2021年3月24日 19:00
自閉症の息子と父親が命令無視で逃避行…金もあてもない旅で見つけた答え
まずは、たまたまこの作品以外にも、映画基金の助成金を受けている特別支援の作品が2本あったこと。それによって、僕たちの作品が待たなければいけないという状況にあったからです。
2つ目は、イスラエルの場合、国の助成金に頼った映画作りをしていることも大きく影響しています。なぜなら援助が受けられるのは、1年に8本だけにもかかわらず、その枠を狙って応募する脚本や企画は100本以上。非常にハードルが高いんです。しかも、審査を担当してる3名が満場一致でないと支援を受けることができないというのも大きいですね。そういったこともあり、いい脚本にするために、かなり時間をかけました。―なるほど。
背景には、イスラエル映画業界の厳しい事情もあるのですね。
監督そうなんですよ。審査に通るのは本当に難しいことなので、申請をする人たちはみんな「これが決まればバラ色の人生が始まるよ」なんて冗談を言い合っているくらいです(笑)。
―制作の前には自閉症の若者たちの施設を訪問したということですが、そのときの様子を教えてください。
監督今回は、事前にウリ役のノアムと一緒にいくつかの施設を訪れ、自閉症の方々と一緒に遊んだり、仕事をしたりして時間を過ごしました。