妊婦の7~9%は妊娠糖尿病!?原因と、なりやすい人の特徴とは!?
診断
妊婦健診でおこなわれる血液検査で、血糖値を測定し、基準値を超えた場合、75ℊ経口ブドウ糖負荷試験をおこないます。
経口ブドウ糖負荷試験というのは、空腹時にブドウ糖75ℊを溶かした液体を飲み、1時間後・2時間後に血糖値を測定します。75 g経口ブドウ糖負荷試験において、①空腹時血糖値≧92mg/dL②1時間値≧180mg/dl③2時間値≧153mg/dLのいずれかひとつを満たした場合、妊娠糖尿病と診断されます。
妊娠糖尿病による母体と赤ちゃんへの影響
妊娠糖尿病になると、ママだけでなく、おなかの中の赤ちゃんにも健康リスクを与える可能性があります。
◆母体への影響
・流・早産
・妊娠高血圧症候群
・羊水過多症
・巨大児出産の時に、産道裂傷、帝王切開率上昇など
・将来、糖尿病を発症するおそれ
◆赤ちゃんへの影響
・巨大児(生まれるときに肩甲難産、腕神経麻痺、骨折のおそれ)
・胎児発育不全
・胎児機能不全
・子宮内胎児死亡
・新生児低血糖
・呼吸窮迫症候群(肺サーファクタントの欠乏により、多呼吸・陥没呼吸・呻吟・チアノーゼなどをきたす呼吸器疾患。早産児に多い)
・低カルシウム血症、高ビリルビン血症
・多血症(血液中の血球(主に赤血球)の割合が多い状態)
など
妊娠糖尿病の治療方法
妊娠糖尿病になった場合、早期の治療をおこなう必要があります。また、予防方法について解説します。妊娠糖尿病の治療には、血糖コントロールが必須です。そのため定期的に血糖値を測定する必要があります。そのため、自己測定をすすめられることが多くあります。その結果をみながら、治療方針が決定されます。
治療方法
●食事療法
治療の基本は食事療法ですが、栄養バランスのとれた食事内容でカロリーコントロールが必要になります。
≪食事療法のポイント≫
・甘い物や糖質の多い物を控える
・ご飯やパン、麺類などの炭水化物を減らす
・ささみや豚、脂身の少ない肉を摂取
・魚、大豆製品、卵などの良質なタンパク質を摂取
・食物繊維が多いキノコ類や野菜などを積極的に摂取
●インスリン療法
血糖コントロールが不良の場合におこなわれます。インスリンを定期的(毎食前、寝る前など)に注射し、血糖コントロールをおこないます。