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サッカーにつきもののケガやアクシデント。受傷後の応急処置について、サポートする保護者としては正しい知識をしっかり身につけておきたいものですね。医療情報は年々新しくなるので、最新情報も知っておきたいところです。いざ応急処置をすることになったときに慌てないよう、日本サッカー協会のスポーツ医学委員でJクラブのドクターも務める大塚一寛先生(あげお愛友の里施設長)にお話を伺いました。(取材・文:小林博子)写真は少年サッカーのイメージサカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!>>■RICE処置はもう古い?局所冷却療法はアイシングではなく「クーリング」が主流患部を冷やすのは大事ですが、アイシングではなく「クーリング」の温度で行うこと有名な「RICE処置」(RICEは、Rest〈安静〉・Ice〈冷却〉・Compression〈圧迫〉・Elevation〈挙上〉の頭文字)ですが、このうちIce、つまりアイシングは現在は古いとされていると大塚先生は説明してくれました。アイシングを1978年に提唱したドクターが、現在はその説を自ら否定する論文を発表しています。アメリカではアイシングは廃れた方法になっていて、メジャーリーグやNBAなどではアイシングをしている選手をここ数年で見ることはなくなったはずです。アイシングに変わって行われている処置が「クーリング」。アイシングが氷を使って0度以下に冷やすのに対し、クーリングは6~20度以下に冷やすことです。■「冷やしすぎ」に注意。回復を遅らせる恐れが人間の体は炎症するから治るようになっているもの。ところが過度の冷却は炎症活動を低下させる(=治癒力を下げている)にもかかわらず、痛みだけ取ってしまうため良くなっていると身体に勘違いさせてしまいます。また、アイシングで冷やしすぎてしまうと、神経を傷つけてしまう恐れもあり、結果的に回復が遅くなる可能性があるそうです。大塚先生によると、アイシングをした群としなかった群のその後の回復を調べた実験結果では、「した」群のほうがその後の強度やスピードが低下していたことがわかっているそう。■「正しいアイシング」であればOKただし、アイシング自体がすべて否定されているものでもありません。やり方次第では、今も有効な応急処置とされていて、それが受傷後6時間以内の短時間スパンのアイシングです。10〜15分アイシングをし、20〜30分のレスティングをすることを、ケガをしてから6時間繰り返すというものです。■タオルを1枚間に入れて冷やせば簡単にクーリングに近い温度にアンダーラップはテーピングの下に巻く保護テープ写真のオレンジのものNBAやメジャーリーグで行われているクーリングは専用の機械を使って温度管理された水を流し続けるというものです。当然ながら少年サッカーの現場でその機械を持っているチームはないため、NBAやメジャーリーグのように適切な温度とされる6〜20度を保ちながらクーリングを行うのは現実的ではないはず。そこでおすすめなのが「アンダーラップ」を使うこと。アンダーラップとは、テーピングの糊から皮膚のかぶれを防ぐために巻くテープです。ケガをした部位をアンダーラップで覆い、その上から氷嚢を当てる方法です。直接肌に触れないので0度以下になることはありません。「アンダーラップがなければタオル1枚でもOK」と大塚先生はアドバイスをくれました。■ケガから2日過ぎたらクーリングも意味なし受傷から48時間経った後は、冷やしても意味がないことも知っておきましょう。それ以降は冷やすことよりも温める温熱療法に切り替えるほうが治癒力は高まるそうです。現場での応急処置はチーム帯同者や保護者の皆さんが行うことが多いでしょう。これまでケガの応急処置といえば「RICE処置」とされてきましたが、日々研究が進み、現在はICEではなく冷やしすぎない「クーリング」になっていることは、まだ多くの方に知られていません。子どもたちが安全な環境でサッカーを楽しむためにも、大人たちが情報をアップデートすることは大事なことです。今回ご紹介した「クーリング」であると便利なアンダーラップは、薬局やドラッグストアで簡単に手に入るので、チームの救急箱に入れておきましょう。大塚一寛(おおつか・かずひろ)医師、あげお友愛の里施設長。1996年からはJクラブのドクターとしてチームとともに帯同を続けている。現在はVプレミアリーグの上尾メディックス(女子)のチームドクターも兼任。そのほか、『日本サッカー協会スポーツ医学委員』を務め、全カテゴリーの選手の健康管理(脳震盪・ヘディング・熱中症・整形外科的外傷など)に携わっている。多数の講演にも出演し、現場のノウハウや選手のケガ、障害予防などの啓発活動も積極的に行っている。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!>>
2024年06月04日みなさんは義実家の方々とは上手く付き合えているでしょうか? 今回は足を捻挫して迎えた義実家の集まりを紹介します。(イラスト/crono)足を捻挫して迎えた義実家の集まりある年のお盆の時。投稿者さんは仕事中に激しく転んでしまい、重めの捻挫と診断されてしまいます。その状態で、義実家へ向かった投稿者さん一家。義実家では集まりのときに、親戚一同で男女の区別なく総出で食事の支度をします。足を捻挫していた投稿者さんは満足に歩ける状態ではなく、邪魔になってしまうことを避けるために、動かずにできる手伝いをしていたのですが…。根性が足らん!!出典:lamire義父の言葉に義母や他の親戚も同意しているようでした。根性でどうにかなるものでもないだろ…と心の中で思いつつ、苦笑いでその場をやり過ごす投稿者さんなのでした。根性論では…怪我をしている中でお手伝いしていたのに、根性がないと言われても…。相手が大変なときこそ、思いやりを持って接していきたいものですね。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。
2023年05月01日みなさんは義実家の方々とは上手く付き合えているでしょうか? 大なり小なり義実家トラブルは皆さん経験があるみたいです…。 今回は実際に募集した義実家トラブルエピソードをご紹介します!根性が足らん!という義父…お盆に義実家に行ったときの話です。当時自分は仕事中に激しく転んでしまい、重めの捻挫と診断された状態で義実家に訪問していました。義実家では集まりがあると、親戚一同で男女の区別なく総出で食事の支度をするのがルールになっています。ただ、その年に限っては私は満足に歩ける状態ではなく、足手まといになると思ったため、配膳などをやり、動き回るような支度の手伝いを遠慮していました。そんな私に「根性が足らん!」と義父が言うと、義母や他の親戚一同もその意見に同意…。「いや…根性でどうにかなるもんでもないだろ…」と心の中で思ったものの、苦笑いでその場をやり過ごしました。(女性/個人事業)ついでに寄る義両親私は、義実家から車で40分ほどの所に住んでいます。我が家の近くには義妹が住んでいるので、義両親は度々義妹の家を訪れているようです。平等にといつも言ってもらえて、義妹と同じように家庭菜園でできた野菜などをうちにも持ってきてくださるのはありがたいです。でも、うちに来るのはいつも義妹の家に来るついでなので、連絡もなく突然です。出典:lamire義両親は「そこまで来たから〜」と、気楽に考えているのかもしれないですが、休みの日はすっぴんでいたり、家事も後回しでのんびりしていることもあるので、いつもドキッとしてしまいます。(女性/主婦)いかがでしたか?さまざまな義両親と付き合うとなると何かと気苦労しそうですね。適度な距離を保ちながら、いい関係でいたいものです…。以上、義実家トラブルエピソードでした。次回の「義実家トラブルエピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。"
2022年08月08日埼玉県杉戸町にある「アシカラ改善院」には、男の子から女の子、さらにはトップアスリートまで、ケガをしてしまった人から、動きの改善を目指す人まで、多くの人が訪れています。院長の染谷学先生は、「足底からこだわり全身改善」をコンセプトに、歩行動作を改善することでケガを予防したり、ケガからの復帰を導くスペシャリストです。「靴の選び方は、動作改善のベースになります」と語る染谷先生に、前回に引き続き、靴の選び方についての詳しい解説をお願いしました。お子さんのケガ予防、パフォーマンスアップのために、正しい知識を手に入れましょう!(取材・文:鈴木智之)ケガを予防しパフォーマンスを上げるためにも正しい靴の選び方が大事(写真はサッカー少年のイメージ)<<オスグッドはひざの曲げ方に問題が。ケガ、痛み予防のために知っておきたい正しい「蹴り方」とは■靴選びで「横幅」も重視しないとひざの痛みの原因に前回の記事では「足のつま先が1センチ余ること」「インソールの中に、小指がしっかり収まること」「かかとが硬いものを選ぶ」という3つのポイントを教えていただきました。「靴を選ぶ際に、いま履いているものが足に合っているかを確認するときは、まず中敷きを外しましょう。のり付けされているものであればビリっとはがして、中敷きを地面に置いて、その上に足を乗せてみてください。そうすると、中敷に対して指がどれぐらい届いているのか、届いていないのか。横幅も外に出ているか、出ていないかがわかります」サッカー少年・少女の履いている靴をチェックすると、横幅の中に足が収まっておらず、小指が靴の中で浮いてしまっている子も多いそうです。「インソール幅に対して、小指が収まっていない子は多いです。その状態だと、小指が持ち上がったまま靴の中に収まっているので、結果としてひざが内側に倒れた状態になります。その状態で激しく動くと、ひざを痛めることやひどい場合は前十字靭帯断裂につながります」さらに、こう続けます。「ひざが内側に倒れないようにしようとすると、ひざを少し曲げなければいけないので、オスグッドになりやすいんです。その状態で無理やり外側に倒そうとすると、捻挫をしやすくなります。自分の意思で足をひねっているような形なので、自分から怪我をするように動いているようなものなのです」■横幅が合わないからといってサイズを上げるのは間違い靴の選び方によって、ケガのリスクが高まるのであれば、無視することはできません。とくに成長期のお子さんの場合、大人以上に意識を向けた方が良さそうです。「靴の中で足の横幅が収まらないと、サイズを大きくしようとする人が多いのですが、1センチ以上大きな靴を履くと、横幅は合うかもしれませんが、今度は靴の中で足が前後にずれてしまいます。デザイン重視で靴を選びたい子には可哀想だと思いますが、サイズと横幅が合わないものは、現時点では履けない靴、足に合わない靴という捉え方をした方がいいと思います」足の横幅が広い人におすすめなのが「3Eや4Eと表記されている靴」だそうです。「横幅を示す『E』という表記があります。3E、4E、スーパーワイド(SW)、エキストラワイド(EW)といったものがあるのですが、ミズノ、アシックスは足幅の広いモデルが発売されていると思います。私のところに来てくれる選手たちには、『日本人の足型データから作っているアシックス、ミズノは合いやすいのではないか』という話はしています。ただし、同じメーカーでもモデルによって異なることもあるので、実際にお店で試着してみてほしいですね」■じつは「かかとの硬さ」がかなり重要前回の記事で「つま先、横幅、かかと」の3つがポイントだとお伝えしました。つま先と横幅には意識を向けやすいですが、かかとについては見落としてしまいがちです。「かかとは骨なので、硬いイメージがあるかもしれませんが、ほとんど筋肉がついていないんですね。かかとの骨を覆っている脂肪はゼリーのように柔らかいので、しっかり覆っていないと流れてしまいます。個人差はありますが、脂肪には2センチ近く厚みがあるので、かかとをしっかり覆うことができればクッションが利きます。そうすれば、かかとが痛くなったり足首を捻ることも少なくなります」自分の足に合った靴を履くことの大切さについて、染谷先生は「3~6歳、就学前のお子さんに対する靴の選び方に、もっと目を向けた方がいいと思います」と述べます。「ドイツでは3歳から就学まで、健康診断をするそうです。そのときに足の形がどうなっているか、重心がどうなっているかなどの検査項目がたくさんあると聞いたことがあります。日本で『子どものファーストシューズをどう選ぶか?』について、目を向けている人は多くはありません。子どもが将来、履きたい靴を履くためにも『足を作る』という視点から靴を選ぶことが大切だと思います」■正しい靴選びで偏平足は防げる就学前のお子さんの靴は「かかとがしっかりと収まるもの」(染谷先生)が良いそうです。「まずはかかとがずれないように、ヒールの部分が硬くなっているものを選びましょう。靴の中で、足の横幅を合わせるのは難しいので、調整がしやすいベルトタイプ(マジックテープ)もおすすめです。サイズが合っていて、かかとがしっかりしている靴を選べば、中でしっかりと指が使え、必要な足の裏のアーチも出来上がっていきます」足の指をしっかりと使えるようになることが、サッカーで良いパフォーマンスをするための第一歩です。どうしても軽くて柔らかい靴を選びたくなってしまうかもしれませんが、かかとが硬くねじれない靴であることも大事です。■ひざを痛めやすい女子選手の脚には特徴がある染谷先生の元には、ひざを痛めた女子サッカー選手もたくさん診療に来るそうです。これまでの診察経験から、彼女たちの特徴は、腿から足首まで太さがあまり変わらない脚なのだそう。これも多くの場合、身体の使い方によるもので、身体を正しく使えるようになると、必要な個所の筋肉は引き締まりメリハリのついた脚になるのだと教えてくれました。「私は女子選手に『筋肉のつき方が綺麗で、立ち方、歩き方がかっこいい選手は魅力的だよね』という話をしています。それこそがケガをしない足なのです。ヨーロッパの女子選手は、スラッとしていて立ち姿が綺麗ですよね」たしかに、国際試合などでピッチに立っている姿を見ていると、その違いは明らかです。「足の指を使うことができて、すねを倒す角度が適切になって......、と人体構造に合った動き方ができてくると、足首が締り、ひざ周りの無駄な肉がとれて、足の形が綺麗になります。結果として、ケガのリスクもなくなります。そうではない選手は、すでにジュニアの年代から、ケガのリスクがある動き方をしています」足に合った靴を選び、人体構造に適した身体の使い方をすることで、ケガのリスクが減少し、パフォーマンスもアップするのであれば、ぜひとも真剣に向き合いたいところです。「日常生活のときに履く靴はもちろんですが、サッカーのときも足に合ってかかとがしっかりしているものを選んでほしいです。そして、つま先とかかとをつかんでひねったときに、ねじれが少ないこともポイントです」<正しい靴選びのポイント全6項目>1.足長(サイズのこと:22.5cmなど)プラス、先端に1cm余裕がある2.横幅があっているインソールから小指がはみ出ない3.かかとのヒールカウンターが硬いもの4.MP関節(歩行時に屈曲する足指付け根の関節)に合わせてどれだけ屈曲するか5.ねじれが硬い6.紐靴でフィット感を調整できる※ヒールカウンターとは、靴のかかと部分に挿入された半円形の芯のこと。 かかとを安定させ、歩行をサポートしたり、靴の成型を担う足を育てるために、自分の足に合った靴を選ぶこと。これはぜひ子どもの頃から、心がけたいことです。それがきっと、お子さんの将来に良い影響を与えるはずです!染谷学(そめや・まなぶ)鹿屋体育大学卒業学生時代は柔道専攻。自身が多くの怪我を経験し、助けてくれた柔道整復師に憧れ治療家になる。柔道整復師として昨年11月末まで都内で整骨院を営む。選手サポートや外部サポート増加に伴い整骨院閉院。『足底からこだわり全身改善』『人間の足底=土壌』を掲げ、現在は埼玉県にアシカラ改善院(自費診療)を構え、一般~プロアスリート迄、老若男女問わず診ている。院の特徴は①1分以内での超短時間施術。②人体構造上正確な起立と歩行指導。【主な活動】オルカ鴨川FCメディカルサポート(2019)都立高校サッカー部メディカルサポート(2017〜現在)アスリートサポート(パーソナル)チーム向けセミナー(インソール講習会、靴の選び方等)
2021年01月25日サッカーに熱中するあまり、ケガを抱えてしまうお子さんは少なくありません。埼玉県杉戸町にある「アシカラ改善院」は、男の子から女の子、さらにはトップアスリートまで、ケガをしてしまい、復帰を目指す人達の駆け込み寺になっています。院長の染谷学先生は、「足底からこだわり全身改善」をコンセプトに、選手のパフォーマンスアップ、ケガからの復帰を導くスペシャリストです。多くのアスリートの指導を行う染谷先生に、お子さんのケガ予防について話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之)子どもたちが悩まされるひざの痛み、オスグッドはどうして起こるのか(写真はサッカー少年のイメージ)■足に問題を抱えている子たちアシカラ改善院を訪れるサッカー少年・少女は、扁平足や成長痛、度重なるねんざ、腰痛、前十字靭帯断裂など、様々なケガや痛みを抱えています。染谷先生は「痛みを抱えている子の他に、走り方や姿勢が気になるという子もいます。うちに来てくれる患者さんの大半に共通しているのが、足に問題を抱えていることですね」と言います。「『頻繁に足首をねんざしてしまう』というお子さんがいますが、それには何らかの原因があります。また、ひざの痛み(オスグッド)の子も多く、サッカーを休むことで痛みがなくなったので、練習に復帰したらまた痛くなってしまった。それを繰り返した上で、『どうにかなりませんか』と、相談しに来ることも多いです」■オスグッドが出なくなる方法成長期のお子さんに多いひざの痛み(オスグッド)。染谷先生は、その原因を「身体の使い方に原因がある場合がほとんど」と考えています。「オスグッドになった患者さんが医療機関を受診したときに言われるのが『ふとももの前部分が硬い』です。四頭筋が硬いからオスグッドになるので、ストレッチをしなさいと言われます。でも私の考えとしては、オスグッドはひざの曲げ方に問題があります」ボールを蹴るときに、子どもに多いケースが、蹴り足を大きく振り上げ、腰が開いた状態でキックする動作です。「その蹴り方をすると、軸足のひざを前に突き出すように曲げるので、軸足のももの筋肉が引っ張られます。そして上体を後ろに反らしながら、ひざだけ前に突っ込む形になるので、ふとももの筋肉が引っ張られます。その結果、膝蓋靭帯(オスグッドの部分)が痛くなるという形です。走り方や動き方、蹴り方を改善すれば、成長痛・オスグッドは出なくなります」■スポーツをするときのベースは「歩く」こと身体のどこかに痛みが出るということは、本来あるべき形が崩れていたり、動作が行われていないことにほかなりません。もしくは偏った動きをすることで、特定部位に耐えきれないほどの負荷がかかり、結果として痛みが発症すると考えられます。「たとえば人間の基本動作であり、スポーツをするときのベースとなる『歩く』こと。私は『すねを前に倒す』という言葉を使っていますが、すねを倒して、歩いたり、走ったりすると、股関節からひざまで、ふとももの長さは変わらないので、筋肉も引っ張られません。そうなると、ふとももの前側が硬くなることはないので、痛みも出なくなります」■靴の選び方が間違っている人が多いではなぜ、多くの人が、身体に負担がかかる(痛みが出る)使い方をしてしまうのでしょうか?染谷先生はその原因が「足にある」と考えているそうです。「動きの悪さのもと、痛みの原因はいろいろあります。個人的に思うのが、靴の選び方が間違っていること。正しい靴の選び方を知らない人が多いと感じています。靴を履いて歩くことに対しての意識が低いと言いますか......」歩く、走るといった日常の動作やスポーツ動作の根幹となるのが足です。人間は両足で立った状態で歩き、走り、ボールを蹴ります。「動きの土台となる『足』が崩れている状態でスポーツをすると、足首やひざ、腰などに影響が出るのは明らかですよね。さらにサッカーのスパイクのような、独特の形状のものを崩れた足で履くので、表現はよくないかもしれませんが、悪い動きしかできないのは当然です」■正しく靴を選べていないと、身体の使い方を教えても身に付かないその考えのもと、染谷先生は選手や保護者に、靴の選び方について説明するそうです。「靴の選び方を教えた上で、身体の使い方を教えていきます。前提条件が整っていないと、歩き方や身体の使い方を教えても、身につかないからです。そして、足の構造を理解させることも重要です。子どもたちに説明するときは、手と足は似た作りになっているよね? と説明します」手も足も指は5本。身体を支えるときに使い、ものをつかむ(握る)こともできます。「手で棒を握るとき、誰しも小指から薬指、中指、人差し指、親指という順で握ります。親指から人差し指、中指と握っていく人はまずいません。小指は力を発揮するときにすごく大切な指で、それは足の小指も同じです」現代の子どもたちは「浮き指」と言って、靴の中で指が浮いてしまい、地面をつかんで立ったり、走ったりすることが十分にできない子が多いそうで、それは大人にも見られる傾向です。「立つときに、5本の指、なかでも小指でしっかりと地面をつかんで立つことができると、重心も安定しますし、サッカーの試合で相手にぶつかられても、ふんばりが効くようになります。その状態は身体のどこかに無駄な力がかかっているわけではないので、ケガをする心配もありません」■正しい靴の選び方染谷先生の「アシカラ改善院」では立ち方や歩き方など、動きの土台からアプローチして、正しい動きを身につけさせていくそうです。それと並行して、正しい靴の選び方やインソールの使用についてもアドバイスを送っています。「正しい靴の選び方としては、足の大きさプラス1センチ。これがベストです。メーカーごとに大きさが違うので、実際に履いてみて、先端に1センチ隙間があるものを選びましょう。そして横幅もポイントです。インソールから横に、小指がはみ出てしまっている靴を履いている子も多いので、インソールにしっかりと足が乗る靴を選びましょう」さらに、こう続けます。「かかとを包んでいる部分も、柔らかいものよりも硬いほうが良いです。かかとを踏んで履くのではなく、靴べらを使わないと入らないような、かかとがしっかりしている靴を選びましょう」<靴選びのポイント>1.足長(サイズのこと:22.5cmなど)プラス、先端に1cm余裕がある2.横幅があっているインソールから小指がはみ出ない3..かかとのヒールカウンターが硬いもの※ヒールカウンターとは、靴のかかと部分に挿入された半円形の芯のこと。 かかとを安定させ、歩行をサポートしたり、靴の成型を担う※後編で正しい靴選びの全項目をご紹介します。染谷先生が教えてくれた靴の選び方は奥が深く、「なるほど、そうだったのか!」と納得するポイントが多数ありました。ということで次回の記事では、さらに詳しい靴の選び方や立ち方、歩き方について、話をうかがっていきます。染谷学(そめや・まなぶ)鹿屋体育大学卒業学生時代は柔道専攻。自身が多くの怪我を経験し、助けてくれた柔道整復師に憧れ治療家になる。柔道整復師として昨年11月末まで都内で整骨院を営む。選手サポートや外部サポート増加に伴い整骨院閉院。『足底からこだわり全身改善』『人間の足底=土壌』を掲げ、現在は埼玉県にアシカラ改善院(自費診療)を構え、一般~プロアスリート迄、老若男女問わず診ている。院の特徴は①1分以内での超短時間施術。②人体構造上正確な起立と歩行指導。【主な活動】オルカ鴨川FCメディカルサポート(2019)都立高校サッカー部メディカルサポート(2017〜現在)アスリートサポート(パーソナル)チーム向けセミナー(インソール講習会、靴の選び方等)
2021年01月18日ロンドン出張の前日、予期せぬことが。息子が足を引きずって帰って来たのです。捻挫なので湿布をし、氷で冷やしとりあえず様子をみることに。出張のための打ち合わせが入っていたので、私はちょっと家を抜けました。するとまもなく息子から電話が。「どうした?」「アレックスのお父さんとお母さんがバイクでこっちに向かってる」「なんで?」「救急病院に連れて行くって」。アレックス君にスカイプで捻挫したことを告げたらしいのです。パパは仕事で外出中、と言ったら、私たちが病院に連れて行くわ、となったのだとか。優しいご夫婦なんです。慌てて彼らに電話をし「ぼくは柔道部だったから捻挫には詳しい。だから大丈夫ですよ」と説得。とりあえず戻ってもらうことになりました。ご迷惑はかけられませんからね。 家に戻ると、息子が「アレックスのパパがレントゲンを撮った方がいいってよ」と不安を口にします。確かに、素人判断は危険。救急病院に連れて行くことになりました。前回も深夜まで待たされ、しかも誤診をやらかしたところです。でも、明日からロンドン、仕方ありません。よし、行くか。シングルファザーはつらいですね。ところが案の定、待合室で延々待たされることに。息子が「どこが救急なんだろう」と愚痴ります。「仕方ないんだよ、お医者がどこも足りないので」。深夜1時、しびれを切らせて受付に行くと「急な手術が入ってね、朝までかかる見込み、どうします?」と言い出す始末。朝までは無理です。諦めて出直すことになりました。ロンドン行きまで24時間しかありません。 結局、当初預ける予定だった日本人家族に事情を説明し、アレックスの両親に息子を委ねることに。日本人家族は、奥様が妊娠中、もし何かあったらそれこそ迷惑をかけてしまう。アレックス一家ならばその点、気が楽です。勝手に飛んできて人の息子を病院に連れて行こうとするような人たちなんですから!(笑)私も生きていくためには働かないとなりません。ロンドンでの仕事をドタキャンすることは出来ない。しかし、ひとり親で全てを抱えてやっていくのも無理があります。生きていると近くにいる友人たちの協力が欠かせませんね。実はみんなそうやって生きているんです。私たち父子も世界の片隅でそうやって生きています。きっとこれからも、こういうことの連続なのでしょうね。生きるってたいへん過ぎて、涙が出ますよ(笑)。 さて、今日は、息子君のおやつに、お父さんお母さんのワインのおともにも最適なグージェールをご紹介します。チーズ味のシュー生地のおやつです。 材料:水 60㏄、牛乳60㏄、バター50g、塩・砂糖各5g、卵2個、小麦粉70g、グリュイエールまたはコンテチーズなどハードタイプのチーズをすりおろしたもの40g。 まず、水、牛乳、バター、塩砂糖を小鍋に入れ、沸騰したら火から下ろし、小麦粉を加える。再度中火にかけ生地がまとまるまで木べらで根気よく混ぜる。鍋を火から下ろし、溶き卵を5~6回に分け少しずつ加えていき、さらに根気よく混ぜる。分離しないよう卵を加えるたびによく混ぜることがポイント。よいところで、木べらで生地をすくって、振り落としてみてください。木べらに残った生地が、きれいな三角形を描いたらOK。生地にチーズを混ぜ合わせ、クッキングシートを敷いた天板にスプーンなどで直径3センチくらいの生地を並べていきます。霧吹き、または手を水で濡らし、生地を整え、上からトッピング用のチーズ(分量外)をかけてオーブンに入れます。180度に予熱したオーブンで15~20分焼く。きれいな焼き色がついたらできあがりです。 できたては最高ですよ。生ハムを挟んでも美味しいです!詳しい作り方はウェブサイトをご確認ください。 ボナペティ! 本誌連載の料理をえりすぐったレシピ本『パリのムスコめし世界一小さな家族のための』も絶賛発売中です!
2017年08月01日質問:手首足首の捻挫が癖になってしまったのですが、その場合、脱臼もしやすくなりますか?スポーツをやっていたときに何度か捻挫(ねんざ)したため、手首足首が弱くなり捻挫が癖になってしまったのですが、その場合、脱臼もしやすいなどの心配はありますでしょうか?また、脱臼したらなるべく早く治した方がよいと思うのですが、遠くてもきちんとした病院の先生に診てもらうべきでしょうか?それとも近くの整体や接骨院などで診てもらうだけでも十分でしょうか?東京都:たもさん(32)回答:「捻挫」と「脱臼」についてお答えします。――繰り返す「捻挫」の原因スポーツによって捻挫を繰り返したために、癖になってしまったということですね。同じ箇所の捻挫を繰り返すと、よく「癖になる」という言い方をすることがありますが、実際は癖になっているというより、初回に捻挫をしたときに適切な治療が行われなかったために、何らかの理由でその部分の関節が不安定になっていることが考えられます。こういった事例は少なくないと考えられ、足首の捻挫の後、足関節(そくかんせつ=足首の関節)が不安定になってしまう病態には「足関節不安定症」という疾患名もついています。これは、捻挫の後、本来きちんと足関節を保護しているべき靱帯(じんたい)が、緩んだ状態のままであったり、捻挫したときに足関節を形成する骨の一部がはがれたまま治ったりした場合に起こりやすいと考えられています。捻挫を繰り返す部位の状態によっては、手術やギプスによる固定などが必要になることもあります。放置してスポーツなどを続けていると、頻繁に足関節の捻挫を起こすようになり、関節軟骨が損傷することもあると考えられています。小さいころに捻挫をして、きちんと治したつもりが、思春期になってスポーツなどで負荷がかかるようになると再発したりする例も見られます。そのため、何度も繰り返しているということであれば、必ず専門の整形外科を受診し、画像診断などを含めた総合的な診察を受けることをおすすめします。加えて、足関節の周囲の筋肉を鍛えるようなリハビリテーションも推奨されますので、これも専門医の指導の下、適宜行うことで回復に大いに役立ちます。<「捻挫」と「脱臼」の関係>また、捻挫と脱臼の関係に関するご質問ですが、捻挫と脱臼はいずれも関節の部分に許容範囲を超えた強い力が外から加わった場合に起こる損傷で、関節包(かんせつほう)や靱帯に損傷はあるものの、関節面が正常な接触を保っているものを捻挫、完全に外れてしまったものを脱臼と呼びます。また、一部接触を保っているものを亜脱臼と呼んでいます。靱帯や関節包に損傷があるという点では、程度の差はあれ同じタイプの損傷と考えることができ、やはり関節の靱帯が以前の損傷により緩んでいるなど関節の不安定性があれば、健康な関節よりも捻挫に加え、脱臼も起こりやすくなると考えられます。今後の関節トラブルを避けるために、ぜひ早期の整形外科専門医の受診をおすすめします。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日