2018年12月19日 18:30
不倫、泥沼離婚…スキャンダラスな歌姫の真実『私は、マリア・カラス』
だからこそ、この映画は何百というあらゆる素材やフッテージ映像、写真などから作られていて、それぞれがパズルのピースみたいになっているんだ。
今回はそれらを集めて、ひとつの作品として作り上げる過程に力を入れたけど、全部を観終わったときに、複雑な女性であり、アーティストであったマリア・カラスがいったいどんな人物だったのかというのが、多面的にわかるような作りになっていると思うよ。
彼女の二重性を映画のなかでも追及している
―今回の構成で特にこだわったところはどんなところですか?
監督
この作品では、彼女自身がナレーターとなって紡いでいく物語に仕上げて、イメージが浮かびあがってくるようにしたんだ。
あとは、映画の冒頭にアメリカの人気番組で司会をしていたデビッド・フロストとの1970年に行われたインタビュー映像を使用しているんだけど、それがすべてを繋ぐ糸のようなもの。あとの映像はフラッシュバックのようにして入れて、またインタビューに戻るという形にしているんだ。
というのも、あのときの彼女は、マリアとしてより自分を出しているように感じられたからね。彼女は、「自分のなかにマリアとカラスの2人がいる」