「人のために優しくなれる女優になりたい」──大人顔負けのセリフをさらりと語るのは、弱冠16歳にして数多くの映画やドラマに出演する大後寿々花。今年だけでも『おっぱいバレー』や『カムイ外伝』など、話題作への出演が続く売れっ子女優だ。本作『女の子ものがたり』は「毎日かあさん」のテレビアニメ化、「いけちゃんとぼく」の実写映画化が記憶に新しい漫画家・西原理恵子の自叙伝的漫画が原作。西原の分身とも言えるヒロインの菜都美(なつみ)を深津絵里、その高校時代を大後寿々花が演じている。「その場で自分が感じ取ったまま動いてみよう、と」子役として多くの役を演じてきた彼女だが「子供から大人に変わる瞬間を演じるのは初めてだった」と、これまでとは一味違う挑戦があったと話す。「小学生、高校生、現在──なつみは3世代に分かれていて、私はその真ん中の時代を演じました。大人になっていく変化を演じるのは初めてでしたが、原作のなつみと、映画のなつみの両方を大切にすることで、その繋がりをうまく演じられるのかなと思いました」。11歳のときに出演した『SAYURI』でハリウッドデビューを果たしているだけあって、役に対するアプローチも子役の域を優に超えている。そんな彼女があえて深く考えずに演じたシーンがあると言う。それはずっと仲良くしてきた3人に訪れる、別れの瞬間。女の子の喧嘩とは思えない取っ組み合いの大喧嘩が描かれる、何とも印象的な一幕だ。3人それぞれの感情も高まる緊張感あるシーンで、きみこ役の波瑠はあまりにも感情移入し過ぎて撮影が終わるまでほかの2人と距離を置いたというほど。だが、大後さんはその逆。考えずに挑んだその理由は?「なつみはきいちゃんから“この街から出て行け”なんて言われるとは想像していなかった。だから、その場で自分が感じ取ったまま動いてみようと思ったんです。最初は男の子の喧嘩みたいにお腹を蹴ったりするシーンが多くて、前日にはスタントの人を交えてリハーサルをしたりしました。でも、女の子の喧嘩はもっとこうなんじゃない?ああなんじゃない?と、現場で意見を出し合ってシーンが変わっていきました」。脚本を読んだときから、とても大切なシーンになると思ったと言う。また、3人の感情を高めるために監督は、現場でそのシーンに合った音楽を流すことがあり「音楽でイメージをつかむという演出は初めてだったけれど、音楽を聴いていると自然に涙が出てきたりして…言葉に表せないものを感じることができました」。新しい感覚を手にしたと語る。「大抵は“大丈夫”と言って隠してしまう性格」楽しいことも、辛いことも、情けないことも、全てを受け入れてくれる友達の存在は何にも代え難い宝物。大後寿々花もなつみを演じながら「この3人の、自分をさらけ出せる関係が羨ましい!」と思ったそう。「なつみが泣きながら“何も知らないことは恥ずかしいことなんだよ…”って自分のことを話すシーンがとても印象的で。というのは私自身、友達に相談をしたり、友だちの前で泣いたりしたことはあるけれど、大抵は“大丈夫”と言って隠してしまう性格なんです。だから、なつみを通じて感情をさらけ出したことが思い出深いんです」。ちょっぴり遠慮がちなその性格も彼女の個性のひとつ。けれど、今回の現場では「撮影をしていくうちにどんどん仲良くなっていくのが嬉しくて。私が一番年下なので、しばらくは敬語でしたけど(笑)」。やはり彼女らしい。新しい友情を得た16歳の女優が今後どんな一面を見せてくれるのか楽しみで仕方ないが、まずはいくつもの変化をもたらしたという『女の子ものがたり』の大後寿々花を見てほしい。(text:Rie Shintani/photo:Yoshio Kumagai)「シネマカフェsweet」『女の子ものがたり』特集 interviewvol.1 波瑠vol.2 高山侑子vol.3 大後寿々花■関連作品:女の子ものがたり 2009年8月29日よりシネクイントほか全国にて公開© 2009西原理恵子・小学館/「女の子ものがたり」製作委員会■関連記事:「明るくて変な子なんですよ、みさも私も(笑)」『女の子ものがたり』高山侑子の素顔持田香織が熱唱も、だんだん足が開いてしまう?“女子力”の低さに苦笑波瑠、大後寿々花と本気で取っ組み合い!?「あんなに感情的になったのは初めて」女子の友情は最強!『女の子ものがたり』ノベライズ版を3名様にプレゼント大後寿々花ら女友達3人、浴衣姿で『女の子ものがたり』×「毎日かあさん」コラボ
2009年08月25日かつて自分が“女の子”だった頃のかけがえのない女友達との友情を糧に、絶不調に陥った漫画家が生きる勇気を取り戻していく姿をノスタルジックに描いた感動作『女の子ものがたり』。8月29日(土)の公開を前に8月17日(月)、女性限定で本作の特別試写会が開催され、主題歌「タオ」を歌う持田香織とおおはた雄一によるライヴが上映前に行われた。持田さんとおおはたさん、原田郁子さんによって生み出された「タオ」という一風変わった題名の主題歌。持田さん曰く「人の生きる道のりを表現する中国の言葉からつけた」とのこと。おおはたさんのギターに合わせて持田さんが優しく歌い上げ、会場中を魅了した。作曲を手がけたおおはたさんは「自分の音楽は少し沈んだ音色という印象があるんですが、今回はキラキラした感じを意識して作りました」とコメント。歌詞には「泣く」という表現がたびたび登場するが、持田さんはこれについては「泣くことですっきりすることってたくさんありますよね。泣くことって悲しい印象を持たれるかもしれませんが、生きていくうえで必要なこと。映画にも、涙のシーンがたくさん出てきますが、それをきれいに表現できればと思いました」と語った。また、映画について持田さんは「“青春”という響きは男の子のもののような気がして、自分自身をふり返っても『青春てどういうものだっけ?』と思ってたんですが、この映画を観て、女の子にもそういうものがあったんだ!と感じました」と共感を口にした。続いて、会場に集まった300人もの女性客からの質問に持田さんが回答。自身の“女子力”についての質問には「女子力…ですか?うーん」と悩みつつ「私は下町気質で結構熱くなりやすい方なので…。傍から見てて素敵だと思えるのは姿勢がいい女性ですね。私は、歌ってると足がどんどん開いていってしまいます(笑)」と苦笑気味に語った。さらに「もし、一日だけ異性になれるとしたら何がしたいか?」という質問には「小学生の頃、男の子たちのグループがすごく楽しそうに見えました。女の子とちょっと違ってて、混ざりたいという気持ちはありました。いまでも仕事でも、男の子たちのノリってありますよね」と“男子”グループ入りの願望を明かした。一方のおおはたさんは「僕は姉と妹に挟まれて育ったということもあって、特に願望はないですね…」と思案顔。「スカートをはいてみたいという願望は?」という司会者からの問いに「その気になったら、いまでもはけますよ(笑)!」と答えて会場は笑いに包まれた。その後の報道陣向けの写真撮影では、映画の中で幸運を呼び込む存在として描かれているウサギが登場。世界最大級(約7キロ!)のフレミッシュ・ジャイアントという大きなウサギと小さな手のひらに乗るようなかわいらしいウサギを抱えて、2人は観客と共に笑顔で撮影に臨んだ。『女の子ものがたり』は8月29日(土)よりシネクイントほか全国にて公開。「シネマカフェSweet」■関連作品:女の子ものがたり 2009年8月29日よりシネクイントほか全国にて公開© 2009西原理恵子・小学館/「女の子ものがたり」製作委員会■関連記事:波瑠、大後寿々花と本気で取っ組み合い!?「あんなに感情的になったのは初めて」女子の友情は最強!『女の子ものがたり』ノベライズ版を3名様にプレゼント大後寿々花ら女友達3人、浴衣姿で『女の子ものがたり』×「毎日かあさん」コラボ原作・西原理恵子×深津絵里主演『女の子ものがたり』試写会に15組30名様ご招待「早く大人になりたかった」けどなりきれなかった(?)深津絵里が西原理恵子に変身!
2009年08月18日「セブンティーン」の専属モデルとして活躍するほか、今年は『守護天使』、『山形スクリーム』といった映画の出演が続き、女優としても輝きを放つ波瑠(はる)。新作『女の子ものがたり』でも新しい一面を披露している。本作は「毎日かあさん」、「いけちゃんとぼく」などで知られる西原理恵子の自叙伝的漫画の映画化で、人生にちょっぴり迷いを感じている36歳の主人公・菜都美(深津絵里)が、過去の自分とその友だちを思い出し、前に進もうとする物語。波瑠は菜都美の高校時代の親友・きみこを演じている。「監督は寿々花ちゃんを本気で叩いていいって言うんです」「きいちゃん(きみこ)は女の子らしい女の子なんです。男の子と仲良くしたいと思ったり、早く大人になりたがったり、おませで好奇心の強い女の子。自分と全然性格が違うので演じるのは難しかったですね。『私が怒るときはこんな感じだけど、きいちゃんが怒るとどうなんだろう?』とか、『きみこならどう考える?きみこならどう行動する?』って、常にきみこの立場で考えていたので、必死でした」。実年齢に近い役どころではあるものの、自分ときみこのギャップを埋める作業は意外にも難しかったと明かす。そして、脚本から受け取った“きみこ像”に、現場から感じ取った“きみこ像”を足していくという役作りは、彼女に演じる面白さとやり甲斐をもたらし「忙しいとつい役への思いがおろそかになりがちだけれど、『ひとつひとつの役を大切にすることを忘れちゃいけない』って、この作品が気づかせてくれました」と語る。きみこ役は女優・波瑠を一歩前進させた。女の子版『スタンド・バイ・ミー』と言える青春物語を目指したという本作は、なつみ、きみこ、みさの3人の友情を小学生と、高校生の、2つの時代を通して描いていく。恋に憧れ、不良に憧れ、大人の世界に憧れる高校時代のパートでは友達と過ごす楽しい瞬間だけではなく、本気で取っ組み合いの大喧嘩をするシーンも登場。中でも「お前の顔なんか見たくない!この街から出て行け!帰ってくるな」と、きみこがなつみに言い放つシーンは、なつみが東京へ出て漫画家としての道をスタートさせるきっかけとなる重要なシーンだ。「監督は(なつみ役の)寿々花ちゃんを本気で叩いていいって言うんです。でも、寿々花ちゃんは一番年下だし、そんなこと出来なくて…。本気で叩くことはできなかったけれど、胸元をつかんで、体を揺すって、自分が何をしているか分からないくらい感情的にはなりました。あんなに役に入り込んだのは初めて。前日のリハーサルから気持ちがグラグラして、とてもつらかった。本番の撮影が終わるまで寿々花ちゃんとも、みさ役の侑子ちゃんとも仲良くできなかったくらい。そのとき、この感情を覚えていなくちゃと思ったんですよね」。「ぐうたらで仕事場もぐちゃぐちゃだけど、なんか可愛い」18歳とは思えない大人びた容姿、落ち着きのある口調の彼女が感情的になるシーンは、ファンならずとも必見だ。しかし、一番驚いているのは自分自身なのだと静かにほほ笑む。「完成した映画を見て驚いたんです。あんなに感情的になっている自分を見たことがなかったから(笑)」。そして、脚本を読んだときには理解できなかったこと──36歳の菜都美が十代の頃を懐かしむ感情が少し分かった気がすると続ける。「いまはまだ十代でふり返るものがそれほどないから“懐かしむ”という気持ちが分からなくて。でも、映画を観たときに深津さんの演じる菜都美がとても愛らしく見えたんです。ぐうたらで仕事場もぐちゃぐちゃだけど、なんか可愛いなって」。そう語るように『女の子ものがたり』には年齢に関係なく、女性が共感できる小さな気づきや幸せが詰まっている。自分とは正反対の性格のきみこを演じることで、女優として大きく成長を見せた波瑠。彼女自身も知らなかったという驚きの一面をぜひスクリーンで確かめてほしい。(text:Rie Shintani/photo:Yoshio Kumagai)「シネマカフェsweet」『女の子ものがたり』特集 interviewvol.1 波瑠vol.2 高山侑子 coming soonvol.3 大後寿々花 coming soon■関連作品:女の子ものがたり 2009年8月29日よりシネクイントほか全国にて公開© 2009西原理恵子・小学館/「女の子ものがたり」製作委員会■関連記事:持田香織が熱唱も、だんだん足が開いてしまう?“女子力”の低さに苦笑女子の友情は最強!『女の子ものがたり』ノベライズ版を3名様にプレゼント大後寿々花ら女友達3人、浴衣姿で『女の子ものがたり』×「毎日かあさん」コラボ原作・西原理恵子×深津絵里主演『女の子ものがたり』試写会に15組30名様ご招待「早く大人になりたかった」けどなりきれなかった(?)深津絵里が西原理恵子に変身!
2009年08月18日独特なタッチと時折差し込まれる叙情的な言葉が、多くの読者ファンからの支持を集める漫画家・西原理恵子。その自伝的作品を映画化した『女の子ものがたり』が8月29日(土)より公開される。これを記念して、本作に出演する大後寿々花、波瑠、高山侑子の現役女子高生女優3人が、テレビ東京系列にて放送中で、こちらも西原さん原作のアニメ「毎日かあさん」に声優として出演!8月10日(月)、そのアフレコの模様がマスコミ陣に向けて公開された。同アニメには、『女の子ものがたり』でそれぞれが演じた女友達3人、なつみ、きみこ、みさのキャラクターがそのまま、スクリーンから飛び出して登場。そのキャラクターに合わせて3人は黄色、ピンク、紺の浴衣姿でアフレコに臨んだ。今回初めて声優に挑戦した高山さんと波瑠さんは、「すごく緊張しました。自分の声を聞いて改めてこんな声してるんだと思った」(高山さん)、「何も見えていない状態に戸惑いました。キャラが似ていて、ちょっとかわいくて嬉しかった」(波瑠さん)となかなか苦戦した様子。一方、声優経験のある大後さんは「3人で話している設定が新鮮で楽しかった」と笑みを見せた。それぞれ個性は異なるものの、同世代ということもあり息の合った様子の3人。お互いの浴衣姿の感想を求めると、「3人で浴衣を着て仕事をするとは思わなかったので、びっくりしました。『女の子〜』にも浴衣のシーンがあったら良かったな」と大後さん。高山さんが「寿々ちゃんはかわいい感じ、波瑠ちゃんは大人っぽい感じで2人とも似合ってる」とあどけなく語ると、波瑠さんは「浴衣を着るのが久しぶりで、かわいらしい着物でどうしよう…と」とマイペースぶりを発揮した。さらに、夏休みに話題が及ぶと、女子校生らしく学校の友達と遊ぶことがたまらなく楽しいという3人。作品については、高山さんは「女の子3人の友情と絆は見ていて引き込まれる。面白いけどグッとくる、いろんなことを考えさせられる映画」、波瑠さんは「大人の方は“私たちにもこんな時代があったな”、これからの方は“大切に思える友達が出来たらいいな”と感じてもらえたら」と元気よくアピール。そして最後に、大後さんから「夢を叶えるときに背中を押してくれる友達や大切な存在を思ってもらえたら嬉しいです」とメッセージが贈られた。なお、この夢の“西原”コラボは、9月16日(水)放送のアニメ「毎日かあさん」(毎週水曜日19時放送)第23話内エピソード「祭りの夜に」にて観られる。果たして3人はどんなアニメキャラとなっているのか?『女の子ものがたり』は8月29日(土)より渋谷シネクイント、シネカノン有楽町2丁目、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。■関連作品:女の子ものがたり 2009年8月29日よりシネクイントほか全国にて公開© 2009西原理恵子・小学館/「女の子ものがたり」製作委員会■関連記事:原作・西原理恵子×深津絵里主演『女の子ものがたり』試写会に15組30名様ご招待「早く大人になりたかった」けどなりきれなかった(?)深津絵里が西原理恵子に変身!深津絵里が西原理恵子ワールドに!半アル中、たらいで水浴びのダメ30代に変身
2009年08月10日