『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』などの作者としておなじみの漫画家、鳥山明さんが3月1日、68歳で亡くなった。死因は“急性硬膜下血腫”。急性硬膜下血腫とは、脳を覆っている硬膜と脳表との間に起きる急性出血のこと。さがみ生協病院内科部長の牛山元美さんが原因について解説する。「一般的には、転倒や転落、交通事故などによって強く頭を打ちつけた場合、その衝撃で硬膜と脳表の間の血管が切れて出血が起きることで発症します」衝撃を受けた直後、あるいは少し時間を置いてから、激しい頭痛や意識障害、嘔吐、麻痺などの症状が現れる。「こうした症状が出た場合、緊急手術で頭部の血腫を取り除かないと命に危険が及びます」(牛山さん)ただし、頭部にそれほど強い衝撃を受けなくても次のような人は要注意。「過去に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人、狭心症など心疾患をお持ちの人、さらには、脊柱管狭窄症などの治療で整形外科に通っている人などはリスクが高まります。血管がもろくなっているうえに、“血液をサラサラ”にする薬を服用している場合が多いので、つまずいた拍子に軽く頭を打ったくらいでも、脳の血管が切れて血腫ができることもあるのです」(牛山さん)つまり、血液サラサラの薬を服用している場合は、ちょっとした“つまずき”による頭部の打撲でも、急性硬膜下血腫になる可能性があるということなのだ。■自宅内転倒が多い高齢者が見落としやすい盲点は?日本理学療法士協会の副会長で、理学療法士の佐々木嘉光さんは、「自宅内にも転倒のリスクが潜んでいます」と話し、警鐘を鳴らす。「年齢とともに“視覚”や“バランス感覚”“筋力”などが落ちてくるので、ちょっとしたモノにつまずきやすくなるからです」東京消防庁の統計(令和元年)では、住居内で高齢者の転倒事故が発生する場所として多いのは、1位:居室・寝室、2位:玄関・勝手口、3位:廊下・縁側・通路、4位:トイレ・洗面所、5位:台所・ダイニングと続く。「大前提として、室内のどこであっても〈室内や足元を明るくする〉〈動線上にモノを置かない〉〈滑りやすいマットはできるだけ敷かない〉が基本。さらに、足のサイズに合っていないスリッパも事故の原因になります」(佐々木さん)こうしたポイントを押さえたうえで、自宅内で転倒しやすい場所と回避する方法を見ていこう。【1】リビングや和室「リビングは電源コードが多くなりがちなので、足をとられます。壁にはわせるなどして引っかからない対策を。特に携帯の充電コードにご用心。ラグマットも、つまずきの原因に。読みかけの新聞やチラシも、床に置いておくと踏んで滑ってしまいます」和室にも、こんな危険が潜む。「座布団や座椅子に足を引っかけて転倒するケースが目立ちます。畳から立ち上がる際は、慌てずゆっくりと動きましょう。置きっぱなしの健康器具にも気をつけて」【2】キッチン「床に敷いているキッチンマットに引っかかって転倒する、あるいは足元のゴミ箱につまずいて転倒する、といったケースが見られます。マットを敷くなら滑り止めが付いているもので、ふかふかしていない毛足が短いタイプを。また、ゴミ箱を明るい目立つ色に替えることもつまずき対策のひとつです」加えて、脚立の使用時も要注意。「よく使用する食器類は高い場所にしまわないこと。脚立を使用する場合は、踏み台の部分が広く安定したものを選びましょう」【3】浴室・脱衣所「転倒しやすいのは、脱衣所から浴室へ入る際の段差や、浴室に足を踏み入れた直後です。浴室がぬれていたり、床に残った石けんなどのぬめりがあると滑りやすくなります」日ごろから浴室の掃除や乾燥を心がけよう。脱衣所から浴室へ入る段差が高い場合は、踏み台などを設置してもよい。「浴槽に入った瞬間、足を滑らすこともあります。足元が不安な方は、浴槽内に滑り止めシートの設置も検討を。また、低い風呂用の椅子から立ち上がる際のふらつきにも注意」【4】トイレ「トイレは狭いので、大きな転倒事故につながることは少ないですが、トイレマットに引っかかったり、便座から立ち上がる際のふらつきに注意して」【5】玄関モノが散乱しがちな玄関も危険が多く潜んでいる。「履いていない靴はしまうようにして玄関はスッキリと。また、置きっぱなしのゴルフバッグや届いた宅急便の箱に足を引っかけることもあるので、できるだけ早く片付けるように。エントランスまわりの砂利やブロックにも注意したいところです。そして、靴を履くときによろめいて転倒しやすいので、段差部分に座るなどして慌てず着脱を」これ以外にも注意したいのが、寝室での転倒だ。多いのが、夜間にトイレに立ったときだという。「真っ暗にしていると足元が見えにくい。常夜灯などを寝室や廊下に設置して」また、起き上がったときのふらつきも転倒の原因に。「まわりの壁につかまって、ゆっくり体を起こすように。不安な方はベッドガードなどを付けるのもひとつの方法です」庭も転倒事故が多い場所。「雨が降ったり、コケがついていたりすると、庭の砂利や石が滑りやすくなっています。不安定なサンダルで庭に出る方も多いので、靴選びにも注意して」こうした点を注意して、自宅でも安全に過ごそう!
2024年03月25日Kroiの新曲「Water Carrier」が、動画配信サービス「ディズニープラス」にて3月20日(水・祝) より世界独占配信される鳥山明原作アニメ『SAND LAND: THE SERIES』のオープニングテーマに決定した。また、『SAND LAND: THE SERIES』に合わせての同曲が配信リリースされることが決定。楽曲の一部が流れる本予告も公開された。Kroiは、8月より追加含む全国10都市12公演を回るツアー『Kroi Live Tour 2024』を開催する。■Kroi コメントこの度、鳥山明先生原作『SAND LAND: THE SERIES』のオープニングを我々Kroiのニューシングル「Water Carrier」が担当させていただくこととなりました!実はこのお話をいただいてレコーディングをしたのは遡ること2年近く前のことなので、皆様にやっとこの情報をお届けできることがとても嬉しいです!何が悪で何が正義か、ちぐはぐでありながらもそれこそが真実であるかのような世界で繰り広げられるベルゼブブ達の冒険譚に、よりドキドキとワクワクを感じていただけるような楽曲になったと思います!『SAND LAND: THE SERIES』と合わせて我々の楽曲「Water Carrier」も是非お楽しみください!『SAND LAND: THE SERIES』本予告<配信情報>New Single「Water Carrier」※スターオリジナルシリーズ『SAND LAND: THE SERIES』オープニングテーマ「Water Carrier」配信ジャケット3月20日(水) 配信リリース配信リンク:<ツアー情報>Kroi Live Tour 20248月23日(金) 神奈川・KT Zepp Yokohama開場18:00 / 開演19:008月29日(木) 愛知・Zepp Nagoya開場18:00 / 開演19:008月31日(土) 福岡・Zepp Fukuoka開場17:00 / 開演18:009月1日(日) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA開場16:30 / 開演17:309月6日(金) 宮城・仙台PIT開場18:00 / 開演19:009月8日(日) 北海道・Zepp Sapporo開場16:30 / 開演17:309月12日(木) 大阪・Zepp Osaka Bayside開場18:00 / 開演19:009月13日(金) 大阪・Zepp Osaka Bayside(追加公演)開場18:00 / 開演19:009月15日(日) 香川・festhalle開場17:00 / 開演17:309月21日(土) 新潟・新潟LOTS開場17:15 / 開演18:009月26日(木) 東京・Zepp Divercity(TOKYO)開場18:00 / 開演19:009月27日(金) 東京・Zepp Divercity(TOKYO)(追加公演)開場18:00 / 開演19:00チケット情報:()特設サイト:オフィシャルサイト:
2024年03月18日2024年3月8日に全世界へ衝撃を与えた、漫画家である鳥山明さんの訃報。鳥山さんは漫画『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』といった多くの名作を生み出し、日本のサブカルチャーの魅力を、作品を通して世界へ発信してきました。また、鳥山さんがキャラクターデザインを担当したゲーム『ドラゴンクエスト』も有名。日本のサブカルチャーは、鳥山さんの活躍抜きでは語れないといえるでしょう。鳥山明さん訃報を受け、『銀魂』空知英秋が追悼現在、日本で活躍している漫画家には、鳥山さんにあこがれてこの道を目指した人も少なくありません。鳥山さんの逝去を受け、漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』が看板漫画家のコメントを発表するほか、ネット上では多くのクリエイターが悲しむ声を上げました。同誌の人気漫画『銀魂』の作者である、空知英秋さんも、その1人。同月10日、テレビアニメ『銀魂』(テレビ東京系)のアカウントを通して、X(Twitter)でコメントを発表しました。ドラゴンボール、ドラゴンクエスト、クロノ・トリガー、僕が宿題を放りなげ、寝る間も惜しんで没頭した世界は、思えば全部鳥山先生のペンから生まれたものでした。そしてそのペンに憧れ、真似ようとするも全然うまくいかず、積もり積もった消しカスから生まれたネリケシ漫画家が僕です。鳥山先生、僕にたくさんの世界を、マンガの世界を教えてくれてありがとうございました。おかげで僕は鳥山先生、とよたろう先生以上に、ドラゴンボールで飯を食っているワケのわからない奴になりました。この胸にぽっかり空いた穴は仙豆を食べても塞がる気がしませんが、先生が世界中にバラまいた元気玉の一つを心に携えて、これからも遥か高みにある、まるで悟空のような先生の颯爽とした背中を追い続け、消しカスにまみれていこう思います。鳥山先生、本当にありがとうございました。ずっと大好きです。@gintamamovieーより引用(原文ママ)このたびの鳥山明先生ご逝去の報に接しまして、心より哀悼の意を表します。以下、空知先生のコメントを掲載させて頂きます。アニメスタッフ一同も同様、鳥山先生のご冥福をお祈りしております。 銀魂製作委員会 pic.twitter.com/kWvgWsHGcj — アニメ銀魂 (@gintamamovie) March 10, 2024 空知さんといえば、持ち前のユーモアセンスや自虐を交えたコメントが定番。今回も、そういった自身のスタンスを保ちつつ、漫画界の巨匠といえる鳥山さんへ、あふれんばかりの尊敬と感謝を込めたメッセージを送りました。デビューして以来、『週刊少年ジャンプ』の看板作家として、長年にわたって同誌を支えてきた鳥山さん。週刊連載というハードスケジュールの中、素晴らしい作品を世に送り出してきたその姿は、空知さんの目にも憧れの存在として映ったのでしょう。同じ漫画家としてだけでなく、人としての尊敬の念が伝わってくるメッセージに、多くの人から反響が上がっています。・『銀魂』でのパロディは、鳥山先生もコメントで大歓迎していましたね。お互いにいい関係だったんだろうなあ。・シリアスになりすぎず、ふざけすぎずなコメントで、さすがは空知先生。・愛情たっぷりの『空知節』に泣いた。心から慕っていたということが伝わる。鳥山さんの作品は、今後も多くのクリエイターに影響を与えていくのでしょう。亡くなっても、漫画を愛するその魂は、受け継がれていくはずです。[文・構成/grape編集部]
2024年03月10日漫画『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』などを手掛けた、日本を代表する漫画家である、鳥山明さんの逝去が報じられた、2024年3月8日。突然の別れに世界中から悲しむ声が上がり、同じ漫画家仲間からも、鳥山さんを偲ぶコメントが数多く寄せられました。ゆでたまご嶋田『ライバル』鳥山明さんを偲ぶ漫画『キン肉マン』の原作者で、漫画家ユニット『ゆでたまご』の嶋田隆司さんは、同日にX(Twitter)を更新。年齢、キャリアともに近い漫画家として、鳥山さんとはライバル的存在であったことを明かしつつも、悲しみの想いをつづりました。鳥山さんのサインを写した写真とともに、投稿された文章がこちらです。昼間に鳥山明さんの訃報を聞いた。彼は歳は5歳上だが、キャリアはゆでたまごの方が1年先輩だった。同じギャグ漫画家ということもあり初めて『Dr.スランプ』を見た時はアメコミ風の絵と洗練されたギャグでえらいやつが出てきたなと脅威を感じました。アニメも連載一年目からきまってこんちくしょうと妬みもあり。本当にバチバチに仲がわるかった、私たちも連載4年目で『キン肉マン』はアニメ化になり、ますます彼とはライバル意識し口も聞かなくなった。しかし初期は仲が良く 漫画家集まる宴会などではゲームしたり色紙のやり取りもしていた。でも鳥山さん68歳は若すぎるよ。悲しいよ 、、謹んでお悔やみ申し上げます。@yude_shimadaーより引用(原文ママ)昼間に鳥山明さんの訃報を聞いた。彼は歳は5歳上だが、キャリアはゆでたまごの方が1年先輩だった。同じギャグ漫画家ということもあり初めて『Dr.スランプ』を見た時はアメコミ風の絵と洗練されたギャグでえらいやつが出てきたなと脅威を感じました。アニメも連載一年目からきまってこんちくしょうと妬… pic.twitter.com/yUlNH3QTK9 — ゆでたまご嶋田 (@yude_shimada) March 8, 2024 「本当にバチバチに仲が悪かった」といいつつ、互いにリスペクトし合う関係でもあったことがうかがえる、嶋田さんのコメント。人気漫画家同士にしか分からない、数々の思い出があるのでしょう。投稿には、両者の作品に親しんだ人たちから、さまざまなコメントが寄せられていました。・ライバル同士のいい関係。こちらの目頭が熱くなってしまった。・『ドラゴンボール』も『キン肉マン』も、連載1話からリアルタイムで読んでいたことが、自分にとって生涯の自慢です。・そんな裏話があったんですね。互いにガチで勝負していたからこそ、魂を揺さぶる作品が生まれたんだろうな。・鳥山先生とライバルで「仲が悪かった」と書ける人がこの世に何人いるのか。互いに認め合っていたからこそいえることなんでしょうね。・初期の頃の色紙を大事に持っているなんて、よきライバルだったのだろう。リスペクトを感じる。両者の作品が、世界中で愛される名作となったのは、よきライバルがいたからこそなのかもしれません。互いに高め合う中で生み出された作品は、これからも人々の心を揺さぶり続けていくことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2024年03月09日2024年3月8日に報じられた、日本を代表する漫画家である、鳥山明さんの逝去。漫画『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』といった数多くの名作を生み出し、人気ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズではキャラクターデザインを務めるなど、鳥山さんは長年にわたって活躍をしてきました。急性硬膜下血腫により、68歳という若さでこの世を旅立った、鳥山さん。あまりにも突然の別れに、ファンだけでなく関係者からも嘆く声が上がっています。鳥山明さん急逝に、声優・野沢雅子が想い明かす同日夜、声優の野沢雅子さんが所属事務所を通してコメントを発表しました。アニメ『ドラゴンボール』シリーズにて、主人公の孫悟空や、孫悟飯、孫悟天といった重要なキャラクターの声を担ってきた、野沢さん。同作の生みの親である鳥山さんの急逝を受け、あまりのショックにコメントを出すことができない状態だったといいます。野沢さんは、まだ困惑や深い悲しみが続く中、気持ちを整理し今の心境を明かしました。「信じたくない。考えたくないという気持ちで頭の中が空っぽです」と悲しみに暮れつつ、「それでも、お会いするたびに鳥山先生がおっしゃってくださった『悟空をお願いしますね』というお言葉を思い出すと、『私の命が尽きるまで悟空のそばにいよう』と気持ちを保つことができます」と恩人から託された〝宝物〟を胸に奮起。「先生、空から私たちを見守っていてください。どうか安らかな旅立ちでありますように」と故人の冥福を切に祈った。サンケイスポーツーより引用形は違えど、鳥山さんと野沢さんは、ともに作品へ命を吹き込み、『ドラゴンボール』シリーズを作ってきた仲間といえるでしょう。何より、愛する作品の生みの親である鳥山さんが、野沢さんにとってかけがえのない存在であったことは、容易に想像できます。大切なキャラクターを託す、「悟空をお願いしますね」という言葉を噛み締め、再び前を向いた野沢さん。鳥山さんの想いを受け継ぎ、今後も『ドラゴンボール』という作品の魅力を、多くの人に伝えてくれるに違いありません。[文・構成/grape編集部]
2024年03月09日『ドラゴンボール』『Dr.スランプ』など数々の人気作品を生み出した漫画家の鳥山明さんが、3月1日に急性硬膜下血腫によって亡くなった。68歳だった。鳥山さんが所属する「バード・スタジオ」は、1週間経った8日に逝去を公表。追悼コメントとともに、すでに近親者のみで葬儀を執り行ったことを報告した。同じく追悼コメントが発表された集英社「少年ジャンプ」の公式サイトでは、鳥山さんと親交のあったゲームデザイナー・堀井雄二氏(70)、漫画家の桂正和氏(61)、尾田栄一郎氏(49)、岸本斉史氏(49)によるコメントも掲載された。鳥山さんの突然の訃報に、漫画界の枠を超えて日本だけでなく世界中で偲ぶ声が溢れている。だがいっぽうで、’86年の放送開始からアニメ『ドラゴンボール』シリーズで主人公・孫悟空のCVを務めてきた声優・野沢雅子(87)はコメントできる状態にはないという。複数のメディアによれば、野沢が所属する「青二プロダクション」は取材に対して「あまりに突然の訃報で、本人も強いショックを受けており、今すぐにはコメント出来る状況にございません」と回答している。悲しみに暮れている野沢に、SNSでは《野沢さんがシンプルに心配力を無くさないでほしい》《野沢さんからしたら家族が亡くなったような感じでしょう…言葉が出てこないですよね》と慮る声が続々。そうした声は“仲間”からも。アニメ『ドラゴンボール』シリーズで主要キャラクター・ピッコロのCVを担当してきた古川登志夫(77)は、同日に更新したXで野沢をこう思い遣っていた。《マネージャーさんからもたらされた鳥山明先生の訃報……「マコさんに次いで今登志夫さんにお報せするのですが……」真っ先に頭に浮かんだのは「マコさんはどんなお気持ちだったろうか?!」ということだった》■オーディションで鳥山さんが絶賛「悟空の声はこの人しかいない!」野沢といえば悟空だけでなく、息子の悟飯、悟天と親子3人のキャラクターも演じ分けてきたレジェンド。’19年6月の本誌インタビューでは、その喜びをこう語っていた。「親子3代をやれるなんて、こんな最高なことはないです。同じキャラクターでも子どもから大人になると声優を替えるものなんですよ。台本に自分の名前を見つけたときは本当にうれしかったですね」『ドラゴンボール』において欠かせない存在だが、昨年9月に出演したラジオ番組『TOKYO M.A.A.D SPIN』(J-WAVE)内では、“孫悟空秘話”を語っていた。「野沢さんは『ドラゴンボール』のオーディションで、鳥山先生から直々に悟空役に指名されたそうです。当時オーディションでは声優陣の名前が伏せられていたそうですが、野沢さんの声を聞いた先生は『悟空の声はこの人しかいない!』と絶賛したと聞きました。悟空の一人称である『オラ』を提案したのも野沢さんで、セリフの言い回しは自分なりに考えて表現したといいます。アニメ開始直後には先生に『描いていると、野沢さんの声でセリフが頭の中に出てくる』と言ってもらったそうで、野沢さんは喜んでいました。そんな野沢さんは、収録での気合いの入りようも本格的。必殺技の『かめはめ波』を出す時は、“スカートだと股が開けないからパンツを履く”と裏側を披露していました。約40年近くも演じ続けてきただけに、野沢さんの心中を察するには余りあります……」(アニメ制作関係者)先の本誌インタビューでは、「いまや、悟空は私の分身ですね。宝物です!」と語っていた野沢。鳥山さんと築いた絆は、永遠だ――。
2024年03月08日3月1日に、急性硬膜下血腫のため亡くなった漫画家の鳥山明さん(享年68)。世界中から愛される巨匠の訃報が一斉にメディアで報じられたのは、8日正午すぎだった。SNSでは悲しみの声が溢れているが、鳥山さんの訃報が1週間もの間流出しなかったことに驚いた人も少なくないようだ。鳥山さんが所属する「バード・スタジオ」は、同日付で鳥山さんの逝去を公表。発表した文書のなかで《まだまだ成し遂げたいこともあったはずで、残念でなりません》と偲びつつ、すでに葬儀を近親者のみで済ませたことも報告した。また同じタイミングで、東映アニメーションと集英社「少年ジャンプ」の公式サイトでも追悼コメントが発表された。驚くべきは「少年ジャンプ」公式サイトでは、鳥山さんと親交のあったクリエイターや著名漫画家たちの追悼コメントも発表されたのだった。その人物とは、鳥山さんがキャラクターデザインを手掛けたゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのゲームデザイナー・堀井雄二氏(70)、『電影少女』『I“s』などの作品で知られる桂正和氏(61)。続いて『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎氏(49)、『NARUTO -ナルト-』の作者・岸本斉史氏(49)の計4名。鳥山さんが急逝したことへの喪失感や敬意、偲ぶ気持ちをそれぞれ長文で綴っていた。訃報の発表に際して関係者たちが事前に入念な調整を進めていたことが伺えるが、鳥山さんは最近も精力的な活動ぶりが注目を集めていたばかりだ。3月4日に都内で、鳥山さんの作品「SAND LAND」を多角的に展開するプロジェクト「SAND LAND Project発表会」が開催。昨年8月に劇場アニメとして上映された同作だが、発表会では鳥山さんが“その先の展開”を考案したことが明かされた。さらに鳥山さん本人によるコメントも紹介され、《僕は新キャラである天使のムニエルの設定とデザイン、アンなどのデザイン、エピソードなどを提案させていただき、続編が完成しました》と制作に携わったことが綴られていた。まさかこの時すでに鳥山さんが亡くなっていたとは、誰しも想像できなかったであろう――。訃報が一切漏れることなく“秘密保持”が徹底されたことに、SNSでは脱帽する声が広がっている。《鳥山明先生の訃報、1週間前って聞いて驚いたわ。情報が漏れなかったのがすごい》《鳥山先生。。。1週間前に亡くなられてたのか…編集部・著名人のコメント全て取った上で週刊少年ジャンプ公式サイトで発表という… 凄い秘密保持力》《葬儀など済ませた上に親しい人のコメントまでとって1週間伏せていられたつまり誰も口を割らなかったどれだけ鳥山明がリスペクトされていたかが分かるね…》《鳥山先生、1週間も前に亡くなられてたのか。全く情報が漏れなかったのは集英社の情報管理力のすごさもだけど、ご本人の人徳もあるんだろうなぁ》
2024年03月08日2024年3月8日、漫画『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』で知られる、漫画家の鳥山明さんが、急性硬膜下血腫により68歳で亡くなったことが分かりました。突然の旅立ちに、多くの人が衝撃を受け、数々の漫画家やクリエイターが、追悼のコメントを寄せています。漫画家・鳥山明さんが逝去『ドラゴンボール』生みの親に「ありがとう」の声ヒカキンが、漫画家・鳥山明さんを追悼世界中から驚きや悲しみの声が広がる中、YouTuberのHIKAKIN(以下、ヒカキン)さんはX(Twitter)を更新。小さい頃から『ドラゴンボール』のファンだったというヒカキンさんは、「たくさんのワクワクと感動をありがとうございました」と感謝の気持ちをつづり、鳥山さんへの追悼の言葉を寄せています。鳥山明先生。沢山のワクワクと感動をありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。小さい頃から今現在もドラゴンボールが大好きで、僕の人生に大きな影響を与えました。DRAGON BALLは、永久に不滅です。— HIKAKINヒカキン 【YouTuber】 (@hikakin) March 8, 2024 ヒカキンさんは、『ドラゴンボール』が自身の人生に、大きな影響を与えた作品であることを明かしました。同作は、山奥で暮らしていた主人公の孫悟空が、7つ集めると願いが叶うといわれるドラゴンボールをめぐり、仲間と協力しながら強敵と戦い、成長していく物語。今や、チャンネル登録者数が1200万人を超え、日本のYouTuberの第一人者として、大きな影響力をもつヒカキンさんも、これまでさまざまな苦労を経験してきたのでしょう。子供が楽しめるような動画内容や、視聴者をワクワクさせる企画の原点には、『ドラゴンボール』の影響があったのかもしれませんね。ヒカキンさんの投稿に、ファンからは「これは泣くって…。『ドラゴンボール』は青春でしたね」「マジで永久不滅なんだよなぁ…いいこというじゃない!」「ヒカキンさんも、今のこの気持ちとパワーでこれからも楽しい動画をつくってね」などの声が寄せられました。ヒカキンさんと同じように、鳥山さんの作品に影響を受けた人は数多くいるはず。鳥山さんの作品は、これからも『永久不滅』の物語として、後世に受け継がれていくでしょう。[文・構成/grape編集部]
2024年03月08日3月8日、漫画家の鳥山明さんが、3月1日に急性硬膜下血腫のため亡くなっていたことが分かった。68歳だった。国民的人気漫画家だった鳥山さん。特に『ドラゴンボール』は、単行本の売り上げが全世界で累計2億6000万部を超えるなど世界中で愛される作品だった。魅了された読者のなかから多くの漫画家が誕生するなど、漫画界にも大きな影響を与えてきた。訃報を受け、「週刊少年ジャンプ」の公式サイトでは、ジャンプ漫画家たちが追悼コメントを発表。そこに掲載された『NARUTO』の作者である岸本斉史氏のコメントに感動するファンが相次いでいる。岸本氏は《突然のことで何をどう書けばよいのか正直わかりません。ただ今は鳥山先生にいつか聞いて欲しかった事、想いをお伝えさせて頂きたく思います》と切り出し、幼年期の自身と鳥山さんの作品との思い出を振り返った。《小学生低学年でDr.スランプ、高学年でドラゴンボールとずっと先生の漫画と一緒に育ち、生活の一部で先生の漫画が隣にあるのが当たり前でした。嫌なことがあっても毎週のドラゴンボールがそれを忘れさせてくれました。何もなかった田舎少年の僕にとってそれは救いでした。本当にドラゴンボールが楽しすぎたからです!》漫画家の道へと進んだきっかけも『ドラゴンボール』だったという。《大学生のときです。突然、僕の生活に長年当たり前にあったそのドラゴンボールが終わりました。とてつもない喪失感に襲われ何を楽しみにすればいいのか分からなくなりました。でもそれは同時にドラゴンボールを生み出してくれた先生の偉大さを心から知る事ができるきっかけでもありました。僕も先生のような作品を作りたい!先生のようになりたい!と、先生の後を追いかけるように漫画家を目指すうちにその喪失感もなくなっていきました》突然の訃報に対しては、《今、先生のご訃報を受けたばかりです。ドラゴンボールが終わった時以上のとてつもない喪失感に襲われ…まだこの心の穴にどう対処すればよいのか分かりません。今は大好きなドラゴンボールも読めません。先生へお伝えしたいこの文章もまともに書けている気がしません》と深い悲しみを露わにした岸本氏。そして、こんな願いをつづっていた。《世界中の皆んながまだまだ先生の作品を楽しみにしていました。もし本当にドラゴンボールの願いが1つ叶うなら…すみません…それはわがままな事なのかもしれませんが、悲しいです先生》ドラゴンボールファンの想いを代弁するかのような岸本氏の深厚なコメントは、多くのファンの心を揺さぶったようだ。SNS上には、感動と悲しみの声があふれている。《コメント涙目で読んでたんだけど、岸本先生の「ドラゴンボールの願いが1つ叶うなら」で涙腺が崩壊した。初めて買ってもらった漫画がDr.スランプだった。ただただ悲しい。先生のご冥福をお祈りします》《岸本先生もし本当にドラゴンボールの願いが1つ叶うなら…の文章だめだ泣いてる。ドラゴンボール探しに行こうぜ》《岸本先生の「もし本当にドラゴンボールの願いが1つ叶うなら…」っていう言葉が全ドラゴンボールファン・全鳥山明ファンの思いを表してる、、、》《岸本先生のコメント読んで泣いちゃった。「ドラゴンボールの願いが叶うなら…」そう思わずにいられないよね》
2024年03月08日2024年3月8日、漫画家の鳥山明さんが亡くなったことが分かりました。68歳でした。漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』の代表作の1つといえる、『ドラゴンボール』をはじめ、多くの名作をこの世に生み出してきた、鳥山さん。人気ゲーム『ドラゴンクエスト』ではキャラクターデザインを担当しており、世界中でイラストレーターとしても高い評価を得ていました。日本の漫画界の巨匠・鳥山明さんが逝去この日、『週刊少年ジャンプ』はウェブサイトを更新し、鳥山さんの逝去を報告。鳥山さんのプロダクションである株式会社バード・スタジオによると、鳥山さんは同月1日、急性硬膜下血腫によって息を引き取ったといいます。同社は、全世界のファンに向けて、このように想いを明かしました。熱心に取り掛かっていた仕事もたくさんあり、まだまだ成し遂げたいこともあったはずで、残念でなりません。ただ、故人は漫画家としていくつもの作品を世に残して参りました。多くの世界中の方々に支持していただき、45年以上にわたる創作活動を続けることができました。これからも鳥山明唯一無二の作品世界が、末長く皆様に愛され続けることを切に願います。生前のご厚誼に深く感謝し、ここに謹んでお知らせいたします。集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイトーより引用日本の漫画界をけん引するクリエイターとして、長年活躍してきた鳥山さん。あまりにも突然の旅立ちは、多くの人に衝撃を与えたようです。同じクリエイターとして鳥山さんに影響を受けたり、ともに作品を生み出してきたりした人たちが、追悼のコメントを寄せています。『ドラゴンクエスト』ゲームデザイナー・堀井雄二コメント本当に、あまりに突然な鳥山さんの訃報で、まだ信じられない気持ちでいっぱいです。鳥山さんとは、ボクが少年ジャンプのライターをやっていた頃からの知り合いで、担当編集者の鳥嶋さんの勧めもあり、ドラゴンクエストを立ち上げる時に、彼にゲームの絵を頼むことにしました。あれから37年余り、登場人物のキャラクターデザイン、モンスターデザイン、とても数えきれないほどの魅力的なキャラを描いていただきました。ドラゴンクエストの歴史は、鳥山さんのキャラデザインとともにありました。鳥山さん、故すぎやま先生は、ドラゴンクエストを長きに渡って作ってきた仲間でした。亡くなってしまうなんて‥‥。これ以上、なんて言えばいいのか言葉になりません。本当に、本当に、残念です。集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイトーより引用漫画家・桂正和コメント力がぬけて気力が出ません。こんな事のコメントはしたくないですね。けど、何か書きます。書き出したら、言いたい事だらけなんで、めちゃくちゃ長文になりそうだけど、できるだけ、コンパクトにまとめます。ただ、気持ちがまとまらないので、乱文お許しを。思い返しても。大袈裟でなく、お宅に遊びに行った時、うちに泊まりに来てもらった時、遊びに出掛けた時、全部が楽しい思い出しかなくて、電話をする度に、疲れるほど笑ってました。面白い人だった。すけべで、可愛くて、毒舌で、謙虚で。本職の漫画では、合作とかもしたけど、あれも楽しかった。でも、99%漫画の話をした事はない付き合いでしたね。漫画家として、見てる風景、作家のレベルも違いすぎて、偉大さを意識した事が無かったです。わかってはいます。けど、本人と接する時は微塵もそれは感じなかった。人柄ですね。だから偉大な漫画家というより、今も友人としてとしか考えられない。去年の夏、私が手術をする前に、どこかで聞いたらしく、メールくれました。本当ーーに、メールなんて珍しく、心配そうに私の体を気遣う内容。40年来の付き合いだけど、鳥山さんから、あんなに優しくされたのは初めてだったかも。雪が降るかと思いましたよ。いつもは冗談か、くだらない話しかしないっすからね。なんすか、人の心配してる場合じゃないじゃん、全く。そのちょっと前だったか電話した時、その頃、色々具合が悪かった私は「多分先に逝くんで、お別れ会とかやってくださいね、鳥山さん仕切りで!あと、箔がつくからスピーチして下さいね!」と約束したのに、守ってもらえなかった。メールをくれた後、なんで電話しなかったのか、それが、すごく後悔です。もうくだらない話で長電話ができない事が、残念でしかたないです。話したい事が沢山溜まってます。いろんな話があるんです。興味のない話は、いつものように、うわの空に聞いてもらってもいいんで、もう一度話したいです。私の、また連絡くださいとのメールの返事に、軽くOKって書いてあったのが最後なんて、ダメです。心底辛いです。集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイトーより引用漫画家・尾田栄一郎コメントあまりに早すぎます。空いた穴があまりに大きすぎます。もう二度と会えないと思うと、悲しみが押し寄せてきます。子供の頃から憧れすぎていて初めて名前呼んで貰えた日の事も覚えています。我々に「友達」という言葉を使ってくれた日の帰り道岸本さんと盛大にはしゃいだ日も懐かしいです。最後に交わした会話も覚えています。漫画なんて読むとバカになるという時代からバトンを受け取り大人も子供も漫画を読んで楽しむという時代を作った一人でもあり漫画ってこんな事もできるんだ世界に行けるんだ、という夢を見せてくれました。突き進むヒーローを見ているようでした。漫画家に限らずあらゆる業界で活躍するクリエイター達の少年時代にドラゴンボール連載当時の興奮と感動が根付いているでしょう。その存在は、大樹です。同じ舞台に立った僕ら世代の漫画家にとって鳥山作品は近づく程により大きな存在と気づかされました。怖いくらいに。でもまた、飄々としたご本人に会えるとただ嬉しい。僕らは血液レベルで鳥山先生が大好きだから。鳥山先生の残された創造性豊かな世界に敬意と感謝を込めて、心よりご冥福をお祈りいたします。天国が先生の想い描いた通りの愉快な世界でありますように。集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイトーより引用漫画家・岸本斉史コメント突然のことで何をどう書けばよいのか正直わかりません。ただ今は鳥山先生にいつか聞いて欲しかった事、想いをお伝えさせて頂きたく思います。小学生低学年でDr.スランプ、高学年でドラゴンボールとずっと先生の漫画と一緒に育ち、生活の一部で先生の漫画が隣にあるのが当たり前でした。嫌なことがあっても毎週のドラゴンボールがそれを忘れさせてくれました。何もなかった田舎少年の僕にとってそれは救いでした。本当にドラゴンボールが楽しすぎたからです!大学生のときです。突然、僕の生活に長年当たり前にあったそのドラゴンボールが終わりました。とてつもない喪失感に襲われ何を楽しみにすればいいのか分からなくなりました。でもそれは同時にドラゴンボールを生み出してくれた先生の偉大さを心から知る事ができるきっかけでもありました。僕も先生のような作品を作りたい!先生のようになりたい!と、先生の後を追いかけるように漫画家を目指すうちにその喪失感もなくなっていきました。漫画作りが楽しかったからです。先生を追いかける事で新しい楽しみを見つける事が出来ました。先生はいつも僕の指針でした。憧れでした。先生にはご迷惑かもしれませんが勝手に感謝しています。僕にとってはまさに救いの神であり、漫画の神様でした。初めてお会いした時、緊張し過ぎて一言も喋れませんでした。ですが手塚賞の審査会で何度もお会いするうち話せるようになりました。ドラゴンボールチルドレンとして尾田さんと2人して子供に戻りまるで競争するかのようにいかにドラゴンボールが面白かったのかをはしゃいで話した時、まんざらでもない様子で少し恥ずかしそうな笑顔をされていたのが忘れられません。今、先生のご訃報を受けたばかりです。ドラゴンボールが終わった時以上のとてつもない喪失感に襲われ...まだこの心の穴にどう対処すればよいのか分かりません。今は大好きなドラゴンボールも読めません。先生へお伝えしたいこの文章もまともに書けている気がしません。世界中の皆んながまだまだ先生の作品を楽しみにしていました。もし本当にドラゴンボールの願いが1つ叶うなら...すみません...それはわがままな事なのかもしれませんが、悲しいです先生。鳥山明先生、45年もの間たくさんの楽しい作品をありがとうございました。そして本当にお疲れ様でした。残された家族のみなさまにおかれましては今はまだ深くご傷心のことと思われます。ご自愛くださいませ。鳥山明先生の安らかな眠りをお祈り申し上げます。集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイトーより引用追悼のコメントから伝わってくるのは、鳥山さんへの尊敬の念や親愛。同じクリエイターとして、そして1人の人間として、鳥山さんには人を引き付ける魅力があったのでしょう。令和の時代になってもなお、『ドラゴンボール』をはじめ、鳥山さんの作品は全世界で愛されています。今後も長きにわたって、人々に笑顔を届け続けるに違いありません。鳥山さんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2024年03月08日ウーマンエキサイトをご覧の皆さん、こんにちは。tomekkoです。クズ文豪シリーズへのコメント、ご感想いつもありがとうございます!リクエストもよくいただくので毎月次は誰の人生と作品を紐解こうかとワクワクしながら書かせていただいております。さて、このシリーズを始めた当初から書きたいけど書きづらいな〜どうしようかな〜と思っていた文豪さんがおりまして…。ご存知三島由紀夫!!美しい日本語の表現、耽美で雅で悲劇的。そしてどこか妖しい薫りが立ち込めるような作品性。谷崎潤一郎とどっちが好きかと聞かれたら…悩みに悩んで決められないくらい好きなんです。とはいえ人生をじっくり知ろうとしたことはなく、どうしても作品のテーマの強烈さと亡くなり方の壮絶さのため、ご本人もさぞかし家族を泣かせたクズ系譜であろうと(ひどい)勝手に思い込んでいました。そんな三島由紀夫をついに書いてみよう、と調べ始めてすぐに、作品から勝手に抱いていた私のイメージは大間違いだったことに気づきました。意外にも家族思いな一面が!官僚を3代務める家柄で本人も幼少期から学業優秀。三島自身も一年間ではありますが大蔵省(現財務省)の役人だったこともあるんです。ま、ここまでは文豪あるあるじゃないですか。なんなら家柄と神童だったという事実はクズ文豪を生成する必須素材のような気がしてきます…。でも三島は違うんです。生涯を通してめっちゃくちゃ純粋で硬派。それ故に晩年は政治的思想に傾いていってしまったのではないかと思われます…。他のクズ文豪と大きく違うな、と感じたのが子どもたちへの思いやり。割腹自決という凄惨な最期を選んだ三島ですが、自分が亡くなった後にも毎年子どもたちにクリスマスプレゼントが届くように百貨店に先んじて手配をし、子ども向け雑誌の定期購読料も先々の分まで先払いしておいたそう。家庭を顧みず酒や賭け事に溺れたり女にだらしなかったり…その挙げ句勝手に死んでしまう(なんなら女を巻き添えにする)ような文豪たちを見てきてのこのエピソード…ちょっと胸に来るものがありませんか?自衛隊駐屯地で檄文を撒きクーデターを煽動する演説の後に切腹して自決するという激しい行動の裏で、家庭の小さな幸せを大切にする心の持ち主でもあったんですね。現代の感覚でも「クズ」という枠に入らなそうな三島由紀夫をどんな切り口で紹介したら楽しめるかなぁ…と考えたのですが、今回は三島由紀夫の『審美眼』に注目してみたいと思います。三島由紀夫 独特の美意識とは?兎にも角にも、三島の特徴は独自の『美』をとことん追求していたこと。それは自分のペンネームへのこだわりにも見られます。16歳という若さで『花ざかりの森』で文壇デビューし、天才が現れたと絶賛された三島。当時は本名を使っていましたが、若すぎることを案じて周囲からペンネームの使用を勧められました。万葉仮名ふうに当て字の名前にすること、そして漢字の見た目から来る印象、並びの美しさ、柔らかさにまでこだわって“由紀夫“となった経緯には既にこの歳から言葉に、響きだけでなく字面の並びにも理想の美を求めて見ていたことがわかります。そんな三島は、実は昭和を代表する名女優や俳優を見出した究極の審美眼を持っていました。たぶん彼はあのまま生き続けていたら文豪としてだけでななく、プロデューサーとしての名声もほしいままにしていたんじゃないかな。中でも有名な方を紹介してみましょう。幼少期は祖母の影響で能や歌舞伎に触れ、その流れで古典文学をこよなく愛し、日本中世の御伽草子や能の筋書きをベースに、自身でも戯曲や創作歌舞伎を次々と発表し上演しました。この時の役者の中で、三島が出会った超弩級の新人が若き日の坂東玉三郎さんです。美輪明宏に「君は、大物になる」とつぶやいた元々梨園出身でもなく歌舞伎で主役を張る家柄ではない14代守田勘弥の養子として育てられた少年を、三島由紀夫は自作の歌舞伎『椿説弓張月』でヒロインの白縫姫に大抜擢。三島は若き日の玉三郎さんを「薄翅蜻蛉(うすばかげろう)のよう」と評し、これまた自作の『サド侯爵夫人』を「将来君がやる作品だから持っていなさい」と手渡したそう。現在の消えてしまいそうな儚い少年美を愛でつつ、将来凄みのある立女形に育つことも見越したその審美眼…恐れ入ります!!もうひとり、三島由紀夫と親交のあった有名な方は、美輪明宏さんです。銀座のゲイバーでアルバイトしていた16歳の頃から、三島だけでなく各界の著名人たちを虜にしていた美輪さん。『仮面の告白』が大ヒットし、周囲から先生先生とチヤホヤされていた三島に、当時アルバイトしていた美輪さんは指名されても媚びることがなかったそう。類稀な美貌だけでなく、遊郭育ちもあってか常連の文豪たちのジョークにも洒脱な切り返しをする頭の良さで既に売れっ子だった美輪さんですが、フランス語で歌ったシャンソン『ばら色の人生』を聴いた三島がいたく感動し「君は、大物になる」とじっと見つめてつぶやいた、そのたった一言が千万の言葉よりも嬉しかったと後に美輪さんは語っています。自決の前には、300本もの薔薇の花束を手に楽屋を訪れ、「もう君の楽屋には来ないからね」と言って、最前列でコンサートを聴いて去っていったそうです。その後…あの自決事件は起こるのです。他にも岸田今日子さんや若尾文子さんのような往年の名女優も多く見出した三島ですが、あまりに美しい話ばかりなので、一つクズ繋がりのエピソードを入れておこうかな…。太宰治に直接「嫌い」と言い切る!そう、クズ文豪代表である太宰治先生!当然っちゃ当然だけど、こういうタイプ苦手そうですよねー。既に売れっ子作家だった一回り以上歳上の太宰の退廃的な生活態度を批判していました。(そりゃそうだ)直接会いに行くことになり、酔って持論を展開する太宰に直接「嫌い」と言い切った三島も三島ですが、「こうして会いに来てるんだから、やっぱり好きなんじゃないか」と平然と返す太宰もいかにも太宰らしくていいですね(事実どうだったのかはわかりませんが…。)でも本当は、この嫌悪感は同族嫌悪に近いものだったのではないか、と言われています。太宰の弱さにイラッとするのは、三島自身も元々は虚弱体質で男らしいへのコンプレックスも強かったようです。(三島は後年 鍛え上げて筋肉自慢の肉体を手に入れました!)こうして見てくると三島由紀夫という人は、並外れた頭脳と鋭敏な感性を持つがゆえに異様に繊細で、言葉や表現に対しても人に対しても究極の美を追求し過ぎる…要するに極端で危険なタイプだったように思えます。(…だから天才なんですけどね) 作品もまた何を紹介しようか悩むほど名作揃いなんですが、悲劇的な愛や美を求めるお話が多いのでとっつきにくい方も多いかもしれません。でも、三島は劇作家としても素晴らしいので本をあまり読まない方でも接しやすい古典をベースにした戯曲も多いんです。もし初めて三島作品に触れるなら珍しくコミカルでハッピーな創作歌舞伎『鰯売恋曳網』が軽めでおすすめですよ〜。
2023年12月07日鳥山明原作の映画『SAND LAND』が8月18日(金) に公開される。このたび、imaseが歌う主題歌「ユートピア」のスペシャルPVが公開となった。『SAND LAND』は、魔物と人間が共存する、水を失った摩訶不思議な砂漠の世界を舞台に、悪魔の王子・ベルゼブブが、魔物のシーフ、人間の保安官・ラオと奇妙なトリオを組んで砂漠のどこかにある「幻の泉」を探す危険な旅に出るというストーリー。全1巻で完結する読み切りでありながら「冒険、アクション、ユーモアのバランスが完璧。鳥山明氏の魅力がすべて詰まっている」「鳥山先生の真骨頂である戦車とじいさんと冒険。ストーリーと絵のクオリティを存分に味わえる傑作」など、ファンの間で今なお熱く語り継がれている。公開された約3分間のスペシャルPVでは、これまでの予告編などでは公開されてこなかった映画本編映像が多数使用されている。imaseが書き下ろした主題歌の歌詞には、「見方で正義も悪も味方に変わるの」「誰もが 笑う日を 幻でも いつまでも 待っている」「愛してたいね myself 明日も 幻の在処 そこにあるさ」といった映画の世界観に通ずる言葉が盛り込まれており、多幸感あふれる映像に映画本編への期待が高まる内容となっている。また、JR新宿駅の国内最大規模の大型サイネージ「新宿ウォール456」では、『SAND LAND』プロジェクトの特別映像が8月20日(日) まで放映中。さらに、渋谷・MIYASHITA PARK RAYARDでは、8月20日(日) までの期間限定で本作の世界が楽しめる特別展示を実施中だ。映画『SAND LAND』主題歌「ユートピア」スペシャルPV<作品情報>映画『SAND LAND』8月18日(金) 公開公式サイト:バード・スタジオ/集英社 (C)SAND LAND製作委員会
2023年08月14日鳥山明原作の映画『SAND LAND』の入場者プレゼントが発表された。『SAND LAND』は、魔物と人間が共存する、水を失った摩訶不思議な砂漠の世界を舞台に、悪魔の王子・ベルゼブブが、魔物のシーフ、人間の保安官・ラオと奇妙なトリオを組んで砂漠のどこかにある「幻の泉」を探す危険な旅に出るというストーリー。全1巻で完結する読み切りでありながら「冒険、アクション、ユーモアのバランスが完璧。鳥山明氏の魅力がすべて詰まっている」「鳥山先生の真骨頂である戦車とじいさんと冒険。ストーリーと絵のクオリティを存分に味わえる傑作」など、今なお熱く語り継がれている。本作の入場者プレゼントは、鳥山が今回のために描き下ろした限定のアートボードと、ゲーム「スーパードラゴンボールヒーローズ」と本作がコラボしたベルゼブブ絵柄のバトルカードというプレミアムなセット。A5サイズの限定アートボードは、約23年ぶりに鳥山が『SAND LAND』のメインキャラクターを描き下ろしたというもので、当時の圧倒的画力と抜群の色使いそのままの“鳥山イラスト”となっている。『SAND LAND』入場者プレゼント:鳥山明描き下ろしアートボードまた「スーパードラゴンボールヒーローズ」とのコラボカードをゲーム筐体でスキャンすると、ゲーム内にベルゼブブが登場。迫力のバトル演出を堪能することができる。なお入場者プレゼントは全国合計60万部限定の配布となる。スーパードラゴンボールヒーローズバトルカード:ベルゼブブ<作品情報>映画『SAND LAND』8月18日(金) 公開公式サイト:バード・スタジオ/集英社 (C)SAND LAND製作委員会
2023年06月29日漫画家・鳥山明の漫画作品『SAND LAND(サンドランド)』がアニメーション化。2023年8月18日(金)より全国の劇場にて公開される。鳥山明の漫画『SAND LAND』が劇場アニメ化全世界で累計発行部数2.6億部という驚異的な人気を誇る『ドラゴンボール』をはじめ、漫画『Dr.スランプ』や人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのキャラクターデザインなど、数々の国民的な作品とキャラクターを世に送り出してきた鳥山明。摩訶不思議なトリオの冒険譚今回アニメーション化が実現した『SAND LAND』は、『ドラゴンボール』の連載終了後の2000年、「週刊少年ジャンプ」23号から36・37合併号までの間に短期集中連載された漫画。水のない砂漠の世界を舞台に、悪魔の王子・ベルゼブブ、魔物のシーフ、人間の保安官・ラオという摩訶不思議なトリオの冒険を描いた作品だ。コミックス1巻分限定とはいえ、週刊連載にも関わらず全てを1人で描き上げた鳥山。最後のつもりで当時の自分を出し切ったという言葉通り、キャラ・メカ・世界観・ストーリーなどあらゆる要素にこだわりが詰まった作品となっている。田村睦心など実力派声優陣が集結主人公・ベルゼブブ…田村睦心約2500 歳。ワルの限りを尽くすワル、自称“極悪の悪魔”でありながら、人を殺めるようなことはしないイタズラ好き。人間とは比較にならない身体能力を持ち、他人の心を読んだり、脳で会話したり、悪魔故の能力もある。純粋な心の持ち主で、どこか憎めないキャラクター。特徴的なハスキーボイスで、「デジモンゴーストゲーム」「ベイブレードバースト ダイナマイトバトル」など、これまで多くの少年役やキャラクターの幼少期を演じてきた田村睦心がベルゼブブ役を担当する。ラオ…山路和弘水不足にあえぐ人々を救うため、魔物に協力を求めて「幻の泉」を探す旅に出る初老の保安官。正義感が強い人間で、圧倒的な戦闘力をもつ。トンファーを駆使して戦う姿は、全く年齢を感じさせない。昔の経験からか、戦車の扱いにも長けている。演じるのは、『ONE PIECE』『進撃の巨人』といった人気アニメから、ジェイソン・ステイサムや、ヒュー・ジャックマンなどの吹き替えも担当するなど、深みのある低音ボイスで多くのファンを持つ山路和弘だ。シーフ…チョーベルゼブブが旅のお供に選んだ魔物。物知りで、好奇心旺盛なキャラクターで盗みが得意。サンドランドで起きた様々な知識を持っている。ベルゼブブより少し年上で、見た目も老爺そのものだが、意外にも好奇心は旺盛。当初はあまり乗り気ではなかった割に、旅の道中はしゃぐこともある。『ONE PIECE』のブルックや、『犬夜叉』の邪見をはじめとしたコミカルな役を務めてきたチョーが演じる。アレ将軍…鶴岡聡若く優秀な国王軍の将軍。ゼウ大将軍に次ぐ地位がある。また、突発的な非常事態にも臨機応変に対応するなど、高い指揮能力を誇る。30年前に亡くなった父親の後を継いで軍人になった。職務に忠実で真面目な一方、自身に非があれば素直に認める柔軟性を持つ。『セサミストリート』のビックバードといった世界的キャラクターから、『テニスの王子様』の樺地宗弘、『Fate/Zero』キャスターまで、演じる役柄の幅広さに定評がある鶴岡聡が務める。ゼウ大将軍…飛田展男国王に取り入り、何十年も前からサンドランドを支配してきた極悪非道な大将軍。人々の生命線である水を独占し、様々な策謀でベルゼブブたちに立ちはだかる最大の敵。かなりの老齢だが、己の身体を機械化して命を長らえている。どうやら過去にラオとの因縁があるらしい……。映画『SAND LAND』では、『機動戦士Zガンダム』のカミーユ役をはじめとした主役級の作品から、『名探偵コナン』の風見裕也役といった味のある脇役、『ちびまる子ちゃん』の丸尾くん、『おそ松さん』のダヨーンといった個性的なキャラクターまでを見事に演じ分ける飛田展男が最大の敵・ゼウ大将軍を重厚感たっぷりに演じる。サタン…大塚明夫主人公・ベルゼブブの父であり、魔物を束ねる大魔王。人間と旅に出る息子を、威厳たっぷりの声で愛情深く送り出す。『ブラック・ジャック』のブラック・ジャック役や、2021年に引き継いだ『ルパン三世』の次元大介役などを担当し、多くのファンを持つ大塚明夫が演じる。国王…茶風林サンドランドを治める王でありながら、砂漠に存在する水源を独占するなど暴利をむさぼる最低最悪な国王。ゼウ大将軍の言いなりになっている。国王の声優は、『ちびまる子ちゃん』の永沢君をはじめ、『名探偵コナン』の目暮警部、2014年から『サザエさん』の二代目・波平を演じている茶風林が務める。スイマーズのパパ…杉田智和ベルゼブブたちに懸けられた懸賞金を狙う悪党一家・スイマーズのパパ。かつては、国王軍と戦ったこともある実力者の一面を持ちつつ、スイマーズと名乗りながら、水不足のために泳いだことのない息子たちを泳がせることを悲願にする良い男。いつも海パンと水泳用ゴーグルを着用している。パイク…遊佐浩二シャーク…吉野裕行グッピー…こばたけまさふみスイマーズパパの3人の息子。アニメ制作はサンライズ×神風動画×ANIMAアニメーション制作は、サンライズを中心に、独自の技術により3DCGを2Dセル画のように仕上げるアニメーションスタジオ・神風動画と、ハイクオリティな3DCGアニメーションを得意とするANIMAが参加。監督は横嶋俊久監督は『アマナツ』『COCOLORS』といったオリジナル作品を手掛けてきた横嶋俊久、ディレクションアドバイザーは『魔人探偵脳噛ネウロ』『HUNTER×HUNTER』の監督として知られる神志那弘志、脚本は『はたらく細胞BLACK』や『うる星やつら(2022年版)』などを手掛けてきた森ハヤシが担当する。さらに音響監督は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズや、『ガールズ&パンツァー』などで知られるベテラン・岩浪美和、音楽は大河ドラマ「軍師官兵衛」、連続テレビ小説「半分、青い」などの国民的ドラマから、「ガリレオ」シリーズ、劇場版「名探偵コナン」のサウンドトラックを手掛けてきた菅野祐悟が務める。映画『SAND LAND』あらすじ魔物も人間も水不足にあえぐ砂漠の世界<サンドランド>。悪魔の王子・ベルゼブブが、魔物のシーフ、人間の保安官ラオと奇妙なトリオを組み砂漠のどこかにある「幻の泉」を探す旅に出る―。鳥山明コメントなお、鳥山自身も「読者のことももっと考えなきゃいけないのに、好みを優先してしまった気がします。プロ失格かもしれません。これを楽しいって言ってくれる人って、まさに僕にとっては、わかってる神ファン!って感じじゃないでしょうか。まさか映像化されるなんて思ってもみなかった上に、このクオリティですから、この時点で夢のようです」と、本作のアニメーション化に喜びのコメントを残している。【作品詳細】映画『SAND LAND(サンドランド)』公開日:2023年8月18日(金)アニメーション制作:サンライズ・神風動画・ANIMA配給:東宝監督:横嶋俊久ディレクションアドバイザー : 神志那弘志脚本:森ハヤシ音響監督:岩浪美和音楽:菅野祐悟キャスト:田村睦心、山路和弘、チョー、鶴岡聡、飛田展男、大塚明夫、茶風林、杉田智和、遊佐浩二、吉野裕行、こばたけまさふみ©バード・スタジオ/集英社 ©SAND LAND 製作委員会
2023年03月25日漫画家・鳥山明の伝説の名作「SAND LAND」が映画化、8月18日(金)に劇場公開されることが分かった。魔物も人間も水不足にあえぐ砂漠の世界<サンドランド>。悪魔の王子・ベルゼブブが、魔物のシーフ、人間の保安官ラオと奇妙なトリオを組み砂漠のどこかにある「幻の泉」を探す旅に出る――。「ドラゴンボール」「Dr.スランプ」といった名作を世に送り出し、ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのキャラクターデザインも手掛けた鳥山さん。そんな鳥山作品の中でも、“圧倒的完成度を誇る名作”と称されるのが「SAND LAND」。「ドラゴンボール」連載終了後の2000年、「週刊少年ジャンプ」23号から36・37合併号まで短期集中連載された作品で、魔物と人間が共存する、水を失った摩訶不思議な砂漠の世界を舞台に、悪魔の王子・ベルゼブブが、魔物のシーフ、人間の保安官・ラオと奇妙なトリオを組んで砂漠のどこかにある「幻の泉」を探す危険な旅に出るというストーリー。全1巻でありながら、「冒険、アクション、ユーモアのバランスが完璧。鳥山明氏の魅力がすべて詰まっている」「鳥山先生の真骨頂である戦車とじいさんと冒険。ストーリーと絵のクオリティを存分に味わえる傑作」などと、いまなお熱く語り継がれている伝説の名作だ。SAND LAND (ジャンプコミックスDIGITAL)画像:amazon.co.jpアニメーション制作を手掛けるのは、「機動戦士ガンダム」「ラブライブ!」シリーズの「サンライズ」を中心に、3DCGを独自の技術で2Dセル画のように仕上げる作風を生み出し、いま最も注目を集めるアニメーションスタジオ「神風動画」と、ハイクオリティな3DCGアニメーションを得意とする「ANIMA」が加わる。鳥山さんが週刊連載にも関わらず、冒頭から結末までアシスタントなしの一人で描き上げた唯一の作品であり、隅々まで自身の画力と気力をつぎ込んだという本作。自身でも「お気に入り」だと言い、「読者のことももっと考えなきゃいけないのに、好みを優先してしまった気がします。プロ失格かもしれません。これを楽しいって言ってくれる人って、まさに僕にとっては、わかってる神ファン!って感じじゃないでしょうか。まさか映像化されるなんて思ってもみなかった上に、このクオリティですから、この時点で夢のようです」とコメントを寄せている。また、本作の主人公、ワルだけどピュアな全身ピンクの悪魔の王子・ベルゼブブがニヒルな笑みを浮かべているものをはじめ、凛々しい眼で旅の行く先を見つめるラオ、コミカルな表情が愛らしいシーフという、3種類のキャラクタービジュアルも公開された。『SAND LAND(サンドランド)』は8月18日(金)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:SAND LAND 2023年8月18日より全国東宝系にて公開©バード・スタジオ/集英社 ©SAND LAND製作委員会
2023年03月22日日生劇場が来年2023年に開場60周年を迎えるのにあわせて6月22日、60周年記念主催公演の制作発表会見が開催され、記念ロゴも発表された。会見には三島由紀夫作『午後の曳航』演出の宮本亞門、オペラ『メデア』演出の栗山民也、音楽劇『精霊の守り人』演出の一色隆司らが出席した。オペラでは、ルイージ・ケルビーニ作曲の『メデア』(演出:栗山民也)の日本初演、日生劇場では実に53年ぶりのヴェルディ作品となる『マクベス』(指揮:沼尻竜典、演出:粟國淳)、そして三島由紀夫の同名小説のオペラ化作品で、ベルリンにて1990年に初演されたドイツ語版の日本初演となる『午後の曳航』(演出:宮本亞門)の3作品を上演する。『メデア』演出の栗山は、ロシアによるウクライナ侵攻で、市民が避難していたウクライナの劇場が爆撃された事件に触れつつ「劇場というのは、人々が集い、人間について、そして世界について考え、学び、夢を見る場所だと思います」と悲痛な表情で語る。栗山民也そして『メデア』という作品について「紀元前に書かれた物語ですが、現実にいましっかりと息をしている物語であり、普遍性を感じます」と評し、本作を読むと、必ずピカソの「ゲルニカ」が頭に浮かぶと明かす。「画の中に死んだ我が子を抱きしめて空を呆然と見つめる母のスケッチがありますが、その目は縦になっています。人間の怒りと悲しみ、その究極をピカソはそう描いたんだと思います。いまの日本は、すごくわかりやすいことを受け入れる時代になってしまったと思いますが、不条理や矛盾に満ちているのが人間の姿だと思います。表と裏、悲劇と喜劇、愛することと憎むこと、正気と狂気――それが『メデア』の中心だと思います。オペラのみなさんの才能を借りて心に残る作品にしたいと思っています」と意気込みを口にした。宮本亞門『午後の曳航』演出の宮本はこれまでも『金閣寺』や『ライ王のテラス』などの三島作品を手がけてきたが「僕は三島由紀夫さんが大好きです。一切表裏を出すことなく、露骨に醜いもの、美しいものを出していくという姿に、いつも勇気をもらっています。いつかやりたかった『午後の曳航』がやっとできることに興奮しています」と笑顔で語る。そして、作品について「とても痛いです。恐ろしいです。そして美しいです。人間の本質を露骨に出している作品ですので、現代人の悩みそのものと言えるかもしれません」と語った。この他、60周年記念作品として、ファミリーフェスティヴァル2023として、上橋菜穂子のベストセラーを原作に音楽劇『精霊の守り人』(演出:一色隆司)、人気画家、絵本作家ヒグチユウコ作品の初舞台化となる舞台版『せかいいちのねこ』(脚本・演出・振付:山田うん)、日生劇場主催のバレエ公演として初の子役オーディションを実施する谷桃子バレエ団『くるみ割り人形』~日生劇場版~(芸術監督:髙部尚子)が上演される。取材・文=黒豆直樹60周年記念公演ラインアップ■NISSAY OPERA 2023『メデア』2023年5月27日(土)・28日(日)指揮:園田隆一郎 / 演出:栗山民也 / 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団■NISSAY OPERA 2023『マクベス』2023年11月11日(土)・12日(日)指揮:沼尻竜典 / 演出:粟國淳 / 管弦楽:読売日本交響楽団■東京二期会オペラ劇場 NISSAY OPERA 2023提携『午後の曳航』2023年11月23日(木・祝) ~26日(日) 予定指揮:アレホ・ペレス / 演出:宮本亞門 / 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団<日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2023>■音楽劇『精霊の守り人』2023年7月29日(土) ~8月6日(日)原作:上橋菜穂子作『精霊の守り人』(偕成社)/ 脚本:井上テテ / 演出:一色隆司(NHKエンタープライズ)■舞台版『せかいいちのねこ』2023年8月19日(土)・20日(日)原作:ヒグチユウコ作『せかいいちのねこ』(白泉社)/ 脚本・演出・振付:山田うん / 出演:人形劇団ひとみ座、Co. 山田うん■谷桃子バレエ団『くるみ割り人形』~日生劇場版~2023年8月25日(金)~27日(日)演出・振付:谷桃子 / 芸術監督 改訂演出・振付:髙部尚子 / 出演:谷桃子バレエ団
2022年06月23日三島由紀夫作『薔薇と海賊』が2022年3月4日(金)東京芸術劇場シアターウエストにて開幕した。美しい言葉の応酬と台詞量に、気づけば夢のような世界へと引き込まれているあっという間の3時間だ(休憩2回含)。童話作家・楓阿里子(霧矢大夢)は、娘の千恵子(田村芽実)に自分の童話の登場人物であるニッケル姫の扮装をさせて暮らしていた。ある日、楓家に、自分をその童話の登場人物であるユーカリ少年だと思い込む青年・帝一(多和田任益)が、後見人の額間(大石継太)に連れられてやってくる。白いドレスのニッケル姫/千恵子に会い、帝一は大興奮し、「このお家に住みたいな」と言い出す。はじめはたしなめていた阿里子も、帝一とのめくるめく童話の世界についての会話がはずみ、ふたりは急速に心を通わせていく。霧矢は、純潔を重んじる阿里子の凛とした佇まいで存在感を放つ。対する多和田は、自分を勇気あるユーカリ少年だと信じる無邪気さをまっすぐに演じる。帝一の上下白のスーツは純真さの表れだろうか。三島由紀夫の美しいせりふが、ふたりの童話をめぐる会話の端々から零れ落ち、舞台を彩っていく。しかし楓家にはほかに、朝帰りばかりの夫(須賀貴匡)とその弟(鈴木裕樹)が暮らしており、帝一の登場によってふたりの阿里子への思いも揺らいでいく。この兄弟と、千恵子、額間、手伝いの勘次(飯田邦博)と定代(羽子田洋子)、楓家に出入りするセリ子(篠原初実)とチリ子(松平春香)などが、それぞれの人生観を吐露しながらドタバタと物語を動かしていく。その様子は滑稽で喜劇的だ。客席からは何度も笑い声が起こる。初演は1958年に文学座にて。三島由紀夫の書いた言葉は時代を感じさせるが、童話そのものみたいに彩り豊かだ。そのせりふを誠実に届けようとする俳優達により、言葉の宝石が舞台に散りばめられる。舞台は白い半透明のカーテンで囲まれ、阿里子の純潔の向こう側が見え隠れするようでもある。洗練された衣装、鮮やかで上品な照明、おとぎ話の世界から聞こえてきそうな音楽、目に焼き付く映像……ファンタジックな世界観と、各登場人物の生々しさを両立させる大河内直子の演出が、童話のような独特の世界に観客を誘う。三島自身が中心となり結成した劇団浪曼劇場が1970年に上演した際には、三島自身が客席で涙を流しながら観ていたそうだ。そして全公演が終了した2日後に命を絶った。死の直前にあえてこの喜劇を上演した三島。彼が望んだ「夢の世界」を阿里子と帝一が背負っているのかもしれないとも思える、胸に刺さる幕切れが印象的だった。上演は3月13日(日)まで。チケットぴあにて、各公演3日まで指定席前売券、各公演3時間前まで当日引換券を販売中。3/10(木)はライブ配信もあり、視聴チケット販売中。その後、大阪公演あり。【取材・文】河野桃子
2022年03月08日2021年10月7日、作曲家の、すぎやまこういちさんが亡くなったことが分かりました。90歳でした。『ザ・ピーナッツ』の『恋のフーガ』や『ヴィレッジ・シンガーズ』の『亜麻色の髪の乙女』といったポップスだけでなく、ゲーム『ドラゴンクエスト』の楽曲でも有名なすぎやまさん。同日、『ドラゴンクエスト』シリーズのウェブサイトは、長年にわたって同シリーズを支え続けたすぎやまさんに感謝の意を表しました。『ドラゴンクエスト』堀井雄二&鳥山明がコメント『ドラゴンクエスト』シリーズのウェブサイトでは、ゲームデザイナーである堀井雄二さんと、キャラクターデザインを務める漫画家の鳥山明さんのコメントを掲載。500曲を超える同シリーズの楽曲を生み出したすぎやまさんに、別れと感謝のメッセージを述べました。堀井雄二コメントすぎやま先生の、あまりに突然な訃報を聞き本当に残念でなりません。ドラゴンクエストを作って35年、その世界に、すぎやま先生は音楽という命をずっと吹き込んできてくださいました。先生には本当に素晴らしい楽曲をいっぱい書いていただきました。これからもドラクエは、先生の音楽とともにあります。ユーザーの皆さんの心の中に先生は生き続けるはずです。すぎやま先生長い間本当にありがとうございました。ドラクエ・パラダイス(ドラパラ)ドラゴンクエスト公式サイトーより引用鳥山明コメントすぎやま先生の訃報を聞き、驚いています。つい数年前にお会いした時の印象からもいい意味で、永遠の命を持つ魔法使いのように思っていました。ドラゴンクエストのイメージは、当時からゲームが大好きでいらした、すぎやま先生の素晴らしく印象的な数々の名曲によって決定付けられた。と言っても過言ではありません。長くご一緒に仕事をさせていただいて本当に光栄でした!心よりご冥福をお祈りいたします。ドラクエ・パラダイス(ドラパラ)ドラゴンクエスト公式サイトーより引用1986年に『ドラゴンクエスト』が発売されて以来、数々の作品を生み出してきた3人。よりよいゲームを生み出すため、きっと切磋琢磨したはず。だからこそ、『ドラゴンクエスト』シリーズは世界中の多くの人から愛され続けているのでしょう。絆を感じるコメントに、同シリーズのファンからは「泣いてしまった」「すぎやまさん、本当にありがとうございました」といった声が上がっています。すぎやまさんの楽曲は今後もゲームの中で残り続け、さらに多くの人を楽しませてくれると信じてやみません。[文・構成/grape編集部]
2021年10月07日趣のある山里の風景と歴史的な合掌づくりに感動食材の旨みを引き出し、料理からも日本の四季をアプローチ大切な節目での利用や夏の思い出づくりにも趣のある山里の風景と歴史的な合掌づくりに感動1968年に富山の五箇山から移築した本物の合掌づくりも必見八王子、静寂に包まれた山里にある【うかい鳥山】は、懐かしい日本の景観をゆっくり眺望できる和食店。約6000坪の広大な敷地には、歴史的な合掌づくりの建物をはじめとする大小さまざまな日本家屋が点在します。風情ある景観を目の前にして、炭火焼や四季折々のおいしい料理を堪能して。大小さまざまな座敷を用意。趣向が凝らされた部屋の窓からは、四季折々の風景を眺望できる美しい庭が見渡せる広々とした座敷は、会食や接待、家族のお祝い事などさまざまなシーンの利用に最適。凛とした風情ある座敷には、椅子とテーブルが配置され、和モダンな空間が広がります。椅子は長居しても疲れにくく、ゆったりくつろげます。食材の旨みを引き出し、料理からも日本の四季をアプローチ食材本来の魅力をシンプルに引き出す料理長の流儀にならい、旬の味覚を味わう【うかい鳥山】では、厳選された食材の旨みがストレートに引き出される料理の数々に出合えます。初夏の訪れを告げるアユ、冬の名物であるえびいもなど、季節の移ろいに合わせ、旨みが引き立つ調理法で極上の味を楽しめます。その中でも、オススメのメニューを3つご紹介いたします。『佐久鯉洗い』臭みがなく、淡泊な味わいの『佐久鯉の洗い』は、わさびでシンプルに食べるのがおいしい長野県佐久市の「佐久鯉」を使った『佐久鯉洗い』は、コースメニューで提供される定番メニュー。澄んだ水で育った佐久鯉は、甘味と旨みのバランスに優れ、絶品です。冷水で引き締まった身はコリコリとした歯触りで、淡泊な風味を噛みしめて。泥臭さが一切なく、ほんのりとした甘味で食べやすい人気のメニューです。『鶏炭火焼』創業当時から変わらず提供しているいろりを使った『鶏炭火焼』丹念に育てられた鶏を、目の前のいろりで炭火焼きした『鶏炭火焼』は、濃厚な旨みが凝縮されて格別。旨みを蓄え、飼育された鶏肉は、ジューシーで程よい歯応えがあり、噛むほどに濃厚な味わいが口の中に広がります。日本らしい風情のある景観を眺めながら、ゆっくりと堪能して。『牛鶏炭火焼』丹精込めて飼育された鶏と、うかい特選和牛の炭火焼を一度に楽しめるコース料理『いろり炭火焼 牛鶏コース』スライスした鶏と、国産の黒毛和牛を使ったコースも必食です。弾力に富んだ滋味深い味わいの鶏肉と、特選和牛を使った炭火焼を一度に味わえる贅沢なコースは、鶏と牛の炭火焼の味の違いをしっかり堪能したい人に。コースの最後は麦とろ御飯で締めて。飾らない素朴な味わいで、ファンの多い一品です。大切な節目での利用や夏の思い出づくりにも川のせせらぎや鳥の声が心地よく響き、風情ある景観。夏はホタル観賞も楽しみ夏は、全棟の灯を消して庭内を飛び舞うホタル鑑賞も楽しみの一つ。日本の懐かしい夏の風景を目の当たりに、幻想的なひとときを過ごせます。大切な仲間と一緒に訪ねれば、忘れられない夏の思い出となるでしょう。完全個室も完備。小さな子どもがいても周りを気にせず和気あいあいとくつろげます※10~11月限定「お子様膳」ファミリーでのお祝い事や結婚式の利用も多い【うかい鳥山】では、景観のよさに加え、幅広い世代が心地よく過ごせるバリアフリーを実現。お食い初めや七五三などの行事には、小さな子どもが喜ぶ料理を盛り込んだお膳の用意も。大切なシーンを心地よく過ごせるようおもてなしの心を忘れません。都内からわずか40分、四季の移ろいを感じる日本の風景と野趣あふれる料理でもてなす【うかい鳥山】は、家族のお祝いや、親しい仲間との思い出づくりにも最適。非日常的な気分に浸りながら、至福のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。料理人プロフィール:佐藤辰美さん【うかい鳥山】に入って16年、和食一筋に腕を磨き、6年前から料理長となり現在に至る。手を加えすぎず、素材の魅力をストレートに引き出すことを流儀に、食材同士の組み合わせやだしとのバランスを考えながら、季節感あふれる料理を提案している。うかい鳥山【エリア】八王子【ジャンル】和食【ランチ平均予算】6000円【ディナー平均予算】9000円【アクセス】高尾山口駅
2021年08月17日戦後の日本文学界を代表する三島由紀夫没後50年となる今年。9月、日生劇場において4日間限りで『MISHIMA2020』が上演された。彼の人生、作品、思想に刺激を受ける4名の演出家、加藤拓也、熊林弘高、長久允、野上絹代が、それぞれの目線で演出する三島作品をオムニバス形式で上演。2020年に旭日小綬章を受章した麻実れい、世界的ダンサーでありながら本作で圧倒的な芝居を見せつけた菅原小春をはじめとする、日本の第一線で活躍する才能あふれる俳優とクリエイティブスタッフが集結。原作の魅力を受け継ぎながらも、現代の視点で『真夏の死』『班女』『憂国』『橋づくし』の新たな4作品を生み出した。【動画配信】三島由紀夫没後50周年企画「MISHIMA2020」 追加アンコール配信 チケット情報さらに本公演ではライブ配信を実施。クリエイティブディレクターを鈴木健太(劇団ノーミーツ)が務め、劇場の臨場感ともまた違った映像ならではの熱気、スピード感で、三島の世界へと引き込んだ。ライブ配信の好評を得て、公演終了の3日後にはアンコール配信がスピード決定。徐々に『MISHIMA2020』の熱は広がり、そしてこのたび、三島由紀夫の命日となる11月25日より“追加アンコール配信”が2週間限定でスタートした。また、今回の追加アンコール配信は、作品をより深く堪能できるようにと、1作品ごとに視聴可能。 本編終了後、演出家のスペシャルインタビューやWEB上で上演脚本が視聴できる特典付きだ。お得な2本セット、4本セットの販売に加え、 公演プログラム付きのチケットも販売。さらに公演サイトでは、未公開舞台写真も公開。様々な角度から、新たな“三島”を楽しんでほしい。
2020年11月26日筑摩書房が、三島由紀夫没後50年特別企画として、1991年に刊行した『三島由紀夫レター教室』(ちくま文庫)を、小沢健二デザインによる特別帯をつけて販売することを発表した。小沢書下ろしエッセイを両面に掲載した特別帯は、11月11日(水)頃の書店着荷分から本に巻かれて全国順次発売となる。またそれに先がけ、メモリアル・イヤーにちなんだ2020部の限定版帯付き本を、10月31日(土)より全国86店舗の協力書店にて先行発売する。小沢は雑誌『オリーブ』92年9月号で、「私が文を学んだ本」として『三島由紀夫レター教室』を紹介している。当時これをきっかけにして「突然話題沸騰どうやら小沢健二さんのお気に入り本らしい」という帯が巻かれ、大きな話題を呼んだ。小沢健二書下ろしエッセイでは、『三島由紀夫レター教室』が「なんて贅沢な行為。なんと「反社会的」な行為。なんて地下活動的な、秘密裡な行為。編集されて、冷静に、平静に進んでいく世の中の下に、トンネルを掘るような。」と表現された。2020部限定版帯は、壁を破るかのような切り抜き、袖や裏面にまでびっしりと書きこまれたエッセイ、斜めにカットされた変形帯……。文庫版の帯としてはこれまでに見たこともない、異例の仕様となっている。『仮面の告白』『潮騒』『金閣寺』など硬派な純文学作品で知られる三島だが、本作は氏のもう一つの顔、極上エンタメ作家としての代表作のひとつ。1966年に週刊誌『女性自身』に連載されたこの異色小説は、メールやラインが主流となった現代において、さらに光を増すような魅力がつまっている。新たな帯は、この時代の空気の中で新たな価値を発掘し発信するものとなっている。■2020部限定版取り扱い書店(全国86店舗)北海道 紀伊國屋書店札幌本店北海道 MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店宮城 丸善仙台アエル店群馬 ブックマンズアカデミー前橋店埼玉 BookDepot書楽千葉 丸善津田沼店東京 紀伊國屋書店新宿本店東京 ジュンク堂書店池袋本店東京 丸善丸の内本店東京 三省堂書店池袋本店東京 三省堂書店神保町本店東京 東京堂書店神田神保町店東京 丸善お茶の水店東京 丸善日本橋店東京 ブックファースト新宿店東京 八重洲ブックセンター本店東京 紀伊國屋書店国分寺店東京 ジュンク堂書店吉祥寺店東京 MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店東京 紀伊國屋書店玉川高島屋店東京 ジュンク堂書店立川高島屋店東京 ブックファーストルミネ町田店東京 有隣堂アトレ目黒店東京 八重洲ブックセンタールミネ荻窪店東京 啓文堂書店吉祥寺店東京 紀伊國屋書店西武渋谷店東京 文教堂書店二子玉川店東京 くまざわ書店調布店東京 TSUTAYA三軒茶屋店東京 大盛堂書店駅前店東京 HMV&BOOKSSHIBUYA東京 タワーレコード新宿店東京 文喫六本木東京 ヴィレッジヴァンガード下北沢東京 HMV&BOOKSSPOT新宿東京 タワーレコード渋谷店東京 スーパーブックスあおい書店春日店神奈川 有隣堂横浜駅西口店神奈川 紀伊國屋書店横浜店神奈川 丸善ラゾーナ川崎店神奈川 八重洲ブックセンター京急上大岡店神奈川 紀伊國屋書店ららぽーと横浜店神奈川 有隣堂ルミネ横浜店神奈川 ACADEMIAくまざわ書店橋本店新潟 知遊堂亀貝店富山 明文堂書店富山新庄経堂店富山 喜久屋書店高岡店富山 BOOKSなかだファボーレ店石川 金沢ビーンズ明文堂石川 うつのみや金沢香林坊店愛知 三省堂書店名古屋本店愛知 ジュンク堂書店名古屋栄店愛知 MARUZEN名古屋本店愛知 TSUTAYAウイングタウン岡崎店愛知 TSUTAYA春日井店京都 MARUZEN京都本店京都 大垣書店イオンモールKYOTO店京都 ふたば書房御池ゼスト店京都 大垣書店烏丸三条店京都 大垣書店イオンモール京都桂川店京都 ふたば書房山科駅前店大阪 紀伊國屋書店梅田本店大阪 ジュンク堂書店大阪本店大阪 MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店大阪 ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店大阪 ジュンク堂書店難波店大阪 ブックファースト梅田2階店大阪 梅田蔦屋書店大阪 大垣書店高槻店大阪 田村書店千里中央店大阪 HMV&BOOKS心斎橋大阪 HMV&BOOKSSPOT伊丹空港兵庫 ジュンク堂書店三宮店兵庫 ジュンク堂書店姫路店岡山 喜久屋書店倉敷店岡山 啓文社岡山本店広島 ジュンク堂書店広島駅前店広島 啓文社西条店福岡 ジュンク堂書店福岡店福岡 丸善博多店福岡 喜久屋書店小倉店福岡 HMV&BOOKSHAKATA熊本 蔦屋書店熊本三年坂鹿児島 ブックスミスミオプシア店沖縄 ジュンク堂書店那覇店沖縄 HMV&BOOKSOKINAWA(※在庫状況、販売方法などは各書店にお問い合わせください)■小沢健二デザイン帯付き『三島由紀夫レター教室』(普及版)2020部限定版の見た目そのままに、表紙カバーの一部も印刷して再現した大型の帯(ダブルカバー仕様)となっている。2020年11月11日より全国順次発売(※地域により差があります)■書誌情報タイトル:『三島由紀夫レター教室』ちくま文庫著者:三島由紀夫体裁:文庫判/240ページ本体価格:620 円(税別)
2020年10月23日三島由紀夫が残した4作品を、4人の演出家が舞台化する企画公演『MISHIMA2020』が9月21日(月・祝)に開幕する。戦後の日本文学界に鮮烈な爪痕を残した作家、三島由紀夫。壮絶な最期に多くの人が言葉を失った日から、ちょうど50年の月日が流れる。半世紀を経てもなお、多くの読者を魅了してやまない彼の作品を、大いにフィーチャーした企画公演が行われる。タイトルは『MISHIMA2020』。ここに集結したのは、三島作品に影響や刺激を受けながら創作を重ねる新進気鋭の演出家4名だ。全員が、三島の死後に生まれた世代。現代の感受性で三島作品を読み解き、舞台の上でそれを視覚化させる。日程を前後半に分けて、2作品ずつ上演する今回の試み。前半日程では野上絹代が手掛ける『橋づくし』と、長久允が手掛ける『憂国』を上演。後半日程は加藤拓也が手掛ける『真夏の死』と、熊林弘高が手掛ける『班女』を上演する。野上絹代作・演出『橋づくし』出演左から伊原六花井桁弘恵野口かおる高橋努長久允作・演出『憂国』(『(死なない)憂国』) 出演左から東出昌大菅原小春出演陣も実に個性豊かだ。『橋づくし』では、『ウエスト・サイド・ストーリー』でヒロイン・マリア役に抜擢された伊原六花が悲願の舞台に上がる。『憂国』では東出昌大と、NHK大河ドラマ『いだてん』で圧巻の演技を見せたダンサー・菅原小春が共演。『真夏の死』では数多の映画やドラマできらめく存在感を見せる中村ゆりと、劇団「ハイバイ」での怪演が光る平原テツが相まみえ、そして『班女』では、ありとあらゆる劇世界を軽やかに渡ってきた麻実れいと、ジャンルを超えて確かな実力を発揮する橋本愛、NHK朝の連続テレビ小説『エール』でも誠実な演技を見せた中村蒼が顔を揃える。なお、9月21日(月・祝)と27日(日)、PIA LIVE STREAMでのオンライン配信も決定。クリエイティブディレクターの鈴木健太と、アートディレクター・グラフィックデザイナーの田中せりによる、こだわりの映像に期待が集まる。公演は9月27日(日)まで日生劇場にて。加藤拓也作・演出『真夏の死』(『summer remind 』)出演左から中村ゆり平原テツ熊林弘高作・『班女』近代能楽集より 出演左から麻実れい橋本愛中村蒼三島由紀夫没後50周年企画『MISHIMA2020』・『橋づくし』/『憂国』9月21日(月・祝)17:00・22日(火・祝)12:00、16:00・『真夏の死』/『班女』 近代能楽集より9月26 日(土)18:30・27日(日)12:00、16:00会場:日生劇場ライブ配信日程『橋づくし』/『憂国』:9月21日(月)20:00『真夏の死』/『班女』:9月27日(日)16:00PIA LIVE STREAMにて各公演2日後の23:59までアーカイブ配信あり(視聴券は各公演2日後の20:00まで販売)文:小川志津子
2020年09月20日三島由紀夫没後50周年企画『MISHIMA2020』が9月21日(月・祝)から上演される。4人のクリエイターによるオムニバス形式で上演される本企画で、長久允が作・演出する『憂国』(『(死なない)憂国』)に出演する東出昌大に話を聞いた。【チケット情報はこちら】4つの作品がつくられ、2作品ずつ上演される本企画の中で、東出が出演する『(死なない)憂国』は、三島由紀夫の『憂国』を元に、コロナ禍でライブハウス消滅の危機に瀕する夫婦を描く作品。「原作の『憂国』は二・二六事件にまつわる話で、中尉である信二が、仲間を討伐するくらいならと切腹し、妻・麗子も自決する物語、つまり“死”を終着点にしています。今回の僕らの『(死なない)憂国』は、信二と麗子にとって唯一の生き甲斐であるライブハウスを、信二が警察官として取り締まらなければいけなくなり、(原作のように切腹はせず)ライブハウスに向かいます。だけどやっぱりそれでいいのか悩み、生きるとはなんぞや、死ぬとはなんぞや、というところに進んでいくストーリーです」(東出)と、大胆なアレンジが加えられるようだ。東出といえば大の三島ファンだが、台本はどのように受け止めたのか。「すごい台本だと思いました。ぶっ飛んでるのにまとまっていて。『早く稽古場に入りたい!』って心の底から、震えるほどに思いました」。作・演出は、映画監督、映像作家の長久允。「長久さんは舞台初演出なのですが、“感情”や“生きている”ということを大事に演出される方だという印象です。今は、“気持ちのままにお芝居をする”ということが最上なのではないかという話を菅原(小春)さんと3人でしながら稽古しています」。ふたり芝居で、麗子を演じるのは世界的ダンサーの菅原小春だ。「菅原さんは、舞台で台詞のあるお芝居をするのは初めてらしいのですが、こんなに“自分の言葉”として台詞を喋れる女優さんがいるのかと、目を見張るような思いでいます」と絶賛。「毎日稽古が楽しくて」と笑顔を見せる。東出が「稽古初日から3人で、作品について深く掘り下げる議論を重ねてきました。そこで出てきたものを反映したお芝居もあります。だからリアルで生々しい芝居になると思います。」と語る『(死なない)憂国』と、野上絹代 作・演出の『橋づくし』は9月21・22日に、加藤拓也 作・演出の『真夏の死』(『summer remind』)と、熊林弘高 演出「『班女』近代能楽集より」は9月26・27日に、東京・日生劇場にて上演。9月21・27日に配信もある(アーカイブ配信あり)。チケット発売中。取材・文:中川實穗
2020年09月17日「ぴあ」調査による2020年3月20日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、日本を代表する作家のひとり、三島由紀夫と東大全共闘の討論会の模様を記録したドキュメンタリー映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』が第1位になった。ランキングは以下の通り。1位『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』89.1点2位『恐竜が教えてくれたこと』89.0点3位『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒BIRDS OF PREY』88.8点4位『一度死んでみた』88.6点5位『もみの家』87.5点6位『弥生、三月-君を愛した30年-』85.1点7位『21世紀の資本』81.7点8位『人間の時間』70.7点1969年5月、作家の三島由紀夫は東京大学駒場キャンパスの教室で、1000人を超える学生たちと向かい合っていた。旧体制の打倒のためには手段を選ばないと声をあげる東大全共闘のメンバーの招きでキャンパスを訪れた三島は、警察が警備を申し出るも断り、単身、彼らと向かい合う。そこで三島は何を語ったのか? 映画はテレビ局が保管していた“世界にただ一つ”の映像で構成されている。劇場は40代以上の年配の観客の姿が多かったが、親子連れや、10~20代の観客の姿も目立った。上映後の出口調査では「三島さんも学生たちも“覚悟”を見てとることができました。現代の人にはないものだと思います」「いまの時代に公開したことに意義があると思う。議論する大切さ、自分と違う考えの人と面と向かった話し合うことの大切さについて考えたい」「三島さんも学生も“言葉の熱量”が違う!」などの感想が寄せられた。三島と学生たちの討論は50年以上に渡って語り継がれてきた“伝説”だが今回、映像がスクリーンで上映されたことで「三島が学生たちとフランクに話していることが意外だった。神格化しすぎていたのかも」との声も。本作の公開をきっかけに“伝説”の歴史的評価に変化があるのか? この討論からまた新たな議題や対話が生まれるのか? 劇場では観たばかりの映画についてロビーで感想を交わしたり、対話する観客もおり、盛り上がりを見せていた。(本ランキングは、3/20に公開された新作映画8本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)直近1か月の満足度ランキング結果■3月13日、14日公開作品のランキング1位『ビッグ・リトル・ファーム理想の暮らしのつくり方』92.5点2位『貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-』88.0点3位『シェイクスピアの庭』86.1点4位『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』83.6点5位『ムルゲ 王朝の怪物』82.0点6位『コロンバス』81.0点■3月6日公開作品のランキング1位『ジュディ 虹の彼方に』89.4点2位『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』88.8点3位『仮面病棟』87.8点4位『星屑の町』85.7点5位『酔うと化け物になる父がつらい』82.2点■2月28日、29日公開作品のランキング1位『劇場版 SHIROBAKO』93.6点2位『架空OL日記』93.0点3位『仮面ライダージオウNEXT TIMEゲイツ、マジェスティ』92.8点4位『娘は戦場で生まれた』92.5点5位『ママをやめてもいいですか!?』90.5点6位『子どもたちをよろしく』89.3点7位『黒い司法 0%からの奇跡』88.8点8位『PMC:ザ・バンカー』87.5点9位『初恋』87.1点10位『レ・ミゼラブル』86.5点
2020年03月23日三島由紀夫の小説を原作にした2018 PARCO PRODUCE 三島×MISHIMA 『命売ります』が東京・サンシャイン劇場にて12月9日(日)まで上演中だ。【チケット情報はこちら】開幕を迎え脚本・演出を手掛けるノゾエ征爾は「三島由紀夫の驚きのパンクな小説。を演劇化したらこんな風になったと、別に奇をてらったようなことは何もしていませんが、ともかく面白な原作に面白な役者が乗っかったらこんなんになりました」、主演の東啓介は「三島由紀夫でありながらノゾエさんの脚本・演出で、とてもエンターテイメントな作品に仕上がっていると思います。山田羽仁男という人物が愛されるよう、僕はひたむきに演じていきます。キャスト、スタッフ全員で作り上げてきましたので、是非劇場でご覧ください!」、上村海成は「『半分、青い。』等、最近やらせていただいた役とかなり違うタイプの役柄で、しかも初のストレートプレイなのでとてもドキドキしていますが精一杯演じます!お客様に観ていただくのがとても楽しみです!」とそれぞれコメントを寄せた。ある日ふと「死のう」と思い立ち「命売ります」という新聞広告を出した羽仁男(はにお)のもとに、訳ありの人々が次々と訪れる物語。原作が「週刊プレイボーイ」に連載されたエンターテインメント小説ということもあってか、羽仁男を取り巻く人物たちはキャラが濃く、それを上村や馬渕英里何、莉奈、樹里咲穂、家納ジュンコ、市川しんぺー、平田敦子、川上友里、町田水城、ノゾエ、不破万作、温水洋一という個性的なキャスト達がより一層ポップに立ち上げる。そんな彼らに命を買われる羽仁男は、若く、“いい生活”をしている、いわゆるエリート。演じる東の抜群のルックスも相まって、登場人物がずらりと並ぶオープニングでも一人浮き上がって見え、そんな彼こそが自分の命を売っているのだという異常さが引き立つ。何度命を買われても生き残ってしまう羽仁男。生きたくないから命を売っているのに、その出会いや体験が彼を変えていくのを観ていると、なんとも言えない気持ちになる。オムニバスのように進んでいく物語は一つひとつが一癖ある展開なのだが、劇中でふと歌われる歌の歌詞がそれとは真逆のストレートさで、目の前の出来事の別の面を見せる。ポップで笑えて楽しい舞台だが、命とは、生きることとはなんだろうかということを考えずにはいられない、ちょっと不思議な感覚が味わえる作品だ。公演は、12月9日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて、12月22日(土)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。取材・文:中川 實穗
2018年11月27日2018 PARCO PRODUCE “三島×MISHIMA”シリーズの第二弾『命売ります』が11月24日に開幕。原作は三島由紀夫が1968年に「週刊プレイボーイ」に連載したエンターテイメント小説で、ある日ふと「死のう」と思い立った27歳の羽仁男(はにお)が新聞に「命売ります」という広告を出す。すると訳ありげな人間たちが次々現れ――という物語。脚本・演出はノゾエ征爾。その通し稽古に潜入した。【チケット情報はこちら】東啓介が演じる主人公・羽仁男と関わる人々は、上村海成が演じる吸血鬼の母親のために羽仁男の命を買う高校生・薫や、馬渕英里何が演じる間貸しする女・玲子、莉奈が演じる謎の老人の妻・るり子、樹里咲穂が演じる吸血鬼の女、家納ジュンコが演じる図書の貸出係の女など、役柄を並べるだけでも面白そうな本作。さらに、最初に羽仁男に接触する謎の老人を温水洋一、るり子を愛人にしている男を不破万作が演じるほか、市川しんぺー、平田敦子、川上友里、町田水城、ノゾエがさまざまな役柄で登場する。組まれたセットは上下2段で等間隔に並んだ扉と、同じく床に等間隔に並んだ長方形の台で、スーパーマーケットの売り場のようにも見える。オープニングではそこにキャストたちが等間隔に並び、オリジナルの曲を全員で歌った。「妻といい仲になって、嫉妬した愛人から殺されてほしい」など、依頼内容はどれも個性的。羽仁男は毎回命を懸けて遂行するもなぜか生き残ってしまうため、オムニバスのように次々と出来事が描かれていく。命を買いに来る人たちはユーモラスでありながら切実で、依頼のひとつひとつに人間の欲望や業がカラフルに詰まっている。そして個性的なキャストたちの芝居により、そこに人間の持つおかしさや愛おしさ、そして残酷さが感じられた。そのなかで東は、死が迫り妙に生き生きしたり、死にたいのに死ねず苛立ったり、出会いと別れを繰り返すうちにある変化が訪れたりと、あらゆる依頼を渡り歩く姿が危うくセクシーだ。エンタテインメント小説と呼ばれる原作とノゾエによる演出の掛け算で、物語はポップに進んでいく。だからこそ浮き上がってくる三島由紀夫の死生観は、芝居に笑わされながらも心にグイグイと迫ってくるため、観終わった後には何とも言い難い気持ちになった。ぜひ劇場で味わってほしい。公演は12月9日(日)まで東京・サンシャイン劇場、12月22日(土)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。取材・文:中川 實穗
2018年11月26日東出昌大の3年ぶり2度目の主演舞台となる『豊饒の海』が11月7日より東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて開幕した。本作は、三島由紀夫が自決する直前まで書いていた全四部からなる長編小説を、てがみ座・長田育恵が一つの演劇作品として練り直したもの。演出は、ロンドンで活躍するマックス・ウェブスターが担い、三島作品への新たな挑戦として、注目を集めている。ここでは、7日に行われた同劇場にて初日前会見と芝居の一部を披露する公開フォトコールについてレポートする。【チケット情報はこちら】元々、三島由紀夫の作品を愛読していたという東出は、今回は三島作品の「美」の象徴とも言うべき主人公・松枝清顕役に挑戦。公演に向けての意気込みを問われると、「三島作品というものを全く汚すことなく舞台上に表出させることができるという確信がある」と自信を覗かせた。東出演じる清顕の生まれ変わりである飯沼勲役を演じる宮沢氷魚は、「豊饒の海を全て舞台化するという無謀な挑戦ではあったが、稽古を通して素晴らしい作品になり、皆さんにお届けできるのがすごく楽しみになっていたので、初日を迎えられて嬉しい」とし、同じく生まれ変わりの安永透役を演じる上杉柊平は、「この作品は、僕にとっても、観に来られる皆さんにとっても、人生に持って帰っていただけるものと自信を持って言える」と各々作品の仕上がりについてアピールした。また、次々と生まれ変わる清顕の人生を見届ける本多繁邦を、青年期・中年期・老齢期に分けて3人の俳優が演じるのも本作の試みのひとつ。青年期を演ずる大鶴佐助が「興奮と恐怖が入り混じった気分であるが、言葉と頼もしい共演者を信じて、瞬間瞬間を楽しんでいきたい」と語ると、中年期を担う首藤康之も、「ひとつひとつの美しい言葉を、丁寧に喜びを持って発していきたい」と語った。老齢期の本多は、生前の三島と親交があり、実際に三島手ずから演出指導を受けたことがある笈田ヨシが演じる。「三島先生に最後にお会いしたときに、いろいろと先生のご決意などを伺い、それ以来早48年間の年月が流れ、先生の祥月命日である11月にこの芝居をやらせていただくのは、感無量である」と感慨にふけった。マックスの手により、四部作を通して三島が描いた人間の生きていく姿、その崇高さ、美しさが表現されているという本作。東京公演は12月2日(日)まで上演。その後12月8日(土)・9日(日)と大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演予定。チケット好評発売中。
2018年11月14日三島由紀夫がその思想と死生観のすべてを注ぎ込んだ長編小説であり、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺をする直前に、最終巻の原稿を渡したことでも知られる『豊饒の海』。この小説は『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の全4巻から成るが、根底に一貫して流れているテーマは“輪廻”だ。今回の公演では、文学作品の核心をすくいとり、舞台化する手腕に定評のある長田育恵が翻案と脚本を担当。さらに、昨年オールドヴィックシアター(ロンドン)のアソシエイトディレクターに就任したばかりの新鋭、マックス・ウェブスターが演出を手掛ける。長編小説をひとつの舞台作品として再構築するなか、三島の美しく深遠な世界観が、どのように立ち現われているのかに注目だ。いよいよ本日11月7日(水)に初日を迎えた本作で、華族の家に生まれ、幼馴染みの令嬢・聡子を愛しながらも、二十歳で世を去る松枝清顕を演じるのは東出昌大。物語が進むにつれ、清顕が転生する(と思われる)人物は別の役者が演じるが、もちろん東出の登場は序盤だけではないだろう。どういう形で舞台上に存在するのかも見どころだ。清顕の親友で、生涯を通して彼の転生に触れてゆく本多繁邦には、大鶴佐助(青年時代)と首藤康之(中年時代)、そして笈田ヨシ(老齢時代)と魅力的な配役が叶った。他にも、宮沢氷魚、上杉柊平、神野三鈴、初音映莉子ら盤石の役者たちがそろい、舞台を引き締める。本作のポスターには、海でたたずむ東出の写真と共に、「又、会ふぜ。きつと会ふ。」の文字が。その清顕の言葉がどんな意味を持つのか、ぜひ客席から見届けたい。12月2日まで紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAまで上演され、12月8日(土)・9日(日) には森ノ宮ピロティホールにて公演を行う。文: 佐藤さくら
2018年11月07日『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の4冊からなる、三島由紀夫の長編小説『豊饒の海』。その舞台化が、てがみ座の長田育恵の脚本、ロンドンを拠点に活躍するマックス・ウェブスターの演出により実現する。そこで美しき夭逝の青年・松枝清顕を東出昌大が、清顕の魂を受け継ぐ若者・飯沼勲を宮沢氷魚が演じる。【チケット情報はこちら】三島作品を愛読するという、三島ファンである東出は『豊饒の海』というタイトルを聞いた時、「その壮大なスケールに戸惑い、恐れのようなものを感じました」と明かす。また宮沢も「4作全部ということで、これをどう舞台化するのか。その疑問はなかなか拭えませんでした」と続ける。だが今ふたりは、不安よりも楽しみの方が大きいのだと言う。その理由が……。ひとつは演出のウェブスターの存在。本稽古前にワークショップを行った際、彼がこう切り出したそう。「僕はみんなよりもちょっと有利な部分がある」と。その時のことを東出は「日本人は“三島”というのを神格化している部分があるけれども、彼はそれを知らずに原作を読み、舞台化出来ると思ったそうなんです。さらに“やることは人間のドラマを描くことだ”と。まさしくそうだと思いますし、血の通った人間のドラマとして描くことで、より生き生きとした『豊饒の海』が出来るのではと思います」と期待する。さらにもうひとつの理由が、大胆に翻案した長田の脚本だ。「長田さんが本当に上手に、4作の素晴らしいところを汲み取ってひとつの作品にしてくださいました。まるで新しい作品にも思えるほどです」と宮沢。さらに東出も「原作は三島の遺作であり最高傑作なので、文学的な表現がブイブイ」と笑い、「ただ今回は舞台だけで絶対に伝わると思いますし、初見の方でも安心して観ていただけると思います」と太鼓判を押す。それぞれ演じる清顕、勲という人物をどう捉えているのか問うと、東出は「4作全部読んでもわからない。それが正直なところです。でもそのわからないってところが、多分に魅力的に映る人物なのだと思います」と、謎めいた清顕像を三島ファンらしく紐解く。また宮沢は、「勲は覚悟がはっきりしていて、ピュアで、正義感に溢れた人物。そういった部分は大事にしていきたいですし、青年から大人になっていく、その変化もうまく表現していけたらなと思います」と難役への意欲を見せた。彼らの肉体を通し、三島の魂がどう体現されるのか。11月の開幕が待ち遠しい。公演は11月3日(土・祝)から12月2日(日)まで、東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、12月8日(土)・9日(日)大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。取材・文:野上瑠美子ヘアメイク(東出):廣瀬瑠美ヘアメイク(宮沢): 川端富生スタイリスト:林 道雄
2018年09月27日俳優・東出昌大が、11月より上演される三島由紀夫原作舞台「豊饒の海」で主演を務めることが決定。若手からベテランまで、東出さんとMISHIMAの世界を共に創りあげる共演者も発表された。本舞台は2018PARCO PRODUCE “三島×MISHIMA”シリーズの第1弾で、この秋、三島氏の絶筆の書である「豊饒の海」と、エンターテインメント性にあふれた「命売ります」の2作品の舞台化に挑む。第1弾を飾る「豊饒の海」は、第一部「春の雪」、第二部「奔馬」、第三部「暁の寺」、第四部「天人五衰」の全四作からなる長編小説だが、今回舞台では、全四作を一つの舞台作品として創作するという、前代未聞の意欲作。てがみ座主宰の長田育恵が脚本を手掛け、ロンドンのオールドヴィック・シアターのアソシエイト・ディレクターで、ロンドンのネクストジェネレーションのトップを走るマックス・ウェブスターが「メアリー・ステュアート」以来、3年ぶりに日本で演出。三島由紀夫文学作品を大胆翻案する。主演を務めるのは、現在主演映画『OVER DRIVE』が公開中、今後も『パンク侍、斬られて候』『菊とギロチン』『寝ても覚めても』など出演作の公開が続々と控えている人気俳優の東出昌大。三島由紀夫の「美」の象徴とも言うべき松枝清顕役という大役に挑む。今回、初舞台となった2015年上演の「夜想曲集」以来、3年ぶり2度目の舞台出演となる東出さんは、「思春期より三島由紀夫の虜になり、その作品の多くを読んできた私は、『豊饒の海』の舞台化を聞き震えました。役者になって最大の試練になると思います」と心境を明かし、「持てる全てを注ぎ込みます。三島世界の再現を、楽しみに待っていて下さい」と力強いメッセージを寄せている。また、清顕の影を追い続ける男・本多繁邦を、本作では青年時代、中年時代、老齢時代と3人の俳優が演じる。まず老齢の本多は、ベテラン俳優の笈田ヨシ。中年時代の本多は、バレエダンサーの首藤康之。そして若年時代の本多は、芥川賞受賞作家・唐十郎を父に持つ若手俳優の大鶴佐助がキャスティング。3つの黒子を持つ清顕の生まれ変わりとして登場するのは、ドラマ「コウノドリ」へに出演が話題となり、今年7月マームとジプシーの新作「BOAT」で初主演&初舞台を踏む宮沢氷魚、『一週間フレンズ。』『リバーズ・エッジ』などに出演する上杉柊平ら若手俳優が抜擢。さらに、神野三鈴、初音映莉子と実力派女優も参加する。第一部から第四部、それぞれが小説として完結しているが、この四作を通して通奏低音のごとく響くのは、「輪廻」という言葉。第一部「春の雪」で、「又、会ふぜ。きつと会ふ。滝の下で」ということばを残し、20歳で生命を落とした男・松枝清顕。彼の影に取り憑かれた男・本多繁邦。本多の人生に松枝清顕の生まれ変わりとして登場する3つの黒子の人々。四作を通して、夢と転生を描く壮大な物語だが、「清顕」を追い求めた本多にとって、彼の存在はなにを象徴していたのか、そしてなぜそこまで清顕に執着したのか――。60年後、晩年の本多は清顕との恋が成就せず、仏門に身をおいた聡子を訪るが、聡子は「清顕など知らない」と言う。全てが夢だったのか?自分のこれまでの清顕への執着は何だったのか?というのが「豊饒の海」の結末。本舞台では、清顕という美に憧れ続け、取り残されてしまった人間、本多繁邦を軸に、三島氏が最後に描いたこの「豊饒の海」という世界を、いまを生きている我々の人生という「普遍」の世界に投じていくという。2018 PARCO PRODUCE “三島 × MISHIMA”「豊饒の海」プレビュー公演は11月3日(土)~5日(月)、本公演は7日(水)~12月2日(日)紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて上演。12月8日(土)~9日(日)森ノ宮ピロティホールにて上演。(cinemacafe.net)
2018年06月27日