ゆるゆりミュージカル」、略して「ゆりミュ」を展開された。まずは【2011年 ポニーキャニオン1階】ということで、ごらく部の4人が初めて客前で歌ったイベントの模様を再現。第1期のオープニングテーマ「ゆりゆららららゆるゆり大事件」、そしてエンディングテーマ「マイペースでいきましょう」を披露する。その流れで、当時行われたイベントの模様を写真で振り返りつつ、ごらく部の芸人気質が発露した運命のイベント「緊急生放送! 七森中 ごらく部打ち上げ会場!」の模様が再現された。そして、「七森中♪りさいたる」やアニメ第2期決定のニコ生などを映像で振り返った後は、「ごらく部な地球の歩き方 ドイツ編」の再現。ここでは、ごらく部の4人がそれぞれ映像で、悪魔と天使に扮して心の中を描写する演出で会場を沸かせる「いぇす!ゆゆゆ☆ゆるゆり」のMV撮影の振り返りでは着ぐるみに着替えて「いぇす!ゆゆゆ☆ゆるゆり」を熱唱。「七森中♪ふぇすてぃばる」「七森中♪なちゅまつり」と回想は続く。「ごらく部☆なちゅまつり」の回想ではゲームコーナーが行われ、昼の部では「第一回! 緊張の夏、ゆるゆりの夏! ひやひや! ハラハラ! バランスゲームの巻 後半戦~!」と題して、「ジャンボアッカリーン(ジェンガ)」に挑戦。そして夜の部では「第一回ゆるゆり杯争奪! リアクションが命よ! 箱の中身はなんでしょネ!? 選手権の巻!」が行われた。そして、ごらく部の4人が2013年年末に天王洲アイルのホテルで行ったお泊り会の再現では、「おひるねゆにばーす」を披露。さらに、聖地・日比谷公園で行われた「七森中♪やがいふぇす」の振り返りでは、リハーサル時の模様ということで、大坪&津田コンビと三上&大久保コンビに分かれ、とある芸人をリスペクトしたネタを披露し、会場を大いに盛り上げ、そして新曲の練習ということで「ゆりしゅらしゅしゅしゅ」を熱唱する。そして時代はイベント当日、1月24日の「アイアシアター」へと進み、第3期のエンディングテーマ「あっちゅ~ま青春」で本編を締めくくった。ミュージカルらしく緞帳の下りたステージに、客席からはアンコールを求める「\アッカリーン/」コールが沸き上がる。その声に応えて再びステージに姿を現したごらく部の4人は、「うぃーあーごらく部」、そして「ハッピータイムは終わらない」を歌い上げ、3月20日に予定されている一大イベント「七森中♪はっぴ~ぱ~てぃ~」に向け、さらに続いていくハッピータイムを観客と共有して、舞台の幕を閉じた。(C)2015 なもり/一迅社・七森中ごらく部
2016年02月22日2015年10月より放送されたTVアニメ『ゆるゆり さん☆ハイ!』より、ニコニコ生放送「ゆるゆり さん☆ハイ! 京子とちなつの BitterでSweetな公開ニコ生」が、2016年1月12日に配信された。番組タイトルどおり、今回は歳納京子役の大坪由佳と吉川ちなつ役の大久保瑠美の"姉妹コンビ"によるニコ生で、いつものスタジオを飛び出し、東京・虎ノ門のポニーキャニオン本社1Fで、観客を集めての公開生放送となった。昨年12月に行われた、赤座あかり役の三上枝織と船見結衣役の津田美波による公開ニコ生に対抗すべく企画された今回のニコ生だが、なぜか番組スタート時には、前回のニコ生で作成された"ロボ"が同席。"BitterでSweetな公開ニコ生"において、このロボが「唯一のBitter要素」(大久保)となった……。オープニングトークでは、2人で岩盤浴に行った話やDVDを観た話など、2人のSweetな話題を展開し、笑いを交えながら会場を温めたところで、1月24日に開催された「七森中♪がくえんさい」の事前情報を紹介。そして、三上・津田のニコ生でも行われた「答え合わせゲーム」に挑戦する。お題に対する2人の解答が一致すれば正解の本ゲーム。三上・津田コンビが3回の挑戦でようやく達成した難関だが、大坪・大久保コンビは5問中4問正解で一発クリアし、見事"ご褒美"をゲットした。ちなみにご褒美は三上がシンガポールで買ってきた"ネコ耳"をつけての胸きゅんセリフ。公式さんいわく「お互いへのご褒美」。番組ではさらに、「京子とちなつのピンポイント名シーン」ということで、TVアニメ『ゆるゆり さん☆ハイ!』の第7話から第12話までの中からピンポイントで名シーンを解説&再現。以前、大坪プロによるニコ生で行われたものが、2人なってさらにパワーアップし、会場に集まった観客を大いに盛り上げつつ、およそ1時間の放送を締めくくった。(C)2015 なもり/一迅社・七森中ごらく部
2016年02月13日「女方として、できる範囲のことはすべてチャレンジしたい」と語るのは、中村七之助。彼の今年最初の舞台は、歌舞伎ではなく現代劇だ。十八代目中村勘三郎とデヴィッド・ルヴォーの企画で誕生したという『ETERNAL CHIKAMATSU-近松門左衛門「心中天網島」より-』。『心中天網島』は、遊女小春・紙屋治兵衛・その妻おさんの三角関係を描いた近松の代表作。この作品を、注目の若手作家・谷賢一が、ルヴォーのオリジナルアイデアに基づき新作戯曲として描き下ろす。七之助は、初めてルヴォーの演出を受け、これまであまりやったことのない現代劇で女方を演じ、そして初共演の深津絵里とW主演する。まさにチャレンジだ。稽古前に来阪し、「父の、死してなお夢を実現する力」を感じながら、遺志を受け継いで出演する意気込みを話した。『ETERNAL CHIKAMATSU -近松門左衛門「心中天網島」より-』チケット情報「父は、歌舞伎の演目を海外の方に演出してほしいという夢があり、私たち息子にも話していました。具体的にルヴォーさんで近松を、と。それをルヴォーさんが覚えていてくださり、今回の上演になりました。ルヴォーさんという暮らしも文化も違う方が、近松作品をどういう解釈で演出され、そこからどんな変化が生まれるのか。今回、それが一番楽しみです」。物語は、現代に生きるハル(深津)が、江戸時代に生きる遊女・小春(七之助)と出会い、近松門左衛門の古い古い恋の物語に引き込まれていく。ハルと小春を通して描く、究極の愛。1月下旬から稽古に入るが、初めてやる時に一番大事にしていることは「お稽古までに台本を全部覚えて行くこと」と言う。「これは父が口を酸っぱくして言ってましたから。それと、柔らかい気持ちで行くことかな。杉村春子先生は台本を100回読まれたと。だから、台本は最初から最後までよく読んで、自分のキャラクターを考えます。でも、固めて行かない。固めると、そこから抜け出ることが大変になるから」。今回、深津とはガップリ四つの初共演だ。「僕はテレビでも映画でも歌舞伎でも、相手役はほとんど男としかやったことがなかったんです。だから、深津さんとほぼ初対面でポスター撮りした時、『もっと顔を近づけて、近づけて』と言われて、恥ずかしくてね(笑)。すごい脇汗でした(笑)。深津さんはキレイな人で、すごくいい方でした」。ほかに伊藤歩、中嶋しゅう、中島歩、音尾琢磨らが出演。「今回は、歌舞伎で培ってきたものをいろいろ試せる、チャレンジできる舞台でうれしいです。現代劇の中で女方として出るなんて、これは僕個人としてもおもしろいし、ボクがお客様だったら、ちょっと観てみたいな(笑)」。公演は、2月29日(月)から3月6日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、3月10日(木)から27日(日)まで東京・Bunkamura シアターコクーンにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2016年02月05日フジテレビ系スペシャルドラマ「日本のヴァイオリン王~名古屋が生んだ世界のマエストロ 鈴木政吉物語~」の制作会見が29日(金)都内で行われ、主演の武田真治と共演の笛木優子、中村ゆりが出席。武田さんはなぜか、ベッキー不倫騒動やSMAP解散騒動に敏感になっていた。幕末の名古屋に生まれた一人の破天荒な日本男児が、世界に誇るヴァイオリンを生み出すまでを描く実録ドラマ。2人の妻と同居し、9男4女をもうけた型破りな男・鈴木政吉が、三味線作りの世界からヴァイオリン製造に乗り出し、栄光と挫折を繰り返しながら、日本に空前のヴァイオリン・ブームを巻き起こすまでを描く。政吉の不倫愛について武田さんは「タイムリーな話題ですね。ここはさっぱりいきますか、それともニュースの見出しのチャンスですか?ここでどう振る舞うかで宣伝効果が生まれる」とコメントに熟考顔。さらにSMAPの「世界に一つだけの花」をBGMにサプライズで笛木さんと中村さんが“世界に一つだけ”のチョコで作ったヴァイオリンを持って登場すると「“世界に一つだけ”以降の話は控えさせていただきます。何はともあれBGMは止めて」とチョコのヴァイオリンよりも、渦中の音楽が気になる様子だった。両手に花状態の武田だったが、笛木さんと中村さんの出席は知らされておらず「ご時世柄、三角関係はまずいし、お二人の出席はご遠慮いただいたという話を聞いていた」と明かしつつ「私一人だと(ニュース的に)弱いなと思っていたし、それに週刊文春も発売したでしょ?皆さん、そっちが気になるはずだから」とニュースとしての掲載率に気を揉んでいた。それでも武田さんは「60歳を過ぎてもなお、さらなる音の高みを目指して努力する姿はカッコイイ。そんな政吉を演じたのは身が引き締まる思い。私自身、今後の音楽活動や芝居の活動で政吉の魂を持ってやっていきたい」と得たものも大きかったようだ。フジテレビ系スペシャルドラマ「日本のヴァイオリン王~名古屋が生んだ世界のマエストロ 鈴木政吉物語~」(東海テレビ制作)は、2月14日(日)16:05~放送。(text:cinemacafe.net)
2016年01月29日2015年10月より放送開始となり、昨年末に最終回を迎えたTVアニメ『ゆるゆり さん☆ハイ!』だが、12月24日のクリスマスイブには、ニコニコ生放送「ゆるゆり さん☆ハイ! 今年はクリスマスにナニシマス!?」が配信された。2014年のクリスマスに配信された「ごらく部のメリーウノスマス!」では、七森中☆ごらく部の三上枝織(赤座あかり役)、大坪由佳(歳納京子役)、津田美波(船見結衣役)、大久保瑠美(吉川ちなつ役)が、UNOを興じるとともに、『ゆるゆり なちゅやちゅみ!』のBlu-ray/DVDの初回限定特典となる「すぺしゃるさうんどCD OSTぜ~んぶ入り」に収録される楽曲のタイトル決めを行ったが、今回の「ゆるゆり さん☆ハイ! 今年はクリスマスにナニシマス!?」では、Blu-ray第5巻に封入される「すぺしゃるなさうんどCD」に収録される劇伴のタイトル決めがごらく部の4人によって行われた。放送が始まり、意気揚々と挨拶を行うごらく部の4人だったが、挨拶終了とともに急に暗くなる照明……何事かと訝しがる4人の前に、クリスマスケーキを手にサンタ衣装に身を包んだ古谷向日葵役の三森すずこが登場! 当日、お渡し会を行っていた三森がその足で駆けつけたサプライズ出演に、ごらく部4人は驚きと歓喜で一気にテンションが上がる。「人生で一番幸せなクリスマス」(大坪)。三森の去ったスタジオでは、気を取り直してタイトル決めがスタート。ごらく部の4人が考えたタイトルを、ニコ生の視聴者アンケートで決定するのはいつもの通り。視聴者の好みを探りつつ、まじめに、そして時折ふざけつつ、タイトルを考えていく4人。今回は、タイトル決めと並行し、アニメ本編にちなんで「ロボット作り」を実施。タイトル採用数の多いメンバーが、ロボットのパーツに絵を描いて仕上げていく。今回のニコ生では計11曲のタイトル決めが行われたが、前半は視聴者ニーズが掴めずに出遅れた大坪が、最終的には4曲採用で優勝。以下、大久保3曲、三上2曲、津田2曲という結果になった。○英語禁止! 恐怖のハイテンションジェンガ2014年はUNOで盛り上がったクリスマスニコ生だが、2015年は「ハイテンションジェンガ」。ただただハイテンションなジェンガということで、いつもと違って今回はブロックに指令はなしで、合計20本でクリア。ただし、英語禁止ルールが加えられ、英語を使うごとに1本加算というルールで行われた。順調にジェンガを進める4人だったが、そこに立ちはだかる英語禁止ルール。積み上げる以上に本数が増えるという悪循環で、まったく終わる気配が見えない。そこで、公式さん采配により、「クリスマスコント(聖夜芸)」ですべてチャラにし、最後は英語禁止ルールも解除されての挑戦となったが、ラスト4本というところで思わずジェンガを崩しかける三上……しかし、大久保の奇跡的なリカバリによってミッションをクリアし、ご褒美のクリスマスプレゼント(マカロン)をゲットした4人だった。ただし、それだけでは終わらない"ゆるゆりニコ生"。罰ゲームということで、三上の席には先ほど作り上げたロボットが鎮座。三上が即興アテレコでロボットに声をあてながら各種告知を行いつつ、ハプニング連続の放送を締めくくった。○ニコ生での採用タイトル一覧「ごろごろ ごろく部」(大久保)「てんてん てんてろりん」(三上)「のんのん ごらく部」(三上)「京子の悪ふざけ」(津田)「花子ちゃんのテーマだし。」(大坪)「たまには部室をぬけだして」(津田)「夢の中でも大好き」(大久保)「おだんGO☆ハプニング」(大坪)「(´▽`)(´ω`)(`ε´●)(T皿T)」(大坪)「ユッリーのテーマ」(大坪)「ゆりしべ聖者」(大久保)(C)2015 なもり/一迅社・七森中ごらく部
2016年01月24日新国立劇場にて過去に上演され、戦後まもない日本社会でたくましく生き抜く人々の姿を在日コリアンの視点を絡めて描き、大きな反響を呼んだ鄭義信作の『焼肉ドラゴン』『たとえば野に咲く花のように』『パーマ屋スミレ』。この3作が3月から6月にかけて新国立劇場で一挙再演されることになり、1月19日に制作発表会見が行われた。鄭義信三部作 チケット情報会見には鄭義信、新国立劇場芸術監督の宮田慶子、『焼肉ドラゴン』からナム・ミジョン、ハ・ソングァン、馬渕英里何 、中村ゆり、高橋努、『たとえば野に咲く花のように』から演出の鈴木裕美、ともさかりえ、山口馬木也、村川絵梨、石田卓也、『パーマ屋スミレ』から南果歩、根岸季衣、村上淳、千葉哲也の総勢16名が出席した。『焼肉ドラゴン』と『パーマ屋スミレ』は鄭が自ら演出も務め、今回の三部作連続上演を「光栄の至り」と喜びをかみしめる。3作ともキャストの一部を入れ替えての上演となるが「新たな、錚々たるキャストのみなさんと新しく作るということで、喜びと不安、期待でいっぱいです」と意気込みを口にした。『焼肉~』はすでに本読み稽古がスタートしており、初演時に客席で鑑賞し、感動に打ち震えたという馬渕は、エネルギーあふれる脚本との格闘に「読んでるだけでボロボロになります(苦笑)。嬉しくて仕方ないんですが、本を開くと疲れます…」と苦笑いしながらも、「この作品の一員になれる幸せを噛みしめつつ、初演、再演以上の新しい『焼肉ドラゴン』を作れるよう稽古を重ねたい」と力強く語る。『たとえば野に咲く~』主演のともさかは「新国立劇場も鄭さんの作品も(鈴木)裕美さんの演出も初めての“初めて尽くし”です」と緊張の色を浮かべ、「どんな新しい景色が見られるか、楽しみ半分、恐ろしさ半分です」と語る。初演に続いて演出を務める鈴木は「演劇、俳優の力を信じている本だと思います。どの人物も美しさと頭の悪いところが、両方とも描かれている」と改めて鄭の作品の魅力を語った。4年前の『パーマ屋~』初演以来「誰よりも再演を熱望してきた」と自負する南は感慨もひとしおのよう。「鄭さんは『アジアで二番目にしつこい演出家』とご自分で仰ってましたが、北半球で一番ではないかと思います(笑)」とキッパリ。これには鄭も「アジアで一番になるように頑張りたい(笑)」と応戦。南はさらに「人生を懸けてもいいと思えぶつかりがいのある山で、役者にとって最高の幸せであり、不幸であり(笑)、試練!今後、こういう役に出会う機会はないかもしれないという思いで一期一会を感じています」と本作への特別な思いを吐露し、並々ならぬ意気込みをうかがわせた。『焼肉ドラゴン』は3月7日(月)から27日(日)、『たとえば野に咲く花のように』は4月6日(水)から24日(日)、『パーマ屋スミレ』は5月17日(火)から6月5日(日)まで、新国立劇場小劇場にて上演。なお、チケットぴあでは三部作特別割引通し券を1月21日(木)まで発売中。
2016年01月20日TVアニメ第3期シリーズとなる『ゆるゆり さん☆ハイ!』も最終回を迎えたがまだまだ勢いは止まらない「ゆるゆり」。2015年11月15日には、大阪・松原市文化会館にて、ラジオ『ゆりゆららららゆるゆり放送室』の公開収録イベントが開催された。「秋祭り」と題された本イベントは、ラジオCD「ゆりゆららららゆるゆり放送室カウントダウンCD~7時間目」の発売を記念して開催されたもの。大阪での公開収録イベントは今年3月以来である。「ゆっるり~ん」とステージに登場した七森中☆ごらく部の三上枝織(赤座あかり役)、大坪由佳(歳納京子役)、津田美波(船見結衣役)、大久保瑠美(吉川ちなつ役)。オープニングトークに続いては「『ゆるゆり さん☆ハイ!』早くも名場面総ざらい!」と題して、メンバーそれぞれが自分なりの名場面を振り返りつつ、今後の展開などを紹介していく。名場面を語るはずが、いつの間にかグッズの話に脱線するのはお約束といったところ。続く「声を出して読みたいゆるゆり」では、原作コミックス第10巻の一部を4人で実演する。そして、おなじみ「ゆりゆり劇場」は「能力者たちがゆりゆり」をお題。「最近不完全燃焼気味だった」という4人だったが、今回はきれいにまとまり「久しぶりにスカッとした」(津田)。今回はさらに、リハーサルのときにやった「ペットショップでゆりゆり」でまさかの2回戦突入となったが、結果は「いつもどおりの私たち」(津田)。イベントの最後はライブコーナー。『ゆるゆり さん☆ハイ!』より、オープニングテーマ「ちょちょちょ! ゆるゆり☆かぷりっちょ!!!」とエンディングテーマ「あっちゅ~ま青春!」の2曲を披露し、公開収録を締めくくった。なお、2015年12月24日(木)の21時からは、ニコニコ生放送「ゆるゆり さん☆ハイ! 今年はクリスマスにナニシマス!?」が放送される。本ニコ生では、ごらく部4人が勢ぞろいで、Blu-ray第5巻に封入される「すぺしゃるなさうんどCD」に収録される『ゆるゆり さん☆ハイ!』のサウンドトラックの曲名決めが行われる。過去にも数々の伝説を生んだ企画だけに、しっかりチェックしておきたい。(C)2015 なもり/一迅社・七森中ごらく部
2015年12月24日TVアニメ第3期シリーズとなる『ゆるゆり さん☆ハイ!』が10月より放送開始となり、さらなる盛り上がりをみせる「ゆるゆり」にて歳納京子役を務める大坪由佳が、2015年11月21日、東京・AKIHABARAゲーマーズ本店で一日店長に就任し、ブロマイドお渡し会を開催した。今回の一日店長は、11月16日~29日の期間、AKIHABARAゲーマーズ本店にて開催された「ゆるゆりミュージアム6」の開催を記念したもので、大坪がAKIHABARAゲーマーズ本店の一日店長となるのは、今回で6度目。自身の持つ最多一日店長実施回数の記録をさらに更新した。2015年3月以来となるゲーマーズ一日店長となった大坪は、えんじ色のエプロンを身につけ、自らのブロマイドを、ファンひとりひとりに手渡し。五度にわたるお渡し回を実施し、ファンとのコミュニケーションを楽しんだ。○お渡し会の夜はニコ生に登場一日店長としてお渡し会を実施した21日の夜は、『「ゆるゆり さん☆ハイ!」×AKIHABARAゲーマーズ ミュージアム記念「大坪プロの細かすぎて伝わらない名シーン」』と題してニコニコ生放送に出演した。放送では、11月18日に同時発売された、『ゆるゆり なちゅやちゅみ! +』とライブイベント『七森中♪やがいふぇす』のBlu-ray/DVD、また『ゆるゆり さん☆ハイ!』6話までの中から、大坪プロの目線で名シーンをチョイス。Twitterで募集した「大坪由佳に言ってもらいたい細かすぎて伝わらない胸キュンセリフ」を交えつつ、厳選された名シーンを自ら再現しつつ、ランキング形式で発表していくという、まさに大坪プロならではのマニアックな放送に、ニコ生のコメントも大いに賑わう放送となった。なお、2015年12月24日(木)の21時からは、ニコニコ生放送「ゆるゆり さん☆ハイ! 今年はクリスマスにナニシマス!?」が放送される。本ニコ生では、ごらく部4人が勢ぞろいで、Blu-ray第5巻に封入される「すぺしゃるなさうんどCD」に収録される『ゆるゆり さん☆ハイ!』のサウンドトラックの曲名決めが行われる。過去にも数々の伝説を生んだ企画だけに、しっかりチェックしておきたい。(C)2015 なもり/一迅社・七森中ごらく部
2015年12月23日2015年10月より放送開始となったTVアニメ『ゆるゆり さん☆ハイ!』より、七森中☆ごらく部、そして生徒会によるキャラクターソング「ゆるゆり うた♪ソロ!」シリーズが登場。12月16日には第4弾として、生徒会1年生のさくひまコンビのキャラソンがリリースされた。「ゆるゆり うた♪ソロ!」第4弾は櫻子と向日葵。「ゆるゆり うた♪ソロ! 07」として「サクラコ☆いんとろでゅーす」(歌:大室櫻子/CV:加藤英美里)と「ゆるゆり うた♪ソロ! 08」として「恋はあまのじゃくですわ」(歌:古谷向日葵/CV:三森すずこ)の2タイトルがリリースされた。「うた♪ソロ! 07」はカップリングに「マ/ジ/ンBUSTER!」、「うた♪ソロ! 08」はカップリングに「ナツノハナ*ものがたり」など、それぞれ全4曲([からおけ]含む)が収録され、価格は各1,350円(税込)。○【ゆるゆり】「ゆるゆり さん☆ハイ!」うた♪ソロシリーズ 向日葵 試聴動画(C)2015 なもり/一迅社・七森中ごらく部
2015年12月21日2015年10月より放送開始となったTVアニメ『ゆるゆり さん☆ハイ!』より、七森中☆ごらく部、そして生徒会によるキャラクターソング「ゆるゆり うた♪ソロ!」シリーズが登場。12月2日には第3弾として、生徒会2年生コンビのキャラソンがリリースされた。「ゆるゆり うた♪ソロ!」第3弾は綾乃と千歳。「ゆるゆり うた♪ソロ! 05」として「そわそわ!?ワンスモア」(歌:杉浦綾乃/CV:藤田咲)と「ゆるゆり うた♪ソロ! 06」として「イッツハッピーデイ!!」(歌:池田千歳/CV:豊崎愛生)の2タイトルがリリースされた。「うた♪ソロ! 05」はカップリングに「ぷりんアラモード」、「うた♪ソロ! 06」はカップリングに「め・が・ねのマーチ」など、それぞれ全4曲([からおけ]含む)が収録され、価格は各1,350円(税込)。○【ゆるゆり】「ゆるゆり さん☆ハイ!」うた♪ソロシリーズ 千歳 試聴動画なお、第4弾は生徒会の1年生、大室櫻子(cv. 加藤英美里)と古谷向日葵(cv. 三森すずこ)のさくひまコンビが登場! 2015年12月16日のリリース予定となっている。(C)2015 なもり/一迅社・七森中ごらく部
2015年12月05日TVアニメ第3期となる『ゆるゆり さん☆ハイ!』が放送中の「ゆるゆり」より、『ゆるゆり なちゅやちゅみ! +』と、ライブイベント『七森中♪やがいふぇす』のBlu-ray/DVDが2015年11月18日にリリースされる。○『ゆるゆり なちゅやちゅみ! +』がBlu-ray/DVDに!完全新作アニメーションとして8月・9月に放送された『ゆるゆり なちゅやちゅみ+』。そのBlu-ray/DVDには、第1話「+1」と第2話「+2」の計2話を収録。原作者・なもり氏による描き下ろし三方背ケース&キャラクターデザイン・谷口元浩氏による描き下ろしデジパックケースに収納され、封入特典として原作者・なもり氏描き下ろし漫画掲載の「すぺしゃるぶっくれっと」および、生徒会メンバーが歌う「おひるねゆにばーす」が収録された「すぺしゃるなさうんどCD」が用意される。そのほか音声特典として「『七森中☆ごらく部』によるワイワイ!オーディオコメンタリー」、映像特典として「ノンテロップオープニング映像」「ノンテロップエンディング映像」「ゆるゆり なちゅやちゅみ! +」PVなどが収録され、価格はBlu-ray版が7,000円(税別)、DVD版が6,000円(税別)となる。○『七森中♪やがいふぇす』が満を持してのBlu-ray/DVD化2015年6月6日に日比谷野外音楽堂にて行われたライブイベント『七森中♪やがいふぇす』が満を持しての映像化となった。「七森中☆ごらく部」をメインに、生徒会チームのサプライズ登場など大いに盛り上がった、歌ありパフォーマンスありで見どころ満載。初回限定特典として「メモリアル・フルカラー・ブックレット&フォトカード」が用意されるほか、映像特典として「キャスト8人の舞台裏メイキング集」が収録される。価格はBlu-ray版が6,800円(税別)で、DVD版が5,800円(税別)。なお、2016年1月24日に開催される七森中☆ごらく部のイベント「七森中♪がくえんさい」のチケット先行購入の申し込みには、『ゆるゆり なちゅやちゅみ! +』Blu-ray/DVDに封入される「申込券Aのシリアルナンバー」および、『七森中♪やがいふぇす』Blu-ray/DVDに封入される「申込券Bのシリアルナンバー」の2つが必要となる。(C)2015 なもり/一迅社・七森中ごらく部
2015年11月18日2015年10月より放送開始となったTVアニメ『ゆるゆり さん☆ハイ!』より、七森中☆ごらく部、そして生徒会によるキャラクターソング「ゆるゆり うた♪ソロ!」シリーズが登場。11月18日には第2弾として、ごらく部の2年生コンビがラインナップ!「ゆるゆり うた♪ソロ!」第2弾は結衣と京子。「ゆるゆり うた♪ソロ! 03」として「ついておいでよ」(歌:船見結衣/CV:津田美波)と「ゆるゆり うた♪ソロ! 04」として「GO! GO! ミラクる」(歌:歳納京子/CV:大坪由佳)の2タイトルがリリースされる。「うた♪ソロ! 03」は、カップリング「あいまいセルフ」、「うた♪ソロ! 04」はカップリング「せいぎのキョッピー!!」など、それぞれ全4曲([からおけ]含む)が収録され、価格は各1,350円(税込)。○【ゆるゆり】「ゆるゆり さん☆ハイ!」うた♪ソロシリーズ 京子 試聴動画なお、第3弾は生徒会の2年生コンビ、杉浦綾乃(cv. 藤田咲)と池田千歳(cv. 豊崎愛生)で、2015年12月2日のリリース予定となっている。(C)2015 なもり/一迅社・七森中ごらく部
2015年11月18日真っ青な秋空に映える大阪城の天守閣。10月25日、大阪城西の丸庭園で5年ぶりとなる大阪平成中村座が開幕した。前日の会見で、中村扇雀は「感無量」と言い、中村橋之助は「兄が亡くなり、こんな早い時期にできたことは本当にうれしい、皆様のおかげです」と感謝。今回は、坂東彌十郎と坂東新悟、中村橋之助と中村国生、中村扇雀と中村虎之介という、3組の親子共演も楽しみだ。「大坂の陣400年記念 大阪平成中村座」チケット情報中村勘九郎・七之助はもとより、座組み全員が十八世中村勘三郎への想いを胸に、舞台に立った初日。昼の部には、満員の観客席に京都・先斗町から舞妓さんたちの姿もズラリと。『女暫(おんなしばらく)』は、歌舞伎十八番の『暫』を女方が演じる演目。七之助が凛々しくもキュートな巴御前を演じ、大奮闘!『三升猿曲舞(しかくばしらさるのくせまい)』は長唄舞踊。木下藤吉郎に扮した勘九郎が踊りの名手ぶりを披露する。紅葉の背景が開くと、陽に輝く大阪城が借景に!大拍手の客席に秋風が流れ込む。『狐狸狐狸(こりこり)ばなし』は、だまし合いの喜劇。扇雀が弾けて大活躍、七之助も魅力を発揮し、物語のおもしろさに引き込んで笑わせる。客席は大喜びのうちに昼の部が終演。休憩は2回。お弁当は敷地内の五軒長屋で早めに買おう。トイレは長蛇の列でも大丈夫。順番待ちまで楽しませるお茶子さんの話と超スムーズな誘導、場内案内からお弁当の空箱回収まで手際の良さは抜群だ。これぞ中村座名物、勘九郎の言う「世界に誇れるお茶子さん」。イヤホンガイドもおすすめ。公演中はもちろん、休憩時間には大阪城の歴史などの解説も。夜の部は『俊寛』と、30分の休憩をはさみ『盲目物語』。「どちらも祖父、父と二代に渡って大切にしてきたもので、父の想いが詰まった演目です」と七之助。前回、十八世勘三郎が演じたゆかりの演目『俊寛』は、来年、八代目中村芝翫を襲名する橋之助が渾身の演技で。『盲目物語』は、「ずっとやりたかった」と勘九郎、「大阪城にぴったりの作品」と七之助。今回の中村座の目玉はこれだ。お市の方に仕える盲目の弥市と豊臣秀吉の対照的な人生を、勘九郎が早替りで演じ分ける。回り舞台まで使う演出、幕切れは三味線を弾く弥市と幻想の中で琴を合奏するお市。その背景にライトアップされた大阪城が…。「鳥肌の立つような演出をご覧いただきます。観た人は最後を言わないでください」と扇雀。だから、言いません。「『還暦になったらまた大阪に来るよ』と言っていた父は、約束を守りました」と語っていた勘九郎。まるで十八世勘三郎が乗り移ったかのような舞台だった。彼らを、芝居小屋の18か所から“隠れ勘三郎”の眼が見守る。「最後の1個が探し出せたら賞金もの」。空き時間に“眼”を探し、スマホで撮影。とことん楽しませてこそ中村座だ。ただし、全部見つけても「賞金は出ません(笑)」。『大坂の陣400年記念 大阪平成中村座』は11月26日(木)まで大阪城西の丸庭園内 特設劇場にて上演中。取材・文:高橋晴代
2015年11月16日2015年10月より待望の第3期シリーズとして放送開始となったTVアニメ『ゆるゆり さん☆ハイ!』だが、2015年10月28日には、ニコニコ生放送にて「ゆるゆり さん☆ハイ! ×HMV presents DJ TSUDAのCOUNT DOWN ゆるゆりTV 6」の放送が行われた。「ゆるゆり」にて船見結衣役を演じる津田美波が「DJ TSUDA」となってお送りする「COUNT DOWN ゆるゆりTV」も今回で6回目。とはいえ、前回の放送は2012年8月27日であり、実に3年2カ月ぶりの登場となった。DJ TSUDAこと津田美波が「ゆるゆり」の音楽を盛り上げていく本番組。放送日当日が『ゆるゆり サン☆ハイ!』のOP&EDテーマCDの発売日であり、11月4日からはキャラソン「ゆるゆり うた♪ソロ!」シリーズのリリースが開始されるということもあり、今回はキャラソン8曲とOP/EDテーマCDの収録曲をあわせた全12曲が、HMVスタッフの独断によるランキング形式で発表された。3年2カ月ぶりということもあって、番組スタートからハイテンションで駆け抜ける津田。曲紹介とともにTwitterで募集された「結衣に突っ込まれたいボケ」に対するツッコミに四苦八苦しつつ、順調にランキングを消化していく。DJ TSUDAといえば"ネコ耳"装着の津田にゃんでおなじみだが(?)、今回は「(結衣のキャラソンが)1位になったら"やっTにゃん"をしたいので」と封印。11位から2位までの発表を終えたところで、依然ランキングに登場せず、ついに1位獲得か? と期待の高まる津田だったが、第1位は無常にも池田千歳の「イッツハッピーデイ!!」。第2回に続いて、結衣のキャラソンは最下位となり、ご褒美の予定が罰ゲームとして"ネコ耳"を装着させられることになった……。○ランキング結果TVアニメ『ゆるゆり さん☆ハイ!』キャラクターソング「ゆるゆり うた♪ソロ!」シリーズは、現在「うた♪ソロ! 01」の赤座あかり(cv. 三上枝織)と「うた♪ソロ! 02」の吉川ちなつ(cv. 大久保瑠美)が発売中。11月18日には船見結衣(cv. 津田美波)と歳納京子(cv. 大坪由佳)がリリースされ、以降隔週で生徒会メンバーが発売される。詳細はゆるゆりスペシャルサイトにて。(C)2015 なもり/一迅社・七森中ごらく部
2015年11月15日