先日まで全8話にわたって長女との中学受験実録シリーズをお届けしてきました、もりりんパパです。いつも読んでいただき本当にありがとうございます。今回はその総括的なお話、我が家の経験から見えてきた家庭学習での親のあり方を書くことにしました。が、その前に…。僕は前回の記事にて”特集:私がコミックライターになるまで”に参加させていただいたんですよね。その中で自身の毒親疑惑の部分、そしてそれをブログに助けられたことについて少し触れてみました。で、僕はブログやウーマンエキサイトさんでの連載を嫁さんや子ども・両親・親族等に伝えています。子どもたちの成長状況を記事で伝えることも含めて。そして、前回の話を見た長女から言われたんです。…うん。ですよね(-"-;その辺も含めて今回のお話を書き進めていきたいと思います。少しダークなお話になるかと思いますが、どうかお付き合いください。教育で毒親にならないために…僕が長女の勉強に携わりだしたのは彼女が小学3年生の頃。元々は嫁さんが宿題を見ることが多かったんです。しかし、その年の夏休みに…。ずっと様子を見ていた嫁さんがギブアップしてしまいまして。で、ここでバトンタッチをして僕が長女の勉強を見ることになったんです。勉強を見るにあたってその時点で気をつけたいと思ったこと、それは…・主役(勉強をする)はあくまで長女本人・教える側(僕)は基本静観して必要な時のみ声かけくらいでした。しかし、実際は…実際はこのような感じでした。後に長女に尋ねると、それはもう恐ろしい親だったそうです。自分でも今振り返ると…ありえない親だったかもしれません。せっかく一緒に勉強に取り組んでも思い通りに動かない子ども。時には僕は声を荒げ、物を投げてしまうことも…。それが日々続き、自分の感情がエスカレートしていくのが分かりました。これではいけない、それは分かっている。でも感情が爆発すると止まらない、止められない。勉強はきちんとして欲しい、だけど思い通りにならない。どうすればよいのか、分からない…!!まさに負のスパイラル。その流れを止めてくれたのは…。他でもない、長女からのSOSとそれを重く受け止めた嫁さんの存在でした。もちろん、嫁さんに言われてすぐに全て納得出来たわけではありません。それでも、少しづつ自分の中に落とし込んで気をつけていくようにしました。子どもは子ども、親は親。長女は僕自身ではありません。こうやって文字にしてみると当たり前のことですが、それが自分の感情がコントロール出来なくなると分からなくなり、無理強いをしていたのだと思います。まずは親である僕の…自分の気持ちに余裕を持つこと。それが出来ない時は一旦勉強をやめ、環境を変えて思い切ってリフレッシュすること。長女には長女の考えがありますし、もしかしたらだらけているように見えても実は考えがあるのかもしれません。そう気づいたのは、彼女が6年生の頃。中学受験への取り組みをしていた時でした。気づくのに時間がかかりすぎて、長女を中心に、家族には辛い思いをさせてしまったと思います。今だって、正しいと思い行っている育児や教育が、実は間違っているかもしれませんが…。最初に書いたように、長女の人生は長女が主人公。まだ全てを彼女が決めて生きていけるわけではないので、親として時に注意し、時に一緒に笑いながら今この時をともに生きているのだとは思います。でも、そんな中で親としての僕の感情が爆発してしまった時。それを一方的に攻撃的にぶつけてしまうのは違います。自分はあくまで支える側。自分の役割をきちんと考えておかないと、家庭学習にはとくに様々なリスクが潜むと感じました。親としての自身のコントロール。難しいですが…それを怠るとエスカレートし、止まらなくなっていつしか”毒親”となってしまう。大げさではなく、そう感じるようになりました。そうならないためにも、前回の記事に書いたようにブログを書くことで自分の視点を変えて行ったり。また、主役である子ども自身の心の声に耳を傾けて考えていく。そう考えながら接していくことがより良い関係性を築けるのでは…そう考えながら日々家族みんなで過ごしています。以上、前回の続きのお話でした。ここまで読んでいただきありがとうございました。
2019年08月14日ジョニー・トー監督の『ドラッグ・ウォー 毒戦』のリメイク作で、韓国で中毒者が続出、異例の完全版まで公開された驚異のヒット映画『毒戦 BELIEVER』から、日本版予告編が到着した。今回到着した予告編では、『お嬢さん』『工作 黒金星と呼ばれた男』などで日本でも知られるチョ・ジヌン扮する主人公の麻薬取締官・ウォノが、「この操作に命をかけます」と決意の表情を見せるシーンからスタート。そして、組織から捨てられたラク(リュ・ジュンヨル)と手を組み、姿なき麻薬王“イ先生”を追いかけ、麻薬に魅入られた奴らの巣窟“狂人区”に潜入する様子がテンポよく展開。本作が遺作となったキム・ジュヒョク演じる闇マーケットのボスが、銃を片手に狂気の表情を見せるほか、狡猾なドラッグディーラー(パク・ヘジュン)、不敵な笑みをうかべる謎の人物(チャ・スンウォン)など、狂人たちが続々登場。ネクタイピンを取られたり、「お前は誰だ?」と迫られたり、おそらくピンチな様子も伺える。実力派俳優チョ・ジヌンをキャスティングした理由について、イ・ヘヨン監督は「チョ・ジヌンの強烈なエネルギーが、ウォノというキャラクターと共通するところがあると思った」と明かし、「ウォノは自分の標的を無謀に追いかける一方で、人道主義的な側面もある。だからこの役には彼がぴったりだと思った」とコメント。また、話題作への出演が続く気鋭リュ・ジュンヨルは、演じた役について「顔は無表情。でも内側には感情が渦巻いていて」とキャラクターを解説し、「それをどうやって表現するかを考えることで、役作りをした」と語っている。この人気と実力を兼ね備えた2人のほか、韓国最高峰の演技派が集結した本作。その白熱した演技合戦にも注目したい。『毒戦 BELIEVER』は10月4日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2019年08月08日最近よく耳にする「毒親」。毒親とは、名前のとおり子どもにとって毒になる親、害悪になってしまう親、という意味の言葉です。具体的には、子どもに必要以上の圧力を加える親のこと。そうすることによって、子どもが成長してから生きづらさを感じるようになってしまいます。しかし、子どもから毒親と言われてしまう親のほとんどは、自分が毒親であることを認識していません。それどころかむしろ、「子どものために頑張ってきたのに…」という親も多いもの。今回は、オンラインで育児相談なども行っている心理カウンセラーの筆者が、10年後に子どもから「毒親認定」されないために、幼少期から気をつけておきたいポイントを紹介します。子どもの決断を妨げないで「毒親」と呼ばれてしまう親が必ずやっていることがあります。それは、子どもの決断を妨げ、親の決断を押しつける行為です。例えば、子どもに「誕生日だから、あなたの好きなおもちゃを買ってあげる」と言って、おもちゃ屋さんに連れて行きます。子どもはAというおもちゃを選びますが、親がBのほうが良いと思った場合、「AよりもBがいいわよ。頭もよくなるし役に立ちそう。ねえ、Bがいいわよね?」と誘導したり、場合によっては「どうしてAなんて選ぶの!Bのほうがいいに決まっているでしょう!」などと怒ったりして、子どもにBを選ばせる…。これはほんの一例で、生活の中で同様のことはいくらでも起こり得ます。時には進路や友達選びなど、子どもにとって非常に重要な局面で、子どもの選択より、親の選択を優先させることも。このとき親は、子どもにとってよりよいルートを選んであげているつもりなのです。しかしこうしたことが続くと、子どもは「自分自身で決断することは悪いことなのだ」「親の言うことを聞けば、親が自分をほめてくれる、認めてくれるのではないか」と、自らの意志を抑えつけ、相手の顔色を見て生きるようになります。子どもの失敗を恐れないでさきほどのおもちゃの例や、進路、友達選びのように、本来は子どもがするべき選択を親が代わって行ってしまうような時、親には「かわいい子どもに、失敗をさせたくない」という心理が働いています。親にとって、子どもの失敗はかわいそうで、胸が痛むものです。また、親が理想とするような方向にわが子が進んでくれるといいな…という気持ちもあるでしょう。そこで、親は子どもに代わって、よりよいと思われる決断をしてあげるのです。ところが、子どもは失敗によって多くを学ぶものですし、それどころか目の前の失敗を、将来的に大きな成功につなげていくこともよくあります。反対に、幼少期に親が決断を代行することで、子どもが大切な学びの機会を失ったり、自分の決断に自信をもてなくなったりすることのほうが、子どもにとっては大きな失敗であると言えます。長い目で見れば、目の前のことは失敗してもよい、それこそが子どもにとっての成功であると考えなくてはなりません。親の仕事は、目の前の選択を成功させることではなく、子どもを自分の意志と学びとによって、しっかりと選択できる大人に育てることです。ヒステリックに子どもを否定しないで子どもの選択を尊重するといっても、時には子どもを導いてあげなくてはならないことが、確かに存在します。そんな時に心がけたいのは「ヒステリックにならない」ということです。自分は毒親に育てられた…と自覚する人の中には「事あるごとに親がヒステリックになるのがイヤで、自分の気持ちを親に正直に話すことができず、すべてガマンして過ごした」と言う人がたくさんいます。親と子どもは別の人間ですから、親の気持ちと子どもの気持ちが違うのは当たり前です。その時、ヒステリックになって子どもの気持ちを親に従わせれば、子どもは「自分の意見は、主張してはいけないものだ」ととらえるようになり、そのまま自己主張のできない大人に成長していきます。子どもの選択において、子どもの気持ちにしっかりと耳を傾けることは不可欠です。そのうえで、子どもの選択や気持ちを尊重してあげられない理由を話すとよいでしょう。親が声を荒らげ、大きな声で子どもの意志を力任せにつぶすことだけは、絶対にしてはならないのです。常に一歩後ろから、可能性を信じて!目の前の選択肢からひとつを選ぶ、生きることはこの繰り返しです。子どもでも大人でも、間違った選択肢を選ぶことはあります。それによって「これはダメだった!他の選択肢じゃなくちゃ、いけなかったんだ!」と知り、次の選択の機会には、以前とは違う選択をしていけるようになります。子どもには、そうした成長の可能性が常に秘められているもの。親は一歩後ろから子どもの選択を見守り、子どもが転んでしまったら、起きられるように手助けしてあげればよいのです。親が応援してくれている、自分の選択を尊重してくれていると感じれば、子どもはそれだけで自信をもつことができます。反対に、親が自分の選択をまったくアテにしていないと感じれは、子どもは自信を失い、自分のことを「ダメな子」だと思い込み、どんどん自分の可能性をつぶしていきます。子どもがそのことに気づいた時、「うちの親って毒親だったんだ…」と認識するでしょう。一方で、毒親の中にはヒステリックなだけでなく、暴力で子どもの意志を抑えつけたり、育児放棄をすることによって子どもの声をまったく聞かないといったパターンもあります。共通しているのは子どもの気持ちを尊重しないということ。子どもの話を聞き、「そうだよね」と共感することで、親は子どもにとって、安心できる存在でいられます。「あなたのためよ」という言葉で、子どもの意志をむりやりにつぶしていないか、常に親が自省することで、よい親子関係を築いていけることでしょう。<文・写真:ライターあん茉莉安>
2019年07月07日「何をもって“毒”というのか。親は子どもを思うことは毒親ではないと思っていても、子どもは過剰な干渉だと捉えるかもしれない。自分の人生を振り返りつつ、子を持つ母としての感情を、役に投影しました」そう話すのは、湊かなえの短編集をもとに全6話で構成される連続ドラマで、表題作『湊かなえポイズンドーター・ホーリーマザー』(WOWOW・7月6日〔土〕22時~スタート)の主演を務める寺島しのぶ(46)。彼女が演じる佳香は、一人娘で女優の弓香(足立梨花)を自分の思うようにコントロールしようとする母親。娘がドラマで演じたキスシーンについて、“実際はしないと言ったのに、本当はキスしたでしょう”と詰め寄る場面もあるが……。「昔、母(富司純子)と衝突したときのことを思い出しましたね。“これ、デジャブ?どこかで聞いたセリフ!”って(笑)。29歳のとき、『赤目四十八瀧心中未遂』という映画に出ることに猛反対されたんですけど、それでも私は、女優としてのチャンスをつかみたくて反抗しました。だから今回、娘の弓香の気持ちもよくわかるって思って……」親の言うことを聞かない子。「毒娘だったのかな?」と自身を振り返るが、夫の指摘にハッとすることも。「主人がね、“君はなんだかんだと親に反発しているけれど、結局はお母さんの言うとおりにしてるじゃないか”って言うんです。でも、それって自分じゃ気づかないことでした。それに、親になってわかることもありますね。昔は、母は世間体を気にして常識しか言わないって思っていたけど、いざ自分が親になると、子どもには常識がわかる人になってほしいと思うようになりましたから。だから、“私、真面目なこと言っちゃってるなあ”って思いながらも、ちゃんと親が子どもに教えていこう、と」ドラマでは、母親ゆえの感情があふれ出たシーンもあったという。「娘を傷つけようとする人間と対峙する場面。演じていて自分じゃないような瞬間があって驚きました。親の子どもへの愛情は無限ですね」そんな寺島が全身全霊で愛を注ぐ息子の眞秀くんは今年小学校に入学。急激な変化に驚いている。「口数が多くなって、ビックリするくらい言葉遣いが悪くなったんです。親に対して“○○しろよ~”とか言うんです。これからどんどんエスカレートしてくると思うと不安です」しかし、最近の歌舞伎の舞台では、目を見張る成長を感じたそう。「4月の歌舞伎座公演『源平布引滝実盛物語』は、毎日楽しそうに通っている姿が印象的でした。みなさんにとてもかわいがっていただいたようです。それに何よりも千穐楽のお芝居がとてもよかったんです。千穐楽がいちばんいいのは、私自身の課題でもあって。母も“千穐楽がいちばんよかった”と言ってくれました。学校も新しくなって大変だったはずですが、息子よ、がんばった!」いま、眞秀くんのハグが、何よりもうれしいという。「だんだんしてくれなくなると思うので、いまのうちに1回、1回をかみしめたい」としみじみ。では、眞秀くんにどんなふうに育ってほしい?「困っている人、弱っている人に手を差しのべられる子になってほしい。そして、強きものには立ち向かっていく勇気ある人ですね」
2019年07月06日ウーマンエキサイトで人気連載中のモチコさんの記事 「『あの子、嫌い』という子どもの発言…親はどこまで口出していいの?」 には、ある日突然、娘ちゃんが幼稚園のお友だちのことを「嫌い」と言い出してしまったエピソードについて書かれていました。保育園や幼稚園は集団生活の始まりの場所です。小さな子ども同士だから、けんかやトラブルが起きることは当然だと思います。だけど、いきなり「嫌い」という強い言葉が出てくると大人はびっくりしてしまいますよね。そこで今回のアンケートでは、子どもの発言に悩んだことがあるかどうか。また、子どもの発言に関するエピソードについて聞いてみました。■子どもの発言に悩んだことあるが、約8割!子どもの発言に悩んだことがあるかアンケートを実施したところ、一番多い回答が「とてもある」48%、そして「たまにある」33%と続きました。上位の回答を合わせると、約8割の人が悩みを抱えているという結果に。「少しだけある」も合わせると、今回のアンケートでは87%もの人が、子どもの発言を気にしていることがわかります。Q1.子どもの発言にどう答えるか悩んだことはありますか?とてもある 48%たまにある 33%少しだけある 6%ほとんどない 7%その他 6%集団生活はお友だちと遊んだり、家庭ではできないことを経験できたりなど、たくさんのメリットがあります。しかし、家庭という小さな集団で生活してきた子どもにとっては、個人差はあるといえストレスを感じることもあるでしょう。お友だちとのけんかだったり、自分の思うようにできないことへの憤りだったり…。それらが子どものなかで積もることによって、大人がドキッとするような発言につながっていることもあるかもしれません。では、保護者の方は、子どものどんな発言に悩んでいるのでしょうか? 具体的なエピソードを見てみましょう。■「あの子、嫌い!」友だちへの拒絶に悩む親たち集団生活が始まると子どもにも人間関係ができ、そうなると「合う」「合わない」といった相性の問題からも避けては通れないのだと思います。大人であれば、「必要以上に関わらないようにする」などといった対策を自分で取ることができます。また、「嫌い」などの強い言葉を本人に言うこともないでしょう。でも、子どもはまだ発達の途中ということもあり、お友だちとの距離感を見誤ってしまうこともしばしばあるようで…。「3歳の息子の話です。遊ぶ女の子とはケンカが絶えず、会うと必ず揉めます。家でたまに『●●ちゃん嫌い!』とか『●●ちゃんにはコレ貸さないよ〜』と言うので、何とも言えずどうしたものかと思います。女の子に拒否されてしまう息子を見ると親としても悲しくなるので、息子がそう言うのもわからんでもない。ただ、仲良く遊べるときもあるのですが…」「年少のときから仲の良い双子の友だちがいるのですが、その子たちが、娘とケンカすると『キライ!』『もう遊ばない!』『嫌な子!』と言われることが。うちの娘は悲しそうな顔で何も言わず、泣くことを我慢していました。ケンカの原因はうちの娘にも悪い部分もあるので、『次から気をつけようね』という言葉がけしかできませんでした」「このあいだまで、『○○ちゃん大好き!』って言っていたのに、最近は『○○ちゃんはもう飽きた!』って言うんです。嫌い怖いもそうですが『飽きた!』はさすがに良くないし、お友だちに直接言わないように言いましたが、伝わってない様子…」仲良く遊んでいたのにちょっとしたことでタイミングが合わなくなったり、相手の拒否が強すぎてもめたり…。そんなとき、まだそんなに語彙の多くない子どもは「嫌い」という言葉で自分の感情をなんとか表そうとしているのかもしれません。「うちは小学4年生になりますが、同じように、『●●ちゃん嫌い!』と言ったり、芸能人も『この人嫌い』」とハッキリ言っちゃうので、わざわざ嫌いな人言わんでエエよと伝えてます。あまり聞きたくないですよねぇ。でも翌日に遊んで、『やっぱそんな嫌いじゃないわ』なんてケロッと言ってて、同じだなぁと思いました!」汚い言葉や気持ちよくない言葉を子どもが使ったときに、その言葉が相手を傷つけることは伝えていきたいところです。でもモチコさんのエピソードと同じように「嫌い」と言っていても、すぐまた一緒に遊んでいたというコメントも寄せられました。あまり深刻にならなくてもいいのかもしれませんが、でも、もしかしたら、なにか困りごとのサインという場合もあるかもしれない…。考え出すと止まりません!そして、本当にお友だち同士で問題が起こっている場合であっても、どこまで親が口を出していいのかも悩ましいところです。■子どもがだれかと比較するのは親が原因!?大人が不安に感じる子どもの発言は「嫌い」という言葉以外にもあります。たとえば、できる子とできない子を比べたり、友だちを「悪い子」だと断定したり…。小学生くらいのお子さんになってくると、あえて相手を傷つけるような言葉を使うこともあるようで、みなさん悩まれている様子…。どのように子どもの発言と向き合っていくのがいいのでしょうか。「幼稚園のとき『●●ちゃんはあれができなかった』『●●くんが怒られた』というマイナスな発言を聞くようになりました。きっとそこまでには何か理由があると思うけど、何だかモヤモヤ。でも考えたら親である私が『このあいだはこれできたのに、何でできなかったの?』など、他人や過去のことと比べる言葉をたくさん使っていたからだと気付きました。それからはなるべく褒めることを優先するようにしています。『いろんな子に優しくできると、すてきだよね!』など、なるべく具体的に」「わが家の息子は甘えん坊。できることも『ママ~お願い』とかわいく頼んで来ることもしばしば…。そこでまわりの大人が『4歳でしょ? できないの?』など言ってたら、ある日『●●くん、5歳なのにおしゃべりできないんだよ?』と…。成長のスピードはそれぞれだと言うことをわかりやすく伝えましたが、ドキッとさせられた発言でした」ご紹介したエピソードは、子どもの発言から、叱り方など親の側の普段の発言について考えさせられたというパターンです。子どもを注意するとき、ついつい「あの子はこんなこともうできているよ」とできる子を引き合いに出してしまったり、「昨日はちゃんとできたでしょ!」と過去と比較してしまったり…。子どもは良いことも悪いことも、どんどん吸収していきます。それこそ、小さい子どもは善悪の判断もあいまいで、覚えた言葉をただ使いたいだけという側面すらあるかもしれません。だから大人のほうこそ、普段の言い方を気をつけなければ…とあらためて感じました。「ある日、息子が『●●君な、悪い子やねん』と、その子のことを家で話し始めました。『だってな、みんなが座ってるときに立ってるし、並ばなアカンときに並んでないねん』と。少し返答に迷いましたが『じゃあ、息子はなにもかも全部カンペキにできる? 先生に注意されたりしない?』と聞くと、『あ、ホンマや、僕と一緒や!』と妙に納得した顔をしていました。このときは『みんな同じなんだよ』と教えてみました」「できることとできないことがあるのはみんな同じ」であり、「得意不得意は人それぞれ」…。大人になった今だからそう思えますが、成長途中の子どもにとっては、いろいろ経験して学ぶことのひとつなのだと思います。■子どもにとっての味方でいるために。親ができることは?ただ、家庭内で思ったことをなんでも言えるのは、子どもにとって悪いことではないような気がします。小学生、中学生と成長をしていって、もっと困ったことに直面したとき、相談をしてもらえないほうが親はつらいのではないでしょうか。ただ、「嫌い」という言葉はあまり聞いていて気持ちがよくない言葉。だから「どうにかしたい」と思うのもわかります。親はそのとき、どんな対応ができるのでしょうか?▼子どもなりの思いを聞く。嫌いは苦手野菜と一緒?「子どもには子どもなりの思いがあっての発言だと思うので、母親としては一旦は受け止めたいとおもいます。家の中でだけは、本音で話させてあげたいので」「うちも『嫌い』って言うときありました! とりあえず子どもの気持ちを肯定してあげます。そのあと話の前後の繋がりで相手目線からのお話をし、その子のいいところを聞いてます。嫌いじゃなくて苦手って言えるように誘導したり…小さいころは、苦手野菜と同じような感覚かなと」「まずは親の主観を挟まず、しっかり聞いてあげるように心がけてます。同じトラブルが数回あったとき、はじめて、対処方法を一緒に考えたり、先生に相談したりするようにしてます。子どもは、幼いうちは気まぐれで大人が思うほど、深刻な問題は少ないように思います。8年育児をしてきて、いまだからこそ、そう思います。幼少期は、小さなことで、いちいち振り回されてました」苦手野菜と同じような感覚の「嫌い」。これは、少し気がラクになりますね! まずは、子どもの主張に耳をかたむけることが、基本であって一番大切なことなのかも。▼子どもの言葉に親ができる具体策はある?子どもの発言に対しての具体的な対応案もいろいろと寄せられました。「いろんなところから仕入れてくる言葉のなかでも、相手に対して攻撃的な言葉は、やはりドキッとします。年長になった娘に、きちんと意味が説明できるように、私が昔に使っていた分厚い辞書を手元に置くようにしました。本が好きな娘には良かったようです。なぜなぜにも答えられ、親も助かっています。きちんと意味をわかって言葉を使える、相手にどんな風に届くのかを想像できるような大人に育って欲しいです」「習いごと先に苦手な子がいたようです。行きたがらないので『●●くんが苦手なの?』って聞いたら、『うん』と言ったので、曜日を変更しました。苦手な子がいるからといって、習い事まで嫌になるのは私もどうなのかなぁと思ったので」子どもの性格や普段の親子関係から、家庭にあった対応ができるのは理想的だなと思いました。習いごとなど、時間や曜日を変更することが可能な場合は、一度離れてみるという手もありますよね。子どもはたくさんの言葉をテレビやお友だちからインプットして、使ってみようとしますよね。だから、家庭ではできるだけ気持ちいいポジティブな言葉を使ってみると、子どももどんどん使ってみるような気がします。逆に、自身が子どものころ頭ごなしに「そういうことは言っちゃダメ」と注意され、傷ついたというエピソードもありました。「私が幼稚園のころ、母に『(私が)イヤって言ってることやるから、●●ちゃん嫌い』と話をしました。しかし母は私に『そういうこと言っちゃダメ!』とひと言。私は『そうなの? そうしたら先生にお話してみたらどうかな? でもお友だちに嫌いなんて言ったら悲しむよ』などの言葉が返ってくると思っていたのですが、まさかの返し。母は私の味方ではないのかとトラウマになってしまいました。自分の子どもには、同じ思いをさせないようにしたいと心から思いました」自分が子どものころに親から受けた対応って、けっこう覚えているものなんですよね…。それに納得がいっていなければなおさらです。家族に弱いところを見せられたり、愚痴が言えたりするのは、きっと家庭が安全地帯になっている証拠の気がします。まずは自分の気持ちを吐露できる場を作れていたことで親としての第一関門は突破できたと思えると、少し気持ちも落ち着きそう。子どもの意見にはしっかり耳を傾けつつ、必要なときにはアドバイスをし、基本的には見守ってあげられる…。こんな親を目指したいところだけれど、でもこれらは、大人同士のつきあいだって簡単なことじゃないですよね。「あの子、嫌い」は、子どもが家庭から外に踏み出していくなかで出会うチャレンジの1つかもしれません。人付き合いは一生続いていく課題でもあり、力にもなる。だから親子で一緒に、成長していかれるといいですね。Q1. 子どもの発言にどう答えるか悩んだことはありますか?回答数:206Q2. 子どもの発言についてエピソードやご意見を教えてください回答数:46アンケート集計期間:2019/3/21~4/18
2019年06月03日書籍『もうどく水族館 水中&水辺の“毒”生物大集合!』が、2019年3月28日(木)より発売される。サンシャイン水族館が行った「毒」をテーマにした特別展「もうどく展」「もうどく展 2」。累計30万人以上を動員するほどの人気企画は、2018年までに全国に渡りこれまで7都市で開催されてきた。書籍『もうどく水族館 水中&水辺の“毒”生物大集合!』では、特別展「もうどく展」「もうどく展 2」で紹介された生物たちにフォーカス。新たな生物も多数加え、約50種類の有毒生物を写真と解説、コラムを交えて紹介する。本文は5章で構成。水族館スタッフが毒のレベルを5段階分けしたり、「ヘン顔」「小さい」など、生物の特徴に分けて紹介したりと、読んでいて楽しくなる親しみやすい観点で有毒生物たちに焦点が当てられる。毒に関することはもちろん、生物たちの生態、水族館ならではのエピソードなども盛りだくさん。美しい生物たちの写真を眺めているだけでも、そのカラフルな世界に引き込まれてしまうはずだ。【詳細】書籍『もうどく水族館 水中&水辺の“毒”生物大集合!』1,296円(税込)発売日:2019年3月28日(木)仕様:四六変形判 112ページ発行:株式会社 KADOKAWA著者:サンシャイン水族館
2019年03月23日毎週金曜は、TBSラジオ『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント(MP)』の公開放送の日。商店や銭湯、町工場など訪れた場所は1万3,000カ所、今年10月には放送50周年を迎えるという長寿番組で、毒蝮三太夫さん(82)は第1回からパーソナリティを務めてきた。現場で高齢者に呼びかける「ババア」「ジジイ」といった愛ある毒舌も、唯一無二の話芸として今ではすっかり市民権を得ている。MPの放送時間は約30分だが、本番を終えてからのフリートークのほうが長い。政治から介護問題まで鋭く洒脱な説法が1時間以上も続くことも。「年寄りも、健康でいれば医療費の削減につながって、日本全体も元気になるってもんだろう。だからオレは、元気で、チャーミングなババア、ジジイをたくさんつくりたいんだよ」まむしさんの毒舌も痛快なMPが始まったのは、ちょうど50年前の33歳のとき。当初は、もちろん毒舌はなかった。きっかけは、放送4年目に母親のひささんが75歳で亡くなったことだった。自分が愛した母はいないのに、現場に行けば、いつもながら元気印のおばあさんがいる。そんな思いでいたとき、つい口からこぼれたのが、このひと言だった。「オレのお袋は死んだのに、このババアは元気だな」当然、TBSラジオには抗議が押し寄せた。しかし……。「局もスポンサーも、『下町育ちのまむしさんならではの愛ある挨拶です』と味方してくれた。ありがたいと思ってるよ」’86年からは帯番組が『大沢悠里のゆうゆうワイド』となり、月~金までの10時30分から毎日放送され、MPは名物コーナーとして定着していく。やがて、「老いのプロ」としてのまむしさんに各方面から声がかかるようになる。’93年、日本老年行動科学会特別顧問就任、そして’99年に始まった聖徳大学(松戸市)短期大学部社会福祉学科の客員教授の講義は現在も続いている。突然の腸閉塞での入院は、’05年の大みそかのこと。実はこのときS字結腸がんも発見され、7時間もの大手術を受けていた。この入院中、まむしさんは、ある発見をする。「いい患者にならないと損だということ。無愛想だったり、悪態ついてる患者より、感謝の気持ちで接したほうが、お医者さんも看護師さんも、早く治してあげたいと思うのが人情だろ。で、思うんだ。年寄りも同じだって。まわりや若い人から、かまってあげたくなるようなかわいい年寄りにならないと損だと。若い人に嫌われないババア、ジジイになるためには、やさしい気持ちと、服装なんかも清潔にして、あとはとにかく笑顔。これは基本だし、いちばん効く」今から3年前の1月、80歳の誕生日を目前にして、まむしさんは、「終活の第一歩」として事務所の社長を、弟子の千葉潤一さん(54・芸名:はぶ三太郎)に譲った。続いて、ラジオの現場は、月~木の週4日というペースの2年間を経て、昨年4月からは現在の金曜午後だけとなった。まむしさんは、引き際は自分が最初にわかるはず、と語る。「オレは、はっきり言って、運がいい。空襲やチフスもがんも乗り越えられた。仕事も途切れずに続いてる。だけど、いちばんの強運は、カミさん。これは大当たり中の大当たり!だからこそ、その運を返さなきゃとも思うんだ。これは、『幸せの量は決まってるんだよ』と言い続けた、お袋の教え。今の82のオレにできることはなにか。それで、思ったんだ。まずはオレが率先してチャーミングなジジイになって、お手本になることじゃないかってね。だから、お声がかかれば、日本中、どこへでも駆けつけようと思うんだよ。70歳や80歳で気弱になんかなってられねえじゃないか。だって、ババアなんて、ほんとに貫禄が出るのは90過ぎてからだぜ!」
2019年03月22日子どもの人格を否定したり、行動から価値観まで支配して、自由を奪ったりする親を“毒親”といいます。同じように彼女に対して、束縛をして精神的苦痛を与える男性もいるようです。そこで今回は占い師の沙木貴咲さんに、12星座別“恋愛束縛レベル”を解説いただきます。要チェックです!文・沙木貴咲12星座別「恋愛束縛レベル」牡羊座(3月21日~4月19日生まれ)牡羊座男性は男っぽい人が多く、恋愛中、少し扱いが雑だと感じることがあるかもしれませんが、それは彼の“ガキ大将”のような性格からくるもの。基本的には付き合いやすいタイプです。また、牡羊座男性は仕事や趣味、男友達との付き合いなどで、自分のアイデンティティをしっかり確立させるタイプ。自分の存在意義を彼女に求めることはありません。「自分は自分。彼女は彼女」と適度な距離を取ろうとするはずです。彼女のことは大切と思っても、支配願望などはなく束縛することは少ないでしょう。牡牛座(4月20日~5月20日生まれ)堅実な牡牛座男性は、自分に合う女性をじっくり吟味してから付き合うタイプが多いでしょう。現実主義で保守的な価値観を持っていますが、それを彼女に押し付けるようなことはしないでしょう。基本的に、「キミの好きにしていいよ。それに合わせるから」といった寛容さを見せてくれるはず。たまに「キミがどう思うにせよ、ボクはこう思う」といった頑固さを見せることはあっても、人格を否定し、支配するような態度を取ることはないでしょう。双子座(5月21日~6月21日生まれ)彼女とは、友だち関係の延長のようなさっぱりした関係を築く双子座男性。自分と他人の境界がハッキリしているタイプが多いので、彼女に依存して支配したいと思うほど、恋愛にのめり込まないはず。彼女としては、サバサバしすぎていて、もう少し執着してくれてもいいのに……と感じることもあるかもしれません。ただ、双子座男性はオシャレには敏感。メイクやヘアケアを怠ると注意してくるでしょう。蟹座(6月22日~7月22日生まれ)やさしい蟹座男性は、一見、束縛彼氏にはならなそうなタイプ。でも、関係が深くなるほど「キミのためを思って言うけど……」というお説教が多くなるでしょう。本当に大切な存在と認めた途端、ダメ出ししてくるので、最初はビックリするかもしれません。しかも、突かれたくないところをグサグサ突いてくるため、一緒にいるのが苦痛になり別れたくなる女性もいるはず。蟹座男性には、意外にも束縛彼氏要素があるんです。獅子座(7月23日~8月22日生まれ)獅子座男性は、良くも悪くも、自分が一番大事というタイプが多いです。また、女心に疎く「女性の考えていることはわからない」と開き直るようなところがあります。そのため、彼女が自分を愛してくれていると分かっていれば、彼女が何をしても気にしないようです。“俺の女”に手を出す人には容赦なく噛みつきますが、彼女がすることには、基本的に口出しはしません。「したいようにすればいい」と思うはず。乙女座(8月23日~9月22日生まれ)真面目で勤勉な乙女座男性ですが、一方でシニカルな皮肉屋の顔を持っています。きついジョークを飛ばすこともあるので、ギョッとする場面があるかもしれません。また、乙女座男性は向学心が旺盛で「自分は頭がいい」という自負があるはず。無意識のうちに、鼻に付く発言をしてくることがあるようです。学歴面などで嫉妬すると、彼は皮肉を言ったり、マウントを取ってきたりすることがありますが、本人に悪気はありません。優しく見守ってあげましょう。天秤座(9月23日~10月23日生まれ)高い社交性を持ち、彼女であってもベタベタと依存することを嫌う天秤座男性彼女に「いつもキレイでいてほしい」と思いつつも、ファッションや行動を支配するほど口出しはしてきません。また、天秤座男性は、愛する女性を基本的にリスペクトするので、彼女をこき下ろしたり、人格を否定したりすることもないでしょう。ケンカになっても、あまり感情的にならず理性的に解決しようとするはず。蠍座(10月24日~11月21日生まれ)蠍座男性には、彼女のことが好きすぎてたまらない一途なタイプが多いです。彼女のことは何でも知りたいし、一緒にいないときも何をしているか把握していたいと考えるでしょう。彼の愛が重いと感じるなら、そもそも相性が良くないのかもしれません。蠍座男性は、確かに束縛はキツい傾向にありますが、「とにかく彼氏に愛されたい」という女性にとっては、最高の恋人でしょう。射手座(11月22日~12月21日生まれ)射手座男性は、彼女そっちのけで仕事や趣味にのめり込む自由人。そもそも、彼自身束縛されることは大嫌いなので、彼女が何をしていても、あまり気にしないはず。もちろん、人格否定やモラハラ、束縛につながる行動をとることはないでしょう。ただし奔放な彼には、つねに浮気の心配がつきまといます。その点は悩みどころかもしれません。山羊座(12月22日~1月19日生まれ)山羊座男性は、何でもきっちり管理したいタイプ。自分の意見がしっかりあり、思いどおりにならないと気が済まない頑固さも持っているでしょう。彼女に対しても理想を押し付け気味で、一緒にいないときの行動もチェックしたがるはず。本人に悪気はないのですが、彼女としては「もっと自由にさせてよ」と思うこともあるでしょう。また、自分と違う意見を持つことを許容できず、彼女の意見を否定することも。彼の意見を聞きつつ、二人の妥協点を探っていけばより良い関係を築けるでしょう。水瓶座(1月20日~2月18日生まれ)個性的で、しっかりと自分を持っている水瓶座男性。自尊心が高く、自分の考えはつねに正しいと思っているでしょう。そんなクールさや聡明さに惹かれて付き合っても、上から目線の発言や、意見を頭ごなしに否定するという態度にガッカリする可能性が。とはいえ、水瓶座男性は、話せば理解してくれることも多いので、彼と意見がすれ違ったときは、素直に自分の考えを伝えるのが良いでしょう。魚座(2月19日~3月20日生まれ)愛情深い魚座男性は、基本的に「彼女のしたいようにすればいい」と考えるタイプ。率先して彼女にアレコレ指図する……ということは少ないでしょう。むしろ、彼女の言いなりになってしまう方が多いかもしれません。主導権を握りたいと思う女性なら、彼といつまでもラブラブに過ごせるはずです。© syrotkin / shutterstock© sasha2109 / shutterstock
2019年02月26日数年前から「毒親」という言葉を目にする機会が多くなりましたよね。「毒親」とは文字通り、子どもにとって毒になる親のこと。いわゆる、虐待する親などを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、子ども対して精神的にプレッシャーをかけたり、暴言を吐いたり、気分で振り回したりするのも「毒親」のようです。■あなたの家は大丈夫?家族の問題は、他の家と比べるのが難しいので、傍から見れば「毒親」でも、当の子どもは「これが普通」と思い、気づかないまま大人になるケースも多いもの。また、大人になってからも「毒親」に支配され続けるパターンもあり、そういう女性は恋愛や結婚をするうえで支障が出るという話も……。そんな「毒親」にまつわる本をご紹介しますね。あなたの両親は、毒親ではないでしょうか?■毒親の娘は自己肯定感が低くなる?『母がしんどい』(KADOKAWA)まず「毒親」の本と言えば、漫画家の田房永子さん。「毒親」関連の著書が多く、自身が親になってからも、子どもに対する自分の行動に苦しみます。そんな田房さんの代表作は『母がしんどい』(KADOKAWA)です。かわいい絵柄のコミックエッセイで読みやすいのですが、内容は壮絶。幼少期から社会になるまでの、母親の数々のエピソードが書かれています。個人的に強烈だったのは「ブラジャーを買ってくれない」(要は娘が年頃になることを認めない)というお話。「アルバイトや学校行事を邪魔され、参加できない」「娘の友達と仲良くなろうとする」などもびっくり。でも田房さんは、母親を嫌うなんて自分がいけないんだ、と罪悪感を持ってしまい親から離れられないのです。「バカ」「ブタ」といった暴言を吐かれても自分を責め、自己肯定感が低くなった彼女……。自己肯定感が低い人は「自分には人から愛される価値などない」と思い込む傾向があって、相手の好意を信じられなかったり、素直に愛情表現できなかったりしがち。だから恋愛下手な人が多いと言われています。また、親から認められる異性と結婚しなければ、という強烈なプレッシャーにさらされるようです。自分の親ももしかして?と思っている人にとってこの本は、何らかの気づきを与えてくれるかもしれません。■母娘は女同士だからこそ難しい『「毒親」の正体精神科医の診察室から』(新潮新書)2冊目は、精神科医・水島広子さんの著書『「毒親」の正体精神科医の診察室から』(新潮新書)。全8章で構成され、毒親の実態を論理的に説いている本です。症例も豊富で、「毒親」の被害にあっている当事者のケアだけでなく、親サイドの原因も分析。そして「毒親」に育てられた子どもの心のケア方法、問題の手放し方などにも言及しています。第6章の「こじれる母娘問題の『女』について」では、母と娘がまさに「女VS.女」の構図になっていることを解説。ここを読んで、娘の結婚には、少なからず母親が影響を与えていることがわかりました。「毒親」の存在に心を痛めている人は必読。「毒親」とは何かを学ぶのにもおすすめです。■恋愛下手な理由がわかるかも両親が「毒親」とまではいかないまでも、自分の恋愛観や結婚観に親が影響を及ぼしている、と感じる人はぜひ一読を!あなたの恋愛や婚活がスムーズに進まない理由が見つかるかもしれません。
2018年12月11日「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)」が、広島パルコにて、2018年12月25日(火)まで開催される。様々な毒を持つ生き物を紹介し、これまで東京・名古屋・大阪で延べ30万人の動員を記録した「もうどく展」。今回は、「刺す」「咬む」「中毒」など様々な“毒”を持つ生き物を展示。毒々しくも美しい色どりで魅力を放つ生き物や、人間が死んでしまうほどの猛毒を持つ危険生物、また毒を持つ生物に擬態して自らの身を守る生き物など、“毒”にちなんだ生物をあらゆる視点から紹介する。“刺す”生き物として展示されるのは、巨大なハサミを持った「ダイオウサソリ」や、毒のある矢型の歯で魚を殺して丸のみにしてしまう「イモガイ」の仲間など。また小さい体ながら一咬みで7人を麻痺・死亡させるといわれる「ヒョウモンダコ」は“咬む”生き物として、ころんとした可愛らしい見た目ながらも猛毒を持つ「スベスベマンジュウガニ」は“中毒”を起こす生き物として紹介される。その他にも、つぶらな瞳がチャーミングながらも、毒を持っている猿「スローロリス」や、日本三大有毒植物のひとつである「トリカブト」など、危険ながらもどこか惹かれてしまう生物が集結。様々な毒をもつ生き物たちを間近で観察できる、スリリングな体験を味わってみてはいかが。【詳細】毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)会期:2018年11月16日(金)~2018年12月25日(火)会場:広島PARCO本館6F パルコファクトリー住所:広島県広島市中区本通10-1営業時間:10:00~20:30※最終入場は終了30分前、最終日は18:00閉場料金:当日 800円 / 前売 700円※3歳以下入場無料※前売券はぴあ、セブンイレブン、サークルKサンクス、ファミリーマートで販売※前売券販売店舗では会期中も前売料金で購入可能TEL:082-542-2288(会期中)
2018年11月22日「実の母との関係に苦しむ女性の『出口』には、2つの側面があります」と言うのは原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子先生。一つ目は、母と物理的な距離をとる「外科的な処置」。最終回の今回は、「母からの本質的な脱却」について、お話しを伺いました。【母という存在がなぜ苦しいのか】 第1回 「私って、毒親?」と心配するママたちの原因は、“母”にある!? 第2回 母との関係が苦しい。娘の気持ちを母はわかってくれるのか? 第3回 「母に苦しむ娘」たちが生きるために必要なものとは ■「自分のこと」を語れない娘たち信田先生は、「現在の自分の生きづらさが、親との関係に帰因する」と自認している35歳以上の女性を対象にしたグループカウンセリングを、1995年からずっと続けています。「このグループに参加する女性たちは、『自分のこと』を、最初はほとんど語れないんです。自己紹介も含めて『自分』を抽出することが困難であることに、最初は、正直驚いてしまいました」(信田先生)そんなときは、こんなふうに伝えるそうです。「お母さんについて述べてください」「あなたのお母さんがどれほどヘンな人だったかを説明してください」。こう前置きすることで、参加者の方たちは、語り始めることができるそうです。■「被害者性」を自己承認するために必要な3つのステップところで。「私が被害を受けてきた」と、「お母さんが●●した」というのは、一見、同じような言い回しに感じますが、じつは、微妙に異なります。前者では「被害を受けた自分」が認識の出発点ですが、後者は母からの被害の状況を語っているにすぎないからです。「なかなか自分を出発点に話ができないこと。それが、長年母親との関係に悩んできた方々の、大きな課題でもあるのです」(信田先生) では、どうしたら良いのでしょうか?「自分を出発点」に話ができるようになるためには、3つのステップが必要です。最初は、母が自分に対して行った言動を表現すること。 次に、それが自分にとって一種の虐待(加害)行為であったと認め、結果的に自分が被害を受けたことを承認することです。<被害者性の承認までの3ステップ>(1)理不尽で腑に落ちない母の行為を描写する(2)母の行為を評価する(ひどい、無自覚、無神経、残酷)= 母の加害性を認める(3)自分の反応(つらくて苦しい、怖いなどの情緒的反応、緊張で呼吸が速くなるような身体的反応)が当然と思える = 被害者性の承認■「母親を研究する」ことが母からの呪縛を解く娘が、「被害者性の承認」ができるようになったら、いよいよ最終仕上げです。ここでも、DVと重ねるとわかりやすいそう(※)。信田先生は、言います。「DVをふるう夫の認知の仕組みや成り立ちについて知識をもつことが、最大の力になります」※母と娘の関係性とDVの構造はよく似ている。妻はDV夫に対して、さんざんコミュニケーションの必要を訴えても、彼らはそれを聞かずに、暴力を振るい続ける。しかし妻が夫の関係を無理だと気が付いたとたん、夫はコミュニケーションを取ろうと言い出す。母娘の関係も、娘が母から離れるという強い危機感を感じた段階で、やっとコミュニケーションをとろうと母は言ってくる。母親の場合もしかり。「母親という一人の女性をどのようにとらえるか? なぜあのような生き方しかできなかったのか? 何が母にとって大きな挫折・転機・トラウマだったのか? そういったことを研究することが、母の認知の仕組みや成り立ちについての知識を持つことになるのです」(信田先生)つまり、「母親研究」とは、「母の形成過程」を知ること。「母の形成過程の解析・文脈化こそが、母の強力な磁場に取り込まれないための力になり、母からの呪文を解くカギにもなるのです」(信田先生)。最後に、信田先生からのメッセージをお伝えして、この特集を終えましょう。母娘問題を考えるときに重要なのは、「母と娘の力の不均衡」を前提とすることです。母は、「世間の常識」と「親の力」という力をバックにしていますが、娘は「それに対する反逆者」という烙印を押され、罪悪感に満ちてしまっています。母への恐怖や忌避感がある程度減少するまでは、ご自身の味方になってくれる人を、とにかくいっぱいつくりましょう。建物の土台にあたるのが、その人たちとのつながりです。もちろん本連載のような記事や、書籍でもよいでしょう。娘たちは、この「積み上げた土台」の上に立つことで、やっと両者の力の不均衡が和らぎます。そして、「娘と母との共存」が、はじめて可能になるのです。■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『母・娘・祖母が共存するために』 (¥1,512(税込)/朝日新聞出版)子育て中にママにこそ、読んで欲しい!母娘問題の第一人者が書いたメルクマール(指標)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『アダルト・チルドレンという物語』(文春文庫)、『さよなら、お母さん』(春秋社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)『母からの解放 娘たちの声は届くか』(ホーム社)など。
2018年06月28日前回、「実の母との関係が、苦しい」と思っている人が、その関係を抜け出す第1歩は、悲しいかな、「『母にわかって欲しい』という気持ちを捨てること」だと原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子先生に教えていただきました。その「行き止まり感」を受け入れることができたら、次に打つべき手は? 現実的な対応策を伺いました。【母という存在がなぜ苦しいのか】 第1回 「私って、毒親?」と心配するママたちの原因は、“母”にある!? 第2回 母との関係が苦しい。娘の気持ちを母はわかってくれるのか? 第3回 「母に苦しむ娘」たちが生きるために必要なものとは 第4回 「母からの呪縛」を解き、娘と母が共存するために必要なこと -->■「母から逃げることを願う娘」は、たくさんいる「実家のある駅名や母の住む県名を聞いただけで冷や汗が出たり、動悸が早くなったりする女性。じつはたくさんいるのですよ」と、信田先生。こんなふうに、「母から逃げる、離れることだけを考えている女性」というのは、普通にいるそうです。彼女たちは、そのことを誰にも話せません。なぜなら、聞いた人は娘であるその女性がヘンだと思うに決まっているからです。「母と正面から一対一で相対することは無謀な行為」と、信田先生は言います。自分のことを、「愛情深い母」だと信じて疑わない母は、無敵です。その磁場に取り込まれた瞬間、今までがずっとそうだったように、娘は母に対して「イエス」しか言えなくなってしまうのです。では、どう対処すれば良いのでしょうか?■ポイント1:「とりあえず」で物理的距離をおく「まずは、逃げることも含めて物理的距離をおくことを考えましょう」(信田先生)。具体的には同居を解消する、転居先の住所を知らせずに時を稼ぐ、海外で暮らす、といった方法があります。「その際のコツは、『いつまでこれを続けるか』といった先のことを考えないことです。これはDVの場合も同じなのですが、『とりあえず』が、とても重要です」(信田先生)。まずは3日くらいが1週間になり、気がつけば半年経っていたということもあります。先々まで計画を立てると、けっして家を出ることはできないそうです。■ポイント2:母に対して丁寧語を使う諸事情から、物理的な距離をとれない人も、たくさんいるでしょう。そんな方たちに対して信田先生がカウンセリングで提案しているのは、「母親に対して、丁寧語を使いましょう」ということです。何かを頼むときは、「やってよね」ではなく、「お願いします」。了解も「わかった」ではなく、「わかりました」。挨拶を欠かさないことも重要です。「ただいま」「お帰りなさい」「おやすみなさい」といった日常の挨拶を母に対して続けます。「どうしたの? なんでそんな口調なの?」と母から聞かれても、けっして言い方を変えないようにします。そして、「『何でそんな他人行儀な言い方をするのよ』と責められたら、心の中で快哉を叫びましょう」(信田先生)。距離をとるということは、他人行儀になることです。親しき仲にも礼儀あり。親子であっても他者性を維持するために、丁寧語を使い、日々の挨拶を続けます。■ポイント3:仲間をつくる母からの「愛情」を「支配」と読み替える、いわば「母に対する意味の転換」は、一人で抱え込めるほどなま易しいものではありません。信頼できる人に話して聞いてもらうことが必要になります。けれども、そんな知人をすぐに思い浮かべられる人の方が少ないかもしれませんよね。下手に話すと、「お母さんのことを、そんな風に言うなんて」と軽蔑のまなざしで見られるリスクもあります。最近では、ネット上のブログやTwitterなどによって、世の中とつながることができるようになり、同じ思いの人との交流も可能になりました。ネット上であっても、同じ苦しみを経験した「仲間」の存在を感じられることは、どれほど心強いことでしょう。信田先生は、「母との関係性が苦しい人たちに必要なのは、つながる人の数です」と、言います。「自分を強くする、信念をもつ、自分を好きになるといった自己完結的方法ではなく、『あなたの考えていること、語ることはよくわかる』と、否定せず言ってくれる仲間が何人いるかが何より重要なのです」(信田先生)もちろん、ネット上のつながりも良いのですが、できれば「仲間」は姿が見えて声が聴ける方が、より望ましいそうです。「具体的な、生身の存在である仲間を得てもらいたいと切に思います」(信田先生) そんな仲間は家族とは別の、「母に苦しむ娘」たちが生きるために必要なコミュニティなのでしょう。次回は、母に苦しむ娘の、「母からの本質的な脱却」について信田先生に教えていただきます。■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『母・娘・祖母が共存するために』 (¥1,512(税込)/朝日新聞出版)子育て中にママにこそ、読んで欲しい!母娘問題の第一人者が書いたメルクマール(指標)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『アダルト・チルドレンという物語』(文春文庫)、『さよなら、お母さん』(春秋社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)『母からの解放 娘たちの声は届くか』(ホーム社)など。
2018年06月27日「母との関係が苦しい」「母が自分にしてきたことを、自分もわが子にしてしまうのではないか?」。そんな苦しさや漠然とした不安を持つママは、案外と多いそう。「その苦しさから抜け出す第1歩は、知識を持つこと」と、原宿カウンセリングセンター所長の信田さよこ先生は言います。【母という存在がなぜ苦しいのか】 第1回 「私って、毒親?」と心配するママたちの原因は、“母”にある!?? 母との関係に苦しむ女性たち。母は娘のことをわかってくれるのか? 「母に苦しむ娘」たちが生きるためには。「愛情深い」と信じる母との対処法 「母と娘の力の不均衡」が罪悪感を生み出す。娘と母が共存するには -->■母は娘のことをわかってくれるのか?信田先生は、長年、母との関係に悩む娘たちのカウンセリングをしてきました。そのなかで、「はたして、母は娘のことをわかってくれるのか?」という命題を、ずっと考え続けてきたそうです。結論から言えば、「シビアな現実感覚として、でもハッキリとお伝えしたいことは、母が娘のことをわかってくれるというのは幻想です」(信田先生)とのこと。もちろん、最初から「それは幻想です」と、悩んでいる方に伝えてもすぐに理解されることはないそうです。なぜなら、どれほど強く母のことを拒絶していようと、娘たちの母への幻想は、とても根強いものがあるからです。今回、「母との関係に苦しむ娘」であるウーマンエキサイト読者のA子さんも取材に同行し、先生とお話ししていただきました。お二人の会話の中に、「母への幻想」を諦めるヒントがあるのではないでしょうか?■母に、「わかって欲しい」は無理―「『母にわかって欲しい』という気持ちを捨てなさい」と、信田先生はおっしゃいます信田先生:母親にそれを言っても、通じません。どうしても訴えたいのであれば、「通じない」ということを前提に、「家の中にいるお地蔵さまなり、おひなさまに話しているような気持ちで、どうぞ」とは、お伝えしています。でも、そこで、母親に対して「わかって欲しい」と思った途端にダメですからね。それは、無理な話です。A子さん:長い間、母に対して「わかって欲しい」と、訴え続けてきました。何度も何度も訴えましたが、自分で壁に頭に打ち付けて、血を流している感じしかしなくて…。ボロボロになって、やっと、「この人に訴えても、ダメなんだ」と、思い至りました。だから、先生にキッパリ、「母親にわかって欲しいと思っても、通じません」と言っていただいて、すごくホッとしました。「私が感じていたことは、間違えていなかったんだ。あっていたんだ」と。■「コミュニケーション」を取るは欺瞞なのか?―でも、母親は、「コミュニケーションをとろうよ」と言ってきますよね…。信田先生:そこで娘側は、罪悪感を感じてしまうんです。「コミュニケーションをとりたいと母は言っているのに、それに向き合っていない私は、『悪い娘』なのではないか?」とね。でも、それは「コミュニケーション」という言葉の持つ欺瞞(ぎまん)性です。「コミュニケーション」という言葉は、すごく強制的です。「コミュニケーションをとろうよ」と言った母は、自分が思ったとおりに娘に動いて欲しいと思っています。でも、言われた娘は、「母が思っているコミュニケーションと、私が思っているコミュニケーションは違う」と感じている訳でしょう? それでも、「母がコミュニケーションだと思っていること」に自分が合わせられないと、娘は「自分が、悪い」と、感じてしまうんです。―そんなときは、どうすれば良いのでしょう?信田先生:母から「コミュニケーションをとろう」と言われたら、「あなたが考えるコミュニケーションと、私が考えるコミュニケーションは違うんです」と、言えばよいのです。「家族のなかには、いろいろなコミュニケーションがあり、お母さんが考えるコミュニケーションだけが、コミュニケーションではありません」と答えるのが、正論です。もっとも、娘がそう言ったところで、母は、「なんか、ごちゃごちゃ、言っちゃって。どうしたの? 親子じゃない。いつから、そんな冷たいこと言うようになったの?」などと言われるのが関の山ですけれどね(笑)A子さん:そのセリフ、そのまま母が言いそうです。信田先生:とにかく母の話にのってしまったら、ダメなんです。母は、「話せば、わかる」と思っていますからね。そんな母とのコミュニケーションは、新幹線のようなもの。途中では降りられないんです。だから、のってしまったら、絶対にダメなのです(笑)。A子さん:小さい頃から、「必ず母の話にはのらなければいけない」という思いで、やってきました。母の言うことを聞かないと、とにかく面倒くさいことになるんです。そうなると、「(母の言うことを)聞いちゃった方が、無難」という気持ちになるというか…。信田先生:「無難」という感覚は、わかりますね。そうしてしまう自分を少しずつでも変えていくことが、じつは、最初の関門です。少し丁寧にお話ししましょうか。まず、コミュニケーションというのは、「ひとつ」ではありません。「コミュニケーション」という言葉を使ってしまうと、あたかも糸電話みたいに、一本の線がそこにあるにように感じられるでしょう? 母が「コミュニケーションをとりましょう!」と糸電話をしてきたら、「イヤよ」と言うと娘が悪いことになってしまう…。でも、それは、間違いです。母は、「コミュニケーション」という言葉を使ってはいるけれど、単に「自分の言いたいことを、言いたい。それに、相手をのせたい」というだけですから。それが、母にとっての「コミュニケーション」なんです。■母と娘の話は、DVと構造が同じ信田先生:このような母と娘の関係性は、DVと重ねると構造がよくわかります。DV夫たちは、妻が「もう一緒に暮らせない」と伝えると、「話せば、わかる。コミュニケーションをとろうよ」と、100人が100人とも言うんです。妻が「そんなの無理」と言うと、「自分がコミュニケーションをとろうと言っているのに、あいつは話にのってこない」と、責めます。この構造と、母の「話し合いましょうよ。コミュニケーションとりましょうよ」は、同じなんです。でも、その時点に至るまでに、妻はDV夫に対して、さんざん「コミュニケーションをとりましょう!」と、言ってきました。それに彼らはまったくのらないで、暴力を振るってきたんです。それと同じで、娘はこれまで理を尽くして、さんざん話をしてきたのに、母は聞く耳をまったく持っていなかった。それでいて、「娘が自分から離れるかも!」という強い危機感を感じた段階で、やっと「コミュニケーションをとりましょうよ」と言ってくるのは、あまりにも勝手だと思います。―娘なりに、ずっと母とコミュニケーションをとろうとしていた訳ですもんね。信田先生:そりゃ、そうですよ! A子さん:私なりのコミュニケーションを、母に対してずっと、やってきて。「こう言ったら、母は、こう言ってくる」というのもわかります。「私がこう言ったら、母はこういうフレーズを言うだろう」というのまでわかると、何かを言う気が失せてしまうんです。信田先生:私も、長年カウンセラーをやっていますから、「これを言ったら、こう返ってくる」というのはわかりますよ。だからこそ、「わかってもらおう」とか、「伝えよう」と思ってはいけないんです。それをやると、必ずしっぺ返しが娘に返ってきて、娘たちの自滅につながります。■「私、典型的だ」と自覚できれば大丈夫!A子さん:先生の本を読んで、「こんな本がある。これ、私のことだ!」と、感じました。私は、先生の本の典型的な読者なのだと思います。信田先生:「私、典型的だ」とわかるだけでも、いいですよね。毒親をテーマにした本がまだなかった頃は、当事者の方たちは、「こんなヒドイことを考えるのは、世界で自分一人だけだろう」と思っていたのですから。ご本人としては、一人で抱えるしかなくて、もっと大変だったんです。けれども、最近は本屋さんに行けば、こういう本がたくさん出ています。「私だけじゃないんだわ!」とわかるのは、すごく大きいことだと思っています。私は「毒親」という言葉を自分では使いませんが、緊急対応的に使う分には良いと考えています。「うちの母は、毒親だったのか」と定義できれば、娘側の肩の荷がおりるというか。A子さん:先生のご本を読んで、「そうだよね。そうなんだ。やっぱり、そうだったんだ」と、本当にホッとしました。■母との関係に苦しむ女性の「出口」には、2つの側面がある信田先生:でもね、一時的に肩の荷がおりたとしても、母と娘の関係は、ずっと続きます。私がカルチャーセンターで母娘問題の講座をするとき、聴衆の中に、60代の方が必ずいらっしゃいます。当初、60代の方は「母親」という立場で話を聞きにいらしていると思っていたのですが、違いました。「娘」として、来ているのです。いまは90代でも、お元気な方はたくさんいらっしゃいます。60代になった方でも、「母が原因で、鬱になりました」という方は、普通にいらっしゃるのです。「毒親」という言葉を使うと、どうしても、「自分を守る」という発想になります。緊急対応的には、毒親から自分を守るために、母を「捨てる」「切る」といった外科的な処置も効果はあります。けれども、最終的にはこうした外科的な処置ではなく、もっと俯瞰(ふかん)した視点で考えてみないと母からの本質的な脱却はできないんです。前者は極めて具体的な方法論であり、後者は娘たちが自分の足元の土台をしっかりと固める作業です。母との関係に苦しむ女性の「出口」には、この2つの側面があることを知っておいて頂きたいですね。次回は、母と娘の関係に苦しむ女性の「外科的緊急処置」について信田先生に教えていただきます。■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『母・娘・祖母が共存するために』 (¥1,512(税込)/朝日新聞出版)子育て中にママにこそ、読んで欲しい!母娘問題の第一人者が書いたメルクマール(指標)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『アダルト・チルドレンという物語』(文春文庫)、『さよなら、お母さん』(春秋社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)『母からの解放 娘たちの声は届くか』(ホーム社)など。
2018年06月26日「母にされて嫌だったことを、自分もわが子にしてしまうかもしれない…」。そんなふうに感じたことはありませんか? 「いま、虐待の世代間連鎖を怖がるママが、とても多いのが気がかりです」と話すのは、原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子(のぶたさよこ)先生です。「虐待」という語感から、「私とは関係ない話だわ」と感じている人でも、「母にされて嫌だったことを、私も子どもにしてしまっている!」と思ったことはあるのではないでしょうか? 信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。親子・夫婦関係、暴力、ハラスメントなどの問題に関するカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)ほか多数。■母親像にひびが入る5つの人生分岐点信田先生は、著書『母が重くてたまらない・墓守娘の嘆き』を2008年に出版して以来、一貫して母との関係に悩む娘たちへのメルマーク(指標)を世に提示し続けています。そんな信田先生は、「女性の一生で、母娘問題が表面化しやすいきっかけ、ポイントは5つあります」と言います。それは、①思春期、②原家族離脱期(就職・進学など)、③結婚、④出産・育児、⑤介護です。とりわけ出産・育児の時期は、子どもを育てながら「合わせ鏡」のように自分の母親の育児態度が思い出される時期です。「なぜ、あのとき、母はあんな態度だったのだろう?」と苦々しい気持ちがよみがえってきたり、「イヤだと思っているのに、母と同じ口調でわが子を叱ってしまう」と、自己嫌悪を感じたり。育児を巡って、母からの否定的・批判的な態度にカチンときてケンカになることもあるでしょう。子育ての時期は、母との関係性の「ほころび」が見えてくる時期なのかもしれませんね。■「私って、毒親?」と、心配なママたち「毒親」という言葉が広がったことにより、「私って、もしかして毒親?」と、心配になるママも多いようです。「『毒親』と、『毒親じゃないこと』。その境目はどこにあるのか? それは、子どもが自分の母のことを毒親だと思うか、思わないかです。毒親という言葉もけっこう流行語みたいなものですし、まして客観的な基準は、ありません。そんな基準があるとすれば、ママたちを恐怖に陥れることになってしまいますからね」(信田先生)では、わが子を感情的に強く叱ってしまったとき、ママはどのように気持ちを整理すればよいのでしょうか?「もちろん感情に任せて叱ることは、おすすめはできません。けれど、『強く叱りすぎてしまった』という瞬間だけを切り取って、『トラウマになってしまったら、どうしよう』と、思い詰めなくても大丈夫ですよ。それよりも、叱りすぎてしまったあと、わが子に対してどうフォローするかの方が、よっぽど大切です」(信田先生)。「感情的に叱りすぎてしまった」と感じたら、わが子に向き合って、きちんと謝ることができるかどうか? たとえば、「ママ、少しイライラしすぎていたね」と、フォローできれば、子どもが背負う精神的な負荷はまったく違ってきます。そのために大切なことは、逆説的かもしれませんが、「わが子に対して、感情的になってしまった私」を責めすぎないことです。「『感情的に叱ってしまったから、私は毒親だ』と思ってしまうと、自分を追いつめてしまいます。その分のエネルギーを、子どもに対してのフォローに使ってください。子どもとの関係性が全然、違ってきますよ」(信田先生)■重い母たちは不幸だったところで。「自分の母がイヤだ」と苦しんでいる女性たちの母は、どんな人だったのでしょうか?まず、最初にあげられる特徴は、そういった母たちは、不幸しか語らないということ。それによって、娘は「母の人生のカウンセラー」へと、選択の余地なく追い込まれてしまうのです。おそらく母はあたり前のように(何の罪悪感も持たずに)、自分の不幸を娘に語り続けてきたことでしょう。母が不幸を語り続けることが、娘にとってどれほどおびえと緊張をもたらすか…。「その残酷さを思うと、『“自分の不幸を聞かせ続ける虐待”という定義を新設してほしい』という(母との関係の悩む娘たちの)グループカウンセリング参加者たちからの要求に、納得してしまいます」(信田先生)。 ■母と娘の間に起こっていることを理解するとは「母との関係に苦しんでいる娘」は、意外と多いものです。誰に、何を、どう相談して良いのかもわからず、一人で抱え込み、悩んでいる人もいます。また、母との関係に悩んでいる友人に、どう接すれば良いのか迷っている人もいるでしょう。今回の特集では、母との関係に苦しんでいる娘が、気持をどう整理していったら良いかについて考えてみます。「一番大切なことは、知識を持つことです」(信田先生)。まずは、母と娘(自分)との間に起こっていた(いる)ことを、構造的に理解します。この理解がないと、感情が「母親が憎い」と「自分が悪い」の両極端に揺れ動いてしまうそうです。「じつは、メンタル的に一番キツいのは、気持ちが両極を往復することです。これをやってしまうと、心が疲れて鬱(うつ)になってしまうこともあるんですよ」(信田先生)次回は、「母と娘の間に起こっていた(いる)ことの構造」を、信田先生に解説いただきます。■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『母・娘・祖母が共存するために』 (¥1,512(税込)/朝日新聞出版)子育て中のママにこそ、読んで欲しい!母娘問題の第一人者が書いたメルクマール(指標)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『アダルト・チルドレンという物語』(文春文庫)、『さよなら、お母さん』(春秋社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)『母からの解放 娘たちの声は届くか』(ホーム社)など。
2018年06月25日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「実母の存在に苦しめられ続けている」という、ちゃたろうさん(36歳・自営手伝い)に、心屋塾初級認定講師の心みねこさんからアドバイスをいただきました。■ちゃたろうさんのお悩み母親の存在に苦しめられています。結婚後は離れて暮らしていますが、心のなかに常に母親がいて、認めてもらえていないことや否定されたことが暗い気持ちにさせます。母を思い浮かべると嫌な気分になります。年に数回帰省する程度で関わる機会は少ないのですが、なぜこんなに母の存在が大きく、苦しめられなければならないのか不思議です。幼い頃に叩かれるなどの虐待をされた記憶もありませんが、よく叱られ、真っ暗なお風呂場に閉じ込められていました。それなのに、私が子どもをきつく叱っていると「なんでそんなにイライラするのか」ととがめてきます。私は心のなかで「自分を棚にあげて」と思いますが、気持ちをぶつけたことはありません。私も母親になり、当時の母の苛立ちは理解できるのに、「なぜ私の気持ちを分かってくれないのだろう」と不満でいっぱいです。夢のなかにもしょっちゅう母が出てきて、私は泣きながら母を否定したり、怒りをぶつけたりしています。母をとことん傷つけてやりたいと思うこともありますが、私を一番心配しているのは母だと分かっているので、できずにいます。私はどうしたらいいのでしょうか?※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾初級認定講師の心みねこさんよりちゃたろうさん、ご相談ありがとうございます。心みねこと申します。お母さんとは顔を合わす機会も減った。なのに、心のなかには常にお母さんがいて、お母さんのことを考えると感情の折り合いがつかず、暗くて嫌な気分になってしまう。なぜ、大人になった今もこんなに母親の存在に苦しめられなければならないのか? ちゃたろうさんは、随分と長い間「インナーマザー」の存在に苦しめられているのではないかと感じました。インナーマザーとは、生きている実在のお母さんではなく、常に心のなかにいる母親のことです。心のなかに住み続けているので、距離や会う回数は関係なく、どこまでも付きまとってきます。それはまるで、テレビ等で見かける「二人羽織」のようなもの。二人が前後に体をくっつけ、羽織に隠れた後ろの人が手を出して、前にいる人に不自由な食事などをさせて笑わせる、あの芸のような感じです。インナーマザーは常に支配し、コントロールしてくる存在なのです。子どものころに宿ったインナーマザーに対し、私たちはあの頃に感じていた気持ちを残したままです。山ほどある「わかってほしい気持ち」をぶつけることができないまま、現在に至っています。それらは消えることはなく、「未完了の思い」となって心のなかにどんどん蓄積されます。そうなると、良い感情も入ってこなくなってしまいます。ちゃたろうさんも「気持ちをぶつけたことがない」とのこと。未完了の思いがたまっていると考えられます。インナーマザーに話しかけてみましょう。インナーマザーにわかってほしい気持ちを伝えることでその思いは完了していき、苦しみからも解放されることが期待できます。実在のお母さんに正面を切って言えないことも、インナーマザーに対してであれば、少しは言いやすいはず。真っ暗なお風呂場に閉じ込められていた幼い自分は、どのような気持ちだったでしょうか。「暗いよー」「怖いよー」「早くここから出して!」「ひとりにしないで」そんな言葉が口をついて出てくるかもしれません。浮かんだ言葉をすべて出しきってみましょう。併せて、「○○ちゃん、怖かったね」「よくひとりで耐えたね」「えらかったね」「ずっと気づかないふりしてごめんね」「もう大丈夫だよ」「大人になった私が、いつでもそばにいるからね」等々、他にもかけてあげたい言葉が浮かんだら、どんどんかけてあげてください。叩かれるという虐待はなかったけれども、幼い頃のちゃたろうさんの心は、長らく傷ついたままだった。言葉を出しきった後は自分を抱きしめたり、なでてあげたりして癒やしてあげてくださいね。また、子どもをきつく叱っているとお母さんに自分がとがめられる…とのこと。本当はこんなふうに怒っていませんか?「私にはあんなに怒ったくせに、なによ!」「自分のことは棚にあげて何なのよ!」「ずるいよ!」「私にちゃんと謝って!」「私を否定するのはやめて!」「ちゃんと認めて!」「否定されるたびに悲しかった」「わかってもらえなくてずっと寂しかった」自分の気持ちに素直になってみると、ここでも「お母さんにわかってほしい気持ち」があったのではないでしょうか。自分のことを一番心配しているのはお母さんだと思うと、ネガティブな気持ちは打ち消してしまいたくなる。しかしそうした気持ちは、打ち消そうとすればするほど湧き出してしまうものです。傷つけたい、イライラする、不満でいっぱい。そんなネガティブな気持ちがあっていいのです。それらも、ちゃたろうさんにとっては「わかってほしい大切な気持ち」。口にしても構わないのです。最初のうちは抵抗を感じるかもしれません。実際には存在しないインナーマザーの困ったような顔、あるいは険しい顔が浮かんできて戸惑うかもしれません。そんなときは、「私は自分の気持ちに素直になってもいい」「素直な気持ちをお母さんに伝えてもいい」「私はお母さんに不満を言ってもいい」と自分に許しを与えながら取り組んでみてください。ちゃたろうさんが、明るくいい気分になれるように願っています。・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年05月29日最近「毒親」本は相次いでベストセラーになり注目を集める「毒親」ですが、毒親はアダルトチルドレンの原因になったり、毒親の子が毒親になったりと長期に渡って影響を与える深刻なものです。毒親になっていないかのチェック方法から、毒親の与える深刻な影響、毒親の子が毒親にならないための方法専門家の意見を伺ったママテナの記事からまとめました。●「毒親」とは?「毒親」という言葉を知ってますか?毒親とは、子どもを自分の思い通りにしようとし、暴力や虐待、過度の干渉などによって支配下に置こうとする親のことです。子どもにとって「毒」になる親ををこう呼ぶそうです。どんなママが毒親になってしまうのか?子供が成長してアダルトチルドレンになってしまう原因も毒親にあるといいます。しかし、毒親は実は子供の時の親の影響を受けた場合が多く、被害者が加害者になるという状況もあります…。▼続きはこちら▼●あなたは毒親になってませんか?良かれと思ってしている子どもへの激励や応援は実は自分自身の思いを押し付け、子どもを追い詰めて負担になっています。あなたの毒親度チェック、6つの質問に答える事で簡単に確認できます。▼続きはこちら▼●毒親が与える深刻な影響とは?毒親に育てられた子供が親になると、自分自身が否定されて育ったため、しあわせでないと感じ同じことをしてしまう、と専門家は指摘します。毒親チェックであてはまる項目が多かった場合、自分の子供を毒親にしないためにも、この毒親連鎖を断ち切る必要があります。その方法とは?▼続きはこちら▼●しつけのポイントは?毒親にならないようにしながらも、子供のしつけはしなくてはいけないママ。具体的なしつけの方法や、両親を見て学んだことなど、しつけにかんする記事です。▼続きはこちら▼
2018年05月27日現在放送中のドラマ『きみが心に棲みついた』(TBS系)では、登場人物が繰り広げる三角関係が話題になっています。しかし、ドラマのなかでは、主人公の小川今日子(吉岡里帆)と今日子を支配してもてあそぶ星名漣(向井理)が親との関係に苦しむ様子も描かれています。登場人物たちの歪んだ恋愛観や、挙動不審な言動の大きな原因になっていると考えられる親の影響。今回は、それぞれの親とのエピソードを見ていきたいと思います。■娘・今日子を「かわいい」と思えない母親今日子は下着メーカーで働く27歳。昔から自分に自信が持てず、言動が挙動不審になってしまうことがある女性です。母親については、大学生のとき「友だちだけじゃなくて、私、お母さんにも相手にされていないんです。…三つ編み、お母さんが私が子どものころ唯一してくれた」と話しています。今日子は、母親がしてくれていた三つ編みに触れることで安心し、心のよりどころにします。しかし大学で出会った星名によって、よりどころは三つ編みから巻いたストールへと移ります。でもこれって、今日子はいまだに母親の愛情を欲しがっているということなのでしょうか。社会人になっても母親は今日子を受け入れようとしません。今日子の妹が、いとこの結婚式に参列するかどうか聞いてきた電話口で、母親は妹に恐ろしい言葉を告げます。「今日子には連絡しないでって言ったでしょ! あちらは、立派な方ばっかりなのよ。今日子なんて連れて行ったら親族の恥でしょう。あの子はいないことにするって言ったのに」。セリフの中の“あの子はいないことにする”という響きには、背筋が凍り付きます。母親の今日子への拒否感の強さがはっきりとわかるセリフ。なぜ母親はここまで今日子を拒否するのでしょうか。第7話の今日子の回想のなかで、その理由が少しわかります。「おまえ、少し今日子にだけ冷たいんじゃないか」という父親のセリフに対し、「だって、あの子の態度見ているとイライラするんだもん。なおこ(妹)みたいに、純粋にかわいいって思えないのよね」と母親が答えているのです。何をするにも時間がかかる今日子を母親が疎ましく思っていることが伝わります。また、父親についてもこれ以上母親に強く意見をしていないようにみえ、ことの重大さを認識しているとは言い難い状況だったようです。■いびつな家庭で育った星名。暴力をふるう父と傍観する母一方、星名は今日子の大学時代の先輩で、会社の上司としても再び今日子の目の前に現れます。その星名はより複雑な家庭環境で育っています。これまで星名の子ども時代の回想が散りばめられてきましたが、3月6日放送の第8話では、ついに星名の過去が明らかになりました。母親の不倫相手との子である星名は、父親から暴力を受けて育ちました。父親は悪い成績のテストを持ち帰ってきた星名を、「顔も悪い、頭も悪い。誰に似たんだろうな?」と言いながら殴ります。また、父親が星名にはさみを向けて突き刺そうとする回想も。その様子を母親や姉は見て見ぬ振りをしていました。そして、最終的に母親は星名の父である不倫相手を包丁で刺し殺してしまったのです。小さいころから暴力を受けて育ち、母親も殺人者になり、星名はさらに孤独になりました。しかも刑務所で星名が会いにいった翌日に自殺未遂する母。ここでも星名は母からの愛を受けることなく、息子の気持ちなど微塵も思いやることができない母の姿に直面します。刑務所から出てきた母親からの手紙には、「今後一切、私にはかかわらないでほしいのです。私は私で生きていきます。体には気を付けて。さようなら」と書かれていました。それを読んで動揺する様子の星名からは、今日子と同じく、やはり愛情を受けたかったという思いが伝わってきました。■なぜ今日子は星名から逃げないのか?今日子は、ひどい仕打ちを受けならがも、どうして星名から逃げることができないのか、8話ではその答えもわかってきました。「本気で逃げたいなら俺を殺せ」と星名から迫られるシーンで、今日子は心の中ではっきりと感じるのです。「どんなにひどいことをされても、私を受け入れてくれた記憶が消えない限り、私はこの人を心の底から嫌いになることなんてできない」。小さいころから親に満足な愛情をかけてもらえず、受け入れてもらえなかった今日子。大学時代に出会った星名に「ありのままのキョドコでいい」と受け入れてもらった記憶は、簡単には消せないのでしょう。今日子が親からの愛情を受けて育っていれば、ここまで星名に縛り付けられることはなかったのかもしれません。またどうしてここまで星名は、今日子を縛りつけてきたのでしょうか。もしかしたら今日子のなかに見え隠れする「親から満足な愛情を受けなかった」気持ちに自分自身を見てしまうことでかわいそうに思う気持ちと、「最低な親でも欲してしまう」気持ちに嫌悪する感情がぶつかり合い、星名自身もうまくその感情を操れないでいるのかもしれません。8話のラストで星名は、今日子に精一杯の悪ぶりを発揮しますが、今日子が部屋から出て行ったあとの一言「死にてぇ」には、衝撃を浴びせられます。壮絶な過去を持ちながら、社会的成功者にまでのし上がってきた星名。今日子への執拗なまでの嫌がらせにより、これまでただの冷たい男に見えてきましたが、そこに隠れた「今日子に助けてほしい」とすがりつく心の脆さには胸を打たれます。小さいころに親からどんなに苦しめられたとしても、星名が今日子に対して行っている支配や縛り付けは許されることではありません。けれども2人の親との関係性から物語を見つめなおすと、それぞれの見方も少し変わるように思います。次回第9話は、3月13日夜10時から放送されます。予告によると、今日子が母親との関係を改善すべく数年ぶりに実家を訪れる決心をするそうです。登場人物たちが親との関係をどう乗り越えるのか、最後まで見届けたいと思います。
2018年03月12日コーポラティブハウスに住む、事情を抱えた4家族を描く『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)。物語が進むに連れて、登場人物たちが育ってきた環境も徐々に明らかになってきた。第1話から強烈なインパクトを放ち続ける大器(松山ケンイチ)の母・聡子(高畑淳子)をはじめ、奈々(深田恭子)の母、渉(眞島秀和)の母、そして3月1日に放送された第7話には深雪(真飛聖)の母が登場。そんな母親たちに注目すると、子どもに「幸せな人生を送ってほしい」と願う気持ちは同じでも、一歩間違うとその思いは子どもを苦しめる毒になると気がつかされる。それでは私たちはどう子どもに接していけばいいのか、ドラマから読み取れる育児のヒントを探ってみたい。■母としての自分を顧みることができますか?ドラマの名物キャラクターともいえる大器の母・聡子は、嫁の奈々も大切に思う、心優しき肝っ玉母ちゃん。悪気なく「孫が見たい」と大器と奈々に伝え続けてきたが、夫婦が不妊治療に取り組んでいると知り、自分の言動を猛省する。第6話で「子供なんて産みたくなかったよ!」と本音を吐く実娘に「あんたが言った言葉は、どれだけ残酷で、無神経で、ひどい言葉か。謝りなさい!」と声を荒げてビンタする姿は、母親としてのやりきれなさと、奈々への思いやりに満ちていた。そして、なかなか子どもができないことを謝る奈々に対し「奈々ちゃんがお嫁さんになってくれて本当によかったと思ってるの。だから、子どもができようができまいが、そんなことどうでもいいの。あんたたちが幸せに暮らしてくれてるならそれでいいのよ。もう、私たちのためにがんばって作ろうなんて思わなくていいからね」と涙を流して訴える姿も印象的だった。第7話では、聡子夫婦が経営する焼き鳥店に大器、真一郎(野間口徹)、亮司(平山浩行)が訪れる。はじめは「愚痴のひとつも言いたいときはありますよねぇ」と笑顔だった聡子だが、男たちのちっぽけなプライド話を耳にすると、「バカなこと言ってないで、帰って女房の手伝いでもしなさいよ。バカ亭主どもが!」と一喝。子どもたちを叱咤激励しながらも、母親としての自分を顧みることも忘れない聡子は、どんなときも愛にあふれている。■「母の思い=子どもの思い」は毒親寸前か!?初登場となった深雪の母・百合恵(多岐川裕美)は、経済安定第一主義。お金の無心に行った深雪を、夫が「一流商社にお勤めなら、お金の苦労だけはしなくてすむ」と制し、娘の心を慮る様子はない。だれに対しても自分の意見を主張してきた深雪だが、母親に対しては事情が違うようだ。おそらく深雪は、幼いころから母親の前では自己を抑えて生きてきたのだろう。「あなたは受験に失敗したところから、人生狂ってしまったから」という母親の言葉から、深雪がこれほどまでに娘の中学受験に固執する理由が表面化。つらかった自分の過去と同じ道を娘に歩ませたくないという母としての願望が垣間見えた。もしかすると、深雪は母を憎んでいるのかもしれない。だが、やるせないのは、実娘に対して同じように自分の気持ちを押し付けている現状に気づいてないこと。ダンスの練習に励む娘の優香は、いまだ母親に自分の本心を言えずにいる。今後、深雪が母親としての自分の在り方と向き合うときは来るのだろうか。■“普通”な幸せは、子どもの幸せなのか?渉の母・ふみ(田島令子)は、“普通”であることを重んじる母。それを知る渉は「カミングアウトしないのが親孝行」と、自分が同性愛者であることを隠し続けてきた。だが第7話で、母が壁に飾られた“誓約書”に気づいてしまったことをキッカケに、急きょカミングアウト。そこで母から出たのは「私の何がいけなかったのかしら」という言葉だった。第4話で、不妊治療の話を聞いた奈々の母も「ごめんね。普通に妊娠できる体に産んであげられなくて」と話しており、子どもに何かあれば自分自身を責めてしまうのは母親として必然なのかもしれない。もちろん、息子の突然すぎる告白をすぐに受け入れられる母親はそうそういないだろうが、渉には朔(北村匠海)という最愛の人がいて、幸せに暮らしている。そんな息子の幸せを受け入れることができず、自分を責めてしまうのはあまりに切ない。母親は子どもがいくつになっても母親で、子どもには自分自身が思い描く“幸せな暮らし”をしてほしいと願うもの。そこにあてはまらない幸せを“普通じゃない”と否定してしまうのはナンセンスだが、何の疑いもなく息子の結婚を望み続けたふみの気持ちを思えば、現状を受け入れられないというのも理解できる。■子の“幸せ”を願う、母としての在り方とは一方、母になることを願わずに母(の立ち位置)になってしまったちひろ(高橋メアリージュン)は、心を開かない亮司の息子・亮太に「何か不満があるなら言ってね。私、お母さんじゃないから、心で思っていることまでくみ取ってあげらんないからさ」と話しかけてみたり、子どもが欲しいものを与えるだけの亮司に、「亮太くんに嫌われたくないから必死に機嫌を取っているだけ」とNOを突きつけたり、母親とは少し違った立場から正論をぶつける。そして、娘の成績が下がっているのは亮太のせいだと決めつける深雪に対しては「うちの亮太のせいで、成績が下がったっていう証拠はあるのか」と反論。なんだかんだ言いながら、いざという時に子どもを守るちひろの姿にはグッときた。母親の願いは“子どもが幸せに暮らすこと”であって、自分が思い込んでいる“幸せのカタチに当てはめること”ではない。大切なのは、子どもを一個人として尊重し、信頼し合うような関係をいかにして築くか。“子ども”というものを客観的に捉えるちひろの考え方には、親子の関わりについての大きなヒントが詰まっているように思えた。予告では、主治医から「妊娠してますよ」と告げられる奈々の様子も映し出され、早くも「無事に生まれて欲しい」と願う声が続出中の『隣の家族は青く見える』。第8話は、3月8日夜10時から放送。木曜劇場『隣の家族は青く見える』ドラマ公式サイト:
2018年03月07日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「自分を好きになりたいのに、母親そっくりな自分が嫌い」という、ドーラさん(50歳以上・看護師)に、心屋塾上級認定講師の高橋かのんさんからアドバイスをいただきました。■ドーラさんのお悩み50歳にして、未だに「自分のことを好きな人」になりたい、という夢が捨てられません。私は、ガミガミうるさくて意地悪で被害者ぶっている実の母親が大嫌いです。ですが、最近自分が母親に似ていることに気付いて愕然とし、ますます自分が嫌いになっています。心屋の考えに触れ、”自分の中の小さい子ども”に声をかけてあげていますが、その度に泣けて泣けて…。母親そっくりの「ガミガミうるさくて意地悪で被害者ぶる自分」を好きになれる日は来るのでしょうか?※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾上級認定講師の高橋かのんさんよりドーラさん、ご相談ありがとうございます。高橋かのんです。「自分を好きになりたい」と心屋に触れ、自分に向き合っていらっしゃるとのこと。素敵だなぁと思いました。ぜひ好きになっていただきたいですし、なれますよ!ただ、もしも「どんな自分も好きと言えなければいけない」と思っているのだとしたら、それを叶えるのは苦しくなっていくことでしょう。なぜなら、それが”完璧主義”な考え方だからです。欠点もあるけれど、なぜか憎めず、その不完全さが逆に安心感や親近感を生み出している人が、ドーラさんの周りにもいませんか? 欠点も時に顔を出すけれど、「好きな部分もたくさんある」と許せる――。「自分を好きな人」というのは、そんなイメージだと思ってみてくださいね。「出来が悪いほど可愛い」になったら最高です(笑)。ですから、ガミガミうるさいところ、意地悪なところ、被害者ぶっちゃうところが時々顔を出して、「嫌だな」と思う瞬間があってもいいのです。そうした自分の欠点もわかっているからこそ、それでも一緒にいてくれる人に感謝も湧いてくるもの。相手に悪かったなと思ったら、素直に謝ってみてください。そして、必要以上にその自分を責めず、「そういう自分もいていいよ(そういうときがあってもいいよ)」と許してあげてください。「自分の嫌なところ」は、目につきやすいですよね。目につくと、時々しか顔を出さないのに、「それが私という人間」だと極端に捉えてもしまいやすいです。でも、そんな自分を撲滅しようとも思わなくていいのですよ。ドーラさんには、ガミガミうるさくない穏やかなときも、意地悪でなく優しいときも、被害者ぶらないときもありますよね? ともすると、本当はそういった時間のほうが多くを占めているのではないでしょうか。そんな時間のドーラさんのいいところや好きな部分を、もっと好きになってもいいのです。なぜ「自分の嫌な部分」をそんなに嫌うのか。それは、ドーラさんも気づいているとおり、お母様の嫌いな部分にそっくりだからです。小さい頃から、お母様のその部分を嫌ってきたからこそ、自分も嫌いだと思ってしまう――。(※)「自分はそうならないつもり」がなってしまう仕組みについては、 こちらのページ も参照してみてください。お母様のその嫌な部分のせいで、ドーラさんも嫌な思いをしてきたことと思います。ですが、その「被害者」も、もう終わりにするときが来ているのかもしれませんね。そのお母様を許すことは、自分を許すことでもあり、一石二鳥です。お母様が目の前にいるイメージで、こんな言葉を、上から目線で言ってみてください。「お母さん、大嫌い! ガミガミうるさくて意地悪で被害者ぶっているとこが大嫌い。そのせいで私、嫌な思いをいっぱいしてきたよ。なのに、私もそんな人になっちゃった。だから、お互い様ってことで許してあげる。私の被害にあった人に感謝してよね。でも、その嫌いな部分以外は大好きだよ。お母さん、大好き!」と。そして、こんなふうにも呟いてみましょう。「お母さんみたいになってもいい。っていうか、もうなってるし!」「たまには、人に私のような思いをさせてもいい」。私が好きなインドの言葉に、「人は生きていれば、迷惑をかけあうもの。だから、あなたも許しなさい」という趣旨の言葉があります。「社会全体で、お互い様」ということで、それが「許し合う」ということなのでしょうね。この許すには、「自分を許す」も入っていると私は思っています。ドーラさんが、いろんな自分との関係を良好にしていくことで、人間関係も良くなり、楽しく過ごされていくことを応援しています! ・このカウンセラーのブログを読む
2018年01月23日「毒親」という言葉を目にしたことはありませんか?過干渉や無関心、育児放棄など、子どもにとってつらい存在になってしまう親のことを言います。この毒親の存在は子どもが大きくなってからも、様々なシーンで選択肢やものの捉え方に影響しがちです。たとえば結婚観についても……。■苦しい状況から脱け出すためにテーマとしては少々ヘビーですが、幸せな結婚を目指すにあたり、毒親に悩んでいる方は、ネガティブ思考の脱却のヒントにしてもらえたらいいなと思います。記事作成にあたり、「毒親」にまつわる悩みを抱える女性たちにお話を聞かせてもらいました。■Case1:母の過干渉で破談の経験ありAさんは30代前半の独身女性。保育資格を取得してから、小規模の保育所や病院の院内保育所で働いています。子どもが好きで、いつか自分も家庭を築きたいと思っていると言います。しかしAさんは、成人後も母親の過干渉に悩んでいました。「いつどこで、だれとなにをしているという報告は当たり前。しないとうるさいから連絡してました。それが親と同居中ならまだわかるけど、職場の寮にいても電話で報告しろっていうのは異常ですよね」彼女の母親は、常に娘であるAさんの行動や交友関係を把握していないと、心配でいられないほどでした。勤務後に電話に出ないと何度も着信を残したり、報告なしで友人と映画を観に出かけたときは、寮の前で何時間も待っていたりしたそう。そんなAさんは4年前に、結婚前提でお付き合いしている男性がいました。でも、過干渉な母親ですから、パートナーを紹介するや否や、デートは母子同伴でないとダメだとか、「しばらく実家で同居しなさい、人柄を見極めるから」と言う始末。結果的に当時のパートナーは「義理であっても母になる人があのようではやっていけそうにない」と判断し、破談になったのです。学生時代から窮屈さを感じていたAさんは、保育を学ぶ中で、母親の自立できていない点などを客観的に見られるようになり、物理的に距離を置くことを決めました。現在は母親に内緒で他県へ転居し、新たな職場で結婚したいと思えるパートナーと交際中。結婚観についてはこう語ります。「わたしも子どもを産んだら、愛しさのあまり過干渉になるかもしれません。母は自分が過干渉だと認めないし、自覚もないんです。子どもはそれだけ、人を盲目にするくらいかわいいのだと思います。けど、わたしは子どもの自由や人格を奪いたくないですね」Aさんは母親と同じことを繰り返さないよう、俯瞰的に物事を見つめていこうとしています。■Case2:常に自分が一番でいたい母親20代のBさんの母親も娘いわく「毒親」だそうです。まだ50代前半の母親は、身なりも若く、自分が一番でないと不機嫌になる性格。Bさんは母親のことを「子どものまま」だと言います。気に入らないことがあるとヒステリックになるため、父親もだんまり。娘のことを「よくできたお嬢さん」などとほめられると「あの子はたいしたことない、こんなところがダメだ」と、謙遜を超えた人格否定にまで至るとか。つまり、自分の娘でも自分以外の人がほめられると、悔しくなる性格なのです。子どもの頃、周りの人がほめてくれることも否定され、努力から得た成功も、誰でもできると一蹴されてきたBさんは、自分のことをこう分析しています。「わたしは自己評価がすごく低いって言われます。自分ができることにもっと自信を持ちなよとか。恋愛も、お付き合いしている人はいるけど、いつ嫌われるか心配。そんなネガティブ思考があるから、結婚はもう少し自分の中で自信がついてからがいいなって。結婚が決まったら母とはもう会いません。きっと彼のことも否定するし、生まれた子どもも否定するだろうから」わたしのことを不幸な子だと思って元気に暮らしていればいい、と突き放したように話す姿が印象的でした。■毒親からの脱却と幸せのためには…AさんもBさんも、本当は親に結婚を祝福してほしいけれど、チャチャを入れられるなら報告したくない。結婚後は距離を置くか、最低限の交流のみにしたいと考えていました。自分の親が毒親であることを認めるのは、つらいことだと思います。でも、親の影響で自分の人生をのびのびと過ごせないのは、もっとつらいこと。まずは距離と時間を確保して「自立」することが大事なのではないでしょうか。毒親育ちの女性は、自分も同じことを繰り返すのではないかと考えることがあると言います。でも、第三者目線で見つめられるようになれば、きっと素敵な人生、そして結婚生活を送れるはず。心が落ち着かないときは、専門家に相談するのもおすすめです。ライタープロフィールsakiたまに毒舌なコラムニスト。一度ハマるとどっぷり浸かるB型アラサー。アロマとコーヒーと舞浜の某レジャースポットをこよなく愛しています。
2018年01月18日「怒り」そのものは、人間として、ごく自然な感情です。本質を知り、付き合い方を知っていればむやみに恐れるものではありません。そうは言っても毎日子どもを怒ってばかりという日々から抜け出したいと思っているママたち。では怒りの感情を持ってしまったら、どうすれば抜け出すことができるのか、最終回の今回は、アンガーマネジメントの手法を3つご紹介しましょう。NPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さんにお話しを伺いました。■「アイメッセージ」で、「怒り」から抜け出す自分の中に怒りを感じ、「腹が立つ!」と言ったときは、「私=怒り」です。「でも、『私は、怒りを感じている』と言うと、『私=感じている』となり、感情(怒り)から少し距離をおけます」(高山先生) 自分と感情の間に距離ができて、少し冷静になったら、怒りの種である「第一の感情」を言葉にして、アイメッセージで伝えます。まず、「私は」と言い始めてください。次に「○○(思考)なので、●●(感情)です」と続けます。これが、アイメッセージです。自分の思考や感情を比較的冷静に、具体的に伝えることができます。●アイメッセージに言い換える方法「なんで、いつも遊びながらご飯を食べるの!」(本当の気持ち:ご飯をモリモリ食べてくれなくて悲しい)↓(言い換える)「ママ、○○くんが遊びながらご飯を食べていると悲しいな」(「ママは」「わたしは」を使うと、本当の感情が伝えられて、冷静な会話がなりたつ)「不満を言うだけでは、単なる親子げんかです。けれど、『ママは』をつけて、自分の気持ちを言い表すと、『意見』になり、子どもと少し冷静に話すことができるようになります」(高山先生)■「なんで」は失敗の原因を探る言葉怒っているときに、つい口から飛び出てしまう「なんで」という言葉。「なんで」、は、失敗の原因を探る言葉です。物事の解決につながりにくく、子どもや自分への怒りを招きがちです。このような後ろ向きの言葉が口ぐせになっている場合は、「どうしたら」を口癖にするように意識してみると良いかもしれません。「『どうしたら』は、物事を、『次の成功』に導くための、前向きな問いかけです」(高山先生)「どうしたら」と結びつくのは、「できる」です。「どうしたら」と自問すれば、「できるかな?」と、前向きな言葉が自然に出てくるのです。■怒りの記録をつけてみよう最後に長期的な視点にたった、怒りに対しての抜本的な方法をご紹介しましょう。それは、「イライラした」「腹が立った」「気持ちが落ち込んだ」といった出来事の記録である「アンガー・ログ」をつけること。ほんのメモ程度でかまいません<「アンガー・ログ」の5つのポイント>①いつ、どこで?自分が怒りやすい時間帯や、場所を見極めるための項目。日付だけでなく時間も書き、場所も具体的だとgood②どんなことがあったか?怒りを感じた場面を描写。感情は抜きにして、場面を描写することに徹します③そのとき自分が思ったことその時、自分が思ったことを素直に書き出します。自分で読み返すだけのものなので、人目を気にする必要はありません④どんな感情を持ったかイライラした、怒り、失望・・など、感情の種類を書きます。例)〈感情〉イラっとした⑤怒りのレベル感じた怒りがどのくらいか、ランク付けをします。ランクは目安を、前もって決めておきます例)〈怒りのレベル〉5点くらいだから、レベル2出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋 <怒りのレベル例>出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋■「怒りのきっかけ」を減らすには「アンガー・ログ」は、自分の観察日記です。書いたときには「怒るのは無理もない」と思ったことでも、あとで読むと「こんな些細なことで怒っていたのか」「このときに怒ったのは、第一次感情(※)が、こうだったからだ」など、気づくことがあるでしょう。こんなふうに、アンガー・ログを読み解いていくと、自分の怒りのパターンが見えてきます。「アンガー・ログから浮かび上がることのなかで、いちばん対策を立てやすいのが『怒りのきっかけ』です。きっかけを減らすと、行動も変えやすくなります」(高山先生) ※第一次感情とは怒りの下に隠れている感情を、第一次感情といいます。第一次感情のなかには、「不安」や「悲しみ」といったマイナスの感情だけではなく、「希望」や「期待」などの前向きな感情もあります。 ●「怒りのきっかけ」を減らす例例1)<自分の「怒り」の傾向>疲れがたまった夕方や空腹時にイライラして子どもに怒りやすい<対策>大切な仕事は午前中、少なくとも午後の早めには終わらせておく。夕方になったら軽食をとる例2)<自分の「怒り」の傾向>ママ友が思ったようなリアクションをしてくれないとき、怒りやすい<対策>「期待・希望」といった第一次感情が大きすぎる。無意識に自分の「期待・希望」が大きくなっていないかノートに書き出してみる「『アンガー・ログ』で怒りの傾向がつかめたら、まずは改善策をひとつ決めて実行してみましょう」(高山先生)「怒り」という感情は、価値観、いわば、「自分らしさの根っこ」に関わる問題と感じている人も多いでしょう。でも、自分が「価値観」だと思っていたことが、単なる「思い込み」の可能性もあります。「アンガー・ログ」を使って、「自分の考え方の癖」を意識してみるだけで、怒りを感じる回数は減っていくことでしょう。喜怒哀楽という感情の中でも、とりわけ強いエネルギーを持つ「怒り」。この「怒り」のエネルギーに自身が振り回されないように、「怒りとの付き合い方」を知り、コントロールできるようになっていけると良いですね。「ぜひ、ご自身に合った方法をみつけて、怒りと上手に付き合っていただきたいと思います。そして、みなさまのハッピーな時間が一秒でも長くなることを心から望んでいます」(高山先生)■今回のお話を伺った高山恵子さんのご著書 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)¥1300円(税別)高山恵子(たかやまけいこ)さんNPO法人えじそんくらぶ代表。ハーティック研究所 所長。臨床心理士。薬剤師。専門はAD/HD等高機能発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心にストレスマネジメント講座などにも力を入れている。注意欠陥/多動性障害(以下、ADHD)の正しい理解の普及と、ADHDを持つ人々を支援し、ADHDを障害としてクローズアップするのではなく、豊かな個性の一つとして長所を伸ばし、弱点を克服できるよう支援する団体として「NPO法人えじそんくらぶ」を立ち上げる。NPO法人えじそんくらぶ公式サイト: <イベント情報> 「成人ADHD等の理解と対応」 (2018年1月~6月/全6回・東京)第1回 『アンガーマネジメント概論』怒りのメカニズムとクールダウンの方法を学び、自責・他責を減らしましょう。(2018年1月23日(火))
2018年01月17日いつも子どもにイライラしてしまう。どうして子どもに怒りをぶつけてしまうのだろう。そんな風に毎日怒っている自分に悩み、夜はひとり反省会をしてしまう。そんなママのための怒りの応急処置を前回教えていただきました。今回は、「怒り」のメカニズムについて教えていただきます。じつは「怒り」自体は、人間ならだれもが持つ、ごく自然な感情なのです。「怒り」の本質を知れば、むやみな恐れは消えるはず! NPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さんにお話を伺いました。■「怒り」は、悪なの?高山先生は、言います。「怒りは、単なる感情のひとつで、危機や攻撃に対する、人間としての自然な反応です」。人間にとって、もっとも根源的な怒りは、「自分を傷つけるものへの怒り」。ヒトが、「獲物をとる」か「獲物になる」しかなかった原始時代には、危険に立ち向かうために怒りのエネルギーを使ってきました。怒りを感じると、意識しなくても、脈拍や呼吸が速くなります。これは、交感神経が働いているサインで、交感神経のスイッチが入ったために、自然に体が活動に備える状態になったからです。こんなふうに、怒りは、「生きるエネルギー」そのものであり、大切な身を守る手段でもあったのです。でも、現代では野生の猛獣と戦ったり、必死で逃げたりすることはまずありません。私たちは怒りのエネルギーをムダ使いしてしまっていないでしょうか。「現代では、怒りの扱い方に、工夫が必要ですよね。そこを、アンガーマネジメントという“技術”で補完しましょう」(高山先生)■怒りのもとにある本当の感情とは?ところで、怒りは一瞬で湧き上がると感じていませんか? じつはそうではないのです。「怒りのもとには、必ずタネとなる別の感情が隠れています」(高山先生)この感情は、感じている時間が短い上に、すぐに頭は怒りでいっぱいになるため、キャッチするのがなかなか難しく、気づきにくい感情です。たとえば、「子どもが思い通り動いてくれず、悲しい」「想定外のことが起こって、不安だ」…。こういった怒りのもとに隠れている感情を「第一次感情」といいます。また、「第一次感情」には、「不安」や「悲しみ」といったマイナスの感情だけではなく、「希望」や「期待」などの前向きな感情もあります。そういった感情も、簡単に怒りに変わってしまうのです。怒りが爆発しているときは、怒りと自分が一体化しています。6秒ルール※で応急手当をしたら、第一次感情に耳を澄ませてあげましょう。こんなふうに、怒りの本質を見つめられるようになってくると、怒りは、「怖いもの」でないと感じられるのではないでしょうか?※6秒ルール怒りは6秒間でピークが治まってくるといわれています。このためこの6秒間を我慢すると、怒りを静めることができます。次のような応急手当を試してください。・おでこに手を当てて数を数える・水を飲む・深呼吸をする<怒りは意外なところからも生まれる>●不安「いやだ」という拒否感や、自分の心や体が脅かされそうな不安定感から生じる感情で、怒りと仲良しです。自分を守ろうとするために、怒りを呼び覚まします●悲しみ自分のことを理解してもらえなかった、がっかりしたといった悲しみからも怒りは生まれます●期待・希望「~したい」「~になって欲しい」という期待や希望には、欲があります。期待や希望がかなわなかった時に、自分の欲が満たされないことへの怒りが生まれやすいのです出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋 ■「怒らない」よりも「爆発させない」 怒りは自然な感情なので、「怒らない」ようにするのは、相当の力が必要です。怒りを、「ただ、我慢」しようとすると、怒りと我慢で二重にエネルギーを消耗し、ヘトヘトになってしまいます。しかも、「怒るのを我慢している」ことが見てわかるぐらいなら、家族が感じるトゲトゲ感は、「怒ったとき」とあまり変わりません。こんなふうに、「ただ、我慢」するのは、消耗するわりに、良い効果はあまりえられないのです。「怒りを無理にねじ伏せて『怒らない』ようにするのではなく、『爆発させない』方が大切です。そのために堪忍袋を上手につかいましょう」(高山先生)■堪忍袋を上手に使うポイント3つ「堪忍袋を上手に使うためのキーワードは、『小さく』と『少なく』です」(高山先生)堪忍袋の上手な使い方について、ポイントを整理してみました。●ポイント1 怒りを拾わない人が生活をしていれば、怒りを起こす原因は、身の周りにたくさんあります。まずは、怒りを堪忍袋にいれないことが大切ことです。「時間があるときに、『何が自分をイラっとさせ、怒りの原因になるのか?』を考えてみます。それがわかれば、拾わないように注意できますよね?」(高山先生)●ポイント2 怒りを大きくしない堪忍袋の中に怒りのかんしゃく玉が入ったとしても、数が増えず、怒りそのものが大きくならなければ、堪忍袋の緒が切れることはありません。「長期的には、これからご紹介するアンガーマネジメントの手法を使って、怒りと上手に折り合っていく技術を身につけていきましょう」(高山先生)●ポイント3 ガス抜きをする「怒りを拾わない」「怒りを大きくしない」といったことができるようになると、心に余裕が出てきます。そこで、自分の好きなこと、たとえば、「アイドルのDVDを見る」、「大好きなスイーツを食べる」などして、ガス抜きができるようになれば、堪忍袋の中身は、ますます軽くなっていくことでしょう。 次回は、「もう『怒り』に振り回されない! イライラせずに子どもと向き合うには」です。アンガーマネジメントの具体的な手法を教えていただきます。■今回のお話を伺った高山恵子さんのご著書 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)¥1300円(税別)高山恵子(たかやまけいこ)さんNPO法人えじそんくらぶ代表。ハーティック研究所 所長。臨床心理士。薬剤師。専門はAD/HD等高機能発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心にストレスマネジメント講座などにも力を入れている。注意欠陥/多動性障害(以下、ADHD)の正しい理解の普及と、ADHDを持つ人々を支援し、ADHDを障害としてクローズアップするのではなく、豊かな個性の一つとして長所を伸ばし、弱点を克服できるよう支援する団体として「NPO法人えじそんくらぶ」を立ち上げる。NPO法人えじそんくらぶ公式サイト: <イベント情報> 「成人ADHD等の理解と対応」 (2018年1月~6月/全6回・東京)第1回 『アンガーマネジメント概論』怒りのメカニズムとクールダウンの方法を学び、自責・他責を減らしましょう。(2018年1月23日(火)))
2018年01月16日ママの毎日は、ある意味、戦い。子どもを感情的に叱ったあと、言いようのない後悔に苛まれる…。そんな経験は、どんなママでもしているはず。けれども、「私って、毒親?」「これって、虐待?」と、自分で、自分のことが不安になってしまうこともあるのではないでしょうか。「まずお伝えしたいことは、『怒りはあなた自身ではない』ということです」と言うのは、NPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子(たかやまけいこ)さん。「怒り」との上手な付き合い方について、お話を伺いました。高山恵子さんNPO法人えじそんくらぶ代表。ハーティック研究所 所長。臨床心理士。薬剤師。専門はAD/HD等高機能発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心にストレスマネジメント講座などにも力を入れている。■「アンガーマネジメント」という技術「アンガーマネジメント」という言葉を、聞いたことがありますか? アンガーマネジメントとは、心理学に基づいた怒りを扱う技術のことです。最近は教員採用試験にも出題されるなど、子どもと接するすべての大人にとって、必須な技術として注目を集めています。じつは、怒りの感情が沸くことは、人間としてごく自然なこと。「『怒り』との付き合いで大切なのは、まず『怒りという感情』と『あなた自身』を分離することです」(高山さん)「自分は、いま、怒っている」と、きちんと自分で気づいてあげること。そうすることで、「感情」と「あなた自身」は、少し分離されます。■怒りの応急処置は、「最初の6秒」がカギアンガーマネジメントの第1歩は、「自分は、いま、怒っている」と気づき、「いま、ここにある怒り」を、それ以上大きくしないことです。サインが現れた段階で「怒り」に気がつくことができれば、それだけ早く爆発を防ぐための行動に移行ができます。キーワードは、「最初の6秒」。「怒りのサインに気づいた最初の6秒間をどのように使うかが、アンガーマネジメントの重要なポイントです」(高山さん)この時点で「怒りのもと」を深追いするのはご法度! 「どうして、イヤばかり言うの?」「どうして、早くご飯を食べられないの?」。そんな怒りのもとを考え始めたら、炎に燃料をくべるようなものなのです。<早く気がつこう! 怒りのサイン>・呼吸が浅くなる・頭が真っ白になる・顔がカッと熱くなる・動悸がする出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋 なぜ「最初の6秒」がカギになるのでしょうか? それは、怒りには、「アドレナリン」というホルモンが関係しているからです。怒るとき、体の中では、「アドレナリン」が分泌されています。アドレナリンには体を活発にする作用があり、怒っているときには、まさに「火に油を注ぐ」ように怒りがエスカレートしていきます。カチンときて、アドレナリンが分泌されても、6秒後にはそのピークは過ぎるといわれています。言い換えれば、怒りの応急処置法とは、「最初の6秒を、いかに上手にやりすごすのか?」の方法論を知っておくことなのです。■自分が怒っていると気がついたら「最初の6秒」を、ただ、我慢するというのは、意外と難しいものです。そんなとき、物理的な「応急処置メニュー」を知っておくと便利です。「あ、ヤバいな!」と思ったら、それをパッと取り出しましょう。<怒りの応急処置メニュー3つ>●おでこに手を当てて数を数える目の真上、おでこの少し出っ張った部分には前頭葉があります。前頭葉は感情を制御する脳。手を当てて血流の動きを促すことで、動きを活性化させます。●水を飲む水は、火を消すもの。水を飲む時には、心の中で燃えている怒りの火を鎮めることをイメージします。水を飲むことで、脳の血流を改善する効果もあります。●深呼吸をする吐く時間のほうが長くなるよう、4秒吸って、6秒かけて吐きます。息は鼻から吸って、口から吐きます。肺から体のすみずみに新しい空気がめぐるイメージです。出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋 ■怒ってしまった自分に声をかけるまた、自分で、自分に声をかけてあげることも有効です。「言葉の力は、思っているよりも強く、確かなものです」(高山先生)セリフトークは、短く簡潔に! 大切なのは、しっかりと何度も唱えることです。もうひとつ。「『ママ、ちょっとあっちの部屋で休んでくるね』と、その場を離れることも効果的です」(高山先生)その場を離れたら、子どもへの「続きのお説教」を考えることはやめましょう。怒りの原因から心も離すことで、気持ちは切り替えやすくなります。<怒りをしずめるセルフトーク例>・落ち着いて。・私は大丈夫。・コントロールできる。出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋 次回は、「また子どもを怒鳴ってしまった…。『怒り』をぶつけてしまう本当の理由」です。怒りのメカニズムについて教えていただきます。■今回のお話を伺った高山恵子さんのご著書 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)¥1300円(税別)高山恵子(たかやまけいこ)さんNPO法人えじそんくらぶ代表。ハーティック研究所 所長。臨床心理士。薬剤師。専門はAD/HD等高機能発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心にストレスマネジメント講座などにも力を入れている。注意欠陥/多動性障害(以下、ADHD)の正しい理解の普及と、ADHDを持つ人々を支援し、ADHDを障害としてクローズアップするのではなく、豊かな個性の一つとして長所を伸ばし、弱点を克服できるよう支援する団体として「NPO法人えじそんくらぶ」を立ち上げる。NPO法人えじそんくらぶ公式サイト: <イベント情報> 「成人ADHD等の理解と対応」 (2018年1月~6月/全6回・東京)第1回 『アンガーマネジメント概論』怒りのメカニズムとクールダウンの方法を学び、自責・他責を減らしましょう。(2018年1月23日(火)))
2018年01月15日先日最終回を迎えた2017年10月期のドラマ『明日の約束』(関西テレビ)では、過干渉などにより子どもを支配する「毒親」が登場して話題になりました。「毒親」に悩む人は実の母からの卒業が難しく、離れがたいという現実があるように思います。今回は、「毒親」ついて考えてみたいと思います。「毒親」ドラマが続々と登場した2017年「毒親」という言葉は、医療機関のコンサルタントのスーザン・フォワードが書いた『毒になる親 一生苦しむ子供』からついたもので、子どもを支配する、子どもに罰を与えるなどして、悪影響を与える親を意味しています。2012年に親との確執を記録したコミックエッセイ『母がしんどい』が多くの共感を集め、「毒親」の問題が多くの人に知られることとなりました。最近では書籍だけでなく、映画や漫画、そしてドラマにも多く登場しています。今年のドラマでは、『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK総合)や『過保護のカホコ』(日本テレビ)に登場する母親が「毒親」として話題になりました。どちらの母親も、娘が可愛いがゆえに自分と同じ苦労をさせたくないというような思いから過干渉になり、「毒親」になってしまっているというものでした。どちらのドラマでも母と子の折り合いがつかない現実が描かれ、母からの卒業を遂げるという結末になっています。子どもにとっては重すぎる毒親、その内容とはドラマ『明日の約束』は、井上真央さん演じるスクールカウンセラーの藍沢日向が、教え子の不可解な死を紐解いていくというストーリー。メインストーリーとして、教え子の男子生徒がなぜ死んでしまったのか、学校や部活でのイジメの疑惑や、不穏な交友関係、そして仲間由紀恵さん演じる母親の過保護すぎる行き過ぎた愛情などが描かれました。注目を集めたのは、物語の中に登場する手塚理美さん演じる主人公・日向の母親の毒親っぷり。その一部をご紹介します。母親が日向の小さい頃に強制していた交換日記のタイトルが「明日の約束」。これが子どもにとってはかなり重い内容です。今日も日向はママの言うことを聞けない悪い子でしたね。明日はちゃんといい子になりましょう。明日の約束。その1、ママがいいと言ったお友達以外とは遊ばない。その2、ママに口ごたえしない。その3、ママをイライラさせない。必ず守るように。ママは日向が大好きです。「日向はこれから、ママの言う通りに生きなさい。日向の読む本も、遊ぶ玩具も、お友達も、全部ママが選んであげる。日向にとって、それが一番正しいんだから。明日の約束。ママの言うことを疑わない。必ず守るように。ママは日向が大好きです」。「日向も今日から12歳。小学校も今年で最後ですね。でも、大きくなってもあなたはママの娘です。これからもずっとママの日向でいてね。明日の約束。日向はママを一生、愛し続ける。必ず守るように。ママは日向が大好きです」。出典: ドラマ『明日の約束』 ドラマでは、漫画やおもちゃを捨てさせたり、自分の気に入らない友達が来たら帰ってもらったりする母親の様子が描かれ、その様子には胸が痛くなるほどでした。日向は母親からの重圧に耐えきれず、12歳になった日を最後に、母親への返事を書くことをやめてしまいます。その後、自分を守るために腕を負傷し障がいが残ってしまった母親への罪悪感から、一緒に暮らすことをやめられなかった日向。社会人になっても毒親からの支配は続きます。「あ~いやらしい。ママに隠れてこそこそ恋人作って」。日向に恋人がいることを知らされていなかったと気づいたとき、大きな声で言い捨てた言葉です。母親は娘とは良好な親子関係を築けていると信じており、日向の心の傷については理解がありません。感情の起伏が激しく、気に入らないことがあると、とげのある口調で日向を攻め立てるのです。やっとできた毒親からの卒業は29歳エンディングで日向は、母親の呪縛から卒業を遂げます。12歳でやめた交換日記の返事を29歳になった主人公がようやくできるのですが、その言葉が印象的です。「私は大きくなってもお母さんの娘です。でも、ずっとお母さんのためだけに生きることはできません。……明日の約束 私は、私のために生きていきます」。出典: ドラマ『明日の約束』 ずっと「ママの日向」でいることはできないと、母親に「NO」をつきつけた形になります。このメッセージを告げて、日向は家を出て一人暮らしを始めることになり、物語は終わります。ありあまる愛情が引き金に…。毒親ドラマはまさに反面教師ドラマの主人公・日向は29歳でようやく母親と決別することができますが、おそらく何歳になっても母親との問題に悩む人はいるのではないかと思います。ありあまる愛情ゆえに、子どもたちの人生を知らない間に支配してしまう母親たち。このドラマはそんな母親に悩む人たちに勇気を与えてくれます。母親に支配されて生きるというのは、別の言い方をすると母親に守られて生きるということ。それはとても苦しい反面、安定もしているため、逃げ出しにくいといえるでしょう。卒業するタイミングがなかなか見いだせず、何歳になっても母親に依存してしまう人は少なくありません。母親との関係性は非常に複雑なものです。日向の母親は、自らが子どもにとって「毒親」にならないための反面教師でもあるように思います。筆者も2児の母ですが、愛情を掛けることは、子どもを支配して全部道を作って決めてあげることではないのだなと改めて気づかされました。「私のために生きる」と宣言した主人公のように、子どもが子ども自身のために進んでいける道を応援する母親でありたいものです。【参考リンク】・『明日の約束』公式サイト ※FOD、カンテレドーガで有料配信中
2017年12月28日12月13日放送の「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」(TBSラジオ)で、毒蝮三太夫(81)がももいろクローバーZのライブ会場に登場。ももクロメンバーに対し毒舌トークを繰り広げた。 ふだんはお年寄りが集まる先頭や公民館を訪れている毒蝮だが、この日は夜からライブ「ももいろクリスマス2017」が開催される、さいたまスーパーアリーナからの公開生放送。午前11時過ぎにもかかわらず大勢のファンが集まるなか、ももクロが待つステージに登場した。 大歓声で出迎えられた毒蝮は、観客に向けていきなり「オス!」と3回コール&レスポンス。ももクロの5人も60歳近く年上の毒蝮を「マムちゃ~ん!」と呼んで歓迎し、すぐ打ち解けた雰囲気に。 ももクロメンバーに1人ずつ自己紹介を求める毒蝮だったが、トークはさらに暴走。有安杏果(22)には「おまえ足短いな!」、佐々木彩夏(21)には「よく六本木のゲイバーこういう顔いるな!」と暴言を連発。さらに有安が日本大学芸術学部の後輩だと知ると日大の校歌を歌い出し、ギャラの話になると「事務所、脱税してねえだろうな!」と叫ぶなど、マイペースな毒舌トークを繰り広げた。 メンバーへの暴言連発にも、Twitter上では会場にいたももクロのファンから歓喜の声が。《ももクロちゃんと毒蝮三太夫さんの共演が目の前で見れて感無量》《生毒蝮さん可愛かったー!》《ありがとう毒蝮三太夫さん》と、会場を盛り上げた毒蝮に感謝の声が上がっていた。
2017年12月14日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「母を大嫌いという感情が、溢れでてきてつらい」という、パラさん(48歳・主婦)に、心屋塾認定講師のはしぐちのりこさんからアドバイスをいただきました。■パラさんのお悩み昨年、82歳の母が癌で逝去いたしました。死んでもなお、耐え難いほどの憎しみというか、「大嫌い」という感情が頭をもたげてきます。母は終末期の在宅緩和医療と入院の繰り返しで大変だったと思います。最後に母を大好きになりたかったし、私のことを「大嫌い!! 憎たらしい!!」と言っていた母に、感謝してもらいたかったし、ありがとうと言って欲しかったから、心からお世話しました。しかしその一方で「死んでしまえば良いのに!」と悪魔のような思いがこみ上げてきては、弱った母を見放してやりたい、今までの報いを受けているんだ、助けてあげるもんか、などと考えてしまい幾度となく言葉で激しく罵ってしまいました。そんな自分が恐ろしくて悲しくて死んでしまいたくなって、でもこみ上げる感情は抑えられず…。実の娘である私のことを「憎たらしくて大嫌い!」といい、人様に私の悪口を言いふらし、私をないがしろにしてきた母を、“死んでも許せない”という思いと、それなのに母を思い出しては涙に明け暮れ、会いたくて仕方なくて…。私はうつ病になってしまいました。自分で自分を癒してあげようと、「寂しかったね」「ちゃんと話を聞いて欲しかったね…」「お母さん、私寂しいよ」など、小さな自分をぎゅっと抱きしめてあげても、まるで白けてしまいます。もうこの闇から抜け出したいです。アドバイスをお願いします。 ※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾認定講師のはしぐちのりこさんよりパラさん、はじめまして。はしぐちのりこと申します。ご相談ありがとうございます。心からお母さまのお世話をされ、昨年見送られたとのこと。人が旅立っていく、しかも肉親であればなおさら、一緒に生きてきた時間が長いですから、わかってほしい思い、わかりたい思い、がふつふつと湧き出て当然かと思います。だって目の前の人とはもう会話ができなくなり、気持ちをわかりあうことが、できないのですから。気持ちが大きく揺れ動きながらも最後まで見送られたパラさんご自身にも、お母さまご自身の人生にも、まずは「お疲れさまでした」の言葉を、心から申し上げたいと思います。文章には「お母さまのことを思い出しては、涙に明け暮れて会いたくなる」、そして一方で「自分のことをないがしろにしてきたお母さんが許せない」とあります。パラさんの中で、「お母さん大好き」と「お母さん大嫌い」の気持ちが両方混在していて、そしてその両方ともが大きくなり、苦しくなっておられる様子が伝わってきました。そして、「小さな自分をぎゅっと抱きしめてあげても、まるで白けてしまう」とのこと。これはなぜでしょう? パラさんのほしいものは、それではないのかもしれません。また、もしかしたら、「もうお母さんは現実世界にいないのだから、こんなことをやっても意味がない」と思っておられるのかもしれませんね。たとえそうだとしても、パラさんにやっていただきたいことがあります。ご自身の中にある気持ちをちゃんと認めて、言葉にして身体の外に出してほしいのです。「今までの報いを受けているんだ、死んでも許せない」などと考えてしまう、ご自身を責めないであげてほしいのです。それは嘘偽りのないパラさんの気持ち。たくさんの悪口を言われて、ないがしろにされてきたのですから、そう思って当然です。そして、そう思うことは何よりも、パラさんがパラさんご自身を大事な存在と思っている証拠です。「そんなことを考えてはいけない、自分が恐ろしい」と思ってしまうのは、「自分を大事な存在と思うな!」と自分に言っているようなものです。まずは「考えてはいけない」と思ってしまうお母さんへの気持ち。それらをお母さんの遺影に向かってぶつけてみてください。「お母さんなんか大っ嫌い!」「私の気持ちも知らないで!」「バカにするな!!!」「悪口ばっかり言いふらして! 憎たらしいのはそっちのほうよ!!」できれば大きな声で。どんな汚い言葉でも大丈夫。むしろ猛烈に汚い言葉を使って罵ってください。亡くなったのにかわいそうとか思う必要はありません。お母さんはもうすべてをわかってくれています。むしろあちらにいるお母さんの力を借りましょう。叫んで、泣いて、罵って。しっかりぶつけて、パラさんの怒りの気持ちを、しっかり身体の外に出してくださいね。さぁ、やってみてどうだったでしょうか。何かしら次の気持ちが出てきたのではないでしょうか。もし次から次に怒りが湧いてきてしんどいのなら、少し時間をおいて、また何度でも試してみてください。やってみるとおわかりいただけると思いますが、その気持ちを持ち続けている自分から、少し解放されていきませんか? 気持ちを言葉にするのは相手に通じさせるためだけではないのです。自分のためなのです。そしてこれをやっていると、「あぁ、もういいかな」と思える“なんとなくの底”が見えます。その次は目を閉じて、この言葉を声にしてみてください。「私よくがんばってきたなあー。本当によくがんばってきた」「お母さん、大好きだよ」「お母さん大好き。でも大嫌い。それでいいかー」どんな感じがするでしょうか。ある人に対して、「好き」と思う気持ちと、「嫌い」と思う気持ちは、本来両方あっていいのです。それが普通です。パラさんの中にも両方の気持ちがあっていい。ただ、それをダメだと思って片方を押さえ込んでしまうがために苦しくなっています。ぜひ、どんな気持ちも、自分の気持ちとして受け入れてあげてください。そして言葉にして外に出す(表現してみる)ということを、自分のためにしてあげてください。パラさんの中に気持ちを溜めるのではなく、認めながら、解放しながら、生活してみると、気がついたときにはもうそこには縛られておらず、自由な感じに包まれていると思いますよ。ご相談ありがとうございました。 ・このカウンセラーのブログを見る
2017年11月02日毎日の子育て、楽しい面もありますが大変なことも多いですよね。子どもは本当に親の思い通りにはなりません。何度言っても同じことの繰り返し、いつになったらできるようになるの! とついカッとなり、子どもをどなったり、つい手が出てしまったというのは、多くのママが経験していることだと思います。ママだって人の子、完璧ではありません。いつも聖母のように優しく子どもと接するのは難しいでしょう。しかし、もしあなたが「なんでこの子は○○できないんだろう、××しないんだろう。なんとかしてやらせなくては!」といった思いが強すぎて、子どもが正反対のことをすると落ち込んでしまったり、必要以上にイライラをつのらせるようなら、一度ここで立ち止まり考えてほしいのです。■仲良しで頼りがいのある親、実はライト毒親だったかも?最近、「毒親」「毒母」という言葉をよく耳にします。親という権威をふりかざして子どもを支配するタイプを、一般的に毒親といいます。子どもの成長や自立を阻むので、虐待やネグレクトを引き起こし、時には社会事件にまで発展することがあります。そう聞くと「うちの親はそんなひどい人達じゃないし、私のことをかわいがってくれたから毒親なんかじゃないわ」と思われる方がほとんどでしょう。しかし、毒親と子どもの関係は、必ずしも悪いわけではありません。愛情という大義名分のもと、自分の思い通りに子どもを育てたいという思いが強いライト毒親も存在します。ライト毒親は、自分が子どものときに果たせなかった夢を自分の子どもを利用してかなえようとしたり、逆に自分が育ったのと同じように子どもを育てることに執着します。例えば、「バイオリンを習わせる」「小学校受験をさせる」など、子どもにとって必ずしも悪い事ばかりではないのが特長です。しかし、そのようにライト毒親からの支配を受けながら育った子どもが、いざ大人になって子育てをしようとしたとき、うまくいかずに悩むということがあります。私が受ける育児のご相談でもこのケースは多いです。相談者は一様に「こんなに子どもの幸せを思って○○したのに、それに応えてくれない。空しいし、子どもに腹が立つ」と口をそろえます。そういった「○○であるべき」「○○であってはならない」という」気持ち、思い込みが強いほど、毒親の影響を受けて、自分も毒親になっている可能性が高いといえるでしょう。 ■親のエゴを叶えるため、がんばってしまう子どもたちライト毒親は往々にして、「自分の理想」を子どもに反映しようとします。それを「あなたのためになるのよ」「あなたのためを思って言ってるのよ」というふうに、自分のエゴを「子どものため」と転嫁し隠してしまいます。子どもは親の期待に応えようと一生懸命になりますよね。そして、その期待に応えられても、応えられなくても、大人になって心の重石として残ることがあります。期待に応えられれば「自分も同じように子どもを育てなければ」と焦りますし、応えられなければ「自分の子どもにリベンジさせよう」と意気込むか「子どもには絶対に同じことはやらせない」という反発心で行動します。そうやって、知らず知らずのうちに毒親の連鎖が続くのです。■自分のエゴに気づく、「本当にそうなの?」という問いかけからもちろん育児には各ご家庭の方針、ポリシーが反映されるものです。しかし、思い通りに子どもが動かず気持ちが落ち込むという時は、以下の質問に対する答えを書き出してみましょう。1.子どものどんなことに対して不満があるのか(例えば、運動をさせているのに走るのが遅い)2.なぜ不満なのか(例えば、速ければリレーの選手に選ばれるのに選ばれないのが悔しい)3.なぜそう感じるのか(例えば、リレー選手は運動会で人気者になれると思うから)4.そうでなければどうなるのか(例えば、子どもが人気者になれなくなってしまうかも)5.それは本当にそうなのか(例えば、よく考えたら自分の親が「リレー選手になれたらかっこいいからがんばれ」と自分に望んでいたからそう思いこんでいるの)6.子どもは楽しんでいるのか(例えば、走ることは楽しんでいる)7.違う形で生かせないか(例えば、タイムは気にせず、体力作りの一環として走ることに取り組ませる)これは、心理カウンセリングをするうえで、実際に質問したり書き出してもらっている項目です。こういった質問に答えるだけではなく、自分が生まれてからこれまでのヒストリーを書き出し、起こったことそれぞれに対する感情を書き出す方法もあります。これは、論理療法という心理療法で、自分の考えは事実か、合理的か、証明できるか、自分が幸せになるかを、自分自身に問い、自分を苦しくさせている思い込みに気づかせる方法です。これをやってみることで、「こうでなければ」と思っていたことがもしかすると「親からの刷り込み」であることに気づき、自分で落ち込みのタネを生み出していただけということに気づくかもしれません。「親からの期待」はなさすぎても寂しいですが、ありすぎても子どもの心を縛ってしまいます。そして良い子ほどがんばりすぎてしまい、自分より他人の価値観を満たすことを優先してしまうようになります。子育てで悩んだら、まず「これは本当に子どものためになっているか?」と自分に問いかけてみてくださいね。
2017年10月24日こんにちは。婚活恋愛コンサルタントの菊乃です。ドラマ『過保護のカホコ』が人気ですね。あのドラマはまだ21歳女性が主人公。しかし、もしあのような過保護な親の元に居続けたら結婚できないまま実家暮らしで30代40代ということも。ご相談にいらっしゃる方の中には、30代で実家暮らしという方もいらっしゃいます。たまたま実家暮らしというわけでもなく、中には毒親じゃないの?と疑うような娘の人生をダメにする親と暮らしている人もいるのです。“毒親”といえば育児放棄や虐待が思い浮かぶかもしれません。しかし、アラサー以上で毒親疑惑をもたれる親の多くは、昔は子育て熱心な愛情深いお母さんぐらいに思われていて、周りは「真面目ないい人」程度に思っているケースも。それゆえ、気が付きにくいのです。●毒親の特徴3つ●(1)「結婚しなくていいから家にいて私の面倒を見なさい」高齢になると体もいろいろ不自由になります。ネットスーパーなどの便利なサービスがあっても、まず頼るのが子ども 。自分の世話をしてもらうために子どもを手放さないのです。はっきり口に出して言うかどうかは別にして、「結婚しなくていいから家にいて自分の面倒を見て欲しい」という言動があるなら離れたほうがいいでしょう。他人に迷惑をかけたくないという思い込みからなんでも自分の子どもを頼ってしまう親の場合、元気なうちに一日も早く離れないともっと手間がかかるようになります。●(2)「遠いから家から通える会社に転職しろ」実家暮らしの女性の中には1時間以上かけて通勤しているという女性も。通勤でグッタリするし、職場の人に食事に誘われても家が遠いから断る。そんなことを繰り返して気が付いたら30代。Aさんは片道2時間近くかけて会社に通っていました。一人暮らしを始めたい、会社が遠くて通勤も大変と親に訴えたら「だったら家から通える会社に転職したらいいじゃない。家があるんだから」といわれたそうです。娘のキャリアより自分の身近に置いておきたいのはもうエゴ 。Aさんは反対を押し切り一人暮らしを始め、今はステキな彼氏もできました。●(3)「独身の娘が一人暮らしだなんて恥ずかしい」「家を持って一人前」今や陳腐化してしまった古い価値観でも、それを子どもに押し付けてしまう親 もいます。独身で相手もいないのに二世帯住宅を立てているとか、一人暮らしを始めようとした娘に反対する理由が「独身の娘が一人暮らしだなんてお母さんは恥ずかしい!」というものであることもあります。●話し合いができないのが毒親の特徴こうした親を持つ子どもは、親と話し合いをしてお互いの条件を歩み寄るという経験がありません。親の決定事項に従うだけだったため、自分の意見を主張している経験が少ないのです。そもそも自分の意見がないことに気が付いていないケースもあります。今親と離れないと40代、50代になってから結婚できない理由を「親のせい」にするようになるかもしれません。家族のことは誰も口出ししないため、何が“普通”かも分からず自分が親のせいでさまざまなチャンスを逃している と気が付けない方が多いのです。●ライター/菊乃(婚活・恋愛コンサルタント)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2017年09月03日高畑充希さん主演のドラマ『過保護のカホコ』(日テレ系)が注目を集めていますね。ヒロインのカホコこと根本加穂子は、今まですべて親任せに生きてきた箱入り娘。ある日、同じ大学に通う画家志望の麦野初に「お前みたいな過保護がいるから日本が駄目になる」と批判されます。自分は何がしたいのか?そんなことさえ考えたことなかった加穂子。初の言葉は、今まで見えなかった加穂子の内面の扉を開く大きなきっかけとなったのです。◆自立できない親と子ども働いた経験のない加穂子は、「人を幸せにするための仕事がしたい」と、自分の中に秘めた願望があることに気づきます。子どもが漠然とでも自分の進路や進みたいと思う道を見つけたら、親は応援するのが一般的ですよね。しかし、加穂子の母親である泉は違います。就職活動より花嫁修業をするべきだ、と主張するのです。さらに、初に恋心を抱く加穂子の変化を察知し、初と会わないように命じます。泉にとって、加穂子は常に「自分が保護し愛玩できる存在」でなければならず、精神的に独立することを許そうとしません。つまり、自立できないのは加穂子だけじゃなく、加穂子の母親である泉も同じなのです。◆度がすぎるか過干渉はただの支配子どもが一人でもできることなのに、「危ないから」「何かあってはいけないから」といって不必要な援助を押し付ける、泉のような親はとても危険な存在です。親側に悪意がなくても、やっていることは子どもの自信や自尊心を傷つける行為なんですね。そのような過干渉によって、子どもは潜在的なフラストレーションを溜めることになってしまいます。幸いにも加穂子はそのフラストレーションを爆発させ、「うるさい!うるさい!うるさい!」と、親に対して初めて自己を主張することができました。過干渉を退ける、ということは大きな自立の一歩になります。しかし、実際にはフラストレーションを溜めたまま、自分を主張できない子どものほうが多いのです。そういった子どもは親に管理されていることに気づくことができず、ただ親の期待に応えることのみを考え、絶えず人の目を意識して、自分にいまひとつ自信が持てない…そんなパーソナリティが形成されてしまいます。行きすぎた干渉は、子どもから「自分らしさ」を奪うだけに留まりません。いつか大人として独り立ちしていくのに必要な学びの場をも奪う、「優しい虐待」であり「支配」なのです。◆支配からの自立愛情は、相手に服従することではありません。ありのままの自分で幸福に生きられるよう支援できるのが、愛情です。阻害しようとする時点で、その人は保護者ではなく支配者。このような支配者から自立するためには、相手が自分に与えているのが「善意の教育」ではなく「抑圧」だと認めること。その上で、改めて「自分はどうしたいか」を問いかけ、心の声に耳を傾ける習慣を築いていく必要があります。意欲的に自分に向き合って、自分の意思で一歩を進み出しましょう。そこから得られる手ごたえが、あなたを成長させ、支配から脱却させてくれます。失敗しても構いません。失敗もすべて、自分が成長する糧になるのですから。◆まとめ過干渉からどうしたら卒業できるか、ご理解いただけたでしょうか。よく「悪気はない」と言いつつ、慣習やルールを押し付けてくる人っていますよね。実は「悪気」=「悪意」というわけではありません。「自分の都合しか考えてない」ことを押し付けるのが、「悪気」なんです。「あなたのためを思って」と、管理下に押し込めようとするのは立派な「悪気」です。身のまわりにひしめく悪意を取り払い、自分らしく生きる楽しさに目を向けてください。そういうあなたをありのまま受け止めてくれる人こそ、あなたを本当に「愛してくれる人」といえるでしょう。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年08月12日皆さんは、自分が“毒親”になってしまっていると感じたことはありませんか?毒親とは、子どもにとって“毒”になってしまっている親のことで、具体的には、過保護もしくは育児放棄などで子どもに悪影響を与えている親のことを指します。あなたの周囲にも、子どもに対して過干渉に接していたり放置しすぎていたりという親が一人はいるのではないでしょうか。毒親は子どもの健全な成長を奪ってしまいます。そんな親には絶対になりたくないですよね。しかし、中には子どもを愛しすぎるが故に自分が“毒親”になってしまっているのではないかと悩むママもいます。そこで今回は、ママたちが「自分は毒親かも」と不安になったエピソードをご紹介します。あなたは、自分を“ダメな親”だと感じたことがありますか?●(1)なんでも否定してしまう『私は子どもにちゃんと育ってほしいと思うあまり、いつも否定から入るクセがあります。子どもが将来の夢を語っても「それは現実的じゃないよね?」と言ったり、母の日に「プレゼント何がいい?」と聞かれても「お金がもったいないから貯金しなさい」などと言ってしまったりします。すべては子どもに良かれと思ってやっているのですが、子ども自身はそんな私の態度が気に食わないようで、「ママはいつも僕の言うことを否定するね 」と悲しげな顔で言われることが良くあります。最近は子どもも私とあまり口を利かなくなってきました。私の子育ては間違っているのか、と日々悩んでいます』(38歳女性/小学4年生男児のママ)「否定が多くなってしまう」……子育てをしていれば、多くのママが経験することではないでしょうか。親としては、子どもにとって最善の結果が訪れるように助言しているつもりなのですが、子どもからしてみると「ママに否定された」という感情だけが残ってしまいます。よかれと思ってやっていることなのに、逆に子どもを苦しませている……。そんなジレンマに陥ってしまうのです。自分の言動を否定されて育った子どもは、そのうち自分の考えや行動に対して「どうせダメなんだ」とネガティブに捉えてしまうようになる可能性があります。●(2)いつまでも“子ども扱い”してしまう『うちの息子はもう高校生になりますが、いまだに“子ども扱い”してしまっている自分に嫌気がさします。頭では分かっていても、過保護になってしまうのです。たとえば、門限はいまだに6時 のままですし、この前は受験前の息子に過度のシフトを入れるバイト先にクレームを言ったこともありました。とにかく息子のことが心配で、ちょっとしたことでいてもたってもいられなくなるのです。息子は私に何も言いませんが、私は毒親なのでしょうか?』(41歳女性/高校3年生男子のママ)子どもに対してつい過保護になってしまったという経験は誰もがあるのではないでしょうか。子を持つ親にとってはある程度仕方のないことではありますが、それが度を越してしまうと、子どもをコントロールしようとする毒親になってしまう危険性があります。この方は高校生になる息子さんをいまだに子ども扱いしている自分に悩んでいるそうです。●(3)子どもに進路を強要してしまう『私たち夫婦は某有名大学を卒業しているのですが、自分の中で無意識に「子どもたちもそこに通うだろう」という思い込みがあり、長男が高校生になるまでずっとそう信じていました。ところが、長男は別の大学に行きたいと言い出し、しかも偏差値が比較的低い大学だったので猛烈に反対しました。結局夫に説得されて息子の希望を優先する形で受け入れましたが、冷静に考えるとほとんど無意識的に子どもに進路を強要しようとしていた 自分にゾッとしました。自分がやられていたら相当親を嫌っていたはずですから』(44歳女性/高校3年生男子、高校1年生女子のママ)親の中には自分のたどってきた道を子どもにも歩ませたいと思う人がいます。政治家や医者などの家系はその傾向が強いと言われていますが、子どもの希望をきかずに進路を決めてしまうことには賛否あります。今回お話いただいた方も、ほとんど無意識的に子どもに自分と同じ道を歩ませようと思っていたそうです。しかし、子どもは自分のコピー人間ではありませんから、自分と同じ道を進むとは限りません。この方は夫に諭されて、そのことを受け入れられるようになったそうです。●毒親にならないために子育てをするということは、ニコニコ子どもに笑いかけていればいいというものではありません。時には厳しく叱る必要がありますし、誤った道を歩もうとしていれば、本人の意思を多少無視してでも正しい道へ引き戻すことも必要です。そうした中で、「自分は毒親なのだろうか」と不安になってしまう人も少なくないと思います。毒親にならないために、親が心がけておいたほうがいいことがあります。それは、“子どもの人格を尊重する ”ということです。子どもは親の所有物ではありませんし、一切成長をしない人形でもありません。彼らは私たち親と同じように自分で考え、行動します。また、その自由があります。その権利を奪うことはたとえ親でも許されることではありません。しかし、親も人間ですから失敗もします。子育てをしていて「しまった!」という経験をしたことは数えきれないはず。でも、そんなときは落ち込み過ぎず「次から気をつけよう」とポジティブに考えることが大切です。親は誰だって毒親になる可能性を秘めています。しかし、毒親になるかならないかを分けているのは、“自覚する心”と“改善する心”を持っているかどうかです。失敗しても軌道修正しながら、最終的には親子ともに笑い合えるような関係を築けるといいですね。●文/パピマミ編集部●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年07月05日