2022年7月27日 11:00
カメラ、ダンスが効果大…“うつリスクを下げる”高齢者の趣味
そして、うつは認知症の発症リスクを高めることがわかっている。医学誌ランセットが’20年に発表した認知症予防のガイドラインでは、認知症発症には12のリスク要因があり、うつも含まれる。認知症の病前状態である可能性があり、うつになると認知機能が低下するリスクは約2倍に。これを踏まえると、アートに関する趣味を持つことは、認知症予防にもなると考えられるのだ。
「調査した約3万8千人のうち、芸術文化的な趣味を持っている人は、全体で約31%でした。個別に調べたところ、うつ予防に特に高い関連が見られたのがダンス。うつ発症のリスクは、やっていない人と比較すると、18%低い数字でした。歌や楽器演奏の数値からも、音楽活動はうつ予防の効果が高いようです。
リズムに乗って踊ることは運動にもなりますし、音楽は気分をリフレッシュさせます。また、誰かと一緒に踊るので、社会的交流の要素も含まれて、心の健康を保つのにつながったのではないでしょうか。驚いたのは、ダンスと同等に、写真撮影も2割近くうつのリスクを下げる効果があったことです」(野口研究員)
その理由として、野口研究員は、創造性を刺激し、感情を自由に表現することがストレス発散につながることを挙げる。