2020年4月11日 20:40
不安は乗り越えられる!…今こそ大切「未来を左右するおうち時間の過ごし方」#32
でも600人規模の合宿の中では、外部の刺激が閉ざされ、自分の内側に向かわざるを得なくなりました。食べるときは黙って食べることだけに集中する。山道では大地を踏みしめながらみんなで歩く瞑想をし、森の中でブラザー(僧侶)とシスター(尼僧)が奏でる「G線上のアリア」に耳を傾ける。輪になって今の自分の思いを話し合う。聞く人は心を込めて耳を傾け、それに対して意見や判断、助言はせず、ただ安全に話せる場所を作ることに集中する。そしてタイの法話をみんなで聞いて坐禅。
メールも電話も無し。無駄な私語も無し。
自分でも驚くほど、ずっと泣いていた5日間でした。このときに私は初めて、見たくない本音を受け止めました。それは他の人への怒りと、自分自身への怒りでした。マインドフルネスで見てこなかったことが浮き彫りになって、その暗闇から救ってくれたのはタイが教えてくれた空(くう)という考えでした。彼はその難解で堅苦しいイメージの仏教の考えを、私たちになじみやすく、詩的に美しく説明されました。
「美しい海があって、その水が雲になります。その雲が雨になって、木になります。木は紙になって、やがて本になり、詩や物語になります。