2016年9月22日 14:00
もし娘が自閉症じゃなかったら…そう考え続けたあの頃にみた夢
翼をつけた娘が「ばいばい」
それだけを言い残して空の彼方に消えていく夢でした。
私はすぐに気づきました。
私の憧れていた、自閉症じゃない娘がさよならを伝えにきたことに…。
あのおしゃべりな娘は、あれから1度も夢に出てきていません。
ゆっくりな成長も、独特のこだわりも、今そのままの娘が愛おしい
もしも娘が自閉症じゃなければ、子育てにこんなに強い不安や心配を感じることはなかったかもしれません。
でもそんな娘がいなければ、障害のある子どもを育てる親にとって、1つ1つのささやかな子どもの成長が言葉だけで表わせないくらいに嬉しいということを、私は知ることができなかったと思います。
今は自閉症の娘が大好きです。
最近の研究で、自閉症を発症するメカニズムの一端が解明されたという記事を目にしました。
その記事を見て私は思いました。
もしいつかの未来に、自閉症を100%治療できる薬が開発されたとしても、今の私はそれを使うのをためらってしまうかもしれません。
娘は自閉症で。
自閉症だから娘で。
自閉症じゃなくなった娘は、娘じゃないような気がしてなんだか寂しいのです。
「”家族のために働かない”選択肢に気づいた」慶應医学部中退・元エリート女子が“経済的弱者”を選ぶ先に見えたものとは?