意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「アフガニスタンとタリバン」です。タリバンの圧政を恐れ、逃げる国民。世界の監視が必要。8月16日、武装勢力タリバンがアフガニスタンのほぼ全域を制圧しました。タリバンは1996年に政権を樹立。しかし2001年、アメリカ同時多発テロの首謀者・ビンラディンを匿っているとして米軍などがアフガンを空爆、政権を崩壊させました。その後、約20年間、タリバンは駐留米軍や政府軍と戦闘状態にありましたが、前トランプ政権時に米軍が撤退することで合意。引き継いだバイデン大統領が5月から撤退を本格化させるとタリバンは次々に全土を掌握、首都を包囲されたガニ大統領は国外に逃れ、8月末の米軍の完全撤退前に政権が崩壊しました。元タリバンの兵士で、現在は現地で平和構築活動をしている方を3年前に取材したことがあります。そのときに、「シリア内戦やISの台頭など、世界の注目がアフガニスタンから外れていった。その空白(時期)が生まれると暴力が起きる」とおっしゃっていました。今回の制圧も急に進んだのではなく、ガニ政権は腐敗しており、タリバンの活動は近年活発化していたのです。旧タリバン政権は女性の教育や就労を認めず、男性家族が同伴しない外出を禁止。人権侵害だけでなく、反政府勢力となってからは無差別テロをたびたび起こすなど残虐性が増していると指摘する海外メディアもあります。復権による圧政を恐れた国民は、国外に逃れようと空港に押し寄せ、離陸する飛行機にしがみつき振り落とされて亡くなる悲劇も起こりました。そんななか、中国やロシアはいち早くタリバン新政権を支持すると表明しました。中国にとっては一帯一路構想の重要な地域なので、タリバンと良好な関係を築いておきたいのです。一昨年、アフガニスタンの緑化運動を進めていた中村哲医師が、武装勢力に殺害されました。現地には日本の人道支援に対して、強いリスペクトを持つ人が大勢います。こういうときこそ、アメリカかタリバンかではなく、市民の側に立ち、生活が安定するように関わり続けることが重要なのではないかと思います。いま現地では、激しい攻撃を受けながらも、女性たちが権利を求めて抗議活動を行っています。動向を注視しなければなりません。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年9月29日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年09月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「新型コロナの治験」です。多くの治験が新薬の完成を早めます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大がなかなか収まらないなか、急がれるのは治療薬の開発です。そのために行われるのが「治験」です。治験とは、新しい治療薬の候補が開発される過程で、健康な人や患者さんに使ってもらい、効果や安全性、副作用の有無などを確かめる臨床試験のこと。体を使って調べるため、もちろんリスクを伴いますが、検査費用の負担はなく日本では何かあればすぐさま医療機関による手厚いフォローが受けられます。現在、国立国際医療研究センターの治験管理室や「生活向上WEB」で、新型コロナの治験参加者を募集しています。「生活向上WEB」の募集案内によれば、自宅で服薬しながら病院に定期的に通い、7か月にわたり経過を調べる。通院は、自宅から病院まで専用タクシーが送迎。参加することにより、薬の開発は進み、社会貢献になると記されています。ただし、治験にはデータを採るのに適した検体でなければいけません。新型コロナの治療薬候補の場合、陽性患者で症状があり、ワクチンをまだ一度も接種していない成人男女が対象になります。あらゆる治療薬の開発に治験は欠かせません。日本での治験の数は近年増えていますが、先進国のなかでは下位に位置します。アメリカなどは医療費が高額なため、無料で治療を受けられる治験を希望する人は大勢いますが、日本では一定水準の医療が保険適用で受けられるので、無理して受けようという人は限られているのです。治験の数が足りない分は、アジアの他の国のデータを活用しますが、日本人の治療には、やはり日本人による治験の結果が必要です。たとえば、海外の製薬会社で新薬が開発されても、日本人の治験結果がなかなか採れないためその薬が日本に投入されない、もしくは日本向けには開発されないという問題が起きてしまいます。このことに厚労省は危機感を抱いています。治験については、まだ一般にはよく知られていません。政府はもっと広くアナウンスするべきではないでしょうか。新型コロナの治療薬も、多くの治験データ収集が、完成に少しでも近づけることになります。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年9月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年09月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「熱海土砂災害」です。突発的な災害に備えるため、住む地域を見直そう。7月、熱海市伊豆山地区にて大規模な土石流が発生し、約130棟の建物が被害に遭い、多くの死者と行方不明者を出しました。現地に行ってみると、典型的な土石流とは明らかに様子が違いました。これまでの現場では大岩や根から折れた木などが流れてきて、土は粘り気のある泥状でした。ところが今回は、土を踏むと膝まで埋まってしまうサラサラのシャーベット状で、足が掬われそうになりました。専門家の調査では、「盛り土」により造成された山が崩壊し、そのまま土砂となって流れていたことが判明。この場所の、度を越した盛り土問題は県も把握しており、業者に対して指導をしていたにもかかわらず、対策が取られていなかったことが問題になっています。土石流を引き起こしたのは短時間の集中豪雨。熱海市の72時間降水量は、過去最大量の1.3倍にあたる500mm以上だったことが分かりました。明らかに気象が変わってきているため、防災基準の見直しは必須でしょう。国土交通省は大規模盛土造成地の徹底調査を行っており、全国で5万1306か所存在していると昨年3月に発表していました。しかし、自治体に対し国が安全対策の必要性を伝えても、自治体には、民間業者に販売権利を撤回する権限はありません。また、この背景には、都市近郊に人口が集中し、土地のないところに土地を造成して住宅を増やさねばならないという近年の宅地開発の流れも深く関係しています。やはり自分の身は自分で守るしかないと思います。山や川が近い、液状化が起きるかもしれないなど、自分の住む地域に災害の可能性を少しでも感じているのならば、何らかの対策を検討する必要があります。熱海の土砂崩れの第一報は、公的機関の発表より前に住民のグループラインによって、「あそこが危ないらしい」と連絡が回ったそうです。集中豪雨はすさまじい雨音のため、広報車の避難アナウンスもほとんど聞こえなくなります。予期せぬ大規模災害を即座に察知するには、地域住民の連携による防災発信が大切になります。これからは、“地方創生と防災”が、住みやすさの大きなキーワードになると思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年8月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年08月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「育休法改正」です。現場の声を反映。男性が取得しやすい制度に。改正育児・介護休業法が成立し、2022年より施行されることになりました。この改正の大きなポイントは、「男性が育児休業を取りやすくするように定めた」ということです。これまでの男性の育休取得率は7.48%、1割にも達していませんでした。さらに、取得した人のうち、7割が取った期間が1週間以内。もっと長期に、必要なときに分割して何度でも取れるようにと、現場のお父さんお母さんの声が改正案には反映されました。これは大きな前進だと思います。現在、孤立してしまうお母さんの産後うつの問題が深刻です。また、僕も経験がありますが、働く男性にしてみたら、いったん長期間休んで前線を離脱してしまったら、元のポストに戻れないのではないかという怖さもあります。さらに、休めば残業代が減ってしまいます。そういう経済的理由からも育休は取りにくいものでした。改正後は新たに出産日から8週間の間に4週間の育休を取れ、子供が1歳になるまでに女性は2回、男性は最大4回に分けて取得することが可能になります。さらに、育休取得日の半分を上限に仕事をすることも認められます。給付金は育休開始時賃金の67%が支給され、厚生年金など社会保険料が免除されるため、実質、収入の8割程度が保障されることになります。これまでは正社員だけの制度でしたが、改正法では、働いて1年未満の非正規雇用でも育休を取れるように変更されました。ある調査で男性の5人に1人が、育休を取らなかった理由を「職場が育休制度を取りづらい雰囲気だったから」と答えています。「取っていいと思っているのか?」と上司に言われ、申請できなかったという例も聞きました。そんな職場の空気を是正するため、育休取得対象の男性に、会社は制度の説明をし、取得の意向を確認をすることが義務化されることになりました。日本は有給休暇も取得率が極端に低い。けれども休みを取りやすい会社のほうが生産性が高いという数字も出ています。休むことで仕事のパフォーマンスも向上します。子供の有無にかかわらず、休みが取りやすい職場に変わっていくことを期待したいですね。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年8月4日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年08月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「LGBT法案」です。LGBTと一括りではなく個別の課題解決を。与野党合意で進められていた、性的少数派をめぐる「理解増進法案」は自民党内の強い反対を受け、今国会での提出を断念しました。オリンピック憲章では、いかなる差別も認めず、ジェンダー平等を謳っています。オリンピック開催国でありながら、この法案が成案できないというのは恥ずかしい状況だと思います。2014年のソチオリンピックでは、ロシア政府が同性愛を認めないとLGBT運動を弾圧したため、各国の首脳は抗議の意を示し、開会式の参加をボイコットしました(日本は参加していました)。自民党内でも、稲田朋美議員をはじめ、LGBT当事者と対話を重ねてきた議員はなんとか成案させようと与党幹部に詰め寄りましたが、「家族観が壊れる」など、ベテラン議員からのクレームがついて進みませんでした。もともと野党は、ヘイトスピーチや、同性愛者という理由で入居を拒否されたり、社内で差別を受けたりすることを禁止する「差別解消法案」を提出していました。それに対して自民党はLGBTの人々の実情をまず知ってもらおうと「理解増進法案」を進めていました。結局、自民党案を修正する形で与野党合意したのですが、「差別は許されない」という文言に対して、与党内の保守派が「権利を与えることで、権利を極度に主張されると訴訟が起こり、かえって分断を生む。何をもって差別とするかを定義づけないかぎり法案は認められない」と強硬姿勢を崩さず、国会提出も叶わなかったのです。たとえ法律ができたとしても、差別感情を持つ人の意識が一変するわけではありません。理解を深めるためには、対話や交流の場を増やすことが肝要なのだと思います。残念なのは、この制度を決める国会議員の中に、公表しているLGBT当事者がほとんどいないということです。議員の多様性のなさにも問題があると言わざるを得ません。最初からLGBT法案に賛成か反対か、という二択から始めるのではなく、もっと小さな主語で、性別の問題で困っているさんの課題に対処するには、どんな方法があるのか。具体策を一つずつ見出すことが、状況改善の糸口になるのかもしれません。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年7月21日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年07月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「温室効果ガス46%削減」です。環境の問題だけではなく、経済の生き残り策 。4月に気候変動サミットが開かれ、各国が温室効果ガスの削減目標を表明しました。日本は2030年度までに2013年度比で46%削減するという新たな目標を掲げ、「50%の高みに向けて挑戦を続ける」と発表。それまでの目標値は26%削減でしたから、一気に引き上げた形になります。ところが、環境問題に熱心に取り組む若い人たちが、その数字では足りないと、経産省前でハンガーストライキを行いました。パリ協定では、世界の気温上昇を産業革命前と比べて1.5°Cに抑えることを目標に定めています。そこまで効果を出すには日本は62%の削減が必要だと訴えたのです。ちなみに他国の目標値は、アメリカは2005年比で50~52%削減。EUは1990年比で55%以上減。イギリスは1990年比で78%以上減です。アメリカのバイデン大統領は、オバマ政権で謳われた、温暖化防止と経済格差是正の両方を行う経済刺激策「グリーン・ニューディール」をさらに強化し、「クリーンエネルギー/持続可能インフラ計画」に4年間で総額2兆ドルを投入すると公約で掲げました。中国は、公害により健康被害が多く出たことを機に、環境対策に積極的になり、2030年までの温室効果ガス削減目標は2005年比で65%以上削減。また、2035年の新車販売でガソリン車をゼロに。電気自動車を中心に省エネ・新エネルギー車の割合を5割にし、残りの5割もすべてハイブリッド車にすると昨年秋に発表しました。欧米や中国の削減目標値が高いのは、環境対策がこれからの経済の主戦場になると踏んでいるからです。欧米の大手企業は、石炭や火力による電力に依存する企業とは取引しないと公言していますから、日本も再生可能エネルギーの比率を上げるなどの対処をしないと、このままでは世界の経済市場から日本の企業は排除されてしまいます。環境対策は、地球を守るというイデオロギー的なものから、産業の生き残り策に大きく変わったんですね。AIや再生可能エネルギーなど、あらゆるテクノロジーを駆使し、環境に負荷をかけない産業政策を、国が本格的にとる必要があるのではないかと思います。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年6月16日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年06月12日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「出入国管理法改正案」です。難民は犯罪者ではない。廃案後も対応是正を求める。日本の入国管理のあり方が国際的に問題視されています。まず、難民認定率が1.2%(2020年)と、とても低い。さらに、難民申請を却下された外国人が、入国管理の施設に長期間収容されていることも問題になっています。家族と引き離され、無期限勾留のような状況で、体調を崩してもきちんとした手当てが受けられません。扱いが非人道的ではないかと、国連からも再三勧告を受けていました。今国会では出入国管理法の改正が審議されました。改正案には、難民認定手続き中は強制送還が停止されるという規定を3回目以降の申請には適用せず、本国に送還できるという変更が含まれていました。しかし、内戦や封建的な軍政から命からがら逃れてきた人を母国に送り返せば、その人は殺されてしまうかもしれません。改悪案だと、多くの人が反対の声をあげ、3月に名古屋入管施設に収容中だったスリランカ人女性が死亡し、その管理状況が問題視されたことも受け、与党は今国会での審議を断念しました。難民申請をしている人が本当に難民なのかを判定するのは確かに難しいです。パスポートはもとより、その人を証明するものがないからです。けれども、難民=犯罪者ではありません。ただ、入管庁は麻薬カルテルの一味や武装集団を入国させないよう水際を守るのが仕事ですから、入管庁の中で難民審査を行うこと自体に無理があると思います。たとえば、難民局を作り、難民なのか、虚偽の申請をする偽装難民なのかを審査できる体制を整える必要があるのではないでしょうか。日本は難民申請を厳しくする一方で、特定技能制度など、外国人労働者を受け入れる規制緩和はしてきています。労働力のためには門を開き、助けを求める人には閉ざすというのは矛盾しています。欧米には多民族、多文化の土壌があり、移民を国力に反映させる術を持っています。その点、日本は多様性を受け入れるのが不得意なんですね。廃案になっても難民に対する日本の対応は問題が残っています。もしも日本が戦争状態になり、自分が国を逃れ難民になったとしたら?と想像力を働かせて考えてみてほしいです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年6月9日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年06月05日タレントの堀ちえみが6月1日、都内で行われたGEヘルスケア・ジャパン「ポケットエコー Vscan Air 新製品記者発表会」に出席した。グローバルヘルスケアカンパニーのGEヘルスケア・ジャパンは、ポケットサイズの超音波診断装置「Vscan (ヴィースキャン)」の最新モデル「Vscan Air(ヴィースキャン エアー)」を発売。その記者会見に口腔がんや食道がんを患って闘病生活を送り、現在も治療中の堀ちえみが登壇して病気の早期発見の大切さを説いた。これまでの経緯について堀は「2019年に口腔がんを患い、ステージ4という告知を受けました、2019年2月に手術をし、悪性の部分を取り除いた結果、舌の6割以上を取って太ももの一部を移植しました。首にも転移(食道がん)していて、エコーに命を助けていただいたと言っても過言ではありません」と説明。手術から2年3カ月が経過した現在は通院のほかにボイストレーニングやリハビリに取り組んでいるそうで、「通院は耳鼻科と口腔外科、それぞれ3カ月に1回は受診しています。経過観察で検査をし、食道がんも経過観察で半年に1回は胃カメラを飲んで再発の有無を診ていただいております。リハビリはコロナ禍なので1カ月に1回、ボイストレーニングは1週間に1回、リモートで先生に2時間ご指導していただいております」と明かしつつ、「コロナも怖いですけど、がんも進行してしまうと非常に恐ろしい病気。そちらの方も対策をちゃんとしながら検査を受けて早期発見できるようにしています。今は全然元気で、喋り方が後遺症として残ってしまいましたが、職業柄話せるように毎日最低でも15分はリハビリとボイトレをやるように心掛けています」と将来を見据えていた。堀は来年3月にデビュー40周年を迎える。「コロナ禍ということもあって事前に決められないもどかしさはありますが、歌の方は変わらず1曲でも多く歌って皆さんにご心配をお掛けした分、安心していただけるように頑張りたいと思っています」と40周年記念コンサートに意欲を見せ、ファンの前で歌うことを「一つの目標にして頑張ります。そこは実現させます!」と力強く宣言。「喋り方も含めて以前と変わってしまった部分で最初は命が助かったけどこの先どうやって生きていこうかと思ったところからスタートしました」と改めてこれまでを振り返り、「落ちるところまで落ちたから後は楽しみしかありません。今はそういう気持ちです。辛いことがありましたけど、皆さんのお陰で生かせて頂いております。瞬間瞬間が楽しいと思えますし、今は大変な世の中ですが、辛い方に目を向けるのではなく、楽しいことや素晴らしいモノに目を向けて過ごす方が同じ生きていくのであればそっちの方がお得かなと思っています」と前向きだった。
2021年06月02日漫画家のセモトちかさんによる、不倫を描いた漫画『サレタガワのブルー』。漫画配信アプリ『マンガMee』で上位を獲得するなど、人気を見せています。そんな『サレタガワのブルー』がテレビドラマ化決定!発表にはネット上でも歓喜の声が上がりました。主人公・田川暢役を演じるのは俳優の犬飼貴丈さん。またW主演で、田川藍子役を演じるのは、2021年3月にアイドルグループ『乃木坂46』を卒業した堀未央奈さんです。2人のポスタービジュアルを、原作者のセモトちかさんが描いたオリジナルイラストも公開されています。『サレタガワのブルー』は、愛妻家のイケメン夫が、妻に不倫をされることから始まる新感覚不倫エンターテインメント作品。主人公・田川暢(たがわのぶる)はイケメン、デザイナーで高収入、愛妻家の誰もが羨むイイ夫。大好きな妻・藍子(あいこ)に尽くし、家事に仕事に努力を惜しまない。藍子も家事一切を仕切ってくれる暢に優しく、ラブラブな2人。一見幸せそうな夫婦生活を送っていた暢だが、ある事実を目の当たりにする。彼が見たのは職場の上司との不倫を全力で楽しんでいる藍子の姿だった…。「まさか藍子さんが…そんなはずはない…」優しく可愛らしい藍子が自分を裏切るはずがない。だがそんな願いは届かなかった…修羅場を迎え、自分の欲望に忠実に生きる藍子に、復讐を決意する暢。「いい女はね、自分の望みは確実に全部叶えるの」暢に、史上最凶の不倫妻を裁くことはできるのか!?ドラマイズム「サレタガワのブルー」ーより引用原作者の、セモトちかさんは「田川暢役の犬飼貴丈さんはまさに思い描いていたご本人だった」と、配役が決まった時には驚きと感動で声が出たといいます。また、堀未央奈さんについても、「撮影現場でプロ根性を見た」と絶賛。ドラマ『サレタガワのブルー』は、TBS・MBSで同年7月13日の深夜から放送です![文・構成/grape編集部]
2021年05月22日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「Z世代」です。世界中で抱える問題。解決の鍵となるZ世代。バブル世代と氷河期世代は「X世代」、‘80~‘90年代半ばに生まれたゆとり世代は「Y世代」、‘90年代半ば~2010年代初めに生まれた若者たちは「Z世代」と呼ばれています。Z世代に注目が集まるきっかけとなったのは、人権運動家のマララ・ユスフザイさんや環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんの登場でしょう。ティーンエイジャーが、人権や地球環境が脅かされている窮状をSNSを通じて訴え、それらを守ろうとするアクションは世界で同時多発的に起こりました。そうして、経済至上主義とは別の新しい幸福の価値観を広げていきました。日本のZ世代は、小学生~中高生の多感な時期に東日本大震災や原発事故を体験しています。義務教育課程で環境や人権、SDGsについて学び、働き方は会社員ベースから、フリーランスベースに移行しつつあります。国や集団に属さずに、強い個として生き抜く新自由主義者がフィーチャーされた時代を経て、人々は戦いに疲れてしまいました。さらに自然災害が頻繁に起こり、景気は回復せず、格差は広がるばかり。個人の力ではどうしようもない状況に陥っています。そんな背景のもと、多様な個が足りない部分を補填し合い、困難を共に乗り越えようとする「コミュニタリアニズム(共同体主義)」がZ世代に広がっていきました。社会環境は目まぐるしく変化しています。人権や環境部門に積極的でない企業は投資の対象にならなくなり、SDGsというゴールを目指さねばなりませんが、大人たちは策がなく困っています。以前、ベンチャー企業と大手企業をマッチングさせる取り組みを取材したとき、大企業の社員はZ世代の新しい感性や価値観をサービスに取り入れようと、熱心に若い起業家たちの意見を聞いていました。これまでは若者の意見といえば、流行物やギャル語など、トレンドとして取り上げられる程度でした。しかし、今後は、デジタルネイティブのZ世代から新しい知見を学び、大人は資本やマーケットを若者に提供するなど、ウィンウィンの関係を築く必要があると思います。互いに協力しなければ乗り越えられそうにない問題が世界に山積みなのです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年5月26日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年05月21日俳優の仲里依紗さんが、2021年5月15日に放送されたバラエティ番組『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)に出演。同じく俳優で夫の、中尾明慶さんとの結婚秘話を明かしました。仲さんは、同年4月18日に中尾さんと結婚8周年を記念して食事に行ったことをInstagramで報告しています。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 仲里依紗 RIISA NAKA(@riisa1018naka)がシェアした投稿 ケンカをしながらも、仲むつまじい姿は「理想の夫婦」と呼ばれることも。しかし、そんな仲さんですが「好きな人はできたことがない」といいます。中尾さんと結婚した経緯をこのように明かしました。なんか好きとか「ウェー…」みたいな感じで。「ウケるんだけど~」っていっちゃって、延長で結婚してますね。あざとくて何が悪いの?ーより引用好きという恋愛感情ではなく、中尾さんとは波長があうため、結婚を決めたという仲さん。自分自身でも「なんでだろう」と、コメントしていました。また、出演者の田中みな実さんから「好きっていわないんですか」と問われた仲さん。中尾さんに「好きなの?」と聞くと、返答は…。「なーに!好きだよ!?」みたいな感じで、「ウケる!」みたいな感じ。あざとくて何が悪いの?ーより引用照れながらも、「好き」と答えてくれるという中尾さん。それでも、すぐに「ウケる!」と、2人ならではの軽い雰囲気に包まれるようです。ネット上では、仲さんと中尾さんの関係に憧れる声も寄せられていました。・仲さんたちみたいな結婚が、一番理想的なのかも。・『仲のいい友達』という感覚で結婚できるのは、いいな。毎日が楽しそう!・結婚するのに『好き』という感情だけではなくて、仲さんみたいな考え方も必要だと思う!結婚の決め手は人それぞれ。恋愛感情だけではなく、波長や価値観が合う人と結婚するのも1つの選択肢です。仲さんと中尾さんの結婚の考え方やとらえ方も、「理想の夫婦」と呼ばれる理由なのでしょうね。[文・構成/grape編集部]
2021年05月16日2021年3月からスタートした、バラエティ番組『ラヴィット!』(TBS系)は、お笑いコンビ『麒麟』の川島明さんと、田村真子アナウンサーがMCを務めています。同年4月26日の放送回で、体調不良を原因に、休みを取った田村アナ。翌日の放送では、元気な姿を見せました。番組の冒頭に、田村アナは「新型コロナウイルス感染症が流行している中で、体調が優れなかったため、大事を取って休みをもらった。今は回復し、感染の疑いもないことを確認済みです」と報告。すると横に立っていた川島さんは、田村アナに向かって「おかえりなさい」といい、スタジオの共演者に向けて、こう声をかけました。本当になんか、もうね、ちょっと違和感があったら休んだほうがいい時代です、今は。みなさんも、なんかちょっと前髪が決まらなかったとか、ちょっと靴ずれだと、そういう時も、全然休んでいただいて結構なんで。ラヴィット!ーより引用川島さんは、場の雰囲気を和ませるように、笑いをまじえて「何か体調に違和感があれば遠慮なく休みを取ってほしい」と伝えます。出演者であるお笑いタレントのビビる大木さんが「本番中にネタがすべったら、途中退席をしてもいいか?」と冗談をいうと「本番中にすべって具合が悪くなるのは『お笑いタレントあるある』なんで、すぐ帰っていただいて結構です」と答えました。最後に、川島さんは周囲に対してこうメッセージを送ります。来やすい、休みやすい職場にしましょう。ラヴィット!ーより引用田村アナを労わるだけでなく、周囲にとって働きやすい環境を望む川島さんの発言は、ネット上で反響を呼びました。・川島さんの発言が優しくて、すごいよかった。・和んだ。私も前髪が決まらないので、休んでもいいかな…。・川島さんのこういうところが好き。上司になってほしい。かつては「多少の体調不良なら、休まずに働く」という風潮がありましたが、本来、体調が優れない際は身体を休め、治すことが最優先です。また、新型コロナウイルス感染症がまん延する現代では、少しでも異変を感じたら人との接触を避ける行動を心がけ、感染拡大を防ぐことに注力すべきでしょう。川島さんのいうように、体調不良の際は、遠慮せずに休みを取りやすい職場の環境を作っていけたら素敵ですね。[文・構成/grape編集部]
2021年04月27日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「米中外交」です。体制の違いにより対立が顕著に。注視が必要です。アメリカの外交政策を、国際協調から「アメリカ第一主義」に大きく方向転換したトランプ前大統領。バイデン大統領は2月の演説で、「アメリカは戻ってきた」と世界に向けてメッセージを発し、再び協調体制に戻すこと、失われた同盟関係を修復することを宣言しました。問題は対中国です。就任前には「弱腰になるのでは?」と推測する声がありましたが、それを覆すかのようにバイデン政権は中国に強い姿勢を示しています。人種や宗教によって差別することは許さないと、新疆ウイグル自治区や香港、東南アジアに対する中国の挑発的な支配姿勢を批判。「中国の経済的虐待に立ち向かう」「人権や知的財産、グローバルガバナンスに対する中国の攻撃を押し返す」などと表現しました。中国への強硬姿勢は、トランプ時代と変わりませんが、バイデン大統領は「アメリカの国益となる場合は、中国政府と協力する用意がある」と付け加えることも忘れませんでした。しかし、米中関係は日に日に緊張感を増しています。3月に行われた米中外交トップ会談では、人権に反する中国の行為を非難したアメリカに対し、「内政に干渉する行為には断固として反対」と、中国側は強く反発しました。中国は自らを民主国家と謳いますが、民主主義の定義が私たち自由主義国とは異なり、最終決定権はすべて中国共産党にあります。バイデン大統領は、中国が民主国家に変わることを期待していたのですが、体制の違いは露わになるばかり。3月末の記者会見でバイデン大統領は「21世紀における民主主義と専制主義のどちらが機能するかの闘い」と発言し、対立を極めました。習近平国家主席は、オバマ政権のころには「G2」として、中国とアメリカで世界の秩序を作ることを呼びかけていました。ところがトランプ政権になり対立関係に。本音ではビジネス上で繋がっておきたい両国ですが、不当逮捕や弾圧が日常的に行われる国相手では安心して投資はできません。今後、たとえば台湾をめぐり、米中関係がさらに悪化した場合には、日本の米軍基地から中国にプレッシャーをかける可能性も。他人事ではいられないのです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。新しい朝の報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~8:00)が放送中。※『anan』2021年4月21日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年04月16日藤原竜也が主演、柄本明が演出と出演を務め、松井周の書き下ろし脚本で話題沸騰となった舞台「てにあまる」。WOWOWで2021年1月5日(火)に生中継した舞台を4月18日(日)15:00から放送することが決定。その放送に先立ち、1月8日(金)の舞台を終えた後の藤原と柄本に直撃したインタビューが到着した。本作はある家族を描きながら、人間という動物のあらがえない欲望を見つめるサスペンスドラマ。脚本は、2011年に岸田國士戯曲賞を受賞し、主宰する個人ユニット、サンプルで活動する劇作家の松井による書き下ろし。柄本も大きな信頼を寄せる松井独自の視点で、“どのような人間関係も、それぞれがオリジナルでしかない”という真理をあぶり出す。自身の劇団で数多くの作品の演出を手掛けている柄本が演出を担い、出演者としても、その才能を認めた藤原と親子を演じ、心理的戦いを繰り広げる。そして、俳優として成長を続ける高杉真宙、本作が舞台初出演となる佐久間由衣と、若手実力派キャストも集結。確かな演技力を持つ4人の役者が織り成す、濃密な会話劇に期待してほしい。■柄本明&藤原竜也インタビューーーお互いの印象をお聞かせください柄本:(舞台での共演は)これで2度目です。演出は初めてですけど。藤原:(柄本さんはけいこ場を)面白そうに見ていましたよ。演出して視界を広くして自分も出るというのは僕もやったことないし、大変なことやっているなと思いながら柄本さんのことを見ていました。楽しかったです。ーーけいこ場の雰囲気はどんな感じでしたか?藤原:柄本さんの演出は、的確にというか、自分が芝居的にはしってしまったり勢いづいてしまった時にうまく修正してくれますし、難しい台本だったので柄本さんが僕ら役者を救ってくれた感じです。この難しい本に対して、俳優という立場で僕らを導いてくれたのはうれしかったです。柄本:難しい本でした。(藤原を指して)この人で救われましたよ。この人じゃないとダメだったね。とにかくスピードがある。藤原竜也という人を見ていて思うのは、「あ、藤原竜也なんだな」ということがものすごく刻まれます。ーー本作は松井さんの書き下ろしです。台本を最初に読んだ時の感想は?柄本:松井さんとは初めてで何度も話したし、うちのけいこ場にも来てもらい芝居も見にきてもらいました。僕はいつもそうなのですが、人が書いているものだからわからないですよ。それは、松井さんの本でなくても。それと、スマートフォンが芝居に出てくるとか世代を感じたかな。ーーお気に入りのシーンやセリフは?藤原:僕が最後に柄本さんにスマートフォンを渡すとき、心の中で「今日も1日終わりました」と言っていました。そこですね。柄本:まだまだ僕なんかせりふが言えていない感じだから、たまに何回かやっていて自分が思わなかった声に出会うとうれしいですね。【番組情報】舞台「てにあまる」放送・配信日:4月18日(日)15:00より、WOWOWライブ・WOWOWオンデマンドにて放送&配信収録⽇:2021年1⽉5⽇収録場所:東京 東京芸術劇場 プレイハウス<スタッフ・キャスト>脚本:松井周 / 演出:柄本明出演:藤原⻯也、⾼杉真宙、佐久間由⾐、柄本明番組URL:
2021年04月12日俳優の中尾明慶が先月30日、スピードワゴン・井戸田潤のYouTube公式チャンネル『ハンバーグ師匠チャンネル』に出演。動画「【本音】マブダチの中尾明慶くんと、お酒を飲みながら腹を割って色々話してみたら…【聞き上手師匠】」内で、バラエティ番組に出演することへの葛藤を打ち明けた。テレビのバラエティ番組にはもちろん、同チャンネルにもたびたび登場し、バラエティ力の高さを発揮している中尾。井戸田に、「中尾くんて、バラエティ対応がエグいよね。めちゃめちゃ上手いよね。ロケが終わるたびに、みんなで絶賛してんのよ。さすがだなって。中尾くんがいて、本当に助かりましたよって」と称賛されると、「本当ですか? 僕も思います。助けたなって(笑)」と照れ笑い。一方で、親しいプロデューサーから、「バラエティに出過ぎ」とアドバイスされることもあるそうで、「自分でも思ったこともあるんで。俳優業をやる上で、それってどうなのかな? と思った葛藤はありましたよ。でも好きだし、楽しいから……」と、正直な気持ちを吐露。ドラマや映画の番宣で、「出なきゃいけないときもある」と言いつつ、「バラエティ番組にちょっとでも出たことがあると、MCの人が優しくしてくれることもあって。話を振ってくれたり。だからやっぱり良いこともある」と話していた。
2021年02月09日俳優の中尾明慶が5日、YouTube公式チャンネル『中尾明慶のきつねさーん』で、映画化もされたTBS系大ヒットドラマ『ROOKIES(ルーキーズ)』を回顧し、共演した佐藤隆太について語った。「【まさかのあの人から】ウーバーイーツしながら変な質問に答えるよ」と題した今回の動画では、1月6日に自身のインスタグラムで募集した“変な質問”に中尾が次々回答。「630番目に好きな食べ物は?」や「前歯は何センチですか?」など、一風変わった質問は1,000件以上集まったという。動画の冒頭から「とびきりスペシャルな人からも質問来てる」「これは皆嬉しいと思う」と予告していた中尾だが、後半にその相手が『ROOKIES』で共演した佐藤であることを明かした。そんな佐藤から寄せられた質問は「湿布を貼る時に聞いている曲ベスト5を教えて下さいっ!!」。これには中尾も「バカだね、隆太くんバカだよ。隆太くん面白いわ」とつぶやき、耐えきれないかのように声を上げて笑う。先日、佐藤の舞台を見に行った中尾。「すごく素敵な話で。今こういう時期だから会えないけどね。遠目で隆太くんに会えた」と話し、「一緒に1つの作品を作った人が頑張ってるっていうのはすごいなぁって思うし、刺激にもなるし、俺も頑張ろうとも思う」と感慨深げ。そして質問に戻り「ベスト5って……これはもう、1本ですよ」と歌い出したのは『ROOKIES』の主題歌、GReeeeNの「キセキ」。当時の佐藤と、さらに桐谷健太の記憶を辿り、「あのとき、隆太くんとか健太くんとか……29とか30くらい? 今の俺くらいじゃん。俺は9個とか10個とか下で。あんな生意気な奴がいたのかと思うと本当に……」と溜めて「『隆太くんごめんなさい』としか思えない」と頭を下げた。最後に「そういう話したいな」と吐露し、佐藤へ「待ってます。隆太くん、待ってます」と熱烈なオファーを送った。
2021年02月07日俳優の中尾明慶が先月30日、スピードワゴン・井戸田潤のYouTube公式チャンネル『ハンバーグ師匠チャンネル』にゲスト出演。「【本音】マブダチの中尾明慶くんと、お酒を飲みながら腹を割って色々話してみたら…【聞き上手師匠】」と題された動画内で、自身のチャンネルに対する思いを語った。YouTube公式チャンネル『中尾明慶のきつねさーん』で、プライベート感あふれる動画を公開している中尾。井戸田に、チャンネル開設の理由を聞かれると、「ドラマや映画でお芝居してても、なかなか観てる人と近くなるというか、より近いファンになってもらえる機会が少なくて。そういう人が欲しかったです。純粋に、より近いファンが欲しくて始めました」と、熱い思いを吐露した。また、「映画や舞台をやっても、人を呼ぶって難しいじゃないですか。テレビドラマでどんなに有名になっても、舞台やりますって言ったときに、人が来てくれないっていうのも見えてた」と話し、自身のYouTubeをきっかけに、「(ドラマや映画、舞台を)観てみようかなっていう人が、一人でも増えたらいいな」という、役者としての思いも打ち明けた。さらに、「結構、真面目なところで始めたんですよ。芸能界も含めて、やっぱりこの先、どうなっていくのか分からないじゃないですか。お芝居ができる環境がいつまであるかも分かんないし」と、真剣な表情で語った中尾。そういった考えから、「自分で生み出せる力を勉強したい」といい、「全部、自分でやろうと思ったものがやれる。YouTubeはそれが面白いです」と、笑顔で話していた。
2021年02月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「子供・若者白書」です。自己肯定感の低い若者たち。長所を伸ばせる社会に。内閣府が毎年国会に提出している「子供・若者白書」。2019年に発表された「日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~」が話題になりました。これは‘18年の冬に7か国の13~29歳の男女を対象に行われた調査で、国際競争力や結婚観、自ら切り拓く力など、日本の国力に関わる若者の実態を知ることが目的で行われました。この結果、日本の若者は他国の若者と比べて、自己肯定感が低い傾向にあることがわかりました。「自分自身に満足しているか」という問いに対して、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を含め、イエスと答えた若者は、日本は5割に届きません。ところがアメリカは「そう思う」が57.9%。肯定的回答を合わせると、欧米諸国はほぼ8割を超えています。「自分に長所があると感じているか」という問いには、「そう思う」と断言する日本の若者はわずか16.3%。他の6か国は日本の倍近く、さらにそれ以上の高い割合で「そう思う」と答えています。日本の若者の自己肯定感の低さは、自分は役に立たないと感じる「自己有用感」の低さが関わっているようだと内閣府は分析しています。一方で、家族に大切にされていると感じる若者は多く、海外留学や海外居住を求める割合は低い。堅実で謙虚な優しい日本の若者像が浮かび上がりました。なかでも気になったのは、「よく嘘をつくか」という問いに7割の若者が、つかないと答えている一方で、「人は信用できないと思う」という設問に肯定的回答をした割合が5割以上。これは、政府のモリカケ問題や桜を見る会の問題、ブラック企業やいじめを隠蔽しようとする学校など、社会に対する不信感の表れなのではないかと思います。「うまくいくかわからないことに意欲的に取り組むか」という設問にはイエスとノーの回答がほぼ半々でした。成功体験の有無が影響しているのかもしれません。1月11日は成人の日。若者たちがそれぞれの特性に応じて活躍できる環境を、社会として作るべきではないでしょうか。若者のみなさんには、とるに足らない人間なんていないのだから、好きなことを追求して長所を伸ばしていってほしいと思います。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が昨年公開された。※『anan』2020年1月13日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年01月09日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「脱ハンコ」です。無駄な手続きを省くのが目的。押印否定ではない。菅政権になり、書類に押印をする手続きを簡略化しようと「脱ハンコ」の動きが官民で急速に進んでいます。コロナ禍のなか、テレワークが推奨されながらも、経理部門などでは、押印のためにわざわざ出社しなければいけないというような事態になっていたことも、改革の後押しとなりました。ただ、河野太郎行政改革大臣も話していましたが、政府はすべての押印をなくそうとしているわけではありません。印鑑証明や銀行印、契約書の押印などは残ります。そもそもハンコの問題ではなく、書類申請や申し込みなど、責任を分散させるために何人もの承認印を押させるなど、煩雑だった手続きを見直すことから始まりました。契約書の押印も、実は民法上では必須ではありません。口約束でも証明さえできれば契約は成立します。ただ、たとえば裁判になったとき、「自分で判を押した」ということが本人の承認意志の有無の証明になるため、押印を求められることが常になっているのです。インターネットの登場とともに電子取引が増え、2001年には電子署名法が施行されました。しかし、電子認証の申請手続きのハードルが高く、なかなか利用されませんでした。その後、テクノロジーが発達し、民間企業の方で電子署名の仕組みが進み、2017年以降、電子契約サービス市場は急速に伸びています。2018年に約37億円程度だったのが2023年には198億円になる見込みです。コロナ禍で契約者数が増え、電子契約サービスを導入している日本の法人数は300万社前後にのぼりました。Eメールの登場で、逆に、手書きの文書が特別なものになったように、今後、印を押す行為は文化として継承されていくのではないかと思います。脱ハンコは菅政権の行政改革の「1丁目1番地」。デジタル化の一つとして進められました。安倍政権のころから提案されていた事案。代替サービスもありますし、押印の必要性は法的根拠もなく、なんとなく皆が続けていた古い産業形態だったので、おそらく誰も反対はしない。ここにメスを入れるのは、菅総理にとって、手柄を立てるのにもってこいのテーマだったんです。堀潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年12月23日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年12月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「大阪都構想」です。大阪をきっかけに、都市のあり方の再検討が進めば。11月1日、大阪都構想についての住民投票が行われ、反対多数で否決されました。大阪都構想とは、大阪府が「都」になることではありません。大阪市を廃止して、4つの特別区として再編。東京23区のように地域ごとに行政区を割って、地域特性を生かし細やかな地域サービスを実現。広域的な行政は大阪府が行うという提案でした。これまで大阪府も大阪市も同じように権限を持ち、財源もあるため、「二重行政」となって税金の無駄遣いになっていると問題視されていました。たとえば、大阪府で高層商業ビルを建てたのに、同じようなビルを大阪市でも建てたり。あるいは、府がやろうとすることに市が反対し、プロジェクトが進まないというような事例も重なり、大阪の産業の衰退を招いたといわれてきました。それを解消しようと当時、府知事だった橋下徹さんと松井一郎さん(現在の大阪市長)が中心となり、2010年に「大阪維新の会」が立ち上がり、大阪都構想を掲げたのです。2015年に住民投票をしましたが否決。今年2度目の住民投票も再否決され、廃案になりました。大阪維新の会は新自由主義的な政党なので、競争させて無駄は省くという考え方。コストカットの側面から、行政サービスが悪くなるんじゃないか、というのが反対派の見立てでした。廃案になったものの、菅総理は「大都市制度の議論に一石を投じた」と提案については一定の評価を示しました。実際、平成の大合併により、多くの市町村の再編が行われ、同じ市のなかでも中心部は潤うが山間部は廃れるといった格差も生まれてしまいました。逆に、合併を選ばなかった村が地域特性を生かして発展していったケースも。社会的ニーズが多様化し、生活環境が変化に富むいま、暮らしや財政の基盤となる行政はもう少しミニマムにしていったほうが、隅々にまで目が届くのではないかと思います。松井市長は、その後、大阪市を残したまま区の権限を強くする8つの「総合区」を設置する条例案を来年2月に市議会に提案すると表明。大阪に限らず、これを機に地方行政のあり方を再検討する動きが進むことを望みます。堀潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年12月9日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年12月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「新疆ウイグル問題」です。企業のSDGsの意識を強めるきっかけになった。中国の新疆ウイグル自治区では、中国政府がウイグル族の人々を弾圧したり、100万人以上を収容所で強制労働させているなど、非人道的な行為が長年、世界的に問題になっていました。ウイグル族はイスラム教を信仰しており、中国共産党は実質的に宗教の自由を認めていません。特定の宗教は弾圧し、言葉や文化も漢民族への同化政策をとっています。そのことに反発し、一部のイスラム原理主義への回帰思想の人たちがテロを起こすようになり、中国共産党はそれらの過激派をテロ組織と認定し、取り締まりを強化するという悪循環も生まれているのです。今年、新疆ウイグル問題がさらに注目を浴びたのは、3月にオーストラリアの政府系シンクタンクが、世界の82社のサプライチェーン(部品や原材料の調達から製造、販売、消費までの一連の流れ)に、ウイグル族の強制労働が含まれていると発表したからです。そのなかにはアパレル、自動車、電化製品、携帯端末、ITなどの世界の有名多国籍企業や日本の企業も数多く含まれていました。これまでは人権や環境に配慮していると宣言していた企業でも、ウイグルの人たちから搾取するような強制労働に加担していることが明らかになり、各社対応に追われました。いまやESG投資が広まっており、人権や環境に感度が高い企業が投資の対象になり、それらに問題を抱えているとただちに企業価値を損ねます。しかし、サプライチェーンは多岐にわたっているため、メーカー側にしてみれば、まさか自分たちの会社が!と寝耳に水の出来事でもあったのです。トランプ政権は6月にウイグル人権法案を施行。ウイグル族弾圧に関与していることがわかった中国当局の担当者に、制裁を科せるようにする法律です。9月にはウイグル自治区で生産されている綿製品の輸入の禁止を宣言し、対中政策を強化しました。もしかしたら、私たちが普段着ている服や使っているスマホが、ウイグルの人々の強制労働につながっているかもしれません。そういう想像力を欠かさないようにしたいですね。こういう動きをきっかけに、SDGsの取り組みが世界的に進むことを願います。堀潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年11月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年11月19日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「小選挙区制」です。時局により、すぐ体制が変わりやすい選挙制度。安倍前総理の退陣により発足した菅内閣の任期は2021年の9月末までです。支持率の高いうちに衆議院を解散、総選挙を行って、盤石な体制を整えようという声も自民党内から強く上がっています。いま衆議院選挙で取り入れているのは小選挙区比例代表並立制。小選挙区制では、1つの選挙区から1人を選出します。この場合、与党かそれ以外か、ほぼ一騎討ちになるため、時の風によって体制が一気にひっくり返りやすい。民主党政権も、原発や消費税問題で対応を間違い、あっという間に政権が自民党に戻ってしまいました。小選挙区制では少数派の意見を拾いにくいという問題もあります。実は1993年までは中選挙区制でした。同じ選挙区内から3~5人を選べたので、多様な議員を国会に送ることができたのです。ただ、選挙区が広いと選挙運動に金がかかり、地元の有力者や代々政治家家系の候補者が有利になり、汚職も広がりやすい。それを改善しようと小選挙区制になりました。選挙で「支持する候補者はいるが、所属する政党は支持していない。どうしたらいい」という悩みをよく聞きます。僕は、小選挙区制では政治家個人の資質を見て選び、比例代表制の政党は、普段から自分の考え方に近い政党に投票するようにしています。ただ、比例代表制も、党の判断で名簿上位に並んだ候補者が私たちが選んだわけではないのに当選し、その後、汚職にまみれていく問題などが起きています。自民党の青年局が73歳定年制を打ち出したときには、党内でも相当の抵抗がありました。73歳を越えた候補者が比例代表の名簿の上位におり、本当にこの人たちは必要かと切り込んだのです。国民にとっていい政策を実現するには、与党と野党が緊張関係を持ち、多様な意見が飛び交い、慎重に議論できるようにしておくことが必須です。現在、女性議員や女性閣僚の比率はOECD加盟国でも日本は最低レベル。時代にマッチした、新しい感覚を持った議員が活躍できる国会や政府であってほしいですね。そのためにこの選挙制度は最適なのか、あらためてチェックする必要があるのかもしれません。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年11月4日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年11月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「菅内閣誕生」です。なぜ改革が必要か、目的と理由の情報公開も求む。安倍総理が病気を理由に退陣。9月16日、自民党の菅義偉総裁が、第99代内閣総理大臣に指名され、菅内閣が発足しました。就任の記者会見ではデジタル化強化のために新しくデジタル庁を創設することや、少子化対策として不妊治療の保険適用を実施したいと発言しました。安倍政権の流れを汲み、継承していくのは安全保障政策や自衛隊のあり方、憲法改正など。菅さんは外交経験は少ないため、ロシアのプーチン大統領など、前総理がこれまでに積み上げてきた信頼関係を生かし、体調が回復し次第、安倍さんが外交特使として派遣されるのではないかと注目が集まっています。特にいまは、アメリカと中国が牽制し合っている最中なので、前任者に託すというのは、いい対策なのではないかと思います。一方、内政に関して菅内閣は、積極的に改革を行おうとしています。安倍さんとの大きな違いは、菅さんは世襲政治家ではなく無派閥ということ。会見でも「行政の縦割り、既得権益、悪しき前例主義を打ち破り、規制改革を全力で進める」と断言していました。前政権では、成長戦略が道半ばで終わってしまったので、これからは民間の参入を積極的に打ち出すことになりそうです。政府内でもベンチャー企業が活躍できるかもしれないという期待は、企業家の間に高まっています。また、官邸人事は強化されるでしょう。内閣の方針に沿う人は重用するけれど、抵抗する人は容赦なく切るという傾向は今後も続きそうです。9月には「日本学術会議」が推薦した候補者のうち6名の任命を見送りました。その理由が不明だという声が上がりましたが、明確な説明はなされていません。パンケーキ好きなど、柔らかいイメージのメディアプロパガンダも効いて、就任時には74%と高い支持率を集めました。しかし、改革により、特定の産業や企業、一部の富裕層や企業家にのみ利益がもたらされ、弱者が切り捨てられることになってはいけません。「誰にとっての改革なのか」ということは見失わないでほしいと思います。また、なぜ改革が必要なのか、目的と理由に関するしっかりとした情報公開はぜひ求めたいところです。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年10月28日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年10月21日黒澤明監督の『生きる』(1952年)が、『Living』(原題)としてイギリスでリメイクされることになった。「The Hollywood Reporter」などが伝えた。監督は、2011年に『Beauty』(原題)でカンヌ国際映画祭のクィア・パルムを受賞したオリヴァー・ハーマナス、脚本は日系イギリス人小説家で、ブッカー賞とノーベル文学賞の受賞者カズオ・イシグロ(「わたしを離さないで」)に決定。イシグロ氏は「私たちの多くは毎日長い時間、机やパソコンの画面の前に固定される生活を強いられています。新型コロナウイルスが発生してからはなおさらです。そんななか、全体像を見ようとすると、自分のがんばりがどれだけ役に立っているか可視化できず、悩んでいる人もいます。そういった人たちの心に響く物語になると信じています」と語っている。『キャロル』のプロデューサーコンビのスティーヴン・ウーリー&エリザベス・カールセンが製作を行い、「黒澤プロダクション」も関わる。主演は『ラブ・アクチュアリー』で英国アカデミー助演男優賞、『ナターシャの歌に』でゴールデングローブ主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)を受賞したビル・ナイが務める。共演者にはNetflixの「セックス・エデュケーション」でエイミー役を演じているエイミー・ルー・ウッドが決まっているという。『Living』の舞台は1952年のロンドンで、主人公は第二次世界大戦後に公務員として働くウィリアム。机の上に山積みになっている書類仕事を目の前にしながら、彼は病により余命わずかだと悟る。死を目前としたウィリアムは、単調な人生に意味を見出だす冒険を始めるのだった。『Living』は来春、イギリスで撮影開始予定。(Hiromi Kaku)
2020年10月16日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「政府事業の民間委託」です。問題点は行政側に。新規民間の参入と育成が課題です。新型コロナウイルス対策の「持続化給付金」の支給において、経済産業省がサービスデザイン推進協議会に事業委託。そのほとんどを電通に再委託していたことが発覚し、中抜き疑惑が湧き起こり問題になりました。こういう大きな行政事業は、お金の管理、宣伝文句やデザイン、業者への発注など、仕事が多岐にわたります。しかも迅速に実行しなければいけないとなると、ノウハウを持ち安心して任せられるのは大手広告代理店しかないというのも事実です。東日本大震災で、計画停電を急にしなければいけなくなったときも広告代理店がいろいろなプロジェクトを組んで進めていました。前述の問題の決定的なミスは、説明がきちんとなされなかったことでしょう。不透明な関係で、本当は発注に偏りがあるのに、あたかも公平にやっているかのように見せかけた手法が問題。最初から、こういった大事業を頼める業者は限られていることを正直に公表すればよかったのだと思います。ただ、発注先が限られるということは、市場競争が起こらないため、価格が適正なのかどうかも判断がつきません。この状況を変えるためには、日頃から、様々な業界が行政事業に参入しやすくすることではないでしょうか。アメリカではオバマ政権以降、「オープンガバメント政策」を打ち出しており、政府の透明性、国民参加、官民協業を謳っています。地方行政では福岡市がITやデジタル技術を積極的に使った、新たな行政サービスを次々と打ち出しています。交通では配車サービスの「Uber」のライドシェアをいちはやく実験的にスタート。ベンチャー企業の誘致も進め、育成に力を入れてきました。LINEやYahoo!などのテック系、デジタル系新興企業と連携してプロジェクトを動かすなどしており、他県から視察も多く来ているようです。大手広告代理店が悪いという話ではなく、政府はきちんと情報公開をして、民間参入者を増やし、新たな産業を起こしたり企業育成をすること。本当の意味での効率を高めて、先鋭的、前衛的な新陳代謝のいい国になる必要があるのではないかと僕は思います。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年10月14日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年10月12日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「日本の防衛」です。攻撃力を高めるより外交、経済政策でリスク回避を。日本の防衛における今年の大きなトピックは、河野防衛大臣が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の秋田・山口への配備を撤回したことでしょう。撤回の理由は、想定されていた安全が確保できないこと。改修に費用がかかりすぎることなどでした。イージス・アショアは、飛んできたミサイルを撃ち落とすシステムです。いま計画を撤廃することで、防衛のためには敵基地に攻撃する能力のあるミサイルシステムが必要なんじゃないかと、話は思わぬほうに進んでいます。そうなると新しい兵器を買わなくてはいけませんし、攻撃能力を持てば、当然攻撃されるリスクも高まります。こうして、際限なく防衛力の拡張にひきずりこまれてしまうことを「安全保障のジレンマ」といいます。2020年度の防衛予算は5兆3130億円と過去最大になりました。2010年くらいまでは5兆円程度でしたが、近年一気に跳ね上がっています。理由の一つは、アメリカが防衛費を見直したこと。自国の経済も疲弊しているアメリカは、日本や韓国から軍を撤退し、自分の身は自分で守ってくれという姿勢でいます。これを受け、これまで空母を持たなかった日本も、空母の機能を持たせるために護衛艦いずもを改修したり、母艦に離発着できるオスプレイを配備したり、宇宙やサイバー関連にも防衛費を投入しました。ただ、安全保障は、軍事力増強だけが方法ではありません。外交政策も大きな歯止めになります。経済的な結びつきを強め、相手国を攻撃すれば自分たちも不利益を被る、という関係を作っておくことはとても有効です。EUが誕生したのも同じ理由です。2つの世界大戦の反省を受け、経済的関係を強めることでEU圏内は戦争を回避してきました。日本も、TPPやRCEPなど、アジア太平洋地域で大きな貿易圏を作り、互いを攻撃しにくくする方法を構築しようとしています。いま新型コロナで、人もモノも行き来しづらくなり、自国第一主義に走りがちです。しかし、各国の連携が薄れれば、リスクも高まります。このなかでどういう防衛協調策があるのか、今後もウォッチしていきたいと思います。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年9月30日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年09月23日俳優として活躍している中尾明慶(なかお・あきよし)さん。その明るいキャラクターと高い演技力で、多くの人から支持されています。そんな中尾明慶さんのインスタグラムについて、さまざまな情報をご紹介します!中尾明慶のインスタに投稿された、仲里依紗や息子との写真が素敵!中尾明慶さんは2013年に、女優の仲里依紗(なか・りいさ)さんと結婚しました。2010年公開の映画『時をかける少女』での共演をきっかけに出会った、中尾明慶さんと仲里依紗さん。その後、2012年放送のドラマ『つるかめ助産院~南の島から~』(NHK総合)で再共演し、クランクアップ後の同年10月から本格的に交際をスタートさせたといいます。結婚を発表した当時、仲里依紗さんは妊娠3か月でした。そして、2013年10月に、第1子となる男の子が誕生。中尾明慶さんはブログで、「最高の宝物ができました」と喜びをつづっていました。中尾明慶さんのインスタグラムには、仲里依紗さんや息子との写真が数多く投稿されており、幸せな結婚生活を送っていることがうかがえます。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 6月月30日午前5時00分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2019年10月月18日午前7時27分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2019年 6月月30日午前5時14分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 6月月6日午前8時01分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 1月月3日午前4時05分PST この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2019年12月月25日午前5時46分PST写真を見たファンからは、次のようなコメントが寄せられました。・素敵なファミリー!・2人を見ていると、こっちも幸せな気持ちになれます。・一番好きな夫婦!中尾明慶、インスタで息子の誕生日をディズニーでお祝いしたことを報告中尾明慶さんが、2019年10月4日にインスタグラムを更新。息子が6歳の誕生日を迎えたことを報告しました。中尾明慶さんと仲里依紗さんは、息子の6歳の誕生日を東京ディズニーシーと東京ディズニーランドでお祝いしたといいます。この日、中尾明慶さんは、仲里依紗さんと息子との写真を投稿。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2019年10月月4日午前2時11分PDTその中で、息子の成長についてこのようにつづっていました。本日10月4日は我が子の6歳の誕生日です。いやぁ、、、本当に早い!ここまで大きな怪我や病気もなく、育ってくれてありがとう。0歳の頃を思い返すと6歳なんてほど遠いと思ってましたね、、、こんな日が来るなんて。お祝いに東京ディズニーシーとランドに行き、タートルトーク?でまさかの当たってしまい、何も面白い返しが出来ず、照れてしまい、芸能人として致命的な結果を残しました。クラッシュ「子供からこれ何?これどういうこと?って聞かれたことはない?」的な質問。中尾「え?あ、まぁ、えっとありますね、、、」致命的な返し。そんな中隣の息子はしっかりと答え、その姿に涙が出てきた、、、これからも素直に一生懸命に育ってください。ママんもいつもお疲れ様!!!akiyoshi0630nakaoーより引用この投稿を見たファンからは、次のようなコメントが寄せられています。・息子さんの成長が楽しみですね!お誕生日おめでとうございます。・息子さん、こんな素敵なパパとママに囲まれて幸せいっぱいですね!・ずっと憧れの家族です。中尾明慶のインスタは魅力的な投稿ばかり!中尾明慶さんのインスタグラムには、ほかにも魅力的な写真が多数投稿されており、更新を楽しみにしているファンも多いようです。 この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 8月月17日午前12時26分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 8月月7日午前5時20分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 6月月18日午後9時01分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 1月月6日午前3時39分PST仕事もプライベートも順調な様子の中尾明慶さん。これからの活躍も応援しています!中尾明慶と妻・仲里依紗、息子の3ショットが話題に!夫婦の合言葉がヤバい…仲里依紗と中尾明慶はケンカ中でも仲よし?不倫に関する考えかたがスゴい[文・構成/grape編集部]
2020年09月18日パパ友同士である俳優・中尾明慶さんと歌舞伎役者の市川海老蔵さん。そんな2人のリアルな子育てトークがYoutubeチャンネル『中尾明慶のきつねさーん』にアップされています。テーマは『子供の教育について』。Youtubeだからこそ話せる子育て論中尾明慶さんが、日々の子育ての悩みを市川海老蔵さんに聞いていくという、こちらの動画。歌舞伎役者として、父親として、そしてYoutuberとして活躍する海老蔵さんならではの子育て論がふんだんに散りばめられています。中尾さんは動画内で「子供が継続して物事をやり遂げるモチベーション維持の仕方」を海老蔵さんに尋ねています。生まれながらにして歌舞伎役者という、途中で投げ出すことのできない道が決まっていた海老蔵さんの答えはさすがのひと言です。ほかにも父親としての威厳の保ち方や、娘が恋人を連れてきた場合など、ほかでは聞くことのできない話が繰り広げられます。プライベートなパパの顔を多く見せてくれるこちらの動画。パパのみならず、ママも子育てのヒントがつかめるかもしれませんね。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2020年09月14日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「コロナ禍の災害支援」です。被災地と離れていながらできる、新しい支援に注目。今年も豪雨災害が続いています。7月には熊本を中心に、九州やその他の地域が大きな被害に見舞われました。しかし、このコロナ禍では感染リスクもあり、自由に移動ができません。現地ではやはり人手が足りていないとのこと。とはいえ、県外の方が来ると地元から一斉に不安の声があがり、疑心暗鬼も招いてしまうそうです。そんななか、新しい支援の形が2つ見られました。一つは、被災した当事者がAmazonの「ほしい物リスト」で必要物資を公開し、支援を募るというもの。八代市の水没した保育園では、園児の帽子からフェルトペン、シーツに至るまで具体的に必要なモノと数をリストアップしました。これまでは、被災地で何が必要なのかの情報をリアルタイムに得るのが難しく、物資を送っても自治体の倉庫で管理されて適切に届かないというような問題がありました。その点、この方法は明快で合理的です。もう一つは、熊本地震をきっかけに結成された支援団体「BRIDGE KUMAMOTO」の働きです。広告を手掛けるデザイナーや映像クリエイターらが中心メンバーで、7月の豪雨災害を受け、いち早く基金を創設。これはクラウドファンディングで支援金を募り、被災地支援を行う組織や団体はBRIDGE KUMAMOTOに申請して、助成金を受け取れるというシステムです。全国のクリエイターたちに呼びかけて動画メッセージ集を作るなど、お金以外の支援も行っており、僕もナレーターとして参加しました。このように中間支援団体がSNSを展開して支援に入るというのは新しい動きです。行政では手の回りにくいところを細やかにサポートしています。豪雨や台風災害は今後も起きるでしょう。地震や富士山の噴火の危険もはらんでいます。コロナ禍の複合災害では、外に出られない、外からの支援が得られない状況が続く恐れがありますから、食糧や水、常備薬に加え、マスクや消毒液も適量、備蓄しておいたほうがよいでしょう。これまで避難所ではたびたび、食中毒や感染症の問題が起きていました。コロナにより、衛生面の危機意識が一般的に高まったのは、良かったことかもしれません。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。3月に監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開された。※『anan』2020年8月26日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年08月19日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「9月入学」です。コロナ禍では無理。じっくりと時間をかけて再考を求む。学校の入学・始業時期を4月から9月にする案は「今年度・来年度のような直近の導入は困難」と、見送られることになりました。9月入学制度はこれまでにも何度も議題にのぼっています。世界ではアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ベルギー、トルコ、モンゴル、ロシア、中国などの国が9月入学制度を導入しています。日本も明治維新後、西洋の教育を導入した当初は9月始業でした。ところが、国の会計を4月~3月を一年とする年度制を採用したこと、徴兵制の始まりなどから4月始業に変わり、今に至ります。今年、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために学校の休校が続き、授業の遅れが問題になりました。そんななか、高校生のツイートをきっかけに、全国知事会から国へ9月入学の検討要請があり、安倍首相も「有力な選択肢の一つ」とコメント。いったん検討し始めたのですが、実際に導入するとなると、初年度の入学生徒数が半年分増加し、大量の教員不足が生じてしまうこと、また、保育所の入学待機児童数が増大すること、システムやカリュキュラムの再編など、拙速な対応は無理と判断されたのです。このコロナ禍で、ただでさえ問題が山積するなか、大きな改変をしようとしたのは現場の声を無視した行動だったと思います。授業の遅れを取り戻すことが目的なら、感染者数は地域によって差がありますし、全国一律にすること自体がナンセンスなのではないでしょうか。4月でも9月でも、いつ学校が始まっても継続してきちんと教育を提供できる仕組み作りを議論するべきなのではないかと思います。日本は会社も年度ベースなので、学校の始業時期をずらせば就職にも影響が及びます。会社を通年採用に変え、大学も途中入学を許すなど、個々のスタイルに合わせた社会設計が必要になるでしょう。世界の学校制度はもっと柔軟です。イギリスは年に3回、入学の機会がありますし、フランスでは家庭での義務教育の就学も可能になっています。また、海外は飛び級制度も広く採用されていますね。日本もこれを機に時間をかけて議論し、右に倣えではない、多様な学校制度へと見直してみてはいかがでしょうか。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。3月に監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開された。※『anan』2020年7月15日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年07月09日