(Photo:cinemacafe.net)
勝手なお話で恐縮ですが、9月は私にとってヨーロッパ月間です。1週間フランス出張にでかけ、間髪あけずにオーストリア・ドイツ・チェコ巡りのちょっと遅い夏季休暇を2週間。そんなわけで、頭の中もすっかり欧州風。コラムも、この秋に気になるヨーロッパ映画を特集することにしました。といっても、並べてみたら全部がフランス作品に。さすがは文化・芸術の国ですね。
まずは、『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督最新作『ミックマック』。タイトルになっているのは、“いたずら”という意味を持つ言葉。
主人公は、父を戦争で亡くし、自分はある発砲事件で被弾し、頭に流れ弾が残ったままになってしまったビデオ・レンタルショップの店員・バジル。怪我をきっかけに全てを失ってしまった彼が出会うのが、廃品を回収してはユニークなモノに改造していく創造性豊かな人々です。そんな暮らしの中で、バジルはふとしたことからある目的を見出すのですが…。その目的を達成するために繰り出されるのが愉快ないたずらの数々というわけです。平和を願うピュアな心と、『アメリ』で見せた遊びゴゴロがたくさん詰まったこの作品。