トリコ・コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARCONS)が16-17AWコレクションを発表した。
2016年04月06日ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)の16-17AWコレクションが3月17日恵比寿ガーデンホールで行われた。鱗文と七宝文などの幾何文様に白をベースに瑠璃色と唐茶色のジャカードニット。あるいはジオメタリック柄をコバルトブルーとシナモンカラーで組み合わせたジャカードニット。いずれも同じ対象物ながら表現が変われば、見えてくるイメージが変わる。メゾン創設は1964年と言うから世界的に見てもランウェイ形式でのコレクションを自らの名前のもと、現役で発表し続けるデザイナーとしてはギネス級だ。そのヒロココシノの原点とも言える東洋と西洋の融合が、この数シーズン以上に際立った今シーズンのコレクション。海外の老舗ブランドが次々にアーカイブを紐解くコレクションを展開するなかで、自らのアーカイブを自らが進化させるエネルギーは衰えを知らない。幾重にも重ねた贅沢な用尺は言うに及ばず、染色、プリント、ジャカード、刺繍など日本の伝統技術を最新の技法でエッジを際立たせ、まさにジャパンラグジュアリーのオンパレード。カラーパレット、柄、素材など、すべてが今回のテーマの「混沌」に表現されるべく、無秩序に溢れさせたかのようないたずらは、すべてのルックをスリッポンスニーカーでまとめているというのが、ブランドをエイジングさせないヒロココシノらしい時代観だ。Text: 野田達哉
2016年04月06日3月3日、アレクシィ・マーシャルとアドリアン・カイヨドーによるカルヴェン(CARVEN)は、パリ・チュイルリー公園内の特設テントを舞台に16-17AWコレクションのショーを開催した。“ヒマラヤをバイクで旅したパリジェンヌがパリに戻ってきたら”という架空のストーリーをコレクションのインスピレーションとし、山々で拾った鉱石、そこで目にした地層、70年代と90年代に隆盛したスピリチュアルブームなどをモチーフにしている。鉱石やパールのパーツを刺繍したシャツやスカート、地層をイメージさせるプリーツスカートやトップス、手と山と鉱石をモチーフにしたプリントのスウェットなど、テーマに沿ったアイテムが登場。またヒマラヤの人々の装いを想起させる、キモノ身頃のファーをあしらったドレスも見られた。カラーパレットも仏教僧の袈裟を思わせるマスタードや、民族衣装に使用される赤やパープルなどを使用。綿入りのブルゾンやバイカーズジャケットなどのユーティリティウェアもミックス。鉱石をイメージしてレースをパッチワークしたトップスやドレス、鉱石パーツを縫いつけたラメのスカートとニットプル、鉱石プリントにレース刺繍を施したスカートとスパンコールトップなど、鉱石をモチーフにするだけでアイテムがアーティスティックな印象になるから不思議だ。
2016年04月04日エディ・スリマンによるサンローラン(Saint Laurent)は3月7日、パリのユニヴェルシテ通り24番地にオープンした新しいクチュールサロンを会場に、16-17AWウィメンズコレクションのエクスクルーシブなショーを開催した。エディ・スリマン監修の元、3年かけて改装された一軒屋は、フランス国王ルイ14世の建築監督だったトマ・ゴベールが1687年に完成させた建造物。ホテル・セネクテレと名付けられており、1991年には歴史的建造物指定されている。1・2階はホールとなり、3・4階にはドレスを担当する「フルー」とテーラリングの「タイユール」と2つのアトリエを構える。このサロンの特徴は、誰しもが注文できるわけではなく、エディ・スリマンが選んだ者しかクチュール作品を手にすることができないところである。コレクションは、イヴ・サン=ローランのアーカイブからの引用で構成されるも、エディ・スリマンによってモダンにバージョンアップされている。ほとんどをミニ丈で統一し、ベアショルダー、ワンショルダーなど露出の高いカクテルドレスが中心。スパンコールやビーズを刺繍したミニドレス、極端に大きなラフルを飾ったものや、高く盛り上げた肩のファーコートなど、印象的なルックの連続。最後はハートシェイプのファーコートが登場。これは、生前のイヴ・サン=ローランが、最もお気に入りのルックにハートのペンダントのネックレスをコーディネートしていたことにちなんでいる。動画引用元: (サンローランフィシャルYouTube:
2016年04月02日阿部千登勢によるサカイ(sacai)は、パリにあるシャイヨー宮のボールルームを会場に16-17AWコレクションショーを開催した。ミリタリージャケットやバイカーズジャケットなど、スポーティーなユーティリティーウェアを再解釈。2016プレスプリングよりグラフィックを使用してきたパラダイス・ガラージにおけるガラージ・クラシックでもある、ホイットニー・ヒューストンのマイナーヒット曲『Love will save the day』より引用し、カリグラフィで表現した文字を様々なアイテムに散りばめている。コート類は、袖の中にサテンの袖が取り付けられている二重袖のものが多く見られ、ファーを組み合わせたり、ボンテージストラップが装飾としてあしらわれている。カリグラフィをグラフィカルにアレンジしたジャカード素材のルックも登場。レザーのジャケットや刺繍のシースルートップスには“Love will save the day”のカリグラフィが踊り、レースリボンを組み合わせたシースルードレスも、リボン部分を見ると“Love will save the day”の文字。エンブレム・ワッペンのイメージで刺繍を施したシースルードレスにも、“Love will save the day”の文字が入る。「愛が必ず救ってくれるはず」というピースフルなメッセージをそれとなく伝えようとしていたのかもしれないが、コレクションはエッジーで、優しさの中に強さを兼ね備えたものとなっていた。
2016年04月01日クリエイティブ・ディレクター、マッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)によるエミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)が、2月25日23時(現地時間25日15時)よりミラノで16-17AWコレクションを発表した。スポーツへの情熱、速さ、ダイナミズムをキーワードにした今シーズンは、都会的なスピード感のあるジオメトリックプリントや、写真家スリム・アーロンズが写し出す当時のジェットセットスタイルが代表的ルックに現れている。
2016年03月31日ウェスティン パリのバンケットルームを会場に16-17AWウィメンズコレクションショーを行った、高橋盾によるアンダーカバー(UNDERCOVER)。コレクションタイトルはアーティスト、ルー・リード作曲からの引用で「Perfect day」。会場では藤原ヒロシによるダブ処理されたバージョンの『Perfect day』が流れた。アンダーカバーらしい、童話のような不思議なストーリーを感じさせるコレクション。出演したモデル達の年齢も幅広く、90年代に活躍したモデルや年配モデルも登場。女性のポートレートをコラージュしたシュールなプリントのシャツには、ドイツのぬいぐるみメーカー、シュタイフによるモヘア地を使用したパンツがコーディネートされる。このモヘア地は、シューズやバッグなどにもあしらわれ、独特の光沢感とボリューム感を放っていた。ピンストライプやグレンチェック、ヘリンボンなどのメンズファブリックを使用したコートやジャケット、ニットとモヘアの異素材ミックスしたカーディガンなど、オーセンティックなアイテムは解体・再構築され、既存のものとは全く違うシュールな表情を見せる。美空ひばりの『虹の彼方に』がかかると、ゴールドビスチェが取り付けられたドロップショルダーのドレス、ゴールドの羽根をあしらったドレスなど、3体の夜会服が登場して感動的なフィナーレを迎えた。
2016年03月31日ヨシオクボ(yoshiokubo)が16-17AWコレクションを3月17日、メルセデス・ベンツファッション・ウィーク東京で発表した。 アクセサリーブランド「HEAVY & Co. blacksmith」とコラボレーションし、アクセサリーを主役にしたスタイルを披露。腕に重ねづけしたバングルが、ワイルドな力強さとメンズならではのエレガンスを物語る。もう一つの主役が、カラフルなトライバル柄のジャカード生地。MA-1やスウェットなどのアイテムが象徴するストリート、ミリタリー、スポーツといった、東京の「今」を伝えるスタイルを、大胆に彩りながら存在感たっぷりに仕上げた。 ナイロンコートは解体してポンチョに融合。テーラードジャケットは、片方の見頃をジャカード生地で切り替え、スウェットにはネオンカラーのジャカード生地をあしらった。長いフリンジ状に引き裂かれた生地が、スタイルに軽快な動きを加える。 岩モチーフのプリントや、ペンキを散らしたようなプリント、荒野を思わせるシックなストライプがレイヤードスタイルに、大人の遊び心と深みをプラス。パンツはスリムなクロップドタイプとゆったりとしたフルレングスタイプ、スウェットパンツ、ショートパンツがメイン。スニーカーのかかとにはメタリックなディテールがあしらわれ、ショートパンツの下は「HEAVY & Co. blacksmith」のロゴが入ったハイソックスを合わせた。 リアルでありながら、着る人の個性もしっかりと印象づける、そんなヨシオクボのスタイルに、この秋冬も注目したい。
2016年03月30日ジュリアン・デイヴィッド(JULIEN DAVID)は、パレ・ドゥ・トーキョーを会場に、16-17AWコレクションのショーを行った。日本の劇画の台詞が流れてショーがスタート。ファーストルックは、ホワイトシャツとショーツをまとい、永井豪原作の漫画『UFOロボ グレンダイザー』のお面を後ろに回して装着したモデル。ジュリアン・デイヴィッドは、幼少期にグレンダイザーを観て育ったという。ボンディングデニムの3Dスカートや、ドロップショルダーのボンディングGジャンなど、多くに張りのある素材をあしらい、どことなくロボットのような硬さを感じさせるのが興味深い。ブラックやシルバーメタリックのビニールボンディング素材や、ボルドーのデニムボンディング素材をあしらった、3DスカートやGジャンのバリエーションも登場。ベーシックなフォルムの中に、ギャザーを寄せたり、ラフルを挟み込むなどして細かなアクセントを加えている。グレンダイザーをプリントしたフロックコートやブルゾンは、それぞれがドロップショルダーでオーバーサイズ仕立て。グレンダイザーをプリントしたドロップショルダーのスウェットや、インターシャニットプルも見られ、ジュリアン・デイヴィッドのグレンダイザーへの強い思い入れが感じ取れた。
2016年03月29日まとふ(matohu)が3月16日、ラフォーレミュージアム六本木を会場に16-17AWコレクションを発表した。スモークが焚かれた会場の中、暗闇からひっそりとモデルが現れショーは静かにスタートした。今シーズンのテーマは「おぼろ」。おぼろ月、霞、水墨画や夢幻能など古来より日本人に親しみ深い曖昧で儚いものを例に挙げ、日本人の根底にある美意識に着目をした。さらりと羽織れる長着やジャケット、ジレ、ストール、流れるように揺れる繊細なプリーツスカート、空気を孕みゆとりを十分に保った八分丈パンツなど、秋冬らしからぬ軽やかな見た目のウエアを纏い、目元まで深くハットを被ったモデル達は儚くもミステリアスな雰囲気。カラーパレットは、落ち着きのあるサンドやオフホワイト、ミモザ、ブルーグレー、サーモンピンクなどがベースとなり、スタイリングや素材加工によるグラデーションの遊びが加えられた。特に、今回のコレクションで実験的取り組みだったという素材加工では、敢えて不規則なストライプになるように歪ませたニードルパンチや、ろうけつ染作家の中井由希子に依頼し、奈良墨「古梅園」の紫墨や青墨を使って刷毛で柄を描いた素材などユニークなアイデアが提示された。その他にも、デザイナー堀畑裕之が描いた水彩画を機械へプログラミングし、9本の横糸で色彩を表現したオリジナルテキスタイルは、まるで水彩絵の具のように繊細に色が溶け合って「おぼろ」の美しさを体現するものとなった。終盤になるにつれて、ブラックや濃いブルー、パープル、カーキなど朝霧から夜霧へと移り変わる情景が目に浮かぶように深いカラーリングへと変化。一方、ぼんやりと曖昧な雰囲気の中、おぼろ月のように時折きらりと光るアクセントとなるのが大振りのボタンとブローチ。これは、今回の為にオリジナルで岩手のデザインユニット・コシェルドゥ(coshell 2)に製作を依頼したもので、原料には漆、銀、紙が用いられている。ラストで披露された、夜霧の情景に朝陽がのぼるような鮮やかなオレンジのルックが印象的だった。
2016年03月28日ジュンアシダ(jun ashida)は、3月29日14時30分より行う16-17AWコレクションショーをライブストリーミング配信する。会場はグランドハイアット東京。今回は、様々なシーンを彩るタウンから、レーススパンコールが輝きを添えるカクテル イヴニングドレスまでジュンアシダらしい立体的なディテールやカッティングが際立つ新作約60点が発表される。今シーズンは、荒野に吹く風のように力強くクールで透明感のあるコレクションを全60スタイルで提案する。コレクションの様子はオフィシャルサイト(www.jun-ashida.co.jp)他、USTREAM(www.ustream.tv/channel/jun-ashida)でも同時配信される予定。※会場の都合によって遅れる場合有り。
2016年03月28日サポートサーフェス(support surface)は3月17日、表参道ヒルズ・スペース オーにて16-17AWコレクションを発表した。「本質の追求の為、原点を見つめ直す」をテーマに掲げ、デザイナー研壁宣男は、本来洋服が持つべき本質に着目。過剰なデザインを施すことではなく、必要最小限のデザインに上質な素材を採用し、着心地の良さを追求したコレクションとなった。カラーパレットは、ボルドーやベージュ、グレー、モスグリーンなどを基調に構成された。今シーズン多く登場したのが、落ち感とハリ感が同居したベルベットのような新素材と、上質なフェイクレザー。ラグランスリーブで肩を包み込むようなデザインを配し、ボリュームある袖口、生地をねじり美しいドレープ使いでアシンメトリーに仕上げるなど、随所に女性らしい表情を作り上げた。全体的に、細長さを意識したというシルエットに、同素材や異素材の切り替えしで表情を見せ、立体的なパターンで丸みを描いた。また、アウターやワンピースにはバックスタイルに重心をおいたデザインが多く登場し、シンプルな中に研壁の豊かなデザイン性が発揮された。その一方で、終盤に連れ新たな表情を見せたのが、ジャガード織の大柄な千鳥格子や花柄、繊細なレース素材にフェザーの刺繍を施したウェア。これらのアイテムが初盤の素材にコーディネートされ、全体のコレクションピースに彩りを添えた。“日常に着られる服”を基盤に、衣装にならない程良い華麗さを持ち合わせた今シーズン。原点に帰化し、袖を通すことによる価値を再解釈させるコレクションとなった。
2016年03月27日ジョン・ガリアーノ(John Galliano)によるメゾン マルジェラ(Maison Margiela)16-17AWコレクションは、ガリアーノの機知に富んだアイデアが見事に反映される内容となった。オーセンティック、ローコア(row core)、ヒューマン・グリッジ(不協和音・不和)の3つのキーワードを掲げて、トレンチやポロシャツなど、オーセンティックでノームコアなアイテムにひねりを加え、相反するものを1つのアイテムに同居させるという、遊び心を感じさせるアイテムで構成。ローコアはノームコアに連なる言葉として捉え、誰しもが心の中に抱えるエキセントリックな側面を表に出す、という意味合いを持たせたという。新キャラクター、マルジェレット・マウスのプリントをパッチワークしたトレンチや、チュールのラフルが飛び出したミリタリージャケット、ファーとレースを袖に配したカーキのジャケットなど、内面に抱える強さを表面化させたエキセントリックなアイテムばかり。リュレックス素材のポロシャツには、先述のマルジェレット・マウスプリントのファブリックをバイアスにパッチワーク。至極普通のアイテムを普通ではないものに仕上げる。そうして見る者を圧倒し、自らの世界に迷い込ませる手練手管はガリアーノならではだ。
2016年03月25日パリのギャラリー・ペロタン(Galerie Perrotin)を会場に、プレゼンテーション形式で16-17AWコレクションを発表したオランピア ル タン(OLYMPIA LE-TAN)。エマニュエル・ペロタンはヨーロッパで初めて村上隆を紹介したギャラリストで、招待状にはオランピアの父親ピエール・ル・タンによるマネ作の『オランピア』に村上隆のキャラクターを添えたイラストが描かれていた。シャツドレスやペインター風のオーバーオール、ヴィンテージ風のツイードのコートやコーデュロイのスーツなど、ベーシックでオーセンティックなアイテムに、絵の具のチューブモチーフの刺繍やデイヴィッド・ホックニー、パブロ・ピカソなどのアーティスト作品のプリントアイテムが合わせられる。そして、ジョルジョ・デ・キリコやサンドロ・ボッティチェッリの作品を刺繍したクラッチバッグや、飛び散った絵の具を刺繍したハンドバッグ、両足色違いのソックス、クリスチャン・ルブタンとコラボレーションした服と共布のレースアップハイヒールが華やかさとエッジーさを演出。可愛いだけでは終わらない、インスピレーションの深さと強さも感じさせた。また、今回ジュエリーデザイナーでソーシャライツのサビーヌ・ゲッティが、オランピアの実妹クレオと共にモデル出演したことも話題となった。
2016年03月24日ウンベルト・レオン(Humberto Leon)とキャロル・リム(Carol Lim)によるケンゾー(KENZO)は3月8日、パリのサル・ワグラムで16-17AWコレクションのショーを開催した。無頓着で自由気まま、冒険心と探究心を持つ女性をイメージ。オーバーサイズの肩と濃いカラーパレットから、80年代を髣髴とさせるコレクションとなった。日本のアニメ『美少女戦士セーラームーン』に着想を得て、大胆でフェミニンな装いを取り入れながら、フランス第一帝政時代のエンパイアラインを導入し、アウター、ブラウス、ドレスのメインシルエットに据えている。それらにスモッキングやラフル、プリーツの要素を加えて、よりデコラティブに。特にダッフルコートはコレクションの中でも軸となるもので、アニマルプリントのフェイクファーやジャカード素材をあしらい、迫力あるアイテムに仕上げている。その他にも、Gジャンやピーコートなど、オーセンティックでクラシカルなユーティリティーウエアには、セーラーカラーやファーカラーなどのひねりを加えているのが特徴。ナポレオンを思わせるタイガーモチーフのジャカードボレロと、タンポポのフローラルモチーフのエンパイアドレスのセットアップは今シーズンの象徴的ルックで、それぞれのモチーフはアーカイブより掘り起こされたもの。また得意とする異素材パッチワークのドレスは、今シーズンはモチーフとモチーフの重なり合いでサイケデリックな印象を与えた。
2016年03月21日山縣良和によるリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)とリトゥン バイ(written by)の16-17AWのファッションショーが16日表参道ヒルズで行われた。同コレクションは妖怪をテーマに、山縣の故郷である鳥取で育った漫画家・水木しげるへのオマージュとして捧げられた。このコレクションで山縣が試みたのは、クチュール、ストリートスタイル、妖怪が共存する世界をファッションで表現すること。80年代後半にアナ・ウィンターが米誌『VOGUE』の編集長になった際に、クチュールとストリートを共存させて新しい時代の到来を感じさせたように、そこに妖怪という日本古来より人間の暮らしと共にあったはずの存在を加えることで、我々にルーツを辿り、翻って未来に向かうことをショーを通じて想像させてくれた。ショーを終えた直後、山縣は「このショーでは様々なキャラクターがランウエイに登場した。それぞれ物語を持っているキャラクター達が共存する世界を表現したかった」とコメントしている。その言葉の通り、ファーストルックは弾むビートに合わせて、獣らしきものを肩から下げた男が登場した。彼だけでも、踊り、狩りといった人類のルーツとも言える行いと、現代を象徴するアイテムとしてイヤホンを身につけている。ランウエイを歩くルックそれぞれに、山縣からのメッセージと人類の物語が込められているように思えてくる。その後、ランウエイには一つ目小僧やネコ娘に扮したモデル、妖怪に扮したモデル達が続くと思えば、極太ニットで編まれたロングガウンを纏ったモデルや山縣の故郷鳥取の因州和紙で作られたハットを被ったルックも登場。足元には時折、砂丘の砂を散りばめた下駄も見られる。すべてのモデルはあの世とこの世の結界のようなフラワーアーチからやってきては、ランウエイを歩き再びそのアーチから去って行くという趣き。カラス女のような出で立ちのルックでは、ニードルパンチ特有の黒と柄が混ざり合う感じと、人間の世界と妖怪の世界、闇と光のように相反する世界を往古する揺らぎのようなものが込められているようだ。ラストルックには、鳥取砂丘の砂を一面に敷き詰めたテキスタイルで作られた優美なシルエットのドレスを纏ったルックが登場。モデルは小松菜奈。水木しげるへのオマージュ。今回、妖怪とファッションを掛け合わせることで、世界を舞台にした時のオリジナリティに繋がるのではと考えたという山縣は、昨年から定期的にパリで行う展示会に続き、「パリで勝負してみたい」と言う。ファッションがボーダー(境界)を越えられることを信じる彼だからこそ、あらゆる境界を越えた多様性のあるファッションをみせてくれたのだろう。
2016年03月18日ミントデザインズ(mintdesigns)が3月14日、ラフォーレミュージアム六本木で16年AWコレクションを発表した。テーマは「プラスティック シティ」。アナログの懐かしさを残しながらも、デジタルな要素で構築された近未来も想像させた。イタリアのプロダクトデザイナー、エットレ・ソットサスの遊び心あるポストモダンに着想を得た今シーズン。幾何学模様や、ボーダー、丸型といった玩具のようなモチーフを散りばめたルックが繰り広げられた。ファーストルックを飾ったのは、レゴや積み木のようなスクエアで構成された幾何学模様のフェイクファーコート。ファーのカラーによって毛を切り取る長さを変え、段差を出し凹凸ある仕上がりに見せた。また、コルセットのようにも見える、存在感あるフェイクレザーのベルトでウエストをマーク。本コレクションでは、ベルトがキーアイテムの一つとなっており、ボリュームのあるコート、軽やかな素材のワンピースなどにスタイリングされ、立体感あるユーモラスなシルエットを表現した。またシンプルなコートやスカートの随所に装飾されていたのが、バッヂのようなビニール素材の丸いモチーフ。ランダムに配置されたバッヂには花や四角、MDのイニシャルが描かれており、ミントデザインズらしさ溢れる遊び心と瑞々しさが映しだされた。終盤では、カラーブロックを積み重ねたようなコートやジャケットが登場。肉厚なウール素材に、バストやウェスト、袖にかけて大胆にトーンが配置され、淡いパントーン色に黒や赤をポイントにしたカラーパレットが、印象強く残った。
2016年03月18日タエアシダ(TAE ASHIDA)は3月17日16時半より、16-17AWコレクションショーをライブストリーミング配信する。会場はグランドハイアット東京。今シーズンは、荒野に吹く風のように力強くクールで透明感のあるコレクションを全60スタイルで提案する。コレクションの様子はオフィシャルサイト(www.jun-ashida.co.jp)他、USTREAMでも同時配信される予定。ストリーミング動画URL: (
2016年03月16日森永邦彦によるアンリアレイジ(ANREALAGE)がパリコレクション開幕初日の3月1日、パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)内のスペースYOYO(視聴覚ホール)で16-17AWコレクションのショーを開催した。見る者を唸らせ、驚きと発見を与え続ける創作姿勢は崩さず、回を追うごとに強めている印象。ランウェイ中央には、フィルムで覆われたトランスペアラントの箱を設置し、その中をモデルたちがウォーキング。コレクションテーマは「ノイズ」。テレビの砂嵐のようなモノクロのモチーフを様々な素材に乗せ、視覚から音を感じさせるルックで構成される。スクエアショルダーのツイードコートや、ふっくらした袖のヴィクトリアン風のジャケットなどには、同系色のパンツや膝丈スカートを合わせてフェミニンでエレガントな印象を見せた。ヘアスタイリスト・メイクアップアーティストの加茂克也によるフェルトをあしらったヘッドピースと、メタルヒールのパンプスがルック全体をフューチャリスティックに引き締める。ショー中盤からは透明のフィルターを重ねることでモチーフが浮かび上がるプリント素材のルックが登場。ランウェイに設置された透明フィルムにモデルが近付くと、市松やドット、花などが浮かび上がり、観客の目を楽しませた。終盤にはボーダープリントのPVC製ベストやハーネス、ケープをコーディネートしたルックも見られ、不思議な視覚効果を身近に楽しめるアイテムも提案された。
2016年03月15日ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)が16-17AWコレクションを3月14日に発表した。タイトルは「夜へ」。デザイナーの丸山敬太がイメージしたのは、ダークファンタジーの世界。夜だけしかない国の住人や、夜に見る夢の登場人物たちの装いを、クラシックなエッセンスを効かせたリアルクローズで表現したコレクションだ。ネイビーと黒をベースにしたシックなドレスやセットアップに、スパンコールの星がまたたき、水玉のチュールがコケティッシュな魅力を放つ。黒猫やコウモリやカラスなど、ラッキーチャームでもありながらダークなイメージを持つモチーフが、レースの柄に落とし込まれたり、影絵のようなプリントの中に見え隠れしたり。冬の花々が咲き乱れる艶やかなプリントには、黒のチュールが影を落とし、夜明けを待つフラワーガーデンのようだ。今回メイドインジャパンの素材にこだわり、日本の職人と一緒に生み出したオリジナルな生地を多く使用。立体的な構造を持つジャカード生地は、夜の闇の中にきらりと光る星空のイメージを表現するため、10種類以上の糸をミックスして織り上げた自信作だという。アイテムは、レディライクなワンピースやセットアップ、ワイドパンツ、コクーンシルエットのコートなど。クラシックなムードの中に、“化け猫”がユーモラスな表情をのぞかせるファーのショールやバッグ、きらきら輝くチャンキーヒールのパンプスやブーツを組み合わせて、遊び心たっぷりなモダンなバランスのスタイリングに仕上げた。リッチでありながら、少女のような遊び心も併せ持つスタイルは、ケイタ マルヤマならでは。後半は一気に明るいパステルカラーの世界へ。ピンクやグリーンのサテンやフェザー、カラフルな宝石プリント、チャイナ刺繍などを用いて、くるみ割り人形の宝石の精が見せる一時の夢のような世界が繰り広げられる。ケミカルな発色が持つ毒々しさや軽やかで楽しい雰囲気に、東洋の国の神秘的なエッセンスが交わった、ファンタジックなルックが続く。そこには、「ファッションはファンタジー。ルックとしてリアルでありながら、ファンタジーをかきたてるような服を作りたい」というデザイナーからのメッセージが込められている。会場には、グラミー賞受賞シンガーのグウェン・ステファニーも来場し、ファッション・ウィーク初日の夜を盛り上げた。
2016年03月15日クリエイティブ ディレクターのジルダ・ロアエック(Gildas Loaec)と黒木理也によるメゾン キツネ(MAISON KITSUNE)が16-17AWメンズコレクションを発表した。「Love Rises」と題し、宮崎駿監督のアニメーション映画『風立ちぬ』に受けたインスピレーションを受けて制作された今シーズンのアイテムは、1930年代の飛行服を基調としている。富士山や日の出、飛行機、カモフラージュといったモチーフには、ポップな柄への原点回帰の意味が込められており、カジュアルかつシックな遊び心を持つメゾン キツネの男性像を象徴するものとなっている。
2016年03月13日ブランドの創始者でありクリエイティブ ディレクターのジルダ・ロアエック(Gildas Loaec)と黒木理也によるメゾン キツネ(MAISON KITSUNE)が16-17AWウィメンズコレクションを発表。「Love Rises」と題した今シーズンは、日本の伝統に敬意を表し、宮崎駿監督のアニメーション映画『風立ちぬ』の世界観に受けたインスピレーションと、1930年代のロマンティックなムードを織り交ぜた、エレガントで軽やかなシルエットを作り出した。
2016年03月12日セルジオ ロッシ(Sergio Rossi)が、16-17AWウィメンズコレクションを発表した。グラマラスレトロがインピレーション源となった今シーズン。ブランドの象徴であるカラー使いや職人技によってグラマラスな女性らしさが表現された。
2016年03月10日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が、3月9日18時(現地時間9日10時)よりパリで開催する16-17AWウィメンズコレクションショーのライブストリーミングを公式サイト(www.louisvuitton.com)にて配信する。また、公式Instagram()ではショーに向けて画像が随時アップされている。オフィシャルハッシュダグは#LVAW16。ショーの様子はこちらから視聴が可能。ストリーミング動画URL: (
2016年03月08日2016年1月1日、ブランド名をミハラヤスヒロ(MIHARA YASUHIRO)からメゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)に改名して初となる16-17AWメンズコレクションをパリで発表した。
2016年03月08日ヴァレンティノ(VALENTINO)が3月8日22時半(現地時間3月8日14時半)より、パリで開催する16-17AWウィメンズコレクションショーのライブストリーミングを配信する。ショーの様子はこちらから視聴が可能。ストリーミング動画URL: (
2016年03月07日アニエスベーが、3月8日19時半(現地時間同日11時半)よりパリで開催する16-17AWウィメンズコレクションショーを公式サイト()でライブストリーミング配信する。なお、当日はアニエスベー青山店でもショッピングしながらライブ中継を楽しめる。ショーの様子はこちらからも視聴が可能。(※会場の都合により、開始時間が遅れる場合あり)ストリーミング動画URL: (
2016年03月06日エトロ(ETRO)が2月26日、ミラノで16-17AWウィメンズコレクションを発表した。動画引用元: (エトロオフィシャルYouTube:
2016年03月05日マルニ(MARNI)が2月28日、ミラノで16-17AWウィメンズコレクションを発表した。「プロポーションと価値観の不釣り合いなバランス」をテーマに、流れるような歪みや、見慣れた要素をマルニらしく表現した今シーズン。ロマンティシズムと強さなど相反する要素と、少し加えたスポーティーテイスト、装飾などをミックスし再定義している。
2016年03月02日ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)が2月28日、16-17AWウィメンズコレクションを発表した。今シーズンは、“Every woman wants to be a princess”というメッセージのもと、「Fashion Fabulous Fantasy」をテーマにおとぎ話の世界をシンボリックに表現した。ショーの音楽には、ディズニー映画『シンデレラ』より「“A Dream Is a Wish Your Heart Makes” by Lily James」、「“Bibbidi-Bobbidi-Boo (The Magic Song)” by Helena Bonham Carter」、シーア(Sia)の『This is Acting』より「Unstoppable」「Cheap Thrills」「Move Your Body」「Sweet Design」などを使用。全95ルックを締めくくるフィナーレには、76体のスパンコールドレスが飾り煌びやかに幕を閉じた。動画引用元: (ドルチェ&ガッバーナオフィシャルYouTube:
2016年03月01日