2021年10月21日 19:30
「はみ出した部分も面白い」山田杏奈を主演に選んだ映画監督が明かす、彼女に惚れた理由
私にとっては本当に大切な小説だったこともあり、他人と語り合うことを避けていたので、わからなかったんです。
その後、男性のプロデューサーと話をしていくなかでもいろいろな気づきがあったので、それまで愛の感情に寄せていたものを少し俯瞰した目線から書くように軌道修正していきました。
―それによって、監督自身の作品に対する見方も変わっていったのでしょうか。
監督そうですね。あれだけ共感していた愛をイタいと感じることもありました。愛は勉強もできるし、かわいいし、友達もいて人気者なので、一見何が不満なのかわからない。でも、実は他者に人に自分を受け入れてもらうことを知らない女の子なんだと思います。描くうえでは、そういったところも前提にしました。
自分にしか映画にできないと思っていた
―監督自身はこの作品と出会ったことで、どういった影響を受けていると感じていますか?
監督若い頃は衝動的に自分を傷つけてしまいそうなところがありましたが、この作品によってそういう思いが抑制されていたので、私は救われていたんだろうなと。間違いなく、自分が生きてこられた理由のひとつだと感じています。
―その後、原作者の綿矢さんに直接手紙を書かれたそうですね。