2021年6月18日 20:30
「LGBTを理解できない」も多様性の1つ… トランスジェンダー当事者が語るリアル
―最初に楓さんに会ったとき、監督はどのような印象を受けましたか?
監督まずは、フォトジェニックな存在だと思いました。彼女は外見的な美しさを持ち合わせているだけでなく、内面にあるものが表情や動きにそのまま出るタイプだったので、撮る人間からすると最高の被写体だなと。撮っていて楽しいと感じる人じゃなければ、もしかしたら1回目の撮影でやめていたかもしれませんね。
―撮影するなかで、忘れられない瞬間といえばどの場面ですか?
監督やっぱりお父さんとのシーンですね。あの場にいた全員が極限状態だったと思います。楓さんとお父さんだけでなく、もし僕にもカメラが向けられていたら僕もすごい表情になったいたんじゃないかなというくらい。でも、あのシーンを見れば僕らがどういうことを訴えたいのかというのは伝わると思っています。
当事者とその親御さんにも発信したいと感じた
―とはいえ、楓さんとしては葛藤もあったのではないでしょうか?
楓さん実は、私は両親が出ることに最初は大反対でした。
これまで両親とジェンダーについて話すことをずっと避けていたというのもありますし、そういう気まずいことをあえてカメラの前ですることが嫌だったからです。