2019年12月11日 19:00
「映画に出演して当局に呼び出された」イラン人女優が明かす母国の現状
というよりも、「有名になりたい」ほうのタイプだと私は思っています。
デジタル化によって感じている危機とは?
―つまり、デジタル化が進んだことによって、「役者になりたい」ではなく、「有名になりたい」と思っている若者が増えているように感じているということですか?
ジャファリさんそうですね。なので、私は演技を教えている生徒には、「自分が映画のポスターに載ったりすることは、忘れてください」と必ず伝えています。こういったことは、いまの若者の性格なのか、それとも自信のなさからきているものなのか、私にもわかりませんが、彼らは自分の映像を見ることに満足し、自分自身を示す場所を探しているのかもしれません。
たとえば、「俳優としてもっとうまくなりたい」とか「もっと高いハードルを超えて俳優として世界に出ていきたい」という思いがあれば別ですが、「有名になるために俳優になりたい」と俳優を軽く見ている人がいるのなら、それは違うと思っています。
―村の人々が芸術を軽視するようなシーンは劇中でも見られましたが、映画には作品を通じて現状を訴えたり、変えたりする力があると思っています。ご自身が女優として伝えていきたいと考えていることは?
ジャファリさん私が女優である意味のひとつは、自国の文化を紹介すること。