堀さんは、どのテーマでも中立で、良い面/悪い面、賛成派/反対派の両方を教えてくださるのがすごくいいなと思います。社会の出来事って、批判的な意見ばかりが聞こえてきて、私はそういうところが好きじゃなかったんです。
堀:敵味方に分かれて撃ち合い、それに飽きたら、内輪で叩き合って何も成し遂げられないということは多々ありますね。本気で解決しようとすると、どちらの言い分もあるので簡単にはいきません。でも、僕は両方の意見を知りたいというのが、取材のモチベーションになっています。
時代の変化に柔軟に。楽しいをモットーに50年。
堀:『anan』は50周年だそうですが、時代ごとに若者もカルチャーも次々入れ替わるのに、先を読み変化し続けているところがすごいですね。
五月女:50年って相当な重みですよね。
堀:雑誌も年数を重ねると、作り手も一緒に年を取るので、意識していないと若い読者とのギャップに気づけなくなると思います。「社会のじかん」も、上から目線ではなく、僕の経験から知ることを参考までにシェアします、くらいのスタンスでいたいですね。
五月女:『anan』は「こうしなさい!」という、高圧的なところがない。