米IBMは現地時間の10月3日、x86サーバよりも約20%優れた価格性能比を持つPOWERサーバ「Power S824L」を発表した。新サーバは、大量の構造化/非構造化データを超高速処理するために設計、開発されたプロセッサー「POWER8」を搭載。さらに、IBMの技術と2013年末に法人化したOpenPOWER FoundationメンバーであるNVIDIAの「GPUアクセラレーター」を組み合わせることで、金融機関のより正確なリスク分析や、エネルギー企業のより的確な石油埋蔵量の調査、研究医のより迅速な病気治療方法の特定などを可能にする。同GPUアクセラレーターは、数百万のデータ計算を平行処理する能力を備えており、アプリケーションの処理速度を大幅に高められるように設計されている。IBM POWERアーキテクチャに基づくOpenPOWERスタックで構築されたIBM Power S824Lは、GPUアクセラレーターによる高い計算処理能力を活用することで、より高速かつ効率的に「POWER8」プロセッサーで大量データを処理できるという。IBMでは、「IBM Power Systems」上で稼動する分析エンジン“BLUアクセラレーション”を搭載する「IBM DB2」などの関連アプリケーションも、GPUアクセラレーターを活用できるよう進めている。加えて、SOAP3、NAMD、GROMACS、FFTWライブラリ、Quantum Espressoなど、GPUアクセラレーターを活用している生命情報科学、防衛、金融、分子力学、気象モデル作成などの広範な分野で使用されるアプリケーション「IBM Power Systems」への対応にも取り組んでいるという。なおIBM Power Systemsは今後、NVIDIA NVLinkのテクノロジーを採用予定で、PCI ExpressインタフェースでのCPUとGPU間のデータ転送が不要になるという。これによりNVIDIA GPUが「IBM POWER」プロセッサーのメモリーへ全ての帯域幅を使ってアクセスすることが可能となり、様々なアプリケーションの性能を高められる。同システムは、2016年始めに提供開始予定。
2014年10月06日レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES)は10月2日、x86サーバ製品に関する「MADE IN YONEZAWA」プロジェクトを始動したと発表した。同社は日本IBMのx86サーバ事業を継承するレノボグループの子会社で、2014年10月1日付で営業を開始。MADE IN YONEZAWAプロジェクトは、NECパーソナルコンピュータの米沢事業場(米沢工場)においてLESのx86サーバ製品の生産をゴールとし、ユーザーニーズの調査と生産実現に向けた検証を行っていく。今後6カ月以内を目標に調査検討を進め、米沢工場でのx86サーバの生産に向けた戦略を決定していく方針だ。
2014年10月02日中国Lenovoと米IBMは29日(米国時間)、2014年10月1日を効力発生日として、LenovoによるIBMのx86サーバ事業買収のクロージング手続きを開始すると発表した。当局から必要な承認もなされており、この取引により、Lenovoは世界で42.1億ドル規模のx86サーバ市場において、第3位のメーカーになるという。LenovoとIBMは2014年1月、IBMのx86サーバ事業をLenovoが買収する計画への合意を公表済み。2014年6月には、日本でIBMのx86サーバと関連したシステムやソリューションの検証などを行う新会社を六本木に設立している。Lenovoが取得するのは、System X、BladeCenter、Flex Systemブレードサーバおよびスイッチ、x86ベースのFlex統合システム、NeXtScaleおよびiDataPlexサーバと関連ソフトウェア、ブレードのネットワーキングおよび保守業務。System zメインフレーム、Power Systems、Storage Systems、POWERベースのFlexサーバ、PureApplicationおよびPureDataアプライアンスについては、IBMが保持する。保守サービスはIBMが一定期間、Lenovoを代行して提供する。x86サーバ事業は、LenovoのEnterprise Business Groupの下に組織される。買収価格は、2014年1月の発表時点では約23億ドルだったが、今回の発表によると21億ドルとなっている。このうち、約18億$が現金で、約2億8000万ドルがLenovo株で支払われる。クロージング手続きは主要国では米国時間で水曜日から、それ以外の国では年内に完了する。
2014年09月30日米国時間の9月29日、LenovoとIBMは、LenovoによるIBMのx86サーバ事業買収が10月1日付で完了予定だと発表した。Lenovoはグローバルで421億ドル規模のx86サーバ市場において、第3位のプレーヤーとなる。Lenovoが取得するのは、System X、BladeCenter、Flex Systemブレードサーバおよびスイッチ、x86ベースのFlex統合システム、NeXtScaleおよびiDataPlexサーバと関連ソフトウェア、ブレードのネットワーキングおよび保守業務。System zメインフレーム、Power Systems、Storage Systems、POWERベースのFlexサーバ、PureApplicationおよびPureDataアプライアンスについては、IBMが保持する。LenovoとIBMは戦略的提携も結んでおり、Lenovoはこの提携の下でIBMにOEM供給をするとともに、IBMのストレージおよびソフトウェアポートフォリオからセレクトされた製品を含む、IBMのシステムソフトウェアポートフォリオの基本製品について再販も手掛ける。IBMより継承するx86サーバ事業のグローバルチームは、LenovoのEnterprise Business Groupの下に組織される。IBMでx86サーバ事業を率いてきたAdalio Sanchez氏は、Lenovoでも同ポジションで、Gerry Smith氏の直属となるEnterprise Systems担当シニアバイスプレジデントとして引き続き同事業の指揮をとる。
2014年09月30日(画像はニュースリリースより)2秒でとろける、とってもやわらかくて、おいしい味わいのプリン森永乳業株式会社は「2秒のくちどけ ハニーミルク」を全国で10月15日から期間を限定して発売する(期間は1月ごろまで)。口の中で、わずか2秒で、あたかもシュークリームのやわらかいクリームのように、甘いプリンがとろける、味わい深いプリンだ。新鮮な国産の生クリームとミルク、美容にも体にもよい百花ハチミツ(カナダ産)を採用している。コクのあるハチミツと甘いミルクがミックスされた絶妙な味わいを楽しめる。パッケージは、ハチミツをイメージさせるカラーで、ネーミングのロゴ文字が消費者に食べてみたいと感じさせる、明るいデザインとなっている。ハチミツについてハチミツには、カルシウム、糖分、ビタミンB1、B2、葉酸、炭水化物、タンパク質、リンなど、そのほか多くの栄養成分が含まれている。健康面では、殺菌、腸の調整、二日酔い、疲労の回復などの働きがあるといわれている。また美容の面では、甘さは強く一般的な砂糖よりも低カロリーだから、ダイエットにも利用できる。ハチミツの糖分は肌を調整する作用があり美容にもよいといわれている。百花ハチミツは、多くの種類のハチミツの中のひとつ。さまざまな種類の花から集めたハチミツだ。【参考リンク】▼森永乳業株式会社(ニュースリリース)
2013年10月16日日本マクドナルドは2013年1月4日~31日、「ENJOY!60秒サービスキャンペーン」を全国の「マクドナルド」店舗で実施する。キャンペーンでは、会計終了後から商品が提供されるまでの時間を砂時計(ドライブスルーはタイマー)で計測し、60秒を超えた場合「ビッグマック等のハンバーガー類無料券」(「クォーターパウンダー・チーズ」「ダブルクォーターパウンダー・チーズ」「メガマック」「テキサスバーガー」を除く)がプレゼントされる。キャンペーンに先がけて20日に行われた発表会では、元サッカー日本代表の中山雅史さん、サッカー女子日本代表の安藤梢選手、熊谷紗希選手が登場。同キャンペーンの体験イベント「BIGMACチャレンジカップ」に参加した。イベントは3人が商品を注文し、マクドナルドのクルー(従業員)がそれを60秒以内で提供できるかどうか勝負するというかたちで行われた。3人と対戦したのは、マクドナルドのクルーがスキルを競う全国大会「オール・ジャパン・クルー・コンテスト」で頂点に立った選抜メンバー6人。まずは熊谷選手が、「ビッグマック」のバリューセットを注文した。かかったタイムは45秒と、クルー側の余裕の勝利。続いて安藤選手は「ビッグマック」のバリューセット、「てりやきマックバーガー」「チキンマックナゲット」と複数のメニューを注文したが、タイムは47秒。こちらもまたクルーが危なげなく勝利した。中山さんは、「ビッグマック」バリューセット、「てりやきマックバーガー」「チーズバーガー」「チキンマックナゲット」「マックフルーリー」3つを注文し、タイムは1分6秒と、60秒を上回った。安藤選手は「こんなに早くおいしくつくれるなんてすごいなと思いました」、熊谷選手は「早さと正確さがこのイベントを通して理解できました」、中山さんは、「すばらしいですねこのスピード。おいしさと早さ、あたたかいうちに食べてほしいというクルーのみなさんの情熱を体感してほしい」と話した。また、60秒以内に提供された場合も「プレミアムローストコーヒー(ホット/アイス)Sサイズ無料券」が配布されるとのこと。なお同キャンペーンは、六本木ヒルズ店は12月20日、御堂筋周防町店は同月21日から先行して実施されている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月21日化学メーカーである東亞合成は、新商品「アロンアルフアEXTRAゼリー状」の新CM「ソファでブランコ編」(15秒、30秒)を、9月24日よりWEBおよびトレインビジョンで配信を開始した。新CMには4名の外国人出演者を起用し、”TeamアロンアルFUN!”を結成。同製品を用いて、ソファと4名の体重を足した総重量約500kgをわずか3秒で持ち上げ、さらにそれをブランコにして楽しんでしまう、ユニークなCMに仕上げた。接着してからソファが宙に浮くまで、ノーカットで撮影しているという。同社では新CMの放映に合わせて、YouTubeにてブランドチャンネルをオープンした。また、公式サイトでは、過去のCMも公開されている。トレインビジョンでの放映日時は、9月24日~9月30日、10月1日~10月7日、10月15日~10月21日、10月22日~10月28日で、始発から終電まで放映される。放映路線は、JR東日本(山手・中央・京浜東北・京葉)、JR西日本(普通車321系・新快速・快速車225系)、東京メトロ(丸の内・銀座・東西・半蔵門・千代田・有楽町・副都心)、東急(東横・田園都市・目黒・大井町)とのこと。なお、10月22日~10月28日は、JR東日本(山手・中央・京浜東北・京葉)のみでの放映となる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月25日ジェイティービー(JTB)はこのほど、人気のスポーツカー「TOYOTA86」をレンタカーで利用する北海道のツアーの販売を国内パッケージツアー「エースJTB」にて開始した。TOYOTA86は、1980年代に人気のあった車種を新型モデルとして販売されたもので、今年4月に発売以来、納車に約5カ月以上待つほど人気だという。同ツアーは、かつてこの車種を所有していた、あるいは憧れていた40歳代から60歳代の男性をターゲットに、「車」という趣味・遊びに焦点をあてたものになっている。北海道を巡る1泊2日または2泊3日のパッケージツアーで、往復の航空券と宿泊、レンタカーをセットにしている。北海道の大自然の中でじっくり乗り心地を試すことができるという。出発日は9月1日~10月31日で、宿泊は、札幌、札幌近郊ホテル8軒から選択。旅行代金は、3万4,600円~7万3,600円(2日間、基本フライト利用・基本ホテル利用、3名1室利用の場合の大人1名あたりの料金)。すでにWebサイトで先行発売を開始しており、店頭では16日より展開されている。なお、先着30組にTOYOTA86発売記念限定グッズが付くとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月22日ジェイティービー(JTB)はこのほど、人気のスポーツカー「TOYOTA86」をレンタカーで利用する北海道のツアーの販売を国内パッケージツアー「エースJTB」にて開始した。TOYOTA86は、1980年代に人気のあった車種を新型モデルとして販売されたもので、今年4月に発売以来、納車に約5カ月以上待つほど人気だという。同ツアーは、かつてこの車種を所有していた、あるいは憧れていた40歳代から60歳代の男性をターゲットに、「車」という趣味・遊びに焦点をあてたものになっている。北海道を巡る1泊2日または2泊3日のパッケージツアーで、往復の航空券と宿泊、レンタカーをセットにしている。北海道の大自然の中でじっくり乗り心地を試すことができるという。出発日は9月1日~10月31日で、宿泊は、札幌、札幌近郊ホテル8軒から選択。旅行代金は、3万4,600円~7万3,600円(2日間、基本フライト利用・基本ホテル利用、3名1室利用の場合の大人1名あたりの料金)。すでにWebサイトで先行発売を開始しており、店頭では16日より展開されている。なお、先着30組にTOYOTA86発売記念限定グッズが付くとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月20日カーシェアリング・ジャパンは2日、東京・渋谷のセルリアンタワーステーションに、新世代のFRスポーツカー「トヨタ86(ハチロク)」をカーシェア車両として導入した。主要カーシェア会社による同車の導入はこれが初めてとなる。同車は、1980年代に一世を風靡(ふうび)した「AE86型カローラレビン/スプリンタートレノ(通称ハチロク)」の名を継承した次世代スポーツカー。1960年代の名車「トヨタ・スポーツ800」、「トヨタ2000GT」からインスピレーションを得ている。トヨタとスバルの共同開発による水平対向エンジンを搭載。FRスポーツカーならではの「運転する楽しさ」を追求した走行性能に加え、現代のクルマに求められる燃費などの環境性能も装備されているというなお、同ステーションには、世界初のハイブリッド・スポーツカー「ホンダCR-Z」も設置。乗り心地を比較することもできる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月02日トヨタマーケティングジャパンは7月1日より、日本各地の美しい峠の数々を体感できるテレビ番組「峠(TOUGE)」をBS日テレにて放送開始する。「86(ハチロク)」発売をきっかけとしたスポーツカーカルチャー推進のための活動の一環となる。この番組はスポーツカー好きの大人のために、日本各地の美しい峠の数々を紹介する。日本の峠の魅力再発見を推進する文化活動として、大人のスポーツカー好きが至福の時間を体感できる新しいタイプのテレビ番組となる。番組ではスポーツカーで走るための最適な場所である峠をたっぷりと紹介。健全な大人がドライブを多面的に楽しめるスポーツカーカルチャーの場として、峠を安全なドライビングステージに昇華していくことをねらいとしている。各回ごとに日本各地にある峠を紹介するが、コースの起伏や自然が織りなす景観美を重視し、安全な速度で十分に味わえるファンドライブを提案する。また、峠に隠されている歴史的なストーリーや逸話、そこで暮らす人々、育まれた逸品の数々などもあわせて紹介。視聴者がそれぞれに思いをはせられる番組構成となっている。ナレーションには大人のクルマ好きの代表として吉川晃司さんを起用。テーマ音楽にはオリジナルジャズ楽曲「On the Ridge」を採用し、ファンをショートトリップへといざなうしかけを散りばめている。放送は毎週日曜日21:54~。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月27日トヨタマーケティングジャパンは7月1日より、日本各地の美しい峠の数々を体感できるテレビ番組「峠(TOUGE)」をBS日テレにて放送開始する。「86(ハチロク)」発売をきっかけとしたスポーツカーカルチャー推進のための活動の一環となる。この番組はスポーツカー好きの大人のために、日本各地の美しい峠の数々を紹介する。日本の峠の魅力再発見を推進する文化活動として、大人のスポーツカー好きが至福の時間を体感できる新しいタイプのテレビ番組となる。番組ではスポーツカーで走るための最適な場所である峠をたっぷりと紹介。健全な大人がドライブを多面的に楽しめるスポーツカーカルチャーの場として、峠を安全なドライビングステージに昇華していくことをねらいとしている。各回ごとに日本各地にある峠を紹介するが、コースの起伏や自然が織りなす景観美を重視し、安全な速度で十分に味わえるファンドライブを提案する。また、峠に隠されている歴史的なストーリーや逸話、そこで暮らす人々、育まれた逸品の数々などもあわせて紹介。視聴者がそれぞれに思いをはせられる番組構成となっている。ナレーションには大人のクルマ好きの代表として吉川晃司さんを起用。テーマ音楽にはオリジナルジャズ楽曲「On the Ridge」を採用し、ファンをショートトリップへといざなうしかけを散りばめている。放送は毎週日曜日21:54~。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月27日ホビー商品の製造、販売を行うタミヤは16日、スバル「BRZ」の1/24スケールプラモデルを発売する。2日に発売されたトヨタ「86」に続く待望の製品で、これまでの発表では7月14日発売とされていたが、予定を前倒ししての発売となる。同社の1/24スポーツカーシリーズは1977年に最初の製品を発売し、現在は300アイテムを超えるプラモデルの定番のシリーズ。さまざまなレースで活躍するレーシングカーや歴史に残る名車をラインナップしてきた。新たに加わる「BRZ」は全長177mmで、実車ではメーカーオプションとなっているエアロパッケージ仕様のリヤスポイラー、フルフロアアンダーパネルも装備する。エンジンルームは、特徴的な水平対向4気筒エンジンを少ないパーツで実感たっぷりにモデル化。もちろんボンネットは完成後も開閉可能だ。サスペンションやドライブトレインなど車体下面のディテールも立体感十分に再現されているほか、スポークタイプの17インチアルミホイールはメッキ仕上げのパーツになっている。前輪は左右にステアリング可能だ。そのほか、ミラー面、エンブレムはメッキ調のインレットマーク、ウインドの塗り分けに便利なマスキングシールが付属、ナンバープレートやエンブレムはスライドマークにより再現など、こだわりのある仕様となっている。価格は発売中のトヨタ「86」と同じく3,360円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月13日日常生活とは切っても切り離せない「時間」という概念。今回は、そんな時間の定義について、あらためて考えてみたいと思います。■昔の1秒の定義そもそも1秒の長さというのは、どのように定められているのでしょうか。かつては、地球の自転や公転をもとにして、1秒の長さというものを定義していました。太陽が真南を通ってから、翌日また真南を通るまでの平均時間(=平均太陽日)を1日の長さとし、その1/24を1時間、さらにその1/60を1分、そのまた1/60を1秒。つまり、平均太陽日の1/86,400を1秒という形で、世界各国の時間の基準として使っていました。これを「世界時(UT1)」と言います。しかし、研究が進むにつれ、月の影響や海水の分布変動などにより、地球の自転速度が常に一定というわけではないことが分かってきました。すると、必然的に1秒の長さの定義があいまいなものになってしまいます。そのような背景から、より正確な基準となる1秒を定義しようとする動きが世界中で起こってきました。■セシウムが世界中の時間を支配する東日本大震災における原子力発電所の事故により、一躍有名になった「セシウム」。実は、このセシウムこそが、現在の世界の時間を定めているのです。と言っても、原発事故で有名になったのは、セシウム137原子という放射性セシウムを指していますが、世界の時間を決めているのは、その同位体であるセシウム133原子です。なお、同位体とは、同じ元素の原子で、原子核の中性子数(=原子の質量)が異なるもののことを言います。このセシウム133原子を使い、現在の1秒の定義は「セシウム133の原子の基底(きてい)状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の91億9263万1770倍の継続時間である」と定められています。何を言っているのかよく分からないので、もう少しかみ砕いて説明しましょう。原子には、特定の周波数のマイクロ波を当てたときだけ反応する性質があり、その周波数を「共鳴周波数」と呼びます。なお、セシウム133原子の場合は、この共鳴周波数が91億9263万1770Hzであることが分かっています。また、原子にはエネルギーが低い「基底(きてい)状態」と、エネルギーが高い「励起(れいき)状態」の2種類の状態があります。そして、基底状態の原子に、この共鳴周波数のマイクロ波を当てると、反応して励起状態に変化します。つまり、基底状態のセシウム133原子にマイクロ波を当てたとき励起状態になれば、そのマイクロ波の周波数は91億9263万1770Hzであるということが言えます。ご家庭の電気(交流)でおなじみの50Hzや60Hzというのは、それぞれ1秒間に50回、または60回振動する波を表していますので、同じように考えると、このマイクロ波が91億9263万1770回振動するまでの時間を計測すれば、それが「1秒」となるわけです。長くなりましたが、この仕組みを利用して作られたものが、現在の1秒を定義するために多く使われているセシウム原子時計です。これにより、数十万~数千万年に1秒程度しかズレないという高精度を実現することができるようになり、「国際原子時(TAI)」という時間の基準として利用されるようになりました。■うるう秒の登場セシウム原子時計の登場により、とても正確に時を刻むことができるようになりました。しかし、このセシウム原子時計によって決められた「1秒」は、それまで使われていた平均太陽日の1/86,400で定める不規則な「1秒」とはわずかに異なります。そのため、新たに出てきたのが「うるう秒」という考え方です。国際原子時(TAI)による正確性と、地球の自転という自然現象に基づく概念をもとにした世界時(UT1)の利便性の双方をうまく活用するため、1秒の長さは国際原子時(TAI)に統一しながらも、世界時(UT1)との差分を「うるう秒」という形で調整しているわけです。このうるう秒で補正した時刻を「協定世界時(UTC)」と言い、現在の世界共通の標準時として使われています。■まとめ目に見えないですが、日常生活を送るうえでなくてはならない「時間」。その時間の定義の仕方にもいろいろな方法があり、かつては自然の動きに基づいて定められていたものが、近年では原子時計という技術を利用して定義されるようになりました。さらに、それらの長所を融合して利用するために「うるう秒」という概念が出てきたと思うと、何気ない「1秒」も奥が深いですね。(文/寺澤光芳)■著者プロフィール寺澤光芳小さいころから自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。
2012年05月08日The fun2drive Owners’ Clubは5月より、乗り比べシリーズの第2弾として、新旧86(トヨタ「86」とAE86スプリンタートレノ)をレンタカーで乗り比べられるパッケージを販売開始する。一般のレンタカーとは異なり、ペア2組4名が参加するツアーのような趣向だ。箱根を巡る160kmの行程となっている。この特別なツーリングは四半世紀の時間差を感じられるfun2driveならではのもの。往年の名車AE86スプリンタートレノと、最新モデルであるトヨタ「86」の走りを1日で味わうことができる。同社はこれまでに歴代GT-R乗り比べツーリングを開催して好評を博しており、今回はその第2弾となる。コースは箱根仙石原~箱根ターンパイク~伊豆スカイライン往復~芦ノ湖スカイライン~箱根仙石原で、全行程約160km。86の走りを堪能でき、先導車が案内するので地理に不慣れな参加者でも安心だ。ツーリングの実施方法としては、このコースを4区間に分け、ペア2組4名がそれぞれAE86とトヨタ「86」を乗り換える。そのため参加は2名ペアが基本だが、1人での参加も可能だ。このツーリングは5月より毎月数回程度を予定しており、その開催日は同社ウェブサイトで確認できる。申し込みはインターネットで受け付ける事前予約制だ。また、参加にはMT運転免許歴3年以上で、2名のペアのうちどちらかがfun2driveの会員であることが条件となる。料金は一組1万7,200円(ペア参加で1人当たり8,600円)で、通行料金、ガソリン代は別途。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月27日シチズン時計は24日、トヨタ自動車のスポーツカー「TOYOTA 86」とのコラボレーションウオッチ3モデルを発表した。シチズン独自の光発電エコ・ドライブに「86」のエッセンスを随所に盛り込み、精悍かつスポーティなデザインに仕上げた数量限定モデルだ。ケースには独自の技術により、自動車の塗装を上回る合計11層の塗装コーティングを施し、自動車のボディを思わせる色の深みや鮮やかな輝きを表現。カラーは過去のモーターショーなどにコンセプトカーとして出展した際の「86」の色を再現し、レッド / ホワイト / ブラックの3色とした。また、文字板のインダイヤルで「86」の3連メーターを表現。4時位置には「86」のマークをあしらい、裏ぶたにも「86」のマークを刻印している。ケース素材はステンレスと合成樹脂、バンドはウレタン。ケース径45mm、厚さ13.23mm。各色860本の限定生産で、6月中旬より発売。価格は3万8,600円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月25日オリックス自動車は28日より、トヨタ「86」とスバル「BRZ」のレンタカーを特別価格で利用できるレンタカーキャンペーンを開始する。北海道、東京都、大阪府、京都府にあるオリックスのレンタカーネットワーク合計11拠点で利用できる。期間は9月30日まで。話題のスポーツカーをレンタカーで楽しめるこのキャンペーンに関して、クルマに対する価値観が楽しむものから移動手段へと変わりつつある時代に、「クルマ本来の楽しさ」を体感してもらうためと同社は説明している。「86」「BRZ」ともに、いまから注文しても納車まで数カ月かかるといわれる人気車種だけに、すぐに運転できるレンタカーは利用価値が高いといえる。このほど実施されるキャンペーンは、出発日ベースで4月28日~9月30日の期間限定で行われ、受付開始は4月26日。予約方法は電話受付のみとなる。実施する店舗は北海道の新千歳空港店、札幌駅前店、札幌中央店、新さっぽろ店、北札幌店。東京都の東京駅八重洲口店、池袋西口店、墨田押上店、吉祥寺営業所(ジャパレン)。大阪府の西本町店、京都府の京都駅前店の全11拠点(レンタル開始日は店舗により異なる)。東京駅八重洲口店では、「86」「BRZ」をそれぞれ提供する予定とのこと。キャンペーンの利用条件は、プライムメンバーズクラブ会員で、アンケートに回答できること。詳しい案内は4月26日から、オリックス自動車のレンタカーホームページに掲載される。特別に設定された料金は6時間で9,000円、12時間で1万円となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月24日トヨタマーケティングジャパンはこのほど、トヨタ「86」を中心にスポーツカーカルチャーをユーザーとともに育てていく情報シェアサービス「86峠セレクション」を開始すると発表した。6月中旬までにノミネートを選出し、8月初旬に「2012年版86峠セレクション」を発表する。同サービスは、「86」発売と同時にスタートしたウェブコミュニティ「86 SOCIETY」(「86」サイト内)の登録会員向けのコンテンツサービスとして設立するもの。独自リサーチにもとづいて収集された全国120カ所の峠道をノミネートし、その中から、「いいね!」投票の多い上位86カ所を、「2012年版86峠セレクション」として選定していく。峠の評価に関しては、大人のスポーツカー好きが健全にクルマを楽しめる場所としての再認識をめざし、多面的に用意される。評価軸は、「コース構成」「路面コンディション」「クルマ密度の低さ」「ブラインドカーブの少なさ」「アクセスの良さ」「パーキングポイントの充実」「コミュニティオープン度」「周辺峠の充実」「『大人の楽しみ』実現度」「道と自然の芸術度」「パートナー満足度」の全11項目。選定された峠については、ユーザーが実際に行ったときの写真や評価を自由に投稿することができる。8月以降、携帯電話の位置情報機能を利用し、選定された86カ所の峠道でのドライブを楽しみ、ユーザー同士が交流するのをサポートするサービス「リッジクエスト(仮称)」も展開予定だ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月17日おもしろレンタカー(千葉県野田市)はこのほど、トヨタの新型「86」をレンタカーとして導入すると発表した。導入するのは86Gの6速MTでボディカラーはホワイト。4月15日からレンタルを開始する。新型「86」はトヨタが往年の名車を現代に復活させた新型車で、発表から1カ月で目標の7倍もの受注があるなど人気が高い。これから注文しても納車までかなり期間があることは必至で、それだけにいち早く登場したレンタカーは注目を集めそうだ。おもしろレンタカーはカーレンタルをライフスタイルの向上の提案と位置づけ、魅力的なスポーツカーや高級外車をレンタルしている。今回導入される新型「86」のほか、ホンダS2000、マツダロードスターRS、ホンダインテグラ TypeR、マツダRX-8 TypeS、シビックタイプR、日産フェアレディZを取り扱っている。5月1日からは外車部門を港区芝に移し、営業を開始する。こちらは高級外車を専門とし、ベンツAMGCLS63、ベンツC250、ベンツS350、ベンツML350、ベンツCLS500、ジャガー XJ 8を取り扱う。他社より低価格とすることで、外車を家族サービスに使える時代を作っていきたいとしている。新型「86」のレンタカー価格は4時間で8,600円~(免責補償込み)。その他の車種は、スポーツカーが9時間で5,000~1万円、高級外車は9時間9,900~2万3,000円(予定)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月16日トヨタ「86」の発売(4月6日)まであと1週間。発表から1カ月で受注台数7,000台を突破し、本格量産も始まるなど、発売に向けて期待は高まるばかりだ。そんな「86」をドライバーがもっと楽しめるように、トヨタは「86スポーツカーカルチャー構想」を打ち出している。この構想については、「86 Opening Gala Party」でも詳しく紹介されていた。「86スポーツカーカルチャー構想」とは、「スポーツカーの文化を『86』のメーカーとドライバーがともに育てる」という取り組み。従来のスポーツカー文化は、クルマの作り手と使い手の間に溝がある。メーカーはクルマを作り、売った後は点検や修理など最低限のアフターケアのみ実施した。クルマの楽しみ方はオーナーが独自に開拓していくものだ。「クルマをどこで走らせようか?」「どんなパーツをつけてドレスアップしようか?」、さらに「同じクルマを持つ仲間と語ろう」といった楽しみ方に対して、メーカーは、良く言えば「ご自由にどうぞ」という放任主義、一方で「無関心」と言えなくもなかった。しかし、トヨタは「86」デビューにあたり、こうした「買った後の楽しみ方」にも積極的に関わっていくと宣言した。ただし、「ああしろ、こうしろ」ではなく、オーナーの楽しみ方を「サポート」して盛り上げようというスタンスを保とうとしている。オーナーの自由な楽しみと、メーカーだからできることを対話させていこうという取り組みだ。トヨタが提案する「86スポーツカーカルチャー」は7つのカテゴリーで構成され、それぞれ「峠カルチャー」「フォトカルチャー」「サーキットカルチャー」「ネットカルチャー」「カスタマイズカルチャー」「コラボレーションカルチャー」「ショップカルチャー」と名付けられている。すでにほとんどのクルマのオーナーが、ウェブサイトやブログ、掲示板、SNSコミュニティで情報を交換している。「ネットカルチャー」カテゴリーは、こうしたネット文化を活用して作られる。「86」のオフィシャルサイトは、単なるカタログページではなく、Facebookページと連動したコミュニティ機能を持ち、日本中、いや、世界中の「86」ファンが集う場所として構築された。オーナー同士がつながる「核」となって、カスタマイズテクニックやドライブポイントの情報交換など、「大人のクルマ遊び」を支援するという。今後の展開として、「CAN-ECU」を開発中だ。「86」の走行データを採取する装置で、バーチャル空間とリアルな走行データを融合させる。たとえば走行データをプレイステーション3のゲームソフト「グランツーリスモ5」に取り込み、CGで走行を再現するというアイデアの実現を目指しているとのこと。早ければ今年夏頃からスタートするという。「86ソサエティ」は、次の6つのカテゴリーの情報も発信する情報センターとしても機能する。ドライブの楽しさといえば峠のワインディングロード。「峠カルチャー」カテゴリーでは、「『86』で走りたい峠」をオーナーやスポーツカーファンから募集し、国内で86カ所の峠やドライビングスポットを選ぶ。次の段階として、86の峠を制覇する「リッジクエスト(仮称)」を展開予定。Facebookのチェックイン機能を使ったスタンプラリーのような遊び心のあるイベントになるようだ。さらに、オーナーが集うリアルな場所として、峠のラウンジ「86 PIT HOUSE」を展開する。詳細は明らかにされていないが、海の家のようなドライブシーズンを満喫できる場所に、くつろいで語り合える場ができるらしい。「86峠セレクション」の募集は春からスタート。夏に86の峠を発表し、「86ソサエティ」などで紹介していく。続いて「86 PIT HOUSE」「リッジクエスト」が順次スタートする予定だ。「クルマを買うところ」「点検・修理するところ」という自動車販売店を「スポーツカー好きの溜まり場・アジト」に。こうしたコンセプトで、全国に「AREA 86」を設置。買う前からも、買ってからも、クルマ好きから満足される対応・サービスを提供するという。「AREA 86」には、「走り」や「楽しみ方」について、特別な訓練を積んだ「マスタースタッフ」が常駐し、従来はカタログだけだったパーツやグッズを展示して販売する。サーキットやイベントの情報も収集するとのこと。「86」が発売開始する4月6日にオープンする予定だ。「カローラレビン / スプリンタートレノ」……、伝説の名車・AE86が創り上げた文化のひとつに「カスタマイズ」がある。手頃な価格のFR車だったAE86は、カスタマイズベース車としても人気で、多くのサードパーティからチューン&ドレスアップパーツが発売された。その「カスタムする喜び」を手軽に楽しめるようにサポートする。トヨタは「86」の開発段階から、パーツショップに情報公開しており、4月6日の発売日には販売店でトヨタ純正カスタムパーツが並ぶほか、TRD、モデリスタのパーツも販売される予定という。トヨタ「86」の最大の特徴は、カスタマイズを前提としたグレード「RC」の存在だ。パーツの後付け、交換を前提としたグレードで、MTのみ、ホイールは「ド鉄」、バンパーはボディカラーにかかわらずブラックのみ、ヘッドランプ、ステアリングホイール、シートなど、あらゆる部分をできる限り低価格な仕様とした。エアコンすらなく、ヒーターのみ。メーカー希望小売価格は199万円と、他のグレードより50~100万円も安い。「RC」はまるで、「売るための法的基準だけクリアしました」というグレードだ。「レーシングチーム向けのクルマを市販しますよ」という解釈もできる。「RC」なら、若い人でも、「まずはクルマを手に入れて、あとからコツコツとパーツを買い足していく」という楽しみ方ができるだろう。服、時計、靴、工具、ミニカーなど、日本が世界に誇るブランド商品と「86」がコラボレートし、さまざまな商品を展開する。「86 Opening Gala Party」では、早くもサンプル商品がショーケースに並べられていた。現在までに参加が発表されているブランドは、「ASICS」(シューズ)、「HARVEST LABEL」(バッグ)、「SPINGLE MOVE」(シューズ)、「ARAYA」(自転車)、「SOMES」(革製品)、「999.9」(メガネフレーム)、「PORTER」(バッグ)、「KTC」(メカニックツール)、「トミカ」(ミニカー)、「EDWIN」(デニム・ジーンズ)、「KYOSHO」(ダイキャストカー・ラジオコントロールカー)、「CITIZEN」(時計)。これらのコラボレーショングッズが、「86」と同時に販売開始。順次アイテムを増やすという。「86 Opening Gala Party」のトークセッションにて、「86」チーフエンジニアの多田哲哉氏とMCとの間でこんなやり取りがあった。「初めて『86』を見たとき、フェイスの良さはもちろん、ヒップのウイングがかっこいいと思いました。あれ、サイドミラーからかっこ良く見えるように設計したそうですね」とMCが言うと、多田氏は微笑み、「リアフェンダーからリアウイングって、自分が運転しているときは見えないじゃないですか。だからせめてミラー越しにきれいに見えるようにしようと思ったんです」と話した。スポーツカーファンの最大の不満は、「乗っている間はクルマを見られない」だ。自分好みに創り上げた「86」で、あこがれの道を走り抜ける。ドライバーにとって至福の時間だ。しかし、その最も幸福な瞬間をドライバー自身は見ることができない……。「フォトカルチャー」はその希望をかなえようというプロジェクトであり、「走り映え」するポイントに撮影システムを設置し、ドライバーが「86」で駆け抜ける様子を美しく撮影し、提供するというサービスだ。このプロジェクトは「86 SHOOTING CURVE」と名付けられ、機材やサービス内容を開発中とのこと。夏には利用できるようになるという。スポーツカーを手にしたら、いつかはサーキットを走ってみたい。ドライビングテクニックを学びたい。そんな「86」オーナーの夢をかなえるプロジェクトも用意される。2013年からスクールプログラムがスタート。サーキット体験を通じて走る楽しさを深めつつ、安全走行、運転マナーを広めていくという。2013年夏には「86ワンメイクレース」を開催。ナンバー付き車両で気軽に楽しめるレース体験を用意する。以上が、トヨタが「86」オーナーに用意する「スポーツカーカルチャー」のロードマップだ。ところで、「86 Opening Gala Party」にはWEBサイトで応募したファン86名も招待されていた。同イベントでは、招待者たちにさらなるプレゼントも。それは、レーシングドライバーのデモ走行に同乗体験できる機会だった。会場となった千葉・幕張メッセの駐車場にデモ走行エリアを設置。加速、減速、S字ドリフト、回転などが行われ、ファンを喜ばせた。関連サイトtoyota.jp 86トヨタ自動車【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月30日2リッタースポーツカー、トヨタ「86」の受注が好調だ。販売開始する4月6日を待たずして予約が殺到し、3月2日時点での受注台数は7,000台。月産販売予定の1,000台の7倍を超えたという。「トヨタ MR-S」の生産終了から5年。トヨタが本気のスポーツカーを作り、その本気がスポーツカーファンに伝わったといえるだろう。そんなトヨタの本気を見せつける映像がある。この映像は2月に千葉・幕張で開催された「86 Opening Gala Party」で紹介され、現在は動画サイトにも公開されているものだ。まずはその映像をご覧いただこう。「自信なんてありませんよ。やってみなくちゃわからない」。赤いレーシングスーツの男はそう言い残してコクピットに収まった。ベテランドライバーの雰囲気が漂う。しかし次の場面では、クルマはドライバーの思いのままにドリフトし、砂塵を舞い上げる。若いレーシングドライバーのアドバイス。真剣な表情。そして場面は冬に切り替わる。雪原のテストコース。トヨタ「86」は雪煙を舞い上げる。FRで雪道のドリフト。穏やかに見える景色だが、気を抜けばクルマはクルクル回ってしまう。しかし「86」は安定した走りを見せた。よく見ると前輪が確実に進路をとらえているとわかる。その動きが力強い後輪を巧みに誘導していた。トヨタ「86」の魅力を、自らのハンドルさばきで伝える男。彼の名は”モリゾウ”、本名は豊田章男氏。生産台数世界一を誇るトヨタ自動車の代表取締役社長である。「トヨタの役員はハンドルを握らずにゴルフクラブを握ってるんでしょ?」あるジャーナリストの言葉が豊田章男氏の心に響いた。実を言えば、彼は役員になるずっと前からレーシングドライバーだった。評価ドライバーの免許をとったとき、チーフテストドライバーの成瀬弘氏から、「俺たちは命かけてるんだ。偉そうなことを言う前に正しい運転というものを知ってくれ」と言われ、鍛えられた。その努力が認められて、10年ほど前にニュルブルクリンクの24時間レースに誘われた。出場するには国際C級ライセンスが必要だ。資格を取るとき、彼は”モリゾウ”として登録した。本名では社内外に差し障りがあるかもしれない。そのプレッシャーは、志半ばの自分を潰してしまうかもしれない。だから”モリゾウ”。トヨタでの立場とは一線を画し、クルマの楽しさと文化を伝える存在でありたいという気持ちもあった。「あの言葉以来、ゴルフの時間を割いてハンドルを握っていますよ」。年間200台ものクルマに試乗し、自社のモータースポーツイベントでも、ドライバー”モリゾウ”としてファンと交流しているという。「ハンドルを握れば、クルマと対話できる。道を理解できる。そしてお客様に近づく。私にとって大切な時間です」と彼は語る。トヨタは「86」の販売に際して、専門ショップ「AREA 86」の開設など周到な準備を進めているところだ。それはエコカーやユーティリティビークルなどの現在のクルマのトレンドに対し、マイナーであろうスポーツカーの復権へチャレンジするためだ。トヨタが送り出す新しいスポーツカーに、ユーザーは敏感に反応した。彼らはスポーツカーを渇望していた。ただし、スポーツカーユーザーのクルマ選びは厳しい。値段や機能・性能も大事だ。しかしそれ以上にメーカーの本気度を重視する。一方、トヨタほどの大企業では多数の商品ラインアップを抱えており、1車種に対する本気度は伝わりにくい。しかし、「86」開発チームは本気でスポーツカーを創り上げた。その本気度を伝える存在が”モリゾウ”氏である。社長として、開発チームに「本気でやれ」と叱咤し、仕上がったクルマを”モリゾウ”として本気でドリフトさせる。その姿がスポーツカーファンに伝わったのだ。FR車はエンジンのパワーをドライブシャフトで車輪に伝える。”モリゾウ”氏は「86プロジェクト」にとって、作り手の本気度をユーザーへダイレクトに伝える「ドライブシャフト」といえるだろう。関連サイトtoyota.jp 86トヨタ自動車【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月29日富士重工業は16日、トヨタ自動車との共同開発車「SUBARU BRZ」と「トヨタ 86」の本格量産を開始し、群馬製作所本工場(群馬・太田市)にてトヨタ自動車社長の豊田章男氏をはじめ関係者を迎えたラインオフ式を行ったと発表した。同社とトヨタ自動車は、2005年10月に業務提携の基本合意を行い、2008年4月に発表した開発・生産における協力関係のさらなる発展拡大の中で、FRスポーツカーの共同開発をスタート。以降、約4年間の開発期間を経て本日の本格量産開始に至ったとのこと。企画とデザインは主にトヨタ自動車が、開発と生産は主に同社が担当した共同開発車の完成は、アライアンスの大きな成果のひとつになるとしている。ラインオフ式典でトヨタ自動車社長の豊田氏は「SUBARU BRZとトヨタ 86は、富士重工業とトヨタでなければ実現しなかったクルマであり、”もっといいクルマをつくる”ために始めた提携が、確実に実を結んだことを本当に嬉しく思っています」とコメント。富士重工業社長の吉永氏は「このクルマは同社の企業戦略において2つの特別な意味を持っています。1つ目はトヨタとのアライアンスの進展であり、2つ目は”選択と集中”戦略の進展です」と述べている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月16日トヨタ自動車はこのほど、同社のニューモデル「86(ハチロク)」の受注状況を発表した。目標月販台数1,000台に対し、発表から1カ月が経過した3月2日時点での受注台数は7,000台に達している。往年の名車を現代に復活させたトヨタ「86」の人気ぶりが、数字の上でも明らかになった。発表からちょうど1カ月での受注状況は人気のバロメーターといえる。その受注台数が目標の7倍にも達したことは、「86」の人気が本物であることを裏付けたといえる。環境への関心の高まりやクルマ離れなどスポーツカーにかつてない逆風が吹くなか、トヨタでは「86」の月販目標台数を1,000台に設定。若者の車離れを食い止める大きな目標を掲げながらも、数字の面では慎重にならざるを得なかった。しかし、「86」は発表直後から大きな反響を呼び、スポーツカーに関心のなかったユーザー層にまでアピールした。トヨタでは人気の理由として、超低重心FRパッケージによるハンドリングやスタイリング、富士重工業との共同開発による水平対向+D-4Sエンジンに加え、MR-Sが生産を終了して以来、5年ぶりのトヨタ製スポーツカーである点も挙げている。クルマそのものの魅力もさることながら、豊田社長自らがレーシングスーツに身を包んでの発表会、メーカーの手による専門ショップ「AREA(エリア)86」の開設など、トヨタ渾身の販売戦略が奏功した結果ともいえそうだ。関連サイトtoyota.jp 86トヨタ自動車【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月08日千葉・幕張にて開催された、トヨタ自動車の「86 Opening Gala Party」。同社代表取締役社長・豊田章男氏による「86」(ハチロク)のお披露目に続いて、86チーフエンジニアの多田哲哉氏、レーサーの飯田章氏、脇坂寿一氏、影山正彦氏、そしてレーシングドライバー”モリゾウ”氏(豊田氏)を交えて、4名のドライバーによる本音インプレッショントークセッションが行われた。最初の話題は、モリゾウ氏のドライビングについて。同氏の走行シーンのビデオが上映された。影山氏はモリゾウ氏のダート走行に同行したという。影山氏自身も「86」の初体験だったことを明かし、意外にも、「舗装路とダートを乗り比べてみたら、ダートでもロードと同じようなダイレクト感があった。ロードとまったく同じように動く。粘りのあるフリック感があって、扱いやすさに差がなかった」と語った。「86」の扱いやすさとはどんな感覚かという問いに対して、モリゾウ氏は「本当にすぐ乗りこなせる、素直なクルマ。乗ってすぐ対話が始まって、『じゃあまたね』で終われなくて、いつまでも一緒に遊んでいたい。楽しい車でした」映像を観た脇坂氏は「社長の子供のような楽しい顔がいい。雪の上で社長が自らこんな走りをしたり、ダートに乗ったり……。開発された方々にとって、社長に乗ってもらうって緊張すると思うんですよ。レーシングドライバーとして、社長がどう感じるか、そういうテストをするって素晴らしいことです」と話した。これに対して、「社長じゃなくてモリゾウさんでしょ?(笑)」とMCからツッコミが入り、登壇者たちも和んだ雰囲気に。脇坂氏自身の「86」に対する印象は、「普段レーシングカーでレースしていても、乗ってわかりにくいクルマも多い。でも、『86』を借りてちょっとだけ乗ってみたら、ハンドリングから伝わってくる路面との対話であるとか、ものすごく敏感にシビアに伝わってくる。我々レーシングドライバーでも心がワクワクドキドキするような乗り味だった」と評価。あらためて、モリゾウ氏(豊田氏)がドライビングしたことについて、「デザイナーのボスがクルマ好きで何が悪いと、好きこそ物の上手なれ、それに尽きると思いますよ」と。これには来場者から拍手が起き、モリゾウ氏も、「ありがとう(笑)」と応じていた。そんなモリゾウ氏にまつわるエピソードを多田氏が披露した。開発の半ばにモリゾウ氏がクルマのチェックに来て、「なんだこれは、ぜんぜんコイツ(開発車)とは話ができん」と、機嫌を悪くして帰ってしまったという。多田氏は悩み、開発チームと話し合った結果、ドライバーの操作や路面の状況をすべてドライバーに返す、そんなクルマづくりに向かわせることにした。「いままで、いいクルマっていうのは、どんな人がどんな運転をしても、普通に走ってくれると思っていた。だけど、ユーザーの操作にクルマがちゃんと応えてくれる。そういうふうに考え方を転換してから、先へ進めました」完成した「86」でダートを走行した後、モリゾウ氏が「ありがとう」と言ったそう。「クルマに言ったんですよ。クルマに(笑)」とモリゾウ氏。そんな同氏の執務室、つまり社長室には、歴代”ハチロク”のエンブレムが飾られているとか。「誰にもさし上げませんよ(笑)」と本人が牽制する場面もあった。話は「86」に戻り、影山氏のインプレッションの話題に。ここで驚きのエピソードが明かされる。影山氏が「86」のプロトタイプをドライブするという話は、ニュルブルクリンク(ドイツ)のサーキットに入ってから聞かされたという。しかも到着したクルマをチェックしたら、ブレーキローターなどに走りこんだ形跡がない。遠回しに、「このクルマのテストはいかがでしたか?」と聞いてみたところ、「富士の東外周路を1周してきました」と言われたという。「いきなりニュルでシェイクダウン(ならし運転)か、という驚きと同時に、本当にサーキットで『86』という車を鍛えるつもりだなと実感した」と景山氏は語った。これに対してモリゾウ氏は「ニュルはサーキットなんですけど、普通の道、しかも厳しい道が凝縮されている。LFA(レクサスブランドのスポーツカー)のときも、ずっとテストコースで走って、走って、それでも不具合が出なかったクルマが、レースになったら30分ですぐ(不具合が)出るんですね。それほどニュルの環境は厳しい」という。ここで同氏は経営者の一面ものぞかせ、「こういうクルマはいろんなお客様が、いろんな使い方をされると思います。そういう意味で、どうしてもニュルブルクリンクで走らせて、課題をつぶしてからでないとお客様には出せないと思いました」と語った。飯田氏が補足する。「ニュルはサーキットですけど、テストコースでもあるんですね。だからモリゾウさんがおっしゃるように、ニュルで鍛えあげたら、誰でもそこに太鼓判を押せる。だから世界中の車メーカーが持ってきて、『ウチの車いいだろ』とやってる。そこに和気あいあいとした雰囲気を感じるし、同時に勝負する場、車メーカー同士がしのぎを削る場でもあるんです」。多田氏によると、「86」にはLFAの開発者も関わったという。「86」はLFAの乗り味とトヨタの伝統を受け継いだクルマなのだ。ちなみに飯田氏は、トヨタ販売員向けのサーキット研修会も担当しているそう。「いつも皆さんとサーキットでいろんなクルマに乗るんですけど、『86』のときは皆さんの笑顔や会話の弾み方がいままでにない感じでした。『早く乗りたい! 早く早く!』とクルマが人を呼びこむようなオーラがあって、研修会はものすごく盛り上がりました」一方、脇坂氏はトヨタが開催する一般のユーザーを対象としたサーキット走行会イベントに協力している。サーキットを走るというとハードルが高いイメージだが、トヨタはそのハードルをぐっと下げる努力をしているとのこと。自分たちが持ってきたクルマ、軽自動車でもいいし、他社の車でもいい。ふだん自分たちが乗っている車を持ってきて、レーシングドライバーと楽しもうというイベントだ。「こういうところにも、今後『86』が来るんだなと思うとうれしい。『86』の5年後、10年後に期待しています。どういうことかというと、僕らの走りを見てくれる子供たちがたくさんいる。彼らに対して、どれだけモータースポーツで夢を与え続けられるか。彼らが免許を取る年齢になって、この『86』が世の中に浸透して……。デビューの場でこういう話はどうかと思うけど、そのうち中古車業界にも流れて、そうすると彼らにも手の届く車になってると思う。そうなったときに、モータースポーツと彼らの橋渡しをしてくれる車が『86』じゃないか」と脇坂氏。「『86』に乗る大人が、子供たちからヒーローやヒロインに見えますね」とMCに言われた脇坂氏は、「家族の食卓の話題に『86』やサーキットが出てきたらいいなあ。僕らが子供の頃ってそうだったんです。それがとても楽しかった。だからいまの子供達にも、そんな楽しさを与えたい」と語った。「その子供たちが中古の『86』を経験した延長に、トヨタがもっといいクルマを作って、彼らに次の夢を与える。つまり、『86』は現在と未来をつなぐ架け橋になる。そこに期待しています」関連サイトtoyota.jp 86トヨタ自動車【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年02月07日