2018年7月28日 19:00
精神障害者の兄に人生を捧げた両親…その姿を見てきた妹の苦しみ #21
「好きって言うけど、本当は一瞬だけでしょ?」と勝手に不信感をもって斜めから見ていた気がします。女子大を卒業した後は、気づけば男性がどんどん苦手になっていました。電車やバス、ジムなどはなるべく「女性専用」を選んだり、休日も女友だちと過ごすことが多かったり。または、本当は嬉しいはずなのに、デートで男性に荷物をもってもらうことすら抵抗がありましたし、帰りも家まで送っていくと言われても、「大丈夫、ひとりで帰れるから」と突き放すこともあったのです。
私のプライベートを知る親しい人からは、「心音ちゃんって、もしかして男性嫌い?」と核心をついた質問をされることもありました。“嫌いではないけれど、避けてしまう” 自分でも分からないこの男性への接し方は、答えがあるなら教えてほしいと願うばかりでした。
心の奥に入ってきた、たった一人の男性
そんな男性への不信が強くなるアラサー手前のこと。出会ってすぐに、好意を示してくれた男性がいました。
「彼氏はいないの?」「このままずっと一緒にいたい」と。軽い気持ちで声をかけてくるだけの男性に違いないと思った私は、冷たくあしらって社交辞令ですませていました。この人も、きっとすぐにいなくなるだろう。