2020年10月22日 19:20
「ニコール・キッドマンだと誰も気がつかなかった」汚れ役に挑んだ理由
カリン・クサマ監督
『ガールファイト』などで評価され、その手腕に注目が集まっているアメリカ出身の⽇系⼥性監督のクサマ監督(写真・左)。本作では、アメリカ映画の伝統的ジャンルのひとつであるフィルム・ノワールに初挑戦しています。そこで、制作過程の苦労や主演を務めたオスカー⼥優ニコール・キッドマンの魅力などについて語っていただきました。
―脚本家たちの話し合いに途中参加された監督から、「主人公を女性にしたらどうか」という提案をされたそうですが、理由を教えてください。
監督今回は、警官を題材にした少し変わった構造の物語にしようというのが最初にありました。そのあと、みんなで話し合いをするうちに「主人公を女性にしたほうが、これまでにないより新鮮な作品になるんじゃないか」という結論にたどり着いたからです。
―本作はさまざまな映画からインスパイアを受けているようですが、そのなかでも特に影響を受けている作品はありますか?
監督70年代のアメリカのジャンル映画に影響を受けている部分が大きいですね。たとえば『コールガール』(71年)や『タクシードライバー』(76年)、『狼たちの午後』(75年)のように人物形成がしっかりしている映画だったり、『L.A.⼤捜査線/狼たちの街』(85年)