2019年は、公的年金だけでは「2000万円足りない」問題が注目されたことにより、「老後について、本気でどうにかしなきゃ!」と、危機感を感じた人も少なくなかったのかもしれません。「老後に2000万円足りないって、本当?」お金の超プロフェッショナルである横山光昭さんにお話しを伺ってきました! この記事は、 第1回「『老後が不安』で終わらせていいの?」 の続きです。横山 光昭(よこやま・みつあき)さん家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで23,000万人以上の家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。■老後2000万円足りなくなるって、本当?取材の冒頭、「老後資金が、2000万円足りないって、本当ですか?」という、素朴な疑問を横山さんにぶつけてみました。横山さん曰く、「結論から言えば、ウーマンエキサイトのパパママ世代の方は今から、『自分の場合は?』と、年金を自分事として考え始めれば大丈夫です」とのこと。ほッ! 良かった! では、年金を自分事と考え始めるためには、何が必要なのでしょうか? いわゆる「老後2000万円問題」の整理から始めましょう。コトの発端は、6月上旬に公表された金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書です。全51ページの、たった一文(太線部分)だけが切り取られ、大騒ぎになりました。●金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書年金だけが収入源となる無職のある高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)。夫婦の年金収入が約21万円なのに対して、支出は約26万円かかっています。その収入と支出の差となる不足額が毎月5万円。これが20年間続くとすると、30年間で約2000万円が必要になるという試算です。参考文献: 金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書 (全51ページの21ページ目)■「絶対に2000万円が必要だ」などとは書いていない報告書は、ネット上で誰でも目をとおすことができます。「私も報告書が公表されてすぐに目をとおしましたが、あの報告書では、『老後の生活に、絶対に2000万円が必要だ』とは書かれていません。紹介されていたのは、ある平均的な夫婦の老後の資産(例)です」(横山さん)「ある平均的な夫婦の老後の試算(例)」についての解説は次回行うとして、ここでは、この報告書のポイントを整理しておきます。とても大切な報告書なので。●ウーマンエキサイト世代のパパママが知っておくべき3つのポイント1)長寿化はこれからどんどん進んでいく。2)充実した人生を送るためには年金だけでは足りない。3)自分事として準備しましょうと「自助努力」を促す。筆者作成ところで。皆さんは自分の年金について、「いつから」「どのくらい」もらえるのか知っていますか? 年金について、今、何か準備していることはあるのでしょうか?「自分の年金について考えたことのなかった方、これまで誤った情報に惑わされていた方に、この連載を通じてメッセージをお伝えしたいと思っています」(横山さん)■キーワードは、「人生100年時代」年金の問題を考える時、キーワードは、「人生100年時代」です。今では当たり前のように使われている「人生100年時代」というフレーズですが、そのキッカケは、『LIFE SHIFT~100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著/東洋経済新報社刊)という本がよく売れたことにあります。この本の初版は、2016年10月なので、約3年前、にわかに「人生が100年になった」=「長寿化が現実味を帯びた」といったイメージでしょうか。『LIFE SHIFT』の中では、「人生の組み立て方が、今までとは違ってくる」と提言されています。端的に言えば、「教育→仕事→引退」という三つのステージで人生を考えるのは、長寿社会では無理だということなんです。100年という時間を、自分らしく生ききるためには、「学び直し」をしたり、「複数の仕事を同時に持つ」など、これまでの違う考え方で、人生を捉えていく必要があるとされています。■年金だけで暮らせる人は1割私たちの親世代は、「教育→仕事→引退」というライフステージを送り、仕事を引退した後は年金だけで暮らしている人も多いでしょう。けれども、私たちが仕事を引退する頃は、高齢化が進んでいます…。「端的に言っておきましょう。これからの日本では、年金だけではほとんどの人は暮らしていけません。ほとんどいうのは全体の8~9割くらいの人です」(横山さん)つまり、年金だけで暮らせる人は1割。「老後は年金があるから何とかなるだろう」という発想があるとしたら、それ自体、今の現役世代にとっては現実的ではないのです。「この記事をキッカケにして、ぜひ、その考え方から離れて欲しいと思います」(横山さん)■老後に向けて、今、私たちがやるべきこと2つでは、どうしたら良いのでしょうか? 横山さんより、私たちがやるべきことをポイントを絞って2つ教えてもらいました。●今、私たちがやるべきこと2つ1)自分自身の年金受取額の見込みを把握すること2)今とこれからの社会状況を認識した上で、『将来の自分の場合はどうなのか』を知っておくこと出典: 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか? 人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』(横山光昭著/KADOKAWA刊)より抜粋) 1)の自分自身の年金受取額の見込みを把握する方法については、今後詳しく説明します。まずは、上記の2つをクリアした上で、「自分は将来どういったライフスタイルを目指すのか?」を考え、「そのためには、どうしていけばいいのか?」を、各人が探っていく必要がありそうです。「人に勧められるままに内容を理解せず投資をしたり、極端な節約生活を続けていくのは老後の生活が危ういだけでなく、長続きしません」(横山さん)●「老後までに2000万円貯められる?」第2回のまとめ1)「老後資金2000万円問題」、年金を自分事として考えるキッカケにする2)「人生100年時代」は、今までとは違った生き方をしていく必要がある3)「今、私たちがやるべきこと2つ」を知っておく次回は、年金を自分事として感じられるよう「2000万円より必要な人、少なくて済む人」について、具体的に考えてみます。※本特集で紹介する制度などに関する情報は、2020年2月26日時点のものです。<参考サイト>金融庁: 金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書 『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』 リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか?人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』 (横山光昭/KADOKAWA ¥1,540円(税込み))>> 「老後までに2000万円貯められる?」連載 記事を見る 第1回「「老後が不安」で終わらせていいの?」 \おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月16日■「老後2000万円問題」は老後が不安になっただけ?こんにちは! ライターの楢戸ひかるです。私は20年ほどマネー記事を書いていますが、昨年の「老後2000万円問題」は、マネー史に残る、インパクトのある「事件」だったと思っています。ママの毎日は、忙しい! いっぱいいっぱいの毎日のなかで、とてもじゃないけれど、老後のことなんて考えられませんよね? それなのに、不安だけ、ポトリと滴のように落とされてしまった……。私個人の感想としては、多くのママにとって、2000万円問題が、「ただ、老後のことが不安になっただけ」なことが、すごく残念です。■老後資金、「知らないから不安」を払拭するにはまずは、「知らないから不安」にエネルギーを奪われないよう、必要な情報を知ることから始めてみませんか? 「知っておく」こと、老後に対してのひとつの有効な備えだと私は思っています。 「老後2000万円問題」については、ァイナンシャルプランナーの横山光昭先生に取材させていただき、詳しい解説をこの後の記事で行っていきます。記事を読んでいただければわかりますが、2000万円問題は、いいキッカケだと思うのです。そういう意味で、一般の人が話題にするレベルまで反響があった、この「事件」を、無駄にしたくないと思いました。■老後資金貯める余裕がないのに、不安がない理由私自身、今、老後資金を貯める余裕は、ほとんどありません。高校生2人、大学生1人の息子の教育費がピークだからです。けれども、「老後が不安だから、お金を貯めなきゃ!」といった感じの漠然とした不安は、それほどないです。なぜ、漠然とした不安がないのか? それは、「知っている」からです。私が何を知っているのか、書き出してみますね。●「老後の漠然とした不安がない」私が知っていること1)1ヶ月いくらあれば、足りるのか? 具体的な毎月の生活コストを把握している2)家電の買い替えやリフォームなど、大まかな生活サイクルと必要額を把握している3)わが家が、いつから老後資金を貯められる家計なのか? ライフプランニング表を書いて、予測がついている4)取材を通じて、「介護」や「老齢期の医療」のイメージを持てるようになりつつある5)投資を経験したことがあり、自分なりの投資方針があるこんなところでしょうか? 情報は力です。30代、40代は、住宅ローンや教育費負担が重い時期。「老後資金を余裕を持って貯めています」というご家庭の方が少ないのでは? と感じます。「知らないから不安」ということ、結構あると思うのです。それだったら、漠然とした不安にシャドーボクシングをしているよりも、具体的に考えてみませんか?■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか?人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』 (横山光昭/KADOKAWA ¥1,540円(税込み)) >> 「老後までに2000万円貯められる?」連載 記事を見る\おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月15日天海祐希主演、映画『老後の資金がありません!』が、2021年10月30日(土)に公開される。「どうする?!老後資金」天海祐希が頭を抱える主婦に『狗神』以来、19年ぶりの単独主演を務める天海祐希が演じるのは、どこにでもいる普通の主婦・後藤篤子。子育ても落ち着き、幸せな老後生活が待ち構えているかと思いきや、娘の派手婚、舅の葬式、夫婦そろって失職、高級志向の姑との同居......と、予想外のハプニングが身に降りかかる。老後資金に2,000万円が必要といわれる現代社会で、篤子もまさしく、かさむ一方の出費に気苦労の絶えない日々を送る国民のひとり。悩みもがき奮闘した先に、平穏な老後生活を手に入れることができるのかー⁈誰もが身近で重要な“老後の資金問題”のリアルと、篤子やその家族、友人たちが奮闘する姿を映し出した、笑って泣けてるコメディ・エンターテインメントを、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の前田哲監督が描き出す。その他の登場人物&キャスト天海祐希を支えるキャストは、個性豊かな面々。実力派俳優からフレッシュな新人まで、多彩なキャストが物語を紡ぐ。・浪費家の姑・後藤芳乃役...草笛光子主人公の篤子と同居する浪費家の姑・後藤芳乃役は、芸能生活70周年を迎える草笛光子。テレビや映画にとどまらず舞台女優としても活躍する草笛が、嫁いだ先の老舗和菓子屋をたたんでからも浪費癖が抜けない姑をいきいきと演じる。・篤子の夫・後藤章役...松重豊また、定年を眼の前にして失業に陥る篤子の夫・後藤章を演じるのは、ドラマ「孤独のグルメ」シリーズに出演し、ミニドラマ「きょうの猫村さん」では猫まで演じ分ける松重豊。天海とともに、長年寄り添ってきた本当の夫婦のように息の合った演技を見せる。・篤子の娘・後藤まゆみ役...新川優愛突如親のもとに結婚相手を連れて派手婚を報告する篤子の娘・後藤まゆみ役には、女優やモデルとして活躍する新川優愛。・篤子の息子・後藤勇人役...瀬戸利樹篤子の息子・後藤勇人役には、「仮面ライダーエグゼイド」で仮面ライダーブレイブ役を演じ、『カイジ ファイナルゲーム』などに出演してきた瀬戸利樹が抜擢。娘の結婚相手である低収入のパンクロッカー...加藤諒正論を振りかざすインテリ主婦の義妹...若村麻由美篤子の長年の友人であるサツキ...柴田理恵義妹の夫...石井正則葬儀屋の社員...友近篤子が通うヨガ教室の先生...クリス松村キャバ嬢...高橋メアリージュン娘の結婚相手の両親...佐々木健介、北斗晶経済ジャーナリスト...荻原博子篤子の両親...竜雷太、藤田弓子夫の元同僚...哀川翔サツキの父...毒蝮三太夫区役所委員...三谷幸喜天海祐希コメント主演を務めた天海は、公開されたティザービジュアルについて、「何だか、私の顔面がうるさくてすみません(笑)。映画『老後の資金がありません!』のポスターなんですが......この激しいポスターが、全てを表現してくれてます(笑)。こんなに切羽詰まった主人公なんです。次々起こる困難や悩みにどの様に立ち向かうのか。きっと何かしらは、皆様共感して頂けるのではないかと思います」とコメント。主婦の生きる知恵を詰め込んだ本作は、不安を抱える現代人にヒントを与えてくれるかもしれない。『老後の資金がありません!』あらすじ主婦・後藤篤子は悩んでいた。家計は妻に任せきりの夫・章の給料と篤子がパートで稼いだお金をやりくりして、娘と息子を育て上げた。節約をモットーに、老後の資金をコツコツ貯めてきたはずなのに…親の葬式に 330 万、子供の派手婚に 300 万!そんな中、夫が失職!と次々とお金の災難が襲い掛かる!なんとかしてやりくりするものの篤子の努力はむなしく出費はかさむばかり。いよいよ姑・芳乃への仕送りさえ捻出できなくなった篤子は、義理の姉夫婦との話し合いの席で、芳乃を引き取ると口走ってしまう。しかし、元・老舗和菓子屋 女将は、超がつくほどの浪費家だった・・・!貯金0円が目の前に迫る!【詳細】映画『老後の資金がありません!』公開日:2021年10月30日(土)出演:天海祐希、草笛光子、松重豊、新川優愛、瀬戸利樹、加藤諒、柴田理恵、石井正則、若村麻由美、友近、クリス松村、高橋メアリージュン、佐々木健介、北斗晶、荻原博子、竜雷太、藤田弓子、哀川翔、 毒蝮三太夫、三谷幸喜原作:垣谷美雨『老後の資金がありません』(中公文庫、2018年)主題歌:氷川きよし「 Happy! 」監督:前田哲配給:東映
2020年03月12日天海祐希、19年ぶりの単独主演映画『老後の資金がありません!』より、天海さん演じる主人公が預金通帳を手に笑い泣く、コミカルなティザービジュアルが到着した。老後の生活への不安を、緻密な取材を基にした具体的な金額と立派な様で実は問題ばかり抱えた親族たちを通して描く26万部突破のベストセラー小説「老後の資金がありません」を、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の前田哲監督が映画化する本作。天海さんが本作で演じているのは、どこにでもいるような普通の主婦・後藤篤子。子育ても落ち着き、老後は安泰のはずだったが、娘の派手婚、舅の葬式、夫婦揃って失職など、お金はどんどん出ていくばかり…。そんな老後の資金問題に直面した篤子。到着したティザービジュアルでは、「2000万円なんてとてもじゃない!」とばかりに通帳残高に大ショックを受ける瞬間が切り取られている。そんな今回のビジュアルについて天海さんは「何だか、私の顔面がうるさくてすみません(笑)映画『老後の資金がありません!』のポスターなんですが...この激しいポスターが、全てを表現してくれてます(笑)」とまさにこのビジュアルに集約されていると言い、「このポスターが貼られ出したら街を歩けるのか。楽しみで幸せでありつつも少々の恐怖を感じております。(笑)」と少し複雑な心境も明かしている。また「こんなに切羽詰まった主人公なんです」「次々起こる困難や悩みにどの様に立ち向かうのか。きっと何かしらは、皆様共感して頂けるのではないかと思います」と作品へ自信をのぞかせている。『老後の資金がありません!』は9月18日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:老後の資金がありません! 2020年9月18日より全国にて公開©2020映画『老後の資金がありません!』製作委員会
2020年03月04日今回は老後破綻という事をテーマに解説していきます。メディア等でたまに聞く言葉で、高齢者による破産が増えていっていますが、どんな実態なんでしょう。もし自分が老後を迎えた時に貧困な生活を送っている事は考えたくないですが、今頑張っておかなければ、家賃や生活費が払えないかもしれません。今の話題を自分に置き換えてみて考えて頂きたいテーマです。年金生活者の実態は?内閣府発表の資料ですが、調査は総務省が行っています。60歳以上の貯蓄の割合をグラフにしたもので、平均額は2,396万円となっているようです。4,000万円以上の貯蓄を持っている割合も高く、資料を拝見すると老後破産ってあり得るのか?と疑ってしまいますね。十分な老後資金があっても破産する事は考えられるここまでは必要な平均的な支出、収入、貯蓄に関して解説してきました。現在の高齢者の実態がイメージできたのではないかと思います。先程の解説にもありましたが、4,000万円以上もの資産を保有している割合は非常に高く、返って余裕のある生活が出来ると考えられますよね。しかし、実際に老後破綻する方の中には高額な資産を持っている方も含まれていたりします。次にその事例をご紹介していきたいと思います。[adsense_middle]現実に起こった実例:Aさんの話ここからは実際に起きた事例を元にお話しします。もしも皆さんがこの方達の立場だったらどうしますか?読みながら考えてみてください。Aさんは大手の会社に勤続し、60歳で定年を迎えました。退職金も1,000万円ほどあり、子供もみんな結婚し巣立っていきました。定年後にご夫婦で生活をするにあたって、新居を現金で購入する事にしました。立地は良く、スーパーや病院も近いので年を重ねても問題無いと判断したようです。程なくして、Aさんの奥さんが認知症を発症し、自宅での介護が始まりました。しかし、一人で介護するとなると大変です。そこで、老人ホームを検討しましたが、費用の安い施設は順番待ちの状態となっており、いつ入所できるか分かりません。同時にAさんも通院が必要な病気になり、待つことに限界が近づいてきました。子供に相談しようにも他県へ移っており、孫も小学校、中学校と転校したくない様子。家族の支援を諦め、高額な介護付きマンションへの入居を決断しました。入居するにあたり一時金で2,000万以上の費用負担が発生。これまで住んでいたマンションを売却するも思っていた以上に低い価格で売れ、蓄えと合算して何とか入居する事ができましたが、この時点で貯蓄は底をつきました。奥様の体調は日々進行する一方で、生活にかかる費用だけでも月に20万円ほどかかると。とくにおむつ代等消耗品費がかさみ、予想していた資金繰りがうまくいかない事に気づきました。この段階で誰かに相談でもしていれば良かったのですが、子供を頼れないAさんは遂に消費者金融から軽い気持ちでお金を借りる事になります。気づけば借り続け借金は膨れ、返済出来ずに破産宣告といった事例です。破産の原因破産するまでの経緯ですが、少し辛口な解説になります。これまでの生活が続くと思い込んで、60歳以降の健康不良を考えて無かった点は少々甘い様に思います。確かに結果論ですので、仕方ないと思う事もあるでしょう。しかし、お金が手元に多く残っているとこれ位大丈夫だろうと、つい自分に甘くなるのが人間です。想定が甘くなった原因でもあります。子供などの近親者を頼る事が出来なかった事も原因の一つでしょう。現在は核家族化が進み、老々介護という言葉があるくらいです。そして最後にキャッシングをしてしまった事です。私もかつては金融機関に勤務していました。その時に借りる方を数多く見てきました。一度借りると、10万円でも返済は大変なんです。そして借りる癖がついてしまい、「借りれば凌げる」という思考になってきます。この思考って物凄く大変で、我慢する事などで抑制しますが、脳内の事ですので、ついつい甘くなってしまうんです。その結果借金が膨らみ返済不能に陥ってしまったという事です。現実に起こった実例:Bさんの話Bさんは自営業を継ぐ2代目として家業を切り盛りしていました。次に継ぐ方もいない為、自分の代で終わるだろうと考えていました。また自宅も代々住んできた自宅で、ご両親と同居していましたが、ご両親は他界。お墓などを守る事で供養を続ける律儀な性格のBさんです。子供も巣立ちましたが、ある日、子供が離婚し帰省する事に。子供は親権も相手方に取られ、住宅なども渡す格好で帰ってくる事になりました。子供も離婚がショックなのかふさぎ込んでしまい、結果引きこもりの生活を送る事になりました。こうなると子供の生活費の面倒まで見なければなりません。しかし、高齢のBさんは体に異変を感じており、商売をそろそろ辞めようと考えていた矢先の事です。遂にBさんの体も限界に達し、入院する事になりました。幸いにして命に別状はありませんが、もう仕事が出来る体ではありません。これまで自営業としてやってきたので、国民年金だけでの生活になり、日々の生活費は限られ、節約に節約を重ねる日々になったそうです。住宅も傷んでおり、改修も出来ず、子供の復調の様子も無く、毎日が辛い日々になったそうです。Bさんの原因Bさんの場合蓄えを十分に出来なかった事、子供の帰省が重なってしまった事が原因です。商売という事ですので、退職時期は自分で決められます。しかし、体調を崩してしまったので、収入源である商売は行う事が出来ず、という事が原因でしょう。この時、キャッシングにまでは手を出す事はありませんでしたが、固定資産税の支払い、お墓の維持費等の負担がかさんでいたそうです。加えて医療費等も発生するので、一気に目の前が暗くなったと仰っていました。AさんBさんとお二人の事例をお話しましたが、皆さんならどうしますか?とはいえ、事が起きてからの対策と事が起きる前の対策とでは違ってきますね。老後破綻しないための対策は?では老後破産しない為に何をするべきなのか解説します。対策のお話をする前に、こんな方が破産し易いですという解説を挟みます。[adsense_middle]破産しやすい方は次の様な方どんぶり勘定な方借り癖のある方健康に気を付けていない方貯蓄出来ない方物事を自分で解決しようとする方上記のような方は老後破綻し易いかもしれませんので注意しておきましょう。それぞれの理由を解説しますと、どんぶり勘定は論外でしょう。沢山お金を持っている場合は勘定が緩くなってしまうので、シビアになるべきです。借金などの借り癖のある方は癖を治すのは非常に大変です。健康に気を付けていない方も注意が必要です。病気は選ぶ事は出来ません。そして、いつどんな病気になるか分かりません。風邪の様に2~3日で治れば良いですが、毎日、毎月の通院が必要な病気であれば医療費が膨れるでしょう。予防出来る事はしっかりと予防したいですね。貯蓄できていない方はまず家計から見直しましょう。無駄な費用を削りしっかりと貯蓄出来る体力を作る事が先決です。最後に物事を自分で解決しようとする方は、誰にも相談できない性格かもしれません。相談する事で解決出来る事だって沢山ありますので、抱え込まない様にしてもらいたいです。老後への対策最後に老後への対策となりますが、やはりお金を準備する事が大きな要素である事は間違いありません。お金には魔力もあり、魅力もあります。使う人によってはいい方向へ向かったり、最悪な結果を生むこともあります。まずはお金を貯めるに当たって、しっかりと計画を立てる事は重要ですし、使う際にも計画は必要です。おすすめの貯め方としては今の時代であれば投資信託を活用する事でしょう。もちろんその他に預金や、保険でリスクを分散させる事も大事です。なぜ投資信託がおすすめなのか次に理由を解説します。投資信託の特徴投資信託は一言で言えばほったらかしで良い積立のようなものです。運用商品ですが、運用はプロが行ってくれます。毎日の株価や円相場を気にする必要が無いのもおすすめの理由の一つです。また50代の方でも始める事は可能です。時間を要する商品ですが、長期に渡って運用する事が出来れば、結果は必ずついてくるでしょう。利回りも平均すると最低でも2%~、高い利回りだと8%前後もあり得ます。金利の力を借りてお金に働いてもらう事で、毎月の積立負担を軽減できると共に複利の効果で増やせる力があるからです。老後破綻に関するまとめ今回は老後破綻をテーマに解説しましたが、破産する方は、予期せぬ出来事やどんぶり勘定が原因の場合が多く見受けられます。回避するためには、しっかりとお金の使い道を考えておく事、しっかりとお金の準備をしておく事は非常に重要です。この記事を通じて老後に備える方が1人でも増えれば幸いです。
2020年01月28日今回の記事は少しテーマが重ためです。老後の生活を想像した時にお金は非常に重要な要素となりますが、実際のところはどうなんでしょう。ご自身が高齢者になり暮らす際、イメージは付きますか?実感こそ湧く事が無いかもしれませんね。そこで、今回は老後の生活について現状をお伝えする事、そして、もしもの際の生活保護に関して解説していきたいと思います。年金暮らしの実態を解説このグラフは平成29年度に内閣府が作成した高齢者白書より引用した資料になります。60歳以上世帯の貯蓄平均額は2,396万円となっており、4,000万円以上の蓄えを保有している方は18.2%を占めている事が分かります。これだけの蓄えがあれば老後の生活は安心だと言えそうですが、対照的に、60歳以上で100万円未満の貯蓄額の割合が8%いらっしゃる事も分かりました。全ては貯蓄、定期預金、保険、投資信託、株等を含んでおり、準備している世帯や準備が困難な世帯等様々です。これから先の時代はこのグラフがどの様な推移になるのか興味があると共に、しっかりと将来を考えなければならないという事が伝わりますね。生活保護の受給条件を解説しますそれではここから、セーフティネットでもある生活保護に関して解説していきたいと思います。まずは受給する為の条件から解説していきます。生活保護は「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限の生活を保障し、その自立を助長する制度です」となっています。憲法で保障されている事を忠実に守る為の制度で、「資産や能力」とありますが、この点が受給条件に絡んできますので詳しく見ていきましょう。[adsense_middle]資産や能力の活用とは?その他の要件も解説生活保護を受給する要件に資産や能力の活用とありますが、具体的に解説すると次の様になります。資産の活用とは、お手持ちの預貯金があればそれを活用して下さい。土地・家屋を所有しているのであれば売却して生活に充てて下さいという事になります。能力の活用とは、仕事が出来る健康な体があるのであれば、仕事に就いて稼いで下さいという事になります。他にはこんな要件もあります。あらゆるものの活用とありますが、年金や手当等他の制度で給付金を受け取る事が出来るのであればそちらを優先的に利用して下さいという事です。そしてこの様な要件もあります。扶養義務者の扶養とあり、親族などから援助を受ける事が出来るのであれば、援助を受けて下さいという事です。お分かりの様に、生活保護は税金から支払われる事になります。そして生活保護は本当の意味で最終手段になりますので、預貯金の有無や資産保有の有無、また負債の有無、親族への調査、健康状態の確認や就業の可否を判断するために役所から調査が入る事になります。決して誰でも簡単に請求できるものでは無いという事を知っておきましょう。持ち家を所有している方は生活保護を受けられない!?先程資産の活用について解説しましたが、原則として持ち家を所有している方の生活保護は認められません。まして、住宅ローンを抱えている場合は難しいでしょう。理由として税金からの支払いであり、国からの補助になります。国から補助を受けて住宅ローンを支払うという事になりますので、このケースではまず認められません。しかし、所有している自宅の資産価値にもよりますが、売却しても値が付かない等の場合は例外として認められる場合もありますので、一度自宅の資産価値を確認しておく事も大事です。その他資産価値のあるものは処分?他にもマイカー等所有している場合は売却を勧められます。もちろん価格にもよりますし、車が無ければ、特別に困難な事由等あれば認められる事もあります。また預貯金など、多くの資産を保有している場合は認められません。この場合市区町村によって最低生活費という金額が設定されています。この生活費を賄う為の水準に達しているかいないか等が調査されますので、隠す事など無いようにしておいて下さい。高齢者の生活保護受給率は?生活保護は高齢者だけに限った保障ではありません。中には病気などで、仕事をする事が困難な方や母子家庭等も該当します。しかし高齢者での受給割合は全体の半数を超えており、年々増加の傾向にあるようです。年金だけでは生活できず、また病気、ケガが原因で働きたくても働けない等の状況があるからです。もちろん年金と言っても、生活できる水準以下の年金額では生活を維持する事が困難な為、受給世帯が増加しているものと思われます。先々生活保護受給が増えるかもしれない理由についてここからは私の私見を述べますので、参考にして頂ければと思います。私の考えではこれから先々生活保護を受ける割合は増えるのではないかと予想しています。理由として、現在国民年金の免除者や未納者が増加している事が一つの要因ではないかと思っています。つまり受給資格を満たす事が出来ず、満額受給に届かない事で、老後の生活水準を割り込んでしまう事も考えられるからです。実際に納付している割合は国民年金加入者の51%になっており、残りの未加入、免除者は49%にも上ります。将来の年金を悲観し、支払わないといった理由もあるようですが、支払えるうちはしっかりと納めたいですね。老後の生活保護に関するまとめ今回は老後の生活に関して、生活保護というテーマを絡めて解説しました。生活保護は最後の砦でもありますが、それ以上に生活する上で制約がかかる事があります。余裕ある老後を迎える為に、今から出来る事や改善できる事を見つめ直したいですね。
2020年01月26日老後の不安は尽きませんが、今回のテーマは「いくらあったら大丈夫」という事で解説していきたいと思います。極論を言うと、お金が潤沢にあれば老後困る事も無いですし、対策する必要はありません。しかし、宝くじが当たるほどの金額を準備している方は少ないのも現実です。老後の備えとしてどれくらいの貯蓄を目安にすればいいのか、また老後資金を確保するための方法も解説しますので、お付き合い下さい。老後必要な金額はいくらなのか?はじめに、老後に必要な金額について解説していきます。金額と言っても、昨年国が2,000万円は必要ですと回答した事が波紋を呼びましたね。本当に2,000万円あれば大丈夫なんでしょうか?もっと少ない金額だと貯める方も助かりますよね。早速必要な金額を算出していきましょう。老後の平均的な生活費を解説しますまず老後の平均的な生活費から解説すると、総務省の調査では毎月236,000円が平均的な生活費であるという結果が出ています。この金額は65歳の男性、60歳の女性で共に仕事をしていない場合の必要生活費です。あくまでも平均という言葉を使用していますので、元々所得の高い世帯は生活水準も高い為、平均値よりも高くなる事が予想されます。またこの金額がいつまで続くのかという点において、日本の平均寿命から考えても、夫婦共に80歳を超えるまでは続く事も予想できるでしょう。平均値から考えると年間2,832,000円の金額が最低限必要な生活費であるという事が分かります。また単身者の場合は1ヶ月当たり約150,000円となっているようです。いくらあれば安心?夫婦で過ごす、ゆとりある生活費はいくら?先程の平均値の話は、実際に生活していらっしゃる方々のリアルな金額でもあります。では余裕だと感じる事の出来る毎月の生活費っていくらなんでしょうか?ここでは生命保険文化センターが調査した結果を元にお話ししますが、夫婦でゆとりある生活費として361,000円があればという回答が出ています。もちろんご家庭によっては金額の差異があるでしょう。このアンケートで次に回答が多かったのは、月500,000円以上と答えた割合でした。確かに毎月50万円あれば悠々自適に暮らす事はできそうです。老後のゆとり資金はどんな事に使う?先程解説のゆとりある生活費ですが、使い道についてアンケートを行ったところ、旅行やレジャーに行きたいと回答した方が最も多かったです。次に趣味や教養、生活費の充実に充てたい、身内との付き合い、車両等の買い替えに充てたい、子供やお孫さんへの資金援助に使いたいと続きます。アンケート結果から分かる事は、老後に入ると、時間に余裕が出てきます。それもそのはずです。これまで一日の殆どを仕事で過ごしていましたが、その仕事が明日から無くなるので、何をしたら良いのか、どう過ごしたいのかという事も悩みの一つになってくるようです。これまで中々行けなかった旅行が一番に来るのも頷けますね。受給額を知る前にもっと重要な事次に受け取る年金の金額について解説します。この年金受給額が減る、少ないかもしれない、少なくなるだろうという事が大きな不安材料になっていると思います。この受け取れる年金の金額が判明しなければ、いくらを目標に貯めれば良いのかゴール設定が出来なくなりますよね。私が提唱している事は、実は受給額も大事ですが、それ以上にゴール設定とスタートラインの設定は非常に重要なんです。[adsense_middle]ゴール設定と早めのスタートの重要さこのゴール設定は非常に重要な部分になります。マラソンで考えてみましょう。フルマラソンやハーフマラソン、5キロ、10キロマラソンとそれどれ距離が決まっていて、必ずゴールが設置されています。貯金や資産運用も同じで、どこを目標にすれば良いのかという事を設定しなければ、ゴールの無いマラソンを延々と走らされるようなものです。考えてみただけでも想像を絶します・・・。しっかりとゴール設定する事は重要な訳です。そしてもう一つ。スタートはなるべく早めに切る事が重要です。現在では定年退職が65歳という会社も増えてきました。しかし中には60歳定年という会社も存在します。つまり、お給料を貰って稼ぐ事が出来る期間中に貯め始めなければ、年金を受け取る頃には間に合いません。例えばですが、60歳定年の会社に勤務しているとします。50代の方は貯める事が出来る期間は10年未満です。仮に老後2,000万円必要だとするならば、単純に1年間で200万円を貯め続けなければ60歳定年まで間に合いません。この会社に勤めながら、40代でスタートを切るのか30代でスタートを切るのかでは使える「時間」が大きく異なり、負担も違ってきます。なぜそこまで重要なのか?これは私の仕事で感じる部分が往々にしてあるからです。私もクライアントさんを抱えて仕事をしていますが、老後資金の相談に来る方も多くいらっしゃいます。必要な金額を計算し、早めのスタートを促しますが、一向に一歩目が出ない方が非常に多いです。これ実は情報過多の時代にいる為、A案、B案、C案と様々な情報収集や相談を行った結果、どれで始めれば良いのか迷ってしまう事に他なりません。ネットでは情報が溢れ、相談所も乱立しています。情報収集する事は決して悪い事ではありませんが、迷う事が無いように、決断する力を持っておきましょう。でなければいつまで経ってもスタートは切れず仕舞いになってしまいます。平均受給額について解説します話が少し横道に逸れましたが、スタート、ゴールの重要性は分かって頂けたかと思います。では今の高齢者がどれくらい年金を受給しているのかという事について解説します。国民年金と厚生年金で金額は異なる前回解説した記事に国民年金と厚生年金の事が詳しく書いてあります。是非そちらも読んで頂ければと思いますが、ここでも改めて受給額の違いを解説します。人によっては個人事業をやっている方、サラリーマンをやっている方と、違いはあります。国民年金は1階部分で、厚生年金は国民年金に更に上乗せできる部分となりますので、サラリーマンの方の方が年金受給額は多くなる事になります。国民年金はいくらもらえる?ご存知の様に個人事業主が加入する国民年金は年間約78万円(一人分)の受給額となっており、1ヶ月あたり、65,000円になります。しかし、厚生労働省が発表している平均受給額は1ヶ月55,000円との回答があり、満額受給できていない事が分かりました。そもそも年金制度は20歳から60歳までの間に納める制度ですが、未納期間や支払った期間(これを受給資格期間と言います)が不足している事も考えられます。いずれにせよ年金額が少ない事は分かっていますので、個人事業主でやっていくなら早めのスタートは肝心ですね。厚生年金はいくらもらえる?厚生年金に関しては受け取っているお給料水準によって異なります。一概に言えない為、ここでは平均受給額として解説します。厚生年金を受け取っている方の平均受給額が1ヶ月約145,000円(一人分)となっている様です。年収や受給資格期間によって差はありますので、あくまでも平均値として参照しておいて下さい。また男女別でも平均額が異なり、男性の平均は1ヶ月約166,000円、女性は1ヶ月約104,000円という回答が得られています。男女で差が出る要因としては、女性は出産、育児と子育てに専念する事が多く会社を退職し専業主婦になる事もあります。その場合受給資格期間が少なくなる事もある為、この様に差が発生する事になる訳です。理想的な貯金額はいくら?ここまでに受け取る金額と、出ていく金額を解説しました。では平均値を使用して差額を計算していきます。[adsense_middle]平均値を使用した差額の計算試算の条件計算するにあたり、以下の条件で試算します。老後のスタートは65歳から。平均寿命を用い男性81歳、女性87歳で計算。必要生活費は前述の平均値を使う。また離別後の6年間は平均値の8割で試算する事とする。受給額に関しては男女別の平均値で試算する。尚離別時の遺族年金は考慮しないものとして試算する。必要生活費必要生活費は次の計算式となります。夫婦で生活時236,000円×12カ月×(81歳-65歳)=45,312,000円離別後236,000×0.8×12カ月×(87歳-81歳)=13,593,600円合計58,905,600円(以下①とする)ゆとりある生活費ゆとりある生活費については次の通りです。夫婦で生活時361,000円×12カ月×(81歳-65歳)=69,312,000円離別後361,000×0.8×12カ月×(87歳-81歳)=20,793,600円合計90,105,600円(以下②とする)受給額(夫婦共に国民年金の場合)次に受給額について計算します。夫婦共に国民年金の場合は次の通りです。夫婦で生活時55,000円×2人×12カ月×(81歳-65歳)=21,120,000円離別時55,000円×12カ月×(87歳-81歳)=3,960,000円合計25,080,000円(以下③とする)厚生年金厚生年金の場合は次の通りです。男性166,000円×12カ月×(81歳-65歳)=31,872,000円女性104,000円×12カ月×(87歳-65歳)=27,456,000円合計59,328,000円(以下④とする)差額を計算では差額を出します。まず最低限必要な生活費から解説します。最低限必要な生活費国民年金の場合①-③=32,126,400円不足厚生年金の場合①-④=422,400円の余裕が発生ゆとりある生活の場合国民年金の場合②-③=65,025,600円不足厚生年金の場合②-④=30,777,600円不足上記のような試算結果になりました。平均値から算出すると、最低限の生活に関しては辛うじて厚生年金受給者がプラスとなりますが、決して余裕があるとは言い難いでしょう。また国民年金の場合差額が大きくなっており、何も対策を打たなければかなり厳しい老後生活になる事が予想されます。何度も言いますが、あくまでも平均値を使った試算ですので、皆さんに必ず当てはまるものではありません。しかし、目安となる金額は判明したのではないでしょうか。これは私の独断ですが、理想的な老後資金を確保するためには積立できるギリギリの範囲で2,000万円が妥当なラインだと考えます。老後資金対策のおすすめは何?この2,000万円を貯める場合、いつから始めるかによって、また貯める手段によって毎月の負担が変わってきます。65歳までに2,000万円とするなら、30歳から始めたとして35年間の積立期間はあります。その場合金利ゼロの商品なら毎月47,619円でゴール到達です。金融商品を変えて投資信託等の商品で運用し、年利4%であれば毎月の負担は約23,000円で済みます。この様にゴールとスタートが分かったら、選ぶ商品によって結果が変わりますので、商品選びも吟味してリスクを恐れずやる事も必要です。老後の貯蓄に関するまとめ今回は老後資金確保について解説しました。結果を見る限り大きな金額を準備しておかなければならない事がお分かり頂けたかと思います。いつから始めるのかは皆さん次第です。また平均値のシミュレーションよりも、リアルな自分の生活費と年金受給額を分かった上で試算するとより明確になりますので、お時間を作って計算してみてはいかがでしょうか。
2020年01月25日人生100年時代。これから迎える長い老後に、独り身ならなおのこと「お金はもつのか」と不安に思う人も多い。そんななか、老後の安心を得ようと結婚相談所に駆け込む50代女性が増えてきているというーー。「50代以上の会員数は’06年に4,700人でしたが、’19年には1万3,000人と約3倍に増えました。女性の会員数も同じく2,100人から5,900人に増加しています」こう語るのは、中高年専門結婚相談所「アイシニア」代表の池田淳一さんだ。今、さまざまな結婚相談所で50代以上の会員数が増えている。創業60年の中高年専門の結婚相談所「茜会」では10年間で会員数が3,000人から4,000人に増加。業界大手の「ツヴァイ」でも、女性会員数に占める50代以上の割合が’08年の3.6%から’18年に11.3%と約3倍になったという。「以前は躊躇しながら相談所に訪れる人も多かったのですが、今は多くのお客様が気軽に説明会や見学パーティに参加されるようになりました」(茜会・広報担当)さらに、注目したいのは結婚したい理由。「’18年に行った結婚意識調査では、50代女性で最も多かったのが、同率で『経済的に安定したい』『老後の安心を得たい』だったんです」(ツヴァイ・広報担当)■50代【結婚したいと思った理由トップ5】(1)経済的に安定したいから……66.7%(1)老後の安心を得たいから……66.7%(3)好きな人と暮らしたいから……54.7%(4)人生・生活を変えたいから……46.7%(5)寂しさから解放されたいから……29.3%■20代【結婚したいと思った理由トップ3】(1)自分の家族を持ちたいから……62.1%(2)子どもが欲しいから……58.3%(3)好きな人と暮らしたいから……55.0%■年代別結婚相手に「収入」を求める人の割合20代……43.1%30代……45.7%40代……54.9%50代……53.3%結婚相手に求めることも年齢層が上がるごとに「収入」を挙げる人の割合は増える。50代女性では「性格・人柄」と「相性」の次に「収入」を条件にする人が多い。経済的な安定を求めて増える50代の結婚相談。池田さんはその理由を次のように話す。「男性に比べて女性は、低賃金で収入が安定しにくい非正規雇用に就いている人が多いので、収入面で老後への不安を抱えやすい。それに、今は人生100年時代。50代はまだ折り返し地点で、『残りの人生をより豊かにしたい』『独りでは寂しい』と思う人が増えているのも理由でしょう」では、実際に50代で新たなパートナーを見つけるのはどんな人たちなのか。池田さんに、今まで見守ってきた方のお話を聞いた。■パート勤務で認知症の父も抱えていたけどーー「お義父さんも一緒に支えます」とプロポーズが「離婚の経験がある55歳のA子さんは、子どもがおらず、ずっとパートで働いていたため収入面に不安を抱えていました。なおかつ、認知症の父親の介護もあって、精神的にも疲弊していたようです」そこで、A子さんは経済面と精神面の両方を支えてくれる人を探そうと、アイシニアへ入会。「1年間で約20人の男性とお見合いをされていました。通常、お見合いのペースは平均月1回なので、とても積極的に活動されていましたね」こうした努力の結果、A子さんは会計事務所を経営する70代男性と出会った。「2人とも趣味が旅行で同じだったこともあり、交際に発展。男性は頼りがいのある人で『お義父さんも含めてあなたを支えます』と、A子さんにプロポーズしました。一方で、A子さんに恋愛感情はまったくなかった。でも、男性は彼女が抱える問題に真摯に向き合っていて、どんなことでも話し合える『人として信頼できる』ことが決め手だったようです」こうして入会から1年後、A子さんは、経済面と精神面の両方を支えてくれる年上の男性と、新たな人生を歩み始めた。池田さんは50代も結婚のチャンスはあると話してくれた。「訪れる人は10人中10人が『自分の年齢でも大丈夫ですか』と質問されますが、当社では4割の人がパートナーを見つけて退会されています。もし、結婚のお気持ちがあるようでしたら、勇気を出して一歩踏み出してみてください」「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月25日多くの皆さんが迎える事になる老後。その老後が今問題になっています。どんな問題なのかと言うと、お金の問題です。私も25年後には65歳を超え働いているのか、それともセカンドライフに入っているのか想像できません。今回は老後のお金について必要な知識や目安などを解説していきます。年金はいくらもらえるの?平均的な支給額を解説します老後に備える為には、自分たちがどれ位の年金をもらえるのか、ある程度知っておく必要があります。まずはどれ位受給できるのか等解説しておきます。国民年金と厚生年金の違いでは国民年金と厚生年金の違いから解説しておきます。この年金の違いにより受給額が大きく異なってきます。概要として、厚生年金はサラリーマン等が加入する年金制度となっており、国民年金は個人事業主が加入する制度になっています。それぞれの違いについて次に詳しく触れていきますね。国民年金について国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の方全て加入する事になっている年金制度の事です。一般的に個人事業主、農業、漁業等に従事している方が対象となります。国民年金を自ら加入し、保険料を自ら納めている方を「第1号被保険者」と呼びます。また様々な説明の中で言われています、年金の1階部分が国民年金に該当しますので、憶えておいて下さいね。厚生年金について厚生年金は会社勤めのサラリーマンや公務員が対象となっており、「第2号被保険者」と呼ばれています。国民年金部分の支払いは直接行う事は無く年金の2階部分に該当します。日本全国を見渡した時に、国民年金の加入者が約1,600万人(平成29年度)に対し、厚生年金は約4,300万人(平成29年度)となっています。厚生年金保険料を納める事で、国民年金部分+厚生年金部分の年金額を受給する事ができるので、一般的にはサラリーマンである方が年金部分は手厚くなると言われています。また厚生年金で配偶者の方に扶養されている方は「第3号被保険者」と呼ばれており、直接年金保険料を納付する事はありません。年金は何階建てまであるの?先程の解説で1階、2階と例えましたが、年金は他の制度も含めると3階建てまでとなります。改めて整理すると、1階部分は国民誰でも受け取れる基礎年金部分(国民年金)となります。2階に関しては、サラリーマン・公務員が対象になりますが、上乗せ部分(厚生年金)となり、3階に関しては、企業年金や確定拠出年金等の分野が該当しますので、3階建て部分をする・しないは会社によっても異なりますし、個人の意思によっても異なります。また個人事業主など国民年金に上乗せする場合の付加年金や国民年金基金等は2階部分に相当します。目視で整理するため図解したものが次の図になります。2階建て、3階建て部分を補足しておきます図で見る限り、2号被保険者が手厚い年金である事が言えます。また1号、3号被保険者は自分で上乗せ部分を作る、若しくは過去に2号被保険者として勤務があればその期間分上乗せされます。ここでは付加年金、国民年金基金、厚生年金基金などについて解説しておきますので、知識としてもそうですし、年金の補てんとして考えておいて下さい。付加年金2階建て部分の付加年金ですが、第1号被保険者と任意加入保険者が付加年金に加入する事が可能です。任意加入被保険者について解説を挟んでおきますね。任意加入被保険者とは、国民年金を受給するための受給資格期間を満たしていない場合などの理由で、60歳を超えても資格を満たす為に加入する方を言います。この付加年金は国民年金の保険料に追加して月額400円を支払う事で将来の年金額を増額させる事が可能になります。追加する事によって、200円×納付月数分の金額が年金に毎年加算される為、お得な制度だと言えます。計算例として20歳から60歳まで付加保険料を支払ったとすると、400円×12カ月×40年間=192,000円支払う事になります。では受取は200円×12カ月×40年間=96,000円が1年間の年金に加算され、受給し続ける限り96,000円を受け取れますので、計算上は2年間で元が取れる仕組みです。国民年金基金国民年金基金に関しては、付加年金同様に第1号被保険者のみ対象となっている制度で、将来の年金額を増やす為の仕組みです。少々複雑な為、ざっくり解説しますが、付加年金と併用する事はできませんので、加入するのであればどちらかになります。毎月の掛け金の上限は68,000円までと決まっており、もしiDeCoと併用するのであれば、68,000円以内に掛け金を抑える必要がありますので、注意して下さい。加入のプランが複数ある為、ご自身の受け取りたい方法を検討して加入する必要があります。厚生年金基金次に厚生年金基金です。厚生年金と言葉が似ていますが、実際は異なり、次の様になります。厚生年金は公的年金制度であり、国が運用する制度です。厚生年金基金は私的年金制度で、企業年金に分類されます。つまり、厚生年金基金は導入している会社かそうでないかという事で加入の可否が決まります。また対象者は第2号被保険者となり、将来の年金受給額を増やすための制度です。現在(令和元年9月現在)では基金自体8社となっており、ほとんどの基金が解散し確定拠出年金に移行しています。確定拠出年金確定拠出年金は3階建て部分に該当し、最近では個人版確定拠出年金としてiDeCoが登場しました。これまでは企業版確定拠出年金しか無く、また導入している企業に勤務していなければ加入する事はできませんでした。しかし、2017年1月より、導入企業以外でも加入できる個人版確定拠出年金としてiDeCoがスタートしました。これにより第1号被保険者、第3号被保険者も3階建て部分に着手する事が出来る様になり、税制面のメリットを受けながら資産運用する商品で年金を増やす事が可能になり、現在では加入者が増加しています。一般的な受給額を解説しますここまでは国民年金と厚生年金の仕組みについて概要を解説しました。では実際にどれくらい受給できるのかという点に触れていきます。まず国民年金ですが、40年間しっかり保険料を支払ったとして満額受給できる金額は年間77万9,300円となっており、1月あたり65,000円となります。しかし、厚生労働省発表の平均受給額は55,000円となっているようです。では次に厚生年金ですが、こちらは年収によって様々ですので、厚生労働省発表の平均受給額で解説しますと1月約145,000円となっているようです。毎月の受給金額の平均をご覧になってどの様に感じましたか?老後資金として十分なのか、足りないのか、恐らく判別はついていると思います。私は「足りない」と感じますし、危機感さえ覚えます。夫婦で受給した場合は?では夫婦で受給した場合はどうでしょう?先程の平均を用いると共に国民年金であれば1ヶ月11万円となり、共に厚生年金であれば1ヶ月29万円になります。比較してもこの金額差は大きく、特に個人事業主の方は早めに年金の対策を打っておくべきだと言えます。それともう1点お伝えしたい事は、皆さんの寿命が年々伸びている事です。日本は世界トップクラスの長寿国です。男性、女性も長生きし、平均でも80歳をかるく超えてきます。このどれだけ生きる事が出来るのかという点がスッポリ抜けてしまっている為、月の受給額に焦点が行きがちになってしまいます。受給金額の総額を計算してみますそれでは先程の平均値を元に、男女の平均寿命から単純に計算してみることにします。最初に平均寿命ですが、小数点以下を切り捨てますので、男性81歳、女性87歳とします。迎える老後は65歳から、以降仕事をしないものとして計算します。そして夫婦同じ年齢でシミュレーションすると次の様になります。[adsense_middle]夫婦共に国民年金の場合男性55,000円×12カ月×(81歳-65歳)=10,560,000円女性55,000円×12カ月×(87歳-65歳)=14,520,000円合計25,080,000円夫婦共に厚生年金の場合男性145,000円×12カ月×(81歳-65歳)=27,840,000円女性145,000円×12カ月×(87歳-65歳)=38,280,000円合計66,120,000円必要な生活費は?入ってくる年金額を平均より割り出しました。次にかかる生活費(支出)を計算してみます。老後平均的な生活費(居住費含む)ですが、生命保険文化センターの調べでは、夫婦で毎月23.8万円が平均支出となっているようです。単身者で14.2万円が平均だそうです。ではこの平均値を元に支出を計算します。夫婦の期間:23.8万円×12カ月×(81歳-65歳)=45,696,000円1人になった期間:14.2万円×12カ月×(87歳-81歳)=10,224,000円合計55,920,000円シミュレーションで気を付けておく事上記の結果を元に改めて解説しますが、あくまでも平均値を元に計算しました。計算した結果、国民年金では生活費と受給額の開きが約3,000万円近くに上ります。厚生年金ではどうでしょう。今回のシミュレーションでは夫婦共に20歳から60歳まで、途切れることなく厚生年金を支払い続けた結果のシミュレーションです。ここで気を付けるべきは計算上は足りていますが、女性は出産、育児などの観点から、退職やパートになる事も考えられます。その場合、厚生年金を納める期間から外れる事になるため、上記のシミュレーション通りの金額に到達するかは分かりません。つまり、少なからずとも、出産、育児の事を想定した上で、何かしら老後に対して対策を打っておくべきであるという事が分かります。やはり年金だけでの生活は厳しい結果でもお分かりの様に、年金だけをアテにした生活は厳しい事が想像できるかと思います。老後を迎えた時点で、取り崩せる資産を形成しておくのか、不労所得が入ってくる仕組みになっているか、または65歳以降も仕事に携わっていくのかを検討しておかなくてはなりません。老後に備える為に有効な手立ては?将来的な老後不安を解消する手立ては自己防衛であり、貯蓄する事が必須だと言えます。その中でも、FPである私が推奨したいのは投資信託での運用です。時間さえかければ投資信託は増やせる確率が上がってきます。以前の記事で解説していますので、そちらを参考にして頂けると良いかと思います。預貯金だけでは運用はままならない為、今の時代は運用をしっかりと考える時なのではないでしょうか。老後の年金に関するまとめ今回は年金で生活できないかもしれないので、お金の基礎について解説しました。細かい点はあるにせよ、今出来る事を始めなければ、来る老後に備える事が出来なくなります。明日からセカンドライフが始まるといった場合に、何の準備も無いまま迎えるのは不安が募った毎日になるでしょう。不安を解消し、活き活きと生活できるようにしたいですね。
2020年01月24日今回は老後の住まいに関して賃貸か持ち家かという事をテーマに解説していきます。老後を迎える時に一つの不安として年金だけで生活できそうにないという事が挙げられます。その時、居住に関する費用負担が重く圧し掛かってくるかもしれませんよね。一体どっちが得なのか?またメリットやデメリットについても解説していきますので、是非最後までお付き合い下さい。高齢者の住まい事情について始めに今の高齢者の持ち家率に関してお話しておきたいと思います。今回は老後の定義として、65歳以上を老後とします。では65歳以上の方が一体どれくらいの割合で持ち家を所有しているのか、また賃貸の割合を解説します。意外と高い持ち家率65歳以上の高齢者世帯は8割もの方が持ち家を所有している事が、厚生労働省の調べで分かっています。2割は賃貸にお住いという事です。そして、単身者の高齢者で持ち家を所有している方は6割となっており、単身世帯の方が割合少ないという結果になっています。また調べてみて判明した事ですが、65歳以上の方がいらっしゃる世帯のうち、3割に当たる居住が1970年以前に建築された建物であるという事が分かりました。今から50年前に建てられたという事になります。持ち家での生活で困っている事は?持ち家を所有している事で、安心して帰る場所がある事は大変良い事だと思います。また慣れ親しんだ土地でもあると思いますので、愛着などもあるでしょう。しかし、先程の調べでは築50年以上もの物件が3割ある事が分かりました。その中で、住宅でのお困りごとについて内閣府がアンケートを取っていますが、一番の困りごとは、住まいのあちこちが古くなり傷んでいるという事でした。いわゆる経年劣化という事ですね。当然ですが、家は日々雨風を凌ぎ、日当たり等も調整してくれます。半面、傷むことは必ずある事でしょう。長年住んでいるのであれば尚更ですね。住宅を購入する時に注意すべき点は?先程は住宅の傷みが気になるという事を解説しましたが、それもそのはずです。購入した時は傷んでもなく、綺麗なままですよね。しかし、購入する際にまだ随分先の老後の事を考えて購入するでしょうか?恐らく購入時には家族構成も異なっているはずです。多くの購入理由に、子供が大きくなり、自分の部屋が欲しい、家が狭くなった等が挙げられます。その子供も自立し家を出ていく事が多いでしょう。すると、大きかった家も気づけば2人での暮らしになります。この様に、買う時にどうしても気づけない点があるという事は知っておいて欲しいですね。また当時は最新の自宅でも時間が経てば、構造や造りが高齢者に向いてない造りになる事もあります。例えは古いですが、随分昔は玄関が土間でしたが、今では土間の自宅を見る機会が激減しました。土間を上がる際の高さは高齢者にとっては大変ですし、かえって危険な場合もありますよね。住宅は持ち家(戸建て)?マンション?賃貸?それぞれの特徴、メリット・デメリットを解説します8割もの方が持ち家を所有している事実がありますが、細分化すると戸建て、マンションに分けられます。また賃貸という選択肢もあります。ここからはそれぞれの住まいの特徴やメリット、デメリットを解説していきたいと思います。[adsense_middle]戸建ての特徴は?まず戸建てから解説します。戸建てはご存知の様に資産になります。不動産として所有する事ができ、また相続として誰かに引き継ぐ事も可能です。そして売買する事や、場合によって人に貸す事も可能です。日本家屋として建築方法は日々進化しており、最近では免震構造や耐火性能を兼ね備えた災害に強い住宅が一般的です。また太陽光等の設備を設置する事により、自宅の電力分の費用を賄う事も可能で、電力を販売する事も可能になってきています。一般的には木造家屋が多く、土地の広さによっては庭を持つこともでき、家庭菜園や広い駐車スペース、知人などを招いてBBQなど行う事も可能です。戸建てのメリットメリットとして、資産になる事、引き継ぐ事が出来る事、販売する事が出来れば大きな換金性がある事です。また2階建てや3階建てといった居住空間を保つことも可能な為、上空に面積を広げる事も可能な点はマンション、賃貸に無いメリットと言えます。またローンさえ払い終われば、支払いとしては毎年の固定資産税・火災保険くらいになりますので、老後を迎える際には、支払いの面を考えても十分にメリットはあると言えそうです。戸建てのデメリットデメリットとしては、首都圏などではまず立てる事が難しく、郊外に建てる事が多い点でしょう。これは地価や建築許可の問題もありますが、一般的には郊外に建てる事が殆どです。そして先程も解説しましたが、建てた時と、先々とでは使い勝手や住まいの広さが変わってくるという事でしょう。子供が自立した場合などを考えると、かえって広くなってしまい、老後2人での生活となれば広さを持て余す事になります。また水回り、屋根、外壁等劣化し易い部分のメンテナンスは発生する事が想定されます。タイミングにもよるでしょうが、高額な費用が発生する事になりますので、別途貯蓄等をしておく必要があります。そして引っ越しがすぐには出来ない点も挙げられます。自動車等と異なり、買い手が見つかるまで時間が掛かりますので、換金性はあるものの、流動性は低い点はデメリットと言えます。老後を想定した場合は広すぎると庭や家の掃除、メンテナンスが徐々に大変になる事を想像しておいて下さいね。マンションの特徴は?次にマンションです。マンションも戸建てと同じく資産になります。特に上空に高く建設されるため、多数の世帯を一ヵ所に集める事ができます。またオートロックや防犯カメラ、管理人等がいるため、防犯性が戸建てよりも高い事が特徴です。特に、駅に近い場所に建設される事が殆どで、公共の交通機関へのアクセス等はし易いのが特徴です。階層が高くなればなるほど、値段も上昇する傾向にあり、相場に関しては住まいの自治体によってピンキリですが、高いもので億を超える物件もあります。間取りは当初より設定されているため、先々の家族構成等を視野に入れておく事が重要です。マンションのメリットマンションのメリットですが、戸建て同様に資産となります。立地はかなり好条件な物件が多いので、販売されるとすぐに売り切れる事もあります。上階になると部屋からの景観は良く、場所によっては夜景等一望できたり、花火大会の花火を見下ろしたりできる物件もありますので、大人も子供も住んでいて楽しめる点はメリットです。また物件の立地が良い事もあり、戸建てよりも高い値段ではありますが、売却すると購入した際よりも高値で売れる事もありますので、その点は戸建てには無いメリットと言えますね。マンションのデメリット続いてデメリットです。マンションの場合、住宅ローンを支払い終えた後には固定資産税・火災保険と戸建てと変わりはありませんが、マンションの修繕積立費、管理費が発生し続けます。これはマンションの外壁や共用部分等の修繕に使われる事になり、築年数が経っている物件は修繕積立費が高くなっていく傾向にあります。また左右上下に人が住んでいますので、騒音などの問題も出てくるでしょう。戸建てと同じですが、すぐに買い手が見つかれば良いですが、売却出来ない場合もあるので流動性は低いと言えます。災害に強そうなマンションですが、免震性能を改ざんしてある物件が発覚した事もありました。また昨年記憶に新しいのは台風19号の被害です。雨、風は問題ありませんでしたが、水害により、タワーマンションのエレベーターが使用できない事態に陥り、復旧までに時間がかかりましたね。特にタワーマンションは人気が高く、高層階は特に人気です。しかし、災害によるエレベーターが使用できないという事で、便利なはずの生活が一変しました。もし老後この高層階に住んでいたら、1階まで階段で降りる事はできますか?こう考えると高層階に入居する場合、老後も住み続けるのかどうなのか考えるべきなのかもしれません。賃貸の特徴は?最後に賃貸物件です。賃貸物件は戸建てタイプもあればマンションタイプ、アパートタイプ、メゾネットタイプ等、様々な形態があります。広さも様々で、一人暮らし用の間取りやファミリータイプ等、物件によっては家具家電まで付いている所もあります。またペットを飼う事も出来る物件も最近では増えており、スマートフォンのアプリには賃貸物件を検索できるものもあります。築年数が短い物件等は入居が早くに決まる事が多く、仕事で転勤等が決まった際には直ぐに引っ越す事も可能なので、戸建て、マンションにはない特徴を持っています。賃貸のメリット賃貸物件のメリットは、引っ越しなど自由に出来る点でしょう。資産では無い為、賃貸契約さえ結べば入居できますし、お気に入りの物件など見つかればすぐに移動できます。また家族構成が変わった場合等にも柔軟に対応できる点はメリットです。4人家族から2人家族になったので、部屋を少なくしたい時は1LDKや2LDKの部屋を探したり、また家賃も安くしたいのであれば、探す事も可能ですので自在性がある事は大きなメリットでしょう。老後を迎える場合、年金生活などで暮らす時には賃貸物件は一役買ってくれるかもしれません。賃貸のデメリットではデメリットはなんでしょう。まず挙げられるのは、住み続ける限り永久に家賃を支払う事です。住宅ローンと違って期間に定めが無いので、家賃と更新料、保証料等を支払い続ける事はデメリットですね。また自在性がある為、近隣の方の入れ替わりが激しい事が想定できます。今までは静かだったのに、今度来た人は騒がしい等、トラブルになる事もあるでしょう。また物件によっては駐車場が1台のみだったりする事も。2台3台と保有している世帯ではそれだけで、別で駐車場を借りなければなりません。入居する際も、敷金、礼金といった初期費用が高額な物件もあります。退去時には返金が無い場合も。そして老後を迎える場合、注意点としてですが、高齢者だけでの契約が出来ない事もあります。理由は高齢になればなるほど、理解力の低下、孤独死等オーナーにとっては避けたい事由が発生するリスクが高まるからです。賃貸は借り手にとっては助かりますが、オーナーの観点から考えると、収益を得る為の物件ですので、事故あり物件にしたくないのが本音ですし、空き部屋も埋めたいでしょう。この事から高齢者単独での契約は出来ない事が多いので、憶えておいて下さいね。家賃とローンはどちらが良いのか?さて物件に関する特徴、それぞれのメリット・デメリットを解説しましたが、ここでお金に関して触れると、家賃を支払うかローンを組むのかという点に行きつきます。一体どちらが老後には良いのでしょう?[adsense_middle]支払額を比較してみましたここで支払いの総額を比較してみたいと思います。ざっくりとした計算ですが、下記の条件で比較してみます。30歳夫婦で65歳定年、平均余命より90歳まで生きると仮定Aパターン:住宅を購入し35年ローンを組む/物件価格4,000万円/金利0.7%/月107,408円の支払い/頭金、ボーナス払い無Bパターン:賃貸に居住し続ける/月の家賃を10万円と設定まずAパターンですが、毎月の返済額を35年間払い続けると、総支払額で45,111,360円になります。この金額には固定資産税は含まれていません。次にBパターンですが、毎月10万円をローン支払いと同じ期間支払い続けると4,200万円となります。賃貸には固定資産税はありません。また更新料は含まれていません。それでは90歳まで計算しますが、ここでは固定資産税、更新料を共に含んで計算してみます。固定資産税は年間15万円とし、更新料は年間1万円とします。Aパターンであれば総額54,111,360円となり、固定資産税だけで900万円になります。Bパターンでは総額72,600,000円となり、住宅を購入するよりも遥かに支払い額が多くなる事が分かります。総額の支払いだけ見れば購入する事が得金額的な損得だけであれば購入する事が得になる事が分かりました。老後の居住費を支払わなくて済む点は大きなメリットです。購入者の意見として、老後の安心の為という事が最も多い回答です。反面、賃貸では老後の支払いが不安であるという回答が多いです。金銭面での不安が募るようであれば、住宅を購入する事を考える必要はあるでしょう。しかし、自由に色んな所で生活したいという考えであれば賃貸でも良いかもしれません。老後の賃貸住まいに関するまとめ今回は老後の住まいについて解説してきましたが、どちらが正しいという事では無く、老後を安心して生活したいのか、どうなのかという点が焦点だと思います。これからも長生きはするでしょう。その時、自分は何歳まで生きるのかという事もシビアに検討し住まいを考えておきましょう。
2020年01月24日今回のテーマは「老後貧困」です。何だか物々しいタイトルですが、老後資金対策を行っていなかった為に、カードローンで凌ぎ、結果借金地獄の様な日々を送る方の話を聞いた事があります。結果返済不能に陥り、破産宣告して老後破産に繋がっていきます。この話は現実に起きている話で、決して他人事ではありません。いつどうなるのか分からないのが人生です。老後お金で困る事が無いように、今から出来る対策を解説していきますので、出来る事から始めていって下さい。「老後不安」の原因と問題点今回のテーマに沿って解説するに当たり、先に原因と問題点についてお話したいと思います。そもそもですが、老後が不安だなと感じる様になったのは、いつ位からでしょう?人によってバラバラではありますが、私はバブル崩壊後からお金に関する問題に気付き始めた様に思います。かつて日本は好景気でした。老後を迎えた高齢者や中高年の方々はバブルの恩恵を知っている方達だと思います。しかし好景気はいつまでも続かず、1990年代にはバブル崩壊となり、一転不景気となり今に至ります。バブル期の金利は今では考えられない程の利率となっており、ゆうちょの10年定期預金で約8%もの金利があったそうです。私はこの金利の高さが原因であると考えています。元本保証&高金利という問題がお金の事を考えなくなった一つの要因ゆうちょで8%という事は、単純計算でも約9年で預入金額が倍になる計算です。しかも日本円ですので、元本は確保されている事になります。今の時代こんな金融商品があったら、皆さん預けますよね。何も不安はありませんよね。不安が無いという事は、お金を増やす方法なんて考えなくて良い訳です。簡単にゆうちょに預けておけば9年間我慢するだけで倍になりますから。この事が一生続くと誰もが思っていたのかもしれませんが、結果今ではどの金融機関でも0.001%の預金金利です。真剣に考えなければならなくなりましたが、これまで元本保証に依存してきたツケが回ってきました。そして金融商品に関する知識が無いので無難な保険に移行する事になるわけです。私はこの金利の高さがこそが安心と思い込み、不安を解消し、別の手を考えなくなった原因だと思います。保険も万能では無い!過去に保険会社も倒産しているバブル期において、金融機関の一角を担う保険会社も利率の高い商品が沢山ありました。今でも保有していらっしゃる方はお宝保険として持っておくべきでしょう。保険は将来の解約金を契約時に約束しますので、ある一定期間保有しておけば、かなりの解約金になるものもありました。しかし、バブルが崩壊すると同時に保険会社に解約が殺到。しかも高利率を謳っていましたが、その利率での運用が厳しくなり、最終的に経営破綻へと繋がります。この高金利が悪い意味で作用してしまったという事ですね。今では各保険会社もそうですが、財務内容等含め健全に運営されているか等厳しいチェックを受けています。今では保険も低利率となり、預けるメリットが殆ど無い状態にまで陥っています。中には商品の販売停止をしている保険会社もある位です。それ位今の時代は円で、元本保証で資産を増やす事が厳しい時代になったという事です。原因と問題点のまとめまず、原因を整理すると、次の様に解説する事ができます。高金利の恩恵に与っていた為、円建て一本で資産分散をしてこなかった情報や知識が無い為、バブル崩壊後も何か新しいものに手出しする事が出来なくなった元本保証への過剰な依存ではこの原因がどんな問題を引き起こすのかというと、次の様に考えられます。私達はお金の勉強をこれまでしてきませんでした。と言うより、する必要が無い時代があったからです。しかも日本はお金の事を話すと嫌がられる文化でもあり、中々誰にも相談出来ない時代だったと思います。また、親や祖父母の世代では資産運用している人はかなり少数だった様に思います。つまり元本保証に依存している事をそのまま子供世代にも伝える為、金融教育の機会が無かったと考えています。この問題を解決しなければ、先々日本は子供の世代が苦しむ事にも繋がってくるのではないかと危惧しています。これが私が考える問題点であり、冒頭の老後破産等に繋がってくると思います。現実的な対策は?では具体的にどんな対策を講じればいいのでしょうかという事になりますが、いきなり「〇〇の株を買え」とか「△△を始めろ」と言われても、行動できませんよね。では今すぐできる事は何があるのかをこれからポイントとして解説していきますので、ぜひ参考にして下さい。尚、今回のポイントに関してはFPである私も実践している事なので、真似事でもいいので始めてみて下さいね。[adsense_middle]貧しい老後を送らない為のポイント①情報取集から始める基本の部分ですが、お金を上手に増やすための情報収集から始めてみましょう。実際に様々な金融商品をチョイスするのは後で構いません。例えばですが、皆さんはご自宅の物件(持ち家や賃貸)を決める時に、いくつか不動産屋や住宅展示場を回りませんか?数ある物件やメーカーから条件の良い場所や値段、広さや快適さを求めて探し回ると思います。お金を増やす事も住まいを探す事も同じ事なんですよね。結果自分に返ってくる事になりますので、真剣になって、場合によって妥協点を見出しながら決めると思います。「分からない、知らない事」を「分かった!知っている」に変えてあげる作業になります。お金の勉強をするツールは雑誌、ネット、セミナー等様々ありますが、勉強方法は人それぞれです。対面で話を聞きたい、会話で学びたいのであればセミナーを受講するのが近道でしょう。先に知識を得たいと思う方は、雑誌やネットで気になるワード検索で調べる事が近道だと思います。このマネタスに掲載されている記事は全てFPが書いています。分かりやすい構成になっていると思いますので、参考になれば幸いです。但し情報収集は一時的に終えるのではなく、絶えず行っておく事が大事だと思います。継続は力なりですね。貧しい老後を送らない為のポイント②お金を貯める癖を付ける次のポイントとしてお金を「貯める癖」を付けましょう。貯める事が得意な方は飛ばして下さい。私もクライアントを抱える仕事をやっていますが、新規クライアントさんで、お金がどうしても貯まらないという方にお会いする事があります。貯まらない理由はいくつかあります。どうしても使ってしまう、収入自体少ない、カードを使う事が多いので支払いが増える等です。ここで私の実例を元に貯まる癖を解説しますので、出来そうであれば実践してみて下さい。私の実例私も新社会人になってお給料を貰う様になってから、中々貯まりませんでした。2年位経過した時にお付き合いした方と話し合って、一緒に毎月積立をするという取り決めを行い、給与口座とは別に定期預金の口座を開設しました。これまでは給与口座一つで管理していましたが、別に貯蓄口座を設け、そこに給料日になったら必ず2万円を通帳に入れる様にしました。そして記帳された通帳を彼女にも見せていました。最初はストレスがありましたが、3カ月も経てば6万円も貯まっているので、貯まる事が嬉しかったのを思い出します。この方法の利点は次の様になります。給与口座と分ける事で「使っていいお金」と「貯めるお金」の住み分けが出来た事記帳する事とその事実を別の人にも見せる事で管理しあう事定期預金なので、引き出す際の手間がかかるので簡単には引き出さない事以上3点です。この様に誰かがいれば管理しあえますが、周りに誰もいない場合は独自でやる必要があります。その場合、親に仕送りのつもりで送金するとか手の届きにくい所にお金を預ける事がポイントになります。3ヶ月も続けば習慣になってきますので、まず出来そうな金額を決めて無理のない範囲で始める事も一つの習慣化でしょう。貧しい老後を送らない為のポイント③収入に見合った割合の金額を貯めるこれは先程の実例にも書いた様に、無理のない範囲という点が一つのポイントになります。もう一つのキーワードとして「貯める」と書きましたが、貯める癖が付いてきたら、いよいよ金融商品の出番です。この点は後程解説しますが、まずは無理のない、続けられる金額にしておく事が大事です。いきなり月5万円や10万円などは、かなり生活に制限をかけなければならない金額になりかねません。友人や会社の方々との付き合い、彼氏、彼女との交際などお金が必要になってくる場面も出てきます。何度も言いますが、無理は禁物です。続ける事が大事であるという事を憶えておいて下さい。そして、収入の何割を貯蓄に回すかという事ですが、最初は1割で構いません。最低1割は貯められる様にしてみて下さいと言った方が正しいかもしれません。いきなりハードルを上げてもきついですし、低いハードルで継続できる事を実証しましょう。これが続けば1.5割、余裕が出来れば2割まで持っていければいいですが、お給料との兼ね合いもありますので、スタートは1割から始めてみて下さい。貧しい老後を送らない為のポイント④自分年金を作ろう貯める癖がついたら、いよいよ自分年金を作っていきましょう。年金は国が面倒をみてくれますが、国をアテにしない自分だけのオリジナル年金です。ポイント①で情報収集した自分の性格に合った金融商品で、ポイント②③で貯めるお金の一部を自分年金に回します。この場合、貯める=元本保証の預金ですが、自分年金は増やす事を意識します。それが保険の個人年金なのか、外貨預金なのか、投資信託なのかは個人の価値観に合う商品が望ましいです。何故なら、先程も言いましたが、続ける事が大事だからです。預金以外の金融商品は短期であればあるほど元本割れを起こします。それでは意味がありませんので、長きに渡って継続できる商品にしておきましょう。参考までに、投資信託ではネット証券を利用すると100円から投資する事も可能です。「やってみたいけど少し怖いな」と言う方は少額でもいいので、触れてみて下さい。増えている実感が湧けばいつでも金額変更する事は可能ですよ。老後貧困に関するまとめ今回は老後貧困にならない為にという事で、貯める方法・増やす方法の初歩に関して解説してきました。やるべき事を早いうちからやっておかなければ、誰も助けてはくれません。国や会社もアテには出来ない時代です。自分の身は自分で守る意識がとても大切ですし、出来ない理由より、出来る理由を探し、少額でもいいので一歩を踏み出してみて下さいね。
2020年01月22日今回は老後に関する調査記事になります。最近では老後不安が様々なメディアで取り上げられていますが、誰もが将来の自分の老後に対して不安を感じているかと思います。しかし、不安を感じてばかりいても何も解決しません。そこで今回の記事は、老後に対して何か準備を始めるに当たって知っておきたいお金の事について調査していきますので、そのモノサシについて共有できればと思います。老後のお金の準備、女性は必須!?いきなり性別で特定してしまって申し訳ありません。もちろん男性も必須なのですが、敢えて女性は「特に」と申し上げたいです。理由は「女性の方が長生きする」からです。これは統計上の話ではありますが、しかし、一つの結果として捉えておくべきだと思います。平均寿命と平均余命の違いここで、一つの資料について解説しておきます。次の表は、厚生労働省のHPより「簡易生命表」という日本人の寿命に関する表をまとめたものです。言葉の違いを先に解説しておきます。平均寿命とは、0歳の生まれたばかりの子供があと何年生きるのかという事を表す言葉です。下記の表では男性で81.25年、女性は87.32年となっています。平均余命とは、ある月例の男女があと何年生きられるかという統計を取り表したものになります。下記の表では60歳の男女であれば、男性は23.84年、女性は29.04年生存するという事になります。この様に自分自身の寿命が分からないので、国の資料を参考にしておおよそ何年位生きる事が出来るのかというモノサシを持っておきましょう。すると女性の方が男性に比べると長生きする事が分かりますよね。ご結婚されているのであれば、最終的にお一人になる可能性が高くなるので女性の方が男性より長生きする分、お金の準備を必要とすると言えそうです。年金はいくらくらい受け取れる?貯金はいくら必要?先程はおおよその寿命を把握していただけたかと思いますが、では必要なお金の具体的な数値について徹底調査を行っていきます。老後の一人暮らしをテーマにしていますので、今回は独身で過ごす場合をメインとして解説していきます。一体どれくらい年金が受給できるのか、どれくらい貯蓄があればいいのか、ゆとりある暮らしをしたいなど、様々なお金に関する情報を記していきますね。[adsense_middle]年金の平均受給額っていくら?まず年金がどれ位受け取れるのかという事ですが、細かく言えば各人で異なります。これは厚生年金期間やお給料等の違いで発生します。ここでは平均的な金額で話を進めていきたいと思います。先に一人当たりの平均受給金額ですが、14万5,000円となっています。これはあくまで平均の話ですので、必ずしも当てはまるといったものではありません。しかし、モデルケースでは厚生年金を掛け続けた場合の平均受給額になりますので、一般的なサラリーマンであるという事になります。男女での格差が浮き彫りに先程の14万5,000円は一人当たりの平均となります。ここで、男女別の平均を解説しますと、男性で16万5,000円、女性で10万3,000円となっています。約6万円もの開きがありますね。これは賃金の格差もそうですが、女性の場合は専業主婦等、一旦会社勤めから離れる期間も含まれていますので、開きが出た結果になります。この結果をご覧になって皆さんどの様に感じますか?人それぞれではありますが、実際に生活できるかどうか瞬間的に判断できるのではないでしょうか。老後必要な生活費はいくら?では次に老後に必要な生活費について解説します。とはいえ、ひとつのモノサシとしてお考え頂きたいのは、老後に必要な生活費はおおよそ、今の生活費に近しいものになってきます。例えば一人暮らしであれば、住まいにかかる費用・食費・光熱費・通信費・交際費・教養・娯楽費・被服費・医療費等でしょう。お勤めを退職された後は交際費等が減る事もありますが、逆に医療費等が徐々に上がってくる傾向にあります。ここに一つの資料があり、総務省HPの「単身世帯の家計収支」によると、単身の高齢者の平均生活費が16万2,000円となっていました。平成30年度の資料で皆さんと数値も異なるかと思いますが、先程の年金平均受給額と比べると女性平均とは約6万円も開きがある事が分かりました。年金の額がプラスに触れていれば問題はないのですが、平均生活費からマイナスになっています。またゆとりある生活費として最も回答が多いのは月22万円でした。中でも医療に関する費用は年々増加する?生活費に関しては各人様々ではあるものの、平均値として16万2,000円が単身世帯の標準生活費の様です。しかし、この項目の中でも医療に関する費用は加齢と共に増加する傾向にあるようです。ここで健康寿命に関するキーワードをご紹介しておきます。健康寿命とはWHOが提唱した新しい指標の事で、平均余命から寝たきりや介護になる期間を差し引いたものを健康寿命と言います。厚生労働省発表の資料(H22年度)によりますと男性(60歳時点)の健康寿命は70.42歳、女性(60歳時点)での健康寿命は73.62歳となっています。つまり男性は70歳、女性は73歳を超えると徐々に健康に影響が出てくる年齢であるという事になります。この健康寿命を超えるとお医者さんにかかる頻度が上がってくる為、医療費がいつも以上にかかってくる事になります。その時に頼れる家族がいるケース、いないケースと様々でしょう。ここでもお金の問題はつきまとってきます。介護費も考慮しておきましょう最近の日本では40歳を超えると介護保険料を徴収される事になっています。これは介護認定を受けた時に、介護サービス等受ける際の負担を軽くする為であり、社会保障制度の一端を担っています。年々介護者は増えており、日本の人口構造が少子高齢化になっているからでもあります。軽度のものから重度の介護状態と程度は人によって異なります。今では1割の負担で介護サービスを受ける事は可能ですが、先々高齢者が増えてくる事は予想できますし、少なからずとも自分も高齢者になっていきます。その時自分の身に何か起こった際、国の制度だけでは賄いきれない事も想定しておいた方がいいでしょう。孤独になるより誰かと触れ合う事を望んでいるこの話は私の義理の母の話です。昨年ですが、義理の父が他界しました。今は母一人で生活していますが、長年連れ添った旦那さんが急にいなくなると寂しいとの事。子供たちはそれぞれ家庭を持ち、離れて暮らしており、中々母に寄り添う事が難しい事情です。そこで、母は孤独が嫌なので、誰かと触れ合える施設を希望しました。一人で毎日を過ごすより、大勢の中で幸せに過ごしたいという強い希望でした。私達家族も母の希望を叶える為に、介護付きケアハウスを探して、やっと見つかりそうな所まできました。もちろん費用はかかります。この時力になってくれたのは、今まで担当して下さったケアマネージャーさんでした。費用の事、私達が行ける場所、施設の詳細等調べてくれました。母の年金は決して多い訳ではありませんが、出せる費用の範囲内で希望の所が見つかった事が非常に助かりました。この様に今は母の事を書いていますが、いずれ私や、この記事をご覧になっている方も一人になってしまう日が来るかもしれません。その時に自分がどんな生活をしたいのか、今から考えるのは早い気もしますが、選択肢を増やす為にはお金が必要になってくるんだなという事が分かりました。老後に備える為のおすすめな方法は?この記事をご覧になっている方の世代が若ければ若いほど、私は投資信託をおすすめしたいと思っています。理由は老後まで時間があるからです。時間がある事によって老後の資金的な不安を解消できるだけの金融商品だと私は思っています。[adsense_middle]投資信託の特徴は?投資信託は株や債券等様々な値動きのするものを組み込んだ運用商品であり、運用はプロがやってくれますので、基本的にはほったらかしで良いものです。また運用期間が短いと損失の出る可能性もありあすので、長く見積もっても20年以上は投資をしておく事が望ましいと言えます。逆算すると、65歳を一つの節目と考えるのであれば、少なくとも45歳からスタートさせておきたいですし、20代の方であれば、早くに始めると使える時間が約40年間もあります。かなり大きなアドバンテージだと思っていますので、早めに資産形成の準備に取り掛かっても良いと思います。投信だけでなく資産は分ける先程投信がおすすめであると解説しましたが、投信一本での資産形成は止めておいて下さい。何故なら運用商品である以上時間を要します。明日お金が必要になった場合等、急を要する際は圧倒的に預金に軍配が上がります。預金の良い所は、流動性が高くしかも元本が割れないという特徴があります。この様な緊急な場合に備える事も一つです。また保険を活用し死亡保障を確保しながら、お金が貯まっていく、増えていく商品もありますので、ご家庭のケースに応じて金融商品を使い分けましょう。日本の平均貯蓄額っていくら?総務省の統計によると60歳以上の世帯での平均貯蓄額は約1,700万円だそうです。この平均値を下回る世帯は全体の3分の2を占めており、特に預貯金が年々増加傾向にあると統計が出ていました。預貯金、証券、保険、他の構成比率で見ても、預貯金(普通、定期含む)は約60%近くを占めており、依然、投資や株などの有価証券には傾いていない様です。諸外国の金融資産の配分を見ますと、差は歴然としています。これは一つの保守的な文化がもたらした日本人固有の特性であると思いますが、今では金融もグローバル化しており、将来増やす為には、今まで触れた事の無い金融商品を知る必要があります。一人暮らしの老後資金に関するまとめ今回は老後に関する必要なお金に関して書きました。今回の資料はいずれも国が準備した資料です。しかし私は次の様に思います。国の資料であっても、皆さん個人の生活は全く違うので、資料はモノサシであり、惑わされず、自身の足元を見てほしいと思っています。資料は参考程度に。しかし実際はご自身が当てはまるとも限りませんので。まずご自身の事からしっかり把握された上で老後に対処していきましょう。
2020年01月21日今回は老後に関する解説になります。漠然としていますが、何歳から老後と言うのか、自分は老後どんな生活を送っているのか、お金は足りているのかなど様々なお声を聞きます。今回のテーマは老後に対する不安を解消する解説になりますので、最後までお付き合い下さい。老後生活の心配事はお金最近TVや雑誌でも老後に関する話題は至る所で見たり、聞いたりする事が増えてきました。確かに社会問題を取り上げる事がマスコミの仕事ではありますが、なぜこの様に大きく取り上げられる様になったのでしょう。私が考える一つの要因として時代の変化があると考えています。どんな風に時代が変わったのか?これまた漠然としたタイトルになりましたが、具体的に解説すると、自助努力をしなければならなくなったという事が一つの答えです。かつて日本は高度経済成長に伴い、仕事やお金が溢れバブルというものも経験した事がある方もいらっしゃるかと思います。しかしそのバブルは弾け、不景気に突入しました。今でこそ経済を立て直すべく様々な金融緩和や政策を打ち出していますが、景気が良くなったと実感するまでには至っていない様に思います。ではなぜ自助努力が必要になったのでしょう?バブル期とバブル以降の制度の違い以下にバブル期と、バブル以降の違いを箇条書きにしてみたいと思います。【バブル期】終身雇用制度、退職金制度が一般的高金利(郵貯の定額貯金の利回りが8%)人口増加社会保障制度の充実(年金は60歳より受給・健康保険負担も2割等)【バブル以降】雇用の不安定(大手でもリストラする時代・フリーランスの台頭・退職金が無い)低金利(現在の預貯金金利は0.001%)少子高齢化の加速社会保障制度の変更(年金は65歳から、健康保険負担3割、介護保険の開始)この様に対照的な変化になっていると思います。また、かつては国や会社が最後まで面倒を見てくれる時代でしたが、今では国や会社をアテにする事は出来ない時代になりました。定年後の不安が大きくなるのはお金が必要だからです。お金の不安を解消するには?ではお金の不安を解消するためにはどうしたらいいのでしょう?自助努力と言っても何から手を付けたらいいのか?何を始めればいいのか?分からない事が多いと思います。ここからは解消する為の4つのポイントを挙げていきますので参考にしてみて下さい。老後資金対策はやるべき金銭の相談事はご夫婦で!ライフプランをやってみましょう価値観に合った金融商品を選ぶことお金の勉強を少しでも始めておく[adsense_middle]ポイント①老後資金対策はやるべき2019年に厚生労働省が発表した老後資金は2,000万円必要だというコメントを皆さんも聞いた事はあるかと思います。聞いただけでストレスが溜まったという方も少なくありません。この金額は正しいのかどうかですが、私はあながち間違いでは無いと思っています。間違いでは無い理由は?理由を補足すると、一つは健康面が大幅に改善され長生きをするからです。例えば65歳で定年退職をし、以後働かないという前提で話を進めます。現在日本人の平均寿命は男性が81歳、女性は87歳と毎年のように伸びています。あくまで平均ですので、平均以上に長生きする方もいらっしゃる訳です。では寿命を90歳までと仮定した場合、25年間に渡って生活をする事になりますよね。この時に毎月の生活費と年金受給額を計算してみたいと思います。ゆとりある老後資金と所得代替率始めにアンケートを基に、おおよその生活資金をここで解説しておきます。ゆとりある老後生活資金はいくらあれば良いでしょう?という質問に対し、回答が1ヶ月約35万円であることが生命保険文化センターのアンケートで判明しています。(ご夫婦での生活費です)この「ゆとり」とは何かを我慢せずに好きなものを買ったり、食べたりとできる事を指します。では次に年金がどれ位受給できるかという事ですが、憶えておいて欲しいキーワードがありますので、解説を挟んでおきます。所得代替率とは、簡潔に言うと、今受け取っている給料の何%が年金として受給できるようになりますという、厚生労働省が発表している数値の事です。厚生労働省の発表では50%となっており、月給30万円であれば単純に計算しても月15万円の年金であるという事です。簡単な計算で上記の結果を試算すると、次の様になります。(入ってくるお金に関してはご夫婦2人とも共働きであるという事で計算してみます)必要な金額は35万円×12カ月×25年=1億500万円入ってくる金額は30万円(夫婦2人分の年金)×12カ月×25年=9,000万円差額は1,500万円となります。上記の試算はご夫婦共に月給30万円のお給料を貰っている場合で計算していますので、ご主人が正社員、奥様がパート等であれば差は開く事になります。この試算結果はざっくりとしたものですが、今受け取っているお給料や生活環境は各ご家庭で異なりますので、一概には言えませんが、老後に対する資金の必要性はご理解頂けたかと思います。対策として何を始めるべきか?まずやっておきたい事は、今の生活費を洗い出してみましょう。手っ取り早いのは家計簿です。というのも、生活費に関してはあまりブレる事が少なく、今の生活水準が老後に移行する事が殆どです。お子様の教育費等は省いておいて下さい。必要生活資金が大きくなりすぎてしまいますので。この現状把握を行う事で、メリットとして老後の生活資金のイメージが持てる事、把握する過程で無駄かな?と思える所が浮き彫りになるという事です。その項目が食費なのか光熱費なのか、携帯代なのか、保険料なのかは各ご家庭で違いますが、一番早く見直せる箇所は保険と携帯です。安くする事で機能や保証を損なっては意味がありませんが、今では比較する事もできますので、一度確認しておきましょう。ポイント②金銭の相談事はご夫婦で!ライフプランをやってみましょう私もFPとして長い事やっていますが、お金の管理をご夫婦のいずれかに任せているといったご家庭が圧倒的に多く、支払いの事等、ご存知無いご主人、奥様を沢山見てきました。これはこれで上手くいっているのだと思いますが、老後資金を確保する為には、ご夫婦での協力無くしては上手くいきません。金銭的な事に関してはご夫婦で共有しておきべきであるというのが私の見解です。中にはご主人や奥様に言えない内緒の借金などあるかもしれません。しかし、借金も必ず返さなければなりませんし、2人3脚で老後まで、そしてその先へ向かっていかなければなりません。しっかりと将来の事について話合う機会を設けておきましょう。ライフプランのメリットは何?このライフプランのメリットは多くあり、先々のご家族の進学等のイベントが一目で分かる事や、資金計画をシミュレーションできる点は大きなメリットです。この資金計画が分かると、対策も立てやすいですし、使える時間からお金を増やすための効果的な金融商品も絞る事ができます。誰がやってくれるのかという事ですが、FP事務所の方や、保険会社の方、銀行、不動産と多岐に渡ります。ひょっとすると受けた所でセールスされる可能性もありますので、少し心構えだけしておいて下さい。ポイント③価値観に合った金融商品を選ぶこと老後に必要な資金がある程度明確になったら、次にする事は金融商品を選択する事になります。預貯金なのか、保険なのか、投資信託なのか、株や不動産投資なのか様々あり、それぞれにメリットやデメリットがあります。特に日本人に馴染み深いのは預貯金、保険でしょう。これまで元本保証という事が日本人の性格にピッタリとハマっていたからです。しかし、ご存知の様に預貯金の金利はほぼ無いに等しいですし、保険に関しても、最近の保険では依然と比べると格段にパフォーマンスが低下しています。投信や株に関しては、未だ手を付ける事が少なく、まだまだ未開拓ではないでしょうか。金融商品を選ぶ際に何に気を付けるべきか?金融商品を選ぶとき、何を意識しますか?メリットやデメリットもそうですが、将来どれ位の金額に増やせるかという点は外す事はできません。老後に2,000万円不足しますと分かっていて金利の低い商品のみで積立する場合、かなりの金額を積み立てなければなりません。この場合分散してリスクを小分けにする事が最も効果的です。一つの金融商品に絞らず、預貯金、保険、投信と分けておきましょう。当然利率、リスクも異なりますが、リスクばかり怖がっても仕方ありません。またリスクを分かった上で、受け入れる事が出来るのか、出来ないのかという点が非常に重要です。預貯金以外の金融商品は必ず担当者の説明やネット上での解説を確認しますが、話を聞いた・確認した上で、自分なら続けられるものを選択すべきです。積立ては続けなければ意味が無い選択する事に満足した商品であれば長続きはするでしょう。しかし、担当者の話を聞いてもイマイチ…どうしてもリスクが気になって仕方ないという事もあるかもしれません。そんな心境で始めると、結果途中で止めてしまう事が起きてしまいます。金融商品の特性は金利が高いものであればあるほど、複利効果が望めますので、少なくとも15年以上はコツコツ続けていくしかありませんし、15年を超えると予想以上のパフォーマンスを発揮する事が一般的です。続けられる金融商品に出会う為、しっかりとメリット、デメリット、リスクやリターンを考えバランスよく分散させる事が必須です。ポイント④お金の勉強を少しでも始めておくお金の勉強と言っても、専門性の高い知識から、生活の節約術まで幅広い意味で考えて下さい。例えばモノを買う時には還元性の高いクレジットカードを使いポイントを貯める事も一つでしょう。また節約術でも携帯や保険見直しなどは少し地道かもしれませんが、店舗や保険代理店を2、3軒回ってみて確かめる事も良いかもしれません。少しの知識を知っておく事で担当者の言いなりにならなくて済むようにするのも自助努力の一つだと思います。ほんの少しでもいいので毎日すこしずつ金融に触れるだけでもいいですから、情報収集して有益な情報かどうか判断しましょう。老後不安に関するまとめ今回は老後不安を解消するための4つのポイントを解説しましたが、将来を支えるのは自分だと思って老後に備えて頂ければと思います。決して楽ではないですが、自分の身は自分で守る時代の中で生きていますので、その点を踏まえて出来る事から実践して一歩を踏み出して下さいね。
2020年01月17日今回は老後について保険を考えている方向けの記事になります。最近では人生100年時代と言われる様になり、長生きする事がリスクと言われる様にもなりました。定年も徐々に延長され年金不安も尽きません。また健康に関しても新しい病気が見つかったりと気苦労は絶えませんね。そこで活躍するのが保険です。先々の備えについて解説しますので、安心の材料になればと思います。保険の種類は何があるの?はじめに保険にはどんな保障内容のものがあるのかという事から解説しておきます。老後の生活を想像すると、大体定年後が該当するはずですよね。その時収入はどうでしょうか?働いている今と比べても収入の有無で生活も随分変わるかと思います。ご自身にとってどんな備えをすべきなのかというモノサシを持っておきましょう。1.医療保険・がん保険TVCMなどでもよく見かけるのがこの医療保険・がん保険ですね。お世話になった方もいらっしゃるかもしれません。医療保険では入院したり、手術を受けた時、退院後に通院を伴った時、健康保険の効かない高度先進医療を受けた時等に、給付金を支払ってくれます。最近の医療保険は短期入院の際に入院一時金を支払ってくれる保険会社も増えてきました。がん保険に関しては、国民の男女2人に1人が罹患する生活習慣病でもあります。がんになると、治療に時間とお金が掛かりますので、高額な一時金を支払ってくれるものが多く、がんの通院治療に使える保険も多くなってきました。またがんだけでなく、脳卒中や心筋梗塞など生活習慣病になった場合にも備える事の出来る、三大疾病保険が最近の流行りとなっています。2.死亡保険・介護保険次に死亡保険や介護保険などですが、死亡保険は万が一亡くなった際にご遺族へお金を残す事が出来る保険として活用されてきました。昨今ではタバコを吸わない方は安い掛け金で加入できる非喫煙料率を採用している保険会社が増えてきています。更に特約を付加する事で、働けなくなった際の金銭的な保証までしてくれる保険会社もあります。そして介護保険においては、働けなくなった時の保障と銘打ってリリースされる事もあり、所定の介護状態や要介護認定に該当したら給付金を受け取れるものもあります。介護ニーズが高くなる50代以降の方がお考えになる事が多い保険です。3.資産形成や老後の収入に備える積立保険老後の金銭的な不安を解消するために、預貯金よりも高い利率で将来に備える積立型の保険もあります。この積立型には死亡保障が付いているもの、個人年金型の様に純粋にお金だけ貯めていくものもあります。一般的には貯蓄型保険と呼ばれています。最近では保険会社の運用もかなり厳しくなり、円建ての積立保険は以前よりもかなり利率が悪くなっています。代わるようにドル建ての保険や投資信託の様に運用を備えた変額保険等の販売件数が伸びている傾向にあります。老後の不安要素は何?私も保険代理店に勤務していますので、保険に関しては毎日の様に誰かの相談に乗っています。老後不安を感じる部分を聞くと、年金が足りるのか?入院して子供に迷惑を掛けたくない、葬式代くらいは残したいと色んな声を頂戴します。これを全て私なりに纏めると、老後の生活そのものに不安を感じている事が伺えます。その生活を支えるのはお金に他なりません。老後生活資金が潤沢にあれば問題無い先程の不安を紐解いてみますと、年金が足りるのか?という事に関しては、裏を返せばどれ位長生きするか分からないし、生活費はそれに応じてずっとかかる。つまり十分な蓄えがあれば不安に感じる事はありません。入院した際も同じです。収入が無い中で、大きな病気をした時にお金がどれだけかかるのか?想像しにくいですよね。そこでも問題無い位お金があれば入院しても、手術しても誰にも迷惑をかける事はありません。お葬式代も同じです。蓄えを残すのか、保険に頼るのかという点の違いです。つまり、お金を将来に向けて貯める、増やす事が出来なかった、したいけど叶わなかった為に保険に頼らざるを得ない現状だという事になります。おすすめの保険ってどんな保険?先程の解説は極論でしたので、ここからはおすすめの保険について解説していこうと思います。おすすめの保険といっても、各ご家庭で必要な保証も異なります。ここでは保険に対する考え方を含めおすすめな保険をアドバイスできればと考えます。[adsense_middle]保険の見直しは必ずやっておくべき必要な保証を考える前に、まずは現在ご加入の保障内容を確認しておきましょう。何故確認しておく必要があるのかと言うと、理由は3つあります。理由その①担当者依存を払拭するため例えばですが、長い事ずっと同じ担当者で、一つの保険会社に勤続している方から加入しているとします。つまり1つの保険会社の商品しか知らない、サービスを受けられないという事になります。長い事担当であれば情も湧きます。しかし、他社を見る機会が無い事も事実でしょう。ひょっとすると今ご加入している保障より他社の保険が格段に優れている点があるかもしれません。この依存から離れなければ他社商品を見る事は不可能でしょう。理由その②加入年度によって保障内容が異なる特に医療保険やがん保険は加入年度が古ければ、その当時の医療事情に沿った保障内容になっているはずです。中でも入院7日以上で支払う等の医療保険は、短期入院がメジャーの最近では全くと言っていいほど役に立てない事が発生します。それでは何の為の保険なのか意味が無くなってしまいます。憶えておいて頂きたいのは、保険はお医者さんの治療行為が進むと保険がそれに合わせて開発される為、絶えずグレードが上がっていきます。加入して10年以上も何もしていない方は一度確認をしておきましょう。理由その③勧められるがまま加入した保険が必ずしも良い保険とは限らない会社などに来る保険外交員と親しくなり、気も許せる間柄になった時、保険を勧めてくる事は往々にしてあります。また友人、知人が保険会社に勤務している場合も同じです。そこで、何も考えずに勧められるがままの保険だと、デメリットを見落としてしまう事もあります。いざ入院した時に使えなかった、となっても勧めた営業マンは責任を取る事はありません。この様な事が無いように保険を考える際はしっかり話を聞くようにしておきましょう。老後安心できる保険の考え方とは前提として健康状態が良いとして解説します。何かしらの病気や手術の歴がある場合引き受けが出来ない、条件が付く等ありますので注意が必要です。ではどんな考え方で保険を備えるかを解説します。まず社会保障制度を理解しておく事例えば入院した場合、国民の誰もが健康保険に加入しているかと思います。自己負担は3割で済みますが、高額な場合3割でも負担が大きい場合もあります。その時に高額療養費制度という治療費を抑える制度がある事を知っておきましょう。この制度があるだけでもかなり治療費負担は変わってきます。保険の依存度を高めるより蓄えや資産形成に傾斜をかける社会保障を踏まえ保険を考えますが、入院の頻度や死亡する確率を考えると、保険全てに依存するよりも複合的に考えておく事が重要だと思います。入院は高額療養費があるので、日額や掛け金を抑え、がんになった際は通院治療が殆どですので、カバーできるような保険にしておく。死亡に関してはある程度の蓄えを準備しておくか、時間があれば変額商品で資産運用しながら保障を備えるか、NISA等を活用し、本格的に老後の資産形成をするかという事です。私個人的には医療保険にはお金をかけず、がん保障(通院部分もカバー)若しくは三大疾病保障を備え、死亡は掛捨てで運用をNISA等で行うか、変額商品で死亡も備えながら運用するかといった事で十分だと思います。老後の保険に関するまとめ老後の安心な保険の考え方として今回解説しましたが、必要以上に保険を掛けなくても良いという事をご理解頂ければと思います。使う事が無ければそれこそ勿体ないです。抑えるべき部分と、確実に必要な部分を明確に分けて保険を考えましょう。
2020年01月16日自分がもらえる年金はいくらなのか、スマホで”最短3分”で試算できるサービス「撮るだけねんきん試算」が登場しています。公的年金は、老後や働けなくなった時、死亡したときにも受け取れます。年金受給額が分からない方は、このサービスを使って試算してみましょう。「撮るだけねんきん試算」とは?撮るだけねんきん試算とは、スマホで「ねんきん定期便」を撮影するだけで、自分がいくら年金を受け取れるか試算できるサービスです。西日本シティ銀行が、今月からサービスを開始しました。ねんきん定期便って?年1回・誕生月に、日本年金機構から年金加入状況を知らせる青いハガキが届きます。このハガキが”ねんきん定期便”です。ハガキの見方が分からない将来いくら年金がもらえるか書いていない年金額が少なくて驚いたこうした方もいるでしょう。というのも、50歳未満の人のねんきん定期便には、今までの加入実績による年金額しか記載されていません。筆者も、自分のねんきん定期便を見てみたところ”年間21万円”、月額にすると2万円弱と書いてあります。ねんきん定期便を見るだけでは、将来受け取る年金額は分からないのです。「撮るだけねんきん試算」の使い方将来の年金額を知りたいときは、3分で手軽に試算ができる「撮るだけねんきん試算」がオススメです。早速使ってみました。手順①年齢や職業を入力入力する自分の情報は、この5つです。生年月日も入力する必要がなく、30秒ほどで入力できました。年齢性別職業現在の年収配偶者、子供の年齢手順②カメラでねんきん定期便を撮影カメラ起動のボタンを押して、ねんきん定期便を撮影します。撮影したデータから必要な情報が読み取られ、自動で入力されます。カメラを使わず直接入力することもできるので、パソコンから試算も可能です。試算完了!たったこれだけで「老齢年金・障害年金・遺族年金」3種類の年金額を、まとめて試算してくれます。「撮るだけねんきん試算」をおすすめする3つの理由日本年金機構のウェブサイト”ねんきんネット”でも老後の年金は試算できます。両方のサービスを使って感じたのは、撮るだけねんきん試算の3つのメリットです。おすすめ①難しい作業は一切なし、スマホとハガキだけで確認できるスマホとハガキ(ねんきん定期便)があれば、家族の生年月日が分からなくても試算は完了します。難しい作業は一切なし、会員登録も不要です。利用登録準備するもの撮るだけねんきん試算○不要スマホねんきん定期便ねんきんネット(日本年金機構)✕必須ID、PW、メールアドレスなどスマホねんきん定期便基礎年金番号メールアドレス…などおすすめ②障害年金・遺族年金もシュミレーションできるこれも「撮るだけねんきん試算」ならではのサービスです。老齢年金障害年金遺族年金撮るだけねんきん試算◎◎◎ねんきんネット(日本年金機構)◎✕✕障害で働けなくなったとき、健康保険から受け取る傷病手当金もまとめて試算できます。障害年金は働けなくなってもすぐには貰えない遺族基礎年金は子供が成長すると受け取れなくなる厚生年金のみ・基礎年金のみといった受給パターンがあるこのように本来は複雑な障害年金・遺族年金ですが、試算をすると受給額の推移がグラフになり、どのくらい年金が受け取れるか分かり易くなっています。おすすめ③「撮るだけ」なのに、撮らずに試算もできるねんきん定期便のデータから、一人ひとりに合わせた年金額を計算してくれますが、手元にねんきん定期便がない場合も、試算ができます。ハガキが無い場合のの試算額は、これまでも現在と同じ仕事に就いていたと仮定した額です。より詳しく試算するなら、ねんきんネットも活用!手軽に年金額を知りたいなら撮るだけねんきん試算がオススメです。一方、日本年金機構のウェブサイト「ねんきんネット」では、老後の年金をより詳しく試算できます。納めていなかった保険料を払ったら、年金がいくら増えるか年金を受け取りながら働き続けたら、年金がいくらに減るか簡単・手軽な「撮るだけねんきん試算」と、いろいろなパターンの試算ができる「ねんきんネット」どちらも活用するのがよいでしょう。老齢年金額撮るだけねんきん試算○目安が分かるねんきんネット(日本年金機構)◎より詳しく分かる若いうちから年金受給額を試算する必要性は?メリットを2つご紹介年金受給額を試算することは、老後までまだ時間がある若い世代にもメリットがあります。メリット①これからいくら積み立てたらいいか分かる老後に受け取る年金額が分かると、老後に足りないお金の目安が付けやすくなります。「老後に2,000万円不足する」と言われていますが、これは全員に当てはまることではありません。それでも不安に駆られてしまうのは、自分の年金額がいくらになるか、よくわからないからではないでしょうか。自分の年金受給額が分かれば、足りない分をいくら備えたらいいのか分かり、計画的に準備ができます。年金の平均受給額は、夫婦で月額19万円?”老後2,000万円不足”の元になったデータ・総務省の家計調査年報によると、平均の年金収入は夫婦で月191,880円です(2017年)。しかし、その人の職業や年収によって年金額は全く違います。夫婦ともずっと自営業であれば、月13万円しかもらえないこともあるでしょうし、一人暮らしであればその半分、月6万円台です。平均ではなく自分自身の年金額を知って足りない金額を計画的に準備することが、老後に備えるポイントです。メリット②かしこく保険を買えるもしもの時に受け取れるお金が分かると、ケガや病気のために備えるべき金額が分かります。医療保険や死亡保険を契約する前に、公的年金の給付額を知っておきましょう。何もかも民間の保険で備えようとすると、保険料が今の生活を圧迫してしまいます。過不足なく保険で備えるためにも、年金の見込額を知ることが大切なステップです。年金試算のまとめもしもの時に、どのくらい年金が受け取れるのかを大まかに把握しておくことはとても大切です。面倒だから、今困っていないから…と備えを後回しにしてしまうことはNGです。手軽に試算できるサービスを活用して、賢くリスクに備えましょう。
2019年12月05日女優の天海祐希が、映画『老後の資金がありません!』(2020年9月18日公開)に主演することが27日、明らかになった。同作は垣谷美雨による26万部突破の同名ベストセラー小説の実写映画化作。子育ても落ち着き、老後は安泰のはずだったのに普通の主婦・後藤篤子(天海)だが、娘の派手婚、舅の葬式と資産激減の中、夫婦そろって失職。独りになった姑と一緒に暮らすことになると、高級志向の暮らしの価値観にクラクラするなど、奮闘する篤子の様子を描く。数々の映画に出演する天海だが、単独主演作品は『狗神』以来、19年ぶりに。『こんな夜更けにバナナかよ感動の実話』(18)で、感涙だけではないユーモアを交えた秀逸な演出で観客を魅了した前田晢が監督を務める。6月には金融庁の報告書に年金の他に「老後には夫婦で2,000万円が必要」との内容が記載され大問題ともなった現代、避けては通れない問題をエンターテインメント作品に昇華していく。○天海祐希 コメントこのお話をいただいた後、「老後の資金」が何千万ないといけないなどとニュースになりまして、とてもタイムリーな作品だと思いました。原作も、クスクス笑い、考えさせられながら拝読しました。きっと、どなたでも共感できる作品なのではないでしょうか。誰もが老いていく中、「老後の資金」を切実な問題として抱える主婦とその家族を中心に、とても深刻ではあるけれどちょっと笑える素敵な作品になるのでは?と思います。ぜひ、この作品を観て老後の問題を先に知って頂いて、ご自分の人生を考えつつ、将来に備えて頂けたらいいなぁと。前田監督を始め、素晴らしいスタッフ、キャストと、観てくださる皆様に楽しんでいただける様撮影中です。きっと、クスクス笑いながらも皆様の毎日に役立つ作品になると思っています。ぜひ、楽しみにして頂けたら嬉しいです。○前田哲監督 コメント「映画について」タイトルに惹かれてしょうがない。誰もが気になり、避けては通れない「老後」のこと。そして、強烈なキャラクターが勢ぞろいした濃いキャスト。映画として面白くならないわけがない。だからこそ、悩ましい。もしつまらなければ、監督のせいである。嬉しい悲鳴をあげながら、撮影している。「ああ、映画をどうすればいいのか?」と、同時に、「ああ、老後をどうすればいいのか?」大きな問題が二つも迫っている。その答えは、映画の中にある!?この映画は、人生に明るさと元気と、幸せをもたらす物語であります。「天海祐希さんへのコメント」天海祐希さんはジョーカー!どんな設定であろうが、いかなる状況だろうが、ベストに遂行され、アクシデントさえも取り込んでしまう、その多様性と万能さは、オールマイティなトランプのジョーカー以上の活躍である。
2019年11月27日年をとるごとにつのる老後への不安。どうにかしたいという一心で、投資や財テクに手を出そうと検討している人も多いだろう。でも、あなたが選ぼうとしているのは老後破綻の入口かもーー。「老後2,000万円不足問題や、年金受給開始年齢の引き上げ論などがメディアで話題となり、リタイアが見えてきた50代の人たちの多くは“時間がないから、何か手を打たなくては”と焦っていることでしょう。しかし、そんな老後不安を抱える人たちの資産が狙われているんです」こう警鐘を鳴らすのは、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)の著書もある、ファイナンシャルプランナー(FP)の岩城みずほさんだ。「老後のため、よかれと思ってやったことが大失敗ーー。そんなことにならないよう、陥りやすい落とし穴を押さえておきましょう」岩城さんが、老後不安につけ込まれて、ついやってしまう「お金のタブー」を解説してくれた。【タブー1】外貨建て生命保険に加入「死亡保障と運用商品をパッケージにして、外貨で高利率の運用をする『外貨建て保険』が人気です。じつはリスクが高い商品なのですが、『保険』というワードに安心感を抱く人が多いようです」保障や運用のそれぞれに手数料がかかるし、外貨建てのため、両替手数料も上乗せされる。「長期運用が基本の商品ですので、10〜15年以内に解約した場合は、元本割れすることが多い。また、外貨としては増えていても、購入時より為替レートが円高になれば、日本円にしたときに、元本割れしている危険も」【タブー2】トンチン年金で老後資金を確保一定の期間、保険料を払うと、死ぬまで決まった額がもらえるのが、トンチン年金。「人生100年時代を反映した商品です。某社商品を例にとると、53歳女性が70歳まで月に約4万4,000円の掛け金を払うことで、70歳から月3万円の保険料が終身でもらえますが、払った保険料がもらった年金を超える損益分岐点は95歳と、かなりの高齢となります。まずは、公的年金の未納部分を支払う、受給開始年齢を繰り下げて年金額を増額させる(最大4割増)ことを最優先に考えましょう」よかれと思ってやったのに、大きく損をしてしまった……。そんなことがないように、「お金のタブー」を頭にたたき込もう!
2019年11月09日長寿化が進み、退職後の人生が20年、30年と続くことが普通になりました。「老後破産」「老後貧乏」「長生きリスク」など、ネガティブな言葉も沢山登場しており、マネープランを立てずに老後を迎えることには、大きなリスクがあります。お金と賢く付き合って、自由な時間を思いきり楽しむために。老後の生活費について確認しましょう。老後の生活費、平均額は?総務省の行う調査「家計調査年報」では、学生のみ世帯を除き、全国の全ての世帯を対象に、何にお金を使っているか調べています。(以下、全て2018年の調査結果を参考)退職後、生活費はどのくらい変わるでしょう。世帯主が高齢かつ働いていない家庭の、収支の平均額は次の通りです。夫婦2人の場合高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の、1カ月あたりの収支です。その他の収入には、配偶者の給与・事業収入・仕送りなどが含まれます。収入と支出の差を見ると、約42,000円の赤字です。赤字になった分は、預貯金など、手持ちの資産を取り崩しながら生活していくことになります。単身世帯高齢単身無職世帯(60歳以上・単身・無職の世帯)の、1カ月あたりの収支です。その他の収入には、事業収入・仕送りなどが含まれます。収入と支出の差を見ると、約39,000円の赤字になっています。赤字になった分は、預貯金など、手持ちの資産を取り崩しながら生活していくことになります。夫婦”2人分”で約42,000円の赤字、という夫婦世帯の家計と比べると、平均的に、単身世帯のほうが生活が苦しい様子が見て取れます。平均額は、理想的なケースとは程遠い?この調査から分かるのは、全体の支出額から割り出した平均額です。この収支で生活している家庭が標準にはなりません。実際に、この平均額で生活したとしてみましょう。収入が22万円で、4万円の赤字を出しながら、娯楽費と交際費で5万円、食費にも6万円使っている…。収入に対して生活費が多すぎて、とても現実的とは言えません。この平均額より多い収入で生活している世帯もあり、少ない収入で生活している世帯もあります。少ない収入でも黒字でやりくりしている家計もあれば、たくさん収入があっても浪費が重なり赤字になっている家計もあります。年金生活、収入はいくら?40年間ずっと年金保険料を納め続けた場合、夫婦でどれくらいの年金を受け取ることができるでしょうか。夫婦・会社員・共働き(世帯年収500万円)→約260万円夫婦・会社員の夫・専業主婦の妻(世帯年収500万円)→約265万円夫婦・自営業→約156万円単身・会社員(年収250万円)→約130万円単身・自営業→約78万円(夫婦ともに昭和42年生まれとして、本来水準による概算額。)年金保険料を支払っていなかった「未納期間」や、収入が少ないため保険料の減免を申請していた「免除期間」があると、年金額は少なくなります。ほとんどの家庭に共通することは「老齢年金のみで、現役の時と同じ収入は受け取れない」ということです。また、年収が高い世帯ほど、現役世代の給与と比べて受け取る年金額の割合は低くなります。2倍の給料を稼いでも、将来受け取れる老齢年金は2倍にはなりません。年収が高い家庭では、老後のため自分で備える「自助努力」がより求められているとも言えます。自分の年金額を知るには「ねんきん定期便」「ねんきんネット」実際の年金額の計算はとても複雑です。葉書で毎年届く「ねんきん定期便」のほか、将来の職業も想定して見積できる日本年金機構のWebページ「ねんきんネット」を活用しましょう。年金額が簡単に計算できます。項目ごとの支出目安、現役時代との変化は[adsense_middle]食料費が3割近くを占める高齢世帯の支出で、最も大きな割合を占めるものが「食料費」です。消費支出のうち、夫婦世帯では27.7%、単身世帯でも24.3%を占めています。全世代の2人以上世帯を対象とした調査でも、食費の割合は27.6%を占めていますので、割合はそう変わりません。高齢世帯では1人1日あたり、約1,000円の食費が平均のようです。1日1,000円、1週間で7,000円、1カ月で3万円という金額は、無理に切り詰めている金額ではないでしょう。必要に応じ、各世帯で節約も可能な項目です。持ち家か賃貸かで大きく違う住居費夫婦世帯と単身世帯を比べたとき「住居費」の項目だけ、夫婦世帯よりも単身世帯のほうが金額が大きくなっています。住宅にかかるお金は、持ち家か賃貸かで大きく異なります。住宅ローンの返済家賃、地代設備の修繕費、維持費賃貸に住んでいる場合は、退職しても現役の時と変わらない家賃がかかり続けます。賃貸物件の家賃は、月1~2万円では足りないことがほとんどでしょう。一方で住宅ローンを完済している家では、住宅にかかるお金といえば、維持費・修繕費・リフォームローンなどです。実家など、家族が所有する家に住む場合も同様です。医療費用の負担は、少し増える程度高齢になったら健康状態が変わって医療費がかさむのでは…?と心配になるところです。しかし、全世代の二人以上世帯で「保健・医療費」の平均額は約13,000円、消費支出のうち4.6%です。高齢夫婦世帯では6.4%ですから、高齢になったからといって、医療費が2倍にも3倍にもはかかっていないようです。健康保険で、高齢者の医療費負担は軽い健康保険の高額療養費制度は、1カ月にかかった医療費が大きくなった場合、窓口で払ったお金の払い戻しが受けられる制度です。同じ収入・同じ医療費の場合、70歳未満より70歳以上のほうが、医療費の払い戻しを受けられる金額が多くなります。高齢になると、その分、公的保険から手厚い保障を受けられるため、民間の生命保険(医療保障)で手厚い保障を準備する必要性は薄れます。一方で、介護や認知症に備える保険が必要になるなど、保険の見直しによっても支出の内容は変わりそうです。教育費はかからなくなるけど…イベント出費に替わることも高齢世帯では「教育費」の支出はほぼゼロです。一方で「娯楽教養費」「交際費」そして「仕送り金」といった支出を合わせると、消費支出のうち20%を超えます。子供や孫への援助子供の結婚、住宅購入、孫の進学…そういった「子・孫費」の計画は立てられているでしょうか。イベントのたびに大きな金額を援助したり、きょうだいは平等にと援助をしていると、数百万、数千万という金額の支出になる可能性があります。退職後「貯金を取り崩す」生活になると、手持ちの資金に余裕がある…と思ってしまいがちです。潤沢に援助をしたいのであれば、それが可能かどうか見通しを立てることが必要です。一方で、子供たちが独立して生計を立てられているか、親頼みの生活になっていないか、援助すべきという思い込みから無理のかかるサポートをしていないか…親から子への援助は、必ずしも必要なものではないのです。旅行、スポーツ、交際費…「娯楽教養費」「交際費」に対しても同じような見方ができます。計画を立てないまま、手持ちの資金に余裕がある…と錯覚すると、数百万単位で支出がかかり、後から資金繰りが苦しくなってしまいます。見栄を張って交際費がかさんだり、旅行の予定をたくさん入れていないか…。楽しみなイベントで思い切りお金を使いたいのなら、年ごと、月ごとに娯楽費の予算を立てましょう。お金の不安がないほうが、もっと楽しめるはずです。自分で予算を立てることができればOK支出の内訳を見ると、老後の生活設計は自分次第ということが分かります。自分の好きなことにお金を使って活き活き楽しむためには、現状に見合った予算を立てて、その範囲でやりくりすることが重要です。結局、老後資金っていくら必要?老後資金はいくら必要でしょうか?と聞かれて、頭にパッと浮かぶのは”老後2,000万円”のキーワードではないでしょうか。2019年6月に、金融庁の審議会の報告書から引用されて、話題になりました。老後の生活においては年金などの収入で足らざる部分は、当然保有する金融資産から取り崩していくこととなる。(中略)収入と支出の差である不足額 約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取崩しが必要になる。(金融庁金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」より引用)[adsense_middle]「老後2,000万円」は平均でしかない同報告書の中にはこうも書かれています。この金額はあくまで平均の不足額から導き出したものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。既に述べたように、収入が多い家庭、少ない家庭とそれぞれの支出は異なります。また、収入が多いからといってゆとりのある生活を送れるわけではありません。資産が底を尽きないかどうかの重要なポイントは、支出をコントロールできるかどうかです。年代で違う取り崩し額。60歳代はマイナス11万円超世帯主が60歳以上で無職の世帯では、平均47,000円の赤字(取り崩し)が発生していますが、この金額も世帯主の年代ごとにかなりの差があります。特に、世帯主が60~64歳の世帯では毎月11万円を超える赤字となっています。60歳で無職の世帯は、65歳になるまで原則として老齢年金が支給開始されません。60歳で退職すると、65歳までは資産の取り崩し額が大きくなってしまいます。ただし、このデータでは、60歳を超えても働く世帯の収支は含まれていないことに留意が必要です。毎月数万円でも働いて収入を得れば、資産寿命は伸びる現在は、高年齢者雇用安定法の改正によって希望すれば誰もが65歳まで働けるルールになっています。70歳、75歳と働き続けられる企業も珍しくありません。企業に勤めるほかに、フリーランスとして働く選択肢もあります。現役のときと同じようにフルタイムで働かなければ…と気負う必要はありません。月に数万円の収入を得るだけでも、家計の収支の改善に繋がります。収支がプラスとまではいかなくても、毎月の取り崩し額を減らすことができます。例えば月3万円稼げば、月5万円の赤字も2万円の赤字に改善されます。その分、資産が底を尽きるのを遅らせることができます。老後も楽しくお金と付き合うための3ステップ1.家計を知る「今の我が家の状態」を把握しなければ、老後にいくら必要か予算を立てることはできません。先ずは現状を洗い出してみましょう。支出…いま、生活費がどれくらいかかっているのか?収入…年金はいくら貰える予定なのか?負債…住宅ローン、教育ローン、カーローン。借り入れがいくら残っているのか?資産…保険の満期金、貯金、退職金。取り崩せるお金はいくらあるか?2.計画を立てる現状を把握すれば、それぞれの家計に合った予算を立てることができます。毎月いくらの予算で生活していくかそのために、準備しなければいけない不足額はいくらか3.実行するプランを立てることができれば、あとは実行するだけです。使えるお金を増やす(貯める、増やす、働く)支出を減らして、予算の範囲でやりくりする資産を増やすこと、だけでは老後は乗り切れない資産を増やし、支出を減らす。老後のためのマネープランは、この2つの方法を合わせて考える必要があります。前述の金融庁の報告書から「老後2000万円」が話題になって以降、筆者の周りでも「老後の資産形成」に向けた機運が高まっているのを感じます。つみたてNISA、iDeCo、個人年金保険…など、資産を増やすための行動は、もちろん重要です。一方で、どれだけ資産があっても「決まった生活費で生活する」ことができなければ、せっかく増やした資産もすぐに底をついてしまいます。老後の収入減少に合わせて生活費を見直そう定年後を楽しく暮らす、使いたいことに思い切りお金を使うためにも、老後の準備段階で「自分の生活を把握」することが重要になります。また、既に老後生活に入っている場合にも「支出の見直し」はすぐに取り掛かれることです。一度計画を立てた後も、家計に大きな「ずれ」がないか、定期的に家族で見直しが必要です。今回紹介した平均のデータと「現在のわが家の収支」を照らし合わせて、老後のマネープランを立ててみましょう。必要に応じて支出を見直し、コンパクトな生活に変更していきましょう。
2019年10月18日金融庁が「老後には夫婦で2,000万円必要」と金融審議会報告書で公表した際は世の中に大きなインパクトを与えました。「えっ、そんなお金ない……どうしよう!」と焦った人も多いのではないでしょうか?そしてやっぱり気になるのが「皆は老後資金をどのくらい貯めているのかしら?」ということ。総合旅行プラットフォーム「エアトリ」が10代~70代の男女959名を対象に実施した「老後の貯金」に関する調査の結果をご紹介します。■ 「老後に2,000万」で焦った人は23.1%!miya227 / PIXTA(ピクスタ)調査ではまず、「『老後に2,000万円の貯金』のニュースを聞いてどう思いましたか?」と質問。すると、「以前からそうなると思っていた」と回答した人が最多で56.2%。次いで、「焦りを感じた」(23.1%)、「何も感じていない」(20.6%)という結果となりました。ただ、世代によって老後資金に関する考え方は異なるかもしれませんね。20~30代であれば当然「まだまだ先の話だから大丈夫」と焦りを感じていない場合も多いかも。逆に、40代以降でまだお金が貯まっていない場合は焦りを感じるかもしれません。次に、「報道を聞いて何かを始めましたか?」と尋ねると、圧倒的に多かったのは「何もしていない」。全体では74.2%、最初の質問で焦りを感じた人では68.0%という結果でした。焦りを感じた人でも、なかなか行動にまでは結び付いていないようです。次に多かったのは「節約」。最初の質問で焦りを感じた人は19.4%、全体では14.2%という結果となりました。3位以降は「経済やお金に関する勉強」(11.3%/全体7.7%)、「投資」(5.4%/全体5.7%)、「副業」(5.4%/全体3.8%)でした。tomcat / PIXTA(ピクスタ)節約したりお金について学んだり、収入源を増やすといった行動は、本人の焦りが熱意となった結果といえそうです。■ ズバリ!現在の貯金額はいくら?Rina / PIXTA(ピクスタ)では実際、現在いくら位の貯金を持っているのでしょうか?ズバリ「現在の貯金額はいくらですか?」と尋ねると、年代ごとにかなり違う答えが出ました。総合的に見ると、年代が高く老後の生活に近づいている世代ほど貯金額が多いのが分かりますが、30代以下の若い世代でも結構しっかり貯めている人もいるのは心強いですね!50代、60代以上で最も多かったのは「2,000万円以上」で、50代が21.7%、60代が31.7%という結果に。また30代以下では「100万円以上300万円未満」と答えた人が21.8%に上りました。若い世代には結構堅実なタイプが多いのかもしれません。freeangle / PIXTA(ピクスタ)一方で、30代以下の最多は「50万円以下」で27.3%。しかし、働き盛りともいえる40代も同じ金額が22.6%とトップという驚くべき結果に……。また、50代19.3%、60代以上11.4%と、「50万円以下」と答えた人がかなり多いことが判明。これでは「老後2,000万円」発言に焦るのも無理はないかもしれませんね。freeangle / PIXTA(ピクスタ)みなさんの家庭では、老後のための貯金をしていますか。老後に向けた貯金は早く始めるのが無難でしょう。後々「貯金がない……」とならないよう、しっかり計画を立てたいものですね。【参考】※ 「老後2000万円」報道聞いて7割が「何もしていない」 事が判明 60代以上の貯金額「2000万円未満」は7割 「すべて節約できる」男性24.1%に対し女性は7%と男女で節約に対する意識に大きな差が
2019年10月04日「老後資金2,000万円問題が報道されてから、私のもとにも、老後を心配するたくさんの相談が寄せられています。私に言わせれば怖がりすぎですね」こう語るのは、『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の著者で、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さん。今年6月、「人生百年時代を年金だけで乗り切るのは不可能、老後資金として2,000万円が必要」と、金融庁の報告書が公表された。さらに8月には厚労省が年金の財政検証結果を発表。少子高齢化が進むなか、現役世代の年金の受給額が厳しくなっていくことが示されたが、本当に大丈夫なのだろうか。「50歳を過ぎてから、いまさら2,000万円余計に貯めろとか言われても難しいでしょ。金融庁は株や投資での運用を勧めていますが、初心者が簡単にもうけられるものではない。なけなしの資金を減らしてしまうリスクのほうが心配」そんなリスキーな運用をせず、貯金がなくても大丈夫な老後設計はできないものか。長尾さんが現在の年金制度を徹底的に分析。「“一生安心”生活を過ごすためには5つのステップが必要。順番に解説していきましょう」【1】住宅ローンは60歳までに完済しておく!「お金の心配をせずに安心して老後を暮らすためにはローン返済は大きな足かせになります。退職金をすべて使ってでもローンを完済し、老後を迎えることが肝心」【2】子どもは自立させる!「自立せず親の脛をかじり続ける子どもも老後の足かせ。かわいいあまりに甘やかして自立させずにいると、年金生活になったとたんに共倒れになります。経済的に子どもをきちんと自立させることは最低限の親の務め。親に先立たれたときの子どものためでもあります」【3】60歳になったら、月の支出を30万円にする!「近年、政府の方針で、定年を延長するなど、60〜65歳間の雇用を受け入れる企業が増えています。ただ雇用延長や再雇用の際、ほとんどの人が収入は半減します。これを冷静に受け入れ、生活水準を見直さないといけません。具体的には、月30万円。年間360万円でやりくりするのが理想。最初は厳しいかもしれませんが、ぜいたくしなければ十分に暮らしていける水準。夫婦で家計簿を見ながら、支出の見直しをしてください」【4】年金受給は70歳まで繰り下げる!「年金は65歳になったら受け取るものと考えている人がほとんど。これを70歳から受給するようにすれば、年金の受給額が42%増額されるんです。これを利用することが、安心した老後を過ごすために重要なポイント。たしかに人は何歳まで生きるかわかりません。だから少しでも早く受け取りたいのは人情でしょう。でも夫の年金180万円、妻の年金100万円で70歳まで繰り下げ受給した場合と、65歳から受給した場合の81歳までの年金総額は、ほぼ同じ額になり、それ以降は、長生きするだけ、70歳からのほうが得になる計算です」平均寿命が男女とも80歳を超えているいま、じつは70歳からの受給のほうが明らかに得。しかも、もし仮に病気などになり、70歳より早く年金を受け取りたくなったら、申請すれば、すぐに受給を開始できるのも心強い。【5】夫は70歳、妻は65歳まで働く!「いまの60代は若い。職場を選ばなければ、70歳まで十分働けます。65歳からの5年間の厚生年金が加算されれば、頑張って働いた分、年金額も増える。一石二鳥です」こうして夫70歳、妻65歳まで働くことで、夫の年金180万円、妻の年金100万円を70歳まで繰り下げ受給した場合、受給額が42%アップ。なんと70歳から支給される年金は合わせて年間404万円に!「65歳から受給してしまうと年間280万しかもらえず、支出を月30万円(×12カ月=年360万円)に抑えても年間80万円もの赤字。それが70歳から受給にすると、(年金収入404万円−年支出360万円=)毎年44万円の黒字。劇的に老後が楽になるんです」この試算で一番大切なことは、夫婦そろって長生きすること。お互いにいたわり合う夫婦仲こそが、“貯金ゼロでも老後が安心”の最大の秘訣といえそうだ。
2019年09月13日年金だけでは老後の生活は成り立たないというのはもはや常識に。でも、このまま嘆いているだけでいいのか。もう、今さら働けないと思っている人にこそ読んでほしい、50歳から始める仕事探しーー。「金融庁が『老後2,000万円足りない』と発表して以来、『将来、年金をどれだけもらえるのか?』は、最大の関心事かと思います。でも、ただ手をこまねいているのではなく『65歳までに、いくら貯蓄できるのか?』を考えて、50代から世帯の年収を増やしていくべきです。50歳からはじめても、年金受給までに『1日数時間で1,000万円の貯蓄』も可能ですよ」こう話すのは、老後のライフプランニングに詳しいマネーセラピストの安田まゆみさん。でも「1日数時間で1,000万円の貯蓄」って、いったいどうやったら稼げるのだろう?「いえいえ、難しく考えることはありません。時給1,000円で1日3時間×週4日働くと、15年たてば約900万円の収入になります。そして1日4時間働けば、15年で1,200万円稼げます。ここで大事なのは、『いかに効率よく、つまり極力負担が少なく、無理なく続けられる仕事を選べるか』なんです」(安田さん)安田さんによれば、主婦が「無理なく続けられて、1,000万円貯蓄できる」仕事とは、おもに「家から出ずに働く」「主婦力を生かした仕事」「財産を働かせる」の3つに分類できるという。ここでは「主婦力を生かした仕事」について、仕事選びのコツと心構え、そして注意すべき点を安田さんが解説。合わせて2人の実例を紹介。■主婦力を生かした仕事「主婦業は、複数の作業を同時に並行して行えるマルチタスク能力を最大限に発揮するもの。掃除や洗濯をしながら料理の下準備をして、子どもの世話もする。宅配の対応もこなす……。長年の積み重ねで得た能力を、仕事に生かせれば大きな強みになります」(安田さん)子育て経験を生かせる仕事としては保育士不足が問題となっている保育園や託児施設などの求人がある。「保育補助」であれば、資格は必要ない。そして、介護業の求人も、増えている。「在宅介護を受ける人も介護補助は必要です。コミュニケーション能力を必要とする仕事ですので、育児経験や介護経験が生かせるやりがいのある仕事と言えますね」(安田さん)ほかにも、食事作り、清掃業も求人が多い。家事代行サイト「CaSy(カジー)」などに登録すると、さまざまな仕事を受注できる。「共働きや高齢者の家などに訪問する形の清掃サービスは、キッチン周りやお風呂のお掃除などで重宝されます。主婦の経験と知恵の発揮どころですね」(安田さん)【実例1】週4日の“家事”で1,000万円が射程圏内に/Aさん・50歳・専業主婦「自営業の夫は年収が700万円で、私は今年50歳になった専業主婦です。将来、夫婦でもらえる年金がサラリーマンの世帯に比べてすくないので、長い主婦経験を生かして家事代行サイトに登録しました」苦手だったというスマホやパソコンの操作も最近では慣れてきたというAさん。1日4時間くらいで、週に3〜4日、クライアントの家で掃除や洗濯などの家事を行っている。「年間で70万円ほど貯蓄できています。年金をもらえる65歳まで15年間続けられれば、1,000万円の貯蓄ができることになりますので、いまはそれを目標にしています」【実例2】老後不安で始めた仕事がやりがいに/Bさん・53歳・専業主婦「会社員の夫は年収が650万円です。専業主婦でしたが、老後に不安を感じて3年前から家事代行サイトに登録しました」そう語る53歳のBさん。仕事に応募し、受注する流れをすべてパソコンで作業するには「慣れるのに時間がかかった」というが、今では難なくこなせる。「とにかく多くのお客さまのところに行く経験が、自信につながると思いました。一生懸命、ていねいにやっているうちに、指名してもらえるようになったときの喜びは忘れません」現在は、週4日ほどの稼働で年収は120万円ほどになるという。そんな家事代行業だが、コミュニケーションが必要な現場が多いため、人間関係がうまくいかなかった場合、ストレスやトラブルになることもあるそうだ。仕事の探し方としては、ネットで情報収集をしつつ、同時に主婦友やママ友などの口コミも参考にするべきだという。「そうして多重構造で情報収集しておいて、比較検討することが大事。そのうえで、最終的に登録するのがスマホでも、友人・知人の紹介での面接でもいいんです。そして、仕事がつらい、続かないと思ったら、辞めてしまってもいいんです」(安田さん)老後のお金は不安、でも嫌なことをしてまで働きたくない……。そんな“わがまま”を押し通そう。
2019年09月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「老後の資金問題」です。お金に関する教育が日本人には不足しています。年金以外に老後の資金が約2000万円は必要になるという金融庁金融審議会の報告書の発表があって以来、年金問題について不安が高まっています。「高齢化社会における資産形成・管理」の報告書は、金融庁のホームページで、誰でも見られます。ぜひ読んでみてください。金融庁は、資産運用を管轄する省庁。年金問題を、資産運用の観点からどう乗り越えるかをテーマに、学識経験者や実務関係者が約半年、会合を重ねて作りました。人生100年時代、働けなくなってからのことも考えないといけません。現状では、夫婦2人暮らしの場合、年金で足りない分の月5万円には、退職金や貯蓄を取り崩しながらあてており、その状態が30年続くと換算すると、約2000万円になるという計算です。いまの年金世代は資産や貯金がありますが、若い人たちの中には持ち家も貯金もない人も。働き方も多様になり、非正規雇用も増えています。高齢になってからの資産運用は認知症の問題も出てきて大変なので、若いうちから少額で始められるNISAやiDeCoなどを利用してみませんか、という提案でした。人口減少が進み、年金制度を支える働く層は減る一方なのですから、冷静に考えればこのままでは済まないことはみなさん、うすうす気づいていたと思います。消費税を増税するだけで解決できる問題ではありません。普段から投資をして、自分でお金を増やす力をつけようというのは真っ当な意見ではないかと思います。アメリカでは約6割の人が投資目的で株や不動産の売買の経験があり、学校教育のなかで株式や投資の仕組みを習います。イギリスでも2014年から、金融リテラシーを磨くための教育が強化されました。お金の使い方やリスク管理、クレジットと負債、貯蓄投資や年金、金融商品などを16歳までに教えています。これに対し、日本には昔から、「金儲けはよくないこと」「清貧こそ美しい」という道徳観があります。しかし、資本主義の国なのですから、これからは義務教育から、お金の教育を取り入れるべきではないでしょうか。私たちも現実に目を向け、お金の勉強を始める必要があると思います。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年9月11日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年09月04日「『老後資金を2,000万円貯めるなんてムリ!』と思っている人がほとんどですが、そんなことはありません。40代以降から始めても遅くはありません」そう話すのは、『お金のウソ親の常識は、これからの非常識!』(ダイヤモンド社)など、投資に関する著書を多数出版し“積み立て王子”の異名をとるセゾン投信社長の中野晴啓さん。中野さんは、“年金2,000万円不足問題”で話題を集めた金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の委員のひとりでもある。「しかし、いまからコツコツ貯金をしていても、0.01%という低金利では、一向にお金は増えません。そこで、私がおすすめするのが、『つみたてNISA』を利用した、長期の積立投資です」(中野さん・以下同)つみたてNISAとは、’18年からスタートした金融庁お墨付きの投資制度。さまざまな資産に大勢の投資家から少しずつ資金を集めて分散投資する、投資信託164本が投資対象になっている(7月22日現在)。そのなかから商品を選び、扱っている金融機関につみたてNISA口座を開き、定期的に資産を積み立てていく。口座は1カ所にしか開くことはできないが、複数の商品を購入することは可能。つみたてNISAの最大のメリットは、得た利益に対し、最長で20年間は、通常かかる約20%の税金が、非課税になるという点だ(非課税投資枠は年40万円が上限)。「通常は、10万円利益が出たら、2万円を税金として払わなければなりませんが、つみたてNISAなら支払わなくていい。フルに非課税投資枠を利用すれば、45歳から65歳までの20年で、約1,000万円増やすことも可能です」■20年で1,000万円増やす積み立てシミュレーション(つみたてNISAで毎月3万3,000円ずつ積み立てした場合)【利回り:0%(元金)】投資期間15年の最終積み立て金額:594万円/投資期間20年の最終積み立て金額:792万円【利回り:4%】投資期間15年の最終積み立て金額:812万986円/投資期間20年の最終積み立て金額:1,210万3563円【利回り:5%】投資期間15年の最終積み立て金額:882万535円/投資期間20年の最終積み立て金額:1,356万4,111円【利回り:6%】投資期間15年の最終積み立て金額:959万7,018円/投資期間20年の最終積み立て金額:1,524万7,350円【利回り:7%】投資期間15年の最終積み立て金額:1,045万9,756円/投資期間20年の最終積み立て金額:1,719万580円しかし、「万が一、損をしたら」と思うと、一歩を踏み出せない人も多いはず。そこで、積み立て王子の中野さんに、超初心者でも、安全に老後資金を増やすコツを教えてもらった。「投資で着実にお金を増やすコツは、(1)分散、(2)長期、(3)積み立て、という3つの原則を守ることです。つみたてNISAは、この3原則に基づいて作られています」中野さんは、投資=損をしそうだと思う人が多いのは、企業の株を買う株式投資をイメージする人が多いからだと分析している。「そう思うのも一理あって、たしかにひとつの企業の株だけに投資していたら、大損する可能性もあります。僕みたいなプロの投資家でも、相場を読むことは難しくて、どの株が上がるかを事前に判断できないからです」株価は、売りたい人が多いと下がり、買いたい人が多いと上がる。人の感情に加えてさまざまな要因に左右されるものなので必ずしも教科書どおりに動くとは限らない。「自分が応援している会社に寄付をするつもりで、その会社の株を持つならかまいません。でも、老後のお金を確実に増やしたいときに、ひとつの企業の株だけに投資するのはギャンブルと同じ」そうならないためには、投資先を分散することがもっとも重要だ。「債券や株など、資産を分散し、国内外の市場にバランスよく投資する必要があります。そうすると、ひとつが値下がりしてもほかでカバーでき、損失が少なくてすむのです」そして、さらに重要なのが、“長期”で投資することだ。「世界経済は、毎年少しずつ、成長しています。ですから、短い期間で見れば、値下がりして損をしたように思えても、長期間、分散投資を続けていれば、元本割れする可能性は、きわめて低くなります。金融庁作成の資料でも、保有期間が5年であれば元本割れするケースもありますが、保有期間が20年になると、元本割れはゼロ。長期になればなるほど元本割れのリスクが少なくなります。じつは90%近くの投資家が平均2~6%の年率でお金を増やしているんです。少なくとも15年。できるだけ20年以上は続けてもらいたいですね」さらに、毎月決まった額だけ積立投資をする設定にしておくことで、「株価が値下がりしたときに、おそろしくなって売却してしまう」というリスクを回避できる。「また、月々で一定額を積み立てると、株価が安いときには購入できる口数が多くなり、高いときには少なくなります。すると、長期的に見た場合、株価が上がれば、トータルで同じ金額を投資していても、一気に購入するより、積み立てのほうが多くの口数を保有できます。そのぶん利益も大きくなるんです」このような、「分散・長期・積み立て」という3つの原則に当てはまっているつみたてNISAを利用すれば、元本割れのリスクを極力少なくでき、45歳からでも、年金だけでは足りない老後の資金を作ることができる。つみたてNISAの場合、非課税投資枠を月々に換算すると、3万3,000円だ。「45歳から、利回り7%で毎月3万3,000円ずつ積立した場合、65歳までの20年間で、約1,700万円になります。元本は約792万円ですから、普通に貯金しているより約1,000万円も、お金が増える計算です」
2019年08月01日「『老後資金を2,000万円貯めるなんてムリ!』と思っている人がほとんどですが、そんなことはありません。40代以降から始めても遅くはありません」そう話すのは、『お金のウソ親の常識は、これからの非常識!』(ダイヤモンド社)など、投資に関する著書を多数出版し“積み立て王子”の異名をとるセゾン投信社長の中野晴啓さん。中野さんは、“年金2,000万円不足問題”で話題を集めた金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の委員のひとりでもある。「人生100年時代ともなれば、年金だけで老後の資金がまかなえなくなることくらい、みなさんよくご存じです。とくに、年金受給額が少ない方は、2,000万円以上が必要になります」(中野さん・以下同)金融庁の報告書で試算されていたのは、厚生年金の加入者で、月に約19万円の年金が支給される無職の高齢夫婦がモデル。つまり、それより受給額が少なかったり、国民年金のみの加入者の場合は、より多く老後資金が必要になる。「しかし、いまからコツコツ貯金をしていても、0.01%という低金利では、一向にお金は増えません。そこで、私がおすすめするのが、『つみたてNISA』を利用した、長期の積立投資です」つみたてNISAとは、’18年からスタートした金融庁お墨付きの投資制度。さまざまな資産に大勢の投資家から少しずつ資金を集めて分散投資する、投資信託164本が投資対象になっている(7月22日現在)。そのなかから商品を選び、扱っている金融機関につみたてNISA口座を開き、定期的に資産を積み立てていく。口座は1カ所にしか開くことはできないが、複数の商品を購入することは可能。つみたてNISAの最大のメリットは、得た利益に対し、最長で20年間は、通常かかる約20%の税金が、非課税になるという点だ(非課税投資枠は年40万円が上限)。「通常は、10万円利益が出たら、2万円を税金として払わなければなりませんが、つみたてNISAなら支払わなくていい。フルに非課税投資枠を利用すれば、45歳から65歳までの20年で、約1,000万円増やすことも可能です」
2019年08月01日「老後2,000万円不足問題」で一躍クローズアップされた年金・給付金。制度は複雑だが、実は思わぬ「裏ワザ」が!そんな「裏ワザ」を経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた。「老後2,000万円不足問題」から、年金への注目度が上がっています。ですが、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」の改訂は、大きく報じられていません。年金の受け取りは原則65歳からですが、60~70歳の好きな時期から受給できます。ただ、受給を65歳より早く「繰り上げ」ると0.5%×早めた月数分年金が減額され、65歳より遅く「繰り下げ」ると0.7%×遅らせた月数分増額されます。改訂版ねんきん定期便には、70歳まで繰り下げると受給額が増えることを図で解説。いっぽうで、繰り上げの図はありません。政府は繰り下げのお得感を強調し、当面の支給額を減らせる繰り下げに誘導したいのでしょうか。ですが、繰り下げが必ずしも得だとは言えません。年金を賢くもらう裏ワザを紹介します。■加給年金「加給年金」とは、厚生年金に20年以上加入した人が、65歳で年金を受給する際、年下の妻や18歳未満の子どもがいたら受け取れるもの。いわば、年金の「家族手当」です。妻の年収が850万円未満などの条件を満たすと、妻が65歳になって自分の年金を受け取るまで、夫の年金に加給年金がつきます。妻への加給年金は、年22万4,500円。特別加算と合わせると、年39万100円になり、月額では約3万2,500円受け取れます(夫が’43年4月2日以降生まれの場合)。ただし、夫がすべての年金を繰り下げてしまうと、加給年金は受け取れません。妻が5歳年下なら、年約39万円×5年=約195万円もの加給年金が一切受け取れない、残念な結果になってしまいます。【裏ワザ】年金を分ける厚生年金は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建て、2つの年金は分けて受給でき、加給年金は老齢厚生年金に付随する制度です。年金すべてを繰り下げると加給年金はもらえませんが、年金を分け、老齢厚生年金を65歳から受給すれば、加給年金ももらえます。そのうえで老齢基礎年金だけを繰り下げれば、年金額を増やすこともできます。
2019年07月26日「老後2,000万円不足問題」で一躍クローズアップされた年金・給付金。制度は複雑だが、実は思わぬ「裏ワザ」が!そんな「裏ワザ」を経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた。「老後2,000万円不足問題」から、年金への注目度が上がっています。ですが、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」の改訂は、大きく報じられていません。年金の受け取りは原則65歳からですが、60~70歳の好きな時期から受給できます。ただ、受給を65歳より早く「繰り上げ」ると0.5%×早めた月数分年金が減額され、65歳より遅く「繰り下げ」ると0.7%×遅らせた月数分増額されます。改訂版ねんきん定期便には、70歳まで繰り下げると受給額が増えることを図で解説。いっぽうで、繰り上げの図はありません。政府は繰り下げのお得感を強調し、当面の支給額を減らせる繰り下げに誘導したいのでしょうか。ですが、繰り下げが必ずしも得だとは言えません。年金を賢くもらう裏ワザを紹介します。■65歳以前にもらえる年金60~64歳で受け取れる年金があります。「特別支給の老齢厚生年金」といい、対象は男性なら’61年4月1日までに生まれた方、女性は’66年4月1日までに生まれた方です(年金加入等の条件あり)。受給額は、現役時代の給料と加入月数によります。ただ、年金の繰り上げと混同しがち。働いていても受給できるので、手続き漏れのないように注意しましょう。ところが、60歳以降にたくさん稼ぐと、こうした年金の一部が「在職老齢年金制度」によってカットされることがあります。60~64歳までの年金カットは、年金と給料の合計が月28万円を超えるかどうかで決まります。合計額が28万円超~47万円以下の場合、(年金と給料の合計-28万円)×2分の1がカットされます。たとえば、60歳まで月給が40万円だったAさん。60歳以降は月給が30万円になりましたが、特別支給の厚生年金が10万円あるため、収入は減らないと喜んでいました。ですが、給料と年金の合計40万円は規定の28万円を超えるため、年金カットの対象です。減額分は、合計40万円から28万円を引いた12万円の2分の1で6万円。年金は10万円-6万円=4万円となり、給料30万円と合わせると、収入は34万円になりました。【裏ワザ】パート社員になる年金がカットになる在職老齢年金制度は、厚生年金に加入しながら年金を受け取る方が対象です。つまり、厚生年金に加入しなければ、年金はカットされません。とはいえ、60歳を超えても現役世代並みに働けば、厚生年金加入は義務です。加入をやめるには働く時間を、厚生年金の加入要件である正社員の4分の3未満に減らせばよいのです。Aさんの場合、勤務時間が4分の3未満のパートになれば、フルタイムでの給料30万円も4分の3未満の22万円になるでしょう。厚生年金は非加入になるので、年金はカットされず10万円。給料22万円と合わせると32万円です。先の年金カット後の34万円より収入は減りますが、働く時間も減って生活にゆとりが生まれるでしょう。また、Aさんは次の「高年齢雇用継続給付」も対象となり、収入はさらに増えるのです。■60歳以降は給料が大幅ダウン’13年度以降、希望する方は全員、65歳まで働けるようになりました。とはいえ、いったん定年退職し、嘱託社員として再雇用される方がほとんど。給料は60歳までの5~7割に下がるのが一般的です。【裏ワザ】高年齢雇用継続給付60歳以降の給料がそれまでの4分の3未満に減った場合、「高年齢雇用継続給付」が新給料の最大15%、雇用保険から支給されます。手続きは会社を通じて、ハローワークで行います。先のAさんは、60歳までの給料40万円の55%に当たる22万円に大幅ダウン。新給料22万円の15%、3万3,000円が高年齢雇用継続給付金として支給されます。つまりAさんの収入は、給料22万円と年金10万円に、この3万3,000円を合わせた35万3,000円です。「どんなに裏ワザを駆使しても、月に1万円ほどの違いじゃないか」と思うかもしれません。ですが月々のわずかな差が長い老後に積み重なり、死活問題になることも。だからこそ制度は徹底活用して、もらえるものは1円でも多くもらい、コツコツ貯めることが大切です。私の新刊『荻原博子の貯まる家計』(毎日新聞出版)には、年金以外にも家計改善のコツが満載ですから、参考にしてください。
2019年07月26日こんにちは、婚活FP山本です。金融庁の発表以降、老後資金に関するニュースが本当に増えましたね。それだけ関心のある方が多い表れとも言えますが、専門家として言えば、ちょっと受け取り方が危険なケースも多いように感じます。いくら老後資金が必要か……準備不足になると大事ですから、ぜひ正しい知識を身につけましょう。今回は、いくら老後資金が必要か、また老後を安心して生活するための基本をお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。「定年時には〇円のお金が必要」は無意味?まずは、根本的な老後資金の必要額についてお伝えします。そもそも「いくら老後資金が必要か」は個人差が大きい内容です。たとえ年収が似たような同僚やお隣さんと比べても、その必要額は大きく違ってきます。このため、「自分の場合はいくら必要か」を正確に知ることが大切です。中には、自分には貯められそうにない額を示す内容なら無視し、「貯金ナシでも大丈夫」といった情報ばかりを求める方もいますね。そう思いたいお気持ちは察するところですが、現実逃避をして後悔するのは自分自身です。どう転んでも、相応の貯金が必要になるのは冷静に考えれば分かるかと。ひとまず、「定年時には〇円のお金が必要」は、ファイナンシャル・プランナーなら個別に計算してくれます。必要に応じて専門家の力も借り、まずは自分にとって「正しい情報」を知りましょう。金額は個人次第、むしろ目安は危険!繰り返しですが、老後資金に必要な金額は個人差が大きく、むしろ汎用的な目安で考えるのは危険です。そして、ゼロでも大丈夫な人などまずいませんし、中には一億円の貯金があっても破綻の兆候が見える人もいます。こういった人が「私は貯金〇円越えてるから大丈夫」などと考えていたら……。「自分の場合はいくら老後資金が必要か」を知る事こそが、老後対策での最初の第一歩と言えます。不足したとしても過去には戻れない訳ですから、老後になって人生を後悔するような事が無いよう、早めに知って備え始めましょう。貯金なら2000万円分の蓄えが必要?次に、老後資金の基本的な計算方法をお伝えします。簡単に言えば、老後資金は「年金と日常生活費の差額」×余命年数分という計算が基本です。これに、例えば介護などの非日常生活費の分を加算して計算します。仮に差額が月10万円、余命が30年なら最低3600万円ですね。日常生活にいくら必要かは個人差が大きいですし、余命を何歳まで見積もるかも個人差があります。非日常生活費も、人によってリフォームや旅費、趣味や車など「何が必要か」は様々です。そして何より、「何が起こるか分からない」からこそ、より多めに考えて準備する必要があります。先般の金融庁の「老後は貯金2000万円分の蓄えが必要」は、こうした計算を統計で行った結果です。闇雲に2000万円を意識するよりも、まずは冷静に「自分の場合はいくらか」を計算してみてはいかがでしょうか。2000万円は最低生活費。安心できない!金融庁の老後2000万円とは、非日常生活費の分を考えていない「差額×年数」のみでの計算結果です。しかも計算時の生活費は、随分と割安で考えられたものでした。つまり、この2000万円とは「生活費として最低限必要な貯金額」と言えてしまうものかもしれません。このため仮に2000万円の貯金があっても、いずれ生活が苦しくなる可能性が高いため、とても安心できる貯金額とはいえません。あくまで2000万円は「最初の目標」と考えて、達成したらさらに上回る貯金額を目指して励んでいくことが大切です。[adsense_middle]サラリーマン夫婦で平均4000~5000万円が目安今度は、実際の老後資金の目安についてお伝えします。結論から言えば、サラリーマン夫婦の平均としては「4000~5000万円」が一つの目安です。これも結局個人差が大きく、これだけあっても足りない方も出てくるでしょうが、金融庁の計算よりは現実的といえます。なお、この金額は「それまでに自力で蓄えなければならない貯金額」ではありません。例えば退職金を加えてもいいですし、相続財産を加えてもかまいません。住宅ローンを完済しているなら、以後の住居費分は減らして考えられます。ある程度は柔軟に考えていきましょう。ちなみに、この貯金額を超えている65歳以上の夫婦は、統計では「2割にも満たない」のが実情です。皆、貯められていない訳ですね。「だからこんなに貯めなくても大丈夫」ではありませんが、2000万円の次は、この4000万円を目安にしてみてはいかがでしょうか。退職後も働く、自営業になる人もいるが……貯金不足の場合の対処法として、退職後も働いたり、自営業になったりしようと考える方も多いですが、楽観的に考えるのは危険かもしれません。65歳以上の方の年収は200~300万円程度ですし、独立して自営業になっても95%以上の人が失敗している統計もあります。そもそも、今は人生100年時代ですが、どう転んでも100歳までは働けません。想像以上に働けなくなる時期が早い可能性もありますし、やはりある程度は老後資金として準備したほうが無難でしょうね。「いくら老後資金が必要か」を体験してみようここからは、老後資金への対策についてお伝えします。筆者としては、まず「いくら老後資金が必要かを体験する」のがおすすめです。つまり「予定している年金額で実際に生活してみる」訳ですね。どうにも生活が苦しければ「あといくらあれば生活できるか」が実感でき、それが「いくら老後資金が必要か」に繋がるでしょう。そもそも、「老後資金に〇円必要」と言われても普通ピンときません。ピンとこないなら、仮に足りなくても何が起こるのか分からず、必死に備えようとも思わないでしょう。資金不足は老後破産という貧困に直結しますが、「貧困になった事がない」なら尚更と言えます。ならば実際に体験し、老後資金不足がどれだけ深刻なことかを知ることが第一歩です。ちなみに年金額は、年金機構のサイトなどで調べられます。給料との差額は先に貯金し、残額の範囲で一ヶ月生活してみましょう。「安心」は当然ではない。備えて得よう!あなたは「貧困に陥った自分」を考えられるでしょうか。すでに高齢世帯の4割は老後破産状態とされ、今後も増えていくと予想されています。もはや日本は、一生「安心・安泰が普通」ではありません。現代に安心などなく、備えて改めて手に入れるものと言えます。しかし、そうとは思えず、未だに未来や老後を楽観的に考えている人も多いのが現実です。貧困を体験してもいいですし、破産した人に会いに行くのも、老後破産を動画で見てみるのもアリといえます。何らかの方法で、まずは老後対策の必要性・重要性をしっかり理解しましょう。[adsense_middle]預金以外の資産なら近道の可能性アリ次に、「預金以外の資産を持つ」方法もおすすめです。簡単に言えば「投資」ですね。未経験の方からすれば、どうしてもリスクが怖いところでしょうが、賢く利用すれば確かに老後資金準備に役立つ手段です。まずは「投資の勉強」あたりから始めてみてはいかがでしょうか。ちなみに投資とは、ものにもよりますが10年20年をかけて資産を1.5~2倍にすることを狙うようなイメージです。預金なら丸々4000万円が必要なところ、投資なら2000~3000万円の預金があれば良いことになります。一気に目標達成への近道になりうるのではないでしょうか。ただ、10年20年の時間がない方には不向きかもしれません。そもそも貯金自体が厳しい方にも不向きです。それでも相応の条件を備えた方なら、ぜひ検討してみることをおすすめします。「老後資金が貯まるか否か」で考えよう投資と聞くと、どうしても身構え、避けたくなる人もいますが、避けたいなら避けてもいいんです。ただ、投資を避けることはできますが、老後資金については避けられません。他の老後資金準備方法もありますが、少なくとも「もっとラクで確実な方法」などありません。もちろん「貯められなくても大丈夫」は通じません。どう生きるかはあなたの自由ですが、少なくとも「老後破産だけはイヤ」と考えるなら、投資というリスクを取ってでも備えることをおすすめします。老後対策への主敵は「身近」にいる!?最後は、老後(資金)対策における重要ポイントをお伝えします。結論から言えば「周囲に惑わされることなく実行していく」ことが重要です。きっとあなたも、昨日までは老後対策にピンとこなくて、周囲の方と同じく未来を楽観的に考えていたのではないでしょうか。残念ながら、金融庁の発表以降も多くの方はピンときておらず、強めに考えたのは「すでに老後生活に入っている方」という傾向です。例えるなら老後対策は、周囲が遊んでいる中で一人、勉強に励む学生でしょうか。親、同僚、友人、時には配偶者すら「周囲」かもしれません。大半の身近な存在は、老後対策において障害とさえ言えますし、味方に引き入れるのも困難です。孤独な戦いになるでしょうが、最後には笑えるよう、がんばっていきましょう。破産者を横目に、自分だけは安心生活を!少しダークな発想ですが、人間は「人と比べてこそ」価値を感じます。非正規労働の方が傍にいたら、正社員というだけで優越感に浸れるでしょう。周囲が老後破産に喘ぐ中、あなただけは安心して生活できたら……?特に贅沢しなくても、それだけで強烈な幸福感を得られる毎日でしょうね。老後対策は、目先のラクを求めるものではなく、むしろ未来のために目先は苦労します。しかし、苦労した分だけ最後に報われるのが老後対策です。生涯を安心して暮らすために、少しずつできるところから備え始めましょう。老後資金は「いくらでも」必要!安心を積み上げよう老後資金は「いくらあれば大丈夫か」よりも「いくらでも必要」と考えるべきお金です。いくらあっても絶対大丈夫とは言えませんからね。ただ、備えた分だけ安心できるのは絶対です。多くの人が破産していく中、自分だけは安心して生涯暮らすため、少しずつ準備に励んでいきましょう。
2019年07月17日こんにちは、婚活FP山本です。最近では老後2000万円問題が大きくクローズアップされていますが、以前から「老後破産」が問題視されていたのをご存知でしょうか?老後2000万円問題で少しは身近な問題になりましたが、まだまだ多くの人は「自分には関係ない事」のようです。その考え方こそが、一番危険なのかもしれませんよ。そこで今回は、老後破産の現実や対策についてたっぷりお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。老後破産になる確率は6~8割?まずは老後破産の現実を、統計を通してお伝えします。総務省の2018年「家計調査」によると、65歳以上の世帯(二人以上)の貯金額は以下のとおりです。100万円未満:8.1%500万円未満:16.0%1000万円未満:15.7%2000万円未満:21.7%、↑合計61.5%4000万円未満:22.1%4000万円以上:16.3%今、言われている「老後2000万円」で考えても、およそ6割を超える人が対象になります。また私を含めた大半の専門家は「2000万円では足りない」と計算しており、実際に必要な額は低くても4000万円です。すると、どうやら8割を超える人が対象となりますね。8割ということは「10人中8人」です。どう少なく考えても、「きっと大丈夫」とは言えないのではないでしょうか。「誰もが老後破産になる可能性がある」と考えるのが自然かと。まずは、この実情をしっかり知っておきましょう。「現実感が沸かない人」こそ筆頭候補!そもそも、あなたは老後破産をご存知ですか?何となく知っていても、まさか自分が陥るとは考えてもいないでしょう。先ほどの貯金2000万円未満の人も、大半は同じです。そうして現実感が沸かないから何の対策も取らず、気づいたら老後破産に陥るのが基本になります。相応に対策を取っていても老後破産する人もいますから、無対策なら尚更で、さらに困窮具合もヒドくなるのが自然です。まずは少なくとも「私にも関係あることなんだ」と、自分事として考えていきましょう。定年後の生活は30年以上も続くもの?次に、老後破産になる理由についてお伝えします。そもそも老後破産とは「老後生活の途中で貯金が尽きる事」です。そして、年金などの範囲での生活になる事を指します。また、老後、つまり定年後は年齢的に満足に働けないことも多いため、基本的に貯金は「減る一方」です。年金の範囲で生活できれば良さげに思えますが、残念ながら多くの人にとって年金だけでは足りません。仮に生活は成り立っても、介護を筆頭とした「生活以外の支出」には貯金が必要です。そんな生活が、定年後に30年程度以上も続きます。40年という事もあり、ほぼ現役時代と変わらない期間です。ちなみに年金額は個人差がありますが、夫婦でも年300万円程度になります。月10万円取り崩すだけで年120万円、30年でも3600万円ですね。月20万円なら……。何となく、老後破産になってしまうのも納得できるのではないでしょうか。老後破産の原因は「発想・想像が貧困」だから?あなたは「80歳頃の自分」を想像できますか?残念ながら、ほとんどの人はできません。考えられるのは、せいぜい「定年頃まで」です。考えられないから考えず、「きっと大丈夫」という発想になり、老後破産してから「こんな風になるとは思ってなかった」となります。つまり、老後破産という現実的な貧困は、「当人の発想や想像の貧困」が最たる原因です。自分で考えられない場合は、代わりに考えてくれる専門家に相談したほうが無難かもしれませんね。年金生活や生活保護=地獄のような人生今度は、老後破産の実情についてお伝えします。これについては動画でも見たほうが早いかもしれません。ぜひ、どこかの動画サイトで見てみて下さい。年金生活や生活保護での生活実態がどのようなものなのか……ほとんどの人は「悲惨・地獄」という感想を持つでしょう。食費は一日300円以下、夏でもエアコンが使えず、お金がないから友人とも会えなくなる……。何より、状況が改善される希望がほぼなく、人生が終わるまで苦しみ続けるだけという絶望の日々になります。しかも、年金も生活保護も「減額の一途」というのが現実です。少なくとも、誰もが「こうはなりたくない」と思うでしょうね。最初に触れた通り、「このままなら6~8割の人が」こうなります。おそらく、あなたも十分に対象に入っているのではないでしょうか。貧困の実例を知り、破綻を避けたい心理を持とう!中には、あまりの悲惨さに逆に現実感が持てない人もいます。お気持ちは察するところですが、老後破産は「確かな現実」です。老後破産が分かりにくいなら、ホームレスや非正規労働者など、まだ身近と思える「貧困の実例」を思い浮かべるのもアリでしょうか。知れば知るほど、現実感も持てて老後破産という生活破綻を避けたいと思えるハズです。まずは「明日は我が身」と思えるまで知り抜いて、その上で避けるための対策を考えて動いていきましょう。[adsense_middle]老後破産の基本対策は、やっぱり貯金?ここからは、老後破産への対策やポイントをお伝えします。まず老後対策としては、やはり貯金が基本です。「いくらあれば足りるか」は個人差がありますが、ともかく十分な貯金さえあれば老後破産は「縁遠い存在」といえます。どんなに貯金があっても「無縁」にはなりませんが……。年齢などによっては十分な貯金ができないこともありますが、その時には「定年後の就労対策」がおすすめです。具体的には「健康・経験(実力)・情報収集」でしょうか。死ぬまではムリでも、働けた分だけ必要な貯金額は減ります。気持ちだけでは働けないことも多いので、現実的な対策を取っていきましょう。少し角度を変えて「熟年離婚対策」も大切です。「離婚したら共倒れ」という理屈があるとしても、感情が上回ることも多々あります。結婚しているなら、改めて夫婦仲の改善を図っていきましょう。サラリーマンこそ貯金より投資での対策がおすすめ老後2000万円問題に関係して、方々で「投資での老後対策」が勧められています。そして投資は、実はサラリーマンの方にこそおすすめです。相応に収入が安定していますし、ものによっては節税にもなりますからね。副業が禁止されていても、投資ならできることも多いので尚更です。もっとも、投資はリスクもありますし、勉強が必須となります。また投資は「長期投資」が基本なので、高齢になるほど老後対策には不向きです。しかしそれでも、興味がある人は勉強から始めてみるのもアリかもしれません。老後対策で忘れがちな「親や子供の存在」次は、老後対策で忘れられやすい盲点をお伝えします。結論から言えば、それは「親や子供の存在」です。親の介護に貯金を出した、離職した。子供の教育費が想像以上だった、引きこもりや出戻りで生活費が増した……。それぞれ単体でも十分な社会問題ですが、あなたの老後破産にも繋がる問題です。また、これらの問題は「少し予測しにくい」ことも特徴といえます。親の資産状況など知らない事も多いですし、子供の引きこもりなどを予測できることも稀ですからね。だからこそ当人の老後対策として後回しにしがちな要素ですが、だからといって無視しても良い要素でもありません。当人達にも「自発的な努力」を早期から促す一方で、頼られる可能性も視野に入れておいたほうが無難です。お金の準備は元より「いつまで、いくらまでなら支援可能か」を事前にしっかり見極めておきましょう。貧困や破産の「連鎖」こそ最恐ポイント!親が貧困や破産に陥ると、子供が勉強不足や経済的負担を強いられるため、結果的に「貧困の連鎖」が発生する傾向にあります。その連鎖は、時に殺人などの「更なる悲劇」に繋がりがちです。しかも最近の連鎖は、子供側が出発点というケースも増えつつあります。ただ一方で、親や子供に助けてもらえる事もあるのも「紛れもない現実」です。あなたがどちらの立場になるか分かりませんが、ひとまず「助ける側」になった時には助けられるよう、備えは常に余裕を持ってしていきましょう。全ての将来・老後対策は「時間」が肝最後に、老後対策における肝となるポイントをお伝えします。結論から言えば、老後対策は「時間」こそが肝です。つまり老後に限りませんが、全ての将来・老後対策は「今日から、少しでも早くから備え始めること」が極めて大切となります。たとえ直接的な準備に至らなくても、です。例えば、2000万円もの大金は準備に何十年もかかります。時間があるほど達成は容易ですが、時間がないほど達成も難しく、負荷も大きくなるでしょう。就労対策でも同じです。中には低年収や長時間労働で、「どうしろって言うんだ」と言いたい人もいるでしょう。冷たいようですが、愚痴っていても対策は何も進みません。ヤケの心境・消極的な姿勢からは何もプラスは生まれません。「どうしたらいいか」を真剣に考え、少しずつでも準備を進めましょう。全てのモデルは無意味!自分だけでも助かろう!学生の多くは「周囲が勉強しているか否か」を気にしますね。そして平均点前後なら安心しますが、今のあなたはこれをどう思いますか?老後は6~8割が破産しますから、周囲に合わせていてはダメといえます。勉強している学生のように黙る必要はありませんが、周囲とは違う周囲以上のことをしてこそ老後対策です。もっとも……何もしていない人を上回るのは簡単ではないでしょうか。できるところから、少しずつでいい訳です。時間を味方につけて、ぜひ今日から老後へ備え始めましょう。老後破産は不可避!無視より「備える安心」を!残念ながら老後破産は無視できず、強引に現実逃避しても老後になれば必ず迫ってきます。そして基本的に誰も助けてくれない以上、備えが大切ではないでしょうか。無視して一時的に安心するよりも、向き合って「本物の安心」を備えて、老後すらも楽しく人生を謳歌していきましょう。
2019年07月11日「国民年金しかもらえない高齢者は2,000万円足りないのではなくて、5,000万円以上足りないのです」金融庁の報告書に端を発した「老後2,000万円不足」問題。これに対してキャスターの辛坊治郎さんが、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』(6月13日放送)で冒頭のように語り、話題になっている。公的年金の被保険者は’16年度で約6,700万人いるが、そのうち、個人事業主やその配偶者などが該当する「国民年金第1号被保険者」は約1,600万人。年金を納めたり、受給したりしているうちの「4人に1人」という計算だ。これほど多くの人たちが「5,000万円足りない」とする辛坊説を、経済評論家の加谷珪一さんは「的を射た数字だ」と説明する。「“老後2,000万円”は、総務省の『家計調査』の、無職夫婦世帯の実支出の平均額月26万4,000円と、実収入の平均額月20万9,198円の差額を根拠にしています。しかし、現在の国民年金は満額で月約6万5,000円。夫婦でも13万円ほどです。つまり国民年金だけで95歳まで生きるとなると、およそ5,000万円が不足するという計算になります」それでは、ファイナンシャルプランナーの中村薫さんに老後の準備の進め方を解説してもらおう。「1つは『月1万円でも支出を減らすこと』です。現在50歳で月1万円ずつ支出を減らすことができれば、65歳までに180万円減らせる計算に。さらに、老後にかかるお金を減らすこともできます。そしてもう1つが『国民年金の未納期間を減らすこと』です」以上が必ずやっておくべきこと。そのうえで、自らの所得や職種に応じて、老後資金を増やす4つの方法を考えよう(※1:加入年の上限や受取時期は国民年金の加入状況等により異なる場合がある。※2:課税所得400万円で上限額まで加入した場合の所得控除による節税効果の例)。【1】国民年金基金掛金の上限額(自営業者、年間):合計81万6,000円加入年の上限(※1):60歳まで受け取れる時期(※1):60歳以降節税効果の例:年約24万円(※2)現在は予定利率1.5%で運用されている。ライフプランに応じて、受給の種類を選ぶことができて、終身受給のものもある。保険料は所得控除の対象になり、所得税や住民税を節税できる。「国民年金に“上乗せ”して加入することで、65歳以降に受け取れる年金額を増やすことができるのが『国民年金基金』です。厚生年金のない個人事業主のための“2階建て”システムです」自営業のCさん(50)は、1口目の終身年金A型をはじめ計8口を選択し、掛金は約6万7,000円。Cさん自身がこう語る――。「増える年金の額は年齢によって年6万~54万円の間で変動しますが、95歳まで生きた場合、合計1,200万円になる計算です。国民年金だけだと6万5,000円しかもらえないので、60歳までの10年間、上限6万8,000円に近い月額を頑張って掛けることにしました。だいぶ安心できます」【2】iDeCo掛金の上限額(自営業者、年間):合計81万6,000円加入年の上限(※1):60歳まで受け取れる時期(※1):60歳以降節税効果の例:年約24万円(※2)/運用益非課税金融商品を選んで、自分で運用する。国民年金基金よりも高い利率で運用できる可能性がある一方、元本割れのリスクも。受け取りは分割と一括が選べて、一括の場合、サラリーマンの退職金と同様に、税金が大きく優遇される「退職所得控除」の対象になる。「個人型確定拠出年金。税制面でも優遇された制度です。国民年金基金と併用できますが、月の掛金は2つ合わせて6万8,000円が上限です。元本が保証される『定期預金』『保険』商品か、元本割れのリスクがある『投資信託』から選択できます。非課税メリットは大きいですが、積立期間の満期の60歳まで途中解約できず、引き出せないことがデメリットです」(中村さん)【3】つみたてNISA掛金の上限額(自営業者、年間):40万円加入年の上限(※1):20年(非課税になる期間)受け取れる時期(※1):いつでも節税効果の例:運用益非課税一定の条件を満たした投資信託などを積み立て方式で購入していく。年間40万円、最長20年間で800万円まで投資可能。いつでも売却できて、売却益は非課税。「つみたて型の少額投資非課税制度で、iDeCoとの最大の違いは、途中でいつでも売却して引き出せるという点。事業に必要な資金が急に必要になることが多い人などは、こちらのほうが向いているかもしれません」(中村さん)【4】付加年金掛金の上限額(自営業者、年間):4,800円加入年の上限(※1):60歳まで受け取れる時期(※1):65歳以上節税効果の例:年約1,500円(※2)国民年金保険料に月々400円を足して納めると、将来の年金額が月々200円増える。仮に50歳から10年間払い続けると、年金額は2万4,000円増える。国民年金基金に加入していると、付加年金を払うことはできない。老後のために資金を回す余裕がないという人におすすめがこちら。「付加年金は年金保険料に月400円を加えて払うだけで、納付した月数×200円が終身で増えます。利幅はいちばん大きいですが、国民年金基金と併用することができないのがデメリットです」(中村さん)さまざまな手段がわかったところで、中村さんはこうアドバイス。「それぞれに一長一短がありますので、『国民年金基金とiDeCo』とか、『国民年金基金とつみたてNISA』など、複数のものに分けて、少しずつ運用するという方法を取る人も多い。経験を積みながら、規模をだんだんと大きくしていくのがいいでしょう」
2019年07月05日「国民年金しかもらえない高齢者は2,000万円足りないのではなくて、5,000万円以上足りないのです」金融庁の報告書に端を発した「老後2,000万円不足」問題。これに対してキャスターの辛坊治郎さんが、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』(6月13日放送)で冒頭のように語り、話題になっている。公的年金の被保険者は’16年度で約6,700万人いるが、そのうち、個人事業主やその配偶者などが該当する「国民年金第1号被保険者」は約1,600万人。年金を納めたり、受給したりしているうちの「4人に1人」という計算だ。これほど多くの人たちが「5,000万円足りない」とする辛坊説を、経済評論家の加谷珪一さんは「的を射た数字だ」と説明する。「“老後2,000万円”は、総務省の『家計調査』の、無職夫婦世帯の実支出の平均額月26万4,000円と、実収入の平均額月20万9,198円の差額を根拠にしています。しかし、現在の国民年金は満額で月約6万5,000円。夫婦でも13万円ほどです。つまり国民年金だけで95歳まで生きるとなると、およそ5,000万円が不足するという計算になります」国民年金(満額、夫婦2人):12万9,882円-実支出:26万3,718円(総務省「家計調査」2017年より)=-13万3,836円(不足額)。30年で不足額は4,818万円になる。だが、必ずしも悲観することばかりではないと加谷さんは言う。「会社員と違って、個人事業主に定年はありません。会社員が定年後、働こうと思ったら、今までと別の仕事をしなければいけませんが、個人事業主であれば、慣れた仕事を続けることができる。“人生100年時代”は働き続けることが最大の防衛術になります。とはいえ、一生涯働くことも困難です。いずれ、働けなくなったときに備えて、老後の準備を怠ってはなりません」それでは、ファイナンシャルプランナーの中村薫さんに老後の準備の進め方を解説してもらおう。「1つは『月1万円でも支出を減らすこと』です。現在50歳で月1万円ずつ支出を減らすことができれば、65歳までに180万円減らせる計算に。さらに、老後にかかるお金を減らすこともできます。そしてもう1つが『国民年金の未納期間を減らすこと』です」■必ずやっておきたい老後の準備(※令和元年度の金額を基に概算)【家計の見直し】支出が減れば、必要な老後資金も減る。月1万円の節約ができれば、65~95歳の30年で360万円の節約に。【国民年金を満期(40年)に近づける】国民年金の満期は40年。現在の保険料は年間19万6,920円で、納付年数が1年増えるごとに年金受給額は約2万円増加する。未納になっている保険料を過去2年1カ月ぶんを遡って払う「追納」や、60~65歳になるまでの間に総加入年が40年に達するまで納付できる「任意加入」など加入期間を延ばすことができる。老後資金を増やすため、この2つは必ずやっておこう。
2019年07月05日