意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「宗教2世」です。公的支援から外れる貧困。偏見もなくそう。安倍元首相の銃撃事件を機に宗教2世の存在がクローズアップされました。僕は以前からオウム真理教信者の子供たちや、脱会した方のその後の社会生活について当事者に取材してきました。彼らは、一般の社会生活を送るのは極めて困難な状況に陥っていました。学校でも職場でも自分が宗教2世であることを伝えるのは難しかったとみなさん話しておられます。奇異な目で見られたり、レッテルを貼られたり、警戒されたり。友人や恋人に話せば自分から離れていくのではないかという怖さから、余計に一人で抱え込んでしまいます。一方では、SNSの普及により、初めて自分以外にも同じような状況にある人がいることがわかり、心が支えられたとおっしゃる方もいます。今回の事件の山上容疑者の家は、旧統一教会の信者である母親が多額の献金をしたことにより破産しました。このようにカルト教団で、常識を超えた霊感商法などで信者がお金を吸い上げられていくような家庭で育った人は、経済的に非常に苦しい状況に陥ります。ところが、こういう場合の貧困は法的なサポートから外れてしまうんですね。生活保護費は、病気や怪我で働くことができない人に支給されます。しかし、宗教による過剰献金の家庭の場合、両親のどちらかが働いており、お金も稼いでいる。それが家庭や子供たちに回らないという状況ですから、当然、生活保護の対象にはなりません。旧統一教会の信者の子供たちは「祝福2世」と呼ばれ、教会内で大切に育てられます。しかし自由な恋愛や結婚ができないなど厳しい教えがあります。教義に疑問を抱き、親とは違う道を歩みたいと思っても、家族や人間関係、自分の居場所などをすべて切り離すことになるので相当の覚悟が必要です。この問題はほかの新興宗教にも通じます。宗教2世は自分で信仰を選べず、そういう家庭に生まれたことで社会的孤立を強いられ、学びの機会や様々な選択の自由を奪われます。偏見を抱いてしまう社会風潮にも問題はあると思います。公的支援のあり方も再考の余地があるでしょう。宗教の問題というよりは、子供の虐待や貧困の観点から捉えるのが重要ではないかと思います。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年9月21日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年09月17日モデルの岩堀せりさん(45)は、ヴィジュアル系ロックバンドGLAYのギタリストであるTAKUROさん(51)と2004年に結婚。その後2005年に第1子男児、2007年に第2子女児が誕生。4人家族になったせりさんファミリーは2018年にロサンゼルスに生活の拠点を移しました。自身のインスタグラムにはロサンゼルスの暮らしぶりやTAKUROさんとの夫婦ショットを投稿し、ファンから注目を集めています。先日は、TAKUROさんとの最新ツーショットを投稿していました。早速チェックしてみましょう!TAKUROさんの肩に寄り添う密着ショットが絵になると反響 この投稿をInstagramで見る iwahoriseri.(@iwahoriseri)がシェアした投稿 「45歳と51歳。」と、窓際に立ち外の景色を見つめるTAKUROさん。そして肩にもたれかかるせりさん。素敵な部屋でグラスを持つTAKUROさんとせりさんがそろうとラグジュアリー感に圧倒されますね。コメント欄には「絵になるご夫婦」「色気がすごい♡美しいご夫婦です」「勝ち組の姿」「45歳と51歳には全く見えません♡」と称賛のコメントが相次いで寄せられておりました。いつまでも夫婦仲が良くオシャレでカッコいいお2人。ツーショット投稿を待ちわびるフォロワーが多いようです。次はどんな夫婦ツーショット写真が投稿されるのか楽しみですね!あわせて読みたい🌈お腹ふっくら?第1子妊娠の大島優子さん、オーバーサイズシャツ姿がキュート
2022年08月23日展覧会「脚本家 黒澤明」が、東京・京橋の国立映画アーカイブにて2022年8月2日(火)から11月27日(日)まで開催される。黒澤明の“シナリオ術”にフォーカス「脚本家 黒澤明」は、映画監督・黒澤明のシナリオ術に焦点を当てた展覧会。幾多の名脚本家たちとともに次々傑作映画を生み出した黒澤明は、自身もシナリオを執筆することで映画監督としての成長を遂げてきたのだった。「脚本家 黒澤明」では、黒澤明の“シナリオ作家”としての側面から、『七人の侍』(1954年)をはじめとする名作脚本の生成・変更の過程を分析し、他の監督たちに提供した脚本や、新たに発見された未映像化脚本について解析。黒澤明にインスピレーションを与えてきた文学作品など、“書く人”黒澤明の修業時代から後期作品までを紐解いていく。会場には、国立映画アーカイブの所蔵品に加え、黒澤資料の収集家、各地の資料館や黒澤作品の元スタッフ関係者などから貸与された資料が一堂に集結。新発見の脚本『ガラスの靴』をはじめ、映画化が実現しなかった幻の脚本や、黒澤自身で監督をせず、他の監督に提供した執筆脚本の数々も目にすることができる。『七人の侍』ストーリーはいかに構築されたのか?世界映画史において最高峰の1つである映画『七人の侍』のシナリオは、黒澤と橋本忍、小國英雄の3名による合作だった。侍たちそれぞれのキャラクターはどのように構想され、肉付けされていったのか、また、ストーリーの構造はいかに構築されたのかを、資料を通して解明。アイデアの源泉として注目されるソビエトの文学者ファジェーエフの小説にも触れながら、解説する。ドストエフスキーやシェイクスピアなど影響を与えた文豪たちまた、『白痴』のドストエフスキーや、『蜘蛛巣城』『乱』のシェイクスピア、『椿三十郎』『赤ひげ』『どですかでん』の山本周五郎など、黒澤の映画世界に大きな影響を与えた文学者たちの存在にも注目だ。文豪たちが生み出した物語や人間観は、黒澤映画の中にどのような影響をもたらしていたのかを考えるとともに、彼らと並び強い影響を与えたバルザックの小説についても、新たな考察を加える。【詳細】脚本家 黒澤明会期:2022年8月2日(火)~11月27日(日)会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階)住所:東京都中央区京橋3-7-6休室日:月曜日および9月6日(火)~9日(金)、9月27日(火)~10月2日(日)は休室。開室時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)※毎月末の金曜日のみ開室時間を20:00まで延長。※入室は19:30まで■チケット料金:一般 250円(200円)/大学生 130円(60円)※65歳以上、高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料。※料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む。※( )内は20名以上の団体料金。※学生、65歳以上、障害者、キャンパスメンバーズ対象者は入室の際、証明できるものの提示が必要。※国立映画アーカイブが主催する上映会の観覧券(オンラインチケット「購入確認メール」)を提示すると、1回に限り団体料金を適用。※2022年11月3日(木)「文化の日」は、無料で観覧可能。【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2022年07月15日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「戦争犯罪」です。ルールはあっても、現実的には大国を裁くのは難しい。国連憲章では、他国への侵略行為、戦争は禁じられています。しかし、戦争になった場合も最低限守るべきルールが、ジュネーブ条約(赤十字条約)によって国際的に定められました。まず、民間人への攻撃は禁止。市民の暮らしの要になるインフラを故意に攻撃することも禁じられています。また、無差別攻撃を目的とする兵器、クラスター爆弾や焼夷弾、化学兵器や生物兵器、毒ガス、対人地雷も使用は禁止されています。兵士を含め、病人や負傷者は手当てを受ける権利が保障されており、それらの人々を助ける赤十字の関係者や施設は、中立的な立場のため攻撃してはいけません。捕虜への拷問や残虐行為も禁止。これらのルールを犯した場合、戦争犯罪になります。また、特定の民族や人種を意図的に根絶やしにするような民族虐殺(ジェノサイド)も禁じられています。ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻では、数々の戦争犯罪の証拠が挙がっています。自転車に乗った民間人を殺害したロシア兵は、明白な戦争犯罪だとして、ウクライナで終身刑が言い渡されました。国家間の紛争を解決するために設立されたのが国際司法裁判所(ICJ)。ウクライナ政府はロシア政府をICJに訴えましたが、ICJは国連の司法機関で、執行は国連安全保障理事会が担います。しかし安保理の常任理事国であるロシアは拒否権を持っています。そのため、ICJがロシアを戦争犯罪を起こしている国と認定しても、実際には裁くことは難しいのです。もうひとつ、国連から独立した国際刑事裁判所(ICC)があり、人道に対する罪や戦争犯罪に問われる、組織のリーダーや個人を裁きます。ICCは、ウクライナでのロシアの戦争犯罪に十分な証拠が揃っていると述べています。しかし、ICCは警察機関を持っておらず、犯罪者の逮捕はその国の警察機関に働きかけます。ただ、ロシアもアメリカも中国も、ICCには加盟していません。そのため、戦争犯罪が立証されても逮捕する手立てはないのです。そもそも戦争を起こさないための知恵を、諦めずに出し合うしか解決方法はないのだろうと思います。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年7月6日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年07月03日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「川島明さん」です。先日、麒麟の川島明さんがやられているラジオ番組『SUBARU Wonderful Journey ~土曜日のエウレカ~』に出演させていただきました。川島さんといえば京都の宇治出身。そう、僕と同郷なんです。お互いの実家の場所もめちゃくちゃ近くて自転車で7分くらいあれば余裕で行けます。中学校も、同じ宇治市立宇治中学校出身です。川島さんとはちょうど10歳年が離れているので共通して知っている先生とか友達はいないのですが、僕からしたら学生のころから『M‐1グランプリ』などで活躍されているのを見ていましたから、偉大な地元の先輩と誇りに思う存在です。これまでお会いしたことは、実は1回だけあるんです。フジテレビのメイク室で一緒になって「同じ宇治出身だよね」と話しかけていただきました。でも、川島さんはメイク中だったので、ドライヤーの音と川島さんの美しい低音ボイスがちょうどピッタリいい周波数でかぶってしまい、ほっとんど何言っているか聞き取れませんでした。なので、今回じっくりお話をすることができてうれしかったです。やはり地元が一緒だと急に距離感が縮まる気がします。川島さんの話す言葉に、「宇治の人やなあ」としみじみ感じながら会話をしていました。これは僕の私感ですが、宇治の人は関西弁の中でも音符の振れ幅が大きい。会話のときのキーの幅が広いと思うんです。低いだけじゃなくて、アクセントつけるときに高くいってひっくり返る癖があります。その話し方を川島さんもされていて、「ああ、やっぱり宇治の人や」と話していてほっとしてしまいました。ラジオの収録では、地元の話で盛り上がりました。僕が学生のころ通っていたゲームショップ『ドラゴンヒーロー』の話とかを普通にできるのが、すごく不思議な感覚でした。当時の生活圏がほぼほぼ同じなので、思い出の場所とかが全部共有できるんです。花火大会の話やお祭りの話などもっと地元の話をしたかったです。なので、ぜひ次回は同じく宇治出身のヤバTのこやま(たくや)くんも誘って、ごはんでも食べながら、まだまだあるいろいろな地元の話をしたいです。川島さんはとても謙虚で誰に対しても配慮のある方なので、ずっと敬語で話しておられました。でも、宇治の先輩やし、次会ったときはぜひタメ口で話してほしいです。尊敬する先輩なのでもっともっと距離を縮めたいです!おかざきたいいくNHK Eテレ『ヒャダ×体育のワンルームミュージック』Season3(毎週土曜21:00~)に出演中。最新タイアップ・シングル曲「レディキャップ!」「季節の報せ」が配信中!※『anan』2022年6月22日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2022年06月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「沖縄本土復帰50年」です。もとは独立国家。虐げられてきた歴史に目を向けて。50年前の5月15日、アメリカの施政権下にあった沖縄が日本に復帰しました。沖縄は、古くは琉球国という約450年続いた独立国家でした。明治政府は1872年に琉球国を解体し、琉球藩に。1879年には廃藩置県により、沖縄県に生まれ変わります。「富国強兵」のスローガンのもと、近代国家の仲間入りを果たそうとしていた日本。沖縄は内地とはある種、支配・従属的な関係にありました。中央から派遣された役人や軍人は、沖縄を見下し「はやく大和になれ」と押し付けます。沖縄の人々は差別や偏見にさらされ、「私たちは日本人なのだ」という強い機運を生み、太平洋戦争末期、日本を守るために玉砕、集団自決を決行します。日本で、民間人が戦闘要員として駆り出されたのは沖縄だけです。1945年、米軍は沖縄に上陸し3か月にわたり激しい戦闘が繰り広げられました。沖縄県民の4人に1人が犠牲になり、日米合わせて約20万人の被害が出ました。沖縄戦は9月7日に幕を閉じ、アメリカに統治されることに。マッカーサー元帥は、太平洋地域に拡大した日本国の影響を弱体化させるため、沖縄・南西諸島を日本から分離させることにこだわりました。当時、ソ連や中国を筆頭に共産化の波が押し寄せており、東の果ての防波堤として、沖縄を所有することはアメリカの安全保障上、大きな意味がありました。戦後、沖縄支配は日本からアメリカに移ります。やがて「島ぐるみ闘争」という、米軍支配への反対運動が勢いを増し、日本に復帰するか、独立するか、国連の統治下に置かれるべきか、沖縄住民の間でも意見が割れました。返還交渉は1969年に始まり、年末に最終合意。沖縄県内では「核抜き、本土並み」と核の持ち込み禁止、沖縄と本土が格差のないように扱ってほしいと訴えていました。しかし、裏で秘密協定が結ばれており、沖縄返還に関する費用は日本国が負担し、核の持ち込みも密約では認められていたことがのちに明らかになりました。沖縄には、いまなお米軍基地の約7割が集中しています。国家の安全保障のなかで、沖縄県民の思いを無為にしてきた歴史があることを忘れないでほしいです。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年5月25日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年05月21日韓国の明洞Muse Clinic(旧 明洞Slim&Young Clinic)は、顔リフト、ボトックス、ヒアルロン酸注射、コラーゲン注射、肌美白/色素、脱毛、ニキビケア、体型/肥満、エイジングケア注射など、様々な施術をより合理的な価格で提供する「日本人限定プロモーション」を実施します。本プロモーションは韓国を訪問する観光客及び韓国国内に居住している日本人にも適用されます。■日本人限定プロモーションのご案内- 期間 : ~2022月12月31日- プロモーションリスト: - 内容 : 顔のリフト、ボトックス、輪郭注射、肌美白/色素レーザー、コラーゲン/ヒアルロン酸注射、タトゥー除去、スキンケア/ピーリング、脱毛、ニキビケア、体型/肥満など(その他、初来店/再訪問プロモーション及びLINE友達追加イベントなどの基本プロモーションも行っています。)■無料相談(日本語可能)● メール相談: slimnyoungjapan@gmail.com ● LINE ID : slimnyoung● 公式ブログ: ■明洞Muse Clinic(旧明洞Slim&Young Clinic)韓国の明洞に位置している明洞Muse Clinic(明洞ミューズクリニック)は旧 明洞SLIM&YOUNG CLINIC時から多くの日本人のお客様が訪れる美容クリニックです。顔のリフト、美容注射、しわ改善、色素レーザー、肌の弾力/再生/美白など、様々な美肌施術をメインとして運営しており、日本でもLINEやメールを通じて日本語で気軽に無料相談や予約が可能です。■明洞Muse Clinicの主な診療案内- 肌色素レーザー- 肌の弾力/再生/美白- しわ- シミ/肝斑/そばかす- フェイスライン- 二重あご、あごライン- 肥満/ダイエット- にきび/毛穴- 顔リフト(レーザー、糸)など様々な美肌に関する診療■クリニック情報- 商号 : 明洞Muse Clinic- 代表者 : 院長 イム・サラン- 公式ブログ(日本語): - LINE相談ID : slimnyoung- メール相談 : slimnyoungjapan@gmail.com - Google Map : - 所在地 : ソウル市中区テゲロ97、CORYO DAEYUNGAK TOWER 3F 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月02日2022年3月14日に急逝していたことが分かった、俳優の宝田明さん。同月17日の報道以降、多くの人から悲しみの声が広がっています。【訃報】宝田明、急逝87歳「さびしい」「大好きでした」『ゴジラ』Twitterアカウントが宝田明さんを追悼1954年に公開された特撮映画『ゴジラ』で初主演を務めたことで知られる、宝田さん。それを皮切りに、『モスラ対ゴジラ』や『ゴジラ FINAL WARS』など、数々の『ゴジラ』シリーズに出演していました。訃報から一夜が明けた同日18日、『ゴジラ』のTwitterアカウントは、宝田さんへの追悼メッセージを公開しています。宝田明さんの突然の訃報に接し、大変驚いております。1954年11月3日公開の「ゴジラ」を皮切りに、数多くのゴジラシリーズにご出演をいただきました。晩年までゴジラを愛し続けてくださったレジェンドを失ってしまった事は残念でなりません。心からの感謝とともにご冥福をお祈り申し上げます。— ゴジラ (@godzilla_jp) March 18, 2022 「ゴジラを愛し続けてくださったレジェンドを失ったことは残念でなりません」と、宝田さんの死を悔やむ、『ゴジラ』Twitterの運営者。その後、「心からの感謝とともに、ご冥福をお祈り申し上げます」とつづっています。宝田さんへの想いが詰まった追悼メッセージは、多くの人の心を打ちました。・同意見です。ありがとうございます…。・宝田さんのことは、決して忘れません。・物心がつく頃から、ゴジラシリーズ作品とともに生きてきた私にとって、宝田さんはなくてはならない存在でした。ご冥福をお祈りします。宝田さんは、今後も数々の作品の中で生き続けるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2022年03月18日2022年3月17日、俳優の宝田明さんが同月14日に急死していたことが分かりました。87歳でした。昭和を代表するスター俳優、宝田明(たからだ・あきら)さんが14日に東京都内の病院で急死していたことが17日、分かった。87歳だった。サンケイスポーツーより引用宝田さんは、1954年に公開された、特撮映画『ゴジラ』で初主演を務めています。そのほかにも、ドラマや舞台など、幅広く活躍した宝田さん。182cmの高身長と、甘いルックスで約70年間にわたり、視聴者を魅了し続けました。宝田さんの訃報に、さまざまな声が上がっています。・背が高くて渋くてとてもかっこいい俳優さんでした。いくつになっても元気だと思っていたけれど。さびしくなります。・宝田さんが第二次世界大戦の終戦直後の話を、テレビ番組で話していたことを今でも覚えている。ご冥福をお祈りいたします。・宝田さんが80代で出演した映画『ダンスウィズミー』が印象的です。軽やかなステップに驚いていました。2022年3月10日には、アイドルグループ『乃木坂46』の岩本蓮加さんとダブル主演した、映画『世の中にたえて桜のなかりせば』のイベントに参加していました。数日前まで元気な姿を見せていただけに、多くの人が宝田さんの急逝に驚きを隠せないようです。宝田さんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2022年03月18日元女優の堀北真希さんの妹でモデルのNANAMIが5日、京セラドーム大阪で開催された「EXIA Presents KANSAI COLLECTION 2022 SPRING & SUMMER」に出演した。アパレルブランド「CFT.」のステージに登場したNANAMIは、ふわっとした白いアウターにゆるめの白いパンツという春の装い。耳、首、腕にはゴールドのアクセサリーで引き締めた大人のコーディネートだった。「KANSAI COLLECTION」(関西コレクション)は、2011年2月に大阪で誕生したファッションとエンターテインメントのイベント。22回目となる今回のテーマは、「エンターテイメントの再創」=「Re.Entertainment」。ライブやイベントなどの抑制によりエンターテインメント業界のカタチが変貌しつつある今、以前よりもクリエイティブで生の臨場感あふれる時間を体験してほしいという思いが込められている。撮影:蔦野裕
2022年03月05日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は俳優、マルチアーティストの木越 明さんです。演技、作詞・作曲、絵を描くことで独自の世界観を表現。『逆光』で映画に初出演。「夏の尾道を舞台に、’70年代の音楽やダンス、洋服、エネルギッシュな若者たちが登場します。無邪気なみーこを演じるのも楽しかったです。出演以外にもパンフレット制作や、ダンスの振り付けにも関わらせていただきました!」。自身が描いた絵を展示することも。「絵は4歳から描き続けています。決まった型がないから、ワクワクする気持ちをそのまま描けるのが好き。アーティストとして、こういうのがあったらいいな、面白いなと思ったものを絵や歌で表現したいです」アニメーション作品の制作に初挑戦しました。国立新美術館で展示をしました。ブラウン管に映したのがこだわりです。ロマンを追うルパンが私の初恋の人です。古本屋さんでパンフレットを購入。イントロで年代を当てられます。クリエイティブな刺激を受けています。好きな監督の作品ポスターを貼っています。気分で貼り替えることも。きごし・あき1999年生まれ。公開中の映画『逆光』にてみーこ役で出演。2022年公開予定の映画『君は脱出ガール』で主演を務める。漫画『いとしいとしというこころ』が発売中。※『anan』2021年12月29日‐2022年1月5日合併号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2022年01月06日引き続きコロナ禍にあった2021年。2022年はいったいどうなるの?読者を代表してイラストレーター・五月女ケイ子さんが堀潤さんに“世界の課題”について聞きました!テーマは「バランスが変化する世界情勢。いまこそ国際協調を!」です。コロナ禍で加速した飢餓問題。SNSを使い私たちにもできる支援を!堀潤(以下、堀):世界情勢は、2022年も深刻になるでしょう。世界的に飢餓が進んで歯止めがかからなくなっています。国連WFPによると2019年には約2700万人だった餓死寸前の飢饉に陥っている人が、直近で4500万人まで跳ね上がってしまいました。五月女ケイ子(以下、五月女):そんなに急激に!?新型コロナの影響ですか?堀:コロナと紛争ですね。コロナ禍によって生産活動が続けられなくなったり、紛争やテロにより、その土地に安心して暮らせないことも重なって、すごい勢いで増えています。飢餓が増えれば、不満はあふれます。スーダンでは再び軍事クーデターが起こり、アフガニスタンではタリバンが息を吹き返し、エチオピア、ナイジェリア、イエメン、イスラエル、パレスチナ、ミャンマーなどで混乱が起きています。さらに多くの国々で拡大すれば世界が分断しかねない状態です。五月女:どうしたらいいんでしょう?堀:先進国が経済的支援や、国と利害が対立してしまった勢力との橋渡しをするなど積極的に関わることだと思います。いまこそ国際協調。余力のある国々が世界の飢饉に目を向けて、手当てすることをやっていかないといけないと思います。五月女:2021年はアメリカがアフガニスタンから撤退して、また混乱しちゃいましたよね?堀:支援の仕方を考えなければいけないんですよね。いままでの資本主義の支援は、開発した国や企業から利益を吸い上げて、その土地には申し訳程度に分配していました。持続可能な経済にするために、その土地で業を起こして、地域の人たちにちゃんと利益が分配できるようにしないといけないんです。アフガニスタンでは医師の故・中村哲さんがそういう活動をされていました。タリバン政権も、NGOなどソーシャルセクターの活動は大事だと認識し始めています。五月女:でも、日本で生活をしていると、NGOの方々の活躍ってあまり耳に入ってきません。私たちにできることはありますか?その土地のものを買うとか?堀:それもいいですが、やはりSNSで発信することだと思います。タリバンが好き放題できないのはSNSの時代だから。タリバンに女性教育を止めさせないよう、アフガニスタンの女性たちが抗議する姿をSNSで世界中に拡散することで、権力を監視し、抑制することができます。NGOの活動を知り、それを広く知らしめることも支援の一つ。私たちはその一役を担うことができるんですね。ほり・じゅんジャーナリスト。「8bitNews」代表。「GARDEN Journalism」主宰。『モーニングFLAG』(TOKYO MX)、「ABEMA Prime」(ABEMA)ほか、レギュラー多数。そおとめ・けいこイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年の商品も取り揃えている。LINEスタンプも展開。『乙女のサバイバル手帖』(平凡社)が発売中。※『anan』2021年12月29日‐2022年1月5日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年12月28日展覧会「RED 堀 清英 写真展」が、シャネル 銀座内のシャネル・ネクサス・ホールにて2022年1月19日(水)から2月20日(日)まで開催される。写真家・堀清英の創作活動を辿る展覧会「RED 堀 清英 写真展」は、写真家の堀清英に焦点を当てる展覧会。雑誌や広告等、幅広い分野で活躍し、特にアーティストのポートレイト作品で知られている堀は、詩人のアレン・ギンズバーグから多大な影響を受けている。たとえば、堀が東日本大震災後にまとめたシリーズ 「re;HOWL」は、ギンズバーグの代表作「Howl(邦題:吠える)」の冒頭の一節から触発され、現代社会にアイロニカルな視線を向けつつ作られた作品だ。一方、今回初公開となる表題作「RED」で堀が視線を向けたのは“自己の内側”。“自分とは何者か?”という問いの答えを追求する過程で、「自分自身を投影した、セルフポートレート」として、公園やごみ処理場、科学館といった様々な場所に佇む赤いワンピースの女性を写し出している。また、「RED」シリーズの他、シュルレアリスムからの影響が色濃く見て取れる1990年代以降の作品群や、創作活動の原点ともいえる手製のフォトブックなども会場に登場。三部構成での作品展示を通して、堀の創作活動、そして自己探求の過程を辿っていく。【詳細】RED 堀 清英 写真展会期:2022年1月19日(水)~2月20日(日)営業時間:11:00~19:00(最終入場18:30) ※会期中無休会場:シャネル・ネクサス・ホール住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F※入場無料※予約不要
2021年12月23日黒澤明監督の名作映画『生きる』をリメイクした映画『生きる LIVING』が、2023年3月31日(金)に公開される。黒澤明『生きる』イギリスを舞台にリメイク1952年に公開された映画『生きる』は、還暦直前に余命半年を告げられた役人が、人生を見つめなおす姿を描いた黒澤明監督の代表作。リメイク版の映画『生きる LIVING』では、第二次世界大戦後のイギリスを舞台にストーリーを展開する。『生きる LIVING』の主人公、ウィリアムズは、仕事一筋で空虚で無意味な毎日を送る中、余命幾ばくも無いことを宣告される。最期を知り、残された日々を大切に過ごしたい……、そう願うようになるウィリアムズ。それまでの自分の人生を振り返り、「生きることなく、人生を終えたくない」と静かに、しかし心の中は懸命に、熱く生きることを選んだウィリアムズの姿を描き出す。劇中には、黒澤明の『生きる』に登場する名シーンを彷彿させる、誰もいない公園での“ブランコ”シーンも。観るものの心に光を灯すような、感動の物語が紡がれる。ノーベル賞作家カズオ・イシグロが再構築リメイク版の脚本を手掛けたのは、小説『わたしを離さないで』などで知られるノーベル賞作家カズオ・イシグロ。監督はオリヴァー・ハーマナスが務める。ビル・ナイが主演主演は、『ラブ・アクチュアリー』『ナターシャの歌に』などで知られ、ジョニー・デップ製作・主演作品『MINAMATA−ミナマタ−』への出演も記憶にあたらしいビル・ナイ。仕事に明け暮れていた中、“余命半年”と告げられる主人公・ウィリアムズを演じる。その他、Netflix作品「セックス・エデュケーション」のエイミー・ルー・ウッド、『パーティで女の子に話しかけるには』のアレックス・シャープ、トム・バークなどが出演する。■主人公ウィリアムズ…ビル・ナイ公務員として空虚な日々を送っていたが、ある日「余命半年」であると宣告される。余命宣告を受け、自分の人生を見つめ直す。■マーガレット…エイミー・ルー・ウッドウィリアムズのもとでかつて働いていた同僚。第80回ゴールデン・グローブ賞、主演男優賞にノミネート第80回ゴールデン・グローブ賞にて、主演のビル・ナイが主演男優賞(ドラマ部門)にノミネート。すでに世界の映画祭で上映され、オスカー候補とも言われる映画『生きる LIVING』の、今後の展開も要チェックだ。〈映画『生きる LIVING』あらすじ〉1953年。第二次世界大戦後、いまだ復興途上のロンドン。公務員のウィリアムズは、今日も同じ列車の同じ車両で通勤する。ピン・ストライプ背広に身を包み、山高帽を目深に被ったいわゆる“お堅い”英国紳士だ。役所の市民課に勤める彼は、部下に煙たがられながら事務処理に追われる毎日。家では孤独を感じ、自分の人生を空虚で無意味なものだと感じていた。そんなある日、彼は医者から癌であることを宣告され、余命半年であることを知る―。彼は歯車でしかなかった日々に別れを告げ、自分の人生を見つめ直し始める。手遅れになる前に充実した人生を手に入れようと。仕事を放棄し、海辺のリゾートで酒を飲みバカ騒ぎをしてみるが、なんだかしっくりこない。病魔は彼の身体を蝕んでいく…。ロンドンに戻った彼は、かつて彼の下で働いていたマーガレットに再会する。今の彼女は社会で自分の力を試そうとバイタリティに溢れていた。そんな彼女に惹かれ、ささやかな時間を過ごすうちに、彼はまるで啓示を受けたかのように新しい一歩を踏み出すことを決意。その一歩は、やがて無関心だったまわりの人々をも変えることになる―。【詳細】映画『生きる LIVING』公開時期:2023年3月31日(金)出演:ビル・ナイ、エイミー・ルー・ウッド、アレックス・シャープ、トム・バーク原作:黒澤明監督作品『生きる』監督:オリヴァー・ハーマナス脚本:カズオ・イシグロ音楽:エミリー・レヴィネイズ・ファルーシュ製作:Number 9 Films
2021年12月19日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「親ガチャ」です。階層の固定化をどのように崩していくのか。「親ガチャ」とは、カプセル玩具やソーシャルゲームの“ガチャ”になぞらえて、親や生まれる境遇を選べない状況を表す言葉で、国会でも取り上げられました。かつては「一億総中流」といわれ、どの家庭に生まれても平準化された暮らしがありましたが、いまは大きく変わってしまいました。一般的に親の年収ごとに400万円以上ならN(ノーマル)。1000万円以上ならR(レア)。3000万円以上ならSR(スーパーレア)、400万円以下はB、C、D…と、ゲームのランキングのように、年収と職業を符号させることがネット上で流布されています。階層化をまざまざと認識させるような手法は、社会の分断を加速させてしまいます。一番の問題は、階層移動が不可能な格差が固定化されていることでしょう。これまでは、個人の努力によって、いかなる家庭に生まれようとも望む暮らしが手に入れられるチャンスがありました。ところが、いまは頑張ったところでどうにもならない状況に追い込まれています。この問題の解決には政治の力が求められます。少なくとも、「機会の均等」について対策をとるべきでしょう。日本は教育への投資がGDP比率で圧倒的に低い状況にあります。大学までは国が無償で面倒をみる、給食費は国や自治体が税金でまかなう、タブレットやパソコンなどのデジタル機器・通信環境は家庭によって差が出ないように補助していくなど、方法はいくつもあると思います。アメリカのシリコンバレーでは、難民や移民、貧困層の子供たちに民間の企業が寄付を呼びかけるなど、教育機会を与えて人材育成に力を注いでいます。日本では孫正義さんが率いる財団で、進学や留学、研究などを志す若者たちのサポートをしていますが、民間企業全体ではそういうサポートがまだ足りていません。自分たちの国を支える技能者を育てるという観点からも、必要なことなのではないかと思います。子供たちを国や社会で育成するという視点が重要なのではないでしょうか。読者のみなさんも、自分が親になったときに、子供の人生が自分の年収で決まってしまう社会でいいのか?考えていただけたらと思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年12月8日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年12月04日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「中国TPP加盟申請」です。中国も台湾も加盟を申し出た。行く末に注目。TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の始まりは、ASEAN(東南アジア諸国連合)や南米地域の経済連携でした。ところが、オバマ政権時にアメリカが加わることになり一気に色合いが変わりました。中国の台頭が目覚ましくなり、中国を牽制する連携が必要と、自由主義諸国の中国経済圏への対抗措置として交渉が進められるようになったのです。日本は最初は関心を示していませんでしたが、この巨大な貿易圏に入っておかなければ、将来孤立しかねませんし、最初からルール作りに参加しておいたほうがよいだろうと判断。反対意見もあるなか、民主党政権下で参加を決め、交渉を開始しました。ところが2017年、ようやく貿易交渉も合意したところに、トランプ政権が誕生し、アメリカはTPPを離脱。一気に、規模が縮小してしまいました。そこからは日本主導となり、2018年に11か国がTPPに署名しました。今年、バイデン政権になり、日本はアメリカのTPP復帰を求めていますが、バイデン大統領は静観しています。そんな折、中国がTPP加盟を申し出ました。習近平国家主席は当初からTPPに関心を持っていたらしく、米国が抜けたいまがチャンスだったんですね。中国は戦争という武力で圧力をかけることよりも、交渉のなかで自国に有利なルールを作り、中国の貿易圏に取り込むことで他国を経済的支配下におくことに注力してきました。TPPはその大きな入り口になるところでした。そこへTPP加盟を申し出て牽制に入ったのが台湾です。これには「中国は一つではなく、台湾は台湾」というメッセージが込められています。TPPの加盟には参加国全員の合意が必要です。中国を先に入れれば台湾やアメリカの加盟は不可能になるでしょう。また、台湾を先に入れれば中国を敵に回すことになり、アジア太平洋地域の緊張につながります。日本にとって頭の痛い問題なのです。TPPの先には、さらに国や地域を拡大した連携などの構想があります。政治と経済を切り離し、東アジア全体の安定につながるような交渉ができるといいのですが、そう簡単にはいかないでしょう。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年12月1日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年11月26日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東京オリパラ」です。パラの成長を見た東京大会。認知に広がりも。東京オリンピック・パラリンピックは大会としては結果的に成功だったように思います。無観客でさまざまな制約があったにせよ、特にパラリンピックは過去の大会に比べると注目度もたいへん高く、史上最多の4403人の選手が参加しました。アフガニスタンでは開催直前に政変が起き、選手が大会に参加できず他国に逃れるという事態に。開会式では国連難民高等弁務官事務所の方が代わりに国旗を持って入場行進をし、最終的にはサポートを得て2人の出場が叶いました。女性選手も、LGBTQをカミングアウトする選手も、これまでの大会以上に参加が増えました。僕はパラリンピックの取材に関わっていましたが、会場内の感染対策は徹底していました。関係者はPCR検査を毎日無料で受けられ、毎朝専用アプリに体温を入力。それが自分のIDナンバーに紐づけられていました。誰か記入漏れがあると同じ取材グループ全員にメッセージが届き、入力を促すシステムで、すごく安心感がありました。こういうデジタル化された管理システムが街中でもできればと思います。日本のボランティアは、海外から高い評価を得ました。しかしそのバックヤードでは、1年延期により指揮命令系統や担当者の引き継ぎに不具合があり、ボランティアのみなさんに大きな負荷をかけてしまっていたようです。東京五輪は、政治的な抗議パフォーマンスが認められた初めての大会でもありました。女子サッカーなどでは試合開始前に選手が片膝をつき、女子砲丸投げの銀メダリストは表彰台で両腕をクロスして人種差別等に抗議を示しました(表彰台上でのパフォーマンスは本来は禁止)。Black Lives Matterなどの流れを受けたことが背景にあります。ミャンマーの選手の日本への難民申請が異例の早さで認定されたのも、オリパラという世界が注目する場だからできた判断だったと思います。今回、オリンピックよりもパラリンピックのほうが、理念をより体現した大会だった印象です。世界中の人々が集まり、出身国の政治状況を身近に知る機会になったのは、大きな財産になったのではないでしょうか。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年10月27日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年10月23日ゲストが、お酒を手に赤裸々なトークを展開するバラエティ番組『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)。2021年10月15日の放送では、お笑いコンビ『麒麟』の川島明さんが妻と出会った時のエピソードを披露。ネットで「すごい」と話題になっています。番組には、モデルやタレントとして活躍している、谷まりあさんがゲスト出演。「ディズニープリンセスのような運命的な出会いに憧れる」と明かしました。その上で「今までに運命の出会いがあったか」と共演者に問いかけます。話を振られた川島さんは、妻と出会ったのは、新宿にある、お酒が飲める飲食店だったと話し始め…。川島明の運命的な出会いとは川島さんが、5人の後輩と飲んでいた時のこと。女性が1人で来店し、定食を食べていたそうです。「めっちゃきれいな人やな」と思った川島さんが、チラチラと見ていると、いかつい男性が現れて、女性を口説き始めたのだとか。その後の展開を、川島さんは、このように語っています。「5人おるし、ちょっと行くか」って。「なんですか?(女性は)僕の友達なんですけど」って(男性に話しかけて)、助けに行ったんですよ。なんかあっても、絶対数では勝てると思って。ほんで奥さんが「あ、そうなんです」って(話に)乗って。人志松本の酒のツマミになる話ーより引用その後、男性は物いいたげな様子で立ち去ったそうです。川島さんが、改めて女性に声をかけたところ、その場で連絡先を交換する流れになったといいます。なお、当時、お笑いタレントとして活動していた川島さんを、女性は知らなかった様子。このエピソードを聞いた共演者一同は「えーっ!」「運命じゃないですか!」と大盛り上がり。谷さんも「ドラマみたい!」「スペシャル運命!」と太鼓判を押しました。番組の視聴者からも、驚きの声が寄せられています。・川島さん夫婦、マジで大運命!・本当に運命の出会いで、すごい。・もう漫画じゃん。強面の男性の登場や、仲間の協力によって生まれた、川島さんの運命的な出会い。運命を信じていれば、いつか思わぬところで、ドラマチックな出会いを体験できるかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2021年10月22日2021年10月7日、作曲家の、すぎやまこういちさんが亡くなったことが分かりました。90歳でした。『ザ・ピーナッツ』の『恋のフーガ』や『ヴィレッジ・シンガーズ』の『亜麻色の髪の乙女』といったポップスだけでなく、ゲーム『ドラゴンクエスト』の楽曲でも有名なすぎやまさん。同日、『ドラゴンクエスト』シリーズのウェブサイトは、長年にわたって同シリーズを支え続けたすぎやまさんに感謝の意を表しました。『ドラゴンクエスト』堀井雄二&鳥山明がコメント『ドラゴンクエスト』シリーズのウェブサイトでは、ゲームデザイナーである堀井雄二さんと、キャラクターデザインを務める漫画家の鳥山明さんのコメントを掲載。500曲を超える同シリーズの楽曲を生み出したすぎやまさんに、別れと感謝のメッセージを述べました。堀井雄二コメントすぎやま先生の、あまりに突然な訃報を聞き本当に残念でなりません。ドラゴンクエストを作って35年、その世界に、すぎやま先生は音楽という命をずっと吹き込んできてくださいました。先生には本当に素晴らしい楽曲をいっぱい書いていただきました。これからもドラクエは、先生の音楽とともにあります。ユーザーの皆さんの心の中に先生は生き続けるはずです。すぎやま先生長い間本当にありがとうございました。ドラクエ・パラダイス(ドラパラ)ドラゴンクエスト公式サイトーより引用鳥山明コメントすぎやま先生の訃報を聞き、驚いています。つい数年前にお会いした時の印象からもいい意味で、永遠の命を持つ魔法使いのように思っていました。ドラゴンクエストのイメージは、当時からゲームが大好きでいらした、すぎやま先生の素晴らしく印象的な数々の名曲によって決定付けられた。と言っても過言ではありません。長くご一緒に仕事をさせていただいて本当に光栄でした!心よりご冥福をお祈りいたします。ドラクエ・パラダイス(ドラパラ)ドラゴンクエスト公式サイトーより引用1986年に『ドラゴンクエスト』が発売されて以来、数々の作品を生み出してきた3人。よりよいゲームを生み出すため、きっと切磋琢磨したはず。だからこそ、『ドラゴンクエスト』シリーズは世界中の多くの人から愛され続けているのでしょう。絆を感じるコメントに、同シリーズのファンからは「泣いてしまった」「すぎやまさん、本当にありがとうございました」といった声が上がっています。すぎやまさんの楽曲は今後もゲームの中で残り続け、さらに多くの人を楽しませてくれると信じてやみません。[文・構成/grape編集部]
2021年10月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「世界の気温1.5℃上昇」です。加速する温暖化。脱炭素に向けた新技術に注目。8月、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)は、今後20年以内に、世界の平均気温上昇が産業革命前と比べて1.5度に達するという予測を発表しました。これは3年前の報告よりも10年早まっています。温暖化は人間の影響により起きており、そのせいで熱波や豪雨、干ばつなどの異常気象が増加。気温の上昇は2050年頃にCO2の排出をゼロにしても1.5度、ゼロにならなければさらに上がり、脱炭素対策が急務であると警告しました。日本政府は4月、2030年度には‘13年度比でCO2を46%削減すると発表しています。しかし、産業界からは、それさえ難しいという声が上がっており、再生可能エネルギーの普及促進を政府に求めています。家庭でのCO2排出量削減は66%減が必要と国は試算していますが、個人でできる範囲は限られます。電力の使用量を可視化できる「スマートメーター」も個人で新たに設置するには高額です。国は街づくりと一体化して、効率的に電力を運用していく必要があるのではないでしょうか。環境省は、‘19年より省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」をウェブで公開。また、ステイホームで長時間使用するようになったエアコンのサブスク化の検討も進めています。新しい省エネ機種を購入するのではなく、月額使用料を支払い、導入しやすくする狙いがあります。また、大学や公的機関のインフラを再生エネルギー100%に変えていく試みも始めようとしています。企業に対しては、太陽光パネルの設置の義務化も提案されましたが、それには森林を切り開かなければいけなかったり、台風や土砂災害により太陽光パネルが産業廃棄物になってしまうという環境負荷の問題もあり、異論が出ています。そんななか、非常に薄いフィルム状の「ペロブスカイト太陽電池」が開発されました。世界で注目の次世代型太陽電池で日本でも研究が進んでいます。将来は自分の使用するエネルギーを、身につけているものでまかなう時代になるかもしれません。新しいテクノロジーに社会的関心が高まり、研究促進の後押しになるといいなと思います。ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年10月6日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年10月01日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「アフガニスタンとタリバン」です。タリバンの圧政を恐れ、逃げる国民。世界の監視が必要。8月16日、武装勢力タリバンがアフガニスタンのほぼ全域を制圧しました。タリバンは1996年に政権を樹立。しかし2001年、アメリカ同時多発テロの首謀者・ビンラディンを匿っているとして米軍などがアフガンを空爆、政権を崩壊させました。その後、約20年間、タリバンは駐留米軍や政府軍と戦闘状態にありましたが、前トランプ政権時に米軍が撤退することで合意。引き継いだバイデン大統領が5月から撤退を本格化させるとタリバンは次々に全土を掌握、首都を包囲されたガニ大統領は国外に逃れ、8月末の米軍の完全撤退前に政権が崩壊しました。元タリバンの兵士で、現在は現地で平和構築活動をしている方を3年前に取材したことがあります。そのときに、「シリア内戦やISの台頭など、世界の注目がアフガニスタンから外れていった。その空白(時期)が生まれると暴力が起きる」とおっしゃっていました。今回の制圧も急に進んだのではなく、ガニ政権は腐敗しており、タリバンの活動は近年活発化していたのです。旧タリバン政権は女性の教育や就労を認めず、男性家族が同伴しない外出を禁止。人権侵害だけでなく、反政府勢力となってからは無差別テロをたびたび起こすなど残虐性が増していると指摘する海外メディアもあります。復権による圧政を恐れた国民は、国外に逃れようと空港に押し寄せ、離陸する飛行機にしがみつき振り落とされて亡くなる悲劇も起こりました。そんななか、中国やロシアはいち早くタリバン新政権を支持すると表明しました。中国にとっては一帯一路構想の重要な地域なので、タリバンと良好な関係を築いておきたいのです。一昨年、アフガニスタンの緑化運動を進めていた中村哲医師が、武装勢力に殺害されました。現地には日本の人道支援に対して、強いリスペクトを持つ人が大勢います。こういうときこそ、アメリカかタリバンかではなく、市民の側に立ち、生活が安定するように関わり続けることが重要なのではないかと思います。いま現地では、激しい攻撃を受けながらも、女性たちが権利を求めて抗議活動を行っています。動向を注視しなければなりません。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年9月29日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年09月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「新型コロナの治験」です。多くの治験が新薬の完成を早めます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大がなかなか収まらないなか、急がれるのは治療薬の開発です。そのために行われるのが「治験」です。治験とは、新しい治療薬の候補が開発される過程で、健康な人や患者さんに使ってもらい、効果や安全性、副作用の有無などを確かめる臨床試験のこと。体を使って調べるため、もちろんリスクを伴いますが、検査費用の負担はなく日本では何かあればすぐさま医療機関による手厚いフォローが受けられます。現在、国立国際医療研究センターの治験管理室や「生活向上WEB」で、新型コロナの治験参加者を募集しています。「生活向上WEB」の募集案内によれば、自宅で服薬しながら病院に定期的に通い、7か月にわたり経過を調べる。通院は、自宅から病院まで専用タクシーが送迎。参加することにより、薬の開発は進み、社会貢献になると記されています。ただし、治験にはデータを採るのに適した検体でなければいけません。新型コロナの治療薬候補の場合、陽性患者で症状があり、ワクチンをまだ一度も接種していない成人男女が対象になります。あらゆる治療薬の開発に治験は欠かせません。日本での治験の数は近年増えていますが、先進国のなかでは下位に位置します。アメリカなどは医療費が高額なため、無料で治療を受けられる治験を希望する人は大勢いますが、日本では一定水準の医療が保険適用で受けられるので、無理して受けようという人は限られているのです。治験の数が足りない分は、アジアの他の国のデータを活用しますが、日本人の治療には、やはり日本人による治験の結果が必要です。たとえば、海外の製薬会社で新薬が開発されても、日本人の治験結果がなかなか採れないためその薬が日本に投入されない、もしくは日本向けには開発されないという問題が起きてしまいます。このことに厚労省は危機感を抱いています。治験については、まだ一般にはよく知られていません。政府はもっと広くアナウンスするべきではないでしょうか。新型コロナの治療薬も、多くの治験データ収集が、完成に少しでも近づけることになります。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年9月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年09月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「熱海土砂災害」です。突発的な災害に備えるため、住む地域を見直そう。7月、熱海市伊豆山地区にて大規模な土石流が発生し、約130棟の建物が被害に遭い、多くの死者と行方不明者を出しました。現地に行ってみると、典型的な土石流とは明らかに様子が違いました。これまでの現場では大岩や根から折れた木などが流れてきて、土は粘り気のある泥状でした。ところが今回は、土を踏むと膝まで埋まってしまうサラサラのシャーベット状で、足が掬われそうになりました。専門家の調査では、「盛り土」により造成された山が崩壊し、そのまま土砂となって流れていたことが判明。この場所の、度を越した盛り土問題は県も把握しており、業者に対して指導をしていたにもかかわらず、対策が取られていなかったことが問題になっています。土石流を引き起こしたのは短時間の集中豪雨。熱海市の72時間降水量は、過去最大量の1.3倍にあたる500mm以上だったことが分かりました。明らかに気象が変わってきているため、防災基準の見直しは必須でしょう。国土交通省は大規模盛土造成地の徹底調査を行っており、全国で5万1306か所存在していると昨年3月に発表していました。しかし、自治体に対し国が安全対策の必要性を伝えても、自治体には、民間業者に販売権利を撤回する権限はありません。また、この背景には、都市近郊に人口が集中し、土地のないところに土地を造成して住宅を増やさねばならないという近年の宅地開発の流れも深く関係しています。やはり自分の身は自分で守るしかないと思います。山や川が近い、液状化が起きるかもしれないなど、自分の住む地域に災害の可能性を少しでも感じているのならば、何らかの対策を検討する必要があります。熱海の土砂崩れの第一報は、公的機関の発表より前に住民のグループラインによって、「あそこが危ないらしい」と連絡が回ったそうです。集中豪雨はすさまじい雨音のため、広報車の避難アナウンスもほとんど聞こえなくなります。予期せぬ大規模災害を即座に察知するには、地域住民の連携による防災発信が大切になります。これからは、“地方創生と防災”が、住みやすさの大きなキーワードになると思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年8月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年08月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「育休法改正」です。現場の声を反映。男性が取得しやすい制度に。改正育児・介護休業法が成立し、2022年より施行されることになりました。この改正の大きなポイントは、「男性が育児休業を取りやすくするように定めた」ということです。これまでの男性の育休取得率は7.48%、1割にも達していませんでした。さらに、取得した人のうち、7割が取った期間が1週間以内。もっと長期に、必要なときに分割して何度でも取れるようにと、現場のお父さんお母さんの声が改正案には反映されました。これは大きな前進だと思います。現在、孤立してしまうお母さんの産後うつの問題が深刻です。また、僕も経験がありますが、働く男性にしてみたら、いったん長期間休んで前線を離脱してしまったら、元のポストに戻れないのではないかという怖さもあります。さらに、休めば残業代が減ってしまいます。そういう経済的理由からも育休は取りにくいものでした。改正後は新たに出産日から8週間の間に4週間の育休を取れ、子供が1歳になるまでに女性は2回、男性は最大4回に分けて取得することが可能になります。さらに、育休取得日の半分を上限に仕事をすることも認められます。給付金は育休開始時賃金の67%が支給され、厚生年金など社会保険料が免除されるため、実質、収入の8割程度が保障されることになります。これまでは正社員だけの制度でしたが、改正法では、働いて1年未満の非正規雇用でも育休を取れるように変更されました。ある調査で男性の5人に1人が、育休を取らなかった理由を「職場が育休制度を取りづらい雰囲気だったから」と答えています。「取っていいと思っているのか?」と上司に言われ、申請できなかったという例も聞きました。そんな職場の空気を是正するため、育休取得対象の男性に、会社は制度の説明をし、取得の意向を確認をすることが義務化されることになりました。日本は有給休暇も取得率が極端に低い。けれども休みを取りやすい会社のほうが生産性が高いという数字も出ています。休むことで仕事のパフォーマンスも向上します。子供の有無にかかわらず、休みが取りやすい職場に変わっていくことを期待したいですね。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年8月4日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年08月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「LGBT法案」です。LGBTと一括りではなく個別の課題解決を。与野党合意で進められていた、性的少数派をめぐる「理解増進法案」は自民党内の強い反対を受け、今国会での提出を断念しました。オリンピック憲章では、いかなる差別も認めず、ジェンダー平等を謳っています。オリンピック開催国でありながら、この法案が成案できないというのは恥ずかしい状況だと思います。2014年のソチオリンピックでは、ロシア政府が同性愛を認めないとLGBT運動を弾圧したため、各国の首脳は抗議の意を示し、開会式の参加をボイコットしました(日本は参加していました)。自民党内でも、稲田朋美議員をはじめ、LGBT当事者と対話を重ねてきた議員はなんとか成案させようと与党幹部に詰め寄りましたが、「家族観が壊れる」など、ベテラン議員からのクレームがついて進みませんでした。もともと野党は、ヘイトスピーチや、同性愛者という理由で入居を拒否されたり、社内で差別を受けたりすることを禁止する「差別解消法案」を提出していました。それに対して自民党はLGBTの人々の実情をまず知ってもらおうと「理解増進法案」を進めていました。結局、自民党案を修正する形で与野党合意したのですが、「差別は許されない」という文言に対して、与党内の保守派が「権利を与えることで、権利を極度に主張されると訴訟が起こり、かえって分断を生む。何をもって差別とするかを定義づけないかぎり法案は認められない」と強硬姿勢を崩さず、国会提出も叶わなかったのです。たとえ法律ができたとしても、差別感情を持つ人の意識が一変するわけではありません。理解を深めるためには、対話や交流の場を増やすことが肝要なのだと思います。残念なのは、この制度を決める国会議員の中に、公表しているLGBT当事者がほとんどいないということです。議員の多様性のなさにも問題があると言わざるを得ません。最初からLGBT法案に賛成か反対か、という二択から始めるのではなく、もっと小さな主語で、性別の問題で困っているさんの課題に対処するには、どんな方法があるのか。具体策を一つずつ見出すことが、状況改善の糸口になるのかもしれません。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年7月21日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年07月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「温室効果ガス46%削減」です。環境の問題だけではなく、経済の生き残り策 。4月に気候変動サミットが開かれ、各国が温室効果ガスの削減目標を表明しました。日本は2030年度までに2013年度比で46%削減するという新たな目標を掲げ、「50%の高みに向けて挑戦を続ける」と発表。それまでの目標値は26%削減でしたから、一気に引き上げた形になります。ところが、環境問題に熱心に取り組む若い人たちが、その数字では足りないと、経産省前でハンガーストライキを行いました。パリ協定では、世界の気温上昇を産業革命前と比べて1.5°Cに抑えることを目標に定めています。そこまで効果を出すには日本は62%の削減が必要だと訴えたのです。ちなみに他国の目標値は、アメリカは2005年比で50~52%削減。EUは1990年比で55%以上減。イギリスは1990年比で78%以上減です。アメリカのバイデン大統領は、オバマ政権で謳われた、温暖化防止と経済格差是正の両方を行う経済刺激策「グリーン・ニューディール」をさらに強化し、「クリーンエネルギー/持続可能インフラ計画」に4年間で総額2兆ドルを投入すると公約で掲げました。中国は、公害により健康被害が多く出たことを機に、環境対策に積極的になり、2030年までの温室効果ガス削減目標は2005年比で65%以上削減。また、2035年の新車販売でガソリン車をゼロに。電気自動車を中心に省エネ・新エネルギー車の割合を5割にし、残りの5割もすべてハイブリッド車にすると昨年秋に発表しました。欧米や中国の削減目標値が高いのは、環境対策がこれからの経済の主戦場になると踏んでいるからです。欧米の大手企業は、石炭や火力による電力に依存する企業とは取引しないと公言していますから、日本も再生可能エネルギーの比率を上げるなどの対処をしないと、このままでは世界の経済市場から日本の企業は排除されてしまいます。環境対策は、地球を守るというイデオロギー的なものから、産業の生き残り策に大きく変わったんですね。AIや再生可能エネルギーなど、あらゆるテクノロジーを駆使し、環境に負荷をかけない産業政策を、国が本格的にとる必要があるのではないかと思います。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年6月16日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年06月12日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「出入国管理法改正案」です。難民は犯罪者ではない。廃案後も対応是正を求める。日本の入国管理のあり方が国際的に問題視されています。まず、難民認定率が1.2%(2020年)と、とても低い。さらに、難民申請を却下された外国人が、入国管理の施設に長期間収容されていることも問題になっています。家族と引き離され、無期限勾留のような状況で、体調を崩してもきちんとした手当てが受けられません。扱いが非人道的ではないかと、国連からも再三勧告を受けていました。今国会では出入国管理法の改正が審議されました。改正案には、難民認定手続き中は強制送還が停止されるという規定を3回目以降の申請には適用せず、本国に送還できるという変更が含まれていました。しかし、内戦や封建的な軍政から命からがら逃れてきた人を母国に送り返せば、その人は殺されてしまうかもしれません。改悪案だと、多くの人が反対の声をあげ、3月に名古屋入管施設に収容中だったスリランカ人女性が死亡し、その管理状況が問題視されたことも受け、与党は今国会での審議を断念しました。難民申請をしている人が本当に難民なのかを判定するのは確かに難しいです。パスポートはもとより、その人を証明するものがないからです。けれども、難民=犯罪者ではありません。ただ、入管庁は麻薬カルテルの一味や武装集団を入国させないよう水際を守るのが仕事ですから、入管庁の中で難民審査を行うこと自体に無理があると思います。たとえば、難民局を作り、難民なのか、虚偽の申請をする偽装難民なのかを審査できる体制を整える必要があるのではないでしょうか。日本は難民申請を厳しくする一方で、特定技能制度など、外国人労働者を受け入れる規制緩和はしてきています。労働力のためには門を開き、助けを求める人には閉ざすというのは矛盾しています。欧米には多民族、多文化の土壌があり、移民を国力に反映させる術を持っています。その点、日本は多様性を受け入れるのが不得意なんですね。廃案になっても難民に対する日本の対応は問題が残っています。もしも日本が戦争状態になり、自分が国を逃れ難民になったとしたら?と想像力を働かせて考えてみてほしいです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年6月9日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年06月05日タレントの堀ちえみが6月1日、都内で行われたGEヘルスケア・ジャパン「ポケットエコー Vscan Air 新製品記者発表会」に出席した。グローバルヘルスケアカンパニーのGEヘルスケア・ジャパンは、ポケットサイズの超音波診断装置「Vscan (ヴィースキャン)」の最新モデル「Vscan Air(ヴィースキャン エアー)」を発売。その記者会見に口腔がんや食道がんを患って闘病生活を送り、現在も治療中の堀ちえみが登壇して病気の早期発見の大切さを説いた。これまでの経緯について堀は「2019年に口腔がんを患い、ステージ4という告知を受けました、2019年2月に手術をし、悪性の部分を取り除いた結果、舌の6割以上を取って太ももの一部を移植しました。首にも転移(食道がん)していて、エコーに命を助けていただいたと言っても過言ではありません」と説明。手術から2年3カ月が経過した現在は通院のほかにボイストレーニングやリハビリに取り組んでいるそうで、「通院は耳鼻科と口腔外科、それぞれ3カ月に1回は受診しています。経過観察で検査をし、食道がんも経過観察で半年に1回は胃カメラを飲んで再発の有無を診ていただいております。リハビリはコロナ禍なので1カ月に1回、ボイストレーニングは1週間に1回、リモートで先生に2時間ご指導していただいております」と明かしつつ、「コロナも怖いですけど、がんも進行してしまうと非常に恐ろしい病気。そちらの方も対策をちゃんとしながら検査を受けて早期発見できるようにしています。今は全然元気で、喋り方が後遺症として残ってしまいましたが、職業柄話せるように毎日最低でも15分はリハビリとボイトレをやるように心掛けています」と将来を見据えていた。堀は来年3月にデビュー40周年を迎える。「コロナ禍ということもあって事前に決められないもどかしさはありますが、歌の方は変わらず1曲でも多く歌って皆さんにご心配をお掛けした分、安心していただけるように頑張りたいと思っています」と40周年記念コンサートに意欲を見せ、ファンの前で歌うことを「一つの目標にして頑張ります。そこは実現させます!」と力強く宣言。「喋り方も含めて以前と変わってしまった部分で最初は命が助かったけどこの先どうやって生きていこうかと思ったところからスタートしました」と改めてこれまでを振り返り、「落ちるところまで落ちたから後は楽しみしかありません。今はそういう気持ちです。辛いことがありましたけど、皆さんのお陰で生かせて頂いております。瞬間瞬間が楽しいと思えますし、今は大変な世の中ですが、辛い方に目を向けるのではなく、楽しいことや素晴らしいモノに目を向けて過ごす方が同じ生きていくのであればそっちの方がお得かなと思っています」と前向きだった。
2021年06月02日漫画家のセモトちかさんによる、不倫を描いた漫画『サレタガワのブルー』。漫画配信アプリ『マンガMee』で上位を獲得するなど、人気を見せています。そんな『サレタガワのブルー』がテレビドラマ化決定!発表にはネット上でも歓喜の声が上がりました。主人公・田川暢役を演じるのは俳優の犬飼貴丈さん。またW主演で、田川藍子役を演じるのは、2021年3月にアイドルグループ『乃木坂46』を卒業した堀未央奈さんです。2人のポスタービジュアルを、原作者のセモトちかさんが描いたオリジナルイラストも公開されています。『サレタガワのブルー』は、愛妻家のイケメン夫が、妻に不倫をされることから始まる新感覚不倫エンターテインメント作品。主人公・田川暢(たがわのぶる)はイケメン、デザイナーで高収入、愛妻家の誰もが羨むイイ夫。大好きな妻・藍子(あいこ)に尽くし、家事に仕事に努力を惜しまない。藍子も家事一切を仕切ってくれる暢に優しく、ラブラブな2人。一見幸せそうな夫婦生活を送っていた暢だが、ある事実を目の当たりにする。彼が見たのは職場の上司との不倫を全力で楽しんでいる藍子の姿だった…。「まさか藍子さんが…そんなはずはない…」優しく可愛らしい藍子が自分を裏切るはずがない。だがそんな願いは届かなかった…修羅場を迎え、自分の欲望に忠実に生きる藍子に、復讐を決意する暢。「いい女はね、自分の望みは確実に全部叶えるの」暢に、史上最凶の不倫妻を裁くことはできるのか!?ドラマイズム「サレタガワのブルー」ーより引用原作者の、セモトちかさんは「田川暢役の犬飼貴丈さんはまさに思い描いていたご本人だった」と、配役が決まった時には驚きと感動で声が出たといいます。また、堀未央奈さんについても、「撮影現場でプロ根性を見た」と絶賛。ドラマ『サレタガワのブルー』は、TBS・MBSで同年7月13日の深夜から放送です![文・構成/grape編集部]
2021年05月22日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「Z世代」です。世界中で抱える問題。解決の鍵となるZ世代。バブル世代と氷河期世代は「X世代」、‘80~‘90年代半ばに生まれたゆとり世代は「Y世代」、‘90年代半ば~2010年代初めに生まれた若者たちは「Z世代」と呼ばれています。Z世代に注目が集まるきっかけとなったのは、人権運動家のマララ・ユスフザイさんや環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんの登場でしょう。ティーンエイジャーが、人権や地球環境が脅かされている窮状をSNSを通じて訴え、それらを守ろうとするアクションは世界で同時多発的に起こりました。そうして、経済至上主義とは別の新しい幸福の価値観を広げていきました。日本のZ世代は、小学生~中高生の多感な時期に東日本大震災や原発事故を体験しています。義務教育課程で環境や人権、SDGsについて学び、働き方は会社員ベースから、フリーランスベースに移行しつつあります。国や集団に属さずに、強い個として生き抜く新自由主義者がフィーチャーされた時代を経て、人々は戦いに疲れてしまいました。さらに自然災害が頻繁に起こり、景気は回復せず、格差は広がるばかり。個人の力ではどうしようもない状況に陥っています。そんな背景のもと、多様な個が足りない部分を補填し合い、困難を共に乗り越えようとする「コミュニタリアニズム(共同体主義)」がZ世代に広がっていきました。社会環境は目まぐるしく変化しています。人権や環境部門に積極的でない企業は投資の対象にならなくなり、SDGsというゴールを目指さねばなりませんが、大人たちは策がなく困っています。以前、ベンチャー企業と大手企業をマッチングさせる取り組みを取材したとき、大企業の社員はZ世代の新しい感性や価値観をサービスに取り入れようと、熱心に若い起業家たちの意見を聞いていました。これまでは若者の意見といえば、流行物やギャル語など、トレンドとして取り上げられる程度でした。しかし、今後は、デジタルネイティブのZ世代から新しい知見を学び、大人は資本やマーケットを若者に提供するなど、ウィンウィンの関係を築く必要があると思います。互いに協力しなければ乗り越えられそうにない問題が世界に山積みなのです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年5月26日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年05月21日