2015年5月31日 15:00
浮気テーマの『うきわ』 最終巻は涙なくしては読めない…
1、2巻めのカバー絵では憂いのある表情のマイコ。最終巻で見せた笑顔の意味とは。うきわ/うわきという言葉遊びに端を発した物語にはドーナツ、結婚指輪、荷造りテープなど丸モチーフが効果的に登場。小学館550円。
野村宗弘さんの『うきわ』はセリフも切り詰められ、それぞれに抱く思いも先々の展開もマイコや二葉の表情だけに託されているような静かなマンガだ。感涙必至の大人の恋愛コミック『うきわ』について作者の野村宗弘さんに話を聞いた。
「艶っぽい物語を描いてほしいと言われ、じゃあ互いになかなか踏み込めない方がしっとりしたムードが出るだろうと思ったんです」
夫の浮気疑惑を問いただせずにいた、パートで働く主婦マイコ。あるとき、夫の上司でかすかな好意を寄せていた二葉さんに相談してしまう。実は二葉さんも妻の浮気にひっそりと心を痛めていたことがわかり…。社宅のお隣さん同士でもある、マイコと二葉さん。<非常の際はここを破って隣家へ避難できます>と書かれたベランダの壁をはさんで、ふたりのそれを越えたい激情と、越えまいとする理性とがせめぎ合う。その切なさたるや!
「描きながら、『いっとけや、そこは!』って思ったことが何度もありました(笑)。