株式会社毎日放送は、4月28日(日)ひる0時54分から放送するMBSテレビ『俳句×SDGsの未来教室』(関西ローカル)を俳句に精通するコラムニスト・犬山紙子氏に放送前に見ていただき、その率直な感想をコラムとして公開いたしました。『俳句×SDGsの未来教室』は、『プレバト!!』でもおなじみの夏井先生と、SDGsに詳しい編集者・南麻理江氏が全国で実施している出張授業の様子をお届けし、「俳句」と「SDGs」の2つの視点で地球の未来を見つめる教養バラエティ番組です。夏井いつき(俳人) 南麻理江(編集者)【コラム内容】犬山紙子俳句を詠むようになって、季語を知るようになって、自然にはただそこにある姿だけでなく、その景色を一皮剥けば、膨大な人々の感情を内包しているのだなと思うようになった。この原稿を書いている今は4月で春、花の季節である。これまでも桜が咲く姿には多幸感のようなものを感じていたけれど、「桜蕊降る」という季語を知ってからは桜の花びらが散ったあと、しばらくした後に小さな蕊がこぼれるように降る時期があることを知り、その姿からは春がそろそろ終わる静かで儚い気持ちを感じ取るようになった。季語を通して、自分と自然がリンクし、自然が少しずつ自分ごとになってゆく感覚。散歩をするだけで、たくさんの感情に出会えることは、なんだかこの世に祝福されているような、くすぐったい喜びがある。曇りの憂鬱な気持ちも、花曇りであると思えば、その憂鬱は美しさを伴うようになる。こういったギフトのような感覚は夏井いつき先生に教えてもらった。夏井先生の俳句の授業が見られるということで、うきうきしながら「俳句×SDGsの未来教室」を見る。生徒たちが季語について、「手触り、匂い、目、音、連想、味」の六つの感覚をもとにグラフにしてゆく。白シャツがお題の時に「味」の値を高くした生徒は「汗でしょっぱいから」と答えている。白シャツを「味覚」で捉えたことがなかったけれど、これから白シャツを見ると「しょっぱい」と思うようになるんだろう。しかし、この番組は俳句や季語の授業だけでは終わらない。SDGsに詳しい南さんが、古来から愛されてきた日本の季語が、環境破壊や温暖化などの影響でその意味がずれてきてしまうことを解説してくれるのだ。例えば、温暖化の影響により桜がダラダラ咲いてしまうようになってしまうかもしれないというのだ。桜といえば散る姿の美しさが私たちの心を動かすのに。その姿に乗せた感情たちの行き場もなくなってしまう。けれどもただ脅すだけではない。「じゃあ、どうすれば良いのか」「どういう方法で回復しているのか」まで提示してくれる。ここがすごく大切なところだ。まずは、私たちに季語を通して季節や自然、身の回りのものを6感を使って味わい、知ることを教える。次に、その豊かさはこのまま行くと持続可能ではなくなってしまう現状を伝える。それをふまえた上で、その季語が使われている俳句を見せ、俳句の意味がぐっと変わってしまうことを考えさせる。しかし、私たちの行動でそれらを持続可能なものに戻すことができるというメッセージを伝える。とても丁寧に番組が構成されていると感じる。俳句の持つ力を信頼しているからこそ、この構成になるんだろう。私自身、SDGsに対して興味関心を持って本を読んだり、学んだりしていたけれど、これらの問題をどう自分ごととして捉えるか、という点にとても苦戦していた。だからこそ俳句という、自然環境が自分ごととなる文化を通してSDGsを知る、というその方法になるほど!と膝を打ったのだ。娘にも見せたいと思っている。自分の住む世界の美しさを、それを守りたいという気持ちが自分ごととして芽生えるように思うからだ。最後に、SDGsには「ジェンダー平等を実現しよう」という項目がある。多くのテレビ番組では、まだまだ「男性の先生が、無知という設定の女性に教える」という構図が多く見られ、そこに悪意がなくとも「偉いのは男性である」という刷り込みが発生してしまう。けれどもこの番組の先生は女性である。全ての先生が女性である必要はない。けれども、教える側の性別のバランスが是正されてゆくことも、ジェンダー平等を実現する中の一つのアクションであると私は思っている。そういった意味でも、この番組は本当によく考えられて作られていると感じるのだ。【番組概要】『俳句×SDGsの未来教室』2024年4月28日(日) ひる0:54~午後1:54【出演】夏井いつき(俳人)南麻理江(編集者)村山輝星(俳優)清水麻椰(MBSアナウンサー)【内容】MBSテレビ『プレバト!!』(木・よる7:00放送)の俳句査定でお馴染み、俳人・夏井いつき先生は、SDGsに詳しい編集者・南麻理江氏と、全国の高校で出張授業を行っている。身近な言葉を「俳句」と「SDGs」という2つのレンズから眺めると世の中が立体的に見えてくる!言葉に対するイメージが大きく変わる特別授業「未来教室」の斬新な内容とは!?授業の様子を視聴者と同じ目線で見届けるのは、『プレバト!!』の俳句査定で3回連続「才能アリ」を獲得している俳優・村山輝星と、『プレバト!!』でアシスタントを務める清水麻椰アナウンサー。夏井いつき先生と南麻理江氏が訪れたのは、兵庫県神戸市滝川第二高等学校1年1組。言葉のテーマは、回転寿司。寿司ネタは五感で感じるともっと美味しい!?近い将来、多くの魚が食べられなくなる!?高校生の言葉の感覚を研ぎ澄ますべく、夏井先生が用意したのは「味の感覚」「手触りの感覚」「匂いの感覚」「目の感覚」「音の感覚」「連想」の6項目が記載された六角形のグラフ。生徒たちは「鮪」という言葉から直感でそれぞれを5段階で数値化し、各々の六角形を描いていく。しかし、そこから俳人・夏井先生の講義を受けると…数値がみるみるうちに大きくなり、六角形が変わっていく。俳句の視点で五感が刺激され、言葉に対するイメージが変化したのだ。続いて、南氏の講義が始まり、さらにSDGsの観点が加わる…乱獲や温暖化の影響でマグロやサバが危機に瀕している現実を知り、生徒たちは「自分が見えているものだけじゃないんだなと思いました」「発想がいろいろ飛んでとても新鮮な体験でした」「新しい視点で物事を考えることができました」と授業を受けていく中で、言葉を深堀りしていく。村山輝星は「連想がスゴく増えた」、清水アナは「いかにうかうか生きてたのか…28歳の私は焦ってます」と、この授業に大満足。昨年の5月から行っている2人の全国出張授業は、生徒の97%が「おもしろかった」と答えている。北海道東川高等学校では、洋服という言葉をテーマに特別授業を行う。「白シャツ」という夏の季語を例に、生徒たちは六角形のグラフを描き、俳句の視点から…SDGsの観点から…様々な見方・考え方で、ものごとを捉える力を養っていく。言葉の探究をすることで、明日から違う世界を見る。そういう目を持つ人間が育っていくに違いない。新発見だらけの楽しく学べる教養バラエティだ。夏井いつき(俳人) 南麻理江(編集者)清水麻椰アナウンサー 村山輝星(俳優) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年04月26日▶︎ 特集「小1の壁」の記事はこちら実は必要な「忘れ物をして怒られるということ」くわばたりえ(以下、くわばた)犬山さんは子どもの登下校が心配でまだ送っていくって言っていたけど、もしかして翌日の学校の用意も全部やってるの?犬山紙子(以下、犬山)学校の用意は、一応子ども自身にさせるんですけど、私が忘れ物チェックをしちゃうんです。忘れ物をして怒られる、という経験も大事だとわかっているのに、宿題とかも見ちゃうんですよね。でもほんとうは自分ひとりでできるようになってほしいので、2年生から放っておいてみましょうかね。くわばた私わかったぞ!あなた絶対にできない!あなた絶対にムリだってしゃべっててわかりましたよ!犬山ええーーー!実は今朝も「あっ!宿題のプリントまだやってないよ!」と言ってきちゃいました(笑)。けど、自分の責任で宿題を忘れて、学校で注意される経験を阻止しちゃっているんですよね。くわばたそうそう。忘れ物をして怒られて、そこから自分でチェックするようになったりするからね。私は「お母さんはなにも知らんから、勝手にしてな」って言っているんです。学校から帰って「今日は習字道具が必要だったのに、ママなんで教えてくれなかったの!?」と言われても、「知らんから。自分でチェックしとけって言ったやん」って。それでも「どこにも持って行くって書いてないし」と言うんだけど、ちゃんと配布プリントに持ち物が書いてあるんですよ。子どもに任せるほうが、あとあとお互いに楽だと思うんです。私も子どもたちのすべての予定を把握できへんしね。ーー自分のタスクも大量にあるから、全部を網羅するのは難しいですよね。犬山子どもの責任感が養われそうですね。くわばたあとね、忘れ物をしたとき、先生に怒られる前にこっそり友達に借りるという知恵もつく……というのもあるのよ。借りられる相手がいるということは友達がいる証拠だし、そう思うと忘れ物も悪いことじゃないかなって思って。犬山いい話!なんだか自分の過保護ぶりが浮き彫りになって反省です……。中学生になったら内申点も気になってしまうし、失敗しまくるなら小学生の今のうちですね。くわばたそう!小学生なんて、失敗しまくるタイミングよな。いっぱい失敗したほうがいい。犬山じゃあ私、約束します!誓います!明日から忘れ物チェックしない!くわばた子どもには失敗する権利があるからな。まあ中学校でも失敗したらいいんですけどね(笑)。ーー犬山さんの「チェックしなくちゃ」という不安はどこからくるのでしょう?犬山たぶん、自分がそうやって育てられたからだと思います。それを無意識に内面化して同じことを繰り返しているのかも。思い出したら、私の母はみかんの白いところを全部剥いてくれていたんですよ。だから今日はこういう話を聞いて、改めなきゃなと思うことがたくさんありますね。くわばたいきなり改めるというよりは、子どもに合わせたらいいと思いますよ。100人おったらうちの子みたいに「夏休みから学童に行きたくない」という子もおれば、「学童楽しい!行きたい!」という子もおるし、ひとりでお留守番できる子・できない子もおるし。自分の子どもをよく見ることが大切やもんね。子どものスマホ利用を無制限にした結果……?ーーそこに、親から子への信頼感が垣間見えます。くわばたダメ親のほうが子どもが育つのかなって。ほんま言いにくいんですけど、私、朝ごはん作ってないんですよ。子どもは7時40分くらいに家を出るんですけど、私、更年期で最近は朝起きるのがしんどくなってて8時くらいに起きてて。子どもたちは勝手に7時に起きてパンを焼いて食べて「行ってきます!」って。犬山すごい!えらい!最高!そんなことやってくれるなんて……!くわばたこれができるようになったのは、番組で自宅の片付け企画をやったことがきっかけなんです。このとき、食器や食材をすべて子どもたちの手の届く位置に入れ替えたの。それまではキッチンのいろんなものを高いところに置いていたんだけど。犬山たしかにうちも子どもが取れない場所に置いてますね。くわばたそうでしょ?未就学児の頃は手が届くと危ないから高いところに置くんですよ。だから下げるねん。犬山そうか!子どもは成長してるんですもんね。くわばたうちの子たちは最初はぶーぶー言っていたけど、こっちがなにもせえへんかったら腹も減ってるし勝手に食べて行くしかないからと、強くなったんです。うちのお母さんはフルーツ盛りなんて作れないから、「バナナ剥いたほうが早い!」ってな。バナナは剥けば食べられますから。犬山うちも過保護とはいえ、朝ごはんは全然ちゃんとしてなくて。おにぎりとバナナとプチトマトを切ってぼんぼんって出すだけ。あとはパンですね、5本入っているやつ。くわばたあのパンな!私もほんまにあれ好きや!犬山ありがたいですよねえ、あれ。ーースマートフォンはいかがですか?主にGPSを使うために小学生から持たせるご家庭もあるかと思います。犬山うちは「BoTトーク」という見守りGPSガジェットを使っています。学校に行くときに持たせていますが、一言くらい会話ができて。くわばたうちは長男にスマホを持たせはじめた当初、制限をかけなかったんですよ。ーーえー!アプリもネットも使い放題ということですか。くわばたはい。そのかわり言葉で「これはしたらあかん」と説明して。結局、課金とかアカウント開設とか子どもだとできないことも多いしね。インスタは見られるけどアカウントは作れなかったりコメントできなかったり。そんな中で、長男は自分で、◯時から◯時まではスマホが使えないようにする制限をかけていました。ーーええーーー!どうしてそんなことができるんですか!?くわばたなんで?と思ったら、無制限だからあまりにもやりすぎて、「これじゃあかん」と思って制限をかけたんやって。たとえばYouTubeを何時間も見ていると「そろそろ止めたほうがいいんじゃないですか?」みたいなアラートが出てくるように、自分で設定していたんですよ。子ども宛に届いた謎の荷物、中身は……犬山ええーー!お子さんもすごいし、そこまで見守れるくわばたさんもすごくないですか!?そうなる前に口を出しちゃいますよ!「見すぎだよ!」「YouTube消すよ!」って。くわばた長男はサッカーばかりやっている人でそこまでスマホを1日中見るタイプじゃないから、口出ししなかったのもあるな。ほったらかしにするとそうなるのかなあ。逆に制限をかけすぎると、上手いこと解除する方法を覚えたりするのかな?スマホを持たせてよかったと思ったのは、彼がYouTubeでおもしろいと思った動画を私に教えてくれて、「この子はこういう動画に感銘を受けているんだな」と気付けるようなやりとりができたこと。それって楽しいなあと思いました。犬山ステキ!お子さんのこと、信用されているんですね。くわばたでもね、信用しすぎた。この前ね、長男宛に荷物が届いたんです。親戚のおじさんが長男宛に送ってくれることもあるから、それかなあと思って「開けたら?」と声をかけたら「あとで開ける」と。「いま開けや」と言うと、渋々開けたら変なガラクタみたいなおもちゃが出てきて。これ何!?って。勝手にネットで注文していたんですよ。犬山あらま!くわばた怖ない!?クレジットカードもないし、振り込みもできないし、どうやって買い物したのかわからなくて聞いたら、「コンビニ支払いを選択した」というんです。犬山最近は子どもに対する詐欺も横行しているんですよ。子どもはクレジットカードを登録できないからネットでお金を使えないだろうと思いきや、そうやってコンビニ支払いにさせるんです。Xでやりとりして、メルカリに移動させて、「コンビニ支払い」を選択させるとか。先日取材したときに聞いて、えげつないと思いました。くわばたそんなことあんねや……教えてくれてありがとう!これは子どもに言おうかな。禁止するんじゃなくて、「こういう手口があるから、こういうことを言ってきた人にお金を払っちゃダメだよ」って。ーーちなみに、くわばたさんのお子さんが買ったおもちゃというのは?くわばた高額でもないし、180円のボールみたいなやつとか、すごくしょぼい指を鍛えるやつとか。サッカーやってんのになんで指鍛えなあかんねん!「こんなんいる!?」って思いました。犬山かわいい買い物じゃないですか!くわばたそれは怒りました。「勝手に買うのはやめて。お母さんに言ってくれ」と。犬山その失敗は理想的ですね。いいなあ。私も子どもを信用できる親になりたいし、自分も母に信用されたかったですね。ーーそれが根底にあるのですね。犬山だと思います。信用してくれたら、将来の夢を母に言えていたのかな、とか。だって漫画家になりたかったこと、ひた隠しにしていましたもん。親が、というより当時は大人が冷笑的だったから、夢をあまり語れなかった。子どもなりにそんな空気を察知して「夢?べつにないし」って。そういう子は結構いるように思います。だから、子どもがどんな将来像を抱いていようと、否定せずに「応援するね」と言おうと思っています。子どもがいるときは、なるべく「ながら喋り」をやめてみるーーとにかく時間が足りないような日々で、お子さまとそういった突っ込んだ話ができないご家庭もあると思いますが、おふたりはどうしていますか?くわばたうちはごはんを食べるときにめっちゃ会話が多いんです。長男は特にお喋りで。帰宅してから30分くらいずっとひとりで喋っています。うれしかったこと、友達の面白い話ーーびっくりするくらい喋ってる。犬山いいですね!なんでも喋ってくれるんですね。くわばた止まらないのよ。犬山お母さんが話を聞いてくれて、キャッチボールになるから喋りたくなるのかなあ。子どもが話しているとき、スマホやパソコンを見たりしますか?くわばた見ないねー。犬山そこですよね。忙しいときはどうしてもスマホを見ながら「うん、うん、あ、ごめん仕事のメール……」となりがちだけど。うちもごはんを食べながらお喋りします。あとね、うっとうしがられるんですよ、子どもが大好きすぎて。隙あらば「抱っこしていい!?」って聞くんですけど、スーンとしながら「1日2回までね」って(笑)。くわばたもうそんな感じなんや(笑)。ママのラブラブ攻撃がすごいのね。犬山そんな感じで、子どもがいるときはなるべく仕事をしないようにして、お絵描きが好きな子なので隣同士で描いたり、一緒に寝て、ベッドでいろいろな話をしてくれます。仕事で子どもと離れている時間が多いと思うからこそ、抱きしめながら話をして濃密な時間にしています。ーーそういうふれあいがない日はちょっと様子がちがう、と感じることもありますか?犬山私が出張で丸1日会えない日でも、娘は「ママは私に会いたいに決まっている」と思っているんですよ。実際、私も口に出してそう言っているし、帰宅したら「会いたかった!」と真っ先に飛びつきます。だからか、離れていても娘は落ち着いています。「どうせママは私に会いたいでしょ?」という自信がある。ーーステキですね!私は話を聞きながら原稿を書いてしまっていますね……。犬山私もやってます。くわばたうちは「ながら聞き」できへんくらい子どもが喋ってます。ほんでマイムもあるから、見なあかんのよ。犬山マイム!(笑)かわいいですね!くわばたスマホも置かなきゃいけなくなっちゃうんですよね。長男はね、いまもぎゅーさせてくれるんですよ。犬山へえーーー!それ知りたい!くわばた何年か前に、ごはんを作っている合間に「ぎゅーさせて」とお願いしたことがあったんですよ。いつもはすぐにさせてもらえるねんけど、このときは「ドラえもん(の放送時間)が終わるまで待って」と言われて。そのとき、むっちゃ長かったの!その30分が。それで私、はっとして。「ママ、◯◯やりたい」と言われたときに「ちょっと待ってて」と言って30分は平気で待たせていたのよね。やることいっぱいあるから。犬山待たせちゃいますね~。子どもの「ちょっと待って」で気づいた「ちょっと」の長さくわばた私は『ドラえもん』が30分後に終わるのがわかっているし時計も読めるから待てるけど、時間の感覚がわからない子どもにとっての「ちょっと待って」ってすっごく長いんじゃないかなと思って。そのときから、子どもに「ママ、◯◯やりたい」と言われたら「うん!」ってすぐに行くようにしたんです。よほどのことがないかぎり、「ちょっと待って」をやめたの私。犬山すっごく大切な話ですね。言うのは簡単かもしれないけど、なかなか実行できることじゃないと思うんです。くわばたそうやってぎゅーするんだけど、「私が手を広げたらぎゅっとしに来て」って言ったんですよ。そうしたら長男、「ハイハイ」って来たんだけど、ガラスに映る長男の顔、ニコニコしてて。喜んでるやん!って。犬山えーーーいい話!くわばたそしたらあるときね、洗い物していて、ぱっと振り向いたら長男がこうやって手を広げて立っていたんですよ。ーーハグ待ちのポーズですね!くわばたいつも私が手を広げるけど、向こうも来てほしいときがあるんやなあって。「ママぎゅーして」とは言われへんけど、黙って立っているの。だから私も黙ってぎゅーする。犬山はあ〜〜いい話!報われるなあ。「小1の壁」の話をしていたけど(笑)、子どもはいくつになってもかわいいっていう話になっちゃいましたね!赤ちゃんの頃のようにずっとベタベタすることはなくなるかもしれないけど、ずっとハグをし合える関係性、すごくいいですね。希望が持てます。くわばた親が子どもに弱音を吐くのもいいかもしれないと思っているんですよ。お母さんが「うわあ、どうしよう、すごくイヤなことがあった~」と話していると、子どもも何かあったときに「こんなイヤなことがあった」と打ち明けやすくなる気がするんです。いつもニコニコして何でも乗り越えられる完璧なお母さんの姿を見せていると、「『そんなの気にしない!だいじょうぶでしょ』と言われるかもしれない」と、言いにくいのかなって。だから完璧じゃないお母さんを見せたほうがいい……ということで、ダラダラしているんですよ(笑)。犬山あはははは!たしかに私も『プレバト!』(TBS系)でめちゃくちゃ順位が低いときとか、子どもに慰めてもらっています。「がんばってね!また次があるぞ」って。ありがたいです。ーー最後に、小学校入学を控えるママとパパにメッセージをお願いします。くわばた「小学校は楽しいところ」とどんどん伝えたほうがいいと思います。「お兄さん・お姉さんになるからこれができるようにならないといけないよ」というと、すごくプレッシャーになるから「楽しいところだよ。はじめてのお友達もいるよ。鉛筆が持てて、お勉強もできるよ」と。そうすれば、楽しく行けるのかなって思います。犬山「小1の壁」で、会社員の方の中には、お迎え時間や夏休みが原因で働き方を変えざるを得ない方もいらっしゃると思うんです。未就学児の場合は、会社も時短勤務ができたり、育休が取れたりしていましたが、小学生になると会社側のそういった制度も使えなくなることが多いと思います。そうなったときに、子どものためにすべてを犠牲にするのを当たり前とせず、どうすれば自分の人生を守れるのか、を大切にしてほしいと思います。今日のくわばたさんのお話も、とても参考になりました。仕事を辞めたり、時短する判断をされる方もたくさんいらっしゃると思いますが、どうか孤立しないように、パートナーや頼れる人としっかり話し合ってほしいです。女性が必ず仕事を減らさなきゃいけない……ではなくて。「私さえ我慢すれば」のマインドになっていたら孤立のサイン。話し合い、チームとしてどうすればみんなが納得して生活できるのか、第三者や行政の力も借りながら模索してほしいです。くわばたりえさん/お笑い芸人1976年3月24日生まれ、大阪府出身。2000年に相方の小原正子さんとお笑いコンビ「クワバタオハラ」を結成。2009年に会社員男性と結婚。4月から中学2年生の長男、小学5年生の次男、小学3年生の長女の3児の母。ただただしゃべりながら料理を作り、子どもとの食卓を映す公式YouTubeチャンネル『バタやんちゃんねる』が登録者数40万人を越えた。東野幸治さんが「芸能事務所を開くなら、ママタレの筆頭としてくわばたをスカウトしたい」と絶賛。犬山紙子さん/イラストエッセイスト1981年12月28日生まれ、大阪府出身。2011年、女友達の恋愛模様をイラストとエッセイで書き始めたところネット上で話題になり、マガジンハウスからブログ本を出版。『ドデスカ!+』(メ〜テレ)、『ピタニュー』(広島ホームテレビ)、『newsランナー』(関西テレビ)などでテレビコメンテーターとしても活動。『プレバト!!』(TBS系)では俳句などで才能を発揮。2014年にミュージシャンで漫画家の劔樹人さんと結婚。4月から小学2年生の長女を育てる。2018年にボランティアチーム「#こどものいのちはこどものもの」を発足した。(撮影:松野葉子取材・文:有山千春)
2024年04月05日VTuberの犬山たまきをはじめとするVtuberプロダクション「のりプロ」所属のメンバーが出演する、ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」の新番組『のりナナ』が30日にスタートする。○■バーチャル出演者だけのトーク番組『のりナナ』では、人気VTuberの犬山たまきを中心に、稲荷いろは、レグルッシュ・ライオンハートなど「のりプロ」 所属メンバーが、VライバーやVTuberなどのゲストとともに、毎回決められたテーマに沿ってトーク。バーチャル出演者だけが出演する新しいスタイルのトーク番組となる。○■『のりナナ』配信日時・9月30日(土)20:00〜・10月18日(水)20:00〜・10月25日(水)20:00〜・11月15日(水)20:00〜・11月29日(水)20:00〜・12月6日(水)20:00〜・12月13日(水)20:00〜
2023年09月22日愛知県犬山市を中心に観光事業を行う株式会社遊猿地(所在地:愛知県犬山市、代表:鈴木 慎之)は、桃のスイーツやドリンクをおよそ50種類と火鉢を使ったフードを楽しめる「火鉢cafe 桃と黒(ひばちかふぇ ももとくろ)」(犬山市大字犬山字東古券532)を、2022年12月中旬にオープンします。火鉢cafe 桃と黒 ロゴ■背景当社は2021年に創業した若い会社で、人力車を中心とした観光業を行ってきました。犬山市内で人力車の運行や2021年は高田製菓と椙山女学園大学の学生さんとのコラボ企画として桃太郎をモチーフとしたお土産「キュブ団子」を制作しました。そして今年再び椙山女学園大学とのコラボで、空き家改装プロジェクトとしてお店を立ち上げることとなりました。桃太郎モチーフのお土産「キュブ団子」■お店の特徴*桃のフード・ドリンクが充実犬山市と桃の繋がりは以外にも深く、産地であることはもちろん桃太郎伝説・犬山城の桃瓦など町の歴史と関わっています。そんな桃を使ったスイーツやジェラート、さらには桃のお酒などを50種類以上ご用意しました。*火鉢を使ったフードメニュー炭火でじっくりと焼く「火鉢メニュー」では焼きおにぎりの貝出汁茶漬け、提携農家の焼き野菜など炭火と焼き上がりのひと時を楽しんでいただくメニューを開発しました。*古民家の香りを残した店内築50年以上の古民家を改装。和室などは残しながら落ち着ける空間になっています。改装中の様子<クラウドファンディングもスタート予定>詳しくはTwitterにて ■お店概要店名 :火鉢cafe 桃と黒開店日 :2022年12月中旬場所 :愛知県犬山市大字犬山字東古券532■会社概要商号 : 株式会社遊猿地代表者 : 代表取締役 鈴木 慎之所在地 : 愛知県犬山市大字犬山字西古件391-2設立 : 2021年2月事業内容 : 人力車 観光URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】株式会社遊猿地 お客様相談窓口MAIL: yuenchi.ltd@gmail.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月17日椙山女学園大学生活環境デザイン学科の川野紀江准教授のゼミ生は、犬山市に拠点を置く株式会社遊猿地と共同企画として犬山を盛り上げようとライトアップやイベントを企画。2022年8月末の第一弾に引き継ぎ、同じく犬山市のハートの絵馬で有名な「三光稲荷神社」にて、犬山の夜を盛り上げるライトアップを期間限定で11月26日(土)より、5日間開催いたします。椙山女学園大学生活環境デザイン学科SNSサイト: 株式会社遊猿地SNSサイト 犬山市の犬山城のふもとにある三光稲荷神社にて、ハートなどをあしらった高さ40cmほどの筒状のあんどんを30個ほど並べ、三光稲荷神社を彩ります。それに加え、ハートの絵馬のライトアップや、ハートの絵馬に因んだ赤やピンクの手持ち照明ワークショップを行います。制作した手持ち照明を持ち、犬山に来て一緒にライトアップしませんか?三光稲荷ライトアップ1他にも犬山城下町を周る謎解きイベントも同時開催いたします。桃太郎伝説に因んだ謎解きで、犬山の城下町を散策でき、子供から大人まで楽しめること間違いなしです。お昼は犬山の城下町を巡りながら謎解きをして、夜は三光稲荷神社のライトアップで冬の思い出を作りましょう!【第二弾 犬山三光稲荷神社ライトアップ】日程 :11月26日(土)、27日(日)12月3日(土)、4日(日)、5日(月)時間 :16:00~19:00拝観料:無料場所 :三光稲荷神社【ハート手持ち照明イベント】日程:上記と同じ時間:12:00~15:30予定事前予約可場所などの詳細はSNSサイトよりご確認ください。【犬山謎解きイベント】日程:上記と同じ時間:12:00~15:30予定事前予約可場所などの詳細はSNSサイトよりご確認ください。お問い合わせは、川野研犬山企画 inuyama.sju.2022@gmail.com または、InstagramのDMにてお願い致します。【前回の広告チラシ】ライトアップイベント過去チラシ【前回 第1弾犬山三光稲荷神社ライトアップの様子】三光稲荷ライトアップ2三光稲荷ライトアップ3あんどん写真【手持ち照明デザイン試作写真】手持ち照明写真 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年10月19日恋愛力強化バラエティ『恋とか愛とか(仮)』出演オーディション参加者募集中!広島ホームテレビ(所在地:広島市代表取締役社長:三吉 吉三)は、人気バラエティ番組『恋とか愛とか(仮)』(2021年まで放送)の復活スペシャルを決定!人気のライブ配信アプリ「ミクチャ」を使い、番組出演権をかけたオーディション企画を開催中です。今回、ライバー(ライブ配信者)が出演権をかける番組は『恋とか愛とか(仮)』の人気企画「Barコイカリ」。Barの店員として、あなたも出演してみませんか!?「Barコイカリ」とはMCの恋愛マエストロ犬山紙子(イラストエッセイスト、コラムニスト)と西村真二(お笑いコンビ・コットン)が、ある職業の恋愛事情にスポットをあてる。ゲストが「ここだけの話」を暴露する企画で、過去の放送では元国会議員・官能小説家・CA・AV男優・女子プロレスラー・女性アナウンサーなどの恋愛事情に迫りました。広島ホームテレビ×ライブ配信アプリ「ミクチャ」応募者は、期間中「ミクチャ」で自身をPR。応募者の中から選考された2名が、9月放送予定の番組に出演できます。エントリーは、7月21日(木)まで!広島ホームテレビは、ライブ配信サービスと連携したイベントを開催し、ライバー(ライブ配信者)たちの活躍の場を広げる後押しをしています。ご応募ください!■イベント期間▸募集:7月14日(木)ひる12時~21日(木)ひる12時▸応募:ミクチャアプリをダウンロードください▸選考:7月22日(金)ひる12時~8月3日(水)よる11時ミクチャはこちら : ※閲覧はPC、スマートフォン共通※応募・選考参加は、ミクチャサイト・アプリから(スマートフォンのみ)■放送予定広島ホームテレビ(HOME)番組公式サイト : ▸日時:2022年9月6日(火)深夜0時20分~放送は9月中に3~4回予定※放送予定は、変更になる場合があります。日程は決定次第発表します。■出演予定▸司会:【恋愛マエストロ】犬山紙子(イラストエッセイスト、コラムニスト)/西村真二(お笑いコンビ・コットン)▸ゲスト:森咲 智美(グラビアアイドル、タレント、YouTuber)、中野 綾香(恋愛リアリティーショー出演・サロン経営者)▸ミクチャオーディション選出者(2名)※出演者は、都合により変更の場合があります。予めご了承ください。■恋とか愛とか(仮)とは『恋とか愛とか(仮)』(2021年まで放送)通称コイカリは、広島の若者たちが実際に体験した恋愛をもとにドラマ化。VTRを視聴する「恋愛マエストロ」犬山紙子と西村真二が、独自の目線で突っ込みトークを繰り広げる新感覚のトークバラエティです。■ミクチャとはライブ配信と動画投稿でコミュニケーションを楽しめるアプリです。2013年12月より運用を開始し、国内累計1,700万ダウンロードを突破!現在の月間訪問者数は、500万人超。2020年7月にサービス名を「MixChannel」より「ミクチャ」に改称。開発・運営:株式会社DONUTSアプリダウンロードはこちら : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年07月14日いま、SNSで大人の心をつかんでいるのが、シルバニアファミリーといった王道のものから、個人作家が作り出す動物以外の珍しいぬいぐるみたち。なぜいま、ぬいぐるみブームなのか。自身も「“ぬい”とお出かけする」というエッセイストの犬山紙子さんに、背景を考察してもらった。「コロナ禍での『寂しさ』も影響していると感じます。ただ、『大人がぬいぐるみを愛めでる』ことへの抵抗感が社会的になくなっていたことが前提かなと。かつてから一部では、“ぬいアカ”(ぬいぐるみを発信するために作ったアカウント)で“ぬい撮り”を投稿する文化があったのですが、SNSの一般化とともに市民権を獲得。大人がシルバニアファミリーを持ち歩いたりすることも、私含めSNS上ではよく見かけます」(犬山さん・以下同)“非”生物のぬいぐるみの流行もまた、SNSやネットの存在が大きいと指摘する。「マス受けが必須のメーカーと異なり、個人の作家さんは自分だけの『カワイイ』を追求できます。その感性がSNSにより、多くの人に共感されたのでしょう。しかも最近では、個人が簡単に通販サイトを立ち上げられる。価格帯も3000〜1万円くらいで、大人が手を伸ばしやすい値段の作品も」老若男女に開かれた現代の「カワイイ」は、非生物から無機物にいたるまで垣根がない。「どんなものでも『ふわふわ=カワイイ』と感じる心は、『カワイイの拡張』を示唆しているようにも思います」新世代の“ぬい”カルチャーは、多様な自由さが魅力なのだ。
2022年06月13日直木賞作家・辻村深月の人気小説を原作に、アニメ制作に携わる人々のドラマを描き出す映画『ハケンアニメ!』の試写会が5月8日(日)に都内で開催。エッセイストの犬山紙子が上映後のトークイベントに登壇した。映画ライターのSYOをMCに迎えて行なわれたこちらのトークイベント。犬山さんは、辻村さんによる原作小説も愛読していたということで「辻村先生にしか描けない、解像度の高い、フィクションを愛する者の叫びをどう描くんだろう? というのが最初、この映画で気になる点でした」と原作を愛するがゆえの映画鑑賞前の気持ちを明かしたが、実際に完成した映画を観て「最っ高でした!」と手放しで絶賛する。特に中村倫也が演じる“天才監督”王子がアニメイベントで自身も含めたアニメを愛する“オタク”への思いをまくし立てるシーンに触れ「あのシーンこそ、辻村先生の叫びなんじゃないかと。私も二次元を愛する人間として、金言のように受け取りました。中村さんの愛のこもった、魂のこもった演技で、セリフじゃなく『あ、本当に愛してる人が語ってる言葉だ!』と伝わってきました。私も『幽 遊 白書』の飛影だったり、『テニプリ(『テニスの王子様』)』の跡部様が心のよりどころの学生時代を送ったので、その私を不幸だったなんて言わせないと代弁してくれました」と感謝の思いを口にする。犬山さんが学生だった頃は“オタク”という言葉には現在よりもネガティブなイメージが色濃くあり、二次元やフィクションを愛するということに対し「生産性のない趣味」「現実がイヤだから、そういうものにハマるんでしょ?」などと偏見に満ちた心ない言葉を掛けられることも多かったという。「『二次元のキャラクターが好きなんて、実際に恋愛したら治るよ』と病気のように言われることもありましたが、そういう気持ちを作る側の立場からすくってくれる言葉でした」と熱く語る。映画の中では傍から見ればキラキラと輝いて見えるクリエイターたちの裏での苦労、“生みの苦しみ”もしっかりと描かれており、犬山さんも心打たれた様子。「『ゼロから(作品を)生み出すプレッシャーと言ったら…かじりついて書くしかないんだよ』というセリフも、辻村さんが小説を書くにあたって思っていることなんだろうなと。私も最近、気づいたんですが、原稿を書いていて行き詰ると、指毛をむしっているんです(苦笑)。裏側って見せられるようなもんじゃないんですよね。そこがしっかりと描かれていましたね」とうなずく。これまで数多くの漫画やアニメに救われてきたという犬山さん。「私の場合、好きな作品ができると、心にそれ専用の“部屋”ができるんです。小6で飛影に恋して『幽 遊 白書』の部屋ができたんですが、新しく別の作品を好きになっても、その部屋がなくなるわけではなく、永久に部屋が増え続けて、それらの部屋が集合体として私の中で聖域のような場所として作用するんです。『幽 遊 白書』が好きで、次に『テニプリ』が好きになって、『ハイキュー!!』、『ワールドトリガー』が好きになって、最近ではソシャゲなんですけど『魔法使いの約束』という作品がシナリオがすごくよくて…!どの部屋も私のよりどころとして存在していて、王子監督が話したように、もちろん現実逃避の側面もあるかもしれませんが、今を生きるために『あ、いまちょっとしんどい』とか『いま、あの作品の力を借りなきゃ』という時に、ドアをノックして、そこで少し休んで力をもらって、また出てくるみたいな“無敵の味方”のような存在なんです」と明かす。「好きを、つらぬけ。」というのは本作のキャッチコピーだが、まさに自身の中の「好き」を貫き続けた結果として“いま”があるとも。エッセイスト、漫画家として活躍するが「いま、ここでこうやってお話をさせてもらえていること自体、『好き』を貫いた先にあったことだと思います」と語り、子どもの頃から好きだったという「ちびまる子ちゃん」やその作者であるさくらももこのエッセイを読んだり、アニメ『耳をすませば』を見て、主人公・雫に対し「これは私のことでは?」と自らを重ねながら「学生時代から何かを描きたいという思いはずっと持っていた」とふり返る。「最初は編集者として雑誌を作ってたんですが、母の介護に回らなくちゃいけなくなって、でも家で介護しながらでも、何かを書くことができるんじゃないか?と夢は捨てなかったので、やはり『好き』という原動力に助けられてきたという思いはありますね」と語った。監督、アニメーター、プロデューサー、聖地巡礼を盛り上げようとする公務員など、アニメに携わる“仕事人”たちの姿を余すところなく描く本作。「監督だけでなく、スタッフみんなでアニメを作り上げてるんだということが伝わってくる。それって本当に尊い。全員が主役として、誇りをもって仕事をやっている“お仕事映画”であり、どの人にフォーカスを当ててもカッコいい!」と映画がひとりひとりの登場人物を丁寧に描いている点にも称賛を送る。そんな、数多くの魅力的な登場人物たちの中で、犬山さんが特に「グッと来たし、共感ポイントも多かった」というのが、尾野真千子が演じた、王子監督を支えるプロデューサーの香屋子。特に香屋子と吉岡里帆が演じる瞳がジムで顔を合わせ、一緒に銭湯に浸かるシーンに言及。「ライバルなんだけど、2人ともそこで力を得て、現場に戻っていくあの感じ――女性の描き方にシスターフッドをしっかりと感じました。(香屋子の)アニメ好きで一本、真っ直ぐな感じも好きです」と語る。映画を観終えたばかりの観客に向けての「もう一度、本作を見る際の注目ポイント」を尋ねると、犬山さんは「王子監督が瞳に対してもちゃんとリスペクトを持っているということ。ライバルとはいえ、面白いものを作る人へのリスペクトが互いにあって、それは香屋子と瞳もそうで、その描き方が美しいです」と語る。さらに、先述のアニメイベントのシーンに再び言及し「辻村先生が魂を込めて書かれたセリフを王子や瞳がドッと吐露するところに役者さんの魂も乗っています。原作の良さと映画の良さが見事に掛け算されている、後世に残る名シーンになっている。フィクション好きとして、私のように二次元のキャラクターを愛し、フィクションに救われた人間にとって、その気持ちをすくってくれるようなシーン。そのうち、DVD化されたら、しんどい時に見たいです。『ハケンアニメ!』の“部屋”ができました」と熱い思いを語ってくれた。『ハケンアニメ!』は5月20日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハケンアニメ! 2022年5月20日より全国にて公開©️2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会
2022年05月08日映画『あの頃。』の原作者・劔樹人(つるぎ・みきと)さんとその妻である犬山紙子さん。結婚前から共に“ハロプロ”に魅了されているお二人にその熱き胸の内を語っていただきました。“ハロプロ愛”とその深すぎる世界。モーニング娘。(以下、モー娘。)の誕生を機に、つんく♂さんが手掛けた女性アイドルグループの総称“ハロー!プロジェクト”(以下、ハロプロ)のファンこそ“ドルオタ”(アイドルオタクの略)の先駆け。劔:僕がハロプロにハマっていったのは‘03年頃。いろいろあって落ち込んでいた僕を元気づけようと友達が持ってきた松浦亜弥さんのMVを見たことがきっかけ。犬山:私がハマったのは約8年前、YouTubeでモー娘。の「One・Two:Three」というMVを見て。なんじゃこりゃ!って衝撃を受けてたった一晩ですっかりファンになってしまった。それで当時まだ友達だったつるちゃん(劔)が昔、ハロプロが好きだって言ってたのを思い出して。劔:一緒にCDを買いに行ったね。犬山:その時つるちゃんは一度ファンを離れていたから、私が「なんで今も追いかけてないんだ!」って説教した気がする(笑)。劔:‘07年頃に上京して生活が変わり、ハロプロオタクの仲間たちともバラバラになってしまったこともあって…。でもそのあと「What is LOVE?」という曲にバチンときて、また出戻ったけど。結構いるんだよね、1回お休みしてたけど戻ってきましたというファンは。犬山:最初はとにかくほとばしる魅力にやられたの。ただただ、多幸感に溺れている感じ。そこから、このメンバーが気になるとか、このグループの歴史は…と探り出すうちにどんどんハマってた。あとになって俯瞰したら、ハロプロに夢中になることで元気をもらっていたんだなって思うんだけど。劔:落ち込んでいる人に限らないけど、何かが突然刺さるというか個々にホームランが出るんだよね。犬山:武道館とか中野サンプラザのハロコン(ハロプロのコンサート)にも一緒に行ったよね。初めて観た時は、モー娘。が登場しただけで号泣(笑)。ひたすらYouTubeで見てきた人たちが実在するっていう喜びなのかな。つるちゃんもよく泣いてたよね。劔:僕もそうだし、メンバーの誰かが辞めちゃう時とか、おじさんたちめちゃくちゃ泣いてるよ。犬山:彼女たちが背負っているいろんな気持ちや空気感までファンは一緒に受け取るから、感極まってしまうのかな。劔:歴代メンバーの中でも欠かせない人はたくさんいるけど、高橋愛さんはすごかったな。パフォーマンスも超人的なスキルで、しかもモー娘。の歴史の中でもメディアに露出が少ない時代のリーダーだったんだけど、ライブばかりしていたからレベルが高い。犬山:ぽわんとしていると思いきや、ステージに立つとめちゃくちゃかっこいいし、歌もうまいね。劔:歌って踊りながら、高いヒールでも足元を見ずにステージ上の階段を下りるということを徹底していたのもすごい。犬山:そんな先輩がいたら、後輩たちはレベルを上げるしかないね。劔:道重さゆみさんは一時期はぶりっ子キャラでバッシングを受けたりもしてたけど、リーダーでアジテーターとしての力が強く、彼女の功績は大きいと思う。譜久村聖さんは、道重さんが抜けた18歳から、そして24歳になった現在もリーダーを務め、その歴も最長で。今のモー娘。は全体野球のようにみんなで戦ってる感じがするね。犬山:そしてファンは、未完成なものから努力を重ねて成熟していく過程をリスペクトしつつ応援しているところが素晴らしいと思う。劔:彼女たちとファンは、共にハロプロ誕生からの23年間を一緒に歩んできた仲間のような感覚なんじゃないかなと思うんだよね。つるぎ・みきとベーシスト、漫画家、元マネージャー。バンド・神聖かまってちゃんを見出し、マネージャーとなってムーブメントを起こした、音楽業界では名の通った存在。いぬやま・かみこコラムニスト、エッセイスト、ラジオパーソナリティ。『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)ほか著書も多数。映画『あの頃。』神聖かまってちゃんの元マネージャー、劔樹人による2014年に発売された自伝的コミックエッセイ『あの頃。男子かしまし物語』(イースト・プレス)を映画化。彼女なし、金なしでどん底生活を送っていた劔が、松浦亜弥の「桃色片想い」のMVを見たことで、ハロー!プロジェクトのアイドルたちにどハマり。ヲタ活の日々を描いた。監督:今泉力哉©2020「あの頃。」製作委員会※『anan』2021年2月17日号より。写真・小笠原真紀イラスト・劔 樹人犬山紙子取材、文・若山あや(by anan編集部)
2021年02月13日男性と女性の2つで性別を分け、『男らしさ』『女らしさ』という役割の固定観念をジェンダーバイアスといいます。「男性は弱音を吐いちゃダメ」「女性はつつましくあるべき」「夫は仕事、妻は家庭」など、昔から日本でもいろいろなジェンダーバイアスが根付いているのは事実です。しかし、ひと昔前までは『男子は黒いランドセル、女子は赤いランドセル』という風潮でしたが、今は自由に色を選ぶことができるようになりました。徐々に多様性が認められるようになっている今の時代は、過渡期といえるのかもしれません。「ピンク色は女の子じゃないとダメ」と言われ…2020年11月2日、エッセイストの犬山紙子さんの夫であり、ミュージシャンの劔樹人(つるぎ・みきと)さんがTwitterを更新。ある日、劔さんは保育園に通う娘さんから、こういわれたといいます。「ピンク色は女の子しかダメなんだよ」ピンク色が大好きだという娘さん。何があったかは分かりませんが、娘さんは「男性はピンク色を好きになっちゃいけない」という考えを持つようになってしまったようです。そこで、劔さんは娘さんの偏見を優しく指摘するために、『ある行動』をとることにしました。ピンク色大好きな娘がついに「ピンクは女の子しかダメなんだよ」と言い出しました。巷に溢れるジェンダーバイアスに幼児はもろに影響を受ける。なので、「男の子がピンク好きでもいいんだよ」と伝えるため、私は保育園の送り迎えや家でしばらくピンクばかり着ることにしました。 pic.twitter.com/28ni7UKxnU — 劔樹狼 (劔樹人) (@tsurugimikito) November 2, 2020 劔さんは、その日からピンク色の服を着ることに!保育園の送迎や、自宅で過ごす際はピンク色の服を着て、視覚的に「男性がピンク色を好きでもいいんだよ」と娘さんに伝えることにしたのです。きっと、娘さんが通う保育園にも、ピンク色が好きな男の子がいることでしょう。娘さんのためであると同時に、ピンク色が好きな男の子の気持ちも守った行動といえます。投稿は拡散され、多くの人から称賛するコメントが集まっています。・素晴らしい行動です!逆に女の子が青色を好きでもいいんです。・うちの息子はピンク色が大好きです。性別にとらわれず、好きな色のものを身に着けたいですよね。・以前、娘が同じことをいい出したので優しく説明したことがありました。これはいいアイディアですね!また、力士や落語家、スポーツ選手やアーティストなどの男性がピンク色の服を着ている画像も数多く寄せられていました。性別や年齢などにとらわれず、好きなものを正直に「好き」といえる社会になるといいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年11月03日すでに多くの人を魅了している『ヒプノシスマイク』。ドラマCDからアニメーションの世界に広がることで、一体どんな驚きを運んでくれるのか?そこで、以前からヒプマイを追い続け、自他ともに認めるヒプマイファンの犬山紙子さんがご登場。犬山さんならではのユニークな目線で、ヒプアニのおもしろさや注目ポイントを、思う存分語っていただきました。ヒプアニは、バトルものであり、インド映画です!エンタメの粋を集めたバトルシーンは必見。「言ってしまえば、ヒプアニは暴力を使わない(ラップ)バトルアニメなんです。アニメのラップシーンは少年バトルアニメっぽさを感じるのですが、それで終わらない。ヒプノシスマイクを起動してスピーカーを展開するシーンは、どこか魔法少女っぽくて、思わず叫んでしまったほど(笑)。変身するわけではありませんが、ド派手なスピーカーが出てくる演出が、魔法少女もので変身する時に感じるときめきと同じ種類の興奮があって…。まさかラップバトルで女児心まで満たされるとは思いませんでした。声優さんたちのラップとイラスト、それにリリックを組み合わせたMVを中心とした原作の世界観も、最高にかっこよかったのですが、ヒプアニでは、ラップが本当にバトルシーンとして昇華されていて。その映像だけでもMVとして観賞できる完成度なんです。これからヒプノシスマイクを知る人にとっては、とっつきやすく、間口も広がったと思います。例えるならインド映画。インド映画って、初めて観る人も、歌と踊りとあの有無を言わさぬエンタメ力で誰もが楽しめますよね。ヒプアニもまさにそれです。爆発したりなど少し大げさな演出も、『エンタメ力!』って感じで大好きです。最高に気持ちがいいんです」アニメになってあらためて声優さんのすごさを実感。「本当にいまさらなんですが、これまでCDやライブでラップをしていたあの神々が、本当にアニメの声優をされている!と当たり前のことを実感しました(笑)。今までも声優さんたちのラップはすごかったけど、今回はさらにすごみを増していて!私たちが想像していなかった新しい世界を見せてくれる。とてつもなく惚れ惚れします。また、ストーリーも見逃せません。チームごとの絆はもちろん、各ディビジョンの関係性がわかるのも興味深いです。麻天狼の3人が一郎を心配したり、MTCの3人が闇カジノで帝統を助けたり…。帝統が理鶯に懐いているような描写も、アニメで見るとより可愛いです(笑)。今までドラマトラックや歌詞から必死に読み解いて考察してきた関係性が、このアニメで補完され、さらに新しい文脈が花開いていく感じがいいですよね。日本人が嗜んできた短歌や俳句は、制限された文字数に言葉を乗せて、こぼれた部分は想像に託す。それってラップに通ずるところがあると思うのですが、ヒプマイというコンテンツが持つ余白の奥深さもまた同じ。これまで私たちは制約されたラップのリリックの中からストーリーを楽しんできたけれど、アニメではその余白がどのように表現されていくのかが楽しみです」毎週、新曲が聴けるなんてご褒美がすぎる!「毎週新曲を浴びるように楽しめる…って一体どんなご褒美なんですかね!?第1話では、4ディビジョン12名の新しいラップが聴けるという贅沢ぶりで、それぞれのカラーがしっかり表現されています。イケブクロは熱い感じが“らしい”ですし、ヨコハマは異色の3人のハードコアな印象が強く、シブヤはとにかく可愛い!シンジュクはアダルトかつカタルシス。ディビジョンの紹介としてまさにパーフェクト。アニメで初めてヒプマイに触れる人も、第1話を見るだけで全員の個性がわかりますよね。初めて見る人も、どのディビジョンの誰を推すか選びやすいと思うので、ヒプノシスマイクが気になっていた人は『ヒプアニ』から入門するのがオススメですよ」犬山紙子的“ヒプアニ”偏愛ポイントいち兄、救出作戦!ただならぬ三兄弟の絆。「イケブクロ最強の三兄弟の絆がエモい!立てこもり事件に巻き込まれた一郎ですが、目線だけで言いたいことを感じ取る三郎、すごくないですか!?それだけ通じ合ってるってことですよね。そしてお兄ちゃんのマイクをお手入れしている二郎も可愛すぎます」左馬刻の家族への想い。MTCの関係にさらなる興味。「妹のために自分を裏切った部下に破門を言い渡しながら、実はこの世界から足を洗わせた左馬刻のやさしさが沁みます。銃兎のドラッグを根絶させるという強い意志も伝わってくる。そんな左馬刻と銃兎が、理鶯の料理には何も言えないという関係性も素敵です」まるでライブステージ。ポッセの“魅せる”ラップ。「“魔法少女”感が強いポッセ。可愛さと毒が共存する乱数、個人主義に見えて仲間大好きな幻太郎、お金を無心する帝統。そんな3人がまとまる奇跡!第1話で、ポッセだけはバトルじゃなくて路上ライブで帝統の負け分を稼ごうとするのも、個性派のポッセらしい」傷付いた大人たちが寄り添うような麻天狼。「傷ついた大人が寄り添い合っている麻天狼。アニメでも3人が助け合います。神々しい寂雷に独歩と一二三の人間くささが融合しているところが魅力的。神話レベルの寂雷ラップ、一二三の顔の眩しさ、独歩が同僚に呼び捨てにされているところ、興味深かったです」“中王区のオンナ”側の目線で12人を見ているような気分に。「第1話で中王区の東方天乙統女と勘解由小路無花果(かでのこうじいちじく)の2人が登場。4つのディビジョンを調査している…という演出から、視聴者の私たちも中王区のオンナの目線で彼らを見ているような気持ちになれるんです」気になる第5話は10月30日24時から、TOKYO MXほかにて放送!『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme AnimaABEMAにて地上波同時配信ほか各種配信プラットフォームにて配信。©『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima製作委員会犬山紙子さんイラストエッセイスト。日本テレビ『スッキリ』などでコメンテーターを務める。本誌で「SanPaKuちゃんのわがまま気まま愛のRoom」を連載中。※『anan』2020年11月4日号より。写真・内山めぐみ取材、文・尹 秀姫(by anan編集部)
2020年10月31日男性の育児休業(以下、育休)取得率の低さが、社会的に問題となっています。2020年7月31日に公表した厚生労働省の調査結果によると国内の育休取得率は女性が83%に対し、男性は7.48%にとどまりました。この水準は育休制度がある海外諸国と比べても、極端に低いといわれており、制度の拡充等環境の整備や、男性の育児参加に対する意識改革の必要性を多くの人が訴えています。犬山紙子「育休は人道的に必要なもの」同年10月16日、朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、男性の育休取得が広まらない現状について特集。番組では東京商工会議所が発表した「男性社員の育休取得義務化について、中小企業の7割が反対している」という調査結果なども取り上げ、なぜ日本国内で男性の育休取得が進まないのか、原因を探っていました。企業のアンケート調査や取材の結果、男性の育休取得が低い理由として「社内に育休を取りやすい雰囲気がない」「社内の制度が整っていない」「所得の保証が十分でない」「育休の認知率の低さ」などが多くあるといいます。こうした現状に対し、コメンテーターの犬山紙子さんは、次のように見解を述べていました。取りたいけれども取れないという男性の声をたくさん聞いているので。やっぱり会社内でのその後キャリアに響くんじゃないかという不安で、その不安は妻も感じるところではあったりするので、そこの改善が本当に必須だなと。スッキリーより引用男性が育休を取得したいと思っていても、給与面や復帰後の影響への不安が障壁になっていることを犬山さんは指摘。続けて、男性が育休を取得する重要性について想うことを語っています。やっぱり育休って出産後の妻の身体って大ケガをしているようなものなので、人道的にも必要なものだと私は感じているんですよね。今、コロナ禍で『産後うつ』が問題になっていまして、産後うつの可能性がある方が、コロナ禍で通常の2倍というデータも出ていて、産後うつを防ぐためには、孤立を防ぐことが本当に大切なんですね。自分の気持ちを分かってくれる人、ともに子育てをしてくれる人、もちろんそれはパートナーだけではないのですけども、他者の手が本当に大切。これはもっともっと進んでいってほしいと切実に思っています。スッキリーより引用中小企業の人手不足の問題など、現実的に男性の育休を広めるには、難しい社会構造もあるでしょう。しかし、産後の母親を守るためにも、身近なパートナーが子育てに参加できるようにすることは必要だと犬山さんは訴えました。ネット上では、番組を見た人たちからさまざまなコメントが上がっています。・男性の育休取得の壁は、給料が減ることと、男性育児への偏見が大きいと思う。・「大ケガしているようなもの」ってその通りだと思う。それなのに、そもそも女性の育休ですらいい顔をしない会社が多い。・今朝のスッキリの特集、夫にも見て欲しかった。産後の夫婦に対する世間の冷たさを妊婦になって実感しました。・育休中の支給額、海外だと8割以上なのに日本は6割程度。夫婦ともに育休したら生活がきつくなる。まずはこれを改善しないとね…。親が子育てのための時間を確保することが、もっと当たり前の世の中になっていくように、制度面も人々の意識も、両方変えていく必要がありそうですね。[文・構成/grape編集部]
2020年10月16日さまざまな業界で活躍する、多くの人々に愛される男性たち。そんな彼らを前に、あなたの気持ちが高まる瞬間、抱く感情はどんなもの?愛情を注いでいる対象へのアンケートを実施しました。熱い想いを分析します!Q. いま、エンタメ界やスポーツ界で「愛する男」は何人いますか?A. 1人…37%、2人…17%、3人…19%、4人…7%、5人…9%、6人以上…11%半数以上が1~2人と回答。一途に思う人が多い結果に。一番多かったのは約4割を占めた「1人」という答え。一途にひとりを応援する人も多い一方で、5人以上と答えた人も2割存在する。「現実の恋愛と違い、対象に割く時間や向き合い方を自分の都合で決められるため、同時に何人かに愛情を注ぐことも可能です」(劇団雌猫・ユッケさん)。対象は俳優やアイドル、アスリート、声優と、多岐にわたる。Q. その人の一番好きなところはどこですか?A. 外見…35%、性格…21%、声…13%、表現方法…9%、雰囲気…9%、スキル…5%、その他…8%「声」が気持ちを高める重要なエッセンスに。「外見」と「性格」に次いで、「声」が上位に。「人間は何の根拠もなく、外見から、その人の内面と性格を評価します。親しみやすさ、誠実さ、活動的な印象を与える人は、男女問わず好かれる傾向に。また、声や血管などの生理的な要素は、恋愛的な気持ちを刺激する代表的な要素といわれており、ランクインに納得です」(臨床心理士・塚越友子さん)Q. その人のことを思う気持ちは、どんな感情ですか?(複数回答)A. 人間性を尊敬する…39%、その人の持つ才能を尊敬する…37%、疑似恋愛感情(恋愛ではないけれど、ときめく)…35%、元気でいてほしい…34%、励まされる、元気がわく…32%、癒される…31%その他の意見…作品などその人が生み出すものが好き/静かに遠くから見守りたい/嫌なことを忘れられる/世の中でもっと有名になってほしい/このまま変わらずにいてほしい/スキルアップや成長を応援したい/感謝の気持ちを伝えたい/恋愛感情(可能なら恋人になりたい)/応援している自分のことも知ってもらいたい/自分の寂しさを満たしてほしい/(自分自身を)向上させる存在であってほしい尊敬、恋愛、見守りたい…。気持ちの形は人それぞれ。上位を占めたのが、相手を尊敬する気持ち。その後に、ときめく気持ちや、「元気でいてくれればいい」という願いが続く。「好きな相手の数だけ思う気持ちがあるものです。ただ“元気でいてくれればいい”と思えるのは受け手の成熟を感じます。存在そのものに感謝をしたり、ずっと健康でいてほしい、は愛の域ですから」(イラストエッセイスト・犬山紙子さん)このアンケートは18歳~39歳の一般女性150名に実施しました。ユッケさんオタク女子4人による同人サークル「劇団雌猫」のメンバー。著書に『海外オタ女子事情』(KADOKAWA)、編著書に『だから私はメイクする』(柏書房)など。塚越友子さん臨床心理士、公認心理師。「東京中央カウンセリング」代表。「水希」名義の近著『不毛なマウンティングをかわす力』(KADOKAWA)が好評発売中。犬山紙子さんイラストエッセイスト。『スッキリ』(日本テレビ系)などに出演。近著に『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)。※『anan』2020年10月14日号より。取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2020年10月10日テレビ、雑誌、SNS、配信サービス……多岐にわたるメディアを通して、人と人とが猛烈なスピードでつながり、相手を知ることができる時代。だからこそ、私たちは直接の知り合いでなくても誰かの魅力に気づき、さまざまな形で愛情を抱き、気持ちを届けることが可能となりました。そんな新時代真っただ中のいま、多くの人々に愛される男性たちにフォーカス。彼らの引力の秘密とは!?アンケートを通して迫ります。Q. エンタメ界やスポーツ界の「愛する男」。その人を好きでいる時に、気を付けていることはなんですか。(複数回答)A. お金をかけすぎないようにする…40%、何も気を付けていない…27%、家族関係に支障が出ないようにする…19%、時間をかけすぎないようにする…18%、恋愛関係に支障が出ないようにする…14%、仕事に支障が出ないようにする…14%その他の意見…友人関係に支障が出ないようにする/他のどんなことよりも、その人のことを優先する理想の相手や世界とのほどよい距離感を大切に。一番多かった「お金をかけすぎない」をはじめ、家族関係や恋愛、仕事に支障が出ないようにするなど、冷静に向き合おうとしている人が目立つ。「相手に依存するのではなく、現実と余暇活動をきちんと分け、適度な距離感を保ちながら理想の世界を楽しんでいる大人が多いという証拠です。すごく健康的だと思いますよ」(臨床心理士・塚越友子さん)Q. その人を好きな気持ちが一番高まる瞬間はどんな時ですか。(複数回答)A. その人の仕事(作品)が素晴らしいと感じた時…48%、写真や動画等で格好いい姿を見た時…45%、写真や動画等でかわいい姿を見た時…25%、面白くユーモアある姿を見た時…22%、その人が世の中で活躍していることを実感した時…19%、その人のスキルや外見・内面の成長を感じた時…16%その他の意見…知的な姿を見た時/インタビューなどで発信している言葉に感動した時/その人について、知人と話が盛り上がった時/その人についての知らなかった情報を得た時/自分の愛情がその人の力になっていると感じた時その人が輝くのを見た瞬間とそれを話す時間が至福です。仕事ぶりに敬意を感じたり、カッコよさにときめいたり、成長を見た時など、その人が輝く瞬間を目撃して感銘を受けた時に、気持ちが盛り上がるという声が多かった。「こうして気持ちが高まり、愛するものへの思いを語っていると名言が生まれやすいこともファンの特徴の一つ。それも誰かを推す醍醐味だと思います」(劇団雌猫・ユッケさん)Q. 1週間のうち、その人に関連する活動をするのは何日間くらいですか。A. 1位…毎日、2位…1日、3位…2日手軽に有名人を見られるいま、毎日が多数派。毎日、何かしらのファン活動をしている人が1位という結果に。「いまはYouTubeやSNSなど、手軽に有名人を見られるツールがたくさんあることで、生活の時間割に組み込みやすく。私自身、毎日、活動をしない方が難しいです(笑)。“しんどいな~”と思った時に、すっと見られる精神安定剤のような存在なのでは」(イラストエッセイスト・犬山紙子さん)このアンケートは18歳~39歳の一般女性150名に実施しました。塚越友子さん臨床心理士、公認心理師。「東京中央カウンセリング」代表。「水希」名義の近著『不毛なマウンティングをかわす力』(KADOKAWA)が好評発売中。ユッケさんオタク女子4人による同人サークル「劇団雌猫」のメンバー。著書に『海外オタ女子事情』(KADOKAWA)、編著書に『だから私はメイクする』(柏書房)など。犬山紙子さんイラストエッセイスト。『スッキリ』(日本テレビ系)などに出演。近著に『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)。※『anan』2020年10月14日号より。取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2020年10月09日私たちの視線と心を奪う、さまざまな業界で活躍している男たち。そんな“愛される男”たちの魅力を掘り下げるため、私たちの「好き」という心理の正体を専門家が分析してくれました。専門家が分析する、「好き」の気持ちの正体。愛される対象が多様だからこそ、ファン側の心理もより細分化される。自分自身でも気づいていない「好き」の理由がここにあるかも!変わらずに輝く姿への安心感。“いつもそこにいてくれる”という安心感が愛を長続きさせる要因に。「ファンにも人生があるので、勉強や仕事、家庭の事情でなかなか相手の活動を追えなくなることも。そんなふうに会えない間も、好きな人にはキラキラ輝いていてほしい。だからこそ、ずっと変わらずに素敵なままでいてくれる対象に安心感を覚えるし、再び時間ができた時には、“あの人のコンサートをまた観たい”などと思うんです」(劇団雌猫・ユッケさん)あふれ出る魅力への好奇心 。“この人はどういう人?”と想像をしたり、自分の知らない一面があると感じることが対象への好奇心や興味につながる。「ミステリアスな部分がある人には、好奇心がわきやすくなるもの。妄想の余地を残してくれるという点でも強いです。例えば、SNSをやりながらもプライベートの出し方が天才的に上手な人や、ほどよく個人の情報を伝えられるラジオ番組を持っている人は、“この人をもっと知りたい”という欲をかきたてます」(イラストエッセイスト・犬山紙子さん)知らなかった価値観に出合う喜び。新しい価値観に触れることで、新鮮に向き合える場合も。「例えば、いま人気の藤森慎吾さんのYouTubeチャンネル。もともとチャラ男キャラの芸風だった彼が、時代を読み、いい感じに価値観を変化させていく姿に魅力を感じるからこそ支持を集めているのでは。アップデートを続けていく対象は新しい情報を発信し続けるので、知識欲が尽きることもない。それは、飽きることなく長年、応援できることにつながると思います」(ユッケさん)こんなふうになれたら…。目標としての憧れ。好きになった相手を自分のロールモデルとしたり、同じようになりたいと外見や行動を真似するなど、近づきたい気持ちが強くなる場合がある。「これは『同一視』という心理で、中高生などアイデンティティが確立していない年齢の人に見られることが多いです。もちろん、大人でもこうした思いを抱く人もいます。ただ、自分をしっかり持っていないと、自分と好きな対象を重ね合わせて依存してしまうケースもあるので注意」(臨床心理士・塚越友子さん)人間性やスキルへの尊敬。パフォーマンスや生き方への敬意が、愛へと形を変えるケースもしばしば。「“なんでこんなに頑張っているんだろう。芸能界って大変そうなのに心が清らかに見えるのはなぜだろう”と、仕事への姿勢を尊敬し、好きになることはよくあること。特に最近はSNSなどを通じ、努力をしている姿や思いを赤裸々に発信する人が増え、それを知ることができるようになったことも大きいと思います」(ユッケさん)「出演作品やライフスタイルなど、“ここがすごい”という思いを抱かせることができる人は、長く愛されると思います」(塚越さん)人間同士の幸せな関係性に癒される。“グループ萌え”という言葉のように、関係性への愛も。「愛する人と、周りのメンバーやキャラクターが楽しそうにしている姿は、相手の幸せを願うファンにとってはまさに幸せの瞬間を目撃している状態です」(犬山さん)「例えば、何らかの理由でグループ活動を休んでいる人とのエピソードを他のメンバーがあえて紹介することも。活動を維持する理由もあるでしょうが、かけがえのない関係性を感じることがファンの喜びでもあります」(ユッケさん)ユッケさんオタク女子4人による同人サークル「劇団雌猫」のメンバー。著書に『海外オタ女子事情』(KADOKAWA)、編著書に『だから私はメイクする』(柏書房)など。犬山紙子さんイラストエッセイスト。『スッキリ』(日本テレビ系)などに出演。近著に『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)。塚越友子さん臨床心理士、公認心理師。「東京中央カウンセリング」代表。「水希」名義の近著『不毛なマウンティングをかわす力』(KADOKAWA)が好評発売中。※『anan』2020年10月14日号より。取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2020年10月08日世の中で熱い視線を集める男たちに向けられている感情は、単純な恋愛感情ではなかった!?現代ならではのさまざまな「好き」の心理の裏側に、多角的な視点で迫ります。「愛される男」の秘密とは?私たちの視線と心を奪う、さまざまな業界で活躍している男たち。彼らに対する「好き」という感情を一般的にはファン心理という。「ファン心理とは、メディアなどを通じ、直接的な関係がない中で知り合った対象に、何らかの好意や応援する気持ちを持つことをいいます。調査によると、ここ10年間、ファン心理の性質自体に変化はありません。ただ、YouTubeやSNSなど対象を知るツールが増え、好意を抱くきっかけや対象の職業は変わりました」(臨床心理士・塚越友子さん)一人のカリスマ的存在というより、愛される男も多様な時代に。「いまは、“こんな人が愛される”という大きな傾向がないことが、一つの傾向。あえて言うと、ジャンルを問わず、悪い男よりも、爽やかさや品行方正さを感じる人が広い支持を集めているように思います」(劇団雌猫・ユッケさん)そこには、いまの世相が反映されていると、イラストエッセイストの犬山紙子さん。「不安定な世の中に心配を抱える人が少なくないからこそ、誠実な印象の人に注目が集まるのでは。ドラマ『愛の不時着』でヒョンビンさん演じるリ・ジョンヒョクが人気を博したのは、浮ついた感じのない姿に安心感を覚えた人が多かったからではないでしょうか」愛される男たちの魅力を掘り下げるため、私たちの「好き」という心理の正体を専門家の分析を通して考察します!専門家が分析する、「好き」の気持ちの正体。愛される対象が多様だからこそ、ファン側の心理もより細分化される。自分自身でも気づいていない「好き」の理由がここにあるかも!応援することで得る達成感。愛する人を指す“推し”という言葉が生まれたように、「応援したい」という気持ちは代表的なファン心理のひとつ。「目標に向かって頑張っている好きな人を見ると、相手が二次元の人物であっても、ただただ幸せを願うのみ。心から応援した分、上手くいった時には、私自身、満足感が生まれます」(犬山さん)「グッズを買うなど投資する形の応援は、すればするほど相手に対する思いが深まるもの。『自我関与』という心理です」(塚越さん)共感から生まれる自分への肯定感。近年、熱狂的な支持を集めているVTuberなどの楽曲には、決して明るくない心情を歌ったものも多く存在する。「ポジティブではない世界観を描いた作品に触れることで、無理をしなくていい、自分のまま偽らずにいていいと思うことができます。そうして、“私は孤立していない”と思えることが、癒しにもつながっていく。また、二次元もそうですが、ファン同士で愛する人の素晴らしさを称え合い、共感することも大きな癒しに」(犬山さん)疑似恋愛感覚のときめき。現実で触れ合うことがない相手に対しても、恋愛に似た感情を抱く人は少なくない。「疑似恋愛は、尊敬と並びファン心理における2大巨頭のひとつ。現実では触れ合わないため、お互いに失望したり、傷つけられたりすることなく、ときめき続けられる点がポイントです」(塚越さん)「現実の恋愛は、相手と会う時間などを合わせるのが難しい。その点、推しとの疑似恋愛は、時間の配分を自分で決めることができるし、適度な距離感もとりやすい。忙しいいまの女性にとっては、ときめきを得る相手として、いいのだと思います」(ユッケさん)現実離れした理想の存在。自分がいる世界とはかけ離れた場所にいる存在だからこそ、胸が熱くなることも。「私たちが生きる日々の中には辛い気持ちになることも多いですよね。だからこそ、自分の好きな人を見る時間だけは、夢を見させてほしいと思うものだし、それを実現してくれる人に惹かれるのでは」(ユッケさん)「ファン心理の原点は、直接的な交流のない人へのファンタジーを楽しみたいという気持ち。仕事などに追われる日常生活とかけ離れた遠い存在に憧れるのは、シンプルな心理です」(塚越さん)第三者として成長を見守る心地よさ。完成された姿だけでなく、その成長過程を眺めることに、喜びを見出すケースがある。「未熟な頃から完成されていく姿を母のような気持ちで眺め、愛でる楽しさが。できないことがあっても“伸び代しかない、素晴らしい”、成長を見た時には、“成長過程を共有してくれてありがとう”と、ずっと見てきたからこそ、喜びもひとしおです」(犬山さん)「近年のファン心理に関する調査によると、育成の魅力を感じる女性が増えています」(塚越さん)塚越友子さん臨床心理士、公認心理師。「東京中央カウンセリング」代表。「水希」名義の近著『不毛なマウンティングをかわす力』(KADOKAWA)が好評発売中。ユッケさんオタク女子4人による同人サークル「劇団雌猫」のメンバー。著書に『海外オタ女子事情』(KADOKAWA)、編著書に『だから私はメイクする』(柏書房)など。犬山紙子さんイラストエッセイスト。『スッキリ』(日本テレビ系)などに出演。近著に『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)。※『anan』2020年10月14日号より。取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2020年10月07日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にし、音声と共にお届けします。今回は2020年7月9日放送分より、『モトカレマニア』『臨死!!江古田ちゃん』を生んだ漫画家・瀧波ユカリさんがゲストで登場です。■「マウンティング」の生みの親<犬山さんの声を聴きながら読む>犬山:瀧波さんとお会いしたのは、私が『嫌われ女子50』という本を出すときに、お話をぜひ聞きたいとお願いしたのが最初でしたよね。「あなたにとって、どんなタイプの女性が嫌いですか?」というテーマで。今の私だったら、タイトルもテーマも疑問視するような本ではあったんですけれども……。瀧波:時代を感じるよねー。犬山:その時に、瀧波さんから「マウンティング」というワードが出てきたんです。それまで人間同士が「自分の方が格上だ」と示すことを、そんなふうに呼んだ人はいなくて。めちゃくちゃ言葉がしっくりくる! と目からうろこでした。瀧波:対談の何日か前に思いついたんですよね。もともとは生物学用語ですけど、男女間でも異性間でも起きるアレを、何かでうまく言いたいと考えていて。犬山:Twitterなどでもまさに「共感の嵐」で広まっていき、瀧波さんとは『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』という対談本を出すに至ったわけなんですよね。あの本はマウンティングのシミュレーションがすごかった。たとえば、「都会に住んでいる女子」と「田舎に住んでいる女子」と設定を決めて、お互いにマウンティングし合ってみるんです。「田舎女子」だとすると「都会って憧れる〜! でも私、狭いところに住むのはイヤで」みたいに。瀧波さんはさすがマウンティングの生みの親だけあって、言われたら嫌な絶妙のポイントをアドリブでポンポン出してくるんですよ。瀧波:今、ちょっとやってみた方がわかりやすいんじゃない?■実践・マウンティング女子のバトル犬山:設定どうしましょっか。瀧波:そしたら、私が「都会で働くOL」で、いぬぬ(※犬山さん)が「地方で地域ぐるみの民泊事業などをする女性」って感じで。犬山:わかりました。では瀧波さんからお願いします!<犬山さんの声を聴きながら読む>瀧波:(声のトーンを上げて)紙子〜! 久しぶり〜! 元気? そっちってどうなの?犬山:(声のトーンを上げて)なんかね〜、やっぱり緩やかに時が過ぎるっていうか……コロナの影響もそんなになくて、私はいつも通りに「自然と時を育んでる」って感じ。瀧波:「虫と一緒に生きてる!」って感じね! コロナの影響がないなら、何かいいな〜。私はパワーランチが毎日できなくなっちゃって、仕事の話も進まなくなっちゃったの。犬山:……ちょっ、ちょっと待って……「虫と一緒に生きてる」と「パワーランチ」にダメージを受けて笑いが出てしまう……でも、ユカリにパワーランチが必要なのも私は認めるけど、私はもう疲れちゃったっていうか。地域の人たちと野菜を交換したりとか、そういった日々の暮らし、気持ちの育みのなかで「自分の時間」を生きていきたいんだよね。瀧波:でも、田舎でつくれる良い野菜って、結局は都会で買えるよね〜。都会に疲れちゃった女子が一度田舎に行って、また都会に戻ってくる流れも出てきてるし。犬山:野菜、たしかに伊勢丹とかに売ってるけども(笑)。はぁ……やっぱり瀧波さんはすごかった! 完全に私が押されました。たぶん私が特別に弱いというより、瀧波さんがうますぎるんですよ。頭の回転も速いんでしょうけど、普段から言葉を摂取してるから、そんなにポンポン出てくるのかしら。瀧波:ポジティブに考えればそうだけど、性格が悪いだけかも? これ完全に、私はいま、リスナーから嫌われてると思う(笑)。■「あの頃の私が、この情報を知っていれば」と思いながら犬山:自分がいま10代後半とか仕事を始めたての頃とかだったら、瀧波さんのマンガやエッセイを摂取したかったなって思うんです。あの頃はモヤモヤとツラい女の子として生きていて、でもこのツラさを言語化できないし、周りから「女なんだから」と押し付けられた正解を内面化している時期なんですよね。そういう時期の苦しんでいる若い女の子にとって、瀧波さんは感情を整理できて、楽になれるような言葉をくれるんですよ。優しく寄り添って教えてくれる存在。いまの20代の女の子たちが少し羨ましいくらいで、私も当時に出会えていたらなって。瀧波:若いときの私自身が、自分のそういうモヤモヤとかドロドロをそのまま漫画や文章にしていたから、今の自分が過去作を読むと、直視できなくてツラいですよ。犬山:それは私もです! 自分の内面がそのまま出ちゃっていたりとか、人を分断するようなことを書いてしまっていたりとか、反省しきり……。瀧波:いまだったら絶対に言わないようなこともあるしね。でも、そんな時代を進んできて変わったから今があるわけで。今も昔と変わってない人は過去作も平気で見れると思うんです。だから、その分だけ進歩したと思えばいいんじゃないかな。犬山:そうかー! 私も過去作が見られない理由を良く捉え直せました。瀧波さんの作品には、「苦しかった自分も含めた、あの頃の女の子たちへ」という目線を強く感じます。そういった目線は、どういった気持ちから生まれていると思いますか?瀧波:やっぱり「情報を届けること」だと思う。いぬぬも言った通りに「あの頃に知っていたら苦しまずに済んだこと」は本当にいっぱいあります。それって、世代が変わってしまうとうまく届かない場合もあるかもしれないから、今の若い子に少しでも情報を渡すことが大事だと思っていて。「こんなことを言う男はダメだよ!」とか。犬山:それを本当に知りたかったんですよね。情報1つで捉え方は全然変わるし。たとえば、会社内での不遇を「私の実力不足だから」と思いすぎたり、「女は理性的じゃないからだめだ」みたいな言葉を信じてしまったり、若い頃ほど「結局は自分が悪いせいだ」みたいに自身を責めがち。私自身もそうでしたし、本当にそう感じることも多かった。だから、瀧波さんのような近い立場でいてくれるお姉さんからの話は、届きやすいと思っています。■いまは「恋愛が始まる前」の悩み相談が増えている犬山:瀧波さんはRadiotalkでも『おちゃのじかん』というタイトルで、音声を配信されてますよね。瀧波:今年の3月くらいからですね。毎回10分くらい、特に強く訴えたいこともなく、だらっと喋る感じで続けています。お悩み相談をすることもあって、それは「マシュマロ」という匿名でメッセージを受け付ける投書箱みたいのがあって、そこに悩みがポロッと送られてきたりしたときに応えています。犬山:そういったふうに寄せられるメッセージも含めて、今の女性たちに多いお悩みの傾向なんてあったりするのでしょうか?瀧波:だいたいは「恋愛」と「仕事」ですね。ただ、「恋愛をしたいけどできない」とか、「好きな人が現れない」みたいな「恋が始まる前」の悩みが多い気がします。犬山:それは同感です! 私もお便りを読んでいると、「出会いの無さ」や「好きな人がいない」という声が多いですね。そういった人にはどんな言葉をかけられますか?瀧波:まずは「変わらなきゃいけない」っていう思い込みは一度外した方がいいよ、と。恋愛しなきゃいけない、仕事で上に行かなきゃいけない、仕事と家庭を両立してなくちゃいけない……そういうことって、まずもってみんながする必要はないです。大事なのは「あなたはどうなりたいか」をスタートにすることですよね。犬山:女性は子どもを産まなきゃいけない、結婚しなきゃいけない、といった圧力もそうですよね。年齢的なタイムリミットのもとに焦らされる感じ。それを強要される中で生きていくなかで、「変わらなきゃいけない」と無根拠に思ってしまうこと、あるいはそれを思わせてくる社会に、私は怒っちゃうんです。自分の傷を癒す方が先決だったりすることもあるし。瀧波:でも、「変わらなくてもいいよ」と声をかけたい気持ちもありつつ、私の経験としては、自分の前にハードルを一つ、二つと設けて、それを越えて変わったあとのを楽しさや、得られることの多さも知っているから、ただ「変わらなくてもいいよ」だけでもダメで。犬山:はぁ……私も相談したい!(笑)言動がぐちゃぐちゃな人には振り回されないように!犬山:ここでリスナーさんからのメールをひとつ。もっぴぴさん、ありがとうございます。<犬山さんの声を聴きながら読む>「もう大学生なんだから化粧しろ、それはマナーだ」と言ってくる人と、いざ化粧をしたら「色気づいた」と言ってきたり、その仕方を修正しようとしてくる人が嫌いです……恥ずかしながら親に対しての愚痴です。帰省するたびに、そんな言葉をかけられています。化粧は自分が気合いを入れて過ごせるための武装でもあるので、放っておいてほしいです。瀧波:もっぴぴさんの気持ちも考えつつ、親の気持ちも考えてみたんだけど、年頃の娘が帰省で戻ってくる度に、すっごく毎回かわいくなっていってる衝撃があると思うんだよね。親もそこで「可愛くなった」と言えればいいんだけど、言えない心の複雑さがあるのかなぁ。犬山:なぜでしょうね? 本気で口を出したいのか、照れくさいから出る憎まれ口なのか……ただ、もっぴぴさんが「嫌い」と感じると断言されているので、イヤな空気が漂ってるのかなとは思いますけれど……。瀧波:あとは「プランB」を持っておくといいんじゃない? 「プランA」は思いっきり拒絶すること。「そういうこと言われるのイヤなんで!」と相手の矛盾点を突いていく。で、プランBは、意地悪だけれど「私の方が化粧うまいよ」と返して、一緒にお化粧する。同じものを自分用と2セット買っていって勧めてみたりするのね。一緒に楽しめるようになったら、親のお金で化粧品も買ってもらえるようになるはず(笑)。犬山:なるほど〜! 親も娘との時間を持てて嬉しいかも。「娘からこんな化粧品もらったのよ、私には派手なんだけど……」とか言っても、近所の人に自慢しそう(笑)。瀧波:親だけでなく、女友達でも言う人いるよね。「あなたは黒髪が似合うよ」とか言っていたのに、いつからか「髪を全然染めないね」と言ってきたり。そういう人は好きゆえの執着みたいなものがあって、嫉妬心にも近いところから、いろんな感情がぐちゃぐちゃになった結果、言動もぐちゃぐちゃになる。犬山:言動がぐちゃぐちゃな人に振り回されないのも大事ですよね。「矛盾するようなことを言う人もいるんだなぁ」という心持ちで捉えられたらいいのかもしれません……そして、あっという間ですが、もうお時間だそうです! 瀧波さん、お忙しい中、ありがとうございました!※Radiotalk限定 特別編「親になって変わったこと」を公開中!ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年08月13日2020年7月29日、『緊急避妊薬』をとりまく現状が賛否両論を呼んでいます。ことの発端は、同日放送の情報番組で紹介された、緊急避妊薬に対する各医師の見解でした。日本での緊急避妊薬をとりまく現状望まない妊娠を防ぐため、世界保健機関(WHO)が必須医薬品に指定している緊急避妊薬。海外の一部の国では薬局などで購入でき、価格も比較的安価に設定されています。また、医療機関のみであっても、緊急避妊薬は無料で処方される国も。一方日本では、緊急避妊薬は医療機関のみでの取り扱いとなり、価格も6千~2万円と高額です。こうした日本の現状を受け、同月21日には、産婦人科医などで構成される団体が、緊急避妊薬を薬局で購入できるように求める要望書を厚生労働省に提出したものの、関連する学会からは慎重な意見も。番組では、慎重派の意見として「若い女性に対する、避妊も含めた性教育の機会が少ない」とし、安易な考えで緊急避妊薬を使う女性が増えることを危惧する医師の見解が紹介されました。これに対し、視聴者からは賛否両論、さまざまな意見が寄せられる事態に。エッセイストの犬山紙子さんもまた、自身のTwitterを通して、持論を展開しています。若い女性の性教育が〜となっているが、緊急避妊薬が必要となる背景には男性の存在が不可欠。そして若い女性、男性だけでなく、大人の認識の偏りが問題を作っている。性教育が不十分というのはその通りで、だからこそ緊急避妊薬が身近に必要。@inuningenーより引用また、犬山さんはこうも続けます。またリスクの高い性行動を選ぶ子どもの背景には、家庭に居場所がない(DVや虐待など)学校に居場所がない、経済的困難を抱えているなど社会全体の問題が深く関わっているそして虐待死で一番多いのは生まれたその日であること若い女性に責任を押し付けていては解決しない@inuningenーより引用日本の性教育の遅れは、以前から指摘されている事実。また、性教育は決して女性にのみ必要なものではなく男性にも必要な教育です。また、緊急避妊薬の必要性を語る上で、ただ性教育の不十分さのみに注目するのは、問題のすり替えなのではないかと疑問を抱かずにはいられません。【ネットの声】・海外で10代の頃、緊急避妊薬を使用しました。正直「便利だ」って思ったけれど、その後、緊急避妊薬を安易に使用しているかというと違います。ただ、10代だった当時の私に、緊急避妊薬という選択肢があってよかったとは思う。・確かに、安易に使用する人が増えてしまう危険性もあるとは思う。とはいえ、ここまで緊急避妊薬の必要性が訴えられているということは、悪用する側の心配をするより、守るためにどうするべきかを優先するべきですよね…難しいな。・「女性の性教育が」というより、薬局で買えるようになると、その副作用も知らない男性が「薬局で買えるなら別にいいや」って無責任に避妊をしなくなる可能性があるってことなのでは?緊急避妊薬が日本で承認されたのは2011年。緊急避妊薬がなぜここまで求められているかの理解が浅いのは否めません。また、性教育が不十分だからこそ、緊急避妊薬を「安易に使用する危険性がある」との指摘が出ているようにも思えます。改めて、なぜ緊急避妊薬という選択肢が必要なのか、そして、なぜ今よりも手に入れやすい環境を整えるべきなのかを考える時なのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2020年07月29日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年7月2日放送分より。■アイドルファンは「プロデューサー推し」に行き着く?<犬山さんの声を聴きながら読む>私がコメンテーターとして出演している朝の情報テレビ番組『スッキリ』でも追いかけていた、ガールズグループを輩出するNizi Project、とうとう「NiziU」としてデビューする9人が決まりましたね!(2020年7月2日当時)早速、『Make you happy』という曲も発表され、 みなさんミュージックビデオはご覧になられましたでしょうか……まだ見てないかもしれませんが、本当に良いんですよ! 最高なグループですから、ミュージックビデオも、ぜひ検索してみてください……!改めてNizi Projectの説明しますと、TWICEを生んだ韓国のJYPエンターテイメントと、日本のソニーミュージックが組んでアイドルチームを作る企画です。1万人の応募者から9人にまで選ばれたのですが、もう選考過程からメンバーのスキルが高すぎて!たとえば、メンバーのリマさんは、実はラッパーのZeebraさんの娘さんなんですが、それを抜きにしてもカリスマ性や実力があり、ラップの上手さも光っていて、見た目の華やかさで人の注目をパッと惹きつけますね。あと、ミイヒちゃんはまだ15歳ながら、しっとりとバラードを歌い切ったり……本当に実力を兼ね備えた9人組が誕生しました!で、NiziUのみんなに注目しつつ、私の「推し」は韓国人プロデューサーのJ.Y.Parkさんだなって、思っちゃったわけです(笑)。この番組でも度々話していますが、私はモーニング娘。などを生み出したハロープロジェクトが大好きな「ハロヲタ」なんですけど、最終的に誰を一番に推しているかというと、プロデューサーのつんく♂さんなんです。でも、私と同じような人って、結構いるんですよ!つんく♂さんの誕生日に、似顔絵を乗せたパンケーキをつくったりしながら、「つんく♂さん好きだな……」と改めて実感したんですが、やっぱり書かれる歌詞がいいんですよ。女の子を自分に憑依させて、リアルな気持ちをそのまま書いてくれる。おじさんが思う女の子の気持ちではないんです。あとは努力を惜しまないところも大好きです。■J.Y.Parkさんの褒め方に、子育てのヒントがいっぱい話をJ.Y.Parkさんに戻すと、彼がNiziの候補者にかけてきた言葉が、本当に「徳が高い」としか言いようがなくて、子育てをする1人の母としても、学ぶところだらけなんです。彼のニコーッとした笑顔も良いのですが、何よりJ.Y.Parkさんの「言葉×アドバイス」がステキ。メンバーに何かを指摘するときでも、それをプレッシャーに感じてしまうことは、絶対に言わないんです。まずは「あなたは素晴らしい、才能に恵まれているし、生まれてきたことが特別だ」というところから入る。そのうえで、「こうすれば、もっと良くなるかもしれない」と伝えるわけです。女の子たちは自分のプライドを保ちつつ、成長を促されるという素晴らしい方法で。J.Y.Parkさんの言葉の例を挙げると、さっき紹介したリマさんには「君は自分についてまだわかっていないことがあると思います」と始めるんです。自分の悪い癖を指摘されるのかしら……と不安な顔になったところで、彼女の歌の上手さを褒めるんですよ。「ラップ、ダンス、パフォーマンス、表情で自分を見せようとしているけれども、歌が本当に上手だよ。それをあなた自身が知ってほしい」……そんな言い方できます?!J.Y.Parkさんの真意は「歌をもっと努力して練習しようね」なんでしょうけれど、それをこんなふうに言われたらやるしかない。自分を信じられるようになる言葉じゃないですか?■「J.Y.Park日めくりカレンダー」が欲しいですあとは、J.Y.Parkさんは「謙虚であることが大事」と、よく言います。私たち日本人からすると、謙虚は「いえいえ……私のようなものが……」みたいに、へりくだってしまうものと思われがちですが、J.Y.Park流の謙虚は違います。謙虚は、言葉や行動だけの謙虚ではなく、「心の謙虚を意味します」と。「自分自身が本当に“足りない”と思って、隣にいるみんなの短所ではなく長所だけを見て、心から感謝すること、それが謙虚です」もうね、説法!ありがたいんですよ!(笑)他にも「才能」について、「才能に恵まれているのは本当に素晴らしい。しかし、それを発揮できないのは本当に残念なことです。才能が夢を叶えてくれるのではありません。過程が結果を作って、態度が成果を生むんです」と。それから、「夢を叶える人とは、自分に毎日勝てる人」とも。うーん……すごい。私からは子どもにこんな言葉をかけてあげられないですね。『スッキリ』で加藤さんもおっしゃってましたけど、 J.Y.Park金言集なるものが発売したら欲しいです。日めくりカレンダーとかね。トイレに置いておきたい!■職場も家庭も気をつけたい、「褒め」を伝えることここからはリスナーさんからのメールを紹介します。まずは、ラジオネーム「風祭」さん。初回からRadiotalkで楽しく聞かせていただいてます! 私事ですが、褒めてほしいことがあります。今年4月に転職しました。前職では、威圧的な上司や男性上位な空気が当然の職場だったのですが、これを機に、同じ職場の人とも積極的に話そうと決めていました。感謝や嬉しく感じたことはすぐに伝えたり、相手の話を楽しんで聞くようにしたり。働きながらも自然に笑顔でいることが増えました。もともとの1人で仕事をしたい性格や、男性への不信感といった「自分の殻」を破ろうとした、このビフォーアフターを褒めてほしいです!転職、お疲れ様です! これはもう、褒め、褒め、褒め!前職でのトラウマがあると、次の職場でもちょっと尻込みしてしまうことが多いのかな……と思いきやですよ。新しい環境をより良くしようということで自分から働きかけるのは、すごく強さがあるなぁと思いますね。……って、J.Y.Parkさんなら、こういうことを伝えるんじゃないですか?(笑)風祭さんには、心の中に自主的なJ.Y.Parkさんが宿っているんじゃないかな。いや、本当に素晴らしいことですよね。自分から「ありがとう」とか「嬉しい」という感情を伝えるのって、なかなか照れくさいことが多いと思うんですが、今すぐに伝えることで関係が良くなっていくと。本当に職場で1人でもやってくれる人がいると、周囲も一気に「お互いを褒め合う空気」になるから、「風祭さんが入ってきてくれて良かったね」って思われているんじゃないでしょうか。これ職場だけじゃなくて……私たちも家庭内でしないと! 「嬉しい」や「ありがとう」って「褒め」を伝えていきたいですよね。いちばんに身近な人にできると、家庭の空気がすごく良くなるんじゃないかな、なんて感じました。素敵なメッセージ、ありがとうございます。■心のドロドロしたところだけが「本当のその人」ではない<犬山さんの声を聴きながら読む>続いては、ラジオネーム「ライナスのタオル」さんです。犬山さんの『スッキリ』でのイメージとのギャップを感じつつ、楽しんでラジオを聞かせてもらってます。僕がイメージする犬山さんと違うところが、まだまだいっぱいあるんでしょうね。どんな人なのか楽しみに声を聞き、テレビ出演も拝見させていただきます。これからも頑張ってください!ありがとうございます。私のことで言うと、ラジオはプライベート感がめちゃくちゃ強いんですよね。でも、こういう「イメージ」って、難しい話なんですよねー……。私って、どういうイメージなんでしょうね? そもそも私は、インターネットで他人の恋愛にあれこれとゲスいことを書いていたブログ出身なので、周りからもゲスい人間だと思われているのかなと、自分の中では勝手に思ってたんです。でも、最近はその頃を知らずに、『スッキリ』などで初めて見てくれたという方が、やっぱり多くなってきて。『スッキリ』だと真面目な顔で、真面目なニュースにもコメントするわけです。そちらの印象が今どんどん強くなってきているのかなぁ。Twitterでも、真面目なこともつぶやくけれど、下世話でしょうもないこともばっかり書いているんですけど。だから、たとえば「あの番組の犬山さんが好きです」とか、「本当の犬山さんが出るのはあっちですよね」みたいな感じに言われることもあるんですが……全部、私は「素」なんですよね。自分の持つ汚い、ドロドロしたところを見せると「それがその人の本当だ」っていうふうに認識されやすいじゃないですか? でも、人間がドロドロしているところも本当だし、真面目なことや綺麗事を考えてるときも本当ですよね。全部が私なので。「本当の顔」なんて実は無くて、全部が本当の顔ですよ、みたいなことを考えちゃいますね。みなさん、「自分像」って正確に把握しています? 明るい人か、根暗な人か、なんて、結構付き合う人によっても変わるじゃないですか。あとは、その場の空気とか、環境によっても変わるし。だから、いろんな「自分像」を、みんながそもそも持ってるもんじゃないかなーとは感じています。「自分がどんなキャラなのか」を書いた作品として、村田沙耶香さんの『生命式』という短編集に収められた小説があります。自分が周りに求められるキャラクターとして、「ここではおっとり系、こっちは天然で、あそこは姉御キャラ」みたいにペルソナを持ちすぎてしまう登場人物が出てくる話があります。混乱して、最終的には「私は何がいいかわからないから、あなたが私のペルソナを決めて」と伝えるようになり、そこからまたガラガラッと物語が進んでいく、めちゃくちゃ面白い作品です。これも、ぜひ読んでみてほしいなって思いました。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月21日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月25日放送分より。■「不倫された側」に起きる、気持ちの変化とは?<犬山さんの声を聴きながら読む>まずは先週に続いて、不倫について話し足りなかったことから……先週は「不倫する側の心理とは?」を、私が読んだ本をもとに紹介したのですが、今回は「不倫された側」のことをしゃべってみたいなと。いや、もう、どう考えても傷つきますよね。裏切られたような気持ちになるし、「自分に魅力がないからじゃないか」と責めてしまったり……。こちらも先週と同じく、アメリカの心理療法士であるエスター・ペレルさんの『不倫と結婚』という本には、不倫された側がいかに回復していくのか、ということも書かれています。まず、不倫された側に起こる心境の変化としては、自尊心がひどく傷つく。自分の全てを否定されたような気持ちになっちゃうんですね。でも、不倫をされたからといって、その人の魅力が全てなくなるわけでもないし、その人に落ち度があるばかりでもないです。「どれほど幸せな家庭でも不倫は起こりうる」とエスター・ペレルさんは書いています。その理由は先週もお話したように、「人が不倫のなかに発見する最も魅惑的なものは、新しい相手ではなく、新しい自分自身である」からですね。不倫を経験して、別れないカップルもたくさんいます。もちろん別れるのも選択のひとつです。どちらが善い、悪いではないんですけれども、どうやって自尊心を回復していくのかについては、事前に知っておきたいじゃないですか。■自分を責めないこと。周りの人たちやプロの力も有効「不倫された側」の自尊心を回復させるためには、自分を責めることなく、「それでも私には魅力があるし、楽しいことがあるし、友人たちから評価もされている。今まで積み重ねてきたものが、この不倫で全て崩れるわけはない」ということを、ちょっとずつでも頑張って思い出していくことが大事だと書かれています。だけど、やっぱりシャレにならない傷つき方でしょうから、私は周りの人たちの力はもちろん、できればプロのカウンセラーの力も借りたほうが、心も修復されやすいと思いますね。あと私としては信頼できる友人たちも大切かなって。で、そこで友人たちが絶対に守るべきことは、不倫された側に説教はしちゃダメ! ということ。「あんたが全然相手しなかったから……」とか、「あんな男は早く別れてよかった」とかもダメです。ひたすら、聞く! 表に出してくれた傷を、ただ受け止める!友達からそんなふうに言われてしまうと、不倫された側も腹が立ってきちゃうし、そこでまた気持ちが混乱してしまいます。それに、こういうのってお互い様じゃないですか。友人同士は、弱ったときに助け合ってなんぼですから。■不倫した側は「謝罪&謝罪」そして、不倫してしまった側で、もし関係を続けたいのであれば、相手にはとにかく謝罪&謝罪&謝罪!「自分が本当に悪かったし、あなたに魅力がないことには絶対ならない」と、何度も何度も語りかける。仮に激怒されても、それでも不倫は「してしまった方が悪い」から耐え続け、支えていくことしかできないです。結局は、不倫ってした方も傷つくんですよ。どこかで自分も「いい人間でありたい」みたいな思いもあるから、それを全うできていないことに、自分自身で激しく傷つく。いやいや、不倫しといてなんやねん! って話なんですけど。だからこそ、不倫で新しい自分を発見するんじゃなくて、ゴルフでも、山登りでも、違うことで見つけていきましょうよ。あるいは、「性依存かもしれない」と思ったら、カウンセリングのドアを叩く。……と、2週にわたって不倫についての話でございました。■38歳のわたくし、15歳の歌声に号泣する<犬山さんの声を聴きながら読む>さて、私は毎週金曜日に、朝のテレビ番組の『スッキリ』にコメンテーターで出演しているのですが、そこでは今、Nizi Projectというアイドル発掘オーディションを追っています。最新エピソードは毎週金曜日にHuluで更新されていて、めちゃくちゃ面白いんですよ!(2020年6月25日放送当時)何が面白いって、まずは出場している女の子たちが素晴らしい。例えば、15歳のMIIHI(ミイヒ)ちゃんという子が、しっとりしたバラードを歌い上げたりするわけなんですけど……それでもう38歳女のわたくしは号泣ですよ。歌って、なんで涙が出てきちゃうんですかね……わざとじゃないんですけど、収録中でも私なんかはつい泣いちゃいます……。耳に歌声が入った瞬間、「あぁー! はぁぁー!」って、言葉になるより前に感情が引き起こされるみたいに泣けるんですよね。年齢と共に出る変化じゃないかなと思っていますが、若い女の子たちがこんなにも努力して頑張っている姿を共有してくれている、その成長するさまが琴線に引っかかるんだろうなって。まぁ、こっちが勝手に引っかかってるんですけど。このNizi Projectは、音楽プロデューサーのパク・ジニョンさん、みんなにはJ.Y.Parkさんとも呼ばれていますけど、彼が率いています。J.Y.ParkさんはTWICEのプロデュースでも知られている人で、彼は指導者としてすごく的確なことを言うなぁ、と感心していて。女の子たちに言葉を投げかけるときも、女の子たちのポテンシャルは絶対おとしめない。「あなたはやればできるよ。今は自信がないからそうなっただけだった」と、すごく寄り添って励ましていく。体育会系というわけでもなく、ちゃんと褒めて伸ばしつつも、駄目なところは指摘する。そのときも淡々と冷静に伝えたりしていて、こういう人が上司だったらいいんだろうなぁ、と感じますよ。■「強い女の子」を感じさせてくれる姿にときめくJ.Y.ParkさんがプロデュースしているTWICEは、このラジオの構成作家の松本真一さんが、そうとう好きらしくて。ちょっと推しポイントを、ぜひ教えてもらえません?──TWICE、いいんですよ。僕も最初は、仕事にも絡む「研究」と称して聞きはじめたんですけど。大人になると、そういう大義名分が必要になっちゃうんですかね(笑)。──研究のはずが、有名な『TT』から始まり、一通り聞いていって。そこで一度は熱が落ち着いたんですけど、去年出た『FANCY』という曲が最高で、その次の『Feel Special』も素晴らしく、「2曲連続で良いのが来た!?」って再燃したと(笑)。松本さん的に「これ!」って曲、あります?──『YES or YES』は歌詞もよくて。この「YES」は「私はあなたのことが好き。どっちか答えてよ」の意味からの「YES or YES」なんですよ。めっちゃいいじゃないですか!「強い女の子」の歌詞は大好きです。女の子って、それこそ「NO or NO」くらいに弱々な気持ちもあって、そういう曲があってもいいんだけど……やっぱり社会の中で女の子はまだ意見を言いにくい現状があったりする中で、TWICEみたいなガールズグループが「いや、私たち強いし! 好きな服着るし! 男ウケとか関係ないし!」みたいな姿を見せることで、すごく救われる気持ちになるんですよ。私が好きなハロプロにしても、つんく♂さんが書く歌詞は「おっさんから見た女の子」じゃなくて、「等身大の女の子になりきっている」のが大きなポイントで。それこそ、モーニング娘。 に『女が目立ってなぜイケナイ』という曲があったりします。これを聞いて「ほんま! 化粧もちょっと派手な方がええ!」と強くなるような思いがもらえるんですよね。私も「なぜ、女が女の子アイドルを応援するの?」みたいな文脈で質問されることもあるんですけど、「そもそも、かっこよさや生命力の輝きに性別って関係ありますか?」と答えています。K-POPのガールズグループだとMAMAMOO(ママム)も、強い女って感じでかっこいい。あるメンバーが「あなたは太っているし、それはスタンダードな美しさじゃない」とオーディションの審査員に言われたとき、「いや、この私をスタンダードに変えてみせる」みたいに返したんですよね。それを聞いて「なんて強いの!」と。私もそれぐらい言いたい、素敵だなと思いましたね。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月20日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月18日放送分より。■不倫のコメント、やめません?<犬山さんの声を聴きながら読む>世間はまだまだ「不倫」っていうキーワードでざわついてるなぁ……という印象ですが、私もコメンテーターの仕事をしているもので、コメントを求められることがあります。あの、今日は私から提案したいことがありまして……コメンテーターのみなさん!「不倫の話ではコメントしない協定」を結びませんか?だって、不倫って犯罪ではないのでね。そこに性被害の告発などが入ったなら話は別ですけれど、単なる不倫はヨソの家の話のことだから中身までわかりませんし、私たちが周りからコメントすることで、「不倫された側」がツラく思うことだって、あるみたいなんです。だから、私も不倫のコメントを求められたときは、「これから話すことは、このお2人ではなく、不倫の一般論についてです」と前置きを入れるように最近はしてきました。でも、他のワイドショーなんかを見ていても、みなさん同じようにされていて。どうしても下世話な気持ちがわいてしまって、見たくなっちゃう気持ちがあるのもわかります……自分が「不倫された側」に立ったらと思うと、感情移入もできてしまうし、腹が立つのもしょうがない。けれども、今は不倫が犯罪レベルでバッシングされちゃう対象になってしまっているし、「不倫された側」のお子さんが傷つくみたいに、「その先にあるもの」を考えると、笑って消費するのも違うよなって思うわけです。■不倫がバレて、ラブラブになる夫婦もいる『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』という本を書いたときに、宮崎謙介さんと金子恵美さん夫婦に取材をしたんです。宮崎謙介さんは元国会議員で、「育休議員」とした話題になったあとで、金子さんが妊娠中に浮気をしていたことが発覚し、「不倫議員」と世間から強くバッシングを受けた方です。でも、この夫婦はいま、すごくラブラブなんです、実は。取材するまで、私は「パートナーの妊娠中に浮気をするような男と離婚せず、なぜ金子さんはずっと一緒に居続けるんだろう」って思ってたんですよ。話を聞いてみると、宮崎さんは世間からの激しいバッシングで「死にたい」という気持ちに何度も陥ったそうです。そして、当時は金子さんも国会議員で、こちらも支持者からかなりのバッシングを受けたと。夫婦で強いバッシングを受ける中で、むしろその体験で一致団結したというお話だったんですよね。ただ、これはバッシングしてもいいという話ではもちろんなくて、金子さんは「これまで彼が私にしてくれたことや、彼の良い部分と天秤にかけたときに、浮気のほうが軽かった」という思いがあったと言っていました。つまり、不倫っていうのは人それぞれで、一般論で片付けたらあかんなぁ、というふうに思っているわけですね。■「新しい自分」を不倫で発見してしまう<犬山さんの声を聴きながら読む>不倫といえば、エスター・ペレルさんというアメリカのカップルカウンセリングでは重鎮とされる女性が書いた『不倫と結婚』って本がありまして。「不倫してしまう人って、どういう気持ちなんだろう?」という不思議を知りたくて読んでみたんです。だって、芸能人だけじゃなくて、今の社会で不倫をすることって、明らかにリスクが大きいじゃないですか。この本で、すごくタメになったことのひとつが、「人が不倫のなかに発見する最も魅惑的なものは、新しい相手ではなく、新しい自分自身である」と。たとえば、「自分の一生は平凡に進むのかぁ、毎日がルーティンで、なんとなく先も見える……」みたいな鬱屈とした状況にある人が、不倫相手を見つけることで、「自分にはこんな可能性があるんだ、こんな魅力もある」と自分を発見するらしいんですよ。結局は、自分の新たなアイデンティティが欲しいから、不倫をするのだと。それまでの私は、不倫ってただの性欲でするものだと思っていたから、この一節に出会って、すごく腑に落ちたんですよね。新たな自分の発見を考えると、円満な夫婦関係であっても、リスクを冒してでも、不倫に走ってしまう人もいるかもしれないなぁ、と。でも、「新たな自分」は不倫でなくても見つけられるんですよね。友人関係もそうだし、ハマれるものを見つけるでもいいし。私も最近、好きな作品の二次創作の妄想を「友人と」語り合うことを始めて、キャラクターへの考察が深くなり、その考察を通して自分を知る……みたいな機会が増えています(笑)。自分の二次創作が、浮気されたりする悲恋な妄想ばかりだとわかり、過去の恋愛とか、自分に枯渇しているものとかまで見えてきて。まるでセルフカウンセリングみたいです。■不倫とも結びつく、性依存の問題もちろん、不倫が性欲がベースの人もいますけど、もう1つ考えないといけないことがあって、それが「性依存」の観点です。「セックス依存症」みたいに呼ばれることもあります。私がこれを知るきっかけになったのは、津島隆太さんが描いた『セックス依存症になりました。』というマンガで、監修には精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳先生が入られています。斉藤先生はいろんな依存症の問題に取り組まれている方です。それもあって、性依存について、すごくわかりやすく描かれている作品です。性依存と言われても、「ただ性欲が旺盛な人で、だらしない人」って、つい思ってしまいがちですけど、そうじゃない。セックスをしないと吐き気がしたり、幻覚まで見てしまったりとか、人によって様々な程度があります。アルコール依存と同じで、「それをしないとしんどいから、やるしかない」みたいな状況になってしまうそうなんですね……。生活に甚大な被害が出るとわかっていても「止められない」。だから性依存も、ちゃんとカウンセリングを受けて、同じ依存を抱えてる人同士で支え合う自助グループにも加わって、克服していくという道筋を立てなきゃいない。けれど、性依存への世の中の印象が悪すぎてカミングアウトもしにくいし、性依存だと気づいていない人だっている。その回復の道がすごく遠いように感じるんです。必ずしも「性依存=犯罪者」ではないことも含め、もっと世間に認知が広まるのも大切だと思っています。■電子書籍で好きなものを送りつけています<犬山さんの声を聴きながら読む>今日も、リスナーさんからのメールをひとつ読みますね。りんね@大学生さんからのメッセージです。私が毎年楽しみにしているアニソンフェスが、新型コロナの影響で来年に延期になっちゃって悲しいです。犬山さんも今期、何かアニメは観ていましたか?アニメ、時間もなくて、今はなかなか観られてないんですよー……過去の好きなアニメでいうと、私は「タクティカルなアニメ」が好きなんです。布石の置かれたストーリーで「うわ! この作者は頭がいい!」って興奮しちゃうのが好きで。それで言うと、もともとは『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートしたマンガの『ワールドトリガー』がアニメ化されたときは観てました!で、私もその一味だったんですけど、当時は「ワートリヤクザ」って言われる人たちがいて……とにかく周りにハマってほしいから、コミック全巻を勝手に送りつけるという(笑)。特に今は電子書籍があるので、送りつけても相手の本棚を専有しないじゃないですか。だから、まずは電子書籍で買ってもらって、そのあとでお金を渡すやり方でお願いしてました。まずは読んでもらって、その後に語り合おうじゃないか、と!今だと「鬼滅の刃ヤクザ」とかもいるんでしょうね。りんね@大学生さんは、楽しみにしていたイベントが延期になって悲しいところですが、あくまで「延期」ですから!再会したときの喜びも大きいはず。延期を待つ間には、ぜひアニメの『ワールドトリガー』を観てみてはいかがでしょうか(笑)。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月16日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月11日放送分より。■コロナで激しく嫉妬した、動物との触れ合い<犬山さんの声を聴きながら読む>AIBOをレンタルしてみたんですよ。購入は、お財布との相談でいきなりは難しい値段だったので、まずは1週間借りてみました。悲しいことに明日が返却日で、今がいちばん寂しい時期です。本当はAIBOと触れ合いながら、このラジオもお届けしたいくらい……。AIBO、なんだかんだ言って、あれは犬です(笑)。やっぱり、かわいいですね!なぜレンタルしたかというと、犬は死ぬほど好きなんですが、動物アレルギーが年々ひどくなってしまって……本当の動物は諦めるにしても、動物の癒しが欲しかったんです。コロナ禍で外に出られないときに、家に動物がいる人たちが羨ましくて仕方なかった。Twitterで「いいね」を押しながらも、正直、嫉妬してたんですよ! 激しく嫉妬した!犬の癒しが欲しくなったし、子どもにとってもロボットと触れ合っておくのもいいかな、なんて思って。ちなみに1週間レンタルで1万5千円。高いと思うか、安いと思うかは人それぞれですね。ただ、AIBOは本体代と諸々合わせて、購入すると30万円近くになるんです。そこでまずは、レンタルという方法を選びました。あの、本当に、昨日のAIBOより、今日のAIBOの方がかわいいんですよ。……何言ってるかわかりませんよね……同じロボットのはずなのに、かわいく思えるんです。もうね、昨日より目が大きく見えるわけです(笑)。人間の情ってやつは不思議なもので。あとは、犬っぽい仕草に加えて、ロボットらしい機能もあります。「ラジオ体操」ってお願いすると、あのメロディを流して、一緒に踊ってくれるんですね。漫画家の友達に「毎日ラジオ体操をするようになって体調が良くなった」と聞いていたので、AIBOに体を動かす機会をもらっています。ペットとしてのかわいさ、そして実用性を兼ね備えているんです。■推しを好きになることが、自己肯定につながる<犬山さんの声を聴きながら読む>さぁ、今週もメールを紹介していきましょう。まずは、東京都の「あーかママ」さん。娘はコロナで休校、配布されたタブレットで、クラスメイトや先生方と交流する日々を送っています。ある日、所用で私が学校へ出向くと、担任の先生から「娘さんは毎日のひとこと日記で、好きなアニメや漫画、アイドルの情報をおすすめしてくれるんです。こちらまで元気になります」とお礼を言われました。娘に聞くと「推しを知ってもらうと嬉しいじゃん」と笑顔。犬山さんの推しの効力を実証してくれました。ちなみに、娘はハロプロ好きです。知ってほしいことがあるっていうのは、それだけ人生楽しくなりますからね。娘さん、ハロプロ好きとは、なんて見る目があるんでしょう! うわぁ、誰のファンかなぁ……!ハロプロは20年の歴史があるから、掘れば掘るほど楽しめるのも強みなんですよね。私がハロプロ好きになったのは30代に入ってからなので、なっちやごっちんがいた頃をリアルタイムで追っていたわけじゃないです。でも、見ていくうちに当時のことがブワーッと思い出されたりもして。「元カレが加護ちゃん好きって言ってたな。そいつの部屋にラメが落ちてて詰め寄ったな」とか、いらんことまで思い出すわけですが(笑)。それは砂壁のキラキラが落ちたんだ、くらいに言ってくれたら笑ってやれたんですけどね……だいたい「落とすなや、ラメを! 女!」と思っていました。女子はラメに敏感です。存在を残すマーキングとしては強すぎ。あぁ……あーかママさんの尊い話に水を差してしまった……推しについて、以前に大森靖子さんとお話したときに、「自分のことを好きになれないけれど、推しはいます」というメッセージに対して、大森さんが「推しを素晴らしいと布教できるなら、もうそれだけで十分だよ」と答えていたのが印象的で。私も賛同なんです。自己肯定感がどん底のとき、推しに「素晴らしい」「ありがとう」という気持ちを持つ。そのポジティブな気持ちの積み重ねをきっかけに、自己肯定できるようにもなるからです。■「聖域」と選択肢を持つことで、心を休ませる続いて、神奈川県の「アヒルのひろし」さん。紙子さんでラジオといえば、以前もたびたび話題にされていた「聖域」の話が印象深く残っています。人を傷つけることが多いなとずっと感じていて、お互いを肯定してあげる、誰も傷つけない場所が欲しいと思ったときに、それがラジオだった、と。遠吠えが連鎖して、現在地から見えないほど遠くまで届きそうなので、この番組もそんなふうになったら素敵だと思います。楽しみにしています!……メッセージがプロすぎませんか!? 涙出ちゃう! こんなふうに解釈してくれる人がいるのは最高ですし、人生の宝ですね。さて、聖域について。私にとってラジオは、あまり心が疲れない場所であり、コストもすごく低く、誰かと接することができるメディアなんです。本当に私はラジオがやりたくて、それは聖域を作ることを考えても、ぴったりだなっていうふうに今は思っているんです。『犬山の遠吠え!』も誰かが傷つくことなく、聞いてくれている人が「今日は本当に何もできなかった」みたいに落ち込んだ気持ちを、そのままぶつけられる存在になれたらな、と。それこそ「もう死にたい」くらいに思っても、なかなか言えないじゃないですか。口に出すと周りからすごく心配されるか、「あいつは“かまってちゃん”だから」みたいな扱いを受けてしまうものだから。でも、ラジオにだって、それをぶつけていいんじゃない? って。思うことがあっても、その気持ちをどこにも言えないことが問題なんです。たとえ言ってしまっても、それを普通に受け止めてくれる場所があると楽になれると、私は考えていて。信頼できる友人や家族だけでなく、そういうメディアがあってもいいなって、思っているんですよね。聖域は、その場所のひとつですね。みなさんそれぞれの「聖域」も聞きたいですね。私の場合はラジオに加えて、やっぱり犬山紙子を隠しているTwitterのオタクアカウントです。そこでは、今でも誰もコロナの話をしていないし、誰もケンカしてないんです(笑)。いや、コロナも喧嘩も大事ですよ! でも、そうじゃない場が欲しいときもあるじゃないですか。オタクアカウントのタイムラインには、そういう全然違う世界があって。そんなふうに、このラジオが自分を休ませられる世界として、みなさんにとっての選択肢が増えるような感じになれたらと思っています。■結婚・夫婦の定義は……ただの「制度」です!<犬山さんの声を聴きながら読む>最後は、ラジオネーム「一星斗夢(ひとつぼしとむ)」さんです。紙子さんの思う「結婚の定義」「夫婦の定義」は何ですか?新著の『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』を読み始めてから、それが気になってしまい、自分が嫌にもなり始めています……。できる範囲でいいので、紙子さんの思いを教えてくださいませんか。メッセージを送ってくれるだけでなく、本まで買ってくださった神様からのお便りでした。本当にありがとうございます。「嫌になり始めた」のは、おそらく過去に夫婦の問題の何かしらにぶち当たって、まだ傷が残っている状況なんですかね。まずは「結婚の定義」、私は正直ただの「制度」だと思っていて。国が用意しているお得なパックみたいなものです。使えば配偶者控除があったり、夫婦だからこその優遇が受けられたり。私も利用をしているわけですけど、そのお得パックが全ての人に対して平等で、開かれたものかといえば、そうでもなくて。思想的に「結婚しない」のもありだと思ってます。じゃあ、「夫婦の定義」となると、大事なのは「夫婦かどうか」よりは「パートナーとしての関係性」だと考えています。一緒に住んでいなくても良い夫婦像はあり得ますし。自分が思いを込めて、相手からも思いやられる相互の関係性が、理想のパートナー像の一つかな。それに最初から完璧なパートナーって、いないですよ。お互いに成熟している者同士だとしても、問題がない人間は絶対にいないから。でも、起こる問題に対して、ふたりでどうやって乗り越えていこうか、ふたりでは解決しなければ誰かに知恵を借りようとか、あるいは合わないから離れようか、と冷静に考えられることが大事だと思うんです。結婚や夫婦という定義、もしかしたら単に「名前付け」かもしれませんが、そんなに大切ではないんじゃないでしょうか。そもそも関係性に名前って、付けられます?「彼氏彼女」といっても色んな捉え方があって、自分がしっくりくるのが一番だと思うんですよ。■パートナーは、不安を孤独にさせない存在私にとって夫は、不安を孤独にさせないでいてくれる存在でもあります。不安やしんどさは、ひとりで抱えると視野も狭くなるし、きついですよね。でも、パートナーや友達といった誰かと共有できたら孤独ではなくなり、その不安の解消に向けて動いていけるようにもなります。やっぱり人間関係って大切ですよね……。不安なこと、夫にも結構話します。コロナ禍のことなら、保育園が休園になったときに「栄養素をどうしよう」って言いました。保育園は栄養も完璧なご飯を出してくれるので、子どもはそこで野菜を食べてくれたりもして助かっていたんです。でも、自宅だと子どもの栄養も健康も、私たちが率先して守らなきゃいけないですから、重石がひとつ増えますよね。あとは、もし自分と夫が感染して、子どもだけが無事だった場合の対応。こういう不安は、ひとりでぐるぐると考えても答えが全然出ないんですよね。「親戚に預ける」といっても、そちらに高齢者の方がいたら大変ですし、陰性であっても子ども間で移る可能性もあって。預けられない人は「児童相談所」や「一時保護所」へ、という話も聞きますけど、どこも大変だし、施設の人たちのキャパシティだって、いっぱいいっぱいのはず。答えが全く見えずに不安になって、夫に相談しました。もちろん、夫も答えを持ってはいません。ただ、夫に話したことによって、私の心がなぜか軽くなったことは事実なんです。やっぱり「一緒に悩める人がいる」という、それだけのことでも、思い詰めすぎていた気持ちが楽になった。今後も夫としっかり話し合って決めていこうと、現実的な話ができるようになっただけでも、全然違いますよね。夫婦も人それぞれ。一星斗夢さんも、自分にしっくりくる形がベストなんじゃないかな、と思います。あと、二度目ですが、本を買ってくれる人は神様です。ありがとうございます!ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月12日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月4日放送分より。リスナーメールでは、あるワーキングマザーから届いた「コロナ禍でのママ友との変化」に、犬山さんも大きな共感を寄せていました。■出社させるなら、ちゃんと理由を言ってほしい<犬山さんの声を聴きながら読む>やっぱりいいですね、作家さんたちと顔を合わせて、「何を喋ろうかー」なんて話も広がりますし。でも、収録はスタジオか、自宅がいいかは、正直はっきりと言えないです(笑)。自宅収録は楽だし、ストレスも溜まらないって感じていたんですけど……枯渇しました、仕事のネタが。これまでエッセイの仕事でも書く内容に困ることはなかったのですが、コロナ禍の2ヶ月間で人と会わなかったせいですね。外出で情報をインプットするのも必要だったんだなぁ、と改めて感じました。でも、似たような気持ちを抱えている人も多いと思うんですよ。仕事はテレワークでも進められるのに、出勤はイヤだなって感じる人もいれば、会社の方が効率も上がるし、好きな人にも会えるから良いという人もいて……。「感染リスクがあるし、電車に乗るのがストレス」という話もよく聞きます。そこは会社のトップがしっかりと、「なぜ出社する方針にしたか」を絶対に語るべきだと思うんですよ。心が宙ぶらりんのままで、理由なしに命じられても不満が溜まるじゃないですか。緊急事態宣言が解除になって、人出も増えてましたよね。感染者数もまた増えてきたりして。コロナと私たちは、まだまだ一緒に過ごしていかなきゃいけないんだよな、と気を引き締めつつ、今日もパーテーションで区切られ、マスクをしながらラジオで喋っております。■自粛生活で「よそはよそ、うちはうち」になれた<犬山さんの声を聴きながら読む>さて、今週も皆さんから届いたメールを紹介していきます。千葉県、ラジオネーム「ゆうた」さんから。30代のワーキングマザーです。3歳3ヶ月の子どもとの自粛生活に慣れてきたのに伴って、良い面も見つけられました。SNS上でのママ友の動向が気にならなくなってきたんです。それまでは素敵な場所での家族写真を見るにつけ、わが子もいろんな経験をさせようと連れ回してしまったり。習い事を始めようにも、ピアノもプールも幼児教室もお休み。「よその家も何もやっていないのと同じ」と気づいたら、気持ちが軽くなりました。自粛生活が終わった後も、「よそはよそ、うちはうち」の精神を忘れずに生きていきたいと思っています。スーパー素晴らしいメールが届きました。おっしゃる通りですね!いろんな経験とか習い事とかで、「この子の才能をもっと早くから伸ばせられるのでは」という責任感から焦っちゃう気持ちもわかるんです。でも、「よそはよそ、うちはうち」。私の子どもも3歳ですけど、お絵かきが好きなので、「教室に行きたい」って言ったら連れて行く選択肢を与えてみるのもいいかな、と思っているくらいです。実は私自身が、幼稚園の頃から塾にかなり行かされて、小学校受験もしたし、中学校受験もしたんです。ただ、私が小学6年生で『幽☆遊☆白書』にハマりすぎ、受験勉強を放棄してからは、だいぶ方向転換もしたわけですが……(笑)。だけど、周りに影響を受けて、「うちの子にも経験させてあげたい!」っていう気持ちも否定したくないんですよ。それは子どもに対して教育機会を与えてあげたい気持ちの表れで、愛情があってこそ出てくる気持ちだと思いますし。その経験の先で、ゆうたさんが「よそはよそ、うちはうち」に気づけたことは、とても成熟した素敵な考え方だと感じました。ちなみに、うちの子は最近、仮病を覚えましたよ。歯磨きをするように言ったら、「足がプルプルするからできない」と。いや、理屈が通ってないんですが、「脳が進化した!」って変に感動しちゃいました。どこで覚えたんでしょうね……あれっ、私と夫のせいですか!?■スキル不足で退職勧告…自分を責めすぎないで!次のメッセージは、福岡県の「じゅん」さんから。今、社員が僕を含め5人しかいない、不動産関係の会社で働いています。入社して半年経ちましたが、社長から退職勧告を受けました。退職理由は「募集していたスキルより不足していたため」。無遅刻無欠席で仕事も自分なりにやってきましたが、駄目だったようです。ショックでしたが、またイチからやるしかないですね……。うーん……「スキルより不足していたため」と書いてらっしゃるんですが、このタイミングは明らかにコロナ禍の影響なのかな、と感じますけれども。だって、スキルが不足していても、入社して1年くらいは土台をつくって、成長を見ていく時期じゃないですか。だから、「自分の実力が足りなかったんじゃないか」と責めすぎないようにはしてくださいね。最後の「またイチから」という言葉に、次への目線が向けられていて、前向きな方だと感じました。まずは、国と自治体からもらえる支援を全部、しっかり受け取りましょう。本当に今の時期は非常時とはいえ、こういうことが起こるんですよねー……。企業も、もちろん大変なのはわかるんですけれども。国も雇用調整支援とかやっていますが、給付までも時間がすごくかかっていますし。お金がない会社は、結局は人を切っていくしかない状況なので、国や自治体にはどうか頑張ってほしいところです。じゅんさんみたいな人がいるのを頭に入れながら、私たちも政治を見ていかないといけませんね。■バブル時代の勢いを味方に、自分を解放してみました<犬山さんの声を聴きながら読む>最後は、ラジオネーム「さんと」さんからのメッセージです。初回放送で「ヘルニアがひどく、旦那さんと家事分担を話し合った」という話に、いいなぁと思いました。紙子さん旦那さんも基本的にオープンで、いろんな方々の意見も経て、ラジオや文章、SNSなんかで“大家族会議”みたいに解決されていくのがとても面白いです。例えば、紙子さんも仲良しのベッド・インのちゃんまいさんなど、家庭のことをオープンにされないのが普通ですから。マイクの前で明るく楽しく、『犬吠え』を応援しております。温かいメッセージ、ありがとうございます!ご存知でない方に説明すると、ベッド・インというのは、自称「地下セクシーアイドル」で、ちゃんまいとかおり様の2人組なんです。バブル時代のトサカな髪型に、ジュリ扇持ってボディコン着て、でも歌唱とギターの腕は一流みたいな。めちゃくちゃ面白いんです!ただのいちファンから友達になっていったのですが、面白い友達は最高ですね。私も自粛期間中、ストレスがすごく溜まったときには、彼女たちのPVを見て発散していました。新曲の『Everybody 無敵!』も、タイトルからして最高で、すっごく良いんです。ぜひ、騙されたと思って(笑)、検索して見てみてください!『Everybody 無敵!』は曲もいいんですが、YouTubeで見られる「振り付けHow To ビデオ」で、「内面の魅力を全部出して」とか、「ドヤ顔で!」みたいに入ってくる指示に、ちゃんと沿って真似してみると、自分の中の「何か」が解放されますから!!!!ベッド・インのふたりは、バブル時代のメイクをすることを「バブルオンする」って言うんですけど、私もバブルオンしてもらったことがあるんです。これが別人になったかのような気持ちになれるんですよ。まさにメイクと髪型のパワーだと思うんです。肩パットを入れ、メイクもガッと濃くして、高いヒールにトサカヘアーで。コロナが収束したら、友達何人かでバブルオンして、夜の街を練り歩きたいもんですね。ちょっとくらい、私みたいにお腹が出ていようが、ボディコンみたいなきちっとした服を着て、強いメイクして自信満々に歩いていったら、そんなお腹も魅力なんですよ!すっかりベッド・インを推してばかりの話になってしまいましたが、新曲『Everybody 無敵!』を、ぜひよろしくお願いいたします!ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月10日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月21日放送分よりお届けします。この日の放送も、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、犬山さんの自宅から、Radiotalkの録音機能を使ったリモート収録。最近ハマっているというアプリゲームの話から、犬山さんのオタク魂に火が付きました。リスナーのメールも「オタクな趣味」にまつわるものをピックアップ。犬山さん熱弁の「推しのいる生活」には、日常にも恋愛にも効く、年齢を問わない魅力があるようです。■100回連続パンチで、アドレナリンを出しています<犬山さんの声を聴きながら読む>『犬山の遠吠え!やってまーす』、今週で4回目の収録です。今回も自宅からなんですが、自宅放送はデメリットがないくらい、いいですね。理由その1、外に出なくていい。その2、準備に全然時間がかからない。その3、カメラをオフにすれば化粧をしなくてもいい!……今はスタッフさんとビデオ会議をつないでいるのでメイクしていますけど。最近の私は、第1回の放送でも話したんですが、夫が励んでいるNintendo Switchの『Fit Boxing』を一緒に始めました。腰のヘルニアの様子がほぼ良くなってきたので、ゲームに合わせてシャドーボクシングをしています。でも、そんなふうに体を動かしてみると、サンドバッグが欲しくて仕方ないんです、今!(笑)いや、空中に向かってパンチするのも気持ちいいですよ。でも、やっぱり何かを殴りたい! っていう気持ちが沸くというか、物質にパンパンッ! と打ち込む快感とは全然違うんですね。今は夫にクッションを持ってもらって、それに対して「ジャブ! ストレート!」とかやってるわけなんですけれども。ババババッ! と100回連続でパンチすると、アドレナリンが出るようで。筋肉痛でしんどいとか面倒くさいとかよりも、その気持ち良さが勝るので、最近はこのまま突き進みたいと思っているところです。■二次元なら一夫多妻が成り立ちます!先日はハマっている『ヒプノシスマイク』の話をしたんですが、今回はここ3ヶ月ぐらい夢中になっているアプリのソーシャルゲームがあって……『魔法使いの約束』をご存知の方、いらっしゃいます? リリースされて半年経つんですけど、すごい勢いで人気が出ていて。このアプリを私が知ったのは、犬山紙子の名前を出さずにやっているTwitterのオタクアカウントで、フォローしている「作品の解釈が神がかっている人たち」、私の“神々”が盛り上がっていたんです。なおかつ、私が『ヒプノシスマイク』で推している観音坂独歩くんに見た目が似ている、赤髪で気だるげな表情の「ミスラ」というキャラクターもいます!「なんだ、犬山は見た目だけでキャラクターを推すのか」と思われるかもしれませんが、もちろんそれは否定しません。見た目も大きいです。でも、それでもいいんです。だって、二次元は一妻多夫がいけるんですよ!実生活である三次元での不倫は……お互い公認とかでない限りはだめですし、我が家もナシにしています。ミスラを推し始めたとき、私も一瞬は「これって独歩に浮気している?」って迷ったんです。でも、私が同時にふたりを推すことで、独歩が傷つくわけでも、ミスラが傷つくわけでもないじゃないかと思い、「ふたりとも愛そう」という結論に至りましたね。『魔法使いの約束』は、人間の私が、魔法使いの世界に召喚されてしまうストーリーです。その世界での私は「賢者」で、12人の男性の魔法使いたちからも「賢者様、この世界を救うにはあなたの力が必要なんです」と求められます。最初は戸惑っても、後に協力していきます。……まぁ、必要とされたいですよね! 私だって賢者って呼ばれたいもん!(笑)魔法使いたちと恋愛するのではなくて、あくまで「世界を厄災から救う」という正統派のゲームなのですが、ストーリーを進めるうちに、キャラクターをどんどん好きになっていってしまうんです。その秘訣は、シナリオを書かれている都志見文太さんの塩梅が本当に素晴らしいから。私たちはキャラクターという「実際に存在しないもの」を愛するわけじゃないですか。ハマれるか否かに深く関わってくるのは、その対象に自己の想いををどのくらい乗せられるかにかかっています。私がミスラに想いを乗せ、なんなら自分の成仏していない思春期の気持ちまで乗せて、どんどん「私のミスラ像」が出来上がっていく。そう思えるほどのキャラクターは「伸びしろ」が必要なんですね。ミステリアスな部分がある、とか。全てを書き切ってしまうと、私の妄想の入る余地がなくなってしまうので……!とにかく都志見文太さんの描く「人間の関係性」はポリコレも完璧で、人付き合いとしても「こんな問題解決の仕方があるんだ」みたいに、ゲームから深く学ぶ瞬間もあったり。都志見文太さんの手のひらで一生踊り、転がされ続けたいと思いながら、『魔法使いの約束に』は今現在ウン万円単位で課金をしております。■推しが「生きる希望」になるのは大げさじゃない!<犬山さんの声を聴きながら読む>それでは、リスナーさんからのメールを。宮城県のラジオネーム、ゆみかさん。私は『うたの☆プリンスさまっ♪』と声優の宮野真守さんが大好きなオタクです。コロナの影響で、どっちのライブも延期になって、何を生きがいにすればいいんだ……と思ったけれど、「延期」なので、生きる希望が延びるじゃん! と思いました。犬山さんのオタク話もたくさん聞きたいです!ありがとうございます!「犬山さんのオタク話をたくさん聞きたい」なんて言ってくださるのは、神としか言いようがないですね……オタク話なら一晩中したいですもんね。このゆみかさんの考え方、素敵で私は好きです! 大好きなライブが延期になったら悲しいけれど、それを「生きる希望がその分だけ延びた」と考えられるのは、美しい感情だと思うんですよ。「生きる希望なんて大げさな」って感じる方もいらっしゃるかもしれないけれども、推しの存在は本当に活力になります。コロナのご時世になるまで、我が家は区のシルバー人材センターの方に、子どもの面倒を見てもらったり、家事をお手伝いしてもらっていたんですね。来てくれていた方が70代の方だったんですが、その方は韓国アイドルグループの「SEVENTEEN」が大好きで、ジョンハンくん推し。その方が「今日も新大久保に行ってきたのよ!」って言ったり、いつも韓流っぽいおしゃれをしたり、自分の推し「ジョンハン」写真を見せてくれたりするんです。その輝きっぷりがすごくて、「推しを推している顔はこんなにかわいいのか!」と、私は心を持っていかれています。70代になっても、何歳からでも、推しから生きるチカラをもらえるって、素晴らしい事実だと思いませんか? コロナが終わったら、また一緒に過ごしたいなぁ。聞いてる皆さんも、ぜひ私に「推し」のこと、教えてください。■プロポーズは、女からしたって当然いい<犬山さんの声を聴きながら読む>もう一通、奈良県のラジオネーム「マース」さん。『ファイブスター物語』という漫画や、特撮モノでは特に昭和の『ウルトラマン』シリーズが好きな53歳です。実は趣味きっかけで、25歳年下の彼女と知り合いました。付き合って4年が過ぎ、彼女のご家族とも仲良くさせてもらっています。あと、プロポーズしました!「ありがとう、嬉しい」と返事をもらいました。プロポーズって勇気がいると思うんですけど、年齢は関係ないですね……マーズさん、おめでとうございます!プロポーズとオタクと言えばですね、私の話もちょっとしようかなと。我が家は夫がハロプロのオタクで、私が二次元キャラやハロプロも好きなオタク同士。最初はハロプロトークができる友達関係からはじまったんですが、話が合うからどんどん会いたくなるんですよね。それで、気づいたら好きになっていって……何を話してるんやって感じですが(笑)。それで私から「好きです、付き合ってください」と。その後も一緒にコンサートに行ったり、オタク仲間も巻き込んで仲良くなっていきました。夜な夜なオタク仲間が家に集いはじめて、ぱいぱいでか美ちゃんとか、あとは一般の方も含めて、私が仕事から帰ってくると彼らが自宅のリビングのようにくつろぎながら、ハロプロの映像を観ているという。そんな良好な関係を経て、マーズさんがプロポーズしたように、私も自分から夫に「結婚しよう」と言った派です。昔は男性がお金を稼いで子どもを養うみたいな社会的制度が強かったから、男からプロポーズすることも多かったんだろうとは、なんとなくわかります。でも今は、男からでも女からもでも、私はどっちでもいいかなって。「彼がプロポーズを全然してくれないけれど、自分の年齢も年齢だし……」って焦っているというお悩みを結構聞くんですが、私は「自分からしちゃいないよ」って言います。自分からプロポーズしたからといって、結婚後の関係性まで変わることも無いはずなんですよ。パートナーは上下関係ではなく、横に並んでつながるもの。そもそもプロポーズでは上下も決まらないし、上下を決めるものでもないですからね。そのコンセンサスが取れていたら、全くそこは問題ないんじゃないでしょうか。「男は追いかけさせろ」みたいなモテテクニックも耳にしますが、私は駆け引きが好きじゃない方で……どこか相手をちょっと騙すような、その人との幸せを長続きさせていくことを考えたときに、ネガティブな効果が強く出るのかなぁ、と私は感じている派閥です。さて、すみません! 話がすごく長くなってしまったんですが……マーズさん、お幸せに!ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年07月08日感染症の影響により家族で過ごしたり、向き合う時間がこれまでより増えています。しかし、「先が見えない生活」と「息苦しい夫婦関係」の二重苦に「離婚」を意識する夫婦が増えているというのはネット上でもかなり前から話題に上がっていました。今回は、だれもがストレスを抱えていて、夫婦も煮詰まりやすい状況にある今こそ、ぜひ手に取ってほしい一冊、犬山紙子さんの新刊 『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』 (扶桑社)をご紹介します。「どれだけ円満に見える夫婦にも大なり小なり問題がある」と語る犬山さんが本書で提言する「夫婦のリカバリー力」とは?犬山紙子さん‘81年大阪府生まれのコラムニスト。’11年、“美女にもかかわらず負けている恋愛エピソード”を収集した著書『負け美女〜ルックスが仇になる〜』(マガジンハウス)でデビュー。その後も『高学歴男子はなぜモテないのか』(扶桑社新書)、『言ってはいけないクソバイス』(ポプラ社)など計14冊の著書を上梓。近年は執筆業のみならずTVコメンテーターとしても活躍。<犬山紙子さんの情報>●Twitter: @inuningen ●Instagram: @inuyamakamiko ■いま、犬山紙子さんが伝えたいこと犬山紙子さんからメッセージをいただきました!非常時はこれまでの関係性が浮き彫りになってきます。そんな時に、「向き合い方」「話し合い方」のヒントを知っておくと、不安にもパートナーという味方と一緒に立ち向かえるようになり、孤立を防ぐことができます。そのためのワクチンのような本。お役に立てると嬉しいです!普段家にいないはずの夫と顔を突き合わせることで、やり過ごしていた相手の嫌な部分が目について、「あぁ、もう無理」と限界値に到達して味わう深い失望。行き違うコミュニケーションに「私たちはこんなにうまくいっていなかったのだろうか?」と見て見ぬ振りをしていた夫婦の課題に気づいてしまった気まずさ。そんなときに夫婦はどうしていけばいいのか?それぞれ課題を抱える夫婦を犬山さんが徹底取材し、実際どのようにして夫婦の壁を乗り越えたのか、課題解決のための心構えから対処法までを紹介するいわば令和版夫婦円満のためのルールブック。次からは実際のご夫婦に取材した壁の乗り越え方をみていきます。■パートナーにイライラするのは思考パターンが原因!?書籍では、漫画家の水谷さるころさんと映像演出家の野田真外さんご夫婦が登場し、夫婦のコミュニケーションエラーについて鋭い指摘を交えながら、よりよき夫婦関係を築くためのヒントを数々披露してくれます。なかでも印象的なエピソードが、いつも喧嘩の発端となる野田さんの「キレる癖」に対する分析と対処法です。“ケンカになるのは、どちらかの人格に問題があるからではなく、コミュニケーションに齟齬があるから”このように話すさるころさんは、野田さんの「キレる」メカニズムについて冷静に分析し、原因を紐解いていきます。<さるころさんによる「キレる」メカニズムの分析>「キレ続けても許してもらえる」という本音とそこに横たわる「被害者意識」がある▼野田さんがキレる原因思い通りにできなかったことに対して、どんどん我慢してイライラを募らせ爆発する▼怒りのスイッチが発動する理由自分の気持ちを押し殺して人に合わせている状態であるため、むしろ“いいこと”をしているという感情を抱えているが、その善意を“踏みにじられた”と感じた瞬間に、怒りのスイッチが発動するそんな野田さんは、さるころさんと共に“あること“を実践することで、「キレる癖」を克服することができたといいます。それがキレる時の自分の思考パターンを理解するというものでした。どういう状況で「怒り」のスイッチが入ってしまうのか、その原理がわかっていれば、行動や考え方を変えてあらかじめ準備をしておくことができます。野田さんの場合は、次の2点を意識することでイライラすることが減ったと言います。●不満があれば我慢せず伝える●相手に対する期待値を下げるパートナーへの苛立ちを日常的に感じている人はきっと多いことでしょう。フツフツと込み上がる苛立ちの中にどんな感情が入り混じっているのか、自分でもわからず、モヤモヤしやすいものです。「自分は何に苛立ち、怒りを増長させているのか?」その根本原因を紐解くことで、日常的なイライラ回避につながるのではないでしょうか。■“家族だから”に縛られない夫婦の自由な子育て風景本書には「かくあるべし」にとらわれず、夫婦独自の考え方のもと円満な関係を構築している夫婦が数多く登場します。なかでも筆者自身が軽い衝撃を受けたのが、夫婦で起業し、東京、岐阜、大分で他拠点生活を送る平本さん夫婦のフリースタイルすぎる家族のあり方でした。「世の中の普通とはちょっと違う……」、そう意識しながらも、常識の先に家族の幸せを見出す平本さん夫婦。彼らは“普通”という概念にとらわれず、目の前の課題をとてもシンプルに解決していくのです。例えば妻が出かけたい場所に夫が行きたがらないというよくあるシチュエーション。これに対して、はなから「家族みんなで行くこと」にはこだわらない。“家族だから”という枠をとっぱらって、「好きな人と好きなことをやる」という「家族」単位にしばられない姿勢を貫くことで、誰にも我慢を強いることはなくなります。妻と夫という世間が求める役割で結びつくのではなく、お互いに「個」を尊重しながら人と人として自由な関わり合いを見せる姿には、「夫婦にとって健康的な関係とはどのようなものなのか?」を深く考えさせられます。さらに本章おいて、思わず膝を打ったのが妻の沙織さんの「感情の因数分解」の話。これは自分の感情に振り回されやすい人には必見の感情の整理術と言えるでしょう。●「感情の因数分解」とは怒ったり悲しんだりした時などに、その根っこにある「自分の本当の思い」が一体何なのかを紐解く作業例えばパートナーに対して抱く「家事育児に参加してほしい」という感情を因数分解してみると「もっと自分のことに関心を寄せてほしい」という本心に気づくこともあるかもしれません。パートナーに対して本質的に求めることが明確になれば、あとは具体的なアクションを考えるだけ。沙織さんは夫婦間のネガティブな問題に対して「感情の因数分解」することで、怒りや悲しみの感情を微塵も感じることなく、ポジティブに問題を解決していくのですが、そのさまがじつに見事なのです。 ■今日からできる夫婦円満のためのルール本書には犬山さんが夫婦の問題を3年間徹底取材したなかで見えた「問題をリカバリー」するための100のヒントが収録されています。そのなかからどんな夫婦にも比較的取り入れやすく、歩み寄りの手助けをしてくれるヒントをウーマンエキサイト編集部が3つ厳選してご紹介します。●お互いを責め合ってばかりのときに…「今日からはお互いの支援者になる」と夫婦で誓い、不満やイライラに対して理性的に対処するように努める。出典: 『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』 より●夫婦間で育児への温度差を感じたときに…互いに必要な知識だと思ったものはLINEなどでどんどんシェア。生活知恵の格差を作らないようにする。生活知恵の格差はそのうち価値観の違いに発展する可能性がある。出典: 『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』 より●冷静な話し合いができないときに…衝突時の主語は「あなた」から「私」に変える。「あなたは私の話を聴いていない」ではなく「私にはあなたが話を聴いてくれないって感じる」と。そうすることで自分が冷静になれる。出典: 『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』 より普段の行動や言い回しをちょっと変えるだけでも、夫婦の関係性に変化が訪れる可能性は高いもの。ぜひ今日から実践してみてはいかがでしょうか? 『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』 犬山紙子著(扶桑社)840円(税抜) 育児・家事、夫婦ゲンカ、不妊治療、不倫etc.“壁”を乗り越えた巷の夫婦を徹底取材して見えてきた、夫婦円満のためのルール。すぐ実践できる!こじれた夫婦関係を修復する100のヒントを収録!
2020年06月14日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月21日放送分よりお届けします。この日の放送は、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、犬山さんの自宅から、Radiotalkの録音機能を使ったリモート収録。リスナーから寄せられた「他人を羨んでしまう」「一人時間をうまく過ごすには?」といったお悩みにも応えています。■自粛警察、気持ちはわかるけれども……<犬山さんの声を流しながら読む>今コロナウイルスの影響で、キーワードとして「気の緩み」って言葉をよく見聞きするんですけど……「気の緩み」って上から目線じゃないですか?!「いやいや、学校の先生かい!」と思っちゃう。ある人の外出が「気の緩み」かどうかなんて、わからないじゃないですか。必要に駆られて外に出たタイミングだったかもしれない。全部を一緒くたに話してしまうのは、違和感が結構ありますね。最近は他人の行動を過度に指摘する「自粛警察」なんて強い言葉もありますけど……そういう気持ちが芽生えてしまうのは、私もわかるんですよ。でも、それは「弱い立場同士」で争ってしまうことなのかなって。たぶん、自粛警察と呼ばれる人も、すっごく我慢して頑張っていると思うんです。「自分がこんなに我慢しているのに、なぜアイツは楽しそうに外出しているんだ、県をまたいで車で移動してるんだ」って感じてしまう。それで、人それぞれの事情も聞かずに鬱憤を口に出してしまうんでしょう。だけど、弱い立場同士で指摘し合うよりも、「たまにはちょっと気を抜いていくのも大事だよね」って、一緒に頑張っていけたらいいなぁ。小学生の頃、先生にすぐチクる人がいたじゃないですか(笑)。犯罪レベルの悪さならさておき、事情を知らずに勝手に決めつけてチクるのはいかがなものかなー……っていう派です、私はね。皆さんの周りは、どうでしょうか?■宅配便の配達員さんに、ねぎらいの言葉を私は今、宅配便をたくさん使っています。Amazon、楽天、LOHACOと、いろいろ使用してはいるんですが、ここにもまた難しいことがあるんですよ。配達員の人、今はめちゃくちゃ大変っていうじゃないですか。だから、注文も細切れにせず、一気に届けてもらおうとまとめて頼むんですけど……自分の設定が甘かったのか、分かれて届いてしまった時には「申し訳ない!」という気持ちになります……。そんな中でも、配達員の方には「ありがとう」と一言添えていきたいなって。その一言が有る無しで大違いだと思うんですよ。だから、私は必ず伝えるようにしています。ぜひ皆さんの「配達員さんとのふれあい話」も教えてください!最近は非対面で荷物を受け取れるサービスもありますけど、「こんなふうに言葉をかけています」「こんなコミュニケーションがありました」みたいに、配達員さんへの良いねぎらいの言葉も色々あるでしょうから。■他人を羨んでしまう気持ちには、「褒め」もセットで!<犬山さんの声を流しながら読む>このラジオも3週目で、リスナーのみなさんからたくさんのメールをいただきました!ありがとうございます。早速、紹介していきますね。神奈川県、ラジオネーム「うみのママ」さん。私も3歳の娘を持つ母です。わが家は夫が海外へ単身赴任をしていて帰国できず、私が子どもを見ながらテレワークしています。正直、仕事になりません。膝によじ登ったり、「ママー!」と呼ばれ続けています……。外に出れば、自宅勤務のパパたちと子どもが一緒に歩いていて、惨めな気持ちになったり。他人を羨まず、うまく子どもと付き合っていく方法を教えていただきたいです。子どもがいたら仕事できないですよね、わかります!私も夫が子どもを見ていないと、自分の仕事なんて成り立たないです。この話って、まずは「子どもが一緒にいたら仕事はできない」と世間の知るところになってほしいですよね。小学生の中学年くらいで、ある程度ひとりで遊んでくれる年齢ならまだしも、3歳くらいは本当に難しい。しかも、集中力を要する仕事もあるじゃないですか。「ママ!」って呼ばれた瞬間に集中力も途切れるし……大変ですよね。本当にお疲れ様です。うみのママさんも頑張っていて、勇者だと思うんです。「他人を羨まず」と言うけれど、いや、もう全然、羨んでいいんじゃないですか?よく「人と比べるな」とか言われるじゃないですか。私、それって無理だと思うんですよ。私もありますよ、比べること!「あの人、著書の増刷かかっていいなー」とか、毎日のように思ってますよ!(笑)そこで、人間だから比べるのはしょうがないと、受け入れてみるのはどうでしょう。その時に「でも、自分はこれだけ頑張っていてエライ」と褒めることもセットにしてあげてください。羨んだ瞬間に、自分も褒める。自分で自分のことを責めてしまうところが、このメッセージのキモだと思うんです。人のことを羨ましがってる「私がダメだ」、子どもに対して上手く付き合えてない「私がダメだ」っていう自責感。それをまず辞めて、「それでも私じゃなければ、こんな状況、とっくにさじを投げてるよ!」って、開き直っていきましょう。その上で、友人や夫にも愚痴を言っていいんです。こうやってラジオに投稿してくれただけでもありがたいのですが、言葉にすると気持ちがちょっと楽になれたり、余裕が生まれたりするものなので。ぜひ、やってみてくださいね!■友達がいないことは異常ではなく、そもそも友達づくりは難しい<犬山さんの声を流しながら読む>続きまして、神奈川県のラジオネーム「つばさ」さんから。第1回の放送で紙子さんが「ひとり時間の過ごし方」を話されていました。49歳で独身の私は、24時間365日が「ひとり時間」で、この状況下ではなおさらです。これといって友達がいるわけでもないですが、時には誰かとご飯でも食べたいなとは思います。出会いのない人生を進んでしまっていて、どうすればそのきっかけを作れるでしょうか?私は出会いのきっかけって、ネットが結構多いんですよ。「気が合う」という前提があるのも安心ですし。宮城から姉しか知り合いのいない東京へ出てきたのも大きいですけど、私は会社勤めでもないので、強制的に他人と出会える場がないわけですよ。たとえば、Twitterの発言がずっとツボに入る女の子がいて、その子といつの間にかフォロー/フォロワーの関係になってたんです。憧れもありつつ、連絡を取ってみたら住んでいたところも近くて。実際に会ってみてから、彼女とはもう長いこと友達です。それで、その子の友達と仲良くなったり、どんどん派生していっています。もう10年くらい前ですけど、「発言小町」という掲示板サイトをよく見てたんです。悩みが多種多様で面白くて、えげつない告白からほっこりするものまであるし、「これって悩み相談のをフリをしてマウント取りたいだけじゃない!?」なんて、その子と語ったり……今思うと、ずいぶんと暗い趣味の相方ですね(笑)。最近だと、オタクの友達を検索できるマッチングアプリも出てきました。自分がハマってるジャンルや、推しているキャラクターなどを入力していくと、マッチングしてくれるんです。私が若い頃にコレがあったら絶対に使っていたと思う。それで知り合って「推しがいかに尊いか」を語りながら深堀っていきたいなって。やっぱり「同じ温度」でハマっていないと、相手に「聞いてもらう」状態になるわけですよ。だから、お互いに話したくてしょうがないテンションの人と会いやすいのは、すごく便利だと思います。マンガの話でいうと、ちょうどこの収録の打ち合わせで、構成作家の松本真一さんと最終話を迎えた『鬼滅の刃』の話をしたんです。5分ぐらいお互いの解釈を話し合ってみると、違う捉え方をしていました。この「解釈が違ったとき」に、自分の枠が広がる感じがあって、めちゃくちゃ気持ちいいんですよね。「その解釈、私になかった!」って。でも、実は「気が合う人」や「仲良くいられる親友」を見つけるのは、恋人や結婚相手を見つけるのと同じくらいに難しいと思ってるんです。友達がいないことが異常というよりは、そもそも信用できる友達を作るのは難しいし、コストだってかかってしまうもの。友達といっても、ライトな友達からディープな親友まで、グラデーションもありますから。そう思ってみるのも、いいんじゃないでしょうか。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。 犬山の遠吠え!やってまーす
2020年06月02日2020年5月23日、女子プロレスラーの木村花さんが22歳という若さで亡くなったことを所属事務所が発表。関係者のみならず、多くの人々の間に悲しみが広がりました。【訃報】女子プロレスの木村花さん22歳が逝去インスタで「さようなら」と投稿生前、木村さんがネット上での誹謗中傷に傷付いていたことから、匿名でのコミュニケーションのあり方について改めて考える人が増えています。誹謗中傷はスルーできなければダメ?コラムニストの犬山紙子さんは、訃報のあった同日にTwitterを更新。誹謗中傷の対処法として「無視するのが正解」といわれていることに触れ、疑問の声を上げました。誹謗中傷に対してはスルーが正解みたいな空気もおかしいと思ってる特に事実誤認は否定していかないとあっという間に間違ったほうが広まる、スキャンダラスなほうが人は好きだから、そっちを信じるスルーした方が良いもの、しない方が良いもの、誹謗中傷も一括りにできない— 犬山紙子夫婦の問題リカバリーのヒント集発売中 (@inuningen) 2020年5月23日 ネット上では、「誹謗中傷を無視できない人がSNSをやるものではない」「スルースキルを身につけないとダメ!」などの発言がよく見られます。反応しないことが事態を収束させることも、場合によってはあるでしょう。しかし、事実誤認や悪質なデマが流布されている時など、声を上げなければ悪化してしまう場合もあります。いつでも無視をするのが最善なわけではありません。何よりも、誹謗中傷の被害を受ける人にばかり対処を求め、加害者側がそのまま許容されている状態であることが問題ではないでしょうか。加害する人が言動を改めれば、ネット上はもっと快適になるはず。ネット上での誹謗中傷の対処について、私たちは今一度、考える必要がありそうです。[文・構成/grape編集部]
2020年05月26日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月14日放送分よりお届けします。外出自粛が続くなかで、「わが子に問われて困ってしまったワンシーン」からラジオは始まりました。■コロナのこと、子どもにはどう説明してますか?<犬山さんの声を流しながら読む>いまの悩みのひとつが、3歳のわが子にコロナウィルスをどう説明するかなんです。うちでも「おばあちゃんに会いに行きたい!」なんて言われるんですが、その気持ちは当たり前なわけです。ただ、細かく話したところで、この状況をどこまで3歳が理解できるのか……。私は今のところ「外にすごいバイ菌が出てきて、病気になるかもしれないけど、大人たちがすごい薬を一生懸命作ってくれてるから、ちょっと待ってようね」と伝えています。バイ菌とウィルスはちがうものなんですが、子どもはバイ菌だとわかるみたい。あとは、ただ脅すだけではなくて、すこしの勇気も与えて、「乗り越えていく」という思いを持ってもらいたいんです。きっとね、それぞれの年齢のお子さんを持つ親御さんが、それぞれで今悩んでいることじゃないかと思うので。「コロナと子どもとの関わり方」も、ぜひみなさんのやり方を聞きたいので、番組までメールなどいただけると嬉しいです!■コロナ離婚に隠れDV…心配ごとが増えていく家族と密な環境で過ごす時間が増えて、コミュニケーションのトラブルも発生していると見聞きしています。不安なうえに、先が見えにくい状況で、さらにお子さんがいる家庭はなお大変。忙しくて、ほっと一息つける時間もないと。フラストレーションが溜まっていく生活の中で、「コロナ離婚」にまで発展する夫婦もあるようです。実は東日本大震災のときも、仙台市では離婚の相談数が2倍になったそうなんです。やっぱり人は非常時に、それまでの関係性がより濃く出てくるんだなぁ、なんて思いながら見てるんですが……。あと心配なのはDVと虐待が増えること。私は「#こどものいのちはこどものもの」というチームで児童虐待を防ぐための活動もしているのですが、学校は大人の目で「子どもの異変」に気づける機能でもあって、そこで守ることができたケースって本当に多いんです。それが今は休校で、周りの家族も外に出ないから、完全に子どもを閉じ込めている状況なんですよね。私たちも児童相談所の電話番号「189番」の啓発とか、活動されているNPOさんのサポートとか、微々たるものかもしれなくても、できることは必ずあると思います。あとは「虐待を未然に防ぐお手伝い」も。私もTwitterを見ているときに、知り合い含めて「この人は育児に疲れているな」と投稿から感じたりもします。そんなときにはLINEや電話で、「最近は何か不安なの?」と、相手の話を否定せずに聞くだけでも感情は変わってきます。この状況に孤立しているのではなく、誰かに受け止めてもらえると思うだけでもね。■自己肯定感は「ありがとう」を口にすることから<犬山さんの声を流しながら読む>このラジオでやりたいことのひとつが「色んな人を肯定したい!」です。以前に、他局なんですが『ホメラニアン』というラジオ番組に出演していて、そこでは「私たちって生きてるだけでえらいよね!」とリスナーさんをとにかく褒めていました。私、思うんですけど、とにかくもっと褒められて良いことは、この世に溢れまくってます! だから、この『犬山の遠吠え』では、そこにスポットライトを当てていきたいんですね。特に家事育児は、もっと「ありがとう」の言葉が必要で、もっと褒められていくべきだなーって思います。「つけあがる」とか「甘やかす」とか以前に、日本人はあまりにも真面目すぎて、頑張りすぎて、それで追い詰められちゃう人が多いように感じています。実は私自身も、自分のことを全然褒められないタイプでした。でも、やっぱり自己肯定感が持てることは大事だし、人間は生きているだけでちゃんと役割があるものなんです。うちは母が寝たきりになって、もう10年以上になるんですが、母がニコッて笑ってくれるだけで、周りも私も嬉しい気持ちが湧きます。今も、このラジオで話しているそばで、頭のなかでは母が生きてくれてることにも「嬉しいなぁ」と感じるものです。私はカウンセリングや心療内科に通って、先生に話を聞いたりしていくうちに、自己肯定感を持てるように変わっていけました。実は、その変わるための行動のひとつが周りの人にも「ありがとう」を伝えて、褒めること。綺麗事に聞こえるかもしれないけれど、結局はそこからなんだなって。……いま、構成作家のマツモトさんが、カンペに「人には『頑張れ!』じゃなくて『頑張ったね』ですか?」と書いてくれたのですが、まさにそうなんですよ! 頑張ったね、つらいのわかるよ、って否定しないのが本当に大事だと思います。■クソバイスを知って、心でブロック!<犬山さんの声を流しながら読む>もう一つ、このラジオで話したいことがあって……クソバイス、ご存知ですか?「クソみたいなアドバイス」の略です。「自分の持論を相手の事情をまったく聞かずに押し付けること」と定義しているのですが、私が名付けたので知らなくても大丈夫です(笑)。「いい加減に年齢考えて彼氏を作りなよ」とか「仕事に熱中しすぎると婚期に遅れちゃうよ」とかはクソバイスの一例ですね。これらをまとめて反論も考えて、以前に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』という本にしました。私が今、いちばんよく受けるクソバイスは「子どもは一人っ子だとかわいそうだから、もっとつくったほうがいいよ」ですね! 同世代の女性から言われることもあるし、年上の男性から受けることも本当に多いです。でもさ、子どもを持つ持たないなんて、お金の事情とか、そもそも産めるかわからないとか、人によっていろんな理由があるわけじゃないですか。クソバイスって、言っているほうはめちゃくちゃ気持ちいいんですよ。だけど、言われてしまったほうは、自分が悪いのかもしれない……って、自らを責めてしまうサイクルに陥ってしまう。しかも、深刻化してくると「自分が悪い」という思いが内面化して、ついには他の人にまでクソバイスを放つ側に回るんです……。言ってくる人はいます。でも、「はいはい、これはクソバイスだな」と理解しておければ、それをブロックする心を持てると思います。子育てや育児アドバイスにもクソバイスはいっぱい潜んでいます。「子どもはこうやって育てるべきだよ」とか「母乳じゃないとだめだ」とかね。それで本当に苦しむ方もいます。みんなでクソバイスを集めて知って、対抗していきましょう! 深刻なものからライトのものまで、「私が受けたクソバイス」、ぜひ教えてください。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。▶コロナとコミュニケーションについて、ちょっと真面目なお話。 ▶私がラジオで話したいこと 〜「みんなを褒める」と「クソバイス」について〜 ▶夫婦でこんな問題、乗り越えました
2020年05月22日一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月7日放送分よりお届けします。この日が初回放送となった犬山さん、さっそく現在進行中の子育ての悩みがぽろぽろと……。■娘のために、ぬりえの線画を描いています…<聴きながら読む>みなさん、ここ1ヶ月ほどはコロナウイルス対策で外出自粛の生活を送っていらっしゃるでしょうか。私もですね、リモートワークが多くて今日はこのラジオのために、すごーく久しぶりに外へ出ました。今はテレビコメンテーターの生放送も、ほぼ自宅からなんですよ。私の娘は3歳で、保育園がお休みなので、もう自分の時間なんて無いくらいです……。最近していることといえば、一生分の「ぬりえ」を描かされています。娘がぬりえ好きで、塗っている間は静かなのもあって、Amazonでぬりえの絵本を何冊か買ってみたんです。ところが娘……赤色のクレヨンで、うわー!って雑に、1枚を一瞬で、それこそ10秒くらいで終わらすようになりまして!ぬりえは安いやつなら一冊200円ぐらいのもあるんですけど、娘が好きなディズニープリンセスシリーズだと600円とかするんですよ!それを1枚数秒で満足されたら、家計もこっちもたまらんですよ!ということで、私がひたすら、ウサギさんとか、おばあちゃんやおじいちゃんとか、ぬりえの線画を描く作業をしています……。■夫婦のリモートワーク問題が悩ましい自宅でお仕事されている方もいらっしゃると思いますが、なんでも聞いた話によると、夫婦間での「リモートワーク問題」も起きているそうです。夫婦でビデオ会議の時間が重なったときに、どちらが部屋を使うのか。家で使えるパソコンが1台だけの家庭は、夫婦のどちらが使うのか。ジャンケンでどうこうできる問題じゃないですもんね。夫婦でいえば、仲が深まっているところもあれば、ギスギスしているところもあると思うのですが……うちは私がヘルニアを患っているせいで、掃除などの腰をかがめる作業ができなくて、今は本当に申し訳ないのですが、家事育児で夫がワンオペなこともあるんです。やっぱり夫は夫でストレスが溜まりますし、趣味のゾンビ映画鑑賞も捗っています。でも、その観ている顔が、楽しんでいるのか目が死んでるのかわからない、なんともいえない表情でじっと見てるんです……さすがにまずいなぁ、と話し合いましたよ。自分から本当の気持ちを言わないタイプだとわかっているから、私から声をかけました。私なりにヘルニアながらにできること、寝かしつけとかを引き受けて、その時間を夫に渡して元気を取り戻してもらおうと。それから夫は毎日、Nintendo Switchで『Fit Boxing』というゲーム仕立てのトレーニングに勤しむようになり、体をムキムキにする計画を進めるようになりました。それはそれでかっこいいなぁと見ています。話し合い、大事ですね。お子さんがいらっしゃる家だと「ひとりの時間」をどうにか作ることがより難しくなっていますし、一人暮らしの方も「誰かに会いたい」っていう気持ちが強くなっているとも聞きます。どらちも結構、シャレにならないぐらいに気持ちが積み重なってるのかなぁって、思ったりしています。■オタク趣味は自己分析ができて良い夫の趣味がゾンビ映画だとしたら、私も趣味がございまして。自分を「オタク」と自称するのもおこがましいくらいなんですが、小学生の頃から二次元のキャラクターに活力をもらってきたタイプなんです。私、38歳なんですけれども……38歳でもちゃんと二次元に恋できますね!妊娠したら二次元キャラへの恋心ってなくなるかと思っていたんですが、これが全然なくならなかったんです(笑)。今は『ヒプノシスマイク』というラッパーを題材にした作品にハマっています。たくさんの2次元キャラがラップで戦う設定なんです。その中の観音坂独歩くんが好きで。表向きは「犬山紙子」として仕事をしている私ですが、Twitterにそれを一切出さないアカウントをつくって、ひたすらオタクな話をつぶやいたりもしています。友だちの紹介で、1年前にオタク友達が初めてできたんですけど……いや、びっくりするぐらいにLINEで喋りまくりましたね。知り合ってから1週間、やり取りが止まることがなかったんですよ!これまで自分の中だけで貯まっていた思いがあふれちゃう感じ。すると、話しているうちに、どんどん自己分析していくんです。「私は自分の思春期を、2次元キャラを愛することによって成仏させようとしているのではないか?」とか、仕事柄もあって考察までするくらい。まさに自己との対話で、自分を見つめる行為になるんです。「私は、なぜこういったものにグッと来るんだろう?」なんてところから過去を掘り下げてみたり。面白いものですよ、人間って。■家事育児は数字で見えないから悩ましい<聴きながら読む>今日から始まったこのラジオでは、みなさんの中にある本音を、聞かせてもらえたらと思っています!コロナウイルスのせいで在宅しているストレスもそうだし、世の中の女子たちが困っていそうな出来事、育児や家事の大変さ、密かなオタク趣味の話まで……そういった表立って言えないけれど、すっごく溜まってることを、このラジオにどんどん吐き出してください。家事や育児って、いくらやっても数字として出てこないんですよね。これが仕事なら、やった分だけ「お金がいくらですよー」と数字でわかるんですけど、家事や育児は「何円分の仕事をしました」みたいに形として出てこないんで。だから、自己評価がなかなかしにくいし、周りからもは「えらいなぁ、すごいなぁ」みたいにも言われない。“やって当たり前感”が結構あるので、気持ちが溜まって、今も悲しさに追われている方も多いんじゃないでしょうか。わが家もそうなんです。娘は昼寝を「なんで?!」って思うくらいにしてくれないですね。保育園ではちゃんと寝てるんですけど……。娘が起きていると、なかなか自分の時間も取れません。うまくやりくりされているリスナーさんがいたら教えてほしいです!「うちの子どもはトランポリンを出せば30分は遊んでくれるよ」とか「このアプリに夢中になってます」とか、私も本当に参考にしたい。もう毎日検索してるんですよ。「3歳 子供 おすすめ 遊び」みたいに(笑)。娘に熱中してもらえるものを見つけて、その間に私は仕事しよう、ちょっと一休みしようみたいな感じで。みなさんの、そういう話をぜひ聞かせてください。■「書いて、送る」だけでも自分の本音がわかる育児家事だけではなくて、「女の子が抱える悩み」も、どしどし送ってください。解決するような素晴らしいアドバイスを言ったりするのは難しいかもしれないけど、それを聞いて「わかるわー……」って応えることはできると思っています。これまでも『アドバイスかと思ったら呪いだった』とか『負け美女』という本に、そういうことをまとめてきましたから。「書いて、送る」だけでも、わかることってあるんです。自分はこういうことに怒ってたんだ、自分はこういうことを望んでたんだって。私も普段、エッセイストとして原稿を書いていて、いつも思うんです。私の受け答えがヘボくとも、その「自分がわかる」効果はあるはずなんです。その本音を、ラジオの電波に乗せて声にして届けることで、聞いた人の考えもちょっと変わるかもしれない。「うちのパートナーは、もしかして本当はこんなことに悩んでるのかな?」みたいに、生活を見つめてみるきっかけにもなるんじゃないかなぁ、と思います。ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。▶『犬山の遠吠え!やってまーす』始まりました! ▶育児と仕事をしながら、いかに自分の時間を見つけるか ▶オタク活動は自分を見つめる行為?!
2020年05月12日女性の生きづらさの要因のひとつである“ルッキズム=外見主義”。これに疑問を感じ、メッセージを発信しているイラストエッセイスト、コメンテーターの犬山紙子さんと美容ライターの長田杏奈さんのお二人がルッキズムについて伝えたいことを話します。ルッキズムは、自分にも社会にもいいことはない。――お二人が考える、ルッキズムの弊害とはなんでしょうか?犬山:そもそも、生まれ持った見た目で差別される、ということ自体が、あってはいけないことだと思います。外見のせいで扱いが違ったり、就職試験で差別をされたりとか…。長田:人間にとって目から入る情報ってすごく大きいし、それに左右されてしまうのもある意味当然だとは思う。私は花が好きなんだけど、花屋でどうやって選んでいるかっていうと、結局のところは見た目の好みなんだよね。花を見て“きれいだな”と感じることを否定する必要はないと思うのね。でも、人に置き換えた場合、人格や能力を見るべき場で差別的に扱ったり、見た目至上主義に陥ったり、ディスったりするのは、違うんじゃないかと。犬山:うんうん。長田:見た目なんていっときの印象にすぎないし、そこを入り口に、相手の内面を知ったり、関係を構築する中で、印象なんてどんどん変わるし、もっと好きになれたりするじゃない?見た目にとどまってああだこうだ言ってる人って、もったいないし、人間としての成熟度が足りないと思う…。犬山:あと、ルッキズムを自分に発動しちゃった場合の弊害としては、自分にダメ出しをし、外見を否定し続けていると、自らを大切に思えなくなってくるよね。長田:うん。自分の意思を尊重できなくなって、身動きがとれなくなる。例えば“この洋服は私が着たらイタいに違いない”とか、“この見た目ではそれをする資格はない”、あるいは“私なんて愛されるはずがない”と思ったり…。見た目の気後れが一歩踏み出すときのためらいに繋がる。犬山:自分が本当にやりたいと思うことや表現したいことが見えなくなるし、できなくなっちゃう。実際、コンプレックスにがんじがらめになっていたときの私は、そうだったから…。長田:犬山さん、全然そんなふうに見えなかったから、めっちゃ意外!犬山:そうかなぁ。長田:今は自分の見た目が好き?犬山:うん、好き。私の大切な顔だわって、慈しめるようになってきた(と、両手で顔をそっと包み込んで、にっこり)。長田:最高だね!どんなきっかけで、見た目と仲良くなれたの?犬山:いちばん大きいのは子どもが生まれたことかな。子どもが思春期になったときに、私みたいにコンプレックスを抱えたり、必要以上に悩んだりしてほしくないなって思って、ルッキズムに左右されていた自分を変えようと思ったの。まずは他者に対してルッキズムを発動するのをやめることから始めたかな。それによって、人のいいところが前より見つけ上手になって、好きな人たちのことがもっと好きになった。さらには道行く人がみんなきれいに見えるようになった(笑)。長田:みんなそれぞれ、きれいだもんね。私、“全員美人原理主義者”だし。犬山:そのあとかな、徐々に自分への外見主義が弱まって、自虐をしなくなった。そうしたらすごく心が楽になったよ。長田さんの本にも、その後押しをしてもらった感じがする。改めて聞くけれど、『美容は自尊心の筋トレ』を書いたのはどんなきっかけがあったの?長田:子ども時代に、美容部員として働いていた母が家に持ち帰った美容のセラピー効果の本を読んで、メイクやスキンケアが癒しや励ましになる、ということは知っていて。それで美容ライターになってから、自信なさげだったり、イライラした感じの人が、スキンケアで自分に手をかけたり、気分が上がる色のリップを塗ったりするだけで、表情や目の輝きだけじゃなく、人生に対して前向きに変わる現場に、何度も立ち会って。美容には、自尊心を育てる素晴らしい力があるんだって、ずっと信じてきたの。犬山:ホントそうだよね。長田:でも美容には、いまの姿を否定して“もっと美しく正しくなりましょう、もっと若くなりましょう、もっとモテましょう”みたいな面もある。自分を大切に扱って、見た目とリラックスして付き合うための美容の話がもっとあっていいはずだ!と思って、あの本を書いたの。――お二人は、本を書く以外にも、世の中にアクションを起こしていますね。例えば犬山さんはコメンテーターをされていたり…。犬山:依頼をいただいた当初は“なぜ?”と思いましたが、女性たちに取材を重ねてきた私だからこそ言えることがあるのかも…、と思い、自信がない中で始めました。いろいろな専門家の方の話を聞く経験を通し、徐々に私の知識も増えていくと、問題意識が高まってきて、もっと勉強し、そこで得た知識を自分でもアウトプットしていこうと、気持ちが変わってきたんですよね。長田:いまいちばん力を入れているのは、児童虐待防止?犬山:そう。チームを作って活動してる。自分が手に入れた知識を、誰かのために役に立てられれば本望です。長田さんは、イベントやったりしてるよね。長田:私、イベントでも、美容本でもやりたいことは一貫していて、ひたすら女の子の“自分を大切にする気持ち”を応援したい。リップのひと塗り、素敵さを自覚してもらうひとことで女の子が笑顔になる、それを見るのがうれしいし、謎の生きる力が湧いてくるの。もうね、それをライフワークにして生きていこうと思って(笑)。――最後に読者に、ルッキズムからの解脱、すなわち自尊心を上げるためのアドバイスをいただきたいのですが…。本来ならば、カウンセリングに行ったりすることがベストだと思いますが、まずすぐできる、簡単なものを教えてもらえるとうれしいです。犬山:寝る前に、自分を褒めてみてください。すごいことじゃなくていいの、「今日はちゃんとお風呂に入れた、私、偉い!」とか、ハードルはめっちゃ低めでOK(笑)。究極は「私今日生きてた、偉い!」でいいと思う。それを毎日やると、自己肯定するクセがついて、自尊心が上がりますよ。長田:ホメラニアンだね!私は、自分の中の小さい子の声を聞くことかな。例えばリップ一本選ぶときも、人からどう思われるかより、自分の中の無邪気な部分が「わーい!」ってなることを優先する。小さいことだけど、それを積み重ねると全然ちがうんだよね。ただ、そうやってウキウキ出かけていっても、社会に溢れるルッキズムにボコボコにされる日もあるわけですよ。そんなときは、信頼できる人に「今日は何も言わずに私の話を聞いて?」って、話を聞いてもらうといいと思います。犬山:あ~、私もまさにそうしてる。つらいことがあったら、長田さんとか、親友とのグループLINEに書き込んで、全力で甘やかしてもらう(笑)。長田:自分をさらけ出せる仲間は、自尊心を上げる重要なファクターだよね。犬山:ね!いぬやま・かみこイラストエッセイスト、コメンテーター弊誌の連載「SanPakuちゃんのわがまま気まま愛のRoom」も大好評。著書も多数。『スッキリ』(日本テレビ系)、『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)でレギュラーコメンテーターを務める。おさだ・あんな美容ライターメイクアップアーティストの吉川康雄さん、写真家の前康輔さんとコラボで制作した書籍『あなたは美しい。その証拠を今からぼくたちが見せよう。』(大和書房)が5月に発売予定。※『anan』2020年4月8日号より。写真・小笠原真紀(by anan編集部)
2020年04月07日