2018年9月20日 19:00
プロレスラー・棚橋弘至さんが実践する、子どもを叱った母親を悪者にしない絶妙フォローとは?【子育て、わたしの場合】
「プロとして、試合中に自分の命を守るというのは、最低限、それを身につけたうえでデビューしているので、そのあたり心配はないんです。でも、やっぱりアクシデントなど、防ぎきれない部分はどうしてもある。僕も実際にいろんなケガをしてきたけど、自分では『こういう仕事をやっているんだから仕方ない』っていう開き直りがあったんですね。
でも、うちの嫁さんは、僕が試合で家を出るときによく『危ないことしないでね』って言うんですよ。プロレスラーに危ないことしないで、って……。う~ん、これから危ないことをしに行くんだけどなぁって、最初は思っていたんですけど。それは『自分の足で歩いて帰ってきなさいよ』という意味なのかなぁと思うようになりました。確かに試合の後、病院にかつぎこまれて家に帰れないっていうのは、プロの技術以前のことだと思うので。
試合終了までじゃなくて、家に帰るまでがプロレスラー、ですね(笑)」
夫の身を誰よりも案じながら、それをできるだけ表には出さず、夫がいない間の子育てを一手に担う。プロレスラーの妻には強い精神力が必要だ。
「地方巡業やプロモーション、海外遠征……本当にプロレスっていうのは家を空けることが多いので。嫁さんが家をしっかり守ってくれている、ということに心から感謝しています。世のパパさんたちも、丸一日、子どもの世話って、なかなかできないですよね。2時間、3時間はかわいいんですけど、それ以上になると『ママ、早く帰ってきて~』ってなっちゃう(笑)。
あと、ら、家の中では仕事の話はしないんです。嫁さんも僕の仕事に対して察しすぎない。
自然体でいられるのはいいですね」
いつも朗らかな母、
無口だけど涙もろい父
つらい時期も両親の愛情が
心の支えになった
プロレスラーと聞いて誰もが思い浮かべる、こわもてのイメージとは反対に、棚橋さんは優しい笑顔が似合う人。「生まれてから一度も疲れたことがない」という名言に象徴されるように、とことんポジティブな陽性のキャラクターが、観る者に元気を与えてくれる。「僕の母がすごくよく笑う人なんです。だから、うちのきょうだいは、みんなよく笑う子どもに育ちました。大人になった今でも笑うことが多いし、苦しいなと思っても、顔だけは笑っていられる。僕、子どもの幼稚園の送り迎えをしていたときに気づいたんですけど、パパやママがよく笑う家庭の子どもは、やっぱりいつもニコニコしているんですよ。