連載記事:新一年生にママパパが「やっていいこと、いけないこと」
入学前の不安「自分から先生に言える?」親がやってはいけない2つのこと【新一年生にママパパが「やっていいこと、いけないこと」 第3回】
■親がやってはいけないこと1:手や口を出しすぎない
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――多くのお母さん方が「うちの子は大丈夫かしら?」と心配になってしまいそうですね。
立石さん:仕方ありません。これまで保育園・幼稚園では先生方が何かあったら声をかけてくれていたので当然ですよ。
ただし、4月からは違うのだと割り切り、まずはお母さんが意識して、「困ったことがあったら助けを求める」「できないことはできる人にやってもらう」という姿勢を、お子さんに身につけさせることが、学校生活を健やかに過ごすうえでポイントになってきます。
――では具体的に、どんなことをすればよいのでしょう?
立石さん:日常生活において、お母さん方が「ヘリコプターペアレント」にならないように注意することです。
これはどういうことかと言いますと、お子さんが自ら要求する前に「のどがかわいたかな?」と水を用意したり、「トイレに行けば?」とうながしたり、ヘリコプターのように旋回して手を差しのべるのを控えるのです。
お子さんが困る前にお母さんがアクションを起こしてばかりいると、外で発信しづらい子になってしまいます。もちろん低学年のうちはまだまだ幼いので、戸惑うこともたくさんあると思います。
多少時間がかかってもいいですから、家庭でも外でも、どんな状況でもSOSを出せる術を身につけさせてください。
■親がやってはいけないこと2:「小学生なんだから」はNGワード!
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――なるべく自分で判断させ、できないこと・助けてほしいときは発信できるような積極性を身につけさせるといいのですね。
立石さん:はい、そうです。ただ、ここで一つ注意点があります。保育園・幼稚園とは異なる知的な環境に進級するからといって、「もう小学生になるんだから、ひとりでやらないとダメよ」と、いきなり突き放すことは絶対に避けてください。
「小学生になるのだから、自分ひとりでやり遂げなさい」
「小学生になるのだから、弱音をはいてはいけないよ」
「小学生になるのだから、人にぜったい迷惑をかけてはいけない」
4月からは小学生ですが、まだまだ幼い子どもです。こんな厳しいフレーズをかけられたら、大人だってプレッシャーを感じてしまいますよね。まして純粋な子どもには、このような言葉はストレス以外の何ものでもありません。
あくまでも、「困ったこと・助けてほしい時は誰かにお願いする」ことを前提に、自ら考え、行動できる子になるように、お母さん方も普段かける言葉や行動を意識してみましょう。
3回にわたり、入学前までに身につけておくべきこと・やってはいけないことをお伝えしてきました。
小学校入学と聞くと、何か特別なものを準備しなければと、焦る気持ちが漠然とあるかと思いますが、じつは日常生活を見直し、少し視点を変えて、意識して行動すればよいのです。
いよいよ来月は小学一年生。胸を張って入学式をお迎えください!
取材・文/長谷部美佐
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