「戦後」と呼ばれる時代を日本とアメリカに生きた、異なるナショナリティ、セクシャリティ、バックグラウンドやアイディンティティをもつ4人の人間の物語。株式会社リイド社(所在地:東京都杉並区、代表取締役社長:齊藤哲人)は2024年4月17日(水曜日)に、『線場のひと』上巻(小宮りさ麻吏奈)を刊行いたします。『線場のひと』上巻書影トーチwebで好評連載中の衝撃作が待望の単行本化!!太平洋戦争により離れ離れになった頼子とハル。進駐軍として日本にやってきたアーサー、スコット。それぞれ立場の違う4人の視点が毎話入れ替わり、絡み合う。「戦後」と呼ばれる時代。己の運命を国家や家族、そして時代に翻弄されながらも、日本とアメリカに生きた4人の人間の物語。\人気漫画家の瀧波ユカリ氏、志村貴子氏、社会学者 下地 ローレンス吉孝氏も推薦!!/なまなましさに心を奪われていると、「ない」ことにされてきた人々の痛みが抱えきれないほどの質量で迫ってくる。凄まじい表現力に圧倒され、何度も目を閉じた。──漫画家 瀧波ユカリ戦後の日本とアメリカという複雑な関係での4人の人生が解けるように離れてはまた絡み合う、それぞれの激動が静かな筆致で描かれる作品です。──漫画家 志村貴子誰かに線引きされた「歴史」の暴力によって消されてきた、人々の生きた姿。線場のひと(わたしたち)は生きている。戦争と虐殺が他人事ではない今この時代。この一冊をぜひ手に取ってください。──社会学者 下地 ローレンス吉孝試し読みトーチweb 線場のひと : 連載トーチwebトーチweb : 著者小宮りさ麻吏奈(こみや りさ まりな)1992年 アトランタ出身自身の身体を起点とし、クィア的視座から浮かび上がる新たな時間論への関心から「新しい生殖・繁殖の方法を模索する」ことをテーマにパフォーマンスや映像、 場所の運営などメディアにとらわれず活動している。刊行記念小宮りさ麻吏奈× 高島鈴 トークイベント開催【4/ 21 (日)】『線場のひと』上巻刊行記念 小宮りさ麻吏奈さん×高島鈴さんトークイベント : 日時:4月21日 (日) 13時~場所:青山ブックセンタートーク後は小宮先生によるサイン会を行います。作者の生の言葉を聞くことができる数少ない機会ですので、ぜひ多くの方々にご参加いただければ幸いです。概要書籍名:線場のひと上出版社:リイド社著者:小宮りさ麻吏奈ページ数:336ページ判型:A5判発売日:2029年4月17日(水)定価:1,430円(税込)ISBN:978-4-8458-6620-5社名: 株式会社リイド社所在地: 〒166-8560 東京都杉並区高円寺北2-3-2代表: 代表取締役社長齊藤哲人創業: 1960年4月設立: 1974年11月事業内容: 出版事業URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年04月17日そごう美術館(そごう横浜店6階)では、2023年11月18日(土)より、『111年目の中原淳一展』が開催される。戦前から戦後にかけて「ほんとうの美しさ、豊かさ」を追求し、女性たちから圧倒的に支持された中原淳一(1913ー1983)の生誕111年を記念して、彼が手掛けた雑誌の仕事に焦点を当てながら、人形、洋服、きものなど、中原が表現した美の全貌を紹介する展覧会だ。1913年(大正2)、香川県に生まれた中原は、上京後、19歳の時に開催した創作人形の個展が高く評価され、雑誌『少女の友』と専属挿絵画家の契約を結んだ。彼の描く大きな瞳と細長い手足を持った「新しい少女」像は、同世代の女性たちを魅了し、その後の少女漫画にも大きな影響を及ぼした。また終戦直後の1946年(昭和21)には、ファッション、美容、インテリア、手芸、文学、美術と、中原が考える美の本質を追求した雑誌『それいゆ』を、翌年には、戦争によって少女時代を奪われた女性たちのための雑誌『ひまわり』を創刊し、新しい時代の少女たちに夢を与えた。同展では、これらの雑誌で中原が描いた表紙原画やスタイル画はもちろんのこと、彼が10代の頃に作った詩画集や油絵、デビューのきっかけとなった人形作品など、アーティストとしての活動も紹介。“「いつまでも古くならないもの」―それこそがむしろもっとも「新しい」ものだとはいえないでしょうか。“そう本人が言ったように、111年たっても色あせることない作品から、現代にもつながる中原淳一の影響や価値観、さらに新しい魅力を発見できるかもしれない。なお12月9日(土)には、横浜ゆかりの演奏家たちが中原淳展にちなんだ曲などを演奏する「クラシック・ヨコハマ2023ミュージアムコンサート」(参加費無料)の公演も。詳細は美術館ホームページで確認を。<開催情報>『111年目の中原淳一展』会期:2023年11月18日(土)〜2024年1月10日(水)会場:そごう美術館時間:10:00~20:00、12月31日(日)、1月1日(月・祝)は18:00まで(入館は閉館30分前まで)※会期中無休料金:一般1,400円、大高1,200円公式サイト:
2023年10月26日2023年8月23日、高校球児たちが熱い戦いを繰り広げた、第105回全国高校野球選手権大会(以下、甲子園)が幕を閉じました。球場はもちろん、各校の地元でも、選手たちにエールを送る人々で盛り上がりを見せていたことでしょう。決勝戦で惜しくも敗れ、準優勝となった宮城県代表の仙台育英学園高等学校(以下、仙台育英)の地元でも、多くの人が選手にエールを送っていた模様。同県仙台市の百貨店『仙台三越』では、ユニークな案内や、入口前の『ライオン像』が野球帽を被った様子などが話題になっていました。「パワーを送る方向はこちらです」仙台の百貨店の『粋なお知らせ』が話題に『仙台三越』からの温かいメッセージに胸が熱くなる決勝戦終了後、まさかる(@MSKR_DTV)さんが『ライオン像』を訪れると、こんなメッセージを見つけたそうです。「勝ちたかった。日本一になりたかった。『人生は敗者復活戦』 胸を張って帰ってきてください」「また東北の新しい歴史をつくったみなさんへ。なんて素敵な、あつい熱い夏をありがとう」そこには、感動をくれた選手たちへの感謝のメッセージが…!大会期間中、「さあ、二度目の初優勝だ!」「街を上げて全力で応援します!」など、力強いメッセージで選手たちを応援していた『ライオン像』。仙台育英の須江航監督が、試合後のインタビューで話した「人生は敗者復活戦」という言葉を交えつつ、熱戦を終えた選手たちへ「ありがとう」と伝えています。\仙台育英のみなさん/笑顔で全力プレーする姿に胸が熱くなりました準優勝おめでとうございます!\慶応のみなさん/優勝おめでとうございます✨また来年も”素敵な熱い夏”を楽しみにしています☺ #仙台育英 #慶応 #ありがとう pic.twitter.com/4ZYCf4t2Q4 — 仙台三越【公式】 (@mitsukoshi_sd) August 23, 2023 『仙台三越』の広報担当に話を聞いてみたSNSで話題になっている『ライオン像』のメッセージについて、『仙台三越』に実際にお話をうかがいました。――応援メッセージを出すことになった経緯は?須江監督の「パワーを送ってほしい」という言葉を受けて、何かお役に立てることはないかと考え、地域の方と一緒に街を盛り上げるためにこのような取り組みを行いました。――毎回心を打たれる、『ライオン像』のメッセージについて。メッセージは基本的に、須江監督の試合後のインタビューでの言葉を引用して、試合当日に作成しました。監督の言葉には、毎回感銘を受けていましたね。――周囲からの反響は?SNSでさまざまな反響がありました。「自分の気持ちを代弁してくれた」「百貨店のお堅いイメージがあったが、身近に感じるようになった」など、ありがたいお言葉をいただいています。――活躍した仙台育英の選手たちへメッセージを!『準優勝』という結果は目標ではなかったかもしれないけれど、大きなプレッシャーの中、笑顔を忘れず戦い抜いたみなさんに勇気をもらい、素敵な夏になりました。また来年も楽しみにしています!『仙台三越』のこのような取り組みには、「毎年、三越さんの『育英愛』を感じます」「粋な計らい、ありがとうございました」「また来年もお願いします!」といった声が寄せられています。地域に寄り添い、街を盛り上げた『仙台三越』の温かい想いに、心を揺さぶられますね。[文・構成/grape編集部]
2023年08月25日”戦後”と呼ばれる時代。日本とアメリカで生きた4人の物語。株式会社リイド社(所在地:東京都杉並区、代表取締役社長:齊藤哲人)は2023年4月20日(木曜日)に、トーチwebにて連載をスタートした『線場のひと』(小宮りさ麻吏奈)が、5月18日(木)18時に第2話を公開いたします。トーチWebで4月20日より連載を開始した『線場のひと』第2話が5月18日に公開。戦後と呼ばれる時代を日本とアメリカで生きた、異なるナショナリティやセクシャリティ、バックグラウンド、アイディンティティを持つ4人の物語。あらすじ第1話「ヨリコ」では主人公のヨリコが疎開前に心を通わせていた少女・ハルを探し、東京に戻るシーンから始まる。あてもなく、やっとの思いでハルの手紙を受け取るヨリコ。だが、その内容は「アメリカ兵と結婚する」という衝撃的なものだった。第2話「ハル」ではハルの視点から物語が始まる。疎開先から、なかなか帰ってこないヨリコの帰りを待ち侘びるハル。届かない思いを綴った手紙を厳格な父に見られ、折檻をうけたその晩、父に知らない相手との結婚を突きつけられ、ハルは家出を決意する。しかし、若い娘には働くあてもなく…。運命を国家や家族、そして時代に翻弄された2人ははたして、再び巡り会えるのか──。『線場のひと』トーチweb 線場のひと : 連載:トーチwebトーチweb : 著者小宮りさ麻吏奈(こみや りさ まりな)アーティスト / アーター1992年 アトランタ出身自身の身体を起点とし、クィア的視座から浮かび上がる新たな時間論への関心から「新しい生殖・繁殖の方法を模索する」ことをテーマにパフォーマンスや映像、 場所の運営などメディアにとらわれず活動している。近年の主なプロジェクトに1年間花屋を経営する「小宮花店」、オルタナティブスペース「野方の空白」 の運営。共同プロジェクトに制度における同性婚不可と建築法の問題を重ね合わせ、再建築不可の土地に庭をつくるプロジェクト「繁殖する庭」の運営、クエスチョニングを続けるためのクィア・フェミニズムアートプラットフォーム「FAQ?」など。Twitter投稿 : 概要作品名:線場のひと連載媒体名:トーチweb 著者:小宮りさ麻吏奈出版社:リイド社連載開始:2023年4月20日(木曜日)社名: 株式会社リイド社所在地: 〒166-8560 東京都杉並区高円寺北2-3-2代表: 代表取締役社長齊藤哲人創業: 1960年4月設立: 1974年11月事業内容: 出版事業URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年05月18日第2次世界大戦後間もない時期から海外の国際展で高い評価を得た日本の版画家たち。こうした成功にともない活況を呈した戦後の日本版画の多彩な魅力を紹介する展覧会が、水戸市の茨城県近代美術館で、12月24日(土)から2023年2月5日(日)まで開催される。同館は、戦後日本版画の充実したコレクションを誇るが、その背景にあるのが、館蔵の版画の約3分の1に及ぶ約600点を寄贈した県内のコレクター・照沼毅陽の存在だという。同展は、その照沼コレクションをはじめとする同館の版画作品収集の成果を公開し、77作家の約200点の作品で戦後日本版画の流れをたどる同館初の展観となる。大きな見どころは、サンパウロ・ビエンナーレやヴェネツィア・ビエンナーレなど、1950年代から60年代にかけて、主要な国際展で受賞を重ねた斎藤清、駒井哲郎、浜田知明、棟方志功などの代表作が一堂に展示されること。こうした版画家たちの国際展での活躍により、国内での版画に対する関心が高まったことから、1960年代には「版画ブーム」ともいえる状況が到来し、製版技術の革新や多様な版画技法の普及を背景に、従来の版画の概念を超えるような作品を生み出す版画家たちが現れ始める。さらには、現代美術の世界でも、自身の表現のひとつとして版画に取り組む作家たちが登場。同展では、1957年に始まった「東京国際版画ビエンナーレ」で受賞した加納光於、靉嘔、野田哲也、李禹煥、井田照一ら、現代美術家による新しい傾向の版画作品も一望できる。もうひとつの見どころは、繊細な表現による詩情豊かな木版画で多くのファンをもつ清宮質文の優品の数々が見られること。照沼氏がコレクション形成の初期から買い求め、愛してやまなかった作家がこの清宮だったという。近年、清宮のご遺族から寄贈を受けた遺品を紹介するアトリエ再現コーナーが設けられるのも、同展の楽しみなところのひとつだ。恩地孝四郎《楽曲による抒情 ドビュッシー『子供の領分』より「象の子守歌」》1950年 茨城県近代美術館蔵棟方志功《〈二菩薩釈迦十大弟子〉より「舎利弗の柵」》1939年 茨城県近代美術館蔵浜口陽三《黒いさくらんぼ》1962年 茨城県近代美術館蔵清宮質文《早春の静物》1977年 茨城県近代美術館蔵加納光於《「波動説」―intaglioをめぐって No.24》1984-85年 茨城県近代美術館蔵野田哲也《日記 1977年8月10日》1977年 茨城県近代美術館蔵<開催情報>『戦後日本版画の展開-照沼コレクションを中心に』会期:2022年12月24日(土)~2023年2月5日(日)会場:茨城県近代美術館時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜(1月2日、1月9日は開館)、12月29日(木)~1月1日(日)、1月3日(火)、1月10日(火)料金:一般610円、70歳以上300円、高大生370円、小中生240円※土曜日は高校生以下、1月21日(土)は満70才以上の方無料美術館公式サイト:
2022年12月05日展覧会「ヴォイド オブ ニッポン 77展戦後美術史のある風景と反復進行」が、東京・表参道GYRE内のジャイル ギャラリー(GYRE GALLERY)にて、2022年8月15日(月)から9月25日(日)まで開催される。戦後から現代へ、その時代的な連続性「ヴォイド オブ ニッポン 77展戦後美術史のある風景と反復進行」は、戦後に語られた日本の「空虚」に着目し、現在活躍する日本の作家を通して戦後日本の美術家を紹介する展覧会だ。フランスの批評家・哲学者であるロラン・バルトは、西洋が「意味の帝国」であるのに対して、日本は「表徴(記号)」に溢れ、中心の欠如した「空虚」によって特徴づけられることに注目、これを「表徴の帝国」と言い表した。たとえば東京の中心に位置する皇居には、かつては江戸城という政治の中心があったものの、現在は空漠とした森だけが広がっており、これは聖堂などを中心に発達した西洋の都市とは対照的なあり方である。バルトはこうした「空虚」を、天皇や都市ばかりでなく、歌舞伎の女形、礼儀作法、学生運動などに看取している。いわば日本には、意味が欠けている。記号学において「記号」は、文字や音声といった「シニフィアン」と、意味内容を表す「シニフィエ」から構成される。「炎」という漢字=シニフィアンが、めらめらと熱く燃えて光を放つもの=シニフィエを指す、といった具合だ。するとバルトの視点では、日本においては無数のシニフィアンが溢れているものの、それに対応するシニフィエがなく、内容の空虚な記号の群れが連鎖的に展開されていることになる。記号が指し示すものはひたすら空虚であるという日本の様相を異なる角度から捉えたのが、三島由紀夫であった。三島は1970年11月に自決する数ヶ月前、「日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残る」という言葉を残している。本展では、このようにして語られてきた日本の「空虚」を前提に、戦後日本美術を紹介。河原温、中西夏之 、高松次郞、 赤瀬川原平といった戦後日本で活躍した作家と、エンリコイサム大山や青山悟をはじめ今活躍する作家を取り上げ、作品単体では完結せずに時代を超えて連なってゆく時代的な連続性を浮かび上がらせてゆく。展覧会概要展覧会「ヴォイド オブ ニッポン 77展戦後美術史のある風景と反復進行」会期:2022年8月15日(月)〜9月25日(日)会場:ジャイル ギャラリー住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F開館時間:11:00〜20:00休館日:8月22日(月)■出品作家河原温、三島喜美代、中西夏之 、高松次郞、 赤瀬川原平、三木富雄 、北村勲、北山善夫、青山悟、 金氏徹平、加茂昂、エンリコイサム大山、須賀悠介、ミカタモリ 、国民投票企画:飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所所長)【問い合わせ先】TEL:0570-05-6990 (ナビダイヤル / 11:00〜18:00)
2022年07月25日音楽劇の名作『三文オペラ』を、戦後の大阪へと舞台を置き換え、鄭義信が書き下ろした意欲作『てなもんや三文オペラ』。そこで演出も務める鄭と、ポール役のウエンツ瑛士に話を訊いた。逆境に生きる人々のたくましさを、時に切なく、時にユーモアたっぷりに描き出す鄭。その手腕は、古典的名作を題材にしたオールメール作品『泣くロミオと怒るジュリエット』(19年)でもいかんなく発揮された。本作はオールメールではないが、もともとポールはポリーという女性の役。その狙いを鄭はこう語る。「主人公のマックは、人たらしというか、男も女も魅了する人物。そういった意味で、ポリーが男性であってもいいんじゃないかなと。かといってLGBTQ問題をやろうというわけではなく、ただ原作よりも愛と希望のある作品にしたいとは思っています」生田斗真演じるマックは、大阪砲兵工廠跡地に残された屑鉄を売りさばく“アパッチ族”の親分。そのマックとウエンツ演じるポールが、結婚式を挙げるところから物語は幕を開ける。ポールについてウエンツは、「愛されるってことがそれまでほとんどなかったキャラクターだと思っていて」と切り出し、「そんな自分がマックに愛されて、しかも結婚出来る。それって時代背景も含めて、ポールにとっては一瞬も思い描くことが出来なかった、夢のようなことが起きているのかもしれないなと。その喜びの大きさを感じながら、今、役を作っている感じです」さらに自らの役どころから、こんなことも考えるそう。「ポールは親となかなか意見が相容れないわけですが、相容れない人と意見を交わすって、改めて大事なことだと思うんです。今って気が合わない人とは簡単に切れますが、その出会いに理由は絶対あるし、そういう人たちとのコミュニケーションこそ大事なんじゃないかと思わされていて。観た方がそんなことも感じてくれたら、とても嬉しいですね」生田、ウエンツのほか、笑いも熟知した手練れが多くキャスティングされており、コメディ要素もたっぷり。だが「戦争が深く影を落としている作品」と鄭が語るように、悲しくも“今”との共通点を痛感する舞台でもある。最後に鄭はこう語る。「僕たちのささやかな日常というのは、実はとてももろく、危ういものの上に成り立っています。だからこそ“愛”や“平和”というものが、生きていく上ではとても大切で。そういったことがビビットに感じられる作品になるといいなと思っています」公演日程は6月8日(水)~6月30日(木)に東京・PARCO劇場にて上演(※6月8日(水)18時~11日(土)13時公演は中止)。その後、福岡・大阪・新潟・長野と各地を巡る。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2022年06月03日戦後日本で展開した「戦後版画運動」と「教育版画運動」のふたつの民衆版画運動を紹介し、これまであまり知られることのなかった版画史の一側面に光を当てる『彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動』が、4月23日(土)より町田市立国際版画美術館にて開催される。社会運動を版画で伝え、アマチュアに版画を広めた「戦後版画運動」と、戦後版画運動から派生し、 全国の小中学校の教員が学校教育を通して版画を広めた「教育版画運動」。どちらも民主主義への参加を呼びかける民衆文化運動が活発だった1940年代後半から50年代に誕生。当時の時代精神を背景に、版画を作ることで誰もが表現の主体となることを目指した。同展では、社会問題や平和運動と結びついた作品や全国約35都道府県約80冊の版画集、青森の子供たちが作った40mに及ぶ版画絵巻など、これまで広く紹介されて来なかったものの未来に残すべき1950年代〜90年代の力作、約400点と豊富な資料を展示。知られざる版画運動の歩みを紹介し、戦後の開発と発展のかたわらにある「もうひとつの日本」を浮かびあがらせていく。鈴木賢二《署名》1960年、町田市立国際版画美術館蔵滝平二郎『裸の王様』より、1951年、町田市立国際版画美術館蔵 (C)JIRO TAKIDAIRA OFFICE Inc.石川県羽咋郡志賀町立下甘田小学校(指導:前田良雄)《版画と詩 百姓の子》1959年3月10日、志賀町蔵神奈川県川崎市立旭町小学校3年1組(指導:掛樋進)《ごんぎつね(原作:新美南吉)》1960年12月20日、志賀町蔵【開催概要】『彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動』会期:2022年4月23日(土)~7月3日(日)会場:町田市立国際版画美術館時間:10:00~17:00、土日祝は17:30(入場は閉館30分前まで)休館日:月曜料金:一般900円、大高生450円※展覧会初日(4月23日)は無料美術館公式サイト:
2022年04月15日戦後まもなく描かれた作品から、近年に制作されたものまでを展観し、絵画表現の流れを振り返る『時代を映す絵画たち-コレクションにみる戦後美術の歩み-』が4月10日(日)より練馬区立美術館で開催される。1985年に開館した練馬区立美術館の所蔵作品は、現在7500点以上。その中でも絵画作品は、日本の戦後美術の流れを語るのに欠かせない作品を含む、重要なパートとなっている。同展では、同館所蔵品の中から、約35名の作家による油彩画を中心とした約70点の作品を展示する。各時代の世相や思想を様々なかたちで映すコレクションは、開館37年を迎える同館の歴史そのもの。様々な経緯で収蔵(購入・寄贈・寄託)されてきた同館。そのコレクションを公開することで、時代とともに移り変わる作品たちの新たな表情を紹介する。出品予定作家(50音順):浅見貴子/荒川修作/池田龍雄/石原友明/上田薫/大小島真木/大沢昌助/岡本唐貴/小野木学/オノサト ・ トシノブ/北川民次/北代省三/工藤哲巳 /久野和洋/小山穂太郎/近藤竜男/佐藤敬/嶋田しづ/白髪一雄/諏訪直樹/高橋秀/高松次郎/高山良策/辰野登恵子/谷川晃一/鶴岡政男/中西夏之/中林忠良/中村宏/難波田龍起/野見山暁治/藤松博/村井正誠/山口薫/山口長男/山田正亮北川民次《姉弟》1949年練馬区立美術館蔵高山良策《遥かなるものへ川は流れる》1959年 練馬区立美術館蔵村井正誠《いそぐ人》1986年練馬区立美術館蔵辰野登恵子《Untitled 92-7》1992年 練馬区立美術館蔵【開催概要】『時代を映す絵画たち-コレクションにみる戦後美術の歩み-』会期:2022年4月10日(日)~6月12日(日)会場:練馬区立美術館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜料金:一般800円、大高・65~74歳600円美術館公式サイト:
2022年03月31日報道写真やポートレートの名手として、草創期の日本の写真界を牽引し続けた写真家・木村伊兵衛(1901~74年)が撮影した戦後のパリの風景と、同時期にパリで制作された日本人画家たちの作品を展観する展覧会『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』が、2月19日(土)より目黒区美術館にて開催される。1901年、東京・下谷生まれ。1930年、ライカを入手し、花王石鹼の広告部門でプロ写真家としての活動を開始した木村は、1954年と翌55年に、愛用の小型カメラ(ライカ)と 開発されて間もない国産のカラーフィルムを手に、日本人写真家として戦後初めてヨーロッパを取材している。その際、写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンやロベール・ドアノーらと親しく交流。その案内で古い通りや市場、パリっ子の日常を切り取ったスナップショット、当時のカラーフィルムの限界を模索するような黄昏時のパリの風景など、庶民の生活の場を撮影。木村がシャッターを切った場面からは、街角の生き生きとした光景や人々の息づかいなどを感じ取ることができる。同展では、木村作品のなかでもとりわけ異色なカラーのスナップ写真 131 点を紹介するほか、1910年から50 年代にかけて、パリ留学を経験した同館所蔵の画家たちの作品をあわせて公開。念願のパリ留学を果たした彼らは、ヨーロッパの空気の中で自分の作品を新しい方向へと変えるべく、ひたむきにパリを描き出した。異国の地を旅するように、写真と絵画、異なる技法によって表された色とりどりのパリの情景に思いを馳せてみたい。撮影=田沼武能木村伊兵衛≪パリ≫(1954年)(c)Naoko Kimura木村伊兵衛≪夕暮れのコンコルド広場、パリ≫(1954年)(c)Naoko Kimura荻須高徳《サンマルタン通り》1960年、目黒区美術館蔵 (c)ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 E4477【開催概要】『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』会場:目黒区美術館会期:2022年2月19日(土)~2022年3月27日(日)時間10:00〜18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日(3月21日は開館)、3月22日(火)料金:一般800円 大高・65歳以上600円美術館公式サイト:
2022年02月09日川崎市岡本太郎美術館(所在地:神奈川県川崎市)は、企画展「戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡」を2021年10月23日(土)から2022年1月16日(日)まで開催いたします。戦後デザイン運動の原点 チラシ【展覧会概要】戦後の復興からまもない1950年代の東京。ようやく人々の暮らしの中に、家具や道具のデザインへの意識が少しずつ広がりはじめる時期に、「国際デザインコミッティー」(現・日本デザインコミッティー)は、戦後日本のデザイン運動の先駆けとして、国際交流やデザインの啓蒙を目的に創立されました。きっかけは、1953年にイタリアから届いた一通の招待状。この「第10回ミラノ・トリエンナーレ」への参加要請に応えるべく集ったのが、建築家の丹下健三や吉阪隆正、清家清、デザイナーの剣持勇、柳宗理、渡辺力、亀倉雄策、評論家の勝見勝、浜口隆一、瀧口修造、写真家の石元泰博、そして画家の岡本太郎でした。顧問には、坂倉準三、前川國男、シャルロット・ペリアンが名を連ね、時代をリードする多彩なジャンルの人々が顔を揃えました。No.1「グッドデザインコーナー」のための選定会風景 1955年頃左から、吉阪隆正、鹿子木健日子、剣持勇、渡辺力、瀧口修造、岡本太郎、柳宗理 写真提供:日本デザインコミッティー「グッドデザインコーナー」のための選定会風景 1955年頃「ミラノ・トリエンナーレ」への参加は、次の第11回展(1957年)に実現しますが、むしろ彼らの活動の軸となっていったのは、東京銀座の百貨店「松屋」の一画に設けられた売場に置くための商品選定と、併設の「デザインギャラリー」や催事場で行われた展覧会を通じたデザインの啓蒙でした。通商産業省のGマーク「グッドデザイン商品選定制度」(1957年)に先んじて、百貨店という身近な舞台で始められたグッドデザイン運動は、ひろく人々の間に定着し、「日本デザインコミッティー」と改称された現在もなお、活発な活動が展開されています。No.21955年当時の松屋「グッドデザインセクション」売場風景写真提供:日本デザインコミッティー1955年当時の松屋「グッドデザインセクション」売場風景_写真提供:日本デザインコミッティー本展では、「デザインコミッティー」の活動と創立メンバーらの交流に焦点を当てるとともに、そこから生まれたコラボレーションにも注目します。柳宗理《バタフライスツール》や森正洋《G型しょうゆさし》といった時代を代表するプロダクトとの繋がり、そして旧東京都庁舎(1957年)、香川県庁舎(1958年)、世界デザイン会議(1960年)、東京オリンピック(1964年)での協同。彼らが闊達な交流のなかで切り拓いた仕事の広がりと、デザイン・建築・美術など多領域を軽々と横断していく自由さは、転換期となる今の時代を突破する糸口になるかもしれません。【開催概要】展覧会名:「戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡」展The Origin of Japanese Design Movement after WWII: The Tracks of Design Committee会場 :川崎市岡本太郎美術館 企画展示室会期 :2021年10月23日(土)~2022年1月16日(日)開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)休館日 :月曜日(1月10日を除く)、11月4日(木)、11月24日(水)、12月29日(水)~1月3日(月)、1月11日(火)観覧料 :一般1,000円(800円)、高・大学生・65歳以上800円(640円)中学生以下 無料/()内は20名以上の団体料金主催 :川崎市岡本太郎美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会協賛 :ライオン、DNP大日本印刷、損保ジャパン、日本テレビ放送網、天童木工、堀内カラー特別協力:日本デザインコミッティー協力 :松屋、多摩美術大学アートアーカイヴセンター助成 :芸術文化振興基金同時開催:常設展「生誕110周年 ベラボーな岡本太郎」会期10月15日(金)~2022年1月16日(日)※開催期間等、変更になる場合がございます。最新の情報は当館ホームページにてお知らせいたします。※企画展の写真・動画撮影不可【お問い合わせ】川崎市岡本太郎美術館〒214-0032 神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5 生田緑地内TEL:044-900-9898No.3柳宗理 《バタフライスツール》(初期型)1956年、柳工業デザイン研究会蔵柳宗理_バタフライスツール(1956年)No.4森正洋 《G型しょうゆさし》1958年、有限会社デザインモリコネクション蔵森正洋《G型しょうゆさし》1958年No.5丹下健三計画研究室(制作:神谷宏治+日大川岸研究室)《香川県庁舎(1958年)模型》2013年、香川県立ミュージアム蔵丹下健三計画研究室《香川県庁舎1958年模型》2013年、香川県立ミュージアム蔵No.6来日の際に岡本邸を訪れたヴァルター・グロピウス、1954年左から岡本太郎、グロピウス、一人おいて剣持勇、柳宗理、渡辺力来日時岡本のアトリエを訪れたグロピウス 1954年No.7岡本太郎《建設》1956年、川崎市岡本太郎美術館蔵岡本太郎《建設》1956年【みどころ】●通商産業省の「Gマーク」制度(1957年)にさきがけて始められた、知られざる、戦後日本のデザイン運動の原点ともいうべき活動を紐解くもの。●日本のミッドセンチュリーを代表するプロダクトデザインと、「デザインコミッティー」との関わりをエピソードとともにご紹介。●個性ゆたかな創立メンバーの顔ぶれとその交流に注目し、そこから派生した同時代のデザインや建築の動きのなかで、「デザインコミッティー」が果たした「サロン」としての役割にも注目。●コミッティーのメンバーが企画を行う「デザインギャラリー」の展示のうち、第1回「わたしの好きなデザイン」展(1964年)と、イサム・ノグチを取り上げた第4回「あかり」展(1964年)、石元泰博の写真展となった第24回「桂」展(1966年)に注目し、部分的な再現展示も行う。※企画展の写真・動画撮影不可No.8シャルロット・ペリアンとコミッティーメンバーら左から一人おいて渡辺力、岡本太郎、吉阪隆正、ペリアン、坂倉準三、柳宗理シャルロットぺリアンとコミッティーメンバーらNo.9(C)Kochi Prefecture, Ishimoto Yasuhiro Photo Center石元泰博《桂離宮 御輿寄前庭 延段と飛石》1953,54年、高知県立美術館蔵石元泰博《桂離宮御輿寄前庭延段と飛石》1953,54年、高知県立美術館蔵【展示構成(予定)】1章 デザインコミッティー創立 ―前夜と交流2章 国際交流とデザインの普及 ―ミラノ・トリエンナーレとグッドデザインコーナー3章 サロンとしてのデザインコミッティー4章 デザインギャラリーの展開【主な出品作品(予定)】絵画、写真、プロダクトデザイン、家具、建築模型、図面、資料ほか 約220点No.10「第11回ミラノ・トリエンナーレ」会場風景、1957年、国立近現代建築資料館蔵「第11回ミラノ_トリエンナーレ」会場風景 1957年No.11(C)Kochi Prefecture, Ishimoto Yasuhiro Photo Center石元泰博《桂離宮 洲浜の飛石》1953年、高知県立美術館蔵石元泰博《桂離宮洲浜の飛石》1953年、高知県立美術館蔵No.12坂倉準三建築研究所(担当:長大作)《低座椅子》1960年、株式会社天童木工蔵坂倉準三建築研究所 担当_長大作《低座椅子》1960年、株式会社天童木工蔵No.13渡辺力《ヒモイス》1952年、株式会社メトロポリタンギャラリー蔵渡辺力《ヒモイズ》1952年、株式会社メトロポリタンギャラリー蔵No.14岡本太郎《坐ることを拒否する椅子》1963年、川崎市岡本太郎美術館蔵岡本太郎《坐ることを拒否する椅子》1963年画像のご使用の際には、必ずキャプション・クレジットをご明記くださいますよう、お願いいたします。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月15日戦後日本のデザイン運動の先駆けとして、国際交流やデザインの啓蒙を目的に創立された、「国際デザインコミッティー」(現・日本デザインコミッティー)の活動の軌跡をたどる展覧会『戦後デザイン運動の原点─デザインコミッティーの人々とその軌跡』が10月23日(土)より、川崎市岡本太郎美術館にて開催される。「国際デザインコミッティー」の始まりは、1950年代、人々の暮らしのなかに家具や道具のデザインへの意識がようやく芽生え始めたころ、「第 10 回ミラノ・トリエンナーレ」(1953年)への参加要請に応えるべく多彩なジャンルのクリエイターたちが集ったことがきっかけだった。創立メンバーは、建築家の丹下健三や吉阪隆正、清家清、デザイナーの剣持勇、柳宗理、渡辺力、亀倉雄策、評論家の勝見勝、 浜口隆一、瀧口修造、写真家の石元泰博、そして画家の岡本太郎。彼らの活動の軸となったのは、銀座の「松屋」に設けられた売場に置くための商品選定と、併設の「デザインギャラリー」や催事場で行われた展覧会を通じたデザインの啓蒙だった。通産省のGマーク「グッドデザイン商品選定制度」(1957年)に先駆け、百貨店という身近な場所で始められた「国際デザインコミッティー」によるグッドデザイン運動は、広く人々の間に定着し、「日本デザインコミッティー」と改称された今もなお多彩な活動を展開している。同展では、「デザインコミッティー」の活動と創立メンバーらの交流に焦点を当てるとともに、そこから生まれたコラボレーションにも注目。柳宗理の《バタフライスツール》や森正洋の《G型しょうゆさし》といった時代を代表するプロダクト、そして旧東京都庁舎(1957年)、香川県庁舎(1958年)、世界デザイン会議(1960年)、東京オリンピック(1964年)などで、メンバーたちが協同した仕事も紹介。デザイン・建築・美術といった領域を越えて、活発に交流しながら新しいデザインを生み出していった、戦後日本のデザイン運動を紐解いていく。1955年当時の松屋「グッドデザインセクション」売場風景 写真提供:日本デザインコミッティー柳宗理 《バタフライスツール》(初期型) 1956 年、柳工業デザイン研究会蔵丹下健三計画研究室(制作:神谷宏治+日大川岸研究室)《香川県庁舎(1958 年)模型》 2013 年、香川県立ミュージアム蔵岡本太郎《坐ることを拒否する椅子》1963 年、 川崎市岡本太郎美術館蔵【開催概要】『戦後デザイン運動の原点─デザインコミッティーの人々とその軌跡』展会場:川崎市岡本太郎美術館 企画展示室会期:2021年10月23日(土)~2022年1月16日(日)時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)休館日:月曜日(1月10日は開館)、11月4日(木)、11月24日(水)、12月29日(水)~1月3日(月)、1月11日(火)料金:一般 1,000円、大高・65歳以上 800円※同時開催:常設展『生誕110 周年 ベラボーな岡本太郎』 (会期:10月15日(金)~1月16日(日))公式サイト:
2021年10月11日巨匠・黒澤明が志村喬、三船敏郎らを迎え、貧しい医師と闇市のやくざの姿を通じて戦後の混沌を鮮やかに描き出した名作『醉いどれ天使』が舞台化! 三池崇史が演出を担当し、三船が演じた戦争帰りの若いやくざ・松永を桐谷健太が演じる。2009年上演の『恋と革命』以来、2度目の舞台出演となる桐谷は、黒澤映画の傑作の舞台化、昭和の日本を代表する名優が演じた役柄にどのように挑むのか?想像していない松永が自分の中から出てきて止まらなくなるかも「“つながったな‥…”という感じ」――。桐谷は本作への出演が決まった心境をそんな、少し曖昧な言葉で表現する。「そこはもう自分の中の感覚の話なんですけど……(笑)。何というか、水と水がくっついて、大きな塊になる感じに似ているのかな?」補足すると、本作の制作が発表された際、桐谷は公式のリリースで「東京に出てきて間もない頃、色んな人に目がギラついてるねと言われたあの頃、ひとりのおっちゃんに『お前の眼光は往年の三船敏郎みたいやな』と言われ、ちょっぴり嬉しく想ったことを覚えています」というコメントを発表している。そして三池監督は、桐谷の飛躍のきっかけともなった20代のヒット作のうちのひとつ『クローズZERO』シリーズの監督。「つながった」という言葉には、若い頃に桐谷の胸に刻まれた、忘れられない記憶や経験がひとつの作品に集約されたという思いがあるのかもしれない。舞台版の脚本を手がけるのは近年、次々と話題の舞台を世に送り出している蓬莱竜太。桐谷は舞台版の脚本について映画と比べて「しっかりと“答え合わせ”がされている」と語る。「もちろん、映画の『醉いどれ天使』はすごい作品ですけど、あの時代(※公開は終戦の3年後の1948年)の人々が観てスーッと入れる部分が大きかったと思う。決してすごく説明している作品ではなく、そこが素敵な映画なんですけど、いまの人が観てもわからない部分もあると思います。舞台版は、いまの人が観てもすごく沁みこんでくる作品になっていると思います」。舞台『醉いどれ天使』メインビジュアル1舞台『醉いどれ天使』メインビジュアル2舞台出演はおよそ12年ぶり。「舞台に関してはド新人です」と笑う。インタビューが行われたのは、4月の下旬のポスター撮影が行われた日。まだ稽古の開始まで時間はあるが、いまの時点でこの作品が自身のキャリアにとっても、重要な一作になるという予感、いや、確信を抱いている。「舞台でしか出せない生の感覚がある。自分の予期しない感覚も出てくると思うので、それを止めずに、素直に――もしかしたら、稽古で感じなかったものを本番で感じたりもするかもしれないし、想像していない松永が自分の中から出てきて止まらなくなるかもしれないけど、そこは自由にさせたいと思っています」。自分が変われば世界の見え方が変わってくる松永は、若くして闇市を仕切るやくざの男。傷の手当てで、町医者・真田の元を訪れた際に結核を患っていることを指摘され、療養を勧められるも言うことを聞こうとはしない。「松永がどうして闇市という場所にたどり着き、どんな思いでやくざ稼業をしているのか? 結核に侵されながらもなぜここまで生きることへの執着を持っているのか? そこは今回の舞台で大切な部分だと思っています」舞台版では、時代的な背景を含め、松永の人物像がさらに深く掘り下げられることになりそうだ。そして、そこにこそ、令和のいま、この作品を上演する意味があるとも。「松永という男の哀しさ、不器用さは結局、戦争という不可抗力に近い経験があって、なぜ自分は生かされているのか? なぜ生きるのか? と思っている男の葛藤にあると思います。戦争に行かされて、“帰ってきてしまった“ことへの後ろめたさ――本当ならば生きて帰ってきて、みんなに『よかったね』と言われて然るべきなのに、恥を抱えて帰ってきてしまったという思いがあって……。あの時代の人たちは、一日、一日がムチャクチャ濃かったと思うんです。熱い血が流れているような、戦後の獣のようなその感覚を舞台で見せることができたら、いまの時代にこの作品をやる意味があるんじゃないかと思います」。戦後とはまた違った意味で、混沌とした状況にある現代。先の見えない不安を抱えながら生きる人々に見せたいのは“生の輝き”。「明日があるのかわからないという人たちがたくさんいた時代。死ぬように生きるのか?命を使い果たすつもりで生きるのかで、人生は全く変わってくる。いま、違った意味でどうしたらいいかわからない状況の中で、自暴自棄になったり、暗い気持ちになっている人も多いと思います。世界を変えることはすごく難しいけど、自分が変われば世界の見え方が変わってくる。(松永は)生きることに執着する。その分、死というものも濃くなってくるんですが、そうやって生きているほうが1日の終わり、朝、目が覚めた時の感覚というのがすごく輝いてくると思う。光と影の強い作品になっていると思いますが、その陰影を感じてもらえたら」。舞台上でどんな道標を示してくれるのか? 熱い芝居を期待したい。取材・文:黒豆直樹撮影:渡邊明音桐谷健太さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント!ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=d69022e6-a12d-4018-b4ef-9a3fc6adc1cf&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。公演情報舞台『醉いどれ天使』原作:黒澤明、植草圭之助脚本:蓬莱竜太演出:三池崇史出演:桐谷健太、高橋克典、佐々木希、田畑智子篠田麻里子高嶋政宏※蓬莱竜太の「蓬」は正しくは一点しんにょう。※高嶋政宏の「高」は「はしごだか」が正式表記。【東京公演】2021年9月3日(金)~20日(月・祝)会場:明治座【大阪公演】2021年10月1日(金)~2021年10月11日(月)会場:新歌舞伎座チケット情報★7月15日(木)まで東京公演2次選考受付中!
2021年06月29日井上ひさしが、戦後日本のラジオ番組を題材に紡いだ『私はだれでしょう』が、本日10月9日(金)から上演される。2017年の上演時に好評を博した、キャストとスタッフが集結しての公演だ。2010年4月に井上ひさしが逝ってから、ちょうど10年。コロナ禍においても、彼の作品を丁寧に観客に届け続けるこまつ座が、次回公演に選んだ作品は『私はだれでしょう』だ。舞台は敗戦直後の昭和21年7月、日本放送協会の一室。15分間のラジオ番組「尋ね人」を制作する人々の物語だ。番組制作にひたむきに取り組むのは、脚本班分室長である元アナウンサー川北京子をはじめとする3人の女性分室員。事前検閲を執り行うCIE(民間情報教育局)からは、ラジオ担当官としてフランク馬場が着任した。そんなある日、「山田太郎」を名乗る男が「ラジオで私を探してほしい」との要望を持って現れる——。川北京子を演じるのは、前回公演で、向かい来る現実に敢然と立ち向かう姿が好評を得た朝海ひかる。フランク馬場役には、二兎社やミュージカル『ローマの休日』(初演~2017年公演まで出演)など、舞台でも活躍の幅を広げる吉田栄作があたる。他にも、好評を博した2017年上演版のスタッフ・キャストが集結。次々と襲いくる騒動に翻弄されるラジオ局の一室を、きめ細やかに描き出す。演出にあたるのは、栗山民也。こまつ座作品に多く登板するほか、地に足のついた活躍ぶりを見せる百戦錬磨の演出家だ。栗山は「今のこの自粛生活の、のっぺりとした時間のなかで、再びこの熱く必死な力を持つ台本を前に、パンデミックとやらの後にやって来るものとは何かを考えます。そして、空気のように当たり前に素通りしていた“普通の生活”が、どんなに大事であったかを強く噛み締めています」とコメント。「世界の新しい価値観と出会うため、“必死だった人間たちの声”を何度も聴くことから、始めていこうと思います」との言葉に、この作品に対峙する者の決意が浮かび上がる。「真実」にひたむきに向き合い、向き合うことから逃げなかった、誇り高き人々の物語だ。公演は10月22日(木)まで、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて。こまつ座第134回公演『私はだれでしょう』作:井上ひさし演出:栗山民也会場:東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA【スペシャルトークショー開催】・10月11日(日)13:00公演終了後登壇:朝海ひかる、枝元萌、大鷹明良、吉田栄作・10月20日(火)13:00公演終了後登壇:朝海ひかる、尾上寛之、平埜生成、八幡みゆき、吉田栄作※登壇者は都合により変更の可能性あり文:小川志津子
2020年10月09日NHK連続テレビ小説「エール」が9月14日週から本放送が再開し、後半に突入。戦後、実在の長崎の医師を演じる吉岡秀隆をはじめ、裕一と音の娘役に古川琴音ほか、伊藤あさひ、板垣瑞生、萩原利久ら“朝ドラ”初出演者を含む新キャストが発表された。後半の物語は、裕一(窪田正孝)に弟子入りした五郎(岡部大)と新人小説賞を受賞した梅(森七菜)が古山家に同居することになり、思わぬ騒動に発展。やがて、日本は戦争に突入、裕一は作曲した戦時歌謡が大ヒットし、次第に時代の波に飲み込まれていく。戦争が終わり、音(二階堂ふみ)は歌のレッスンを再開するが、戦争で傷ついた裕一はなかなか再起することができない。そんな裕一に劇作家の池田二郎(北村有起哉)がラジオドラマの音楽を依頼する。戦後復興期の日本に「エール」を送る曲を裕一は次々と生み出していくーー。主人公・古山裕一を演じる窪田正孝は後半戦に向け、「素敵なキャストの皆さんと共演できて大変嬉しく思います。戦時中、戦後を皆さんとお芝居させてもらう中で、たくさん刺激を受け裕一の心にも新たな変化が起きていることを実感しています。人の出会いは本当に面白い...。そんな風に思わせてくれる素晴らしいキャストの皆さんが彩る『エール』をまた存分に楽しんでもらえたら嬉しい」とコメントを寄せている。「エール」後半のおもな出演者たち吉岡秀隆長崎の医師・永田 武※連続テレビ小説初出演原爆投下直後の長崎で被爆者の治療を行う。著書「長崎の鐘」がきっかけとなり裕一と出会う。<コメント>撮影に参加して、現在の厳しい状況下でもドラマを作ろうと懸命に努力しているスタッフ、キャストの姿にエネルギーを感じ、とても心を打たれました。この現場にいることで僕自身エールをいただいた気がします。僕が演じる永田のモデル である永井隆先生は、あまりにも偉大な方で無心で演じるしかありませんが、こんな偉大な方が長崎にいらっしゃったということをまずは今の長崎の方達にしっかり届けたい、そして、永井先生が遠くから見守ってくださるとうれしいです。古川琴音裕一と音の娘・古山華※連続テレビ小説初出演やりたいことがなかなか見つからず、将来について思い悩んでいる。<コメント>裕一と音の一人娘という役を頂けて、とても嬉しいです。現場に入る前に、自分の役が生まれて、周りの人に可愛がられている姿を見るのは不思議な気持ちで、視聴者の皆さんにも既にたくさんの愛情を注いでもらっている役だと実感しています。これから大人になってゆく華がどんな人生を歩むのか、楽しんで頂けたら幸いです。そして、この作品が多くの方にエールを送ってきたように、私も華を通してエールを送れるよう、エールのバトンをしっかり繋げたいと思います。よろしくお願いします!北村有起哉劇作家、作詞家・池田二郎戦後、裕一とともに数々のラジオドラマや映画、舞台でヒット作を生み出していく。<コメント>窪田正孝くんとは2度ほど共演してまして、いつも嫌な役でいじわるばかりしてたんですが、今回やっと仲のいい役のようなので、嬉しく思っております。(少しの寂しさもありますが…)もともと僕らができることはお茶の間に束の間の感動を与えることだと思ってます。簡単なことじゃありませんがこんな時だからこそ皆さんが少しでも元気になってくれれば、と胸の奥にしまいつつ僕自身も楽しく撮影できたらと思ってます。中村ゆり永田医師の妹・永田ユリカ兄の武(吉岡さん)を助けながら、原爆で荒廃した長崎の復興に尽力している。<コメント>私も楽しく拝見していたエールからお声掛けいただき、とても嬉しくありがたい気持ちと、本を読ませて頂きましたら、その時代にとって、重要であり、大切なエピソードを担わせていただく事に、しっかりと応えなければと勉強しなければと思いました。朝ドラには今回で5作品目の出演になります。いつも何かを背負っていたり、大切な事を伝える役割であったり、やりがいのある役をいただいて、本当にありがたく思っています。エールにおいても、凄まじい時代を生きた人々の代弁をしっかりと出来るように、心して挑む気持ちです。伊藤あさひ高校球児・竹中 渉※連続テレビ小説初出演華(古川さん)が思いをよせる。戦後再開された全国高校野球選手権大会で甲子園を目指している。<コメント>初めて、連続テレビ小説に出演させていただく事になりました。毎朝楽しみにしている作品「エール」の世界に自分が出演できること、大変嬉しく思います。野球の経験も活かせる役を演じることになり、主人公が作曲した「紺碧の空」や「栄冠は君に輝く」を実際に聴きながら生活しています。何事にも一生懸命で 真っ直ぐな竹中渉を、精一杯楽しみながら生きるつもりです。ぜひ登場を楽しみ にお待ちください。持田将史放送局局員・初田 功※連続テレビ小説初出演ラジオドラマのプロデューサーとして、戦後日本のドラマの原型を作っていく。<コメント>まさか自分が、ファンとして楽しんでいた朝ドラに出演出来るとは!決まった時は嬉しくて何回かターンしました。笑 普段はダンスを中心に、お芝居やラジオなど、様々な活動をさせて頂いているので、共感する部分が多かった「エール」の世界に自分がいるなんて、今でも信じられない気持ちです。戦後の人々を支えた「ラジオ」のプロデューサーが抱いていた葛藤や思いを考えなが ら演じさせて頂きました!楽しんで頂けたら幸いです。板垣瑞生放送局局員・重森 正※連続テレビ小説初出演初田(持田さん)と池田(北村さん)の板挟みになりながらも、番組作りにまい進する。<コメント>重森正役を演じさせて頂きます、板垣瑞生です。ずっと夢だった朝ドラに関われるなんて、役者としてとても楽しみです。それに、共演者の皆さんやスタッフの方々の明るさが、本当にここから全国にエールを送っているんだなと思い、すごく素敵な現場だと感じました。 僕が演じる重森も同様に、エールを日本に届けようと奮闘する熱い男です。皆さんに色んなエールがどうか届きますように、楽しんで演じていきたいと思います。萩原利久一等兵・岸本和俊※連続テレビ小説初出演裕一の恩師・藤堂が戦地で率いる部隊の一等兵。民謡歌手の父を持ち、ギターを弾く。裕一が戦地で作る楽団のメンバーとなる。<コメント>朝ドラに出演することは自分の中でも一つの目標にしていたことなので、出演が決まった時は素直に嬉しかったです。今回、約5年ぶりに坊主にしたり、ギターの演奏シーンがあったりと嬉しさ、緊張、挑戦などいつもより多くの感情を感じました。僕が演じた岸本は戦時中の兵隊なので、普段の生活の中で触れる事のない言葉や感情、動きがあり、とても難しかったです。所作の指導や訓練の一部を体験させてもらい少しずつ役作りしていきました。制約の多い中で音楽に触れることによって生まれる感情、人間らしさを特に意識して演じました。そんな岸本の感情に注目してもらえると嬉しいです。片桐仁従軍記者・大倉憲三裕一と戦地で出会う。戦後、全国高校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」の誕生に関わることになる。<コメント>後半になって登場する役なので、とても緊張しながらスタジオに入ったのですが、窪田さんや二階堂さん始め、スタッフの皆さんがとても自然体で受け入れてくださって、すんなりとその世界に入ることが出来ました! 窪田さんと一緒に行った野球場のロケは暑かったけど、「ついにあの歌が誕生する!」というシーンは感動してしまいました!素晴らしい作品に関わることができて幸せでした!オンエアが楽しみ!!連続テレビ小説「エール」は9月14日(月)より本放送再開、毎週月曜~土曜8時~NHK総合ほかにて放送(※土曜は1週間の振り返り)(text:cinemacafe.net)
2020年09月12日東京・京橋にある国立映画アーカイブで本日から大規模な特集上映「戦後日本ドキュメンタリー映画再考」がスタートする。タイトルの通り、戦後の日本で制作されたドキュメンタリー作品を上映し、その意義やメッセージを、現代の、そして将来の社会を視野に入れながら再考できる貴重な催しだ。映画はその誕生時から数多くのノンフィクション映画を残してきた。テレビやインターネットがない時代、映画はニュースを伝える主要な媒体のひとつとして進化を続け、プロが手がけたもの、個人映画なども含めるとその数は膨大なものになる。さらに作家的な視点を持ち込んだドキュメンタリー映画も存在する。発展する科学の最前線を伝えるもの、社会に異議申し立てをする者、失われていく歴史をフィルムに刻もうとする者……そこにはある時代を生きた“人間の視点”が確かに存在している。今回の特集は主に1950年代から2000年前後に発表された日本のドキュメンタリーを上映する。高度成長期の日本のある側面を記録したダム建設記念映画群や、日本のドキュメンタリー映画界にその名を刻む小川紳介、土本典昭らの作品、最新作『れいわ一揆』も話題を集めた原一男監督の第2作『極私的エロス・恋歌1974』、柳町光男監督が暴走族の世界にカメラを向けた刺激的な傑作『ゴッド・スピード・ユー BLACK EMPEROR』、菌や生物の世界を記録し高評価を得た樋口源一郎の作品など66作品が集まった。いずれの作品も単なる“記録”にとどまらず、その時代を生きた人々の視点や思考、訴えが描かれており、この特集を通じて過去を見つめるだけでなく、現代の社会や未来について考えることもできる内容になっている。戦後日本ドキュメンタリー映画再考1月21日(火)から3月8日(日)まで国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU(2階)月曜休館
2020年01月21日企画展「柳宗理デザイン 美との対話」が、2020年1月24日(金)から3月23日(月)まで、島根県立美術館にて開催される。戦後日本を代表するプロダクトデザイナー、その全貌戦後日本を代表するプロダクトデザイナー、柳宗理。生活のなかに美を見出す“民藝運動”の指導者・柳宗悦の家庭に育った彼は、第二次世界大戦後、本格的にデザインの仕事を始め、柳工業デザイン研究会を設立。日本におけるプロダクトデザインの確立と発展に大きく貢献した。生活用品から公共の構造物までいたる多彩なデザイン「柳宗理デザイン 美との対話」では、代表作である《バタフライスツール》をはじめ、柳宗理がデザインを手掛けた家具、食器、キッチンツール、グラフィックデザインなど600点以上を展示する。また、東京オリンピックの聖火トーチや、東名高速道路の防音壁といった公共構造物の写真、そして実現は到らなかった建築物の模型なども展示。小さな生活用品から大型の構造物にいたるまで、生涯にわたり幅広い分野で活躍した仕事の全貌へと迫る。山陰の民藝との関わりさらに、柳宗理がとり結んだ山陰の民藝との関わりも紹介。島根出身で、やはり民藝運動を先導した陶芸家・河井寬次郎の窯でつくった《黒土瓶》などを展示する。概要企画展「柳宗理デザイン 美との対話」会期:2020年1月24日(金)〜3月23日(月)休館日:火曜日(ただし2月11日(火)は開館)、2月12日(水)開館時間:1月・2月 10:00~18:30(展示室への入場は18:00まで)、3月 10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)会場:島根県立美術館住所:島根県松江市袖師町1-5料金:一般 1,000円(800円)、大学生600円(450円)、小中高生 300円(250円)※( )内は20名以上の団体料金※ 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持者、およびその付添の方は観覧無料【問い合わせ先】島根県立美術館TEL:0852-55-4700
2019年11月23日お盆には実家や義実家に帰省された方も多かったのではないでしょうか。自宅に戻ってきてまたいつもの日常が始まりましたね!子ども達の夏休みもあともう少しとなりました。 私が子どもの頃はお盆に数日間、父の田舎に帰省するのが恒例行事でした。父の兄弟も多いので、たくさんのおじやおばが祖父宅に集合し夜遅くまでお酒を飲んだり話に花を咲かせている中、私たち子どもはいとこたちと戯れながら過ごしていました。何をするわけでもないのですが、雰囲気だけで楽しいものでした。家族旅行に行った事がなかったので、唯一家族で遠出した思い出は「おじいちゃんおばあちゃん家」です。 しかし、現在。我が家の子ども達はというと親戚づきあいはほぼありません。定期的に会う親戚はわずかに存在しますが、そもそも親戚一同が集まる機会がないですし、人数自体もものすごく少ないので、もしかしたら我が子にとって「親戚」という概念すらないんじゃないかというぐらい疎遠な存在となっています。 それはそれで特に不自由はないのですが、子ども達にとって機会損失しているな~と思うことは、「お年寄りの昔話を聞けない」事です。 いまどきのおじいちゃんもおばあちゃんも若いのでまだまだ現役世代が多いですが、80代以上の方(父や母の姉妹にあたる年齢)の話って聞いた事ありますか?戦争や、戦後の混乱した日本を生き抜いてきた人達の昔話を聞くって、子ども達にとってだけでなく私たちにとっても貴重な機会だと思うのです。今から7年前、私の父の初盆の際に実家におじやおば(父の兄や姉に当たります)が集まったのですが、その時の話が私にとってはとても衝撃的でした。今日のテーマは子育てに関係ありませんが、何十年か前の日本はこんなんだったんだよ~~と子ども達に伝えたくて書く事にします。 あくまで私の親戚の体験談で、戦場に出向いて命がけで帰ってきたとかそういうエピソードではないのですが、戦争の時代に人々がどういう暮らしをしていたかという貴重な体験を聞かせてくれました。 ■謎の母乳神話…戦時中のトンデモ話何故 父(父は戦後生まれ)の初盆で戦時中の話になったのかというと、仕出し料理に入っていた「お麩」がきっかけです。 おじ(愛媛出身)がおば(大阪出身)と結婚した当初、おばがお味噌汁にお麩を入れたんだそうです。 そしたらおじが「麩なんて鯉が食べるもんや!!」とキレたってゆう話から始まったんです。 今の私からしたらお麩は立派な食材のひとつですが、当時のおじからしたらお麩は「鯉の餌」だったんでしょうね。 そこから、鯉の話題になりました。 昔、おじが小さかった頃は家の庭に池があり、100匹以上の鯉が泳いでいたんだそうです。そして、戦時中には、自分たちは食べるものもロクにないのに、家の中から庭の鯉に麩をやって鯉を愛でたらしく、ここからおじとおばの夫婦漫才かのような掛け合いが始まっていきました。 おば:「自分たちの食べるもんないのに、鯉かわいがっとってわけわからんやろ。ハハハ! 鯉とって食べたらよかったのに。ガハハ」 お…おばよ…(笑) 歯に衣着せなさすぎる…(笑) おば:「わたしら、鯉食べとったで」 がーーーん!笑大阪では鯉食べていたんだったら愛媛のおじも食べといたらよかったのに。おじ:「たまに近所の人が『病人がいるから鯉分けてくれ』って来たからあげたりしとったけど」おば:「昔(戦時中)は鯉の生き血が結核に効くっていわれてたんよ」鯉の生き血…!?(ゴクッ…) 結核に鯉の生き血が効く…。 今のご時世だったらどこに根拠あんねん! エビデンス出してこーーい! で一蹴される話ですが、当時は生き血で病が治すと信じられていた時代だったんですね。おば:「私の親戚のお姉ちゃんなんかは母乳の出が良くなくって、お乳が良く出るようにって、鯉の血絞って飲まされてはったで。あんな生臭い血!! かわいそうに」 母乳の出も結核も鯉の血頼み!!ひぃぃ…。 今なら母乳が出ないなら粉ミルクでぜんっぜんオッケーですが、当時のお母さんにとって母乳が出ないって死活問題ですよね。本当にワラにもすがる思いで鯉の血を飲んだんでしょうね…。さらに、おじが自分がひもじくとも愛でていた100匹以上の庭の鯉。 その後、どうなったかといいますと、おじ:「忘れもせん、小学2年のとき。学校から帰ってきたら、朝までおった鯉が1匹ものうなっててのー。どうしたんかと思うたら、”よかれん(※)”っつー兵隊のグループが、兵士の食料にするからっつーて根こそぎすくって持ってってしもた」※旧「海軍飛行予科練習生」の略ええええ…!!人の家の庭から勝手に鯉を根こそぎ!!おじ:「あの時代は、鍋やら金属やら、根こそぎ持っていかれても文句は言えんかったから」ひぃぃ…。 どうせ根こそぎ持っていかれるんなら、やっぱり食べてればよかったのに…。 おじ:「それが戦争が終わってしばらくして、新しくできたプールに行ったら、そこの池に、うちの鯉がおってのぉ。うちの鯉が泳いどんのよ。フォッフォッフォ…」何じゃそりゃ!! 鯉、生きとったんかーーーーい!! それじゃぁ、ただ家からプールに引越しただけじゃん!! いやいや、そうやって笑って済ませられるのも、混沌としたメチャクチャな時代だったからこそですよね。■戦時中に盲腸になったら…おじ:「昔は、何もかもがめちゃくちゃで、適当やったから。医者も役所も適当よ」おば:「そうよ、戦争中は、盲腸でよう人が死んどったわ」え!? 盲腸で!?盲腸で死んでたんですか!?おば:「よう死んではったで。なんてったって、手術するっつっても、麻酔なんてないから、意識あるまま、お腹切るんやで」 ヒーー!!!! もう、「ヒー!」しか出てきません。。。 おば:「押さえつけられて生きたままお腹切られて、消毒もなにもないから、化膿したり、術後の回復がよくなくってよう死んではったわ」 切腹じゃないですか!!こぅっわーーー!!!! おば:「私の親戚の兄さんも、盲腸になったゆうて、兄さんのお母さんが、リアカーに布団しいて、兄さん乗せて、茨木から、大阪城のとこまで押して歩いて運んどったわ」 ひーーー!! 大阪をご存じない方には分からないかもしれないけれど、茨木から大阪城まで歩く…。歩けない事はないのでしょうが、、ろくに整備されてない道をリアカーに人乗せて…とても行ける距離じゃぁありません。おば:「あのお兄さん、どうしはったんやろ。あ、でも、こないだ死んだから、生き残ったってことやろうな。ガハハ」 わ…わろてる…。 戦時中の話はメチャクチャすぎて、激動の中生きてきた世代の人たちの生命力が凄すぎる!! と、改めて敬意を払ったのでありました。■戦後復興を支えた人々に感謝せずにはいられない結局父の初盆なのに、父の話は一切出てきてないことに後から気づきましたが…(笑)鯉と盲腸の話はこの時の話のほんの一部です。 戦後の、日本全体が復興に向けて伸びていくまさにALWAYS(映画)の時代の話も聞きました。 今私たちが当たり前のように使っているトンネルだったり電線だったり高速道路だったり…。 今整えられているインフラは、昔の方々が必死に汗かいて働いて作ってきてくださったものだと考えると、感謝せずにはいられません(おじの話聞いてたら仕事が過酷すぎました。ブラックどころじゃない)。 いまのお年寄りたちが現在の日本の土台を作ってくださったからこそ、私たちは今こんなにも便利な生活を送れているんだと敬意を表しながら、カーナビ・ETC・Bluetooth搭載の涼しい車でバビューン! とトンネルくぐりたいと思います!(ほんっと…数十年後の日本がこんなになってるだなんて当時の人達は想像もしていなかったでしょうね)
2019年08月22日斎藤工が主演する白石和彌監督最新作『麻雀放浪記2020』から、1945年と2020年、2つの時代が映し出された特報映像が公開された。今回公開された映像は、戦後の焼け野原となった東京を彷徨う“坊や哲”(斎藤さん)の後ろ姿が映し出されスタート。そして、「OXCL」(オックス・クラブ)の看板や、男たちが博打に命を賭けている場面が続き、“伝説の傑作小説よ、さらば。”といった文字と共に、モノクロの1945年から2020年へと移り変わる。煌々とした光に包まれる謎の闘技場や、朽ち果てた2020年東京五輪のポスター、核爆発、死亡事件を報じる新聞記事、慟哭する“坊や哲”など、気になるシーンで埋め尽くされている。昨年末に行われた日刊スポーツ映画大賞の授賞式では、白石監督が本作について「この新作、僕は大まじめに作った大傑作だと思うが、問題がありすぎて公開が危ぶまれている。気が気でない」と言及していたほど危険な内容だそう。映像の最後には“これでいいのか、ニッポン”と問いかける言葉も映し出され、その言葉の意味も気になるところだが、未だ全貌はベールに包まれたままとなっている。『麻雀放浪記2020』は4月5日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:麻雀放浪記2020 2019年4月5日より全国にて公開
2019年01月18日戦後70周年の今年、日本の歌謡文化をつくり上げた名曲を振り返るコンサート“戦後、歌謡曲はジャズだった”が10月7日(金)に東京・Bunkamura オーチャードホールで行われる。このコンサートにミッキー・カーチスの追加出演が決定した。“戦後、歌謡曲はジャズだった”チケット情報戦後の大変な状況下でも、人々の心に明るい灯を照らしてきた数多くの歌。それらは、ブルースのみならず、つねに外国のポピュラー音楽のフィーリングを用いて、それぞれのジャンルで和製ポップスとして開花した。特に、ブギウギのリズムを日本の流行歌に取り入れ開花させた「東京ブギウギ」など、占領軍の進駐によって、日本人によるジャズ演奏が復活し、現在の歌謡曲と言われるものはジャズに多くの影響をうけたといわれている。この歌い継ぐべき名曲たちを、当時キャンプや将校クラブで歌っていた歌手たち、そしてそれらの曲を敬愛する若手ミュージシャンが集まり一夜の夢のコンサートが開かれる。そしてこのコンサートに、まさに戦後アメリカ軍のキャンプを巡り、歌を披露していたミッキー・カーチスの出演も決定した。出演はほかに、ペギー葉山、服部克久、雪村いづみ、前田憲男、渡辺真知子 、佐々木秀実、サーカス、森サカエ、秋元順子、佐藤竹善、マリア・エヴァ、ナオミ・グレース、MERI、おぬきのりこ、スインギー奥田、奥田宗宏とザ・ブルースカイオーケストラ。次世代も楽しむことができるように新しい解釈とともに披露される名曲たちは、初めて聞くリスナーも当時の高い音楽性に驚きと感動を持って迎え入れられることだろう。
2016年09月27日日本の戦後、その大きな転換期となった1950、60、70年代それぞれを、市井に生きる人々の目線から描き出す、鄭義信が過去に新国立劇場に書き下ろした三作の一挙再演が今春に決定した。万博に浮かれる60年代が舞台の『焼肉ドラゴン』(2008、11年)、戦後まもない中で再生を模索する人々を描く『たとえば野に咲く花のように』(07年)、そして1970年代、石炭から石油へと転換するエネルギー政策に翻弄される人々が主人公の『パーマ屋スミレ』(12年)。だが、最初から連作の企画だったわけではなく、鄭自身も「最初に書いた『たとえば~』は、「三つの悲劇―ギリシャから」というギリシャ悲劇の翻案に三人の劇作家が取り組むという企画のために書いたもの。演出も鈴木裕美さんでした。だから、続く『焼肉~』、『パーマ屋~』と合わせて「三部作」と呼ばれるようになるとは、僕自身思ってもいなかった」と言う。新国立劇場 鄭義信 三部作さらに、それぞれの創作・初演を振り返り「再演を重ね、韓国公演も実現した『焼肉~』は思い入れの強い作品。日本では、ある種のノスタルジーを抱いて年齢が高めの観客が支持してくださったのに対し、韓国では若者から大きな反響があった。国や政治に翻弄され、離散していく劇中の家族に、韓国で今まさに問題となっている家族の崩壊という社会現象を重ねて観てくれたんです。『パーマ屋~』は執筆時に苦労しました。戯曲の残り3分の1くらいのところでピタリと筆が止まって。悲劇的な展開とラストを書くことに、心のどこかで迷いや抵抗があったんだと思います。でも当時の、激しい時代の流れを描くためには、なんらかの犠牲がどうしても必要だと腹をくくった。結果、別離や旅立ちを希望として表現することが多い僕の作品には珍しく、“留まる決断”を下すヒロインが生まれたんです」とも。『焼肉~』『たとえば~』はほぼ全キャストが刷新。続く『パーマ屋~』も一部の俳優が変わり、単なる再演ではない進化が見込まれる。「俳優が変われば、必ずそこに新たな化学反応が生まれる。演劇は人と人との関係性、その繋がりから生まれるものですから。だから演出家の僕が新しくするというより、作品が勝手に新しくなっていく、その作用に身を委ねていこうかなと、今は考えています。特に一番手の『焼肉~』は、韓国人キャストも含め、初めてご一緒する方も多いので、何が起こるか興味津々です。」という鄭の言葉を信じ、生きようと足掻き、生命を燃やす登場人物たちとの再会に期待したい。なお、インタビューの全文はチケットぴあサイトに掲載。チケットぴあでは一般発売に先がけ、1月12日(火)より特別割引通し券「三つの名舞台-鄭義信 三部作-」を発売する。取材・文:尾上そら【公演情報】会場:新国立劇場小劇場(東京都)「焼肉ドラゴン」3月7日(月) から27日(日)「たとえば野に咲く花のように」4月6日(水) から24日(日)「パーマ屋スミレ」5月17日(火)から6月5日(日)
2016年01月08日日本人に生まれながら、中国人歌手・李香蘭として絶大な人気を誇った山口淑子。この戦争に翻弄された、実在の歌姫の数奇な半生を描く『ミュージカル李香蘭』が、戦後70年になる今年、上演される。本作で1991年の初演にタイトルロールを務め、その後も数多く同役を演じているのが野村玲子だ。改めてこの役に向き合う気持ちを野村に訊いた。チケット情報はこちら最近のこと。テレビで若い子が「アメリカと戦争したことなんてあったんだ」と言っていたことに驚いたという。それに対し、「やっぱりきちんと、あったことはあったこととして、知っていて欲しいと思います」と語る野村。ただ、『ミュージカル李香蘭』は“戦争の悲劇を語り継ぐ”という思いが込められている作品だが、出演する俳優たちは当然、直接戦争を体験していはいない。自身も初演の頃は苦労した。「歴史をしっかり学んでこなかった世代ですので、自分の無知さを思い知らされて、それはそれは大変でした。まず自分たちが戦争という歴史を知って、その先にいま、自分たちの人生があるということをきちんと理解しないといけないと思っています。その上で、これから私たちはどうやって生きていくかということを含めてお客様にお伝えしたい」。柔らかい表情で、しかしきっぱりと言うその姿に見えるのは使命感か。重ねて「この作品は重みが違う、誠実に向かわないと」とも話した。山口淑子さんは戦後、参議院議員をも務めるなど様々な活躍をし、昨年亡くなった。野村はこの作品を通し、山口さんと交流があった。「本当に美しい方で、そして非常に頭の回転が速い、素晴らしい方。そんな方を演じるなんて…というプレッシャーすらすぐに見抜かれて、「大丈夫、玲子さんの好きなように、『ミュージカル李香蘭』という作品の李香蘭を作ってくださっていいですから」っておっしゃってくださいました。公演にもよくいらしてくださいましたよ。今回の公演の最中に、山口先生の一周忌を迎えます。今まで以上に山口先生と出会えたこと、この作品に出会えたことに対する感謝と、平和への思いを胸に刻んで、お稽古に参加しています」。なお、今まで劇団四季が上演していた本作だが、今回は劇団四季の創設者であり、元代表の浅利慶太氏が今年新たに発足させた<浅利慶太プロデュース公演>の第2弾として上演される。オーディションで決定した出演者もフレッシュな顔ぶれが多く「それだけでも今まで四季でやってきた舞台とは違って、新鮮ですよ」と野村は楽しそうに笑う。「私は19歳の時から劇団ひとすじでしたから、座内の俳優としか演じた経験がないんです。今までは相手が「こうくるな」というのがわかりましたが、今回は意外な展開ばかり(笑)。自分が慣れていたものをそぎ落として、いまの交流から生まれるものを積み上げていけたらなと思ってやっています」。今の野村だからこそ表現できる李香蘭は、戦後70年の夏、我々に何を訴えかけるのか。客席で見届けたい。公演は8月31日(月)から9月12日(土)まで、東京・自由劇場にて。チケットは発売中。
2015年08月05日BSスカパー!では8月2日と9日の2週に渡り、戦後70年特別企画『田原総一朗スペシャル「第二次世界大戦」~映画・ドラマ・ドキュメンタリーが描いたあの悲劇~』を放送する。終戦から70年経つ今年、スカパー!の各チャンネルでは第二次世界大戦を題材としたドキュメンタリーや映画など280本以上の番組を放送。今回の特別番組ではMCに田原総一朗を迎え、スカパー!で放送される戦争映画・ドラマ・ドキュメンタリーの映像を使い、作り手たちがどのような思いで作品を作り、残そうとしたのか深く迫っていく。田原は「今はもう親たちも戦争を知らない世代になってきている。そういう人たちにとって『映像』というのはリアルでわかりやすいので、戦争を記録した映画、ドキュメンタリーを観る機会をもっと提供するべきだと思うし、若い人たちもたくさん観るべきだと思う。その意味でこの番組はとてもいい企画だと思う」とコメント。2日の前編ではヨーロッパ開戦から日本の参戦まで、9日の後編では連合国軍の勝利から日本の敗戦・戦後までを追う。出演はほかに佐藤忠男、金谷俊一郎、川田裕美。戦後70年特別企画『田原総一朗スペシャル「第二次世界大戦」~映画・ドラマ・ドキュメンタリーが描いたあの悲劇~』はBSスカパー!にて8月2日(日曜 19:00~)、9日(日曜 19:00~)放送。
2015年07月31日東京都・清澄白河の東京都現代美術館は、戦後美術の歴史や、作品の素材・表現に着目した展覧会「MOTコレクション 戦後美術クローズアップ」を開催する。会期は7月18日~10月12日(月曜休館、ただし7月20日・9月21日・10月12日は開館、7月21日・9月24日休館)。開館時間は10:00~18:00(7~9月の金曜日は21:00まで)。観覧料は一般500円、大学・専門学校生400円、高校生・65歳以上250円、中学生以下無料(企画展のチケットがある場合は別途観覧料は不要)。同展は、戦後70年の節目にあたる年度の「MOTコレクション」として、戦後美術の歴史や、作品の素材・表現に着目した展示を1階と3階、ふたつのフロアに分けて行うもの。1階では、戦後美術の流れを軸にした通史的な展示が行われる。おおよそ制作年代順に展示される作品からは、当時の社会状況を読み取ることができる構成となっている。また、3階では、古くから制作の素材である木と石、その現代の表現に焦点を当て、作品が開示する多彩な世界観を5つの部屋で探る。とくに、天井高のある3階では、小さな作品から大きな作品までが様々に組み合わさって展示される予定となっており、それぞれの作品のもつスケール感を楽しむことができる。なかでも、全長20mにおよぶ遠藤利克の「泉」は、14年ぶりの公開ということだ。なお、関連企画として、担当学芸員によるツアー「もっと!MOTコレクション」が開催される。開催日時は8月29日、9月26日の15:30より1時間程度。そのほか、会期中にトーク等のイベントを予定されている。詳しくは美術館ホームページにて。
2015年06月17日缶コーヒーのCMのコミカルな演技でもお馴染みのトミー・リー・ジョーンズが、日本の戦後をテーマにしたピーター・ウェーバー監督の『Emperor』(原題)で、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の総司令官を務めたアメリカ陸軍のダグラス・マッカーサー元帥を演じることが明らかになった。第二次世界大戦後の混とんの渦中にある日本を舞台にした歴史大作の監督を務めるのは、『真珠の耳飾りの少女』『ハンニバル・ライジング』のピーター・ウェーバー。GHQでマッカーサーの参謀のひとりである日本通の将官、ボナー・フェラーズを「LOST」のマシュー・フォックスが演じる。奈良橋陽子、野村祐人、ラス・クラズノフとともにプロデューサーを務めるゲイリー・フォスターは、ジョーンズの出演について「アメリカの伝説的英雄であるダグラス・マッカーサー元帥という役に、トミーは力強さと知性をもたらし、重厚に演じてくれるだろう」と「The Hollywood Reporter」誌上で期待を寄せている。壮大な政治ドラマを軸に、フェラーズと日本人女性・アヤの恋愛も絡む本作は、今月から製作準備にとりかかるという。(text:Yuki Tominaga)© Splash/AFLO■関連作品:メン・イン・ブラック3 2012年5月25日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開■関連記事:黒スーツのあのコンビが戻ってくる!『メン・イン・ブラック3』最新映像到着
2012年01月19日