アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。ここ最近、食欲も戻っていて調子が良さそうに見える母・あーちゃんですが、ワフウフさんが通院に付き添ったときに「疲れちゃうからダンスをやめたい」と言われてしまいました。代わりに病院の患者さんが参加するサークルをすすめてみますが、却下。そして、会話の流れでなじみのある調味料についての記憶もなくなっていることがわかり、ワフウフさんは、あーちゃんの頭の中からどんどん知識が消えていることを目の当たりにしました。区別がつかない…?今でも「毎回の付き添いは不要」とワフウフさん姉妹に言う母・あーちゃんですが、このところ少しだけ自信がなくなってきたようで「もし忘れるのが心配なら、前の日にメールだけしてもらえればいいのよ」と、付け加えるように。自信満々で訳のわからない行動を取られてもフォローは大変ですが、そんなふうに自信をなくしていく姿を見るのは切なくなってしまい、複雑です。病院を出るとき、あーちゃんは1本の傘を持っていました。雨が降りそうだから持ってきたと言いますが……。まったく降りそうな気配はなく……。もう一度確認してみると。え……??思っている以上に、形がわからなくなっているのかもしれません。ひどい風邪をひいた姉が、あーちゃんの健康状態を心配して連絡すると……? まさかの返答。※たんたん:ワフウフさん姉妹の父、あーちゃんの夫。認知症になる前から関係は最悪。糖尿病の持病を抱えるあーちゃん。メールを見て、心の中で絶叫する姉。あれだけ憎んでいたはずなのに……。さすがに我慢できなくなった姉は、チクリと小言を送信。全然響いていない……(涙)。そりゃ落ち込むよね。胃カメラ検査を無事に終え、病院を出ようとしたところ、あーちゃんが1本の傘をつかみ「これ、私の傘よね?」と姉に聞いたそう。姉はその傘に見覚えがなく、雨が降りそうな天気でもありませんでした。その傘は持ち手が変わった形をしていたので、そんな形の傘を持っていたかあーちゃんに聞き返すと「持ってないわよ!」と普通の顔をして言われ、なぜ自分の物だと思ったのか困惑……。最近のあーちゃんを見ていると、物の形がわからなくなっているようなので、気を付けてみていないと人の物を悪気なく持って行ってしまいそうです。症状が進行するにつれて、一挙手一投足も見逃せなくなってきました。そしてこの検査の後、ひどい風邪をひいてしまった姉。病院でもらってきたのであれば、あーちゃんも心配だとメールで連絡をしました。ほどなくして、元気にしていると返事が来て安心しましたが、同時に関係が最悪なはずの父とパンの食べ放題に行ったと報告され、姉はいろいろと複雑な感情を持つことに。--------------実際に他人のものを勝手に持って帰ってきてしまったら、認知症の症状の可能性が高いとはいえ、気を付けないといけないですね。荷物は最小限にする、バッグの中の収納場所を決めるなど、見慣れないものを持っていたらすぐわかるような対策も、これからは必要になってくるのでしょうか。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年04月23日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。いつものように、通院の帰り道にお茶に立ち寄ると、甘いものを食べたがった母・あーちゃん。おなかが空いていると言うので、ワフウフさんは軽食をすすめますが、断固拒否。ついにはレジ横のスイーツに手を伸ばし、手を変え品を変え甘いものを食べようとするのを、必死に止めるワフウフさんでした。前回、疲れてダンスのレッスンをお休みしてしまったあーちゃんを心配して、姉・なーにゃんは前日に確認のメールを送っていました。すると、それが通院の付き添いのパターンだと思ったのか、翌日レッスンに向かう途中の乗り継ぎ駅から「一緒に行くんじゃないの?」と電話が……。約束をしたと思い込む初のパターンで、なーにゃんも困惑してしまいます。 持ってきたのが奇跡…! 付き添いで会ったとき、父から6万円もの高額を請求されていると言うあーちゃん。 ※たんたん:ワフウフさんの実父、あーちゃんの夫。 内訳を確認するように姉が言うと、どうやら税金だったらしく、納得しました。 しかし、また6万円を請求されたと訴えるあーちゃん。 姉がいろいろと確認をしたところ、父によってなんとすでに支払い済みのテレビの受信料を6年分さかのぼって再度請求されていました……。 あーちゃんが認知症だとわかってやるなんて、信じられません。 父の血も引いていると思うと、嫌な気持ちになってしまいます……。 かかりつけの先生と相談し、じっくり検査をしてみることになりました。 しかし、受ける検査に合わせて病院に行くシステムのため、何度も行く必要があり……。 覚悟はしていましたが、やはり大変でした。 最大の難関とも言える検便は、容器を探すところから……。 容器は2つあるはずなのに、見当たらないと言うあーちゃん。 しかし、検査当日はバッチリ2つの便を持参! これは奇跡……! 検査を受けさせるって、こんなに大変だったっけ……?? いつものように通院に付き添っていたある日。あーちゃんは父からテレビの受信料という内訳で、父から6万円も請求されたと言います。しかし、後日姉が話を聞き直すと、母は「税金だった」と言うので、受診料ではなく(何らかの)税金だと姉妹で納得していたのですが……。ところが、たまたま別の用事で姉が保管している資料を確認したところ、父がわざわざ6年前にさかのぼってまで、あーちゃんにテレビの受信料を請求していたことが発覚。認知症だからバレないと思っているのでしょう……。セコすぎる! 最近、かなり疲れやすくなったあーちゃん。かかりつけの先生と相談して、一度じっくり検査をしてみようという話になりました。しかし、検査を受けるためには何度もちょこちょこ病院に足を運ぶ必要があります。いつもの注射ですら大変な状況で、何度もイレギュラーな予定を入れるのは、本当に大変で……。 すぐ忘れるので質問がエンドレスになり、何回説明したかもわかりません。さらに、検査には最大の難関ともいえる検便がありました。2日間にわたって検便をしなくてはいけないけれど、検便キットの使い方は何度説明しても理解できていない様子。でも、なぜか当日はちゃんと2回分の便を持ってくるという奇跡が! もはやいつの便かわかりませんが、持ってきただけでも褒めてあげてほしいです……。 --------------イレギュラーの予定をこなすのが大変になっている状況で、いつもと日程は違うけれども行き先は同じ病院、というのは混乱してしいそうですね。そんな中、ちゃんと検便を持ってきてくれたあーちゃんの姿を見て、「奇跡」と思う気持ちも理解できるのではないでしょうか。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年04月22日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんはお花が好きなので、母の日は毎年鉢植えを贈っていたワフウフさん姉妹。しかし、今年は体調を考慮して、ワフウフさんはハンドクリームとボディクリームのセットを贈りました。すると、涙ぐみながらお礼を言ってくれたあーちゃん。しかし、例年通り鉢植えを贈った姉・なーにゃんには「部屋にあったお花は、私が受け取ったの!?」と言い、ガッカリさせてしまったのでしたメールでのフォローは限界…?ここ最近、調子が良さそうなあーちゃん。食欲戻っているように見えます。しかし、疲れちゃうからダンスをやめたいと言いだしたため、代わりに病院の患者さんが参加しているサークルに参加してはどうかと提案しますが、却下されてしまいました。さらに、なじみのある調味料を忘れてしまっていることも判明し、あーちゃんの頭からどんどん知識が消えていることを目の当たりにしたワフウフさんでした。今でも、付き添いは不要だと言うあーちゃん。病院の前日に確認メールをしても「大丈夫」と返事が届きます。しかし、ここのところはちょっぴり自信がなくなってきたのか、確認メールは欲しいようです。訳のわからない行動をされるのは大変ですが、やることに自信がなくなっているのを見ているのは、それ以上につらいです……。胃カメラ検査の朝。確認メールをすると……。このメールのあと、すぐに電話がかかってきて……。いろいろと大変なことになっていました! 早めに気付いたおかげで、一応検査は受けられましたが……。別々で暮らしながらのフォローに限界を感じ始めていました。私たちに「毎回病院について来なくていい」と今でも言うあーちゃんですが、このところ少しだけ自信がなくなってきたのか「もし忘れるのが心配なら、前の日にメールだけしてもらえればいいのよ」と、付け加えるように。自分が何でも忘れてしまうことは、うっすらとわかっているのかもしれません。数分前のことすら忘れてしまうのに、前日確認だけで放っておけるわけはないのですが……。自信満々で訳のわからない行動をされると、私たちもフォローが大変ですが、こうして自信をなくしているのを見るのも、なんだか切ない気持ちになります。そうして、体調が安定しない中でやってきた胃カメラ検査の日。食事の注意事項もあり、時間も普段の通勤とは違うため、姉が確認のメールを送ると、すぐさまあーちゃんから電話がかかってきました。話しているうちに、家を出る時間を間違えていることがわかって、慌てて軌道修正。結局、検査は無事に受けられましたが、別々に住みながらフォローをしていくことにやや限界を感じ始めていました……。--------------あーちゃんが「ひとりで大丈夫」だと言うのは、もちろん自分でそう思っているのかもしれませんが、確認メールはしてほしいと言われたことを考えると、これ以上負担をかけられないという娘たちへの配慮の部分もあるのかもしれません。もう少し、今の状況に合ったフォローの方法を見つけられるといいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年04月22日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。通院の帰り道、いつものようにケーキを食べたがる母・あーちゃん。ワフウフさんが止めても、甘いものを食べたい気持ちは抑えられないようで、バッグから飴を取り出してボリボリと食べ始めました。ケーキはダメだったとして、飴ならOKという思考回路は、どこからやってくるのでしょうか……。相変わらず、通院帰りに甘いものを食べたいと言うあーちゃん。糖尿病を理由に、軽食にしてはどうかとワフウフさんは提案しますが、即却下。レジ横のスイーツにまで手を伸ばすなど、手を変え品を変え、甘いものにありつこうとしていて、止めるのもひと苦労です。 そんな約束はしていない… ダンスレッスンを翌日に控え、姉のなーちゃんは忘れずに行くようにメールで連絡しただけなのに……。 あーちゃんの中で、「前日の電話=付き添い」というパターンができ上っているのかもしれません。 昔から、人の部屋や物をチェックする癖があったあーちゃん。それは今も変わらず。 父の部屋で、遺産について書かれたあーちゃん宛ての手紙を発見したようで……。 ※たんたん:ワフウフさんの実父、あーちゃんの夫 父は本当にお金に汚いので、きっと手紙を読んであーちゃんのお金をアテにしていたはず。 手紙のことを怒っていたあーちゃんですが、人の部屋を勝手にあさることは悪いと思わないのか……? 前回、ダンスのレッスンを休んでしまったあーちゃん。このまま足が遠のかないようにと、今度は前日に姉がメールを入れてくれました。すると、メール連絡→同行、という通院のパターンだと思ったのか、あーちゃんは姉がレッスンに付き添うと思い込み、翌日乗り継ぎの駅から電話をしてきました。 これまで、約束を忘れてしまうことや日にちや時間の変更に混乱することはあったものの、してもいない約束をしたと思い込むのは初めてのパターンで、衝撃を受けてしまいました……。 それでも、家ではわりと普通に生活しているようで、昔からやっていた、人がいないときに部屋や物のチェックをする癖も相変わらず。この前は、父の部屋で自分宛ての手紙を見つけ、勝手に人の手紙を見た父に怒っていました。……他人の部屋を勝手にあさるのも、ルール違反な気がしますが。 --------------今回はすぐに連絡がついたので大きな混乱はありませんでしたが、当日に待ち合わせをしていると思い込まれるのは焦ってしまいますね。今後、こういった新しいパターンがどんどん出てくるようになると、対策を考えるのも簡単ではなさそうです。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年04月21日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。一度全身をくまなく調べたほうがいいというかかりつけ医からのアドバイスもあり、最近の母・あーちゃんは検査が続いています。付き添って見ている限り調子は良さそうですが、季節外れのアウターを着て待ち合わせにやって来ることもあり、「季節に合わせた服装ができなくなる」という認知症の症状に当てはまる行動も見え隠れしています。どんどん忘れていくのかな…お花が大好きな母・あーちゃんのために、毎年母の日には鉢植えを贈っているワフウフさん姉妹。しかしワフウフさんは、あーちゃんの体調を考慮して今年のプレゼントをハンドクリームとボディクリームのセットに変更しました。すると、涙ぐみながらお礼を伝えてくれたのですが、いつも通り鉢植えを贈った姉には、「あのお花、私が受け取ったの!?」と言い、ガッカリさせてしまいました。最近のあーちゃんは食欲も戻っているようで、調子が良さそう。でも、ダンスをやめたいと言い始めて……。それなら、病院の患者さんが集まるサークルはどうかと提案しますが却下。何を提案しても……。却下……。でも、冷静に考えると新しいことを始めるなら付き添いが必要!?……そう思うと、厳しいかも。調子が良い状態は長くは続かず……。数日後に控えた胃カメラ検査と今日の通院がごちゃごちゃになっている様子。差し入れを渡しながら、料理の話をしていると、毛嫌いしていたはずの「柚子胡椒」をすっかり忘れていることが判明。姉も、同じような体験をしているそうで、どんどん身近なものについても忘れてしまっているのだと痛感しました。ここ最近、あーちゃんは調子が良さそう。食欲も戻っているようで、ちゃんと食事をしている様子が見られるのもうれしい限り。しかし、そんな中で「疲れちゃうから、ダンスをやめたい」と言いだしました。それなら、ダンスの代わりに病院の患者さんが参加しているサークルに参加してはどうかと提案しますが、即却下……。そもそも、何か新しいサークルに参加するとなると、付き添いが必要!? それは厳しいので、このままダンスを続けてほしいです……。そんな話をしていた翌週。この日の付き添いは姉。あーちゃんは、話の理解がイマイチで、ここ数回の通院と比べると調子は良くなさそうです。数日後に控えた胃カメラの検査について説明していても、理解が追い付いていない様子で、ちょっと不安……。さらに、私が付き添いをしたときに、差し入れをしながら話していたら「柚子胡椒」がわからなくなっていたことが判明。あーちゃんには、夫婦関係が悪化している父の出身地で作られているというだけで毛嫌いしていた柚子胡椒があるので、存在を知らないということはありません。驚きながら姉に報告すると、姉と話していたときには「デミグラスソース」を忘れてしまっていたこともわかり、あーちゃんの頭からいろいろな知識が消えていることを痛感しました。--------------自分の好きなことをしてほしいと思いながらも、新たな場所で何かを始めるなら付き添いが必要……。そう考えると、現状維持が一番だと思ってしまいますよね。介護は実際のお世話も大変ですが、お互いの生活を守りながらできないことに折り合いをつけるとことも大変です。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年04月21日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。ワフウフさん姉妹は、ダンスのレッスンをやめようかと言い始めた母・あーちゃんを説得して、年に一度の発表会には出ず、これまでよりペースを落としてレッスンを継続してもらうことに。しかし、良い刺激になってほしいという期待とは裏腹に、あーちゃんはレッスンに行ったのかどうかすら忘れてしまうようになっていたのでした。年に一度の発表会には出ず、これまでよりペースを落としてダンスのレッスンを再開したあーちゃん。しかし、レッスンに行ったのかどうかすら忘れてしまうように……。そして、毎週通っている注射も同じように忘れてしまっているようで、もう自己管理ができなくなってきていることを痛感しました。 いつまでも成長しない孫!? 相変わらず、通院帰りにケーキを食べたがるあーちゃん。 体のためにもやめるように言っても、おなかが空いちゃったと……。 おなかが空いているなら、軽食にすればいいと言っても断固拒否。 そして、今度はレジ横にあるスイーツに手を伸ばすあーちゃん……。 そんなとき、先日渡した家族アルバムがバッグの中に入っていることを発見! しかし、一緒に見ていると、何にも覚えていない様子……。 ※メラニンくん:あーちゃんの孫 そして、やはり自分の姿しか目に入らないようです。 あーちゃんの中では、孫は小学生くらいで成長がストップしているようです。 いつものように、通院の帰りにあーちゃんと一緒にお茶をしましたが、すり足で歩いていて足元が不安……。そして、何度止めてもやはり甘いものを食べたがります。おなかが空いているなら、軽食のほうがいいのでは? と提案しても、断固拒否です。 それでも、糖尿病のあーちゃんに甘いものを食べさせるわけにもいかないので、仕方なく飲み物だけ注文していると、レジ横にあるスイーツを買おうとしていて……。手を変え品を変え、なんとか甘いものを食べようとする姿に、困惑してしまいます。 その日、あーちゃんのカバンの中に、この前渡したアルバムが入っていたことに気付きました。あーちゃんが楽しみにしていた、孫の大学合格を祝う会の写真が入っているアルバムです。しかし、写真を見てもいつのことか思い出せない様子。あーちゃんの中では孫は小学生のまま止まっているらしく、皆の顔がわかるうちに楽しい思い出を……というのは、意味がないのかも?? --------------これだけいろいろなことを忘れていても、通院帰りは甘いものを食べる! という流れが忘れられていないのは不思議ですね。毎回いろいろな手で甘いものを食べようとされると、そのたびに止めないといけない家族も大変そうです……。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年04月20日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。いつものように病院の帰りに食事をした後、何かを探している様子の母・あーちゃん。どうやら口紅を探しているようなのですが「口紅ってどんな形だったかしら……」とつぶやいたのをワフウフさん聞き逃しませんでした。その言葉を聞いて、もしかして形の概念が崩れてきている? と心配になりましたが、翌週は表情もスッキリしていて、いつもより素直に言うことも聞いてくれてひと安心。少し前に処方された、元気が出る漢方薬が効いているのかもしれません。それはこっちのセリフ…ここのところ検査が続いている母・あーちゃんですが、わりと調子が良さそうな日が続いています。しかし、5月だというのに厚手のハーフコートを着ている日があり、果たしてそれが「季節に合わせた服装ができなくなる」という認知症の症状に当てはまるのか、それとも単純に寒いと感じているのかはわからず、ワフウフさん姉妹は困惑していました。毎年恒例の母の日のプレゼント。ちゃんとまともなことを言ってくれています……!姉が確認すると……?あれ? 届いていない??ちゃんと届いていたようです。それはこっちのセリフです……。あーちゃんはお花が好きなので、私たち姉妹は毎年母の日に鉢植えを贈るようにしていました。しかし、今年はあーちゃんの体調を考慮して、使ってくれるかはわかりませんが、私はハンドクリームとボディクリームのセットを贈ることに。すると、あーちゃんは涙ぐみながら感謝の気持ちを伝えてくれて、まともなことを言っていてビックリしたのと同時に、素直に喜んでもらえてよかったと思いました。しかし、例年通り鉢植えを送った姉のところには、お礼の連絡はまったくなかった模様。姉が確認してみると、たしかに家には鉢植えがあったようで「私が受け取ったの!?」と、それはこっちのセリフだと言いたくなるような反応で、姉はガッカリしてしまったのでした……。--------------お花が好きなお母さんに、毎年鉢植えを送っていたなんて、とてもすてきな姉妹ですね。でも、悪気はなかったとはいえ、贈ったものを「私が受け取ったの!?」なんて言われてしまったら、ショックだったと思います。せめてお世話は忘れないようにして、きれいなお花を楽しんでほしいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年04月20日私の祖母は祖父の他界後に認知症を患い施設に入っていますが、入居先が決まるまでにかなりの苦労を要しました。原因は認知症の影響による散財です。祖母が施設に入るきっかけや入居までのトラブルについて紹介します。認知症が原因で起きたトラブル私の祖母は、10年ほど前に祖父の他界をきっかけに認知症を患いました。認知症の状態でひとりで生き続けるのは困難と判断した家族は、祖母に一緒に暮らす提案をしましたが、祖母は迷惑をかけたくないと首を縦に振りません。そこで、定期的に顔を出す、病院の健診に付き添う形で様子を見ることにしました。しばらくは特に問題はありませんでしたが、1年ほどたったころから徐々に変化が起き始めます。主な症状は、夜中に用もなく外出する、予兆もなく突然意識を失うといったものです。特に深刻だった意識を失う症状は、薬の過剰摂取が原因でした。ついに介護施設の入居を決意祖母は血圧が高めで医師から処方されている降圧薬を服用しているのですが、認知症の影響で飲んだことを忘れてしまうのです。自分で飲んだことを忘れ、短時間のうちに再度服用することで急激に血圧が下がり意識を失うのだと医師に言われました。家の中だけでなく、外出中に電車やバスの中で倒れて救急車で運ばれることが日常化したため、介護施設に入居させることにしました。介護施設探しで起きた金銭トラブル介護施設は場所によって費用や受けられるサービスが変わります。幸い祖母には祖父が残してくれた貯金が1000万円近くあったので、金銭的な面は気にする必要はありませんでした。少しでも快適に暮らしてもらえるように費用が高めでもサービスが手厚い施設を選び、いざ契約を交わそうとしたときに問題が起きます。祖父が残してくれた貯金が底をついていたのです。おかしいと思い調べてみたところ、原因は祖母の散財だとわかりました。認知症を患っていた祖母は、5万円の年金収入しかないにもかかわらず祖父の遺族年金が支給されていると思い込んで、毎月15万円近く使っていたのです。1000万円あったお金が年間120万円の散財で50万円ほどにまで減っていました。私たち家族も生活に余裕がなく援助することはできないため、生活保護で支払える介護施設に入ることになりました。認知症とわかったときに無理にでも一緒に暮らして金銭面の管理も自分たちでおこなうか、介護施設へ入居させておけばよかったと後悔しています。まとめ認知症を患っている人は思い込みで行動することもあり、私の祖母のように薬の過剰摂取や金銭面のトラブルが起きやすくなります。病気で気持ちが落ち込んでいる状態で無理強いをしたくないと考える人も多くいますが、必ずしも本人の意思を尊重することが正解とは限らないと思いました。本当に家族を大切に思うのであれば、相手の意に反してでも最善の選択をすることが重要だと痛感しています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。文/田町 康成イラスト/サトウユカウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2024年04月19日この漫画は書籍『夫がわたしを忘れる日まで』(著:吉田いらこ)の内容から一部を掲載しています(全19話)。 ■これまでのあらすじ物忘れがひどくなった夫・翔太の病院に付き添っている間、翔太の両親に陽翔を預かってもらっていました。病院から帰宅後、みんなで楽しく食事をして、無邪気にはしゃぐ陽翔や笑顔の両親を見ると、自分が深刻な病気であることが堪える翔太。肩を落とす翔太に彩は「前向きに考えて行こうと思っている」とを告げるのでした。全てが悪い方向に向かうとも決まっておらず、いいことが起こると思いたい、原因がわかりスッキリした様子の彩。しかし、翔太はそうは思えず…。病気のことを受け入れられず、彩のように前向きな気持ちにはなれないのでした。翔太の病気のことを打ち明けると、泣き崩れる翔太の母。症状が悪化したら、父と母のサポートをお願いしたいと翔太が申し入れると2人は快諾してくれました。それから1年以上が経過しても、彩は翔太が若年性認知症とは信じられないでいました。ですが、翔太の中では少しずつ変化が起きていたようで…。そんなとき、翔太から「仕事辞めてもいいかな?」と相談されるのでした。次回に続く(全19話)「夫がわたしを忘れる日まで」連載は7時更新! 『夫がわたしを忘れる日まで』 著:吉田いらこ(KADOKAWA) 「夫がわたしを忘れる日まで」はこちら 愛する人がどんな姿になっても愛することはできると結婚するときに誓った彩。しかし突然、45歳の夫・翔太が「若年性認知症」と診断されたのでした。幸せな生活が一変し、病状のせいで別人のようになっていく夫。若年性認知症の夫と向かった3年間を描いたお話です。
2024年04月18日抜毛症(トリコチロマニア)とは抜毛症は、ストレスなどの理由から自らも毛髪を何度も引き抜くという精神疾患です。トリコチロマニアの名称で呼ばれることもあります。不安などの感情を和らげるためや、刺激を求めるためなどいくつか原因が考えられています。抜毛症の方は人口の約1~2%いるとされており、成人の場合は患者のうち約90%が女性だともいわれています。毛を抜く行為自体は珍しくありませんが、ほとんどは美容など目的がはっきりしていたり、一次的で治まることが多い傾向にあります。しかし、抜毛症は自らの意志でやめることは難しく、症状が生涯にわたって続く場合もあり、日常生活にも影響が出ているといわれてます。どこの毛を抜くかは人によって異なっていて、多いのは頭皮の毛、眉毛、まつげといわれています。ただ、最終的にはすべての体毛が対象になり得えます。また、時期によって抜く場所が変わっていく場合もあります。抜毛症は毛がなくなることや自らの行為に悩み、人前に出ることを嫌がるようになるなど、さまざまな面で影響が出る可能性があります。また、抜毛症の人は皮膚むしりや爪を噛むなど、自らの体に対して反復して刺激を与える行為を行う場合が多く、精神面では抑うつ症状が見られる方も少なくありません。抜毛症の治療には不安などを和らげる抗うつ薬などの薬物療法と、行為をコントロールするための認知行動療法が行われます。参考:抜毛症(抜毛癖)|MSDマニュアル家庭版抜毛症はストレスが原因?抜毛症の明確な原因ははっきりとは分かっていません。ただ、2つの可能性が考えられており、1つ目はストレスなどの感情から逃れるために毛を抜くのではないかという説です。抜毛症は醜形恐怖症などとは違い、自らの外見が気に入らないという理由で行為に及ぶのではなく、緊張感や不安などのネガティブな感情を和らげるために毛を抜いているということです。また、毛を抜くことである程度の満足感も得ているようです。2つ目は、毛を抜く行為自体の刺激を求めているのではないかという説です。何らかの原因で刺激が足りない状態になっている方が、手近な手段として毛を抜いて刺激を得ているという考え方です。刺激を求める方はなかなか抜毛行動をやめられず、重症化するリスクも高いといわれています。参考:抜毛症(トリコチロマニア)|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:後藤麻友、今井正司著「抜毛行動様式と抜毛症重症度との関連」日本健康心理学会大会発表論文集 31巻(2018) P.43抜毛症は治る?治療方法は?抜毛症は、自分ではなかなか抜毛行動をやめることができないといわれています。しかし、適切な治療を受けることで症状の改善が見込めることも知られています。ここでは、身近に抜毛症の方がいる際の声かけ方法から、病院の何科にいくといいか、実際の治療方法まで紹介します。まず大事なのは相手を責めないということです。相手も症状をコントロールできないで悩んでいるので、「何でそんなことしたの」「早くやめよう」など、善意からでも問い詰めたり急かしたりする言動をすると、相手にとって負担となってしまう可能性があります。なので、「自分を傷つけるほど、悩んでいるんだね」など相手のつらい気持ちに寄り添った声かけをするといいでしょう。そのうえで、無理に聞き出そうとはせずに「言いたくなったらいつでも話していいよ」と、話を聞く準備ができていることを伝えることが大切です。加えて、「自分は味方だよ」というメッセージを折に触れて口にしておくと、相手も安心して話してくれやすくなります。参考:自分を傷つける」というサイン|厚生労働省こころもメンテしよう抜毛症は精神疾患の一つに位置付けられるため、基本的には精神科や心療内科を受診するといいでしょう。子どもの場合は、かかりつけの小児科や小児発達外来などで相談することも可能です。また、皮膚がただれるなどの状態の場合は皮膚科にも行っておくといいでしょう。抜毛症の診断はいくつかの基準に基づいて医師が行います。基準としては以下のようなものがあります。・脱毛が生じるほど繰り返し毛を抜いている・何度も行為を減らそう、やめようと試みている・抜毛行動のために大きな苦痛が生じているか、日常生活に支障をきたしているまた、病院に行くべきか迷ったときはお近くの保健センター/精神保健福祉センターへの相談も検討してみてください。抜毛症の治療としては、主に薬物療法と認知行動療法があります。薬物療法では抜毛行為の原因となる不安や緊張を和らげるための、抗うつ薬などが用いられることがあります。認知行動療法では特に習慣逆転法という手法を使うことが多くあります。習慣逆転法の簡単な流れは以下のようになっています。・自らの行為を自覚する・行為の引き金を明確にする・毛を抜く行為を別の行為(こぶしを握りしめる、編み物をするなど)に置き換える抜毛行動は無意識に行われることもあるため、まずは行為を自覚するところから始めていきます。参考:抜毛症(抜毛癖)|MSDマニュアル家庭版参考:皮膚むしり症|MSDマニュアル家庭版抜毛症と発達障害の関係は?発達障害の特性の中に毛を抜く行為はありませんが、特性が影響した結果抜毛行為に至ることは考えられます。例えば発達障害の中のASD(自閉スペクトラム症)では、特性として「こだわりの強さ」「ストレスの感じやすさ」「自己刺激行動」があります。ストレスが一定以上の負荷になったために、毛を抜いてみたらすっきりした、毛を抜いてみたら刺激があったので繰り返すようになった、などの形で、抜毛症につながっていく可能性はあります。また、発達障害の中のADHD(注意欠如多動症)では、特性として多動性や衝動性があります。そのため、常に動いているうちに何となく毛を抜いてみた、何かストレスを感じたので衝動的に毛を抜いてみた、という形で抜毛症につながることも考えられます。ですが、抜毛症の症状があるからといって必ずしも発達障害がある訳ではありません。参考:ASD(自閉スペクトラム症)|e-ヘルスネット参考:ADHD(注意欠如・多動症)|e-ヘルスネット抜毛症と強迫性障害の関係は?強迫性障害(強迫症)とは、強迫観念(本人の意思に反して浮かんでくる思考や衝動など)により強い不安感や不快感をおぼえたり、それを打ち消すために強迫行為を繰り返す精神疾患のことです。例えば「菌がついていないか気になって、何十回も手を洗う」「家の鍵を閉めたか不安で、何回も家に戻って確かめる」などがよく見られます。抜毛症自体は強迫観念によって起こるわけではありません。つまり、抜毛症と強迫性障害には直接のつながりはないといえます。しかし、強迫性障害の方が強い不安を感じているときは強迫行動とは別に、感情を落ち着かせるために身体の一部を触ったり毛をいじったりすることがあるかもしれません。それがそのうち毛を抜くという行為につながっていくことも考えられます。参考:強迫症 / 強迫性障害|e-ヘルスネットまとめ抜毛症とは、ストレスなどの感情を和らげるためや刺激を求めるために、繰り返し自らの毛を引き抜く精神疾患の一つです。抜く場所は髪や眉などが多いといわれていますが、全身の毛が対象となることもあり、本人がやめようと思ってもなかなかコントロールできません。毛が抜けた容姿や自らの行為自体に悩んで外に出ることを避けるようになることもあり、多くの場合は抑うつ状態も経験しているといわれています。抜毛症は薬物療法と認知行動療法で軽減させることができるため、気になる症状があれば大人であれば精神科や心療内科、子どもの場合はかかりつけの小児科などに相談するようにしましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月17日この漫画は書籍『夫がわたしを忘れる日まで』(著:吉田いらこ)の内容から一部を掲載しています(全19話)。 ■これまでのあらすじ息子と映画にでかけたはずが、息子を置いてひとりで帰ってきてしまった翔太。それを聞いた彩は激怒し病院の受診を勧めます。そして翔太と2人で脳の病院へ。翔太が検査をしている間、家族からも話を伺いたいと言われて問診を受ける彩。これまでの経緯を説明しつつ、「念のための検査」「どこも悪くないって言ってもらえたら安心」と自分に言い聞かせます。しかしそんな彩の期待も虚しく、検査の結果「若年性認知症」が濃厚と診断されました。ドラマで見た病名が自分たちに降りかかるなんて…。なぜ翔太が?と頭が真っ白になってしまった彩は、医師の説明が全く頭に入らなかったのでした。医師から若年性認知症の症状を説明された翔太と彩は、不安しかありませんでした。いずれ症状が進行すると人を認識できなくなり、家族の顔もわからなくなるとのこと…。治療法が確立されていないけど、薬物療法やリハビリを行うことで症状の進行を遅らせることはできるようでした。進行速度に個人差があり、翔太にどんな症状が出るのかどうなっていくのかもわからず絶望的に感じる彩でしたが、翔太の異変の原因がわかり少し安心したのでした。次回に続く(全19話)「夫がわたしを忘れる日まで」連載は7時更新! 『夫がわたしを忘れる日まで』 著:吉田いらこ(KADOKAWA) 「夫がわたしを忘れる日まで」はこちら 愛する人がどんな姿になっても愛することはできると結婚するときに誓った彩。しかし突然、45歳の夫・翔太が「若年性認知症」と診断されたのでした。幸せな生活が一変し、病状のせいで別人のようになっていく夫。若年性認知症の夫と向かった3年間を描いたお話です。
2024年04月16日私の父は認知症でした。両親は離婚しており、父とは小学生のころから一緒に住んではいませんでした。離れて暮らす家族が認知症になるという経験をした私が、父の認知症に気付いたきっかけやそこから施設への入所に至るまでの過程を通し、学んだことなどをお話ししたいと思います。離れて暮らす父の関係父とは小学生のころから離れて暮らしていましたが、数カ月に一度食事に行くような関係がずっと続いていました。もともと父は難聴があり、性格も自分勝手で人の話を聞いていないような節がありました。しかし何度も同じ質問をしたり、間違い電話をかけてきたりということが続き、おかしいなと思うようになりました。決定的な出来事は、待ち合わせに現れなかったことです。その日も父と食事の約束があり、駅ビルで待ち合わせをしていました。初めての場所ではありましたが、駅から直結でわかりやすい場所です。ところが、父は約束の時間になっても現れず、携帯電話に連絡をすると道に迷っているという返事が。携帯電話を片手に探し回って結局は会うことができたのですが、この出来事で父の認知症への疑いは私たち家族にとって決定的なものになりました。家族で面倒を見る難しさおそらく父は認知症だろうと思ったものの、父はそのとき1人暮らし。ただ隣家に父の姉である伯母が住んでいたので、伯母とも相談し病院に連れて行ってもらいましたが、伯母も独身で働いており、日中は父ひとりになってしまいます。しかも父は体は元気だったため、車の運転をしようとしたり、ひとりで出歩いたりするので困っていました。そこで要介護認定を受けることにしたのです。離婚して1人暮らしであるということと、子どもである私たちも他県に住んでおり、仕事もあるので面倒を見られないことなども訴えました。要介護認定を受けたことで、父は平日デイサービス(利用者が自宅で自立した日常生活を送れるよう、食事や入浴などの支援が中心の介護サービス)を受けることができ、夜間や土日は隣家に住む伯母が面倒を見るということでしばらくは落ち着いたのですが……。進行していく認知症それでも父の認知症は進行していきます。1人暮らしの父を自宅で介護するということは現実問題として困難でした。父の子どもである私たち兄弟は施設への入所を希望していましたが、父の姉である伯母は自宅で見たいと思っているようでした。ここで難しいのは、本人の意志を確認できないという点です。家族の意見が割れたときにはなおのこと本人の意志を尊重したいのですが、認知症ではそのような話をしたり、意志の疎通をしたりすることも難しくなってしまうのです。まとめ結局、父は施設に入所したのですが、施設探しにも苦労しました。結果としてはとても良い施設に入れたと思うのですが、もし父の意志を確認できれば、施設か自宅かを選ぶこともできますし、どの施設に入りたいのかの希望を聞くことができるのに……。元気なうちに、万が一の場合を考えて話し合っておくことの大切さを痛感しました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。文/木村とも子ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2024年04月14日認知症の義母は、夕方になると、不安からか表情が険しくなったり同じ言動を繰り返したりして手がつけられなくなります。しかし童謡を流して一緒に歌ってみたところ、気分転換になったようで表情が明るくなりました。音楽の効果で認知症の症状も落ち着いたようだったので、今回はそのときのことをお話しします。認知症の症状がどんどん悪化5年前に脳梗塞(のうこうそく)で倒れて後遺症として半身まひが残り、車椅子生活となった義母。家の中で歩くことはできませんが、立たせてあげればトイレで用を足すことができますし、手は使えるので食事も目の前に出してあげれば自分で食べることができます。介護サービスを利用しながら何とか自宅で介護を続けているのですが、ここのところ年々認知症の症状がひどくなってきました。原因は、脳梗塞のせいもあると思いますが、年齢が90歳を超えたこともあるのだと思います。同じことを何回も聞いてきたり、ごはんを食べたのに「食べていない」と言ったりするのは日常茶飯事。こちらが返事をしなかったりきつく言ったりすると、物を投げたり心ない言葉を吐いたり、人格が変わってしまうときすらあります。ケアマネジャーさんに相談するまだ朝のうちは機嫌が良いのですが、夕方になると症状が出てきます。家にいるのに「早く家に帰りたい」と言い始めたり、「自分の生活はやっていけるのか」と不安に襲われたような表情でいろいろなことを言い始めるのです。「ここは自分の家だよ」と説明しても、「家じゃない、早く帰ろう」と言って私の言うことを全然聞いてくれません。認知症の義母のことをケアマネジャーさんに相談したところ、夕方になると症状が出る人は多く、「夕暮れ症候群」というのだそうです。「そういうときは声を荒げてはいけません。高齢者の方のお話を聞いてあげて、うなずいてあげるのが良いですよ」「気分を変えることをすると良いでしょう。例えば音楽を流したり歌を歌ったりしてみるのがおすすめです」とのことでした。音楽療法を試してみた結果早速ある日の夕方、不安そうな表情で同じことを言い始めたので、YouTubeで童謡を探して流してみました。最初は何だろうという顔をしていましたが、テンポの良い音楽が流れてきて、聞き覚えのある歌になったところで表情が一変し、明るい笑顔でその歌を一緒に歌い始めたのです。それがきっかけとなり、その後は不安な表情も消えて同じことを言わなくなりました。その後夕飯を食べておなかもいっぱいになると、すっかり落ち着いたいつもの義母に戻っていました。まとめ年々義母の認知症の症状がひどくなってきて困っていましたが、ケアマネジャーさんに相談したところ音楽療法をすすめられました。早速試してみると、不安そうな表情が一変して明るくなり、義母の気分が落ち着きました。これからも、症状がひどくなったときは声を荒げるのではなく、話を聞いてあげたり、音楽で気分転換を図ったりして、明るい自宅介護生活をしていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。イラスト/sawawaウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ラベンダーミント(57歳)子育てを終え、今は義母の介護と仕事に忙しい毎日を送る主婦。日々の楽しみは、おいしいものや体に良いものを見つけてお取り寄せしたり、趣味の手芸でかわいいものを手作りすることにはまっている。
2024年04月07日今年に入って、猛スピードで広がる致死性の強い感染症。聞けば、どこにでもある常在菌が悪さをするという。放置すれば、手や足がどんどん壊死する病気とは――。「発症後の致死率が30%と、きわめて高い“人食いバクテリア”ともいわれる、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の感染が、今年に入って拡大しています。国立感染症研究所によると、1月から3月21日までの11週間の患者報告数が517件となり、過去最多となった昨年同時期に比べて約3倍に増加しているのです。さらに東京都の発表でも、’23年の都内患者報告数141件の半数を超える88人の感染者が、わずか2カ月半ほどの間に報告されていることから、急遽、医療マニュアルの改訂も進められているそうです」(医療ジャーナリスト)命にも関わる人食いバクテリアについて、医療ガバナンス研究所の理事長で内科医の上昌広さんが解説する。「主な原因菌となるのは、A群溶血性レンサ球菌といって、溶連菌の一種です。溶連菌といえば非常にポピュラーな病気で、子供がかかりやすく、咽頭炎を引き起こすことが特徴なんです。しかし大人が感染した場合、ごくまれに、筋肉などに菌が入り込み、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を発症する可能性があります。しかし、なぜ劇症化するのか、まだそのメカニズムは解明されていません」■発症したら48時間以内に死亡のハイリスク初期症状は、発熱や悪寒、頻脈、下痢、嘔吐など、インフルエンザ症状と似ているが、その後、急激に症状が悪化するという。「はじめは四肢の先端部分から軽い痛みや赤い発疹がでてきます。そこから急激に病状が進行。手足が腫れ上がり、1時間に1cmというスピードで壊死していきます。壊死した部分から、さらに菌が全身に回り、わずか数時間で重篤化します」(以下、上さん)そして肝臓や腎臓、肺など、多臓器不全状態になり、発症後、半日から48時間ほどで亡くなってしまうという。「仮に一命を取り留めても、壊死してしまった部分は切断するしかありません。私自身も先日、左上腕が腫れて強い痛みを訴える患者の家族の相談に乗りました。救急外来を勧めましたが、後になってご家族に聞くと『あと数時間遅れたら命が危なかった』とのことでした。とにかく症状が出たら、一刻も早く医療機関を受診することが重要です」もっとも気になるのが、’23年、東京都で感染者141人のうち42人が死亡したように、その致死率の高さだ。子供よりも30歳以上の大人のほうが死亡リスクが高いともいわれている。1月に発表された国立感染症研究所のレポートでは、50歳未満の致死率が、’20年は12・8%、’21年は9.1%、’22年は12・1%、’23年1?6月は15・4%だったが、’23年7月以降は30・9%と急上昇している。「同レポートでは、病原性や感染力が高まった株が、国内に流入している可能性を指摘しています。あくまでも単純計算ですが――。現在、昨年の患者報告数の3倍のペースで増加しているので、仮にこのペースが継続すれば、最悪、今年の患者数は約3千人となり、致死率3割で計算すると死亡者が1千人近くになります」流行の要因として考えられるのは、コロナによる感染対策で、免疫力が低下していることだ。「さらに、コロナ感染によっても免疫力が低下するというレポートもあります。アメリカの研究チームが、小児のRSウイルスの感染状況を調査したところ、コロナ既往の小児は、コロナ既往がない小児に比べ感染リスクが1.4倍と高かった。ワシントン大学でも、コロナによる感染リスクについて同様の見解を示す論文を発表しています」 うつらないための感染対策は傷口と飛沫に注意 誰もが感染対策を怠ってはならないのだが、感染経路は不明であることも多い。ある研究調査では、傷口や皮膚からの接触感染が35%、喉や鼻などの粘膜からの飛沫感染が20%で、残りの約半数は感染経路が不明だという結果だった。「飛沫感染対策として、咳エチケット、手洗いやうがいなどは怠らないようにしましょう。傷口から感染する可能性もあるので、足のけがなどには気をつけ、清潔にすること。 また、人食いバクテリアの原因菌である溶連菌に感染した場合も、しっかりと治療することが大事です。通常の感染症なら5日ほどの抗菌剤を処方しますが、溶連菌は体内に残りやすいのが特徴なので、10日ほど処方します。急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症を起こすリスクがあるので、処方された抗菌剤服用を途中でやめず、しっかりと飲み切ってください」コロナやインフルエンザの流行に続き、はしかや人食いバクテリアも急増している今、日々の感染対策が求められている。
2024年04月04日「誰もが、大谷翔平選手の元通訳、水原一平さんのような“ギャンブル依存症”になる可能性があります。仕事は真面目で、家ではいいお父さんなのに、ある日多額の借金があることがわかって家族が相談に来られるケースがとても多い」そう警鐘を鳴らすのは、「公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さん。米・ドジャースの大谷翔平選手(29)の専属通訳だった水原一平氏(39)の違法賭博問題により、注目される“ギャンブル依存症”。報道によると、水原氏は賭博による約450万ドル(約6億8千万円)もの借金を、大谷選手の口座から無断で賭博業者に送金していたという。日本でも、大阪府と米・カジノ事業者が2030年の開業をめどに、カジノを含む統合型リゾート施設の建設を進めていることが問題に。「ギャンブル依存症は、普通の病気と同じ。本人がどれだけ気をつけていても、一度ギャンブルを味わうと、誰もが依存症になる可能性があるんです」(田中さん)そもそも現在、日本国内にはどれくらいのギャンブル依存症患者がいるのか。ギャンブル依存症で精神科外来を受診している患者は、2016年の1千821人から、2019年には3千527人と増加している。しかし、「潜在的にはもっと多い」と指摘するのは、「大阪府ギャンブル等依存症対策推進会議」委員で司法書士の新川眞一さん。「厚労省が実施した調査では、約320万人程度のギャンブル依存症疑いの方がいると考えられています」(新川さん)厚生労働省が2021年に実施した調査によると、ギャンブル依存症が疑われる国民は、18歳~75歳未満で約2.2%(男性3.7%/女性0.7%)。国勢調査のデータに当てはめると、約320万人のギャンブル依存症が疑われる人がいる計算となるのだ。「とくに、コロナ禍の2021年以降は、スマホひとつで全国の公営競技に賭けられる“オンラインギャンブル”が主流になりました。その結果、競輪や競馬、オートレースなどの売り上げは2割以上伸びています。裏を返せば、ギャンブル依存症患者が増えている可能性があるということです」(新川さん)オンラインギャンブルとは、スマホから公営競技のサイトにアクセスして行うネット賭博のこと。賭け金は、ネット銀行からの引き落としやPayPayなどで手軽に決済でき、提携しているローン会社から借金までできるのだ。前出の田中さんや新川さんの元には、「オンラインギャンブルにはまった夫や子供の依存症を治したい」という女性からの相談が多く寄せられるという。「大学生の息子さんから、〈財布を落とした〉とか〈家賃が払えない〉などと、しょっちゅう送金の依頼があるので、〈仕送りもしているのにおかしい〉と問い詰めたら、じつはオンラインギャンブルで多額の借金をしていたというケースがありました」(田中さん)また、新川さんも、「息子がオンラインギャンブルで作った借金の返済に、親の退職金1千万円を充てたケースもある」と話し、こう続ける。「相談に来られたのは、60代後半のご夫婦と、同居している30代の息子さんでした。彼のネット銀行の通帳を見ると、日々オンライン賭博事業者への送金があり、多いときは1日で10万円を超える賭け金が送金されていました」やがてローンにまで手を出すようになり、借金は雪だるま式に膨らんでいったという。■オンラインで大阪のカジノにアクセスできる可能性がさらに問題なのが、こうしたギャンブル依存症患者が、大阪にカジノが開設されることによって激増する可能性があることだ。「2021年に大阪府・市が提出した区域整備計画では、カジノの年間利用者数はのべ約1千600万人と記されています。うち、日本人が約1千万人。かりに、この計画どおり約1千万人の日本人がカジノを利用した場合、〈約2%がギャンブル依存症になる〉と、カジノ事業者も認めています。つまり、年間20万人の依存症患者が生まれる可能性があるのです」(新川さん)田中さんも、こう懸念を示す。「出張で大阪を訪れたビジネスマンが、接待でカジノを利用するケースもあるでしょう。たまたまビギナーズラックで勝ったら、地元に戻っても、〈またカジノがしたい〉と思うようになります。そのときアクセスするのは“オンラインカジノ”。そうやって、カジノ依存症患者が増えていくのです」さらに、こんな恐ろしいシナリオも進んでいる……。「海外のカジノ場は、オンラインとの併用が主流です。今後日本でも法改正をして大阪のカジノにオンラインでアクセスできるようにする可能性は高い。実際、いま大阪で開発を進めている米・カジノ事業者は、オンラインカジノ事業者の買収を進めており、その機会を虎視眈々と狙っています」(新川さん)大阪府の吉村洋文知事は、ギャンブル依存症対策として、〈入場回数の制限(7日間で3回、28日で10日)〉〈入場料1回6千円〉〈本人や家族などからの申し出による利用制限〉などを挙げているが……。「対策している“ふり”にすぎません。1週間で3回と言うが、カジノは24時間営業。夜中の0時に入って、同日の午後11時59分に退出するパターンを1日おきに3回繰り返せば、ほぼ1週間入り浸ることができます。本人や家族からの申し出による利用制限があっても、強制力はありませんから入場を拒むことはできないでしょう。本気で対策するなら、日本人の利用は禁止すべきです。韓国では、一カ所をのぞいて韓国人の入場を禁じています」(新川さん)ギャンブルに溺れ“水原化”する日本人を増やさないためには、抜本的な対策が望まれる。
2024年04月04日現在施設に入所している80代後半の父。2010年に初期のアルツハイマー型認知症と診断され要介護認定を受け、担当のケアマネジャーさんが決定し、デイサービス(利用者が自宅で自立した日常生活を送れるよう、食事や入浴などの支援が中心の介護サービス)の利用を開始しました。それから数年後、足腰が丈夫だった父の身に今後歩行が難しくなるかもしれないという事態が生じました。腰から足にかけてのしびれと痛みが強くなった父はアルツハイマー型認知症(脳の神経細胞が減り、脳が小さく萎縮することで症状が現れる認知症)と診断される前から首から肩、腰の痛みを訴え、近所の整形外科に通っていました。首と肩の痛みは元々の姿勢の悪さから、腰については2008年ごろに交通事故に遭い腰と足を強打した際に自己判断で治療を中断しており、その後遺症ではないかと家族は考えていました。幸いそのころはまだ足腰はしっかりしており、自力での歩行が可能で日常生活に問題ありませんでした。しかしアルツハイマー型認知症の診断から2年が過ぎた2012年ごろから、腰から足にかけて痛みが次第に強くなってきた様子で、同時にしびれも訴えるようになりました。それまでは病院で処方された湿布や飲み薬、年に数回ペインクリニック(神経ブロック:一時的あるいは長期間にわたり神経機能を停止させ痛みを軽減することを目的とした治療をおこなうクリニック)でブロック注射を受けて対処していましたが、それだけでは効果が薄くなってきたようです。何より困ったのが、エレベーターのないマンションの3階に自宅があることでした。階段の昇り降りがつらいようで、次第に生活に支障が出てきました。主たる介護者である母が「このまま歩けなくなって寝たきりになってしまったらどうしよう」という不安を感じ通院中の整形外科の医師に相談したところ、「一度精密検査を受けたほうが良いだろう」と総合病院へ紹介状を書いてくれることになりました。総合病院で検査、手術を決意総合病院へ行きMRIを受けたところ「画像で見た限りでは脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう:脊柱管と呼ばれる背骨の中にある神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫される病気)だと思われます。対応はブロック注射で痛みを抑えるか手術となります」とのことでした。手術という言葉におびえた父は「手術は絶対に嫌だ!」と言い張り、数カ月様子を見ることとなりました。今にして思うと、そのころから父の様子が少しずつ変わっていたのです。体が思うように動かない上に痛みもあるためか、徐々に気力が低下し、表情が乏しくなり外へ出ようとしなくなりました。喜んで通っていたデイサービスに行くことも拒むようにもなり、要介護認定を受けて以来担当してくださっているケアマネジャーさんも抑うつ状態であることを心配し、少しでも前向きになってもらいたいと利用するサービスの変更などの対応を考えてくださいました。2013年8月、このままでは本当に動けなくなってしまうと手術を前提に検査入院をしました。その結果、脊柱管が細く狭くなる狭窄(きょうさく)は4カ所あり、全身麻酔での手術をおこなうことになりました。病院側からは、認知症がある場合、手術直後に注意や理解、記憶などの機能が急性に低下するせん妄状態となり一時的ではあるものの認知症の状態が悪化する可能性が高いこと、また手術をしたからといって必ず痛みがなくなるとは限らないとのことについて説明がありました。手術後の経過2014年3月に手術を受けました。手術後は、傷の痛みとせん妄による興奮状態で大声を出す、看護師さんに暴言を吐くなどの様子が見られヒヤヒヤしました。幸い手術は成功し、時々腰にしびれを感じることはあるけれど足にかけての痛みはかなり減ったとのことで2週間後に退院しました。退院後は父のほうから「歩いてみたい」と言い始め、つえを突きながら少しずつ歩行練習を始めました。また手術前にケアマネジャーさんより「今後使える介護サービスを増やすことを考え、要介護度の見直しをしてみましょう」と言われおり、再度要介護認定を受け、要介護度が要支援1から要介護1となりました。それまでは、リハビリがメインとなる半日型のデイサービスを週2回利用していましたが、使用できる単位数が増えたので、入浴介助もしてくれレクリエーションも充実している1日型のデイサービスを追加で週1回利用することになりました。実はこのころ、自宅での入浴が徐々に難しくなってきており、母の負担を減らす目的もありました。その後、体の状態が安定してくるにつれ精神状態も安定してきたことが目に見えてわかり、家族はもちろん父自身もホッとしたようでした。まとめ当時は、父の体のことが心配なのはもちろんですが、日に日に気力を失っていく姿を見ることが何よりつらかったです。体の痛みや自由が利かないことがどれほど精神に影響を与えるかを改めて考えさせられた出来事でした。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ブルームーン(53歳)30代でシングルマザーになり、50代で再婚。
2024年04月02日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。ある日、占いに出掛けたワフウフさん姉妹。そこで「母・あーちゃんの世話に追われるのは今年いっぱい」と言われ、あーちゃんの身に何かが起こる!? とドキッとしてしまいました。しかし、よくよく考えるとお世話をする自分の身に何か起こる可能性も考えられると気付いてしまい、どちらも当たらないように願うのでした。年に一度の発表会には出ず、これまでよりペースを落としてダンスのレッスンを再開したあーちゃん。しかし、良い刺激になるから続けてほしい! というワフウフさん姉妹の期待とは裏腹に、レッスンに行ったのかどうかすら忘れてしまうように……。そして、毎週通っている注射も同じように忘れてしまっているようで、もう自己管理ができなくなってきていることを痛感しました。 ケーキがダメなら飴!? 病院帰りに寄ったお茶で、ケーキを食べたがっていたあーちゃん。糖尿病の持病があるため止めたところ……。 ボリボリと飴を食べ続けるあーちゃん。さすがに止めますが……。 こう言われてしまうと、何も言えなくなります。 ある日の通院時。なんとなくいつもより無気力な様子だったあーちゃん。 スクッと立ち上がったものの……。 歩き始めるまでに、時間がかかっている様子。 やっと歩き出したかと思うと、すり足で歩幅も小さく……。 そして、平坦な場所でつまづいてしまいました。 そういえば、この前会ったとき、顔に傷があったような……。もしかして、転んだのを覚えていないとか?? 通院の帰り、いつものようにあーちゃんはお茶に立ち寄ったお店でケーキを食べたがりました。私が止めても、どうしても食べたかったようで、バッグから常備している飴の袋を取り出し、ボリボリと食べ始めました。次から次に食べるため、さすがにやめるように言ったのですが「疲れているから甘いものが欲しくなる」ということでした。ケーキはダメでも、飴ならいいと思っている……!? 糖尿病の注射に付き添ったとき、しきりに「疲れた」と言っていたあーちゃん。顔つきも力ない感じで、今までの中で一番足元がおぼつかないように見えました。しばらく様子を見ていると、歩き出すまでに時間がかかり、やっと歩き出してもすり足……。平坦な場所で何度も、つまづいていたのでした。 本人いわく「夕食後、毎日30分は歩くようにしている」とのことで、それを信じていたのですが、目の前で歩くあーちゃんを見ていると、本人ができていると言っていることの大半は、できなくなっていると思ったほうがよさそうです……。 --------------ケーキを止めても飴をボリボリと食べてしまうのも心配ですが、やはり平坦な場所でも足元がおぼつかないようになっている様子を見ると不安になってしまいますね。歩くのが難しくなると、せっかく続けてきたダンスも難しくなってしまうのでしょうか。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年03月31日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんは、これまでに何度か「自分は精一杯の愛情を注いで子育てをしてきた」とワフウフさん姉妹に言ってきました。その発言を否定する気はありませんでしたが、あまりにも自分に都合良く記憶が書き換えられていることもしばしば……。見過ごせないときは否定しますが、ずっと聞かされているほうもラクではありません。ある日、姉・なーにゃんと一緒に占いへ出掛けたワフウフさん。そこで「あーちゃんの世話に追われるのは今年いっぱい」と言われ、あーちゃんの身に何かが起こる!? とドキッとしましたが、冷静に考えて自分の身に何か起こる可能性もあるということに気付きます。どちらも当たらないことを願うばかりです。 習い事を続けるのは難しそう… ダンスのレッスンを再開したあーちゃんでしたが、無断でレッスンを休んだと言いだしました。 先生からはレッスンに来たと連絡をもらっているのですが……。 どうやら、毎回持って行っているのかもわからないチケットで、出欠の確認をしているようです。 通院日のこの発言には、もはや驚かなくなってきました。 看護師さんと、注射が毎週だと初めて知ったような口ぶりで話す声が聞こえてきて……。 大事なことだとはわかっているようで、今日からの新ルールと言わんばかりに手帳に書き込んでいました。 あーちゃんは、これまでよりペースを落とし、年に一度の発表会には出ないという条件でダンスのレッスンを再開しました。しかし、病院の付き添いの際に「この前のレッスン、無断で休んじゃった」と言われてしまい、私は困惑してしまいます。なぜなら、先生からはちゃんとレッスンに来たという連絡をもらったから……。 どうやら、あーちゃんは手元のチケットが減っているかどうかで、レッスンの出欠確認をしている様子。でも、そもそも毎回そのチケットを持って行っている確証もありません。自己管理ができなくなってきて、もう習い事を続けるのは難しいのかもしれないと思い始めました。 そして、ずっと続けている毎週の注射も、「注射は毎週なんですか?」と初耳のように看護師さんと話し、「手帳に書いておかなくちゃね!」と、あたかも今日から始まった習慣のように言う始末。もうずっと通っているのに……。 --------------ダンスのレッスンを続けることになって、喜んでいたのもつかの間……。自分で行ったのを忘れてしまっているとなると、果たして、ワフウフさん姉妹が期待していた「良い刺激」にはなっているのでしょうか。かなり記憶も曖昧になってきているようで、日常生活も問題なく送れているのか気がかりですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年03月30日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんが部屋で使っているテレビを買い替え、そのテレビが届く日。姉・なーにゃんは設置が完了したのを確認するために、何度も電話をするもつながらず……。やっとつながったと思ったら、口もきかないほど不仲になっているはずの父・たんたんと仲良くお出掛けをしていたと言われて絶句。ずっと悪口を聞かされて育ったワフウフさん姉妹にとっては、かなりモヤモヤしてしまう出来事でした。あーちゃんはふとしたときに、これまで自分は精一杯の愛情を注いで子育てをしてきたと、ワフウフさん姉妹に言ってきます。それ自体を否定する気はありませんが、あまりにも自分に都合良く記憶が書き換えられていることもしばしば……。聞いているほうもラクではありません。 たまにはこんな日があっても… ある日、姉と一緒に行った占いで「あーちゃんのお世話に追われるのは今年いっぱい」と言われ……。 なんだか、いろいろな考えが頭を巡るのでした。 ここ最近の疲れを癒やそうと、マッサージへ行きました。気持ちよかった……! ごはんを作る気にもなれず、今日はちょっとサボることに決めました。 この前、姉と一緒にとある占いに足を運びました。ここ最近はあーちゃんに振り回され続ける日々が続いていて、誰かに何かを進言してもらいたくなったのかもしれません……。それだけ、精神的に弱っているということ。 占いでは、「あーちゃんの世話に追われるのは今年いっぱい」と言われました。もしかして、今年あーちゃんの身に何かが起こる!? と思いつつ、逆に自分の身に何かがある可能性もあるのか……ということに気付きました。どちらでもないことを願うばかり。 そして、たまには体のメンテも必要ということで、通院の付き添いを終えたある日、ふらりとマッサージへ。あまりの気持ちよさに昇天し、ごはんはタイムサービスでお安くゲットしたお弁当で済ませてしまいました。たまにはこういう日もあっていいですよね! --------------言われたことがすべて当たるなんて思ってもいないのに、何か心が弱っているときに占いを頼りたくなるというのは、女子あるあるかもしれません。そして、姉妹で分担しているとはいえ、病院の付き添いや実家の片付けなど、介護の負担は決して軽くないでしょう。自分自身の心身のメンテナンスも忘れずにいたいですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年03月29日「介護に休みはない」と言われるように、介護をする者の負担は大きいものです。認知症が進行すると生活にさまざまな支障が生じ、通常の日常生活を送るのが難しくなります。そんな私の、母の介護をする上で苦労した体験を紹介します。意味不明な行動をする母認知症の進行に伴って、母の意味不明の行動が増えていきました。夏なのに厚い羽根布団をかぶりながら眠ったり、また敷布団を上にかけたり、誰が見てもおかしなことをするようになったのです。さらに粗相(そそう)も増えてきて、よく布団におねしょをするようになりました。当然ながら本人には悪意はなく、おかしなことをしている自覚はないようです。母の介護をするようになって、洗濯の頻度は劇的に増えました。認知症は進行していくばかりで、改善することはありません。それに伴って粗相をする頻度が増えていき、1日に1回はするように。そうなればそのたびに洗濯する必要があるので、介護をする私はいつも振り回されて休む暇がありません。本来の洗濯とは別に、1日何度もおこなうことがあり、ほとほと嫌になってしまいました。トイレにも付き添う必要が母がトイレに行くときも介助が必要で、また様子を近くで見ている必要があります。そうしないと何を始めるかわからないからです。例えば、便座まで上げた状態で座ったことがあり、便器の中にすっぽりとおしりがハマっていたことも。ひとりでは脱出できないようで、私が引き出してあげました。本当に何をしでかすかわからず、まるで体の大きな幼児の相手をしている気分でした。45kgの母が重たく感じたトイレの介助より大変だったのは、入浴させるときです。母の体重は45kgほどですが、自分で体を動かそうとする意思がないためか、非常に重たく感じられました。母をお風呂の椅子に座らせたり、椅子から立ち上がらせたりするときそれを実感しました。もちろん湯船に入れてあげるときも大変で、常に見張っている必要があります。そうしないとふと目を離した隙に、湯船で溺れてしまう可能性があるからです。入浴後は衣服を着用させますが、本人は自分で着る意思がありません。実際に親の介護をやってみると、肉体疲労に加えて精神疲労が大きかったです。全身が脱力したように私自身がぐったりしてしまいました。そして精神疲労は肉体疲労より解消しにくいので、介護をしている自分自身がストレスにやられそうでした。まとめ認知症は恐ろしい病状だと思いました。私の母は自我がなくなり、自分で何もできなくなりました。それを介護するのは息子である私の役目でしたが、思い通りにいかずに心身ともに疲弊していくことに、改めて介護は休みがなく、大変な作業だと実感したものです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。文/佐藤まさよしウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2024年03月29日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんから、やめるかどうか迷っていたダンスのレッスンを続けようと思っていると聞いたワフウフさん。早速先生に連絡をします。すると「前回、レッスンをやめるとハッキリおっしゃいました」と言われてしまい、ビックリ……。結局、事情を話してなんとかレッスンは継続できることになりましたが、思っている以上に時間の感覚が狂ってきているのかもしれません。先日、部屋で使うテレビを買い直したあーちゃん。姉・なーにゃんはちゃんと設置ができたのかが気になり、何度も電話をするもつながらず……。やっとつながったと思ったら、なんと口もきかないと言っていたはずの父・たんたんと仲良くお出掛けをしていたと言われて絶句……。いつも夫の悪口を言っていて、何かあれば娘たちを巻き込んで大騒ぎするのに、一緒にお出掛けをしていたと思うと、なんだかモヤモヤしてしまうのでした。 なんだか虚しくなる… たまに聞くこのセリフ。否定する気はまったくありませんが……。 その昔、一番最初のダンスの先生が、発表会であいさつをしただけのワフウフを気に入ったらしく……。 あーちゃんはお見合いの仲人さんのごとく、ノリノリ。 ※ミラニンくん:あーちゃんの孫 当時、その思考回路が理解できませんでした……。 この話が、すっかり自分に都合の良い話に書き換えられていて、さすがに見過ごせず。 幸い、姉もこのときのことを覚えていて、一緒に全否定してくれましたが……。 ひと言で終わり。なんだかモヤモヤします。 そして迎えた次の通院。こんなことを言いだしましたが、もちろん来ています。 さらにこの日は、お金を下ろすつもりだったらしく、こんなことを言い始めました。 でも、お金は昨日下ろしたばかりです。それを伝えても……。 と、すっかり昨日のことは忘れてしまい、ピンときていない様子。 それなのに、たんたんがしてくれたささいなことは覚えているなんて……。 ※たんたん:ワフウフさん姉妹の父。あーちゃんとは不仲 病気とはわかっていても、虚しくなってしまいます。 あーちゃんはたまに、自分は精一杯の愛情を注いで私たち姉妹を育てたと言います。それを否定する気はありませんが、あーちゃんの中で過去が自分に都合良く美化されていると思うこともしばしば。 さすがに見過ごせないレベルになっているときは否定するけれど、「あら、そうだった?」のひと言で終わり。この記憶の上書きが「老人あるある」なのか認知症の症状なのかは、いまだにわからず……。 そして、上書きされる記憶もあれば、完全になくなる記憶もあり……。前日一緒に銀行でお金を下ろしたことは忘れているのに、あーちゃんのお金を狙っているかもしれない父・たんたんにお茶をおごってもらったことは覚えている……。仕方ないとはわかっていながらも、あーちゃんのためにやっていることをどんどん忘れられていくと、やっぱり虚しくなってしまいます。 --------------記憶が美化されてしまうのは、疑問を抱きながら聞き続けるのもラクではないですよね。そして、ワフウフさん姉妹が覚えていてほしいことは忘れ、そこまで重要ではないことはしっかりと覚えていて……。実際にあーちゃんを身近で見守っている家族からすると、気持ちの整理は難しそうですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年03月28日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんが、体力の低下と金銭的な負担を理由に、大好きなダンスのレッスンをやめたいと言いだしました。しかし、認知症のあーちゃんにとって、ダンスは良い刺激もあるはずだと思っているワフウフさん姉妹は、なんとか続けてほしいと思い、ペースを落として年に一度の発表会には出ずにレッスンを続けられるよう交渉しました。そして、最終的な判断はあーちゃんに任せることに……。病院の付き添いをしたとき、あーちゃんからダンスのレッスンを続けようと思っていると聞かされたワフウフさん。そこで、先生に早速連絡をしたところ「前回、レッスンをやめるとハッキリおっしゃいました」という衝撃の返信が……! 結局、なんとか事情を話してレッスンは継続できることになり、一件落着です。 自分のことしか見えていないのね 購入したテレビがちゃんと設置されたか心配で、姉は何度も電話をしていました。 たんたんと出掛けた……?! 仲良しか! ※たんたん:ワフウフさん姉妹の実父。あーちゃんの夫。あーちゃんとは不仲 疲れが影響しているのか、いつもよりも会話がかみ合わない気がしました。 これは覚えていてほしい……! あんなに楽しみにしていた孫たちとの食事会すら、忘れてしまった様子……。 写真を差し出すと、あーちゃんはうれしそうにしていました。 最初は和やかな雰囲気でしたが……。 ※メラニンくん:あーちゃんの孫 ん……? 孫を見ているのではないのかな? ええええええ……。 先日、通院帰りに購入したテレビの設置日。無事に終わったのかどうかを確認するため、姉が何度も電話をするもつながらず……。やっとつながったと思ったら、なんと口もきかないと言っていたはずの父・たんたんと出掛けていたと言われ、絶句。いつも悪口を言っていて、何かあれば私たちを巻き込んで大騒ぎするのに、仲良くお出掛けしていたなんて……。 電話がつながらず、心配していた分だけ怒ってしまった姉は、いつもより強めの口調で今週の食事会について確認しましたが、あんなに楽しみにしていた孫の大学入学を祝う食事会も忘れてしまっていて、ガッカリです。 昔から私たち姉妹は、孫の写真をあーちゃんによく渡していました。その習慣は今でも続いていますが、この前写真を渡したときには、自分の写り方ばかり気にしていて、他の人は視界にも入っていないようでした。他者への関心がなくなってきているということ……!? --------------今まで、ずっと夫のたんたんの悪口を聞かされてきたワフウフさん姉妹にとって、あーちゃんが夫婦でお出掛けしていたのは衝撃的でしたね。夫への負の感情も、忘れているということでしょうか。さらに、他者への関心も薄れている様子を見るとより不安が募ってしまいますね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年03月27日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。超音波検査を終えた母・あーちゃんと一緒に、早めのランチへ向かったワフウフさん。パンの食べ放題がある、お店に行くことに。すると、あーちゃんはワフウフさんが止めるのも聞かずに、次から次へと甘いパンを食べていました。ここ最近、食欲がない様子を見ていたので、食べてくれるのは素直にうれしいと思いつつ、糖尿病が心配に……。毛糸のパンツを披露!ランチの後、何かを探している様子のあーちゃん。どうやら口紅を探しているようなのですが「口紅ってどんな形だったかしら……」とつぶやいていて、もしかして形の概念が崩れている? と心配になりました。ただ、翌週は表情もスッキリしていて、いつもより素直にワフウフさんの言うことを聞いてくれて、なんだか調子が良さそう。そんなあーちゃんの姿を見て、少し安心したのでした。5月だというのに、こんな厚手のハーフコートを着ていたあーちゃん。「季節に合わせた服装ができなくなる」という認知症の症状なのか、単純に寒いのか……?そして、なぜか見つかったマイナンバーカード。名前も存在も忘れていたはずでは?先日に続き、調子が良さそうで安心。この日はワンピースを着てオシャレを楽しんでいました!でも、ワンピースを着て来たばかりに、おなかに注射をする際に愛用の毛糸のパンツを披露することに……(笑)。超音波検査に続き、胃のバリウム検査に行った日。付き添いは姉でしたが、この日もわりと調子が良さそう。ただ、もう5月だというのに、厚手のハーフコートを着ていて、「認知症が進むと、季節に合わせた服装ができなくなる」という症状に当てはまるのか、それとも単純に寒いと感じているのかはわからず……。そして、なぜかこの日は、存在も名前も忘れていたマイナンバーカードがお財布の中に入っていたそう。いつの間に?数日後。今度はいつもの診察&注射の日。気になる調子は……なかなか良さそう! しかし、この前受けたバリウム検査が引っ掛かってしまい、胃カメラをすることになてしまいました。さらに、栄養失調気味だということも判明。明らかに調子が悪そうだったここ最近は、本当にろくに食べられていなかったのかもしれません。この日のあーちゃんはとってもオシャレ。本人は「何十年も着ている」と言うものの、姉も私も初めて見るワンピースを着ていました。オシャレ心が失われていないのはいいこと……ですが、インスリン注射はおなかに打つ注射なので、ワンピースだとあーちゃんが年中愛用している毛糸のパンツを丸出しすることに……。看護師さん、目のやり場に困るだろうな。--------------温度の感じ方は本当に人それぞれなので、季節外れのコートを着ていても、それが認知症の症状なのかどうか判断するのは難しいですね。でも、一時期はずっと同じ洋服で診察に来ていたことを考えると、オシャレをして来たのは調子が良い証拠かもしれません。この状態が続いてくれることを期待したいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年03月27日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんから、自分の部屋で使っているテレビが壊れたので、買い替えたいと言われたワフウフさん姉妹。通院帰りにランチをしてから、買いに行くことに。しかし、ランチを終えるころには疲れが見え始め、会話も記憶もめちゃくちゃに。さらに、「お金がない」としきりに訴え、家にあったウン十万円の現金の行方もわからなくなってしまいました……。体力の低下と金銭的な理由から、大好きなダンスのレッスンをやめたいと言いだしたあーちゃん。しかし、ワフウフさん姉妹としては、良い刺激にもなるはずなので、続けてほしいと考えています。そこで、先生にも事情を話し、レッスンのペースを落として続けられるよう交渉しました。最終的にどうするのかは、あーちゃんにしばらく考えてもらってから決めることに。 ビックリ発言 私も一緒に話していたことは忘れているようで、詳しく説明してもらえました。知ってますけど……。 ※なーにゃんちゃん(姉) ん? なんか先生にお願いされたという話になっているような……? よかった! 続ける意思が本人にありそうだったので、早速先生にレッスンのお願いをしたのですが……。 先生からはあーちゃんからダンスをやめると言われたと連絡が来ました。えぇ……!? どうやら、時間の感覚が狂ってしまっているようで、聞いているこちらも困惑……。 続けると決めた後も、ところどころでやめる発言を繰り返しています……。 ダンスのレッスンを続けるのかどうか、病院の付き添いをしたときに改めてあーちゃんに確認したところ、続けようと思っていることがわかりました。そこで「1年に一度の発表会には出ず、週1回なら続けたいと言っているので、よろしくお願いします」と先生にメールをしたところ……。 「前回いらしたときに、本日を持ちましてレッスンをやめますとハッキリおっしゃいました」という返信が……! ええええ!? これには姉妹でビックリ。 おそらく、あーちゃんの中で時間の感覚が狂っていて、自分がおかしなタイミングでやめると言ってしまったのがわかっていないのだと思います。結局、なんとかレッスンは継続できることになり、ひと安心です。 --------------すったもんだがあったものの、ダンスのレッスンを続けることに決まってよかったですね。週に1回でも、自分が大好きなことに熱中できる時間は良い刺激になるのではないでしょうか。ただ、体力の低下も目立つようになってきたので、そこは少し心配ですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年03月26日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんが「見つからない」と言っていた通帳とキャッシュカードは、カバンの中に入っていて、ワフウフさんが付き添ってATMを操作したところ、お金も下ろせました。しかし、通帳とキャッシュカードを持っていることも、お金を下ろしたことも、すぐに忘れてしまうあーちゃん。何度もワフウフさんが説明しますが、そのたびに道端でもどこでも、カバンや財布を広げる始末。さすがに危な過ぎて、ヒヤヒヤしてしまいます……。初めての出来事にビックリ!超音波検査を終えたあーちゃんとワフウフさんは、早めのランチへ。パンの食べ放題があるお店に入ったのですが、あーちゃんはここぞとばかりに甘いパンばかり食べ、糖尿病患者の血糖を下げる働きのあるホルモン「インスリン」を注射で補給して血糖値を下げるためのインスリン注射を打って来たばかりなのに……とワフウフさんはガッカリ。でも、ここ最近ずっと食欲がない姿を見ていたので、たくさん食べてくれたのはうれしいと思う気持ちもあり……なんだか複雑です。どうやら化粧直しをしたい様子のあーちゃん。口紅の形が思い出せないようで……。さらに、この日は「???」と思うことがもう1つ。ボールペンの概念も壊れているみたいです。そんなはずはないのに……。結局、100円ショップの文房具コーナーに連れていきましたが、この発言。今までのやりとり、何だった……!?あーちゃんが宇宙人のように思えてきてしまいます。しかし、翌週は意外にも表情がスッキリしていて、調子が良さそうです。めちゃくちゃ素直……!食欲も戻ってきたようです。その後、「ごちそうさまでした! 今、夕食を済ませました! いただいたおかずを食べました! おいしかったで~す、ありがとう!」と、ちゃんと辻褄が合っているメールがあーちゃんから届いて、感動……。食事をしたあと、何かを探している様子のあーちゃん。「口紅ってどんな形だったかしら……」と、つぶやいているのを私は聞き逃しませんでした。さらに、ボールペンから鉛筆のような芯が出ると言い張り、それを買いに行くと聞きません。ボールペンから鉛筆の芯が出ることはないと思うのですが……。もしかすると、思っている以上に形の概念が崩れているのかもしれません。こんなふうに、あーちゃんはひどい状態が続いていたので、翌週の付き添いは重い気持ちで向かったのですが……予想外にスッキリとした表情で、いつものように「疲れた、眠たい、何もしたくない」という言葉も聞こえません。そして、この日一番驚いたのが、おかずの差し入れのお礼がメールで届いたこと! これまでずっと私も姉も差し入れを続けてきましたが、ちゃんと食べているのかすらわからない状態でした。先週よりも、明らかに調子が上向きになっています。少し前に処方された、元気が出るという漢方が効いてくれたのかも!?--------------探している物はわかっていても、その形が思い出せないようなら、見つけ出すのは難しいですよね。でも、症状がどんどん進んでいると思っていても、今回のようにうれしくなる日も。その日の状態に合わせたサポートをすることの大切さがうかがえます。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年03月26日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。前回の通院に付き添ったとき、母・あーちゃんが無気力でボーっとしているように見えたのが気がかりだったワフウフさん姉妹。しかし、孫の大学が決まったことがとてもうれしかったようで、お祝いの食事会を楽しみにしている様子に少し安心しました。しかし、孫のことは覚えていられる半面、手帳に書かれている予定をすっかり忘れていたりと、認知症の症状は一進一退です……。あーちゃんが部屋で使っているテレビが壊れてしまったとのことで、通院帰りにランチをしてから買いに行くことになりました。しかし、いざ買い物へ向かうと疲れが見え始め、会話も記憶もめちゃくちゃに。さらに、しきりに「お金がない」と訴えるようになり、ワフウフさん姉妹は困惑してしまいます。家には結構な額の現金があったはずなのに、一体どこへ行ってしまったのでしょうか……!? やめないでほしい…! あーちゃんも、自分の状態はわかっているらしい……? ここは言葉をグっと飲み込みます。 現実的に、1年に一度の発表会「デモ」に参加するのは厳しそうなので、そこは先生に相談することに……。 先生はデモへ参加をしなくても、週に1回のレッスンでもいいと言ってくれました。 それを聞いて、前向きに考える素振りも見せつつ……。 後ろ向きな発言もありつつ……。 とりあえず、しばらく考えてもらうことにしました。 大好きなダンスをやめたいと言いだしたあーちゃん。体力の低下とお金がかかることが理由のようです。毎月のレッスン代が月に5万円程度、さらに1年に一度のデモと呼ばれる発表会の費用がかかっているのですが、このデモというのがあーちゃんいわく何十万円もかかるとのこと。 ただ、あーちゃんの場合、本人は忘れているかもしれませんが、私たち姉妹が預かっているお金もあるので、金銭的な負担はそこまで大きくありません。できれば趣味のダンスを続けてほしい、やめないでほしいというのが姉妹の思いです。体を動かすのも、週に2回おしゃれをして電車に乗ってお出掛けするのも、認知症のあーちゃんにとって大事な刺激になっていると思うので。 しかし、デモに参加するとなると、当日は1日がかりで普段行き慣れていない場所へ行くことになるので、今のあーちゃんには厳しそう……。そこで、デモには参加しないという条件でレッスンが続けられないか先生に相談してみたところ、了承をいただけました。それを伝え、最終的な判断はあーちゃんに少し考えてもらうことに。 --------------ワフウフさん姉妹が認知症の母にダンスを続けてほしい思う気持ちは、とてもよくわかりますね。先生も事情を理解してくださっているようなので、なんとかこれまでの生活を担保しつつ、あーちゃんがイキイキと過ごせるといいですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年03月25日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんが超音波検査を受ける日。何度も念押ししたおかげで、朝食抜きはクリアできてひと安心……と思ったら、まさかの検査待機中に食べようとしてしまい、慌てて止める事態に。無事に検査は受けられたものの、付き添っていたワフウフさんはグッタリです。さらに、検査結果を聞いている途中にトイレに行こうとして、状況の理解ができなくなっている姿を目の当たりにしました。次から次へと…先日、電話で「見つからない」と言っていた通帳とキャッシュカードは、ワフウフさんがあーちゃんのカバンの中で見つけ、お金も下ろせました。しかし、自分が通帳とキャッシュカードを持っていることを忘れ、お金を下ろしたことも忘れてしまうため、何度も同じ説明をしなくてはいけません。さらに、説明を受けてからその事実を確認するのに、どこにいても通帳とキャッシュカードを探し、お財布を広げてしまうので、ワフウフさんはヒヤヒヤしてしまいます……。病院での検査を終え、あーちゃんとランチに行くことに。一応、希望は聞かれますが、あーちゃんの中で行くお店は決まっている様子。ヘルシーな和食屋さんを提案しますが、もう頭の中は「パンの食べ放題」でいっぱい……。結局、パンの食べ放題があるお店に入りましたが、パンのラインナップがことごとくスイーツ系で嫌な予感が……。食べ過ぎを注意しても、生返事で手は止まりません。そして、店内にあった限定商品のポスターを見つけてしまい、こちらも完食。……インスリン注射(糖尿病患者の血糖を下げる働きのあるホルモン「インスリン」を注射で補給して血糖値を下げる)を打ってきたばかりだというのに。あーちゃんの今のメイクは、眉毛を描いて口紅を塗り、若見え用のウィッグを装着して完了。ランチの帰り、アイブロウペンシルが欲しいと言いだしました。近所のお店にはなかったらしい……。仕方なく、ランチをしたお店の周辺でドラッグストアを探すことに。でも、様子が変……。自分のいる場所が理解できていないようです。歩いているうちに、目的も忘れてしまいました。そして、いつものように同じやりとりがループして……。え……。今それ言うの??超音波検査を受けるため、朝食を抜いて病院に来たあーちゃんは「おなかが空いた」を連発。そのため、病院の後すぐにランチをすることに。あーちゃん、実は大のパン好き。私に「何が食べたい?」と一応聞いてはくれるものの、パンの食べ放題があるお気に入りのお店を激推ししてくるので、たまにはいいかと思い、そのお店に入ったのですが……。あーちゃんは、私が止めても次から次へと甘いパンを食べていました。今日、インスリン注射(糖尿病患者の血糖を下げる働きのあるホルモン「インスリン」を注射で補給して血糖値を下げる)を打ってきた帰りだというのに……。でも、このところずっと調子が悪そうだったのに、パンを食べているときは生き生きしていて、なんだか複雑な気持ちになりました。そしてこの日、あーちゃんはアイブロウペンシルを買いたいと言ったので、一緒に買いに行くことにしました。どうやら近所のドラッグストアでは見つからなかったらしく、そんなことないはずなのに……と思いつつ、ランチのついでに早速ドラッグストアを探したのですが、土地勘がないためすぐに見つからず。そして歩きながら最寄り駅と勘違いするあーちゃん……。最後にはポイントが付くから買うなら近所で買いたいと言いだしますが、近所にないからここで探しているの! と腹が立ってしまいました。--------------食欲がない姿を見ていたので、たくさん食べてくれるのは喜ぶべきなのかもしれませんが、それが甘いパンとなると今度は持病の糖尿病のほうが心配になってしまいますね……。そして、場所の認識も難しくなってきているようなので、今後の付き添いも必須となりそうです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年03月25日母子共に強迫性障害(強迫症)私は23歳の時、強迫性障害(強迫症)を発症して入院していました。現在23歳の息子も23歳、ASD(自閉スペクトラム症)、知的障害(知的発達症)のほかに強迫性障害(強迫症)があり通院中です。私が実際に行った強迫性障害(強迫症)の治療には、薬物療法だったり、認知行動療法だったり、認知行動療法の中の暴露法だったり、森田療法などがあります。私は患者の会である自助グループに参加しているのですが、良い意味でとても凄く理屈っぽい議論が交わされ、多くの学びを得ています。ます。ただ、知的障害(知的発達症)のある息子には理解しにくい内容なので一緒には連れて行っていません。不安という感情を抱えながらなすべきことをなす私はある自助グループに通うようになり、このようなことを学びました。不安があったとき、みなさんはどのように考えますか?例えば飛び込み台から飛び込まなくてはならない状況の時、A.飛び込むのを止めるB.「怖くない、怖くない」と不安をかき消す言葉をかけながら飛び込むC.「怖い」と思いながらも、行動する。飛び込こんでみる飛び込み台の例は極端ですけれども、A.飛び込むのを止めると、これ以降も飛び込むことができできなくなります。B.怖くないという感情に意識が行きすぎてしまうと、反対に「怖い」という感情が強化されてしまいます。不安をかき消そうと不安にスポットを当てれば当てるほど、不安が増大してしまうからです。C.のように自分の自然の感情に蓋をしないで、その思いを持ちつつもともかく行動してみます。すると飛び込めた事実によって自信がつきます。このことを他のケースに当てはめてみたいと思います。私は著者で講演依頼を受けることもあるのですが、依頼を受けた時、とても苦しく不安な気持ちになります。というのも、緊張しすぎてお腹が痛くなるからです。過敏性腸症候群です(身体的には病気ではないのに、腸がギュルギュルしてしまう)。これを先ほどの例に当てはめると3つの方法があります。人前でスピーチをしなくてはならない時、A.話をすることをやめて、依頼を断るB.「あがってはならない」「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせてスピーチに臨むC.不安、恐怖を抱えながらなすべきスピーチを行う人は自分の感情を自分の気合や努力で何とかできると思ってしまいますが、心臓や胃の動きを自分でコントロールできないように、自然に沸き起こる恐怖を自分の力でなくすことはできません。不安という感情はそのままにして、なすべきこと(飛び込む、スピーチをする)に意識を向け、それを行う。飛び込めた、スピーチできたという体験を通して自信になり、そのことによって不安という感情を抱えながらなすべきことをなせるようになるのです。このように考えながら、強迫性障害(強迫症)とつきあっています。定型発達の子とわが子を比べてしまう“比べる病”もコントロールできない感情。自分を責めてはいけないこの考え方は、発達障害のある子どもの育児でも参考になります。パートナーがいない時結婚式に招かれて、幸せな友人を見て素直に喜んであげられない自分を責める。妊活仲間が妊娠しても、自分の不妊治療がうまくいかないと「おめでとう」と素直に喜べない。これらも自然な感情です。「こんな風に思ってしまう私はなんて器が狭いんだろう。ダメな人間だ」と自分を責めてはならないと思うのです。同様に定型発達の子を見ては比べてしまい、「羨ましい」と思う。これも自然な感情、自分ではコントロールはできません。抑えつけてしまい「他の子をうらやむ自分はなんてダメな母親なんだ」と自分を責めないでほしいと思います。責めれば責めるほど、ますます、自分を追い込んでしまうからです。強迫性障害(強迫症)での体験を通して、自分の心から湧き上がる感情はコントロールできないことを私は学んでます。自分を責めない……まずそこを前提として、発達障害があるわが子と向き合うことが大切だと思っています。執筆/立石美津子(監修:森先生より)「自分の感情を否定しない」ということは大切ですね。人間誰しも、時にネガティブな考えが頭に浮かぶことはあります。そんな時に自分の感情に蓋をしてしまうと、後々になって感情が爆発したり、うつ病や心身症などの問題となってしまうことがあります。また、つらい状況であることが周囲からもわかりにくく、周囲から手を差し伸べることが難しくなってしまいます。不安、恐怖、嫉妬などなど……ネガティブな感情も、自分自身の心を構成する要素のひとつです。立石さんのように、ネガティブな感情も含めて受け入れて、感情とうまく付き合っていく方法を探していけるといいですね。前の記事はこちらUpload By 立石美津子Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月25日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんの通院には、いつもワフウフさん姉妹のどちらかが付き添っていましたが、どうしても2人の都合がつかない日が出てきてしまい、仕方なくあーちゃんひとりで行ってもらうことに。本人は「全然大丈夫!」と自信満々ですが、これまでも「注射に来るのを忘れたり、来たこと自体を忘れたり、毎回のように注射は毎週必要かと確認している」ことがあり、心配だと告げると、記憶も自覚もないようでショックを受けている様子でした。前回の通院に付き添ったときは、無気力でボーっとした様子だったあーちゃんも、孫の大学が決まったのがとてもうれしかったようで、お祝いの食事会も楽しみにしていました。その様子に、ワフウフさん姉妹もひと安心。しかし、手帳に書かれている予定が何の予定か思い出せずに考え込む姿も見られ、当日まで覚えていられるのか、待ち合わせにちゃんと行けるのかなど、気がかりなことも……。 ウン十万の現金はどこへ…? 「お金がなくて不安」とよく口にするようになったあーちゃん。でも、家にはかなり現金があったはず……。 趣味で習っているダンス代に使ったと言うけれど、レッスン代はそこまで高額ではありません。 でも、本人に使った記憶はないというので、きっとどこかに置き忘れているはず……。 押し問答が続き、ついに姉・なーにゃんは怒ってしまいました。……気持ちはわかるけど。 最近、何もしていないのに疲れたと訴えることが増えたあーちゃん。体力が低下している……? たしかに、通院の帰りにランチをして、少し寄り道するだけで足元はフラフラになっています。 ある日の通院帰り、持ってきた総菜を渡し忘れた姉のなーにゃんが、慌てて渡しに行くと……。 目の前に現れた人物が娘のなーにゃんだと、すぐに認識できなかったようでした。 ある日、あーちゃんの部屋にある小さなテレビが壊れたから買い替えたいということで、通院の帰りにランチをしてから買いに行くことにしました。しかし、だんだんと疲れが見え始め、会話も記憶もめちゃくちゃに……。この日は、しきりに「お金がない」と訴えていたあーちゃん。でも、実家で押入れチェックをしたときに、かなりまとまった額の現金があったことは把握しているので、足りないことはないはず。 通帳もすぐに失くしてしまい、ATMが使えずに手持ちの預金が引き出せず、現金を渡してもすぐにないと言って不安がる……。もう一体どうすればいいのだろう? 「何に使った?」「使ってない!」「それなら家にあるはず!」「ない!」。こんな押し問答を続け、この日あーちゃんと姉は言い合いになってしまいました。病気が原因だとわかっていても、怒りたくなる姉の気持ちは、痛いほどわかります。 そしてこの日、バイバイをして別れてから、持ってきた総菜を渡し忘れたことに気付いた姉は、駅のホームまであーちゃんを追いかけて総菜を渡したのですが、突然現れた姉に反応できず、誰かわからないような表情で姉を見ていたそう……。なんだか、話を聞くだけでも悲しくなってしまいます……。 --------------お金関係には執着する傾向があったあーちゃんですが、どこかに置いて忘れているのではなく、実際に使ってしまっているようなら、何か新たな対策を講じる必要があるかもしれません。そして、一瞬でも家族を認識できていない雰囲気を感じてしまうと、やり場のない気持ちになってしまいそうです。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年03月24日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。ある日、母・あーちゃんからの電話で「銀行のカードが使えない」と言われたワフウフさん。一緒にATMを操作するから、カードを持ってくるように言ったものの、なぜかクレジットカードの話に……。キャッシュカードとクレジットカードが混同しているようで、何度も同じ話が繰り返されて、ワフウフさんもイライラしてしまいます。しかし、よく話を聞くと、結局「カードも通帳も見つからない」ということだったらしく、用件を聞き出すのもひと苦労です。もう…どうすればいいの?超音波検査を受けた日。何度も念押ししたおかげで、朝食を抜いてくることには成功しますが、病院に着いて待機中というタイミングで飲み食いをしたがるあーちゃん。慌てて止めるも、そのやりとりを何度も繰り返します。さらに、検査結果を聞くタイミングでトイレに立つなど、状況の理解ができなくなっている姿を目の当たりにました。この日の話題は、市の無料乗車券でしたが……。話しているうちに内容がズレてきて……。いつの間にか、市の無料乗車券が交通系ICカードの話に。しかも「無料で乗れる」と思っているようで、お金をチャージするというシステムも忘れてしまった模様。先日、電話で見つからないと訴えていた通帳とキャッシュカードを、カバンの中で発見。カードは使えないと再度訴えるので、一緒にATMに行こうと言うと……。また、クレジットカードと勘違い。もうクレジットカードは解約してハサミを入れてもいいのかもしれません。そして、何度も繰り返す「お金が下ろせない」「後で一緒に試してみよう」という会話……。そして「カードも通帳も見つからない」という訴えも、何度聞いたことか……。カードと通帳は持っていると教えると……。確認のために、その場で取り出してしまいます。そして、結局何もかも一瞬で忘れてしまいます……。忘れるのは仕方ないとしても、お金も通帳もカードも大事なものなので、どこででも確認するのはやめて……!理解していなくても、なんとなく相手に合わせられていた会話スキルの高いあーちゃんでしたが、この日は会話がめちゃくちゃ。出発点と到着点で、内容が大きくズレてしまい、まったく会話が成立せず。そして、相変わらず「カード」の理解が追い付いていないようで、説明がうまくできないため、私も何のカードについての話かわからなくなってしまいます。病院でカードの話をしながら、あーちゃんのバッグの中身を確認していると、見当たらないと言っていたキャッシュカードと通帳を発見! 後で一緒に銀行でお金を下ろしてみようと言うと、バッグを探ってクレジットカードを取り出し「このカードを持って行くんでしょ?」とドヤ顔で言うあーちゃん。何度説明しても、クレジットカードとキャッシュカードの違いが理解できないようです。結局、一緒にATMへ行き、無事にお金を下ろすことはできたのですが、問題はその後。通帳とキャッシュカードを持ち歩いていることを忘れ、お金を下ろしたことを忘れ、道端で突然それらを確認するという行為をしてしまうのです。いくら日本は治安が良いとはいえ、さすがに危なすぎてヒヤヒヤしてしまいます。ひとりのときも、同じことをしていたらどうしよう……。--------------お金を下ろしたのか、通帳とキャッシュカードは失くしていないか、それを確認すること自体は問題ありませんが、どこでも構わずにやってしまうとなると、ちょっと不安ですね。いよいよお金の管理も家族がおこなったほうが安心かもしれません。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年03月24日