日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区 家元:尾上菊之丞)は、尾上流四代家元、三代目尾上菊之丞のオフィシャルファンクラブ「菊之丞 FAN CLUB」を2023年4月1日(土)より発足、入会受付を開始いたします。当クラブでは、菊之丞が日本舞踊や伝統芸能、日本文化を初心者の方にもわかりやすくお話しする動画コンテンツやここでしか見ることができないオフショット等を配信、非売品の入会特典やお誕生日カード、年に一度のお茶会など様々な企画も予定しています。このクラブを通して、日本舞踊や伝統芸能の世界を身近に感じていただけるきっかけとなることを目指します。菊之丞 FAN CLUBURL: ■日本舞踊、伝統芸能の世界をもっと身近に日本舞踊尾上流の四代家元である尾上菊之丞は、「日本舞踊を通して日本の伝統芸能の魅力を国内外へ伝えたい」という思いの下、自身が主宰する舞踊会はもとより、新作歌舞伎の振付けや古典芸能のオンラインサロン、異分野とのコラボレーションなど幅広い活動を精力的に行っています。今回発足する公式のファンクラブ「菊之丞 FAN CLUB」では、日本舞踊や伝統芸能の世界に通じていらっしゃる方はもちろん、これまであまり馴染みがなかった方にも親しみやすくわかりやすい内容の動画コンテンツを月2回配信します。また、オフショットや趣味などのプライベートについてお話しする回も設け、「尾上菊之丞」をより身近に感じていただける内容となっています。さらに特典として非売品の直筆サイン入りポストカードのプレゼントや、会員限定のお茶会などの交流の機会も予定しております。このファンクラブが尾上流、そして日本舞踊や伝統芸能の魅力に触れていただくきっかけとなれば幸いです。オフショットや舞台裏まで、様々な動画コンテンツを配信します(イメージ)【「菊之丞 FAN CLUB」概要】名称 : 菊之丞 FAN CLUB公開日時: 2023年4月1日(土)13:00頃予定URL : ■特典<フリープラン(月額0円)>1. 尾上菊之丞・尾上流の活動のご案内<プレミアムプラン(月額1,000円/入会時別途500円)>1. 月2回のクラブ限定動画配信 ※1日・15日2. 入会時直筆サイン入りポストカード(非売品)3. お誕生日月お名前入り直筆バースデーカード(非売品)4. チケット優先予約5. 継続1年プレゼント6. 会員限定お茶会の開催7. 会員限定のご案内 ※4月中ご入会の方には特典あり(特典内容は諸事情により変更の可能性があります)直筆サイン入ポストカードなど様々な入会特典を用意(イメージ)■尾上流(おのえりゅう)とは日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創流されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさず、日本舞踊の魅力を国内外へ伝え続けます。尾上流HP: 2019年逸青会「影武者」■三代目尾上菊之丞略歴1976年生まれ尾上流四代家元/(公社)日本舞踊協会理事2歳から父・二代目尾上菊之丞(現・墨雪)に師事し5歳で初舞台。2011年尾上流家元を四代目として継承し、三代目尾上菊之丞を襲名。自身のリサイタル「尾上菊之丞の会」、狂言師茂山逸平氏との「逸青会」を主催。新作歌舞伎や花街舞踊の演出・振付を手掛ける。<振付・演出>尾上菊五郎劇団「NINAGAWA十二夜」、松本幸四郎主演歌舞伎NEXT「阿弖流為」ラスベガス歌舞伎公演「鯉つかみ」「獅子王」、市川猿之助主演スーパー歌舞伎II「ワンピース」「オグリ」、尾上菊之助主演・新作歌舞伎「ファイナルファンタジーX」(2023)「風の谷のナウシカ」、宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」を振付。演出家としては、尾上菊之助主演「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」、尾上松也、生田斗真主演「赤胴鈴之助」、OSK日本歌劇団「ツクヨミ」「光」、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」、新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けている。Instagram: Facebook : Twitter : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月01日2023年3月4日(土) より、東京・豊洲のIHI ステージアラウンド東京にて上演中の『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』。企画・演出・出演の尾上菊之助をはじめ、中村獅童、尾上松也、中村米吉、中村梅枝、中村橋之助、坂東彌十郎、中村歌六ら豪華歌舞伎俳優が集結。旅の始まりから終わりまでを一日で追体験できる話題作のオフィシャルレポートが到着。歌舞伎というエンタメの存在は不思議だ。「歌舞伎」と聞いて、誰もが隈取の化粧や見得をするポーズを思い出すのに、それが何なのかというと「よく分からない」という人は多い。分からないのは、歌舞伎の舞台を観たことがないから。二の足を踏むのは、面白いか面白くないかさえフワッとしているからだろう。「セリフも難しそうだし、高いチケットを買って楽しめなかったら、損した気分になるし……」と思うのは当然かもしれない。そんな、「とても身近なのになんだか遠い歌舞伎」への偏見や思い込みを、3月4日に幕を開けた『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』(FFⅩ)は、気持ちよく打ち砕いてくれる。原作は、2001年に『ファイナルファンタジー』シリーズの10作目として発売された大ヒットゲーム。世界累計出荷・ダウンロード販売本数は、続編を含めてなんと2110万本以上(2022年3月末時点)という、今も世界中のゲームファンに愛されている名作だ。「ゲーム」の歌舞伎化は、本作が史上初。誰も観たことがない舞台になるのだから、ゲームファンはもとより、歌舞伎ファンも想像がつかなかったのが正直なところ。もともと『FFⅩ』の大ファンで、コロナ禍の自粛中に再びゲームをやり込んだことから改めて感銘を受け、直接スクウェア・エニックスに企画書を送った尾上菊之助(企画と共同演出、主演)とて、大きな挑戦だったに違いない。これまで『風の谷のナウシカ』などの新作歌舞伎を成功に導いてきた菊之助だが、なにしろ「史上初」の舞台なのだ。だが初日を迎えてみると、ネット上には歌舞伎を知らないゲームファンの「歌舞伎って面白い!」という驚きと、「こんなふうに『FFⅩ』を舞台で観られるなんて」との喜びの声が続々と寄せられている。ゲームを知らない歌舞伎ファンも、「歌舞伎の手法をこんなふうに使ってくるとは……!」と新たな視点で楽しみつつ、『FFⅩ』の普遍的なストーリーを満喫している様子だ。左より)シーモア役 尾上松也、ティーダ役 尾上菊之助主人公は、魔物『シン』が人々を脅かす世界「スピラ」に迷い込んだティーダ(菊之助)。彼が召喚士のユウナ(中村米吉)に出会い、彼女を援護する仲間たちと共に『シン』を倒すまでの波乱の旅が、壮大なスケールで描かれる。ブリッツボールの選手ワッカ(中村橋之助)や黒魔導士のルールー(中村梅枝)、ロンゾ族のキマリ(坂東彦三郎)、そしてティーダの父ジェクト(坂東彌十郎)の盟友アーロン(中村獅童)が、ユウナの「ガード」となっていくつもの戦いを乗り越えてゆく。グアド族の族長シーモアが立ちはだかるなか、ティーダたちが知る『シン』の真実とは……。ティーダ役 尾上菊之助、ユウナ役 中村米吉、アーロン役 中村獅童、ワッカ役 中村橋之助、ルールー役 中村梅枝、リュック役 上村吉太朗冒頭、にぎやかな鳴物(歌舞伎で使われる楽器)と共に23代目オオアカ屋に扮した中村萬太郎が登場すると、「口上」(演目の説明)からスタート。「今日初めて歌舞伎を観に来たという方は? 逆に『FFⅩ』をやったことがありませんという人はどれくらい?」と観客に手を挙げさせる。「これだけの人が未知の世界に飛び込んでくれたんですねぇ」と両方のファンに目配りしつつ、「ご安心ください、私が歌舞伎の楽しみ方をお伝えします」と頼もしいひと言。「ツケ打ち」(木の板を打ち付けた音で、役者の足音を表したり、見得をする場面を盛り上げたりする)の解説の後は、『FFⅩ』の物語とその背景も教えてくれ、客席はいつのまにかリラックスした雰囲気に。23代目オオアカ屋役 中村萬太郎続いて『FFⅩ』の美しい旋律(邦楽でのアレンジ)が流れると、正面の巨大スクリーンいっぱいにザナルカンドの廃墟が映し出される。どこからか聞こえてきたのは、ティーダ(菊之助)の声だ。「最後かもしれないだろ? だから、全部話しておきたいんだ」。スクリーンに『新作歌舞伎 FINAL FANTASY Ⅹ』のタイトルが浮かび、ゆっくりと消えてゆく……。ふいに照明が明るく変わると、客席のあちこちに出演者による「町の人々」が登場。その頃には自分もすっかり物語の中に入り込んだような気持ちになっていた。オープニングそして町の人々がブリッツボールの人気選手、ティーダを待ちわびてコールすると、ついに幕が開いてティーダが登場! ワクワクしていた分、「待っていたとはありがてぇ」とのセリフがリアルに響く。実はこれ、歌舞伎の『お祭り』という演目で鳶頭が言う有名なセリフ。客席の「待ってました!」の声(気持ち)に応える、いわばテッパンのやりとりだ。ティーダは続けて七五調での「名乗り」をし、最後は「ティーダたぁ、俺がことッス!」で締めくくる。これも『弁天小僧』のクライマックスのセリフ「弁天小僧菊之助たぁ、俺がことだ」から。これだけで、ティーダが華やかな主役であることが分かるし、『弁天小僧』は音羽屋(菊之助の屋号)の代表的な芸なので、菊之助が率いる本作にもピッタリ。「ティーダ」(ゲーム)と「菊之助」(歌舞伎)、どちらの視点からでも楽しめる仕掛けなのだ。ティーダ役 尾上菊之助そんなふうにして、本作には原作ゲームの魅力のほかに、歌舞伎の表現方法の面白さがたっぷり盛り込まれている。登場人物それぞれの「名乗り」や、軍兵たちが前転宙返りをする「トンボ」を切る立廻りをはじめ、女方たちの美しく見事な「海老反り」、『土蜘』のイメージで糸状のものをシュッと投げる「千筋の糸」、仏像が倒れるように手を使わず直立したまま倒れる「仏倒れ」。さらに一瞬で衣裳の表面が変わり、役自体の隠された内面もあらわになる「ぶっ返り」など、長い年月を経て受け継がれてきたそれらの仕掛けが、物語のあちこちで効果的に使われるのだ。おそらく初めて観るらしい客席の辺りから、「おおー!」というようなどよめきが起こるのも楽しい。シーモアとの闘いその一方で、壮大なスケールで展開する世界観を具現化するため、会場であるIHIステージアラウンド東京の舞台機構も大いに活用。通常、演劇の世界では、大海原も広い空も、ゆったりとした浜辺もにぎやかな街の風景も、具象を抽象化することで表現してきた。だが円形の劇場の内側に360度のステージと、高さ8mの巨大なスクリーンが張り巡らされ、囲まれた客席自体が回る機構を持つ同会場。本作ではゲームのCGビジュアルが巨大スクリーンに映し出され、美しく迫力ある映像が堪能できる。序盤にティーダとユウナたちが海原に船を漕ぎ出すシーンや、クライマックスでの飛空艇が空を飛ぶ場面などは、客席の前方と左右が巨大な映像に囲まれるため、かれらと一緒に乗っているような臨場感が。この点も、これまでの新作歌舞伎にはない魅力だろう。船上の場面飛空艇の場面さらに、「マカラーニャ湖」のシーンも必見。ティーダとユウナのお互いへの恋情が、舞台上のミストスクリーンにまぼろしのように映し出され、演じる菊之助と米吉は言葉にできない気持ちを舞いに込めて踊る。客席からも、あちこちからすすり泣く声が。まるで『FFⅩ』の中に入り込んで、ふたりをじっと見つめているかのような、舞台とも映画とも、またゲームとも異なる新しい感覚だった。左より)ティーダ役 尾上菊之助、ユウナ役 中村米吉クライマックスを盛り上げる「召喚獣」のバトルも、手に汗握る迫力! 召喚獣を擬人化させて、さまざまな「毛振り」でリアリティとスピード感あるバトルが実現。夢中になって見入ってしまった。スピラを彩る魅力的な登場人物たちさて、ここまで演出や仕掛けについて書いてきたが、もちろんそれは演者の力があってこそ。最後にそれぞれの登場人物について触れておこう。まず、ブリッツボールの選手で、語尾が「~ッス」な若者、ティーダを演じる菊之助。歌舞伎作品での品格と、最近ではTVドラマでも落ち着いた男性を演じることが多かったために予想がつかなかったが、実際に観てみるとユウナに合わせた少年らしい拵えでまったく違和感なし。なにより溌剌とした若者らしい発声に驚いた。その瑞々しい声音で感情を爆発させたり、ユウナへの想いをにじませたりするのだから、その芸域の幅広さに改めて脱帽。新しい菊之助の魅力に気づかされたのも嬉しい発見だった。左より)ユウナ役 中村米吉、ティーダ役 尾上菊之助獅童はティーダの父の盟友で、旅に同行するアーロンを好演。頼もしい立ち姿にりゅうとした衣装がピタリとハマり、謎めいてはいるが信頼できる大人の男として魅せる。とある過去からダークサイドに落ちてゆくシーモアを大きさと繊細さとで演じる松也も、堂々たる佇まい。オフは盟友同士の獅童と松也だけに、戦いで斬り合うシーンも息がピッタリだ。なにより“芝居の輪郭”が太いふたりが並ぶと、舞台上の空気がピリッと引き締まる。アーロン役 中村獅童左より)シーモア役 尾上松也、アーロン役 中村獅童ユウナの叔父でティーダたちを導くシド役の中村歌六の誠実さ、ユウナが小さい頃に死んだ父で大召喚士のブラスカ役の中村錦之助の温かさも印象的。シド役 中村歌六ブラスカ役 中村錦之助物語のキーとなるジェクト役の彌十郎は、息子ティーダとの相克を招いてしまう人間くささを、持前の懐の深さで魅力的に表現。子ども時代のティーダ(尾上丑之助)とのやりとりが『FFⅩ』ファンの涙を誘っているのも、彌十郎ジェクトならではだ。ジェクト役 坂東彌十郎その丑之助は、幼少期のティーダと、祈り子の2役。前者では子どもらしい可愛らしさを見せつつも、後者ではこの世の者ならざる表情で、物語の核を示す長台詞を明瞭に聞かせる。客席をグッと引き込む求心力には心から驚かされる。ティーダ役 尾上菊之助、ジェクト役 坂東彌十郎、ティーダ役(幼少期)尾上丑之助ティーダたちと共にユウナのガードを務めるキマリ役の彦三郎は、ロンゾ族という設定柄、顔も全身も青い拵え。無口な青年という役ゆえ台詞は少なめで、その分ユウナを守る気持ちを視線や行動に滲ませる。声の良さに定評のある彦三郎だけに、言葉を発したときの言葉が強く印象に残った。キマリ役 坂東彦三郎ユウナの姉のような存在であるルールー役を務める梅枝は歌舞伎の演目では本格の佇まいを見せて若手女方の中でも図抜けた存在だが、その実力を本作でもいかんなく発揮している。悲しい過去がありながらも仲間たちを優しく見つめ、落ち着いた艶を滲ませる梅枝ルールーは、『FFⅩ』ファンの間でも人気急上昇中なのだとか。ルールー役 中村梅枝ユウナを演じる米吉は、「可愛いすぎる女方」として多方面から注目が集まっている中でのヒロイン役。2022年の『風の谷のナウシカ』タイトルロールや、歌舞伎以外の舞台での主演を経て、女方としての居方にもいっそう陰影が加わった。召喚士としての芯の強さや笑顔の可愛らしさの他に、運命をひとりで受け入れようとする生硬さ、想いを秘めた健気さなど、ふとした横顔に少女の憂いが宿る。ユウナの「異界送り」の動画がネットでバズったのも、米吉のユウナだからこそだろう。ユウナ役 中村米吉異界送りの場面ブリッツボールの選手からユウナのガードとなるワッカ役の橋之助は、自身の大らかな持ち味を活かした役づくり。普段は明るいムードメーカーだが、『シン』によって弟を亡くしたことから、ある民族に対するわだかまりがある。その後は戸惑いつつも先へ進もうとする心情を丁寧に演じた。ワッカ役 中村橋之助23代目オオアカ屋として前編・後編共に口上という大役を担った萬太郎は、シン討伐隊のルッツとの2役。ユウナのいとこで、途中から一行に加わる元気な女の子、リュック役の上村吉太朗と共に、若手実力派として頼もしく舞台を支えている。リュック役 上村吉太朗そして伝説の女性ユウナレスカには、中村芝のぶ。最後まで物語の緊張感が途切れないのは、圧倒的なオーラで終盤のクライマックスを盛り上げる、芝のぶユウナレスカの存在が欠かせないだろう。ユウナレスカ役 中村芝のぶ左より)ユウナレスカ役 中村芝のぶ、アーロン役 中村獅童振り返ってみれば、『シン』に立ち向かう旅やティーダとユウナの恋など主旋律のほかに、常に通奏低音のように聞こえているのが、親子の絆だ。ティーダと父のジェクト、シーモアと父で族長だったジスカル、そしてユウナと父ブラスカ。それぞれの親子の情愛が、哀しい、あるいは愛おしい運命と共に描かれる。それは歌舞伎でもしばしば描かれるテーマであって、本作での陰影も、歌舞伎俳優たる演者の力量あってこそだろう。中でもシーモアとジスカルの過去のエピソードは、今回新たに付け加えられたオリジナル。ゲームでは描かれなかったシーモアの葛藤と、彼が闇に落ちた理由が明らかになって胸に迫る。シーモア役の松也と、ジスカル役の澤村國矢の緊張感あるやりとりが見どころだ。左より)ジェクト役 坂東彌十郎、ティーダ役 尾上菊之助左より)シーモア役 尾上松也、ジスカル役 澤村國矢本作の稽古場では、企画から立ち上げて共同演出と主演を担った菊之助だけでなく、獅童や松也、その他の演者からも活発なディスカッションが交わされたという。そもそも出演者へのオファーは、菊之助自ら1人ひとりに電話をかけて進められたのだとか。そんな熱い現場で練り上げられたクリエイティブに、ジャンルは関係ないだろう。「ゲーム」と「歌舞伎」の幸せな邂逅を実現した本作は、たくさんの観客にとって、新たなマスターピースとなるに違いない。文=藤野さくら木下グループpresents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』チケット情報
2023年03月24日明日3月1日(水)配信開始となる「マンダロリアン」シーズン3の新シーズン開幕記念イベントが行われ、「スター・ウォーズ」ファンの尾上松也と、主人公・マンダロリアンの声を務める阪口周平が登壇した。グローグーを抱えて登場した松也さんは「最初に『スター・ウォーズ』から衝撃を受けたのは日曜洋画劇場でした。『エピソード4/新たなる希望』を初めて家族で見た時に“なんだこの作品は!”とそのカッコよさに惹かれて以来、ずっと愛し続けております」と早速並々ならぬSW愛を語る。阪口さんも「この作品はいい意味で泥臭いんです。ジェダイみたいにスマートではないけれど、マンドーの完璧ではないところが人間らしくて、いいアクセントになっているんです」と本作の魅力を力説した。ファンの間では、「スター・ウォーズ」イチの絆とも言われるマンドーとグローグーの関係だが、阪口さんは「最初、演出家からマンドーは常に心が枯渇しているキャラクターのように演じてくれと言われました」とふり返り、「でも、グローグーと一緒にいることで、マスクの奥に隠れていた感情が見え隠れするようになって、マンダロリアンとして生きていなかったらどういう人間だったのかということを想像しながら演じるようになりました。マンドーの感情を一番表現しやすいポイントは“ため息”で、マスクの奥ではどんな表情をしているのか、見ている人に想像してもらえるように意識しています」と明かす。松也さんは「シーズン2の最終話、あの衝撃のサプライズを観終わった時には30分間鳥肌が止まりませんでした。グローグーとマンドーの姿は本当に微笑ましくて、僕がマンドーだったら、常にグローグーとほっぺたをすりすりしていたいですね(笑)」「この作品は、2人の愛情の物語なんです」とコメント。銀河を舞台に壮大な冒険が描かれる本シリーズには、“伝説のジェダイ”ルーク・スカイウォーカーや、アナキン・スカイウォーカーの弟子だったアソーカ・タノ、賞金稼ぎのボバ・フェットなどレジェンドキャラクターが多数登場し、正史ともクロスオーバーしていく。製作総指揮のジョン・ファヴローは「このシリーズはマンダロリアンとグローグーの物語を軸にそこから発展させ、前からいるお馴染みのキャラクターや新しいキャラクターを連れてくる良い機会でした。毎週サプライズがあるので、ぜひその目で確かめてほしいです」と語っている。新シーズンではこれまで以上のビッグサプライズが待っているのではないか、と世界中が注目しているが、松也さんは「ストーリーそのものはもちろん、サプライズに期待ですね!シーズン1、シーズン2と色々なサプライズがあって、ルークの登場という最高のサプライズがありなら、シーズン3はなんでもありですよね。ハン・ソロや若き日のポー・ダメロンなどの登場も期待できますね!」と話す。そして最後にファンに向け、「シーズン3開幕ということで、僕も皆さんと同じく待ちわびていました。2人の冒険がどうなって、どんなサプライズが待っているのか一緒に楽しみましょう!」(松也さん)、「子供から大人まで、『スター・ウォーズ』が好きな人も、まだ見たことがない人も楽しめるシリーズです。それはシーズン3でも確実に変わらないことです」(阪口さん)と呼びかけ、新シーズン開幕記念イベントは終了した。「マンダロリアン」シーズン3は3月1日(水)17時~ディズニープラスにて日米同時配信開始。(cinemacafe.net)
2023年02月28日名作ゲーム『ファイナルファンタジーX』が歌舞伎化。『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』として2023年3月4日(土)から4月12日(水)まで東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京で上演される。『ファイナルファンタジーX』が歌舞伎化『ファイナルファンタジーX』は、2001年7月19日に「ファイナルファンタジー」シリーズの第10弾として発売された名作ゲーム。続編を含め全世界2,110万本以上(2022年3月時点)を売り上げる、「ファイナルファンタジー」シリーズ屈指の人気作だ。ゲームの中では、大いなる脅威「シン」に立ち向かう少年と少女の切ない物語が、シリーズで初めて採用されたキャラクターボイスやシーンに応じて表情が変化するフェイシャルアニメーションによって描かれている。尾上菊之助、中村獅童、尾上松也、坂東彌十郎らが出演そんな不朽の名作『ファイナルファンタジーX』が、「NINAGAWA十二夜」「マハーバーラタ戦記」「風の谷のナウシカ」など新しい歌舞伎の舞台を創り出してきた尾上菊之助による企画・演出によって初めて歌舞伎化されることに。出演者には、尾上菊之助をはじめ、中村獅童、尾上松也、中村錦之助、坂東彌十郎、中村歌六といった豪華なキャストが名を連ねる。また、『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』では、<ティーダとユウナの物語><白熱のブリッツボール><異界送り><ラストバトル>など見どころ満載かつ、物語のはじまりから終わりまでを描くため、上演時間は前編・後編通しで、休憩を含め、およそ6~7時間となる予定だ。『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』あらすじ<前編>舞台となるのは、1000年前、突如として姿を現し、破壊を繰り返す災厄ともいえる魔物「シン」に恐怖を抱きながら人々が暮らす世界「スピラ」。そんな「スピラ」に少年・ティーダが迷い込み、そこで可憐で気丈な召喚士・ユウナと出会う。ユウナの目的はただ一つ、「シン」を倒すこと。そのための“究極召喚を手に入れること”であった。ユウナの決意に胸をうたれたティーダは、時を同じくして出会った仲間たちと共に旅にでる。弟の命を「シン」に奪われた兄貴肌の「ワッカ」、その弟の恋人であった黒魔道士「ルールー」、謎に包まれたロンゾ族の少年「キマリ」、ティーダの父の盟友「アーロン」。数々の戦いや出会いの中で、一行は「シン」の“真実”に近づくことに。だがそこにグアド族の族長・シーモアが立ちはだかる。ユウナが手に入れようとしている“究極の力”を利用し、「死」こそ世界を救う、というゆがんだ考えから、スピラを死の螺旋へと導こうとする。ティーダたちの闘いの行方は果たして……。<後編>シーモアの策略はティーダたちをますます追い込んでいく。狡猾なシーモアは、ユウナを誘拐し、彼女を利用するために政略結婚を企てる。それに抗った一同は反逆者の汚名を着せられ、旅の中断を余儀なくされる。絶望し泣き崩れるユウナを見て、ティーダはなんとしても彼女を守りぬこうと決心し、出会った頃から互いに惹かれあっていた二人は秘めた恋心に身を委ねるのであった。一同は決意を新たに、再び「シン」を倒す究極召喚を手に入れるために立ち上がる。だがそこに待ち受けていたのは衝撃の出来事。「シンの正体」「ユウナの運命」そして「ティーダを待ち受けている真実」とは……。登場人物・配役尾上菊之助/ティーダ中村獅童/アーロン尾上松也/シーモア中村梅枝/ルールー中村萬太郎/ルッツ、23代目オオアカ屋中村米吉/ユウナ中村橋之助/ワッカ尾上丑之助/ティーダ(幼少期)、祈り子上村吉太朗/リュック中村芝のぶ/ユウナレスカ坂東彦三郎/キマリ中村錦之助/ブラスカ坂東彌十郎/ジェクト中村歌六/シド脚本に『おちょやん』の八津弘幸、共同演出に金谷かほりなお、『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』の脚本を務めるのは、NHKの連続テレビ小説『おちょやん』や、舞台化も果たした人気ドラマ『家政夫のミタゾノ』など多くのヒットドラマを手掛ける八津弘幸。尾上菊之助との共同演出には、『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』やB’zのドームツアーなどを手掛けてきた金谷かほりが名を連ねる。IHI ステージアラウンド東京のラストシーズン企画として上演なお、本作品の会場となる客席が360度回転する劇場・IHI ステージアラウンド東京は、2017年のオープンから7年の歴史に終止符を打つことが決定。ラストシーズンを飾る超大型企画としてIHI ステージアラウンド東京で初の歌舞伎『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』を上演する。公演概要『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』上演期間:2023年3月4日(土)~4月12日(水)休演日:3月8日(水)、15日(水)、22日(水)、29日(水)、4月5日(水)前編:11:30開場、12:00開演後編:17:00開場、17:30開演会場:IHIステージアラウンド東京住所:東京都江東区豊洲6-4-25主な出演者:尾上菊之助、中村獅童、尾上松也、中村梅枝、中村萬太郎、中村米吉、中村橋之助、尾上丑之助、上村吉太朗、中村芝のぶ、坂東彦三郎、中村錦之助、坂東彌十郎、中村歌六、尾上菊五郎(声の出演)※中村歌六、中村錦之助、尾上丑之助は後編のみの出演となる。<チケット情報>■前編・後編通し(全席指定)チケット料金:SS席 32,000円(非売品オリジナルCGビジュアルアクリルスタンド付)、S席 28,000円(非売品オリジナルCGビジュアル公演ポスター付)、A席 24,000円、B席 19,800円■前編/後編(全席指定)SS席 18,000円、S席 16,000円、A席 14,000円、B席 11,000円※非売品特典グッズは付かない。<備考>※SS席、S席の非売品特典グッズは観劇日当日、劇場内で引き渡す。※未就学児童は入場不可。※やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合がある。※車椅子での来場予定者はチケット(SS席)を購入後、観劇日の2営業日前までにステージアラウンド専用ダイヤルまで要連絡。付き添い人が観劇する場合もSS席チケットが必要になる。車椅子スペースには限りがあるため、購入した座席で観劇する場合もある。※劇場の構造上、場面によっては入退場できない場合がある。※営利目的によるチケットの転売は禁止。※公演内容・開演時間等が変更となる可能性がある。※申込み完了後、申込み内容の変更はできない。購入したチケットは、公演中止・延期等の場合を除き、払戻の対応はできない。公演が中止になった場合には、公式HPにて払戻方法を告知する。
2023年02月06日『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』が、3月4日(土) から4月12日(水) にIHIステージアラウンド東京で上演される。このたび全キャストの扮装ビジュアルが公開された。『ファイナルファンタジーX』は、2001年に「ファイナルファンタジー」シリーズの第10弾として発売されたロールプレイングゲーム。大いなる脅威「シン」に立ち向かう少年と少女の切ない物語が、シリーズで初めて採用されたキャラクターボイスや状況に応じて表情が変化するフェイシャルアニメーションの採用により感情豊かに描かれ、その感動的な物語は今なお多くのユーザーに愛され続けている。シリーズの中でも、ユウナ、アーロン、ルールーのような、和テイストのコスチュームデザインのキャラクターが印象的な『ファイナルファンタジーX』。「歌舞伎と合う」という声と同時に、セクシーなユウナレスカの服装や、シーモアの独特な髪形などが、どのようにアレンジ・再現されるのか話題を呼んでいたが、今回公開されたビジュアルでは、作品の世界観を尊重し、細部まで作りこまれた歌舞伎版の衣裳を見ることができる。なおYouTubeでは、「コスプレにならないように」とこだわっていた企画の尾上菊之助、演出の金谷かほり、メイク・ヘアデザインの松本慎也による衣裳打ち合わせの様子も公開されている。また本作の制作に密着した特別番組が、2月18日(土) 16時30分よりTBSで放送されることが発表された。番組ではIHIステージアラウンド東京のロビーでの稽古の様子や、劇場内でのテクニカルスルーの映像、歌舞伎本編の内容、演出、舞台装置など、ゲームの世界観が舞台上でどのように表現されるのか、裏側を垣間見ることができる。さらに、これまで発表されているキャストに加え、尾上丑之助、尾上菊五郎の出演が決定。尾上丑之助は主人公ティーダの幼少期と祈り子、尾上菊五郎は声のみの出演となり、企画・演出・主演の尾上菊之助との親子三代での共演が実現する。チケットは現在一般発売中。『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』衣裳打ち合わせ<公演情報>木下グループpresents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』3月4日(土)~4月12日(水) IHIステージアラウンド東京※休演日:3月8日(水)、15日(水)、22日(水)、29日(水)、4月5日(水)【前編】開場11:30 / 開演12:00 【後編】開場17:00 / 開演17:30『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』CGビジュアル企画:尾上菊之助脚本:八津弘幸演出:金谷かほり尾上菊之助【配役】『ファイナルファンタジーX』相関図尾上菊之助/ティーダ中村獅童/アーロン尾上松也/シーモア中村梅枝/ルールー中村萬太郎/ルッツ、23代目オオアカ屋中村米吉/ユウナ中村橋之助/ワッカ尾上丑之助/ティーダ(幼少期)、祈り子上村吉太朗/リュック中村芝のぶ/ユウナレスカ坂東彦三郎/キマリ中村錦之助/ブラスカ坂東彌十郎/ジェクト中村歌六/シド【チケット情報】(税込 / 全席指定 / 前編・後編通し)・SS席:32,000円※非売品オリジナルCGビジュアルアクリルスタンド付『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』SS席非売品特典グッズ:オリジナルCGビジュアルアクリルスタンド イメージ画像・S席:28,000円※非売品オリジナルCGビジュアル公演ポスター付・A席:24,000円・B席:19,800円※前編または後編のみの各チケットは、SS席:18,000円、S席:16,000円、A席:14,000円、B席:11,000円(全て税込)を予定しております。なお、非売品特典グッズは付きません。【注意事項】※SS席、S席の非売品特典グッズはご観劇日当日、劇場内でのお渡しとなります。※未就学児童は入場できません。※チケットはお一人様一枚必要です。※やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合がございます。※車椅子でご来場予定のお客様はチケット(SS席)を購入後、ご観劇日の2営業日前までに下記ステージアラウンド専用ダイヤルまでご連絡ください。付き添いの方がご観劇される場合もSS席チケットが必要になります。車椅子スペースには限りがあり、ご購入のお座席でご観劇いただく場合もございます。チケット購入リンク:<番組情報>菊之助・獅童・松也豪華キャストが集結!空前の超大作!新作歌舞伎ファイナルファンタジーⅩ徹底解剖!放送日時:2月18日(土) 16:30~17:00(TBS)関連リンク公式HP:公式YouTube:公式Tiktok:公式Twitter:公式Instagram:
2023年02月03日歌舞伎界の次代を担う若手が大役に挑む“登竜門”として愛され続けてきた「新春浅草歌舞伎」が3年ぶりに開催されることになり、記者会見が行われた。尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村隼人、中村橋之助、中村莟玉の8名が出席し、それぞれに意気込みや思いを語った。コロナ禍でここ2年、開催が見送られていたが、来年は1月2日より浅草公会堂にて3年ぶりに再始動。「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき) 引窓」で幕を開け、巳之助、新悟の「男女道成寺(めおとどうじょうじ)」、第2部では「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」、松也(親獅子)と莟玉(仔獅子)による「連獅子(れんじし)」が上演される。松也は3年ぶりの開催について「(コロナ禍を受けて)『浅草での公演を見送りたい』というお話があった時はショックでした。僕が筆頭となって任せていただくようになって、最初にみんなで話し合ったのが『僕らにこうやってつないできていただいた先輩方のためにも、僕らの代で「新春浅草歌舞伎」がなくなってしまうことがないように、後輩にバトンを渡せるようにやっていこう』ということでした。尾上松也(中央)(2度の開催見送りで)このままなくなっちゃうんじゃないかという不安が頭をよぎったこともありました」と心情を吐露し「ようやく今回、できるのが嬉しいですし、出来なかった2年間も歌舞伎座の序幕で“浅草”の冠を背負ってできたことが大きな経験になっています。この2年間に『意味があった』と感じながら、思いを舞台に乗せて務めていきたい」と意気込みを口にする。中村歌昇歌昇は7回目の「浅草歌舞伎」となるが「ずっと播磨屋のおじに教えをいただいてきました」と昨年亡くなった中村吉右衛門の存在に言及。特に吉右衛門との思い出深いエピソードとして2020年の「絵本太功記~尼ケ崎閑居」での思い出として「舞台稽古に来ていただいた時、化粧が全然よくなかったようで『筆を持ってこい』と言われ、客席で顔を直していただいたのを覚えています」と明かし「(教えは)財産です。お芝居に対しての取り組み、お役だけにあらず、役者としてどう生きていくべきか、たくさん教わりました。『よく見て、よく遊び、学びなさい』という教えを守りながら、播磨屋を汚さないように覚悟を持ってやっていきたい」と吉右衛門の逝去後、初めての浅草歌舞伎への強い思いを語った。中村橋之助橋之助は「引窓」で濡髪長五郎を演じるが「父(芝翫)も務めてきたお役で、父に『教えてほしい』と言ったら『ちゃんと教えてあげるからな』と喜んでいたので楽しみです」と笑顔を見せていた。「新春浅草歌舞伎」は2023年1月2日より24日まで、東京・浅草公会堂にて上演。取材・撮影・文:黒豆直樹<公演情報>『新春浅草歌舞伎』2023年1月2日(月・祝)~2023年1月24日(火)『新春浅草歌舞伎』チラシビジュアル(表)第1部午前11時~第2部午後3時~【休演】9日(月・祝)、19日(木)劇場:浅草公会堂
2022年12月02日『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』の制作発表会見が29日、都内で行われ、尾上菊之助、中村獅童、尾上松也、坂東彦三郎、中村梅枝、中村米吉、中村橋之助、上村吉太朗、北瀬佳範が出席した。2001年に「ファイナルファンタジー」シリーズの第10弾として、北瀬佳範プロデュースにより発売されたゲーム『ファイナルファンタジーX』。続編を含め世界累計出荷・DL販売本数は2,110万本以上(2022年3月末時点)のシリーズ屈指の人気タイトルだ。今もなおユーザーから愛されている同ゲームを新作歌舞伎として上演。記念すべき初上演の出演者は自ら企画と演出を担当する尾上菊之助をはじめ、中村獅童、尾上松也ら歌舞伎界を代表する豪華な顔ぶれが揃う。企画と演出を担当し、主人公のティーダを演じる尾上菊之助は、自身が同ゲームの歌舞伎化を望み、自ら権利元のスクエアエニックスと交渉したという。「新作歌舞伎『ファイナルファンタジーX』の制作が始まったのが2020年3月、コロナ禍の真っ最中でした。当たり前だった歌舞伎公演がなくなってしまい、先行きが見えず何とかしたい、という思いを救ってくれたのが20年前に発売された『ファイナルファンタジーX』でした。コロナ禍の世界、そして戦争が起きている世界に強いメッセージを届けられるのではと思い制作することにしました」と歌舞伎化への経緯を説明し、「その思いに中村獅童さんや同輩たちも賛同してくださって今日の日を迎えられてとても嬉しく思っています。コロナ禍で大変な日本、そしてエンターテイメントの世界に少しでも元気を届けられたらなと思っています」と意気込みを語った。尾上菊之助から電話で直接出演のオファーを受けたという中村獅童は「菊之助さんと共演させていただくことも約10年ぶりぐらい。なかなかご一緒する機会がなく、プライベートでもお会いすることがなかったのでビックリしましたがうれしかったです。今からやるのがとても楽しみで、新しい菊之助さんと作れる喜びが1番大きいですね」と尾上の熱い気持ちに胸が打たれたという。尾上菊之助が演じる主人公ティーダの相手・ヒロインのユウナ役には中村米吉が演じる。「菊之助兄さんのティーダと私のユウナは淡い恋心を抱きながら旅が続きます。男女での共演はあまりないので楽しみな部分ではあります」と尾上菊之助との共演を喜び、「ユウナというヒロインが魅力的であればあるほど切なくなると思うので、ビジュアルの再現度を少しでも原作に近づけられるように頑張りたいと思います」と意欲満々。その中村は衣装合わせの時に撮影した写真を坂東彦三郎に見せたことを明かし、「ちょっと胸が小さいというお叱りもいただきましたのでその部分も改良させていただきます」と笑いを誘っていた。『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』は、2023年3月4日~4月12日(3月8日・15日・22日・29日、4月5日は休演)の期間、東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京で上演される。
2022年11月29日日本古来の伝統芸能に新たな視点を加え、これまでにない舞台公演を生み出してきた「J-CULTURE FEST」の「井筒装束シリーズ」。今回は構成・演出に日本舞踊尾上流四代家元の尾上菊之丞を迎え、古事記をもとにした詩楽劇『八雲立つ』を上演する。主人公のスサノオを演じるのは、歌舞伎役者ながら、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』での好演なども記憶に新しい尾上右近。そんな右近に本作へ寄せる想い、さらに2022年の振り返りと、2023年に向けた胸の内を語ってもらった。飛躍した表現は歌舞伎役者が得意どころ――台本を読まれての感想、作品としての魅力をどんな点に感じましたか?神話を題材にしているということで、メッセージ性がはっきりしている、非常にわかりやすいという点は、まず大きな魅力だと思います。さらに神が生まれる、国が出来るといったスケールの大きな話なので、そういった飛躍した表現は、僕ら歌舞伎の人間が得意とするところですから。特に僕が演じるスサノオは、暴れん坊のヒーローという、非常にエネルギッシュな役どころ。なので、ふんだんに歌舞伎的要素を取り入れられるのではないかなと。舞台上でお化粧をする、なんて演出もあるようですし(笑)。また舞踊には奉納といった意味合いもあるので、自分たちも神様と繋がっている、神様を感じながら舞台に立てるのではないかと思います。――本作には歌舞伎役者である右近さんのほか、多ジャンルのキャストが同じ舞台に立たれますね。歌舞伎そのものをやるわけではないですからね。各ジャンルの、しかも超プロフェッショナルな方が参加されるわけで、それぞれの持ち味を発揮していただきつつ、僕の役割としては、それをかき混ぜていくことかなと。さらに僕とお神楽の“ふたりスサノオ”という演出もあるようなので、それぞれの違いなども見比べていただけるのではないかと思います。スサノオ役を演じる尾上右近ほか、共演はイワナガヒメを演じる水夏希、構成・演出も手がける尾上菊之丞、さらに川井郁子のヴァイオリンと吉井盛悟の和楽器、石見神楽(MASUDAカグラボ)の舞が物語を彩る――年末年始の公演ということで、お客さまにとってもまた特別な想いで来場されるかもしれませんね。ここのところやっぱり、お客様のお時間を頂戴している、という感覚は非常に強くなっています。しかも今回は年末年始なわけで、その骨頂みたいなものですよね。だからこそシンプルに楽しんでいただきたい、もうそのことしか頭にないです。そしてお客さまに楽しんでいただくためには、自分も楽しむってことが大切なのかなと。今回で言えばやはり、お神楽的な動きであったり、お歌であったり、かなり大きな振り幅でいろいろな表現をさせてもらえる。なによりこの豪華な出演者の皆さんとご一緒出来ること、それが僕にとっての一番の楽しみですね。節目の30代。すべては歌舞伎のために――2022年もさまざまなことにチャレンジされた一年になりましたね。今年30歳になったのですが、それはやっぱり大きいみたいです。30代を最高のタイミングで迎えられたとは思いますが、20代が終わることに対する恐怖感は想像以上に大きくて。いわゆる若手じゃなくなるってことですよね。あと初めての挑戦が少なくなっていくこと。そこに対する恐怖感は、いまだにあるかもしれません。というのも「甘えちゃいられない」ってことだと思うんです。自分ってものをさらに認識しなきゃいけない時期に突入したというか。今まではとりあえずノリでやってみることも多かったのですが(笑)、いやいや、もうすでに似たようなことはやっているだろうと。もしもう一回やるとなったら、じゃあなんのために? というしっかりとした目標が必要になってくる。ただ“歌舞伎のため”というのは、やっぱり僕の中では相当大きいみたいですね。歌舞伎のためには、この人の話は聞いておいたほうがいいなとか、会っておいたほうがいいなとか。歌舞伎を基準にする、その意識はより強くなっていると思います。――映画やミュージカルなど活躍の幅を広げながらも、やはり最終的に戻ってくるのは歌舞伎だと?そうですね。自分が思っている以上に、歌舞伎ってものが僕の中で大きな位置を占めているみたいです。いくつか選択肢があった時、その中からどれを選ぶのか。なんとなくの気分で選ぶこともありますが、その理由を辿っていくと、結局は歌舞伎なんですよね。歌舞伎界で目立ちたいとずっと思っていた――ますますの飛躍が期待されますが、2023年はご自身にとってどんな一年にしたいですか?ある意味、スケジュールが見えてきた一年でもあります。これまでは「どんな一年になるんだろう?」と決まっていないことに対するワクワクだったんですが、来年は「どんな内容になるんだろう?」と決まっていることに対するワクワクに変わっている。それはちょっと新鮮な変化かもしれません。ただ先ほども言いましたが、やっぱり楽しみ続けてはいたいなと思います。――またお忙しい一年になりそうですね。そうですね。今までは「そんなことないですよ」と答えることも多かったんですが、これだけ言われ続けるということは、「俺、やっぱり忙しいんだな」と(笑)。でもありがたいですよ。だってずっとそうなりたかった、目立ちたかったんですから(笑)。それはなぜかと言ったら、やっぱりこの歌舞伎界でやっていきたいから。そして大役であり憧れの「鏡獅子」(『春興鏡獅子』)をやりたいから。そこは来年の大きな目標のひとつですし、執着していきたいなと思います。取材・文:野上瑠美子撮影:You Ishiiヘアメイク: Storm(Linx)スタイリスト:三島和也(tatanca)衣装:ジャケット¥26,400・パンツ¥17,380 / 共にINTERPLAY ※その他スタイリスト私物ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★尾上右近さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!J-CULTURE FEST presents 井筒装束シリーズ詩楽劇『八雲立つ』チケット情報はこちら:
2022年11月10日今も不朽の名作と語り継がれているゲーム『ファイナルファンタジーX』(以下、『FFX』)。その世界に惹かれ、歌舞伎にしようと考えた男がいる。歌舞伎役者・尾上菊之助である。このゲームの大きな魅力である映像美を活かしながら、どう歌舞伎にしていくのか。新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』も成功させた役者は、自信を持ってこの挑戦に臨んでいる。きっかけはコロナ禍、攻略本を読んで気づいた歌舞伎との相性の良さ──『FFX』を新作歌舞伎にしようと思われた経緯から、まずお聞かせください。きっかけはコロナ禍でのステイホームでした。私の場合、2020年3月の国立劇場の公演が無観客での配信になり、そこから7月まで歌舞伎の公演がなくなってしまいました。先行きが見えず気持ちが落ち込んでいたときにステイホームでゲーム需要が高まっていることを知り、小学生の頃によくやっていたゲームをもう一度プレイしようと思いました。そして、ロールプレイングゲームで最も心に残っていた『FFX』をもう一度やり始め、攻略本を読んだときに思ったんですね。これはもしかしたら新作歌舞伎になるのではないかなと。──そう思われたポイントは?『FFX』はとにかく脚本が素晴らしいんです。まず、巨大な脅威「シン」を倒すべく、ヒロインのユウナ(中村米吉)と仲間たちが力を合わせて戦っていくという物語に、いつの時代にも通じる人間の普遍的なテーマがあります。さらに、ヒロインだけでなく、彼女を支える主な6人の人物も、葛藤を抱えて生きていることが細かく描かれている。それぞれのキャラクターがその葛藤をどう乗り越えて成長していくか。感情のターニングポイントがキャラクターごとにあるので、歌舞伎にしたときに各場に見どころができると思いました。なおかつ、ストーリー展開も、途中で逆転劇が起きるという衝撃がある。物語の中に多くの感情ドラマがあり、『FFX』を知らない方がご覧になっても感動できて、楽しんでいただけるのではないかと思いました。『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』オリジナルCGキービジュアル──新作歌舞伎にするにあたっては、連続テレビ小説『おちょやん』(NHK)、『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)などヒットドラマを手がけておられる八津弘幸さんが脚本を担当されることになりましたが、そのもともと見事だったゲームのシナリオに、さらにどんな工夫がなされているのでしょうか。例えば、巨悪であるシーモア(尾上松也)というキャラクターが抱えている父親との葛藤も、ゲームでは回想シーンでしか描かれていませんが、今回はそこを八津さんが深く掘り下げてくださっているので、よくわかっていただけるのではないかと思います。──そして、菊之助さんと一緒に演出を担当されるのが、『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』(2016年)やB’zのドームツアーなどを手がけられた金谷かほりさんです。客席が360度回転するIHIステージアラウンド東京で上演にするにあたって、どんな演出にしようとされていますか。今は、美術の堀尾幸男先生が作ってくださった模型を前に、東西南北4つのステージを脚本のどの場面に使うのか、落とし込んでいく作業をしているところです。高さ8メートルのスクリーンに何を映すかということも、金谷さんが一場一場、絵コンテを描いてくださっていて。ゲームやイベントで使われた映像を投影しつつ、観ているお客様も、あたかも自分が『FFX』の世界に入っているかのような感覚になるのではないかと思っています。そこに、もちろん歌舞伎的な手法も取り入れていきます。──その映像などのゲームの世界と歌舞伎との融合は、どのようにやっていこうと考えておられますか。長編歌舞伎なので、これまで培ってきた歌舞伎の演技体が生きる脚本であり演出でありたいと思っています。舞踊や立廻り、歌舞伎独特の台詞回しなどを活かしながら、映像や4面ある舞台をどう効果的に使っていくかが見どころになります。その融合のバランスは場面によって少しずつ変わっていくことになると思うのですが、歌舞伎役者の身体を活かしつつゲームの世界観が堪能できる作品を作り上げたいと思っています。今の人の心に届く新作歌舞伎が未来の古典になる──ビジュアルは、ゲームのキャラクターに近いものになるのでしょうか。先日、メイクとカツラと衣装のフィッティングをしたんですけれども、かなりゲームのキャラクターを想起させる素晴らしいものが出来上がっております。ただ、ゲームそのままというわけではなく、歌舞伎テイストを加えておりまして。松竹衣裳の松本勇さんが歌舞伎で使っている和の素材を入れてより美しく見えるようにしてくださっています。歌舞伎は豪華な衣装も見どころのひとつなので、歌舞伎の古典の知恵とゲームのキャラクターの融合も楽しみのひとつとしてぜひ観ていただきたいなと思います。──新作歌舞伎では、菊之助さんは最近では、『風の谷のナウシカ』(2019年)を手がけられました。その経験も活きていますか。それはありますね。「ナウシカ」を作っていたときに、歌舞伎に寄せてしまうと「ナウシカ」の味が消えてしまい、でも「ナウシカ」に寄せてしまうと歌舞伎の良さが消えてしまうという試行錯誤があったので。バランスを探るにあたっては、「ナウシカ」の経験がとても力になっています。──その『ナウシカ』の他にもこれまでに、『NINAGAWA 十二夜』(2007年)、『マハーバーラタ戦記』(2017年)など、ご自身の企画・構想で新しい歌舞伎の舞台をつくってこられました。その原動力はどこにあるのでしょう。そもそも歌舞伎の古典も、それができた当時は、その時代を生きているお客様に届くものをと歌舞伎役者たちが考えて生まれた新作です。先人たちがしてきたように、今を生きている私たちも今の人に届く新作歌舞伎を作り、それが未来に残って古典になることが、先人へのご恩返しだと思っていますので。その思いが私の大きな原動力になっています。──古典として残っていく作品にするには、何が大切だと思われていますか。名作と言われているものには、やはり普遍的なテーマがあります。登場人物が様々に葛藤を抱えていて──今回も、シーモアがなぜ巨悪になってしまったのかというところを丁寧に描こうと思っているのですが──、そして、人が大事にしなければいけない心情がきちんと描かれている。「里見八犬伝」に“仁義礼智忠信孝悌”という12個の玉がありますが、その中でも私は、仁義礼信は特に普遍的なテーマであると思っています。──この『新作歌舞伎FFX』は、まさしくその要素を持っていると。そう思っています。心に刺さる名台詞が多いので、役者が演じるたびに深みを増していくと思います。何より、お互いに協力し合って困難に立ち向かっていき、どんな壁が立ちはだかってもあきらめずに前へ進んでいく主人公たちの姿勢は、コロナ禍の今にはなおさら響き、これから先も力となる、まさに普遍的なものだと思います。ユウナを演じる中村米吉にシーモア尾上松也ら魅力的なキャスティング──企画・演出のみならず、もちろん出演もされます。ヒロインのユウナを支えるティーダを演じられますが、演じ手としての意気込みも聞かせていただけますか。ティーダは、最初何も知らずにユウナを元気づけているのですが、この可憐な少女が自分が犠牲になる覚悟で戦いの旅に出ていることに途中で気づき、自分の力で世界を変えたいと思うその純粋な心に惹かれていきます。彼もまた、彼女の暮らす世界を変えたいと思うようになります。そんなふたりの人を思いやる素晴らしさを、深く丁寧に演じていきたいですね。──ユウナを演じられる米吉さんは、2019年の『風の谷のナウシカ』でご一緒されていて、その前半部分をもとに皇女クシャナに焦点を当てて今年7月に上演された「上の巻 ―白き魔女の戦記―」では、菊之助さんがクシャナを、米吉さんがナウシカを演じられました。どんな印象をお持ちですか。以前から古典でも素晴らしい役者さんだなと思っていたのですが、最初の『ナウシカ』でケチャ役に向き合われるクリエイティブで真摯な姿勢を拝見して、再演するときのナウシカは米吉さんしかいないと思いました。そして再演のときも新作に対する心構えが素晴らしく、同時進行でこの『FFX』の話も進んでいたので、ユウナは米吉さんにと心から思いお願いしました。他の皆さんも、金谷さんからキャスティングがみんなハマってますねと嬉しいお言葉をいただいたので、久しぶりにご一緒する(中村)獅童さんや、迫力あるシーモアになりそうな(尾上)松也さんなど、歌舞伎役者がゲームのキャラクターになり、演じるのを楽しみにしていただきたいですね。──ちなみに、お話を伺って、『FFX』を知らない人も楽しめる工夫をされていることがよくわかりましたが、何か予習をしてから劇場に行ったほうがいいでしょうか。歌舞伎の古典も、歌舞伎を初めてご覧になる方でも、物語のあらすじをある程度わかっていればお芝居を楽しんでいただけると思いますが、同じくこの『FFX』も、ざっくりとあらすじがわかったうえで観ていただけると、より楽しんでいただけるとは思っています。公式ホームページにあるあらすじを読んで来ていただけければ、必ず楽しめるしつらえになっておりますので。ぜひ劇場にお運びください。取材・文=大内弓子<公演情報>『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』2023年3月4日(土)~4月12日(水) 東京・IHIステージアラウンド東京※休演日:3月8日(水)、15日(水)、22日(水)、29日(水)、4月5日(水)開演時間:前編 12:00 / 後編 17:00(予定)『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』キービジュアル企画:尾上菊之助脚本:八津弘幸演出:金谷かほり尾上菊之助【出演】ティーダ役:尾上菊之助アーロン役:中村獅童シーモア役:尾上松也ルールー役:中村梅枝ルッツ役、23代目オオアカ屋役:中村萬太郎ユウナ役:中村米吉ワッカ役:中村橋之助リュック役:上村吉太朗ユウナレスカ役:中村芝のぶキマリ役:坂東彦三郎ブラスカ役:中村錦之助ジェクト役:坂東彌十郎シド役:中村歌六公式HP:
2022年11月09日2023年1月13日(金) に公開される映画『イチケイのカラス』に出演する新たなキャスト7名が発表された。本作は、講談社『モーニング』で連載されたマンガ『イチケイのカラス』を原作に、2021年4月期にフジテレビ系列月曜9時枠にて放送された連続ドラマの劇場版。メガホンをとるのは、映画『コンフィデンスマンJP』シリーズはじめ、数々のヒット作を手掛けてきた田中亮監督。脚本は映画『プラチナデータ』やドラマ『絶対零度』シリーズを手掛ける浜田秀哉が担当し、ドラマから引き続きタッグを組む。東京地方裁判所第3支部第1刑事部<通称:イチケイ>を去ってから2年後、岡山県瀬戸内に異動になった裁判官・入間みちお(竹野内豊)は、史上最年少防衛大臣にまつわる傷害事件を担当。事件の背景にあった近海で起きたイージス艦の衝突事故を調べていくが、航海内容は全て国家機密。みちおは伝家の宝刀「職権発動」が通用しない難敵に挑んでいくこととなる。一方で、みちおと共に数々の事件を裁いてきたエリート裁判官・坂間千鶴(黒木華)は、裁判官の他職経験制度のもと、みちおの隣町で弁護士として働き、町を支える地元大企業に関わる事件を担当するが、そこにある疑惑が……。新たに発表されたのは、坂間が弁護士として働く岡山県日尾美町やその地域にある大手企業「シキハマ株式会社」の面々。「シキハマ株式会社」の産業医を務め、坂間と姉妹のように仲良くする小早川悦子役に吉田羊、悦子の夫で町役場の職員・小早川輝夫役を宮藤官九郎、「シキハマ株式会社」の顧問弁護士を務め、今回坂間と法廷で敵対する相手・三田村武晴役を尾上菊之助、「シキハマ株式会社」の工場長を務める強面の木島昌弘役を平山祐介、日尾美町の和菓子屋で働くお調子者の植木幸太郎役を八木勇征が務める。さらに、今作の鍵である「イージス艦と貨物船の衝突事故」により帰らぬ人となった貨物船の船長・島谷秀彰役を津田健次郎、事故の真実を知りたいあまり傷害事件を引き起こしてしまう妻・島谷加奈子役を田中みな実が演じる。併せて、今回発表されたキャスト陣も登場する本ポスタービジュアルが公開された。みちおと坂間が背中合わせで並ぶ姿、そしてその隣に掲げられた「真実を明らかにするために――」「本当に裁かれるべきは誰か――」という意味深な言葉。みちおと坂間の境界線を中心に豪華俳優陣が左右対称に並べられたレイアウトは、今回2人が立ち向かう「イージス艦の海難事故」と「地元大企業の秘密」という国を揺るがしうる“2つの闇”を象徴的に感じさせる。ポスタービジュアルは、11月11日(金) より全国の映画館(※一部地域を除く)にて順次掲出される。<作品情報>映画『イチケイのカラス』2023年1月13日(金) 全国公開映画『イチケイのカラス』本ポスタービジュアル原作:浅見理都『イチケイのカラス』(講談社モーニング KC 刊)監督:田中亮脚本:浜田秀哉音楽:服部隆之【出演】竹野内豊 / 黒木華 / 斎藤工 / 山崎育三郎 / 柄本時生 / 西野七瀬 / 田中みな実 / 桜井ユキ / 水谷果穂 / 平山祐介 / 津田健次郎 / 八木勇征 / 尾上菊之助 / 宮藤官九郎 / 吉田羊 / 向井理 / 小日向文世映画『イチケイのカラス』予告公式サイト:
2022年11月08日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区 家元:尾上菊之丞)4代家元尾上菊之丞と宗家藤間流(事務所所在地:東京都港区 宗家:藤間勘十郎)八世宗家、藤間勘十郎は2020年7月、コロナ禍においても日本舞踊・伝統芸能の魅力を発信すべくオンラインサロン「K2 THEATRE」をスタートいたしました。2022年12月16日(金)、初めての舞踊公演を日本橋公会堂で開催、2022年11月1日(火)よりチケットを発売いたします。「関の扉」には歌舞伎役者の尾上右近氏も特別出演いたします。URL: 尾上菊之丞と藤間勘十郎 1■K2 THEATRE(ケーツーシアター)とは古典芸能の世界は伝統やしきたりを大切にする、クローズドな世界でもあります。コロナ禍で芸術や文化の意義が問われ、披露の場も縮小されるなか「オンラインサロン」という場で広く門戸を開き、沢山の魅力をお伝えしたい。そんな想いで流派の垣根を超えて、尾上流四代家元、尾上菊之丞と宗家藤間流八世宗家、藤間勘十郎が2020年に立ち上げたサロンです。新作から古典まで撮りおろしの日本舞踊やライブ配信、伝統芸能解説、和楽器演奏、楽屋拝見など“ここでしか観ることのできない”多彩なコンテンツをお届けしています。現代ではなかなかふれる機会のない日本舞踊・伝統芸能の世界を「お好きなときに」「何度でも」「自分のペースで」楽しめる、日本人なら知っておきたい古典芸能サロンです。■「オンラインサロンK2 THEATRE特別舞踊公演」詳細新しい表現の場である「K2 THEATRE」初の舞踊公演です。生の舞台の息遣いを感じていただきたく、全曲古典作品でありながらも、様々な趣向にてご覧いただきます。流儀として大切にしている演目や、衣裳拵えもあれば素踊りもあります。ゲストには尾上右近氏をお迎えして歌舞伎舞踊の大古典を勘十郎さんが練り直した「関の扉」を上演。尾上菊之丞の子供たちも出演いたします。日本舞踊の魅力、生の舞台をお楽しみください。11月中に家元と宗家、尾上右近氏によるインスタライブも実施予定です。一、女夫狐(常磐津) 藤間勘知恵・藤間勘松音・藤間勘光二、二人椀久(長唄) 尾上菊透・尾上菊晴三、漁樵問答(長唄) 尾上菊之丞・藤間勘十郎四、外記猿(上) 羽鳥嘉人汐汲 (下) 羽鳥以知子五、関の扉(常磐津) 藤間勘十郎・尾上右近・尾上菊之丞場所 : 中央区立 日本橋公会堂/東京都中央区日本売蛎殻町1-31-1半蔵門線「水天宮前」A6出口・日比谷線「人形町」A2出口・浅草線「人形町」A5出口日時 : 2022年12月16日(金)午後4時30分開演 ※午後4時開場入場料: 1階席8,000円 2階席6,000円 ※全席指定/税込演奏 : 長唄/唄:日吉小八郎 三味線:東音河野文常磐津/浄瑠璃:常磐津和英太夫 三味線:常磐津菊寿郎囃子/藤舎千穂 連中チケット申込 : チケットに関するお問い合わせ先: 株式会社TOMABUNE03-6812-9592 kanjurou.soke@gmail.com ■K2 THEATRE概要初の舞踊公演を記念し、2022年11月1日より12月末まで、初月無料で「K2 THEATRE」のコンテンツをお楽しみいただけます。名称: K2 THEATRE(ケーツーシアター)概要: CAMPFIREにて入会申込後、Facebookクローズドグループにて視聴&コミュニケーションURL : ※サロンメンバーとしてご登録後、初月無料でご視聴いただけます。■尾上流(おのえりゅう)とは日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創立されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさずその魅力を国内外へ伝え続けます。尾上菊之丞■三代目 尾上菊之丞(おのえ きくのじょう) 尾上流四代家元1976年生まれ。2歳から父に師事し5歳で初舞台、2011年四代目尾上流家元を継承し三代目尾上菊之丞を襲名。新作の創作にも力を注ぎ、様々な作品を発表。日本を代表する和太鼓奏者、林英哲氏をはじめ様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションにも積極的に挑戦。京都芸術大学非常勤講師。新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けています。歌舞伎や宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」等を振付。OSK日本歌劇団、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」などを演出。日本舞踊界初の映像作品、日本舞踊Neo「地水火風空そして、踊」では作・演出を務めています。■■コメント■■「勘十郎さんとはこれまで様々な形で共に力を合わせて歩んで参りました。時に作曲家と役者として、時に浄瑠璃と三味線のコンビとして、また今回の会場となる日本橋劇場にて2008~2014までの7年間「趣向の華」という夏の勉強会の共同主催者として、そして2020年コロナ禍に突入して立ち上げたオンラインサロン「K2THEATRE」の共催者として初めて2人で本業の舞踊公演を開催します。また互いの流儀とも大変関わりの深い尾上右近さんを迎えての舞台を是非ご覧ください!」尾上流 : Instagram: Facebook : Twitter : ■宗家藤間流とは宗家藤間流は日本舞踊の五大流派の一つで、江戸時代から今日まで300年以上の歴史があります。代々、歌舞伎の振付師であり、六世藤間勘十郎は多くの振付作品を残したことで人間国宝に指定されました。彼は衣装や鬘を付けない「素踊り」を積極的に取り入れ、今でも「素踊り」は当流において根幹をなす踊りのスタイルです。歌舞伎舞踊と六世の作品や手法の両方を守り、発展させています。藤間勘十郎■宗家藤間流八世宗家 藤間勘十郎(ふじまかんじゅうろう)1980年生まれ。歌舞伎振付師。宗家藤間流現宗家。2002年、22歳で八世を襲名、翌年に芸術選奨文部科学大臣賞新人賞を受賞。歌舞伎舞踊の振付以外にもオペラやニコニコ超歌舞伎などの舞台演出等、多方面で活躍。振付師として活動する一方で後進の育成にも力を入れる。また、2007年のフランスや2015年のブラジルなどの積極的に海外公演を行い、日本伝統芸能の魅力を国内外に発信しています。■■コメント■■「藤間勘十郎でございます。この度K2シアター初の舞踊公演にゲストとして尾上右近さんをお迎えし天下転覆を企む悪人とそれを打ち砕く桜の精の奇想天外な物語を描いた歌舞伎舞踊の名作【関の扉】、若返りの水を求め養老乃瀧に現れた樵夫が竜宮城帰りの浦島太郎と出会う【漁礁問答】を上演致します。今まで色々舞台で御一緒してる菊之丞さんと、二人の舞踊公演は実は初めて!!どのような公演になりますか乞う御期待!是非劇場に!」藤間勘十郎HP: Instagram : Facebook : Twitter : YouTube : 尾上右近■歌舞伎役者 尾上右近(おのえ うこん)1992年生まれ。清元宗家七代目 清元延寿太夫の次男。曾祖父は六代目尾上菊五郎、母方の祖父には俳優 鶴田浩二。7歳で歌舞伎座『舞鶴雪月花』の松虫で本名の岡村研佑で初舞台。12歳で新橋演舞場「人情噺文七元結」の長兵衛娘お久役ほかで、二代目尾上右近を襲名。2018年1月清元栄寿太夫を襲名。■■コメント■■「二人のお師匠さんとこのような形でご一緒させていただける日が来たなんて夢のようです。僕も本名の頭文字がKなので、ある意味K3のつもりで励みます!」尾上右近HP: Instagram : Twitter : YouTube : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月01日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区 家元:尾上菊之丞)4代家元尾上菊之丞と、大蔵流茂山千五郎家の狂言方能楽師、茂山逸平は、2022年12月10日(土)に東京のセルリアンタワー能楽堂、12月24日(土)に京都の金剛能楽堂で14回目となる「逸青会」を開催いたします。「連獅子」には花柳基氏、「きつね」には歌舞伎役者の中村莟玉氏も特別出演いたします。2009年からの二人会「逸青会」【逸青会とは】舞踊家・尾上菊之丞と狂言方能楽師・茂山逸平が互いのジャンルを越え、新しい形としての舞踊と狂言の可能性を追求している二人会です。2009年より毎年創作を重ねさまざまな形で継続して開催、この度14回目を迎えます。古典作品の上演に加え、互いのジャンルの研鑽と、「舞踊」「狂言」という似て非なる芸能を合わせ、単なるコラボレーションに終わらない新しい可能性を求めて毎回「舞踊狂言」として新しい作品を創作、発表しています。現在までに十作品を超える逸青会オリジナル作品が生まれ、コロナ禍以降、オンライン配信も実施しています。逸青会YouTubeチャンネル: 【「逸青会」詳細】日本舞踊と狂言の古典作品をご覧いただいたのちに、新作「きつね」をご覧いただきます。古典作品は日頃からご縁の深い方々にもご出演頂き、3日間異なる演目を上演いたします。新作「きつね」には歌舞伎役者の中村莟玉を迎え、歌舞伎舞踊にも狂言にも登場する「きつねが化けた人間」のそれぞれの表現の違いを柱に物語が展開します。第一線で活躍する演者たちが挑戦して創り上げる、新しいエンターテインメントをお楽しみください。【東京】13時開演の部 ※12時半開場一、北州(清元) 尾上菊之丞二、寝音曲(狂言) 茂山逸平・島田洋海三、きつね(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・中村莟玉【東京】16時開演の部 ※15時半開場一、連獅子(長唄) 花柳基・尾上菊之丞二、泣尼(狂言) 茂山逸平・茂山七五三・島田洋海三、きつね(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・中村莟玉【京都】15時開演 ※14時半開場一、巽八景(長唄) 尾上菊之丞・尾上京二、音曲聟(狂言) 茂山逸平・茂山七五三・茂山慶和・島田洋海三、きつね(新作) 尾上菊之丞・茂山逸平・中村莟玉■■きつね■■初音の鼓の持主が変わり、主人の都合よく呼び出されるのに困った源九郎狐は友達の白蔵主狐を呼んできますが何の役にも立ちません。そこで新たな若い狐を募集する事にします。やって来た若狐に二人はアレやこれやと教え込むのですが、、場所 :東京 セルリアンタワー能楽堂京都 金剛能楽堂日時 :東京 2022年12月10日(土)13時開演・16時開演 ※2回上演京都 2022年12月24日(土)15時開演入場料:6,000円※全席指定/税込演奏 :長唄/今藤政貴・杵屋栄八郎社中 囃子/藤舎貴生社中チケット申込 : チケットに関するお問い合わせ先: 03-3541-6344(平日10時~18時) info@onoe-ryu.com 【尾上流(おのえりゅう)とは】日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創立されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさずその魅力を国内外へ伝え続けます。尾上菊之丞三代目 尾上菊之丞 (おのえ きくのじょう)尾上流四代家元1976年生まれ。2歳から父に師事し5歳で初舞台、2011年四代目尾上流家元を継承し三代目尾上菊之丞を襲名。新作の創作にも力を注ぎ、様々な作品を発表。日本を代表する和太鼓奏者、林英哲氏をはじめとする様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションにも積極的に挑戦している。京都芸術大学非常勤講師。振付:尾上菊五郎劇団「NINAGAWA十二夜」歌舞伎NEXT「阿弖流為」ラスベガス歌舞伎公演「鯉つかみ」「獅子王」スーパー歌舞伎II「ワンピース」「オグリ」や宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」等をを振付。演出:「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」「赤胴鈴之助」、OSK日本歌劇団「ツクヨミ」「光」、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」などを演出。新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けている。WEB上での発信にも力を注ぎ、藤間流家元・藤間勘十郎氏と古典芸能オンラインサロン「K2 TEATRE」を主催。日本舞踊界初の映像作品、日本舞踊Neo「地水火風空そして、踊」では作・演出を勤める。■■コメント■■今年も逸青会を開催できることを嬉しく思います。今年の新作は「きつね」、伝統芸能には狐が登場する作品がいくつもあります。狂言や舞踊、歌舞伎それぞれの表現の違いや共通点を利用し、ゲストに中村莟玉さんを迎えて描こうと思います。また、東京公演では舞踊の名手である花柳基さんと連獅子、京都公演では幼い頃からずっと一緒に修行してきた尾上京さんと踊ります。伝統芸能を見たことがあまりない方にはわかりやすく。伝統芸能大好きな方には新たな発想をお見せできればと思います。是非ご来場ください。尾上流 : Instagram: Facebook : Twitter : 古典芸能オンラインサロン『K2 THEATRE』(ケーツーシアター) 【江戸時代から記録に残る狂言の名門 茂山千五郎家】茂山千五郎家は江戸時代初期から歴史に残る京都在住の狂言の家系です。貞享4年(1687年)の文献に【油小路通四条下る】に「茂山徳兵衛」という狂言師が記されており、この徳兵衛が五代目、姫路藩、本田忠国のお抱えで十五世宗家の弟子であったことも分かっております。(※現在は十四世茂山千五郎が当主)長い歴史がありながら、茂山千五郎家では十世正重(二世千作)の「お豆腐のような狂言師」という言葉が大切に語り継がれています。一部の方だけが楽しむ、限られた世界の芸能ではなく、「いつの世も、どなたからも広く愛される、飽きのこない、そして味わい深い」そんな「お豆腐狂言」を目指しています。茂山逸平狂言方 能楽師 茂山逸平(しげやま いっぺい)1976年うまれ。4歳の時『業平餅』の童にて初舞台。その後『千歳』『三番三』『釣狐』を披く。1994年に、宗彦、茂と「花形狂言少年隊」を結成し活躍。また2000年より心・技・体、教育的古典狂言推進準備研修錬磨の会=「TOPPA!」を千三郎、正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に主催し、活動。NHK連続テレビ小説「京、ふたり」「オードリー」「ごちそうさん」他、舞台・CMにも数々出演。2006年より「HANAGATA」を正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、童司と共に再開。2020年からはHANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」として企画・製作・出演までを自分たちでおこない活動している。2006年秋から1年間フランスに留学。2009年より「逸青会」を主催。■■コメント■■今回の新作は『きつね』をご覧頂きます。あの狐とこの狐を結びつけてみたらどうなるか?そんな狐達が後継者を育成したらどんな苦難があるのか?今回こそ“逸青会だからこそ”可能な作品かもしれません。中村莟玉さんには結構なご負担を担って頂く事になりそうなので先にこの場で謝っておきます(笑)口伝を持って受け継がれる伝統芸能の世界を逸青会ならではの世界観でお楽しみ頂きます!茂山千五郎家 : Instagram : Facebook : Twitter : YouTubeチャンネル: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年10月11日新たなエンタメ舞台の主役5人を選ぶサバイバルオーディション番組「主役の椅子はオレの椅子シーズン2」第1話が放送。MCの尾上松也は参加俳優の涙ながらの訴えを「何がしたいかという思いがあるのは素晴らしいこと」と称賛、ゲストの荒牧慶彦は奮闘する若手俳優たちに「できないのは当たり前。やりきることが大事」とエールを贈った。本番組は、「ABEMA」、ネルケプランニング、講談社、キングレコードによる4社共同プロジェクト。2.5次元界のスターとなる新たなエンタメ舞台の主役5人を選ぶ、俳優育成オーディションバトル番組。「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」Rule the Stageの演出を手掛ける総合プロデューサー・植木豪氏のもと、15人の“プロ”の若手俳優たちから勝ち残った栄えある5人は、新たな2.5次元俳優ユニットとして活動。選ばれた5人をオリジナルキャラクターとする舞台、コミックス、音楽、映像など、メディアミックス作品が世に送り出される。9月29日(木)の初回放送では、1次審査を突破した15名の顔ぶれが明らかに。さらに、15名の候補生たちが第1課題となるダンス審査に果敢に挑む様子が報償された。尾上松也、何がしたいのか「ちゃんと言えるというのが素敵」第1話では、1次オーディションとなったダンス、芝居、歌唱の3つの審査により選ばれた、最終候補生15名の顔ぶれが明らかに。候補生となる15名には、植木さんから直接合否を伝えられる。ほとんどの候補生たちが最終候補に選ばれたことを聞くと驚いたり、笑顔になったりする中、ただ1人だけ表情を崩さなかったのは、芸能界に入ってわずか1年という打越漣(うちこしれん)。打越さんは、歌唱オーディションの際に緊張のあまり歌詞が飛んでしまい、立ち尽くしてしまったという苦い記憶があり、それゆえ、最終候補に選出されるとは思ってもいなかったよう。植木さんは、打越さんの失敗について「(本番では)そういうことがあるんだということを、自分の心に残してほしい。きちんとあがいて頑張ったら成果が出ると、そういうことがわかった1次オーディションだったんじゃないかな」と語りかけると、打越さんも「1次審査はなかなか悲惨なものだったので、ここからは全力でやるしかない」と決意を新たにしていた。そして、植木さんから合否を伝えられる前に、「一つお伺いしたことがあるのですが…」と切り出したのは、俳優6年目の佐藤たかみち。佐藤さんは「もし主役の5人に選ばれた場合、メインとなる活動はアイドルになるんですか?」と植木さんに問いかける。佐藤さんは、自分は俳優として成り上がっていきたいため、アイドル活動となると自分のやりたいこととは道が逸れてしまうのではないかと、懸念していることを涙ながらに伝える。そんな佐藤さんの想いを受け、植木さんは「芝居のみで戦っていくのは実は一番難しい。ミュージカルも2.5次元作品も(活躍している)皆さんは歌って踊れます。本当に俳優としてやっていきたいのであれば、いろんな技術を磨いて戦っていかなきゃ勝てない。(今回のオーディションは)芝居ができてずっと戦っていける人を探して、今の舞台界に風穴を開けていきたいと思っているから、歌やダンスの審査もしている」と真摯に返答。植木さんの想いに心を動かされた佐藤さんは、最後には笑顔を見せ、オーディションに挑むことに。これに対し、ゲストの荒牧さんは「やりたいことがはっきりしているのはいいですね」と言い、MCの尾上松也さんも「何がしたいかという思いがあるのは素晴らしいこと。それをちゃんと言えるというのが素敵だなと。今回、この大人たちを利用するつもりでやってみればいいんですよ」と、臆せず自分の想いを伝えきった佐藤さんへ称賛を送った。荒牧慶彦、奮闘する若手俳優たちに「やりきること、食らいつくことが大事」最終候補に選ばれた15人での審査初日。何も聞かされず集められた候補生たちだったが、植木さんより、今後行われる各種目別審査にて、特別講師が課題を与え審査すること、毎回TOP5を決めて発表されること、12月に実施される最終審査には、この審査結果が加味されていくことが明かされる。第1回目の課題となるのはダンス。そしてダンス審査の特別講師には、ストリートダンスで世界1位に輝いた経歴を持つ、振付師・演出家のToyotakaと、振付師としても活躍する俳優・福澤侑が招かれた。ダンス審査で与えられたのは、わずか22秒ほどの課題。しかし、ステップ、ターン、腕の振りなど、ダンスの基礎が詰まっている内容に、ダンス未経験者はおろか、経験者からしても難易度の高い課題となり、候補生たちの表情は曇ってしまう。全員が悪戦苦闘しつつも、未経験の候補生たちに経験者の候補生たちがアドバイスをするなど、全員で切磋琢磨するひと幕もあり、荒牧さんは「できないのは当たり前。やりきること、食らいつくことが大事」とエール。そして、課題の審査が始まると、未経験者たちは慣れないダンスに苦戦し、経験者たちも緊張のあまり振りが飛んでしまうハプニングが起こるなど、初日から波乱万丈の結果に。果たして、第1回目の課題でTOP5に選ばれたのは誰なのか、見逃せない。また、15人が挑んだ1次オーディションの模様および候補生15人の舞台裏に密着した特別映像は「ABEMAプレミアム(※)」限定で配信中となっている。「主役の椅子はオレの椅子シーズン2」は毎週木曜23時~ABEMA SPECIALチャンネルにて放送中。※「ABEMAプレミアム」は、月額960円で、「ABEMA」をより一層お楽しみいただける「ABEMA」のプレミアムなプラン(text:cinemacafe.net)
2022年10月02日「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」の配役ほか公演詳細が明らかになった。2001年リリースの「ファイナルファンタジーX」が、尾上菊之助、中村獅童、尾上松也、中村錦之助、坂東彌十郎、中村歌六出演で新作歌舞伎として世界初上演。ティーダとユウナの物語、白熱のブリッツボール、異界送り、ラストバトルなど見どころ満載かつ、物語のはじまりから終わりまでを描くため、上演時間は前編・後編通しでおよそ6~7時間(休憩を含む)を予定。菊之助さんがティーダ、獅童さんがアーロン、松也さんがシーモア、錦之助さんがブラスカ、彌十郎さんがジェクト、歌六さんがシドを演じるほか、中村梅枝/ルールー、中村萬太郎/ルッツ・23代目オオアカ屋、中村米吉/ユウナ、中村橋之助/ワッカ、上村吉太朗/リュック、中村芝のぶ/ユウナレスカ、坂東彦三郎/キマリという配役が発表となった。また、RIKKIが歌うバラード「素敵だね」が流れ、ティーダの声を務める森田成一と、本作で同役を務める菊之助さんが共にナレーションを担当した第2弾スポットも完成した。森田さんは「スクウェア・エニックスによる映像が、IHIステージアラウンド東京という最新の劇場で、伝統芸能・歌舞伎と融合する・・・!日本が誇る『伝統と最新』のエンターテインメント。これこそ正に“FANTASY”です!劇場に行くのが今から楽しみでなりません!」と期待のコメントを寄せた。この公演のためだけに、オリジナルCGビジュアルをスクウェア・エニックスのイメージ・スタジオ部が特別に制作。ザナルカンドを背景に主人公ティーダとヒロイン・ユウナが微笑みあうピュアなビジュアルが誕生。さらに、一般発売(11月19日)に先駆けて、9月14日(水)10:00~10月2日(日)23:59まで公演公式サイトにて、オリジナルCGビジュアルアクリルスタンド付SS席限定の超最速先行が決定した。「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」は2023年3月4日(土)~4月12日(水)IHIステージアラウンド東京(豊洲)にて上演。(cinemacafe.net)
2022年09月14日尾上松也、安田顕、河合郁人(A.B.C-Z)らが吹き替えを務める映画『バッドガイズ』より、アフレコワイプ付き吹替CLIP映像が到着した。今回到着した映像では、銀行強盗から華麗に逃げ去る、権力者や富豪たちから華麗なテクニックで財宝を奪う怪盗集団・バッドガイズの様子が見られる。そして、車で逃走しながらも、松也さんが声をあてるリーダーのミスター・ウルフが、親友で金庫破りのスネーク(安田さん)、天才ハッカーのタランチュラ(ファーストサマーウイカ)、ラテン系肉体派・ピラニア(河合さん)、変装の達人・シャーク(長田庄平)と、超個性的なバッドガイズのメンバーを紹介。5人の声もたっぷり入っており、それぞれのキャラクターの技や性格も分かる、まさに5人のお披露目映像となっている。『バッドガイズ』は10月7日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:バッドガイズ 2022年、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2022年08月23日日本舞踊の流派のひとつである尾上流(事務所所在地:東京都中央区 家元:尾上菊之丞)は、2022年9月3日(土)、東京・国立劇場にて「尾上菊之丞の会」を主催いたします。四代家元・尾上菊之丞襲名から11年、初めての「尾上菊之丞の会」となる本公演では、尾上宗家の継承者である尾上菊之助をはじめ、尾上松也、茂山逸平など普段から交流の深い共演者を招き、尾上菊之丞の実父である尾上墨雪も出演。一日かぎりの珠玉の舞台を上演します。尾上流四代家元 尾上菊之丞尾上流: 【尾上流(おのえりゅう)とは】日本舞踊尾上流は1948年(昭和23年)歌舞伎俳優尾上宗家の六代目尾上菊五郎によって創立されました。「品格、新鮮、意外性」を初代家元の言として大切にしています。 六代目尾上菊五郎の歩んだ日本舞踊の理念に基づき、上品な舞踊、格調の高い舞踊芸術を掲げ、日本の文化を絶やさず、日本舞踊の魅力を国内外へ伝え続けます。【「尾上菊之丞の会」詳細】初舞台や襲名披露を行った思い出深い国立劇場にて、日頃からご縁の深い方々にご助力頂き、初代尾上菊之丞振付の古典作品から新作まで全四番を上演いたします。一、猩々 尾上松也・尾上菊之丞・尾上墨雪美しい月の夜、水中から現れた酒を好む妖精「猩々(しょうじょう)」。酒を酌み交わして舞を披露し、酒売りの親孝行を称え、汲めども尽きぬ酒の泉を与えます。二、鏡の松 茂山逸平・尾上菊之丞能舞台、歌舞伎の松羽目でおなじみの鏡の松。そこに現れた不思議な老人と、俳優(わざおぎ)とのやりとり・・「逸青会」から生まれた創作作品です。三、蝶の道行 尾上菊之助・尾上菊之丞現世で結ばれず非業の死を遂げた助国と小槙はつがいの蝶となって思い出に耽るうち、修羅の迎えに容赦なく責められます。文楽の名曲にのせた幻想的な道行です。四、八俣の大蛇 尾上菊之丞・(語り)尾上松也邦楽劇「幸魂奇魂」。作詞 松本隆・作曲 藤舎貴生により現代に甦った古事記の世界。素戔嗚尊(スサノオノミコト)の「八俣の大蛇」を素踊りで表現します。尾上菊之丞の会場所 : 国立劇場 大劇場日時 : 2022年9月3日(土)午後3時開演午後5時50分終演予定入場料: S席12,000円/A席9,000円/B席6,000円/C席4,500円※全席指定/各税込金額出演 : 尾上菊之助/尾上松也/茂山逸平/尾上墨雪/尾上菊之丞演奏 : 竹本織太夫/今藤政貴/杵屋栄八郎/都一桜/都一中/藤舎貴生他チケット申込 : お問い合わせ先: 03-3541-6344(平日10時~18時)/ info@onoe-ryu.com 三代目 尾上菊之丞/尾上流四代家元1976年生まれ。2歳から父に師事し5歳で初舞台、2011年四代目尾上流家元を継承し三代目尾上菊之丞を襲名。「尾上会」「菊寿会」を主宰するほか、狂言師茂山逸平氏との「逸青会」や自身のリサイタルを主宰。新作の創作にも力を注ぎ、様々な作品を発表。日本を代表する和太鼓奏者、林英哲氏をはじめとする様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションにも積極的に挑戦している。京都芸術大学非常勤講師。振付師としては、尾上菊五郎劇団「NINAGAWA十二夜」、松本幸四郎主演歌舞伎NEXT「阿弖流為」やラスベガス歌舞伎公演「鯉つかみ」「獅子王」、市川猿之助主演スーパー歌舞伎II「ワンピース」「オグリ」等の新作歌舞伎や宝塚歌劇団、万国博覧会、フィギュアスケートショー「氷艶」を振付。演出家としては、尾上菊之助主演「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」、尾上松也、生田斗真主演「赤胴鈴之助」、OSK日本歌劇団「ツクヨミ」「光」、高橋大輔主演アイスショー「Luxe」などを演出。新橋「東をどり」、先斗町「鴨川をどり」の花街舞踊でも演出振付を手掛けている。インターネットでの日本舞踊の発信にも力を注ぎ、藤間流家元である藤間勘十郎氏と共同で古典芸能オンラインサロン「K2 THEATRE」を主催。日本舞踊界初の映像作品、日本舞踊Neo「地水火風空そして、踊」では作・演出を勤める。講演やワークショップによる伝統芸能の啓蒙にも取り組んでいる。Instagram: Facebook : Twitter : 古典芸能オンラインサロン『K2 THEATRE』(ケーツーシアター) 【三代目 尾上菊之丞/四代家元 コメント】尾上菊之丞を襲名して11年、この『尾上菊之丞の会』が初のリサイタルになります。初代菊之丞から受け継ぐ古典と近年創作した新作の歌舞伎舞踊や狂言の台詞劇、古曲の素踊りに現代語の新しい邦楽など、日本舞踊の多彩な表現をお楽しみいただきたいと思います。共演には、尾上菊之助さんをはじめ常々作品創りを共にする戦友ともいえる皆様を迎えます。是非生の舞台を五感で感じてください。【五代目 尾上菊之助(歌舞伎役者) コメント】尾上菊之助菊之丞さんと私は年齢も近く、子供の頃から伝統芸能を担う者同士日々切磋琢磨しています。そんな菊之丞さんが会を主催なさることはとても嬉しく、また出演できることに感謝し、公演の成功をお祈りいたします。【茂山逸平(狂言方 能楽師) コメント】茂山逸平青楓から菊之丞に襲名なさってから初のリサイタル!その中に『逸青会』の作品が入った事が本当に嬉しく、また十数年一緒に作品を創ってきた相方?として協力出来る事に有り難く思います!能楽堂バージョンではない『鏡の松』をどうぞお楽しみに!【二代目 尾上松也(歌舞伎役者) コメント】尾上松也この度『尾上菊之丞の会』に出演させて頂きます尾上松也でございます。日頃から御世話になっている菊之丞さんとの舞台、大変有難く光栄でございます。皆様何卒ご観劇の程よろしくお願い致します。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年08月02日2023年春、「ファイナルファンタジー」シリーズ35周年を記念してIHIステージアラウンド東京(豊洲)にて『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』が上演されることが決定した。本作は、『NINAGAWA 十二夜』『マハーバーラタ戦記』『風の谷のナウシカ』など自身の企画、構想などから新しい歌舞伎の舞台を創り出してきた尾上菊之助が、更なる高みに挑戦すべく歌舞伎化を熱望した渾身の新作歌舞伎となっている。会場となるIHIステージアラウンド東京は、周囲を取り囲む360度全てに展開されるステージとその中心に巨大な円形の観客席を配置し、観客席自体が回転しながら舞台、映像、音楽などを融合することで生まれる、これまでにない感覚や“没入感”が魅力の舞台。『ファイナルファンタジーX』の世界観はそのままに、IHIステージアラウンド東京ならではの臨場感と迫力でザナルカンドへの旅を再現する。記念すべき初上演の出演者は、歌舞伎の舞台のみならずドラマ『グランメゾン東京』『下町ロケット』などで活躍する尾上菊之助をはじめ、映画やドラマなど出演は多岐にわたり、近年ではバーチャル×歌舞伎という両者の世界観が見事に融合する「超歌舞伎」など新しい形の歌舞伎にも挑戦し続けている中村獅童、歌舞伎界期待の若手俳優でドラマ、ミュージカル、バラエティーなど様々な場でマルチな活躍をみせる尾上松也、そしてNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で小栗旬演じる北条義時の父・北条時政を熱演中の坂東彌十郎と魅力溢れる豪華な顔ぶれとなっている。『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』出演者写真脚本は連続テレビ小説『おちょやん』(NHK)、『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)など心温まる人情ドラマから重厚な人間ドラマまで多くのヒットドラマを手掛けている八津弘幸。共同演出は、『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』やB’zのドームツアーなど成功させ、ダイナミックかつ繊細に魅せる演出が注目されている金谷かほりが手掛ける。■企画・演出 尾上菊之助 コメント名作ゲーム『ファイナルファンタジーX』と日本が誇る伝統芸能の歌舞伎が融合し、相互の文化をつなぐ新しい架け橋にしていきたいと思い、『新作歌舞伎 ファイナルファンタジー X』 を企画いたしました。IHIステージアラウンド東京での歌舞伎公演は初めての挑戦になりますが、発売当時にゲームをした時の衝撃的で感動した気持ちを大切に、ゲームを大好きな人にも、歌舞伎を観たことがない方にもぜひ観てもらいたいと思っております。高さ8メートルの巨大スクリーンに映し出される映像が舞台を彩り、あたかも「ファイナルファンタジー」の世界にいるかのような没入感をご堪能いただけると思います! このような時代だからこそ、観て頂きたい心に響くストーリーです。ぜひ劇場にお越しください。■『ファイナルファンタジーX』プロデューサー 北瀬佳範 コメント最初にこの話を頂いた時は“まさか”という半信半疑の気持ちでいっぱいでしたが、尾上菊之助様から直接、熱のこもった思いを伝えていただき大変感動したのを覚えています。大衆娯楽としては最後発のビデオゲームと日本の伝統芸能である歌舞伎とのコラボがどのような感動を生みだすのか。今からワクワクが止まりません。<公演情報>『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』2023年春 上演(予定)会場:IHIステージアラウンド東京(豊洲)『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』ロゴ【出演】尾上菊之助 / 中村獅童 / 尾上松也中村梅枝 / 中村萬太郎 / 中村米吉 / 中村橋之助 / 上村吉太朗 / 中村芝のぶ坂東彦三郎 / 坂東彌十郎 / ほか【物語】大いなる脅威『シン』に人々がおびえて暮らす、死の螺旋にとらわれた世界スピラ。民はエボン寺院に心のよりどころを求め、召喚士たちは「命と引きかえに発動する究極召喚こそ『シン』を倒す唯一の手段」とする寺院の教えを信じ、スピラに平穏をもたらすべく旅に出る。究極召喚でも『シン』は完全には死なず、一定の期間を経て復活するが、それでも『シン』の出現しない時期――ナギ節は、人々の心につかの間の安息を与えていた。ビサイド村の少女ユウナも、ナギ節をもたらそうと決意した召喚士のひとりだった。異世界ザナルカンドからスピラへと迷いこみ彼女と出会った少年ティーダは、見知らぬ世界にとまどいながらも、召喚士を守る「ガード」としてユウナに同行する。『シン』に立ち向かう討伐隊の壊滅、明かされる『シン』の正体、そして寺院の裏切り――旅のなか、衝撃の出来事が幾度となくティーダたちを襲うが、彼らはそれを乗り越え、自分たちの物語をつむごうとする。■『ファイナルファンタジーX』について2001年に「ファイナルファンタジー」シリーズの第10弾として、発売された『ファイナルファンタジーX』。世界累計出荷・DL販売本数は、2080万本以上(2021年9月末時点)のシリーズ屈指の人気作。大いなる脅威『シン』に立ち向かう少年と少女の切ない物語が、シリーズで初めて採用されたキャラクターボイスや状況に応じて表情が変化するフェイシャルアニメーションの採用により感情豊かに描かれ、その感動的な物語は今なお多くのユーザーに愛され続けている。公式HP:『新作歌舞伎 FINAL FANTASYX』 ティザーCM
2022年07月19日2001年7月19日に発売され、ゲーム業界に新たな金字塔を打ち建てたシリーズ第10弾「ファイナルファンタジーX」を“大長編 歌舞伎”で描き出す『新作歌舞伎ファイナルファンタジーX』が2023年春に上演決定。「ファイナルファンタジー」シリーズ35周年記念として、豪華歌舞伎俳優が集結する。企画・演出・出演は尾上菊之助。これまでも「NINAGAWA十二夜」「マハーバーラタ戦記」「風の谷のナウシカ」など自身の企画、構想などから新しい歌舞伎の舞台を創り出してきた。この作品は菊之助さんがさらなる高みに挑戦すべく歌舞伎化を熱望した渾身の新作歌舞伎。不朽の名作ゲーム「ファイナルファンタジーX」の世界観を、アジア初の没入型エンタテインメント劇場、IHIステージアラウンド東京にて世界初上演する。IHIステージアラウンド東京は、周囲を取り囲む360度全てに展開されるステージと、その中心に巨大な円形の観客席を配置し、巨大なお盆に乗った観客席自体が回転しながら、舞台、映像、音楽などと画期的な方法で融合することで、これまでにない感覚や“没入感”を楽しむことができるのも大きな魅力。「ファイナルファンタジーX」の圧倒的な映像世界に没入し、世界観はそのままに、IHIステージアラウンド東京ならではの臨場感と迫力で、ゲームの世界・ザナルカンドへの旅を舞台に昇華させる。初上演の出演者は、歌舞伎の舞台のみならず、ドラマ「グランメゾン東京」「下町ロケット」などで活躍する菊之助さんをはじめ、映画やドラマなど出演は多岐にわたり、近年ではバーチャル×歌舞伎という両者の世界観が見事に融合する「超歌舞伎」など新しい形の歌舞伎にも挑戦し続けている中村獅童、歌舞伎界期待の若手俳優で、ドラマ・ミュージカル・バラエティーなど、様々な場でマルチな活躍をみせる尾上松也、そして、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で小栗旬演じる北条義時の父・北条時政を熱演中の坂東彌十郎と魅力溢れる豪華な顔ぶれが集結。そして、脚本はNHK連続テレビ小説「おちょやん」、「家政夫のミタゾノ」など心温まる人情ドラマから重厚な人間ドラマまで多くの大ヒットドラマを手掛けている八津弘幸。共同演出は、「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」や「B'z」のドームツアーなどを成功させ、ダイナミックかつ繊細に魅せる演出が業界内で注目されている金谷かほりという強力タッグが実現した。■企画・演出尾上菊之助コメント名作ゲーム『ファイナルファンタジーX』と日本が誇る伝統芸能の歌舞伎が融合し、相互の文化をつなぐ新しい架け橋にしていきたいと思い『新作歌舞伎ファイナルファンタジーX』を企画いたしました。IHIステージアラウンド東京での歌舞伎公演は初めての挑戦になりますが、発売当時にゲームをした時の衝撃的で感動した気持ちを大切に、ゲームを大好きな人にも、歌舞伎を見たことがない方にもぜひ見てもらいたいと思っております。高さ8メートルの巨大スクリーンに映し出される映像が舞台を彩り、あたかも「ファイナルファンタジー」の世界にいるかのような没入感をご堪能いただけると思います!このような時代だからこそ、見て頂きたい心に響くストーリーです。ぜひ劇場にお越しください。■ゲーム『ファイナルファンタジーX』プロデューサー北瀬佳範コメント最初にこの話を頂いた時は“まさか”という半信半疑の気持ちでいっぱいでしたが、尾上菊之助様から直接、熱のこもった思いを伝えていただき大変感動したのを覚えています。大衆娯楽としては最後発のビデオゲームと日本の伝統芸能である歌舞伎とのコラボがどのような感動を生みだすのか。今からワクワクが止まりません。『新作歌舞伎ファイナルファンタジーX』は2023年春、IHIステージアラウンド東京(豊洲)にて上演予定。(text:cinemacafe.net)
2022年07月19日『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』が2023年春、IHIステージアラウンド東京(豊洲)にて上演されることが、19日に明らかになった。同作は人気ゲーム『ファイナルファンタジーⅩ』の歌舞伎化作。死の螺旋にとらわれた世界スピラを舞台に、異世界ザナルカンドから迷い込んだ少年・ティーダや、スピラの少女・ユウナたちの物語を描く。企画・演出は、これまでも『NINAGAWA十二夜』『マハーバーラタ戦記』『風の谷のナウシカ』など自身の企画、構想などから新しい歌舞伎の舞台を創り出してた尾上菊之助が務め、自ら出演もする。菊之助が更なる高みに挑戦すべく歌舞伎化を熱望した渾身の新作歌舞伎となっている。、「ファイナルファンタジー」シリーズ35周年を記念しての作品となり、『ファイナルファンタジーX』が2001年7月19日に発売されたことから、19日に発表された。また、同作はアジア初の没入型エンタテインメント劇場であるIHIステージアラウンド東京で世界初上演される。同劇場は周囲を取り囲む360度全てに展開されるステージと、その中心に巨大な円形の観客席を配置し、巨大なお盆に乗った観客席自体が回転しながら、舞台、映像、音楽などと画期的な方法で融合することで、これまでにない感覚や“没入感”を楽しむことができることが魅力となっている。初上演の出演者は菊之助をはじめ、映画やドラマなど出演は多岐にわたり、近年ではバーチャル×歌舞伎という両者の世界観が見事に融合する「超歌舞伎」など新しい形の歌舞伎にも挑戦し続けている中村獅童、歌舞伎界期待の若手俳優で、ドラマ・ミュージカル・バラエティーなど、様々な場でマルチな活躍をみせる尾上松也、そしてNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で小栗旬演じる北条義時の父・北条時政を熱演中の坂東彌十郎と魅力溢れる豪華な顔ぶれとなっている。さらに中村梅枝、中村萬太郎、中村米吉、中村橋之助、上村吉太朗、中村芝のぶ、坂東彦三郎が出演する。脚本は連続テレビ小説『おちょやん』、ドラマ『家政夫のミタゾノ』など心温まる人情ドラマから重厚な人間ドラマまで多くの大ヒットドラマを手掛けている八津弘幸。共同演出は、『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』やB’zのドームツアーなど成功させ、ダイナミックかつ繊細に魅せる演出が業界内で注目されている金谷かほりという強力タッグが実現した。○企画・演出:尾上菊之助 コメント名作ゲーム『ファイナルファンタジーX』と日本が誇る伝統芸能の歌舞伎が融合し、相互の文化をつなぐ新しい架け橋にしていきたいと思い、『新作歌舞伎ファイナルファンタジー X』を企画いたしました。IHIステージアラウンド東京での歌舞伎公演は初めての挑戦になりますが、発売当時にゲームをした時の衝撃的で感動した気持ちを大切に、ゲームを大好きな人にも、歌舞伎を見たことがない方にもぜひ見てもらいたいと思っております。高さ8メートルの巨大スクリーンに映し出される映像が舞台を彩り、あたかも「ファイナルファンタジー」の世界にいるかのような没入感をご堪能いただけると思います! このような時代だからこそ、見て頂きたい心に響くストーリーです。ぜひ劇場にお越しください。○北瀬佳範(ゲーム『ファイナルファンタジーX』プロデューサー) コメント最初にこの話を頂いた時は“まさか”という半信半疑の気持ちでいっぱいでしたが、尾上菊之助様から直接、熱のこもった思いを伝えていただき大変感動したのを覚えています。大衆娯楽としては最後発のビデオゲームと日本の伝統芸能である歌舞伎とのコラボがどのような感動を生みだすのか。今からワクワクが止まりません。
2022年07月19日歌舞伎座「七月大歌舞伎」第三部『風の谷のナウシカ』が7月4日から開幕。クシャナを演じる尾上菊之助、ナウシカ役の中村米吉が劇中衣装で取材に応じ、「宮崎(駿)監督が大事にされた世界観を、歌舞伎の様式を使いつつ、現代にお伝えできれば。今こそ、上演する意義を感じる」(菊之助)、「菊之助のお兄さんに教えていただいたことを糧に、それをナウシカという役に昇華させたい」(米吉)と意気込みを語った。左から)ナウシカ=中村米吉、幼き王蟲の精=尾上丑之助宮崎駿の代表作である『風の谷のナウシカ』は2019年、新橋演舞場にて新作歌舞伎として初演。今回、歌舞伎座に初登場することになり、前半部分(昼の部)の物語をもとに皇女クシャナに焦点を当てた「白き魔女の戦記」を上の巻として上演する。クシャナ=尾上菊之助約10日間の稽古を無事に終え、ついにファン待望の再演がスタート。菊之助本人も「再演を願って、ようやく叶うことになった。みんなで気持ちをひとつにし、全力で稽古してまいりました」と感無量の面持ちで、「クシャナを軸にした、血みどろのスペクタクルはもちろん、最後には米吉さんがメーヴェ(劇中の小型飛行装置)に乗って、飛び立ちますので、ぜひお楽しみにしていただければ」と見どころをアピールした。クシャナ=尾上菊之助「思いもよらない大きなお役、しかも歌舞伎座で。緊張と不安しかないです」と胸中を明かす米吉は、「ですが、そればかりでは、お芝居に影響しますし、お客様には楽しい気持ちでお帰りいただきたいので、自分自身が楽しむ気持ちを忘れずにいたい」と抱負をコメント。宙乗り自体が初めての経験。しかも、メーヴェに乗っての宙乗りで「バランスをとるのが難しい。恐怖と戦いながら、楽しみたい」と期待を寄せていた。ナウシカ=中村米吉また、初演でナウシカを演じた菊之助から、さまざまな助言があったといい「古典歌舞伎の女形であれば、お姫様や腰元とったパターンの積み上げがありますが、ナウシカはそのどれにも当てはまらないので、新たに作っていく作業が必要だと教えていただいた」と振り返った。劇中衣装に身を包んだお互いの印象を聞かれると、「本当にかわいらしいナウシカに仕上がった」(菊之助)、「菊之助のお兄さんがお持ちの威厳と雰囲気が、クシャナの雰囲気にぴったり」(米吉)と話していた。ナウシカ=中村米吉現在、公開されている告知映像には、映画『風の谷のナウシカ』の劇中曲で、公演でも使用される楽曲「鳥の人」をバックに、菊之助が演じるクシャナと、米吉扮するナウシカの姿が収められている。また、公演初日から、本公演の関連グッズが東京・歌舞伎座の地下木挽町や、松竹歌舞伎屋本舗の通販サイトで発売。A5クリアファイルセット、ポストカードセット、手ぬぐい、ステッカーセット、ランチトート、Tシャツなど、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが今回の上演のために描き下ろしたナウシカやクシャナ、テトなどのイラストをデザインしたグッズが揃っている。『風の谷のナウシカ』グッズ一覧取材・文・撮影(取材会写真)=内田涼舞台写真=(C)松竹※宮崎駿の「崎」の正式表記は「たつさき」歌舞伎座「七月大歌舞伎」『風の谷のナウシカ』告知映像<公演情報>「七月大歌舞伎」2022年7月4日(月) ~29日(金) 東京・歌舞伎座『風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―』告知画像第一部 午前11時~『通し狂言 當世流小栗判官』第二部 午後2時40分~『夏祭浪花鑑』『雪月花三景』第三部 午後6時30分~『風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―』※開場は開演の40分前を予定【休演】11日(月)、20日(水)【貸切】第三部:15日(金)、21日(木)
2022年07月04日東京・歌舞伎座「七月大歌舞伎」の第三部で『風の谷のナウシカ上の巻-白き魔女の戦記-』が上演。尚、期間は2022年7月4日(月)から29日(金)までを予定していたが、7月19日(火)以降の公演は全て中止となった。宮崎駿の長編漫画『風の谷のナウシカ』が再び歌舞伎に『風の谷のナウシカ』は、宮崎駿が描いた長編漫画。深遠なテーマを内包した唯一無二の物語は、原作の2巻目途中までを再構成したスタジオジブリの映画と合わせ、国内外問わず世界中の人々から愛され続けている。また、2019年には新橋演舞場にて新作歌舞伎として初演され、映画版では描かれなかった部分も含め原作全7巻を昼夜通し上演。原作の壮大な世界観と古典歌舞伎の要素を掛け合わせた歌舞伎版『風の谷のナウシカ』は、大きな注目を集めた。皇女クシャナの姿を深く描き出すそんな歌舞伎版『風の谷のナウシカ』が、初演版の前半部分・昼の部をベースに再構築した新バージョンで再び上演されることに。今回は、様々な苦悩や葛藤の中で強く美しく生きる皇女クシャナの姿をより深く描き出す。『風の谷のナウシカ上の巻-白き魔女の戦記-』あらすじ舞台となるのは、文明が滅びて千年が過ぎた地球。大地は巨大な蟲(むし)たちに脅かされ、有毒な瘴気(しょうき)を発する菌類の森、腐海に覆われていた。そんな中でも人間たちは依然として争いを止めず、トルメキア王国と土鬼(ドルク)諸侯国連合帝国の二大国は激しく対立。辺境の小国「風の谷」の族長の娘・ナウシカは、トルメキアとの古い盟約により戦に向かうのだった…。クシャナ役に尾上菊之助&ナウシカ役に中村米吉今回の『風の谷のナウシカ』では、初演時にナウシカ役を演じた尾上菊之助がクシャナ役を担当。ナウシカ役は、中村米吉が演じる。■クシャナ(尾上菊之助)…偉大な先王の血をただ一人受け継ぐトルメキア王国の皇女。周囲に命を狙われ、身代わりとなった母は毒酒によって物狂いになってしまう。戦場に立ち、敵や味方から張り巡らされた陰謀にも、強い志をもって戦う。■ナウシカ(中村米吉)…小国「風の谷」の族長の娘。「白き魔女」と呼ばれる武名気高き皇女・クシャナと行動をともにする。作品概要『風の谷のナウシカ上の巻-白き魔女の戦記-』原作:宮崎駿脚本:丹羽圭子、戸部和久演出:G2、尾上菊之助、尾上菊之丞振付:尾上菊之丞協力:スタジオジブリ出演:菊之助、米吉、尾上右近、莟玉、丑之助、寺嶋知世、吉太朗、吉之丞、橘太郎、吉弥、権十郎、萬次郎、錦之助、彌十郎、又五郎<公演詳細>上演期間:2022年7月4日(月)~29日(金) ※7月19日(火)以降は全公演中止。会場:歌舞伎座住所:東京都中央区銀座4-12-15上演時間:第三部 18:30~※開場は開演の40分前を予定休演:7月11日(月)、20日(水)貸切公演:7月15日(金)、21日(木)チケット:1等席 16,000円、2等席 12,000円、3階A席 5,500円、3階B席 3,500円、1階桟敷席 17,000円※1階桟敷席でのお茶のサービスはなし。※4階幕見席の販売はなし。※未就学児童は、満4歳より一人につき1枚切符が必要。第三部は3歳以下入場不可。スチール写真撮影:永石勝
2022年06月27日尾上菊之助[歌舞伎立方]・大倉源次郎[小鼓/人間国宝]ほか天台宗 木母寺住職らが出席した取材会コメントも公開中公益財団法人墨田区文化振興財団(すみだトリフォニーホール指定管理者)主催、すみだトリフォニーホール開館25周年特別企画『能・義太夫・歌舞伎 謡かたり「隅田川」』が2022年8月13日 (土) にすみだトリフォニーホール大ホール(東京都墨田区)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ 文楽の至宝 咲太夫、名手 源次郎、花形俳優 菊之助梅若丸終焉の地で、歴史的にも意義ある試みすみだトリフォニーホール開館25周年特別企画として、「隅田川」を取り上げ、今なお、伝統文化の豊かに薫る「梅若伝説」ゆかりの地で、能・義太夫・歌舞伎の各界の第一人者がジャンルの垣根を越えて共演する、珍しいコラボレーションにより上演。菊五郎家と墨田区との縁の深い歌舞伎界を代表する花形俳優、尾上菊之助(立方)が、「梅若丸の母」を演じます。能楽の囃子方大倉流小鼓方宗家の大倉源次郎(人間国宝)とともに、文楽の至宝、豊竹咲太夫(人間国宝)が、深い作品解釈と卓越した精緻な語りで、愛するわが子を探し求めて狂女となる母親の悲劇を描き出します。<曲目>第1部公演解説「すみだと梅若伝説」第2部能義太夫歌舞伎謡かたり「隅田川」(約60分)第3部出演者によるアフタートークトーク:大倉源次郎、豊竹咲太夫、尾上菊之助(公演時間:約2時間)去る5月17日(火)に公演会場でもある<すみだトリフォニーホール 大ホール>にて取材会が行われました。当日は尾上菊之助[歌舞伎立方]と大倉源次郎[小鼓/人間国宝]に加え、鶴澤燕三[三味線]、杉信太朗[笛]、天台宗 木母寺の阿部亮照住職が出席しました。【会見コメント公開中!】 公演概要すみだトリフォニーホール開館25周年特別企画『能・義太夫・歌舞伎 謡かたり「隅田川」』上演日時:2022年8月13日 (土) 14:00 開場/15:00 開演(公演時間:約2時間)会場:すみだトリフォニーホール大ホール(東京都墨田区錦糸1-2-3)■出演者杉信太朗(笛)大倉源次郎(小鼓/人間国宝)柿原弘和(大鼓)豊竹咲太夫(浄瑠璃/人間国宝)鶴澤燕三/鶴澤燕二郎(三味線)梅若丸の母/尾上菊之助(歌舞伎立方)■チケット料金S席:6,000円A席:5,000円(全席指定・税込)すみだ区割・すみだ学割あり(トリフォニーホールチケットセンターへ問合わせ) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月08日歌舞伎座「七月大歌舞伎」第三部『風の谷のナウシカ』に出演する尾上菊之助(クシャナ役)、中村米吉(ナウシカ役)が取材に応じ、意気込みを語った。宮崎駿の代表作である『風の谷のナウシカ』は2019年、新橋演舞場にて新作歌舞伎として初演。今回、歌舞伎座に初登場することになり、前半部分(昼の部)の物語をもとに皇女クシャナに焦点を当てた「白き魔女の戦記」を上の巻として上演する。歌舞伎座「七月大歌舞伎」『風の谷のナウシカ』特別チラシビジュアル初演でナウシカを演じた菊之助が今回はクシャナを(初演時は中村七之助が勤めた)、米吉がナウシカを演じることになった。菊之助が「前回米吉さんが演じたケチャも素晴らしく、熱心な役作りに情熱を感じておりました。その情熱がナウシカにリンクしている」と明かすと、米吉は「青天の霹靂とはこのこと。思いもよらぬ、まるで夢のようなお話で、お兄さん(菊之助)に『本当によろしいんですか?』と。今日は青い衣を着て、アピールさせていただきました(笑)」と喜びの声をあげていた。今回は二幕構成となり、「クシャナの生い立ちも含めて、心情をより深く描くことができればと思っている」と菊之助。新橋演舞場に比べて、より横長な歌舞伎座での上演で「その特性を生かして、よりダイナミックに原作の世界を生き生きと再現できれば。宙乗り?えぇ、ぜひ、ナウシカにはメーヴェに乗っていただきたい」と構想を明かす場面も。この発言に米吉は「もし宙乗りがあるとしましたら、人生初めてのこと。原作と同じように、颯爽と空を飛ぶナウシカを表現できれば」と意欲を燃やした。また、「こんなこと言うとハードルがあがりそうですが、米吉さんのナウシカ、すごくかわいいんですよ。これは大いに期待していただければ」(菊之助)とも。米吉は「歌舞伎のナウシカで目指すべき姿に、僕らしさのエッセンスをいかにふりかけるか。お化粧に関しては、試行錯誤しておりますが、ナウシカは悩みながらも、目的に進む力を持った夢想家。まだまだ未熟な私がナウシカを演じることで、クシャナとの立場を等身大で表現できれば」と背筋を伸ばしていた。「初演のときには、まさか(劇中と同じく)マスクがないと生きていけない時代になるとは思ってもいなかった。宮崎先生は未来を見通していたのではないか。殺伐とした時代に、それでも人は真善美の心に気づき、変わることができる。そんなメッセージを込めて、世界観を作り上げていきたい」と菊之助。再演にあたり、息子の丑之助が幼い王蟲の精を演じることになり、「ナウシカと一緒に金色の野で踊らせていただければと思っております」と目を細めていた。取材・文・撮影(取材会写真)=内田涼※宮崎駿の「崎」の正式表記は「たつさき」「七月大歌舞伎」2022年7月4日(月)~29日(金)第1部午前11時~『通し狂言 當世流小栗判官』第2部午後2時40分~『夏祭浪花鑑』『雪月花三景』第三部午後6時30分~『風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―』※開場は開演の40分前を予定【休演】11日(月)、20日(水)【貸切】第三部:15日(金)、21日(木)会場:東京・歌舞伎座
2022年05月26日歌舞伎俳優の尾上松也、尾上右近が出演する、日本中央競馬会「第89回 東京優駿(日本ダービー)」の期間限定コンテンツ「歌舞伎ダービー」が12日より、特設サイトにて公開される。今年、第89回を迎え、数ある競馬レースの中でも頂点に立つと言われる日本ダービー。今回、伝統と格式あるこの一大レースを盛り上げるべく、日本が世界に誇る伝統芸能「歌舞伎」とのコラボが実現した。レースゲームなどを楽しめる「東京優駿善悪鑑(とうきょうゆうしゅんぜんあくかがみ)」では、日本ダービーのためだけに歌舞伎を取り入れたオリジナルストーリーを展開。障害物レースや、日本ダービーに関するトリビアクイズが楽しめる。また、日本ダービーの魅力を伝える歌舞伎を取り入れたオリジナルムービー「競馬祭典花姿絵(歌舞伎ダービースペシャル動画)」では、江戸時代を舞台に松也と右近が兄弟役として登場。自宅にいながら二人が競馬で運試しをする様子を描いた「おうち競馬で候!」編や、インタビュー形式で休日の過ごし方を語る「ぱぱっと即PAT!」編など、エンタメチックに競馬の楽しさや魅力を描いている。○■尾上松也、尾上右近インタビュー―― 「日本ダービー」と「歌舞伎」がコラボすると聞いた時はいかがでしたか?松也:本当にうれしかったです。歌舞伎というエンタテインメントを選んでいただいたこともうれしかったですし、僕自身も競馬は子どものころから好きで、とても馬が好きでしたので、日本ダービーに関わらせていただけるなんて、こんなにうれしいことはございませんでした。右近:日本を代表するエンタテインメント同士で歴史もありますし、そういった意味でも精通する部分もあり、お祭りという意味で皆さんが楽しみにして思いのあるイベントに自分も関われるということで、うれしくお受けしました。―― 「東京優駿善悪鑑」では3つのミッションにクリアして邪悪苦次郎の悪の手からレースを守れるかというゲームですが、普段の生活で守っているルーティンはありますか?松也:家庭用の焚火を購入しましたので、毎日焚火をしています。火を見るのが好きで、夜のルーティーンとして照明は一切つけずに、火だけで過ごすというのが、夜の私の過ごし方です。リラックスできます。右近:最近はジョギングです。どんな日も雨が降ろうが、槍が降ろうが30分は走るようにしてます。何か一つ、どんなことがあってもやっているものがあると気持ちが安定する。あと、食べるのが好きで、特にカレーが好き。食べることを諦めたくないので、その分動こうと思っている。――日本ダービーでは様々な馬が走りますが、自分の馬に名前を付けるならどんな名前にしますか?松也:「マツヤニ」。日本ダービーは、ネーミングが短めの馬が最近勝っている印象があります。印象に残っているのは「ウオッカ」などです。「マツヤニ」は自分の名前が入っていますし、4文字でしたら活躍しそうだなという……。儲けたい欲が出てこうなりました(笑)。右近:私の馬の名前は、「ケンノユメ」です! 僕の本名がけんすけといいます、自主公演の名前も研究の「研」なんです。研究って、「研ぐ」、「磨く」という意味があるので、「研の會」という名前で自主公演やっているため、「研」という名前を付けたい。あとは、やっぱり夢があるっていうことが言葉として好きなので、自分の夢を託して「ケンノユメ!」。――今回、兄貴的存在の松也さんとの共演ですが、右近さんから質問や伺いたいことはありますか?右近:(日本ダービー前日、5月28日は右近の誕生日ということで)以前は高価なプレゼントをいただいたのですが、今年は何をプレゼントしてくれるのでしょうか? 馬ですか? 馬だったら良いな。それぐらい期待しております。松也:馬ですか。まぁ良いですよ。馬にしましょうか。僕、夢だったんですけどね。馬主になるの。買うだけ買って、人に譲るとは思いませんでした……って買えるわけない(笑)。馬買ってどうするんだ。移動手段で使ってくれるなら買いますよ。馬のフィギュアでもあげますよ。
2022年05月12日人気の若手歌舞伎俳優、中村壱太郎さんと尾上右近さんが、『没後50年 鏑木清方展』のイベントに登場!歌舞伎をテーマにした展示室で、トークとフォトセッションが行われました。さらにその後、インタビューも実施。アートやエンタメの魅力、東銀座界隈の思い出など語っていただきました!中村壱太郎さん、尾上右近さん、登場!左:尾上右近さん右:中村壱太郎さん《道成寺 鷺娘》の前で撮影【女子的アートナビ】vol. 239東京国立近代美術館『没後50年 鏑木清方展』の展示室に登場したお二人。さすが歌舞伎俳優さん、立ち姿がとても美しいです!中村壱太郎さんは、歌舞伎俳優だけでなく日本舞踊の吾妻流七代目家元、さらに現代劇でも活躍。尾上右近さんも、歌舞伎俳優と家業である日本古典音楽の清元、映画やバラエティ番組にも出演し、多方面で活躍されています。まずは、鏑木清方の華やかな作品《道成寺(どうじょうじ) 鷺娘(さぎむすめ)》の前でフォトセッション。《道成寺 鷺娘》とは、歌舞伎の演目『京鹿子娘道成寺』と『鷺娘』をテーマに描いた作品。お二人とも、歌舞伎では女方を中心に演じられているので、作品にも興味津々なご様子。撮影の合間にも、絵に描かれている着物や仕草などについて、楽しそうに話されていました。続いてのトークセッションは、《京鹿子娘道成寺》の作品が並ぶ展示室で実施。お二人が鏑木作品の魅力について、語りました。壱太郎さん清方先生の作品は、一言で言うと、眼福。幸せになれます。美しいものを見ると人間は幸せになれる、と改めて感じました。特に、僕らは着物や日本の文化に触れて仕事をしているからかもしれませんが、日本人のどこかに眠っているものと紐づけられるのかなと思います。右近さん品格が高いと思います。画家がどんな人だったのか、絵を見ながら僕はよく人物像を想像してみるのですが、清方作品には品格があふれ、知性があります。江戸っ子の粋や風流、時代からくるモダンさなどに楽しみを感じます。心静かにカブいているのがいいですね。お二人にインタビュー!続いて、本展覧会の目玉作品である清方の美人画三部作《築地明石町》、《新富町》、《浜町河岸》が並ぶ展示室でインタビューを実施。まずは、三部作について、お聞きしてみました。――こちらの美人画で、どの作品、どの女性がステキだと思いますか?右近さんやはり、築地明石町のお姉さんでしょう。この凛とした姿。この瞳で見つめられたいです。男目線でも、女方の役者として見てもステキです。男性の画家が描く女性は、理想の女性の姿で、男が演じる女方も理想の女。そのリンク性も作品から感じられますし、とにかく断然美しいです。男としては、こういう女性に振り返られたいですね(笑)。壱太郎さん浜町のおぼこさんもいいと思う。僕らも踊りを習うと、この絵のように「振り」をおさらいするのです。「今日習ったことは、こんな振りだったのかな」とこの絵を見てすぐにわかります。着物の袖を持ち、扇子を口に当てるというのは、日常にはないしぐさ。これを切り取っている清方先生のセンスはすばらしいですよね。右近さん確かに、浜町の作品もいいですね。どの作品も凛としてさわやか。そして、首がキレイ。九州系だね。――九州系とは?右近さん九州の女性は色白で、首が細くて、毛の流れがきれいというのが僕の勝手な思い(笑)。尾上右近の統計。九州の女性は色白で、輪郭がいいのです。壱太郎さんハハハ。でも、これ大丈夫?九州以外の人を敵に回していない?右近さん大丈夫、大丈夫!「想像させる絵がステキ」――全体を通して、お好きな作品はどれですか?右近さん僕は《墨田河舟遊》(※筆者注:屋形船で姫や若侍が楽しむ様子を描いた屛風)。人間が生き生きと描かれ、楽しそうでワクワクします。当時の時代の最先端が感じられ、若いエネルギーで楽しんでいる。僕らも結局、同じことを繰り返していますよね。カラオケ行ったり、クラブ行ったりするのと同じです。上品に遊んだほうが楽しいよ、ということもこの絵から感じます。壱太郎さん僕は、《佃島の秋》(※男性が女性に花を手渡している場面を描いた絵画)。勝手な解釈だけど、下に描かれている美しいアヒルと女性がリンクしていると思うのです。ぶっきらぼうな男の人が、白くてきれいなアヒルに花をあげてみた、という感じで、この絵をもとに芝居を書けるくらいの情報量があります。想像させる絵がステキです。見る楽しさを感じさせてくれます。「エンタメは、非日常を感じるのがいい」――お二人は、とても楽しそうにこの展覧会をご覧になっていますが、一般的に、特にanan世代の多くは、「日本画の展覧会ってハードルが高そう」と感じているような気がします。右近さんハードルが高い、とすでに存在を認識しているのなら、そのハードルを越えてみたらいいんじゃないのかな。触れてみたらいいと思います。知らないよりは知っているほうが絶対いいです。見に行ったら、「知っている」というステイタス以上に「おもしろい」という純粋な感情が生まれる。ハードルが高いと認識しているものは、もっと触れてみたほうが楽しいですよ。壱太郎さん歌舞伎も、同世代や若い方に「勉強しに行きます」とよく言われます。でも、別に勉強するものではないんですよね。右近さんそうそう。勉強するのは僕らの仕事ですから。壱太郎さんまさにそう。清方先生の《佃島の秋》みたいに、想像する楽しさをみんながもてる。絵を見ていると、それ以上のものを感じるのが絵画のおもしろさで、歌舞伎も一緒。「この人どうしてこんなにきれいなのかな」と素朴な疑問をもつとか、それだけでいいのです。そのきっかけさえ見つければ、それ以上のものをもって帰れると思います。右近さんエンタメは、非日常を感じられるのがいいです。美術館という空間自体いい。おならもできない静寂な空間(笑)。壱太郎さんもうちょっとananらしい良いたとえはないの(笑)。でも、展覧会なら、好きな絵をひとつ見つけに行こうと思って友達と出かけて、感想を伝え合うのもいいよね。朝イチで山盛り海鮮丼!――鏑木清方は築地界隈で暮らしたことがあるので、それらの地域が作品にも描かれています。歌舞伎座からも近いエリアですが、お二人にもなにか築地の思い出はありますか?右近さん以前、二人で歌舞伎座に出ていたとき、朝の築地に行きました。一幕目は昼の11時に開演するので、だいたい10時に楽屋入りします。その前にということで、朝7時に集合して行きました。壱太郎さんあれはよかったね。海鮮丼食べて。右近さんそう。高いのを食べました。よかったですよ、山盛りで(笑)。あの界隈のあの空気感も独特。浅草とか上野の江戸っ子も僕らは知っていますが、築地あたりの江戸っ子の空気は、また違うんですよね。河岸の人間の時間軸を感じて、いいなぁと思いました。『芝浜革財布』という芝居があり、河岸に通う男の話なのですが、築地にいると「こういう空気なんだな」とわかります。夕方には寝るという雰囲気。僕も、いつも午前中はちょっと眠いのですが、築地に行った日は、朝7時から食事をしているものだから、元気モリモリで(笑)。みんなと時の流れ方が違って、すごく充実感がありました。うまいもの食って来ているから(笑)。壱太郎さんこっちはもう始まってんだぜ!っていう感じだったね(笑)。「過去の自分は常に良くない…」――鏑木清方は、自分の作品を自己評価し、その記録が残っています。本展では、その記録をもとに、会心の出来には三ツ星など、作品に星がつけられていますが、そのような画家の姿勢をどう思いますか?右近さん目に見える絵画作品の場合は、いやでも冷静に評価が見えてきますよね。僕らは毎日同じことをやっていても、毎日コンディションも違うしお客さまも違うし、お互いのコンディションも違うし、状況が毎日違うので、自己評価の仕方が難しいです。常に揺れ動いているものなので、実態がわからない。後から振り返るとわかるときもありますが、この時が良かったというのは120パーセントないです。壱太郎さん清方先生の絵は、このまま一生残っていきますが、僕らの演技はその瞬間でしか残らない。だからこそステキさがあると思うので、その意味で評価の仕方は絵とは違うと思います。ただ、自己評価というより、仲間がいるから目指せるものはあるので、高め合いは常に意識しています。右近さん例えば過去の映像を見ると「ひどいな」と自分で思うのです。なんでこんなに拙いことやっているんだ、と。過去の自分は常に良くない、というのが植え付けられているので、冷静に判断ができない。成長がどこにあるのか、自分ではまったくわからないのです。へたに過去の映像など見てしまうと、進歩していない自分が目の前に立ちはだかって舞台に立つのが嫌になる。今日はいい舞台ができるぞという自己催眠がかけられなくなるのです。壱太郎さんこれは役者の宿命。今はビデオがあるから、僕らも頼るし必要だとは思います。でも、あまりにも見すぎると、自分は果たして何なのか。わけがわからなくなる。そこの難しさは僕らにはあります。右近さん客観性を持つのが難しいです。自分で三ツ星つけては取り消しての繰り返しです(笑)。アートとは「極上の…」――絵画作品だけでなく、歌舞伎などの舞台芸術もすべてアートといえると思うのですが、お二人にとってアートとは?右近さんアートとは、「人間の証明」。芸は人なり、という言葉から置き換えてみました。壱太郎さん人生においてのいろどり。人間のいろいろないろどりを総称すると、アートになるのではないかなと。時代時代において、いろいろな人や作品と関わり見ることによって人間力が増していく。これは生きた証です。右近さん僕、先ほどプレーヤー目線で言ってしまいました。すみません、はき違えました(笑)。アートとは、「極上のひまつぶし」です。壱太郎さん「人間の証明」からの落差がすごいね(笑)。右近さん生きるうえでは、いらないのかもしれないけれど、暇ができたら、その暇をやはり上質につぶしたい。それが、生きることへのこだわり。例えば、おにぎりとピカソの絵なら、食うに困るときはおにぎりしか選ばない。でも、食うに困らなくなったらピカソの絵に気づく。おにぎりもいいけど、この絵を見て心を潤うのもいいと気づく。だから、「極上のひまつぶし」です。「先に死なないで!」――お二人の関係、とてもいい感じですね。プライベートでも仲が良いのですか?右近さんいちゃこらしています(笑)。anan読者の女性たちも、僕らを見習って、いちゃこらしてください!壱太郎さん僕らは盟友、親友、ボイスメッセージ友達。同じ時代に生きて、同じものに取り組み、同じ感覚があります。もしかすると、今は追い求めるもの、求められているものが違っているかもしれないけど、いつかのゴールは絶対一緒のものを見ていると思います。一緒の思いをもてることに「ありがとう」と言いたい人です。右近さん僕にとって(壱太郎さんは)うれしいときも悲しいときもすべて報告したい人です。そんな人、清方先生にはいなかったのかな。(ここで、担当学芸員の鶴見香織さんが登場)鶴見さんそれは奥さまだと思います。奥さまは、清方が亡くなる数年前に他界され、その後、清方もがっくりとされていたそうですよ。右近さんがっくりきますよね。(壱太郎さんに向かって)先に死なないで!たとえ死ぬとしても、同じ年の同じ月の同じ日じゃ!壱太郎さん同じ刻限でね(笑)。右近さん芝居のようだね(笑)。――本当にステキなご関係ですね。楽しいお話、ありがとうございました!インタビューを終えて…立ち居振る舞いがとにかく美しいお二人。スーツを着ているとふつうにカッコイイのですが、少しでも動くと足の運びや指先の動きなど、一つひとつの所作が本当に優雅で、見とれてしまいました。くだけた話や楽しい話をしていても、品格が漂っているお二人。固い絆が感じられる友情にも感動しました。『没後50年 鏑木清方展』は5月8日まで開催。ぜひハードルを越えて、美しいアートに触れてみてください!Information『没後50年 鏑木清方展』会期:~5月8日(日)休館日:月曜(※5月2日は開館)会場:東京国立近代美術館1F企画展ギャラリー開室時間:9:30-17:00(金・土曜は9:30-20:00)(入館は閉館30分前まで)観覧料:一般¥1,800、大学生¥1,200、高校生¥700、中学生以下無料撮影:山本 嵩
2022年04月03日鈴木おさむ作・演出、尾上松也主演による舞台『怖い絵』の公演開始を前に3月3日(木)に記者会見と公開リハーサルが開催。鈴木、尾上に加え、共演の比嘉愛未、佐藤寛太(劇団EXILE)、崎山つばさ、寺脇康文が揃って出席した。本作は名画に隠された恐るべき背景を解説した中野京子のベストセラー本「怖い絵」シリーズにインスパイアされる形で鈴木がオリジナルの物語を執筆。絵画にまつわる恐るべき真実を絡めつつ、幾重にも伏線が張り巡らされたミステリとなっている。会員制レストランのオーナー・絵田光(尾上)は、ひょんなことから大手建設会社社長の火山(寺脇)の妻の死にまつわる事件に挑むことに……。自殺として処理され、火山もそう主張するが、火山の元愛人だった美山翼(比嘉)は、自殺ではなく火山による他殺ではないかという疑いを口にする。光はアシスタントの緑(佐藤)、警視庁の刑事・鷹野(崎山)らと事件の真相に迫るが……。舞台セットは絵画の額縁をモチーフにしており、また舞台後方のスクリーンには、事件のカギを握る数々の西洋名画が映し出される。松也が演じる光は、絵画コレクター、投資家、会員制レストランのオーナーという表の顔に加え、罪深きものへの復讐の代行者という“裏”の顔を持つ。この、どこかダークヒーロー的な空気をまとった“探偵”役を松也が魅力的に演じている。“探偵助手“のポジションにある才能あふれる若き画家・緑を佐藤が、協力者である刑事・鷹野を崎山がそれぞれ好演しており、光、緑、鷹野の“捜査チーム”に、事件の有力な“容疑者”の立場にある寺脇演じる建設会社社長の火山を加え、時にシリアスに、時にコミカルな掛け合いを交えつつ、物語はテンポよく展開していく。事件の鍵を握る火山の元愛人・翼を演じる比嘉愛未は、真っ赤なドレスをまとい、文字通りの“紅一点”で、どこか謎めいた雰囲気を醸し出し、強烈な存在感を放っている。作・演出の鈴木は「『怖い絵』とミステリをどうつなげていくか? かなり大変でした」と創作の苦労を明かしていたが、劇中、事件のヒントとなる絵画としてフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」、ウォルター・リチャード・シッカートの「切り裂きジャックの部屋」、ジョルジョ・ド・ラ・トゥールの「いかさま師」といった西洋絵画が登場し、隠された怖い真実が紹介される。物語は休憩なしの約110分。劇中のいたるところに大小さまざまな伏線が張り巡らされており、 特にラスト30分は伏線の回収&どんでん返しの連続で、事件の驚くべき真実が明らかになっていく。絵画×ミステリという本筋に加えて、鈴木が絶賛したのが、松也と寺脇によるアドリブのやり取り。「さすが歌舞伎と地球ゴージャス! キャッチャーミットが広いと松也さん、こんなに遊ぶんだ⁉」という称賛の言葉に松也は「寺脇さんに胸を借りながら、思いついたことは何でもやりました」と照れ笑い。松也は寺脇に促され、報道陣を前にプロ野球・巨人の原辰徳監督の形態模写を、その後のリハーサルでは俳優・えなりかずきのモノマネを見せるなど、多彩なレパートリーの一端を披露し笑いを誘っていた。舞台「怖い絵」は3月4日(金)から3月21日(月・祝)までよみうり大手町ホール(東京)にて、3月24日(木)から3月27日(日)までCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホール(大阪)にて上演。取材・文・撮影:黒豆直樹舞台『怖い絵』■チケット情報
2022年03月04日土屋太鳳主演のフジテレビ新木曜劇場「やんごとなき一族」に、尾上松也と松本若菜が夫婦役で出演することが決定した。本作は、庶民の家庭から上流社会の一家に嫁ぐことになった主人公・篠原佐都(土屋さん)が、理不尽な家のしきたりや親族内の複雑な人間関係に翻弄されながらも、夫・深山健太(松下洸平)と共に真正面から立ち向かい、奮闘するアフター・シンデレラ・ストーリー。現在放送中の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」で刑事役を好演しており、2クール続けてのフジテレビ系連続ドラマ出演となる尾上松也が本作で演じるのは、物語の舞台である深山家の長男・明人。引っ込み思案な性格で、父・圭一の決めたことには逆らえず、目立つことが嫌い。父が経営する不動産会社で働き、次期社長候補と言われるも、その出世欲のなさと気の弱さが災いし、父からは冷ややかな目で見られている。そしてそのことが原因で、妻からも反感を買うこともしばしば。そんな中、弟の健太が深山家に戻ってきたことがきっかけで、自身の跡取りとしての立場はさらに危ういものになっていく。明人の妻・美保子を演じるのは、「仮面ライダー電王」「コウノドリ」『愚行録』などに出演する松本若菜。老舗和菓子店の娘であり、長男の妻として深山家に尽くしてきた人物で、深山家の理不尽なしきたりに対しても理解があり、親族からの評価も高い。明人を跡取りにすることで、自分の地位を高めようともくろむ一方、誰にも言えないある大きな秘密を抱えている。また、佐都のことを目の敵にしており、義父の策略とともに佐都を深山家から追い出そうとする人物だ。台本を読み、「すぐに物語に巻き込まれて、次の展開が楽しみになりました」と印象を語った松也さんは、「明人はいい人ですが、演技ではいい人なのかわからないという感じを出したいです。久しぶりの木曜劇場に一癖添えられるように務めますので、是非是非毎週欠かさずご覧ください!」とコメント。松本さんは「美保子は長男の妻として自分の立ち位置をなんとしても死守するため、佐都へ執拗(しつよう)なライバル心を燃やします。皆さまのご期待も背負いながら、私の思う美保子を私なりに表現できればと思います」と意気込み、「世界観に浸っていただけるよう精いっぱい撮影に励みますので、ご覧いただけましたら幸いです」とメッセージを寄せている。「やんごとなき一族」は4月、毎週木曜日22時~フジテレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2022年02月24日都内の屈指の名刹で、祭壇には大きな遺影が飾られていた。棺の両脇には約50人の列席者が居並び、霊柩車へ運び込まれる様子を見守っている。 人間国宝・中村吉右衛門さん(享年77)が11月28日、心不全のため逝去。その4日後、冬晴れのもと親族葬が厳かに営まれていた。憔悴した表情の兄・松本白鸚(79)、泣き崩れる吉右衛門さんの四女・瓔子さんを支える夫・尾上菊之助(44)と3人の子供たち。最期の別れに、皆で手を合わせる。奥歯をかんで悔しがる尾上菊五郎(79)の横で妻・富司純子(76)は目を閉じ、頬を濡らしていた。吉右衛門さんが倒れたのは、今年3月28日のことだった。「歌舞伎座の出演を終えた吉右衛門さんは知佐夫人と都内ホテル内のレストランで食事中に心臓発作で倒れ、緊急搬送されました。すでに心肺停止に近い状態で、意識は一度も戻ることなく8カ月後に帰らぬ人となったのです」そう語るのは、歌舞伎関係者。「コロナ禍のため、知佐夫人や4人の娘さんも週に1度の面会しかかなわなかったそうです。 昨年から体調を崩し、エレベーターのないビルの2階に上がるのに、お弟子さんにお尻を押してもらわないと上がれないほどでした。最後の舞台となった日の石川五右衛門役を見たある歌舞伎役者も『覇気がなかった……』と口惜しそうでした。肉体的にすでに限界だったのでしょう」(歌舞伎関係者)喪主を務めた12歳年下の知佐夫人の目は泣き腫らしていた。「4歳で初舞台を踏み、22歳で祖父・初代吉右衛門の名跡を継承した吉右衛門さんでしたが、青年時代は初代との芸の差に悩み、精神安定剤をジンで飲み、吐血して救急車で運ばれたこともありました。そんな彼を全力で支えたのが、30歳のときに結婚した知佐夫人でした。以来、梨園でも愛妻家として知られ、晩年も夫人とよく近所の散歩に出かけていました。絵画が趣味だった吉右衛門さんは知佐夫人の寝顔を自ら描いたデッサン画をとても気に入り、枕元に飾っていたほどです。火葬場では棺を炉に収めた後、皆さん座敷で待っていたのですが、知佐夫人は最後まで炉の前を離れることはなかったといいます。2人は最後まで相思相愛でした」(前出・歌舞伎関係者)■吉右衛門さんの最大の楽しみは、初孫・丑之助と過ごす時間親族葬から数時間後。娘婿の菊之助が歌舞伎座で会見を行った。近年の吉右衛門さんの最大の楽しみは初孫・尾上丑之助(8)と一緒に過ごす時間だったと語った。「ふだんは強面で威厳があって近寄れないのですが、孫のことになるとかわいがってくれまして。ディズニーが大好きで、プーさんが大好きだったんです。休みの日になると、ディズニーランドに連れていってくださって、『プーさんのハニーハント』に孫たちと乗るのがとても楽しくしてらっしゃいまして。孫たちをとてもかわいがってくれました」“厳格でありながら優しい、尊敬する父でした”と振り返ると、思いがあふれ、号泣した――。’18年6月に孫の和史くん(丑之助)と初共演した吉右衛門さんは、孫をおぶって花道から退場。「『じいじは汗かくからイヤ!』と言われて困りましたが、彼を励みにして私も舞台を務めました」と目尻を下げていた。実際に娘婿、孫との共演に至上の喜びを感じていたことを昨年のインタビューで明かしている。《孫が出て、義理の倅と一緒にやるというのは、その芝居をする情のうえにおいてやりやすいことは確かですね。(略)伝統というものがあるからこそ、誰それの倅で何代目だとかっていう、そういう目を通して芝居をご覧くださる。それも伝統歌舞伎のひとつの面白さじゃないかなと思います》(『演劇界』’20年10月号)■生前、「80歳で『勧進帳』の弁慶を務めたい」と…吉右衛門さんの唯一にして最大の心残りは三代目中村吉右衛門となる跡継ぎがいなかったことだった、と語るのは後援会関係者だ。「菊之助夫妻にもし2人目の男の子ができたら播磨屋の養子に……という話は、和史くんが生まれてからすぐくらいからあったと聞いています。吉右衛門さん本人がいちばんつらかったと思います。吉右衛門さんご自身が、吉右衛門の大名跡を途絶えさせないため“先代白鸚さんに2人男の子が生まれたら、次男は養子に出す”と、生前からの約束事で二代目吉右衛門を継いだ身。娘さん4人に恵まれましたが、四女・瓔子さんが産んだ丑之助さんは誰よりも溺愛していました」娘婿・菊之助も同じく人間国宝・菊五郎を父に持つ。「和史くんは丑之助を名乗っている以上、将来は大名跡・尾上菊五郎を襲名する身。播磨屋にはなりえません。吉右衛門は長期の空位となる可能性があります。しかし、吉右衛門の血を継いでいる歌舞伎役者は丑之助しかいない。菊之助さんが懊悩して考え抜いた結論が、義父の芸の継承。音羽屋を礎にしたうえで、播磨屋流も学ばせていくのではないでしょうか」(前出・後援会関係者)吉右衛門さんは生前、「80歳で『勧進帳』の弁慶を務めたい」と丑之助のためにも自身の長寿を願っていた。「もっと舞台に立ちたかったでしょうし、もっと教えていただきたいことがありました」(菊之助)生前、吉右衛門さんは『文藝春秋』’20年10月号で歌舞伎界の未来について、こう寄稿していた。《コロナの後、世の中がどう変わるのか。我々はもういなくなっているかもしれませんけども(笑)。孫の丑之助たちがその中でどう歌舞伎役者として生きていくかが、心配してもしょうがないんですけど、気になっております。(略)私は幸せな時代に生きまして、先人から受け継いだものを、そのままやれば皆さん喜んでくださったんですが、さあ、孫の丑之助の時代はどうなるか》歌舞伎界をけん引してきた吉右衛門さんの“芸の魂”は菊之助、そして丑之助へと脈々と受け継がれ、磨かれていくことだろう――。
2021年12月08日『十二月大歌舞伎』が12月1日、東京・歌舞伎座で開幕した。この度、第二部『ぢいさんばあさん』に出演する尾上菊之助と中村勘九郎からのコメントが到着した。歌舞伎座12月公演『十二月大歌舞伎』の第二部で上演される『ぢいさんばあさん』は、森鷗外の短編小説を原作に劇作家の宇野信夫が作・演出を手がけ、昭和26(1951)年に初演された新歌舞伎である。変わらぬ夫婦愛を描いた名作に今回初役で挑戦するのが、尾上菊之助と中村勘九郎。歌舞伎はもちろん、連続テレビ小説への出演や大河ドラマなど映像ジャンルでの活躍も記憶に新しい両者だが、今回は約5年ぶりに夫婦役での共演となる。演じるのは、それぞれの父、そして祖父も勤めてきた伊織とるんというおしどり夫婦。1年を締めくくる12月にほっこりと心あたたまる愛情物語を堪能してほしい。尾上と中村からのコメントは以下の通り。――『ぢいさんばあさん』の思い出、作品の印象菊之助:若夫婦のきくという役でこれまで2回出させていただいて、その時は父(尾上菊五郎)がるんを勤めておりました。お互いのことを「思う」、「偲ぶ」、「慈しむ」という、なかなか今では感じづらくなっている日本人の大事にしなければいけない心というものがこの作品にはこもっていると感じておりました。今回は勘九郎さんと一緒に勤めさせていただきますけれども、ふたりでこの心を大切にしながら、先人たちが築き上げてきた心を大事にしながら勤めていきたいと思います。勘九郎:私は弟の久右衛門を勤めさせていただいたことがあります。その時は父(十八代目中村勘三郎)が伊織を演じており、るんを玉三郎のおじさまが演じておりました。久右衛門は最初の場面で出番が終わってしまうのですが、そのあとの二場面を毎日のように拝見して、演じていないのに毎日涙が出ていた記憶があります。すごくあったかい作品でもありますし、父や祖父のようにチャーミングで可愛らしい伊織や夫婦像というのを菊之助さんとともにできればいいなと思っております。――久々の夫婦役での共演、若手との共演について菊之助:5年ぶりなんですね、勘九郎さんと夫婦を演じさせていただくのが。その時も色々お話をさせていただきながら作り上げていった思い出もありますので、今回もふたりで話し合いながら作り上げていければという風に思っております。今回若手の歌昇さんや尾上右近さんたちとも一緒に舞台を作っていますが、みんな本当にこの作品を良くしようという心意気が一つの方向に向かっています。一場面一場面、みんなで作り上げていくお芝居だという風に改めて感じています。勘九郎:5年前演じさせていただいた時もバカップルというか…イチャイチャが激しい夫婦を演じさせていただいて、今回の伊織とるんも上品ではありますけれども負けず劣らずのおしどり夫婦です。今、稽古をしながら2日間とも違った感じというか、毎回新鮮にできるというのがすごく幸せです。本当に信頼しきっている方なのでとても楽しいです。――意気込み菊之助:ばあさんのるんを勤めさせていただきます。結婚して赤ちゃんも生まれたばかりの夫婦が別れ別れになって、今度会うときには姿形はおばあさんとおじいさんになっている…。勘九郎さん演じる伊織との日々の舞台での化学反応を楽しみながら、37年という時間をかみしめながら日々勤めたいと思っております。勘九郎:今、まだコロナ禍ということで大切な人、会いたい人に会えない時代で、とてもお客様の心に刺さる作品になっているなと思います。先人たちが築き上げてきたすばらしい演出や、技というものを受け継ぎながら、今の私たちの心を入れて勤めたいと思っております。ほっこりできる作品ですのでぜひ劇場へ足をお運びください。『ぢいさんばあさん』 あらすじとみどころおしどり夫婦を描いたあたたかい愛情物語江戸番町に住む江戸大番役の美濃部伊織と妻るんは評判のおしどり夫婦。子どもも生まれ幸せに暮らしていた矢先、伊織は喧嘩で負傷した義弟の宮重久右衛門に代わり 1 年間単身京都で勤めをすることになる。翌年の桜時の再会を誓い別れる二人。ところが、伊織は京でふとした弾みから同輩の下嶋甚右衛門を誤って斬ってしまい、越前にお預けの身となって江戸への帰参が叶わなくなってしまう。月日は流れ、二人が離れ離れになってから37 年 、罪が許された伊織とるんはようやく再会の日を迎える。前半の心浮き立つ若夫婦の初々しいやり取り、後半の時が流れお互い白髪となった二人が寄り添って交わすしみじみとした会話に胸を打たれる、変わらぬ夫婦愛を描いた名作。『十二月大歌舞伎』は12月26日(日)まで、東京・歌舞伎座にて午前11時~(第一部)、午後2時30分~(第二部)、午後6時~(第三部)の三部制(各部総入れ替え、幕間あり)で上演。
2021年12月01日山崎育三郎、尾上松也、城田優の3人が、2015年ミュージカルでの競演を機に自分たちの感性で、オリジナル作品を製作したいという思いを共有し、3人の名前の頭文字から「IMY」と名付け、2019年より始動したプロジェクト。その舞台公演・第1弾「あいまい劇場 其の壱『あくと』」が11月20日に開幕した。ノンストップの約2時間はぎゅうぎゅうに詰め込まれたおもちゃ箱のよう。音楽監督・桑原まこが率いる生バンドの演奏とともに、歌と芝居がシームレスに展開し、息つく暇がない。福原充則の脚本(第2話を除く)はパンチが効き、台詞の熱量が凄まじい。城田優も脚本(第2話)に初挑戦し、新境地を見せた。成河が初演出とは思えない手腕で、多要素を見事に一つの物語としてまとめ上げている。開演前、メイクをし衣裳をつけ、自分でない誰かを演じ始める瞬間。まるで俳優たちの日常の続きを感じられるような演出からいつの間にか4話のオムニバスはスタート。第1話「朝ドラオーディション」ではオーディション風景が繰り広げられる。オーディションの後半は即興芝居。お題はTwitterで一般から募集したものだ。この日は最初に自由にポーズをとり、そこから自然な形でお題に添う芝居を始める。プロデューサーのザキヤマ(山崎育三郎)、俳優の尾上と城田の3人は頭脳をフル回転し、時に助け合い、絶妙な機転をきかせて大爆笑が起こる。ライブ感がたまらない。場面は一転、ムーディな雰囲気になり、清水美依紗が「あくと」を歌い出す。ソウルフルな歌声と圧巻のロングトーンが心を揺さぶり、観る者を未知の旅へと誘う。すると不穏なメロディと口笛が。第2話「Literal thinking」では、謎解きと心理サスペンスとが入り混じり、観ているこちらも推理に必死になる。手に汗握った後は、皆本麻帆と清水美依紗が「邪なアイ」を軽快に歌い踊る。女と男の駆け引きを思わせるポップソング。こちらまで楽しくなる2人の明るい笑顔に気分がのってくると、導かれるように第3話「1996年の鳥山明」がスタート。夢と現実の狭間での男たちの葛藤、切なさと擦り傷のようなヒリヒリ感。同時に希望をももたらし、まるで青春活劇のような爽快感が残るから面白い。第4話「EXシアターのジャン・ヴァルジャン」は大クライマックスとして、とにかく観てのお楽しみ。ダイナミックで演劇愛に溢れ、グサッとくる台詞と歌が詰め込まれ、これまでにない感覚が味わえること請け合いだ。会見では、「2015年の雑談から生まれた企画がこうして実現し、ワクワクしています」(山崎)、「固定概念にとらわれず、今までにない日本発のエンタテインメントを目指しました」(松也)、「自分たちが楽しい、面白いと思えるもの、そしてミュージカル、コンサート、ショーなど全ての良いところを凝縮したIMYならではの作品、お楽しみいただけると思います」(城田)、「こんなに楽しくていいのかしら?と思ったくらい、稽古場が楽しかったです。IMYと演出の成河さんの自由な発想を毎日見られて幸せでした」(キムラ)、「毎日楽しく自由に、のびのびとやらせていただきました。緑子さんとIMY の御三方が体当たりで大真面目にお稽古している姿が、美しくて素敵でした」(皆本)、「新人で初舞台です。右も左もわからない中でリラックスできる環境を作っていただき、頑張れました。芸歴の長い城田さんでも緊張なさると聞いて安心しています」(清水)、「初めての演出で、場作りが上手いIMYをはじめ、皆さんに助けてもらいました。毎日本気で泣いたり笑ったり、最終的に僕が一番好きなものが出来上がったと思います」(成河)と、キャスト、演出家共に抱負を語った。あいまい劇場 其の壱『あくと』日程:2021年11月20日(土)~12月5日(日)会場:EXシアター六本木出演:山崎育三郎、尾上松也、城田優、皆本麻帆、清水美依紗、キムラ緑子演出:成河※前売り券は完売。当日券は日によって異なる。詳細は公式ホームページでご確認ください。公式ホームページ:
2021年11月22日