2019年4月10日 20:20
15歳で天涯孤独…最新作『荒野にて』が描く人生の旅路の果てとは?
というのも、時間的にすべてを入れることはできないから、原作のスピリットを見つけて、テーマは何か、そしてあらすじのどの部分を取り入れるのか、原作に忠実でありつつも自分の解釈をどう入れるか、といったことを考えなければいけないからね。とにかく何が一番重要なのかということを見つけるのが大切だったよ。
人間とはみんな欠陥があり、過ちを犯すもの
―映画を撮るにあたって、監督が心にとめていたのは、原作の序文にある「確かに我々人間は弱く、病気にもかかり、醜く、堪え性のない生き物だ。だが、本当にそれだけの存在であるとしたら、我々は何千年も前にこの地上から消えていただろう」というアメリカの作家ジョン・スタインベックの言葉。そこから監督が得たものはどのようなことでしょうか?
監督まず、僕が原作に惹かれた理由は、登場人物を誰も非難していないところ。それどころか、できるだけ彼らの状況を理解しようとしているんだ。僕たち人間はみんな欠陥があり、誰もが過ちを犯すことがあるよね?特にお金がなかったり、人生が複雑な状況にあったりする場合、正しい選択をすることが難しくなるものなんだ。
そういったことが、このジョン・スタインベックの文章には表れていると感じたから、大事にしたいと思ったんだよ。