子育て情報『アプリ開発に挑む女子高生「発達障害は重荷だったけど…今はご褒美の人生」2度の不登校、ビジコン壇上でカミングアウトーー母との二人三脚の日々【連載 #見えない障害と生きる】』

2020年10月4日 08:00

アプリ開発に挑む女子高生「発達障害は重荷だったけど…今はご褒美の人生」2度の不登校、ビジコン壇上でカミングアウトーー母との二人三脚の日々【連載 #見えない障害と生きる】

それをふと高校1年の終わりに思い出した。

「高校は楽しいんですけど、起業したい思いは抜けてませんでした。じゃあ何で起業するんだろう?って思って。そこで、海外研修はそれぞれテーマを設定してたんですけど、全部それを『特別支援教育』でやってたから、自分はなんとなくその辺に興味があるんだなって思って。それで『あっ、発達障害が自分にあるから、多分そこ(学校教育)が気に入らないんだろうな』みたいな」(陽加里さん)

コミュニケーションがうまく取れない。感覚過敏があり、チャイムの音や朝日の眩しさが苦しい。数えきれないほどの我慢をしながら、陽加里さんは学校に通っていた。「しんどかった自分が行ける学校ってどんな学校だろう」「行きたいって思える学校ってどんな学校だろう」と考えた。
そして“発達障害の悩みを抱える生徒らを支援するアプリ開発”というビジネスプランを携え、高校生ビジネスプラン・グランプリ(主催:日本政策金融公庫)に出場。悩んだ末に勇気を振り絞り、これまで隠してきた自身の発達障害を壇上でカミングアウトした。

「自分に発達障害があって、それが自分の中できっかけになったっていうことを言おうか言うまいか、めっちゃ悩みました。でも、私が喋りたいことを喋ろうって思って。このアプリに対しての想いはこういうところからあって……っていう筋がちゃんと通った話をしたいと思いました」(陽加里さん)

アプリ開発に挑む女子高生「発達障害は重荷だったけど…今はご褒美の人生」2度の不登校、ビジコン壇上でカミングアウトーー母との二人三脚の日々【連載 #見えない障害と生きる】の画像

Upload By 桑山 知之


自分自身を差別していたあの頃…いまは「ご褒美の人生」

陽加里さんはビジネスコンテストの壇上でカミングアウトする前、友達数人には直接伝えていたという。「陽加里は陽加里だから」。そのときの友人らの言葉に涙が止まらなかった。

「初めてお母さんから発達障害について説明されたとき、『あっ、違うんだ』って悲しかったんです。
自分で自分を差別してたっていうか、自分のことを発達障害って重荷に感じてて。友達に言うときも、発達障害って言葉をこの子の前で口にしたらどうなるのかな……とかすごく思いました。でも、一番気にしてたのは自分でした」(陽加里さん)

コンテストの結果は審査員特別賞だった。地元紙でも大きく報じられた。陽加里さんの障害を知ったクラスメイトも、泣きながら抱きしめてくれたという。

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現在、学校生活における発達障害児の生きづらさをなくすアプリ「Focus on」

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