小児科医、臨床心理士、言語聴覚士、「親なきあと」の専門家による解説付エピソード集「専門家の支援を受けたいけれど、どんなことを相談できるの?」「どんなアドバイスをもらえるの?」「ほかのお子さんのケースが知りたい」そんな保護者の方や、家庭でもできる発達支援や、わが子への関わりのヒントを知りたい方に、ぜひ読んでいただきたいエピソードが満載です。トラブル多発で行き渋りがある小学生のエピソードーー小児科医の解説付忘れ物が多い、指示どおりに行動するのが苦手、先生に暴言も…学校でのトラブルに悩む小学生と保護者のエピソードです。自閉スペクトラム症とADHDの診断後、子どもへの投薬や保護者へのペアトレを始めると…?学校に対して要望がある場合の相談方法に関するアドバイスも。発達が気になる中学生のエピソード4編ーー臨床心理士の解説付自閉スペクトラム症とADHDの傾向がある中学生の「友達トラブル」に関するエピソードです。中学校に進学し、友達づきあいが難しくなってしまうお子さんは少なくありません。一緒に過ごすグループの子たちと話を合わせられず孤立してしまい、行き渋りも始まった中学生。臨床心理士の3つのアドバイスとは…?中学校から帰宅すると、すぐにゲーム・スマホを始めるADHD傾向のある中学生のエピソードです。宿題やお手伝いなどやるべきことができていない、生活リズムが乱れてしまっている。注意すると反抗的な態度をとるのでどうすれば…悩む保護者に臨床心理士が伝えた、子どもとの関わり方のポイントとは…?趣味のフィギュアに夢中で、勉強に身が入らない自閉スペクトラム症のある中学生のエピソードです。自閉スペクトラム症の傾向があるお子さんの関心の狭さや、収集癖を心配に思う保護者の方もいらっしゃるかもしれませんね。お小遣いやお年玉をもらうと、すぐに新しいフィギュアを購入。保護者が受験の話題を出しても、「高校、別に行きたくないし」と無関心の中学生。臨床心理士の一言をきっかけに、受験勉強に身が入るようになって…?高校受験を控えた、自閉スペクトラム症のある中学生のエピソードです。「志望校が決まらない」焦りは、受験時期が近づけば近づくほど大きくなっていくものですね。「わが子に合いそうな学校を選んであげて、受験するよう話をすればいいでしょうか?」と聞く保護者に、臨床心理士が伝えた大切なこととは…?多動が気になる小学生のエピソードーー言語聴覚士の解説付「授業中や食事中に立ち歩いてしまう」自閉スペクトラム症とADHDのある小学1年生の子どものエピソードです。学校の先生との面談で「立ち歩きが多い」「注意しても座り続けられない」と言われ、療育のときに相談をする保護者。すると、「座ることが目的になっていませんか?」と言語聴覚士から問いかけられて…?卒業後、親なきあとが心配…自閉症高校生のエピソードーー「親なきあと」専門家の解説付特別支援学校高等部に通う自閉スペクトラム症のある子どもの保護者が抱く、将来への不安にまつわるエピソードです。特別支援学校卒業後のことを心配に思う保護者。「親なきあと」の専門家から「療育手帳をお持ちですか?」と聞かれて、「IQ80程度という判定で療育手帳は取得できなかった」と答えると意外なアドバイスが…?コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月05日アダマン号は、人々を孤独から引き出して、世界とつながる手助けをする場所アダマン号へ通う表情豊かな人々、そしてその表情の奥に隠された心の問題までを優しいまなざしで捉えた「アダマン号に乗って」。発達ナビでは、4年ぶりの来日を果たしたニコラ監督に、この映画への思いを伺いました。LITALICO発達ナビ編集部(以下――)アダマン号がどのようなところか、教えていただけますか?ニコラ・フェリベール監督(以下監督):アダマン号は2010年に開所した、デイケアセンターです。パリの中心部、セーヌ川に浮かんでいます。係留されているので、航行する船ではありません。言うならば「浮かぶ建造物」です。乗っているときは水の上にいる感覚があります。大きな船が近くを通ると、ゆらゆら揺れます。船の中にはさまざまな空間があります。患者はその中を自由に移動できて、閉ざされた空間はありません。事務所であっても自由に入れます。船の上なら自由に移動していいんです。船に使われている素材はガラスや木材など重厚感があり、光がたくさん入ります。パリの中心にいるのに別の場所に来たような錯覚にとらわれる、とてもゆったりとした場所です。水が近くにあるというのも重要ですね、場所そのものに癒し効果があるんです。通ってくるのは主にパリに住む患者さんです。精神科の医師や心理師にすすめられて通ってきます。定期的に通う人もいれば不定期に通う人もいますし、複数や単体のワークショップに来る人もいれば、ただ雰囲気に浸ってコーヒーを飲みに来る人もいます。映画を見ていただいても分かると思いますが、スタッフも患者さんもみんな私服ですので、誰が患者さんで誰がスタッフなのかもわからない。レッテルがないんですね。この人は病気、患者、この人は支援者という区別がない、患者さんが「病気」の枠に閉じ込められておらず、ちゃんとした「人」として見られているんです。個性的で、人とは違うものを持ってはいるけれど、ジャッジされることもない、異常な人と見られることもないので、特に直すこところもない。ただありのままのその人として見られているんです。スタッフは、彼らの「勢い」を少し引き出そうとします。彼らを孤独から引き出して、世界とつながる手助けをするのです。アダマン号はそういう思想をもった場所です。Upload By 発達ナビ編集部――アダマン号の「アダマン」はどのような意味があるのですか?監督:「アダマン」はフランス語でダイアモンドの中心という意味です。ダイアモンドの核となる硬い部分ですね。フランス語ではあまり使われませんが、英語では比較的よく使われている言葉かもしれません。adamant は「確固たる」という意味です。「アダマン」って音的にもきれいですよね。Upload By 発達ナビ編集部映画「アダマン号に乗って」オフィシャルサイト精神科医療の世界は、私たちの世界や魂の「拡大鏡」のよう――本作を撮影したいと思ったきっかけを教えてください。監督:約25年ほど前に、精神科医療を舞台にした映画「すべての些細な事柄」(1997年)という作品を撮りましたが、私にとって、精神科医療はとても興味深いものなので、また撮りたいと思い続けてきました。私は、精神科医療の世界は、私たちが生きている世界や魂の「拡大鏡」のような場所じゃないかなと思っています。私たちは、普段自分の内面を隠して生きているところがあると思いますが、精神科医療の現場では、その内面をむき出しにされている人たちがいます。彼らに会うと驚かされたり、ちょっと動揺もすれば不安になったりということもあるかと思いますが、そうかと思うと、私たち自身のことを考えさせられたり、なんだかとっても楽しい気持ちにさせられたりということもあります。彼らと出会ったあと、すごくこう顔が明るくなるような、そういうこともあるんですよね。とにかく、精神科医療の現場というのは、いろいろな心のありようがあって、そういう意味では、映画監督としてとても豊かな現場です。Upload By 発達ナビ編集部考える時間、言葉を探す時間、話が自然な形まで展開するのをじっと待つ――監督は、映画の中で一人ひとりに時間をかけて、ゆっくりと話を聞き、返事を待ち、丁寧に、親切に撮影されていると感じました。「話を聞くことが大事」というセリフもありましたが、みなさんにインタビューしていた際、心がけていたことなどありましたら、教えてください。Upload By 発達ナビ編集部監督:必要な時間を取ることを大切にしました。私のカメラの前で語ってくれた方が考える時間、 これが自分の言いたいことなんだという言葉を探す時間、そして、話が自然な形まで展開するのをじっと待ちました。また、絶対にプレッシャーをかけないというのも重要です。なぜなら、カメラを向けられるということ自体とても威嚇的ですよね。それもあって、なるべく穏やかな空気というのが流れるように、そして信頼関係が生まれるように努めました。今の社会は、とてもスピーディーに全てのことが流れていきます。そして、人の話を聞かないで口を挟んだりする人もいれば、ネガティブな相槌をうったりする人がいます。これは私は暴力的なものだと感じています。だから私は、そういうことはせず、時間をかけることを徹底しました。――ありがとうございます。ゆっくりと待っていると、みなさんが言葉を選びながら、心のうちを語りだしてくれていました。その様子がとても心に残っています。また、監督は受賞のコメントで、「精神疾患への人々が抱く偏見を変えたいし、生産性がない人々に税金を使うのは無駄という風潮に抗いたい」とおっしゃっていました。このような偏見をなくすためには、どのようなことが必要だと思いますか?Upload By 発達ナビ編集部監督:やはり、彼ら自身の本当の声を聞くことから始まるのではないかと思います。精神疾患がある人たちを撮影したものにナレーションを入れたり、代弁をしたりして、彼らの声を直接聞こうとしないということがありますよね。それはよくないので、私は「アダマン号に乗って」ではナレーションを入れていません。私が思うに、偏見をなくすためには、まず彼らにも発言権を提供すること、そして、私たちと同等の場所にいてもらうということ大事なのだと思います。でも、今の社会は、彼らのことは見たくない、聞きたくない、知りたくないという人たちが多く、それが精神科医療をとても閉鎖的なものにしていると思います。そういう「無意味な恐れ」を消すには、当事者の声をちゃんと受け入れることが、最初の1歩になると思います。また、最初に触れましたが、「病人」というレッテルを張って、それで括っておしまいにしないっていうこと。「病人」というレッテルは、その人を人間として見ず、まるで1つのオブジェのようなものとして見ているのだと私は思います。 そうではなくて、この人も人間であり、ちゃんと考えている「主体」として見ること、これが大切です。そして、こういうことを実践しているのがアダマン号です。アダマン号ではみんな一人の人間として扱われていて、この人はこんな興味を持っているんだ、この人はこんな才能があるんだ、それが芸術的才能なんだって、その人が持っているものにちゃんとスポットを当てています。これが大切なのだと思います。実は、助けられているのは、私たちの方かもしれません――最後に、LITALICO発達ナビの読者へ、メッセージをお願いします。Upload By 発達ナビ編集部監督:私は30年前に「音のない世界で」 (1992)という聴覚障害をテーマにしたドキュメンタリーを撮りました。人は、聴覚障害のある方をハンディキャップを持ってかわいそうと同情の目で見ることが多いと思いますが、私はそれが大きな間違いだということを、このドキュメンタリーで伝えたかったんです。彼らの手話はとても素晴らしく、とても豊かなものです。顔、腕、手の表情を使い、これによって彼らの見えている世界を描写することができます。ひょっとしたら、飛行機の300個の部品を全部手話で表現できるかもしれません。みんなは聴覚障害をハンディキャップと言いますが、実はそうではなく、手話という豊かな表現方法を持っているというポジティブな形に受け止めることができるのです。ですので、ご本人も、それからそのご家族の方々もそっと見方を変えて、実はとても豊かなことなんだと自覚されるといいのではないかなと思います。障害がある人は、私たちに多くのことを学ばせてくれますよね。私たちの視野をすごく広げてくれるし、普段の生活にはない詩的な、ちょっとこう豊かなものを加味してくれます。競馬の馬が、前に集中するために視野を遮るマスクをつけることがあります。私たちはこれのマスクをつけているような生き方を、社会の中でさせられていると思います。 でも、ハンディキャップがある人は、マスクを着けている人たちからははみ出しますが、はみ出すことによって、私たちにそういう見方、感じ方があるんだと教えてくれます。実は、助けられているのは、私たちの方かもしれません。――ありがとうございました。「アダマン号に乗って」上映情報Upload By 発達ナビ編集部4月28日(金)より全国公開中パリの中心地・セーヌ川に浮かぶ木造建築の美しい船「アダマン号」は、精神疾患のある人々を無料で迎え入れるユニークなデイケアセンター。ここでは、絵画、音楽等のさまざまな文化活動を通じて、精神疾患のある人の支えとなる時間、安心できる空間を提供し、サポートしています。精神科医療の世界に押し寄せる均一化、非人間化に抵抗し、個人個人に共感的なケアをするこの魅力的な場所は、生きることの豊かさを教えてくれます。監督・撮影:ニコラ・フィリベール共同製作・配給:ロングライドインタビュー:発達ナビ編集部撮影/廣江 雅美
2023年05月04日息子の発達障害について知らせていなかった義母が、パパと息子を外へ追い出し、はちみつこさんと二人きりになって、はなはな園(療育施設)について聞いてきました。はなはな園(療育施設)へ通うようになった経緯を、発達障害については触れず、遠回しに説明すると、義母から質問の嵐が! はちみつこさんが一つずつ答えて、義母が「そうだったのねー!」と言って安心したかのように見えたのですが、「発達障害とかではないでしょ?」と、急に直球の質問が飛んできて……!? 止まらない追及……! まさかこんなピンポイントで突いてくるとは……と焦るはちみつこさん。「なんか聞くでしょ、テレビでも。ご近所の方のお孫さんもそうだって聞いたもんだから……」「まぁきいくんは大丈夫だろうけど」と悪気なく話す義母。 一方のはちみつこさんは、全然大丈夫じゃないし、どうしよう……(義母へ発達障害について)言うなら今?変にはぐらかしたり、嘘つくのもなぁ……はぁ…… そして悩んだ結果……「実は4歳のときに診断されて、ハイ、そうなんです」結局義母へカミングアウトしてしまいました。 それを聞いた義母は「え!? きいくんが? 嘘でしょ?」と、信じられないといった様子。そして、やっぱり言わなければよかった……と秒で後悔するはちみつこさん。 「大丈夫なんじゃないの? どこで言われたの?」家族のデリケートな問題なのに、まだまだ質問をやめない義母。 いつもパパは義母の質問攻撃をかわすため、義母は何かあればすぐにはちみつこさんに聞いていました。 しかし、きいくんの発達障害の話は、実母や保育園の先生、療育の先生にこれまでの経緯を毎回はちみつこさんが説明してきてしんどいときもあったため、義母へはパパから話して欲しいと思っていました。 はちみつこさんが黙っていると、「私ったらごめんね、いろいろ聞いちゃって……話しづらいこともあったよね」と謝る義母。 義母が察してくれた……と、ホッとしたはちみつこさん。さすがにそこまで無神経ではないよね……と思ったのも束の間。 「息子(パパ)が帰ってきてからの方が話しやすいわよね! せっかくだし今日夜ご飯も食べてったら? みんなでゆっくり話しましょ!」 と、まだまだ追求が続きそうです……。ただでさえデリケートな話題なのに、グイグイ聞かれてしまうと気持ちも落ち込んでしまいます。苦手な話題を避ける方法がわかるといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター はちみつこ
2023年05月04日俳優の宮沢氷魚が主演を務める、映画『はざまに生きる、春』(5月26日公開)の場面写真が30日、公開された。同作は現在出版社で漫画編集者として働く葛里華監督による初のオリジナル長編作品。発達障害の特性を持つ画家・屋内(宮沢)と、出版社に勤務する編集者・春(小西桜子)の恋模様を描いている。主演の宮沢は、同性愛者であることに葛藤する人物を演じた『his』(20年)で初主演を務め、同作で第12回TAMA映画賞最優秀新進男優賞などを受賞。また今年2月に公開された映画『エゴイスト』ではアジア全域版のアカデミー賞「第16回アジア・フィルム・アワード」で助演男優賞を受賞するなど、繊細でピュアな佇まいとその確かな表現力が賞賛されている。今作で演じるのは”青色の絵”だけを描く画家・屋内透で、感じたことをストレートに表現し、感情を隠せず嘘がつけない「発達障害」の特性を持つ役柄となる。。宮沢は今回の役柄に対し「僕も元々あまり(発達障害に関する)知識がなかったので、1から勉強させてもらいました。たくさんの映画やドキュメンタリーや本、また実際に当事者の方にお会いして(屋内のキャラクターの)ベースを築くことができました」と役作りに対して真摯に語っている。今回公開された場面写真は、春の担当する雑誌の取材を受ける屋内や、手のひらを青色の絵の具で染め生き生きとした表情の屋内、また青色が広がるキャンバスに真剣な面持ちで向かう姿など、天才的な感性を持つ画家である屋内のキャラクターが垣間見える写真となっている。誰もが経験する普遍的な感情に心が動き、“人を好きになる”ことへの希望が溢れる新しい恋愛映画に注目となっている。(C)2022「はざまに生きる、春」製作委員会
2023年05月03日発達が気になる子どもの悩み、ギモンに専門家が回答!発達が気になるお子さんを育てる中で、悩みやギモンがわいてくることもあるのではないでしょうか。発達ナビでは、保護者の方々のさまざまなギモンに専門家の先生が回答する企画を行ってきました!これまでのテーマは「癇癪」「睡眠障害」「就学」「二次障害」「不登校」「療育手帳」。専門家の先生に事例ごとに具体的にご回答いただいています。ぜひ参考にしてみてください!発達が気になるお子さんの悩みでも多い「癇癪」。日々の対応に困っていながらも、「病院にいっていいもの?」「薬を服用させるのが心配」という保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q.発達障害のある子どもの癇癪(かんしゃく)にはどう対応したらよいでしょうか?事前にできる対策はありますか?Q.子どもが毎日ちょっとしたことで癇癪(かんしゃく)を起こし、親もヘトヘトです。どの程度から病院を受診してよいのでしょうか?Q. 癇癪(かんしゃく)がひどく、薬が処方されました。服用にあたって気をつけることはありますか?さくらキッズくりにっくの藤井明子先生の回答はこちらから!赤ちゃんの夜泣きがつらい、幼児期になっても寝つきが悪くて毎日寝かしつけが大変、小学生・中学生の昼夜逆転が心配…など睡眠に関してさまざまなお悩みがあると思います。また、起立性調節障害、ナルコレプシーなど睡眠障害に関わる診断名を耳にすることがあっても実際どういうものなの?とギモンに思う方もいらっしゃるかもしれません。睡眠の問題は生活習慣の問題だと思われることもあるかもしれませんが、発達障害と睡眠障害は併存していることが多く、眠れない原因の背景に睡眠障害が隠れていることもあります。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q:子どもが寝ないという理由で、病院にかかるとしたら小児科でいいのでしょうか。どんな小児科でも相談できるのでしょうか。Q:発達障害があり、睡眠障害を併存している場合、どのような治療法がありますか。必ず薬が処方されるのでしょうか。Q:中学生の子どもは、昼夜が逆転してしまっているような状態です。睡眠のリズムを取り戻すには、家庭でどのようなサポートができるでしょうか。さくらキッズくりにっくの藤井明子先生のご回答はこちらから!保護者も子どもも選択を迫られる就学先の問題。地域によっても通える学級・学校の種類や制度などが違ってくるため、就学先の基準や相談の仕方などに悩む方も多いかもしれません。発達ナビQ&Aコーナーでも全国からお悩みの声が寄せられています。発達ナビQ&Aコーナーに寄せられたギモンQ:情緒学級がある小学校が、住んでいる地域にありません。通常学級+通級、知的障害の特別支援学級、情緒学級のある小学校などで迷っています。何を基準に選んだらよいでしょうか。こちらの質問に対する発達ナビ会員の方の実体験をもとにした回答と、発達障害のあるお子さんの支援、臨床心理学の専門家である井上雅彦先生が解説する就学先を選ぶポイントはこちらから!発達障害の特性を理解されない、失敗して叱責される、不安な経験を繰り返すなどの経験を重ねることで、次第に自己肯定感が下がり、うつ病、不安障害などの精神疾患の合併や、不登校やひきこもりなどにつながることがあり、これを二次障害と呼ぶことがあります。子どもが二次障害の状態であるとき、保護者はどのように理解し対応していったらよいのでしょうか。例えばこんなギモンを児童精神科医の先生に質問!Q.落ち着いていられない・気が散ってしまう子への関わり方を教えて下さい(小学2年生・ASD、ADHD)Q.小5の男子(ASD、ADHD)です。登校の行き渋りがあります。同級生とのコミュニケーションが上手くいかない、勉強が楽しくないなどの理由があるようです。無理にでも学校に行かせるのか、休ませるのか、どちらが良いのでしょうか?Q.専門医に助言を求めたいのですが、本人が病院に行ける状況にない(行きたがらない)場合どうしたら良いでしょうか?(高校生、未診断。対人恐怖、睡眠障害あり)代官山やまびこクリニックの千村浩先生の回答はこちらから!「学校に行きたくない」子どもがこう口にしたとき、保護者はどう対応したらよいのでしょうか。また、不登校になったときの学校や社会とのつながりや、学習について、ゲーム依存への心配など悩みは尽きないと思います。例えばこんなギモンを臨床心理士・公認心理師の先生に質問!Q.子どもが不登校になった場合、学校とはどのように連携したらいい?Q.不登校が長期間にわたっている。保護者側もサポートに疲弊、このまま学校に行かなくていいのか、ひきこもりになるのではと将来が不安ですQ.不登校になり家でゲームをずっとやっているわが子。依存症にならないか心配臨床心理士・公認心理師であり東京都内のスクールカウンセラーでもある初川久美子先生の回答はこちらから!みなさんは療育手帳を取得していますか?発達ナビ会員のみなさんに療育手帳の取得の実態についてアンケートを実施しました!療育手帳を取得するとよいと聞いたけど、分からないことだらけ…という方もいらっしゃるかもしれません。例えばこんなギモンを行政書士・社会保険労務士の先生に質問!Q.発達障害がある場合は「精神障害者保健福祉手帳」しか申請できないのでしょうか?療育手帳は取得できますか?Q.療育手帳の対象は?取得に年齢やIQは関係ありますか?Q.療育手帳を取得するメリットってなんですか?親なきあと相談室主宰であり、行政書士・社会保険労務士の渡部伸先生のご回答はこちらから!医師が患者の病名、症状、診断した内容などを記した書類「診断書」。発達ナビ会員のみなさんにも診断書についてアンケートを実施しました!診断書は、どんなときに必要になるのでしょうか。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q.子どもの診断書はどこでもらえるのでしょうか?Q.診断書の費用は大体どのくらいですか?Q.診断書を作成してもらえない場合もあるのでしょうか?さくらキッズくりにっくの藤井明子先生のご回答はこちらから!みなさんのギモンをお待ちしていますこんなときどうしたらいいの?どこに相談したらいいの?ほかの人はどうしてる?など、これからも発達が気になるお子さんを育てるみなさんのギモンに具体的にお答えしていきたいと思っています。発達ナビ会員同士が質問・回答ができる発達ナビQ&Aコーナーでの話題の投稿に対して専門家の先生からコメントをいただくこともあるかもしれません。気になるギモン、お悩みなどぜひ発達ナビQ&Aコーナーへの投稿や、こちらの記事へのコメントでお待ちしております!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月03日長男くんの発達障害について義母に知らせていなかったはちみつこさん夫婦。義実家へ遊びに行った際、義母からはなはな園(療育施設)について聞かれ、「習い事みたいなもんだよ」と機転を利かせて答えたパパ。しかし、「習い事なんて初耳!どんなことするの!?」と、義母の追求が止まりません。パパが「今度きいくんがいないときに改めて」と断るも、「きいくんとパパでドライブへ行って! ばあちゃんたちはおしゃべりしたいからお留守番してるね〜!」と、きいくんとパパを家から追い出し、はちみつこさんは義母と2人きりになって……!? 細心の注意を払いながら会話をするも、義母は……!? ドライブという名目できいくんとパパは締め出され、義実家にははちみつこさんと義母の2人だけ。義母が席に着くなり、「それで? きいくんがいろいろあったっていうのは?」と、いきなり核心を突いてきました。 物事が1〜10まであるとしたら、50まで知りたいのが義母。そのため、“自閉症スペクトラム”“療育”“発達障害”、これらのワードは絶対に出さないほうがいいと感じていたはちみつこさん。「実は……きいが保育園のお友だちに対して少し引っ込み思案というか、あまり言葉で言えないタイプみたいで……」「夫くんと話し合って、週2のペースで同年代のお友だちと触れ合う場所に行ってるんです」と、療育通いについて直接的な表現を避け、遠回しに説明しました。「あらぁ…そうだったの? それっていうのはね?」と、気になることを矢継ぎ早に聞いてきました。義母の質問にはちみつこさんが一つずつ答えて、約30分が経過。 「……そんなわけで、まだ心配な面はあるんですけど、夫くんと一緒にきいを見守っているのが現状です」と伝えました。 気になったことをすべて聞いた義母は「そうだったのねー! 最初は一体何事かと思ったけど、はちちゃんから話を聞けてよかったわぁ」と満足した様子。 しかし、余計な心配させずに済んだ感じかな……とはちみつこさんがホッとしたのも束の間。 「発達障害とかではないでしょ?」まさかのツッコミが入ってしまいました……。 ピンポイントで突かれた! こんなに気を付けながら会話していたのに、核心をつかれて焦ってしまいますね。 著者:マンガ家・イラストレーター はちみつこ
2023年05月03日通園・通学ルートや食事にこだわり、気持ちの切り替えができず癇癪など…発達障害があるわが子の「こだわり・癇癪」体験談丸山さとこさんの中学2年生の息子・コウ君にはASDとADHDがあります。幼少期、「ルーティーン」へのこだわりが強かったコウ君の癇癪を防ぐために、できるだけ「ルーティーンになったら困ること」を避けていたそうです。しかし、コウ君が安心して過ごすためには、「いつもと同じ」であることも重要で…。丸山さんは、どのようにバランスを取っていたのでしょうか?SAKURAさんの娘・あーさんには自閉スペクトラム症があります。SAKURAさん夫婦は、あーさんに発達障害があると知ってから、あーさんが自己肯定感を損なうことのないよう気をつけながら育ててきたそうです。その甲斐あって、あーさんは失敗しても落ち込んだり、自信を失ったりすることなく成長。ところが思春期に差し掛かった今、思わぬ結果に…!?カタバミさんの息子・まちゃ君は特別支援学級に通う小学1年生。知的障害と自閉スペクトラム症があり、幼いころはおとなしく、癇癪やこだわりと感じられることは少なかったと言います。ところが、小学生になって一変!通学路にはまちゃ君のこだわりポイントがたくさんあって・・・。星河ばよさんの息子さんは発達障害グレーゾーン。保育園時代は気持ちの切り替えが難しく、思い通りにならないと泣き暴れ・・・毎日が癇癪の連続だったそうです。小学2~3年生になったころ、友達と遊ぶ予定がなくなってしまったときのこと。癇癪を起こすのかと思いきや、息子さんがとった行動は・・・?みんさんの息子・P君には知的障害を伴う自閉スペクトラム症があります。療育園に通っていたころ、新学期の環境変化にとまどい、癇癪を起こす姿が見られていました。そして、不安になるのは親も同じ。なんとか息子の癇癪を防ぎたいと、みんさんはP君の担任の先生に、お気に入りのおもちゃを出してもらえないか聞いてみました。すると、先生の答えは意外なもので・・・。さいごに今回の「こだわり・癇癪」特集では、発達ナビライターさんからさまざまな体験談をお寄せいただきました。「うちの子も、同じようなこだわりがある!」「わが子の癇癪の原因も、もしかしたら○○なのかも?」などと参考になるエピソードも多かったのではないでしょうか。わが子の「こだわり・癇癪」は、困ってしまうこともあるけれど、子どもの自己表現のひとつの形でもありますよね。うまく付き合いながら、親子共に、もっと過ごしやすくなる方法が見つかるといいですね!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月01日男の子2人を育てるはちみつこさん。長男・きいくんに発達障害があることを義母に知られた際の体験談をマンガ化!長男・きいくんの発達障害について、義父母にカミングアウトしていないはちみつこさん。療育に通っていること、自閉症スペクトラムと診断されていることを話していないのは、義母がおしゃべり好きなうえになんでも知りたがって根掘り葉掘り聞いてくるから。そんな義母のところへ久しぶりに遊びに行ったのですが…… 知りたがり屋さんの義母 長男・きいくんの発達障害について、義母にカミングアウトするのは“やめておこう”という意見でパパと一致していたはちみつこさん。今までも義父母からきいくんのことを聞かれても、無難な話題を選んでいました。しかし、久しぶりに義実家へ行ったときのこと。 「きいくん保育園楽しい? 来年は小学校ね〜」ときいくんへ話しかける義母。 「うん楽しいよ。あと……はなはな園(療育施設の名前)も楽しいよ」と、きいくんが答えてしまいました。 「あら、はなはな園って?」と義母の気になるスイッチが入ってしまいました……! 著者:マンガ家・イラストレーター はちみつこ
2023年05月01日癇癪を起こすのは子どもではなく…母である、私!?Upload By 丸山さとこ最近はほとんど癇癪を起こさなくなった息子のコウです以前はパニックになったり癇癪を起こしたりして周りも本人も振り回されることの多かったコウですが、小学5年生で「もしかして、自分の表現って人より激しいのかな…?」と気づいたことをきっかけに大分落ち着いてきました。人との違いに気がついて自分を客観視できたから落ち着いたのか、落ち着いたから人の様子や自分の姿を見れるようになったのか、どちらが先なのかは今振り返ってもよく分かりません。いずれにせよ、それらの変化はコウにとってよい循環を産んだようです。「0か100か」の白黒思考で極端な発想にいきついたときも、時間を置くことで「さっきの僕は思い込みが激しかったかもしれない」と気づくことが増えたそうです。そんな風にコウが落ち着いてきた一方で、私は癇癪を起こしやすいままだな~と思うことはしばしばです。実は私もコウと同じくASDとADHDがあり、見通しを立てることや物事の優先順位をつけることが苦手です。表面上は大人である保護者として振舞うため『はた目から見て分かりやすい癇癪』は少ないかもしれません。私が「玄関片づけて。服は脱いだらハンガーにかけるかカゴへ。水筒持ってきた?もう3日目ですが?」とガミガミうるさく言う姿は、よくある『イライラしているお母さん』だと思います。ですが、そんなときの私は『親として怒ったり叱ったりしている状態』というよりも、『自分の思うようにならないことに苛立って、ただ文句を言っている状態』になっているのだろうと思います。Upload By 丸山さとこ脱ぎっぱなしの服、出ない提出物、学校に置き忘れた水筒などなど…何度も言い聞かせたり工夫したりするだけではどうにもならず、難しさを感じることは多いです。コウ自身が「どうにかしよう」と思わないと変化は起きにくいだろうなと思います。とはいえ、ASDの特性からセルフモニタリングが難しく、ADHDの特性から注意の向かう先があっちこっちにいきやすいコウにとって、「どうにかする必要があるのだ」と実感することは難しいと理解はしています。ですが、「理解しているかどうか」と「スルーできるかどうか」はまた別の話です。ガミガミ言っても仕方がないと分かりつつ、私自身が子どものころに感じていた『イライラして癇癪を起こしているとき』と同じ気持ちで、イライラして癇癪を起こしてしまう私です。今の私は幼児のようなもの(かもしれない)このようなとき、私は「今の自分って幼児みたいなものなんだろうな」と思うことがあります。「型はめパズルのピースが思うように入らなくてイライラしてる幼児ってこんな気持ちなのかもな」と幼児に一方的に共感することもあります。Upload By 丸山さとこ『こうしたら入るはずだろう』と思ってピースをグリグリと回転させているとき、『こんなに工夫しているのに、何で!?』と思うのかな?と想像したりします。すると、「今の私は、複雑な形のピースを丸や三角形と同じように捉えてやきもきしているのかもしれないな」と思い至ります。「そうであれば、ひたすら同じ働きかけをしても変化がないのは仕方がないことだな」と考えることで、コウに対して「今の自分は強引ではなかったか?」と振り返る気持ちがほんの少し生まれます。このように幼児を通して自分を振り返ってみると、「今すぐどうにかならない現状」を受け入れつつ「どうにかなっていく可能性」を諦めないでいられることが、幼児とは違う大人らしさなのかもしれないな、と思います。焦りや不安から「0か100か」の白黒思考が強まると行き詰りやすくなるのは、コウだけではなく私も同じだな~と感じます。せっかちに結論を焦らず、投げ出さず、自分自身も含めた現状の変化をゆっくり待てるようになりたいなと思います。Upload By 丸山さとこ執筆/丸山さとこ(監修:初川先生より)母の癇癪かもしれないという思索のシェアをありがとうございます。拝読して、私はなんと鋭い視点なのだ…!と驚愕しています。それは、「母の癇癪」をさとこさんはご自身の発達障害に由来するものとして捉えていらっしゃいますが、そこは今はいったん置いておくとして、「親として怒ったり叱ったりしている状態」か「自分の思い通りにならないことに苛立っている状態」か、そこを客観視しているということが鋭く、そして素晴らしいなと感じました。ここ、ドキリとしながら読んだ方、多いのではないでしょうか(私もその一人です…)。わが子を叱る際(叱れているならまだしも、感情的に怒ってしまうこともありますね)、それが子どもにとって必要だから叱っているのか、それとも、自分の家事育児が円滑に進むようにとか、自分の虫の居所が悪くてとか、そうした自分のためにわが子を叱っているのか。ときどき、その線引きができなくなっているときって、きっと皆さん心当たりがあるのではと感じます(私は今、私自身のためにわが子を怒ったことを思い出し、一人静かに反省しています…)。子育てをしていると、また子どもが成長していることに気づいていくと、子どもの様子に照射される形で、自分自身の得意不得意やよくやる気持ちの置き所のパターンが見えてくることがありますね。今回、さとこさんはご自身の発達的な特性によるものなのではと考えてみたり(おそらくそういった面もあるのかもしれないですね)、幼児が型はめパズルに苦戦するときの気持ちが思い浮かんだり、改めてふと考えてみると、保護者である自分自身のありようについての視野が広がったのでしょう。日常にまみれたり、一生懸命になりすぎたりしていると、視野は狭くなるのでそうしたことには気づかなかったかもしれません。コウくんの成長を感じたことが今回の気づきにつながったように感じるので、そうした子どもの育ちと親の気づきとの相互作用はとても興味深く感じます。子どもは自分とは別の人間なので、思ったようには動きません。どうしてもはまらない型はめパズルのピースのように、子どもは親の思ったような形になるものではないということです。でも、パズルのピースとは違って、子どもは育つし、変化する存在でもありますね。そうした大事な視点を今回のコラムから再認識させてもらったように感じました。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月01日見通し不安のある息子、苦手な「避難訓練で」大パニック!ひきつけを起こしてしまい…息子はこの春で小学2年生になります。診断はありませんが、日々の急な予定変更や、幼稚園で毎年あったクラス替え、小学校入学、時間割の書き忘れで次の日の予定が分からない…など見通しが立たなくて不安になったり、癇癪やパニックにつながってしまうことが多々ありました。これまでで一番印象に残っているのは、幼稚園のときの避難訓練です。息子の通っている幼稚園では、毎月1回避難訓練がありました。息子は、サイレンの大きな音が苦手で、毎回涙目になりながら参加していました。避難訓練は、夏休み前までは先生が事前に予告してくれるのですが、子どもたちが園生活に慣れてくる9月からは、いざというときのために予告なしで行うようになりました。年少のころ、初めて予告なしの避難訓練が行われた日、突然の大きな音と状況に息子は大パニックになってしまい、ひきつけを起こして倒れてしまいました。「本当の火事じゃないから大丈夫だよ」など先生が何度も伝えてくれたそうなのですが、なかなか落ち着くことができず、次の日から「避難訓練はある?」と毎日聞いてくるようになりました。Upload By ユーザー体験談園としては引き続き子どもに予告しないという方針だったようなのですが、担任の先生と相談し、息子には避難訓練の日を事前にこっそり教えることになりました。Upload By ユーザー体験談年長になっても避難訓練が怖い!息子が見つけたまさかの「法則」とは?息子の「避難訓練が怖い」は、年長の秋ごろまで続きましたが、徐々に理解できるようになったのか、避難訓練の度に泣くことはなくなりました。そのころに先生と相談して、ほかのお子さんたちと同じように避難訓練があることを事前に伝えないことにしました。年長になり、ひきつけを起こして以来2年ぶりに予告なしの避難訓練が行われた日、息子はパニックになることなく過ごせました。「避難訓練はもう怖くないの?」と聞いたら、先生からは予告していないはずなのに「今日避難訓練やるって分かった」というのです。詳しく聞いてみると「先生が朝の遊び時間を短くする日に避難訓練をする」という法則を見つけ出し、先に心構えをしていたようなのです。Upload By ユーザー体験談実際に避難が必要になったとき、息子は大丈夫?自分なりに解決策を見つけて大パニックを起こさなくなった息子の様子に成長を感じたものの、これは避難訓練慣れしただけなのでは?実際の避難が必要な状況になったときに果たして息子は大丈夫なのか…?と、私は逆に不安になりました。私がそんなことを考えていると、避難訓練を克服した息子は、いろいろ説明してくれました。「サイレンがなったら、おしゃべりをやめて先生の話を聞くんだよ」「地震だったら、〇〇に避難するんだよ」「〇〇が火事になったら、〇〇に避難するんだよ」「逃げる場所が変わることもあるから、そのときは先生の話を聞かなきゃだめ」Upload By ユーザー体験談実際に避難が必要になったとき、見通しは立ちにくく、大人でも冷静でいられるかは分かりません。息子は、パニックを起こすかもしれません。でもこうして長い時間をかけて先生がていねいに伝え続けてくれたことは、いざというとき、息子が落ち着くためのヒントになってくれるのではないかと思います。イラスト/カタバミエピソード参考/カワカワ(監修:鈴木先生より)誰でも非常ベルの音はうるさくて嫌なものです。ASDと診断されたお子さんは感覚過敏があり、特に音過敏が多くみられます。運動会のピストル音、打ち上げ花火の音、車のクラクション音など突発的な音が嫌いです。あらかじめ分かっていても、いつ音が鳴るか不安で仕方がない場合は耳栓やヘッドホンをするなどの対処が必要です。実際に避難が必要になったときは自分で耳を抑えながら逃げるしかありません。一般のお子さんは徐々に慣れていきますが、ASDのお子さんは「慣れる」ということが難しい場合が多いということを理解する必要があります。初めに怖いと思ったらずっと怖いが続いてしまうのです。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月30日ADHD当事者…小学校時代の「衝動性」を思いだし私は大人になってからADHDと診断され、現在は就労移行支援を受けて、企業で働いています。私が子どものころはまだ「発達障害」という言葉もメジャーではなく、原因は分からないけれどクラスメイトと自分に違いや壁を感じることも多かったです。今回はそんなADHDのある私の小学校時代の友達トラブルを振り返りたいと思います。当時の私はADHDの「衝動性」が特に強く、よく怪我をしているような子どもでした。とにかくじっとしているのが苦手で、いつもそわそわと体を動かしており、その方が落ち着いて過ごせていました。この衝動性はもちろん学校でも出ており…小学校時代は通常学級に在籍をしていましたが席に座っていられずに授業中に立ち歩き、教室をうろうろとしていることが多かったです。また、一度自分が「こうしたい!」と思うとその気持ちを抑えられませんでした。授業中に「トランポリンしたい!」と思うと、授業中だとしても構わずに教室を出ていき、トランポリンのある特別支援学級に行ってトランポリンで跳ね、通常学級、特別支援学級両方の先生を驚かせていたりしました。Upload By ユーザー体験談「面白いから」衝動性からクラスメイトに危険なことを…そんな小4のある日のことです。授業中にまた私はそわそわ…先生の話を聞かずに別のことを考えていました。そして思いついたことは「前の席の女の子の椅子をガタガタと揺らしたら面白いのでは?」……今考振り返ると、自分の行動に驚きますが、当時の私は一度自分が「面白いかも!」と思ったことを即実行してしまう衝動性がありました。Upload By ユーザー体験談思いついたら止められなかった私。前の座席の女の子の椅子を思いっきり揺らしました。前後に揺らすと前の席の女の子は大きく揺れ、後ろの席の私の机に頭をぶつけそうな勢いです。面白くなってもっと揺らすと、その女の子は衝撃で椅子から落ちてしまいました!もちろんクラスは大騒ぎ。私は先生にすごく怒られましたが当時の私は「面白いのになんで怒られたんだろう?」と怒られている理由が分かりませんでした。Upload By ユーザー体験談女の子は保健室に行きましたが、大事には至らず…本当によかったです。当時通っていた小学校はかなりのマンモス校。クラスの人数も多く、また、私の親が毎年PTA役員をつとめ、かなり学校内で存在感があったこともあり、先生からも言いづらかったのでしょうか。今では考えられないことかもしれませんが、このことが私の親に伝わることはありませんでした。今思うと、親にこうした私の問題行動がが伝わらなったことで、ADHDに気づくことも遅れたのではないかと思います。成人後、ADHDの特性から仕事が続かない日々…TVで「合理的配慮」を知りその後、ADHDと診断されぬまま、中学、高校と進学をし、就職をしました。就職先でも相変わらずそわそわとしてしまったり、また感覚過敏も強かったので、なかなか職場の環境に馴染めず、仕事はできても環境が合わなくて体調を崩し、1つの職場に長くいることができませんでした。仕事を始めてからは、学生時代以上にうまくいかないことが続く毎日。「生きづらさ」を感じる場面が日に日に増えていくようでした。そんな中、「何かあるのかもしれない」と感じた私は、ようやく病院を受診し、ADHDの診断を受けました。「ADHDがあって、このまま仕事を続けることは難しいのかな」と思ったときにTVで合理的配慮を受けている方の番組を見ました。その番組では、聴覚過敏のある人がイヤーマフやノイズキャンセリングイヤホンをして働いている様子や、そわそわしてしまう人用のスタンディングデスク、疲れやすい人への静養室などの配慮の例が紹介されていました。「これだ…!合理的配慮を受けられたら仕事が続けられるかもしれない!」目の前が明るくなった瞬間でした。Upload By ユーザー体験談現在は、就労移行支援を受けて、企業で働いています。ADHDは「治る」ことはないけれど「うまく付き合っていく」ことはできます。今後も自分の特性を理解して、生きづらさを少しでも減らした生活ができればいいなと思っています。また、小学校時代にもし適切な支援を受けていたら…とも考えます。私が子どもだったころに比べ、現在は発達障害について社会の理解も進んできています。特性のある子どもたちが支援を受けて少しでも楽しく安心して過ごせる未来になれば良いなと思っています。イラスト/taekoエピソード提供/はっちゃん(監修:鈴木先生より)以前は小児科でも診断できなかったADHDが、今は精神科でも診断できる時代になりつつあります。私の外来には大人になってしまったADHDの方がよく受診されますが、現代においてADHDは薬物治療のできる時代になりました。保険適応もあり、慢性疾患として治療することができます。私の外来では最低2年間の内服をおすすめしています。気づいたときが早期発見でいいと思います。周りの環境次第でよくなったり悪くなったりします。母親は出産を機にADHDが悪化することが多々あります。食事や洗濯などの仕事量が増えるからです。「うまく付き合って」いけなくなったらできるだけ早く専門医に相談することをお勧めします。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月29日株式会社すばる舎(本社:東京都豊島区 、代表取締役社長:徳留慶太郎)は、5月10日(水)~5月24日(水)の期間に東京・札幌・大阪・福岡で「神田裕子先生出版記念・カサンドラゆるゆるお茶会」を、カサンドラ・ラボ主催のオンラインサロン『つばらつばら』様と共催いたします。書籍詳細ページ : 発達障害とグレーゾーン、そのパートナーや家族、同僚等のカサンドラ症候群を支援する団体「カサンドラ・ラボ」を主宰する神田裕子先生が、株式会社すばる舎にて『パートナーが発達障害かも?と思ったら読む本』を4月22日に刊行したのを記念し、著者の神田先生を交えた「ゆるゆるお茶会」を東京・札幌・大阪・福岡の4都市で開催いたします。詳細ページ : 開催場所・日時◆東京開催日時:2023年5月10日(水) 19:00〜21:00会場:アフタヌーンティー・ティールーム丸の内新丸ビル住所:東京都千代田区丸の内1-5-1新丸の内ビルディング 4階申し込み詳細: ◆札幌開催日時:2023年5月13日(土) 10:00〜12:00会場:CAFÉ YOSHIMI住所:北海道札幌市中央区北2条西4-1 赤れんがテラス B1F申し込み詳細: ◆大阪開催日時:2023年5月21日(日) 10:00〜12:00会場:カフェラ 大丸梅田店住所:大阪府大阪市北区梅田3-1-1大丸梅田店4F申し込み詳細: ◆福岡開催日時:2023年5月24日(水) 14:00〜16:00会場:オンザデッキバーラウンジ住所:福岡県福岡県福岡市博多区博多駅南1丁目9-18 ウィズザスタイルフクオカ 1F申し込み詳細: 本来はお茶会(カサラボカフェ)への参加は会員限定です。会員以外の方は初回1000円の会費を頂戴しますが、今回は無料!(お茶代等の実費のみ負担)そして‥なんと!本を持参の方には裕子先生のサインとプチ相談がついてきます。●2023年4月24日発売!Amazonで予約できます♪ ●期間限定で一部無料公開が始まりました! ゆるゆるお茶会では、次のような方々の参加をお待ちしています!□パートナーと会話が噛み合わない□なぜここでブチ切れるのか、わけが分からない□忘れ物が多い□ケンカになるとフリーズする□空気が読めない□かまってちゃんになる□ある日を境に態度が豹変した□こだわりが強い□ルーティンを崩されると嫌がる□ドタキャンが多い、またはドタキャンされるのを極度に嫌がるなど。対象は、恋人や夫婦、同僚どなたでもけっこうです。発達障害のグレーゾーンかもしれない‥何となくこの人って付き合うのが難しいと感じる‥私が発達障害かもしれない?と悩んでいたら、まずは裕子先生の本を読んでみてください。そして、直接会っていろいろ聞いてみたい!と思ったら‥ぜひ、お越しくださいね。裕子先生のプロフィールは カサンドラ・ラボのブログは 「つばらつばら」のメンバーがお待ちしています♪ 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年04月28日神奈川県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報小さな「できた!」が大きな光に変わる。「ステラファミリア」では、お子さん一人ひとりの個性に合わせた個別発達支援、集団発達支援を行い、成長をサポートしています。小さなことからできることを増やし、子どもたちの自信や自立につながるよう応援してくれる施設です。スタッフは教員免許取得者、理学療法士、作業療法士、保育士など さまざまな分野の専門スタッフがお子さんをサポート。 スタッフ間では毎日ミーティングの時間をつくり、お子さん一人ひとりに対する最適な支援を考え、より良いサービスが提供できるように工夫されています。神奈川県の児童発達支援をもっとみる茨城県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報ぱぐ=『優しく愛されるもの』。子どもたちが優しく、愛されるようにという意味を込めて「ぱぐ」と名づけられました。施設コンセプトは、『演劇療育放課後等デイサービス』。ぱぐでは、演劇の中で大人になるための経験を積むことができるよう、楽しみながら行えるプログラムを提供しています。演劇を通してコミュニケーション力の発達や感情表現力を長期的なトレーニングで身に着け、セリフを「言う、聞く、覚える、伝える、体で表現する」などに加えて、相手の立場にたって物事を考える力を育んでいきます。茨城県の放課後等デイサービスをもっとみる茨城県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報つくば市大角豆に2023年春にオープン。子どもたち一人ひとりに寄り添った個別支援と併せ、ぱぐは『演劇療育』を取り入れています。演劇で学べることは舞台だけではなく、日常のコミュニケーションに活かすこともできます。大人になるための経験を積むことができるよう、楽しみながら行えるプログラムをスタッフたちが提供しています。演劇療育などを通して「できた」「上達した」といったたくさんの成功体験を積んだり、お友達との関わりの中で自分の思いを伝え、相手の気持ちに気づけるよう育んでいきます。茨城県の児童発達支援をもっとみる愛知県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報フォレストキッズ八事教室は「世界基準の介入教育を早期に!」をスローガンに、ESDMやTEACCH、ABAなど世界で効果が実証されている介入方法を提供している施設です。保護者待機室からはマジックミラー越しに、大学や専門機関で研修を受けたスタッフがお子さんに発達支援を行う様子を見ることができます。また、保護者とのコミュニケーションを大切にし、保護者とのやりとりをもとに、一人ひとりに応じた課題の設定や到達目標を決定。お子さんが楽しく取り組める課題の中に、成長する仕掛けを盛り込んでいってくれます。Upload By 発達ナビ施設情報2023年5月にOPEN予定のLeetta。お子さん一人ひとりに合わせた支援計画に基づき、経験豊富な児童指導員が発達を促しバランスの良い支援で心とスキルを育てていきます。さまざまな体験をする中で、「好きなこと」「得意なこと」を見つけ、自己肯定感を育んでいき、自分らしく充実した生活を送るための力を身につけるようサポートしてくれます。指導員やお友達と関わり生活をすることで、コミュニケーションの力と豊かな感情を育んでいきます。また、保護者の不安や悩みを取りのぞき、リフレッシュするための時間を提供してくれます。愛知県の児童発達支援をもっとみる「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2023年04月28日自閉スペクトラム症(ASD)とは?自閉スペクトラム症(ASD)は発達障害の1つで、これまで自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などの名称で呼ばれていましたが、2013年にアメリカ精神医学会による、精神疾患の診断基準・診断分類「DSM-5」が出版されて以降、自閉スペクトラム症(ASD)/自閉症スペクトラム障害と呼ばれるようになりました。※この記事内では以下「自閉スペクトラム症」と記述します。自閉スペクトラム症(ASD)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の1つです。知的発達症(知的障害)を伴うこともあります。幼少期に気づかれることが多いと言われていますが、症状のあらわれ方には個人差があるため就学期以降や成人期になってから社会生活において困難さを感じ、診断を受ける場合もあります。参考:(7)自閉症・情緒障害|文部科学省自閉スペクトラム症は生まれつきの脳機能障害です。乳幼児期の育て方によって発症するものではありません。自閉スペクトラム症の根本的な原因を治療することはまだ不可能と言われています。また、ひとことで「自閉スペクトラム症」と言ってもその症状は人によってさまざまなので、それぞれの特性や発達のペースに合った療育や支援、教育的な対応、合理的配慮、環境調整や本人の工夫などが必要になってきます。癇癪、衝動性、こだわりなど個別の症状に対しては、まずは環境の調整を行います。自閉スペクトラム症そのものを治す薬はありませんが、ある一定年齢以上であれば特定の症状に対して薬が処方される場合もあります。自閉スペクトラム症(ASD)と広汎性発達障害、アスペルガー症候群、高機能自閉症との違いは?広汎性発達障害とは、アスペルガー症候群や自閉症などを含む障害の概念として使われていました。 DSM-5で広汎性発達障害の名称は「自閉スペクトラム症」の診断名に統合されました。アスペルガー症候群は広汎性発達障害の1つとして定義されてきました。知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものがアスペルガー症候群に分類されていました。DSM-5でアスペルガー症候群の名称も「自閉スペクトラム症」の診断名に統合されました。参考:参考3定義と判断基準(試案)等|文部科学省高機能自閉症は自閉症の中で「知的発達の遅れを伴わないもの」を指す概念として使われていました。高機能自閉症と アスペルガー症候群の違いは、発達の初期の言葉の遅れの有無であり、遅れが見られたものを「高機能自閉症」と分類していましたが、明確な違いはないという指摘もありました。DSM-5で高機能自閉症の名称も「自閉スペクトラム症」の診断名に統合されました。参考:参考3定義と判断基準(試案)等|文部科学省Upload By 発達障害のキホン自閉スペクトラム症(ASD)と併存しやすい症状自閉スペクトラム症はさまざまな併存症があると言われています。約70%以上の人に1つの精神疾患が、40%以上の人に2つ以上の精神疾患があると言われています。知的発達症(知的障害)、ADHD(注意欠如・多動症)、発達性協調運動症(DCD)、不安症、抑うつ障害、限局性学習症(学習障害、LD)、場面緘黙症(選択性緘黙)などが併存することがあります。参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について|e-ヘルスネットADHDとは、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状が見られる発達障害のことです。限局性学習症(学習障害)は知的発達に遅れがないものの「読む」「書く」「計算する」などの能力に著しい困難を示す発達障害のことです。医学的な定義では限局性学習症は上記3点の困難を指しますが、文部科学省での定義は「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」の5点を指し、定義に若干の違いがあります。参考:学習障害(限局性学習症)|e-ヘルスネット参考:学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について|文部科学省発達性協調運動症とは、日常生活における協調運動が、本人の年齢や知能に応じて期待されるものよりも不正確であったり、困難であるという障害です。別名、不器用症候群とも呼ばれていました。知的発達症(知的障害)とは、発達期までに生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全般的に遅れた水準にとどまっている状態を指します(発達期とはおおむね18歳までを指し、それ以降に事故や病気などで知的機能が低下しても、知的発達症とは言いません)。場面緘黙症(選択性緘黙)とは、たとえば家庭では問題なくおしゃべりができるのに、幼稚園や学校、公共の場など特定の場面で「話せない」状態をいいます。自閉スペクトラム症のある子どもとの生活の様子は?特選連載コラム自閉スペクトラム症のあるお子さんをもつ発達ナビの連載ライターさんの厳選コラムをご紹介。「あるある」と共感したり、今の悩みを解決するヒントが見つかるかも…?大人の自閉スペクトラム症の仕事での困りごとなど、関連コラム自閉スペクトラム症のある人が大人になると、仕事面で困ることが多くなってきます。自閉スペクトラム症のある人は得意、不得意がハッキリしていることが多いので、自身の得意分野をきちんと理解して自分に合った職や対処法を探すことが重要になってきます。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月28日発達障害のある子どもの「見通し不安」は日常や学校生活でも発達障害があるお子さんやそのご家族の中には「急な予定変更が苦手で、癇癪を起こしてしまう」「見通しが立たないと強い不安を覚え、パニックになってしまう」など「見通し不安」でお悩みの方も多いのではないでしょうか。発達ナビのQ&Aコーナーでも「見通し不安」に関する相談や疑問が数多く寄せられています。「見通し通りにいかないとパニックになります。これはASDの特性?」「『〇〇されたらどうしよう。××と言われたらどうしよう』などと何かを始める前から不安が強い子どもにどう接したらいいのでしょうか」「行事があるごとに『見通し不安』になる息子、学校にどう相談したらいい?」「見通しが立たなくなると、衝動的に廊下に飛び出してしまうことがあります。学業に支障をきたすので、困っています」このコラムでは、見通し不安にまつわるギモンから、見通しが立たないことによるお悩みや困りごとなど専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【Q&A】「見通し不安」はどう対応したらいい?学校にサポートを求めるべき?発達ナビのQ&Aコーナーでは、子育てに関する疑問や知りたいことを質問するとほかの発達ナビ会員の方々が実体験などをもとに答えてくれます。見通し不安に関する質問とその回答をご紹介します。(質問)ADHDとASDがあります。自分がある程度立てた見通し通りにいかないとパニクるのですが、これはASDの特性ですか?それとも誰にもある事ですか?こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。(回答)ADHD、発達障害当事者です。わかりますよ~パニックになりますよね。私の場合は、実際にパニック発作が起きてしまったり(脂汗だらだら、体が熱くなって呼吸もしづらく、頭がぐわんぐわんして吐きそうになる…など)、頭が真っ白になってフリーズしたり、誰かと一緒にいるときにそのような状況になると口汚く当たり散らしたり(完全に八つ当たり)してしまいます。(略)主治医によると、上記のようなパニックを起こさないよう予防するのはとても難しく、パニックを起こしてしまったことへの後悔に気を取られたり、変なこだわりが出てきてしまって対処がしづらくなってしまうので、「起こしてしまったものはしょうがない。その後のフォローをしっかりすれば周りも理解してくれるし、対処に集中できる。」とのアドバイスをいただきました。(略)質問)私の息子は4月から保育園と発達教室が進級した関係で変わりました。4月からの環境もガラリと変わったせいか、いまだに保育園と教室へ行くのを拒否します。朝起きたら、行かない嫌い行きたくないの一点張りで支度も満足にできません。(略)本人を背負って車にとりあえず乗ってもらっても脱走する恐れがありロックはもちろんかけているのですが後部座席からボンボンフロントガラス目掛けて物を手当たり次第投げ散らかしてきたりもします。(略)無理やり行きたくない場所へ連れて行かれる、と意地になっているのかもしれません。環境に適応するのは時間がかかると覚悟はしていますが、「あとどれくらい」とかの見通しが立たない中で若干、焦ってもいます。何か成功例などありましたら、是非お聞きしたいです。宜しくお願いします。こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。(回答)4月からとなると、そろそろ慣れて欲しいという気持ちになりますよねなお、お子さんおいくつですか?イヤイヤ期も関係しないかなというのが気になった点です。もし、知的の要素もあるならば、イヤイヤ期が2歳ではなく、4-5歳ででる場合もあります。その場合は、ひとまず寄り添いそうつつ、毎日のルーチンに慣れて行くように生活の型を作っていくと少しずつ収まっていくのかなと思います。(略)ウチの長男は、不安感が強くて保育所時代は本当に大変でした。。見通しを立てることと、毎日出来るだけ生活を崩さないようにしても、保育所のちょっとした出来事や行事などで気持ちが崩れやすかったりしました。お子さんが癇癪を起こすのにも、年齢がいくにつれて収まる可能性があるかと思いますが、お子さんなりの理由があると思います。もし、日常的な生活で判りにくいならば、ペアレントトレーニングなどを受けることで、ご自身のお子さんの観察の仕方、接し方なとを知るのも1つの方法かと思います。私自身は、ペアレントトレーニングや自分自身のアンガーマネジメントをすることで、かなり対処がしやすくなりました。(略)見通し不安に関するギモンと体験談をもとにした回答をご紹介いたしました。聞いてみたい質問があればぜひQ&Aコーナーに投稿してみてください!【小児科医に聞く】どうして「見通し不安」になるの?対応のコツや学校への配慮の求め方ここまで発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられたギモンを中心にご紹介しました。ここでは、小児科医の藤井明子先生に見通し不安になる原因や、家庭や学校での対応のコツについてお答えいただきます。(質問)発達障害のあるわが子は、見通しが立たない状況に不安になり固まってしまったり、癇癪を起こすことがよくあります。どうして「見通し不安」になるのでしょうか。成長していけばなくなるのでしょうか。(回答)A.発達障害の特性の一つに、先を見通して、その状況に応じて臨機応変に対応するのが苦手ということがあります。また、特定の感覚の過敏さのために、特定の行動パターンや環境へこだわりを認めることもあります。行動パターンや環境の変化に、対応するのが難しいことで、不安を生じます。感覚の過敏さへの対策をすることで、こだわりが和らぎ、パターンの変化にも、柔軟な対応ができるようになっていくこともあります。そのためには、事前に見通しを立てた声かけと、生じうる変化について、前もって知らせておくのも大切です。Upload By 発達障害のキホン(質問)息子は「予定通り」にこだわりがあります。普段生活しているうえで少しでも予定通りからはずれてしまうとパニックを起こしてしまいます。ルーティンはどこまで許容していいものなのでしょうか。(回答)A.どこまで許容していいかの線引きはお子さんの特性や、状況によって違ってきます。日々のルーティンも、環境の変化によって変えざるをえないときもあります。年度替りで、園の先生やクラスの場所が変わったり、引越しで登園時間が変わったりなどで、ルーティンを変えざるをえないこともあります。その場合には、ルーティンの10分の1ずつというスモールステップで、少しずつ変化させてならしていくことをおすすめしています。Upload By 発達障害のキホン(質問)来年度、入学式を控えています。不安になりがちな娘が初めての場所で、慣れない行事に参加することが今から不安です。事前に準備しておけることなどはありますか。(回答)A.入学式だけでなく、運動会、お遊戯会など、普段と違うイベントで、不安を感じられるお子さん、親御さんの相談はよくあります。入学式の場合には、学校の先生に事前に相談し、入学式の会場や、座る場所、式の長さなどを聞き、工夫できることはないか、先生と一緒に考えられると良いと思います。事前に会場を見るだけで、本番の参加は全く問題なくできるというお子さんもいました。お子さんの特性に合わせて、座る場所も隅の落ち着きやすい場所、式の全てに参加が難しければ、途中で退出するなどの工夫ができないかなど、相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)運動会や遠足、宿泊学習など、楽しみにするお子さんもいると思うのですが、うちの子はそういった学校行事がある度にとても不安になってしまいます。たびたびなので対応にも悩んでいます。学校にはどのように相談したらよいでしょうか。(回答)A.まずは、不安な気持ちを言葉で表せるお子さんは、不安な気持ちを言葉で出したことを、否定せずに受け止めましょう。親御さんに、気持ちを受け止めてもらったことで、不安な気持ちがありながらも、参加してみようと意欲がでるお子さんもいます。そして、参加ができたら、不安があったけれど、参加できたことに注目して、声をかけましょう。学校へは、お子さんにどのような工夫をしたら、不安が軽減できるのかを相談すると良いでしょう。行事のプログラムを、視覚的に見える形にしておき、プログラムが進むごとにシールを貼って、進捗状況を分かるようにする。参加時間を短くしてもらう。不安が強すぎる場合には、補助の先生や、親御さんが一緒にいることができるようにする。お子さんによってできる工夫はさまざまかと思います。Upload By 発達障害のキホン見通し不安にまつわるコラム発達ナビに掲載されている見通し不安にまつわるコラムをご紹介します。不安が強いお子さんの対応で大切なのは「事前の声かけ」「気持ちを受け止めること」発達障害のあるお子さんでお悩みの方も多い「見通し不安」。特性により臨機応変が苦手であったり、感覚の過敏さなどからこだわりを生じ、変化に対応するのが苦手であるなどから不安につながることがあります。「見通し不安」が強いお子さんには、事前に見通しを立てた声かけと、生じうる変化について、前もって知らせておくことが大切です。園や学校の行事など普段と違う状況で不安になるお子さんも少なくはありません。お子さんが不安な気持ちを言葉で表した場合、まずは不安な気持ちを言葉で出したことを、否定せずに受け止めましょう。受け止めてもらえたことで、「やってみよう」と思えることもあります。お子さんの特性や状況によって、できること、対応したほうがよいことはさまざまではありますが、事前に園や学校に相談することで対応ができることがあります。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月27日3年生のとき、話にクラスメイトの名前が出てくるようになった次女はもともと、家で学校のことをあまり積極的に話しませんでした。コミュニケーションを取れないことでクラスメイトとの関わりがほとんどないため、学校のことを聞くと「忘れた」「覚えてない」という感じの答えがほとんど。ただ、3年生になってしばらくたってから…Upload By まりまりUpload By まりまりという感じで、学校の話が増えて、クラスメイトの名前が出てくるようになったりしました。担任の先生に聞いてみたなんで3年生になってからクラスメイトの話が良く出てくるんだろうと不思議に思っていました。もしかして、次女からクラスメイトに話しかけたりとかしてるのかも…⁉などと、少しの期待を胸に、面談のときに担任の先生に聞いてみることに。Upload By まりまり相変わらず言葉でのコミュニケーションは取れていない…先生からは「次女さん自身から友達とコミュニケーションを取っている姿はほとんど(たぶん全く…)見られない」とのことでした。分かってはいたものの、少し残念に思いましたが、先生からは「次女さんはよく頑張っていますよ」とお話がありました。Upload By まりまり担任の先生が工夫してくれていたこと先生のお話を聞くと・グループ学習のときは可能な限り一緒に入るようにしている・席替えのときに、良く話す子や面倒見の良い子を隣にしてみる・決まったことは言えるため、授業中になるべく声を出す機会を設ける・ひとこと交換日記のやり取りを続けるなどを継続して実施してくれていました。それまでは次女が「なんとかクラスにいられる状態」でやってきていました。でも、先生の対応によって、次女が「クラスに参加している」という感じで気持ちが変化してきたのかなと思います。先生のお陰で、クラスが「安心していられる場所」になっていた次女に対する以上の取り組みだけでなく、クラス全体の雰囲気も良く、次女にとってクラスが「安心していられる場所」に変わったのではないかと思います。だからこそ、学校の話が増えたり、3年生の3学期には…Upload By まりまりと、初めて「学校が好き」という発言があったのでした!それまで、次女の口から「学校好きだよ」なんて言葉が聞けることがあるとは思っていなかったので、このときはとてもうれしく思ったのでした…!執筆/まりまり(監修:新美先生より)場面緘黙のあるお子さんが、学校での話をうちに帰ってからたくさんお話ししてくれるようになったというのはとてもうれしい変化ですね。学校での生活に主体的に入れるようになったことの現れですね。学校でたくさん吸収してきたことをその場では話せなくても、家に持ち帰ってお話しすることで、お子さんの学校の一日が完了するのかもしれません。担任の先生の取り組みがとても素晴らしいです。場面緘黙がある場合、気を遣われすぎて何もしなくてもいいよという関わりも、何とかして話させようという関わりも本人にとっては居心地悪く負担になりがちです。今回のエピソードでは、話せなくてもお子さん自身が「そこにいる」ことを実感できるよう、負荷をかけすぎず上手に活動に巻き込んでくれています。先生もお友達も、自分のことを見てくれていると感じられる場面が積み重なって、「学校が好き」という発言につながったのでしょうか。うれしいエピソードをありがとうございました。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月27日『中が見えて取り出しやすいメッシュバッグインウォレット』の商品開発モニターを担当しました。今回、発達ナビ×フェリシモコラボの、発達が気になるお子さんや保護者さまが便利で快適に過ごせるためのグッズづくりに参加させていただきました!私は『中が見えて取り出しやすいメッシュバッグインウォレット』の商品開発モニターを担当しました。財布やカギ、スマホやハンカチなどをひとまとめにし、バッグの中で迷子になることを防ぐバッグインウォレットです。「かばんを変えると財布を忘れてしまう」「ハンカチがかばんの底でぐちゃぐちゃになってしまう」などのお悩みを元に考えられた商品です。メッシュ素材で中身が見やすいのはもちろん、かばんの持ち手に取りつけられるので、取り出しやすく、忘れる心配がありません。指を掛けやすい金具のファスナーを引くと、がばっと開いて中が一目で見渡せるじゃばら型になっています。普段から大切なものをまとめて入れておけば、バッグを変えても忘れ物を防ぐことができます。Upload By 丸山さとこ※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します財布やカギなど「外出に必要な持ち物」を忘れがちな私と息子が使ってみたら…!私と息子のコウはASDとADHDがあります。財布やカギなど外出に必要な持ち物を忘れがちで、バッグを入れ変えたときなど「あっ!財布忘れてる?」「スマホ…充電したままだ!」と出先で冷や汗をかくこともしばしばです。Upload By 丸山さとこそんな私とコウが忘れがちな「財布・カギ・スマホ」の3点をひとまとめにできるアイテムが『中が見えて取り出しやすいメッシュバッグインウォレット』です!名前の通りメッシュ素材で中が見やすいため、カギやスマホを持っているかどうか一目瞭然でとても便利です。特に、財布とカギが一体化できるところが素晴らしいと思いました。Upload By 丸山さとこ考えてみれば、自宅の中でも持ち歩いて使うスマホと違い、カギと財布は基本的に外出中しか使わないものなので、一緒にしておくことは理にかなっているわけで…。「私はなぜ、今まで鍵と財布を分けていたのだろう?」と思いました。また、しっかりしたメッシュ素材でガバっと大きく開くのも、中が見やすくて使いやすいです。開けるときも大き目リングで指をかけやすく、微細運動が少し苦手な息子は「使いやすいね~」と喜んでいました。Upload By 丸山さとこ財布やカギは家に忘れてくると大変困るものなので、私にとって「忘れ物」は自覚しやすい困り感の一つです。一方、「大事なものがかばんの中で迷子になること」は探せば見つかるからか、「よく迷子になるんだよね~」と思いつつ今まであまり気にしていませんでした。ところが、今回モニターとして『中が見えて取り出しやすいメッシュバッグインウォレット』を試させていただいた結果、「持ってるはずなのに?」と慌てずにいられることで減るストレスは大きいのだな…と感じるようになりました。日常にある小さな不便やそれに伴うストレスは自覚しにくいことがありますが、それをさりげなく解消してくれる便利なアイテムを使うことで、楽になることはたくさんあるのだろうなと思いました。Upload By 丸山さとこ『中が見えて取り出しやすいメッシュバッグインウォレット』は、その名の通り「中が見えてかばんから取り出しやすい」とても便利なウォレットでした。しっかりしたメッシュ素材でポーチのように大きくつくられたウォレットは、お財布もカギもスマホもパスケースも全てまとめてくれます。大事なものをオールインワンで持ち運べる安心感は、一度体験してみると「あっ、ストレスが違う!」と分かるかもしれません。かばんの中で大事なものを迷子にしやすい方、財布やカギを忘れてしまうことがある方におすすめのアイテムだと感じました。※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月26日診断書とは?発達障害のある子どもの保育園、幼稚園、学校や受験での合理的配慮に必要?療育を受けるのに必要?診断書とは医師が患者の病名、症状、診断した内容などを記した書類です。発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)がある子どもの場合、診断書を提出することによって手帳の取得ができたり、幼稚園、学校、受験での合理的配慮を受けやすくなったりなどさまざまなメリットがあります。18歳未満の子どもの場合、発達障害の診断書が必要になるのは「精神保健福祉手帳」の取得や「特別児童扶養手当」の受給の際になります。児童福祉法に基づくサービス(療育など)の利用や、通級指導教室、特別支援学級の入級、特別支援学校への入学の際にも診断書が必要になる場合があります。合理的配慮を受けるために必ずしも診断書が必要な訳ではありませんが、学校などで合理的配慮を受ける際に診断書や病状の詳細が記載された診療情報提供書があると、どのような支援が必要になってくるのか学校側で連携しやすくなるというメリットもあります。また、「障害者差別解消法」の施行により、障害がある人が受験をする場合、個別面接、個別受験、問題文の読み上げなど負担が重すぎない範囲で配慮することが国公立の学校には義務づけられました。このような配慮を受ける場合にも、医師の診断書や診療情報提供書などを連携することがあります。参考:日本の特別支援教育の状況について|文部科学省障害者総合支援法によるさまざまな福祉サービスを受けるためには、診断書とは少し違いますが、「医師意見書」が必要になります。参考:医師意見書記載の手引き|厚生労働省発達ナビユーザーに診断書についてアンケートを取りました!学校や受験での合理的配慮、児童発達支援の利用、保育園の加配…「診断書をとったきっかけ」「診断書で変わったこと」ほか、発達障害がある子どもの保護者のリアルな声発達ナビでは2023年3月27日から4月9日の期間、で『「診断書」どのタイミングで取得した?診断書について知りたいことなどエピソードを大募集!』として診断書についてのアンケートを実施しました。結果は「子どもが未就学時代に診断書を作成したことがある(36%)」「診断書を作成したことがない(34%)」と僅差で未就学時代に診断書を作成したことがある方が多い結果となりました。それに続き「子どもが小学校時代に診断書を作成したことがある(21%)」という結果になり、お子さん比較的小さいころに診断書を作成したことがある方が多い結果となりました。「診断書」どのタイミングで取得した?診断書について知りたいことなどエピソードを大募集!Upload By 発達障害のキホン1歳7カ月(確定診断と同時)で作成しました。公立療育に通うために、受給者証が必要だったためです。現在は診断書がなくても通えるのですが、当時(約20年前)は診断書が必要でした。(あまだれさん)療育を受けるための受給者証を取得するため作成してもらいました。(夜子さん)最初は保育園で加配の先生をつけたいから取得してほしいと言われ。今は療育に通うために使ってる会社の介護支援制度申請のため年1回取得してる。(はまこ茶さん)入学時に支援級希望しており、診断書が必要だったので。(あきっちさん)療育手帳取得のため診断書を書いてもらいました。(まろさん)未就学児時代の診断書は「療育の利用」「保育園での加配」「特別支援学級入学」などで診断書を取得される方が多いようでした。学校への対応を親だけでは学校が固くて無理だったのでぶつかるよりはとドクターの知恵をお借りしました。(梛丹さん)小2の時にいよいよ特性が目立つようになってきて、服薬治療の必要を感じたのと、次年度(小3)を支援級にするか通常級のままで行くか決めるための判断材料も欲しくて、診断を受けました。(sacchanさん)読み書きに困難さがあり、授業でのデジタル教科書の使用を学校に相談するため、診断書を書いてもらいました。(kazehimeさん)小学校時代の診断書は「通う学級の判断」や「小学校での合理的配慮」などで診断書を取得される方が多いようでした。診断書が必要になる機会がなかったので1度もないです。病院とのつながりはあるので、必要になれば書いてもらえる環境ではあります。(夢野途中さん)診断名としては聞いていますが、今のところ提出が必要なことがなかったので未作成です。4月から小学生ですが、就学支援シートに幼稚園の先生、療育の先生から対応の詳細を書いてもらい提出しました。(AAAさん)診断書を作成したことがない方の多くは「必要な機会がない」とのことでしたが、取得の環境を整えたり、診断書でなくてもお子さんの詳細を学校に提出したりなど、できる準備をしていると安心してお子さんも過ごせそうです。ここまで診断書についてのアンケート結果を発表してきましたが、ここからは気になる「診断書」についての疑問を小児科医の藤井明子先生に回答していただきます。Q:子どもの診断書はどこでもらえるのでしょうか?発達障害などに関する診断書でしたら、診断した病院へ依頼が良いでしょう。直近に受診したことがなければ、かかりつけの小児科や児童精神科、小児神経科に依頼をしてみましょう。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書の費用は大体どのくらいですか?同じ病名の診断書でも、費用は各病院によって違います。また、医療保険対象外になりますので、費用は全額自己負担となりますのでご注意ください。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書にはどのような情報が記載されていますか?どこに使う診断書かによって必要な情報が追加されたり、逆に不要な情報は省略されることもあります。診断書作成依頼の際に医師と相談しながら必要な情報をすり合わせられると良いですね。・園へ加配申請をする場合の記載例診断名に続き、集団生活において個別的な声掛けなどの支援を要するため、加配職員の配置が望まれる、などの所見を記載します。(ただし、診断書を出しても、加配職員が手配できない園もあるので、提出の前に園や主治医と相談しましょう)・学校へ現在通院中であることを伝える場合の記載例診断名に続き、現在の薬などの治療内容、通院頻度を記載します。Upload By 発達障害のキホンQ:子どもに発達障害があり合理的配慮を受けるために詳しく書いてほしい部分があります。医師に希望を伝えても大丈夫でしょうか?診断書は医師が問診内容や検査の結果を元にして書きます。問診外や検査外のことは書くことができないので、保護者の希望に沿えない場合もあります。発達障害の併存疾患には知的障害・てんかん・睡眠障害などがありますが、これらの合併症についての対処法などは、診断書ではなく、診療情報提供書などで情報提供を行うことが多いです。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書の作成期間は大体どのくらいですか?一部の書類は即日で作成できることもありますが、診断書の内容によっては時間がかかる場合もあります。提出期限などがある場合は余裕をもって依頼をすると安心ですね。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書を作成してもらえない場合もあるのでしょうか?また、特別児童扶養手当、精神保健福祉手帳の診断書を、該当機関に提出しても、申請が通らない場合があることも理解しておく必要があります。診断書は「現在の症状の様子」で作成をします。過去に診断や症状があった場合でも、現在症状がない場合には診断書が作れないこともありますのでご注意ください。Upload By 発達障害のキホン診断書についての関連コラムはこちらコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月26日自閉スペクトラム症(ASD)とADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けた小学4年生発達障害の専門家が出会った発達が気になる子どもたちや、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。今回は、通常学級に通う小学4年生の子どものエピソードです。忘れ物が多い、指示どおりに行動するのが苦手、先生に暴言も。自閉スペクトラム症(ASD)とADHD(注意欠如・多動症)の診断後、子どもへの投薬や保護者へのペアトレを始めると…。Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談マンガ/taeko解説:子どもの治療と同じように大切なペアレント・トレーニングーー小児科医今回は、忘れ物が多い、指示どおりに行動するのが苦手、先生への暴言…などの困りがあり、診察や検査を行った結果、自閉スペクトラム症とADHDの診断をした小学4年生の子どものエピソードをもとにお届けしました。診療のポイントは大きく2つです。薬物治療ADHDの主な症状である多動性・衝動性、不注意に対して、薬物治療を開始しました。ペアトレ(ペアレント・トレーニング)学校でも家庭でも叱られてばかりという状況が続くと、だんだんと子どもの自尊心が下がってしまいます。保護者が子どもの応援者となる関わりを目指したペアレント・トレーニングによって、「傾聴」と「承認」を学び、子どもに肯定的な声かけができる状態を目指しました。以前は、学校から早退してしまうと「なんで帰ってきたの?」とつい強い口調で声かけをしてしまった保護者の方も、「どうしたの?」と優しく尋ねることができるようになり、子どもも言いたいことを言えるようになりました。なお、学校に対して要望がある場合、「担任の先生」「校長先生」「市の教育委員会」「県の教育委員会」という流れで、順を追って相談することをおすすめします。合理的配慮を受ける場合は、主治医の意見書を添えると良いでしょう。(後日談)タブレット持参にまつわるエピソードを学校の作文に書いてコンテストに応募してみてはどかと提案したところ、保護者の方も大きくうなずかれていました。子どものあきらめない気持ちを、教育の世界に伝えられたら新たな一歩になることでしょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月25日発達障害とは知らずに過ごした乳幼児のころうちの息子タケルは2000年生まれ。親の私が発達障害を疑い始めたのは2005年ごろ、実際に診断を受けたのは2008年になってからです。赤ちゃんのころから、ちょっとしたことでもよく泣いていたタケル。小さな音に敏感で、家の外から車のクラクションの音がすれば泣き、幼稚園で友達から肩を叩かれては泣き、スプーンが落ちた音でも泣いていました。しかも、ひっくり返ったり、突っ伏したりして、それはそれは長く長く泣いているのです。Upload By 寺島ヒロタケルが幼稚園生だった当時は、まだ発達障害という言葉もあまり知られていませんでしたし、私もまさかわが子に発達障害があるとは思わず、「この子は繊細だなあ。こんな調子では大きくなって苦労するだろう。たくましく育てなければ!」と思っていました。泣き+暴れ激しい癇癪にビックリしかし、3歳になっても4歳になっても、音に驚いて泣き出すクセが治ることはなく、身体が大きくなり声も大きくなったことで、より暴れ方が激しくなってきました。「うおー!うおー!」と叫び声をあげて倒れ、そのまま身体をよじりながら泣き続けます。時には1時間も2時間も泣き続けていることもあります。故意に人や物に暴力を加えることはありませんが、机には体当たりするし、床に置いてあったものは粉々です。「どうしたの?何かあった?」と聞いても「あった」とはいうものの、それ以上の説明はわあわあという泣き声に紛れて要領を得ません。そのは私も少し「この子には発達障害があるかも...」と疑っていたので、聞きかじりの知識で「これが癇癪ってやつなのかな!?」と思っていました。癇癪を起こしたときの対処法はうちのタケルの場合は、ずっと感情が爆発して泣いている様子ではあるのですが、得物をもって暴れたりはしなかったので、疲れて小休止を取っている隙を狙いすまして、毛布などで包んで、暗い部屋に放り込むということをやっていました。Upload By 寺島ヒロしかし、泣きやんでから何があったのか、どうして怒ったのかを聞いても、本人はほとんど覚えていないのです。憑き物(つきもの)が落ちたようにケロッとして自分の遊びに戻っていってしまいます。どうしてこんなに激しく怒るのか、そもそも何をそんなに怒っているのかは、ずっと謎のままでした。小学生になっても感情爆発!は止まらない小学生になったタケルは、泣きながら床を転がることこそなくなりましたが、周囲には理解できないことで怒り、何時間も泣いているような「泣き怒り」がしばしばありました。家では布団にくるんでおけば安全ですが、小学校で癇癪が起きると、校庭や廊下で棒立ちのままワンワン泣き続けてしまったり、勝手に家に帰ってきてしまいます。学校で迷惑をかける...ということもあるのですが、泣きながら公道を走って帰宅するわけなので、とにかく事故に遭わないかが心配でした。ですので、息子が学校で泣き始めたら電話をもらうことにして、その都度私が学校まで迎えに行き早退させていました。今思い返してもこの時期が1番忙しかったし、「なんでこんなことしちゃってるんだろう?」と私自身も混乱していたと思います。予定通り進まないと怒るのはASDの特性!?いろいろな謎が解けたのは、2008年以降、タケルに発達障害(アスペルガー症候群、現在はASDに統合)があると分かってからです。発達障害について詳しく知りたいと読んだ本の中に、ASDのある子どもは予定通りに物事が進まないと激しい癇癪を起こす場合があると書いてあるのを見て、私は「これだ!」と膝を打ちました。小さかったころのタケルは「ただ音に驚いたから泣いていた」と私は思っていました。でも、もしかしたら「音が聞こえたことで、自分の心の中の予定が変わったり、やろうとしていたことを忘れたから怒っていたんじゃないか?」と気がついたのです。その日も家で癇癪を起こしたタケルに、早速「何かやろうとしていたことがあったんじゃないの?」と聞いてみました。すると「そうだよ!頭の中に全部できてたのに、お父さんがつけたテレビがうるさいからもう台無しなんだよ!!」と言うではありませんか!ビンゴ!!Upload By 寺島ヒロ発達障害の息子の「自分にとっては当たり前なこと」「いつもそれで怒ってたの?どうして予定通り進まないのが嫌だったと言わなかったの?」と聞くと、「予定が崩れるのは誰だって嫌なものでしょう?」とタケル。学校ではよく先生からの声かけや、子ども同士のボディタッチがありますが、それがタケルにとってはいちいち煩わしく「邪魔をされている」と思っていたようなのです。本人からすると、それはあまりに当たり前のことで、説明する必要もないこと。だから余計「なぜボクがこんなに理不尽な目に合っているのに分かってくれないんだ!」と怒りが募っていたのでしょう。息子のように発達障害のある子どもは「普通の(多くの)人だったら平気」が分かりません。タケルにとっては「自分だったら不愉快だ」が当たり前で「ほかの人もそうだろう」なのです。こういうことは、意外と見過ごしがちになってしまうところだなあ...と反省しました。息子自身が障害を理解することで癇癪を軽減「ほかの多くの人は声かけや音などで邪魔が入ったとは思わないし、することも忘れない」ということを知ったので、タケルは「意地悪されているわけじゃなかったんだ」と他人に怒りを向けることがなくなりました。学校での「泣き怒り」も、ぴたりと止まりました。また「中断がこんなにも不愉快なのは障害の特性」ということを、息子自身が理解したことで、集中して考えたり、手順の多い作業をするときは、静かな環境をつくってリスクを減らしてから取り掛かることができるようになりました。残念ながら、22歳になった今でも「何か邪魔が入ると忘れてしまう」という特性自体がなくなったわけではありません。たまに「あー!考えが飛んでったー!」と言いながらイライラしていることもあります。それでも子どものころに比べたら、本当にたまにのことになりました。一生解決しない問題なのかもしれませんが、うまく折り合いをつけていって欲しいと祈るばかりです。執筆/寺島ヒロ(監修:藤井先生より)タケルさんの癇癪、泣き怒りの理由が、とても長い時間を経て分かったのですね。2000年生まれだと、今よりも発達障害や発達障害の特性について知る機会が少なかったかもしれません。その状況の中、寺島ヒロさんが毛布にくるんでクールダウンする環境を整えたり、泣き怒りの理由を一緒に探ろうと質問されたことで、対処法を探ることができましたね。2~3歳ごろの癇癪スタートの年齢では、癇癪の理由をお子さんが言葉にすることは難しいですが、このように実際のエピソードを共有していただくことで、癇癪の対応に苦慮されている親御さんの手立てになりそうですね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月25日字が汚い&字を書くのが速すぎますゆきみ(以下、ーー)けんとは、3歳のときに自閉スペクトラム症の診断を受けています。文字や数字が大好きで、思いついたことを紙に書くのが昔から大好きでした。小学生になると、国語や書写の時間で「字をキレイに書く」ということを求められるようになりました。ひらがなも漢字も「とめる」「はねる」などを全く気にしない子どもなので、テストで×になってしまいます。宿題は、私が点線で下書きをして、なぞってもらったりしています。そうすると、ほんの少しだけ自分で注意してくれます。Upload By ゆきみそもそも、字を書くのがとても速く、スラスラと目にも止まらぬ速さで書き上げてしまいます。家で漢字の宿題をするとき「ゆっくり書こうね」と、長い線は3秒、真っすぐの線は2秒、濁点などは1秒というように、基準を決めてやったりしているのですが、最初は頑張ってくれていても、途中から面倒になるのか、速くなってしまいます。褒めてあげたほうがいいと聞いたし、褒めてあげたいけれど…どう褒めてあげていいのかポイントが分かりません。何かアドバイスや、練習方法などがあれば教えていただきたいです。書字の目的や工夫、褒めるポイントとは…野田先生:前提として、お子さんが「やってみよう!」と思えるポジティブな雰囲気が大事です。無理にやらせてしまうことで書くことにネガティブな気持ちが強まり、「絶対イヤ!やりたくない!」となってしまうのは良くないんですよね。まず書字は、本人にとって機能的であるかを考えます。本人が「メモできるように」というのを書字の目的とするのならば、「すごくキレイに書けなくても大丈夫だよね」ということになります。その目的を達成するラインを担保できるかが大事ということです。例えば書道家を目指すのであれば、今の字は目的を達成していないかもしれませんが、はねと、とめがなくても、読める字になっていれば、本人にとっては機能的なのです。そのラインをお子さんと相談しながら決められるといいですね。Upload By ゆきみ実は、私もけんとくんの気持ちが分かる部分があるんです。長文を手書きするときに最初は丁寧に書けていても、最後の方は読めない字になってしまいます。頭で考えている速度で、字が書けない。そのうえ、書き続けるとすぐに手が疲れてしまいます。結果として手が追い付かなくなり、字が崩れてしまうことがあります。ほかには、「早く遊びたい」と思って焦っている可能性もありますし、キレイな字を書くためには力を入れないといけないので、手の持久力も関係しているかもしれません。字を書く練習のときのポイントとしては、ゆきみさんも言っていたように「褒めること」。1文字だけでもゆっくり書けたときに「1文字、ゆっくり書けたね」「1文字、きれいに書けたね」などというように、大人の基準での100点を求めるのではなく、できているときにハードルを下げて褒めていくと「こう書いたらいいんだな」とお子さんも理解しやすくなります。例えば、立ち歩きが多いお子さんに「立たないで、座って」と言うのは、よくあると思いますが、座っているときこそ「ちゃんと座れてて偉いね」と声をかけるというのが褒めるときのポイントの1つなのです。Upload By ゆきみほかには…適切な高さの椅子、肘の位置、楽な姿勢でかけているかを確認する。道具を工夫する。・えんぴつの長さ、重さを変えてみるなど、文具選びでも変わることがあります。重めで太いものの方が書きやすいお子さんもいたりします。また、筆記用具を持ちやすくする補助具(鉛筆に付けるグリップなど)を使うのも方法です。・特に覚えたい字だけ、大きな画用紙やA4の紙に、マジックペンで書いてみると、指ではなく腕で書くことになります。そうすると、大きな動きで書字の練習ができるので、指先の細かい操作が苦手なお子さんに有効なことがあります。・漢字の練習帳もいろいろあって、マスごとに色分けされているノートもあります。一筆ごとに色が変わっているなど、視覚的に分かりやすい教材を利用する方法もありますね。このように、やり方や環境の工夫をするというのもあります。人によって字への思いの違いがある!?ーー:就学前は字のキレイさはあまり気にしていませんでした。小学校に入学してから、学校の先生が字をキレイにと頑張ってくださっているのですが、私自身は、若干諦めかけていました。でも学校の先生に「諦めます」とはなかなか言えなくて…。野田先生:「字をキレイに書く」というのは、学校の先生ごとに思いの違いがありますよね。お子さんに周囲のサポートや一定の配慮が必要な場合には、合理的配慮という形で作業療法士が同席して先生と話し合いをさせていただくこともあります。それが難しいようでしたら、お子さんの緊張をゆるめてあげて「100%キレイに書けなくても大丈夫だからね」などと声をかけて、コミュニケーションをとっていくのも1つの方法です。ーー:年度が変わり、担任の先生が代わったら、方針も違ったりもしそうですね。これからも諦めず、先生にもアプローチしつつ、難しいと思ったら息子と話すということでやっていこうかと思います。Upload By ゆきみ対談を終えて野田先生からいただいたアドバイスをもとに、さっそくいくつか実践させていただいています。字をキレイに書くというのには時間がかかりそうなので、環境面を見直すことに。背が伸びて座りにくそうになっていた、普段使っている椅子と足置きの高さを変更してみました。そして、太い方が持ちやすいかも…と思い、鉛筆につけるグリップを購入。長めに鉛筆を持ちがちだった息子も、持つ位置が分かりやすくなり、以前より筆圧も上がり、力が入りやすくなっていそうな気がします。とめ、はねの練習は、私がもっているA4サイズほどある大きなタブレットを利用してみることにしました。漢字練習アプリを使うことで、書き順や、とめ、はねを、腕を使って書きながらゲーム感覚で覚えて楽しそうです。Upload By ゆきみそしてアドバイスをもとに褒め方を細分化。「できないこと」に目を向けるのではなく「できたこと」に目を向けて褒めることを意識し、1本の線をゆっくり書けたら「今の横棒、ゆっくり書けたね」と声をかけるようにしています。あまり褒められて嬉しい感情を出す子どもではないので、喜んでくれているのかは分かりませんが、お互いイライラすることが減ったように思います。どんな「いいところ探し」ができるのかを、私も楽しんでいけたらと思っています。執筆/ゆきみ
2023年04月24日「床の色が変わると歩けない」息子のこだわりが生んだ独自ルールUpload By べっこうあめアマミみなさんは、何らかの施設内を歩いているとき、床の色の切り替わりに注目することはあるでしょうか?おそらく、ほとんどの人はないと思います。しかし、息子はそういった床の色の切り替わりに敏感で、歩く場所の色が変わると急に足を止めて踏み出せなくなってしまうことがよくありました。子どものころ、遊びの延長的に、「同じ色の場所を踏んで歩く」というルールを自分に課して学校などから帰った経験がある人はいませんか?もしかしたら、それを極端に強固にしてしまったものが、息子の床へのこだわりなのかもしれません。息子の床の色に対するこだわりは強く、「この床は踏みたくない」と思ったら全く動けなくなってしまいます。無理に動かそうとすると癇癪につながることもありますが、動けなくなった場所が人の迷惑になる場所だったり危険な場所だったりすると、非常に困ります。息子のこだわりは一貫性があるものではなく、あるときはダメだった床があるときは大丈夫になっていたりと、その日のコンディションにも左右されるものでした。息子は言葉が話せないので、こだわる理由の真相を聞き出すことはできません。しかし、おそらく息子は体のほかの部分に比べて足裏の感覚が敏感で、たとえ靴や靴下を履いていたとしても、足裏と近いところにある床が気になってしまうのではないか?と思っています。療育のお部屋が床の張り替え!「一歩」を踏み出せなくなった息子Upload By べっこうあめアマミ息子が未就学児のころ、療育で通っていた発達支援施設で、一部の床の張り替えをしたことがありました。息子がいつも使っていた教室の床も張り替えられ、きれいな教室で過ごせてうれしいな…と思っていない人が一人。息子です。いつもの教室の一部の床の色や素材が変わったことに、息子はすぐに違和感を感じたようでした。変わった場所に踏み入るのをためらい続け、どうにか療育は受けられたものの、療育中もソワソワして、その日はなんとなく落ち着かない様子だったようです。そして、帰りの時間。息子の「できる限り床を踏みたくない」気持ちが限界を迎え、部屋の隅から一向に動かなくなりました。どんな声がけも通じず、迎えに来た私は困り果てました。歩く場所は作ってあげればいい、先生が出した魔法のアイテムそんなとき、救世主が現れました。一人の先生が、息子の両足が乗るくらいの大きさの色のついた丸い紙を、何枚か持ってきてくれたのです。そして、その紙を息子の前に置き、ここに乗るようにと息子を促しました。Upload By べっこうあめアマミ目の前に現れた、別の色の床(紙)。息子はそこで気持ちが切り替えられたのか、先生がおいた紙に興味を持ち、その上に乗りました。そして、先生がさらにもう一歩前に紙を置くと、息子は新たに置かれた紙の上に進みました。息子が新たな紙の上に乗ると、後ろには戻らないように、さりげなく先生が後ろの紙を取っていきます。その後は先生の華麗な誘導と紙さばきで、どんどん前に進んでいった息子。床が気に入らなくて歩きたくないのなら、歩く場所として簡易的な「別の床」を作ってあげよう。この先生のアイデアのおかげで、無事息子は教室を出て、帰路につきました。Upload By べっこうあめアマミこだわりと上手につきあっていくために障害の有無にかかわらず、私たちは誰しも、何かしらのこだわりを持っているのではないでしょうか。そのこだわりを無理になくそうとしたり、本人の意思に反した動きを無理やりさせようとしても、お互いにイライラがたまってうまくいかないことは多いと思います。療育で、先生の見事な誘導により、息子がストレスなく自然と苦手な床の上を移動できたのを見て、私はこだわりを「なくす」のではなく「上手につきあっていく」大切さを感じました。そうはいっても現実は、同じ方法を使ってもうまくいかないこともありますし、どうにもならずに無理やり動かすしかないシーンは多々あります。それでも、できるだけ息子の気持ちを尊重し、親として息子のこだわりとつきあっていきたいと思います。執筆/べっこうあめアマミ(監修:藤井先生より)療育の先生のアイディアに至るには、べっこうあめアマミさんが、息子さんのこだわりに気づいていたことが大事だと思いました。急に道端で立ち止まったり、療育に参加しなかったりという状態だけを見ると、床の色にこだわっているという点にはすぐに気がつかない可能性もあります。息子さんの行動と、その状況を観察されたことで、こだわりの詳細な内容に気づかれたのだと思いました。その観察力が素晴らしいと思いました。こだわりを「上手につきあっていく」という視点で考えると、できる工夫が浮かんでくることがありますね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月24日自閉症息子の就学相談。通級指導教室、特別支援学級どっちがいい?わが家の小3の息子は5歳で自閉スペクトラム症(ASD)、小2でADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けました。今は通常学級に在籍しながら通級指導教室に通っています。息子は小さなころから基本的にはおとなしい性格でしたが、こだわりが強く、一旦こだわりが出てしまうと癇癪に繋がってしまうタイプです。幼稚園に通っていたころは、友達からからかわれることもありましたが、当時はからかわれていること自体に気づいてなかったのか、本人的には楽しく通っていました。そして年長になり就学相談の時期に…。すでに自閉スペクトラム症の診断を受け、療育には通っていたので私は息子の就学先を「通常学級在籍で通級指導教室に通う」と「特別支援学級在籍」で悩んでいました。Upload By ユーザー体験談特別支援学級のほうが手厚い支援を受けられる?通常学級在籍は周りの友達に影響されて成長できるかも…。私の中でどちらにしたら良いのか希望はなかなか決まらないまま、就学相談で息子は発達検査、行動観察、グループ観察などを受け、11月になり教育委員会からの結果は…。通級指導教室と判定されて。母の気持ちは…教育委員会からの結果は「通級指導教室判定」でした。息子の場合は「知的障害特別支援学級は、IQが入級基準以上のため対象外」「集団観察のときにおとなしく、問題がないと思われた」ようですが「自閉スペクトラム症の診断はあり、療育に通っている」という部分で、通級判定につながったようです。その判定を聞いて、母である私はホッとしました。私だけでは、息子にはどんな支援が必要なのかが判断しきれず、悩むばかりで息子の進学先を決められなかったからです。子どもの発達に詳しい職員や、専門家の方々がそう判断してくれる進路ならと、心強いものがありました。夫や親戚たちにも伝えたところみんな口を揃えて「良かった!」と言っており、「4月から通級指導教室で頑張っていこう」という気持ちで息子の就学問題は一旦解決をしました。Upload By ユーザー体験談入学後、うれしい配慮を感じながらも問題も出てきて…そして入学後、通常学級在籍ですが担任の先生が配慮をしてくださり、息子の席は一番前、周りには息子がよそ見をしていたら声をかけてくれそうなしっかりしている子どもたちを配置してくれました。しかし、新たな悩みも…。通級指導教室へは毎週2コマ授業を途中で抜けていくのでクラスメイトから「なんでいなくなるの?」「どこに行っているの?」と聞かれることがしばしばありました。しかしまだ小1ということもあり息子自身もなぜ行くのかよく分かっていないので「なんでだろうね~」とうまく答えられなかったようです。Upload By ユーザー体験談その様子を見ていた先生がある日私に「こんなことが多くなってきたので、ちゃんとクラスのみんなに伝えたほうが良いかもしれません」と相談をしてくれました。みんなに説明して変な風に思われないかな?と正直怖い気持ちもありました。ですが、息子のことを理解もしてほしい…悩みましたが先生とも話し合い、朝の会のときにクラスのみんなに伝えよう、という話になりました。クラスメイトに通級指導教室へ通っている理由を説明。みんなの反応は?そして朝の会の当日…息子は自分で通級指導教室に通っている理由を言いました…が、まだ幼いということもあり、なぜ自分が通っているのかよく分かっていない息子。私と先生が渡したメモをそのまま読んでいましたが、本人の口から言うことが重要だと思ったので、そこは良かったと思います。そのあと先生が「みんなはガヤガヤしてるところで疲れちゃうことはない?」「〇〇くん(息子)はみんなよりそういう部分を感じやすいから少し離れて違う場所で勉強をしているんだよ。」とフォローしてくださったことで、クラスメイトたちも理解をしてくれたようです。その後は通級指導教室に行くときも「なんで?」と聞く子どももいなくなり、「いってらっしゃい!」と明るく送ってくれるようになりました。小3になった今は通級仲間もできて「自分だけじゃない」と安心して学校生活を楽しんでいるようです。Upload By ユーザー体験談しかし、また別の問題も出てきて…友達関係はうまくいっていますが、小3になるとどんどん勉強も難しくなり、通級で支援を受けていてもついていけなくなることが増えてきました。宿題の量も増え、終わらず癇癪を起こしてしまい、私も息子もイライラ…これでは良くないと特別支援学級への在籍移動を担任に相談しましたが、「特別支援学級は今これ以上人数を増やせない」「空きができても、息子さん以上に支援の必要な子どもが優先になってしまう」と断られてしまいました。もちろんその部分の優先順位は理解しています。ですが、それが息子が特別支援学級に入れない理由になってしまうのはまた違う問題になってきます。小学生のうちに、改めて在籍級について悩むことになるとは…通級指導教室に通えば一安心という訳ではありませんでした。今も担任や校長先生たちを交えてどのような形が一番息子に良いのかを話し合っています。これからもたくさん悩むこともあるだろうけど、先生方や息子の意見も聞きながら息子に合った環境を模索していければと思っています。イラスト/keikoエピソード提供/かけうどん(監修:鈴木先生より)「指導」と言う言葉はどうしても上から目線になってしまいがちなのでやはり「支援」という言葉にした方が私はいいと常々思っております。どちらにしても支援が必要なお子さんなので、ご本人や親御さんの意見を伺いつつ学期ごとにあるいは日ごとに変えられるような柔軟性が必要だと思います。今の制度では年度初めに決めたら1年間はそのままで行くことが多いようです。通級か在籍かを議論する特別支援教育委員会では有識者も含めて個人個人について話し合いますが、あくまでも紙の上での話だけであり、みんなが実際に本人の姿を見ているわけではありません。主治医の意見書などはなく、IQテスト中心に話が進んでいることが多く、実際に通ってみないと分からないのが現状です。どちらにするかは親御さんが決めることで、教育委員会の指示に従う義務はないのです。事務的な手続き優先ではなく、子どもファーストの考えを持って対応できる学校環境が望ましいのです。また、通級などで途中退席する子どももいることを事前に担任がみんなに分かりやすく説明して周知しておく必要があります。そうすれば「なんでいなくなるの?」ではなく、「頑張ってね」という言葉が必然的に同級生から出るはずです。隠さずにみんなで支援していく空気が必要なのではないでしょうか。毎年同じようなお子さんはいるので教員は先のことを見据えて早めにみんなと共有すべきだったのです。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月23日療育手帳(愛の手帳)とは?「療育手帳」とは、知的障害がある人に発行される障害者手帳です。療育手帳を持つことで、療育や支援をはじめとしたさまざまな障害福祉サービスを受けることができます。療育手帳の判定基準等の運用方法は「療育手帳制度について(昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知)」というガイドラインに基づき、各自治体に委ねられています。そのため、各自治体により療育手帳の区分や判定基準、受けられるサービスなどが異なります。また、療育手帳には交付から一定期間後に再判定・更新などがあります。再判定・更新期間も自治体により違います。具体的な内容が知りたい場合には、それぞれの市区町村の福祉担当窓口に問い合わせるのが良いでしょう。療育手帳制度について|厚生労働省療育手帳は取るべき?取得のきっかけや、取得で変わったことは?発達ナビ会員に療育手帳についてアンケートを取りました!発達ナビでは2023年3月27日から4月9日の期間、「『療育手帳』取得していますか?療育手帳について知りたいことなどエピソードを大募集!」として療育手帳についてのアンケートを実施しました。結果は「療育手帳を取得している(41%)」「療育手帳を取得していない(取得する予定がない)(39%)」と僅差で「療育手帳を取得している」方が多い結果となりました。また、「療育手帳を取得したかったができなかった」という方も19%と数多くいらっしゃるようです。参考:『療育手帳』取得していますか?療育手帳について知りたいことなどエピソードを大募集!(アンケートは終了しています)Upload By 発達障害のキホン5歳?4歳?で取得。IQ74(田中ビネー)8歳で更新。(夢野途中さん)支援級の先生から、学校での様子を書いてもらった手紙と検査中の様子から低学年の今は、必要な支援を受ける上でも取得した方が良いと判断され小1で取得。(さぁしぃとゴリラままんさん)療育園に通う事になってすぐ、取得しました。そちらでSTを選択していて、心理は併用不可だった為、検査は出来ずでしたが、取得の際に検査するので、目安になって良かったです。(りるるさん)就学や療育のタイミングなど、必要な支援を受けるために療育手帳を取得される方が多いようです。IQが規定を超えているので取得できなかったと思われます。(二年前)今年は、精神障害者保健福祉手帳を申請するべく、療育園の主担任、及びリバビリの先生方、主治医と4月末に合同面談予定です。(対策を話し合います。)(hisaeさん)発達外来で、取得出来ないと言われました…。IQが取得するには高すぎるとか…。実際困っているのは事実なんですがね…と。(しのっぺさん)2歳のときに一度取得。ですが、IQが上がったことで5歳で対象外となり、返納となりました。重度の自閉症ですので、「支援がなければ生きていけない」と、小2のときに精神障害者保健福祉手帳を取得しています。(中略)手帳があることで、たくさんのチャレンジが可能になりましたし、学校等へ合理的配慮を申し出るときも「手帳の威力」というのを痛感しました。(あまだれさん)療育手帳を取得できなかったという意見の中では「IQが高く、対象外だった」という方が多いようです。あまだれさんのように、知的な遅れがなく、発達障害の診断がある場合には、「精神障害者保健福祉手帳」の取得を早めに検討したほうがいいのでしょうか?行政書士の渡部伸先生に伺いました。A:知的障害を伴う発達障害の場合は、療育手帳の対象となることがあります。知的障害を伴っていない発達障害の場合は「精神障害者保健福祉手帳」が対象になることが多いです。療育手帳の申請には申請には医師による診断書は不要ですが、精神障害者保健福祉手帳申請の場合には医師による診断書が必要となりますので、詳しくはお住いの市町村にお問合せください。Upload By 発達障害のキホン心理士さんから療育手帳の提案をされました。今まで発達検査や診断をされていませんが、私自身は知的障害があると思っています。でも、療育手帳を取得する勇気というか決断ができません。(キビドラさん)療育手帳を取得するとさまざまなメリットがありますが、心理的な面で取得を悩んでしまうことも少なくありません。療育手帳は知的障害があるからといって必ず取得しなければならないものではありません。また、取得した場合もその後返納することも可能です。受けたい支援やサービスをふまえて取得を検討されるのが良いと思います。ここまではアンケートの結果や、アンケート結果にまつわるQ&Aを紹介しました。ここからは療育手帳についての気になる疑問を、先のQ&Aと同様に行政書士の渡部伸先生に伺いました。Q:「愛の手帳」「愛護手帳」なども療育手帳?なぜ名前が違うの?全て「療育手帳」となりますが、名称が違うのは、ほかの障害者手帳とは異なり、法で定められておらず、「療育手帳制度について(昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知)」というガイドラインに基づいて各自治体が発行しているからです。自治体により制度が違うんですね。「愛の手帳」は東京都、「愛護手帳」は青森県と名古屋市の療育手帳の名称になります。Q:療育手帳の対象は?取得に年齢やIQは関係ありますか?後天的な事故などではなく、18歳くらいまでに知的障害と診断を受けた方が療育手帳取得の対象となります。ただ、18歳までに申請しなければいけない訳ではなく、18歳をすぎてからでも申請は可能です。基準IQは知的障害と診断される70~75前後となりますが、取得についての判断基準は自治体によって違います。Q:療育手帳の区分と判定基準は?IQで変わりますか?B1とB2の違いは?例えば、千葉県などはIQ21以上35以下をAの1、IQ36以上50以下で身体障害者手帳を所持しているとAの2、IQ36以上50以下をBの1、IQ51以上75以下をBの2と区分しています。参考:千葉県療育手帳制度実施要綱東京都などはIQのほかに、年齢に応じた社会性、日常の基本生活などを総合的に判定し、1度(最重度)、2度(重度)、3度(中度)、4度(軽度)の4つに区分されています。参考:愛の手帳|東京都福祉保健局Q:療育手帳と障害者手帳の違いってなんですか?身体障害者手帳は視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など身体障害者福祉法に定める身体上の障害がある人に交付される手帳、精神障害者手帳は総合失調症、うつ病、薬物依存症、高次脳機能障害、てんかん、発達障害などなんらかの精神障害のある人に交付される手帳です。Q:療育手帳を取得するメリットってなんですか?療育手帳を取得することで保育・教育面での援助や就労に向けての支援、各種サービス・割引を受けられます。また、税の減免や控除など税制上の優遇措置が受けられます。・保育、教育:自治体によっては保育園の入園の優先度が高くなったり、特別支援学校への入学の際の証明書になったりなどします。・就労支援:特定求職者雇用開発助成金、障害者トライアル奨励金、障害者雇用奨励金などの支給対象者にもなるので、障害者雇用枠や特例子会社で就職が可能になり、就労の可能性が広がります。・各種サービス、割引:交通機関(電車・飛行機・バス・タクシー・高速道路など)の割引やNTTふれあい案内という無料の電話番号案内の利用、博物館、美術館、動物園、水族館、その他レジャー施設なども割引のサービスを展開しているところが多くあります。療育手帳についての関連コラムはこちらコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月22日自閉スペクトラム症のある太郎と文字太郎は保育園時代、文字に興味を示さなかった。鉛筆を握ることも少なく、周りの園児が文字を書いていても太郎だけは書かずにウロウロしていた。保育園時代は文字を書けなくてもなんの問題もなかった。しかし小学生になると話は違ってきた。文字を覚える、書く、読む、ということが学習をするうえで大前提となった。小学1年生のとき。当時の自閉症・情緒障害特別支援学級の先生からはこう伝えられた。Upload By まゆん「太郎ちゃんはですねえ…なっかなか手強いですよ、お母さん」この言葉を言われても全然嫌味を感じなかった。私は「やっぱりそうですよねえ…」と答えた。一つの問題なら解決しやすいがそうではなかった。文字の理解、認識文字を書くという動作書きたいけど書けない葛藤、羞恥心、プライドなどの感情今振り返っても、文字を学習するうえでの問題は複合的だったし、実際にはもっと多くあったかもしれないと思っている。Upload By まゆん文字をなかなか書けない、覚えられない、ということを問題にしなくてもいいのではとも思ったが、太郎の意思は「覚えたい」の方向へ向かっていることが見ていて分かった。固まりながら、机の下に隠れながらも決して文字から逃げることはなかった。切り替えに時間はかかるが、自ら再び文字と向き合い、書くことや覚えることをあきらめなかった。家でも、「学校は楽しい」と言っていたし、行き渋りもなかった。Upload By まゆん太郎は文字を見る視点がとても細かいことが分かった。同じ「は」や「な」でも、明朝体やゴシック体など書体が異なると違うものに見えているようだった。Upload By まゆん書くことと同時に、カードを使ったクイズ方式で文字を覚えていった。先生は授業中、抜き打ちでクイズを太郎に出していた。3回正解をした文字はクリアというシステムだった。先生からは、「自宅でも、できるときに、本人のストレスにならない程度にやってみてはどうか」と伝えられていた。Upload By まゆん太郎も楽しかったのだろうか、文字をどんどん覚えていった。明朝体、ゴシック体などの書体の違いも、文字慣れしたのかスルーできるようになった。文字を覚えていくと、自然と書く方も進んでいった。ゆっくりではあるが一生懸命丁寧に一つひとつ書いていく。いまだにゆっくりと文字を書く太郎は周りから「読みやすい字だね」と言ってもらえることが多い。その後はひらがなからカタカナ、そして漢字と覚え、書くことができるようになっていった。字を覚えたあと、小学1年生の間は、私に手紙を書くことがブームになるほど文字を楽しんでいた。先生の雰囲気づくりに感銘を受けました。どうすれば太郎がストレスを感じずに、文字を覚えられるかを考え、時間をかけて寄り添ってくれた先生。本当に感謝しかありません。「手強いです」の一言からは、本気で寄り添ってくださってる優しさが伝わってきました。だから嫌味も感じなかったのだと思いました。私は社会人ですが、職場の雰囲気は働くうえで重要だと思っています。個人個人のモチベーションにも関係し、個人のモチベーションが保てると良い動きになり、結果的に良い職場になり会社としての利益につながると思っています。それくらい雰囲気づくりは重要なものだと認識してるので、当時の「クイズ方式」など楽しさを含めた指導や声かけ一つのニュアンスや口調、すべてから優しい空間がつくられていて、感銘を受けました。「なんでできないの?」と押さえつけることもなく、「どこが分からないのかな?」といつでも太郎に寄り添ってくださる姿勢に私も太郎も安心と信頼を感じることができました。先生とは、ここから3年間学校生活を共にすることになりました。執筆/まゆん(監修:鈴木先生より)このようなお子さんにはユニバーサルデザインの文字をおすすめしています。文字間や行間が適度でいいのです。また、縦書きよりは横書きのほうが読みやすい傾向があります。国語の教科書はほぼ縦書きですが、すべて横書きに書き換えた親御さんもいます。読めないと書けないので、まずは読む練習からでいいと思います。また、文字を図として扱っているため漢字などの書き順が曖昧なお子さんも多く見かけます。極端な場合、漢字を下から書く子もいます。できるだけ早くから正確な書き順を習慣として覚えさせることも重要かと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月21日娘が通っていた『高等特別支援学校』2015年、娘は高等特別支援学校に入学しました。そこは卒業後、進学ではなく就労を目指す学校だったので、国語、数学、英語、理科、社会などの授業はありましたが、定期テストの内容は大学や専門学校の受験に向けたものではなく“社会に出たときに必要なこと”が出題されていました。入学希望者対象の学校説明会でも「この学校が『就労を目指す学校』ということを、本人が理解していることがとても重要です」と説明がありました。たとえ学力が高くても、本人が就労を希望していなければ学生生活はつらいものになってしまうからです。実際、娘の同級生の中には入学してほどなく学校を辞めた生徒もいました。逆に本人に“卒業後は就労したい”という確たる気持ちがあれば、多少苦手な教科があっても高等特別支援学校の入試にはそれほど影響はないように感じました。入学後コースを選ぶ娘の学校では、2年生になると生徒が1.オフィス系2.清掃系3.食品生産系の中から希望のコースを選びます。そして2年生の間は自分の適性を知るための実習を受け、3年生になると企業での就労体験実習や就労試験実習を受けます。娘はオフィスコースを選択したので、事務系の職場実習をいくつか受けました。本人の適性や求人の兼ね合いもあり、オフィスコースを選んだ生徒の全員が事務系の職種に就いたわけではありませんが、卒業式までには全員の就職先が決まりました。卒業して4年後、クラスメイトはどうしているのか卒業後、娘は同じコースの同級生たちと定期的に集まり、近況報告を兼ねた食事会をしていました。食事会はコロナ禍でしばらく中止になっていましたが、感染状況が落ち着きはじめた2022年後半に再開されました。そのとき、同じ会社で働き続けていた同級生は1/3ほどになっていたそうです。Upload By 荒木まち子仕事を続けている人の中には契約社員から正社員になった人もいたそうです。一方で退職後、新たな職場を自ら探して再就職した人、退職して学び直しをした人、作業所に通っている人、家で過ごしている人などなど、皆それぞれの道を歩んでいるとのことでした。ほかのコースの生徒さんのことは分からないので一概には言えませんが、それでも娘から話を聞いて、私は職場の定着率は決して高くはないと感じました。娘の学校の卒業生の就職率はほぼ100%に近いです。でも就職率と継続率(定着率)は別物です。娘の通っていた学校の場合、卒業後に学校から支援を受けられるのが「3年間」となっていることも、この結果に影響しているのかもしれません。障害のある人が安心・安定して働いていくための課題退職の理由はそれぞれですし、娘世代は少なからず新型コロナの影響も受けているかと思います。発達障害の特性は千差万別です。社会人になり、トラブルや困りごとの内容がさらに多様化しているように感じます。娘は在学中にレジリエンス(ストレスを受けても折れない心)についても学びました。でもその力が身につくまでの時間には個人差があります。経験値の少なさもネックになっているのでしょう。高校卒業時に“こんな職に就きたい”という明確なビジョンを持っている子どもの割合は定型発達でも多くはありません。『高校卒業→即就職』は、成長がゆっくりな発達障害のある子どもたちにとってはなおさら難しいのかもしれません。実際、娘も休職中で今後のことに不安もあります。障害のある人が安心・安定して働くにはどうしたら良いのか、何が必要なのかを、余暇支援も含めて長いスパンで多角的に考えていかなくてはならないと実感しています。執筆/荒木まち子(監修:渡部伸先生より)働く障害者は年々増加していますが、離職率の高さは大きな課題ですね。特別支援学校では、卒業生の就労先企業への訪問など、職場定着のための支援を行っていますが、どうしても支援の期間は限られます。なるべくスムーズに地域の障害者就業・生活支援センター(通称なかぽつ)などに引き継いで、継続的に支援を受けられる体制を整えてもらうことが大切です。ただ、必ずしも同じ職場で働き続けることが良いとは限りません。仕事内容や同僚との相性が悪く、本人がつらい状況に置かれている場合は、いったん退職して、ハローワークや就労移行支援事業所などを利用して再就職を目指してもいいと思います。この就労移行支援事業所は、特別支援学校卒業後に利用して、就労に必要な知識や能力を高める訓練を受けることもできます。また、必ずしも企業就労にこだわらず、就労継続支援A型やB型といった福祉的就労も選択肢になるかもしれません。大切なのは、本人が安心できる居場所であることだと思います。いろいろと考えさせられるエピソードでした。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月20日あやしても笑わない赤ちゃんだった息子息子は2歳半で自閉スペクトラム症と診断されました。今思えば、産まれてすぐから反応が少なかった息子。「赤ちゃんはママがあやしたら笑う」なんてのは都市伝説じゃないかと思うくらい本当に笑わない子どもでした。渾身のいないいないばぁも、ただただ私の独り劇場で終わる始末。Upload By 海乃けだま5歳でやってきた「誤飲の心配」と、「おままごとブーム」そしてなんでも口に入れてしまう乳児期も食べ物以外全く口に入れませんでした。当時は誤飲の心配も少なく「めっちゃ楽やん?」と深く考えず…楽天家な旦那に至っては「めちゃくちゃ賢いや~ん!」と親バカが炸裂していました。が、なんと5歳になった今…洗面所でつけ置きしていた洗面器の水をペロッとしている姿を目撃してしまいました。(絶叫)※現在、つけ置きの洗面器はお風呂場へお引越し、さらに扉に鍵をかけて厳重に管理しています。Upload By 海乃けだま最近のブームは私が夕飯の準備をしている横で、おもちゃの料理道具を持ってきて本格的な料理の真似をすること。最中はものすごく微笑ましく、「このまま料理に目覚めて料理男子になってくれたら…」なんて淡い妄想を抱いたりしてます。※なお、料理を終えた後のリビングは…Upload By 海乃けだま息子と全く違った娘の乳児期。「育てやすい子」と思っていたら…一方娘は3歳9ヶ月のころにADHDと診断されました。娘の乳児期は息子のときと打って変わって、ものすごく反応があり、2ヶ月のころにはあやすとニコニコとよく笑う赤ちゃんでした。都市伝説だと信じきっていた「いないいないばぁ」にもしっかりと喜んでくれて…母親としての育児の自信を取り戻したような気さえしました。しかもすごくよく寝る。お昼寝中にどれだけ息子が騒いでいても、ほとんど起きることもありませんでした。息子のときは膝がパキッとなるだけで起きる繊細さだったので、「なんて育てやすい子なんやぁ!!」と感動したほどです。Upload By 海乃けだまそんな育てやすかった娘も、1歳を過ぎてひとり歩きできるようになったころから現在のおてんばガールの片鱗を見せ始めます。家の中でも常に駆け足、朝起きてからベッドに入るまでずっと喋り続けています。さらに好奇心旺盛で何にでも興味を持つ娘は、狙った獲物(おもちゃ)は何が何でも手に入れないと気が済みません。おっとりなお兄ちゃんからよくおもちゃを奪い取っては泣かせていました。今では息子も負けじとおもちゃを奪い返して…喧嘩の仲裁が私の日課です。Upload By 海乃けだまおっとりマイペースな息子とぐいぐい積極的な娘、真逆のような性格の二人。産みの親である私たち夫婦も、先々のことを考えて心配してしまう私と「なんとかなるやろ!」と楽天家な旦那で真逆です。でも、そんな二人だからこそお互い苦手な部分と得意な部分を刺激し合えたり、補い合えているんじゃないかと感じていたりします。喧嘩も頻発しますが、毎日ふざけ合って笑い転げている仲良し兄妹です。性格は違っても仲良しな兄妹。二人の診断に戸惑いもあるけれど…正直、子どもたちの診断を受け入れられているかと言えば、まだ受け入れられていません!メンタルも浮いたり沈んだりを繰り返していますし、受け入れられていません!!(大事なことなので2度…)ですが、それでもここまで来れたのはたくさんの人に支えてもらっているからだと思っています。まだまだ勉強中ですが、もし私の経験が読んでくださった方の支えになれば幸いです。これからよろしくお願いします!執筆/海乃けだま(監修:新美先生より)それぞれに個性の強いお子さん二人と、真逆のご夫妻のエピソードをとても楽しいイラストとともにご紹介くださいましてありがとうございます。「まだまだ受け入れられていません!」と2度おっしゃっていますが、こんな素敵なエピソードに昇華されている海乃さんのご姿勢がパワフルで素晴らしいなと思いました(感想です)。同じ両親が基本的に同じように育てても、子どもはそれぞれの個性を発揮するものですよね。世の中の「親のしつけガー」とかいうめんどくさい人たちに見せてやりたいエピソードだと思いました。子どもも大人もそれぞれの個性があるから大変で、そして楽しいものです。それぞれの個性でぶつかったり、悩んだり、工夫したり、愚痴ったりしながら、家族内でもそして他人ともいろんな形で共有していけるのは、とてもいいなと思います。これからまたいろんなエピソードを聞かせてもらえたらうれしいです。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月19日プレ幼稚園のある日の放課後、園長と副園長から呼び出され…スバルの言葉が溢れてから最初の通園日にプレ幼稚園の帰りに先生に呼び出されました。呼び出された部屋には、プレクラスの先生2人と園長と副園長が待ち構えており、ドアを開けた瞬間これはただごとではないと察しました。妙にぎこちない挨拶を交わしたあと、先生から神妙な面持ちで「発達検査を受けて診断書を提出してください」と言われました。とっさに「ほんの数ヶ月前に受けた検査で『言葉が遅いだけ』と言われたばかりなんですけど…」と伝えると先生たちは困った表情に…。私自身も心の中では数ヶ月前の検査のときと今では状況が違うことを理解はしていましたが、なかなか先生の言葉を受け止められなかったのです。数ヶ月前、プレ幼稚園に通い始める前に受けた検査では私も心理士さんも集団の中にいるスバルの姿を知りませんでした。スバルは一対一なら話が通じ、人が好きで興味があることには集中して座っていられるので、プレ幼稚園に入るまでは「言葉が遅い以外に困りごとはない」と思っていたのです。その後、プレ幼稚園での初めての集団生活の中で、先生がクラス全体に呼びかけた「お片づけの時間だよ」などの指示が通らなかったり、私が膝の上でホールドしていないと絵本の時間に歩き回ってしまったりと明らかに浮いているスバルの様子を知ることになりました。クラスメイトたちは入園から3ヶ月ほどで幼稚園のルールを学びプレ幼稚園での集団生活に馴染み、次々と母子分離通園になっていきました。そんな中スバルと私はいのこりで母子同伴通園を続けていました。そんな状況でも「言葉が遅いだけ」と言われた事実から、言葉が出始めたまさに今!このときから!ものすごい成長があるかもしれないとほんの少しの期待が捨てきれずにいたのでした。そんな心境の中での先生の「発達検査を受けて診断書を提出してください」の言葉…モヤモヤとした気持ちを抱えながらも、とにかく発達検査を受けることにしました。発達検査の予約をするも2ヶ月待ち自宅に帰ってから地域の療育センターに発達検査の予約の電話をかけましたが、予約が取れたのは2ヶ月も先でした。こんなに不安な気持ちで2ヶ月も過ごすのかと絶望しましたが、その日を待つしかありませんでした。最初のころは興奮状態で何も手につかない毎日を過ごしていましたが、気持ちのアップダウンを繰り返しながら少しずつ冷静になってきました。そうすると見えてくる日々のこと。「そういえば、言葉が出始めても幼稚園での生活面にはものすごい成長はなかったな…」言葉が出たあとも相変わらず母子同伴。ありのままのスバルで過ごしていました。冷静に現状を把握したあとはこの時間を次のステップへ進むための準備期間にしようと、本を読んだりインターネットで情報収拾したりと心の準備をして過ごしました。検査の結果は「自閉スペクトラム症」と診断され…そして、発達検査の結果を元に医師の問診を受けた結果、「自閉スペクトラム症」と診断をされました。発達検査は簡易なものも含めて何度か経験しているので慣れたものです。スバルはいつも通り最後まで座って集中して取り組むことができました。しかも前回は言葉が出ていませんでしたが今回は言葉が溢れています。さらに、予約から本番までの数ヶ月で2語文も話せる様になったので、検査でも出来る事がぐっと増え、ホップ、ステップ、ジャンプ!レベルの成長を見せつけることができました。しかし結果は…「まごうことなき自閉スペクトラム症」でした。以前よりスバルが成長をしているのは事実です。しかし言葉が溢れたら埋まると思っていた発達の凸凹の凹は埋まることなく、伸びた凸が凹を際立たせる結果になりました。幼稚園での様子も含めて納得の凸凹です。2ヶ月も心の準備期間があったおかげで診断自体は動揺しつつも、わりとすんなり受け入れることができたと思います。インターネットでの予習で療育センターで診断されたあとは療育への案内と手続きがあることを知っていたので「やっと次に進める!」と期待していたくらいです。Upload By 星あかり療育の手続きが始まり、待っていましたとばかりに資料に手を伸ばすと「障害児」や「障害者」という言葉が目に飛び込んできました。そんな言葉の数々を見て、本やインターネットで調べて散々目にしてきたのに、そのときまるで強い風が吹いた様な衝撃を受けて声を出して泣いてしまいました。3秒前までやる気に満ち溢れニコニコはしゃいでいた女が突然泣き出して驚いたことでしょう…。その節は本当に申し訳ありませんでした。診断をプレ幼稚園に提出すると、まさかの「退園勧告」がその後、記憶が曖昧なくらい心も体もせわしなく情緒も不安定な2ヶ月を過ごし、どうにか療育の手続きも済ませ、診断書も手に入れました。そして診断書をプレ幼稚園の先生に提出すると、そのまま初日に行ったあの部屋へと呼び出されました。診断書を提出したあとは今後のことについて話すのだと思いました。加配の先生とか、合理的配慮とかそんな感じの話を。しかし先生から告げられたのは「本日限りで退園」という言葉でした。言葉にならない言葉をつなげて「でも…」「だって…」「スバルは幼稚園のある日を楽しみにしていて…」「ほかにも障害のあるお子さんが通っているって…」「もう1年プレクラスにいて年中から正式入園するとか(インターネットで予習した情報)」と食い下がりましたが、その決定を覆すことはできませんでした。すでに通園している障害のあるお子さんへの加配で先生の人数が足りないのだと説明されました。それでもどうにか…と言葉を探して説得を試みましたが、最終的に園長が個人的なお花見の話をしだしたので、あまりの脈のなさに引き下がるしかありませんでした。こうしてお友達に挨拶することもなく、裏門からプレの先生1人に見送られてひっそりと退園しました。幼稚園から自宅までスバルの手を引いて歩いて帰りながら、涙を止めることができず垂れ流して帰りました。初めて「社会」から拒否されたことは、まるで世界から拒否されたような絶望感でした。Upload By 星あかり帰宅するとスバルが泣いている私の顔を見つめながら「スバル、幼稚園、行かない」と言ってにっこり笑いました。その翌週からスバルはプレ幼稚園のある曜日になってもプレ幼稚園の話をしなくなりました。あんなにあんなに楽しみにしていたのに。スバルが少ない語彙を使って「ぼくはあの幼稚園にこだわらないから気にしなくて良い」と伝えてくれたのだと思いました。スバルの前で大泣きして気を使わせてしまって申し訳ないやら退園になって悔しいやら複雑な思いを抱えながら、それでも前向きにスバルにピッタリの幼稚園を探そうと決意したのでした。執筆/星あかり(監修:初川先生より)プレ幼稚園からの呼び出し面接、検査・診察を受けてとの指示、さらにその後の「本日限りで退園」の通告。なんと怒涛の日々、次々に来る課題をこなして今後のためにと願う母の思いをばっさりと非情にも切る園の判断。また、そこへ至るまでに自閉スペクトラム症の診断を受け、心の準備は出来ていると思っていたにもかかわらず「障害児」という字面に衝撃を受けたこと。そうしたことのどれをとっても大変な日々だったことと思います。そもそも、1歳半健診時の「言葉が遅いだけ」という専門家の言葉。言葉が遅いというつらい指摘と、しかし、それさえ追いつけばという希望でもあったのですね。私も専門家の端くれとして保護者の方への言葉の一つひとつに気をつけなければならないなと反省的に受け取りましたが、ただ、実際、手探りの子育ての中で専門家や先生と呼ばれる方の言葉を灯台の明かりのように、そこを頼りに進んでいくのは自然なことであったろうと思います。ようやく言葉が出始め、プレ幼稚園の通園も始まり、「これからだ!」と期待もひとしおだったことと思いますが、そこでの呼び出し面接と検査・診察を受けるよう言われるのはさぞ衝撃だったことと思います。言葉が出始めたことや検査でのスバルくんの取り組み方や応答に関しては、スバルくんの発達の中でも知的な発達を感じさせる一面であったのだろうと思います。以前に比べたら各段に成長している。それがあかりさんの実感と検査への取り組み状況的にも一致したのだろうと思います。ただ、自閉スペクトラム症というものは必ずしも知的な発達の遅れを示すものではありません。検査の結果が良かった・悪かったで即決まるものではなく、これまでの育ちの経過や行動や感覚面の育ちに関しての観察や聴取の結果、総合的に診断が下ります。行動としては、集団での行動が難しかったり、周りの人たちへの注意や関心を向けづらかったり、感じ方が独特なために集団の中にいづらかったり、そういう面に特徴が表れることが多くあります。1歳半健診の時点でそうした様子が見られることもあれば、いよいよ集団場面に入る頃合いにそうした様子が目についてくる場合もあります。スバルくん1人だけを見ていてもそのあたりは見えづらく、集団の中に入って初めて、苦手な状況・設定の多さに気づきやすくなった面もあるかもしれないですね。自閉スペクトラム症かもというところで、すぐに情報を集められ、療育をとお考えになったのは何よりです。お子さんの特性に合うトレーニング等を早期から行うことはお子さんの成長発達に良き効果をもたらします。ただ、幼児期の療育は自治体の福祉の枠組みで行われることも多く、どうしても制度上の区分である「障害児」というくくりがついてくる面もありますね。まだその事実を知って日も浅く、いよいよ突きつけられるその単語はおつらかったことでしょう。それにしても(あかりさんのプレ幼稚園のコラムでは毎回思いますが)、園の先生の冷たい感じ、きついですね。保護者の方からしたら、園でよりよく生活をするために(園から頼まれた)検査・診察を受け、その結果を活かしてほしいと思うのは当然です。しかし、そこをばっさりと……。毎度思いますが、配慮などできないというスタンスの園にそこを頼みながらやっていくというのはそこから始まる園生活がなかなかに困難であろうことが想像されます。ならば温かく迎えてくださる新しい環境でやっていくほうが、スバルくんの短い「幼稚園時代」を過ごすうえでは実り多きものになるだろうと感じます。そうすると冷たい園は冷たい園のままで存在し続けるので、それはどうなのかと私は支援者として思いますが、ただそこを今闘うかどうかというところで、母であるあかりさんの「次を探す」という選択はスバルくんにとって良きものになるのではと感じます。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月19日親ばかりが焦る!自閉症息子の高校受験発達障害の専門家が出会った子どもや大人、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。今回は、自閉スペクトラム症(ASD)のある中学3年生と、その保護者のエピソードです。なかなか、わが子の志望校が決まらないとき、保護者にできることは…。Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談マンガ/NEGI解説:保護者が選択肢を持ち、子ども自身に決めさせることが大切今回は、自閉スペクトラム症(ASD)の中学3年生の「進路」を心配する保護者のエピソードをもとにマンガ化してお届けしました。「志望校が決まらない」という悩みは、高校受験においてよく聞かれます。保護者のみなさんは、次のポイントを押さえて、中学校の先生にも相談してみてください。1.選択肢を知る普通科高校(公立・私立)、専門学校(実業高校)、単位制高校、定時制高校、通信制高校、チャレンジスクール(4年制)、高等専修学校など、中学校に比べて多くの選択肢があり、教育システムもさまざまです。保護者が理解し、子どもと話し合えるようにしましょう。2.子ども自身に決めさせる複数の選択肢を与えるのは良いですが、最終的な決定は子どもに任せることが大切です。高校入学後にうまくいかないことがあると、「親が決めたからだ!」「本当は行きたくなかったのに!」と親に対して反発するケースもあります。また、子どもの希望した進路を否定してしまうと、「信用されていない」とショックを受けてしまう子どももいます。3.子どもと通う・学ぶイメージを持つ通学ルートをチェックする、オープンスクールで先生に話を聞いたり在校生や授業の様子を見たりすることで、実際に通うイメージを持つことができれば、ミスマッチを防ぎやすくなります。4.入学前後の合理的配慮の必要性について担任の先生と相談をする入試のときの面接や、みんなと同じ教室で試験を受けられないということが心配であれば、合理的配慮について中学校の担任の先生と相談しておきましょう。また、入学後の困難(口頭で言われただけでは課題の締め切りを守れない、感覚過敏があるなど)が想定される場合、高校生活を送る上での合理的配慮が必要かどうかについても話し合っていきましょう。5.入学後の転校も視野に入れる中学校で行き渋りがあった場合などは特に、入学した学校に通えなくなったときに備えて別の選択肢を保護者が用意しておくことが大切です。例えば入学した年の5月時点で数日しか通学できていない場合などは、通信制高校への転校なども視野に入れると良いでしょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月18日2歳入園を目指してプレ幼稚園に通った日々まゆみがまだ乳児だったころ、私は幼稚園の2歳クラスからまゆみを入園させるつもりでいました。やがて自閉傾向があることが分かり、1歳後半から療育を始めていましたが、療育を受けながら園に通うお子さんの話をほかのお母さんから聞いていたため、「2歳クラスから入園」という希望はそのまま持ち続けていました。いくつかの幼稚園のプレに顔を出し、最終的に近所のA園に入園させようと決めて毎週のプレに通いましたが、入園希望の子どもたちの中でまゆみだけが名前を呼ばれても返事ができず、先生の呼びかけにも応えられないことが続きました。Upload By にれそんな姿に不安を抱きつつも、当時の私は発達障害とまゆみ自身の障害程度への理解が浅く、「療育にも通っているし、こうしていろいろな子どもたちがいる場所で刺激を受けていればいつかは周りに追いつくかもしれない」と考えていました。A園への願書も提出し、まゆみが2歳11ヶ月になる4月から2歳クラスに通えるつもりでいたのです。5ヶ月限定の保育園実はまゆみは保育園の1歳クラスに通ったことがあります。まゆみが2歳半のときに下の子が生まれ、産前産後の5ヶ月間(まゆみ2歳3ヶ月~2歳8ヶ月ころ)公立保育園のB園に通いました。B園は自宅から車で片道25分かかるため少し遠かったのですが、年度途中の入所のためほかに空きがありませんでした。けれど、大きなお腹でまゆみの多動ぶりに対応することが難しくなって外遊びも十分させてあげられない状態だったので、思い切り遊ばせてもらえることがありがたかったです。当時すでに療育に通っており、コミュニケーションに難があることは面接時からB園に伝えていました。先生方は「大丈夫ですよ~まだ1歳クラスですし、ほかのお子さんもまだ一人遊びの時期なので」と温かく迎え入れてくれましたが、実際の園生活はけっこう大変だったようです。お迎えのとき、心配性の私が「お友達と仲良くできていますか?」と聞くと、先生方はいつも決まって「ほかのお子さんたちもまだ周りのお友達と仲良くできる段階ではないですよ。お母さん、大丈夫です」という返事でした。実際、5ヶ月間の園生活の中でまゆみが問題を起こしたと聞くことはなく、意外なほど平穏に過ぎているように思えていましたが、最終日に先生が目に涙を浮かべてこんな報告をしてくれました。Upload By にれ聞けば、毎日毎日お遊戯室へ入るのを嫌がって逃走していたそうです。B園では先生の加配がない状態だったので、まゆみを追いかけるために1人割くことになって先生方は本当に大変だったことでしょう…。しかも、やっと慣れて入室できるようになったのかというとそうではなく、クリスマスツリーを出したらまゆみも物珍しさにつられて入室できたというのが真相でした。そんな手のかかるまゆみに園生活の経験をさせてもらえたありがたさと、5ヶ月間の先生方のご苦労に胸が詰まり、何度も何度も頭を下げてB園をあとにしました。2歳クラスでの入園をあきらめてB園を退園してから少しあと、A園への入園を控える2歳10ヶ月のまゆみに自閉スペクトラム症と知的障害の診断がついたとき、ようやく「この状態でA園に受け入れてもらえるのかな?」と焦り始めました。B園に通ったことで生活習慣にはある程度自信がついていましたが、コミュニケーション面ではまだまだ意思の疎通が難しく、入園できたとしても『みんなが先生とお遊戯をしている後ろで黙々と一人遊びをしているイメージ』しか湧かなかったのです。診断後、すぐA園に相談に行きました。先生は「診断がついても、同じ教室にいてくれるんでしたら受け入れできますよ」と答えてくれましたが、多動気味のまゆみはその「同じ教室にいてくれるか」という点に不安がありました。A園では加配の先生をつけることが難しいと聞いたため、安全確保の面から「来月からの入園は無理だ」と悟りました。A園での2歳クラス入園をあきらめるか、プレ保育にもう一年通って年少からの入園を目指すかで悩んでいた折、A園からの連絡で「やっぱりまゆみは歓迎されていないのかも」と受け取れる出来事があり、夫婦で相談してA園への入園そのものをあきらめることにしました。単独通所の療育へA園に入園することをあきらめ、「じゃあどうしよう?市内の公立幼稚園に2歳クラスはないし、もし私立で加配ができないなら今年は自宅保育で…?」と考えていた矢先、まゆみの問題行動が増えて私は精神的に追い詰められてしまいました。あることがきっかけで「もうダメです、このままでは虐待してしまうかもしれない」と泣きながら療育の先生に電話をかけました。生後半年にもならない第二子を抱えながら、問題行動の増えたまゆみと24時間を同じ空間で過ごすことに限界が来ていました。療育の先生から計画相談の先生にすぐ連絡がいき、翌週から単独通所という形で別の療育施設に月~土曜の日中預かってもらえることになりました。そのときの私は疲れ切った顔をしていたようで、先生の「下のお子さんと一緒に少し休んでください」の言葉に涙があふれました。あのとき助けてくださった先生方にはいくら感謝しても足りません。こうしようと思っていたわけではなかったのですが、結果的にまゆみは幼稚園へ行くのと同じくらいの時間を療育先で過ごすことになりました。「単独通所の療育へ幼稚園並に預けることができる」ということを知らなかった私は、そんな方法があったのか…!と衝撃を受けました。集団生活とまではいかなくても療育先にはほかの子どもたちもいて、まゆみに合った形で丁寧に療育しながらできることを増やしてもらえるので、まゆみにとっても家族にとってもベストな道だったと思っています。Upload By にれ年少での入園も無理?それまでも週に2度の母子療育に通っていましたが、まゆみ自身も親を離れるタイミングが来ていたのか単独通所の効果は目を見張るものがありました。人にあまり興味のなかったまゆみが、半年通ううちに担当の先生によく懐くようになって生活習慣も少しずつついてきました。まゆみの変化に喜んだ私は、仕事復帰が控えていたこともあって療育先に保育園の年少入所の相談をさせてもらいました。今度こそ入園できるものと信じて疑わず…。ところが療育の先生の答えは、「もう1年療育に通った方がいいでしょう」というものでした。まゆみは母親や担当の先生との愛着形成は成功しているけれども、まだ『一対一の関係』を築くことに弱さがあるので、ここがしっかりできるようになってから集団生活へ入った方がいいとのことでした。園長先生も出てきてくださり詳しい理由を聞きましたが、ガーンと殴られたような衝撃でした。まゆみはまだまだ集団生活できるレベルではないのか…そもそも2歳クラスなんて高望みだったのか…、いろいろな考えが巡り、母親なのに自分の無知が恥ずかしくなりました。幸い、育休を延ばすことができたので問題なく療育へもう1年通えることになったのですが、今度は周りの友人や知人たちの「えっ、まだ保育園に入れないの?」「早くから集団生活させた方が伸びるよ」「園でお友達をつくった方がいいよ」といった声が気になってしまいます。中には私よりも事情に詳しいだろう保健師や保育士の方もいて、もちろんみんな善意で言ってくれているのです。ありがたい反面、私は途方に暮れました。どうするのがいいのか分からない、発達障害のことが分からない、娘のことが分からない、母親なのに何も分からない…。子どもの発達を考えたとき、療育を優先するか集団生活を優先するかはきっとさまざまな考え方のある問題なのだと思います。何をどうするのがベストなのか私には分かりませんでしたが、日頃から実際のまゆみを見て分かってもらっている療育の先生方の方針を信じようと決めました。念願の入園それから1年が過ぎました。まゆみは担当の先生だけでなく、周りの先生方や特定のお友達にも関心を持つようになってきて、「今の状態なら、保育園と療育の併用でやっていけると思います」というお言葉をいただけるようになりました。ただ、まゆみは医師からも療育先からもマンツーマンで加配の先生がつかないと安全確保が難しいと言われているため、入園先を決めるにもかなりの制限が伴いました。市内の私立保育園に10ヶ所近く電話をかけて問い合わせましたが、やはり人員配置の都合上マンツーマンでの加配はできないということで、通える範囲の公立保育園2ヶ所のうち、特性があっても目が届きやすく、比較的騒がしくなりすぎない小規模園のC園を希望しました。多少遠くても5ヶ月間通ったB園へ戻ることも考えましたが、残念ながらB園は統廃合でなくなってしまったために選ぶことができませんでした。幸い希望も通り、春からはC園にて念願の就園を果たす予定です。ずっと「未就園児」だったため、「未」が取れるまでにこんなにかかるとは思ってもいませんでした。Upload By にれ最後に産休に入るときは、「職場のすぐ近くに認定こども園も保育園も幼稚園もあるし、仕事復帰しやすくて恵まれた環境だな~」と思っていたので、まさかその中のどこにも入れないとは予想外でした。さらに言うと、まゆみの妹も特性ありで、まさか2人の療育のために仕事を辞めることになろうとは想像すらしていませんでした。保育方針などをしっかり調べて「ここにしよう!」とプレに通った園にも入れず、2歳入所も年少入所も時期尚早と、入園に関しては希望がことごとく打ち砕かれてきたため、今はやっと集団生活へ入れるようになったという喜びをかみしめています。希望が打ち砕かれてきたと書きましたが、私に「集団生活に入るにはどの程度のコミュニケーションスキルがあった方が後々良いのか」という知識と、まゆみの状態を客観的に判断する力がなかったという話なので、たくさんの子どもたちを見てきた療育の先生方に判断してもらえたことはとてもありがたかったと思っています。まゆみも本当によく頑張ってくれました。よく「自閉スペクトラム症の困難が大きくなってくるのは集団生活に入ってから」といった話を聞くので、きっと本番はこれからなんだろうと思いますが、まずはまゆみの成長と頑張りを褒めて保育園へ送り出してあげたいです。また、仕事や家族のためにどうしても療育よりも入園を優先させないといけないご家庭もあると思います。実際、うちも療育優先にして育休を延ばしたり退職したりしたことで家庭の状況はガラッと変わりました。仕事と療育の兼ね合いをどう判断するかは夫婦が決めることで、誰も口出しはできないと思います。事情は家庭によっていろいろですが、自分と子どもが置かれた状況の中で、自分も子どもも笑って過ごせるような道があればきっとそれが一番なんだろうと思っています。執筆/にれ(監修:藤井先生より)まずは、まゆみさん、ご入園おめでとうございます。新しい環境で慣れないことも多々あるかとは思いますが、新たな刺激を受けて、きっと楽しいこと、できること、成長することもたくさんあると思います。ここに至るまでににれさんが、いろいろな方へ相談したのはとても良かったと思います。精神的に追い詰められながらも、心のSOSを療育の先生に相談されたことで、通所の療育につながることができました。地域によって、療育園や、保育園、幼稚園の発達障害のお子さんへの対応が一律ではありません。しかし、個別に相談することで、お子さんにとって、その地域に暮らす上での、ベストはないかもしれないですが、ベターを探すことはできると思います。新しい園でまゆみさんが笑って過ごせることを願っています。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月18日