2023年9月15日 11:00
毛髪の成長に欠かせない栄養成分「パントテン酸」が 外部刺激による毛髪の成長阻害を改善する可能性
その結果、パントテン酸が不足すると、毛の伸長が抑制されることが確認できました。
また、毛包を構成する毛包上皮細胞にパンテノールを添加したところ、細胞増殖率が上昇することも確認できました。
図1 マウスヒゲ毛包の毛伸長に対するパントテン酸不足の影響及び毛包上皮細胞におけるパンテノールの細胞増殖活性化作用
【研究成果②】炎症は毛髪の成長を抑制
次に、自治医科大学形成外科吉村浩太郎教授との共同研究※1で、ヒト頭髪毛包を用いて、炎症が毛髪の成長にどのような影響を及ぼすのか検討しました。その結果、炎症によって毛の伸長が抑制されることを確認しました。
図2 ヒト頭髪毛包の毛伸長に対する炎症(TNFα※2)の影響
※1ヒト側頭部皮膚組織提供:ドクタースパ・クリニック(鈴木 芳郎 院長)
※2TNFα:炎症を引き起こす原因因子の一つ。この因子が外部刺激に応答して働くことで、炎症に関わる別の因子の産生を促す等,皮膚内の炎症をさらに促進させることが知られており、炎症を引き起こす〝司令塔〟と考えられています。
【研究成果③】外部刺激(紫外線や酸化した脂質)による炎症を、パンテノール(パントテン酸の安定した形)