2017年7月13日 21:15
31歳、このまま寂しい人生はイヤ|12星座連載小説#118~獅子座10話~
「そう、原因。私の見立てだと……」
『うん』
つい身を乗り出して、聞いてしまう。
「“甘えられない”ところにあるんじゃないかな」
―――ッ!
確かに……。
幼い頃から男勝りで、ケンカでも負けたことがない。
バカにされるのが嫌いで、いつも突っ張って生きてきた。
身長もどんどん高くなってきて、いつの間にか、男子たちからも怖がられるようになってた。
まぁ、女子には異常に好かれていたけどさ。
その“癖”っていうか“スタイル”が、今も抜け切らないんだよなぁ。
あの時、木村さんに対してもう一歩踏み込むことができていたら、こんなにややこしいことには、ならなかっただろうな。「あのお母さん、あなたに木村さんを紹介するって言ってたわよね。もちろん、OKするんでしょ?」
『分かんないわよ、そんなの』
「もう、じれったいわね! いい? あなた、今回のチャンスを逃したら、本当にただの寂しい女社長になっちゃうわよ!?」
いつになく厳しい口調で、尾田ちゃんが詰め寄ってくる。普段なら反論するのだが、今回ばかりは何とも言えない。
『うん』
「なら、早く紹介されちゃいなさい!」
なんでここまで、私の恋愛に関心があるんだろう。