日本の教育機関でも、盛んにタブレットが導入されるようになった。テクノロジーを活用した教育は必須だが、これまでのように特別な教室でのみ利用していたパソコンではなく、教室の設備を変えずに生徒に1人1台端末を利用してもらえるようになるタブレットには期待が高まっている。そこで、今回、オーストラリア西部の都市ロッキンガム市にある生徒数1,100人の中学・高校一貫校、Kolbe Catholic College(以下、コルベ)を訪問し、同校のiPadがある教育について取材を行った。コルベで教育のイノベーションを統括する日本人の教師、萩原伸郎氏が出迎えてくれた。萩原氏に、コルベでのiPadやテクノロジー活用とその考え方について、実際の授業を見学しながら説明してもらったが、驚きの連続であった。前後半に分けて、コルベについて、紹介していきたい。○コルベとロッキンガム市まず、取材したコルベと、同校があるロッキンガム市について触れておく。ロッキンガム市は、西オーストラリアの中心都市であるパースから車で南へ1時間ほどのところに位置する。ゴルフ場などにはカンガルーが生息し、またインド洋に面した海岸からすぐのところにある島々にはペリカンやペンギンといった動物が生息している自然にあふれた場所だ。また日本へも多く輸出されている小麦の積み出し港があったり、周辺にはワイナリーがあるなど、産業も成長しているが、非常にゆったりとした雰囲気は、休暇先としても非常に有望と言える。ロッキンガム市は毎年5%程度の人口増加があり、テクノロジーを生かした新規事業などの誘致に積極的だ。また、通常オーストラリアでは州政府が教育行政に取り組むことが一般的だが、ロッキンガム市は市として教育に取り組んでおり、市内の文教地区には大学や中・高などの学校が集められ、特色ある教育を行っている。コルベは、そんな学校の1つとして、緑の美しい広々としたキャンパスを構えている。教育に力を入れることで、その地域の特色を高めて行く市の戦略の中で、テクノロジーを活用して組み立てられるコルベの先進的な教育には、熱い視線が集まっているのだ。●Apple製品を1人1台ずつ持たせた「テクノロジーが前提の教育」○テクノロジーを教育に取り入れ、目指す姿とは?コルベは、iPad以前から、MacBook、MacBook AirなどのApple製品を1人1台ずつ持たせて、授業や課外活動全般、そして家庭での学習に利用するカリキュラムを組んできた。しかしテクノロジー教育に力を入れることが目的ではなく、「テクノロジーが前提の教育」というスタンダードの元で教育が組み立てられている。コルベで校長を務めるRobyn Miller氏は、テクノロジーがある教育について、次のように話す。「テクノロジーは、21世紀の学び方、すなわち『Connected』を内包する教育を作り出す。生徒にとって親しみがあるデバイスを選び、在学中・そして大学へいったりする際に、生徒たちがアドバンテージを手にするよう、デバイスを選んだ結果だった。教育の形をよりフレキシブルにし、コラボレーションを促進させ、また生徒が学校に学びに行きたいと思う場所になった」(Miller氏)フレキシブルとは、教師も生徒も、既存の学校での授業のスタイルにとらわれずに学習が進められるようにすること。そしてコラボレーションは議論を促進させ、一方通行の授業ではない場を作り出すことだ。また、生徒ひとり一人が学びへのエンゲージメントを高め、積極的に自分の学びを「獲りに行く」姿勢を持つことを目指しているのだ。○iPadを選ぶ理由Connectedの学びの環境は、教師や生徒がインターネットや、お互い同士がつながり続けているだけでなく、生徒が学びに常につながり続け、止まることがない事を意味する。では、なぜiPadだったのか。萩原氏は次のような点を挙げた。「デバイスとソフトウエアを1社が提供している点。これにより、習得やサポートといった、テクノロジーを使えるようにするまでの時間やコストが一気に下がっている。またアプリの充実ももちろんだが、なにより、教師が自分でコンテンツを作り、生徒に簡単に配信するための仕組みとして、iTunes UやiBooks Authorといった環境やツールが揃っている点も、活用が進むほど重要となった」(萩原氏)教育の世界でのキーワードとして、「反転授業」(ビデオ等で予習を行い、授業中に課題などに取り組む方式)があるが、萩原氏は反転授業のようなカリキュラムになった教科はそれを目指したのではなく、結果的にそうなった、と指摘する。つまり、iPadによって、教師がそれぞれ独自の教え方や資料を作り、これを生徒に簡単に配信しながらすすめられる「教え方の自由度」が高まった。同時に、教師たちの負担を減らすことも、非常に大きなテーマだったという。コルベでは、教室全体ではなく、生徒ひとりひとりへのきめ細かな教育を実現することを目指している。簡単に言えば、できる生徒をより伸ばし、できない生徒をできるようにする、という指導を同じ教室の中で行おうというアイディアだ。負担を減らしながら個別主義で指導を行うためにも、テクノロジーの助けは不可欠だ。そのため、生徒個人のデータを管理するクラウド環境を用意し、教師が手元のiPadで生徒の出欠や、他の教科を含む提出物、評価などをすぐに閲覧しながら、その生徒の特性について深く知ることができるようになっていた。この情報は保護者や生徒自身もいつでもアクセスしてみることができるようになっており、家庭でも年に数回の通知表でのフィードバックよりも、現在の状況を細かく知って、家庭での教育に役立てる事ができるようになっていた。●目の前にいる生徒たちにフィットする授業を行うことを考えた結果○教科書と教室から、授業を解放する萩原氏の教師としてのキャリアは、日本の小学校で始まった。現在のコルベへ移ってもなお続けている授業の方法として、既存の教科書を使わない、というものがある。市販の教材では、目の前にいる生徒たちに完全にフィットする授業を行うことは難しい、と考えているからだ。その考え方と、コルベでのテクノロジーを活用した教育は非常に相性が良かった。前述の通り、生徒に対する学びの自由度やコラボレーション促進といった効果、教師の負担軽減と生徒を個別に指導できる環境作りは大きいが、更に象徴的だったのは、教科書と教室から授業を解放する、というコンセプトだった。教科書は、その教科での習得を目指す事柄を学ぶための書籍だ。そして教科書に付随するワークシートやテストも利用可能な教材だ。また、クラス全体で同じ事柄を学ぼうとすると、教壇に教師が立ち、生徒が同じ方向を向いて授業を聞くスタイルが最も効率が良い。しかしこうした中でテクノロジーを導入したり、Connectedのコンセプトの学びへ変えていくことは非常に困難であることは、日本の様々な事例を見ても理解できる。萩原氏は、こうした教室の中の風景を一変させる事に成功している。独自の教材をiPadでいつでも学べる環境を作り、教室内では議論や成果物の製作などが行われていた。教室は図書館のオープンスペースや、グループごとにテーブルに分かれて座れるスタイルなど、全員が同じ方向を向いて学習する風景をほとんど見かけなかったほどだ。教師はiPadを片手に教室内のグループを周りながら、独自の教材を表示させたり、生徒ひとりひとりの情報にアクセスしたり、その振る舞いもiPadを前提としたものに変わっていた。コルベでのiPadを活用した学校の姿。既存の黒板やノートといったツールのリプレイスの範囲を超え、学び方、教え方にまでその変化がもたらされている様子は非常に印象的だった。次回、もう少しiPadが導入された際の教師側、生徒側の経緯について、詳しく紹介していきたい。松村太郎(まつむらたろう)ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を追求している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura
2014年05月20日子育て中の親にとって、教育費は悩みのタネ。学資保険や積立貯金で大学にかかる費用の一部は用意しているけれど、塾に払う月謝は年々上がるし、私立に通い始めたら・・・なんて思うとアタマが痛いですよね。一方、自分の父母に万一のことが起きたときの相続税が心配、という声も。今回は教育資金の確保と相続税の節税効果のある「祖父母から孫への教育資金贈与」について、基本的な仕組みと利用上の注意点を解説します。教育資金贈与が非課税になるもらい方とは孫やひ孫のために財産の一部を有効活用したい。そんなおじいちゃん、おばあちゃんが増えています。きっかけは、2013年4月1日~2015年12月31日までの期間限定の非課税制度「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」。祖父母や父母等の直系尊属が孫等の教育資金を金融機関にまとめて預けた場合、孫等1人につき1,500万円まで贈与税をかけないというものです。信託銀行を中心に「教育資金贈与信託」として取り扱われています。制度開始から9ヶ月で5万件を超える契約件数となり、信託銀行の人気商品となっています(一般社団法人信託協会「教育資金贈与信託の受託状況(平成25年12月末現在)」)。年間110万円を超える贈与を受けると、原則として贈与税を納めることになります。でも、先に紹介した教育資金贈与信託をはじめ、もらい方をひと工夫することで贈与税を納めなくてすむのが「教育資金」なのです。贈与税がかからない教育資金のもらい方は2つ。教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置を利用する祖父母に教育費を直接払ってもらう相続税対策の即効性がある「教育資金贈与信託」教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置とは、祖父母から孫、親から子といった直系の家族に教育資金を贈る場合、もらう側1人につき最大1,500万円が贈与財産とみなされず、贈与税がかからなくなるものです(うち、塾等の習い事にかかる費用は500万円まで)。信託銀行が積極的に進めていますが、一部の銀行や証券会社でも取り扱われています。贈る側(祖父母、父母等)が金融機関と教育資金贈与信託を結び、孫か子を受取人にした口座を作成。受取人として登録された孫等(未成年ならその保護者)が教育機関に支払った領収書を金融機関に提出すると、お金を引き出すことができます。たとえば、1,500万円を孫に普通に贈与した場合、もらった孫は本来、470万円もの贈与税を支払わなければいけません。しかし、この制度を利用すると、使途が教育費に限定されるものの贈与税を払わずに済むのです。祖父母側のメリットは次の3つです。孫にしっかりとした教育を受けさせられる子世帯の暮らしがラクになる財産の一部を非課税で孫に移転できる法定相続人である子への生前贈与であれば、親が亡くなった年からさかのぼって、3年以内の贈与は相続財産とみなされて相続税の計算対象となりますが、孫への贈与にはこのようなルールはありません。この制度を利用して孫に教育資金を贈与すると、大きなお金を非課税で子世帯に移転できるので、相続税の対策として有効な手段といえます。この制度が使えるのは、2013年4月1日~2015年12月31日までに専用口座を開いた場合で、もらう側が30歳の誕生日になる等により、教育資金口座に係る契約が終了するまで。小学校、中学校、高校、大学等の学費や給食費等教育機関に直接支払うものはもちろん、塾やピアノ教室等の月謝、留学先の学費、社会人になってから受けたMBA講座費用等も対象になります。利用上の注意点は次に挙げる3つです。孫が30歳になる誕生日の前日に口座にお金が残っている場合は、その残高に対して孫が贈与税を払うことになる子や孫が複数いる場合もトラブルになる恐れがあります。教育資金贈与で受けた財産に関しては、遺産分割の際に考慮する旨の遺言書を残してもらう等工夫が必要保有する資産の多くが不動産の場合、老後の生活資金や将来の相続税の納税資金に影響を及ぼさないか、事前に確認する必要がある相続税対策として効果的な制度ではありますが、後のトラブルに発展しないように贈与する金額の設定等、慎重に行ってください。祖父母が直接払う教育費は金額の制限なし孫の入学金や授業料を祖父母が支払うような場合は、新制度を使わなくても原則として贈与税はかかりません。対象となる教育費は、教育資金贈与信託等と同じです。遠方の大学に通う場合の下宿代や海外留学の渡航費、ホームステイ費用等は対象になりません。占い教室等社会通念上相当と認められない費用等は対象外です。こちらの場合、期間限定の制度ではありませんが、「まとめて渡しておくわ」と言って、大学4年分の授業料の総額を受け取ったりすると、通常の贈与とみなされてしまいます。直接支払ってもらうか、1年分の授業料ぴったりの金額を授業料支払口座に振り込んでもらうようにしてください。また、進学塾の費用と授業料の合計額128万円を祖父母に支払ってもらう場合、ハンパだからと130万円をもらうというのはNGです。130万円を受けた時点で通常の贈与とみなされ、「(130万円-基礎控除110万円)×10%=2万円」の贈与税を納めることになります。祖父母の相続税対策として即効性を求めるなら「教育資金贈与信託等」を、祖父母の経済状況等にあわせて毎年相談しながら贈与額を決めるなら「直接払い」を利用しましょう。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年04月03日子どもへのマネー教育の第一歩として取り入れてほしいのが、「買い物ごっこ」です。学校ではさまざまな勉強を教えてくれますが、マネーリテラシー(お金を活用する能力)は学べません。算数は覚えられても、身の丈にあったお金の使い方や、将来をよりよくするためのお金の活かし方は学校では教えてくれないし、たとえ教えてもらったとしても、日々の暮らしに取り入れなければ習得することはできません。だからこそ、お金への興味が芽生え始める時期に買い物ごっこをすることは、親が子にお金の大切さを教える絶好の機会となります。買い物ごっこを通じて、マネー力を育むための親の声かけポイントを紹介します。買い物ごっこを始める前にスーパーやコンビニで買い物をすることが多くなった現代では、買い物に興味をもつ子どもは少なくなったように感じます。「いらっしゃい、いらっしゃい!安いよ~」なんて、道行く人に声をかける八百屋さん、魚屋さんを見なくなりましたしね。買い物ごっこに興味がわくように、親がナビゲートしていきましょう。買い物ごっこを始めるにあたって、まず用意してほしいのが「ままごと遊び」の道具です。おもちゃの野菜、お肉、果物、お魚とまな板、包丁、お椀、お皿等を使った、ままごと遊びから始めましょう。ままごとは女の子の遊びと思いがちですが、男の子でも楽しいものです。まな板の上に人参をのせて、包丁を使って2つに切る。それができたら「すごい!人参を上手に切ったね」と褒める。すると、子どもは嬉しくなって何度もやるはずです。「上手に切れたね」ではなく、「○○(切った食材)を上手に切ったね」と、食材の名前を添えることで、食材の名前を覚えることができます。まずはそこからスタートしてください。ままごと遊びに夢中になってきたら、食材の買い出しのときに、わざと子どもに商品をとらせたり、お金を払う手伝いをさせたりしましょう。商店街が近くにあれば、八百屋さんや魚屋さん、駄菓子屋さんで、お店の人と会話をしながら買うのも効果的です。「買い物って楽しいんだ!」「僕も(私も)やってみたい!」という気持ちをかき立てる場面をたくさん用意するのです。読み聞かせの絵本に、買い物のシーンがあるものを選ぶのもいいですね。ただし、無理強いは禁物です。すぐに興味を示す子もいれば、そうでない子もいます。無理矢理興味をもたせようとすると反発する子もいます。買い物やお金に対してネガティブな感情を植え付けてしまうと、それを取り除くのは困難です。買い物が楽しめないと、収入を得ること、仕事をすることに消極的になりやすくなるため、子どもが興味を示すまで、時間をかけて見守ってください。「それはいくらですか?」と聞いてみる買い物に興味を示し始めたら、おもちゃのお金と財布を用意して、買い物ごっこを始めましょう。子どもがお店屋さんになったときは、「そのりんごはいくらですか?」と、値段を聞いてみましょう。答えた金額によって、「それは安いね」とか「高いからやめようかな?」と真面目に応えることで、モノの値段に興味をもつようになります。「本物はいくらなの?」と、聞いてきたら、実際に見に行ってください。子どもが「あれは?」「これは?」と指差した商品の値段に答えることで、スーパー等に並んでいるモノには値段がついていることに気づきます。お金の種類と数え方を教えましょうモノの値段に興味が出たら、お金の価値を教えましょう。1円玉10枚、5円玉2枚、10円玉10枚、50円玉2枚、100円玉1枚を用意します。これらをテーブルに並べて、クイズを出します。最初は100円玉を指差して、「さて問題です。このお金はいくら?」と、聞いてみてください。当たったら「スゴイ!」、わからなければ「100円だよ」と教えます。100円で買える子どもの好きなお菓子等があれば、「100円があれば、○○が買えるね」等というと、記憶されやすくなります。小さな子どもは、1円玉や5円玉をあまり目にすることがないので、100円玉や10円玉等、馴染みのある硬貨から順にクイズに出していきましょう。また、50円以下のお金を説明するときは、「これ(50円玉)が2枚あると、100円になるんだよ」「10円玉5枚で50円だよ」と、何枚あればいくらになるかもクイズ形式で教えていきます。子どもは、クイズも褒められるのも大好きです。買い物ごっこでよく出てくる金額をヒントに、すんなり答えられる硬貨から順にクイズを出していきましょう。楽しみながらお金に触れることで、お金が身近に感じられます。100円、50円、10円、5円、1円の価値を丁寧に教えることで、計算力が高まりますし、おこづかいを渡したときのお金の使い方も違ってきます。一緒に買い物をするときに、100円で買えるもの、50円で買えるものを探してみるといいですね。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年02月20日今年、祖父母から孫へ教育資金をあげる際の税金上の特典ができ、それを利用するための金融商品が、大ヒット中。でも教育資金に詳しいファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは、「新制度利用ができたからといって、すぐさま飛びつくのは得策ではないのでは?」というスタンス。 その理由の一つ目は、もともと教育費の援助に贈与税はかかるからないから 。では、2点目の理由は?■高校時代までは教育費は家計内でやりくりを! 二つ目の理由は、「その家にとって、分不相応な教育費が突然入ってきて大丈夫なのか?」という点。「私がずっと言い続けているのは、高校時代までの教育費は、通常の家計の範囲内に収まるようにしましょうということです。ちなみに大学時代は家計の範囲内では収まりきらないので、子供が小さい頃からの積立を提唱しています」と畠中さんは言う。そんな中、突然、大金が入ってきたら? 「最後まで祖父母が学費や習い事のお金を負担してくれるのであれば、さほど問題はありません。ただ、前記事の通り、途中で祖父母の家計の事情が変わることもありえます。そうなった時が問題です。」■新制度を使う場合のポイント2点畠中さんが指摘してくれた問題点について検討した上で、それでも新制度を使いたい場合は、ポイントは下記の2点となる。■1,500万円非課税の内容を正確に把握しようまず、ポイントの一つ目。一言に「教育資金」といっても、今回の制度で「教育資金」とされているものには2種類の枠がある。一つ目は「学校等に直接支払われるもの」、もうひとつは「学校意外の教育サービスに支払われるもの」。前者の枠が1,500万円、後者の枠が500万円で両方合計して1,500万円が非課税の対象となる。大切なのは「教育資金」の定義を、自分なりの解釈で決めてしまわないこと。この制度を使うためには、制度で決められている「教育資金」の内容をきちんと把握しておく必要がある。教育資金の枠一覧表■1年で110万円までは、非課税ふたつ目のポイントは、この制度でもらったお金の「使い勝手」だ。非課税の特典を使いたければ、「教育資金」の細かい規定を守った上、30歳までに使い切らなければならない。畠中さん曰く「ある程度の貯金をお持ちの高齢者が、それを子どもや孫にあげるのは、今までだってどの家でも普通にやってきたこと。ちなみに年間110万円までだったら、“あげたお金”に対しては税金はかかりません。」■小出しに、ちょくちょくが失敗は少ない「“貯蓄が満期になったら、孫5人にわける”“今、たまたま余裕があるから、そのお金を孫5人にわけておく”…。そんな感じで小出しに、ちょくちょくとあげていった方が、実はいろんな意味で失敗は少ないと思いますよ」と畠中さん。新制度ができたからといって、すぐさま飛びつくのは得策ではない。内容を理解し、「我が家にとっての本当に使い勝手のいい制度なのか?」をきちんと検討した上で、利用したいものだ。取材/楢戸ひかる
2013年12月20日福岡銀行は12日、「教育贈与専用預金」を29日より取扱うことにしたと発表した。同商品は、2013年度税制改正によって創設された「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」に対応する預金商品。福岡銀行では、今後も顧客の多様なニーズに応えることができるよう、商品・サービスの充実に取り組んでいくとしている。預入目的非課税措置の対象となる教育資金の管理を目的とした預金預金種類普通預金(別途、教育資金管理特約を締結)。なお、総合口座普通預金は利用できない利用できる人預入日前2か月以内に、直系尊属(祖父母など)と書面で贈与契約を締結した30歳未満の人が対象。この非課税措置は、1個人(受贈者)につき1金融機関かつ1営業所でのみ利用できる。すでに他の金融機関や同行他支店で「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の適用を受けるための口座を持っている場合などは申込み出来ない預入金額、預入単位100万円以上1500万円以内、1円単位手数料無料口座開設・預入の受付期間7月29日から2015年12月30日まで【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年07月16日横浜銀行は15日、「教育資金贈与信託」の取り扱いを開始した。「教育資金贈与信託」は、2013年度税制改正によって創設された制度に基づくもので、祖父母などが孫などへ教育資金を一括贈与した場合に、贈与税が非課税となる信託商品。同行は朝日信託の信託契約代理店として、顧客と朝日信託の信託契約を媒介する。あわせて同行は、2013年度税制改正によって創設された制度に基づく、教育資金贈与のための預金サービスの準備も進めているという。今後も魅力あふれる金融機関の実現をめざし、顧客にとって価値の高い金融サービスの提供に取り組んでいくとしている。委託者教育資金を贈与する個人の顧客で、孫などの直系尊属(曾祖父母・祖父母・父母など)にあたる人受益者教育資金の贈与を受ける個人の顧客で30歳未満の人(未成年者の場合、親権者などの代理が必要)信託期間孫などの30歳の誕生日の前日までの期間信託金額10万円以上1500万円以下(孫など一人あたり)非課税となる上限金額受益者一人につき1500万円まで(うち塾などの学校等以外への支払いは500万円までが対象)期間2013年4月15日(月)~2015年12月31日(木)までの間に信託されたものに限る教育資金の交付方法受益者の支払いの請求をもとに、あらかじめ指定された預金口座に振り込む信託報酬・費用等設定時報酬:5万2500円(税込み)管理報酬:教育資金の支払い1回につき1050円(税込み)教育資金贈与信託の申し込みに合わせて、またはすでに遺言信託・遺産整理業務・その他個人信託のいずれかを契約している顧客は設定時報酬、管理報酬が無料。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年04月16日結婚して、これから子どもを作ろうと思っているカップルや、これから子育てを始めるファミリーにとって、住まう街の子育て環境は気になるところ。「マイナビ賃貸」では、幼稚園や小中学校などの教育環境や事件、事故の発生件数、自治体の子育て支援制度などを元に、東京都内の各市区町村における子育て事情を調査しました。これからお部屋探しをする人は、参考にしてみては?●教育環境を重視したい方にオススメ「文京区」夏目漱石や森鴎外も住んだ歴史と文化の街。東大など15の大学が集まり、アカデミックな雰囲気が魅力です。お茶の水女子大付属、東京学芸大付属、筑波大付属と、国立幼稚園・小中高校が集まっているだけでなく、有名私立校も多数。都内では珍しく区立幼稚園も10カ所(うち6園が3年保育)と多く、教育環境を重視したい方にお勧めです。刑法犯発生件数が23区で最も少なく、交通人身事故発生件数も23区で下から2番目(いずれも警視庁調べ、2011年)という安全性もポイントが高いですね。ただ、坂が多いのでベビーカーで移動しやすいかどうかはチェックが必要かもしれません。区長自らが育児休暇を取ったことも話題になりました。●豊かな自然環境や子育て支援が充実「武蔵野市」人気の吉祥寺を抱える武蔵野市は、動物園もある井の頭公園をはじめ、豊かな自然に恵まれています。子供を思い切り遊ばせられる環境は抜群で、のびのび子育てができそうです。自治体の子育て支援も充実しており、市としては珍しく中学卒業までの医療費自己負担分は全額補助ですし、「0123吉祥寺」「0123はらっぱ」「おもちゃのぐるりん」といった親子で遊べる公的施設は、満足度の高いものばかり。また、全小学校で放課後、スタッフを付けて教室・校庭・図書館開放をしており、学童保育でなくても安心してフルタイムで働けると評判です。全国で初めてコミュニティーバスを導入したように、子供やお年寄りに配慮した街づくりが光ります。●都心へアクセスの良さと閑静な住宅街「杉並区」「世田谷区」どちらも都心へのアクセスが便利なのに、緑が多く閑静な住宅街。適度な華やぎもあり、子連れでのお買い物やお散歩が楽しいのも、ママには嬉しい点です。教育熱心な家庭が多い印象で、公立学校のレベルも高いよう。独自の子育て支援策として、杉並区では、一時保育や習い事などに使える「子育て応援券」(出生時に4万円分、2歳まで年1回2万円分を配布、5歳まで一部負担で購入可)が便利。世田谷区には、普通の公園ではなかなかできないたき火や泥遊び、木登りなどができる「プレーパーク」が4カ所もあります。ただ、ワーキングマザーにとって気になる待機児童数(2012年4月1日付)は、杉並区が52人と比較的少なく、世田谷区は都内で最も多い786人でした。働くママの場合、その点の考慮が必要かもしれません。このほか、出生率が23区トップの江戸川区は、都内有数の子育て支援制度を誇り、面積に対する公園の割合も都内一。18歳まで医療費の助成制度がある千代田区と北区、出産時に上限60万円の助成がある港区も、子育て関連の予算が潤沢な街です。共働きの家庭なら思い切って都心に住み、職住近接にするという方法も。土日も静かで、過ごしやすいそうですよ。“子育てしやすい街”というと、緑が多くて近くに遊べる公園や施設があって、教育環境がよく、安全で、公的支援も充実していて、なおかつお買い物も便利で……と、挙げればきりがないほどいろいろな条件があります。なんといっても家族みんなが無理せず楽しく過ごせる場所が一番。まずは優先順位を決めて、より良い環境を見つけたいものですね。(文・エフスタイル)参考資料・刑法犯認知件数、交通事故発生件数(警視庁HP)・待機児童数、公園面積・人口割比率、出生率(東京都HP)・子育て支援施設(武蔵野市HP)・子育て支援について(北区HP)(千代田区HP)(港区HP)(世田谷区HP)・武蔵野市HP子供のいる家庭への手当・助成(平成24年7月26日更新)・杉並区HP「杉並子育て応援券」の概要(平成19年6月より事業実施)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月26日結婚して、これから子どもを作ろうと思っているカップルや、これから子育てを始めるファミリーにとって、住まう街の子育て環境は気になるところ。「マイナビ賃貸」では、幼稚園や小中学校などの教育環境や事件、事故の発生件数、自治体の子育て支援制度などを元に、東京都内の各市区町村における子育て事情を調査しました。これからお部屋探しをする人は、参考にしてみては?●教育環境を重視したい方にオススメ「文京区」夏目漱石や森鴎外も住んだ歴史と文化の街。東大など15の大学が集まり、アカデミックな雰囲気が魅力です。お茶の水女子大付属、東京学芸大付属、筑波大付属と、国立幼稚園・小中高校が集まっているだけでなく、有名私立校も多数。都内では珍しく区立幼稚園も10カ所(うち6園が3年保育)と多く、教育環境を重視したい方にお勧めです。刑法犯発生件数が23区で最も少なく、交通人身事故発生件数も23区で下から2番目(いずれも警視庁調べ、2011年)という安全性もポイントが高いですね。ただ、坂が多いのでベビーカーで移動しやすいかどうかはチェックが必要かもしれません。区長自らが育児休暇を取ったことも話題になりました。●豊かな自然環境や子育て支援が充実「武蔵野市」人気の吉祥寺を抱える武蔵野市は、動物園もある井の頭公園をはじめ、豊かな自然に恵まれています。子供を思い切り遊ばせられる環境は抜群で、のびのび子育てができそうです。自治体の子育て支援も充実しており、市としては珍しく中学卒業までの医療費自己負担分は全額補助ですし、「0123吉祥寺」「0123はらっぱ」「おもちゃのぐるりん」といった親子で遊べる公的施設は、満足度の高いものばかり。また、全小学校で放課後、スタッフを付けて教室・校庭・図書館開放をしており、学童保育でなくても安心してフルタイムで働けると評判です。全国で初めてコミュニティーバスを導入したように、子供やお年寄りに配慮した街づくりが光ります。●都心へアクセスの良さと閑静な住宅街「杉並区」「世田谷区」どちらも都心へのアクセスが便利なのに、緑が多く閑静な住宅街。適度な華やぎもあり、子連れでのお買い物やお散歩が楽しいのも、ママには嬉しい点です。教育熱心な家庭が多い印象で、公立学校のレベルも高いよう。独自の子育て支援策として、杉並区では、一時保育や習い事などに使える「子育て応援券」(出生時に4万円分、2歳まで年1回2万円分を配布、5歳まで一部負担で購入可)が便利。世田谷区には、普通の公園ではなかなかできないたき火や泥遊び、木登りなどができる「プレーパーク」が4カ所もあります。ただ、ワーキングマザーにとって気になる待機児童数(2012年4月1日付)は、杉並区が52人と比較的少なく、世田谷区は都内で最も多い786人でした。働くママの場合、その点の考慮が必要かもしれません。このほか、出生率が23区トップの江戸川区は、都内有数の子育て支援制度を誇り、面積に対する公園の割合も都内一。18歳まで医療費の助成制度がある千代田区と北区、出産時に上限60万円の助成がある港区も、子育て関連の予算が潤沢な街です。共働きの家庭なら思い切って都心に住み、職住近接にするという方法も。土日も静かで、過ごしやすいそうですよ。“子育てしやすい街”というと、緑が多くて近くに遊べる公園や施設があって、教育環境がよく、安全で、公的支援も充実していて、なおかつお買い物も便利で……と、挙げればきりがないほどいろいろな条件があります。なんといっても家族みんなが無理せず楽しく過ごせる場所が一番。まずは優先順位を決めて、より良い環境を見つけたいものですね。(文・エフスタイル)参考資料・刑法犯認知件数、交通事故発生件数(警視庁HP)・待機児童数、公園面積・人口割比率、出生率(東京都HP)・子育て支援施設(武蔵野市HP)・子育て支援について(北区HP)(千代田区HP)(港区HP)(世田谷区HP)・武蔵野市HP子供のいる家庭への手当・助成(平成24年7月26日更新)・杉並区HP「杉並子育て応援券」の概要(平成19年6月より事業実施)
2012年10月26日日本公文教育研究会は、0歳~2歳の乳幼児と母親向けの新しい教育サービス「Baby Kumon(ベビークモン)」を、この6月より全国約8,000の公文式教室で開始する。日本公文教育研究会が大学教授等と共同して行った研究によると、0歳児~2歳児を中心とした乳幼児期に母親が行う「歌いかけ」「読み聞かせ」が、母子関係の構築と子どもの発達に寄与することが確認された。「歌いかけ」は母親と子どもとの交流に特に強く結びついて、主に「親子のきずな」を継続して発展させる役割を持ち、「読み聞かせ」は親子の情緒的な交流から、やがて物事を知る手段になるという。この研究は各種のシンポジウムや日本子育て学会、日本発達心理学会等でも発表されている。Baby Kumonは「親子のきずなをはぐくみ、まなびの土台をつくる」をコンセプトに、歌と読み聞かせを中心とした親子のやりとりを家庭で楽しむための新教育サービス。絵本や歌本、CDなど各種教材を使い、子どもの発達に合わせた親子のコミュニケーションを行える。さらに、公文式教室でくもんの先生のサポートを毎月1回受ける「Baby Kumonタイム」も設定される。受講料は月額2,100円(税込み)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月15日