2018年8月4日 07:00
門脇麦「夢は諦めなければ叶う…わけじゃない」と悟った出来事
門脇:自分の実力のなさをきちんと認識できる大切な場所だと思っています。映像は、編集でいい部分を切り取ってくださるけれど、体ひとつで勝負する舞台は、下手は下手のまま提示されてしまう。怖い場所ではあるけれど、反省して次の日にダイレクトに活かせるので、筋力がつく気がします。
――周りから実力派女優という評価を受けていますけれど。
門脇:言っていただけるのはありがたいんですけれど、やっている作品がコアな感じのものが多いので、そう見えるんだと思うんです。この仕事を始める前に演技を勉強していたこともないし、そう言われるのは本当に…。去年、初めて舞台で古典の作品をやったんですけれど、日常とかけ離れたリアルな言葉じゃないセリフが、なかなか体の底に染み付かず、いくらしゃべってもツルツルと流れていってしまうような感覚がありました。本番が始まってもどうにもできず、結局、セリフが自分の中に落ちて、言葉の意味がちゃんとお客さんに伝わったと思えたのは公演半ば頃からでした。
――古典劇は確かに苦労されたかもしれませんが、門脇さんのお芝居を拝見していると、何気ない表情や動きのなかに、すごく繊細な心情を表現されているなと思います。