世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。今回は、投稿いただいた体験談から、少女にだけ見えた恐怖の存在……。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 18小人が襲ってくる…!恐怖度投稿者・ティアラさん・女性私は赤ちゃんの頃からの記憶があり、子どもの頃から他の人には見えないものが見えていました。不思議なものを見るたびに、「ホラッあそこにいるでしょ!?」と言っていたので、心配した母に神社に連れて行かれて祈祷されたこともあるのですが、宮司さまに「この子は悪魔が取り憑いているわけではなく、普通の人より勘が鋭く見えないものが見えているだけ」と言われたそうです。子ども時代に住んでいた家では、この世の者ではない悪霊のようなものが家に入ろうとしている影や音が聞こえていたため、たびたび夜中に起きてパニックになっていました。特に一番怖いのが、寝室の窓を開けようとしている小人のようなもの(私はゴブリンと呼んでいます)。それはかわいい感じではなく、恐ろしい形相で、寝室の窓を開けようと何匹も窓に張り付いているのです。私は必死で「ママ、アレ?? 小さなお爺さんみたいな人が窓を開けようとしてる!」「入って来てもいいの!? 無理矢理開けようとしていて怖い!!」と母に説明していました。部屋の下からミシミシ凄い音がしているときもあり、「ママ!! この音大丈夫なの!? 怖いよ!!」と、しょっちゅう泣き叫んでいました。母は私が騒ぐたびに、「大丈夫よ! 下で大きな音がするのは、お父さんが家に入ろうとしている怖いものをやっつけている音だから安心して寝なさい」とか、「窓を開けようとしても、鍵がかかっているから入れないから平気よ」 と言うのですが、寝室の窓の鍵のロックは今にも小人に開けられそうになっていて、私はもう「鍵が開きそう!! ママ!! 悪いお爺さん入って来るーっ!!」と大騒ぎして、最後は決まって「ギャーッ!!」と叫んで失神したようになって眠っていたそうです。私は自分が、「ギャーッ」と、叫んでいた所までは覚えています。でも、母は見えていないことに気付いてからは、また祈祷に連れて行かれたくないので、見てもあまり言わないようにしていました。知ってしまった犬養さんのつぶやき小人、怖っ…!! 家にいっぱい来られたら嫌だな~。しかも怖い顔のゴブリンって…見ただけで誰でもパニックになりそう~。もしそんなのが来たらどうしよう!? とりあえず家には侵入して欲しくないよね~。あなたならどうする?1.「勝手に入らないでくれませんか?」とお願いしてみる。2. 見なかったことにして寝る。3. 犬や猫に守ってもらう。4. 殺虫剤で撃退する。私なら咄嗟に4番を選んでしまいそう~。掃除機で吸ったら出てきそうだもんねー。ほうきで掃き出すのはどうだろう? もう来れないように家中に罠を仕掛けるといいかも!?あれ……? なんだかGが出た時の対処法に似ているな……。霊はどこにでもいて、心の隙間に入り込みます。みなさま、ご用心して下さいね―――by犬養ヒロ
2019年07月15日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。今回は、投稿いただいた体験談から、家にひとりでいるときに起きた不思議な体験……。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 17霊の通り道知りたくない度P.N りり(仮名) (年齢 ヒミツ・女)の体験談以前から「?」と思う事がたまーに起きていたのですが、日中の在宅時の出来事です。PCで映画鑑賞中に、突然! ストーリーとは関連のない “寝息” が近くで聞こえ始めたので、ビクッとなりました! その時、家には私以外は誰もいませんでした。「聞き間違え? 何か別の音?」と思い、観賞中の映画をストップして、聞き耳を立てると、やはり “寝息” が聞こえてきます。 しかも、と~っても気持ちよさそうに寝ている寝息……。 しばらくすると、“寝息” は2分ほどで聞こえなくなりました。その2日後の夜中のことです。娘が就寝中、「誰かが部屋のドアを開けた」そうなのですが、家族に確認しても、誰も開けてないのです……。娘本人は「夢だったのかな? でも起きているつもりだったんだけど……。寝ぼけたのかな……?」と言っていました。そんな奇妙な出来事がいろいろ続いていて、怖いので知人(神事にかかわる家系の女性)に相談すると、「家に榊の木、植えてない?」と聞かれました。家には、神棚に供える榊の木を植えているのですが…、「家の裏にも榊の木、無い?」と聞かれたので、家の裏を見に行くと……、知らなかったのですが、小さくて細い榊の木がありました。知人は、私の家を知らないのに、「きっとね、通り道になってるんだよ。通るだけだから榊の木を月一くらいで清めておけば大丈夫だと思うよ」そう言って「塩と酒と米を少量撒く」という、清めの方法を教えてくれました。すぐお清めをしたので、もう当分怖い出来事は起こらないと信じたいです……。知ってしまった犬養さんのつぶやき霊が家の中を通り道にしてるってことー!? しかも家の中で“寝息”立てて寝てるって…! 夜中に“部屋のドアを開けた”のも霊の仕業だったら、もう同居状態になってるのかも!? それは困るよねー。やっぱり霊だからって、勝手に住みつくのは図々しいと思うわ~。せめて住むなら、家賃は払ってもらわないとー!この際しっかりお清めして追い出したほうがいいだろうね! 榊の木もてんこ盛りに植えとこ!! 図々しい霊でもわかるように「私有地につき、断固侵入お断り!」って看板出しておけばいいと思うよ!霊はどこにでもいて、心の隙間に入り込みます。みなさま、ご用心して下さいね―――by犬養ヒロ
2019年07月05日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。今回は、クリーニング店にかけた1本の電話から始まった不思議な体験……。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 16電話対応知りたくない度(P.N かべすみママ 44歳・ 女)の体験談4年前に他界した母が、20年以上前に体験した不思議な話です。いつも利用していた個人経営のクリーニング屋さんへ母が電話をしたところ、クリーニング店の奥さまが電話に出たそうです。母が「後でお店へ伺いたいけど、まだお店開いてます?」と聞いたら、奥さまが「はーい。大丈夫ですよ!」と仰ったので、母がクリーニング店へ行ってみたところ……。お店はやっておらず、クリーニング店のご主人が晩酌中だったとのこと……。母がご主人に、「あら? 今日はお店お休みでした? さっき電話したら奥さまが電話に出て、お店やってるって聞いたけど?」と話したのですが、クリーニング店のご主人、キッと母を見返して、「誰が電話に出たって? うちの家内? そんなはずないよ。家内はこの間、亡くなったんだから!」と言ったそうです……。母は「確かにあの声は奥さんだったよ……」と何度も私に言っていました。まだ亡くなったばかりだったから、奥さまがお店にいてお仕事していたのかな? と思った私と母でした。知ってしまった犬養さんのつぶやきお仕事していたんだろうね……。もしかしたら、旦那さんだけにお店を任せておけないから、亡くなってもまだ「私が働かなきゃ!」って思っているのかも知れないね……。しかしこの奥さんは、働き者でえらいよねー。きっと生前もずいぶん働き者だったんだろうなぁ。ここはひとつ、残された旦那さんにしっかり頑張って働いてもらって、「あら、私が手伝わなくても大丈夫なのね」って、安心させてあげるといいかもしれないね。生きてるうちに「しっかり働いて」、死んだら「しっかり寝る」のがいい。寝ないでウロウロしてたら、他の人がビックリしちゃうからね。霊はどこにでもいて、心の隙間に入り込みます。みなさま、ご用心して下さいね―――by犬養ヒロ
2019年06月28日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。今回は、真昼に起きた怪現象……。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 15真昼の怪現象知りたくない度(P.N こぶたちゃん 47歳・女)の体験談今からもう15年ほど前になります。K県のアパートの2Fに主人と先代の猫1匹と住んでいました。ある日の午後、ふと畳の部屋を覗くと いつものように飼い猫が、畳んである布団の上にチョコンと乗って眠っています。何の気なしに猫の側へ近づいたその瞬間……!カーテンレールに掛けてあったハンガーが 突然ブルンブルンと揺れ始めたのです!!ガラス戸はしっかり閉まっていて、 鍵もかけたまんま。また地震でもなく、 とにかくハンガーだけがブルンブルンと勢いよく揺れていて……。私は茫然自失となり、立ちつくしたまま ハンガーが揺れるのをただ見つめていました…。結局20回程は揺れたと思います。ふと我に返り、とにかく猫をこの部屋から連れ出さないとと思い、慌てずに平然を装い、猫を抱っこして畳の部屋から出ました。窓の外はすごくお天気が良くて、それがなおいっそう、先ほどの不可思議現象を 際立たせていました……。知ってしまった犬養さんのつぶやきこれは、いわゆる「ポルターガイスト現象」だよね…! ハンガーが目の前でいきなり激しく揺れ出したりなんかしたら、実際には度肝が抜かれるぐらいビックリする体験だよね~~~!これがもし、夜中の丑三つ時に起こったんなら、近寄って欲しくないタイプの霊だろうねー。でも、このお話からはあんまり「怖さ」を感じないから、きっと自分がいることに気づいて欲しい「霊の自己アピール」で、悪意は無さそうに思うな~。猫がいつも通り気持ちよく寝てるなら大丈夫。ここだけの話、動物には霊が視えているからね…。霊はどこにでもいて、心の隙間に入り込みます。みなさま、ご用心して下さいね―――by犬養ヒロ
2019年06月19日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。今回は、これからの海水浴シーズンにゾッとする話……。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 14水の底知りたくない度(P.N おたまじゃくし 主婦)の体験談20年前になるのですが―――私が小学生の頃、夏休みの間県に住む祖母の家に滞在していた時の話です。祖母の家のすぐ目の前はとても大きな湖があり、まるで海のようでした。姉と一緒にその湖で泳ぐことにしたのですが、夏休みなのに海と違い、たまに地元の人が通りがかるぐらいで他に泳いでいる人はいませんでした。姉と浮き輪を付けて湖に入ると、水が澄んでいてきれいで足もとで小さな魚が泳いでいるのが見えます。海と違って波がなく、海水ではなく真水なので水の中で目を開けることもできました。私と姉は、水が腰下ぐらいの浅いところで泳いで追いかけっこをしたりしていたのですが、泳いでいるうちに私は姉がいる水際のほうから離れたところまで来ていました。水辺が遠浅だったので安心していたのですが、急に水が深くなっている場所があり、気がつけば足が底に着かずに深くなっていました。さっきまで砂だった水の底は暗い緑色に変わっていて、うっそうとした森のように藻でいっぱいになっていたのです。「ここは深いから岸に戻ろう…!」そう思った時、藻が足首に触れました。その次の瞬間……!何かゾッとするぐらい冷たいものに足首を掴まれて、すごい力で水の中から引っ張られたのです…!水の中に引きずり込まれそうになった時、水の中で自分の足もとを見ると、藻の中からたくさん「人の手」が伸びているのが見えました。そして、恐ろしいことに、藻から伸びた一本の長い手が、私の足首を掴んでいたのです…!私は必死で「お姉ちゃんっ!!」と大声で叫びました!叫んだ瞬間、足首を掴んでいた手が緩んだので、水を蹴って姉のいるほうに行きました。もし浮き輪をしていなかったら、確実に溺れていたと思います。立てるところまで行くと、姉に「水から出よう!!!」と急いで姉の手を引っぱって岸に上がりました。そのことを姉に話すと「足に藻が絡まったんじゃないのー?」と、信じてもらえませんでしたが、後で見ると引っ張られたほうの足首がうっすらと赤くなっていました。その日の出来事を祖母に話すと、こっそり私に言いました。「昔から、この湖に来て入水自殺する人が後を絶たないんだけどね……死体が藻に絡まって見つからないんだよ。だから深いところには絶対に行っちゃぁいけないよ」それ以来、大人になった今でも海や湖が苦手です……。知ってしまった犬養さんのつぶやき浮き輪必須……!!地味にリアルで怖い話だな~。これは実際体験したらガクブルだよねー。もう足を掴んだのはお茶目な人魚ってことにしておこう。いやはや、竜宮城に連れて行かれなくて良かったよ!今年の夏は、混んでてもセーフティーガードがいる賑やかな海とかプールに行くことにするよ。乙女は日焼け止めも忘れずにネ!!手の跡も嫌だけど、シミができるのはもっと嫌だもんね!今年の夏も、Enjoy summer!霊はどこにでもいて、心の隙間に入り込みます。みなさま、ご用心して下さいね―――by犬養ヒロ
2019年05月14日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。今回は、木彫りのお守りにまつわる話……。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 13木彫りのお守り知りたくない度(ゆりか 27歳・音楽関連)の体験談私が子どもの頃からずっと、実家では猫を飼っています。数年前のある日のことです。当時飼っていた猫が、玄関のドアからスルっと外に出てしまいました。いつもなら外に出てしまっても必ず家の周りにいて、すぐに帰って来るのですが、その日は姿が見えず、家族中で探してもぜんぜん見つからなかったんです。それから、4~5日後のことです。猫はまだ帰らず、みんなとても心配していました。そんな時、ふと見ると、なぜか玄関に続く廊下に掛けてあった木彫りの飾りが落ちていて、一部がまるで割られたみたいに不自然に欠けていました。「いつの間に落ちたんだろう……。今まで一度も落ちたことなかったのに」それはバリ島に行ったときに買った、わりと大きな木彫りの魔除けの顔で、しっかりと壁にかけられていたので、よほどの大地震でも起こらない限り、落ちるはずがないのです。「あーあ……気に入ってたのに。直せるかな~」と廊下に置いておきました。その翌日のことです。家の側面の玉砂利のところで、行方不明になった猫が倒れているのが見つかったのです……!「どうして…こんなところで…?」猫は死んでいて、その身体はすでに硬直していました。身体に傷は無く、田舎なので事故にあったとも思えません。死んだ原因はわからず、とてもかわいがっていた猫だったので、家族中が悲しみに沈みました。後日、猫の葬儀をして手厚く葬りました。葬儀を終えた後、猫が死んでいた場所にお花を置いていると、ふと気がつきました。猫が死んでいた場所は、木彫りの魔除けが掛かっていたところの、ちょうど正面だったのです。ただの偶然なのか気になって、調べてみると……。その飾りは「ボマ」というバリ島のヒンズー教の魔除けで、神聖な場所を守る役割があるとのことでした。その「ボマ」は遺体を火葬場まで運ぶための輿に付けるものでもあるそうです。そのとき、ふと思いました。「もしかしたら…、うちに何か悪い災いが起こるはずだったのかもしれない。猫は死んでしまったけれど、もしかしたら家族をボマが守ってくれたのかも知れない……」その木彫りの飾りは、いまでも実家に大切にとってあります。もう壁には掛けていませんが。
2019年05月05日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。今回は、天井にまつわる不思議な話……。あなたの家は大丈夫?文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 12天井に潜む者知りたくない度(P.N ゾンビちゃん 女 主婦)の体験談友人のT美が結婚して、子どもができたので新居を購入した。購入した家は築年数が20年越えの中古物件だったが、T美はその家がとても気に入った。T美夫婦がその中古の家に引っ越してからのことだ。その家に住み始めてからしばらくして、床の間がある部屋の天井の隅に、5㎝ぐらいの一枚の小さなお札が貼ってあることに気がついた。薄汚れて天井の木の色と同じ色になっているからわからなかったが、かなり年期が入っている。天井の埃を払おうとしただけで、はらりと剥がれて床に落ちた。「なんでこんなところにお札が? 古くて汚いから、何の効果も無いでしょ」T美はそう思って、そのままゴミと一緒に捨てた。その翌日から、不思議なことが起こった。その部屋でT美が昼寝をしていると、奇妙な夢を見た。あのお札が貼られていた天井の板を外して、黒い影のような人が逆さまになって頭だけ出して覗いているという夢だったのだが、あまりにもリアルな夢でビックリして目を覚ますと、じっとりと嫌な汗をかいていた。T美は「変な時間に寝ちゃったから、気味が悪い夢を見ちゃったのね」そう思って気にしないようにした。その翌日の昼間、T美が部屋の掃除機をかけている時だった。ふと見ると、あのお札が貼られていた場所の天井の板が10cmほどずれて、隙間が開いていたのだ。「何でこんなところが開いているの…」会社にいる夫にメールで聞いてみたが「知らない」という。天井の板は薄く、簡単に手で持ちあげることができた。T美は、「天井がが勝手に開いてるなんて気味が悪い…」と思いながら、転ばないように慎重に脚立に乗って天井の板のずれを直した。その時T美は妊娠7か月だったので、お腹の赤ちゃんのストレスになるようなことは極力考えたくなかった。しかし、その日の夜―――。T美が寝ていると突然、金縛りが起こったのだ。頭の中に金属音が響きだして、声が出せず体は動けなくなり、隣で寝ている夫に必死で助けを求めようとするが、身動きひとつできない……!そしてなぜか目をつぶっているはずなのに、T美の頭の中にあの床の間の天井の映像が映し出された。それが夢なのか現実なのかわからないままに、天井の板がズズズズズ……とゆっくりと動いて、その開いたほんの10㎝ほどの隙間からズルズル……と黒い影のような手が出てくるのが見えたのだ!その手は異様に長く、2本の手が出た後にぬぅっと頭が出たかと思ったら、何かを探しているようにギョロギョロと目玉を動かしていた。ズルズル……と今にも出てきそうだったその時―――ピクンとお腹の中で赤ちゃんが動いた。その瞬間……! 不思議なことが起こった。黒い影は一瞬で消え、金縛りが解けてT美はハッ! と目を開けた。床の間の天井を見ると、やはり隙間が空いていた。「今見たのは、夢なんかじゃない……!」T美は急いで夫を起こして、すぐに天井を閉めてくれるように頼んだ。寝ている所を叩き起こされた夫は、T美に言われるままに天井を閉めた。その日の朝、T美は近所の氏神様を祭っている神社に行ってお札をもらいに行き、家に戻るとすぐに、もともとお札が貼られていた同じ場所に貼った。それ以来、天井が開くことは無く金縛りにも一度もあっていないらしい。その後、無事に元気な子が生まれた。現在―――。T美は子守で忙しいので、天井にまだいるかもしれない霊のことなど、もはやどうでもいい様子だが、今でも天井にはしっかりとお札が貼られている。
2019年04月28日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。今回は、ドアスコープにまつわる恐怖……。あなたの家のドアは大丈夫?文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 11ノックする男知りたくない度(かとりせんこう 女 会社員)の体験談Y美がそのアパートに引っ越したのは、就職が決まったので、会社にほど近い場所に住んだほうが通勤が楽だと思ったからだ。都心に近いのに、築年数が古いせいか周辺アパートより家賃が割安だったところが気に入ったらしい。Y美の部屋は2階の一番端の日当たりの悪い部屋だったが、どうせ昼間は仕事でいないので、そんなことは気にならなかった。住んでしばらくは、何事も無く普通に暮らしていた。住み始めて1か月目のことだった。夜9時頃だろうか。Y美が部屋で、チューハイを片手にコンビニで買ったサラダを食べながら、テレビを見ていた時だった。「コンコン」部屋のドアをノックする音が聞こえた。「誰よ、こんな時間に」と思ってドアののぞき窓を見ると、誰も映っていない。ドアを少し開けて廊下のほうを覗き込むと、顔は見えなかったが、帽子をかぶったトレンチコート姿の男が隣の部屋をノックしているのが見えて、そのままそっとドアを閉めた。「なんだ、お隣か。こんな時間に訪問するなんて非常識な」きっと新聞の勧誘か何かだろうと思った。しかし隣が留守だったのか、しばらくするとY美の部屋のドアをノックする音が聞こえた。「コンコンコン」今度は本当に自分の部屋のドアを叩いているが、ドアまで行って勧誘を断るのは面倒くさかったので居留守をしていると、しばらくしたら諦めたのか、音は止んだ。その次の日の夜の事だった。「コンコンコン」またノックの音が聞こえる。どうやらまた隣の部屋をノックしているみたいだ。「チャイムがあるんだから、ノックしないで鳴らせばいいのに……」と、Y美は不愉快に思った。しばらくすると、やっぱりお隣が留守だったのか、今度はまた自分の部屋のドアがノックされた。なんてしつこい勧誘だ。どんな奴か見てやろうと、ドアスコープに目を近づけて外を覗いた。おかしな事に、真っ暗で何も映っていない。そしてまた、「コンコンコン」とドアを叩く音がした。Y美は思った。「わかった! 勧誘の奴、指でドアスコープを押さえてるんだ!」そう思ったので、腹が立ったY美は「しつこいですよ! うちはお断りなんで!」そう文句を言いながらドアを開けると、あの帽子を被ったトレンチコートを着た男が立っていたのだが、その顔を見て愕然となった。その男には顔がなかった。正確には顔の部分が真っ黒のブラックホールのように影になっていて、目や鼻や口というパーツが何もついていなかったのだ。それを見たY美は咄嗟に今まで感じたことのない危険を感じて、反射的に素早くドアを閉めて鍵をかけた。ドアを閉めることに成功はしたが、たった今自分が目にしたものへの恐怖で心臓は早鐘のように打ち、手が震えていた。今、自分の見たものは何だったのかわからないが、ひとつだけわかったことがあった。アイツはY美の部屋のドアスコープを指で押さえていたのではなかった。ドアをノックしながら、ドアスコープを反対側から覗いていたのだ……!「コンコンコン」またドアがノックされて、Y美はすくみ上った。とてももう一度、ドアスコープを覗く気にはなれない。きっと覗いたら、また真っ暗な事は簡単に予想が付いた。「コンコンコン」「コンコンコン」「コンコンコン」しばらくドアはノックされていたが、放っておいたら音は止んだ。きっと諦めたんだろう。30分ほど経っただろうか、勇気を出して恐る恐るドアスコープを覗いてみると、今度こそ、外には誰もいなかった。翌日、ゴミを出しに行く時に隣の部屋の人に会ったので、「夜に新聞か何かの勧誘の人が来てドアをノックされませんか?」とそれとなく聞いてみた。そうしたら、信じられないことに、「そんな人は今まで来たことがない」と答えたのだ。隣の家の人も夜は部屋の中にいるはずなのに、なぜノックの音が聞こえていないんだろう…?その後も時々、ドアをノックする音がしているそうだが、Y美はその部屋に2年暮らし続けている。初めは吃驚したが、今では実害も無いので無視しているらしい。「事情はわからないけど、きっと顔が無いから家に帰れなくて、ずっと自分の家を探して彷徨ってる幽霊だと思うわー」と、今ではすっかり慣れっこで気にもならないのか、他人事のようにY美は言った。
2019年04月20日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。今回は、ラブホテルにまつわる恐怖……。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 10ラブホテル知りたくない度(肉団子 男 会社員)の体験談友人Aが昔、付き合っていた彼女とラブホテルに行った時の話です。その日、Aはまだ付き合って日が浅いR香とデートを楽しんでいた。レストランで食事した後、もっとたっぷり楽しむために、飲み屋街の外れにあるラブホテル通りに向かったらしい。金曜日の夜だったせいか、どこも満室だったのだが1部屋だけ空いている部屋があった。二人ともワインを少し飲んでいるせいか、酔いも手伝ってお互いに気持ちが盛り上がっていたので、今夜はたっぷりと楽しむ気満々だった。部屋の内容なんてどうでもいい。Aの頭の中は、これから繰り広げるであろう情事についての楽しい妄想でいっぱいだった。フロントでルームキーを受け取るとR香と手をつないで部屋に向かった。部屋について、ドアを開けた途端、一瞬、湿気ったカビ臭い匂いがした気がしたが、次の瞬間には鼻が慣れたのか気にならなかった。部屋に入るとベッドの周りの壁が一面赤色で、雰囲気はなかなか悪くない。SMを連想させる部屋でAのテンションが上がった。さっそくR香を裸にしてに襲いかかりたい気持ちになったが、ガツガツした男だと思われたくないので、ひとまずは「一緒に入る?」と、お風呂に誘ってみた。R香は恥じらっているのか、「私は後でいい……」と言った。オレの前で裸になるのが恥ずかしいんだろう、かわいい奴だ。どうせ後から全身隅々観察させてもらうんだが。Aはそう思って顔がニヤつくのを隠すために、風呂場へ向かった。風呂場はわりと広めで大人っぽく、全面真っ黒のタイルだった。ボタンを押すと自動で浴槽にお湯が溜まるらしい。すぐに湯が溜まった。Aはウキウキと服を脱いで、浴室のシャワーの蛇口をひねった。今日は1日中外を歩いたし、これからRと楽しむんだから念入りに洗っておかなきゃな。と、シャワーを浴びながら思った。頭を濡らして、シャンプーが終わった時だった。下を向いてシャワーの水で頭を洗い流していると、背後に人の気配を感じた。「R香も入るのー?」R香は答えず、「ちゃぽん……」と、湯船の中で音がした。R香の奴、さっき風呂に誘ったは時は恥じらっていたけど、気が変わって一緒に入りたくなったんだな。Rが本当はHが好きな女だということは知っている。普段は大人しいタイプだけど、ベッドの中ではけっこういやらしい声を出すからな……。そんなことを思いながら、顔をあげて目の前の鏡を見ると、湯船の中に、顔の半分までお湯につかってこちらを見ているR香が映っていた。…だが、よく見るとそれはRではなく、酷く痩せた知らない女だった。その湯舟は透明な湯のはずなのに、赤い血で染まっているように見えた。その女と目が合った瞬間、Aは全身の血がサーーーーーーーッと引くのがわかった。知らない女が湯船の中にいる。できれば目の錯覚であって欲しかったが、その女のは目の前にいて、その目を見れば、ひと目でこの世の人間ではないとわかった。恐らく、この部屋で何かがあって、死んだのだろう。もしかしたら、この部屋の雰囲気からして、行き過ぎた酷いプレイが行われたのかも知れない。そんなどこから来たのかわからない根拠の無い想像が、なぜか一瞬頭の中にリアルに浮かんでゾッとした。Aは恐怖に襲われながらも裸で浴室から飛び出して、濡れた身体を拭きもしないで、とにかく大急ぎで服を掴んで着ながら、「R香!この部屋ヤバイ! 今すぐ出よう!」と、叫んだ。しかし、また返事は無かった。赤い部屋の中に、R香の姿は無かったからだ。その時、ようやくAは気がついた。R香が部屋の中に入った途端、何か様子がおかしかったのは、恥じらっているからではなかったのだ。恐らくR香は部屋に入ってすぐ、あの女の霊に気がついて、Aを見捨てて逃げたのだ……!Aはその後、ひとりでそのホテルを出て終電に乗るために駅に向かった。髪の毛から水が滴っていたが、その水には少し涙も混じっていたかもしれない……。その後AはR香とそのまま破局し、Aは未だに彼女がいない。今では飲み屋の女の子に「あの時、お風呂にいた女の人と付き合えばよかったかなー」と、あまり笑えない話をネタにして口説いているが、まだ誰も一緒にラブホテルに行ってくれる人がいないらしい。
2019年04月12日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。今回は、ナースコールにまつわるゾッとするお話……。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 8ナースコール知りたくない度(P.N ナースの妹もナース 女 看護士)の体験談看護士の姉が、若かった頃の話です。入院している患者さんに、若くてイケメンの男性入院患者がいたそうです。毎日毎日顔を合わせているうちに、徐々に親しくなり「彼女がぜんぜんお見舞いに来ないけどフラれたの~?」とか、冗談を言い合うぐらいに仲良くなったそうです。姉は美人でサッパリした性格なのでよくモテていましたが、勤め先の病院で患者さんとの恋愛なんてありえないので、その男性患者のことも恋愛の対象としては全く考えていませんでした。でも、その男性患者には恋人がいなかったので、いつも姉の顔を見る度「退院しても会いに来ていい?」とか、「病気が治ったら一緒にどこか行こうよ」と、冗談っぽく笑いながら言ってきて、姉も「退院したらね~」と軽くあしらっていたそうです。姉曰く、本当にちっとも気が付かなかったそうです。いつの間にかその患者が姉に恋愛感情を抱いていたということに…。そんなある日、姉が出勤するとその男性患者の病室がキレイに片付けられていました。予定よりも早く退院したのかと思って先輩に聞くと、「あなたが休んでいる間に容体が急変して、発作を起こして夜中に亡くなったのよ。まだ若いし男前だったのに気の毒よねぇ」つい先日まで、あんなに元気だったのに……。まさか亡くなるなんて……。その患者が亡くなってから数日後、姉の身の回りでおかしなことが起こり始めました。夜勤の時、ずっと後ろから誰かに見られているような、人の視線を感じるらしいのです。でも振り向いても誰もおらず、仕事中なので気にしないようにしていました。そんなある夜のこと。夜中にナースコールが鳴ったので病室にかけつけると……そのベッドは空きになっていて誰もおらず、そこはあの男性患者が生前に使っていたベッドでした。「誰もいないのに、なぜ……?」誰もいないはずのベッドのナースコールが鳴るなんて。壊れているはずはないし……。同じことが、夜勤の度に起こりました。いつも決まって鳴るのは、夜中の三時で、それは偶然なのかあの男性患者が亡くなった時間でした。そんなある夜勤の日、またナースコールが鳴ったので見に行くとその日は様子が違っていました。ベッドの横に、亡くなったはずの男性患者が下を向いて立っていたのです……!「ヒ…ッ!」驚いて姉が立ちすくんでいると、その男性患者がゆっくりと顔をあげ、「……治ったから……一緒に行こう……」笑いながらユラユラと近付いてきたそうです。そして姉の目の前に来たかと思うと、ぎゅうっと、急に胸が苦しくなって、息が詰まりそうになったのです…!「……一緒に……一緒に……」どんどん息が苦しくなっていくので、これはマズいと思い、「……無理!! あなた死んでるから無理!!」力を込めてそう言い返しました。すると、フッと呼吸が楽になり、その患者は一瞬悲しそうに顔を曇らせたかと思うと、すぅーっと消えたそうです。それ以後、夜勤の時に視線を感じることもナースコールが鳴ることも、一度も無くなりました。そんなことがあった姉ですが、「その患者さんはお気の毒だけど、こっちは仕事だからしつこくされてもねぇ~」そう言いながら煎餅をバリバリ食べていて、逞しいなと思いました……。
2019年04月05日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 8リサイクルショップ知りたくない度(P.N おてもやん 女 会社員)の体験談私の友達のK子の話です。K子は独り暮らしのOLで、いつも金欠だった。会社が私服勤務なので、それなりにファッションにも気を遣わなくてはならず、安月給なのに服代にお金がかかるのが悩みだった。できるだけバーゲンでバッグや靴を買うようにしていたが、ちょっとセンスの良い物を買うとお金はすぐに消えていった。そんなK子が、ちょっと前に流行ったとはいえ、高価そうなブランド服を着ていたりする。おしゃれになった理由を聞くと、「新品の服を買うと高いけど、近所に大きなリサイクルショップができて、すごく安いのよー!」と、嬉しそうに言った。もともと買い物が好きなK子はすっかりその店が気に入って、頻繁に通うようになり、服は全てその店で買うようになった。ある時、K子はその店でとても気に入ったワンピースを見つけた。ちょっと古いけれど、状態はいい。着てみると、黒色だから痩せて見える。値段もお買い得価格。すっかり気に入って、そのワンピースを購入した。家に帰ってそれを着て、鏡の前に立ってみると、K子にとても似合っているように思えた。明日さっそく、会社に着て行こう。K子はいい買い物ができて、すっかりご機嫌だった。翌日、その服を着て会社に行くと、心なしか周囲の人に見られている気がする。きっと似合っているのだろう。会社のトイレに行ったときに鏡に映る自分を見てにっこりした。K子は帰宅してからも、そのワンピースを脱ぐ気にならなかった。脱ごうとするのだが、なぜか脱いだ途端に無性に着たくなるのだ。なんだか、このワンピースを着ていると心が落ち着く。食欲も全然わかない。鏡に映る自分をうっとりと見つめながら、「ずっと着ていたい……」とK子は思った。K子は次の日もそのワンピースを着て会社に行った。その次の日も、その次の日も、着て行った。その後、K子は会社に行かなくなった。K子が長い間無断欠勤をしているので、心配した会社の人が実家に連絡したらしい。K子のアパートに様子を見にやってきた母親は、鏡の前でボ――――ッとうつろな目で座っている娘を見て、ギョッとした。「K子ッ……、喪服を着て何やってるの……!」K子に駆け寄った母親は、鏡に映る娘を見て、恐怖で心臓が止まりそうになった。その鏡にはK子ではなく、髪は抜けて歯はボロボロの骨と皮しかない知らない女が映っていたのだ。その女が母親を見てニヤッと笑ったかと思うと、K子が焦点の合わない目で、口をパクパクして言った。「この子のお葬式はまだだよ……」それはK子の声ではなく、この世のものとは思えないような低いしゃがれた声だった。それはほんの一瞬の出来事で、次の瞬間には普通の鏡に戻っていた。K子は精神が弱っていたので、母親に病院に連れて行かれた。その後、母親は気味が悪いので、その服を近所の神社に持って行ってお炊き上げをしてもらった。その服を火の中に放り込むと異様なほどに真っ黒な煙がもうもうと立ち上り、やがて灰になった。K子はその服を脱いでから、すぐに体重も戻って元気になったが、その数日間のことはよく覚えていないそうだ。現在は、実家に戻って近所の制服がある会社に勤めているので、リサイクルショップには行っていないらしい。
2019年03月29日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 7会社に出る霊知りたくない度(P.N カツ男 会社員)の体験談友人のKが転職して、とある企業で働き始めた。その会社は小さくて古い建物ではあったが、一応自社ビルらしい。入社してしばらく経つが、周りの同僚はみな親切で上司も口うるさくない。残業も無いし快適な環境で、いい会社に入れたと喜んでいた。数か月後、上司から初めて残業を頼まれた。その仕事はどうしてもその日のうちに片付けなくてはならなかった。他には誰も残業ができる人はいないらしく、新人のKが断れるはずがない。特にこれと言って断る理由も無かったKは、快く引き受けた。時計の針が9時を指していたが、Kは会社に残って薄暗い社内でひとりで作業をしていた。夜の社内はやたら静かで「今日は、他の部署の人もみんな帰っているのかな?」と、思った。夜の10時を過ぎた頃だった。ようやく仕事を済ませた時、遠くのほうで「カツーン、カツーン……」と、女性がヒールを履いて歩いているような足音が小さく聞こえた。「やっぱり他の部署でも、残業してる人いたんだ」と、Kは思った。帰り支度を済ませて廊下に出ると、非常用の蛍光灯以外は消灯されていてびっくりするほど暗かった。「さすがに暗い夜の会社はいい気がしないな」早く帰宅しようと思い、出口の方向に向かうと……「カツ―ン、カツ-ン」同じフロアに人はいないのに、どこからか、また自分以外の足音が聞こえる。「別のフロアから聞こえるのか……?」なんだか気味が悪い。しかも奇妙なことに、Kが歩き出すと、「カツン、カツン、カツン」さっきより足音が大きくなった。「え……?こっちに向かって来てる?」そう思った時、「カツ、カツ、カツ、カツ、カツ」足音はさっきより早くなって近付いてきた。Kはゾッとして、速足で出口に向かった。するとその足音も……「カツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツ」速くなって追いかけて来たのだ!他には誰もいないのに、足音は異様な速さでどんどん近づいて来る。「誰かが追いかけてきている……!」足音はとうとうKに追いついて来て、背後まで迫ってきた。急に足音が止んだので、恐る恐る後ろを振り返ると……誰もいなかったので、ほっと胸をなでおろしたのだが、廊下の窓に映った自分の姿を見て、心臓が凍りついた。ボサボサの長い髪、薄汚れた衣服、ボロボロのヒールを履いた女が自分の背中にしがみついていたのだ。どう見ても普通の人間ではなく、見開かれた眼は血走り、半分が飛び出している。「ひぃぃぃーーーーっ!!!」その女と目が合った瞬間、Kは恐怖のあまり気を失った。それからどのくらいの時間が経ったのか、「……大丈夫ですか?」見回りに来た管理会社の人に揺り起こされた。長い時間が経ったように思ったが、実際にはほんの数分しか経っていなかった。管理人さんに自分に起こった出来事を話すと、「このビル、夜は出るって噂なんで早く帰ったほうがいいですよ……」と、数年前にこのビルで自殺があったことを教えてくれた。聞けば、会社の同僚に虐められて毎日残業させられていた女性社員が、社内で首を吊って死んでいたことは社員全員知っているという。そんな事件があったので、現在は残業が少なくなっているそうだ。もしかしたらその霊は未だに成仏できなくて、誰かと一緒に自分も帰りたかったのかも知れないが……「しかしアイツら、それを知ってて俺に残業させたのか」そんな目に遭ったKだが、今も逞しく同じ会社に務めている。勤務条件に不満はないしせっかく入った会社で、転職するのももったいないと思ったらしい。この残業の時に起こったことは、自分だけの胸にしまっているそうだ。「もうすぐ会社に新人が来るから親切にしなくちゃな。すぐに辞められちゃ困るもんな」Kは待ち遠しそうにつぶやいた。
2019年03月23日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 6エレベーターの女知りたくない度(P.N ピョン吉 男 会社員)の体験談友人Eの住むマンションは9階建てで、その上のR階は屋上になっている。ある雨の夜、仕事が残業でマンションに帰り着くころには夜の0時近かった。エレベーターは誰かがこんな雨の日に屋上に行ったのだろうか、R階で止まっていた。ボタンを押すと、9…8…7…とエレベーターが降りてきた。Eがいる1階に降りてきたが、当然こんな時間だから人は乗っていなかった。目の前で、ゆっくりとドアが開いた。雨だから、エレベーターの中の床が濡れていた。Eはエレベーターに乗り込んで、自宅階の9のボタンを押した。扉が閉まったのだが、エレベーターの中は、今までに嗅いだことの無い腐敗臭のような鼻をつく嫌なにおいがする。この異臭を体内に入れたく無いと思ったEは、思わず口もとを手でおさえた。エレベーターが1…2…ゆっくりと動き出したのだが、ふと正面の扉を見ると、Eは恐怖で固まった。扉の透明のガラス部分に、口元を手で押さえている自分の姿が映っていたのだが、その後ろに人が立っていたのだ。正確にはそれは、この世の人ではなかった…。それは黒い服を着た髪の長い女で、Eの真後ろにピッタリと張り付くようにして立っていた。髪から覗くその顔は、半分が何かに押しつぶされたように潰れていて、頭部の一部が欠損していた。Eは恐怖で心臓が止まりそうになった。絶対に振り向いたらダメだと、強く思った。一刻も早くエレベーターから出たかったが、身体がこわばり動くことができなかった。Eの部屋は9階。いつもなら、ものの1分もかからずに着くはずなのに、果てしなく遠く感じた。恐怖で目をそらすことも、唾をのむことさえもできない。その女が崩れた顔で、嬉しそうに笑っているように思えた。「早く9階に着いてくれ……!」心の中で必死で祈った。エレベーターが…3…4…階を通り過ぎた。とにかく今すぐに、エレベーターから降りたい。エレベーターは5階を過ぎた。9階で止まって扉が開いたら、一目散に走って部屋に逃げ込もう。そう思ってじっと気を失いそうな恐怖に耐えた。6…7…8…やっと扉が開く。「9階に着いた……!!!」と思ったら……! エレベーターはどうした事かそのまま通り過ぎ……屋上のR階に着いた。R階で止まると、ゆっくりと扉が開いた。屋上は真っ暗で雨が降っていて、当然誰もいなかった。「誰もいないのに、なぜR階に……?」もう恐ろしさでパニックになりそうだったが、あの背後にいた女がいなくなっている事に気が付いた。急いでエレベーターの扉を閉めて9階のボタンを押した。とにかく、今すぐこの場から離れなくてはいけないと思った。9階のランプがついて、ドアが閉まった。エレベーターがゆっくりと下へと動き出した時に、扉のガラスの向こうの屋上のフェンスの前に、あの女が立っているのが見えた。その時Eは、すぐに理解した。「ああ、あの女はここで飛び降りて死んだんだ……」あの女を屋上に残したまま、エレベーターは今度はまっすぐに9階に着いた。扉が開くと、Eは走って部屋に帰った。後ろで、勝手にエレベーターがまた屋上に上って行ったが、Eは振り返って確認はしなかった。数日後、Eはそのマンションを引っ越した。それからしばらくして、そのマンションで住人が飛び降り自殺があったことを噂で聞いた。雨の降る夜だったらしい。「あの女に呼ばれたんだ……」Eはそう言っている。
2019年03月15日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 5チェーンメール知りたくない度(P.N タタリちゃん 女性 出版業)の体験談昔、「不幸の手紙」というものがありましたが、それと同様に「チェーンメール」というものがあることを知っていますか?最初の発信者はわからないが、どこからか回ってくる。内容は、「このメールを3日以内に3人の人に回さなければ、あなたは不幸になります」これは、出版社で編集の仕事をする知人のIさんが新卒で入社した時に起こった話です。ある日会社に行くと、自分宛に新着メールが届いていました。差出人の名前は、Iさんの名前。はじめは、エラーで自分のメールが戻ってきたのかな? と思ったが、開封すると……、「あなたは祟られました。災いが起こります」「祟りから逃れたければ、3日以内に3人の人にこのメールを転送すること」その時は、それほど気にすることもなく、きっと新手のスパムメールなんだろうと思い、すぐに削除しました。その翌日のことです、同じように会社に出勤してPCを起動すると、また自分宛に自分の名前で新着メールが届いてました。開封すると……。「あなたは祟られました。災いが起こります」「祟りから逃れたければ、2日以内に3人の人にこのメールを転送すること」……と書かれていました。2日も連続で届くと悪戯にしてはたちが悪い。ご丁寧に「あと残り2日」になってるし。会社のメールはセキュリティがしっかりしているはずなのになぜ……。それでもIさんは「チェーンメールなんて、バカバカしい!」と、気にしないようにして、削除しました。3日目会社に出勤して、「まさか、もう来ないだろう……」と、恐る恐るPCの電源を入れると……。「あなたは祟られました。災いが起こります」「祟りから逃れたければ、今日中に3人の人にこのメールを転送すること」と書かれていました。Iさんはゾッとしました。「今日中にって……気持ち悪い!」悪質にもほどがある。「祟られる覚えなんかないんだよ、バーカ!」Iさんは心の中でそう言って、すぐさまメールを削除し、仕事をすることにしました。Iさんの仕事は忙しいので、その日に片付かなかった仕事は、いつも自宅に持ち帰ります。その日も仕事を持ち帰ることになりました。Iさんが帰宅してから、仕事をしようと自宅のノートパソコンを開けた時、夜の0時を過ぎていました。ノートPCにメールの新着通知が届いていました。見ると、自分の名前で自分宛のメールが届いています。まさか、あのチェーンメールが自宅のPCのメールにも……? 会社とは全然関係のない個人のメールアドレスなのに同じメールが……?これはもうおかしい。チェーンメールが流行っているのか?いったい誰の嫌がらせ……!?怖々メールを開くと……。いきなり! 画面一面が真っ赤になってPCが固まりました。「何これ!? 気持ち悪い……!」ゾッとしてすぐにPCを閉じました。もう仕事する気もすっかり失せて、とにかくベッドで布団を被って、何も考えずに寝ようと思いました。その時です。ピロローン携帯にメールが届く音がしました。こんな時間に誰からだろうと思ったら……Iさんは携帯を見て縮み上がりました。あて先を見ると、自分からでした。一体どうやって携帯に……!?プライベートなアドレスは親しい人にしか教えていないのに。震える手で、開封すると……本文は白紙で、何も書かれていませんでした。Iさんが会社の出勤途中に車に跳ねられたのは、その翌日のことです。命に別状はありませんでしたが、全治1か月の怪我で入院しました。Iさんは退院後、すぐに自宅のPCと携帯を処分して買い替え、それ以降おかしなことは起こっていないそうです。Iさんは何かに祟られていたのでしょうか? 真相はわかりません。Iさんの事故とあのメールが関係しているとは思いたくはないのですが……。
2019年03月08日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 4嫉妬深い女知りたくない度★★☆【秋田県・ちーとす 男性 会社員】の体験談あなたはこの世に、「呪い」というものが実在すると思いますか…?友人のAは昔、粘着質なタイプのU子と付き合っていた。U子は付き合ってすぐにでもAと結婚したがっていたが、U子は異常なまでに独占欲が強いタイプでAの行動をすべて把握しておかないと気がすまず、酷く嫉妬深い性格の女だった。そんな性格に嫌気がさして、Aは付き合って3か月でU子と別れた。その後AはU子のことなどすぐに忘れて、明るくて友人の間でも性格がいいと評判のR子さんという新しい彼女を作った。AとR子さんは仲睦まじく、結婚するのが時間の問題だということは、周囲の目から見ても明らかだった。異変は、AとR子さんが結婚して、新居に住んだ頃から起こり始めた。聞けば、R子さんが家の中でひとりでいる時に、人の気配を感じると言い出したらしい。R子さんが夕食を作っている時に、背後に女の霊が立っていたと言うのだ。そのしばらく後、R子さんが妊娠していることがわかった。その時から、家の中で霊を見る頻度は、昼夜関係なく増えていったらしい。その女の霊は、振り向けばいつも背後にいて、恨めしそうな目でR子さんを睨んでいるというのだ。その恐怖とストレスは相当なものだったが、R子さんはAに心配をかけないよう気にしないようにしていたという。そんなある日のこと、R子さんが階段を下りようとしていた時…。その女の霊に背中を押されたという。R子さんは階段から落ちて、お腹の子を流産した。その悲しみは深く、明るかったR子さんから笑いが消えた。おかしなことはそれだけではなかった。その後もR子さんには霊が見えているのか、突然家の中で何もない場所に向かって「許して! 許して!!」と、錯乱して叫ぶようになったそうだ。Aが仕事に行っている間、ひとりで家で過ごすうちにR子さんは、ついに精神のバランスが崩れてしまい、普通の生活が送れなくなった。今、R子さんは、精神病院に入院しているらしい。Aはそんな怪奇現象が起こる原因がずっと解らなかったが、ふと急に嫉深かったU子のことを思い出したという。Aは今、U子がどうしているのかすごく気になったので、共通の知り合いに連絡をとって、U子のことを聞いてみると…U子はAと別れてすぐ交通事故にあって長い間入院しており、ちょうどAとR子が結婚した後に、容体が悪化して亡くなったらしい。U子が亡くなってから何十冊もの日記帳が見つかったのだが、ページを開くと…許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。全てのノートが真っ黒になるほど「許せない」という文字でびっちりと埋め尽くされていたのだが、亡くなる一日前の最後のページには「許さない」…とひと言だけ書かれていたらしい。それを聞いたAは、U子が酷く嫉妬深い女だったことを思い出した。まさか……U子は別れた後も、Aに執着していたのだろうか。偶然なのか、U子の亡くなった日はR子が流産した日だったそうだ。もしもU子の仕業だったなら、子どもとR子を狙ったというのか……?Aは今、R子さんがいない家でひとりで暮らしている。でも、常に背後に人がいるような気がして、ひとりで暮らしている気がしないという。もしかして……邪魔者のR子さんを追い出したのだろうか?この話は実話なんだけど、読んでも呪われないから安心してね。
2019年03月01日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 3深夜のコンビニ知りたくない度★★☆【P.N チバにゃん・女・会社員】狭いアパートの一室で、独り暮らしをしています。その日は会社の棚卸作業で遅くなり、帰宅する頃には夜の11時を過ぎていました。帰宅前、お腹が空いたので帰り道にあるコンビニに寄りました。買い物を済ませて店を出る時、突然、軽いめまいがしました。「ちょっと疲れがたまっているのかな……?」家に着くと、さっきまでの食欲はどこかに失せていて、それよりも身体がどっと疲れていることに気がつきました。「今夜はもう、さっさと入浴して早く寝よう」と思いました。シャワーを浴びている間のことです。「……?」なぜか急に、人に見られているような視線を感じました。でも浴室は狭いユニットバスで、換気扇がひとつあるだけで窓はありません。「気のせいか……」でもふと見ると、浴室のドアがほんの少し開いていました。「あれ? しっかり閉めたと思ったのにな……」その時はそれほど気にしませんでした。その夜のことです。深夜2時頃だったでしょうか。寝室で寝ていると目が覚めたのですが、「何これ…これって金縛り!?」そう思って、何とか身体を動かそうとしましたが、どう頑張っても身体を動かすことができません。そんな状態でベッドで横たわっていると、浴室の方から「カチャ…」と、また浴室のドアの開く小さな音が聞こえたのです。そしてその後……「ミシッ…」「ミシッ…」とまるで人が歩き回っているような床がきしむ音が聞こえてきました。それからしばらくして、足音は寝室の前で止まったかと思うと、「カチャ…」ドアを開く音がしました。「ドアが開いた…!誰かが入って来る…!!」心の中で悲鳴をあげました。恐怖は頂点にまで達していました。あまりの怖さに、目を開けることができません。「怖い怖い怖い…!」目を閉じたまま身動きもできず、何者かが部屋中を歩き回る足音を恐怖に震えながら聞いていました。どのぐらいそうしていたのでしょうか、しばらくすると足音が聞こえなくなりました。「いなくなった…??」「今何時なんだろう? 早く朝が来てほしい……!」足音もしなくなったので、もう大丈夫だと思いました。恐る恐る、そっと、目を開けて見ると…「…!!」この世の者では無い何かが、私の顔をじぃぃぃぃぃぃっと覗き込んでいたのです……!その顔は真っ黒で、目しかありませんでした。私はそのまま気を失ったのか、次に目を覚ました時には朝になっていました。部屋には誰もいませんでしたが、気味の悪いことに、部屋中の床が誰かが水浸しの足で歩き回ったかのように濡れていました。そのことを、霊感が強い友だちに話すと、「すぐに近くの神社でお札もらって、玄関に貼るように」と、言われました。そして、「深夜のコンビニやファミレスには、人淋しい霊が集まりやすいので、あまり遅い時間には行かないほうがいい」と、言われました。言われたとおりに、すぐにお札を貼りました。それ以来、金縛りにもあっておらず、家の中で変な事も起こっていません。今思えば、もしかするとあの夜は、よくない霊が家までついて来てしまったのかも知れません……。みなさまも、深夜の外出時にはどうぞお気をつけください。
2019年02月22日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 2コックリさんに憑かれた子知りたくない度★★☆【真紀さん(仮名)・30歳】私が小6の頃、忘れられない怖い体験をしました。当時、学校では「コックリさん」が流行っていました。私は参加していなかったのですが、数人の女子が休み時間になると集まって、「コックリさん」をしていました。いつも質問には「はい」「いいえ」と答えが返ってきていたのですが、その日だけは違っていました。何を聞いても、答えは「殺す」だったのです。コックリさんに帰ってくれるようにお願いしても、答えは「殺す」で、途中で怖くなった子が、10円玉から手を放してしまいました。コックリさんをしている子の中に、霊感があると言われていたU子が参加していました。その後、授業中にU子の様子がおかしくなりました。急にガタガタと震えはじめて、「寒い、寒い」というのです。U子は先生に保健室に連れて行かれ、そのまま帰宅しました。そんなことがあった、その日の夕方の事です。U子から電話がかかってきました。電話に出た途端、「怖い…! 殺される!!」そう言って切れました。私は学校でコックリさんをしたことを思い出して、「自己暗示にかかってしまったのかも…大丈夫かな?」と気になっていたんですが、その翌日、U子は学校を休んでいました。学校の帰り道に、気になったのでU子の家の前を通ってみると…、家の中から、U子の叫ぶ声が聞こえました。明らかに声の様子がおかしいので、そっと玄関の引き戸の隙間から覗くと…U子が奇声を発しながら、四つん這いになって暴れている姿が見えたのです…!目は吊り上がり、まるで別人のように髪の毛を振り乱していて、獣のように見えました。その子のお母さんが体を押さえつけて、必死でU子を取り押さえているその様子は、異様な光景でした。見てはならないものを見てしまった…! まだ子どもだった私は、怖くなって家に逃げ帰りました。その後、一週間するとU子は普通に何事もなかったかのように登校して来たのですが、休んでいた間のことを、何も覚えていないそうです。他の子から聞いた話によると、U子はあのコックリさんをした日から様子がおかしくなり、親戚に霊能者がいたので御祓いしてもらったそうです。そんなことがあったからか、学校では「コックリさん」は禁止になりました。こっくりさんをすると、悪い霊に憑りつかれることがよくあるそうですが、おかしくなっていた時のU子の顔は、まるでキツネのお面のようでした。
2019年02月15日世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。文・イラスト 犬養ヒロ【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 1神社の黒い影知りたくない度★★☆【たぬぽん(仮名) 女 25歳】私が小学生の頃、家からほど近い場所に裏山があり、その山の中に小さな神社がありました。小さな山なので、神社までは家から10分ほど歩けば辿り着きます。いつも学校から帰ると、友達数人と鬼ごっこをしたりして遊んでいました。ある日のこと、友だちのひとりK子が山の中を探検に行こうと言いだしました。神社から先へは朱色の柵を超えて行かなければなりません。裏山は日が当たらず、昼間でも薄暗いので奥に入ったことはありませんでした。「奥へ行くのはやめようよ」と言っても、K子は聞きません。「ちょっとだけ行ってみようよ! ちょっとだけだから!」柵をよじ登って越えると、落ち葉がたくさん積もっていました。みんなでザクザクと落ち葉を踏みながら進んでいきました。山の中は薄暗く、空気もひんやりしていたのを覚えています。10分ぐらい歩いたのでしょうか、山の中は木と落ち葉ばかりで他には何もありません。人の気配が全く無く、陰気な雰囲気の場所なので私は「もう帰りたいな」と思っていました。その時、先頭を歩いていたK子が、急に反対に向いて引き返し始めました。K子は明らかに様子がおかしく、顔が青ざめています。そして震える声で、「みんな、神社に戻ろう」と言いました。「どうしたの?」「いいから、早く」K子が早歩きで、ひとりで歩き出したので、みんなが神社の方に引き返して歩き出すと…背後の方から、ガサガサと落ち葉の音がしました。振り向くと誰もいません。気のせいかと思って、みんなで歩き始めると、今度はさっきよりも近くでガサ、ガサ、ガサと落ち葉を踏む音がしたのです。後ろには、誰もいないのに? 振り返っても、やはり誰もいません。その時、ひきつる声でK子が叫びました。「ついてきた…!!!」K子は、隣にいた私の手を掴んで走り出し、みんなも怖くなって走り出しました。すると、背後からガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサ足音も走って来るのです…!!「早く!!」K子が叫びました。一瞬、K子に引っ張られた時に、視界の隅に黒い人影がすごい速さで追いかけて来る姿が見えた気がしました…!「きゃあああーーーー!!!」「早く! 早く!!」「待ってー!!」もうみんな、恐怖で気が気ではありません。どれぐらい走ったでしょうか、もう必死で走ったので息が苦しくて、声も出せません。あわや、もう足音に追いつかれる…! というところでやっと出口の柵まで戻ってくると、運の良い事に、ちょうどあった木の切り株を踏み台にしてみんなで柵をよじ登りました。柵の中に戻ると、追いかけてきていた足音は止まりました。気がつけば、いつの間にかあたりはすっかり暗くなっていて「早く帰ろう!!」みんなと別れ、家に帰ると7時を過ぎていて、母さんにこっぴどく叱られました。翌日、K子に裏山で見た黒い人影の話をしようとすると、「話してたら、来るかもしれないから言いたくない…!」すごく怯えた様子で、何も話してくれませんでした。お母さんに、その時の裏山で起こった足音の話をすると、昔、あの山で遊んだ子どもがそのまま帰らなくなったという話を母が子どもの頃に、祖母から聞かされたことがあるそうです。あの追いかけてきた足音と、何か関係があるのでしょうか。もし、あの影に追いつかれていたら…?裏山の奥でそんなことがあってから、みんな怖くなり、誰も神社では遊ばなくなりました。裏山には近寄らないほうがいい気がするので、それ以来、一度も行っていません。
2019年02月08日15日誕生日の夜の出来事です。私の記憶からすっかり抜け落ちているんですが、去年はサンタさんが早めにやってきてくれたんだそうです。寝ようと思って寝室にいったらプレゼントが置いてあったと。で、こまめがそれを思い出して「怖い怖い」と言い出して…なんてかわいいんだ!私は「サンタさんが来るの楽しみだなー」とか「サンタさんが来るのを見てやる!」とか思ったことはあったけど、「サンタさんが怖い」という感情を抱いたことはなかったなと思って驚きました。たしかにね…冷静になって考えたら寝室にサンタさんが来たら怖いと思うんだ…。クリスマス本番は大丈夫だろうか…心配(笑)。
2017年12月16日風水は基本的に運気を高めるためのものですが、なかには間違った風水を知らず知らずのうちにやっている場合も……。そうなると運気はガクンと下がってしまい、人間関係もどんどんこじれていくのです。そこで今回は、占い師の脇田尚揮さんに人間関係をこじらせてしまう“やってはいけない風水”をご紹介いただきます。文・脇田尚揮■玄関の正面に鏡が置いてある…せっかくの良いご縁を弾き返してしまう玄関は運気の入口。きちんと整えておけば、運を上げることができます。しかし、玄関に入ってすぐ正面に鏡を置いておくと、良いご縁や人間関係を跳ね返してしまい、対人関係がまったく発展しなくなる恐れが。鏡は使い方によっては開運アイテムにもなるので、置き方には十分に注意しましょう。また、玄関マットを置かないのもNG。玄関マットがないと、外からの悪い気を払い落とすことができないのです。■換気扇とコンロが油でベトベト…対人関係のいざこざが絶えないキッチンは清潔にしておけば、愛情関係に恵まれた“良い人間関係”を育んでくれる場所になります。そのため、そこが汚れていると対人トラブルが絶えないでしょう。洗い物をためておくのは言語道断だとして、掃除が面倒な換気扇やコンロを汚れたまま放置している方は多いのでは?特に油汚れでベトベトになっていると、人間関係のいざこざに巻き込まれやすくなるでしょう。キッチンは料理するしないに関わらず、常に清潔に保ちましょう。■布団カバーがストライプ柄…誤解されたり嫌われる恐れが寝室は一日の疲れを癒してくれる安らぎの空間。最低限、きちんと布団を干して、万年床にならないようにしておけばOK。でも、布団カバーの柄や色には気をつけましょう。特に、幅が太いストライプ柄は避けた方が良いです。大柄でハッキリとした模様にすると、運気が不安定になり、周囲から誤解されたり嫌われたりする恐れが……。また、真っ黒なカバーもNG。あなたのエネルギーがどんどん吸い取られてしまいます。■トイレットペーパーを大量に床に置く…ダシにされてしまうトイレは金運と健康運を司る場所。しっかり清潔にしておけば、万事うまく行く“魔法の空間”なのです。ということは裏を返せば、一歩間違えると全てがボロボロに……。便器の蓋を閉めておくのはもちろんのこと、トイレットペーパーの扱い方には気をつけましょう。紙は悪い気を吸い込みやすいもの。大量に置いておいたり、床に並べるのはNG。人に騙されたり、損をしたりする羽目に。目に見えるところに置いておくトイレットペーパーの数は、2個までにしましょう。最近では、マンションやアパートも増え、昔ながらの“環境学”としての風水の意味合いはだんだんと薄れてきました。それに合わせて、インテリア風水などの手軽にできる“ポップな風水”が主流となってきています。しかし、風水は古来中国からの伝統ある占術のひとつ。軽く見て扱い方を間違ってしまうと、ひどい目に遭うこともあるのでお気をつけて……。(C) hareluya / Shutterstock(C) Samjaw / Shutterstock(C) ben bryant / Shutterstock(C) dersigne / Shutterstock(C) Tiko Aramyan / Shutterstock
2017年10月07日最近、あなたの周りで不思議な現象は起きていませんか?なんとなく過ごしていると見落としてしまいがちなことにも、実は深い意味があったりするのです。「怖い!知らないほうが良かった……」と思う方もいるかもしれませんが、知っているからこそ災いを回避できることも。そこで今回は、“日常生活の不吉な予兆”を占い師の脇田尚揮さんがご紹介致します……。文・脇田尚揮■夜、やたらと蜘蛛が出てくる…空き巣や泥棒に狙われているかもあなたはこんな言葉を聞いたことがありますか? 「朝の蜘蛛は殺すな夜の蜘蛛は殺せ」。これは、夜に蜘蛛が出る=とても縁起が悪いということを意味します。蜘蛛は元来、お釈迦様の使いとされてきました。そんな蜘蛛が夜にあなたの前に出てくるときは、“誰かがあなたから何か奪おうとしている”というのを、お釈迦様に代わって知らせてくれているのです。泥棒、ストーカー、あるいは強姦魔……。とにかく身の回りに注意して生活し、家でも戸締りを厳重にしてください。■キッチンの排水口を掃除しても水が流れない…誰かに恨まれている可能性がキッチンや浴室の排水口は汚れやすいですよね。でも、定期的に掃除をしていれば水の流れに問題ないはず。それなのに、掃除しても掃除しても水がイマイチよく流れなかったら要注意。風水によると、水場は“人間関係や愛情”を表す場所。そこに詰まりが生じているときは、身近な誰かに恨まれていたり、憎まれていたりしているおそれが。もしかしたら、あなたの一番親しい友達なんてことも……。水回りは日々観察しておきましょう。■食器が立て続けに割れる…避けられない災難の予兆が普段通りに生活しているのに、なぜかお皿やコップ、花瓶なんかが割れてしまった経験はありませんか?もし、そんなことが続いたら覚悟しておいた方が良いでしょう。日常的に使うものだけに、陶器やガラスはあなたの“意識”が染み込んでいるアイテム。それが割れ続けるということは、意識レベルでこれから不運が起こることを察知していると言えるのです。事故や大切な人の大病を暗示しているかもしれません……。気になる人には、連絡を取って安否を確認すると良いかも。■時計の針が夜中に止まっている…大切な人に不幸が起きる!?子供時代に、「大きなのっぽの古時計~」と口ずさんだことがある方も少なくないでしょう。時計は人生に例えられることが多く、人の生活に密接に関わるアイテム。もしもその時計が、夜中あなたが寝ている間に止まることがあるとしたら……。身の回りの人の時間が止まる、つまり不幸が訪れることの暗示と言われています。すぐに電池を入れ替えたり、修理に出したりすることをオススメします。それでも直らない場合は、思い切って買い換えましょう。素早く対応することで、不幸を避けられる可能性も。もしも最近不可解なことが頻発するようであれば、“お塩”を使ってみましょう。精製塩ではなく荒塩が効果的。玄関の入口に円錐状に盛ってみたり、帰宅時、家に入る際に軽く自分自身に振りかけてみましょう。もし、それでもやまない場合は……、神社仏閣にお参りに行ってみてくださいね。(C) Sinisa Botas / Shutterstock(C) Andrey_Popov / Shutterstock(C) Trybex / Shutterstock(C) Marcos Mesa Sam Wordley / Shutterstock(C) mrkornflakes / Shutterstock
2017年09月08日大人でも突然できることのあるニキビ。ニキビができてしまう原因はいろいろありますが、一度できるとなかなか治らないのが厄介なところです。それだけにニキビができないように予防することが大切。今回はニキビを予防するための基本的なやり方をご紹介します。■どうしてニキビができるの?ニキビの予防方法を学ぶためには、まずニキビができる原因を知る必要があります。ニキビには思春期にできるものと、大人になってからできるものの2種類があります。思春期のニキビは、成長ホルモンが活発になることで、皮脂がたくさん分泌されることで発生します。これに対して、大人のニキビはストレスや睡眠不足などの生活習慣が原因になることが多いです。生活習慣が乱れると、ホルモンのバランスも乱れてしまい、それが皮脂の過剰な分泌を招くことでニキビができてしまいます。いずれにしても、ニキビは皮脂の過剰分泌が原因になっており、これを防ぐことが予防の基本となります。■皮脂汚れをためないようにしようニキビ予防の基本的な考え方は、とにかくお肌を清潔にするということです。お肌のケアをおこたると、皮脂汚れはどんどんたまってしまいます。特にメイクをすると皮脂汚れはたまりやすくなりますので、メイクをしたら必ずメイク落としをして洗顔をすることが大切です。化粧品にはもともと油分が多く含まれているため、メイクをそのままにしておくと、それが皮脂汚れの温床になってしまいます。メイクを落とすときは、できるだけオイルクレンジングを使わないことも大切です。オイルクレンジングは油分を多く含むので、ニキビができやすくなってしまうとともに、すでにできているニキビにも悪影響を及ぼします。メイク落としは油分の少ないものを使うのがニキビ予防の基本です。■洗顔のしすぎにはNG皮脂汚れをしっかり落とすことはニキビ予防に欠かせませんが、実は、皮脂を落としすぎることもニキビの原因になってしまうのです!皮脂はお肌のうるおいを保つために大切な成分です。もちろん、皮脂がありすぎるのはよくないのですが、一方でお肌に必要な皮脂もあります。洗顔をしすぎると、こうしたお肌に必要な皮脂まで洗い落としてしまうことになります。それによってお肌の乾燥を招くだけでなく、なくなった皮脂をおぎなうために分泌が過剰になってしまうこともあります。ニキビ予防のために洗顔をするなら、洗いすぎにはくれぐれも注意しましょう。■保湿ケアも大切!皮脂汚れは毛穴をつまらせ、お肌の新陳代謝を鈍らせてしまいます。お肌の新陳代謝が悪くなると、古い角質がお肌の表面に残って、新しい細胞の生成を邪魔してしまいます。それがニキビの原因になることがあるため、毛穴を詰まらせないこともニキビ予防のひとつです。お肌の水分が少なくなると、お肌が乾燥し、かたくなります。すると新陳代謝がにぶって毛穴がつまりやすくなってしまいます。乾燥を防いで保湿をすることで、お肌がやわらかくなって毛穴のつまりを解消できるのです。洗顔で皮脂汚れを洗い落とすと、お肌は乾燥しやすくなります。そのため洗顔後は特に保湿ケアが大切です。油分の少ない保湿美容液などを使って、お肌の乾燥をしっかり防ぐようにしましょう。■ニキビ予防に欠かせないことニキビの原因は生活習慣の乱れにあります。ニキビ予防のためにお肌のケアをしっかりしていても、生活習慣が乱れているとすぐにニキビはできてしまいます。スキンケアとあわせて、規則正しい生活を心がけましょう。(さむらいさん/ライター)(ハウコレ編集部)
2016年08月30日今回は、"知らないと怖い"名義に関する用語のあれこれについて解説します。○保証人と連帯保証人 - 似ているけど大きな違いが!保証人…債務者が返済不能になったときに、債務者に代わって返済義務を負う人のことです。大切な点は債務者が返済できないときですので、保証人は債権者に、まずは債務者に請求するように言い渡すことができます(「催告の抗弁権」)。住宅ローンを借りる場合も保証人は必要です。ただしほとんどケースは保証人の代わりに保証会社を利用し保証料を支払う形で住宅ローンを利用しています。今まで扱った事例の中で、かなり昔ですが1例だけ父親が保証人になったケースがありました。(※住宅ローンの保証料 : 保証会社に所定の保証料を支払うことにより、保証人を立てる必要がなくなります。保証料の支払いは借り入れの際に一括し払うか、一部又は全部を返済額に組み入れる場合があります。保証料はかなり高額で、1,000万円を35年返済の場合一括支払いの場合は20万円から80万円程度です。当初の期間より短い期間で一括返済した場合は、その分の保証料が戻ってきます。注意が必要なのは、保証料の支払いによって返済が難しくなった場合に代わりに返済してくれるものではありません。債権者が保証会社に代わるだけです)(※証券化ローン(フラット35等)の場合は、債務者が支払い不能となり、貸付金の返済が滞るリスクは投資家が負うので、保証料は不要です)連帯保証人…保証人との違いは、債務者が返済できないときに限らず、債権者の請求があったときは返済の義務がある点です。返済能力はあってもなかなか支払わない債務者に対して、債権者は連帯保証人に請求することができ、債務者とほぼ同じ扱いです。「催告の抗弁権」は連帯保証人には無いのです。1日でも返済が遅れれば、請求される場合があります。(※住宅ローンの連帯保証人については下記の連帯債務者の項目を参照ください)○債務者と連帯債務者 - 連帯債務者は万一の場合のリスクについて充分な検討と対策が必要債務者…お金を借りた本人のことで、住宅ローンであれば、借り入れた人が債務者となります。貸した側は債権者です。連帯債務者…フラット35の例で言えば、「収入合算」の場合の合算者、「親子リレー返済」を利用する場合の後継者は連帯債務者になる必要があります。また、共有名義にする場合、共有者は連帯債務者になることができます。夫婦や親子などが共同でお金を借りた場合はそれぞれが「本人」となります。連帯債務者は、借入れた金額全額に対して返済の義務を負います。債務者が死亡した場合は、団体信用生命保険に加入していれば、保険金で残債が支払われますが、債務者が保険金の支払い対象とならない理由で返済不能になった場合は連帯債務者が返済しなければなりません。注意が必要な点は、連帯債務者を保護する保険等が万全でないことです。フラット35を例にすれば、夫婦の場合は一緒に団体信用生命保険に加入できますが、親子リレーの場合はどちらかのみとなります。○担保提供者 - ローンの債権者以外でも担保提供しなければならないケースがある住宅ローンを借りる場合は、その住宅に抵当権を設定して、その住宅を担保として提供しなければなりません。フラット35の場合、建物の敷地にも抵当権が設定されます。敷地の所有者が配偶者や直系親族の場合も同様です。つまり、親の土地に子供が住まいを建ててフラット35を借り入れた場合、親の土地に抵当権が設定されます。親は担保提供者となります。同様に夫婦・親子などで共有名義にした場合、共有名義者は自分の持分にも、抵当権設定と言う形で担保を提供する必要があります。○団体信用生命保険(団信) - 有利な団信。任意加入の場合でも是非加入を!団体信用生命保険…住宅ローン返済中に債務者に万一の場合、債務者に代わって残債が支払われる制度です。民間ローンは、原則強制加入です。特約料は毎年ローン残高に応じた額を支払う場合と毎月の返済=金利に組込まれている場合があり、その分金利は高くなります。また最近は「癌になったとき…」など特徴を持たせたタイプもありますので、金利は表面的な利率だけでなく、含まれている内容にも注意ください。デュエット…フラット35は、連帯債務者である夫婦二人で加入できる公庫団体信用生命保険制度があります。どちらか一方に万一の場合は、持分にかかわらず残りの住宅ローン全額が支払われます。特約料は1.55倍になりますが、連帯債務者の場合の万一のリスクをよく考えれば、検討すべき商品です。親子リレー…親子リレーで融資を受ける場合は、親子で加入はできず、どちらかの加入になります。ただし親が団信に加入し、80歳の誕生日の属する月の末日の保障が終了する日に到達した場合は、子が団信に加入できます。(※各銀行によって異なる場合がありますので、詳細は個別にお問合せください)<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年11月10日サッカーの怖さと残酷さを、改めて知らしめる90分間だったと言えよう。11月23日・国立競技場で行われたJ1昇格プレーオフ決勝・大分トリニータ×ジェフユナイテッド千葉の話である。86分、その時が訪れるまで、千葉がJ1昇格に近付いていた。最終ラインからパスをつなぐ遅攻と、大分のパスをカットしてからの速攻でチャンスを作った。13分、DF・渡邊圭二のクロスに合わせたFW・米倉恒貴のヘディングシュートを皮切りに、36分のMF・谷澤達也のフリーキックや、81分のFW・藤田祥史のゴール右隅をとらえたシュートなど、得点機はことごとくGK・丹野研太の好セーブに阻まれた。1点が近くて遠い千葉だったが、焦りはない。0-0の引き分けならば、レギュレーションで5位・千葉がJ1昇格を果たすことになる。だが、引き分けもちらついてくる86分、元チームメートに地獄へ突き落とされてしまう。MF・宮沢正史のフィードをDF・安川有が頭でつなぎ、FW・森島康仁がダイレクトに前方へパス。タイミングのいい動き出しを見せた途中出場のFW・林丈統がGKと一対一になる中、冷静なループシュートを叩き込んだのだ。決勝ゴールは捨て身の超攻撃型から生まれた。残り10分、田坂和昭監督はセンターバックの真ん中ひとりを残し、両脇のセンターバックに高い位置でキープするように指示。前線に5人並べる5トップで失点のリスクを冒しながら、1点を奪う秘策に打って出た。試合後、指揮官は選手たちの成長を称えた。「2年前に大分に来た時、選手たちは試合から逃げていた。ロスタイムで失点した痛い敗戦はいくらでもあった。今年は諦めなくていい、チャンスは必ずあるということを毎日話した。選手はやっと一人前のサッカー選手らしくなった。今年終盤には粘り強く戦い、選手が自分の力をチームに還元しようという姿勢もあり、非常にたくましくなったという思いでいっぱい」。宮沢主将も「焦りはなかった。カウンターでいけると思っていたし、無失点であればいつかチャンスが来ると思った」と振り返った。一方、夢破れた木山隆之監督は「1点を奪われたことについて、選手たちを責めるわけにはいかない。1点を取れなかったことの方が非常に残念」と口にした。佐藤勇人主将は「失点の時間帯が悪すぎた。あの時間帯の失点はジェフがJ1へいけないひとつの要因」と悔しさを滲ませた。J1昇格のラスト1枚のキップを手にしたのは試合を支配した千葉ではなく、我慢に我慢を重ねワンチャンスを物にした大分だった。そのJ1リーグ戦は12月1日(土)・最終節を迎える。サンフレッチェ広島の初優勝は決まったが、残留争いは最後まで予断を許さない。14位・セレッソ大阪・勝ち点41、15位・ヴィッセル神戸・勝ち点39、16位・ガンバ大阪・勝ち点38、17位・アルビレックス新潟・勝ち点37の4チームのうち2チームが、J2への降格を余儀なくされる。J1昇格プレーオフの翌週、J1残留のサバイバルレースがクライマックスを迎える。チケット発売中。
2012年11月27日切実な問題がベスト5入り子どものときに怖かったものといえば、「おばけ」や「夜のトイレ」など。では、大人になって怖くなったものはなんでしょうか?今回は、切実な大人ならではの問題がランクインしました。20代~40代の男性371名に聞いています。>>女性編も見るQ.大人になって怖くなったものを教えてください(複数回答)1位両親が年老いていくこと18.3%2位本音と建前の存在17.2%3位会社でのケアレスミス14.8%4位リストラ11.1%5位命にかかわる病気の存在10.5%■両親が年老いていくこと……・「帰省するといつも少しやせて、しわが増えている。年老いていくことを実感した」(28歳/電力・ガス・石油/技術職)・「最近、ふと実感してしまう。そんな両親が心配になりよく連絡するようになった」(25歳/医療・福祉/技術職)・「自分の両親がこの世からいなくなったときのことが想像がつかない」(26歳/そのほか/技術職)・「いつか、いなくなってしまうんだなとリアルに考えてしまう」(25歳/小売店/販売職・サービス系)・「自分が支えられるか不安になる」(24歳/そのほか/事務系専門職)■本音と建前の存在……・「人間関係はうそで塗り固められたのが分かってきた」(30歳/機械・精密機器/技術職)・「うわべだけで褒められたりしているのかなと思うことが多くなった」(27歳/学校・教育関連/事務系専門職)・「正義が常に正義ではないと知ってしまった」(25歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)■会社でのケアレスミス……・「下手したら大勢を巻き込むことになる」(27歳/ソフトウェア/技術職)・「うっかりミスが許されない時もある」(25歳/情報・IT/技術職)・「周りに迷惑がかかるかもしれない」(23歳/学校・教育関連/専門職)■リストラ……・「大学卒業後のわずか2年間で4回も解雇を受けました」(26歳/運輸・倉庫)・「仕事がなくなったら食べていけない」(25歳/そのほか)・「リストラされたら自分が再就職する自信もないので怖い」(29歳/団体・公益法人・官公庁/営業職)■命にかかわる病気の存在……・「大人になって一番意識するようになった」(33歳/運輸・倉庫/そのほか)・「若い時には経験しなかったような病気になる可能性が高くなる」(28歳/ソフトウェア/技術職)・「健康診断の判定が悪くなってくると心配」(29歳/機械・精密機器/営業職)総評今回ランクインしたものを見てみると、「両親が年老いていくこと」、「本音と建前の存在」「会社でのケアレスミス」、「リストラ」、「命にかかわる病気の存在」と、切実なものばかり。現実としっかり向き合わなければいけない大人だからこその項目が並びました。特に第1位の「両親が年老いていくこと」に関しては、小さいころは全く意識しませんでしたよね。普段は離れて暮らしていて「たまに実家に戻るだけ」という人の方が、両親の老いに対する衝撃も大きいのではないでしょうか。「いつかは」があるからこそ、頻繁に連絡を取るなど大切にしたいものです。こうして見てみると、大人になると楽しいことも増えるけれど、怖くなるものもみんな持っているんですね。だからこそ、支えてくれる周りの存在があらためて大切に思える。これこそ大人の醍醐味(だいごみ)なのかもしれません。(文・ペンダコ)調査時期:2011年11月9日~11月20日調査対象:マイナビ ニュース会員調査数:男性371名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【ランキング男性編】子どものころは怖かったけれど、大人になると怖くなくなったもの【ランキング男性編】今まで見て一番怖かったホラー映画【ランキング男性編】自分の記憶力が不安になる瞬間完全版(画像などあり)を見る
2012年01月21日怖くて夜中に一人ではトイレに行けなかった夜中のトイレや日本人形、理科室の人体模型……。子どものころって、怖いものが多かった気がしませんか?でも、大人になるにつれて何となく怖くなくなっていく。そんなこともあるのではないでしょうか。今回のテーマは、「子どものころは怖かったけれど、大人になると怖くなくなったもの」。20代男性の少年時代の恐怖とそれを克服していく様子を見てみましょう。>>女性編も見るQ.子どものころは怖かったけれど、大人になると怖くなくなったものを教えてください※お化けや怪談、ホラー映画はのぞく(複数回答)1位夜中にトイレ18.7%2位かみなり12.2%3位病院・歯医者8.3%4位合わせ鏡6.8%5位犬や猫などの動物5.5%■夜中にトイレ……・「小さいときに夜中にトイレに行くときは、お化けより、泥棒がいたらどうしようと考えてしまい、すごくドキドキした」(28歳/そのほか/専門職)・「周りが真っ暗な状況だけで恐怖心を感じるから」(26歳/そのほか/技術職)・「電気が消えている状態でゴキブリが出たらと思うと怖くて行けなかった」(25歳/情報・IT/技術職)・「ホラー漫画や映画を見たことがきっかけとなって、その内容を夜思いし、トイレに限らず暗い部屋や廊下・階段もしばらくの間怖かった」(28歳/そのほか)・「とにかく暗闇が怖かったから」(23歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)■かみなり……・「音が怖かった。あと、おへそを出しているとおへそを取られるなんて言われていた」(25歳/機械・精密機器/技術職)・「外にいるときに、周りに高い建物があっても、自分に落ちてくるのではないかと不安だった」(28歳/印刷・紙パルプ/事務系専門職)・「家に落ちないかいつも心配だった」(24歳/金属・鉄鋼/技術職)■病院・歯医者……・「歯医者さんのキーンという音が駄目だったが、大人になってから行ってみると気にならなかった」(24歳/学校・教育関連/事務系専門職)・「歯を削る機械の高い音が怖かった」(24歳/金属・鉄鋼・化学/技術職)・「注射と独特のにおいがいやだった」(29歳/金属・鉄鋼・化学/技術職)■合わせ鏡……・「何か出てくると脅かされていたから」(25歳/電機/技術職)・「吸い込まれそうで怖かった」(25歳/医療・福祉/技術職)・「死後の姿が見える点」(24歳/情報・IT/営業職)■犬や猫などの動物……・「昔は近所の犬に追い回されて嫌いだったが、今では人になついている犬や猫には平気に」(28歳/商社・卸/技術職)・「子どものころかまれたことがあったので避けていたが、家族が飼うようになってなつくとかわいくなった」(27歳/そのほか/事務系専門職)・「昔は犬がほえるとかみつかれるんじゃないかと思って怖かった」(27歳/運輸・倉庫/技術職)総評1位は、「夜中にトイレに行くこと」。2位に10ポイント以上差をつけて、ダントツです。多くの人が「お化けが出そうだから」を理由として挙げていました。そして目立ったのは、「トイレで用を足している時よりも、寝床とトイレとの往復か怖かった」という声。たとえ自分の家であっても、子ども心には、夜中にひっそりとした廊下を通るのは気味が悪いものですよね。すぐに廊下の電気をつけられなかったりすれば、なおさらでしょう。その怖さをいかに克服したかを語るコメントはなく、ほとんどの人は成長するにつれて自然と怖くなくっていったようです。神秘的なものに対する恐怖は、4位「合わせ鏡」にも共通。「奥から何か出てきそうな気がしたから」「鏡の世界に引きずり込まれそうで怖かった」といった具合です。「祖父母から『縁起が悪いからなるべくしないように』と注意されて以来、なんとなく苦手に。でも大人になって美容院に行くようになると、どの店でも普通に合わせ鏡をしていてビックリ。そして気付いたら、私も全然怖くなくなっていました」という人もいました。一方、2位「かみなり」、3位「病院・歯医者」、5位「犬や猫などの動物」には、「落雷が心配」、「注射や歯を削られることの痛さが嫌だった」、「ほえられたり、かみつかれたりするから怖かった」など、現実的な恐れがランクイン。これらは経験と共に、いつのまにか恐怖を克服している人が多いものですね。(文・ペンダコ)調査時期:2011年7月14日~7月25日調査対象:COBS ONLINE会員調査数:男性251名(そのほかと回答した36名を除く)調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【コラム】ホラー映画でありがちと思う展開【コラム】心霊研究家に聞く、心霊スポットで絶対にやってはいけない3つのこと【ランキング】今まで見て一番怖かったホラー映画完全版(画像などあり)を見る
2011年10月02日