子育て情報『マニュアル通りの指導ではコピーを生むだけ。見る者を魅了するサッカーを貫く静岡学園の井田勝通総監督が若い指導者に伝えたいこと』

2020年6月3日 10:49

マニュアル通りの指導ではコピーを生むだけ。見る者を魅了するサッカーを貫く静岡学園の井田勝通総監督が若い指導者に伝えたいこと

サッカー選手もそうで、特にJリーグの下部組織にそういう子どもが多いと感じる。型にはまっていた方が楽だし、安心なのも分かるけど、それじゃあ本当に見る者を魅了するようなプレーはできないんだ。

俺自身は破天荒なタイプだから、何度も協会から怒られた。『なぜドイツ流のスタイルでやらないんだ。日本人はもともと技術的に劣るからそのサッカーが一番合っているのに』と言われたこともある。でも異端児の自分はその考えに賛同できなかった。『絶対に人のコピーはしない』とむしろ燃えてきたよ(笑)。自分らしいサッカーを追求するためにはどうすればいいかとつねに考え、毎年のようにブラジルに足を運んだ。
そうやって行動を起こさなければ、いつまでもコピーからは抜け出せない。今の時代は情報が多い分、オリジナリティを前面に出すのは難しいと思うけど、『新しいものを生み出すんだ』という情熱を持ってやってほしいよ」

燃えたぎる情熱が信頼できる教え子たちに引き継がれ、静学は約50年がかりで1つのスタイルを確立するに至りました。確固たる信念がなければ、成功もありえないということを、井田前監督は改めて私たちに教えてくれたのです。

(後編に続く)

マニュアル通りの指導ではコピーを生むだけ。見る者を魅了するサッカーを貫く静岡学園の井田勝通総監督が若い指導者に伝えたいこと


井田勝通(いだ・まさみち)
サッカー指導者、静岡学園高校サッカー部総監督
1942年3月、満州・奉天(現瀋陽)生まれ。静岡高校、慶応大学を経て、静岡銀行に入行。サッカー指導は慶応大学時代からスタートし、72年12月に静岡学園高校のプロコーチとなる。ブラジルスタイルの個人技時主体のサッカーを追求し、77年正月の第55回高校サッカー選手権で準優勝。96年正月の第74回選手権で鹿児島実業と両校優勝。
2020年の第98回選手権で24年ぶりの優勝を果たした。
2009年に監督勇退後、総監督として現在も公式戦のベンチに入っている。

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