井上道義指揮、森山開次演出により、今年9~11月に全国7都市で新制作上演されるプッチーニ《ラ・ボエーム》(全国共同制作オペラ)。井上や森山、主要キャストらが出席して発表会見が、11日にミューザ川崎シンフォニーホールで開かれた。今年限りで指揮者引退を表明している井上道義。一番の注目はやはり、彼にとってこの《ラ・ボエーム》が最後のオペラになるということ。京都市交響楽団やオーケストラ・アンサンブル金沢はじめ、自身のキャリアにゆかりの楽団・自治体との共演にもなる井上は「感無量」と語った。「よく感無量というが、今回はその言葉を使いたい。人間は歳をとるとダメになる。心温かい人たちは、それを枯れた芸術と言ったりするが、ぼくは自分の一生をどう生きたらいいか考え始めた60年前の中学生の時からそういうのは疑っている。音楽というのは青春の息吹。生きている喜び。《ラ・ボエーム》を選んだのは、今の自分が持っていない青春というものへのあこがれ。人間が、ほとんどいるはずのない神というものを信じようとするように。ぼくは音楽家になりたいと思って指揮者になったわけじゃなく、舞台で一生を終えたいと思った。なぜなら世の中は虚偽に満ちているから。世の中は全部ウソじゃないか。だったら思いっきりウソついて死んでやる。舞台で思いっきり素晴らしいウソを作れたらいい。ぼくがあこがれる演出家や歌手のみんながそれを一緒にやってくれて、こんなにうれしいことはない。人はやめることを自分で決めてよいはず。みなさんもきっと考えると思う。その良い例にしたい」この「全国共同制作オペラ」は、超ジャンルの演出家の起用も特徴のひとつ。オペラ演出経験の有無に関わらず、というより、初めてオペラを手がける演出家を軸に起用することを意図しているように見える。近年の上演にも、野田秀樹(演劇)、笈田ヨシ(俳優)、河瀨直美(映画監督)、矢内原美邦(振付)、岡田利規(演劇)、上田久美子(宝塚)、野村萬斎(狂言)と、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。ダンサー森山開次も、2019年の《ドン・ジョヴァンニ》がオペラ初演出。前回に続いて井上とのタッグで登場となる今回は、演出だけでなく、振付、美術、衣裳も手がける。《ラ・ボエーム》にダンスがどのようにフィットするのかは最大の関心事だ。森山は次のように語った。「無理にダンスを入れる必要はないと、始めに井上さんから言われている。この作品でどういう身体表現ができるだろうか。単なるダンスではなく、いでたちや、たたずまい、仕草というところに身体表現があると思っている。歌とともに躍動する身体、たたずまいを届けたい。また、4人のダンサーが入るので、彼らをどう演出するかは見てのお楽しみ。ダンサーも《ラ・ボエーム》の芸術家の一員に加えさせてもらって、屋根裏部屋で一緒に生活する思いでやっていきたい」また、「ひとつだけ、お客様に視点のフィルターをかけたい」として、「藤田嗣治」という独自の切り口を挙げた。《ラ・ボエーム》が初演された時代に、物語の舞台であるパリで活躍した日本の画家(のちにフランスに帰化)。「日本人から見た視点。藤田嗣治という日本人画家がフランスに行き、フランスの一員となっていく。画家であるマルチェッロ役にその藤田の視点を掛け合わせることで、違う視点が生まれる。パリを見る私たちの視点。どんなことが可能なのか、いろいろ相談しながら作り上げていきたい」舞台模型ちなみに今回の公演のチラシやポスターなどのビジュアルに使われているのは森山の画。会見場に置かれていた舞台模型も、森山自身の手で製作したものだそう。多才。会見に出演した歌手はミミ役の高橋絵理(ソプラノ)、ロドルフォ役の工藤和真(テノール)、ムゼッタ役の中川郁文(ソプラノ)、マルチェッロ役の池内響(バリトン)の4人。それぞれの役をイメージした服装でというドレスコードがあったそうで、高橋は自分で編んだショールを羽織り、中川は華やかな赤のワンピースで出席したが、ひときわ目を引いたのは池内。髪型まで含めて森山の語った藤田嗣治そっくりに寄せてきた。「全国共同制作オペラ」は、単独では予算的にも事業規模的にも実現困難な大規模なオペラ・プロダクションを、全国の劇場や自治体が力を合わせて制作しようというプロジェクト。今年は7つの劇場が参加して行なわれる。上演予定は以下のとおり。ミミ、ムゼッタ、コッリーネ、ショナールの4役はダブル・キャスト。開催地ごとに地元のオーケストラ・合唱が出演する。取材・文:宮本明※高橋絵理の「高」はハシゴダカです。全国共同制作オペラプッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」(画:森山開次)全4幕/イタリア語上演/日本語・英語字幕付き/新制作■チケット情報()9月21日(土)・23日(月・休)東京芸術劇場コンサートホール(管弦楽:読売日本交響楽団)9月29日(日)名取市文化会館大ホール(管弦楽:仙台フィルハーモニー管弦楽団)10月6日(日)ロームシアター京都メインホール(管弦楽:京都市交響楽団)10月12日(土)兵庫県立芸術文化センターKOBELCO 大ホール(管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団)10月19日(土)熊本県立劇場演劇ホール(管弦楽:九州交響楽団)10月26日(土)金沢歌劇座(管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢)11月2日(土)ミューザ川崎シンフォニーホール(管弦楽:東京交響楽団)
2024年04月23日森山未來が出演する日仏合作アニメーション映画『化け猫あんずちゃん』が、第77回カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出され、公式上映されることが決定した。本作は、子猫のときに拾われ、10年たっても20年たっても死なず、気が付けば30年以上生きて人の言葉も喋れるようになっていた化け猫のあんずを主人公にした同名漫画のアニメーション映画化。実写映像をもとに、アニメに描き起こすロトスコープの手法を用いた製作方法でも注目を集める。カンヌ国際映画祭に併設されている部門「監督週間」は、作家性を重視した作品が選出され、世界で活躍する映画監督の登竜門。過去には、ソフィア・コッポラ、スパイク・リーやアキ・カウリスマキ、日本人では大島渚、北野武、西川美和らが選出されており、日本の長編アニメーション作品としては、『かぐや姫の物語』、『未来のミライ』に続く6年ぶりの選出だ。ラインアップ発表会見では「子供、若者、大人、全ての人に向けられた作品で、詩的であり不思議な生き物が登場する作品」と紹介された。本作は、『花とアリス殺人事件』でロトスコープディレクターに抜擢された久野遥子と、『リンダリンダリンダ』『カラオケ行こ!』の山下敦弘のW監督で製作。今回、初のカンヌ国際映画祭への参加に「まさかあんずちゃんがカンヌに連れて行ってくれる化け猫だったとは…!」(久野監督)、「いましろたかしが原作で、いまおかしんじの脚本で、『山田孝之のカンヌ映画祭』というカンヌに怒られそうな番組を作った俺が関わっているのに、なかなかカンヌも懐が深いです」(山下監督)とそれぞれ喜びのコメントを寄せた。また、あんずちゃんの声と動きを担当した森山さんも「おめでとうございます」とメッセージを寄せている。『化け猫あんずちゃん』は7月19日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:化け猫あんずちゃん 2024年7月19日より全国にて公開©️いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会
2024年04月16日森山未來、さとうほなみ、永山瑛太、小泉今日子ら実力派俳優が集結、マヒトゥ・ザ・ピーポー初監督、主演・富田健太郎による映画『i ai』(読み:アイアイ)が連日の大盛況を受け、4月5日(金)よりTOHOシネマズ日本橋&川崎での拡大公開が決定。併せて、森山未來と「ウォーターボーイズ」以来18年ぶりの共演となった永山瑛太視点の特別メイキング動画が公開された。ロックバンド「GEZAN」のフロントマンで、音楽以外でも小説執筆や映画出演、フリーフェスや反戦デモの主催など多岐にわたる活動で、唯一無二の世界を作り上げるマヒトゥ・ザ・ピーポーが初監督。第35回東京国際映画祭<アジアの未来部門>に正式出品され話題を呼んだ本作は、マヒト監督の実体験を基に、主人公のバンドマン・コウ(富田健太郎)と、コウが憧れるヒー兄、そして仲間たちが音楽と共に過ごした日々が綴られていく青春映画。今回解禁されたのは、ヒー兄役の森山さんと久我役の永山さんの共演シーンのスチールと、永山さん視点で構成された特別メイキング動画。2021年に撮影された本作『i ai』で、森山さんと永山さんが映像作品で共演するのは、2003年放送のTVドラマ「ウォーターボーイズ」以来、実に18年ぶりとなった。メイキング動画では、とある衝撃的なシーンの撮影準備中に「ほんまにこの20年間やってたことをやってるだけやな」と話しかける森山さんに対し、永山さんが「ここまで強く噛まれた覚えはないけど(笑)」と笑い合う姿や、撮影終わりに抱き合う光景などを収録。動画の中で永山さんは、森山さんとの関係性について「会わない時期もあったけれど、それでもなんで俺らはこうして一緒にいるんだろう?みたいな部分が、そのまま映画のキャラクターになっている」とコメント。一方、マヒトゥ監督は永山さんにオファーした際、“未來と画面の中でもっと殴り合いたい”との希望があったことを明かし、2人について「友情とも違うしライバルとも違うし羨望とも違う、不思議な名前のついていない独特の関係性。そのストーリーに乗るのがおもしろいと思った」と述懐。また、試写を終えた直後に「すごいものが生まれちゃったというか。革新的な何かが生まれたという気がする」と興奮気味に語る永山さんの姿も収められている。さらに劇場公開から約1か月が経ちTOHOシネマズ日本橋&川崎での拡大公開を記念して、4月5日(金)、6日(土)、7日(日)に3日間連続舞台挨拶が決定。TOHOシネマズ日本橋の舞台挨拶では、永山さんが本作の舞台挨拶に初めて登壇する。『i ai』は全国にて順次公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:i ai 2024年3月8日より渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて順次公開©STUDIO BLUE
2024年04月04日森山未來が37歳の化け猫に扮する、日仏合作アニメーション映画『化け猫あんずちゃん』が公開決定。ビジュアルと超特報映像も到着した。雷の鳴る豪雨の中。お寺の和尚さんは段ボールの中で鳴いている子猫をみつける。その子猫は「あんず」と名付けられ、それは大切に育てられた。だが、おかしなことに10年・20年経っても、死ななかった。30年たった頃、どうした加減なのかいつしか人間の言葉を話し、人間のように暮らす化け猫になっていた。移動手段は原付。お仕事は按摩のアルバイト。現在37歳。そんなあんずちゃんの元へ、親子ゲンカの末ずっと行方知れずだった和尚さんの息子が11歳の娘・かりんを連れて帰ってくる。しかしまた和尚とケンカし、彼女を置いて去ってしまう。お世話を頼まれたあんずちゃんはしぶしぶ面倒をみるのだが…。本作は、子猫のときに拾われ、人の言葉も喋れるようになった化け猫・あんずを主人公にしたいましろたかしによる漫画を、『カラオケ行こ!』の山下敦弘と『花とアリス殺人事件』にロトスコープディレクターとして参加した久野遥子がW監督を務めアニメ化。実写で撮影した映像から、動きや表情を抽出してアニメーションにするロトスコープの手法を採用しており、山下監督を中心に実写として撮影、その映像を基に久野監督が中心となり、生き生きとしたアニメーションを作り上げる。制作はシンエイ動画と、世界が注目するフランスのMIYUプロダクションが共同する初の長編アニメーションだ。キャスト(声と動き)には、化け猫のあんずちゃんを森山さんが担当。声も撮影時の音声がそのまま本編に使用されており、ほかのアニメーション作品とは違ったリアルなやりとりを生んでいる。森山さんは、「森山の造形はほぼ跡形もなくなるんだな。でもフランス×日本合作の実験的で楽しそうな座組だし、あんずちゃんよろしく、ゆるゆると夏休み気分で行ってみるか!」と忙しいスケジュールをぬって撮影に参加した際の気持ちをふり返っている。また、あんずちゃんと出会い変わっていく少女・かりんを演じるのは、『1秒先の彼』でフレッシュな魅力を発揮した五藤希愛。「森山さんと同じシーンを経験させて頂けたことが、私にとって何よりも大変貴重で、幸せな時間でした。劇場公開がとっても待ち遠しいです」とコメントしている。『化け猫あんずちゃん』は7月、全国にて公開予定。(シネマカフェ編集部)
2024年02月22日森山直太朗が、新曲「ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi」のMusic Videoを公開した。「ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi」は、NHK総合テレビで放送中のアニメ『オチビサン』の主題歌。公開されたMVには、森山のみならず、楽曲に参加した内田也哉子、ハナレグミ、OLAibiも含めた4人全員が出演している。8ミリフィルムの映像とアニメーションが融合した内容で、4人それぞれを幻想的な映像美で映し出し、まさに歌詞のフレーズにもある“あたらしくて、なつかしい”感覚にさせるような仕上がりとなっている。森山パートの撮影は、新潟県南魚沼市で積雪・極寒の早朝に行われ、スタッフからの「寒いでしょう」という声かけに、本人から思わず「寒くない、痛い」という発言が出るほど、凍てつく寒さの中の撮影だったとのこと。誰もいない幻想的な雪原の世界で、森山がたったひとりで踊る印象的なシーンも見どころだ。森山直太朗「ロマンティーク」MV<リリース情報>森山直太朗「ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi」配信中森山直太朗「ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi」ジャケット作詞:内田也哉子 / 作曲・編曲:森山直太朗参加アーティスト:内田也哉子、ハナレグミ、OLAibi配信リンク:森山直太朗『ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi』12インチ・アナログ・レコード盤2月28日(水) リリース価格:2,970円(税込)【収録内容】■SIDE A1. ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi■SIDE B1. ロマンティーク(Takuro Okada Remix)2. ロマンティーク(弾き語り)予約リンク:<ライブ情報>森山直太朗 20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』<番外篇> in 両国国技館3月16日(土) 東京・両国国技館開場17:00 / 開演18:00チケット情報:()ツアー特設サイト:<番組情報>アニメ『オチビサン』NHK総合 土曜深夜に随時放送中番組公式サイト:森山直太朗 オフィシャルサイト:
2024年02月16日ドラマ『地球の歩き方』でアートをテーマにタイを縦断した森山未來さん。ガイドブック『地球の歩き方』の編集部から依頼を受けた森山さんが、現地のアーティストに取材するというスタイルをとっている。「ドラマ枠での放送ですけど、ドキュメンタリーとドラマが交ざり合う“モキュメンタリー”という認識で参加しました。ドラマ部分の台本はそこまで固めずに出国したので、どう転がしてどこを最終地点にするのか、現地で監督とギリギリまで話し合いながらの撮影になりました」“タムくん”の愛称で知られる漫画家ウィスット・ポンニミットさんや、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクンさんなど、タイを代表する表現者たちを取材。俳優、ダンサー、アーティストと、ジャンルレスに活躍する森山さんにとって、“アートとは何か”と自身に問いかける旅となったようだ。「観光地にはパブリックアートがあって、そこでいわゆる“映える”写真を撮る旅もあるじゃないですか。しかしアートは人を誘導するための観光資源としてだけではなく、商業や政治運動にも使われ、売買もされる。人間の社会活動とともにアートはあるけれど、なぜ人はアートを求めるのか。そうした本質的なことをこの旅を通じて考え続けましたし、これからも見つめていくことになると思うんですけど、その答えというか、落としどころみたいなものが、ひとまずはこの旅で見つかった気がします。とはいえ、難しいことはさて置き、きれいな景色やおいしい料理にもたくさん出合ったので、番組で楽しんでもらえたら。賑やかな都市・バンコクも、プーケットの景色も、タイ・ビエンナーレが開かれていたチェンライで見た作品も、どれも素晴らしかったですし、食べ物は本当においしかった!どこで何を食べても、やっぱり現地の味が一番なんだなってしみじみ感じました」若い頃から世界各地を旅してきた森山さん。『地球の歩き方』を“お守り”として携えていたそう。「以前は英語もできなかったですし、当然現地の言葉もわからない。インターネットが普及しきっていなかった時期でもありました。右も左もわからない場所で、食べるもの一つとっても、『地球の歩き方』で探していましたし、道に迷ったりぼったくられたりトラブルにあっても、『地球の歩き方』があればなんとかなるという安心感がありました。コロナ禍で売り上げが95%ぐらい落ちたそうですが、ポストコロナで人が旅をするようになり、コラボ本などの展開も含め創刊以来最高の売り上げを叩き出したとか。もともとは沢木耕太郎の『深夜特急』のように、“旅とはなんぞや”という哲学的な思考から始まったそうなんです。今はスマホがあれば情報も地図も何でも調べられるけど、人が『地球の歩き方』を手に取り続ける理由は、そんなところにあるんじゃないかな」そもそも、森山さんが旅を続ける理由とは。「気性的にひとところに定着できないというのがまずあります。幸運にも、仕事でもプライベートでもいろんな場所に行けて、いろんな人に出会えて。この出会いっていうのが大きいんです。旅先で出会った人と制作が始まったこともあるし、カッコいい言い方はしたくないけど、旅が今の自分を作ってくれた感覚があります。そこに行けばあの人に会えるという、今では、人こそが場所になっていて、そういう場所が僕の世界地図の中にマッピングされていってる。それが僕にとっては大切な財産なんです」数々の出会いから、記憶に残っているものを一つ教えてくれた。「昔、思い立ったその日に、どこに泊まるかも決めず、岩手県の花巻に行ったことがあって。着いたら夕方で、ひとまずタクシーの運転手さんにゲストハウスに連れていってもらったんですけど、そこに医者になるつもりで超エリートコースを進んでいたけどドロップアウトして清掃業をしている人がいて、ずっと喋ってました。そしたら翌朝、ゲストハウスの人に『あなたがまともな人でよかった』と言われて。あの時間に飛び込みで来るのは犯罪者か自殺志願者だけだって(笑)。旅はハプニングなんですよ。そろそろエコノミーでの長距離移動はしんどくなってきましたけど(笑)、旅先の出会いがもたらしてくれる新しい刺激に、僕はやみつきなんです」真夜中ドラマ『地球の歩き方』森山さんのタイ編の放送は2月17日まで。以降は、松本まりかさんのサイパン編、森山直太朗さんのニュージーランド編と続く。Leminoで三吉彩花さんの韓国編第1話から最新話まで配信中。毎週土曜、テレビ大阪で24:55~/BSテレ東では24:00~放送中。©ドラマ「地球の歩き方」製作委員会もりやま・みらい1984年8月20日生まれ、兵庫県出身。5歳からダンスを始め15歳で本格的に舞台デビュー。主な出演作に映画『モテキ』『苦役列車』など。東京2020オリンピック開会式ではパフォーマンスを披露した。※『anan』2024年2月14日号より。インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2024年02月13日森山直太朗の新曲「ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi」のMusic Videoが2月15日(木) 21時にプレミア公開される。これに先立ち、2月11日(日・祝) 21時から5日間連続でティザー映像が公開されることが決定した。「ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi」は、NHK総合テレビで放送中のアニメ『オチビサン』の主題歌。文筆家の内田也哉子との共作によりアニメのために書き下ろされた楽曲で、内田に加え、ハナレグミとOLAibiがレコーディングに参加している。また、MVのプレミア公開を森山がカウントダウンするインスタライブが、2月15日(木) 20時30分頃より実施されることが発表された。森山直太朗「ロマンティーク」MV※2月15日(木) 21:00 プレミア公開■2月11日(日・祝)〜14日(水) 21:00より、15日(木) 12:00よりMVのティザー映像を公開森山直太朗 Instagram:<リリース情報>森山直太朗「ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi」配信中森山直太朗「ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi」ジャケット作詞:内田也哉子 / 作曲・編曲:森山直太朗参加アーティスト:内田也哉子、ハナレグミ、OLAibi配信リンク:森山直太朗『ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi』12インチ・アナログ・レコード盤2月28日(水) リリース価格:2,970円(税込)【収録内容】■SIDE A1. ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi■SIDE B1. ロマンティーク(Takuro Okada Remix)2. ロマンティーク(弾き語り)予約リンク:<ライブ情報>森山直太朗 20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』<番外篇> in 両国国技館3月16日(土) 東京・両国国技館開場17:00 / 開演18:00チケット情報:()ツアー特設サイト:<番組情報>アニメ『オチビサン』NHK総合 土曜深夜に随時放送中番組公式サイト:森山直太朗 オフィシャルサイト:
2024年02月09日森山直太朗の新曲「ロマンティーク」の参加アーティストが発表された。「ロマンティーク」は、現在放送中のアニメ『オチビサン』の主題歌として書き下ろされた楽曲。このたび、作詞を担当した文筆家の内田也哉子に加え、森山のYouTubeチャンネル「森山直太朗のにっぽん百歌」など数多くの共演を果たしたことがあるハナレグミ、そしてパーカッショニストのOLAibiといった3アーティストが参加していることが明らかとなった。また1月31日(水) の配信リリースに先駆け、本日1月9日(火) 正午より各ラジオ局などで音源のフルサイズが解禁されている。<リリース情報>森山直太朗「ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi」1月31日(水) 配信リリース作詞:内田也哉子 / 作曲・編曲:森山直太朗参加アーティスト:内田也哉子、ハナレグミ、OLAibiPre-Add / Pre-Saveリンク:森山直太朗『ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi』12インチ・アナログ・レコード盤2月28日(水) リリース価格:2,970円(税込)【収録内容】■SIDE A1. ロマンティーク feat. 内田也哉子, ハナレグミ, OLAibi■SIDE B1. ロマンティーク(Takuro Okada Remix)2. ロマンティーク(弾き語り)予約リンク:<ライブ情報>森山直太朗 20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』<番外篇> in 両国国技館3月16日(土) 東京・両国国技館開場17:00/開演18:00チケット情報:()ツアー特設サイト:<番組情報>アニメ『オチビサン』NHK総合 土曜深夜に随時放送中番組公式サイト:森山直太朗 オフィシャルサイト:
2024年01月09日三吉彩花、森山未來、松本まりか、森山直太朗が出演する真夜中ドラマ「地球の歩き方」のメインビジュアルが公開された。本作は、「地球の歩き方」とコラボレーションしたドラマ。「地球の歩き方」編集部から、特集ページを作ってほしいと依頼を受け、現地へと旅立つ4人の芸能人ライターが、現地スポットを自らの足で巡り、その国の新たな魅力を発見し、オリジナル特集ページを完成させていく。完成したメインビジュアルは、4人が旅の思い出を一冊のノートにまとめていく、というコンセプトのもと、思い思いの旅スタイルで自分らしく楽しそうに各国をめぐる姿が印象的なものに仕上がった。また、エンディングテーマはハイブリッドロック・バンド「MONKEY MAJIK」の書き下ろしの新曲「The Good Life」に決定。旅を終えて帰国の途に就く者を温かく送り出してくれるような、晴れやかなイントロから始まり、旅先での様々な経験から一回り成長したような晴れ晴れとした気分にさせてくれるさわやかなメロディーが印象的。さらに劇中曲は、冨田ラボ(冨田恵一)が作曲した。「MONKEY MAJIK」は「僕たちの音楽が、この素敵なドラマに花を添えられればと思っています」とコメントし、冨田ラボさんは「舞台となる国が変わり、伴って登場人物、もちろんストーリーも変わる、一種オムニバス形式である。それでいて通底するテイストがしっかりとあるので、共通項と差異を見極めて音楽を作っていくのは初めての経験ながらたいへん楽しかった」と制作をふり返っている。▼真夜中ドラマ「地球の歩き方」ラインアップ・1月13日、20日、27日放送主演:三吉彩花韓国「名物オモニ特集 ソウル~チェジュ島」編・2月3日、10日、17日放送主演:森山未來タイ「現代アートの震源地を特集 バンコク~チェンライ~プーケット」編・2月24日、3月2日、9日放送主演:松本まりかサイパン「七色の海と精霊特集 サイパン島~マニャガハ島~テニアン島」編・3月16日、23日、30日放送主演:森山直太朗 ニュージーランド「キャンピングカーで巡るマオリの聖地特集 オークランド~レインガ岬」編▼第1話あらすじ俳優・モデルの三吉彩花は「地球の歩き方」編集部から芸能人記者による特集ページプロジェクトの依頼を受ける。打ち合わせの結果、行き先は三吉自身がよく訪れている韓国に決定。美容、ファッション、エンタメと人気の高い国で何の特集をするか三吉は悩むが、韓国に到着後、行きつけの姉妹オモニが営む海鮮屋台店に訪れたことで、あるアイディアが浮かび…。真夜中ドラマ「地球の歩き方」は2024年1月13日より毎週土曜日深夜24時55分~テレビ大阪、毎週土曜日深夜24時~BSテレ東・BSテレ東4Kにて放送。Leminoにて1週間独占先行配信。(シネマカフェ編集部)
2023年12月25日森山直太朗の新曲「ロマンティーク」が流れる、TVアニメ『オチビサン』のPV第2弾が公開された。「ロマンティーク」は、文筆家の内田也哉子との共作によるアニメのために書き下ろされた楽曲で、来年1月31日(水) にキャリア初となるドルビーアトモス(空間オーディオ)での配信が決定。また、アナログレコード盤でのリリースも予定している。スタジオカラー製作によるPVはどこか懐かしく、愛おしい気持ちを想起させる「ロマンティーク」が流れ、『オチビサン』の春夏秋冬の〈四季〉とアニメーションがリンクしており、まだ放送されていない秋編・冬編のシーンも映し出される。アニメ『オチビサン』PV 第2弾(主題歌「ロマンティーク」ver)<配信情報>森山直太朗「ロマンティーク」2024年1月31日(水) 配信作詞:内田也哉子作曲:森山直太朗<リリース情報>森山直太朗『ロマンティーク』12インチ・アナログ・レコード盤2024年2月28日(水) リリース価格:2,970円(税込)【収録内容】■SIDE A1. ロマンティーク■SIDE B1. ロマンティーク(Takuro Okada Remix)2. ロマンティーク(弾き語り)【店舗別先着購入者特典】・Universal Music Store:B2告知ポスター・Amazon.co.jp:メガジャケ・タワーレコード:A3特典ポスター・HMV&BOOKS:ポストカード<ライブ情報>森山直太朗 20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』<番外篇> in 両国国技館2024年3月16日(土) 東京・両国国技館開場17:00/開演18:00【チケット代金】アリーナ席12,000円、升席12,000円、2F指定席12,000円、2F指定席8,800円※アリーナ席、升席は限定お土産付き、2F指定席は限定お土産選択式ツアー特設サイト:<番組情報>アニメ『オチビサン』NHK総合 土曜深夜に随時放送中公式サイト:オフィシャルサイト:
2023年12月22日向井理主演「パリピ孔明」第8話が11月15日に放送。森山未來が演じる小林と、上白石萌歌が演じる英子の衝撃的な過去が明かされるが、ラストの展開に「エモすぎる」「神回」と絶賛する声が上がっている。原作は、「ヤングマガジン」(講談社)にて現在も連載中の同名コミック。向井さん演じる中国三国時代の名軍師・諸葛孔明(しょかつ・こうめい)が現代の渋谷に若かりし姿で転生し、歌手を目指す一人のアマチュアシンガー・月見英子(上白石萌歌)のために、魔法のような作戦を考えては、彼女の前に立ちはだかる壁を軍師のごとく切り崩し、成功に導いていく。豪華キャスト陣×多彩な音楽×極上コメディー×ぶっ飛んだ世界観の映像美で贈る、史上最響の音楽青春コメディーとなっている。ディーン・フジオカが諸葛孔明の主君・劉備役として全編中国語セリフを演じ、本編のナレーションも務める。さらに、孔明がアルバイトをすることになるBBラウンジのオーナー・小林役に森山未來が出演するほか、菅原小春、森崎ウィン、宮世琉弥、ELLY、八木莉可子、関口メンディーら豪華キャストがドラマを盛り上げる。さらに第8話では、田畑智子、東京スカパラダイスオーケストラ・谷中敦、シンガーソングライター・安藤裕子が出演がゲストとして出演した。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。体調が回復し、退院することになった英子(上白石萌歌)はBBラウンジでのアルバイトを休み、サマーソニアに向け新曲作りに専念することになる。どんな曲を作れば良いのか分からず悩んでいる英子に、孔明(向井理)は、久しぶりに多摩川にあざらしのたまちゃんが現れたことを伝える。不在の英子に代わり、あくせく働く孔明とそんな孔明を「働き過ぎだ」と心配するオーナーの小林(森山未來)。そんな折、なんと世界的シンガーのマリア・ディーゼル(アヴちゃん)がBBラウンジを訪ねてくる。…というのが第8話のストーリー。アヴちゃんの再登場にSNSでは「アヴちゃん!」「アヴちゃん出てきたーーー!」「嬉しい!」という歓喜の投稿で溢れた。旧知の間柄の小林とマリアは再会を祝して酒を飲み、酔ったマリアが小林に「あの頃みたいにギター弾いてよ」とリクエストするが、マリアはすぐに帰ってしまう。その後、珍しく酔った小林は、かつて前オーナーの吉永(谷中敦)に雇われ、BBラウンジで働きながらギターを弾いていたことを孔明に明かす。サポートバンドを転々としていた小林は、デビュー前のマリアと運命的な出会いを果たし「ギター弾いてよ」と頼まれたことがきっかけでマリアとバンドを組むことになったのだった。前オーナー役で谷中さんが登場し「谷中さんだ!」「キャスティングすごい」という声が上がった。さらに、小林とマリアのセッションに「たまらん」「鳥肌立つ」「さすが圧倒的アヴちゃん」という投稿で溢れた。小林は、サマーソニアに出演するためのオーディションを通過するため、裏金500万円を渡してしまったこと、それが主催者にバレてオーディションを受けられなかったことを話す。小林は、マリアに「純粋に音楽だけで勝負したかった」と言われ、バンドは解散。その日を最後にギターから離れチンピラになったことを打ち明けた。小林が明かした衝撃的な過去に「切ないな…」「暗い過去」「壮絶すぎる」という声が上がった。一方、多摩川にやってきた英子は、ゴミ拾いをしていたラッパーの赤兎馬カンフー(ELLY)と再会する。英子は、赤兎馬カンフーに母とうまくいかなくて家出したこと、父がかつて音楽をしていたこと、アメリカで音楽をやるチャンスが来て出て行ったこと、今は父が何をしているかもわからないことや、母とほとんど連絡を取っていないことを打ち明けた。そこで赤兎馬カンフーに「いつまでも穴掘ってんじゃねぇぞ」と言われた英子は、ふとタイムカプセルを埋めたことを思い出し、自分のルーツである幼稚園に行くことに。そして、先生の協力の元、タイムカプセルを探し出し、中に入っていたカセットテープを見つけた。急いで東京に戻った英子は再び赤兎馬カンフーの元を訪ね、ラジカセを貸して欲しいと頼む。テープには、父の奏でるギターで幼い頃の英子が口ずさんでいた歌や母の「応援してる」という声が録音されていた。そのテープをキッカケに英子はオリジナル曲の2曲目となる「Time Capsule」を完成させる。英子がタイムカプセルを探すシーンでは「孔明が手まわしたなww」「孔明が連絡済みだなww」という声が上がっていたが、ラストで実は孔明と連携した密偵が事前に京都に行き、先生に根回しをしていたことが明かされた。ラストでは英子が新曲を歌う姿と、孔明がステージに置いたギターを奏でる小林の姿がシンクロする。さらに小林がギターを弾き、英子がBBラウンジのステージで歌う姿が映し出された。小林の過去と英子の曲がリンクしたシーンでは「泣いちゃう」「エモすぎる」「超泣けるじゃん」「いい歌」「演出良すぎる」と絶賛する声が続出し、放送終了後も「神回でした」「別格の面白さだった」という投稿で溢れた。第9話あらすじ前園ケイジ(関口メンディー)がBBラウンジを訪ねてきた。ここに来るのは3回目だというケイジ。どうやらケイジはオーナーの小林(森山未來)に恨みがあるようだ。諸葛孔明(向井理)は、月見英子(上白石萌歌)が大手レーベルに強引に移籍させられそうになったのはケイジの仕業かと問いただす。あっさり認めたケイジは「これで終わりじゃないから覚悟しといて」と言い残して去っていく。そして、超大型音楽フェス・サマーソニアまであと2週間。ついにタイムテーブルが発表された。英子のステージのあとにケイジの名前を見つけた孔明と小林は、嫌な予感がして…。その頃、ケイジの事務所では、ロックバンド、イースト・サウスのメンバー・南房(休日課長)と東山(石崎ひゅーい)がケイジに新曲を聴かせていた。2年前に活動休止したイースト・サウスの二人は、ケイジに誘われ、ゴーストライターをしていたのだ。今回を最後の曲にして欲しいと懇願する南房に、ケイジは違約金がかかると脅す。一方、スタジオで新曲『Time Capsule』のレコーディングをしていた英子は、サマーソニアでの曲について話すイースト・サウスの二人を目撃する。そのことを英子から聞いた孔明は、イースト・サウスについて調べ始める。「パリピ孔明」は毎週水曜日22時~フジテレビにて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年11月16日森山直太朗が、アニメ『オチビサン』の主題歌「ロマンティーク」を2024年1月31日(水) に配信することが決定した。「ロマンティーク」は、文筆家・内田也哉子との共作曲。アニメのために書き下ろされた楽曲で、放送と共に話題を呼んでいた。また、キャリア初となる12インチのアナログ・レコード盤として2024年2月28日(水) に発売されることが発表となった。SIDE Aには「ロマンティーク」のオリジナルヴァージョン、SIDE Bには、こちらもキャリア初となるリミックスヴァージョンと、アナログ盤のみでしか聴くことができない“弾き語り”ヴァージョンが収録される。リミックスは、新進気鋭のソングライター/ギタリスト/プロデューサーの岡田拓郎が担当している。<配信情報>森山直太朗「ロマンティーク」2024年1月31日(水) 配信作詞:内田也哉子作曲:森山直太朗<リリース情報>森山直太朗『ロマンティーク』12インチ・アナログ・レコード盤2024年2月28日(水) リリース価格:2,970円(税込)【収録内容】■SIDE A1. ロマンティーク■SIDE B1. ロマンティーク(Takuro Okada Remix)2. ロマンティーク(弾き語り)【店舗別先着購入者特典】・Universal Music Store:B2告知ポスター・Amazon.co.jp:メガジャケ・タワーレコード:A3特典ポスター・HMV&BOOKS:ポストカード<ライブ情報>森山直太朗 20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』<番外篇> in 両国国技館2024年3月16日(土) 東京・両国国技館開場17:00/開演18:00【チケット代金】アリーナ席12,000円、升席12,000円、2F指定席12,000円、2F指定席8,800円※アリーナ席、升席は限定お土産付き、2F指定席は限定お土産選択式ツアー特設サイト:<番組情報>アニメ『オチビサン』NHK総合 土曜深夜に随時放送中公式サイト:関連リンクオフィシャルサイト::スタッフX::
2023年11月10日東京・天王洲運河一帯で開催された、国内最大級のアートとカルチャーの祭典「MEET YOUR ART FESTIVAL 2023」にて開催された森山未來がMCを務めるMEET YOUR ARTの公開収録・トークセッションに、10月9日(月・祝)、イスラエルの振付家インバル・ピントがゲストとして参加した。森山は、インバルが振付・演出を務めた「100万回生きた猫」(2013年)に出演以降、インバルが率いるダンスカンパニーに1年間参加するなど、ふたりは多くのクリエイションを共にしてきた。今回、演出・振付・美術を担当する舞台『ねじまき鳥クロニクル』の稽古のために来日中のインバルと、森山とのトークセッションが実現した。インバルは「母のような人でもあり、大きな愛に溢れた人」であるという森山。インバルへの最初の印象は、「振付家というより総合芸術的に作品を制作する。色々な視点で作品を構築していくところに刺激を受けた」と語ると、インバルも森山を「彼の血管には芸術が流れている」とその稀有な才能を絶賛した。「体をひとつの素材として捉えている」というインバルは、舞台『ねじまき鳥クロニクル』の創作についても、原作である村上春樹の同名小説を初めて読んだ時に、自分の体を駆け巡った衝撃をもとに作り始めたと語った。「主人公は、自分を外に置いて、その自分と対話する必要があると感じたので、ふたりで一役にすると直感的に決めた」とその一例を挙げた。(主人公の岡田トオルは成河と渡辺大知のふたりが演じる)「舞台に限定せず、様々な媒体での表現を積極的に試みてきた」と語るインバルに対し、森山は「アート作品を見せる真っ白な空間をホワイトキューブと呼ぶのに対し、劇場はブラックボックスと呼ばれている」として、「閉鎖空間に観客と演者が対峙し、虚構を共有することを前提とする」舞台芸術は、インバルのやりたい表現に繋がるのではと問いかけた。インバルは「観客は全てを再現しなくても、想像力で補ってくれる。観客と演者の間にある同意。それが舞台芸術の素晴らしさで、美しさ」だと頷いた。「年1で日本に来ているんじゃない?」と森山が話すほど、近年日本でのクリエイションが増えているインバル。日本のクリエイターは「献身的で、芸術と美への理解が深い」と称賛した。さらに「日本にはすでにコミュニティーができていて、例え言葉が通じなくても共通言語を持つ、ものづくりをするファミリー」がいると語った。そして「日本のクリエイターたちのように芸術を大切にすることは、このご時世には特に必要だと感じる」と付け加えた。11月7日(火)から始まる舞台『ねじまき鳥クロニクル』の稽古は、すでに1週間が経過。「再演でも、新たなデベロップメントがあるのでは?」と問う森山に対し、インバルは「再演とは作品を深めること」だとし、「(初演で)やるべきだったことが明確になってきている」と自信を見せた。「原作者に対して忠誠でありつつも、なぜ私がやるのかという意味、新しい側面を届けたい。才能豊かなアーティストたちが一堂に会し、色んなアートの形が結集した世界を、是非体験してほしい」と熱を込めて語った。文:吉田真由子
2023年10月11日向井理主演「パリピ孔明」第1話が9月27日より放送開始となり、初回からトレンド1位を獲得。菅原小春、アヴちゃんらの圧巻のステージや上白石萌歌、森山未來らとの掛け合いに「面白すぎ」「クセになる」とSNSが盛り上がっている。原作は、「ヤングマガジン」(講談社)にて現在も連載中の同名コミック。向井さん演じる中国三国時代の名軍師・諸葛孔明(しょかつ・こうめい)が現代の渋谷に若かりし姿で転生し、歌手を目指す一人のアマチュアシンガー・月見英子(上白石萌歌)のために、魔法のような作戦を考えては、彼女の前に立ちはだかる壁を軍師のごとく切り崩し、成功に導いていく。豪華キャスト陣×多彩な音楽×極上コメディー×ぶっ飛んだ世界観の映像美で贈る、史上最響の音楽青春コメディーとなっている。ディーン・フジオカが諸葛孔明の主君・劉備役として全編中国語セリフを演じ、本編のナレーションも務める。さらに、孔明がアルバイトをすることになるBBラウンジのオーナー・小林役に森山未來、人気インディーズバンドのギターボーカル・RYO役に森崎ウィンが出演するほか、菅原小春、宮世琉弥、八木莉可子、関口メンディーら豪華キャストがドラマを盛り上げる。本作では、シークレットゲスト含め総勢25アーティストが出演するとのこと。第1話のゲストとして、新日本プロレスの本間朋晃、真壁刀義、RIP SLYMEのRYO-Z、女王蜂のアヴちゃんが出演した。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。時は、魏・呉・蜀の3つの国が天下の覇権を争う三国時代。病に倒れた天才軍師・諸葛孔明(向井理)は、薄れゆく意識の中で「次の人生は、命のやり取りなどない平和な世界に生まれ変わりたいものだ」と願う。孔明が次に目を開けた時、そこは2023年ハロウィーンの渋谷だった。見渡す限りのゾンビ、悪魔、モンスター。「なるほど…ここが地獄なのですね」と勝手に納得する孔明。見知らぬ酔っ払いに連れて行かれたライブハウス・BBラウンジで、孔明は月見英子(上白石萌歌)のステージを見て、その歌声に魅了される…というのが第1話のストーリー。目を覚ました孔明は、BBラウンジでアルバイトをしている英子に介抱され、ここが地獄ではないこと、自分の姿が若返っていることに気づく。そしてスマホやペットボトル、加湿器などの現代文明に激しい衝撃を受けた孔明は、脅威の理解力でスマホをあっという間にマスターしてしまう。サブスクを「無料だったので」と申し込み、解約方法を英子に聞く姿や自分の歴史をWikipediaでリサーチする姿に「孔明がエゴサww」「孔明が愛おしい」という声や、孔明を演じる向井さんに対し「こんな向井さんみたことない」という声も。BBラウンジのオーナーであり、熱烈な三国志オタクの小林(森山未來)は、出勤直後に孔明の姿を見て驚き、自室に孔明を呼ぶ。そして、三国志の武将カードを取り出し、「街亭(がいてい)の戦い」での馬謖(ばしょく)についての問いを投げかける。「泣いて馬謖を斬る…」「惜しい人材だった…」と涙を見せるも、笑顔で「採用!」「三国志の話ができるアルバイトが欲しかった」と孔明を採用する。そんな小林に対し、SNSでは「オーナー好きすぎる」「オーナー最高」という投稿で溢れた。一方、英子は歌うことをやめようか迷っていた。帰り道、孔明に高校時代に家出をしてきたこと、唯一持ってきたギターを壊されて歩道橋から身を投げようとした英子を止めたのが小林だったことを明かす。そして、小林に店に連れていかれ世界的シンガー、マリア・ディーゼル(アヴちゃん)の歌を聴き、店でアルバイトをしながらいつか自分も誰かを感動させたいと、歌手を目指してきたことを話す。英子に「いかなる夢であろうと、どんな困難な道であろうと、この孔明主力を尽くしてお助けします」と伝えた孔明は、小林に「都内近郊で活動している歌手の情報を知りたい」とお願いし、ミア西表(菅原小春)のイベントに行くことに。ミアに「今度イベントに出してあげる」と当て馬にされた英子だったが、「私のステージを満員にせよ」と英子に命じられた孔明が、見事に「石兵八陣」を実現し、英子のステージを成功させた。孔明が戦略を練る時に頭が煙が出ること、そしてそれは英子たちには見えていないこと、そして現代に順応するというシュールさと英子・小林とのやりとりに「面白すぎ」「クセになる」という声が上がった。さらに、ドラマであることを忘れるほどのアーティストの圧巻のパフォーマンスに「圧倒された」という声や、「完成度が想像を超えてきた」「あっという間だった」「毎週楽しみ!」と絶賛する声で溢れている。第2話あらすじ諸葛孔明(向井理)が月見英子(上白石萌歌)を売り出すべくブッキングしたのは、アートフェスでのライブだった。しかし英子のブースは一番端。しかもその向かいは人気インディーズバンド・JET JACKETのブースだった。不安になる英子だが、孔明は「この戦、勝てますよ」と意味ありげに微笑む。その頃、JET JACKETのギターボーカルのRYO(森崎ウィン)、ドラムのMASA(高尾悠希)、キーボードのTAKU(松延知明)の三人はスタジオで練習していた。しかし、RYOの様子がおかしく、練習を早々に切り上げて、一人で帰ってしまう。それを孔明が近くで見ていて…。その後、孔明は寝泊まりしているBBラウンジの倉庫に引きこもる。オーナーの小林(森山未來)と英子が中をのぞくと、卓上コンロで何か毒々しいものを煮込んでおり、倉庫には異臭が漂っていた。毒ではないかと怪しむ二人だが、孔明は取り合わない。アートフェス当日。RYOに挨拶する英子と孔明の元に、小林が「機材トラブルが起きた」と告げに来る。慌ただしく去っていく三人を見て、余裕の顔になるRYO。そしてJET JACKETのライブがスタートする。果たして孔明と英子は、アートフェスでのライブを成功に導くことができるのか…。「パリピ孔明」は毎週水曜日22時~フジテレビにて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年09月28日森山直太朗の新曲「ロマンティーク」が、アニメ『オチビサン』の主題歌に決定した。「ロマンティーク」は、作曲と歌唱を森山、作詞を内田也哉子が手がけた楽曲。どこか懐かしく、愛おしい気持ちを想起させる1曲となっている。アニメ『オチビサン』は、安野モヨコによる同名漫画が原作で、10月8日(日) 0時よりNHK総合テレビで放送。鎌倉のどこかにある小さな町“豆粒町”を舞台に、主人公のオチビサンと仲間たちのほのぼのとした日常が描かれる。■森山直太朗 コメントモヨコサンの描く『オチビサン』の世界を拝見して、真っ先にヤヤコサンの紡ぐ言葉が浮かびました。それは淡々と、淡々とした愛とウィットに満ちた言葉たち。その詩の向こうから聴こえてくる、懐かしくて新しいメロディーを音楽にしてみました。自分の中だけにあるミクロな世界。慣れ親しんだ街を散歩するみたいに聴いて欲しいです。■内田也哉子 コメント(C)斎藤浩/講談社直太朗さんから作詞のお声掛けをいただいた時、「あ、新しい扉が開くかもしれない……」という得も言われぬときめきを感じました。「まずは、まっさらな気持ちで也哉子さんの投げてくれる詞を音にしてみますから」と直太朗さんは、とてつもなく大きな懐で受け止めてくださり、『オチビサン』の懐かしくて新しいファンタスティックな世界に泳ぐような気持ちで言葉がこぼれ落ちました。しばらくして、その言葉たちが直太朗さんのたおやかな声に乗ったアコースティックのデモ音源が届きました。その瞬間、見たこともない扉がカチャッと開き、今まで感じたことのないそよ風に吹かれました。ダレかとナニかを創る根源的な喜びに浸り、「ロマンティーク」の船出を見送ることにします。みなさんの待つ港に無事にたどり着くことを願いつつ。<番組情報>アニメ『オチビサン』10月8日(日) 0:00~NHK総合で放送開始アニメ『オチビサン』キービジュアルアニメ『オチビサン』プロモーション映像関連リンク森山直太朗 オフィシャルサイト:森山直太朗 X:森山直太朗スタッフX:森山直太朗 Facebook:森山直太朗 TikTok:森山直太朗 UNIVERSAL MUSIC オフィシャルサイト:森山直太朗 YouTube:森山直太朗のにっぽん百歌:
2023年09月27日塚本晋也監督作『ほかげ』がヴェネチア国際映画祭にて上映され、森山未來、塚尾桜雅、塚本監督が登壇した。新鮮で革新的な作品で構成されるオリゾンティ・コンペティション部門に出品されている本作。塚本監督作品がヴェネチア国際映画祭に選出されるのは、『斬、』以来5年ぶりで、9月5日(現地時間)に、レッドカーペット、公式上映、記者会見、フォトコールが行われ、ワールドプレミアを迎えた。今回、現地には、塚本監督をはじめ、物語の狂言回しとなる戦争孤児を演じた塚尾桜雄、片腕が動かない謎の男役の森山未來が参加している。本編の終盤、エンドロールに差し掛かるやいなや、早くも場内からは惜しみない拍手と歓声が巻き起こり、劇場を埋め尽くした観客たちから、約8分間のスタンディングオベーションが巻き起こった。熱気に包まれた会場と超満員の観客からは同作への評価の高さがうかがえた。上映後には、観客とのQ&Aの場が設けられ、塚本監督は「まずは、ありがとうございました!grazie!」と感無量の表情で挨拶。作品について尋ねられると、「今回の『ほかげ』は、実際に戦争に行った人だけではなく、戦争のせいで恐ろしい目に遭った一般の人たちの目を通した物語です。僕自身は歳を取ったので召集されることはないでしょうが、もし今後、戦争に行くとなったら若い人たちです。そういったことが起きないようにという願いを込めて制作しました」と思いを語った。森山さんは、「塚本監督の映画はどれも力強い作品だと感銘を受けていたので、今回、作品に参加させていただけるということを光栄に思っています」と初の塚本作品、そして、本作でヴェネチア国際映画祭に参加できたことへの感謝の意を表し、大きな拍手を浴びた。また、初めての海外映画祭への参加となった塚尾さんは「「Mi chiamo OGA. Ho 8 anni. Piacere!(僕の名前は桜雅です。8歳です。はじめまして!)」と、一生懸命覚えたというイタリア語での挨拶を披露し、会場を沸かせる一幕も。上映を終え、塚本監督は「実は、『ほかげ』は僕自身がとっても好きな映画にできたんです。また、今回、このような大きなスクリーンで上映できて嬉しかったですし、お客さまが皆、息を詰め、集中して観てくださっていて、観終わった後に、祈りの思いが伝わったという感触を非常に強く感じられました。とても嬉しいです」と喜んだ。そして、森山さんは、「ヨーロッパの映画祭に参加したのは僕自身初めて。ヴェネチア国際映画祭という場所にこの作品で来られて、本当に光栄です。監督の込めた祈りやエネルギーがこれからどういう風に観客に届いていくのだろうと楽しみでもあります」と語り、塚尾さんは「自分が出ている映画を多くの方が観てくれていると思うと、すごく嬉しい気持ちでいっぱいです!」と一生懸命に伝えてくれた。ヴェネチア国際映画祭には9度目の参加の塚本監督だが、今回、初めて観客からのQ&Aの場に立ち会い、「お客さまが的確で実感のこもった質問をしてくれたので、想像以上に大事なことを伝えられた気がします。今の世の中の不安とか、戦争に近付いてきているということを伝えられたし、皆さんが真剣に聞いてくださったので、とても良い時間になりました」とふり返った。『ほかげ』は11月25(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ほかげ 2023年11月25日よりユーロスペースほか全国にて順次公開©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
2023年09月06日森山未來と藤竜也が共演する近浦啓監督作『大いなる不在』が、第71回サン・セバスティアン国際映画祭コンペティション部門「オフィシャルセレクション」に選出されることが決定し、場面写真4点も解禁された。「サン・セバスティアン国際映画祭」は、ヨーロッパにおいてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアの映画祭に次ぐ重要な映画祭とされており、今年で71回目の開催を迎えるスペイン語圏最大の映画祭。今年、日本からは、宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』と近浦啓監督の『大いなる不在』の二作品が同部門に選出された。ノミネートされた作品の中から選出される最高賞「ゴールデンシェル」に加えて、監督賞、主演・助演俳優賞等の「シルバーシェル」の対象となっており、映画祭期間中には、監督の近浦啓が映画祭への出席を予定している。現地日程は9月22日(金)~9月30日(土)の開催。本映画祭での上映がヨーロッパ初上映となる。また、本作は、現地日程9月7日(木)から開催される第48回トロント国際映画祭のコンペティション部門となる「プラットフォーム部門」でのワールドプレミア上映が決まっており、映画祭期間中に、キャストの森山未來、藤竜也、真木よう子、原日出子が、揃って映画祭への出席を予定している。近浦 啓監督コメント世界初上映のトロント国際映画祭に続き、ヨーロッパ初上映をサン・セバスティアン国際映画祭のコンペティションで迎えることができること、大変光栄です。短編映画の頃から自主制作の体制で、右も左も分からず映画制作に取り組んできた中、このような大きな舞台でこの作品を披露できることには感慨深いものがあります。9月は、トロントとサン・セバスティアンで、北米の観客の反応とヨーロッパでの反応の違いなどを実感できると良いなと思います。『大いなる不在』は2024年の公開予定。(シネマカフェ編集部)■関連作品:大いなる不在 2024年公開予定©︎ 2023 CREATPS
2023年08月25日塚本晋也監督最新作『ほかげ』から、ポスタービジュアルと予告編が解禁された。本作は主演に趣里、共演に森山未來らを迎えた『野火』塚本晋也監督の最新作。第80回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門への正式出品が決定している。この度解禁となった予告編は、盗んだ食べ物を持って居酒屋にやってきた孤児に「ここは、あんたの来る所じゃないんだよ」と吐き捨てる女のセリフから始まる。次第に心を寄せていくふたりの様子が窺えるが…。また、ポスタービジュアルでは、半焼けの居酒屋で暮らす女と、片腕が動かない謎の男の姿が配され、空襲で家族を失った子どものまっすぐな眼差しが印象的。予告編とともに印象的なのは、浮かび上がる『ほかげ』のタイトルと、「戦争が、終わったんだ」というキャッチコピー。塚本監督は本作について、「火と、その揺れに合わせて姿を変える影。その影の中に生きる人々を見つめ、耳をすませます。終戦企画と銘打って準備撮影を進めた『ほかげ』。世界の動きが怪しくなってきた今、どうしても作らずにはおれなかった、祈りの映画になります」とコメントを寄せている。人間の中に潜む暴力、分かち難く絡む死と生を描いてきた塚本監督が終戦直後の闇市を舞台に、絶望と闇を抱えたまま混沌の中で生きる人々の姿をどのように描くのか。関心が高まるところだ。『ほかげ』は11月25日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ほかげ 2023年11月25日よりユーロスペースほか全国にて順次公開©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
2023年08月09日森山未來と藤竜也が親子役で初共演する『大いなる不在』(英題:GREAT ABSENSE)が第48回トロント国際映画祭のコンペティション部門へ選出されたことが発表され、海外版ポスターが解禁。さらにキャストコメントも到着した。本作は、長編デビュー作『コンプリシティ/優しい共犯』(2018)が、トロント、ベルリン、釜山などの名だたる国際映画祭に正式招待され高く評価された近浦啓監督の第二作目。『誰も知らない』『海よりもまだ深く』など多くの是枝裕和監督の作品を支えた山崎裕が『コンプリシティ/優しい共犯』に続き撮影を担当し、本作は全編35mmフィルムで撮影された。サウンドミックス・デザインには、『ドライブ・マイ・カー』などの野村みき・大保達哉のユニット P.A.T Worksが担当。音楽は、これが長編映画初劇伴作品となる新進気鋭の作曲家糸山晃司が担当している。本作は、コンペティション部門にノミネートされた10作品の中から選出される「プラットフォーム・アワード」に加えて、全ての上映作品から選ばれる「観客賞」(ピープルズチョイス・アワード)の対象となっており、映画祭期間中に、キャストの森山未來、藤竜也、真木よう子、原日出子が、揃って映画祭への出席を予定している。トロント国際映画祭は、長らく非コンペティションの映画祭といわれていたが、2015年にコンペティション部門を新設。名匠ジャ・ジャンクーの監督作品名にちなみ「プラットフォーム部門」と名付けられた。芸術的価値が高く、力強く監督のビジョンを示している作品を中心に選出され、過去に第89回アカデミー賞《作品賞》となった『ムーンライト』がこの部門で上映されたことから、アカデミーの前哨戦とも言われるトロント映画祭の中でも特に注目される部門になっている。また、日本人監督としてこのコンペティション部門に招待されるのは、黒沢清監督(『ダゲレオタイプの女』、2016)以来2人目。本作では、森山さん演じる主人公の父親を藤さんが、妻を真木さんが演じる。また、物語で重要な鍵となる父親の後妻を、原さんが演じている。森山さんと藤さんは本作が初共演。森山さんと真木さんは『モテキ』(2012)ぶりの共演となり、藤さんと原さんは、『ションベン・ライダー』(1983)以来40年ぶりの共演だ。キャスト・監督 コメント<森山未來 コメント>この度は『大いなる不在』が評価され、トロント国際映画祭のコンペティション部門という名誉あるセクションに選ばれたことを、心から光栄に思います。ある種の虚構の世界で生きる父にまるで俳優のように寄り添い、やがては世界に溶けていく彼を穏やかに見守る。近浦監督の実体験に着想を得たそんな物語に役者として参画するという、不可思議なレイヤーの海の中で揺れていた北九州での記憶が甦ります。トロントでの上映を経て、多くの方にこの作品を観ていただけることを願っています。森山未來<藤竜也 コメント>2022年、年が明けて間もないころ、近浦監督から新作のオファーを頂いた。『Empty House』『コンプリシティ/優しい共犯』に続いて3回目のご指名だった。嬉しかった。光栄なことだと思った。でも、期待に応えられるかどうか心配だった。台本を読んだ。読んだ、読んだ。私が演ずる男が好きになった。物理学を研究して、その分野で名を残したが、うんと普通で、煩悩にまみれた男。純粋ばかのおとこ。私は新幹線のように素早く、この男の中の入りこめたように思います。『大いなる不在』の試写を見ました。私の魂のどこかにくらった重い衝撃!これは何だろう?無理に分析したら、大切な何かが行方不明になりそう。この映画は、一人ひとりの見る側と、近浦さんの映画との会話で成り立つのではないかと思った。藤竜也<原日出子 コメント>この度は出演作『大いなる不在』が、栄誉ある映画祭のコンペティションに選出されました。このような素晴らしい作品に出逢えましたこと、心から感謝いたします。そして近浦監督をはじめ映画制作に携わった全ての方たちにお祝い申し上げます。ある種ドキュメンタリーのようなリアリズムと、計算され、完成され尽くした作品作りの中で直美の役を生きた時間は私にとってかけがえのない時間となりました。素晴らしい作品に参加できたことを光栄に思います。是非世界の舞台に羽ばたいていって欲しいです。原日出子<真木よう子 コメント>私は、初めて生きている、歩く芸術に目を奪われた。それが森山未來の仕草であった。なんて美しく、気高く、女の私が敗北をくらった、許すまじ森山未來。台本を頂き、キャストの名を聞き、恐らくその頃からこの様な名誉を頂く作品だという事を疑う事すら愚かな事だと感じた様に思います。だけど、多くの人には共感させない。お目が高い人だけご覧下さい。真木よう子<近浦啓 監督 コメント>この映画は、その名の通り「不在」についての映画です。「ない」何かに向けて目を凝らすことは、その輪郭を形づくる「ある」何かに対して思索を深めることになります。そんな抽象的な考えを具象化し、ミステリー傾向の高いエンタテイメント映画に仕上げたい、という想いでスタートしました。日本が誇る役者の方々、そして、技術者の方々が集まってくれたことにこの場を借りて深く感謝いたします。トロント国際映画祭のコンペティションという大きな舞台でこの映画が船出できることをとても嬉しく思います。いつかきっとこの航海が、日本の劇場に辿り着きますように。心から願っています。『大いなる不在』は2024年公開予定。(シネマカフェ編集部)
2023年08月03日向井理が主演、共演に上白石萌歌を迎えた水10ドラマ「パリピ孔明」の新たなレギュラーキャストとして、森山未來、菅原小春、宮世琉弥、八木莉可子、関口メンディーの出演が決定。映像、舞台、ダンスとジャンルにとらわれない表現者である森山さんを筆頭に、世界的ダンサーかつ振付師の菅原さん、いまをときめく注目若手俳優である宮世さんと八木さん、そして「EXILE/GENERATIONS」のパフォーマー・関口さんといった各界を代表するバラエティー豊かな顔ぶれが集結する。本作は、中国三国時代の名軍師・諸葛孔明(向井さん)が現代の渋谷に若かりし姿で転生し、歌手を目指す少女・月見英子(上白石さん)のために、魔法のような作戦を考えては彼女の前に立ちはだかる壁を軍師のごとく切り崩し、成功に導いていくサクセスストーリー。原作は、累計発行部数160万部突破の「ヤングマガジン」(講談社)にて現在も連載中の大人気コミック。森山未來:オールバック&ヒョウ柄スーツの個性強めのド派手キャラに森山さんが演じるのは、英子が働くライブハウス「BBラウンジ」のオーナー・小林。オールバックで派手なスーツを着こなす強面の人物だが、面倒見が良く、常連客やスタッフから慕われている。また、極度の三国志オタクである小林さんは、三国志について孔明と語り合ったことをきっかけに気に入り、行く当てのない孔明をスタッフとして雇い入れる。森山未來(C)Takeshi Miyamotoそんな小林演じる森山さんがフジテレビ系の連続ドラマにレギュラー出演するのは、2006年放送「役者魂!」以来、約17年ぶり。「僕自身、横山光輝さんの『三国志』にどっぷり漬かってきた人間です。プロデューサーと相談しながら、各物語の要所要所に、三国志ネタを原作より少し濃いめに織り交ぜているので、三国志を知らない方でも、もちろん楽しめますが、知っているとより楽しんでもらえるかもしれません(笑)」と森山さん。「役者だけでなく、ダンサーやミュージシャンなど、多方面の方々が集結した“異種格闘技戦”のような座組」と期待を込めている。菅原小春:民放ドラマ初で人気シンガー役として出演!菅原さんが演じるのは、ハイレベルなダンスパフォーマンスと歌唱で注目を集め、SNSフォロワー数10万人超えの人気シンガー・ミア西表。美意識が高く、トレーニングで常に肉体を鍛えている。気丈な性格で、それゆえに周囲に弱みを見せることができず、周りの人間を信用することが苦手な不器用な人物。菅原さんといえば、世界的ダンサーとして知られ、振付師としても活躍。2019年に放送されたNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」や2021年放送のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」で存在感を放ち、注目を集めたが、民放ドラマに出演するのは本作が初めて。「民放ドラマに出るのは初めてだったので、不安はありましたが、監督やプロデューサーさんたちとお話をして、スタッフさんたちの熱いパッションを感じて、これは面白いことになりそうだな」と出演を決めた菅原さん。「もともと歌うのは大好きですし、実際にドラマの世界で歌ってみると、楽しみながら撮影できた」と明かしている。宮世琉弥:全身全霊でラッパー役に初挑戦宮世さんが演じるのは、MCバトル選手権3連覇で“無敵のフリースタイラー”という異名を持つ若き天才ラッパー・KABE太人。プレッシャーに弱く、MCバトルで急性胃潰瘍になり倒れてしまう。それ以来、ラップ界から身を引き、表舞台には立たなくなってしまう、役どころ。月9ドラマ「ナイト・ドクター」「君の花になる」、スペシャルドラマ「イチケイのカラス スペシャル」など数々の話題作に出演する宮世さんは、アーティストとしても活躍しており、本作でどんなラップパフォーマンスを披露してくれるのか要注目。「彼の秘めた思いをぶつけるラップシーンでは、僕自身、全身全霊でラップに挑戦しました」と宮世さん。「フリースタイルラップなので、語りを韻を踏んでラップするのがすごく難しかった」とふり返りながらも「初めての経験でしたが、良い刺激になりました」と手応えをのぞかせる。八木莉可子:初のシンガー役で歌&ダンスに挑戦!八木さんが演じるのは、路上ライブで警察に許可書を求められ困っていたところを英子に助けてもらうシンガー・久遠七海。透明感のある歌声で、英子も七海の歌唱力に一目置く。そして、路上ライブでの出会いをきっかけに2人は意気投合し仲良くなるが、実は彼女にはある大きな秘密があって…。八木莉可子七海を演じる八木さんは、日本のみならず各国でヒットとなったNetflixシリーズ「First Love初恋」で満島ひかり演じる主人公の学生時代を演じ、その好演ぶりに“透明感の塊”と話題を呼んだことが記憶に新しい。また、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」にも出演した。八木さんがフジテレビ系の連続ドラマに出演するのは、2017年放送「僕たちがやりました」以来約6年ぶり。上白石さんとの初共演で、本作でしか見られない2人の音楽シーンにも期待が高まる。八木さんは「撮影に向けて、歌やダンス、ギター、ベースを一から練習させて頂いています!特にベースはピック弾きも指引きもあったり、毎日大変ながらも、音楽の楽しさを知る機会をたくさん頂いているな、と感じています」と未経験の音楽に全力で挑んでいることをコメントする。関口メンディー:フジ連ドラ4年ぶりで挑むのは歌って踊れるスーパーアーティスト関口さんが演じるのは、作詞・作曲・振り付けまですべてを自らこなす、歌って踊れるスーパーアーティスト・前園ケイジ。抜群の歌唱力とクールな踊りで多くのファンを魅了する。しかし、前園には英子が働く「BBラウンジ」のオーナー・小林(森山さん)と切っても切り離せない因縁があり、その因縁をきっかけに、英子の前に“最大のライバル”として立ちはだかる。ドラマ・映画・バラエティーなどでも活躍する関口さんは、フジテレビ系の連続ドラマは2019年放送の木曜劇場「モトカレマニア」以来約4年ぶり。本作でのスパイスに注目だ。「もともと原作も好きで、音楽業界にいる人間としてすごく勉強になる作品だと思っていたので、そんな作品に出演できてうれしいです」と関口さん。インパクトのある衣装を着ると「すごく自信がみなぎっている気がします」と言い、「歌含め日々トレーニングに励んでいます。歌という部分でも新しい自分の扉を開くきっかけになると思っています」と意気込みを語っている。「パリピ孔明」は秋、毎週水曜22時~フジテレビ系にて放送。(シネマカフェ編集部)
2023年07月24日森山直太朗 20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』の101本目の公演が、10月23日(月) に東京・NHKホールで開催されることが決定した。自身史上最大の「一〇〇本ツアー」として、“前篇・中篇・後篇”と銘打ち、昨年6月からツアーを行ってきた森山。前篇ではギター1本を携えて、普段なかなか行かないような離島などを弾き語りで回り、中篇ではブルーグラスバンドとともに、ブルーノートやビルボードなどで食事とお酒を楽しみながらのライブ。そして、後篇ではフルバンドメンバーを従えて、全国各地で公演を行ってきた。このツアーの集大成とも言えるこの日の公演では、『素晴らしい世界』<前篇・中篇・後篇>として、これまでこのツアーに関わってきた全バンドメンバーやスタッフが会場に集結し、公演を盛り上げる。チケットは、オフィシャルFC「直ちゃん倶楽部」年額会員を対象とした先行受付を7月24日(月) まで実施中。<ライブ情報>森山直太朗『素晴らしい世界』<前篇・中篇・後篇>10月23日(月) 東京・NHKホール開場16:00 / 開演17:00【チケット料金】指定席8,888円(税込)■森山直太朗オフィシャルFC「直ちゃん倶楽部」年額会員先行:7月24日(月) 23:59まで詳細はこちら:※そのほかの公演はツアー特設サイトをご確認ください。チケット情報はこちら:関連リンク森山直太朗 オフィシャルサイト:森山直太朗 Twitter:森山直太朗スタッフ Twitter:森山直太朗 Facebook:森山直太朗 TikTok:森山直太朗 UNIVERSAL MUSIC オフィシャルサイト:森山直太朗 YouTube:森山直太朗のにっぽん百歌:
2023年07月13日塚本晋也監督最新作『ほかげ』が、11月25日(土)より全国公開することが決定した。『鉄男』(89)でのセンセーショナルな劇場デビュー以後、世界中に熱狂的ファンを持ち、多くのクリエイターに影響を与えてきた塚本晋也監督。戦場の極限状況で変貌する人間を描いた『野火』(14)、太平の世が揺らぎ始めた幕末を舞台に生と暴力の本質に迫った『斬、』(18)。本作ではその流れを汲み、戦争を民衆の目線で描き、戦争に近づく現代の世相に問う。本作について塚本監督は、「終戦企画と銘打って準備撮影を進めた『ほかげ』。世界の動きが怪しくなってきた今、どうしても作らずにはおれなかった、祈りの映画になります」とコメントを寄せている。趣里主演は、2023年後期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」のヒロインに抜擢され、活躍が期待されている俳優、趣里。孤独と喪失を纏いながらも、期せずして出会った戦争孤児との関係にほのかな光を見出す様を繊細かつ大胆に演じ、戦争に翻弄されたひとりの女を見事に表現した。森山未來片腕が動かない謎の男を演じるのは、映像、舞台、ダンスとジャンルにとらわれない表現者である森山未來。飄々としながらも奥底に蠢く怒りや悲しみを、唯一無二の存在感で体現している。■塚本晋也監督 コメント『ほかげ』は、『野火』『斬、』の流れを汲む作品になります。研ぎ澄まされた感性の趣里さんと森山未來さん、そして新しい才能と魅力的な俳優さんたちが、終戦直後の火と影の世界を生きてくださったー。終戦企画と銘打って準備撮影を進めた「ほかげ」。世界の動きが怪しくなってきた今、どうしても作らずにはおれなかった、祈りの映画になります。■趣里 コメント憧れの塚本組。一生忘れられない経験をさせていただきました。最高のキャスト、スタッフさん、そして塚本監督と映画作りが出来たことが本当に幸せです。たくさんの心に留めておかなければならないことを教えていただきました。一瞬一瞬の感覚が愛おしく、悲しく、今でも忘れられません。「ほかげ」どうか皆さまに届きますように。■森山未来 コメント戦後の騒乱をさまよう報われない魂たち。そんな生きた亡霊たちを執拗に追い続けるまなざし。荒廃した世界で必死に生き延びようともがく主人公の無垢な瞳を通して見える世界は、塚本監督のまなざしそのものであり、あるいは、あなたの目に映る、私たちが生きるこの世界に対する視座でもあるのかもしれません。このような素晴らしい作品に関わらせていただけたことを、心から嬉しく思っております。『ほかげ』は11月25日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年07月12日『リベリアの白い血』『アイヌモシリ』の福永壮志監督、山田杏奈、森山未來共演の『山女』より場面写真とメイキング写真が解禁された。柳田國男の名著「遠野物語」から着想を得たオリジナルストーリーで、17歳の凛(山田杏奈)の過酷な運命と自らの意思で人生を選び取るまでを描く本作。この度解禁されたのは、本作で神秘的で圧倒的な存在感を放つ“山男”を体現した森山未來を捉えた場面写真とメイキング写真。山男が血まみれになりながら獣の肉を食べる姿や暗闇の中精霊のように佇むシルエットを捉えた場面写真に加え、血のりやヘアメイクなど、スタッフ総出で山男を作り上げるメイキング写真など、計5点が到着した。18世紀後半、冷害による食糧難に苦しむ村で、17歳の凛(山田杏奈)たち家族は先先代が犯した罪により、人々から蔑まれていた。ある日、凛の父親・伊兵衛(永瀬正敏)が盗みを働いてしまう。家を守るため、村人達から責められる伊兵衛をかばい、その罪を被る凛。自ら村を去り、禁じられた山奥へと足を踏み入れる。漆黒の闇に包まれた夜の山で、凛が遭遇したのが、白い長髪と髭をたくわえた山男(森山未來)だ。人間か、獣か、山の神か。得体の知れないその姿に恐れながらも、その後を追った凛は、山男の住む洞穴にたどり着く。腹を空かせた凛に、山男は自分が食べていた獣の肉を投げて寄越した。山で自然とともに暮らし、山男と焚き火を囲んで心を通わせながら、自らの魂を解き放っていく凛。それは村での抑圧された生活では味わったことのない、生きている実感だった。しかし、穏やかな時間は長くは続かず、凛は過酷な運命へと導かれていく…。森山さんが演じる山男は、一切セリフもなく、表情さえも封印された難役で、SNSなど観客からは、その怪演と変貌ぶりに驚きの声が多数寄せられている。神秘性とずば抜けた身体能力が求められる山男役として俳優界随一の身体能力と表現力を誇る森山さんに白羽の矢が立ったのは頷けるが、起用理由はそれだけではないそうだ。森山さんは2021年3月11日に上演された清水寺奉納パフォーマンス「Re: Incarnation」や脳科学者の中野信子らとともに開催した実験的プロジェクト「Dance of Death(仮称)」など生死がテーマに密接に絡み合うプロジェクトに多く参加しており、福永監督は「森山さん自身が、神秘的なものや生と死といったテーマに対して探求心のある方だと感じていました。山男を演じるには、舞台やダンスで培った身体表現だけでなく、そういったことに対して理解と関心がある森山さんしかいないと思いました」と語り、心技体全てにおいて“山男”を任せられる唯一の存在であることを明かした。森山さんは本作について「社会のあり方、人との関係性など、今に通じるものがたくさんあるので、そんなことを感じ取っていただけたら」とコメント。自分らしく生きること、人間らしさとは、何なのか…。神秘を体現する“山男”の存在から見えてくるものがあるはずだ。『山女』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:山女 2023年6月30日よりユーロスペース、シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開©YAMAONNA FILM COMMITTEE
2023年07月06日ニューヨークで映画を学んだあと、世界各地の映画祭などで国際的に評価されて注目を集めている福永壮志監督。柳田國男の「遠野物語」から着想を得て作られた最新作『山女』では、初めてプロの俳優を主人公に起用し、閉鎖的な村社会や同調圧力、格差といったものを臆することなく描いています。そこで、本作で主演に抜擢されたこちらの方にお話をうかがってきました。山田杏奈さん【映画、ときどき私】 vol. 589『樹海村』や『ひらいて』、『17才の帝国』など、話題の映画やドラマに多数出演し、若手の注目株としてさらなる活躍が期待されている山田さん。本作では、先代の罪を背負い、人々から蔑まれながらもたくましく生きる主人公の凛を見事に演じてきっています。今回は、役作りへのこだわりや現場の様子、そして自身が思い描くこれからに語っていただきました。―最初にお話があったとき、どのようなお気持ちでしたか?山田さん台本を読んだだけでも、自然の力強さみたいなものをすごく感じました。そして、そのなかでひたむきに生きている凛という女性の人生を描いているので、そういう作品で大きな役を演じさせてもらえることがうれしかったです。―役作りは難しいところもあったと思いますが、どういったところからアプローチを始めましたか?山田さんまずは、方言の練習から始めました。あとはわらじを編むシーンのために、家にわらを持って帰ってわらじを編んだこともありますが、そのときは家のなかがわらだらけになってしまって大変だったことも(笑)。でも、そんなふうに少しでも凛の生活に触れられるようにしたいと思って取り組みました。ほかにもリップクリームを塗らずに唇をガサガサにさせたり、髪の毛をボサボサのままにしたり、あえてあまりキレイにしないようにもしています。森山未來さんの佇まいと能力の高さはすごかった―劇中では役柄的に追い込まれるシーンが多かったので、精神的にきつい部分もあったのではないでしょうか。山田さん私自身は、もともとあまり引きずるタイプではありません。ただ、ずっと山形に行きっぱなしだったので、そういう意味で家に帰りたいなと思ったことはあったかなと。でも、気分転換に散歩をしたり、道の駅に行ったり、地元のおいしいご飯を食べたりしていたので、山形をすごく堪能させていただきました。―けっこう切り替えが得意なタイプでいらっしゃるんですね。山田さんそうですね、私はわりとすぐに戻れます。ただ、どこかで我慢しているところはあったので、撮影が終わってからはネイルをしたり、髪の毛や眉毛を染めたり、服を買いに行ったり、現代人に戻れることを一通りして、「終わった!」という気分にして役から抜けました。―今回は、山男として森山未來さんが出演されていますが、セリフがないにもかかわらず見事な存在感を放っています。ご一緒されてみていかがでしたか?山田さん本番以外では世間話をしたりと普段の森山さんなんですが、いざ始まると歩き方が変わり、まるで1匹の動物がいるかのような空気感と佇まいになるので、その様子はすごかったです。以前から素敵な役者さんだとは思っていましたが、山男としてその場にいる能力の高さに圧倒されました。みなさんに支えられたおかげで、安心してお芝居ができた―休憩中には、木の上で寝ていたこともあったとか。山田さんただ眠くて寝ていただけなのか、役作りだったのかはわからないのですが、いい意味でいろんなことを気にせずに役へ飛び込んでいける方なのかなと思いました。そういうことをしてしまうマインドは、もはや究極だなと。だからこそ説得力を生んでいるので、森山さんの山男の姿を見ているだけで凛の気持ちになれるだろうと思い、「ついていかせてください!」という感じでした。―そのほかも、若手からベテランまで素晴らしい方々が集結していましたが、印象に残っていることはありますか?山田さん父親役の永瀬正敏さんは、役としてはかなり厳しかったですが、実際はとにかく優しかったので、「大丈夫?」といつも気にしてくださいました。クランクアップのときには映像を撮って、わざわざ送ってくださったりもしたので、本当のお父さんみたいでしたね(笑)。今回はほかにも大ベテランの方々ばかりだったこともあり、背中を見せてもらいつつ、安心してお芝居をさせていただきました。本当に優しくしていただいたので、みなさんに支えられていたと思います。自分のことを評価できるのは、結局自分しかいない―凛を演じるなかで諦めの精神みたいなものを感じられていたそうですが、そこは野望みたいなものを持っていない“さとり世代”であるご自身の感覚と近いものがあったとか。そんななかで、今後についてはどうなりたいというのはありますか?山田さん世代とひとくくりにしていいのかわかりませんが、私は遠い先の目標や夢というのをあまり抱いたことがありません。おそらくそれは、「実現できなかったときが怖い」という気持ちが漠然とあるからではないかなと。だから、目先のことだけを考えてしまうのだと思います。でも、いま22歳になって、少しずつ10年後の計画をふわっとでも立てなきゃいけないのかなと考えることも…。しっかりと自立していたいという目標はありますが、まずは目の前のことをがむしゃらにするしかないとも感じています。若いうちにしかできないこともあるので、とりあえず25歳くらいまでは「まだ若いので!」と言いながらいろんなところに飛び込んでいきたいです。―ある信念を持って生きている凛のように、山田さんにとって支えとなっている思いとは?山田さん自分のことを評価できるのは結局自分しかいないので、何か失敗したとしても、「あのときの自分ができることはすべてやった」と思えるようにしたいなとは考えています。なので、まずはあとで後悔しないようにそのときのベストを尽くすというのはいつも意識していることです。1つの価値観に当てはめようとするのはナンセンス―素晴らしいですね。また、本作では女性差別や同調圧力などについても描かれていますが、ご自身もこれまでにそういう経験をされたことはありますか?山田さん私はそういう場面に出くわしたときは、わりとその場で思っていることを言ってしまうほうですね。いろんな人がいますが、「男女関係なく、各々の考えを大事にしましょう」という風潮のなかで、相手を1つの価値観に当てはめようとするのはナンセンスじゃないかなと。ただ、ケンカはしたくないので、そもそもそういう人とは距離を置くようにしています。―なるほど。ちなみに、落ち込んだりしているときには、どのようにして元気を取り戻していますか?山田さん私の場合は、「とにかく食べて寝る」です(笑)。自分でがんばったなと思ったときは、何もしない日を1日作って、好きなものをいろいろと出前してサボります。「これだけ毎日ちゃんとやったんだから今日くらいいいよね」と。でも、その日が終わると罪悪感が生まれるので、それでまたがんばるというのを繰り返しています。自分も強さのある人になるのが目標―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。山田さん私自身も生きていると悩みごとが多いなと感じています。だからこそ、決して恵まれた環境に生まれたわけではないけれど、自分の幸せのために生きようとする凛の姿をこの映画を通して感じていただきたいです。時代背景は違いますが、私もそういう強さのある人でありたいというのが目標なので、ぜひみなさんにもそういう部分を見ていただけたらと思っています。インタビューを終えてみて…。吸い込まれそうな瞳が印象的な山田さん。柔らかいオーラのなかにも、芯の強さが伝わってきて、劇中の凛とつながっているようにも感じました。これからも幅広い役どころで、さまざまな表情を見せてくれるのが楽しみです。雷に打たれるような衝撃が走る!社会にはびこる理不尽さや息苦しさなど、現代にも通じる感情に訴えかける本作。圧倒的な自然の美しさと俳優陣から放たれる熱量、そして過酷な運命に見舞われながらもそのなかで自分らしさを見つけていく女性のたくましさに心を激しく揺さぶられる必見作です。写真・園山友基(山田杏奈)取材、文・志村昌美ヘアメイク・菅長ふみ(Lila)スタイリスト・武久真理江ブラウス、スカート 参考商品(ともにNATSUMI OKUMURA/)、イヤーカフ(左耳)¥3,600、ブレスレット(左腕)¥6,000、リング(右手人差し指)¥3,000(すべてgraey/)、イヤーカフ(右耳)¥20,900、リング(右手中指)¥52,800(ともにSARARTH/SARARTH カスタマーサポート )ストーリー18世紀後半、冷害による食糧難に苦しむ東北の村で、父と弟と暮らしていた17歳の凛。誰もが忌み嫌う仕事を引き受け、人々から蔑まされながらもひたむきに生きていた。そんな彼女の心の救いは、盗人の女神様が宿ると言われる早池峰山だった。ある日、飢えに耐え切れなくなった凛の父親・伊兵衛は、村の蔵から米を盗んでしまう。家を守るため、村人たちから責められる父をかばった凛は、罪を背負って自ら村を去る。そして、決して越えてはいけないと言い伝えられる山奥の神聖な森へと進んだ凛の前に、伝説の存在として恐れられる“山男”が現れることに…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『山女』6月30日(金)ユーロスペース、シネスイッチ銀座、7月1日(土)新宿K’s cinemaほか全国順次公開配給:アニモプロデュース(C)YAMAONNA FILM COMMITTEE
2023年06月29日森山直太朗の楽曲「泣いてもいいよ」のMusic Videoが公開された。「泣いてもいいよ」は、20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』の会場のみで発売されている弾き語りベストアルバム『原画Ⅱ』の収録曲。本日6月2日(金) に公開されたドキュメンタリー映画『共に生きる 書家金澤翔子』のエンディングテーマとなっている。MV監督を務めるのは、異例の48分越えの長編「原画」、鳥取砂丘を舞台に幻想的な世界観を表現した「さもありなん」などを手がけた映像作家の番場秀一。MVは鳥取市の国指定重要文化財 仁風閣で撮影され、鳥取市役所の職員8名がエキストラとして参加するなど、3月に配信リリースされた「さもありなん」のMVと同様に、鳥取市全面協力のもと撮影が行われた。なお弾き語りベストアルバム『原画Ⅰ』『原画Ⅱ』は、会場限定発売CDにも関わらず、発売日の1月17日から現在まで、手売りで15,000枚を突破。前篇追加および前篇追加の追加の弾き語り公演終演後には、CD購入者へ本人によるお渡し会を開催。また後篇のフルバンド公演で販売しているCDには、中に直筆サインが入っている。森山直太朗「泣いてもいいよ」MV<リリース情報>森山直太朗 弾き語りベストアルバム『原画Ⅰ』価格:3,000円(税込)※20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』会場限定発売森山直太朗『原画Ⅰ』パッケージデザイン森山直太朗『原画Ⅰ』パッケージデザイン森山直太朗『原画Ⅰ』パッケージデザイン【CD収録内容】1. 人間の森2. さもありなん3. 金色の空4. 花5. レスター6. 声7. ラクダのラッパ8. 君は五番目の季節9. 今10. いつかさらばさ11. 生きてることが辛いなら12. さくら13. 土曜日の嘘森山直太朗 弾き語りベストアルバム『原画Ⅱ』価格:3,000円(税込)※20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』会場限定発売森山直太朗『原画Ⅱ』パッケージデザイン森山直太朗『原画Ⅱ』パッケージデザイン森山直太朗『原画Ⅱ』パッケージデザイン【CD収録内容】1. 日々2. 泣いてもいいよ3. アルデバラン4. 青い瞳の恋人さん5. 愛し君へ6. 素晴らしい世界7. papa8. あなたがそうまで言うのなら9. カク云ウボクモ10. 生きとし生ける物へ11. どこもかしこも駐車場12. 夏の終わり13. 群青<ツアー情報>『森山直太朗 20thアニバーサリーツアー「素晴らしい世界」』※終了分は割愛■<後篇>(フルバンド)6月3日(土) 宮城・東京エレクトロンホール宮城6月4日(日) 福島・喜多方プラザ文化センター せせらぎホール6月10日(土) 東京・LINE CUBE SHIBUYA6月17日(土) 山形・荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)大ホール6月24日(土) 福井・敦賀市民文化センター6月25日(日) 石川・白山市松任文化会館 ピーノ7月2日(日) 沖縄・那覇文化芸術劇場なはーと7月9日(日) 神奈川・ハーモニーホール座間7月16日(日) 大阪・ラブリーホール(河内長野市立文化会館)7月30日(日) 広島・呉信用金庫ホール8月5日(土) 熊本・市民会館シアーズホーム夢ホール8月6日(日) 佐賀・鳥栖市民文化会館8月11日(金・祝) 鹿児島・霧島市民会館8月19日(土) 茨城・ザ・ヒロサワ・シティ会館8月26日(土) 愛知・安城市民会館8月27日(日) 岐阜・バロー文化ホール(多治見市文化会館)9月2日(土) 奈良・なら100年会館 大ホール9月9日(土) 高知・高知市文化プラザかるぽーと9月10日(日) 香川・ハイスタッフホール9月14日(木) 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)■<前篇追加の追加>(弾き語り)6月18日(日) 秋田・あきた芸術劇場ミルハス 中ホール7月15日(土) 和歌山・和歌山城ホール7月22日(土) 山梨・東京エレクトロン韮崎文化ホール7月28日(金) 島根・安来市総合文化ホール アルテピア 大ホール8月13日(日) 大分・さいき城山桜ホール9月16日(土) 北海道・根室市総合文化会館9月24日(日) 静岡・菊川文化会館アエル※ツアースケジュールは随時更新されますので、ツアー特設サイトをご確認ください。※チケットのお申込み方法・詳細はツアー特設サイトをご確認ください。ツアー特設サイト:チケット情報はこちら:関連リンク森山直太朗 オフィシャルサイト:森山直太朗 Twitter:森山直太朗スタッフ Twitter:森山直太朗 Facebook:森山直太朗 TikTok:森山直太朗 UNIVERSAL MUSIC オフィシャルサイト:森山直太朗 YouTube:森山直太朗のにっぽん百歌:
2023年06月02日5月7日(日) まで群馬・太田市美術館 図書館で行われていた展覧会『なむはむだはむ展「かいき!はいせつとし」』の巡回展が、5月20日(土) から6月4日(日) まで兵庫・バイソンギャラリーで開催されることが決定した。「なむはむだはむ」は、岩井秀人、森山未來、前野健太の3名によるプロジェクト。「子供たちのアイデアを大人たち(プロのアーティスト)がなんとか作品にする」というコンセプトのもと、子どもたちとともにワークショップを実施し、そこで生まれたアイデア(物語)を見つめ、解釈し、身体表現、音楽表現を伴う舞台作品や映像作品としてアウトプットしている。バイソンを設営・運営している廃屋リノベーション集団「西村組」と同展のキュレーターを務める森山は、2022年度に神戸市経済観光局が主催となって行われたアートイベント『KOBE Re:Public Art Project』などさまざまな形で協働しており、太田市美術館 図書館での個展に際しては、西村組が保存していた廃屋から出る様々な残置物を使って作品を制作・展示していた。『なむはむだはむ展「かいき!はいせつとし」〜ミニ巡回展もしくは凱旋展! in KOBE〜』と銘打った今展示は、太田市美術館 図書館での展示を一部抜粋した“ミニ”巡回展として、さらには西村組の協力によって生まれた作品群の“凱旋展”として行われる予定だ。■キュレーター 森山未來 コメント2023年2月18日より5月7日まで太田市美術館・図書館(群馬県)にて開催された『なむはむだはむ展「かいき!はいせつとし」』の巡回展を、神戸市兵庫区梅元町に2023年5月より新たに開設されたアーティスト村「バイソン」にて開催します。バイソンを設営・運営している廃屋リノベーション集団「西村組」となむはむだはむメンバー・森山未來は2022年度に神戸市経済観光局が主催となって行われたアートイベント「KOBE Re:Public Art Project」など、さまざまな形で協働しています。さらに今回の太田市美術館・図書館での個展に際しては、森山は西村組が保存していた廃屋から出る様々な残置物を使って作品を制作・展示していました。今展示は、太田市美術館・図書館での展示を一部抜粋した“ミニ”巡回展として、さらには西村組の協力によって生まれた作品群の“凱旋展”として、大人から子供まで、鑑賞者の皆様に楽しんでいただければと願っています。<開催情報>なむはむだはむ展『かいき!はいせつとし』〜ミニ巡回展もしくは凱旋展! in KOBE〜5月20日(土) ~6月4日(日) 兵庫・バイソンギャラリー11:00~18:00(入場は17:30まで)観覧料:投げ銭方式アーティスト:岩井秀人(作家・演出家・俳優)、森山未來(俳優・ダンサー)、前野健太(シンガーソングライター)、金氏徹平(美術家・彫刻家)なむはむだはむ 公式サイト:
2023年05月16日木村拓哉主演「風間公親-教場0-」第6話が5月15日放送。風間の眼を千枚通しで突き刺した犯人役で出演した森山未來に驚きの声が上がるとともに、ゲスト出演した筒井道隆の出演でTwitter上には“あすなろ白書”がトレンド入りを果たす状況になっている。「週刊文春ミステリーベスト10」(2013年)第1位、「このミステリーがすごい!」(2014年)第2位を獲得したシリーズ累計100万部突破ベストセラーシリーズを原作に、木村さん演じる刑事指導官がOJT型の事件捜査で新人刑事を鍛えていくストーリーが展開する本作。“事件現場自体が教場”となるOJT型(On the Job Training:実際の現場で仕事を学ばせる)事件捜査で新人刑事を鍛えていく、通称“風間道場”を行う刑事指導官・風間公親を木村さんが演じるほか、「どうしても刑事にならないといけない」という強い意志を持って“風間道場”へやってきた遠野章宏に北村匠海。風間の指導官室のデスクを務める神奈川県警本部捜査一課事務員の伊上幸葉に堀田真由。“風間道場”にやってきた刑事に風間との接し方を教える谷本進一に濵田崇裕(ジャニーズWEST)。谷本のバディをしている尾山柔に結木滉星。遠野を“風間道場”へ推薦した四方田秀雄に小日向文世。“風間道場”の考案者である眞堂丈史に小林薫といったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。熊之背山の登山口近くで頭部と両手首が切断された変死体が発見される。現場に向かった風間は遠野に死体の絵を描くよう指示する。遠野は右肩が左よりも下がっていることに気づくが、その理由まではわからなかった。風間は遠野に、科捜研がDNA型を調べて行方不明者との照合を終えるまでに犯人を仕留めろと告げる。幸葉が現場近くに住んでいることを知った遠野は、彼女に協力を求め、現場に集まっていた野次馬の写真の中から近隣住民とハイキング客を除外する。そこからギャラリーを経営している画家の向坂善紀(筒井さん)という男に注目する…というのが6話の展開。視聴者からは木村さんと筒井さんの共演に「筒井道隆と木村拓哉、あすなろ白書だ」「あー!あすなろ白書の2人が対峙!」「あすなろ白書リアタイ世代には嬉しすぎるって…」といった声が上がるとともに、Twitterでは“あすなろ白書”がトレンド入りを果たす。向坂の自首で事件は解決するがそこに張り込みの応援要請が入り、風間と遠野は現場に車を走らせる。そして物語はSPドラマ「教場II」のラストシーンへと繋がっていくのだが、今回のオンエアではSPでは明かされなかった、千枚通しで遠野をめった刺しにしたうえ、風間の眼を突き刺した犯人の正体が明かされた…。「重要な千枚通しの犯人役、森山未來さんでしたか!」「いや、待て待て犯人森山未來やったやん!!!」「犯人は森山未來さんだったとは…」など、犯人役で出演した森山さんにも驚きの声が上がっている。【第7話あらすじ】15年前に殺人事件を起こし風間に逮捕された男が、風間と遠野を襲い遠野は意識不明の重体となる。風間も右目を刺されていたが事件現場での実況見分に加わる。そこには隼田(新垣結衣)の姿もあり、別の日、風間たち、舞台俳優の元木伊智朗(前原瑞樹)が死亡したというアパートへ臨場。そこに新人刑事の鐘羅路子(白石麻衣)もやってくる…。「風間公親-教場0-」は毎週月曜21時~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2023年05月15日現在公開中の映画『シン・仮面ライダー』より、池松壮亮、柄本佑、森山未來というトリプルライダーが集結した、30分超えのスペシャル鼎談映像が公開された。興行収入は、歴代の「仮面ライダー」映画史上最高記録&初の興行収入20億円を突破した本作。今回の映像では、本郷猛/仮面ライダー役の池松さん、一文字隼人/仮面ライダー第2号役の柄本さん、ルリ子(浜辺さん)の兄・イチロー役の森山さんが、チョウオーグ/仮面ライダー第0号の動きが決定するまでの話や、話題となっているクライマックスの激闘についてなど、ファン必見の超貴重なエピソードを明かしている。クライマックスの3人のバトルシーンは、演者自身が中心に考案されたが、庵野秀明監督から「泥仕合」という差し込み原稿(※現場で追加される台本)も入ったそう。柄本さんは「その日に撮りたいとなって段取り(※本番前に行う動きの確認)が始まったら『変えたい』となって現場で調整するための待ち時間が発生し、3・4時間経って『1回持ち帰って明日にしましょう』となりました」とふり返る。森山さんも「『ドキュメント「シン・仮面ライダー」~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~』で描かれたように、アクション監督の田渕景也さんとアクション稽古をしたり絵コンテやアクション映像を作って……というやり取りは撮影スタジオに入るまでずっと続いていましたね」と明かした。また、チョウオーグ/仮面ライダー第0号の動きについて森山さんは、「本編では使われなかった部分が多いのですが、変身前の基本的な動き方は瞑想や、『プラーナ』というキーワードから考えていきました。プラーナはサンスクリット語で『大気中に存在しているエネルギー』といったような抽象性のある言葉ですが、プラーナを呼吸なのか、体内に取り込んで循環するという考えで動きを作れたら面白いんじゃないですか、という提案はしました」と考案の過程を語っている。『シン・仮面ライダー』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:シン・仮面ライダー 2023年3月18日より全国にて公開©石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会
2023年05月01日映画『シン・仮面ライダー』に出演する池松壮亮、柄本佑、森山未來のトリプルライダーによるスペシャル鼎談が公開された。“原点”をリスペクトしつつ現代日本における最高のキャスト・スタッフが心血を注ぎ、生み出した『シン・仮面ライダー』。公開から1カ月以上が経ち、興行収入は歴代の「仮面ライダー」映画史上最高記録、そして初の興行収入20億円を突破している。鼎談では、チョウオーグ/仮面ライダー第0号の動きが決定するまでの話や、話題となっているクライマックスの激闘についてなど、ファン必見の貴重なエピソードが満載の内容となっている。映画『シン・仮面ライダー』トリプルライダー スペシャル座談会<作品情報>『シン・仮面ライダー』公開中映画公式サイト:映画公式Twitter:
2023年05月01日ハナレグミ、森山直太朗、くるりといった3組のアーティストをゲストに迎えたツーマンツアーを東名阪で行うnever young beach。ツアーの開催に先駆けて、ネバヤンのフロントマン・安部勇磨と対バン相手の対談を3回連続でお届けする。第2弾のゲストは森山直太朗。取材場所である森山のスタジオを訪れた安部は、そこかしこに置かれたヴィンテージギターに大興奮。そしてふたりはしばしギター談議に。スタジオの呼び鈴が鳴り、昼食の出前が届いたところで、和やかな雰囲気の中、対談はスタートした。森山最初はハンバーガーとかサンドイッチがいいかなって思ったんだよ。フツーだったら絶対そっちのほうがいいの。安部はい(笑)。森山でも今日は、安部くんがスタジオに来てくれるっていうから、この町のソウルフード、朝日屋のお蕎麦を食べてもらいたいと思って。安部ありがとうございます。お蕎麦いただきます!森山ここの店屋物、美味しいんだよ。作業するときいつも出前を取ってる。──インタビュー前も、和気あいあいと話していましたが、おふたりはこれまでにも何度かお会いしてるんですか?森山今日で4回目とか?じっくり話すのは初めてかもね。安部そうですね。いつもは大人数でワイワイ話すことが多いです。──そもそもの出会いは?森山ヅミくん(ハナレグミの永積崇)が紹介してくれたんです。ヅミくんって可愛いくて、自分の誕生日にパーティを開いて自分で歌うんですよ(笑)。そこで安部くんを紹介されて。安部「……君がネバヤンか」って(笑)。森山GACKTさんみたいな感じでね(笑)。安部そう! そのとき直太朗さん、一昔前のスターみたいな佇まいで、それこそキアヌ・リーヴスみたいなサングラスかけていて、思ってたイメージと全然違うんですよ。この人、めちゃくちゃ面白いなーと思って。森山ああいう賑やかな場にいると自分を保つのが難しいじゃん(笑)。周りを見たらスターばっかりだから、これ、ずっとふざけていたほうが面白いなと思って。だからそのへんに置いてあったサングラスをかけて、まったく違うキャラクターを演じてたの。ああいう胡散臭い人、パーティとかにいそうじゃん。安部超面白かったです。その後、僕がリクエストしたら「夏の終わり」を弾き語りで歌ってくれて。とにかく凄かったんです。ギャップが凄くて(笑) 直太朗さんにどんどん惹かれました。森山話してるうちに安部くんが学校の後輩だということもわかって、それも僕にとっては大きかった。小中高のエスカレーター校なんですけど、初等部に通ってたというのが重要なんですよ。安部今思えば変わった学校でしたね。すごく自由な校風で。森山先生をあだ名で呼んじゃうノリがあって。シオドンとか。安部懐かしい!森山幼少期の人格形成って教育によるところが大きいじゃないですか。そこで自由に伸び伸び育った結果、ミュージシャンになってしまったという。社会に出て少し苦労する典型という(笑)。安部はははは。──安部くんが最初に森山直太朗さんを知ったのは?安部先ほど話題に挙がった僕の小学校では、卒業式に直太朗さんの「さくら」を合唱するんですよ。それで、この曲を作った人は学校の卒業生らしいということを知って。直太朗さんはサッカー部のOBなんですけど、サッカー部の顧問の先生に「森山直太朗のこと教えてたの!?」とか聞いたりして(笑)。12歳くらいのときですね。森山そのとき、もう音楽には目覚めていたの?安部僕には兄貴がふたりいるんですけど、上の兄貴が直太朗さんと同じくらいの世代でミッシェルガンエレファントとかエレファントカシマシをよく聴いてて。次男はザ・ストロークスとか海外のバンドが好きだったんで、兄貴たちが聴いてる音楽をなんとなく真似して聴いてる感じでした。特にザ・ストロークスとか2000年代のガレージリバイバル周辺のバンドには影響を受けましたね。森山兄弟の影響って大きいよね。僕には5歳上の姉貴がいたから、小4くらいですごくいろんな音楽を聴いていたの。ブルーハーツ、エレカシ、スピッツ、Theピーズ、カステラとか。当時はバンドブームだったから、そういう音楽を一緒に聴いてた。安部僕が中学生の頃、BUMP OF CHICKENとかASIAN KUNG-FU GENERATIONみたいなロックバンドがどんどん出てきたんですけど、そんな中にあって、直太朗さんの「さくら」はピアノと歌だけの超シンプルなサウンドで、めちゃくちゃビックリしたんです。それまではバンドでガーッてやる音楽がカッコいいと思ってたんですけど、こんなやり方があるんだって。子供ながらに歌詞の言葉遣いもちょっと違うんじゃないか?と思ったり。森山ピアノと歌だけだったのは単純に予算がなかっただけで。安部えっ、そうなんですか!?本当は予算があったらドラムを入れようとか思ってたんですか?森山もっと違う大編成になっていたと思う。でもそれが逆によかったのかなって思う。ミュージックビデオも白ホリの前に立って、ピアニストの倉田(信雄)さんの演奏に合わせて歌うっていうシンプルな内容で。フィルムカメラで撮影したんだよね。当時はデジタルに移り変わりつつある時期だったから、予算がなくてフィルムは1回しか回せませんって言われて。安部めっちゃ思い出しました。MVの直太朗さんの恰好がよすぎて真似してました。グレーのスウェットの袖からピンクのシャツがちょっと出てるのがカッコいいなって(笑)。直太朗ごめん、あれはスタイリストさんの部屋着(笑)。安部そうなんですか(笑)!森山全然狙ってないっていうか、あれはスタイリストの北澤(momo寿志)さんの私物なの。予算がないから自分の服を持ってきてくれて。あの頃の作品には不自由さから生まれた“青さ”みたいなものがあるのかもしれないね。安部直太朗さんって学生時代にバンドとかやってたんですか?森山バンドは組んだことない。安部やりたいとも思わなかったんですか?直太朗それなんだよね(笑)。さっきも話したけど、俺、バンドブーム直撃世代で。姉貴の周りにバンドマンの人たちもたくさんいたんだけど、なんか怖かった(笑)。安部今よりも全然バンドマンが怖そうですよね。森山そう。あとバンド内の人間関係とかも面倒くさそうだし。だったらひとりのほうが楽かなと思って。安部自分のタイミングで動けるし。森山そう。そっちを取った感じ。安部くんは音楽をいつぐらいに始めたの?安部ずっとやりたいなとは思っていたんですけど、本格的に始めたのは高校を卒業してからで。高校までは絵を描く学校に通ってて、美術大学とかそっちのほうに進もうと思っていたんですけど、いろいろあって、やっぱり音楽をやりたいということになって。森山今のメンバーとは、どうやって知り合ったの?安部23歳のときにTwitterで募集しました。先にライブが決まっちゃって、メンバーを決めないといけなくて、どうしようもなかったので。ちょうどTwitterが出始めた頃だったんです。「初めまして」ってところからスタートしました。森山Twitterで募集したんだ!凄いね。安部直太朗さんってデビューした頃から歌声が素敵じゃないですか。歌い始めるにあたって練習とかしたんですか?森山最初は物真似だよね。玉置浩二さんや友部正人さん、ボブ・ディランとかニールヤングの歌を聴いて自分の中で響きを踏襲していった。あと自分の場合は、どっちかっていうと音楽的なアプローチよりも発声を大事にしたかな。僕はもともと舞台でお芝居とかしたかったの。安部そうなんですね!森山だからお芝居で台詞を発声する先に今の歌唱スタイルがあったんだよ。安部最初は音楽じゃなくて、お芝居の道を目指していたんですね。森山そう。バイトも渋谷のシアターコクーンでチケットのもぎりとかやってた。2年くらいやってたね。安部歌と演技、どっちもできるって凄いですね。でも歌と演技って、やることが、ある意味、真逆だと思うんですよ。音楽って0を1にするみたいな作業ですけど、演技ってもともとある役に自分の中にある何かを重ねていく作業というか。森山だから曲を作って歌うことって、僕にとってはマッチポンプというか自作自演的な行為なんだよね。自分で脚本を書いて自分で舞台に立ってみたいな。「夏の終わり」なんて、まさにそういう曲で。あれは女性を主人公に置いた曲だから。自分の中で女形を演じる気分というか。狭い世界の話ですけど(笑)。安部凄く面白いです。──森山さんは、どういうきっかけでネバヤンを知ったんですか?森山スペシャで「明るい未来」のミュージックビデオを観て、気になるバンドだなと思ったんです。ポップなんだけど、どこかに影があるサウンドで。安部くんの純朴な歌声も凄くいいなと思った。アナログな質感なんだけど空間を感じるし、なんか久しぶりに日本語のロックを聴いている感じがしたんですよ。歌詞で七五調を多用していて、ロックと現代詩が絡み合ってるような印象もあって。ただ音大や芸大出てます、みたいな感じじゃないんですよね。もっと、こう、部室感というか。安部ははは。そうですね(笑)。森山ほとばしるモラトリアムっていうかね(笑)。なんでみんな砂浜走ってるんだろう、楽しそうだなみたいな。僕はスペシャを観るのが好きなんですけど、色んなバンドのMVが流れる中で、「明るい未来」のあの感じにグッときたんですよ。──若いバンドが数多いる中で気になる存在になったわけですね。森山そうですね。僕、「本場の人が見たら、どう思うんだろう?」ってよく考えるんですよ。ロックって欧米由来のものなので、向こうの人が聴いたら一体どう感じるのかな?って。日本人っていろんな文化に染まっているから、アイデンティティを音楽の中で語るのは、無粋なことだと思うんです。でもそんな中で、どこに意地を持って音楽を作るかが僕は大事だなと思っていて。そういう意味で言うと、ネバヤンって、すごく日本っぽさを感じるバンドだと思うんです。サウンドから漂うノスタルジーみたいなものもそうだし、安部くんが書く歌詞もそうだし。──欧米の借りものじゃない感じというか。森山そうそう。すごくオリジナリティを感じる。特にあの縦書きが似合いそうな日本語の歌詞ですよね。言葉のチョイスセンスも含めて。──歌詞の言葉選びに関して、安部くんの中ではどのくらい意識的なんですか?安部言葉選びに関してはかなり意識するほうですね。曲がどんなに良くても、歌詞がダメだと納得いく作品にならないので。ただ僕の場合、「この言葉を使いたい」というよりも「この言葉は使わないようにしよう」ということのほうが多いかもしれないです。僕は直太朗さんや永積さんの歌詞に影響を受けているので、「おふたりだったらこういう言葉は選ばないよな」とか、そういう基準が自分の中にあるんですよ。あとは自分が歌ったときに嘘くさくない言葉を選ぶようにしています。森山七五調は?安部それは全然意識してないですね。森山そうなんだ。でも意識してたらできないか。安部今、直太朗さんに言われて、確かにそうかもって。森山ネバヤンの歌詞は七七七調もあって、響きが気持ちいいんですよ。──森山さんも歌詞を書くうえで言葉のリズムを大切にされていますよね。森山そこは凄く大事ですね。詩で完結するんだったらリズムを意識する必要はないんですけど、音楽に乗せて言葉を歌うわけですから。メロディに乗ることで、言葉だけでは伝わらない景色が広がっていったり、言葉が聞き手にとっての私事になっていく。音楽を聴くことって、みんなで絵を眺めてるような感覚に近いのかなと思うんです。そこから何を感じるかは、それぞれの自由だし。さっき安部くんがもともと絵を描く道を志していたと言ってましたけど、自分の中で合点が行ったんですよ。──というと?森山安部くんが書く歌詞って主観的なんだけど、どこか俯瞰の視点が入ってるような気がするんです。全体を眺める別の視点っていうのかな。それってある意味、絵描き的な発想ですよね。全体をデザインする構成力とも言えるし。絵を描く人って主観だけじゃ描けないから。そのバランス感覚が曲作りに反映されているのかなと思って。安部はー、めちゃくちゃ面白いですね。自分ではまったく意識したことがなかったんで。初めて言われました。森山しかもそういう人ってアレンジ能力にも長けてますし。安部くんは編曲もやってるの?安部そうですね。アレンジも大まかなイメージを僕が考えて、メンバーに共有しています。それを形にする作業も最近は楽しくて。森山編曲も歌詞作りも最後のほうの詰めの作業が面白いんだよね。盆栽みたいに細かくハサミを入れながら全体的なフォルムを微調整していく感じで。「この言葉は自分っぽいけど、でも絶対にこっちの言葉のほうがモテるよなー」みたいなさ(笑)。安部そういうせめぎ合い、ありますよね(笑)。森山もしくは、あえてダサい言葉選ぶような(笑)。安部ここの語尾は「よ」で合ってるのか?とか、「だ」で強く言い切っちゃったほうがいいんじゃないかとか。そういうところにこだわっちゃいます。森山ちなみに僕は迷ったときは、圧倒的に少数派を選ぶね。安部そうなんですね!森山歌詞のワンフレーズを選ぶときは、100人全員が共感しそうな言葉よりも、100人のうちの何人かに「ああ!」って深く刺さるような言葉を選ぶようにしてる。まあ迷わないのが一番いいんだけどね。安部そうですね。迷っちゃうとどんどん。直太朗凡庸なものになるしね(笑)。安部歌詞に関して言うと、中3くらいのときに聴いた、森山さんの「生きてることが辛いなら」が自分の中ですごく大きくて。一部の人たちは「なんでこんなことを歌うんだ」みたいに言ってたみたいですけど、僕はまったくそんなこと思わなくて、あの曲を聴いて心が軽くなったんです。生々しい部分も含めて、なんて綺麗な表現なんだろうと思って。あと「生きとし生ける物へ」のライブ動画を観てよく泣いてます(笑)。森山そうなんだ(笑)。ありがとう。安部年代によって直太朗さんの歌が力強かったり優しかったり。優しいけど決して間延びしてない、どこか緊張感のある優しさで。「生きとし生ける物へ」を作ったとき、直太朗さんは僕より若かったわけで、どうやってあの領域までいってるんだろう? どういう人生だったんだろう?って勝手に考えると楽しいんですよね。自分の中に沸き上がる感情を直太朗さんはどうやってアウトプットできるんだろうって。森山言葉は違うかもしれないけど、意外と隙間産業だよ。安部隙間産業ですか?森山うん。自分の中にある疑いの気持ちとか、ズルい部分だったり、こういうことを歌ってる人はまだいないんじゃないか?みたいな、そういう気持ちでひたすら曲を作ってきた感じ。僕と御徒町凧が作ってきた歌には本当に色んなタイプがあるんだけど、その中で多くの人に評価してもらったのが、「生きてることが辛いなら」や「生きとし生ける物へ」だったりするわけで。実はその1曲の陰で、犬も食わないような曲がたくさん生まれてるんだよ(笑)。安部直太朗さんも、そうやって試行錯誤を繰り返してきたんですね。僕は曲作りで結構悩むタイプなんですけど、悩んだり行き詰まったりしたとき、直太朗さんはどうしてますか?森山僕も同じく悩むほうなんだけど、悩んでいる中にもサイクルがあって、スッと風穴が空いたときに、その悩みが曲になったりする場合があるでしょ。安部あります、あります。森山結局そういうことなのかなって思う。それが最近だんだんわかってきた。安部本当そうですね。森山逆に悩まなかったらどうなるんだろうね?安部悩まないと怖いですよね。そんな自分を信じられないっていうか。森山疑っていないと?安部自分のヤラしい部分は自分が一番よく知ってるので。そこから逃げるのはズルいんじゃないか?とか、よく思うんですけど。森山でも、そういう葛藤はみんなあるんじゃない?安部直太朗さんの中にもありますか?森山当然。自分の中のズルい部分にある程度折り合いをつけて、もうひとりの自分にテヘペロってすることもたまにある(笑)。ときにはそういう感じでもいいと思うよ。安部なるほどー。森山詞と曲は一緒なの?安部ちょっと前までは曲が出来たらそのあとに詞を書いていたんですけど、考えすぎるとつまらなくなるし、自分の中の鮮度が落ちるなと思って、最近は「せーの」で曲を合わせたときに、適当に歌った言葉を元にすることが増えています。森山じゃあ、どちらかというと曲が先?安部曲が先行するようになりました。フワッと感覚的に出てきた言葉は、メロディと言葉のニュアンスが合っていたら、そのまま活かそうみたい感じになってますね。あまりヒネったり、こねくり回してもよくならないということが感覚的にわかってきたので。直太朗さんはギターで曲を作るんですか?森山僕はギターのコードを7つくらいしか知らないんで、ギターで曲を作ると同じような感じになっていっちゃう(笑)。だから適当なハナモゲラ語の鼻歌で作ってる。そうすると、割と自由度と鮮度の高いものができる。安部鼻歌の段階でアレンジやリズムのイメージは浮かんでいるんですか? ちょっと跳ねてる感じだなとか。森山そうだね。ベタだけどね、僕のアイデアは。安部それをメンバーの皆さんに共有してやってみようってなるんですね。「さもありなん」とか、どうやってアレンジしたんだろうって思いました。直太朗ね(笑)。あれはすごく稀有なパターンで。4つのコードを繰り返す展開なんだけど、僕が家でルーパーの練習をしてたら、そこにたまたま遊びに来ていたギタリストの田中庸介くんがディレイとかを使って合わせてくれて、その場に居合わせた僕の奥さんがオルガンをフワーッて弾いたら曲の骨格が出来ちゃった。安部へえ。森山それをレコーディングで再現したんだけど、ああいう曲って揺らぎが大事だからクリックを使わずに自由なノリで演奏して。だからテレビとかで再現するのがめちゃめちゃ大変だったけど(笑)。遊びの中で生まれた曲だね。安部あのラフさというか感覚的な感じって、計算してできないものだろうなと思ったんですよ。森山すごくバンド的な作り方だったよ。「この音いいね!」みたいな。安部鮮度のいい音がどんどん入って来て。一番素敵な作り方ですね。森山日常との境がないほうがよくわからないものできるよね。偶然が引き起こす面白さみたいな。安部偶然を起こすために何か用意していることとかありますか?偶然ってどこまで自分で起こせるんだろうって最近よく思うんです。森山でもネバヤンというバンド自体、偶然の産物じゃない?TwitterのDMでメンバー募集するなんて、すごい選び方じゃん。俺だったら怖いよ(笑)。安部確かに、今考えると怖いですね(笑)。森山交際0日で結婚みたいなことでしょ?安部言われてみたら確かに(笑)。森山結婚してから、方向性を考えよう、みたいなことでしょ?安部そうですね(笑)。そこから約9年間一緒にやって来て、ある程度お互いのプレーがわかってきたところで、偶然がもたらしてくれるものの凄さや面白さを改めて見直してる感じです。森山長い間ずっと一緒にやってるメンバーだと、どうしてもある程度、計算できちゃう部分があるからね。それは僕も一緒。計算できるからこそ楽なときもあるんだけど、そういう現場からは自分の想像を超えるようなものは生まれてこないわけで。だから僕の場合は、なるべく本題に入らないようにしてる。安部あー!森山ずっとダラダラ無駄話をしたり。そういうことに耐えうるメンバーを選んでる。だから商業的なスタジオミュージシャンの人だと、ちょっと大変だと思う。「で、いつ始まるんですか?」って(笑)。どれだけ無駄な時間を過ごせたかっていう気高さみたいなところがメンバーの共通意識になるっていうか。安部わかります。森山意外と、無駄な時間の中にこそ面白さを生み出す何かがあるような気がするんだよね。「あのとき、あの場所で食べたうどん、超マズかったですよね」とか、音のニュアンスを伝えるとき、そういう共通感覚があると楽なんだよね。意識的に奇跡を起こすのは無理だけど、そういう余白を共有できるか否かは大きい。安部「なるべく本題に入らない」って、めちゃくちゃいい方法ですね。森山ネジリ鉢巻撒いて、「よし、やるぞ!」ってやって、いいものが作れるんだったら、いくらでもそうするけど、そういうことではないじゃん?弛緩した意識の先にあるものを表現するのが僕らの仕事だから。安部音楽には、“場”の空気感みたいなものも絶対反映されますからね。森山だから悩ましいのは、リハのいい雰囲気を、いかにライブで再現できるかということなの。当たり前なんだけどね。ステージに照明が当てられて、目の前にお客さんがいるわけだから。──非日常的な空間ですよね。森山そう。その非日常的な空間をいかに日常に近づけていくか。最終的に自分たちが帰る場所っていうのは、こういうなんでもない時間だったりすると思うんです。安部本当にそうですよね。永積さんや森山さんとお会いするときはいつも、なんでもない時間が流れている感じがして、それがとにかく楽しいんです。その空気感をお客さんとも共有したくて、今回のツーマンライブにお声をかけさせてもらったんです。──対バンのオファーが来たときは、いかがでしたか?森山もちろんうれしかったです。その反面、安部くんから凄いメッセージを受け取った気もして。「お前やれんのか?」みたいな(笑)。安部いやいや、そんなことないですよ(笑)!森山「やれんのか?」っていうのはアレですけど、僕はハナレグミやくるりとは、少し離れた惑星の住人なので(笑)。でも、なんとなくの共通項はあると思うんだよね。安部おこがましい言い方になっちゃいますけど、お三方は自分と同じ源流を持つミュージシャンだと勝手ながら思っていて。そんな先輩方とご一緒させてもらえるのは僕らにとって凄く意義深いことだと思うんです。早くも、めちゃくちゃ緊張してますけど(笑)。森山しかも今回ライブハウスでしょ?ライブハウスで演奏すること自体、僕は久々なんだよね。安部デビューした頃からホールですか?森山いやいや、そんなことはない(笑)。デビュー前は、西荻のワッツや吉祥寺の曼陀羅とか小さなライブハウスでやってたよ。そういう意味でも、今回は凄く新鮮な気持ちでライブに臨めると思う。フォークシンガーとして、ネバヤンファンの皆さんに楽しんでもらえるようなライブができたらいいな。安部よろしくお願いします!Text:望月哲(音楽ナタリー)Photo:山川 哲矢<ライブ情報>never young beach TOUR 2023 “春歌舞”4月17日(月) Zepp Nagoya出演:never young beach / ハナレグミ4月26日(水) Zepp Haneda出演:never young beach / 森山直太朗4月28日(金) Zepp Namba出演:never young beach / くるりチケット情報はこちら:関連リンクnever young beach オフィシャルサイト:森山直太朗 オフィシャルサイト:
2023年04月12日