連載記事:細川珠生の「ママは政治1年生」
小池百合子都知事になって東京は何か変わったの?【第13回 細川珠生の「ママは政治1年生」】
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ブロッコリーにキュウリにネギ、はたまたほうれん草まで、緑の野菜片手に足早に駆けつける女性たち。向かった先は駅前の選挙演説。緑をトレードマークに選挙を戦う女性候補者・小池百合子氏の東京都知事選は、かつてないほどの盛り上がりを見せました。
野菜を持った女性たちの声援に囲まれる選挙なんて、私もこれまで見たことがありませんでした。都民だけでなく、日本中の関心を集めたことは、地方政治や行政に関心を持つ扉を開いたという大きな効果がありました。その選挙戦を勝ち抜いた小池氏は、東京都としては初めての女性知事となり、その後も途切れることなく、注目を集めています。
小池氏の動くところにはマスコミだけでなく、一般人もゾロゾロ。その見事なまでの発信力に、小池氏と対峙していると思われる旧態依然とした政治のおじさま方も、タジタジといったところではないでしょうか。
就任から100日以上が経ち、小池知事自らも、
「今度は(問題の)あぶり出しから、答えを出していくという段階」と言うように、小池氏によって分かった数々の都政の問題を、どうまとめていくのか、解決していくのか、そちらに関心が集まっていくことになるでしょう。その「解決」が、都民も納得できるものかどうか、小池氏にとって、これからが政治家としての力量が問われることになります。
実際、小池百合子都知事になって良くなったの?
私はこの100日の小池氏の都知事ぶりは高く評価しています。その理由は大きく二つが挙げられると思っています。
一つは、都政の問題がよく分かるようになったこと。これまで都政だけでなく、地方政治、もっというなら、政治そのものに興味のなかった人にまで、都庁を例とした地方行政や議会のしくみや関係などに興味を持つきっかけができたことは、本当に大きな功績です。
都政の問題なので、都民以外の人にはあまり関係ないのではという不安をよそに、自分の住んでいるところはどうなのか、と関心を持つようになったなど、「小池ブーム」は全国に広がっていることを実感します。小池ブームの象徴は、「選挙戦での野菜片手に集まる女性」のように感じますが、私のインタビューに小池氏は「私は国会議員時代から、女性の支持の方が多いのよ」と答えていました。
つまり、小池知事の誕生は、必ずしも、今まで政治に関心がなかった人たちの目覚めによるものではなく、男女問わず、「何かを変えたい」「悪しき慣習のようなものを変えてほしい」という強い思いによるものだということも、今も9割近い都民の支持を得ている理由であると言えるでしょう。