手塚治虫の名作「鉄腕アトム」の中の人気エピソードを、人気漫画家の浦沢直樹がリメイクした「PLUTO(プルートウ)」(小学館刊)が実写版CG作品『PLUTO』として映画化されることが明らかになった。手塚作品の著作権管理とアニメーション制作を行う「手塚プロダクション」とまもなく日本でも公開となる『怪盗グルーの月泥棒3D』の製作者として知られるクリス・メンダドリが率いる「イルミネーション・エンターテインメント」の連携によって製作されるとのことだが、「実写版CG」ということ以外、どのような形で映画化されるのかについては現時点では明らかにされていない。「PLUTO」は手塚さんの名作「鉄腕アトム」の中でもひときわ高い人気を誇るエピソードである「地上最大のロボット」を「YAWARA!」、「20世紀少年」の浦沢直樹が新たな視点でリメイクした作品で、日本国内で850万部以上を売り上げている。手塚さんのオリジナルではもちろん、アトムを主人公に描かれたが、浦沢版ではロボット刑事のゲジヒトを中心にストーリーが展開し、ロボットと人間が共生するようになった世界が舞台となっている。世界最高水準を誇る7体のロボットを標的とした殺害事件が発生し、ゲジヒトは捜査に当たるが、その裏にはこの7体が参戦した中央アジア紛争を巡る怨念や、世界のリーダーシップをとる超大国「トラキア合衆国」の大統領にまつわる陰謀が…。物語の中には人間と共生するロボットの“人権”や、連載がスタートした2003年に勃発したイラク戦争を反映させたと思われる様々なテーマがちりばめられており、連載当時から大きな話題を呼んだ。浦沢さんは映画化決定に際し「私は子供の頃から『地上最大のロボットの巻』の大ファンでした。しかし、まさか自分がそれをリメイクして『PLUTO』を描くことになるとは思ってもみませんでしたし、それはとてつもない挑戦でした。今回、その『PLUTO』の実写映画化に挑む新たなチャレンジャーが現れました。大の手塚ファンの私は期待をこめて見守りたいと思います」とコメント。クリス・メンダドリは「浦沢直樹は『PLUTO』で独創的なアクションと冒険に満ちた創造の世界を確立しましたが、私が本作品の権利をぜひ獲得したいと思ったのは、そのキャラクターであり心温まるストーリー故でした。素晴らしい歴史のある手塚プロと、また最も才能ある現代の作者である浦沢氏と一緒に働くことができ嬉しく思います」と映画化の喜びを語る。浦沢さんの数々の人気作品の製作に携わってきた、「PLUTO」のストーリー共同制作者でもある長崎尚志は「20世紀、日本中の少年がむさぼり読んだ手塚治虫の『鉄腕アトム・地上最大のロボット』――いまでは伝説となったその作品を、私と浦沢直樹は21世紀に『PLUTO』として甦らせました。それは現代の日本漫画界にとっては、タブーを破ることであり、とてつもない冒険でした。その作品がハリウッドで映像化されるのは、我々にとっても、映画ファン、マンガファンにとっても実に喜ばしいことです。ですが同時に、メレダンドリ氏は、我々以上の冒険を引き受けたことになります。どうか日本中、いや、世界中のファンが納得し、興奮し、感動するような作品が生まれますよう、心から願っています」と期待を口にする。そして、手塚治虫の息子であり、今回の映画のエグゼクティブ・プロデューサーを務める手塚眞は「手塚治虫と浦沢直樹のコラボレーション。これは黒澤明と北野武が出会ったような、あるいはフォードの『駅馬車』をルーカスが『スター・ウォーズ』に作り変えたような、マンガの大ニュースでした。さらにそこにグローバルな映画のアーティストたちの手が加われば、その興奮は数倍にもなるでしょう。これがハリウッドと日本の良いパートナーシップのもとに作られる、エポックメイキングな傑作になることを期待しています」と映画化作品への期待を語ってくれた。先述のように映画作品の詳細はほとんど明らかになっていないが、神様・手塚治虫と現代の漫画界の天才・浦沢直樹による2次元のコラボレーションが、どのように実写化されるのか?漫画に沿って映画化が進められるなら、日本の国民的キャラクターともいえるアトム(を基にしたキャラクター)が実写で登場するということも考えられるが…。映画版『PLUTO』への期待が高まる。© Naoki Urasawa/Studio Nuts, Tezuka Productions, Takashi Nagasaki出版元:小学館■関連作品:PLUTO怪盗グルーの月泥棒 3D 2010年10月29日よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国にて公開© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED■関連記事:東京の南160キロ映画館のない式根島に初の3D『怪盗グルーの月泥棒』&鶴瓶上陸天才子役・芦田愛菜ちゃんが東国原知事を表敬訪問!知事のストレスを和らげる?鶴瓶小林桂樹さんに哀悼の言葉「ものすごい優しい人でした」少女時代が『怪盗グルー』で声優を担当!レッドカーペット登場にソウル大興奮鶴瓶、天才子役の堂々たる姿にびっくり『怪盗グルー』ワールド・プレミア動画が到着
2010年10月21日無謀、無茶だなどと思う前に“役者の本能”とでも言うべきものがうずくのか?阿部寛にとって、周囲の声など演じることを思いとどまる理由にはならないようだ。黒澤明の傑作『隠し砦の三悪人』のリメイクに、原作の熱烈なファンの多い司馬遼太郎の「坂の上の雲」(NHK)、東野圭吾の人気シリーズの「新参者」(TBS)など、「オリジナルを超えられない」、「映像化不可能」と言われる作品に次々と出演し、存在感を発揮してきた。そして今回、ヌーヴェルバーグの傑作『死刑台のエレベーター』に出演。製作決定の報に対して、おそらく否定派の方が多かったのではないだろうか?もちろん、それでも阿部さんは演じている…しかも楽しみながら。果たして阿部寛を突き動かすのは何なのか――?“エレベーターに閉じ込められる男”はシミュレーション済み?阿部さんが演じた時籐は、吉瀬美智子演じる愛人の夫を殺害し、逃走を図るもエレベーターに閉じ込められてしまう男。ほぼ全編にわたって阿部さんの演技は狭くて四角いハコの中…。「エレベーターに閉じ込められるって、誰でも夢で一度は見たことあるんじゃないかな?僕がよく見るのは、エレベーターが急上昇して止まらなくなって、100階くらいまで行っちゃう夢(苦笑)。だからある種、シミュレーションができてて、初めて演じるという気がしなかった(笑)。楽しく、孤独に(笑)やらせてもらいました」。映画で、ほかの共演者とほとんど絡むことがないというのもかなり珍しい。「たった一人で追い詰められた人間がどうするのか?それも面白かったですね。僕、『ランボー』なんか好きなんですよ(笑)。それが今回はエレベーター。隙間との戦いです。真四角のハコの中で大の男が繰り広げる必死の戦い。オリジナルを観たときに、最後の最後でドアが開いたときに男が見せる表情がすごく印象に残ってた。その“顔”こそが、この男の人生全てなんじゃないか?と。そういう男を演じるのは楽しかったですね」。「楽しい」とは言うものの、時籐という男の憔悴していく様子は“迫真”という言葉がぴったりの熱演である。相手は見えない中でどのようにあのテンションを保ち、役を作り上げていったのだろう?「今回は運よくと言いますか…蜷川(幸雄)さんの10時間もの芝居を終えた翌日にクランクインだったんです(笑)。それこそ(公演期間の)2か月ずっと追い込まれてて放心状態で。緒方監督からは『そのまま来てください』って言われました。だからもう、脱力した状態で現場に行って、それをそのまま役に移行した。時間が経ってから自分の芝居を見たとき、こんな芝居を演じていたことを忘れていたら面白いだろうなと思いました。計算も何もなく演じた。『覚えてない』ってことはそういうことですから。もう一度同じ芝居やれと言われても、変に考えちゃってだめだろうね」。「自分に肉付けできるように考え、楽しんで演じてます」では、改めて冒頭の質問に戻ろう。「この作品をなぜ映像化?」と反対する者の声が決して少なくない作品になぜ挑戦するのか?その裏にはどんな思いがあるのか?「『原作、オリジナルを超えることはできない』と言われることは多々ありますが、そこで役が自分の一部になる、肉付けをできるようにと考えながら楽しんで演じてますね。例えば『隠し砦の三悪人』で、三船敏郎さんが演じた役をやったとき、あの役のどんなところを盗んで自分のものにするか?僕にとっては馬上のシーンがそうで、あそこだけはあのまま表現してやりたかった。あとは自分流に分解して、最終的な到達点が同じ意味になるようにする、ただそれだけです。今回も本当に有名な作品で、この“力のない男”を演じるチャンスだ!と。フランス映画のフッと力を抜いたあの世界観に身を投じて、自分を映像で客観的に見ることができる。自分の中でもすごい経験になるとね」。常に演じる役から何が吸収できるかを考える。そんな阿部さんのスタイルがうかがえるが…。「リメイクの場合は特にそうかな。(オリジナルの)この役者は、自分の発想にないものを持ってる。それを真似して、盗んで、自分の肉にしようとする。あとは、新しい作品に臨む上ではこれまでと同じことをやるのではなく、できるだけ違う方向に引き離していこう、ということは意識してますね。もちろん、自己満足にだけ陥ったら見ている人は醒めてしまうからそこは気をつけていますが」。つかこうへいとの出会いが教えてくれたこと幾度となく口をつく「楽しい」という言葉。演じることに楽しさを覚えるようになったのは、今年亡くなった演出家のつかこうへいさんとの出会いがきっかけだったという。20年近くも前につかさんの「熱海殺人事件 モンテカルロ・イルージョン」に出演。バイセクシャルの刑事役が称賛されると共に、二枚目役の多かった阿部さんのイメージを一新した。「そのころは自分の幅なんて本当に小さかった。イメージとか、くだらないものが邪魔してて。そこをつかさんが、舞台で強制的に壊してくれた。そのときは理解できなかったんだけど、2年、3年と経つうちに、『あのとき、あそこまでできたんだから今回はこれができるんじゃないか?』と自分で考えるようになった。最初に思い切り広げてもらったから、そこで自分なりの選択肢が持てるようになった。すごく演じるという世界の中で“遊ばせて”もらったんだなと思います」。「僕は決して芝居がうまくない。だからこそ越えたい壁がいろいろあるんです。壁を高く感じ続けているうちは大丈夫かな(笑)と思いますが」。演じ続ける、挑戦し続ける理由をこう語り、“不敵”とも言うべき笑みを浮かべる。。少なくとも彼がチャレンジし続ける限り、どんな「映像化不可能」作品もまずは観てみたい――。そう思わせてくれる笑みだった。■関連作品:死刑台のエレベーター 2010年10月9日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2010「死刑台のエレベーター」製作委員会■関連記事:吉瀬美智子「毛穴が分かる顔アップ」に困惑吉瀬美智子&阿部寛、年代物の貴重なワインを壇上でゴクリ!2つの事件が導く衝撃の結末『死刑台のエレベーター』試写会に20組40名様ご招待阿部寛悪女に悩まされる恋「したことある」仏映画の傑作『死刑台のエレベーター』が吉瀬美智子×阿部寛でリメイク!
2010年10月15日勝手なお話で恐縮ですが、9月は私にとってヨーロッパ月間です。1週間フランス出張にでかけ、間髪あけずにオーストリア・ドイツ・チェコ巡りのちょっと遅い夏季休暇を2週間。そんなわけで、頭の中もすっかり欧州風。コラムも、この秋に気になるヨーロッパ映画を特集することにしました。といっても、並べてみたら全部がフランス作品に。さすがは文化・芸術の国ですね。まずは、『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督最新作『ミックマック』。タイトルになっているのは、“いたずら”という意味を持つ言葉。主人公は、父を戦争で亡くし、自分はある発砲事件で被弾し、頭に流れ弾が残ったままになってしまったビデオ・レンタルショップの店員・バジル。怪我をきっかけに全てを失ってしまった彼が出会うのが、廃品を回収してはユニークなモノに改造していく創造性豊かな人々です。そんな暮らしの中で、バジルはふとしたことからある目的を見出すのですが…。その目的を達成するために繰り出されるのが愉快ないたずらの数々というわけです。平和を願うピュアな心と、『アメリ』で見せた遊びゴゴロがたくさん詰まったこの作品。物語はシンプルなのですが、ディテールと小道具・大道具、独特の映像美という映画言語を巧みに使用して、作品を大きく大きく膨らませていくのです。特に面白いのが、相変わらずキャラが激しく立った面白顔の登場人物と、奇妙な改造品の数々。温かみがあって、どこか懐かしい美術や色彩にもジュネらしさがいっぱい。舞台は現代のパリですが、『アメリ』、『ロング・エンゲージメント』でアカデミー賞ノミネート、セザール賞受賞を果たしている美術監督アリーヌ・ボネットと共に、実にヨーロッパらしいレトロテイストの作品を創り上げてくれました。実は、『ミックマック』のように、ちょっとした計画を実行しようとするあるグループを描いているのが、同じフランス作品の『プチ・ニコラ』。この作品に登場するのは、打って変わってとてもかわいい小学生たち。主人公は優しいパパとママと暮らしているニコラです。両親に愛されて幸せに暮らしているニコラですが、想像力が少々豊か過ぎ。母親が妊娠したと思い込み、弟ができることの恐怖におののきます。そこで仲間たちとある計画を練り、実行しようと試みるのです。繰り広げるのは、的外れな計画に、ピントのずれた行動ばかり。その様子はキュートで滑稽。シャツにニットのベスト、そして半ズボンのいたずらっ子たちが、スクリーン狭しと暴れまわるのです。原作はフランスで50年間愛されてきたというルネ・ゴシニ作、ジャン=ジャック・サンペが描く国民的絵本「プチ・ニコラ」。子供らしい空想力と純真さにあふれた世界観に思わずにっこりしてしまいます。さらに、ニコラの視点で描写される大人たちのユニークなこと。絵本が原作だから子供向け映画などと決めつけないで、おしゃれでユーモアあふれる『プチ・ニコラ』の世界を存分に味わってみてください。実は、昨年からフランスでは、本作公開にあわせて、様々な記念アイテムが発売されたそう。「プチ・バトー」からはニコラが劇中で着ていたパジャマや子供たちが身体測定の際に着ていたブリーフが、「ベルナルド」からはリモージュ焼きのテーブルウエアが、「クレールフォンテーヌ」からは筆記道具やペーパーのバッグが、それぞれキュートなニコラの絵つきで、日本でも発売されています。さすがはフランス。劇中の子供たちや、インテリア、大人のファッションもとびきり素敵。舞台となった1960年代のテイストは、きっと観る人の目も心もワクワクさせてくれるはずです。ところで、この作品の中で気になったことがもうひとつ。それは朝食のシーンです。実は、つい数日前にフランス出張から帰ってきたのですが、そのときに体験したフランスの一般的な朝食というものをここでも見ることができました。宿泊は、大きなホテルではなく“Chambre d’hotes”(シャンブルドット)が多かったのですが、これは一般家庭の一部などをゲストルームにしている家庭的な宿のこと。イギリスならばB&Bといった感じの宿泊施設で、たいていは朝食がついています。そこで出されるのは、表面がぱりぱりのバゲットとコンフィチュールにカフェオレ、たまにフランスの一般家庭ではごちそうだというクロワッサンがついていることも…というメニュー。こう書くと随分質素な感じもしますが、パンがとても美味しいので、マダムお手製のフレッシュなコンフィチュール、香ばしいコーヒーがあればもうそれだけで大変豊かな朝の食事となるのです。ニコラの家の食卓にも、まさに私が体験した、そんな典型的な朝のメニューが乗っていました。大手のホテルでは、朝食と言えばビュッフェ形式で、目移りするほどのメニューが供されるところもありますが、美味しいパンがあったので今回はそれだけでも十分幸せでした。さすがは、パンを主食としている国。私たちの国にやってきた旅行者も、日本での炊きたての朝ごはんに、こんな幸せを感じてくれていたら嬉しいなと思います。さて、最後にご紹介するのもフランス映画。『約束の葡萄畑あるワイン醸造家の物語』です。至極のワインを造るために人生をかける葡萄農夫のソブランと、彼をとりまく女性たち、そして彼にワイン造りの真髄を伝える天使の物語です。ワイン造りとは、自然を相手にするとても過酷な仕事です。まじめにコツコツと働かなければ、素晴らしい実りは期待できません。でも、この仕事の最も過酷な部分は、まじめに働いたとしても良い結果が得られるとは限らないということです。労働は、良質なワインができる可能性を高めることでしかありません。あとは、天気や運といった人間では手の出せない部分の比重がとても大きいのです。今回のフランス出張では、映画の舞台となったブルゴーニュ地方のワイン産地をめぐってきたのですが、そのことを生産者たちの口からも直接知らされました。毎日のようにお天気を気にし、自分たちがぶどうのためにできることを常に考えています。もちろん、どうしようもできないことについても。人間ができることと、自然にしかできないことの積み重ねによって生まれるワイン。だからこそ、この作品にはそんな神秘的な部分を象徴するかのように、天使が登場するのではないでしょうか。天使・ザスを演じるのは、ギャスパー・ウリエル。美しすぎる天使に、うっとりしつつも、このロマンティックで神秘な存在こそが、フランスにおけるワイン造りの奇跡を体現しているのではないかと気づいた私。生産者たちは、自分の努力だけでは偉大なワインができないことを知っています。気候、テロワール、そして人間。それらが上手く関わることでしか、偉大なワインは生まれない。そして、その組み合わせを考えることができるのは神のみ。何百年も続くワイン造りの中で、彼らには自然や偶然に謙虚になることを学んでいるような気さえしました。ワイン造りに奇跡は欠かせないのだと。そんなちょっとロマンティックな発想が、ワインを、そしてフランスを特別なものにしているような気がするのですが、いかがでしょう。『約束の葡萄畑あるワイン醸造家の物語』を観ると、そんな気がしてくるはずですよ。ヨーロッパ映画と称しておきながら、結局はフランス一色になってしまった今回のコラムですが、それぞれに特徴のある作品のラインナップになりました。偶然ではありますが、フランス映画の懐の広さを感じる、ちょうど良い機会になってくれれば幸いです。(text:June Makiguchi)■関連作品:ミックマック 2010年9月4日より恵比寿ガーデンシネマにて先行、9月18日より全国にて公開2009 © EPITHETE FILMS –TAPIOCA FILMS –WARNER BROS. PICTURES –FRANCE 2 CINEMA -FRANCE 3 CINEMAプチ・ニコラ 2010年10月9日より恵比寿ガーデンシネマほか全国にて順次公開© 2009 Fidelite Films - IMAV Editions - Wild Bunch - M6 Films - Mandarin Films - Scope Pictures - Fidelite Studios約束の葡萄畑あるワイン醸造家の物語 2010年10月23日よりBunkamuraル・シネマほか全国順次公開© 2009Ascension Film Kortex Acajou Films■関連記事:ワインに隠された愛、悲愁、天使の助言『約束の葡萄畑』試写会に10組20名様ご招待とびきりしあわせになれる?『プチ・ニコラ』試写会に5組10名様をご招待『アメリ』監督新作『ミックマック』の7人は黒澤明の影響?7人登場の本編映像到着『ミックマック』は『アメリ』+男ゴコロ?鬼才のいたずらに男女とも高得点!エスパー伊東秘技に失敗で小森純とのキスおあずけ
2010年09月29日野村萬斎、佐藤浩市ら豪華キャストで贈る『のぼうの城』のヒロイン役で、榮倉奈々が初めて時代劇に挑戦することが明らかになった。天下統一を目前に控えた秀吉の命を受けた石田三成が率いる二万の大軍を、でくのぼうを揶揄した“のぼう様”こと成田長親を城代とする武州・忍城の500人の軍勢が迎え撃ち、見事に城を守り通したという戦国時代の実話を映画化した本作。榮倉さんは長親にひそかに想いを寄せる、当主・成田氏長の娘・甲斐姫を演じる。この甲斐姫、誰もが見とれるほどの美貌を持ちながらも、自ら刀を握って斬りこんだり、侍を投げ飛ばすなど男勝りの激しい一面を持つ。榮倉さんは時代劇初挑戦となるが、乗馬や合気道の練習をこなし、甲斐姫に関する歴史書を読み漁り「すっかり戦国モノのファンになった」らしく、8月末の撮影初日から見事な手綱さばきで華麗な乗馬シーンを披露していたという。榮倉さんは「乗馬や合気道の練習、犬童(一心)監督、樋口(真嗣)監督に勧めていただいた黒澤明監督の作品を観たりしているうちに、すっかり自分自身が戦国時代のファンになっていました。実際、北海道の巨大なオープンセットに初めて足を踏み入れた瞬間、そのスケールの大きさにテンションが上がりました。緊張や不安よりも、楽しみ、ワクワク感でいっぱいです。時間を超えて、当時の世界に生きている感覚を味わい、のびのびとお芝居ができたらいいなと思っています」と意気込みを語ってくれた。ちなみに、榮倉さんの言葉にもあるが本作の撮影は北海道で行われており、苫小牧に広大なオープンセットを組んで忍城を再現。劇中、三成が“水攻め”を行うが、水の中に浮かぶ城がどのように描かれるのかも注目を集めそうだ。さらに今後、10月下旬まで山梨、京都などで撮影が行われる予定だという。『のぼうの城』は2011年、全国にて公開。■関連作品:のぼうの城 2011年、全国にて公開■関連記事:野村萬斎7年ぶり映画主演で“でくのぼう”の総大将に!佐藤浩市、成宮寛貴らと共演
2010年09月08日オドレイ・トトゥを世界的な人気女優へと押し上げた『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督最新作『ミックマック』。主人公の“復讐”を助ける個性豊かな7人の登場人物の存在と彼らが仕掛ける“ミックマック(=いたずら)”が大きな見どころとなっているが、ジュネ監督は自身の映画作りおける重要な存在として、黒澤明監督の存在を挙げ、この“7人”という人数も名作『七人の侍』に由来するものだと公式に認めた。発砲事件に巻き込まれた主人公が、銃弾の製造会社と、父の命を奪った地雷を作った兵器会社に復讐のため、ユニークな仲間たちと共に様々ないたずらを仕掛ける、という本作。映画公開前、監督は本作を作るにあたって『トイ・ストーリー』や『ミッション・インポッシブル』を参考にしたと明かしていたが、自身の映画作りにおける黒澤明監督の存在にも言及。「わりと突飛なキャラクターをたくさん考えたのですが、最終的に7人にしようと決めました。なぜなら“7”というのはマジカルナンバーで、『白雪姫』も“7人”の小人ですし、『七人の侍』も“7人”なので、“7”という数字が非常に良いと思ったからです。特に黒澤明さんは常に僕の映画作りにおいてお手本になっています。それは『映画のどのシーンを切り取っても、それが1枚の絵画のような美しさを保たなければならない』というようなことを仰っていたのですが、それが僕にとって印象的な言葉で、ある種、僕自身の映画作りの哲学になっています」とその影響の大きさを語っている。今回、この個性的な仲間たちが主人公のバジルと出会うシーンの本編の映像が到着!まさに絵画のごとく、細部まで作りこまれた映像、そしてそれぞれタイプの違う“特技”を持つ7人のキャラクターたち。日本が誇る巨匠の影響を受けた作品としてじっくり見ると、感慨深い。『ミックマック』は恵比寿ガーデンシネマにて先行公開中。9月18日(土)より全国にて公開。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ミックマック 2010年9月4日より恵比寿ガーデンシネマにて先行、9月18日より全国にて公開2009 © EPITHETE FILMS –TAPIOCA FILMS –WARNER BROS. PICTURES –FRANCE 2 CINEMA -FRANCE 3 CINEMA■関連記事:『ミックマック』は『アメリ』+男ゴコロ?鬼才のいたずらに男女とも高得点!エスパー伊東秘技に失敗で小森純とのキスおあずけ『アメリ』監督が仕掛けるイタズラ大作戦!『ミックマック』カップル限定独占試写会に20組40名様ご招待『アメリ』監督最新作『ミックマック』は『トイ・ストーリー3』の実写版?【シネマモード】2010年 映画ファッションのいままでとこれから
2010年09月05日宮藤官九郎が黒澤明を語る――。一見、意外なシチュエーションに見えるが、宮藤さんに言わせると黒澤作品は「ある意味、かなりパンク」であり、自身の手による舞台やドラマ作品において、多大なる影響を受けたという。特に、宮藤さんが愛してやまない作品が、黒澤監督が還暦を迎えた1970年に公開された、黒澤監督にとって初のカラー作品『どですかでん』。山本周五郎の「季節のない街」(新潮文庫刊)を原作に、とある町のはずれに暮らす人々の姿を、知的障害を持つ“六ちゃん”を中心に描き出す。日本映画専門チャンネルでは、「メモリーズ 我が心の黒澤明」と題して、生誕100周年を迎えた黒澤明について、ゲストがその思いを語る特別番組を放送中。7月は宮藤さんが先述の『どですかでん』をテーマに黒澤明の“凄まじさ”を語る。放送を前に、宮藤さんに話を聞いた。まずは単刀直入に、映画人・黒澤明の魅力とは?宮藤さんは「いびつでどこか壊れてる感じ」とまさに“パンク”な要素を挙げる。「『用心棒』から『椿三十郎』、比較的新しい作品で言うと『影武者』とか王道の娯楽映画を撮ってて、ああいうのはすごく“男子”の合戦願望とか、戦いたい欲望みたいなものを満たしてくれる部分があって、それはそれで好きです。でも、それとはまた違うタイプの作品、例えば『どん底』とか『羅生門』とか…すごく好きですね。どこか歪んでる…例えば『用心棒』の出だしの(居酒屋の親父役の)東野英治郎さんのセリフの聞き取れなさとか。説明してるセリフなのに聞き取れないってすごいなぁって。何となくは分かる。『この人、すごく怒ってる』ってことは分かるんだけど、とか。そういう部分での、『いいや、聞こえなくて』みたいな感じがすごく好きです。それは、黒澤さんの中でわりと最後まで一貫してそうだったのかな。『まあだだよ』もある意味、壊れてる映画ですからね。結局、猫が居なくなって、帰ってきたという話かって(笑)。そういうところもすごい好きですね。なんか、冷めてるのか、客観性がないのか、計り知れないんですよ」。続いて話題は黒澤映画の影響を受けた上での宮藤さんの創作について。黒澤作品に限らず、過去の様々な作品から多大なる影響を受けてきたという宮藤さん。これまで手がけてきた舞台、ドラマや映画においても“オマージュ”と見受けられる部分も多々あるが、宮藤さんは、他人の技術や手法をどのように自らの作品に取り込んでいくのか?「僕は結構、すぐやっちゃいます(笑)。見えるところ、見えないところ含めて。いま、自分が好きなもの、世の中でどうのっていう以前に、自分の中で勝手に気になっているものを入れることもあるし、それこそ『どですかでん』のようにずっと好きなものを入れちゃうときもあるし。正直、周囲が知ってるか知らないかも関係ない。少しでも周囲を気にすると、大抵は失敗するんです。演出のときも、『どですかでん』のあの感じでお願いします、っていうのはわりとすぐ言っちゃうんですよ。あと、多いのは『爆裂都市 BURST CITY』。そこで『ゴッドファーザー』みたいに、とか言えればいいんですけどね(苦笑)。最近、怖いのは自分で気づかずに自分の作品をマネしてることがあるとき。それ『マンハッタンラブストーリー』のあれだよね?とか、それって『キャッツアイ』のあれだねとか言われて『あぁ、それもうやってたね。どうりで面白いと思った』って(笑)」。余談だが、宮藤さんの脚本・演出による刑事ドラマ「うぬぼれ刑事」がまもなくスタートするが、これまで、いろんなメディアでビートたけし主演の刑事ドラマ「刑事ヨロシク」への愛を訴えてきた宮藤さん。もしかしたら随所にオマージュも…?オマージュという言葉が出てきたところでもう一問。監督としてであれ、脚本家としてであれ、もしも好きな黒澤作品を自身の解釈でもう一度作り直せるとしたら?「リメイクは相当、難しいですよね、そのまま作るにしろ、思い切り変えるにしろ。『隠し砦の三悪人』を『スター・ウォーズ』に変換したというのがすごいし(※『スター・ウォーズ』はこの作品を元に着想されており、アンドロイドのC-3POとR2-D2のコンビも本作の人物をモチーフにしている)、『用心棒』に自分の解釈を入れて西部劇にした(※セルジオ・レオーネ監督『荒野の用心棒』)っていうのが凄まじいことですよね。自分でやるなら、全く違うエピソードで『どですかでん』作ってみるのとかはいいかも。(オリジナル同様に)“どですかでん”って言ってる登場人物はいるけど、全く別の話とかね。やっぱり黒澤映画は好きな人が多いだけに難しい。僕にとってはせいぜい飲み屋の話題で“いま、『七人の侍』やるなら誰で作るか”とかで…(笑)」。1998年に黒澤監督が亡くなったとき、宮藤さんは「もう、芝居の仕事はしてましたね」という。さらに「亡くなられたってことも驚きましたが、88歳という年齢にもびっくりしたのを覚えています」とも。黒澤監督をはじめ、この世代の“巨匠”たちのバイタリティに改めて感服したようにこう続ける。「新藤兼人さんとかもすごいですよね。僕、新人監督として“新藤兼人賞”いただいて、授賞式でお会いしたんですが、そのときで90歳は超えてらして、挨拶で『映画の95%は脚本です!』っておっしゃってました。(一昨年、亡くなった)市川崑監督も、すごい量のタバコ吸ってて、でも九十幾つまで映画撮り続けて。すごいですよね」。映画の話が続くうちに、“監督”としての本性、映画を撮りたいという願望がどうにも隠せずにニョッキリと顔を出してきたようだが…。「いや、やりたいとは言ってるんですけどね。もちろん、それだけじゃやらしてもらえない。『じゃあ書いてください』と。当然ですね(笑)。まぁ多分、自分で書くんだと思いますが」。飄々というか、ノラリクラリと言うべきか…。とは言え、最近観たというある映画を引き合いにこんな言葉も。「韓国の『息もできない』っていう映画がすごい面白くて。元々、監督ではなく役者さんが、どうしてもやりたいっていうことで始めて、途中でお金がなくなって、家を売ったりして作ったと。そういう話は観た後に聞いたんですけど、やっぱり強い思いによって撮られた映画っていうのはそれだけすごいパワーがあるんだなと思った。だからって家は売らないですけど(笑)。そういう人がドーンってああいう傑作を作っちゃうわけで、僕みたいに『次どうする?』ってを考えてること自体が不純なのかな、とも思って。『あ、これ映画になるんじゃないか?』っていう感じが早く来ないかな、と思って待ってます。なかなかそれが来ないんですが(笑)」。(photo:Ryusuke Suzuki)「メモリーズ 我が心の黒澤明」は日本映画専門チャンネルにて放送。※初回放送は7月3日(土)15:40〜日本映画専門チャンネル公式サイト■関連作品:少年メリケンサック 2009年2月14日より全国にて公開© 2009「少年メリケンサック」製作委員会■関連記事:国内賞レースも本格化『ヴィヨンの妻』『沈まぬ太陽』など日本アカデミー賞最多受賞DVD発売記念クドカン&「少年メリケンサック」メンバーから特別メッセージ到着!ユースケ、宮崎あおいの「胸の感触が忘れられない」主役を差し置きまたも独壇場宮藤官九郎の衝動!「子供以下のおっさん見て、若い人がどう思うか興味ありますね」クドカン、宮崎あおいからのチョコにほのかな期待「もらえなかったら悲しい…」
2010年07月02日流行りの3Dでもなければ、物語がジェットコースターのような急展開を見せるわけでもない。だが「映画として作られるべくして作られた作品」という言葉がしっくりくる。77歳の仲代達矢が9年ぶりに主演を飾った『春との旅』。小林政広監督の手による脚本は、幾多の作品に携わってきた仲代さんをして「これまでに出会った中でベスト5に入る」と言わしめた。元漁師の男が最後の居場所を求めて北海道、東北と親戚を訪ね歩く姿を描いた本作。彼に寄りそう孫娘・春を演じたのは期待の若手女優・徳永えり。彼女は何を感じ、春という少女にどんな思いを込めたのか?まず、徳永さん自身の春の印象を聞いてみるとこんな答えが返ってきた。「ある意味、すごく偏った女の子という印象を持ちました。ずっと祖父を支える一方で、社交的でもなく、多分、友達もいないでしょうね(苦笑)。そんな中で、彼女なりの愛情を持って祖父に接しているんですが、彼女が祖父に寄り添い、助けているというよりは、周囲が考える以上に彼女の祖父に対する依存心が強いんだと思います。でも、2人を見ていると、特殊だけどこういう“パートナー”ってありなのかな、とも思えてくるんです」。とはいえ、祖父・忠男と春の関係は、決して“分かりやすい”優しさや愛情で描かれているわけではない。2人の間の“距離”や春が抱える寂寥感をスクリーンに映し出すために、小林監督からは現場でこんな指示が出されたという。「監督からは、仲代さんとは親しく話をしないようにと言われましたし、スタッフさんにも私に優しく接しないように指示を出されていたそうです。『基本的にひとり、孤独でいなさい』と。ずっと現場でひとりぼっちでした(苦笑)」。こうした経緯もあって、仲代さんと撮影以外で接する機会がなかったそうで、少し残念そうな表情を見せる徳永さん。「そうなると、もう(仲代さんを)祖父としてしか見られなかったです。仲代さんも“忠男”としていらっしゃるので、それに応えるには私も“春”でいなくてはいけない。ある意味、芝居で繋がっていました。その中で、仲代さんの芝居に取り組む姿勢には本当に感銘を受けました。撮影が始まる前に仲代さんが私に『僕はいつも役と向き合うとき、新人のつもりで挑んでる。君と同じスタートラインに立っているんだ』ということをおっしゃってくださって、すごくありがたくもあり、驚きました」。女子高生から妊婦まで、映画やドラマで様々な役柄を演じ、存在感を見せる徳永さん。「基本的に、幸の薄い女の子を演じることが多いんです」と苦笑交じりに語るが、ここ数年で自らに訪れた変化や成長についてこう表現する。「大きく変わったな、と思える部分はありましたね。毎回、何かしらつまづく瞬間はあるんですが、その中でも役の幅が広がってきたのかな、と。『うた魂♪』など学園ものがしばらく続いていた時期があったんですが、その後、制服以外をやってみたいと思ったんです。そうしたら、今度は妊婦や母親の役が増えたんです。でも、その中で限界を感じる部分があって、『ノーボーイズ、ノークライ』で3人の子供がいる役をやったとき、どれだけ作りこんでも、母親でない私には“なりきる”ことはできないって気づいたんです。母親って“顔”に出るんですよ。そこから意識が変わりましたね。『なりきれないなら近づくためにどうしたらいいのか?』って」。いま、演じることは楽しい?「『楽しくなさそうだなー』って見えますか(笑)。そうですね…簡単に『楽しい!』って言えなくなったというのはあります。いままでのように“感じるまま”だけではダメだって気づいて、じゃあその先に何があるのか?って考えるようになりました。計算を解くような感覚もありますし、脚本に書いてないことを埋めていく作業はすごくしんどいですよ!でも、そこに気づいたら、やっぱりしっかりとやりたいんです。だから、楽しいと思うのは演じているときではなくて結果に対してですね。今回の撮影は…これまでで一番ハードでしたよ、終わった後にしばらくリハビリが必要なくらい(笑)!」■関連作品:春との旅 2010年5月22日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開© 2010『春との旅』フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクション■関連記事:徳永えり大ベテランの贈る言葉に感涙史上初!奈良・薬師寺で映画奉納式『春との旅』仲代達矢「60年間で初めて」寄り添いながら、2人は旅をする――『春との旅』試写会に25組50名様ご招待仲代達矢、黒澤明を引き合いに『春との旅』小林政広監督を「天才」と大絶賛
2010年05月21日女優の徳永えりが5月11日(火)、東京・千代田区のよみうりホールで行われた出演映画『春との旅』の舞台挨拶に出席。共演した大ベテラン、仲代達矢から誕生日を祝う言葉を贈られ、感動の涙を流した。この9日(日)に22歳になったばかり。大ベテランの仲代さんは、徳永さんに花束を手渡し、ギュッと抱擁すると「まだまだ若い女優さんで、これからいろいろ経験すると思いますが、あくまで初志を貫いて。その辺の薄っぺらい女優にならないで。志を高く持って」。小林政広監督も「最初の志を完結し、いい女優になって」と心のこもったエール。徳永さんは「ビックリしました」と感極まって涙をポロリ。「本当にまだまだだなと思っています。まだまだ足りない。でもあせらず一歩一歩進んで、仲代さんのような素敵な女優になりたい」と涙を拭い声を詰まらせながら、飛躍を誓った。本作は、最後の居場所を探して旅に出た元漁師の忠男(仲代さん)と新たな一歩を踏み出したその孫娘・春(徳永さん)の二人旅を綴る物語で、仲代さんが9年ぶりに映画主演を務めた。今後の生きる道について司会から聞かれた仲代さんは「77年も生きたからもういいんです」と軽妙に語りつつ、「この映画もそうですが、人間をテーマに、人間とは、生きるとは、ということを命ある限り俳優として追究していきたい。残り少ない人生を頑張ります」と穏やかな表情で語った。一方、小林監督は、「この映画にお客さんが入れば、また映画を作るチャンスがある。だからみなさんの気持ちで、僕の生きる道があるか決まります」と飄々とした口調。観客の笑いを誘っていた。『春との旅』は5月22日(土)より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:春との旅 2010年5月22日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開© 2010『春との旅』フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクション■関連記事:史上初!奈良・薬師寺で映画奉納式『春との旅』仲代達矢「60年間で初めて」寄り添いながら、2人は旅をする――『春との旅』試写会に25組50名様ご招待仲代達矢、黒澤明を引き合いに『春との旅』小林政広監督を「天才」と大絶賛
2010年05月11日老人と孫娘の旅を通して生きることについて問いかける映画『春との旅』。関係者、ファンに感謝の意を伝えるべく、4月15日(木)に主演の仲代達矢と小林政広監督が出席し、奈良県の薬師寺にて、初めての試みとなる映画奉納式が行われた。仲代さん演じる元漁師の忠男は自分の人生の“終着点”を求め、孫の春と共に旅に出る。今年は平城京遷都1300年という記念すべき年となるが、奈良はシルクロードにおける“東の終着点”ということで、本作に相通じるものが…。国宝・薬師三尊像が祀られる金堂にて、2人は映画の台本、本編が入ったDVD、ポスターなどを奉納。仲代さんは「俳優になって60年にもなりますが、こういう行事は初めての出来事。我々が作った映画が奉納されるっていうことは非常にありがたい」と喜びを噛み締めた。薬師寺を訪れるのは20年ぶりとなる仲代さん。薬師如来像を前にして「自分が何者かを追求することが哲学と言っているが、もしかしたら仏法に繋がるのではないかと思っている」と思いを語った。最後に「当分、キャンペーンでずっと働きます(笑)」と意気込みを見せてくれた仲代さん。それに対し小林監督も「公開まで1か月ですが、いいきっかけで一人でも多くの人に観てもらえるような状況になったと思う。どうぞよろしくお願い致します」と改めて祈願した。『春との旅』は5月22日(土)より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開。■関連作品:春との旅 2010年5月22日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開© 2010『春との旅』フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクション■関連記事:寄り添いながら、2人は旅をする――『春との旅』試写会に25組50名様ご招待仲代達矢、黒澤明を引き合いに『春との旅』小林政広監督を「天才」と大絶賛
2010年04月16日最新主演作『シャッター アイランド』を携えてレオナルド・ディカプリオが来日!3月11日(木)に都内で記者会見に臨んだ。当初、マーティン・スコセッシ監督と共に来日すると発表されていたが、新作の準備のために監督の来日はキャンセルに。会見中、4度目のタッグとなったスコセッシ監督について、レオは日本が誇る名匠・黒澤明の名を引き合いに出して称賛する場面も見られた。精神を病んだ犯罪者たちを収容する病院がそびえる、四方を海に囲まれた島を舞台にした作品ということで、会見場には“孤島”をイメージしたセットが用意された。レオが登場すると、カメラマン席からはフラッシュの嵐!レオは「(フラッシュで)何も見えないけど(笑)、また日本に来ることができて嬉しいよ」と笑顔で挨拶した。作品について「サイコスリラーであり、サスペンス。スコセッシが、ヒッチコックのようなスタイルを意図して作った作品です。謎が多く登場しますが、素晴らしいのは1人の男が真実を求め、過去やトラウマと向き合う姿が描かれている点。謎解きを超えて、複雑な人間像が映し出されます」と胸を張った。残念ながら一緒に来日することが出来なかったスコセッシ監督について尋ねると「(本作は)彼のベストの1本」、「ロバート・デ・ニーロとの関係の中で培われたのだと思うけど、俳優との関係性、俳優の演技に寄り添って演出していく姿勢が素晴らしい!」、「リミットを超えて、生の感情が表われる演出をした」と次々と称賛の言葉を並べた。さらに「ゴールデン・グローブ賞のために、スコセッシへのオマージュとなる原稿を書きました。そのとき感じたのは日本にはクロサワという歴史的な巨匠がいましたが、スコセッシも彼と並び称されるべき存在だということ。千年経っても人々はこの2人の映画を観るだろうと思う」と故・黒澤監督の名を引き合いに出して、褒め称えた。5度目のコラボレーションについても「もしチャンスがもらえるなら飛びつくよ!」と意欲を見せた。“孤島”に因んで、「もしディカプリオさんが孤島で女性と二人きりになったら何をしてくれますか?」と尋ねた女性レポーターには「ほかの男性がすることと同じことをするよ!」とニッコリ。続いての「孤島に何か一つだけ持っていけるなら何を持っていくか?」という問いには「そこには食糧はあるの?水は?電気は?」と確認し「TVかな。世界で何が起こっているか知りたいでしょ?」と笑顔で答えた。また、劇中の絶壁でたくさんのネズミが登場するシーンに話が及ぶと、“共演者”のネズミたちを「これまで見てきた俳優たちの中でもプロ中のプロ」と絶賛。「最初はネズミとのシーンなんて嫌だったけど、あの日は素晴らしいものを見せてもらったよ。“彼ら”はトレーニングを積んでいて、ランチタイムになるとそれぞれ食事に出て、時間になるとちゃんと自分のポジションに戻ってくるし、動いちゃいけないところではきちっと止まってるんだ。50匹は確実にいたよ」とユーモアたっぷりにふり返った。謎が謎を呼ぶ展開とあって、「本作を観る上で、一つだけ何かヒントを与えるなら?」と求められると「最も心がけるべきことはオープンマインドで観ること。いろんなこと明らかになるけど、物語に乗って楽しんでほしい。予備知識を持たずに劇場に来てほしいね」とあえて“謎解き”にとらわれずに観ることをオススメ。そして「恥知らずなプロモーションと思われるかもしれないけど、2度、3度観るに耐えうる作品に仕上がっていると思う」と自信をのぞかせた。『シャッター アイランド』は4月9日(金)より全国にて公開。■関連作品:シャッター アイランド 2010年4月9日より全国にて公開© 2009 BY PARAMOUNT PICTURES■関連記事:謎に集中!『シャッター アイランド』“超日本語吹替版”試写会に100組200名様をご招待レオがバー・ラファエリ同伴で連日パーティに出席 彼女の左手薬指には気になる指輪がレオナルド・ディカプリオ、ベルリンでのワールド・プレミアで「ダンケシェーン!」お待たせ!レオナルド・ディカプリオ『シャッター アイランド』携え3月に来日決定お騒がせのリンジー・ローハン、土曜の夜にレオナルド・ディカプリオ邸へ
2010年03月11日新年早々の1月3日(現地時間)、アカデミー賞へと続く賞レースのひとつである全米映画批評家協会賞(National Society of Film Critics Awards)の各賞が発表され、イラク戦争を扱った『ハート・ロッカー』が作品賞、監督賞、主演男優賞の3冠に輝いた。全米映画批評家協会賞は1966年から開催されており、その名の通り、全米映画批評家協会に属する批評家によって選出される。アカデミー賞の前哨戦として注目を集める一方で、昨年の作品賞『戦場でワルツを』(イスラエル作品/アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、2006年度の『パンズ・ラビリンス』(メキシコ・スペイン・アメリカ合作)、さらに過去には黒澤明監督の『乱』も作品賞を受賞するなど、アメリカ以外の国で製作された作品が高い評価を受けることも多々見られる。『ハート・ロッカー』はイラク・バグダッド郊外で爆弾の解体・爆破作業を行う軍の危険物処理班と姿なき爆弾魔の壮絶な戦いを描いた作品。ドキュメンタリーを思わせる臨場感あふれる映像と極限状態での緊張感、人間ドラマに全米から絶賛の声があがっている。監督を務めたのは、ジェームズ・キャメロンの元妻キャスリン・ビグロー。今回の監督賞および、主演男優賞受賞でも分かるように、彼女と主演のジェレミー・レナーにも非常に高い評価が寄せられている。今回の受賞以前にもシカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルスの映画批評家協会賞で作品賞などを受賞しており、いかに批評家筋の評価が高いかがうかがえる。1月17日(現地時間)に発表されるゴールデン・グローブ賞でも作品賞、監督賞、脚本賞にノミネート。今年の賞レースは当初、『マイレージ、マイライフ』と『NINE ナイン』の一騎打ちと目されていたが、本作はその間に割って入り、一躍、賞レースの鍵を握る注目作品に――。本作以外では、コーエン兄弟の新作『A SERIOUS MAN』(原題)が脚本賞を受賞。また、クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』で、独仏英伊の4か国語を操る、“ユダヤハンター”の異名をとるナチスの大佐を演じたクリストフ・ヴァルツが、『Bright Star』(原題)のポール・シュナイダーと共に助演男優賞に輝いた。批評家賞とは180度異なり、一般の人々の投票で選出するピープルズ・チョイス・アワードが1月6日に発表、さらにゴールデン・グローブ賞は1月17日発表と、年が明けいよいよ本格化してきた賞レース。3月のオスカー授賞式で笑うのは誰だ――?『ハート・ロッカー』は日本では3月6日(土)よりTOHOシネマズ みゆき座、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開。全米映画批評家協会賞 主要部門受賞一覧作品賞:『ハート・ロッカー』監督賞:キャスリン・ビグロー(『ハート・ロッカー』)脚本賞:『A SERIOUS MAN』(原題)主演男優賞:ジェレミー・レナー(『ハート・ロッカー』)主演女優賞:ヨランド・モロー(『Seraphine』<原題>)助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ(『イングロリアス・バスターズ』)/ポール・シュナイダー(『Bright Star』<原題>)助演女優賞:モニーク(『プレシャス』)ドキュメンタリー賞:『アニエスの浜辺』外国語映画賞:『夏時間の庭』■関連作品:第67回ゴールデン・グローブ賞 [アワード]第82回アカデミー賞 [アワード]ハート・ロッカー 2010年3月6日よりTOHOシネマズ みゆき座、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved.A SERIOUS MAN (原題)マイレージ、マイライフ 2010年3月20日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて公開© 2009 DW STUDIOS L.L.C and COLD SPRING PICTURES. All Rights Reserved.NINEナイン 2010年3月19日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2008 The Weinstein Company. All rights reserved.イングロリアス・バスターズ 2009年11月20日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVEDプレシャス 2010年GW、全国にて公開アニエスの浜辺 2009年10月10日より岩波ホールほか全国にて順次公開© 2008 Cine Tamaris ? Arte France Cinema夏時間の庭 2009年5月16日より銀座テアトルシネマほかにて公開■関連記事:『タイタニック』越え見えた?『アバター』旋風止まずオスカー候補も奮闘の全米戦線ブラピ再降臨 vs J・デップ!写真でふり返る来日ハリウッドスター2009【後編】J・キャメロン、滝川クリステルとの対面に「ビューティフル!」『アバター』プレミア106か国で大ヒット『アバター』キャメロンが“新旧”ヒロインに込めた思惑とは…シャイア・ラブーフ、ゴールデン・グローブ賞候補の恋人とL.A.をデート
2010年01月05日各国映画祭で高い評価を受ける小林政広監督と名優・仲代達矢がタッグを組んで贈る『春との旅』の完成披露試写会が12月7日(月)に行われた。映画上映前の舞台挨拶に加え、上映後には観客からの質問にも応じる形で会見が開かれ、小林監督に仲代さん、共演の徳永えり、紀伊宗之プロデューサーが出席した。本作は、仲代さん扮する元漁師の祖父と、徳永さん演じる職を失った18歳の孫娘が親族を訪ね歩き北海道、東北と旅する姿を描いたドラマ。9年ぶりの主演映画となった本作への出演について仲代さんは「最初に脚本を送ってくださったんですが、それが素晴らしかったんです。黒澤明監督は助監督時代に、『監督になりたかったらとにかく本(脚本)を書け』と師から言われたそうです。また、僕の友人の岡本喜八は365日、本を書いていたと聞いています。正直、最初は『この素晴らしいシナリオを超える作品になるのか?』という不安もありました。でもロケが終わって作品を観て、小林監督には『監督、本を超えたね!』とまず声をかけました。自分で本を書いて演出をする…私は、小林監督は映画作りの天才だと思います!」とかつて自身が一緒に仕事をした名匠たちを引き合いに出しながら、小林監督に称賛を贈った。仲代さんを始めとする大先輩の俳優陣との共演について徳永さんは「純粋に、すごく贅沢な時間でした。錚々たる共演者のみなさまに甘えて、助けていただいた部分が大きかったです」と充実した表情で語った。小林監督は、映画を作る上で影響を受けた作品や監督を問われ「自分たちの世代は、黒澤映画をハナから嫌って、権威主義という先入観で観ており、“日本映画”ではなく“ヨーロッパ映画”のような作品を撮りたいと思ってました。でも、黒澤さんの映画を観て改めてすごいものだと感動しました。この映画は、『生きる』や『乱』、『どですかでん』(黒澤作品)や『東京物語』(小津安二郎監督作品)、また成瀬(巳喜男)監督作品などを思い浮かべながら撮りました」と明かした。大金を投じて作られたわけでもなく、また決して公開規模が大きくもない本作だが、映画を観終わった観客からは熱い支持の声が寄せられた。紀伊プロデューサーは「近年、ヒット作は全てTV局による作品という状況ですが、この作品はそういった作品ではありません。全国の劇場で働く人間など、人から人へと伝える“地上戦”をこれから展開していきたいと思います」と来年5月の劇場公開に向けての抱負を語り、会場全体に協力を呼びかけた。『春との旅』は2010年5月、全国にて公開。■関連作品:春との旅 2010年5月、全国にて公開© 2010『春との旅』フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクション
2009年12月08日世界中のショートフィルムを集めて上映するブリリア ショートショート シアターでは、12月2日(水)より「クリスマスプログラム」の上映をスタート!「シネマカフェを見た」と言えばドリンクが割引となる特別サービスの実施に加え、12月23日(水・祝)には、「音楽と恋とショートフィルム」と題して、元ピチカートファイヴの野宮真貴、J-WAVEナビゲーターの南美布(みなみ みぶ)をゲストに迎えたトークショーが開催される。「クリスマスプログラム」では、サンタクロースが登場する4作品を上映、世界中のクリスマスをショートフィルムを通して体験できる。注目は『アイ・アム・サム』でショーン・ペンの娘役を演じて世界中の観客の心をわしづかみにし、その後も『宇宙戦争』など話題作に出演、先日公開された『ニュームーン/トワイライト・サーガ』では悪役を演じた天才子役ダコタ・ファニングの主演作『Father XMAS』。1968年、ベトナム戦争のさなかのクリスマスの切ない物語が、6歳の少女の視点で描き出される。23日(水・祝)の「クリスマスプレミアムイベント」では、野宮さんと南さんの恋愛トークが楽しめるのに加え、シアターラウンジでは、サックスとギターのJAZZ演奏も行われる。また、期間限定のクリスマススペシャルカクテル&スイーツも充実!クリスマスカラーの「赤」と「緑」をテーマにしたカクテルが400円、レモン&ベークドマンゴーケーキ、スノーガトーブラウニーなどのスイーツが、お好きなドリンクとセットで500円で楽しめる。さらに、「シネマカフェを見た」と言うと、クリスマス限定のオリジナルカクテル・“ラグジュアリーカクテル”を、1杯通常400円のところ、2名様分を600円でご提供!恋人や友人と訪れてみては?クリスマスプログラムは12月2日(水)から、「クリスマスプレミアムイベント」のチケットは12月5日(土)より発売開始。クリスマスプレミアムイベント日時:12月23日(水・祝)17:30〜19:20価格:前売3,000円/当日3,500円/年間パスポート会員2,500円発売日:12月5日(土) 11:00〜公式サイト:■関連作品:ニュームーン/トワイライト・サーガ 2009年11月28日より全国にて公開© 2009 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.■関連記事:『ニュームーン』前作超えスタート!ネットで大注目のタイの美少女歌姫がメッセージ『ニュームーン』監督が、あるシーンに潜ませた黒澤明へのオマージュ!『ニュームーン』イメージソング歌う加藤ミリヤインタビュー三角関係にドキドキ!【ハリウッドより愛をこめて】ニコールに妊娠の噂、マライアは映画賞レースに名乗りロバート・パティンソンから動画メッセージ到着!女性ファンに大人気の気分は?
2009年12月02日全米を始め、世界中で記録的なヒットとなっている『ニュームーン/トワイライト・サーガ』が11月28日(土)についに日本でも公開を迎え、前作『トワイライト 〜初恋〜』を上回る好調なスタートを切った。映画の公開に際し、本シリーズの大ファンで、“NEXT「Perfume」”との呼び声の高い「Sweet Vacation」のボーカル、Mayが本作の魅力を語ってくれた。myspaceで活動を開始し、Yahoo!を始めネット上で大きな話題を呼び、人気急上昇中のタイ人ボーカリスト・May。ずばり『トワイライト』シリーズの魅力は?「原作は全部読んでて大ファンです。タイでも人気があって、友達に薦められて好きになりました。ストーリーにロマンがあって、アクションがあって、もうやめられない感じになります!」とすっかり“中毒症状”に陥っている様子。ちなみに今回の最新作の感想を尋ねると、返ってきた言葉は「キャー!ジェイコブ(テイラー・ロートナー)大好き〜(笑)」。Mayは運命の相手のエドワード(ロバート・パティンソン)より、幼なじみで温かくベラを見守るジェイコブ派?「とっても温かいし、面白いし、一緒にいたら幸せそうな気がします。第1作を観たときはエドワードがかっこいいと思ったんですが、『ニュームーン』を観たいまは、ジェイコブが好き!」Mayを含め、女の子たちが『トワイライト』に夢中になる理由は?「ヴァンパイアって基本的に“悪者”だと思いますが、この映画ではそれがすごく“いいひと”になって、自分を好きになってくれるところが夢中になる理由かな、と思いますね。女の子はちょっと“悪い”男が好きでしょ?セクシーに見えるんだと思います。後は、ストーリーがとにかくロマンティックなことですね」。では、最後に『トワイライト』を知らない日本の女の子にメッセージを!「えー!何で知らないのー?すごく楽しいのにー(笑)。本当にもうAddict(中毒)になっちゃいそうです。ご飯食べることもお風呂入ることもできなくなるくらい、夢中になりますよ!」全米では、感謝祭(サンクスギビング・デイ)の4連休の週末も興行を延ばし、2週連続1位を獲得した本作。クリスマス、そしてお正月を挟んで日本でもどこまで記録を伸ばすか?全世界興行成績も気になるところ。『ニュームーン/トワイライト・サーガ』は新宿ピカデリーほか全国にて公開中。■関連作品:トワイライト〜初恋〜 2009年4月4日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2008 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.ニュームーン/トワイライト・サーガ 2009年11月28日より全国にて公開© 2009 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.■関連記事:『ニュームーン』監督が、あるシーンに潜ませた黒澤明へのオマージュ!『ニュームーン』イメージソング歌う加藤ミリヤインタビュー三角関係にドキドキ!【ハリウッドより愛をこめて】ニコールに妊娠の噂、マライアは映画賞レースに名乗りロバート・パティンソンから動画メッセージ到着!女性ファンに大人気の気分は?ロバート・パティンソン、新作でユマ・サーマンら、大人の女優たちと共演
2009年11月30日言わずと知れたロバート・パティンソンにクリステン・スチュワート、人気急上昇中のテイラー・ロートナー、さらにはダコタ・ファニングと若き才能が結集し、全世界で社会現象とも言える熱狂を巻き起こしている人気シリーズの最新作『ニュームーン/トワイライト・サーガ』。タクトを振り、あふれんばかりの才能を一つのチームとしてまとめ上げたのは『ライラの冒険黄金の羅針盤』の監督を務めたクリス・ワイツ。作品、そして俳優陣について監督自らが口を開いた。シリーズ1作目の『トワイライト〜初恋〜』の監督はキャサリン・ハードウィック。女性的な感性が支持を集め、映画は全世界で大ヒットを記録。この大ヒット作を続編という形で引き継ぐことにプレッシャーはなかったのだろうか?「実は精神的にはかなり楽で、プレッシャーはなかったよ。だって、大ヒット作の続編だから、原作ファンも映画のファンも確実に観に来てくれるでしょう?たとえ、あんまりいい映画じゃなくても(笑)!まあ、それはともかく優位なスタートポイントにいることは間違いなかったからプレッシャーは感じなかった。むしろ、精神的にではなく肉体的にきつかったよ。1作目との間隔はすごく短いし、製作期間は全てひっくるめて10か月。この短い期間で、特撮も工夫したし、サントラだってトム・ヨーク(レディオヘッド)やザ・キラーズといったすごいメンバーを集めた。そういう意味で相当ハードだったね」。キャスト陣に対して、それぞれの役柄について、前作からの“変化”を求めた部分はあったのだろうか?「いや、僕が言うまでもなく彼らは自分たちで、役柄の変化を掴んでいたよ。ロバートもクリステンもテイラーも才能が豊かな上に、非常に頭のいい俳優だからね。その上で、僕は“ゼロ”から始めることを望んだ。つまりどういうことかと言うと、往々にしてこういうSF的な映画では、特撮の中に登場人物がいるので、特撮に任せっきりになって役作りが必要ないことのように思われがちだ。でも、そうではなく、あくまでもごく普通の人間の役として彼らにキャラクターに向き合ってもらい、アプローチしてもらったんだ。あとは、演出する人間としてやったことと言えば、俳優が自由に演じられる雰囲気を作ることぐらいだよ」。前述の監督自身の言葉にもあったが、本作は色彩やサウンドトラックといった部分も非常に印象的な作品に仕上がっている。「そう、色彩は一番気にした部分だね。クライマックス近く、イタリアでのシーンで赤いマントを着た人々が登場するけど、このシーンまでなるべく赤を使わないようにしたんだ。ちなみにこの町に敷きつめられているレンガも全て赤みがかってるんだ。ハイショットで撮った場面で、赤い色彩が余計強く感じられるようになってるのさ。それから、アメリカでのシーンは、グリーンやブラウンを主体に、そしてイタリアのシーンでは金色や赤といったイタリアの強い太陽の光を意識した色彩になってる。さらにラストシーンでは、全く新しい、もっと広がりのある世界に踏み込む、ということを印象付けられるように工夫しているよ」。自らが施した様々な工夫について、いたずらっ子のような笑みを浮かべて自慢げに語る監督。さらに、日本の映画ファンには嬉しいこんなオマージュも!「僕はかねがね、日本のフィルムメイカーは世界でも最高峰にいると思っていた。特に黒澤明の群集の使い方は素晴らしい。群集を使ってシーンの感情を表すんだ。『野良犬』という映画では群集が一瞬、主人公を一斉に見るシーンがあるけど、僕にはそれがすごく印象に残っていた。だから今回、それを真似して群集が一瞬、ベラ(=クリステン)を見るシーンを入れたんだ。クロサワの足下にも及ばないけれど、僕なりのオマージュさ!」どんなシーンなのかは観てのお楽しみ。色彩や音、そして人々の動きにまで注意して映画をお楽しみあれ!■関連作品:トワイライト〜初恋〜 2009年4月4日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2008 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.ニュームーン/トワイライト・サーガ 2009年11月28日より全国にて公開© 2009 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.■関連記事:『ニュームーン』イメージソング歌う加藤ミリヤインタビュー三角関係にドキドキ!【ハリウッドより愛をこめて】ニコールに妊娠の噂、マライアは映画賞レースに名乗りロバート・パティンソンから動画メッセージ到着!女性ファンに大人気の気分は?ロバート・パティンソン、新作でユマ・サーマンら、大人の女優たちと共演『ニュームーン』2位に4倍の記録ずくめのメガヒットスタート全米興収3億ドル視野
2009年11月28日最新主演作『イングロリアス・バスターズ』を携えて来日したブラッド・ピットがクエンティン・タランティーノ監督、共演のメラニー・ロラン、ジュリー・ドレフュスと共に11月4日(水)、記者会見に臨んだ。今年の1月末以来、約9か月ぶりの来日となるブラッドはご機嫌!「ハロ〜!またここ日本に、しかもタランティーノ監督作品を携えて来ることが出来て嬉しい。この映画、日本のファンに気に入ってもらえる作品になってると思うよ」と笑顔で語った。タランティーノ監督が10年前から構想を温めてきたという本作について、ブラッドは「タランティーノが第二次大戦の映画を作ろうとしている、といううわさを僕が聞いたのは8年ほど前のこと。ハリウッドではこのうわさは、半ば神話化してたんだ。その話が僕のところに来るなんて思ってもいなかったし、実際オファーが来たときは嬉しかったよ。僕の役は、いわばタランティーノが自身のために書いた役。それを彼が僕に譲ってくれたんだ。だから、シナリオをなるべく変えずに演技を作っていった。話が来て6週間ですぐにクランクインというのも初めての経験だった」とふり返った。タランティーノ監督はそんなブラッドの起用について「決してあて書きしたわけじゃないんだけど、いざ脚本が完成し、俳優について考えたらすぐにブラッドの顔が浮かんだんだ。と同時にほかの選択肢は一切浮かんでこなかった。でも、ブラッドは地球上で最高の映画スターなわけで(※ブラッドは首を横に振りながら苦笑交じり)、『もし断られたら?』という不安が頭をよぎったよ。実際、そうなってたら大変なことになってたね。監督と俳優の間に特別な絆が生まれるというのはとってもワクワクすることだよ、クロサワ(=黒澤明)とミフネ(三船敏郎)のようにね。ウマが合うってのは興奮することだよ」と相性バッチリのブラッドとの関係を明かした。タランティーノのべた褒めはさらに続く。「こんなこと言うのは恥ずかしいけど…」という前置きに、ブラッドからはすかさず「じゃあ言うなよ!」とツッコミが。そしてタランティーノが「ブラッドのキャリアの中でも最高の時期――全ての要素がパーフェクトと言える時期――にこうやって一緒に出来たことが特別だよ」と最大限の賛辞で称えた。フランスから本作に参加したメラニーは「英語がそんなに話せない私にとっては、ハリウッドは決して夢の舞台じゃなかったんです。でも、タランティーノ作品に出るのは夢でした。(5月の)カンヌ国際映画祭の直前に完成して、カンヌでみんなと再会して、今度は日本でこうしてみんなと一緒にいられる…楽しい夢がずっと続いているような気分です」と満面の笑みで語った。もう一人の共演者、ジュリーは日本で長く活動していることもあり日本語はペラペラ。「『キル・ビル』で監督とご一緒させていただき、その経験が素晴らしすぎて…。1年前に監督から電話で『脚本を送るので、よろしければまた出てください』と言われたとき『何でもやります!』って答えました。でも監督は『新たなチャレンジ(の部分が)が入っているので、まず脚本を読んでみてください』と。これで私も、“タランティーノ・ファミリー”に入っているような感じがして、ラッキー!っていう気持ちです」と明るく語った。スターの宿命と言うべきか、ブラッドには「映画について家族(=アンジェリーナ・ジョリー)は何て言ってる?」、「来日中の予定は?」といった質問も。でもブラッドは上機嫌!嫌な顔せず「まあ、この映画はあまり家庭的な映画じゃないよね、(英語の)アクセントも含めて…(笑)。僕にとっては慣れ親しんだ、アパラチア山脈の近くのアクセントで楽しかったんだけどね。来日中の予定は…ここでは言えないよ!みんな付いてきちゃうから」と終始笑顔で答えた。さらに、先頃報じられたバイク事故についても「事故を起こしてしまったよ…。ケガはなかったけど、僕の自尊心だけが傷ついたね(苦笑)。パパラッチから逃げようと思ってたのに、倒れたことで格好のネタを提供することになってしまったんだ」と冗談交じりに説明してくれた。本作の日本公開に関しては、映画を観始めて1時間以内であれば、つまらないと思ったらチケット代の返金に応じるという強気のキャンペーンが実施されるが、これについて監督は「『ぜひやってやろうじゃないか!おれの作品を60分だけ観て映画館から出て行くって?』という気持ちです。そんな人は勝手にすればいいし、残った者だけで楽しくやらせてもらうよ」とここでも強気の態度を隠さず。『イングロリアス・バスターズ』は11月20日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開。■関連作品:イングロリアス・バスターズ 2009年11月20日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED■関連記事:ブラピ&タランティーノが成田到着で一時騒然!アンジー&子供たちはお留守番?ブラピ主演『イングロリアス・バスターズ』劇場鑑賞券を5組10名様にプレゼントハリウッド映画祭最終日に、各賞授賞のガラ・セレモニー開催でスターが勢ぞろいブラピがロサンゼルスでバイク走行中に転倒するも、ケガはなしブラピ&タランティーノ最強タッグ来日決定!アンジーとのツーショットは?
2009年11月04日いま、時代劇映画のヒーローに熱い視線が注がれている。日本映画界を牽引する若手実力派、松山ケンイチと小栗旬がそれぞれ主演を張る『カムイ外伝』と『TAJOMARU』だ。伝説のコミックと言われる白土三平の漫画が原作の『カムイ外伝』は、忍者の掟を破り組織から追われる抜け忍の“カムイ”が、追忍に執拗に追われながらもたった独りで生き抜く姿を描いたアクション・エンターテイメント。「カムイ役はこの男しかいない」という崔洋一監督のラブ・コールに、松山ケンイチは「日本人に生まれたからにはできるだけ時代劇に出たい」と応え、初めて激しいアクションに挑んだ。日本の忍者の存在は世界中でも広く知られ、数多くの漫画、アニメ、実写で描かれてきたキャラクターではあるが、この『カムイ外伝』がこれまで描かれてきた忍者と一線を画するのは、リアルな忍者であること。人並み外れた身体能力や必殺技を持っているものの、リアルさからかけ離れていないからこその面白さがある。それを成し得たのは『血と骨』や『クイール』で知られる崔監督の演出と宮藤官九郎による脚本の力も大きい。ただ、ドラマティックなストーリーを期待して間違いないこの2人がタッグを組んでいるだけに、VFX(視覚効果)があと一歩という欠点が浮き彫りに…。が、そこは大目に見て、非の打ち所のない松山ケンイチの忍者を堪能してほしい。生きることとは何かを深く追求した『カムイ外伝』に対して、『TAJOMARU』は愛のためにすべてを懸けた男の物語だ。『クローズ ZERO』で男も惚れる男としてその存在感を焼き付けた小栗旬が、今回は愛する女性のために地位も名誉も名前も捨て命を懸ける男・多襄丸を熱く演じている。多襄丸とは黒澤明監督作『羅生門』の原作として知られる芥川龍之介の短編小説「藪の中」に登場する人物で、本作は多襄丸を主役に据えた完全オリジナル・ストーリーとなっている。何不自由ない家柄に生まれた男が大盗賊・多襄丸として生きることを選ぶのだが、その背景には、血肉を分けた兄、弟のようにかわいがってきた家臣、そして心底愛した女性の裏切りがあった…。その不幸度とどんでん返しは上質なメロドラマといったところ。というわけで、小栗旬は泣いて泣いて泣きまくり!自他共に認める役者馬鹿ゆえに、感情高ぶる泣きのシーンごとに女性は多4.丸に惚れること必至。また、監督が中野裕之という点では、映像美やロック感も見どころだ。男性的にはもう少しアクション・シーンがあった方が…という懸念がなきにしもあらずだが、最終的に小栗旬の名演技にノックアウトされるので安心を。自由を求めた男・カムイと、愛を求めた男・多襄丸。あなたが今求めているヒーローはどっち?(text:Rie Shintani)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会TAJOMARU 2009年9月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2009「TAJOMARU」製作委員会■関連記事:松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖『TAJOMARU』小栗旬「女の人の気持ち?一生わかんないと思うな…(笑)」「何があってもおれがお前を幸せにする!」小栗旬『TAJOMARU』本編映像が到着ショーケン、東大で復活の怪気炎!“東大特別講師”小栗旬が考えるリーダー像とは?ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!
2009年09月11日黒澤明の名作『羅生門』の原作小説として知られる、芥川龍之介の短編「藪の中」の登場人物の一人、盗賊の多襄丸を主人公に据え、大胆に脚色し映画化した『TAJOMARU』。本作のスタッフおよびキャスト陣が9月3日(木)、東京大学で開かれたコンテンツビジネス産業についての公開講座に登場!小栗旬、柴本幸、田中圭、やべきょうすけ、萩原健一らが“講師”として聴講生たちからの質問に答えた。東大安田講堂の壇上に上がった小栗さんは「参りましたね(苦笑)。高校すらまともに行ってなかったのに、こんなところに来ていいんですかね…」とやや困惑気味。ほかの共演者も緊張した様子を見せていたが、萩原さんは、かつて学生運動で激しい闘争が繰り広げられた安田講堂に「昔を思い出します。蜷川幸雄さんと一緒に学生たちにエールを贈ったものです」と感慨深げな表情を見せた。映画や撮影の様子について、聴講生たちからは様々な質問が投げかけられたが、東大らしく(?)、中には「先日、総選挙が行われましたが、小栗さんが考えるリーダーの条件とは?」という質問も。小栗さんは「難しいなぁ…」と悩みつつ、自らが舞台公演で座長を務めた際の経験を踏まえながら「僕自身は、弱味を見せないようにしています。現場の作り方はいろいろですが、みんなでひとつのおもちゃ箱を作ろうとするようなもの。辛いときに笑っていられる環境づくりを心がけています」と答えた。田中さんは今回の作品について「俳優を9年やらせていただいて、こんなに辛かったことも、完成が嬉しかったことも初めて。時代劇も初めての経験で、初めてづくしでした。(撮影中の)夜の宴会も辛かったです(苦笑)」とふり返った。やべさんは「(自身が演じる)盗賊の場面は、ホンワカとしていて重くないところ。ギャップを出そうと楽しんでやりました」と笑顔で語った。萩原さんは寄せられる質問ひとつひとつに、ユーモアたっぷりに回答。脚本の完成の遅れ(撮影開始の3日前に完成!)について尋ねられると「びっくりしましたが、監督やプロデューサーの息がピッタリと合っており、素直に受け入れることができましたね。それを欠いて起こったのが私の“事件”だったわけです」。さらに、女性の好みや、現代社会における“草食系男子”の増殖についての質問には「女性遍歴が多すぎてわかんないですね(笑)。いまの社会は男性のフィーリングも変化し、“色気”よりも“色香”を振りまく時代、ギラギラではなくインテリジェンスの時代になっているのではないでしょうか。日本人の品のよさ、ふくよかさが戻ってきているように思います」とコメント。因みに劇中、田中さんと共に同性愛を思わせるような妖艶なやり取りを見せているが「私はゲイではありませんよ。もっと濃厚なシーンがあったんですがカットされています」と語り、会場を沸かせた。柴本さんは自らの出演シーンについて「明るいシーンがほとんどなくて、緊張を緩めることができない状況でした。今回は特に、役に入り込みましたが、(感情の)振れ幅が大きくてハードでした」と苦労を明かした。小栗さんはそんな柴本さんの熱演について「“なりふり構わない”って言葉は幸ちゃんのためにあると思います」と大絶賛。最後に作品について「明日への活力になれば」とアピールし大きな拍手を浴びた。『TAJOMARU』は9月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。■関連作品:TAJOMARU 2009年9月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2009「TAJOMARU」製作委員会■関連記事:小栗旬主演の最新作!『TAJOMARU』試写会に50組100名様をご招待最も浴衣が似合うと思う俳優は?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼント気合いの(?)坊主頭・小栗旬、先輩風を吹かせて田中圭をぶった斬る?
2009年09月05日黒澤明の不朽の名作『羅生門』の原作としても知られる芥川龍之介の「藪の中」の登場人物の一人、伝説的な大盗賊・多襄丸を新解釈で描ききる『TAJOMARU』。9月に公開を控えた本作がついに完成を迎え、7月5日(日)、監督を務めた中野裕之、主演の小栗旬に柴本幸、田中圭、やべきょうすけ、松方弘樹、山本又一朗プロデューサーと、主だったメンバーを揃えての完成報告会見が行われた。来る七夕に因んで、この日キャスト陣は全員浴衣姿で登場、会場は立ち見が出るほどの超満員に。短髪姿をお披露目した小栗さんは、早速髪型について指摘されると「坊主はTAJOMARUの気合いでやったと言えと言われましたが、実はそういう訳ではないんですよね」と笑って説明。多襄丸(直光)は、名門の生まれながら、地位も名前も捨て、盗賊として生きていくが、小栗さんは「何で生き続けていくんだろうということを考えながら演じました。失ってまで生きてもがいていく…いまの自分たちには想像できないことですよね。演じるのが難しかったというよりは、刺激的でした」と役への思い入れを語った。また、本作の見どころとなる刀での立ち回りシーンの感想を尋ねると、「松方さんのスピードについていくのがやっとでした。松方さんとご一緒したその日一日で成長できた気がします。また、圭くんは直接の後輩なので、遠慮なく出来ました(笑)」といたずらな笑みを浮かべた。これに対し、直光への謀反を企む桜丸役の田中さんは、役とは裏腹に「旬くんは目標の人なので、委縮してなかなか自分の思い通りに出来ず苦しかったです」と悩んだ様子。だが、「夜、お酒を飲んで酔っ払っていたときに、旬くんが『芝居のときもいまみたいにかかってこいよ』と言ってくれ、ラストは先輩ということを忘れて桜丸として直光にかかっていけました」と役になりきるまでを明かした。直光に多襄丸の座を授ける旧・多襄丸役の松方さんは、撮影の様子を聞かれ、「みんな本当によく飲んでました。圭くんなんて酔っ払っているとこしか見てないです」とコメント。小栗さんに対しては「不良性感度が豊かで、手足も長く、顔も小さく、本当にうらやましい限りです」と半ば、うらやましそうに称賛の嵐。とにかくよくお酒を飲んでいた現場だそうだが、その原因はこの人にあり?「盗賊のイメージを仲間と話し合い、『盗賊は飲むんじゃね?』ということで、自分は酒が強い方ではないのですが、がんばりました。『昼は盗賊、夜、宴会』という台詞は自然と生まれました」と話すのは、盗賊のリーダー・道兼役のやべさん。小栗さんとは『クローズ ZERO』に続く共演となったが、「頭としての演技を見せてくれて、俺たちを引っぱってくれました」と厚い信頼を寄せた。柴本さんは、時代に翻弄されるヒロイン・阿古を演じたが、「ひとつひとつ理解しようとするのは難しく、メンタル面でもハードな役柄だったので、現場に入ってみんなに助けてもらいました」と撮影をふり返った。また、撮影中によく涙を流したという中野監督は、「沼で多襄丸が刀を抜くシーンはすごい大切なシーンだったので、うまくいって泣きました」とのこと。「この映画は役者力でできた映画なので、拍手をお願いできますか?」と観客に呼びかけると、盛大な拍手が返ってきた。そして最後に、一同、短冊にしたためた願い事を披露。それぞれが映画をヒットを願う中、田中さんは「人を切らなくてものし上がれますように(笑)」とのこと。そして小栗さんからは「もっと自由になれますように。僕たちの時代の自由って、何でも手に入っていろいろ出来てと一見、自由そうですが、精神的には自由じゃない気がするので、そういう意味を込めて」と作品に通ずるメッセージを贈った。『TAJOMARU』は9月、全国にて公開。■関連作品:TAJOMARU 2009年9月、全国にて公開© 2009「TAJOMARU」製作委員会
2009年07月06日