役所が発行している保育園の案内冊子をひと通り理解したら、次に保育園を見学に行くための準備を開始します。でも行動に移る前に、認可保育所(認可園)を実際に見に行くことにどんな意味があるか少し考えてみたいと思います。○保育園を見る目を養うもちろん実際に見ることで得られる情報は大きいですし、そもそも初めて保活するパパ・ママにとっては全てが未知の世界といった感じでしょう。これは意外かもしれませんが、この先見学し始めると、「認可園って、どこもわりと似ているな」という印象を受けると思います。建物が新しいか古いか、園庭が土か芝生か、その他にもインテリアや色使いなどにも園の個性は存分に出ていると思うのですが、保育士に対する子どもの人数や保育スペースの広さなどについてはあまり違いがないはずです。その理由は、認可園がそもそも国の基準にのっとって設立・運営されている施設だから。反対に、認可園以外の保育施設は、よりバラつきが大きくなります。これから初めて保活を開始するという皆さんは、「どんな園をご希望ですか? 」と尋ねられても今は上手く答えられないと思います。保育園のことをよく知らない状態では、自分の中での判断基準もできておらず、急に保育園を選べと言われても選べないと思うのです。そこで、認可園を色々と見てまわり、理解を深めると同時に、比較的同質性の高い認可園同士を見比べることで、自分なりの視点や譲れないポイントを掴むことをおすすめします。基本的なベースラインがある上で違いを比較することで、より視点が絞られて比較しやすくなると思います。認可外保育園から見学をスタートするのがダメという訳ではありません。しかし、園ごとの違いが大きい認可外保育園を比較するということは、それだけ「見る目」が必要になり難しくなります。逆にいうと、先に認可園を見ておけば、認可園の保育環境を軸として認可外保育園の環境を評価することもできるようになります。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール株式会社ここるく 代表取締役 山下真実わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にする子育てスタイルを提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」を起業。保活の情報、子育てと仕事の両立アドバイスなど「実践的で分かりやすい」と雑誌等でも監修多数。全プラン託児付き! 新しい子連れおでかけスタイル「ここるく」
2015年04月02日小さいお子さまを持つ保護者にとって、今最も関心が高いことの一つ、それが平成27年4月に本格スタートする「子ども・子育て支援新制度」ではないでしょうか。この制度は、少子化問題を解消するため子育てしやすい国を目指し、平成24年8月に成立した「子ども・子育て支援法」と、それに関連する子ども・子育て関連3法に基づく制度のことをいいます。子ども・子育て支援新制度が目指すものこの制度において国は、「量」と「質」の両面から、もっと効果的な子育て支援を目指しています。(1)支援の「量」を拡充お子さまの年齢・親の就労状況に応じて、受けられる保育・教育の選択肢を増やします。そのための主な施策として、2006年に始まったものの、普及が伸び悩んでいる「認定こども園」を改善して、普及を図ります。また、待機児童問題の解消に向けて、平成29年度までに新たに約40万人分の保育の受け皿を確保するとしています。具体的には、待機児童が多い0~2歳のお子さまを対象にした「地域型保育」を新設し、市町村の認可事業とすることや、認可を目指す認可外保育施設への支援などの取り組みが行われています。(2)支援の「質」を向上子どもたちにより目が行き届くように、幼稚園や保育所、認定こども園等の職員を子どもの人数に対して増やす、また、放課後児童クラブ(学童保育)の対象年齢を小学校6年生までに引き上げ、保育時間も遅くして、いわゆる「小1の壁」「小4の壁」(※)の解消を図ります。※「小1の壁」とは、保育所では延長保育ができていたが、小学校に入学すると、保育所に比べて保育時間が短くなり、保護者の就労に影響することを指します。全国の約5割の自治体で、学童保育の保育時間は「18時まで」となっています。そのため、小学校入学により、お子さまが自宅で留守番をする時間が生じることに、不安を持つ保護者がとても多いのです。また、「小4の壁」とは、学童保育の対象年齢を「小3まで」としている自治体が約5割もあり、小学4年生になると、下校後の習い事を入れたり、別の預け先を探したりなど、対策が必要になっていることを指します。新制度で増える教育・保育の場それでは、新制度がスタートして、保護者が選ぶことができる教育・保育の場には、どのようなものがあるのでしょうか。特徴をまとめます。表1 新制度スタート後の教育・保育の場資料:子ども・子育て支援新制度「なるほどBOOK」(平成26年9月改訂版)/内閣府・文部科学省・厚生労働省をもとに執筆者作成新制度が子育て世代の暮らしに与える影響は?新制度がスタートしても、施設によっては新制度に移行しない場合もあります。新制度に移行する施設に子どもを預ける場合、これまでと変わる主なことをみていきましょう。保育利用のための認定を受ければ、原則全員が利用できる現行制度では、たとえば保育所の場合、希望の施設について自治体に申し込むと、自治体が「当否」を決めるのが一般的です。新制度ではこの点が大きく変わり、利用したい人が「保育の必要性」の認定を受け、認定されれば、原則全員が利用できます。表2 「保育の必要性」の3つの認定区分資料:子ども・子育て支援新制度「なるほどBOOK」(平成26年9月改訂版)/内閣府・文部科学省・厚生労働省をもとに執筆者作成※新制度に移行しない幼稚園や保育所を利用する場合は、認定を受ける必要はありません。これまで公的保育が受けられなかった、「夜間労働」「短時間就労」「求職活動中」などの場合でも、公的保育が受けられる保育所に預けることができる2号認定・3号認定を受けるための条件「保育を必要とする事由」が、現行の条件であった「保育に欠ける事由」から大きく変わります。表3 保育の必要性の認定に係る「事由」について新制度では、保護者の多様な働き方に対応して、公的保育を受けられるようになります。また、現行制度では各市町村によって対応が異なっていた、「求職活動」「就学」「虐待やDVのおそれ」などについても、どの地域でも保育を必要とする事由とされました。また、新制度では保育所などでの保育を希望する場合の2号認定・3号認定を受けるための考慮される項目に、「保育の必要量の認定」が導入されます。これによって、これまでは保育に欠ける事由に当てはまらなかった、短時間就労のパートタイマーの方も認定を受けることができ、公的保育を受けられるようになります。私立幼稚園(新制度に移行する施設の場合)などの補助金がなくなる!?現行制度では、私立幼稚園に通う場合、所得に応じて「幼稚園就園奨励費補助金」の支給を受けられますが、新制度においてはこの補助金の適用がなくなります。しかし、私立幼稚園の保育料額の全国平均額から、利用者の所得に応じた幼稚園就園奨励費補助金額を差し引いて保育料を設定することになります。つまり、一旦保育料を払ってキャッシュバックを受けている現行制度に対して、新制度では利用者の一時負担が軽減され、入園当初から保育料が安く抑えられるようになるということです。保育料は所得に応じて変わる保育所だけでなく、新制度に移行した場合の幼稚園や認定こども園も含めて、保育料の上限額は、所得の階層ごとに設定されます。保育所、認定こども園、小規模保育の場合は、保育が必要な時間の長さによって、上限金額も異なります(「保育標準時間(11時間)」と「保育短時間(8時間)」の2つの区分に分けられます)。また、お子さまが2人以上いる場合、2人目以降の保育料が減額されます。表4 多子世帯の保育料の軽減資料:子ども・子育て支援新制度「なるほどBOOK」(平成26年9月改訂版)/内閣府・文部科学省・厚生労働省をもとに執筆者作成子育て家庭のためのサポートが充実!保護者が働いていない場合でも、お子さまを預けられる場所が増えるように「一時預かり」事業が拡充されます。また、子育てに関する不安を払拭できるように、親子の交流や相談ができる場所も増やしていく方針です。前述しましたが、放課後児童クラブの質も向上し、預けられる年齢も小学3年生から小学6年生までに引き上げられる予定です。その他、病児保育なども利用しやすくなるよう、各市町村が中心となって進めます。消費税増税が先送りとなり、新制度のスタートは?平成27年4月スタートのこの新制度の実施のために、消費税増税の増収分から毎年7,000億円程度が充てられる予定でした。すでに昨秋から今年の保育所申し込みは始まっており、新しい制度のスタートを前にして、増税先送りや解散総選挙があり、該当される保護者の皆さんはさぞかしやきもきされたのではないでしょうか。しかし、自治体でも既に準備は始まっており、予定通り制度はスタートするはずです。待機児童がなくなり、誰もが柔軟に働き方・生き方を選択できる世の中になるべく、この制度が形式的なものにならず、活気あるままスムーズに施行されることを願います。コラム執筆者プロフィール 鈴木 さや子(すずき さやこ)(株)ライフヴェーラ 代表取締役/mamaTanoマネーサロン 代表/CFP(R)/1級FP技能士/住宅ローンアドバイザー/キャリアコンサルタント(CDA)家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、主に女性向けに、セミナーやコラム記事などを通じて情報発信。保険などの商品を一切販売しないファイナンシャルプランナーとして活躍中。専門は教育費・ライフプラン・保険・住宅ローン・マネー&キャリア教育。女性の心に寄り添う個人相談にも定評がある。企業講演の他、小・中学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行っている。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年02月03日未就園児を対象として保育を行う、通称「プレ保育」。プレ保育を実施する幼稚園は意外と多く、プレ保育に参加しながら、入園する幼稚園を決めるという人も少なくありません。幼稚園によって未就園児が参加できる日数や保育内容は異なりますが、プレ保育に参加することで各幼稚園の特色や雰囲気などを知ることもできます。今回は、プレ保育に足を運ぶことで、どんなメリットを得られるかについてピックアップしてみました。■幼稚園の環境に馴染み、入園準備を整えられるいざ入園になった時、子どもが幼稚園に全然慣れていなくて困ったというケースはめずらしくありません。泣いて登園を嫌がったり、園生活でも本来の自分を表現することができなかったりすることもあります。しかし、プレ保育を利用することで、「幼稚園は楽しいところ」というイメージを定着させることができ、入園後の不安を軽減することができます。集団生活の第一歩となるので、子どもにとっても新鮮で、お友だちとの関わり方を学ぶきっかけにもなっていきます。■顔見知りの人が増える近所に同じ年代の子どもやママ友がいない人も、プレ保育に足を運ぶことで、顔見知りの人をつくることができます。プレ保育ではママ同士の交流もあるので、子育てについて語ったり、普段のストレスを解消したりするきっかけになるはずです。入園してからも、ある程度お互いのことを知っている人がいるのといないのとでは、精神的な面でも大きく違いますよ。■複数の園の未就園児保育を利用すれば、入園先を検討できる1つの園だけだと、ほかの幼稚園のことを知らないまま終わってしまうかもしれません。できれば複数の園のプレ保育に参加してみましょう。各幼稚園で雰囲気や特色、保育スタイルは大きく異なります。それぞれの幼稚園を見極め、最も子どもに合った園を選んであげることができるのも、プレ保育の良いところです。■行事やイベントに参加することができる芋掘りやクリスマス会、英会話教室など、大きな行事や催しの時に、未就園児も参加できるというかたちをとっている幼稚園は多く、家庭だけでは体験できないような経験ができるのも、プレ保育ならではのメリットです。ほかのお友だちと一緒に楽しみながら体験できるので、親子の思い出になったり、子どもの成長に良い影響を与えてくれたりもするでしょう。近くに未就園児を対象とした保育を実施している幼稚園があるかどうかをチェックして、ぜひプレ保育に参加してみてくださいね!
2014年11月04日明光ネットワークジャパンはこのほど、学童保育所「明光キッズ」に「預かりサービス」と「明光義塾の授業」をセットにしたサービスを新設。「明光キッズ石神井公園」と「明光義塾石神井公園教室」にて実施開始した。「明光キッズ」は同社が運営する、小学生の子どもたちが放課後の時間を有意義に過ごすための学童保育所(アフタースクール)。明光義塾は全国で14万名の生徒が通う個別指導学習塾。これまでに多く寄せられていた「授業の後に子どもを預かってほしい」「預かり中に受験対策をしてほしい」という利用者からの要望を受けて、「明光キッズ」に「明光義塾の授業」と「預かりサービス」をセットにして利用できるサービスを新設した。「明光キッズ石神井公園」と「明光義塾石神井公園教室」は、同じ建物の1階と2階に位置し、短時間で安全に教室間の移動が可能となる。同サービスによって、私・国立小学校に通う生徒の補習や、中学校受験の対策などにも対応ができ、より幅広いニーズに応えることができるようになるという。料金は週1回45分授業で月額9,975円。入会金21,000円、教室維持費として月額2,100円が別途かかる。他に週2回、3回、授業時間が90分のプランも用意。また明光キッズのクラブ会員は週1回あたり4,200円が減額され、教室維持費が不要となり、入会金も免除(明光義塾会員も)される。サービスの提供時間は、90分授業で16時30分から19時まで、45分授業の場合は17時15分から19時までとなる。オプションとして、夕食の提供や最長22時までの延長も可能。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月28日東京都文京区で30人規模日本興亜損害保険が、保育所の経営に参入する予定であることが30日分かった。読売新聞などが伝えた。報道によると、開設されるのは東京・文京区内の予定で、施設は東京都の基準を満たした30人規模の認証保育所となるという。現行の保険業法の施行規則では、保険会社は保育所の事業を行うことはできないが、金融庁は規制を改正して認めるもよう。日本興亜は所有している不動産を積極的に活用して、来年以降も年2カ所のペースで保育所を開設していく方針であるという。認証保育所とは今回日本興亜が基準としている認証保育所は東京都独自のもので、国による認可保育所とは異なるもの。認可保育所は、児童福祉法に基づく児童福祉施設のことで、国におよる設置基準を満たして都道府県知事に認可された施設となる。対して認証保育所は、従来の認可保育所の基準を満たすことが困難な大都市において、「企業の経営感覚を発揮」「0歳児保育を必ず行う」など地域事情を考慮し、かつ多様なニーズに応えることを目的としている。今回の保育所は、金融庁の規制の改正で問題ないと判断されれば、来春までに実現する見通しという。
2010年11月03日