高良健吾&吉高由里子、映画撮影中に80年代ファッションで登場
現在撮影中の映画『横道世之介』(2013年公開)の撮影報告会見が5月6日(日)、撮影現場の長柄源山荘(千葉県長生郡長柄町)で行われた。
現場では微妙なタイミングや間合い、セリフの良い回しを沖田監督が丁寧に2人に伝えてシーンを作り上げているが、カメラ越しに満面の笑みで演技を見つめる監督の姿から、監督自身が現場の誰よりも楽しんでいる様子が伝わってくる。
●高良健吾コメント
『横道世之介』の現場は、休みが続くと不安になるくらい早く行きたくなります。吉高さんはどんな演技でも全て返してくれて、そこが予定調和の芝居にならなくて楽しいです。沖田監督は全てのシーンにこだわりを持っていて、「何かが違うからもう1回やらせてください」と声がかかります。でも、監督が言うように何かが違う感じがするんですよ。なので僕は、シンプルに毎回新しい気持ちでやっています。
僕が生まれた1987年の設定ですが、世之介はきっとどの時代でも変わらない人物なんだろうなと思います。
小道具で昔のジャンプ(コミック誌の)があったりすると面白いなと思いますし、携帯電話がない時なので、家に電話して出なかったら、家で待っているとか、その時代ならではの待ち合わせの仕方なんだなとは思います。
●吉高由里子
毎回現場で、モチベーションが高く前向きな高良くんに会うのが楽しみです。なんでも受け入れてくれて精神的によりかかっています。『南極料理人』を観て、沖田監督は良い雰囲気を持った監督さんだと思っていたし、大恋愛ではないけれど、春先に、指先が触れ合うような、何かが始まるような作品は、これまでやったことがなかったので、撮影に入るのが楽しみでした。
撮影に向けて、普段から自分のことを「わたくし」というように心掛けました。普段使わない話し方なので、「用意、スタート」の声がかかると、誰かに背中を掴まれているように緊張しました。
祥子の言葉遣いは普段私が使っていないお嬢様言葉ですし、周りにお嬢様の友達もいないので、なかなか慣れないですね。
NGは私が一番多いかもしれません。
1回言い間違い地獄にはまると、抜け出せないんじゃないか、という気持ちになります。
監督は、どんなに狭い現場でも役者やスタッフ、撮影の全てを把握されている方なので、とても信頼しています。祥子は生まれた環境が特別だけど、プライドが高いわけでは無いし、だからこそ世之介とも遊べるのだと思います。80年代はあまり触れてきたわけではないですが、どこか懐かしい感じがします。
一生懸命生きる人々を優しく見つめ、独特のユーモアを生み出す絶妙な演出に定評のある沖田修一監督が、劇団「五反田団」主宰、『生きてるものはいないのか』(石井岳龍監督)の劇作家・小説家の前田司郎と共に脚本を手掛け、1980年代後半に青春時代を送った若者たちの日常と彼らのその後を温かく描く期待の新作映画。是非ご注目を。
作品情報『横道世之介』
原作:吉田修一
監督:沖田修一
出演:高良健吾 吉高由里子 池松壮亮 伊藤 歩 綾野 剛 他
配給:ショウゲート